JPH0776121A - 熱転写記録装置 - Google Patents

熱転写記録装置

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JPH0776121A
JPH0776121A JP17229193A JP17229193A JPH0776121A JP H0776121 A JPH0776121 A JP H0776121A JP 17229193 A JP17229193 A JP 17229193A JP 17229193 A JP17229193 A JP 17229193A JP H0776121 A JPH0776121 A JP H0776121A
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JP
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temperature
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energy
humidity
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JP17229193A
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Yuusuke Takeda
有介 武田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 補正精度を向上させて,印写濃度変化を十分
に小さくする。 【構成】 印加エネルギー補正部107は,サーマルヘ
ッド101の発熱抵抗体に印加する補正前印加エネルギ
ーE0 を入力すると,温度検知センサA102および温
度検知センサB103からの検知信号(検知温度)に基
づいて,補正を行い補正後印加エネルギーEを出力す
る。また,同時に検知温度から装置の異常を判断して,
異常と判断された場合には操作表示部105を介して警
告メッセージを表示し,サーマルヘッド101の駆動を
強制的に中止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,熱転写記録方式を用い
たプリンタ,複写機,ファクシミリ装置等に使用される
熱転写記録装置に関し,より詳細には,印写濃度の安定
化を図った熱転写記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に,複数の発熱抵抗体を有するサ
ーマルヘッドを用いた熱転写記録装置が広く用いられて
いる。このような熱転写記録装置においては,熱を記録
のためのエネルギーとして使用しているため,周囲の温
度に対して印写画像の濃度が変化するという不都合があ
る。
【0003】このため,これを解決するものとして,例
えば,特開昭60−127171号公報の「感熱記録方
式」や,特開昭60−162668号公報の「サーマル
ヘッド駆動装置」に示される装置が提案されている。
【0004】特開昭60−127171号公報の「感熱
記録方式」は,ライン型サーマルヘッドを複数のブロッ
クに分割し,各ブロック毎にサーマルヘッドの基板温度
を検出する基板温度検出手段を設け,その情報に応じ
て,各ブロックに印加する印加エネルギーを制御するこ
とにより,サーマルヘッドの長手方向(1ラインの場
所)における温度差を補正して濃度を均一に制御するよ
うにしたものである。
【0005】また,特開昭60−162668号公報の
「サーマルヘッド駆動装置」は,サーマルヘッドの基板
あるいはその周囲の温度を検出する温度検出素子を有
し,その検出した温度情報に従って,サーマルヘッドに
印加するパルスの時間(すなわち,印加エネルギー)を
制御することにより,印写画像の濃度を均一に保つよう
にしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の技術によれば,サーマルヘッド基板上あるいはその
周囲の温度に基づいて,印加エネルギーを制御(補正)
しているものの,印写画像の濃度がサーマルヘッド基板
上あるいはその周囲の温度のみでなく,印写媒体および
被印写媒体等の温度によっても影響を受けるため,補正
精度に限界があり,印写濃度変化を必ずしも十分に小さ
くすることができないという問題点があった。
【0007】例えば,サーマルヘッド基板の温度が45
℃であっても,印写媒体および被印写媒体が30℃の場
合と10℃の場合とでは,30℃の方が濃度が高くな
り,濃度差が発生する。
【0008】図9は,溶融あるいは昇華型の熱転写記録
装置における,機器内の平均温度(環境温度+機内の温
度上昇分)Teと,サーマルヘッド基板あるいはその周
囲の温度Tnと,TeおよびTnが変化したときに印写
画像上で等しい濃度を得るためにサーマルヘッドに印加
する印加エネルギーEとの関係を示す説明図である。図
において,印加エネルギーEの等エネルギー線(例え
ば,E=E0 )が右下りの45度の角度を持つ線になる
のであれば,この濃度変化を補正するためには,Tnあ
るいはTeの何れか一点の温度情報があれば良い。しか
し,実際には図に示すような直線(傾きが右下りの45
度ではない直線)となるため,TnあるいはTeの何れ
か一点の温度情報からの補正では充分な精度を得ること
ができないのは明らかである。
【0009】また,印写画像の濃度は,温度のみでなく
周囲の湿度の影響も受けるため,温度のみによる印加エ
ネルギーの補正では,湿度変化の大きな環境において,
濃度差が顕著になるという問題点があった。例えば,湿
度が高い方がサーマルヘッドと印写媒体との間の熱伝導
性が悪くなり,その結果,印写濃度が低下する。
【0010】さらに,印写媒体と被印写媒体とを異なる
速度で移動させる,いわゆるマルチ印写においては,湿
度がある程度高くなると,印写媒体と被印写媒体とがそ
の接触面で融着するスティッキングと呼ばれる現象が発
生し,画像不良あるいは印写媒体の切断が発生するとい
う問題点があった。
【0011】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て,補正精度を向上させて,印写濃度変化を十分に小さ
くすることを第1の目的とする。
【0012】また,本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって,環境温度および環境湿度に影響されることな
く,常に一定の濃度で印写できることを第2の目的とす
る。
【0013】また,本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって,マルチ印写におけるスティッキングの発生を
防止し,画像不良あるいは印写媒体の切断等を防止する
