JP2021532137A - 低エンドトキシンフカン組成物、システム及び方法 - Google Patents

低エンドトキシンフカン組成物、システム及び方法 Download PDF

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Abstract

フカンのミリグラム当たりのエンドトキシン単位が約0.2、0.18、0.1、0.01、0.001又は0.0005未満であり治療上有効量であり医学的に許容しうるフカンを含むフカン−低エンドトキシン組成物を開示する。また、出発フカン組成物からエンドトキシンを除去するか又はエンドトキシンの量を低減するための方法及びシステムも開示する。

Description

優先権の主張
本出願は、2018年7月27日に出願された米国仮出願第62/711,364号;2018年7月27日に出願された米国仮出願第62/711,372号;2018年7月27日に出願された米国仮出願第62/711,335号;2018年8月1日に出願された米国仮出願第62/713,399号;2018年8月23日に出願された米国仮出願第62/722,135号;2018年11月2日に出願された米国仮出願第62/755,311号;2019年1月17日に出願された米国仮出願第62/793,514号;2019年6月13日に出願された米国仮出願第62/861,223号;2018年8月1日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/713,392号;2018年8月1日に出願された米国仮出願第62/713,413号;2018年8月23日に出願された米国仮出願第62/722,137号;2018年11月2日に出願された米国仮出願第62/755,318号;2019年6月13日に出願された米国仮出願第62/861,228号;2018年11月2日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/755,328号;2019年1月17日に出願された米国仮出願第62/793,654号;及び2019年6月13日に出願された米国仮出願第62/861,235号の恩恵を主張し、その内容は参照により本明細書に援用される。
フカン(フコイダンを含む)は、硫酸化多糖である。一般的に言えば、このことは、それらが多くの糖類から構成される分子であり、前記糖類に付加した硫黄原子も有することを意味する。主要糖類は、6個の炭素原子を有し且つ化学式C12を有する糖である「フコース」と呼ばれる。「フコイダン」(又はフコイジン)は、褐藻(海草)に由来するフカンを示す。フカンは、単独で存在することが可能であり、あるいは他の糖の混合物、例えば、キシロース、ガラクトース、グルコース、グルクロン酸及び/又はマンノースなどの糖との混合物の状態で存在することも可能である。これらの他の糖は、フカンを有する海草又は他の原料から抽出され得る。フカンは現在、褐藻(海草)、ナマコなどの天然原料に由来するが、本明細書に記載される「フカン」は、フカンの(1又は複数の)究極的原料にかかわらず、本明細書で考察されるフカンの化学的モチーフ及び構造的モチーフを有するポリマー分子を含む。
フコイダンはAdenocystis utricularis、 Ascophyllum nodosum、 Chorda filum、 Cystoseirabies marina、 Durvillaea antarctica、 Ecklonia kurome、Ecklonia maxima、 Eisenia bicyclis、 Fucus evanescens、 Fucus vesiculosis、 Hizikia fusiforme、 Himanthalia Elongata、 Kjellmaniella crassifolia、 Laminaria brasiliensis、 Laminaria cichorioides、 Laminaria hyperborea、 Laminaria japonica、 Laminaria saccharina、 Lessonia trabeculata、 Macrocystis pyrifera、 Pelvetia fastigiata、 Pelvetia Canaliculata、 Saccharina japonica、 Saccharina latissima、 Sargassum stenophylum、 Sargassum thunbergii、 Sargassum confusum、 Sargassum fusiforme及びUndaria pinnatifidaを含む褐藻類の多様な種から得ることができるが、これらに限定されるものではない。これらの例示的な種は全て分類学上の褐藻綱(Phaeophyceae)から出たものであり、これらの種の大部分は、ヒバマタ科(Fucales)又はコンブ科(Laminariaceae)に入る。
フコイダンを含むフカンは、線維性癒着の形成を抑制、予防、除去、軽減、又は、それ以外の場合、処置することに供するにおいて有効であることが示されている。フカンには他の関連する疾患及び状態の処置への用途も見いだされている。
エンドトキシンとしても公知であるリポ多糖類は、細菌細胞内に維持されて細菌細胞壁の破壊の際に放出されるか又は細菌の生理的活性の一部として細菌細胞壁から分泌される、毒性分子である。対象の分子からのエンドトキシンの分離のために当該分野において多くの確立された方法が存在する。これらの方法は、大部分の用途では効率的であるが、フカンの存在下では適切に機能しない。この理由は、一部には、これらの方法の多くが、負に帯電したリン酸基を基としたエンドトキシンの単離に依存しているからである。フカンの存在下では、これらの方法は、フカン分子上に存在する硫酸基からの干渉効果を被る。化学的処理を含む他の公知の方法は、望ましくない効果であり得るフカンの分解を結果として生じさせる。本開示は、原料フカンなどのフカン組成物からのエンドトキシン及び他の不純物の分解、排除(elimination)及び/若しくは除去(removal)、並びに/又は他の利点のための、コスト効果的であり、拡大縮小可能であり、且つ/又は非破壊的な方法に取り組む。
本明細書における組成物及び方法などは、医学的用途及び外科的用途、例えば、線維性癒着の抑制、予防、除去、軽減又は他の処置に好適である、エンドトキシンのレベルの低いフカン−低エンドトキシン組成物(fucan-low endotoxin compositions having a low level of endotoxins)を含む。これらのフカン−低エンドトキシン組成物は、炎症、発熱及びエンドトキシン血症などの、エンドトキシンに起因する、フカンの医学的使用及び外科的使用の際の危険な合併症を軽減する。かかるエンドトキシンの低減は、約95%の低減〜約99%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%〜99.99999%の低減であり得る。ある一定の実施形態において、本明細書に提示されているフカン組成物は、前記組成物を医学的用途及び外科的用途に好適にするのに十分に低いエンドトキシンレベルを有する。
本明細書に提示されているフカン−低エンドトキシン組成物は、出発(starting)フカン組成物又は初期(initial)フカン組成物(すなわち、フカン−低エンドトキシン組成物が誘導され得るフカン組成物。かかる出発フカン組成物は、粗製であっても粗製でなくてもよく、又は予め加工若しくは精製されており、例えば、原料フカン組成物である)から得られる所望のフカン組成物からなる組成物、並びに、かかる所望のフカン−低エンドトキシン組成物を得る方法及びかかる組成物の使用方法を提供する。
いくつかの態様において、本明細書における組成物、システム、方法などは、フカンのミリグラム当たりのエンドトキシン単位が約0.2未満、約0.18未満、約0.16未満、約0.1未満、約0.09未満、約0.06未満、約0.04未満、約0.03未満、約0.02未満、約0.01未満、約0.007未満、約0.003未満、約0.002未満、約0.001未満、約0.0006未満、又は約0.0005未満であり得るフカン−低エンドトキシン組成物を含む。
いくつかの実施形態において、有効分子量範囲が約50kDa〜約5,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、有効分子量範囲が約1kDa〜約6,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が6mmの40mmガードカラム1つ、ここで前記2つの分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム及び前記1つのガードカラムは約30℃のカラムコンパートメントに収容されている;
