JP7302831B2 - 低エンドトキシンフカン組成物、システム及び方法 - Google Patents
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Description
本出願は、2018年7月27日に出願された米国仮出願第62/711,364号;2018年7月27日に出願された米国仮出願第62/711,372号;2018年7月27日に出願された米国仮出願第62/711,335号;2018年8月1日に出願された米国仮出願第62/713,399号;2018年8月23日に出願された米国仮出願第62/722,135号;2018年11月2日に出願された米国仮出願第62/755,311号;2019年1月17日に出願された米国仮出願第62/793,514号;2019年6月13日に出願された米国仮出願第62/861,223号;2018年8月1日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/713,392号;2018年8月1日に出願された米国仮出願第62/713,413号;2018年8月23日に出願された米国仮出願第62/722,137号;2018年11月2日に出願された米国仮出願第62/755,318号;2019年6月13日に出願された米国仮出願第62/861,228号;2018年11月2日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/755,328号;2019年1月17日に出願された米国仮出願第62/793,654号;及び2019年6月13日に出願された米国仮出願第62/861,235号の恩恵を主張し、その内容は参照により本明細書に援用される。
約30℃の示差屈折率検出器;
0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流;及び
ピーク分子量が約2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が約720kDa~約760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が約470kDa~約510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が約370kDa~約410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が約180kDa~約220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が約40kDa~55kDaの第6デキストラン標準品から実質的になるピーク分子量標準曲線と照らし合わせての定量(quantification)
から実質的になる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成を用いて測定される場合に、分布の60%w/w以上が100kDaより大きい分子量分布をフカンは有しうる。
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること、
前記反応混合物を加熱することによって前記不純物を凝集させて、凝集した不純物を生成すること、及び
前記凝集した不純物を除去すること
を含みうる。
不純物と、細胞及びエンドトキシン凝集体(aggregation)を破壊することが可能である破壊剤(disrupting agent)とを含む出発フカン組成物を溶液中に提供すること、及び
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記フカン-低エンドトキシン組成物及び残存する破壊剤を含む保持フカン組成物(retentate fucan composition)を生成すること
を含みうる。
前記破壊剤を沈殿させることができる沈殿剤を用いて前記保持フカン組成物を処理することによって前記残存する破壊剤を除去して、前記破壊剤の沈殿物及び上清フカン組成物を生成すること、及び
前記破壊剤の前記沈殿物を前記上清フカン組成物から分離すること
をさらに含みうる。
固体である出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること、
前記出発フカン組成物と前記抽出媒体とを混合して前記フカン-低エンドトキシン組成物と前記抽出媒体との混合物を作成すること、及び
前記抽出媒体から前記フカン-低エンドトキシン組成物を分離すること
を含みうる。
懸濁不純物を含む不純物を含有する出発フカン組成物を溶液中に提供すること、
イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記不純物を前記溶液から沈殿させることにより、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との混合物を生成すること、及び
前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離すること
を含みうる。
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
前記出発フカン組成物のpHを約8~14に調整すること、
細胞成分を溶解するように構成されている細胞破壊剤を前記出発フカン組成物に添加して、前記細胞破壊剤と、生体分子溶解物と、前記出発フカン組成物とを含む反応混合物を生成すること;及び
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を前記反応混合物から除去すること
を含みうる。
前記界面活性剤の濃度が所定の濃度未満になるまで前記反応混合物を希釈すること、及び
前記界面活性剤を含む前記反応混合物を、分画分子量が前記界面活性剤の最大分子量を超えるタンジェンシャルフロー濾過フィルタによる透析濾過に供すること
を含みうる。
エンドトキシンを含む出発フカン組成物、及びアニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供すること;
前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記フカン-低エンドトキシン組成物を生成すること
を含みうる。
不純物を含む出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること、
前記水性出発溶液を有機溶媒と混合して、水性有機相混合物を生成すること、及び
前記水性有機相混合物を分離して水性部分及び有機部分を得ること
を含みうる。
本明細書において示されるこの組成物、システムなどは、ある種の実施形態において、フカン及び外科的癒着、関節炎、乾癬又は所望の他の疾患などの線維性癒着の処置のための治療上有効量のフカン-低エンドトキシンを含む医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を提供する。
方法、システムなどは、原料フカン組成物などの出発フカン組成物中の不純物を、精製する、パイロジェン除去する、又はさもなければその量を低減するために提供される。前記方法及び組成物などは、望ましくない量のエンドトキシン、及び、例えば生物的汚染物質、細胞成分などの他のエンドトキシン含有成分、又はこれらからの影響を排除、不活化、又はさもなければ低減して、例えば、前記フカンのミリグラム(mg)当たりエンドトキシン単位(EU)(EU/mg)が0.2、0.18、0.12、0.1、0.09、0.03、0.02、0.01、0.007、0.005、0.002又は0.001未満である、フカン-低エンドトキシン組成物を得ることを含む。生物的汚染物質としては、細菌、ウイルス、酵母、カビ及び寄生虫などの微生物が挙げられ、これらのいくらかは毒素を産生し、これらのいくらかは細胞成分を含む。生物的汚染物質、細胞成分、エンドトキシン及び他のエンドトキシン含有成分とは、本明細書において使用されるとき、不純物という用語に包含される。
高レベルのエンドトキシンを含む、原料フカン組成物などの出発フカン組成物は、不純物の凝集に供されるものであり、これは物理的に誘導される凝集であり得る。上記の方法は、出発フカン組成物を提供すること;凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること;前記反応混合物を加熱することによって前記出発フカン組成物において前記不純物を凝集させること;凝集した前記不純物を前記反応混合物から分離すること;及び前記分離の後、所望の前記フカン-低エンドトキシン組成物を回収することを含みうる。
実験例について得られた分子量分布を評価するためにゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)を用いた。ゲル浸透クロマトグラフィーにおける使用のために利用可能な多数の異なるパラメータ、カラム及び標準品があり、分子量の分析に利用できる多様な計器装備構成がもたらされる。本明細書における分子量測定のために、以下のパラメータを用いてGPCを行った。移動相は、0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム流であった。カラムコンパートメント及び検出器は30℃であった。検出のためにWaters2414示差屈折率検出器を用いた。
高レベルのエンドトキシンを含有する、原料フカン組成物であり得る出発フカン組成物は、改変型タンジェンシャルフロー濾過に供される。前記方法は:前記出発フカン組成物並びに細胞及びエンドトキシン凝集体を破壊する破壊剤を、第1タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過(TFF)に供して、第1保持フカン組成物を生成することを含みうる。前記破壊剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114、又はデオキシコール酸ナトリウムのうちの1又は複数であり得る。前記第1保持フカン組成物は、次いで、第2タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通しての二次透析濾過溶液(secondary diafiltration solution)によるタンジェンシャルフロー濾過に供されて、前記保持フカン組成物から残存破壊剤を除去することにより、所望の前記フカン-低エンドトキシン組成物を含む第2保持フカン組成物を生成する。所望により、第1及び第2の両方の透析濾過プロセスにおいて同じTFFフィルタが用いられてよい。
高レベルのエンドトキシンを含有する出発フカン組成物などのフカン組成物は、固相抽出に供される。前記方法は:他の不純物の中にエンドトキシンを含む固体状態の出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること;前記出発フカン組成物を前記抽出媒体と混合して、溶解されていない固体フカン組成物と、溶解したエンドトキシン及び場合により他の不純物を含有する前記抽出媒体と、の混合物を形成すること;他の不純物の中に溶解エンドトキシンを含有する抽出媒体から、前記フカン-低エンドトキシン組成物を非溶解固体フカン組成物として分離すること;及び、前記フカン-低エンドトキシン組成物を前記抽出媒体から除去した後、前記フカン-低エンドトキシン組成物を固体として回収することを含みうる。前記分離は、例えば、遠心分離、濾過、析出及び流体力学的流体分離のうちの1又は複数を含んでいてもよい。
高レベルのエンドトキシン及び他の不純物、例えば、懸濁した粒子状物を含有する、出発フカン組成物又は他の好適なフカン組成物は、化学的に誘導される不純物の沈殿に供される。ある一定の実施形態において、前記方法は:出発フカン組成物を出発溶液中に提供すること;イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記出発溶液から不純物を沈殿させて、懸濁不純物と沈殿不純物と上清との混合物を提供すること;前記上清溶液から前記懸濁不純物及び沈殿不純物を分離すること;及び前記懸濁不純物及び沈殿不純物を前記上清から分離した後に、所望の前記フカン-低エンドトキシン組成物を含有する前記上清溶液を回収することを含みうる。
高レベルのエンドトキシンを含有する、原料フカン組成物などの出発フカン組成物は、溶解及び凝集に供される。この例における前記方法は、出発フカン組成物を提供すること;前記出発フカン組成物をアルカリ性にすること;前記出発フカン組成物に細胞破壊剤を添加して、反応混合物を生成すること、ここで前記細胞破壊剤は、前記出発フカン組成物における細胞成分を溶解し、生体分子成分を含む溶解物をアルカリ性の反応混合物中に放出する;前記反応混合物から前記細胞破壊剤及び前記不純物の少なくとも一部を除去して、分解されていない所望の前記フカン-低エンドトキシン組成物を残すことを含みうる。
高レベルのエンドトキシンを含有する出発フカン組成物又は他の所望のフカン組成物は、アニオン吸着に供される。前記方法は、前記出発フカン組成物をアニオン交換システムにおけるアニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンレベルが実質的に低いフカン-低エンドトキシン組成物を生成すること、及び前記フカン-低エンドトキシン組成物を前記アニオン交換システムの流出物として回収することを含みうる。前記方法は、出発フカン組成物中の望ましくないエンドトキシンの平均流体力学的サイズを超えるアニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に出発フカン組成物を供することを含みうる。前記方法は、出発フカン組成物を破壊剤によって前処理することを含みうる。