ことを第3の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1の目的
を達成するために,複数の発熱抵抗体を一列に配置して
サーマルヘッドを形成し,印写媒体および被印写媒体を
移動させながら,印写データに基づいて選択されたエネ
ルギーを発熱抵抗体に印加して発熱させ,その発熱によ
り印写媒体の一部を溶融あるいは昇華させて,被印写媒
体の表面に転写する熱転写記録装置において,サーマル
ヘッドの畜熱温度を検知する第1の温度検知手段と,印
写媒体あるいは被印写媒体が置かれている部分の環境温
度を検知する少なくとも一つの第2の温度検知手段と,
第1の温度検知手段および第2の温度検知手段によって
検知した複数の検知温度に基づいて,発熱抵抗体に印加
するエネルギーを補正する印加エネルギー補正手段とを
備えた熱転写記録装置を提供するものである。
【0015】また,前述した構成に加えて,前記第1の
温度検知手段および第2の温度検知手段によって検知し
た複数の検知温度とあらかじめ第1の温度検知手段およ
び第2の温度検知手段に対応して定められたそれぞれの
上限温度とを比較し,上限温度より高い検知温度があっ
た場合,装置の異常と判断して警告する警告手段あるい
は/および装置の異常と判断してサーマルヘッドに対す
るエネルギーの印加を強制的に中断する中断手段とを備
えた熱転写記録装置を提供するものである。
【0016】また,前述した構成に加えて,前記第1の
温度検知手段および第2の温度検知手段によって検知し
た複数の検知温度とあらかじめ第1の温度検知手段およ
び第2の温度検知手段に対応して定められたそれぞれの
下限温度とを比較し,下限温度より低い検知温度があっ
た場合,装置の異常と判断して警告する警告手段あるい
は/および装置の異常と判断してサーマルヘッドに対す
るエネルギーの印加を強制的に中断する中断手段とを備
えた熱転写記録装置を提供するものである。
【0017】また,前記第2の温度検知手段は,印写媒
体が置かれている部分の環境温度を検知し,印加エネル
ギー補正手段は,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネル
ギーを印加する際の基準温度をT0 ,基準温度T0 に基
づいて決定された補正前印加エネルギーをE0 ,第1の
温度検知手段によって検知された検知温度をT1 ,第2
の温度検知手段によって検知された検知温度をT2 とし
たとき,発熱抵抗体に印加する補正後印加エネルギーE
を, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n (ただし,α,βは定数,nは自然数) で決定するものである。
【0018】また,前記第2の温度検知手段が検知する
印写媒体が置かれている部分とは非印写部であり,か
つ,定数αおよびβはα<βとなる関係である。
【0019】また,本発明は上記第1の目的を達成する
ために,複数の発熱抵抗体を一列に配置してサーマルヘ
ッドを形成し,印写媒体および被印写媒体を移動させな
がら,印写データに基づいて選択されたエネルギーを発
熱抵抗体に印加して発熱させ,その発熱により印写媒体
の一部を溶融あるいは昇華させて,被印写媒体の表面に
転写する熱転写記録装置において,サーマルヘッドの畜
熱温度を検知する第1の温度検知手段と,印写媒体が置
かれている部分の環境温度を検知する第2の温度検知手
段と,被印写媒体が置かれている部分の環境温度を検知
する第3の温度検知手段と,第1の温度検知手段,第2
の温度検知手段および第3の温度検知手段によって検知
した3つの検知温度に基づいて,発熱抵抗体に印加する
エネルギーを補正する印加エネルギー補正手段とを備え
た熱転写記録装置を提供するものである。
【0020】なお,前記印加エネルギー補正手段は,サ
ーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギーを印加する際の
基準温度をT0 ,基準温度T0 に基づいて決定された補
正前印加エネルギーをE0 ,第1の温度検知手段によっ
て検知された検知温度をT1,第2の温度検知手段によ
って検知された検知温度をT2 ,第3の温度検知手段に
よって検知された検知温度をT3 としたとき,発熱抵抗
体に印加する補正後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n
γ(T3 −T0 n (ただし,α,β,γは定数,nは自然数) で決定するものである。
【0021】また,前記第2の温度検知手段が検知する
印写媒体が置かれている部分とは非印写部であり,第3
の温度検知手段が検知する被印写媒体が置かれている部
分とは非印写部であり,かつ,定数α,βおよびγはα
<γ<βとなる関係である。
【0022】また,本発明は上記第2の目的を達成する
ために,複数の発熱抵抗体を一列に配置してサーマルヘ
ッドを形成し,印写媒体および被印写媒体を移動させな
がら,印写データに基づいて選択されたエネルギーを発
熱抵抗体に印加して発熱させ,その発熱により印写媒体
の一部を溶融あるいは昇華させて,被印写媒体の表面に
転写する熱転写記録装置において,装置内部の温度を検
知する少なくとも一つの温度検知手段と,装置内部の湿
度を検知する少なくとも一つの湿度検知手段と,温度検
知手段および湿度検知手段によって検知した検知温度お
よび検知湿度に基づいて,発熱抵抗体に印加するエネル
ギーを補正する印加エネルギー補正手段とを備えた熱転
写記録装置を提供するものである。
【0023】なお,前記温度検知手段の少なくとも一つ
は,サーマルヘッドの畜熱温度を検知し,湿度検知手段
の少なくとも一つは,被印写媒体が置かれている部分の
環境温度を検知するものである。
【0024】また,前記印加エネルギー補正手段は,サ
ーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギーを印加する際の
基準温度をT0 ,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネル
ギーを印加する際の基準湿度をH0 ,基準温度T0 およ
び基準湿度をH0 に基づいて決定された補正前印加エネ
ルギーをE0 ,温度検知手段によって検知された検知温
度をT1 ,湿度検知手段によって検知された検知湿度を
1 としたとき,発熱抵抗体に印加する補正後印加エネ
ルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(H1 −H0 m (ただし,α,βは定数,n,mは自然数) で決定するものである。
【0025】また,本発明は上記第3の目的を達成する
ために,前記検知温度および検知湿度があらかじめ定め
られた上限温度および下限温度あるいは上限湿度および
下限湿度の何れかから外れている場合,装置の異常と判