約30℃の示差屈折率検出器;
0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流;及び
ピーク分子量が約2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が約720kDa〜約760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が約470kDa〜約510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が約370kDa〜約410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が約180kDa〜約220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が約40kDa〜55kDaの第6デキストラン標準品から実質的になるピーク分子量標準曲線と照らし合わせての定量(quantification)
から実質的になる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成を用いて測定される場合に、分布の60%w/w以上が100kDaより大きい分子量分布をフカンは有しうる。
フカンは、分布の少なくとも75%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも98%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも81%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも92%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも97%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも44%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも61%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも70%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも80%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも5%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも10%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有し得;分布の少なくとも24%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有し得;布の少なくとも31%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有し得る。さらに、フカンは、重量平均分子量が100kDa超、200kDa超又は500kDa超であってよい。
フカンは、硫酸化レベルが約20%w/w〜60%w/w、約30%w/w〜55%w/w、約32%w/w〜52%w/wであってよい。フカンは、総炭水化物含有量が27%w/w〜80%w/w、総フコース含有量が総炭水化物含有量に対する割合として少なくとも約30%w/w、50%w/w、70%w/w、80%w/w、90%w/w、又は95%w/wであってよい。フカンは、総ガラクトース含有量が総炭水化物含有量に対する割合として約60%w/w未満、約2%w/w〜20%w/w、又は約10%w/w未満であってよい。
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に、約4cP〜50cP、約10cP〜40cP、又は約15cP〜30cPの粘度を有してよい。前記フカン−低エンドトキシン組成物は、白色固体であってよく、水に1mg/mL〜100mg/mLの濃度で溶解される場合に、透明無色である溶液を形成しうる。フカンのアセチル含有量は、5%又は2%w/w未満でありうる。さらに、5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計により、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で、各回256〜512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10〜30ppmの範囲で、2D H−13C異核多量子コヒーレンスによって測定される場合に、前記フカンの有するアセチル含有量は実質的に0%w/wでありうる。
本明細書に記載のフカン及びフカン−低エンドトキシン組成物を製造及び使用する方法も本明細書に含まれる。当該使用は、線維性癒着を処置することを含みうる。
ある一定の態様において、本明細書における組成物、システム、方法などは、医学的に許容しうる緩衝剤又は希釈剤に、治療有効量の、本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を含みうる、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含む。また、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含みうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)であって、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が、250EU、50EU、20EU、10EU、2EU、1EU、0.1EU、又は0.01EU以下のエンドトキシンレベルを有する、前記投与物(dosage)も提供される。かかる医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物及び投与物(dosage)は、前記分子量分布、及び上記段落におけるような本明細書において考察されている他のパラメータを有しうる。
さらなる態様において、本明細書における組成物、システム、方法などは、動物において状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.5mg/kg〜50mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含みうる。前記量は、約0.04mg/kg〜25mg/kg、約0.2mg/kg〜10mg/kg、約1mg/kg〜5mg/kg、0.5mg/kg〜3mg/kg、又は5mg/kg〜10mg/kgであってもよい。
前記状態又は疾患は、前記動物における標的部位での線維性癒着であり得、前記投与は、前記標的部位に前記治療有効量を投与することを含みうる。前記医療組成物は、本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物からのフカンを約0.02mg/mL〜100mg/mL含み得、動物における疾患又は状態を処置するように構成され得且つ組成され得る。前記量はまた、約0.5mg/mL〜5mg/mL、又は約2.5mg/mLであってもよい。前記医療組成物は、液体の医療機器(medical device)であり得る医療機器であり得る。前記医療組成物は、液体医薬組成物を含む医薬組成物であり得る。
本明細書における方法は、動物における疾患又は状態を処置するための約0.01mL/kg〜15mL/kgを含みうる用量範囲の前記医療組成物の使用を含む。前記量は、約0.03mL/kg〜4mL/kg、0.06mL/kg〜2mL/kg、又は2mL/kg〜4mL/kgであってもよい。
患者において線維性癒着を処置する方法は、前記患者における標的部位に前記医療組成物を投与することを含みうる。前記標的部位は、手術部位であってよく、前記投与は、a)前記手術部位における手術創を開けた後、b)手術中、及びc)手術後であるが前記手術創を閉鎖する前を含めて、前記手術創を閉じた後、のうちの少なくとも1つにおいて、実施され得る。前記投与には、3分未満、2分未満、又は1分未満かかりうる。前記標的部位は、病変、擦過傷、及び傷害部位のうちの少なくとも1つであってよい。前記標的部位は、骨盤腔、腹腔、背側腔、頭蓋腔、脊椎腔、腹側腔、胸腔、胸膜腔、心膜腔、皮膚、関節、筋肉、腱及び靱帯のうちの少なくとも1つであってよい。