高レベルのエンドトキシンを含有する、原料フカン組成物などの出発フカン組成物は、液液抽出に供される。前記方法は、出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること;前記出発溶液を有機溶媒と混合して、フカン-低エンドトキシン組成物を含む水性部分とエンドトキシンを含む疎水性不純物を含む有機部分とを有する水性有機相混合物を得ること;前記有機部分から前記水性部分を分離すること;及び前記フカン-低エンドトキシン組成物を含む前記水性部分を回収することを含みうる。
本明細書において考察されている方法、システムなどは、前記フカン組成物、特に、前記フカン組成物中のフカンの化学構造修飾を含みうる。化学構造修飾は、フカン由来の官能基、例えば、フカン構造由来のO-アセチル、N-アセチル、メトキシ、ヒドロキシ、カルボン酸及び/又は硫酸官能基の除去を含みうる。前記化学構造修飾は、広範な化学試薬、例えば、酸、塩基、界面活性剤及び/又は酸化剤の使用を含みうる。
線維性癒着
線維性癒着は、通常は手術(このタイプの線維性癒着は外科的癒着と称されうる)後に、身体の2つの部分の間に形成される瘢痕のタイプである。線維性癒着は、深刻な問題を引き起こす可能性がある。例えば、雌性生殖器官(卵巣、卵管)を巻き込んだ線維性癒着は、不妊、性交疼痛症、および重度の骨盤痛を引き起こす可能性がある。腸に生じる線維性癒着は、腸の閉塞(obstruction)または閉鎖(blockage)を引き起こす可能性があり、また線維性癒着は、心臓、脊椎、および手のような他の場所でも形成されうる。手術に加えて、線維性癒着は、例えば子宮内膜症、感染、化学療法、放射線、外傷およびがんにより生じることもある。
がんは、米国における2番目に多い死因であり、全死亡者数のうち20%超(over 20%)の原因である。がんは、増殖性疾患であり、1又は複数の腫瘍の形成につながり得るある種の細胞の無制御の分裂によって特徴づけられる。がんを処置するために、手術、放射線療法、化学療法及びそれらの併用を含む多くの方法が用いられている。手術は、いくつかの限局性腫瘍のために用いられる比較的一般的な方法であるが、腫瘍切除後の腫瘍再発の可能性は依然として顕著である。
前立腺がんは、前立腺を覆う細胞で起こる悪性腫瘍である。米国では、推定で200,000人の患者が、今年、前立腺がんを発症し、30,000人超が前記疾患で死亡する。前立腺がんは、新たな症例に対する死亡の比率が約15%である。前記がんは、前立腺の中に残る可能性があるか、又はそれは、周囲組織若しくは遠隔部位(ほとんどの場合、リンパ節及び骨)に広がる。通常、前立腺がんは静かに広がり、それが前立腺を越えて進行した場合のみ症候を生じる。前立腺がんが診断されて早期ステージの間に処置された場合、いくつかの研究において、患者の5年生存率は94%であった。
米国において、乳がんは、女性の間で最もよくみられるがんであり、毎年約180,000件の新規症例が診断される(男性の乳がんは、全ての診断された乳がんの約5%を占める)。女性の死因として乳がんを超えるのは肺がんのみであり、乳がんは、毎年およそ50,000の死亡の原因となった。アメリカ人の女性において、その生涯の間に乳がんを発症する可能性があるのは8人のうち1人(又は約13%)である。過去10年にわたって、最も報告された乳がんは、小さい、原発性の(独立して生じる;転移によって引き起こされない)腫瘍であった。新規に診断された患者のおおむね70%~80%が早期疾患(ステージ1又は2)を示し、大多数には腋窩(わきの下)リンパ節の併発がなかった。
膵臓は、胃及び小腸の近くに位置する消化器系の器官である。それは、2つの主要な機能、すなわち、酵素及びホルモンの生成を有する。膵臓のがんは、外分泌(すなわち、酵素)膵臓内で生じ得(例えば、古典的な膵臓腺がん)、又は内分泌(すなわち、ホルモン)膵臓内で生じ得る。
1998年には、米国で膀胱がんの新規症例が54,000件超診断され、該疾患に起因する死亡は約15,000件と推定された。膀胱がんは、アメリカ人の男性の中で4番目に多いがんであり、アメリカ人の女性の中で9番目に多いがんである。膀胱がんは女性よりも男性に3倍頻繁に起こる。より高齢の男性の主要な疾患である膀胱がんは、疾病及び死亡の著しい原因である。膀胱がんのリスクは、年齢と共に急激に増加し(症例の80%が50歳を過ぎた人々に起こる)、膀胱がんでの全死亡の半分超が70歳以降で起こる。65歳を過ぎた白人において、膀胱がんの年間疾病率は、1,000人当たりおよそ2症例であり、このことは、65歳未満では1,000人当たり0.1症例の割合であることと対照をなす。一人が生涯の間において膀胱がんを発症する確率は3%より高いが、膀胱がんで死亡する確率は小さい(<1%)。膀胱がんが40歳より若い人々に起こることは稀である。
脳腫瘍は、手術不能であることがしばしばであり、患者の80%超が診断から12ヵ月以内に死亡する。米国では原発性頭蓋内(脳)がんの新規症例が毎年およそ18,000件診断される。脳腫瘍は、全ての成人がんの約2パーセントを示す。脳腫瘍のうち50パーセント超は、高悪性度神経膠腫(すなわち、多形性神経膠芽細胞腫及び退形成星細胞腫腫瘍)である。これらの腫瘍の患者は、しばしば、運動機能障害、発作及び視力障害などの重度の障害に苦しむ。
再狭窄は、血管壁肥厚と、血管により組織へ供給される血流の喪失とにつながる、慢性血管損傷の形態である。この炎症性疾患は、血管閉塞を軽減する任意の操作を含む血管再建手技に応答して生じることがある。したがって、再狭窄は、これらの手技の有効性を限定する主要な制限的因子である。
関節リウマチ(RA)は、関節組織の疼痛、腫脹、滑膜細胞増殖(パンヌス形成)及び破壊を特徴とする消耗性慢性炎症性疾患である。進行期において、前記疾患はしばしば重要な器官を損傷し、致死的となり得る。前記疾患は、免疫系(マクロファージ/単球、好中球、B細胞及びT細胞)複合的サイトカイン相互作用並びに滑膜細胞の機能不全及び増殖の複数の要素を含む。メトトレキセートなどの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)による早期の積極的処置が推奨されており、該薬物は、本明細書において他の箇所で考察される。
本明細書に記載の前記組成物などは、例えばオリゴヌクレオチド治療薬及び抗炎症剤を含む組成物を患者に投与することを含む、好中球が関与する炎症状態の抑制又は処置を、所望により行うことができる。かかる状態の例としては、結晶誘導性関節炎、骨関節炎、非リウマチ様炎症性関節炎、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、ベーチェット症候群、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、炎症性大腸疾患、慢性炎症性肺疾患、神経障害及び多発性硬化症が挙げられる。これらの疾患の一部は、以下の段落でさらに考察される。
乾癬は、痒みがあり、ひりひりし、チクチクし、容易に出血する、隆起し、肥厚し、鱗片状である病変を特徴とする一般的な慢性炎症性皮膚疾患である。これらの疾患は、前記疾患の後期に細胞増殖成分及び血管形成成分を有するが、患者は、多くの場合、付随的な関節炎状態を有する。症状は、プレドニゾンなどのステロイド性抗炎症剤又はメトトレキセートなどの抗増殖剤によって処置されてもよく、それらの剤は、本明細書において他の箇所で考察される。慢性炎症性皮膚疾患、例えば、乾癬及び/もしくは湿疹の抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは予防のために、本明細書における前記組成物を用いてもよい。
虚血(ischemia)又は乏血(ischaemia)には血液供給における制限が関与し、前記制限としては、適切な組織機能のために必要な酸素、グルコース及び他の成分の供給の不足が挙げられ、組織の傷害及び/又は機能障害を引き起こす。虚血は、重度の問題を引き起こす可能性がある。例えば、組織が無酸素化して壊死したりする可能性があり、血液凝固が発生する可能性がある。虚血の防止及び/又は処置を行うために各種試みが行われてきた。例えば、血流復活治療あるいは再灌流治療がある。しかし、血液復活治療には酸素の再導入が関与し、これはフリーラジカルの生成によるさらなる損傷を引き起こす可能性があり、再灌流による傷害を発生させる可能性がある。再灌流傷害は深刻な問題を引き起こす可能性がある。本明細書に記載の組成物は、虚血及び/もしくは再灌流傷害を抑制するか又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
内毒素血症は、血液中にエンドトキシンが存在することである。内毒素血症は深刻な問題を引き起こす可能性がある。例えば、内毒素血症は敗血症性ショックにつながる可能性がある。本明細書に記載の組成物は、内毒素血症を抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
ケロイド形質は、創傷を、隆起した瘢痕を伴って治癒させる。ケロイド形質の隆起瘢痕には異常な線維性瘢痕化が含まれる。ケロイド形質は、重度の問題、例えば疼痛や外観上の問題(disfigurement)を引き起こす。本明細書に記載の組成物は、ケロイド形質及びその結果として生じる隆起瘢痕を抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
皮膚炎にはアトピー性皮膚炎及び接触性皮膚炎を含む皮膚の炎症が含まれる。例えば、接触性皮膚炎には、皮膚の異物との接触の後に発症する局所的発疹及び/又は皮膚の刺激が関与する。例えば、アトピー性皮膚炎は、慢性的に再発性である掻痒性皮膚疾患である。アトピー性皮膚炎は時にベニエー痒疹、神経皮膚炎、内在性湿疹、屈面性湿疹、乳児皮膚炎、小児期湿疹及び急性単純性痒疹(prurigo diathsique)と称される。湿疹は、皮膚炎の形態の疾患である。他のタイプの皮膚炎としては、海綿状皮膚炎、脂漏性皮膚炎(ふけ)、汗疱状皮膚炎(汗疱)、蕁麻疹、小疱性皮膚炎(水疱性皮膚炎)及び丘疹性蕁麻疹(popular urticaria)が挙げられる。皮膚炎は、重度の問題を引き起こす可能性がある。例えば、乾燥肌、皮膚発疹、皮膚浮腫、皮膚発赤、皮膚掻痒、痂皮形成、ひび割れ、水膨れ、滲出及び出血である。皮膚炎を処置又は防止するために、コルチコステロイド及びコールタールの使用を含む試みが為されてきた。本明細書に記載の組成物は、アトピー性皮膚炎、湿疹、接触性皮膚炎、海綿状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、蕁麻疹、小疱性皮膚炎及び丘疹性蕁麻疹を含む皮膚炎を抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
酒さは、典型的には顔面紅斑を特徴とする慢性疾患又は慢性状態である。酒さは、重度の問題を引き起こす可能性がある。例えば、酒さは典型的には額、鼻又は頬上の発赤として発生し、頸部、耳、頭皮及び胸部上の発赤を引き起こすこともある。例えば、酒さは、毛細血管拡張、丘疹、膿疱、痛痒感を含むさらなる症候を引き起こし、進行した場合には鼻瘤(赤色の分葉状の鼻)を発症しうる。酒さのサブタイプとしては、紅斑毛細血管拡張型酒さ、丘疹膿疱性酒さ、瘤腫型酒さ(phymatous rosacea)及び眼型酒さが挙げられる。酒さを処置又は予防するために、抗炎症剤及び抗生剤の使用を含む試みが為されてきた。本明細書に記載の組成物は、紅斑毛細血管拡張酒さ、丘疹膿疱性酒さ及び眼性酒さのサブタイプを含む酒さを抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
本明細書における考察は、医療機器、医療材料、組み合わせ生成物又は医薬的に許容し得る容器内に本明細書において考察される組成物を含む、医療機器、医療材料、組み合わせ及び医薬品も提供する。前記製品(products)は前記容器に添付された注意事項をさらに含んでもよい。注意事項は典型的には、医療機器、医療材料、組み合わせ及び医薬又は生物医薬の製造、使用又は販売を規制する所管官庁によって規定された形態であり、これによって注意書きは、例えば、フカン-低エンドトキシン組成物が、例えば、増殖性疾患又は炎症性疾患(例えば、炎症性関節炎、再狭窄、外科的癒着、乾癬及び腹膜炎など)の処置のためにヒト又は動物に投与するための抗増殖剤又は抗炎症剤として承認されている旨など、官庁による前記組成物の承認を反映するものとなる。本明細書に記載のフカン-低エンドトキシン組成物の使用のための説明書も含まれてよい。かかる説明書は、患者の投与及び投与方法に関する情報を含んでもよい。医薬品は前記医療組成物を投与又は塗布するためのデバイスやシステムなど、例えば注射器及び/又は噴霧器を含んでいてもよい。
ラミナリア・ヒペルボレア(Laminaria Hyperborea)から滲出物-抽出物を得た。前記滲出物-抽出物を濾過し、100kDaフィルタを用いた(over)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によって小分子を除去した。変性させられないかぎり未変性の試料A(otherwise unmodified sample A)を得るために、得られた保持物(retentate)の試料を凍結乾燥した。得られた保持物を、10MのNaOH溶液の添加によって0.25MNaOHとし、室温で16時間静置した。次いで、得られた試料を50kDaのフィルタを用いて遠心濾過し、得られた保持物を回収して凍結乾燥し、塩基処理試料Bを得た。陽子磁気共鳴分光法(1H-NMR)によって未変性試料A及び塩基処理試料Bの両方を分析した。得られた1H-NMRスペクトルを図3Aに示す。
高レベルのエンドトキシン、例えば、フコイダンのミリグラム当たり少なくとも1000のエンドトキシン単位(EU)(EU/mg)を含有する原料フコイダン組成物を蒸留水中約10%w/vに調製し、出発溶液を得る。前記出発溶液に塩化ナトリウムを添加して、最終塩化ナトリウム濃度が約0.1Mである混合物を生成する。前記混合物を沸騰付近まで10~15分間加熱する。この温度での前記混合物の処理は、溶解した不純物及び粒子状非フコイダン物質の凝集を誘導する。前記混合物を2300重力で40分間遠心分離して、凝集した非フコイダン成分からフコイダン含有溶液を分離する。前記フコイダン含有溶液を凍結乾燥して、含まれるフコイダンのミリグラム当たりのエンドトキシン単位(EU/mg)が有意に低減されたレベル、例えば、約100EU/mgである、フコイダン-低エンドトキシン組成物を得る。EUレベルは、例えば、比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによって測定することができる。
