JPH056795B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は合成樹脂製ハウジングの室の中へ差
込まれる電気接触子、例えば２重板バネ接触子、
のための「かんぬき」式締付具に関し、詳しく
は、ハウジングの室の中へ挿入される電気接触子
のために用いられ、係止部とかんぬき部とを有し
た取付可能な外嵌片を備え、ハウジングの室の壁
の外面に配設されている係止部と前記外嵌片の係
止部とが協働する締付具に関する。

例えば打抜きブリキ片で製作される電気的接触
部材、いわゆる接触子は一般に係止用の舌片を有
し、この舌片がハウジング内の角（かど）の後背
部に係合して該ハウジングから接触子が抜け落ち
ないようになつている。そして付加的なかんぬき
作用を与えるための「かんぬき」式係止具も知ら
れているが、これはハウジングのカバーに適用さ
れるものであり、前もつてハウジングの室へ差込
まれている接触子の後背部に係合した状態で引戻
すことができ、この接触子を遮断するべく接触子
差込穴を閉鎖する構成になつている。

このようにハウジングの側に適用される公知の
付加的かんぬき式係止具は、平行な室を多数備え
たハウジングに特に適したものである。そして接
触子は予め所定位置に置かなければ付加的「かん
ぬき」効果を得ることはできない。更に、カバー
部の製作費は相当に高いものとなる。

この発明の目的は、ハウジングの側に適用され
る製作容易な「かんぬき」式締付具であつて、単
室型のハウジングにも適用でき且つ接触子の位置
の如何によらずその位置を固定するべく「かんぬ
き」作用を奏出できる構成であると共に、製作コ
ストも安価であ締付具を提供することである。

上記の目的は特許請求の範囲第１項に記載の構
成によつて達成できるものである。即ち、本発明
の特徴構成は、前記かんぬき部が、前記電気接触
子を前記ハウジングの室へ挿入することによつて
前記かんぬき部と前記電気接触子とを結合可能と
するクトツパーからなると共に、前記ハウジング
の室の壁の外面に配設されている前記係止部が第
１突条と第２突条を有しており、前記外嵌片が枠
部を備え、この枠部が互いに対向する辺を有して
いて、この枠部の辺に前記外嵌片の係止部と前記
ストツパーとが配設されていると共に、前記外嵌
片が前記ハウジングの室に差込まれるときには、
前記外嵌片の前記係止部と前記ハウジングの前記
第１突条との協働により、前記電気接触子が前記
ハウジングの室に嵌入されるようになつていて、 前記外嵌片が更に前記ハウジングの室内に差込
まれるときには、前記外嵌片の前記係止部と前記
ハウジングの前記第２突条との協働により、前記
係止部が前記第２突条と係合して抜け止めされる
と共に、前記電気接触子と前記ストツパーとが前
記ハウジングの室の狭部によつて嵌着固定される
ようになつている点にある。本発明の締付具がか
かる構成をなしていることにより、ハウジング内
へ挿入される接触子の位置の如何に拘らず、接触
子を確実に挟持固定されるようになつている。し
かも、外嵌片の形状がなんら複雑でなく、合成樹
脂などで容易に製作可能であるため、製作コスト
を安価にできる。その好適な実施態様は特許請求
の範囲の従属項に記する通りである。以下図面を
参照しつつ実施例を説明する。

この発明の締付具は係止部２と「かんぬき」部
３とを有する外嵌片１を備えていて、ハウジング
の壁５の外面に配設された他の係止部４と上記の
係止部２とが協働する構成になつている。

合成樹脂からなる外嵌片１は、「かんぬき」作
用を受けるべくハウジングの室６の外郭線に適合
している。図の実施例において外嵌片１は平面視
（第２図）で長方形かつ閉ループ状の枠部７を備
え、この枠部の辺７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄもやは
り断面が長方形となつている。