他の態様において、本明細書における組成物、システム、方法などは、フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法を含む。かかる方法は:
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること、
前記反応混合物を加熱することによって前記不純物を凝集させて、凝集した不純物を生成すること、及び
前記凝集した不純物を除去すること
を含みうる。
前記出発フカン組成物を提供することは、前記出発フカン組成物を溶液として提供することを含み得、前記方法は、不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含みうる。前記不純物を凝集させることは、大気圧を超える圧力において前記反応混合物を加熱することをさらに含みうる。前記凝集助剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物であり得る塩を含みうる。前記凝集助剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの水酸化物及び/又は酸化物であり得る塩基を含みうる。
さらに、前記方法は:
不純物と、細胞及びエンドトキシン凝集体(aggregation)を破壊することが可能である破壊剤(disrupting agent)とを含む出発フカン組成物を溶液中に提供すること、及び
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記フカン−低エンドトキシン組成物及び残存する破壊剤を含む保持フカン組成物(retentate fucan composition)を生成すること
を含みうる。
前記残存破壊剤の除去は、タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過によって前記残存する破壊剤を除去して、前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する第2保持フカン組成物(second retentate fucan composition)を生成することによって達成され得る。前記方法は:
前記破壊剤を沈殿させることができる沈殿剤を用いて前記保持フカン組成物を処理することによって前記残存する破壊剤を除去して、前記破壊剤の沈殿物及び上清フカン組成物を生成すること、及び
前記破壊剤の前記沈殿物を前記上清フカン組成物から分離すること
をさらに含みうる。
前記方法は、不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含みうる。前記破壊剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤であり得る少なくとも1つの界面活性剤を含みうる。前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114及びデオキシコール酸ナトリウムのうちの少なくとも1つを含みうる。
前記沈殿剤は、塩化カリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム及び炭酸カルシウムのうちの少なくとも1つを含みうる。
さらに、方法は:
固体である出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること、
前記出発フカン組成物と前記抽出媒体とを混合して前記フカン−低エンドトキシン組成物と前記抽出媒体との混合物を作成すること、及び
前記抽出媒体から前記フカン−低エンドトキシン組成物を分離すること
を含みうる。
前記方法は、固体である前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含みうる。前記抽出媒体は、相対極性が0.765未満である少なくとも1つの有機溶媒を含みうる。前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、ジエチルエーテル、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタノール、オクタノール及びデカノールのうちの少なくとも1つを含みうる。前記抽出媒体は、塩基、界面活性剤及び酸化剤のうちの少なくとも1つをさらに含みうる。固体形態の前記出発フカン組成物の前記提供は、溶液から前記出発フカン組成物を沈殿させることを含みうる。前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない。
なおさらなる方法は:
懸濁不純物を含む不純物を含有する出発フカン組成物を溶液中に提供すること、
イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記不純物を前記溶液から沈殿させることにより、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との混合物を生成すること、及び
前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離すること
を含みうる。
前記方法は、前記フカン−低エンドトキシン組成物を含みうる前記上清溶液を回収することをさらに含みうる。前記イオン性多価不純物沈殿剤は、二価又は三価のカチオンの塩を含みうる。前記塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物であり得る。前記カチオンは、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄であり得る。前記不純物沈殿剤は、二価又は三価のカチオンの塩基を含みうる。前記塩基は、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄の、水酸化物及び/又は酸化物であり得る。前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離することは、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との前記混合物に凝集剤を添加することにより、前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を凝集させることを含みうる。前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム;硫酸アルミニウムナトリウム;硫酸アンモニウムアルミニウム;塩化カルシウム;リン酸ナトリウム;水酸化アルミニウム;塩化アルミニウム;塩化第二鉄;硫酸第二鉄;硫酸第一鉄;ケイ酸ナトリウム;ケイ酸カルシウム;リン酸カルシウム;塩化亜鉛;炭酸カルシウム;重炭酸カルシウム;硫酸カリウム;リン酸マグネシウム;アクリルアミド;アクリル酸;アルミニウムクロロハイドレート;ポリ塩化アルミニウム;タンニン;ホルムアルデヒド;メラミン;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド;第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド;及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドのうちの少なくとも1つを含みうる。前記方法は、約7〜14のpHを維持することをさらに含み得る。前記pHを維持することは、塩基を添加することを含みうる。
他の方法は:
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
前記出発フカン組成物のpHを約8〜14に調整すること、
細胞成分を溶解するように構成されている細胞破壊剤を前記出発フカン組成物に添加して、前記細胞破壊剤と、生体分子溶解物と、前記出発フカン組成物とを含む反応混合物を生成すること;及び
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を前記反応混合物から除去すること
を含みうる。