粗製フコイダン組成物を、まず、実施例2において考察されている物理的誘導による凝集法に供して、比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによって測定すれば含有量が109EU/mgである出発フコイダン組成物を得た。この109EU/mg組成物を次いで脱イオン水中50mg/mlで溶解し、0.22μmフィルタを通して濾過して出発溶液を得た。前記出発溶液を、2ダイアボリュームの、0.01Mエチレンジアミン-四酢酸(EDTA)と0.5%w/vデオキシコール酸ナトリウム溶液で透析濾過して、生物的汚染物質及び生物溶解物成分、例えばエンドトキシンを消化(digest)及び除去した。得られた第1保持液フコイダン組成物を10ダイアボリュームの0.01M EDTAで透析濾過して残存デオキシコール酸ナトリウムを除去し、次いで5ダイアボリュームの蒸留水によって最終pHを7とした。得られた第2保持液フコイダン組成物を比濁LAL法によってエンドトキシンについて分析し、凍結乾燥して、フコイダン含有量を求めた。溶液中の前記フコイダン-低エンドトキシン組成物のエンドトキシンレベルは、0.158EU/mgであることが分かった。
脱イオン水に溶解した出発フコイダン組成物を、孔サイズが徐々に小さくなり最後のフィルタが2/1.2μmフィルタである3つの異なるフィルタを通してマイクロ濾過した。得られたフコイダン溶液を比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによってエンドトキシンについて分析し、水分含有率(concentration of moisture)を水分分析器によって分析してフコイダン含有量を求めた。前記フコイダン溶液のフコイダンのmg当たりのエンドトキシン単位(EU/mg)であるエンドトキシンレベルは、1.7EU/mgであることが分かった。
脱イオン水に溶解した出発フコイダン組成物を、孔サイズが徐々に小さくなり最後のフィルタが2/1.2μmフィルタである3つの異なるフィルタを通してマイクロ濾過した。得られたフコイダン溶液を比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによってエンドトキシンについて分析し、水分含有率(concentration of moisture)を水分分析器によって分析してフコイダン含有量を求めた。前記フコイダン溶液のフコイダンのmg当たりのエンドトキシン単位(EU/mg)であるエンドトキシンレベルは、13,000EU/mgであることが分かった。
粗製フコイダン組成物を、まず、実施例2において考察されている物理的誘導による凝集法に供して、比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによって測定すれば含有量が109EU/mgである出発フコイダン組成物を得た。この109EU/mg組成物を次いで水中50mg/mlで溶解し、0.22μmフィルタを通して濾過して出発溶液を得た。前記出発溶液を、7ダイアボリュームの、0.1MNaOH、0.01Mエチレン-ジアミン-四酢酸(EDTA)及び0.01Mドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液で透析濾過して、生物的汚染物質及び生物溶解物成分、例えばエンドトキシンを消化及び除去した。3M塩化カリウムによる沈殿、続いての遠心分離によって沈殿したドデシル硫酸カリウムを除去することにより、得られた第1保持液フコイダン組成物から補助タンジェンシャルフロー濾過システムの外部へ前記SDSを除去した。得られた上清フコイダン組成物を2ダイアボリュームの0.01M EDTAで再び透析濾過し、残存SDSを除去した。得られた第2級保持液フコイダン組成物を比濁LAL法によってエンドトキシンについて分析し、凍結乾燥して、フコイダン含有量を求めた。前記フコイダン-低エンドトキシン組成物のエンドトキシンレベルは、0.0006EU/mg未満であることが分かった。
2つの並列実験において、ゲルクロットLALアッセイによって測定すればミリグラム当たりエンドトキシン単位がそれぞれ約4,000及び8,000(EU/mg)である2つの原料フコイダン組成物を、70%v/vエタノール/水中0.5M NaOHの40℃混合物に添加する。得られた反応混合物を撹拌して40℃で2時間維持する。前記反応混合物を次いで遠心分離して、固体であるフコイダン-低エンドトキシン組成物を、抽出された不純物を含有する70%v/vエタノール/水上清中0.5M NaOHから分離する。
33,006EU/mgを含有する原料フコイダン組成物を蒸留水中15%w/vに調製して出発溶液を得た。前記出発溶液は、観察により、懸濁した粒子状物を含有することが分かった。塩化カルシウムを前記出発溶液に0.5Mのレベルまで添加して、反応混合物を生成した。10M NaOHを前記反応混合物に滴加して、pHを7~8とした。これは前記反応混合物中でのフコイダンの分解を避けるために行われた。後のリン酸添加による前記反応混合物の酸性化を回避するために、最少量の10M NaOHを前記反応混合物に再び添加した。前記反応混合物にリン酸を添加して0.5Mリン酸塩モル濃度(0.5 M phosphate)とした。これにより、前記塩化カルシウムと前記リン酸との反応によって形成されるリン酸カルシウムの作用を介して、前記の懸濁した粒子状物及び沈殿した不純物の凝集が開始された。前記反応混合物を室温で10分間静置して前記凝集を継続させた。前記反応混合物を17,568重力で17分間遠心分離して、上清溶液中の所望のフコイダン-低エンドトキシン組成物を前記の凝集した沈殿物から分離した。上清溶液を凍結乾燥してフコイダン分を得た。比濁LALアッセイにより、フコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり27.7のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが分かった。
33,006EU/mgを含有する原料フコイダン組成物を蒸留水中15%w/vに調製して出発溶液を得た。前記出発溶液は、観察により、懸濁した粒子状物を含有することが分かった。10M NaOHを前記出発溶液に滴加して、pHを7~8とした。これは、後の硫酸アルミニウム添加が前記出発溶液を酸性とするためのものである場合における前記出発溶液中でのフコイダンの分解を避けるために行われた。前記出発溶液を0.1M硫酸アルミニウムモル濃度(0.1 M aluminum sulfate)として反応混合物を生成した。これにより、形成された水酸化アルミニウムによる前記の懸濁した粒子状物及び沈殿した不純物の凝集が開始された。前記反応混合物を室温で10分間静置して前記凝集を継続させた。前記反応混合物を17,568重力で17分間遠心分離して、上清溶液中の所望のフコイダン-低エンドトキシン組成物を前記の凝集した沈殿物から分離した。上清溶液を凍結乾燥してフコイダン分を得た。比濁LALアッセイにより、前記上清溶液中のフコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり36.3(EU/mg)のエンドトキシン単位を含有することが分かった。
エンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり25.9のエンドトキシン単位(EU/mg)である出発フコイダン組成物を5~10%w/v含有する水性出発溶液を提供した。固体EDTA四ナトリウムをキレート剤として0.011Mの濃度まで添加した。1Mドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」)溶液を細胞破壊剤として0.011Mの濃度まで添加した。10M NaOH溶液を0.28Mの濃度まで添加して、前記出発溶液を塩基性にした。得られた反応混合物を室温で約30分間撹拌して、濁った白色混合物を得た。
エンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり25.9のエンドトキシン単位(EU/mg)である出発フコイダン組成物を5~10%w/v含有する水性出発溶液を提供した。固体EDTA四ナトリウムをキレート剤として0.033Mの濃度まで添加した。1Mドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液を細胞破壊剤として0.033Mの濃度まで添加した。10M NaOH溶液を0.12Mの濃度まで添加して、前記出発溶液を塩基性にした。得られた反応混合物を室温で約30分間撹拌して、濁った白色混合物を得た。
エンドトキシンレベルが約33,006EU/mgである原料フコイダンを沸騰0.1Mリン酸二ナトリウムに約10%w/vで溶解して、反応混合物を生成した。沸騰温度において40分後、前記反応混合物を2300重力で5分間遠心分離して、エンドトキシンを含む凝集した不純物の部分を除去した。得られた上清溶液を、固体トリリン酸ナトリウムを用いてトリリン酸ナトリウムモル濃度50mM(50 mM trisodium phosphate)、10M NaOH溶液を用いてNaOHモル濃度0.2M(0.2 M NaOH)として、前記上清溶液を塩基性にした。得られた二次反応混合物を固体メタ重亜硫酸ナトリウムの添加によりメタ重亜硫酸ナトリウムモル濃度20mM(20 mM sodium metabisulfite)として、前記の二次反応混合物のいずれの酸化剤も反応制御した。静菌剤としての95%EtOHの添加によって、前記の二次反応混合物をEtOH濃度10%(10% EtOH)とした。約50%w/v塩化ベンザルコニウム溶液の添加によって、前記二次反応混合物を塩化ベンザルコニウム濃度約0.1%w/v(about 0.1% w/v benzalkonium chloride)とした。前記塩化ベンザルコニウムは前記細胞破壊剤として機能するように添加された。
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり14.9のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分を約5.0gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり0.06のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分をTriton(登録商標)X100と混合して最終濃度を約0.5mMとした。得られた溶液を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たりで含有するエンドトキシン単位(EU/mg)が0.003未満であることが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分をn-ブタノールと混合して最終濃度を約5%v/vとした。得られた溶液を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり6.7のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分をエタノールと混合して最終濃度を約10%v/vとした。得られた溶液を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン-低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり6.0のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
約10,000EU/mgを含有する出発フカン組成物を蒸留水中に溶解して10mg/mLの水性出発溶液を生成する。出発フコイダン組成物を含有する水性出発溶液に20%v/vヘプタンを添加し、有機-水性混合物を次いで高剪断にて30分間混合する。この混合を終了させ、前記有機-水性混合物を分離漏斗に入れて有機相を水性相から分離する。所望のフカン成分を含有する、より濃厚な水性相が、前記分離漏斗の底部に沈降する一方で、望ましくない不純物を含む、濃厚さの低い有機相が、前記分離漏斗の上端に存在する。前記有機-水性混合物を前記分離漏斗において10分間静置する。前記水性相を次いでデカントし、溶液中の所望のフカン-低エンドトキシン組成物として回収する。溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物のエンドトキシン含有量は前記出発フカン組成物よりも約50%~約99.999%少ないことが比濁LALアッセイにより分かりうる。
約10,000EU/mgを含有する出発フカン組成物を蒸留水中に溶解して10mg/mLの水性出発溶液を生成する。出発フコイダン組成物を含有する水性出発溶液に20%v/v1-ブタノールを添加し、有機-水性混合物を次いで高剪断にて30分間混合する。この混合を終了させ、前記有機-水性混合物を分離漏斗に入れて有機相を水性相から分離する。所望のフカン成分を含有する、より濃厚な水性相が、前記分離漏斗の底部に沈降する一方で、望ましくない不純物を含む、濃厚さの低い有機相が、前記分離漏斗の上端に存在する。前記有機-水性混合物を前記分離漏斗において10分間静置する。前記水性相を次いでデカントし、溶液中の所望のフカン-低エンドトキシン組成物として回収する。溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物のエンドトキシン含有量は前記出発フカン組成物よりも約50%~約99.999%少ないことが比濁LALアッセイにより分かりうる。
