JPS6137187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コネクタ等のハウジング内に多数本
の電線を引き入れるに際して使用する電線カバー
の、ハウジングとの結合部に関するものである。

コネクタやリレーボツクス等に多数本の電線を
引き入れる場合に、電線を外的衝撃から保護する
ために合成樹脂製の電線カバーを用いることがあ
る。この種の電線カバーとしては、例えば米国特
許第3966155号公報に記載されたものに類するも
のなどが種々知られているが、一般には弾性を有
し、二箇所の取付部を手で撓めながら、その弾性
を利用してコネクタ等の縁部に嵌め込む方式のも
のが多い。然しながらこの単なる嵌め込み方式で
は、電線カバーに外力が加わると外れ易く電線の
保護に十分ではないという欠点を有している。

本考案の目的は、上述の欠点を解消し、コネク
タ等のハウジングとの結合が容易であつて、かつ
その結合が強固である電線カバーの結合部を提供
することにあり、その内容は、コネクタ等のハウ
ジングの電線引込部を有する一端面部に、合成樹
脂から成り開口部を有する断面略Ｕ字形の電線カ
バーを前記電線引込部を覆うように係合する場合
に於いて、前記ハウジングの一端面部には、表面
側が狭く奥側が広い断面形状を有しかつ一端を前
記ハウジングの他面に開口し他端を行き止りにし
た２本の平行な嵌合溝と、これらの嵌合溝に面し
て突出して設けた２個の第１の係止部とを設け、
前記電線カバーのＵ字形の２つの端縁を前記嵌合
溝と嵌合する形状とし、これらの端縁の両端部側
壁に可撓性を与えると共に、両端部側壁にそれぞ
れ前記第１の係止部と係合して前記嵌合溝に対す
る溝方向の動きを規制する第２の係止部を設け、
前記電線カバーを前記ハウジングの嵌合溝に沿つ
て摺動させ、前記第１、第２の係止部の共働によ
り前記ハウジングに固定することを特徴とするも
のである。

本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

図面に於いて１は合成樹脂からなるコネクタハ
ウジング、２は同材質の電線カバーであり、コネ
クタハウジング１の一側面部には電線を引き出す
ための透孔部３が設けられている。この透孔部３
が設けられたハウジングの同面部には、２本の互
に平行な嵌合溝４ａ、４ｂがハウジング１の他の
面に入口部５ａ、５ｂを有し、ほぼその反対側の
面近くまで穿設されていて、その断面は表面側が
狭く、奥行が広い形状の例えばＬ字状となつてい
る。又、これらの嵌合溝４ａ、４ｂの外側には、
各１個ずつ電線カバー２が係止するための第１の
係止部６ａ、６ｂが突設されており、嵌合溝４
ａ、４ｂの入口部５ａ、５ｂ側の面は斜面部７
ａ、７ｂとなつている。一方、電線カバー２は例
えば断面略コ字状或いは断面略Ｃ字状となつてい
て、その開口部８の両縁部９ａ、９ｂはハウジン
グ１の嵌合溝４ａ、４ｂとそれぞれ嵌合するため
の断面形状となつており、嵌合溝４ａ、４ｂに摺
動できるように形成されている。前記嵌合溝４
ａ、４ｂの形状は、電線カバー２が嵌合丈態に於
いてハウジング１から垂直方向には外れなければ
良いわけであり、従つて表面側を狭く奥側を広く
する形状を採れば良い。更には前記形状の両縁部
９ａ、９ｂは長手方向で跡切れており、跡切れた
部分の電線カバー２の両側の側壁１１ａ、１１ｂ
にはこの電線カバー２が嵌合溝４ａ、４ｂと嵌合
した状態に於いて、ハウジング１の第１の係止部
６ａ、６ｂと共働して電線カバー２の摺動を規制
する第２の係止部１０ａ、１０ｂが、それぞれ設
けられている。この第２の係止部１０ａ、１０ｂ
は側壁１１ａ、１１ｂから外側に突出されてい
て、ハウジング１に電線カバー２を嵌合した状態
に於いて、第１の係止部６ａ、６ｂと互に係合す
る位置に設けられている。尚、第２の係止部１０
ａ、１０ｂはその挿入側が第１の係止部６ａ、６
ｂと擦れ違い易いように斜面部１２ａ、１２ｂと
なつている。又、第２の係止部１０ａ、１０ｂが
第１の係止部６ａ、６ｂと擦れ違う際に、第２の
係止部１０ａ、１０ｂを内側に逃がしながら通過
できるように、第２の係止部１０ａ、１０ｂが設
けられた部分の側壁１１ａ、１１ｂは可撓性を与
えられており、そのためその端縁９ａ、９ｂは長
手方向で跡切れている。

