JPH031790B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電気回路接続用コネクタに関し、特に
端子を確実に固定するためのハウジング構造に関
する。

従来の技術 電気接続用端子をハウジング内の端子収容室に
後方から挿入し、端子収容室の前端付近に端子ス
トツパを設けて端子の前進を止めると共に端子収
容室の側壁面から前方に向けて可撓性係止アーム
を設けて端子の後退を止めるようにしたコネクタ
の構造は、たとえば特公昭51−30270などにより
公知である。

かかるコネクタは第６図に示すように構成され
ており、組立が簡単であるという利点を有する。
図において、１はハウジング、２は端子、３は端
子２を圧着した電線であり、１ａは端子ストツ
パ、１ｂは係止アームである。端子２をハウジン
グ１の後方から挿入するときは、端子２は係止ア
ーム１ｂを押し上げ撓ませて前進し、ストツパ１
ａに当接すると係止アーム１ｂが弾性により下方
に戻つて端子２の後肩２ａを支えるようになつて
いる。

しかし、このような係止構造は、挿入された端
子が完全に係止されているか否かの確認が容易で
ないから、不完全挿入のまま装置等に組みつけて
しまうと、使用中に端子の脱落などの故障を生ず
るばかりでなく、故障箇所を探すのが大変であつ
た。

そこで、ハウジングに端子を挿入したのち不完
全係止であつても容易に端子が脱落しないよう
に、二重係止構造を設ける改良が種々提案されて
いるが、これらはいずれも構造が複雑となつて部
品コストや組立コストが嵩むという欠点があつ
た。

解決しようとする問題点 上述のような事情に着目して、本発明において
は、構造が複雑にならずに容易にコネクタの組立
てができ、しかも係止が確実で外れることがない
コネクタハウジングを提供することを目的とした
ものである。

問題解決のための手段 以上のような本発明の目的は、コネクタ端子を
後方から挿入できる空間を有するハウジングにお
いて、該空間の前端位置に設けた端子ストツパと
該空間の内壁に設けた係止段部との間に形成され
た端子係合凹部と、該段部の後方から前方に向つ
て該空間内に突出した可撓性係止アームとを備
え、該端子係合凹部に対向する内壁面と挿入端子
との間にハウジングの前端開口から挿入されるス
ペーサによつて、該挿入端子が該端子係合凹部内
に移動しかつ該段部と係合するような構成を導入
することによつて達成できる。

また更に、ここで用いるスペーサは、ハウジン
グの前端から挿入するようにしたものが好適で、
好ましくは板状に形成され、ハウジング本体と係
合して脱落しないような係止手段を設けてあるも
のである。

実施例 かかる本発明のコネクタハウジング構造の例の
１つを第１図乃至第５図によつて説明する。

第１図は本発明のコネクタハウジングを用いて
組立てたコネクタの断面を示し、１はハウジン
グ、２は端子、３は端子２を圧着固定した電線、
４はスペーサである。ハウジング１の前端部には
端子ストツパ１ａが設けてあり、またハウジング
１の内壁からは係止アーム１ｂが前方に向つて突
設してある。一方、係止アーム１ｂの先端とほぼ
同じ位置には、内壁に係止段部１ｃが設けてあ
り、係止段部１ｃと端子ストツパ１ａの間には、
端子２の頭部２ｂが丁度嵌入できるような係合凹
部１ｄが形成されている。係合凹部１ｄに対向す
る底壁面１ｅと係止段部１ｃの下面との間隔は端
子の頭部２ｂの高さより大きいが、スペーサ４を
底壁面１ｅに添つて挿入すると、スペーサ４の上
面と係止段部１ｃの下面との間隔が端子の頭部２
ｂの高さよりも小さくなるように、スペーサ４の
厚さを定めてある。

５は、本例のコネクタと結合するためのタブ形
端子であり、４ａは端子ガイドである。

第２図は、第１図のＡ−Ａ線の断面を示し、第
３図は、第１図のＢ−Ｂ線の断面を示す。また、
第４図は、コネクタ組立て過程におけるハウジン
グの縦断面を示す。第５図ａは、コネクタを組立
てる前のハウジングの水平断面を、同図ｂおよび
ｃはスペーサの上面および側面を示す。

スペーサ４は、板状であつて両側端部にハウジ
ング１に係止するための係止爪４ｂを有してい
る。４ｃは、長い透孔であり、係止爪４ｂが撓み
得るように設けたものである。また端子ガイド４
ａ、コネクタ前端からタブ形の端子５を挿入する
ときにその先端を正しい挿入位置に導くために設
けたものである。

このように構成された本発明のハウジング１に
端子２を後方から挿入するときは、端子の頭部２
ｂは係止アーム１ｂを撓ませながらその下方を潜
り抜けて前進し、肩部２ａが係止アーム１ｂの前
方に出ることによつて上下方向への移動が自由に
なる。この後に、ハウジング１の前端からスペー
サ４を挿入すれば、スペーサ４の先端は端子２の
先端の下へもぐり込んで端子頭部２ｂを上方へ押
し上げ、係合凹部１ｄに係合させたのち、ハウジ
ング１の係止部１ｆにスペーサ４の係止爪４ｂが
係止される。この状態では、端子の頭部２ｂがハ
ウジング１のストツパ１ａと係止段部１ｃの間で
確実に保持され、端子２の変形か又はハウジング
１の破壊が起らない限り端子２が抜けることはな
い。

一方、若し端子２が不完全挿入のままでスペー
サ４を挿入しようとすると、端子頭部２ｂは係止
アーム１ｂによつてハウジングの底面１ｅに押し
着けられたままであり、また係止段部１ｃの下面
によつて上方へ押し上げることが妨げられるの
で、スペーサ４の先端は端子２の下へもぐり込め
ず、端子２をハウジング１から後方へ押し出すよ
うになる。従つて、端子２が不完全挿入の場合に
は、コネクタの組立てができないことになる。

また、多極のコネクタの場合も、同様なスペー
サを立体的に一体成形して用いることが可能であ
る。この場合、それぞれの端子収容室に対応する
タブ状スペーサを設けるなどによつて、それぞれ
挿入される端子に対して、前の実施例と同様に機
能するものを構成することができる。

発明の効果 本発明のコネクタハウジング構造は上述の如き
構成であるが、可撓性の係止アームに端子の係止
機能を持たせようとするものではなく、係止アー
ムには端子を係合位置に導くための位置決めの機
能を持せたものである。端子の係止は、スペーサ
を用いてハウジングの係合凹部に端子の係合部を
嵌入させることによつて行われるので、確実かつ
強固な係合が達成でき、またコネクタの組立は容
易確実であつて不完全組立品が発生しないという
特長がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のコネクタハウジングの例の縦
断面図、第２図はそのＡ−Ａ線での水平断面図、
第３図はそのＢ−Ｂ線での横断面図、第４図はコ
ネクタ組立中のハウジング断面図、第５図ａ，ｂ
およびｃはそれそれハウジングの水平断面、スペ
ーサの上面およびその側面を示す図、第６図は従
来技術を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コネクタ端子を後方から挿入できる空間を有
   するハウジングにおいて、該空間の前端位置に設
   けられたストツパと該空間の内壁に設けられた段
   部との間に形成された端子係合凹部と、該段部の
   後方から前方に向つて該空間内に突出した可撓性
   係止アームとを備え、該端子係合凹部に対向する
   内壁面と挿入端子との間にハウジングの前端開口
   から挿入されるスペーサによつて、該挿入端子が
   該端子係合凹部内に移動しかつ該段部と係合する
   ように構成したことを特徴とするコネクタハウジ
   ング構造。