約10,000EU/mgを含有する出発フカン組成物を蒸留水中に溶解して10mg/mLの水性出発溶液を生成する。出発フコイダン組成物を含有する水性出発溶液に20%v/v酢酸エチルを添加し、有機-水性混合物を次いで高剪断にて30分間混合する。この混合を終了させ、前記有機-水性混合物を分離漏斗に入れて有機相を水性相から分離する。所望のフカン成分を含有する、より濃厚な水性相が、前記分離漏斗の底部に沈降する一方で、望ましくない不純物を含む、濃厚さの低い有機相が、前記分離漏斗の上端に存在する。前記有機-水性混合物を前記分離漏斗において10分間静置する。前記水性相を次いでデカントし、溶液中の所望のフカン-低エンドトキシン組成物として回収する。溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物のエンドトキシン含有量は前記出発フカン組成物よりも約50%~約99.999%少ないことが比濁LALアッセイにより分かりうる。
粗製フカンを用いて、以下の実施例において考察される一定のフカンを製造した。特に、フカン2、フカン4、及びフカン7を製造するために用いられる粗製フカンを、リムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによってエンドトキシンについて分析した。「粗製フカン1」は、フカン2を製造するのに使用され且つフカン4も製造するのに使用される粗製フカンを指す。「粗製フカン2」及び「粗製フカン3」は、一緒にブレンドされ次いでフカン7を製造するのに使用される2つの粗製フカンを指す。かかる分析の結果を表1に示す。以下の表における結果は、エンドトキシンの一定の特徴に関して使用される略号を含んでいる。ミリグラム当たりのエンドトキシン単位をEU/mgによって表す。
本明細書において考察されている方法は、フカン-低エンドトキシン組成物を得るために如何様にも使用され、組み合わされ、改変され、また順番が変更されてもよい。10種のフカン-低エンドトキシン組成物を高エンドトキシン(例えば、原料)フカン組成物から調製して、医学的用途及び外科的用途におけるフカン-低エンドトキシン組成物の効能を評価した。より詳細には、エンドトキシンレベルが10,000EU/mg~60,000EU/mgの範囲である高エンドトキシンフカン組成物を、本明細書における方法のうちの1又は複数を使用して修飾及び/又はパイロジェン除去して、前記10種のフカン-低エンドトキシン組成物を得た。前記10種のフカン-低エンドトキシン組成物を、以下、フカン1~フカン10と称する。フカン1~フカン6、フカン8及びフカン10は、白色固体であった。フカン9は、淡褐色固体であった。フカン7を溶液に溶解して透明無色溶液を得た。フカン1、フカン3及びフカン7の調製には、実施例8及び実施例10に考察されている方法と、低イオン強度溶液に対するさらなる透析濾過との組み合わせを使用することが含まれた。フカン2及びフカン4の調製には、実施例7、ミセル相分離及び実施例15に考察されている方法の組み合わせの使用が含まれた。フカン9の調製には、実施例7、ミセル相分離、及び脱イオン水に対するタンジェンシャルフロー濾過に考察されている方法の組み合わせを使用することが含まれた。フカン6、フカン8及びフカン10の調製には、実施例9及び実施例10に考察されている方法並びに低イオン強度溶液に対するさらなる透析濾過の組み合わせを使用することが含まれた。エンドトキシンレベル、分子量、硫酸レベル及び総炭水化物レベルを以下のように求めた。
フカン1~8及びフカン10について、比濁エンドトキシン試験を、製造者の指示にしたがって、Associates of Cape CodのPyrotell(登録商標)-T溶解物を使用して実施した。濁度の測定値を、Biotek Synergy(登録商標)HTXインキュベーションプレートリーダを使用して採取した。結果を製造者のCSE(対照の標準エンドトキシン)較正曲線に対して定量した。
前記フカン-低エンドトキシン組成物(フカン1、フカン2、フカン4、フカン5、フカン6、フカン8及びフカン10)について得られた分子量分布を評価するために、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いた。ゲル浸透クロマトグラフィーにおける使用のために利用可能な異なるパラメータ、カラム及び標準物質が多数あるため、分子量の分析に利用可能な計装構成も多様となる。ここでは分子量決定のために、以下のパラメータを用いてGPCを行った。移動相は、0.1Mの硝酸ナトリウム流を0.6mL/分とした。カラムコンパートメント及び検出器は30℃とした。検出にはWaters2414示差屈折率検出器を用いた。
表2~4に示されるフカン1、フカン2、フカン4及びフカン5から乳酸リンゲル液USP(LRS)中の100mg/mLのフコイダン溶液を調製した。フカン8から乳酸リンゲル液USP(LRS)中の500mg/mLのフコイダン溶液を調製した。スプラーグ・ドーリー・ラットにラミネクトミー手術を施した。ラットの平均体重及び1キログラム当たりのミリグラム表示の投与量を以下の表5に示す。ブピバカイン溶液を用いて腰椎に沿ったラインブロック(line block)を作製した。ラットの背部を洗浄し、次いで滅菌ドレープで覆った。正中皮膚切開によって腰筋膜を開き、腰仙筋膜を切開し、傍脊柱筋を切開して下にある椎弓板を露出させた。椎骨の中心の骨を除去した。手技の全体にわたって、乳酸リンゲル液USP(LRS)の灌注及び綿棒による圧力によって止血を維持した。露出させた硬膜を、直接、15マイクロリットルのLRS(対照)によって、又はフコイダン溶液によって処理した。筋層及び皮膚層を縫合糸で閉じ、前記ラットを1週間回復させた後、癒着の定量のために屠殺した。硬膜上の癒着の存在及び大きさを書きとめた。癒着及び露出硬膜の寸法を記録し、用いて、総露出硬膜面積に対する癒着面積の割合である癒着被覆率を算出した。
式1:癒着被覆率(%)=100×硬膜癒着面積(mm2)÷総露出硬膜面積(mm2)
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン7組成物の有効性を測定するために、合計4匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって、手術のために準備した。
式2:癒着被覆率(%)=100×子宮角癒着長÷総傷害子宮角長
として算出した。
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン8組成物の有効性を測定するために、合計4匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって、手術のために準備した。
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン9組成物の有効性を測定するために、合計9匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって、手術のために準備した。
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン8組成物の有効性を測定するために、合計3匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって手術のために準備した。
外科的癒着の抑制における、合計エンドトキシンレベルが0.003EU/mgであるフカン-低エンドトキシン組成物の有効性を測定するために、合計20匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ミダゾラム及びデクスメデトミジンの前投薬によって、手術のために準備した。
1002 流入供給ライン
1004 プレフィルタ
1006 TFFシステム流出バルブ
1008 補助TFFシステム流出ライン
1010 タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタ
1012 TFF供給ライン
1014 TFF流入ポンプ
1016 フカン容器
1017 TFF保持液バルブ
1018 TFF保持液戻りライン
1019 TFF濾過生成物流出ライン
1020 第1透析濾過溶液容器
1024 第1透析濾過溶液バルブ
1025 第1透析濾過溶液供給ライン
1030 第2透析濾過溶液容器
1034 第2透析濾過溶液バルブ
1035 第2透析濾過溶液供給ライン
1400 アニオン吸着エンドトキシン除去システム
1401 流入供給ライン
1402 サブシステム間バルブ
1403 TFFサブシステム保持液流出ライン
1404 アニオン交換サブシステムの流出バルブ
1405 アニオン交換サブシステム流出ライン
1406 プレフィルタ
1410 タンジェンシャルフロー濾過(TFF)サブシステム
1411 タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタ
1412 TFFフィルタ供給ライン
1413 透析濾過溶液バルブ
1414 TFFサブシステムポンプ
1415 TFFサブシステム透析濾過溶液供給ライン
1416 TFFサブシステムフカン容器
1417 TFFサブシステム透析濾過溶液容器
1418 TFFサブシステム保持液戻りライン
1419 TFFサブシステム濾過生成物流出ライン
1420 アニオン交換サブシステム
1421 アニオン交換容器
1422 アニオン交換容器の供給ライン
1424 アニオン交換サブシステムポンプ
1425 破壊剤供給ライン
1426 アニオン交換サブシステムフカン容器
1427 破壊剤容器
1428 アニオン交換容器流出ライン
1429 マクロ多孔性アニオン交換樹脂
本発明の例示的な態様を以下に記載する。
<1>
フカンのミリグラム当たり約0.2未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<2>
フカンのミリグラム当たり約0.18未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<3>
フカンのミリグラム当たり約0.16未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<4>
フカンのミリグラム当たり約0.1未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<5>
フカンのミリグラム当たり約0.09未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<6>
フカンのミリグラム当たり約0.06未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<7>
フカンのミリグラム当たり約0.04未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<8>
フカンのミリグラム当たり約0.03未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<9>
フカンのミリグラム当たり約0.02未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<10>
フカンのミリグラム当たり約0.01未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<11>
フカンのミリグラム当たり約0.007未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<12>
フカンのミリグラム当たり約0.003未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<13>
フカンのミリグラム当たり約0.002未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<14>
フカンのミリグラム当たり約0.001未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<15>
フカンのミリグラム当たり約0.0006未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<16>
フカンのミリグラム当たり約0.0005未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
<17>
有効分子量範囲が約50kDa~約5,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、有効分子量範囲が約1kDa~約6,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が6mmの40mmガードカラム1つ、ここで前記2つの分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム及び前記1つのガードカラムは約30℃のカラムコンパートメントに収容されている;
約30℃の示差屈折率検出器;
0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流;及び
ピーク分子量が約2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が約720kDa~約760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が約470kDa~約510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が約370kDa~約410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が約180kDa~約220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が約40kDa~55kDaの第6デキストラン標準品から実質的になるピーク分子量標準曲線と照らし合わせての定量(quantification)