上記枠部の辺７ｄの内面には「かんぬき」部３
として２本のピン形の、好ましくは断面長方形の
ストツパ８が横方向に互に離隔し且つ該辺の中点
に関して互に対称の位置に設けられていて、これ
らストツパは平行に延び鉛直方向で下方へ突出
（第１図）していると共に、枠部の辺から約２倍
の長さだけぬきんでている。これと同様に且つ対
向して配置されているのが枠部の辺７ｂ上のスト
ツパ８である。上記２辺のほかに／又は、これに
代えて枠部の辺７ａ，７ｃに同様のストツパを備
えることもこの発明の範囲内に属することであ
る。

枠部の辺７ｄの外面には係止部２としてのＵ字
形体９が配設されている。このＵ字形体９の２本
のアーム１０は横方向に互に離隔し且つ互に平行
に鉛直方向で下方へ突出しており、好ましくは断
面が長方形であり、その端部において梁状部１１
を介して互に結合されている。上記のＵ字形体９
はストツパ８とほぼ同じ長さで枠部の辺７ｄから
突出している。他の辺７ｂの外面にも同じＵ字形
体９が配設されている。この種のＵ字形体をさら
に他の辺７ａ，７ｃにも設けること、あるいは辺
７ｂ，７ｄには設けず辺７ａ，７ｃのみに設ける
こと、はいずれも本発明の範囲内に属することで
ある。

上記の締付け用の外嵌片は室１２を有したハウ
ジングに嵌合されるものであり、この室の中には
電気接触子１３が収納される。接触子１３は撚り
電線１４に圧着されている。この種の接触子は一
般的にその電線把持部１５の前端に角（かど）を
有する。図の例ではこの角が梁状部１６となつて
いる。又、接触子は一般に係止舌片１７を有し、
これは該接触子が差込まれた状態において上記ハ
ウジングの室１２の係止段部１８と係合（第４
図）する。

外嵌片１の枠部７の壁厚はハウジングの壁５の
厚みに一致している。従つて外嵌片１はこのハウ
ジングにぴつたり嵌合し、その際上記の壁５がＵ
字形体９とストツパ８とのあいだの〓間１９の中
へ進入し、枠部７の下端面２０がハウジングの上
端面２１に接当（第４図）するに至る。

外嵌片１とハウジングとの中間係合と最終係合
とを実現するべく、Ｕ字形体９に対しハウジング
の壁５の各外面には第１の突条２２と第２の突条
２３が形成されていると共に、これら突条は互に
離隔し且つ上記の上端面２１からも離隔してこれ
と平行に配置されている。第１の突条２２と第２
の突条２３は各Ｕ字形体９の梁状部１１の協働す
るべく、その長さが該Ｕ字形体の両アーム１０，
１０間の側方における間隔よりも短いものとされ
ている。外嵌片１が上記ハウジングに差込まれる
ときには先ず第１の突条２２に梁状部１１が突き
当たる。第１の突条２２は断面形状がほぼ三角形
であり、この突条がハウジングの壁５の方向に向
う滑走斜面２４を有し、且つＵ字形体９の梁状部
１１が該斜面２４に対し平行に延びた滑走斜面２
５を有しているから、上記アーム１０の弾性変形
により梁状部１１は第１の突条２２を滑り越える
ことができ、その結果この突条の後背部に弾発的
に嵌まりこんで両突条２２，２３間に静止するこ
とになる。第１の突条２２と第２の突条２３との
あいだの間隔が梁状部１１の幅にほぼ等しいか
ら、この梁状部の位置が固定された外嵌片１が中
間係合の状態（第３図）となる。

外嵌片１が中間係合状態にあるときは、対向し
た壁７ｂ，７ｄに配設のストツパ８，８はハウジ
ングの室６内において互に平行な延びた姿勢をと
つている。ハウジング内がこの状態にあれば、圧
着された接触子１３は室１２の中へ何ら障害なく
挿入できる。続いて、最終係合状態を実現するべ
く外嵌片１はハウジングへさらに押しつけられ、
梁状部１１が第２の突条２３を弾発的に乗越えて
これと係合し、両端面２０，２１が互に接当（第
４図）する。このような弾発的係合を容易とする
べく第２の突条２３の断面形状に丸みをもたせる
ことにより、滑走斜面２５が第１の突条２２を滑
り越えるときほど簡単には第２の突条２３を滑り
越えられないようにしてある。