このハウジング１に電線カバー２を連結させる
には、電線カバー２のＬ字状端縁９ａ、９ｂを、
ハウジング１の嵌合溝４ａ、４ｂの入口部５ａ、
５ｂから挿入し押し込めばよいわけであるが、途
中に於いてハウジング１の第１の係止部６ａ、６
ｂと電線カバー２の第２の係止部１０ａ、１０ｂ
は当接する。そして斜面部７ａ、７ｂと１２ａ、
１２ｂとが互に押し合う結果、第２の係止部１０
ａ、１０ｂの付近の側壁１１ａ、１１ｂが内側に
撓むことによつて、第２の係止部１０ａ、１０ｂ
は第１の係止部６ａ、６ｂの内側を通つて両者は
擦れ違うことになる。第１及び第２の係止部６
ａ、６ｂ及び１０ａ、１０ｂ同志が第３図に示す
ように擦れ違えば、第２の係止部１０ａ、１０ｂ
の位置は側壁１１ａ、１１ｂの弾性により再び外
側に復元し、両係止部６ａ、６ｂ及び１０ａ、１
０ｂの背部同志が係合して電線カバー２はそのま
までは後進することが不可能となる。又、電線カ
バー２の前進はハウジング１の嵌合溝４ａ、４ｂ
の終端によつて制止されるので、電線カバー２は
何れの方向への動きも規制されることになる。こ
の電線カバー２をハウジング１から外すために
は、第２の係止部１０ａ、１０ｂを両側から手で
内側に押し込んで引き出せば、両者を分離するこ
とができる。

実施例に於いては、第１の係止部６ａ、６ｂと
第２の係止部１０ａ、１０ｂとが嵌合溝４ａ、４
ｂの終端部付近で係合するようにしたが、これら
は嵌合溝４ａ、４ｂの入口部５ａ、５ｂ付近に於
いて係合するようにしても支障はない。又、ハウ
ジング１に設けた係止部６ａ、６ｂの前方に別の
突起を設け、これにより電線カバー２の前進を制
止する手段は種々考られるところである。

以上説明したように本考案に係る電線カバーの
結合部は、ハウジングの嵌合溝に電線カバーの端
縁を嵌合摺動させ、両者にそれぞれ設けられ互い
に共働する係止部によつて溝方向の動きを規制し
ているので、結合が容易であり、その固定は強固
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電線カバーの結合部の一実
施例を示すものであり、第１図はコネクタハウジ
ングの一部を切欠した斜視図、第２図は電線カバ
ーの斜視図、第３図は両者の結合状態を示す斜視
図である。 符号１はハウジング、２は電線カバー、４ａ，
４ｂは嵌合溝、６ａ，６ｂは第１の係止部、８は
開口部、９ａ，９ｂは端縁、１０ａ，１０ｂは第
２の係止部、１１ａ，１１ｂは側壁である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コネクタ等のハウジングの電線引込部を有する
   一端面部に、合成樹脂から成り開口部を有する断
   面略Ｕ字形の電線カバーを前記電線引込部を覆う
   ように係合する場合に於いて、前記ハウジングの
   一端面部には、表面側が狭く奥側が広い断面形状
   を有しかつ一端を前記ハウジングの他面に開口し
   他端を行き止りにした２本の平行な嵌合溝と、こ
   れらの嵌合溝に面して突出して設けた２個の第１
   の係止部とを設け、前記電線カバーのＵ字形の２
   つの端縁を前記嵌合溝と嵌合する形状とし、これ
   らの端縁の両端部側壁に可撓性を与えると共に、
   両端部側壁にそれぞれ前記第１の係止部と係合し
   て前記嵌合溝に対する溝方向の動きを規制する第
   ２の係止部を設け、前記電線カバーを前記ハウジ
   ングの嵌合溝に沿つて摺動させ、前記第１、第２
   の係止部の共働により前記ハウジングに固定する
   ことを特徴とする電線カバーの結合部。