前記出発フカン組成物を提供することは、溶液である前記出発フカン組成物を提供することを含みうる。前記方法は、不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含みうる。前記細胞破壊剤は、界面活性剤を含みうる。前記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤であり得る。前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton X100(登録商標)、Triton X114(登録商標)、Brij(登録商標)界面活性剤、Tween(登録商標)界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウム、及びアルキルベンゼンスルホネートのうちの少なくとも1つを含みうる。
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を除去することは、前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を凝集させるために構成された凝集剤を前記反応混合物に添加することを含みうる。前記細胞破壊剤を除去することは、前記細胞破壊剤を前記反応混合物に不溶にすることができる沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含みうる。前記生体分子溶解物を除去することは、前記生体分子溶解物を前記反応混合物に不溶にすることができるように構成された沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含みうる。前記方法は、前記沈殿物を凝集させるために構成された凝集剤を前記反応混合物に添加することをさらに含みうる。前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム;硫酸アルミニウムナトリウム;硫酸アンモニウムアルミニウム;塩化カルシウム;リン酸ナトリウム;水酸化アルミニウム;塩化アルミニウム;塩化第二鉄;硫酸第二鉄;硫酸第一鉄;ケイ酸ナトリウム;ケイ酸カルシウム;リン酸カルシウム;塩化亜鉛;炭酸カルシウム;重炭酸カルシウム;硫酸カリウム;リン酸マグネシウム;アクリルアミド;アクリル酸;アルミニウムクロロハイドレート;ポリ塩化アルミニウム;タンニン;ホルムアルデヒド;メラミン;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド;第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド;及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドのうちの少なくとも1つを含みうる。前記アニオン性界面活性剤の除去は、アニオン吸着を含みうる。前記カチオン性界面活性剤を除去することは、カチオン吸着を含み得る。前記非イオン性界面活性剤を除去することは、ミセル相分離を含み得る。前記界面活性剤を除去することは、疎水性吸着を含みうる。
前記界面活性剤を除去することは、
前記界面活性剤の濃度が所定の濃度未満になるまで前記反応混合物を希釈すること、及び
前記界面活性剤を含む前記反応混合物を、分画分子量が前記界面活性剤の最大分子量を超えるタンジェンシャルフロー濾過フィルタによる透析濾過に供すること
を含みうる。
前記方法は、前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、キレート剤を前記反応混合物に添加することをさらに含みうる。前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレンジアミン、ポルフィン及び/又はクエン酸を含みうる。前記方法はまた、前記細胞破壊剤を除去する前に酸化剤−反応制御剤(oxidant-quenching agent)を前記反応混合物に添加して、前記反応混合物中の酸化剤を反応制御(quench)することも含みうる。前記方法は、前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、静菌剤(bacteriostatic agent)を前記反応混合物に添加することをさらに含みうる。前記静菌剤は、亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、塩化ベンザルコニウム、エタノール、及び/又はチオ尿素を含みうる。
さらに他の方法は:
エンドトキシンを含む出発フカン組成物、及びアニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供すること;
前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記フカン−低エンドトキシン組成物を生成すること
を含みうる。
前記方法は、前記エンドトキシン凝集体を破壊できる破壊剤によって前記出発フカン組成物を前処理することをさらに含み得、前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供する前に前記出発フカン組成物を脱塩することを含みうる。前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、孔サイズが、前記出発フカン組成物中の前記エンドトキシンの平均流体力学半径を超えていてよい。前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することは、約1:100〜約10:1の前記出発フカン組成物:アニオン交換マクロ多孔性樹脂の質量比で前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することを含みうる。前記質量比は、約1:50〜約1:1、又は約1:10〜約1:1であってもよい。前記出発フカン組成物はアニオン交換に、約5分〜約100時間、又は約1時間〜約30時間の期間供され得る。前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、第4級アミン基を含みうる。前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、第1級アミン基、第2級アミン基及び第3級アミン基のうちの少なくとも1つを含みうる。前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、スチレン、アガロース、デキストラン、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、セルロース、シリカ、及びセラミックのうちの少なくとも1つから構成され得る。前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、孔サイズが約5nm〜約1000nm、又は約10nm〜約100nm、又は約15nm〜約50nmであってよい。前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、排除限界が約5kDa〜約50,000kDa、又は約1,000kDa〜約9,000kDa、又は約5kDa〜約200kDaであってよい。
さらに他のさらなる方法は:
不純物を含む出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること、
前記水性出発溶液を有機溶媒と混合して、水性有機相混合物を生成すること、及び
前記水性有機相混合物を分離して水性部分及び有機部分を得ること
を含みうる。
前記水性部分を回収することは、前記フカン−低エンドトキシン組成物を含みうる。前記有機溶媒は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種含みうる。相対極性の値は、吸収スペクトルの溶媒シフトの測定から正規化され得る。例えば、Christian Reichardt,Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry,Wiley−VCH Publishers,3rd ed.,2003を参照されたい。前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘプタン、酢酸イソブチル、アニソール、酢酸イソプロピル、1−ブタノール、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、ペンタン、1−ペンタノール、エチルエーテル、及び酢酸プロピルのうちの少なくとも1つを含みうる。