重要なことはハウジングの室１２の内部におい
て対向する壁５の表面に、断面視で内向き且つ差
込穴１２ａの方向に向いた滑走斜面２６が設けて
あり、該面がハウジングの長手方向に対し横方向
に延びている、という点である。そしてこの斜面
はストツパ８の端部に形成されているのが望まし
い外向きの斜面２７と協働する。外嵌片１を前記
の中間係合状態から最終係合状態へ向けてシフト
させるに伴い、この最終係合に至る以前は上記斜
面２７が斜面２６の上を摺動する。さらにシフト
（押込み）を続けるとストツパ８が内向きに強制
的に屈曲させられ接触子１３の電線把持部１５へ
押圧されて、該部ともども接触子が上記ハウジン
グの室の中へ押込まれ外嵌片１が最終係合位置を
とる。そして外嵌片が最終係合状態に達する以前
に既に接触子が所要位置をとつてしまつている場
合には、ストツパ８が最終係合状態では鉗子の如
くに作用して上記電線把持部をつかみ接触子の位
置を固定することになる。さらに、ストツパ８は
最終係合状態では「かんぬき」の如くに作用する
が、それは接触子の梁状部１６又はその他同様の
各（かど）の部分にストツパの前端が突き当たる
ことにより上記室からの接触子の離脱を阻止する
からである。