から実質的になる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成を用いて測定される場合に、分布の60%w/w以上が100kDaより大きい分子量分布を前記フカンが有する、<1>~<16>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<18>
前記フカンは、分布の少なくとも75%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<19>
前記フカンは、分布の少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<20>
前記フカンは、分布の少なくとも98%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<21>
前記フカンは、分布の少なくとも81%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<22>
前記フカンは、分布の少なくとも92%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<23>
前記フカンは、分布の少なくとも97%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<24>
前記フカンは、分布の少なくとも44%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<25>
前記フカンは、分布の少なくとも61%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<26>
前記フカンは、分布の少なくとも70%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<27>
前記フカンは、分布の少なくとも80%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<28>
前記フカンは、分布の少なくとも90%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<29>
前記フカンは、分布の少なくとも5%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<30>
前記フカンは、分布の少なくとも10%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<31>
前記フカンは、分布の少なくとも24%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<32>
前記フカンは、分布の少なくとも31%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<33>
前記フカンが100kDaより大きい重量平均分子量を有する、<17>~<32>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<34>
前記フカンが200kDaより大きい重量平均分子量を有する、<17>~<32>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<35>
前記フカンが500kDaより大きい重量平均分子量を有する、<17>~<32>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<36>
前記フカンの硫酸化レベルが約20%w/w~60%w/wである、<1>~<35>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<37>
前記フカンの硫酸化レベルが約30%w/w~55%w/wである、<1>~<35>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<38>
前記フカンの硫酸化レベルが約32%w/w~52%w/wである、<1>~<35>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<39>
前記フカンの総炭水化物含有量が27%w/w~80%w/wである、<1>~<35>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<40>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約30%w/w以上である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<41>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約50%w/w以上である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<42>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約70%w/w以上である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<43>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約80%w/w以上である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<44>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約90%w/w以上である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<45>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約95%w/w以上である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<46>
前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約60%w/w未満である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<47>
前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約2%w/w~約20%w/wである、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<48>
前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約10%w/w未満である、<39>に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<49>
前記フカン-低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約4cP~50cPの粘度を有する、<1>~<48>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<50>
前記フカン-低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約10cP~40cPの粘度を有する、<1>~<48>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<51>
前記フカン-低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約15cP~30cPの粘度を有する、<1>~<48>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<52>
前記フカン-低エンドトキシン組成物が、白色固体である、<1>~<51>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<53>
前記フカン-低エンドトキシン組成物が、水に1mg/mL~100mg/mLの濃度で溶解される場合に透明無色である溶液を形成する、<1>~<52>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<54>
前記フカンのアセチル含有量が約5%w/w未満である、<1>~<53>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<55>
前記フカンのアセチル含有量が約2%w/w未満である、<1>~<53>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<56>
5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計により、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で、各回256~512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10~30ppmの範囲で、2D 1 H- 13 C異核多量子コヒーレンスによって測定される場合に、前記フカンの有するアセチル含有量が実質的に0%w/wである、<1>~<53>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
<57>
動物における線維性癒着を処置する方法であって、前記線維性癒着を阻害するために<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物の創傷の部位に0.5mg/kg~50mg/kgの用量範囲を含む治療上有効量の前記フカン-低エンドトキシン組成物を投与すること、を含む方法。
<58>
<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を選択することを含む、動物における線維性癒着の処置のための剤。
<59>
線維性癒着を阻害するために<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を選択すること、及び動物の創傷の部位に0.5mg/kg~50mg/kgの用量範囲を含む治療上有効量の前記フカン-低エンドトキシン組成物を投与すること、を含む、前記動物における線維性癒着の処置のための剤。
<60>
線維性癒着のための治療薬の製造のための、<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物の使用。
<61>
<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を作製することを含む方法。
<62>
<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を使用することを含む方法。
<63>
前記使用することが線維性癒着を処置することを含む<62>に記載の方法。
<64>
医学的に許容しうる緩衝剤又は希釈剤の中に治療上有効量の<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を含む、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物。
<65>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が250EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<66>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が250EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<67>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が50EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<68>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が20EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<69>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が20EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<70>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が10EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<71>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が2EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<72>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が2EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<73>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<74>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が0.1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<75>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシンの投与物(dose)が0.01EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<76>