本明細書における処理されたフカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない。
これら及び他の態様、特徴及び実施形態は、以下の詳細な説明及び添付の図を含めた本出願内に記載されている。別途明確に記述されていない限り、全ての実施形態、態様、特徴などが、いずれの望ましい方法で、混合及び適合され、合わされ、順番が変えられてもよい。
図1は、出発フカン組成物の、エンドトキシンを含めた不純物の低減を得るためのタンジェンシャルフロー濾過システムを模式的に示す。 図2は、アニオン吸収を使用して出発フカン組成物におけるエンドトキシンレベルの所望の低減を得るためのシステムを模式的に示す。 本明細書における方法に従って処理されたある種のフカンが構造的変化を経ることを示すNMR結果を示す。 本明細書における方法に従って処理されたたある種のフカンが構造的変化を経ることを示す二次元NMR結果を示す。
図面は、本開示の例示的な実施形態を示している。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、特定の特徴は、本システム、方法などの説明および説明を助けるように誇張されているか、それ以外の場合には他の方法で表されてもよい。本明細書におけるシステム、方法などの実際の実施形態は、図面に示されない異なる特徴又は工程をさらに含んでもよい。本明細書に示される例示はシステム、方法などの実施形態を1又は複数の形で示すが、かかる例示は、いかなる方法によっても開示の範囲を制限するとみなされるべきではない。本明細書における実施形態は網羅的なものではなく、開示を例えば、以下の発明を実施するための形態において開示された詳細形態へと制限するものではない。
本明細書に示されたこの組成物、システム、方法などは、精製フカン組成物、例えば、フカン−低エンドトキシン組成物を含む。本組成物は、医学的処置、手術後の処置、疾患抑制などに有効であり得る。いくつかの実施形態において、前記フカンはフコイダンである。本フカン−低エンドトキシン組成物は、それ自体が医療機器、医療材料、組み合わせ製品であり得るか、若しくは医薬的に許容し得る治療的及び/若しくは医学的に有効な組成物中にあり得るか、又は、医療機器、医療材料、組み合わせ製品の上若しくは中に含まれ得るか、若しくは医薬的に許容し得る治療的及び/若しくは医学的に有効な組成物中に含まれ得る。
以下の段落は、本明細書において考察されている方法を使用して作り出され得るものを含めた、本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物のいくつかの簡単な一般的考察に向けたものである。
組成物
本明細書において示されるこの組成物、システムなどは、ある種の実施形態において、フカン及び外科的癒着、関節炎、乾癬又は所望の他の疾患などの線維性癒着の処置のための治療上有効量のフカン−低エンドトキシンを含む医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を提供する。
本明細書に示されるフカン−低エンドトキシン組成物は、線維性癒着及び他の標的並びに他の疾患及び/又は状態の抑制、予防、除去、軽減又は他の処置を含む複数の用途のために使用され得る。処置は、前記組成物が、典型的には、外科医又は他の専門家によって、線維性癒着(又は他の疾患若しくは状態)を含むと、又は線維性癒着(又は他の疾患若しくは状態)に相当に罹患しやすいと同定された選択標的部位である標的部位における線維性癒着の形成の軽減又は予防など、標的疾患又は他の状態の発現を軽減させるか又は予防することを含み、例えばすでに存在する線維性癒着の除去を含む、存在する疾患又は他の状態の除去も含む。かかる抑制、予防、除去、軽減、又はその他の処置のために、前記フカン組成物は、典型的には、医学的に許容しうる医療機器、医療材料、組み合わせ製品、又は結合剤、アジュバント、賦形剤、並びに、所望により、二次薬物であって前記フカンに付加されないが前記組成物中に含まれるもの及び/又は前記フカンに付加され得るものなどの、追加的な医学的に有効な物質などの追加的な成分を含む医薬的に有効な組成物において、提供される。
そのため、いくつかの実施形態において、本開示は、エンドトキシンレベルの低いフカン−低エンドトキシン組成物であって、医学的用途及び外科的用途、例えば、線維性癒着の予防、抑制又は処置に好適である前記組成物を提示する。
ある一定の態様及び実施形態において、本明細書に記載の組成物は、ミリグラム(mg)当たり約0.2、0.18、0.12、0.1、0.09、0.02、0.01、0.007、0.005、0.002又は0.001未満のエンドトキシン単位(EU)(EU/mg)を含む、治療的に有効であり医学的に許容可能であるフカンを含む。
前記フカン−低エンドトキシン組成物の分子量分布は、任意の所望の適切な測定システムを用いて測定することができる。異なるシステムは、実質的に同一構成を有する異なる組成物から、又は異なって測定される場合は同一バッチからも、異なる読取値又は結果を生じることが可能である。1つの適切な測定システムは、実質的に、有効分子量範囲が約50kDa〜約5,000kDaの、ヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填された、内径が7.8mmの1つの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム、有効分子量範囲が約1kDa〜約6,000kDaの、ヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填された、内径が7.8mmの1つの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム、及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填された、内径が6mmの1つの40mmガードカラムであって、約30℃のカラムコンパートメントに収容されている前記2つの分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム及び前記1つのガードカラム、約30℃の示差屈折率検出器、0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流、並びに、実質的に、ピーク分子量が約2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が約720kDa〜約760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が約470kDa〜約510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が約370kDa〜約410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が約180kDa〜約220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が約40kDa〜55kDaの第6デキストラン標準品からなるピーク分子量標準曲線に対する定量、からなる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成である。前記ピーク分子量標準曲線は、さらに、ピーク分子量が3kDa〜5kDaのデキストラン標準品を含む。