JPH0715102Y2 - コネクタの接栓座 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コネクタの接栓座に関する。

従来の技術とその問題点 従来、この種のコネクタの接栓座としては、第５図ない
し第８図に示すものが提供されている。このものは、ク
リップ１を上下同形状になす一対のホルダ５、５にて挟
着し、ケース９に収容したもので、クリップ１は圧着片
２、２を連結部３で折り返して対向させ、ホルダ５の突
起部5a間に連結部３を位置決めさせることにより抜けど
めされる。クリップ１をこの様にして挟着したホルダ
５、５は、ケース９に収容後、その先端部9aを内側へか
しめることにより抜け止めされる。この接栓座は矢印Ｂ
方向から図示しない周知の接栓を結合し、接栓のクリッ
プ１の圧着片２、２間に突入させ、回路の接続を図る。
この場合、ケース９はアース機能を有し、接栓の芯線が
このケース９に接触すると、信号の伝達が不能になる。

ところで、この様な接栓座では、第６図、第８図に示す
様に、ホルダ５、５の前面壁部及び側面壁部に組立て時
のケース９に対する挿入用クリアランスを得るための隙
間７、８がどうしても生じることから次の問題点を有し
ている。即ち、（ａ）接栓の芯線を挿入する際、線線が
挿入用孔部６を外れて隙間７へ入り込み、クリップ１の
圧着片２、２と接触しない。（ｂ）芯線が圧着片２、２
と接触しても側面壁部の隙間８からはみ出してケース９
にも接触するという問題点を有している。

さらに、ホルダ５、５間は互いに確実には位置決めされ
おらず、クリップ１を挟み込んでケース９に挿入する際
に、ホルダ５、５間に“ずれ”が生じケース９への挿入
がしにくいという問題点を有している。また、ホルダ
５、５が横にずれると、クリップ１にねじり力が加わ
り、クリップ１に変形が生じ、ひいては接触不良を招来
する問題点をも有している。

問題点を解決するための手段 以上の問題点を解決するために、本考案に係るコネクタ
の接栓座は、導電材からなり挿入芯線を圧着挟持するク
リップを、絶縁材からなり前面に前記芯線を挿入するた
めの芯線挿入部を形成した一対のホルダにて挟着し、こ
のホルダを導電材からなるケースに収容したコネクタの
接栓座において、前記各々のホルダにおいて、前記一対
のホルダの互いに対向する面であって、前記芯線挿入部
を除いた芯線挿入方向に対向する前面壁部および芯線挿
入方向に沿った側面壁部の両方に、互いに嵌合可能な凹
部及び凸部を形成すると共に、側面壁部の凹部の内側に
他方のホルダの側面壁部の凸部の内側に位置しかつ一対
のホルダの位置ずれを防止するリブを形成したこと、を
特徴とする。

作用 以上の構成において、クリップを一対のホルダで挟着し
た際、ホルダ同志は、互いの凹部及び凸部で嵌合するこ
ととなり、ホルダの芯線挿入部を除いた芯線挿入方向に
対向する前面壁部および芯線挿入方向に沿った側面壁部
の隙間が凹部及び凸部にて閉じられた状態となり、接続
の相手方となる接栓の挿入芯線が確実にクリップのみと
接触することとなる。従って、従来の如く、接栓の挿入
芯線がホルダ間の隙間に入り込んでクリップとの接触不
良を生じたり、アース機能を有するケースと接触して信
号伝達が不能となる不具合を解消することができる。ま
た、組立て時には凹部及び凸部の嵌合及びリブと凸部と
の係合にてホルダ間の位置決めが図られケースへの挿入
時にホルダがずれたりするおそれはない。

実施例 以下、本考案に係るコネクタの接栓座の一実施例につ
き、第１図ないし第４図を参照して説明する。

本実施例では、導電材からなるクリップ10、絶縁材から
なり前面に芯線挿入部を形成した上下一対のホルダ15、
15、導電材からなるケース20によって構成され、クリッ
プ10とケース20とは従来のものと同じ形状を有してい
る。