断して警告する警告手段あるいは/および装置の異常と
判断してサーマルヘッドに対するエネルギーの印加を強
制的に中断する中断手段とを備えた熱転写記録装置を提
供するものである。
【0026】また,本発明は上記第3の目的を達成する
ために,前記検知温度および検知湿度の関係があらかじ
め定められた関係から外れている場合,装置の異常と判
断して警告する警告手段あるいは/および装置の異常と
判断してサーマルヘッドに対するエネルギーの印加を強
制的に中断する中断手段とを備えた熱転写記録装置を提
供するものである。
【0027】
【作用】本発明の熱転写記録装置(請求項1)は,サー
マルヘッドの畜熱温度および印写媒体あるいは被印写媒
体が置かれている部分の環境温度を検知し,複数の検知
温度に基づいて,発熱抵抗体に印加するエネルギーを補
正することにより,印加エネルギーを適正に補正する。
【0028】また,本発明の熱転写記録装置(請求項
2)は,それぞれの検知温度をあらかじめ定めたそれぞ
れの上限温度と比較し,上限温度より高い検知温度があ
った場合,装置の異常と判断して警告するか,あるいは
サーマルヘッドに対するエネルギーの印加を強制的に中
断することにより,濃度制御に対する信頼性を向上させ
る。
【0029】また,本発明の熱転写記録装置(請求項
3)は,それぞれの検知温度をあらかじめ定めたそれぞ
れの下限温度と比較し,下限温度より低い検知温度があ
った場合,装置の異常と判断して警告するか,あるいは
サーマルヘッドに対するエネルギーの印加を強制的に中
断することにより,濃度制御に対する信頼性を向上させ
る。
【0030】また,本発明の熱転写記録装置(請求項4
および5)は,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギ
ーを印加する際の基準温度をT0 ,基準温度T0 に基づ
いて決定された補正前印加エネルギーをE0 ,サーマル
ヘッドの検知温度をT1 ,印写媒体が置かれている部分
の検知温度をT2 としたとき,発熱抵抗体に印加する補
正後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n (ただし,α,βは定数,nは自然数) で決定することにより,各検知温度毎に異なる補正率
(定数α,β)を用いて印加エネルギーを適正に補正す
る。なお,このときの印写媒体が置かれている部分とは
非印写部であり,かつ,定数αおよびβはα<βとす
る。
【0031】また,本発明の熱転写記録装置(請求項
6)は,サーマルヘッドの畜熱温度,印写媒体が置かれ
ている部分の環境温度および被印写媒体が置かれている
部分の環境温度を検知し,検知した3つの検知温度に基
づいて,発熱抵抗体に印加するエネルギーを補正するこ
とにより,印加エネルギーを適正に補正する。
【0032】また,本発明の熱転写記録装置(請求項7
および8)は,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギ
ーを印加する際の基準温度をT0 ,基準温度T0 に基づ
いて決定された補正前印加エネルギーをE0 ,サーマル
ヘッドの検知温度をT1 ,印写媒体が置かれている部分
の検知温度をT2 ,被印写媒体が置かれている部分の検
知温度をT3 としたとき,発熱抵抗体に印加する補正後
印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n
γ(T3 −T0 n (ただし,α,β,γは定数,nは自然数) で決定することにより,各検知温度毎に異なる補正率
(定数α,β,γ)を用いて印加エネルギーを適正に補
正する。なお,このときの印写媒体が置かれている部分
とは非印写部であり,被印写媒体が置かれている部分と
は非印写部であり,かつ,定数α,βおよびγはα<γ
<βとする。
【0033】また,本発明の熱転写記録装置(請求項
9)は,装置内部の温度および装置内部の湿度を検知
し,検知温度および検知湿度に基づいて,発熱抵抗体に
印加するエネルギーを補正することにより,温度および
湿度の変化に対応した補正を行う。
【0034】また,本発明の熱転写記録装置(請求項1
0)は,装置内部の温度としてサーマルヘッドの畜熱温
度を検知し,装置内部の湿度として被印写媒体が置かれ
ている部分の環境温度を検知することにより,補正精度
を向上させる。
【0035】また,本発明の熱転写記録装置(請求項1
1)は,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギーを印
加する際の基準温度をT0 ,サーマルヘッドの発熱抵抗
体にエネルギーを印加する際の基準湿度をH0 ,基準温
度T0 および基準湿度をH0に基づいて決定された補正
前印加エネルギーをE0 ,検知温度をT1 ,検知湿度を
1 としたとき,発熱抵抗体に印加する補正後印加エネ
ルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(H1 −H0 m (ただし,α,βは定数,n,mは自然数) で決定することにより,検知温度および検知湿度に対し
てそれぞれ異なる補正率(定数α,β)を用いて印加エ
ネルギーを適正に補正する。
【0036】また,本発明の熱転写記録装置(請求項1
2)は,検知温度および検知湿度があらかじめ定められ
た上限温度および下限温度あるいは上限湿度および下限
湿度の何れかから外れている場合,装置の異常と判断し
て警告するか,あるいは/および装置の異常と判断して
サーマルヘッドに対するエネルギーの印加を強制的に中
断することにより,濃度制御に対する信頼性を向上させ
る。
【0037】また,本発明の熱転写記録装置(請求項1
3)は,検知温度および検知湿度の関係があらかじめ定
められた関係から外れている場合,装置の異常と判断し
て警告するか,あるいは/および装置の異常と判断して
サーマルヘッドに対するエネルギーの印加を強制的に中
断することにより,濃度制御に対する信頼性を向上させ
る。
【0038】
【実施例】以下,本発明の熱転写記録装置について,
〔実施例1〕,〔実施例2〕,〔実施例3〕の順に図面
を参照して詳細に説明する。
【0039】〔実施例1〕図1は,実施例1の熱転写記
録装置の制御ブロック図を示し,複数の発熱抵抗体を一
列に配置して成るサーマルヘッド101と,サーマルヘ
ッド101の畜熱温度を検知する温度検知センサA10
2と,後述するインクシート201(印写媒体)が置か
れている部分の環境温度を検知する温度検知センサB1
03と,温度検知センサA102および温度検知センサ
B103の検知温度(アナログ信号)をデジタル信号に
変換するA/Dコンバータ104と,装置異常を通知す
るための表示手段を有した操作表示部105と,サーマ
ルヘッド101上の各発熱抵抗体を駆動するドライバー
106と,サーマルヘッド101上の各発熱抵抗体に印