フカンの少なくとも60%w/wが100kDa超となっている分子量分布、300kDa~5,000kDaの重量平均分子量、20%w/w~60%w/wの硫酸化レベル、30%w/w~80%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として30%w/w~100%w/wのフコース含有量を有するフカンを前記フカン-低エンドトキシン組成物が含む、<65>~<75>のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<77>
フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa~1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w~60%w/wの硫酸化レベル、40%w/w~65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを前記フカン-低エンドトキシン組成物が含む、<65>~<75>のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<78>
フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa~1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w~52%w/wの硫酸化レベル、40%w/w~65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを前記フカン-低エンドトキシン組成物が含む、<65>~<75>のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
<79>
動物における状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.5mg/kg~50mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含む方法。
<80>
動物における状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために<64>に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.04mg/kg~25mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含む方法。
<81>
前記治療上有効量が約0.2mg/kg~10mg/kgである、<80>に記載の方法。
<82>
前記治療上有効量が約1mg/kg~5mg/kgである、<79>又は<80>に記載の方法。
<83>
前記治療上有効量が約1.5mg/kg~3mg/kgである、<79>又は<80>に記載の方法。
<84>
前記治療上有効量が約5mg/kg~10mg/kgである、<79>又は<80>に記載の方法。
<85>
前記状態又は前記疾患が、前記動物における標的部位における線維性癒着であり、前記投与が、前記標的部位に前記治療上有効量を投与することを含む、<79>~<84>のいずれか一項に記載の方法。
<86>
<1>~<56>のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を約0.02mg/mL~100mg/mL含む医療組成物であって、動物における疾患又は状態を処置するために構成され且つ組成される、医療組成物。
<87>
前記フカン-低エンドトキシン組成物を約0.5mg/mL~5mg/mL含む<86>に記載の医療組成物。
<88>
前記フカン-低エンドトキシン組成物を約2.5mg/mL含む<86>に記載の医療組成物。
<89>
前記医療組成物が医療デバイスである、<86>~<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<90>
前記医療組成物が液体医療デバイスである、<86>~<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<91>
前記医療組成物が医薬組成物である、<86>~<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<92>
前記医療組成物が液体医薬組成物である、<86>~<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<93>
前記疾患又は前記状態が線維性癒着である、<86>~<92>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<94>
動物における疾患又は状態を処置するための約0.01mL/kg~15mL/kgを含む用量範囲の<86>~<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<95>
動物における疾患又は状態を処置するための約0.03mL/kg~4mL/kgを含む用量範囲の<86>~<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<96>
動物における疾患又は状態を処置するための約0.06mL/kg~2mL/kgを含む用量範囲の<86>~<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<97>
動物における疾患又は状態を処置するための約2mL/kg~4mL/kgを含む用量範囲の<86>~<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<98>
患者における選択された疾患又は状態を処置するための方法であって、患者における前記選択された疾患もしくは状態を含むか又は前記選択された疾患もしくは状態に罹患しやすいといえる(reasonably susceptible)選択された標的部位を同定すること、及びその後に、前記患者における標的部位に<86>~<93>のいずれか一項に記載の医療組成物を投与することを含む方法。
<99>
前記疾患又は前記状態が線維性癒着である、<98>に記載の方法。
<100>
前記標的部位が手術部位であり、前記投与がa)前記手術部位における手術創を開けた後、b)手術中、及びc)前記手術創を閉じた後、のうち少なくとも1つにおいて行われる、<98>又は<99>に記載の方法。
<101>
前記投与が手術後且つ前記手術創を閉じる前に行われる、<98>に記載の方法。
<102>
前記投与が3分間未満かかる、<101>に記載の方法。
<103>
前記投与が2分間未満かかる、<101>に記載の方法。
<104>
前記投与が1分間未満かかる、<101>に記載の方法。
<105>
前記標的部位が、病変、擦過傷及び傷害部位のうち少なくとも1つである、<98>~<104>のいずれか一項に記載の方法。
<106>
前記標的部位が、骨盤腔、腹腔、背側腔、頭蓋腔、脊椎腔、腹部腔、胸腔、胸膜腔、心膜腔、皮膚、関節、筋肉、腱及び靱帯のうち少なくとも1つである、<98>~<105>のいずれか一項に記載の方法。
<107>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること、
前記反応混合物を加熱することによって前記不純物を凝集させて、凝集した不純物を生成すること、及び
前記凝集した不純物を除去すること
を含む方法。
<108>
前記出発フカン組成物を提供することは、前記出発フカン組成物を溶液として提供することを含む、<107>に記載の方法。
<109>
不純物が低減された溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<107>に記載の方法。
<110>
前記不純物を凝集させることが、大気圧を超える圧力において前記反応混合物を加熱することを含む、<107>に記載の方法。
<111>
前記凝集助剤は塩を含む、<107>に記載の方法。
<112>
前記塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物を含む、<111>に記載の方法。
<113>
前記凝集助剤は塩基を含む、<107>に記載の方法。
<114>
前記塩基は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの水酸化物及び/又は酸化物を含む、<113>に記載の方法。
<115>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<107>に記載の方法。
<116>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
エンドトキシンを含有する不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、及び
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ないフカン-低エンドトキシン組成物を含む保持フカン組成物(retentate fucan composition)を生成すること
を含む方法。
<117>
不純物が低減された溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<116>に記載の方法。
<118>
前記タンジェンシャルフロー濾過が100kDaタンジェンシャルフロー濾過フィルタを通して実施される、<116>又は<117>に記載の方法。
<119>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物と、細胞及びエンドトキシン集合体(aggregation)を破壊することが可能である破壊剤とを含む出発フカン組成物を溶液中に提供すること、及び
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記フカン-低エンドトキシン組成物及び残存する破壊剤を含む保持フカン組成物を生成すること
を含む方法。
<120>
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのンジェンシャルフロー濾過によって前記残存する破壊剤を除去して、前記フカン-低エンドトキシン組成物を含有する第2保持フカン組成物(second retentate fucan composition)を生成することをさらに含む、<119>に記載の方法。
<121>
前記破壊剤を沈殿させることができる沈殿剤を用いて前記保持フカン組成物を処理することによって前記残存する破壊剤を除去して、前記破壊剤の沈殿物及び上清フカン組成物を生成すること、及び
前記破壊剤の前記沈殿物を前記上清フカン組成物から分離すること
をさらに含む、<119>に記載の方法。
<122>
不純物が低減された溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<119>~<121>のいずれか一項に記載の方法。
<123>
前記破壊剤は少なくとも1つの界面活性剤を含む、<119>~<122>のいずれか一項に記載の方法。
<124>
前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤である、<123>に記載の方法。
<125>
前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤である、<123>に記載の方法。
<126>
前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、<123>に記載の方法。
<127>
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114及びデオキシコール酸ナトリウムのうち少なくとも1つを含む、<123>に記載の方法。
<128>
前記沈殿剤は、塩化カリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム及び炭酸カルシウムのうち少なくとも1つを含む、<121>~<127>のいずれか一項に記載の方法。
<129>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<119>~<128>のいずれか一項に記載の方法。
<130>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
固体である出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること、
前記出発フカン組成物と前記抽出媒体とを混合して前記フカン-低エンドトキシン組成物と前記抽出媒体との混合物を作成すること、及び
前記抽出媒体から前記フカン-低エンドトキシン組成物を分離すること
を含む方法。
<131>
固体である前記フカン-低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<130>に記載の方法。
<132>
前記抽出媒体は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種を含む、<130>に記載の方法。
<133>
前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、ジエチルエーテル、デカメチルシクロ-ペンタシロキサン、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタノール、オクタノール及びデカノールのうち少なくとも1つを含む、<132>に記載の方法。