ホルダ15、15は同形状をなし、そのホルダ15、15の互い
に対向する面であって、芯線挿入部を除いた芯線挿入方
向に対向する前面壁部、および芯線挿入方向に沿った側
面壁部の両方に、互いに嵌合可能な凸部16a,16bと凹部1
7a,17bとが形成されている。さらに、側面壁部の凹部17
bの内側には一対のホルダ15、15の位置ずれを防止する
リブ18が形成されている。

前記クリップ10はホルダ15,15にて上下方向から挟み込
まれ、ケース20内に収容される。このとき、ホルダ15,1
5は凸部16a,16bと凹部17a,17bとが互いに嵌合し、か
つ、リブ18が他方のホルダ15の凸部16bの内側に位置す
る。凸部16a,16b、凹部17a,17bは互いの嵌合時にケース
20への挿入用クリアランスを得るため、上下方向には若
干がたつく様にされ、その結果、前面壁部、側面壁部に
はどうしても隙間25,26が生じる。しかし、この隙間25,
26は凸部16a,16bにて内方から閉じられた状態となる。
従って、接続の相手方となる接栓の挿入芯線（図示せ
ず）が挿入用孔部19から挿入される際、隙間25、26に入
り込むことはなく、該挿入芯線はクリップ10の圧着片1
1,11により圧着挟持され、圧着片11,11と確実に接触す
ることとなる。

また、ホルダ15,15は凸部16a,16bと凹部17a,17bとの嵌
合によって及びリブ18が凸部16bに内側から係合するこ
とによって互いに位置決めされ、特に横方向にずれたり
することはない。

考案の効果 以上の説明で明らかなように、本考案によれば、各々の
ホルダにおいて、クリップを挟み込む一対のホルダの互
いに対向する面であって、芯線挿入部を除いた芯線挿入
方向に対向する前面壁部および芯線挿入方向に沿った側
面壁部の両方に、互いに嵌合可能な凹部及び凸部を形成
したため、ホルダの前面壁部、側面壁部に生じる隙間は
前記凹部及び凸部によって閉じられ、前記従来の如く、
接栓の挿入芯線がホルダ間の隙間に入り込んでクリップ
との接触不良を生じたり、アース機能を有するケースと
接触して信号伝達が不能となる不具合を解消することが
できる。また、側面壁部の凹部の内側に他のホルダの側
面壁部の凸部の内側に位置するリブを形成したため、一
対のホルダは、凹部及び凸部の嵌合及びリブと凸部との
係合にて確実に位置決めされ、横方向にずれたりするこ
とはなく、ケースへの挿入時の作業性が向上すると共
に、クリップが変形したりすることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係るコネクタの接栓座の
一実施例を示し、第１図は分解斜視図、第２図は正面
図、第３図は一部を切り欠いた側面図、第４図は第３図
のＡ−Ａ′断面図である。第５図ないし第８図は従来の
接栓座を示し、第５図は分解斜視図、第６図は正面図、
第７図は一部を切り欠いた側面図、第８図は第７図のＡ
−Ａ′断面図である。 10……クリップ、15……ホルダ、16a……前面壁部の凸
部、16b……側面壁部の凸部、17a……前面壁部の凹部、
17b……側面壁部の凹部、18……リブ、20……ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】導電材からなり挿入芯線を圧着挟持するク
   リップを、絶縁材からなり前面に芯線挿入部を形成した
   一対のホルダにて挟着し、このホルダを導電材からなる
   ケースに収容したコネクタの接栓座において、 前記各々のホルダにおいて、前記一対のホルダの互いに
   対向する面であって、前記芯線挿入部を除いた芯線挿入
   方向に対向する前面壁部および芯線挿入方向に沿った側
   面壁部の両方に、互いに嵌合可能な凹部及び凸部を形成
   すると共に、側面壁部の凹部の内側に他方のホルダの側
   面壁部の凸部の内側に位置しかつ一対のホルダの位置ず
   れを防止するリブを形成したこと、を特徴とするコネク
   タの接栓座。