加する補正前印加エネルギーE0 を入力し,温度検知セ
ンサA102および温度検知センサB103の検知温度
に基づいて補正し,補正後印加エネルギーEを出力する
印加エネルギー補正部107とを備えている。なお,補
正前印加エネルギーE0 は,あらかじめ定められた基準
温度T0 で印写することを前提として,印写データ(画
像データ)に基づいて,印加エネルギー生成部(図示せ
ず)で生成され,印加エネルギー補正部107に送られ
てくるものとする。
【0040】図2は,実施例1の熱転写記録装置の一部
構成を示す。図において,201は印写媒体であるイン
クシート,202は被印写媒体である記録紙,203は
インクシート201の供給ローラ,204はインクシー
ト201の巻取りローラ,205は記録紙202の給紙
カセット,206はインクシート201および記録紙2
02をサーマルヘッド101に当接させるためのプラテ
ンローラを示す。
【0041】また,図示の如く,温度検知センサA10
2はサーマルヘッド101の畜熱温度を検知するために
図中のA点に配置されており,温度検知センサB103
はインクシート201の近傍の環境温度を検知するため
に図中のB点に配置されている。
【0042】図3は,図2におけるA点の温度TA とB
点の温度TB の関係を示し,TA1がA点の温度の上限
値,TA0がA点の温度の下限値,TB1がB点の温度の上
限値,TB0がB点の温度の下限値である。このサーマル
ヘッド101の畜熱温度の上限値TA1は,主としてサー
マルヘッド101上に設けられるヘッド駆動用ICの保
証温度により決定され,具体的には約60〜70℃であ
る。また,サーマルヘッド101の畜熱温度の下限値T
A0は,良好な印写を行うために必要な温度に設定されて
いる。
【0043】一方,熱転写記録装置内において,装置内
の温度を上昇させる熱源となるのはサーマルヘッド10
1であるので,装置が正常な状態では,B点の温度TB
がA点の温度TA を越えることはない。また,通常,熱
転写記録装置では,連続した枚数の印写を行うとサーマ
ルヘッド101の畜熱によってサーマルヘッド101全
体の温度が上昇する。これを防止するためにサーマルヘ
ッド101にはフィン等の冷却手段を設けられている
が,それでも周囲の温度よりサーマルヘッド101の温
度が若干高くなる。この温度差をΔTとすると,サーマ
ルヘッド101の畜熱温度の上限値TA1からB点の温度
B が取りうる上限値TB1は,TB1=TA1−ΔTで決定
される。また,B点の温度の下限値TB0は,TB0=TA0
となる。
【0044】従って,図3のハッチングされた領域が,
熱転写記録装置の使用可能領域となる。換言すれば,A
点の温度TA あるいはB点の温度TB がハッチング領域
外にある場合には,装置に何らかの異常が発生したと判
断することができる。
【0045】以上の構成において,その動作を説明す
る。印加エネルギー補正部107は,サーマルヘッド1
01の発熱抵抗体に印加する補正前印加エネルギーE0
を入力すると,温度検知センサA102および温度検知
センサB103からの検知信号(検知温度)に基づい
て,補正を行い補正後印加エネルギーEを出力する。ま
た,同時に検知温度から装置の異常を判断して,異常と
判断された場合には操作表示部105を介して警告メッ
セージを表示し,サーマルヘッド101の駆動を強制的
に中止させる。
【0046】実施例1では,印加エネルギー補正部10
7による補正処理を画像の印写を行う度に実行するもの
とするが,例えば,印写直後に検知温度を入力して,補
正後の印加エネルギーを求めて補正テーブルを作成し,
印写時には,補正テーブルを参照して補正前印加エネル
ギーを補正後印加エネルギーに置き換える方法でも良
い。また,装置の電源投入時および電源投入後一定時間
毎に補正テーブルを更新する方法でも良い。
【0047】印加エネルギー補正部107における装置
の異常判断は,温度検知センサA102および温度検知
センサB103から入力した2つの検知温度(A点の温
度TA およびB点の温度TB )が,前述した図3のハッ
チングされた熱転写記録装置の使用可能領域内に含まれ
るか否かによって判断され,ハッチング領域外にある場
合には,装置に何らかの異常が発生したと判断する。
【0048】また,補正後印加エネルギーEは,補正前
印加エネルギーE0 を決定した際に使用した温度を基準
温度T0 ,温度検知センサA102で検知した検知温度
A,温度検知センサB103で検知した検知温度をT
B から式(1)によって求められる。 E=E0 +α(TA −T0 n +β(TB −T0 n ‥‥‥(1) (ただし,α,βは定数,nは自然数)
【0049】ここで,定数αはサーマルヘッド101の
畜熱温度である検知温度TA に対する印加エネルギーの
変化率(寄与率)を示し,定数βはインクシート201
の近傍の検知温度TB に対する印加エネルギーの変化率
を示す。一般に,インクシート201の表面温度の変化
(すなわち,検知温度TB )が画像濃度に与える寄与が
大きいため,定数αと定数βの関係はα<βとなる。ま
た,nの値は通常「1」で良いが「2」,「3」‥‥と
増やすことにより,さらに補正精度を良くすることがで
きる。
【0050】次に,図4のフローチャートを参照して,
印加エネルギー補正部107の制御動作をさらに具体的
に説明する。装置の電源が投入されて画像の印写指令が
入力されると,印加エネルギー補正部107は,A/D
コンバータ104を介して温度検知センサA102およ
び温度検知センサB103から検知温度TA ,TB を入
力し,TA <TB を判定する(S401)。ここで,T
A <TB ならば,図3の使用可能領域外であるので装置
の異常と判断し,操作表示部105の表示手段に装置異
常の警告メッセージを表示し,サーマルヘッド101の
駆動を強制的に中止し(S407),処理を終了する。
【0051】一方,TA <TB でなければ,検知温度T
B と,B点の温度の下限値TB0およびB点の温度の上限
値TB1とを比較し(S402),TB0>TB またはTB1
<TB ならば,ステップS407へ進み,警告メッセー
ジの表示およびヘッドの駆動中止を行う。
【0052】TB0>TB またはTB1<TB でなければ,
検知温度TA と,A点の温度の下限値TA0およびA点の
温度の上限値TA1とを比較し(S403),TA0>TA
またはTA1<TA ならば,ステップS407へ進み,警
告メッセージの表示およびヘッドの駆動中止を行う。
【0053】TA0>TA またはTA1<TA でなければ,
B +ΔT<TA である否かを判定し(S404),T
B +ΔT<TA ならば,ステップS407へ進み,警告
メッセージの表示およびヘッドの駆動中止を行う。
【0054】一方,TB +ΔT<TA でなければ,A点