<134>
前記抽出媒体は、塩基、界面活性剤及び酸化剤のうち少なくとも1つをさらに含む、<132>に記載の方法。
<135>
固体である前記出発フカン組成物を提供することは、溶液から前記出発フカン組成物を沈殿させることを含む、<130>に記載の方法。
<136>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<130>に記載の方法。
<137>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
懸濁不純物を含む不純物を含有する出発フカン組成物を溶液中に提供すること、
イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記不純物を前記溶液から沈殿させることにより、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との混合物を生成すること、及び
前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離すること
を含む方法。
<138>
前記フカン-低エンドトキシン組成物を含有する前記上清溶液を回収することをさらに含む、<137>に記載の方法。
<139>
前記イオン性多価不純物沈殿剤は二価又は三価のカチオンの塩を含む、<137>に記載の方法。
<140>
前記塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物である、<139>に記載の方法。
<141>
前記カチオンは、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄である、<139>に記載の方法。
<142>
前記不純物沈殿剤は、二価又は三価のカチオンの塩基を含む、<137>に記載の方法。
<143>
前記塩基は、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄の、水酸化物及び/又は酸化物である、<142>に記載の方法。
<144>
前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離することは、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との前記混合物に凝集剤を添加することにより、前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を凝集させることを含む、<137>~<143>のいずれか一項に記載の方法。
<145>
前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カリウム、リン酸マグネシウム、アクリルアミド、アクリル酸、アルミニウムクロロハイドレート、ポリ塩化アルミニウム、タンニン、ホルムアルデヒド、メラミン、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、第4級N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド及びポリジアリルジメチル-アンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む、<144>に記載の方法。
<146>
約7~14のpHを維持することをさらに含む、<137>~<145>のいずれか一項に記載の方法。
<147>
前記pHを維持することは、塩基を添加することを含む、<146>に記載の方法。
<148>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<137>~<147>のいずれか一項に記載の方法。
<149>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
前記出発フカン組成物のpHを約8~14に調整すること、
細胞成分を溶解するように構成されている細胞破壊剤を前記出発フカン組成物に添加して、前記細胞破壊剤と、生体分子溶解物と、前記出発フカン組成物とを含む反応混合物を生成すること、及び
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を前記反応混合物から除去すること
を含む方法。
<150>
前記出発フカン組成物を提供することは、溶液である前記出発フカン組成物を提供することを含む、<149>に記載の方法。
<151>
不純物が低減された溶液中の前記フカン-低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<149>に記載の方法。
<152>
前記細胞破壊剤は界面活性剤を含む、<149>に記載の方法。
<153>
前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤である、<152>に記載の方法。
<154>
前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤である、<152>に記載の方法。
<155>
前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、<152>に記載の方法。
<156>
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114、Brij(登録商標)界面活性剤、Tween(登録商標)界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホネートのうち少なくとも1つを含む、<152>に記載の方法。
<157>
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を除去することは、前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を凝集させるために構成された凝集剤を前記混合物に添加することを含む、<149>~<156>のいずれか一項に記載の方法。
<158>
前記細胞破壊剤を除去することは、前記細胞破壊剤を前記反応混合物に不溶にすることができる沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含む、<149>~<156>のいずれか一項に記載の方法。
<159>
前記生体分子溶解物を除去することは、前記生体分子溶解物を前記反応混合物に不溶にすることができるように構成された沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含む、<149>~<158>のいずれか一項に記載の方法。
<160>
前記沈殿物を凝集させるために構成された凝集剤を前記反応混合物に添加することをさらに含む、<158>~<159>のいずれか一項に記載の方法。
<161>
前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カリウム、リン酸マグネシウム、アクリルアミド、アクリル酸、アルミニウムクロロハイドレート、ポリ塩化アルミニウム、タンニン、ホルムアルデヒド、メラミン、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、第4級N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド及びポリジアリルジメチル-アンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む、<157>~<160>のいずれか一項に記載の方法。
<162>
前記アニオン性界面活性剤を除去することはアニオン吸着を含む、<153>に記載の方法。
<163>
前記カチオン性界面活性剤を除去することはカチオン吸着を含む、<154>に記載の方法。
<164>
前記非イオン性界面活性剤を除去することはミセル相分離を含む、<155>に記載の方法。
<165>
前記界面活性剤を除去することは疎水性吸着を含む、<152>に記載の方法。
<166>
前記界面活性剤を除去することは、
前記界面活性剤の濃度が所定の濃度未満になるまで前記反応混合物を希釈すること、及び
前記界面活性剤を含む前記反応混合物を、分子量カットオフが前記界面活性剤の最大分子量を超えるタンジェンシャルフロー濾過フィルタによる透析濾過に供すること
を含む、<152>に記載の方法。
<167>
前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、キレート剤を前記反応混合物に添加することをさらに含む、<149>~<166>のいずれか一項に記載の方法。
<168>
前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、エチレンジアミン、ポルフィン及び/又はクエン酸を含む、<167>に記載の方法。
<169>
前記細胞破壊剤を除去する前に酸化剤反応制御剤(oxidant-quenching agent)を前記反応混合物に添加して、前記反応混合物中の酸化剤の反応を制御(quench)することをさらに含む、<149>~<168>のいずれか一項に記載の方法。
<170>
前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、静菌剤(bacteriostatic agent)を前記反応混合物に添加することをさらに含む、<149>~<169>のいずれか一項に記載の方法。
<171>
前記静菌剤は、亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、塩化ベンザルコニウム、エタノール及び/又はチオ尿素を含む、<170>に記載の方法。
<172>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<149>~<171>のいずれか一項に記載の方法。
<173>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物からエンドトキシンを除去する方法であって、
エンドトキシンを含む出発フカン組成物及びアニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供すること、
前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記フカン-低エンドトキシン組成物を生成すること
を含む方法。
<174>
前記エンドトキシン集合体を破壊できる破壊剤によって前記出発フカン組成物を前処理することをさらに含む、<173>に記載の方法。
<175>
前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供する前に前記出発フカン組成物を脱塩することをさらに含む、<173>に記載の方法。
<176>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、孔サイズが、前記出発フカン組成物中の前記エンドトキシンの平均流体力学半径を超えている、<173>に記載の方法。
<177>
前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することは、約1:100~約10:1の前記出発フカン組成物:アニオン交換マクロ多孔性樹脂の質量比で前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することを含む、<173>に記載の方法。
<178>
前記質量比は約1:50~約1:1である、<177>に記載の方法。
<179>
前記質量比は約1:10~約1:1である、<177>に記載の方法。
<180>
前記出発フカン組成物はアニオン交換に約5分~約100時間の期間供される、<173>~<179>のいずれか一項に記載の方法。
<181>
前記期間が約1時間~約30時間である、<180>に記載の方法。
<182>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は第4級アミン基を含む、<173>~<181>のいずれか一項に記載の方法。
<183>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は第1級アミン基、第2級アミン基及び第3級アミン基のうち少なくとも1つを含む、<173>~<181>のいずれか一項に記載の方法。
<184>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、スチレン、アガロース、デキストラン、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、セルロース、シリカ及びセラミックのうち少なくとも1つから構成される、<173>~<181>のいずれか一項に記載の方法。
<185>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は孔サイズが約5nm~約1000nmである、<173>~<181>のいずれか一項に記載の方法。
<186>
前記孔サイズは約10nm~約100nmである、<185>に記載の方法。
<187>
前記孔サイズは約15nm~約50nmである、<185>に記載の方法。
<188>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は排除限界が約5kDa~約50,000kDaである、<173>~<187>のいずれか一項に記載の方法。
<189>
前記排除限界は約1,000kDa~約9,000kDaである、<188>に記載の方法。
<190>
前記排除限界は約5kDa~約200kDaである、<188>に記載の方法。
<191>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<173>~<190>のいずれか一項に記載の方法。