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、フカンにおいて、当該フカンの少なくとも約25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%及び99%w/wが100kDaを超える分子量を有する分子量分布を有する前記フカンをさらに含んでいてもよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、フカンにおいて、当該フカンの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%及び99%w/wが200kDaを超える分子量を有する分子量分布を有する前記フカンをさらに含んでいてもよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、フカンにおいて、当該フカンの少なくとも約25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%w/wが500kDaを超える分子量を有する分子量分布を有する前記フカンをさらに含んでいてもよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、フカンにおいて、当該フカンの少なくとも約5%、10%、20%、30%、又は40%w/wが1600kDaを超える分子量を有する分子量分布を有する前記フカンをさらに含んでいてもよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、重量平均分子量が約100kDaを超える、例えば、約100kDa〜約10,000kDa、約200kDa〜約8,000kDa、約350kDa〜約7,000kDa、約450kDa〜約6,000kDa、約580kDa〜約5,000kDa、又は500kDa〜約2,000kDaであるフカンを含んでいてもよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、ピーク分子量が約70kDaを超える、例えば、約70kDa〜約1200kDa、約100kDa〜約1200kDa、約200kDa〜約1200kDa、約400kDa〜約1200kDa、又は約400kDa〜約900kDaであるフカンを含んでいてもよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物は、数平均分子量が約50kDaを超える、約50kDa〜約1,000kDa、約70kDa〜約1000kDa、約150kDa〜約1000kDa、約250kDa〜約1000kDa、又は約250kDa〜約700kDaであるフカンを含んでいてもよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、硫酸化レベルが約10%w/w〜70%w/w、約20%w/w〜65%w/w、約30%w/w〜55%w/w、約40%w/w〜60%w/w、又は約40%w/w〜50%w/wであってよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、総フコース:総硫酸(sulfate)のモル比が約1:0.5〜1:4、約1:0.8〜1:3.5、約1:1〜1:2.5、約1:1.2〜1:2.0、又は約1:1.5〜1:3であってよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、総フコース+ガラクトース:総硫酸のモル比が約1:0.5〜1:4、約1:0.8〜1:3.5、約1:1〜1:2.5、約1:1.2〜1:2.0、又は約1:1.5〜1:3であってよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、総炭水化物含有量が約27%w/w〜80%w/w、30%w/w〜70%w/w、約40%w/w〜90%w/w、約48%w/w、又は50%w/w〜96%w/wであってよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、フコース含有量が総炭水化物に対する割合として約30%w/w〜100%w/w、約40%w/w〜95%w/w、又は約50%w/w〜90%w/wであってよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、ガラクトース含有量が総炭水化物に対する割合として0%w/w〜60%w/w、0%w/w〜60%w/w、約5%w/w〜30%w/w、又は約0%w/w〜10%w/w若しくは15%w/wであってよい。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、グルクロン酸含有量が総炭水化物含有量に対する割合として約0%w/w〜10%w/w、マンノース含有量が総炭水化物含有量に対する割合として約0%w/w〜7%w/w、ラムノース含有量が総炭水化物含有量に対する割合として0%w/w〜4%w/w、キシロース含有量が総炭水化物含有量に対する割合として0%w/w〜20%w/wであってよい。
いくつかの実施形態では、本明細書中のフカン−低エンドトキシン組成物は、水に50mg/mlの濃度で溶解すると、約4cP〜約50cP、約5cP〜約40cP、約10cP〜約30cP、約15cP、約20cP、又は約25cpの粘度を有する。ある一定の実施形態では、本明細書中のフカン−低エンドトキシン組成物は、水に1mg/mL〜100mg/mlで溶解すると、無色透明、淡黄色透明又は淡褐色透明である溶液を形成する。
ある一定の実施形態において、本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、アセチル含有量が、約5%w/w未満、約2%w/w未満、又は約0%w/wでありうる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物におけるフカンは、5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計により、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で、各回256〜512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10〜30ppmの範囲で、2D H−13C異核多量子コヒーレンスによって測定される場合に、実質的に0%w/wのアセチル含有量を含み得る。
方法
方法、システムなどは、原料フカン組成物などの出発フカン組成物中の不純物を、精製する、パイロジェン除去する、又はさもなければその量を低減するために提供される。前記方法及び組成物などは、望ましくない量のエンドトキシン、及び、例えば生物的汚染物質、細胞成分などの他のエンドトキシン含有成分、又はこれらからの影響を排除、不活化、又はさもなければ低減して、例えば、前記フカンのミリグラム(mg)当たりエンドトキシン単位(EU)(EU/mg)が0.2、0.18、0.12、0.1、0.09、0.03、0.02、0.01、0.007、0.005、0.002又は0.001未満である、フカン−低エンドトキシン組成物を得ることを含む。生物的汚染物質としては、細菌、ウイルス、酵母、カビ及び寄生虫などの微生物が挙げられ、これらのいくらかは毒素を産生し、これらのいくらかは細胞成分を含む。生物的汚染物質、細胞成分、エンドトキシン及び他のエンドトキシン含有成分とは、本明細書において使用されるとき、不純物という用語に包含される。
いくつかの実施形態において、本開示は、医学的用途及び外科的用途、例えば、線維性癒着の予防に好適であるフカン−低エンドトキシン組成物を提示する。
本明細書における方法のいくつかにおいて、本開示は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)の使用を考察し、該TFFは、エンドトキシンを除去し得る又はその除去を補助し得る。使用されるタンジェンシャルフロー濾過装置の形式は、例えば、板枠式システム;渦巻き型カートリッジシステム;中空ファイバシステム;フローセルシステム;並びに遠心分離フィルタシステムのうちの1つであり得る。
以下の段落は、選択される方法(複数可)に応じて、溶液、懸濁液、固体、ゲル又は他の様相(modalities)などの任意の好適な反応混合物を使用して実施され得る種々の方法を介して出発フカン組成物から本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を作り出すのに使用され得る方法のうちいくつかの簡単な一般的考察に向けたものである。
物理的に誘導される凝集(flocculation)
高レベルのエンドトキシンを含む、原料フカン組成物などの出発フカン組成物は、不純物の凝集に供されるものであり、これは物理的に誘導される凝集であり得る。上記の方法は、出発フカン組成物を提供すること;凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること;前記反応混合物を加熱することによって前記出発フカン組成物において前記不純物を凝集させること;凝集した前記不純物を前記反応混合物から分離すること;及び前記分離の後、所望の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することを含みうる。