の温度TA およびB点の温度TB が熱転写記録装置の使
用可能領域に存在するので,装置が正常動作可能である
と判定し,前述した式(1)に基づいて,補正後印加エ
ネルギーEを算出し(S405),算出した補正後印加
エネルギーEをドライバ106へ出力し,サーマルヘッ
ド101を駆動する(S406)。
【0055】従って,実施例1では,印加エネルギー補
正部107において,装置の異常判断および補正処理を
行うことにより,図3の使用可能領域において補正精度
を向上させて,印写濃度変化を十分に小さくすることが
できる。
【0056】また,装置の異常判断によって,検知温度
A あるいはTB が使用可能領域(正常な温度範囲)か
ら外れたことを検出し,使用者に警告あるいは強制的に
サーマルヘッド101の駆動を中止することにより,装
置内部の破損を防止することができる。
【0057】さらに,温度検知センサB103が印写媒
体であるインクシート201の近傍に配設されているの
で,印写中(すなわち,装置内部の温度がある程度上昇
した状態)に,インクシート201の交換があった場合
でも,濃度変化の小さな良好な画像を得ることができ
る。
【0058】なお,実施例1では,温度検知センサA1
02と,印写媒体であるインクシート201の近傍(図
2のB点)に配置された温度検知センサB103とを用
いて装置の異常判断および補正処理を行ったが,温度検
知センサB103に代えて被印写媒体である記録紙20
1の近傍(図2のC点)に配置された温度検知センサC
207を用いても同様の効果を得ることができる。
【0059】〔実施例2〕実施例2は,実施例1の2つ
の温度検知センサに加えて,被印写媒体である記録紙2
02が置かれている部分の環境温度を検知する温度検知
センサC207(図2参照)を配設し,温度検知センサ
A102,温度検知センサB103,温度検知センサC
207で検知した3つの検知温度に基づいて,サーマル
ヘッド101の発熱抵抗体に印加するエネルギーを補正
するものである。
【0060】図5は,実施例2の熱転写記録装置の制御
ブロック図を示し,実施例1の制御ブロック図(図1参
照)に温度検知センサC207を追加したものであり,
印加エネルギー補正部107は,サーマルヘッド101
上の各発熱抵抗体に印加する補正前印加エネルギーE0
を入力し,温度検知センサA102,温度検知センサB
103および温度検知センサC207からの検知温度
(TA ,TB ,TC )に基づいて補正し,補正後印加エ
ネルギーEを出力する。なお,その他の構成は実施例1
と共通につき説明を省略する。
【0061】以上の構成において,印加エネルギー補正
部107における装置の異常判断および補正処理につい
て説明する。
【0062】印加エネルギー補正部107における装置
の異常判断は,先ず,温度検知センサA102および温
度検知センサB103から入力した2つの検知温度(A
点の温度TA およびB点の温度TB )が,前述した図3
のハッチングされた熱転写記録装置の使用可能領域内に
含まれるか否かによって判断され,ハッチング領域外に
ある場合には,装置に何らかの異常が発生したと判断す
る。同時に温度検知センサA102および温度検知セン
サC207から入力した2つの検知温度から,図3と同
様にA点の温度TA およびC点の温度TC に基づいてあ
らかじめ用意した熱転写記録装置の使用可能領域内に含
まれるか否かによって判断され,ハッチング領域外にあ
る場合には,装置に何らかの異常が発生したと判断す
る。
【0063】また,補正後印加エネルギーEは,補正前
印加エネルギーE0 を決定した際に使用した温度を基準
温度T0 ,温度検知センサA102で検知した検知温度
A,温度検知センサB103で検知した検知温度をT
B ,温度検知センサC207で検知した検知温度をTC
から式(2)によって求められる。 E=E0 +α(TA −T0 n +β(TB −T0 n +γ(TC −T0 n ‥‥‥‥‥(2) (ただし,α,β,γは定数,nは自然数)
【0064】ここで,定数αはサーマルヘッド101の
畜熱温度である検知温度TA に対する印加エネルギーの
変化率(寄与率)を示し,定数βはインクシート201
の近傍の検知温度TB に対する印加エネルギーの変化
率,定数γは記録紙202の近傍の検知温度TC に対す
る印加エネルギーの変化率を示す。一般に,インクシー
ト201の表面温度の変化(すなわち,検知温度
B ),記録紙202の表面温度の変化(すなわち,検
知温度TC ),サーマルヘッド101の畜熱温度(すな
わち,検知温度TA )の順に画像濃度に与える寄与が大
きいため,定数α,β,γの関係はα<γ<βとなる。
また,nの値は通常「1」で良いが「2」,「3」‥‥
と増やすことにより,さらに補正精度を良くすることが
できる。
【0065】実施例2は,実施例1と比較して,さらに
精度良く補正を行うことができる。また,装置の異常判
断の精度も向上し,装置の信頼性を高めることができ
る。
【0066】〔実施例3〕一般的に熱転写記録装置で
は,温度と共に,使用される環境の湿度が画質に対して
影響を及ぼすことが知られている。湿度が非常に大きく
なり,結露状態になると装置の信頼性が著しく低下する
のは勿論であるが,熱転写記録方式の特有な現象とし
て, (ア) 湿度が増加すると,サーマルヘッドとインクシ
ートと間の実質的な熱伝導性およびインクシートと記録
紙との間の実質的な熱伝導性が低下し,濃度が低下す
る。 (イ) インクシートは一般的に吸湿性があり,湿度に
応じて伸長・収縮するため,皺が発生する。この皺は,
画像上にスジ等となって現れるため画質上好ましくな
い。 (ウ) インクシートと記録紙とを異なる搬送速度で搬
送するマルチ印写方式においては,その速度差を維持す
るために,インクシートと記録紙との間の摩擦係数を一
定に保つことが重要であるが,この摩擦係数が湿度に影
響されるため,インクシートと記録紙とが熱により融着
したり,すべったりする現象(スティッキング)が生
じ,画質あるいは装置の信頼性が低下する。
【0067】従って,実施例3の熱転写記録装置は,装
置内部の温度および装置内部の湿度を検知し,検知温度
および検知湿度に基づいて,発熱抵抗体に印加するエネ
ルギーを補正することにより,環境温度および環境湿度
に影響されることなく,常に一定の濃度で印写できるよ
うにしたものである。また,マルチ印写におけるスティ
ッキングの発生を防止し,画像不良あるいは印写媒体の
切断等を防止できるようにしたものである。
【0068】図6は,実施例3の熱転写記録装置の制御
ブロック図を示し,装置内部の温度を検知する温度検知
センサT601と,装置内部の湿度を検知する湿度検知
センサH602と,温度検知センサT601で検知した
検知温度Tおよび湿度検知センサH602で検知した検
知湿度Hに基づいて,サーマルヘッド101の発熱抵抗