<192>
フカン-低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物を含む出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること、
前記水性出発溶液を有機溶媒と混合して、水相有機相混合物を生成すること、及び
前記水相有機相混合物を分離して水性部分及び有機部分を得ること
を含む方法。
<193>
前記フカン-低エンドトキシン組成物を含有する前記水性部分を回収することをさらに含む、<192>に記載の方法。
<194>
前記有機溶媒は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種を含む、<192>に記載の方法。
<195>
前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、デカメチルシクロ-ペンタシロキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘプタン、酢酸イソブチル、アニソール、酢酸イソプロピル、1-ブタノール、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、ペンタン、1-ペンタノール、エチルエーテル及び酢酸プロピルのうち少なくとも1つを含む、<192>~<194>のいずれか一項に記載の方法。
<196>
前記フカン-低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<192>に記載の方法。
Claims (47)
- フカンのミリグラム当たり0.2未満のエンドトキシン単位を含むフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.18未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.16未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.1未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.09未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.06未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.04未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.03未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.02未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.01未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.007未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.003未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.002未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.001未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.0006未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンのミリグラム当たり0.0005未満のエンドトキシン単位を含む請求項1に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 有効分子量範囲が50kDa~5,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの1つの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム、有効分子量範囲が1kDa~6,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの1つの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム、及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が6mmの1つの40mmガードカラム、ここで前記2つの分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム及び前記1つのガードカラムは30℃のカラムコンパートメントに収容されている;
30℃の示差屈折率検出器;
0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流;及び
ピーク分子量が2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が720kDa~760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が470kDa~510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が370kDa~410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が180kDa~220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が40kDa~55kDaの第6デキストラン標準品から実質的になるピーク分子量標準曲線に対する定量(quantification)
から実質的になる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成を用いて測定される場合に、分布の60%w/w以上が100kDaより大きい分子量分布を前記フカンが有する、請求項1~請求項16のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。 - 前記フカンは、分布の少なくとも81%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、分布の少なくとも44%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、分布の少なくとも5%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンが100kDaより大きい重量平均分子量を有する、請求項17~請求項20のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、20%w/w~60%w/wの硫酸化レベルを有する、請求項1~請求項21のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、27%w/w~80%w/wの総炭水化物含有量を有する、請求項1~請求項21のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として少なくとも30%w/wを有する、請求項23に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、総ガラクトース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として60%w/w未満である、請求項23に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に4cP~50cPの粘度を有する、請求項1~請求項25のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、白色固体である、請求項1~請求項26のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、水に1mg/mL~100mg/mLの濃度で溶解される場合に透明無色である溶液を形成する、請求項1~請求項27のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、アセチル含有量が5%w/w未満である、請求項1~請求項28のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 前記フカンは、5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計により、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で、各回256~512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10~30ppmの範囲で、2D 1H-13C異核多量子コヒーレンスによって測定される場合に、アセチル含有量が実質的に0%w/wである、請求項1~請求項28のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物。
- 請求項1~請求項30のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を含む、動物における線維性癒着の処置のための剤。
- 線維性癒着のための治療薬の製造のための、請求項1~請求項30のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物の使用。
- 医学的に許容しうる緩衝剤又は希釈剤の中に治療上有効量の請求項1~請求項30のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を含む、線維性癒着を処置するために構成される、医学的に許容しうる組成物。
- 請求項33に記載の医学的に許容しうる組成物を含み、250EU未満のエンドトキシンレベルを有する、線維性癒着を処置するために構成される、医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物が、50EU未満のエンドトキシンレベルを有する、請求項34に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物が、20EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、請求項34に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物が、2EU未満のエンドトキシンレベルを有する、請求項34に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物が、0.1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、請求項34に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物が、0.01EU未満のエンドトキシンレベルを有する、請求項34に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンの少なくとも60%w/wが100kDa超となっている分子量分布、300kDa~5,000kDaの重量平均分子量、20%w/w~60%w/wの硫酸化レベル、30%w/w~80%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として30%w/w~100%w/wのフコース含有量を有するフカンを含む、請求項34~請求項39のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa~1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w~60%w/wの硫酸化レベル、40%w/w~65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを含む、請求項34~請求項39のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物が、フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa~1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w~52%w/wの硫酸化レベル、40%w/w~65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを含む、請求項34~請求項39のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン-低エンドトキシン投与物(dosage)。
- 請求項1~請求項30のいずれか一項に記載のフカン-低エンドトキシン組成物を0.02mg/mL~100mg/mL含む医療組成物であって、動物における線維性癒着を処置するために構成され且つ組成される、医療組成物。
- 前記フカン-低エンドトキシン組成物を0.5mg/mL~5mg/mL含む請求項43に記載の医療組成物。
- 前記医療組成物が医療機器である、請求項43又は請求項44に記載の医療組成物。
- 前記医療組成物が液体医薬組成物である、請求項43又は請求項44に記載の医療組成物。
- ヒト以外の動物における線維性癒着を処置するための0.01mL/kg~15mL/kgを含む用量範囲の請求項43~請求項46のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
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