前記反応混合物を加熱することによる前記不純物の凝集は、大気圧を超える圧力に前記反応混合物を供しながら、前記反応混合物を加熱することを含んでいてもよい。好適な凝集助剤として、限定することなく、塩及び/又は塩基、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、酸化物、水酸化物及び/又はシアン化物、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カルシウム、リン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。前記反応混合物から凝集した前記不純物を分離することは、前記反応混合物の遠心分離、濾過、析出又は流体力学的流動分離のうちの1又は複数を含んでいてもよい。
本明細書における方法などは、凝集助剤を添加する前に前記出発フカン組成物を脱塩することをさらに含んでいてもよい。前記脱塩は、分画分子量(MWCO)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタを通して水中溶液として前記出発フカン組成物を透析濾過することを含んでいてもよい。前記透析濾過は、前記出発フカン組成物を蒸留水によって透析濾過することを含んでいてもよい。前記分画分子量TFFフィルタは、前記フカン組成物における所望の分子量分離点又はターゲットよりも小さい分画分子量、例えば、50kDa、70kDa、100kDa、200kDa、300kDa、500kDa又は1000kDaの分画分子量を有しうる。
前記方法は、塩基性環境又は中性環境において実施され得る。前記出発フカン組成物の凝集助剤を添加することは、そのため、前記出発フカン組成物を塩基性にして前記出発フカン組成物におけるフカンが分解するのを防止又は抑制することを含んでいてもよく、これはフカンは酸性環境において分解する傾向があるためである。他の実施形態において、前記方法は、前記反応混合物をpH7以上において又はその付近で維持することによって実施され得る。
いくつかの実施形態において、前記出発フカン組成物は、溶液として提供されうる。上記の方法による処理に好適なフカンの例として、限定することなく、フコイダンが挙げられ、溶液中のフカン濃度は、0.01%w/v〜50%w/vであってよい。上記の方法によって除去され得る不純物として、限定することなく、粒子状物、脂質、脂肪酸、フロロタンニン、ラミナリン、アルギネート、タンパク質、メイラード反応生成物、フコキサンチン、クロロフィル、遊離イオン、細菌、ウイルス、酵母、カビ、寄生虫、DNA及びエンドトキシンが挙げられる。
ゲル浸透クロマトグラフィー
実験例について得られた分子量分布を評価するためにゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)を用いた。ゲル浸透クロマトグラフィーにおける使用のために利用可能な多数の異なるパラメータ、カラム及び標準品があり、分子量の分析に利用できる多様な計器装備構成がもたらされる。本明細書における分子量測定のために、以下のパラメータを用いてGPCを行った。移動相は、0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム流であった。カラムコンパートメント及び検出器は30℃であった。検出のためにWaters2414示差屈折率検出器を用いた。
適切なGPCカラムとしては、水性溶媒と適合性のあるGPCカラム、例えば、スルホン化スチレンジビニルベンゼン、NH官能基を有した(functionalized)アクリレートコポリマー網、変性シリカ及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルのうち少なくとも1つが充填されたカラムが挙げられる。本明細書における分析のために、6μmの粒径のヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填された内径(ID)が6mmの長さ40mmの1つのガードカラム、続いて、排除限界が約7,000kDaで、有効分子量範囲が約50kDa〜約5,000kDaの12μmの粒径のヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されたIDが7.8mmの第1の300mm分析GPCカラム、続いて、排除限界が約7,000kDaで、有効分子量範囲が約1kDa〜約6,000kDaの10μmの粒径のヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されたIDが7.8mmの第2の300mm分析GPCカラムを含む3つのカラムを直列で用いた。カラム構成の総有効分子量範囲は、約1kDa〜約6,000kDaであった。このカラム構成の例は、直列に接続されたUltrahydrogel(登録商標)ガードカラム−Ultrahydrogel(登録商標)2000カラム−Ultrahydrogel(登録商標)Linearカラムでありうる。
American Polymer Standards Corporationのトレース可能な標準品、すなわち、DXT3755K(ピーク分子量=2164kDa)、DXT820K(ピーク分子量=745kDa)、DXT760K(ピーク分子量=621kDa)、DXT670K(ピーク分子量=401kDa)、DXT530K(ピーク分子量=490kDa)、DXT500K(ピーク分子量=390kDa)、DXT270K(ピーク分子量=196kDa)、DXT225K(ピーク分子量=213kDa)、DXT150K(ピーク分子量=124kDa)、DXT55K(ピーク分子量=50kDa)、DXT50K(ピーク分子量=44kDa)及びDXT5K(ピーク分子量=4kDa)(これらの標準品のピーク分子量は約4kDa〜約2,200kDaである)を含む標準曲線に対して試料流を定量した。用いられる標準曲線は、例えば、Dextran3755kDa、Dextran50kDa及びDextran55kDaのうち少なくとも1つ並びに本明細書において考察される3〜6つの追加的なトレース可能な標準品を含んでもよく、較正点は、用いられる検量体のピーク分子量である。例示的な較正曲線は、DXT3755K、DXT820K、DXT530K、DXT500K、DXT225K及びDXT55Kからなることができる。本明細書において用いられたカラムは、フカンの定量のために用いられた標準品のピーク分子量範囲を包含し且つそれを超えて拡張された総有効分子量範囲を有するものであった。
本明細書におけるフカン/フコイダンポリマーについて述べられた分子量は、分子量が特定の分子量から離れて増加又は減少するにつれて量又は割合が増加又は減少する、より高い及びより低い分子量の分子の分布が常にある分子量の値である。前記分布は、一般的なガウス形状又は歪んだガウス形状を有してよいが、それが必要であるわけではない。
本明細書中の表の結果は、分子量分布の特定の特性について使用される略語を含む。ゲル浸透クロマトグラフィーはGPC、ピーク保持時間はPRT、ピーク分子量はPMW、重量平均分子量はWAMW、数平均分子量はNAMW、百分率分布は%dist、分子量はMW、多分散指数はPDI、分画分子量はMWCOと表される。
以下の段落は、本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を作り出すのに使用され得るいくつかの方法の簡単な一般的考察に向けたものである。
改変型タンジェンシャルフロー濾過
高レベルのエンドトキシンを含有する、原料フカン組成物であり得る出発フカン組成物は、改変型タンジェンシャルフロー濾過に供される。前記方法は:前記出発フカン組成物並びに細胞及びエンドトキシン凝集体を破壊する破壊剤を、第1タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過(TFF)に供して、第1保持フカン組成物を生成することを含みうる。前記破壊剤は、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114、又はデオキシコール酸ナトリウムのうちの1又は複数であり得る。前記第1保持フカン組成物は、次いで、第2タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通しての二次透析濾過溶液(secondary diafiltration solution)によるタンジェンシャルフロー濾過に供されて、前記保持フカン組成物から残存破壊剤を除去することにより、所望の前記フカン−低エンドトキシン組成物を含む第2保持フカン組成物を生成する。所望により、第1及び第2の両方の透析濾過プロセスにおいて同じTFFフィルタが用いられてよい。