体に印加するエネルギーを補正する印加エネルギー補正
部603とを備えている。なお,実施例1と同一の符号
は共通の構成であるため説明を省略する。
【0069】また,温度検知センサT601は,図2の
A点,B点,C点の何れかの位置に配置し,湿度検知セ
ンサH602は,記録紙202の近傍の点であるC点に
配置するものとする。ただし,湿度は温度に比べて局所
的な変化が小さいため装置内の任意の位置に配置可能で
ある。また,精度あるいは交換の際の利便性を考慮する
と,図2のB点,C点の何れかの位置に配置することが
望ましい。
【0070】図7は,信頼性を得るための温度Tと湿度
Hの条件を使用可能領域(図中のハッチングで示す部
分)として示したものである。図において,縦軸は装置
内の検知温度T,横軸は装置内の検知湿度Hを表す。ま
た,T1 が装置内温度の上限値,T0 が装置内温度の下
限値である。ただし,この上限値T1 および下限値T0
は,温度検知センサH601が装置内のどの位置に配置
されているかによって異なる。
【0071】また,H1 が検知温度T=T0 のときの装
置内湿度の上限値,H2 が検知温度T=T1 のときの装
置内湿度の上限値であり,検知湿度Hの上限はその時の
検知温度Tによって異なるため,図示の如く,上限値H
1 と上限値H2 とを端点とする傾きを持った直線上の値
(後述するHlim )として定義される。また,H0 が装
置内温度の下限値である。
【0072】以上の構成において,その動作を説明す
る。印加エネルギー補正部603は,サーマルヘッド1
01の発熱抵抗体に印加する補正前印加エネルギーE0
を入力すると,温度検知センサT601および湿度検知
センサH602からの検知信号(検知温度)に基づい
て,補正を行い補正後印加エネルギーEを出力する。ま
た,同時に検知温度Tおよび検知湿度Hから装置の異常
を判断して,異常と判断された場合には操作表示部10
5を介して警告メッセージを表示し,サーマルヘッド1
01の駆動を強制的に中止させる。
【0073】印加エネルギー補正部603における装置
の異常判断は,温度検知センサT601および湿度検知
センサH602から入力した2つの検知信号が,前述し
た図7のハッチングされた熱転写記録装置の使用可能領
域内に含まれるか否かによって判断され,ハッチング領
域外にある場合には,装置に何らかの異常が発生したと
判断する。
【0074】また,補正後印加エネルギーEは,補正前
印加エネルギーE0 を決定した際に使用した温度を基準
温度T0 および基準湿度H0 ,温度検知センサT601
で検知した検知温度T,湿度検知センサH602で検知
した検知温度をHから式(3)によって求められる。 E=E0 +α(T1 −T0 n +β(H1 −H0 m ‥‥‥(3) (ただし,α,βは定数,n,mは自然数)
【0075】ここで,定数αは検知温度Tに対する印加
エネルギーの変化率(寄与率)を示し,定数βは検知湿
度Hに対する印加エネルギーの変化率を示す。
【0076】次に,図8のフローチャートを参照して,
印加エネルギー補正部603の制御動作をさらに具体的
に説明する。装置の電源が投入されて画像の印写指令が
入力されると,印加エネルギー補正部603は,A/D
コンバータ104を介して温度検知センサT601およ
び湿度検知センサH602から検知温度T,検知湿度H
を入力し,先ず,T<T0 またはT>T1 であるか否か
を判定する(S801)。ここで,T<T0 またはT>
1 ならば,図7の使用可能領域外であるので装置の異
常と判断し,操作表示部105の表示手段に装置異常の
警告メッセージを表示し,サーマルヘッド101の駆動
を強制的に中止し(S806),処理を終了する。
【0077】一方,T<T0 またはT>T1 でなけれ
ば,図7の上限値を形成する直線上の値(Hlim )を計
算する(S802)。Hlim は検知温度Tに対応する上
限値であり,一次方程式で容易に求めることができる。
【0078】次に,検知温度Tの時の上限値Hlim と検
知湿度Hとを比較し(S803),H>Hlim ならば,
図7の使用可能領域外であるので装置の異常と判断し,
操作表示部105の表示手段に装置異常の警告メッセー
ジを表示し,サーマルヘッド101の駆動を強制的に中
止し(S806),処理を終了する。
【0079】H>Hlim でなければ,使用可能領域内で
あるので,式(3)を用いて,補正後印加エネルギーE
を算出し(S804),算出した補正後印加エネルギー
Eをドライバ106へ出力し,サーマルヘッド101を
駆動する(S805)。
【0080】前述した処理によって,実施例3では,環
境温度および環境湿度に影響されることなく,常に一定
の濃度で印写することができる。また,マルチ印写にお
けるスティッキングの発生を防止し,画像不良あるいは
印写媒体の切断等を防止することができる。
【0081】なお,実施例3では,温度検知センサおよ
び湿度検知センサをそれぞれ1個ずつ使用したが,複数
個配置するとさらに精度が向上する。また,温度検知セ
ンサを複数個配置して,実施例1と実施例3を併せて実
行することにより,さらに精度を向上させることができ
る。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように 本発明の熱転写記
録装置は,サーマルヘッドの畜熱温度および印写媒体あ
るいは被印写媒体が置かれている部分の環境温度を検知
し,複数の検知温度に基づいて,発熱抵抗体に印加する
エネルギーを補正することにより,印加エネルギーを適
正に補正するため,補正精度を向上させて,印写濃度変
化を十分に小さくすることができる。
【0083】また,それぞれの検知温度をあらかじめ定
めたそれぞれの上限温度と比較し,上限温度より高い検
知温度があった場合,装置の異常と判断して警告する
か,あるいは(および)サーマルヘッドに対するエネル
ギーの印加を強制的に中断するため,濃度制御に対する
信頼性の向上を図ることができる。
【0084】また,それぞれの検知温度をあらかじめ定
めたそれぞれの下限温度と比較し,下限温度より低い検
知温度があった場合,装置の異常と判断して警告する
か,あるいは(および)サーマルヘッドに対するエネル
ギーの印加を強制的に中断するため,濃度制御に対する
信頼性の向上を図ることができる。
【0085】また,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネ
ルギーを印加する際の基準温度をT0 ,基準温度T0
基づいて決定された補正前印加エネルギーをE0 ,サー
マルヘッドの検知温度をT1 ,印写媒体が置かれている
部分の検知温度をT2 としたとき,発熱抵抗体に印加す
る補正後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n (ただし,α,βは定数,nは自然数) で決定するため,各検知温度毎に異なる補正率(定数