上述のように本発明はハウジングを「かんぬき
止め」し、該ハウジング内に差込まれた接触子の
位置を締付具をもつて固定し挾持するための全く
新規な構成を提供するものである。殆ど全ての接
触子においてその電線把持部から接触部への移行
域に角（かど）があるので「かんぬき作用」にと
つて好都合である。ハウジングは枠部７の長さの
分だけ短くてよいのであるからハウジング長を増
大する必要はない。また本発明に係る外嵌片は形
状か何ら複雑でない合成樹脂片であるからその製
作は容易である。外嵌片にとつては簡単な協働要
素（滑走斜面と突条）が必要であるにすぎないか
ら、ハウジングの製作もやはり容易である。第１
の突条２２の斜面よりも強い抵抗を梁状部１１に
対して及ぼすべく第２の突条２３に丸味づけを施
してあれば好適である。これにより中間係合状態
が安定化する。滑走斜面２６は図示のものよりも
差込穴１２ｂへ一層近づけて配置し、中間係合状
態（第３図）のとき既にストツパ８がこの斜面と
接当するようにできる。上記の外嵌片のストツパ
８についてその差込穴１２ｂ近傍部分を内向きに
傾斜させ差込用の斜面８ａを形成してあれば接触
子の挿入が容易となり好都合である。重要なこと
は、本発明の外嵌片がハウジングの自動的取付け
を非常に簡単化するという点である。従前の蝶番
式カバーの場合のような摺動運動はもはや不要で
あり、今や制御容易な直線的動作をもつてハウジ
ングの「かんぬき止め」を実施することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示し、第１図は外嵌片
の長手方向断面図、第２図は外嵌片の平面図、第
３は外嵌片が中間係合状態にあるときの締付具の
長手方向断面図、第４図は同じく最終係合状態に
おける断面図である。 １……外嵌片、２，４……係止部、３……かん
ぬき部、５……ハウジングの室の壁、６，１２…
…ハウジングの室、７……枠部、７ａ，７ｂ，７
ｃ，７ｄ……辺、８……ストツパ、９……Ｕ字形
体、１０……アーム、１１……梁状部、１２ａ…
…差込穴、２１……上端面、２２，２３……突
条、２４，２５，２６……滑走斜面、２７……斜
面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジング２８の室の中へ挿入される電気接
   触子１３のために用いられ、係止部２とかんぬき
   部３とを有した取付可能な外嵌片１を備え、ハウ
   ジングの室の壁５の外面に配設されている係止部
   ４と前記外嵌片１の係止部２とが協動する締付具
   において、 前記かんぬき部３が、前記電気接触子１３を前
   記ハウジングの室へ挿入することによつて前記か
   んぬき部３と前記電気接触子１３とを結合可能と
   するストツパー８からなると共に、前記ハウジン
   グの室６の壁５の外面に配設されている前記係止
   部４が第１突条２２と第２突条２３を有してお
   り、 前記外嵌片１が枠部７を備え、この枠部７が互
   いに対向する辺７ｂ，７ｄを有していて、この枠
   部７の辺７ｂ，７ｄに前記外嵌片１の係止部２と
   前記ストツパー８とが配設されていると共に、 前記外嵌片１が前記ハウジングの室に差込まれ
   るときには、前記外嵌片１の前記係止部２と前記
   ハウジング２８の前記第１突条２２との協働によ
   り、前記電気接触子１３が前記ハウジング２８の
   室１２に嵌入されるようになつていて、 前記外嵌片１が更に前記ハウジングの室内に差
   込まれるときには、前記外嵌片１の前記係止部２
   と前記ハウジング２８の前記第２突条２３との協
   働により、前記係止部２が前記第２突条２３と係
   合して抜け止めされると共に、前記電気接触子１
   ３と前記ストツパー８とが前記ハウジングの室の
   狭部によつて嵌着固定されるようになつているこ
   とを特徴とする締付具。 ２ 前記外嵌片１が更に前記ハウジングの室内に
   差込まれ、前記係止部２と前記第２突条２３との
   協働により、前記係止部２が前記第２突条２３と
   係合して抜け止めされるときにおいて、前記電気
   接触子１３に設けられている係止舌片１７と前記
   ハウジング２８の室１２の係止段部１８とが係合
   するようになつている特許請求の範囲第１項に記
   載の締付具。 ３ 前記枠部７が、４つの辺７ａ，７ｂ，７ｃ，
   ７ｄを有し長方形かつ閉ループ状である特許請求
   の範囲第１項又は第２項に記載の締付具。 ４ 前記枠部７の辺７ｄの内面に前記ストツパ８
   が、互いに側方で離隔かつ該辺中心に関し対称の
   位置に配設されていると共に、これらストツパ８
   が、鉛直方向下方へ互いに平行に延びかつ該辺の
   厚みの約２倍の長さを有し、他の辺７ｂにも前記
   ストツパに対向したストツパ８が同じ位置で設け
   られている特許請求の範囲第３項に記載の締付
   具。 ５ 前記ハウジングの室１２内において対向した
   壁５の表面に、断面が内向きで差込穴１２ａに向
   う滑走斜面２６が形成されていて、この斜面が前
   記ハウジングの室の長手方向に対し斜めである特
   許請求の範囲３項又は第４項に記載の締付具。 ６ 前記ストツパ８の端部に外向きの斜面２７が
   形成されている特許請求の範囲第５項に記載の締
   付具。 ７ 前記辺７ｄ，７ｂの外面に係止部２としての
   Ｕ字形体がそれぞれ配設されていて、これらＵ字
   形体が互い側方で離隔かつ平行に鉛直方向下方へ
   延長した２本のアーム１０を各々有していると共
   に、これらアームがその端部において梁状部１１
   を介し結合されている特許請求の範囲第１項〜第
   ６項のいずれか１項に記載の締付具。 ８ 前記各Ｕ字形体９がそれぞれ辺７ｄ，７ｂか
   ら前記ストツパ８とほぼ等しい長さで突出してい
   る特許請求の範囲第７項に記載の締付具。 ９ 前記第１突条２２と前記第２突条２３が相互
   に、及び前記ハウジング２８の上端面２１から離
   間した位置に配置されていて、且つ該面に平行に
   配置されている特許請求の範囲第７項又は第８項
   に記載の締付具。