α,β)を用いて印加エネルギーを適正に補正すること
ができ,補正精度の向上を図ることができる。
【0086】また,サーマルヘッドの畜熱温度,印写媒
体が置かれている部分の環境温度および被印写媒体が置
かれている部分の環境温度を検知し,検知した3つの検
知温度に基づいて,発熱抵抗体に印加するエネルギーを
補正するため,補正精度を向上させて,印写濃度変化を
十分に小さくすることができる。
【0087】また,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネ
ルギーを印加する際の基準温度をT0 ,基準温度T0
基づいて決定された補正前印加エネルギーをE0 ,サー
マルヘッドの検知温度をT1 ,印写媒体が置かれている
部分の検知温度をT2 ,被印写媒体が置かれている部分
の検知温度をT3 としたとき,発熱抵抗体に印加する補
正後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n
γ(T3 −T0 n (ただし,α,β,γは定数,nは自然数) で決定するため,各検知温度毎に異なる補正率(定数
α,β,γ)を用いて印加エネルギーを適正に補正する
ことができ,補正精度の向上を図ることができる。
【0088】また,装置内部の温度および装置内部の湿
度を検知し,検知温度および検知湿度に基づいて,発熱
抵抗体に印加するエネルギーを補正するため,温度およ
び湿度の変化に対応した補正を行うことができ,環境温
度および環境湿度に影響されることなく,常に一定の濃
度で印写できる。
【0089】また,サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネ
ルギーを印加する際の基準温度をT0 ,サーマルヘッド
の発熱抵抗体にエネルギーを印加する際の基準湿度をH
0 ,基準温度T0 および基準湿度をH0 に基づいて決定
された補正前印加エネルギーをE0 ,検知温度をT1
検知湿度をH1 としたとき,発熱抵抗体に印加する補正
後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(H1 −H0 m (ただし,α,βは定数,n,mは自然数) で決定するため,検知温度および検知湿度に対してそれ
ぞれ異なる補正率(定数α,β)を用いて印加エネルギ
ーを適正に補正することができ,補正精度の向上を図る
ことができる。
【0090】また,検知温度および検知湿度があらかじ
め定められた上限温度および下限温度あるいは上限湿度
および下限湿度の何れかから外れている場合,装置の異
常と判断して警告するか,あるいは/および装置の異常
と判断してサーマルヘッドに対するエネルギーの印加を
強制的に中断するため,濃度制御に対する信頼性が向上
する。また,マルチ印写におけるスティッキングの発生
を防止し,画像不良あるいは印写媒体の切断等を防止す
ることができる。
【0091】また,検知温度および検知湿度の関係があ
らかじめ定められた関係から外れている場合,装置の異
常と判断して警告するか,あるいは/および装置の異常
と判断してサーマルヘッドに対するエネルギーの印加を
強制的に中断ため,濃度制御に対する信頼性が向上す
る。また,マルチ印写におけるスティッキングの発生を
防止し,画像不良あるいは印写媒体の切断等を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の熱転写記録装置の制御ブロック図で
ある。
【図2】実施例1の熱転写記録装置の一部構成を示す説
明図である。
【図3】図2におけるA点の温度TA とB点の温度TB
の関係を示す説明図である。
【図4】印加エネルギー補正部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図5】実施例2の熱転写記録装置の制御ブロック図で
ある。
【図6】実施例3の熱転写記録装置の制御ブロック図で
ある。
【図7】信頼性を得るための温度Tと湿度Hの条件を使
用可能領域として示した説明図である。
【図8】印加エネルギー補正部の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図9】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
101 サーマルヘッド 102 温度検知センサA 103 温度検知センサB 105 操作表示部 107 印加エネルギー補正部 201 インクシート 202 記録紙 207 温度検知センサC 601 温度検知センサT 602 湿度検知センサH 603 印加エネルギー補正部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の発熱抵抗体を一列に配置してサー
    マルヘッドを形成し,印写媒体および被印写媒体を移動
    させながら,印写データに基づいて選択されたエネルギ
    ーを前記発熱抵抗体に印加して発熱させ,その発熱によ
    り前記印写媒体の一部を溶融あるいは昇華させて,前記
    被印写媒体の表面に転写する熱転写記録装置において,
    前記サーマルヘッドの畜熱温度を検知する第1の温度検
    知手段と,前記印写媒体あるいは被印写媒体が置かれて
    いる部分の環境温度を検知する少なくとも一つの第2の
    温度検知手段と,前記第1の温度検知手段および第2の
    温度検知手段によって検知した複数の検知温度に基づい
    て,前記発熱抵抗体に印加するエネルギーを補正する印
    加エネルギー補正手段とを備えたことを特徴とする熱転
    写記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の温度検知手段および第2の温
    度検知手段によって検知した複数の検知温度とあらかじ
    め第1の温度検知手段および第2の温度検知手段に対応
    して定められたそれぞれの上限温度とを比較し,前記上
    限温度より高い検知温度があった場合,装置の異常と判
    断して警告する警告手段あるいは/および装置の異常と
    判断して前記サーマルヘッドに対するエネルギーの印加
    を強制的に中断する中断手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の熱転写記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の温度検知手段および第2の温
    度検知手段によって検知した複数の検知温度とあらかじ
    め第1の温度検知手段および第2の温度検知手段に対応
    して定められたそれぞれの下限温度とを比較し,前記下
    限温度より低い検知温度があった場合,装置の異常と判
    断して警告する警告手段あるいは/および装置の異常と
    判断して前記サーマルヘッドに対するエネルギーの印加
    を強制的に中断する中断手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の熱転写記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の温度検知手段は,前記印写媒
    体が置かれている部分の環境温度を検知し,前記印加エ
    ネルギー補正手段は,前記サーマルヘッドの発熱抵抗体
    にエネルギーを印加する際の基準温度をT0 ,基準温度
    0 に基づいて決定された補正前印加エネルギーを
    0 ,第1の温度検知手段によって検知された検知温度
    をT1 ,前記第2の温度検知手段によって検知された検
    知温度をT2 としたとき,前記発熱抵抗体に印加する補
    正後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n (ただし,α,βは定数,nは自然数) で決定することを特徴とする請求項1記載の熱転写記録
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の温度検知手段が検知する印写
    媒体が置かれている部分とは非印写部であり,かつ,前
    記定数αおよびβはα<βとなる関係であることを特徴
    とする請求項4記載の熱転写記録装置。
  6. 【請求項6】 複数の発熱抵抗体を一列に配置してサー
    マルヘッドを形成し,印写媒体および被印写媒体を移動
    させながら,印写データに基づいて選択されたエネルギ
    ーを前記発熱抵抗体に印加して発熱させ,その発熱によ
    り前記印写媒体の一部を溶融あるいは昇華させて,前記
    被印写媒体の表面に転写する熱転写記録装置において,
    前記サーマルヘッドの畜熱温度を検知する第1の温度検
    知手段と,前記印写媒体が置かれている部分の環境温度
    を検知する第2の温度検知手段と,前記被印写媒体が置
    かれている部分の環境温度を検知する第3の温度検知手
    段と,前記第1の温度検知手段,第2の温度検知手段お
    よび第3の温度検知手段によって検知した3つの検知温
    度に基づいて,前記発熱抵抗体に印加するエネルギーを
    補正する印加エネルギー補正手段とを備えたことを特徴
    とする熱転写記録装置。
  7. 【請求項7】 前記印加エネルギー補正手段は,前記サ
    ーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギーを印加する際の
    基準温度をT0 ,基準温度T0 に基づいて決定された補
    正前印加エネルギーをE0 ,第1の温度検知手段によっ
    て検知された検知温度をT1 ,前記第2の温度検知手段
    によって検知された検知温度をT2 ,前記第3の温度検
    知手段によって検知された検知温度をT3 としたとき,
    前記発熱抵抗体に印加する補正後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(T2 −T0 n
    γ(T3 −T0 n (ただし,α,β,γは定数,nは自然数) で決定することを特徴とする請求項6記載の熱転写記録
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の温度検知手段が検知する印写
    媒体が置かれている部分とは非印写部であり,前記第3
    の温度検知手段が検知する被印写媒体が置かれている部
    分とは非印写部であり,かつ,前記定数α,βおよびγ
    はα<γ<βとなる関係であることを特徴とする請求項
    7記載の熱転写記録装置。
  9. 【請求項9】 複数の発熱抵抗体を一列に配置してサー
    マルヘッドを形成し,印写媒体および被印写媒体を移動
    させながら,印写データに基づいて選択されたエネルギ
    ーを前記発熱抵抗体に印加して発熱させ,その発熱によ
    り前記印写媒体の一部を溶融あるいは昇華させて,前記
    被印写媒体の表面に転写する熱転写記録装置において,
    装置内部の温度を検知する少なくとも一つの温度検知手
    段と,装置内部の湿度を検知する少なくとも一つの湿度
    検知手段と,前記温度検知手段および湿度検知手段によ
    って検知した検知温度および検知湿度に基づいて,前記
    発熱抵抗体に印加するエネルギーを補正する印加エネル
    ギー補正手段とを備えたことを特徴とする熱転写記録装
    置。
  10. 【請求項10】 前記温度検知手段の少なくとも一つ
    は,前記サーマルヘッドの畜熱温度を検知し,前記湿度
    検知手段の少なくとも一つは,前記被印写媒体が置かれ
    ている部分の環境温度を検知することを特徴とする請求
    項9記載の熱転写記録装置。
  11. 【請求項11】 前記印加エネルギー補正手段は,前記
    サーマルヘッドの発熱抵抗体にエネルギーを印加する際
    の基準温度をT0 ,前記サーマルヘッドの発熱抵抗体に
    エネルギーを印加する際の基準湿度をH0 ,基準温度T
    0 および基準湿度をH0 に基づいて決定された補正前印
    加エネルギーをE0 ,温度検知手段によって検知された
    検知温度をT1 ,湿度検知手段によって検知された検知
    湿度をH1 としたとき,前記発熱抵抗体に印加する補正
    後印加エネルギーEを, E=E0 +α(T1 −T0 n +β(H1 −H0 m (ただし,α,βは定数,n,mは自然数) で決定することを特徴とする請求項10記載の熱転写記
    録装置。
  12. 【請求項12】 前記検知温度および検知湿度があらか
    じめ定められた上限温度および下限温度あるいは上限湿
    度および下限湿度の何れかから外れている場合,装置の
    異常と判断して警告する警告手段あるいは/および装置
    の異常と判断して前記サーマルヘッドに対するエネルギ
    ーの印加を強制的に中断する中断手段とを備えたことを
    特徴とする請求項9記載の熱転写記録装置。
  13. 【請求項13】 前記検知温度および検知湿度の関係が
    あらかじめ定められた関係から外れている場合,装置の
    異常と判断して警告する警告手段あるいは/および装置
    の異常と判断して前記サーマルヘッドに対するエネルギ
    ーの印加を強制的に中断する中断手段とを備えたことを
    特徴とする請求項9記載の熱転写記録装置。
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