本明細書における方法、システムなどは、溶液中の前記出発フカン組成物を、プレフィルタを通して予備濾過して、望ましくない粒子状材料を除去することを含んでいてもよい。前記破壊剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114及び/又はデオキシコール酸ナトリウムを含んでいてもよい。
さらに、実施形態は、前記第1保持フカン組成物を沈殿剤によって処理して、A)前記破壊剤の沈殿物及びB)保持液−上清フカン組成物を生成することを含む。前記上清フカン組成物は、次いで、さらなるタンジェンシャルフロー濾過に供されて、前記残存破壊剤を前記上清フカン組成物から除去することにより、所望の前記フカン−低エンドトキシン組成物を含む第2保持フカン組成物を生成し得る。沈殿剤による前記第1保持フカン組成物の処理は、前記第1保持フカン組成物を塩及び/又は塩基によって処理することを含んでいてもよい。ある一定の実施形態において、前記塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物であってよい。ある一定の実施形態において、前記塩基は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの水酸化物及び/又は酸化物であってよい。ある一定の実施形態において、前記塩は、塩化カリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム又は炭酸カルシウムのうちの1つであってよい。前記上清フカン組成物はまた、望ましくない粒子状材料を除去するために、所望により、予備濾過されてよい。
前記方法、システムなどはまた、静菌剤を、例えば、前記出発フカン組成物及び破壊剤に添加することも含みうる。前記静菌剤は、例えば、エチレンジアミン−四酢酸(EDTA)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレンジアミン、ポルフィン又はクエン酸のうちの少なくとも1つであり得る。
いくつかの実施形態において、前記出発フカン組成物は、溶液として提供されうる。前記出発フカン組成物は、溶液中のフカン濃度が0.1%w/v超〜30%w/v未満でありうる。前記破壊剤は、溶液中における濃度が0.1%w/v超〜60%w/v未満であってよい。上記の方法によって除去され得る不純物として、限定することなく、粒子状物、脂質、脂肪酸、フロロタンニン、ラミナリン、アルギネート、タンパク質、メイラード反応生成物、フコキサンチン、クロロフィル、遊離イオン、細菌、ウイルス、酵母、カビ、寄生虫、DNA及びエンドトキシンが挙げられる。
図1は、出発フカン組成物の不純物レベルの低減を得るための例示的な改変型タンジェンシャルフロー濾過(TFF)システム1000を模式的に示す。溶液中の出発フカン組成物は、流入供給ライン1002を介してフカン容器1016に供給される。好適な溶媒中の前記出発フカン組成物は、例えば望ましくない粒子状物を除去するために、プレフィルタ1004を通して予備濾過されてもよい。
TFF流入ポンプ1014は、TFF供給ライン1012を介してTFFフィルタ1010に出発フカン組成物を送り込む(pump)。TFFフィルタ1010は、供給された流入流体をその保持液側にあるフィルタを通過させるように設計され、濾過生成物を1又は複数の流出ラインを介して出て行かせ且つ処理された流入流体を別の流出ラインを介して保持液とするカセットとして供給され得る。TFF流入ポンプ1014は、その保持液側と濾過生成物側の間のTFFフィルタ1010に所望のレベルの圧力を提供する。図1において、TFFフィルタ1010の保持液は、TFF保持液戻りライン1018及びTFF保持液バルブ1017を通じてフカン容器1016に戻され、一方で、TFF濾過生成物流出ライン1019を介して生成された濾過生成物は、改変型TFFシステム1000の外側で使用されるか、又は廃棄されることとなる。
TFF流入ポンプ1014がTFFフィルタ1010を通して前記出発フカン組成物を再循環させる前又は間に、破壊剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114又はデオキシコール酸ナトリウムのうちの1つが、フカン容器1016中の前記出発フカン組成物に、第1透析濾過溶液容器1020から第1透析濾過溶液供給ライン1025を介して添加されてもよい。前記第1透析濾過溶液である、第1破壊剤を含有する溶液は、TFF濾過生成物流出ライン1019において前記濾過生成物を介して損失した溶媒を補充すること、及び/又は所定のダイアボリューム(diavolume)数の出発フカン組成物及び破壊剤をTFFフィルタ1010を通して確実に循環させることの両方に使用される。所望により前記破壊剤は第1透析濾過溶液バルブ1024を制御することによりパルスプロセスで添加されてもよい。他の実施形態において、前記破壊剤は連続モードで添加されてもよい。
TFFフィルタ1010における処理への破壊剤のダイアボリューム数は予め決定されていてよい。前記プロセスは、所定の期間、所定のダイアボリューム数の破壊剤で、又は所定の純度レベルが達成されるまで継続されてよく、例えば、フカン容器1016における不純物レベルが測定され、好適に低い不純物レベルが達成されたときに前記TFFプロセスを停止してもよい。測定される前記不純物レベルは、エンドトキシンレベルでありうる。前記第1透析濾過溶液を用いた、TFFフィルタ1010を介する溶液中の前記出発フカン組成物の前記透析濾過は、溶液中にある低エンドトキシンである第1保持フカン組成物を提供する。
前記の低エンドトキシン第1保持フカン組成物から前記残存破壊剤を除去してもよい。このことは、第1透析濾過溶液バルブ1024、TFFシステム流出バルブ1006を閉じ、また、第2透析濾過溶液容器1030からの適切な二次透析濾過溶液が第2透析濾過溶液供給ライン1035及び第2透析濾過溶液バルブ1034を介してフカン容器1016に入るようにすることで実施できる。フカン容器1016中の混合物は、次いで、例えば、TFF供給ライン1012、TFF流入ポンプ1014、TFF保持液戻りライン1018、及びTFF保持液バルブ1017を介して、又は所望の場合には他のTFF濾過を介して、前述のようにTFFフィルタ1010を介するTFFに供され得る。
前記二次透析濾過溶液は、例えば、TFF濾過生成物流出ライン1019において前記濾過生成物を介して損失した溶媒を補充すること、及び/又は、所定のダイアボリューム数の前記第1保持フカン組成物及び二次透析濾過溶液をTFFフィルタ1010を通して確実に循環させることの両方に使用され得る。第2透析濾過溶液バルブ1034を制御することにより、前記二次透析濾過溶液を、例えば、パルスプロセスで及び/又は連続モードで添加することができる。TFFフィルタ1010にわたるプロセスへの二次透析濾過溶液のダイアボリューム数は予め決定されていてよい。前記プロセスは、所定の期間、所定のダイアボリューム数の前記二次透析濾過溶液で継続されてよく、又は、フカン容器1016における残存破壊剤濃度が測定され、好適に低い残存破壊剤濃度が達成されたときに前記TFFプロセスを停止してもよい。フカン容器1016において得られる第2保持フカン組成物は、改変型TFFシステム1000のフカン−低エンドトキシン組成物生成物を含む。
いくつかの実施形態において、フカン容器1016中の前記第1保持フカン組成物は、他の中間処理のためのTFFシステム流出バルブ1006によって制御される補助TFFシステム流出ライン1008を介して回収され、その後、当該中間処理の後に、本明細書で考察されている二次透析濾過溶液処理のためにフカン容器1016に戻されてもよい。中間処理の一例においては、フカン容器1016からの第1保持フカン組成物は沈殿剤によって処理され、得られる混合物は所望の前記上清フカン組成物を前記沈殿物から分離するために遠心分離に供されうる。例として、前記破壊剤がドデシル硫酸ナトリウムであるとき、前記沈殿剤は、例えば、塩化カリウム又は水酸化カリウムでありうる。ドデシル硫酸ナトリウムは、特に、有意な利点を有するが、フカン容器1016における前記低エンドトキシン第1保持フカン組成物から除去することが困難な物質であるところ、中間プロセス工程における沈殿はその除去に役立つ。前記中間工程の後、前記中間工程の上清は、既に考察されているように、フカン容器1016に戻されて、二次透析濾過溶液TFF工程に供されてうる。破壊剤がドデシル硫酸ナトリウムである場合、この第2TFF工程は、前記の中間沈殿工程及び遠心分離工程の後に前記上清フカン組成物に残存するドデシル硫酸ナトリウムの残余物を除去しようとするものである。
固相抽出
高レベルのエンドトキシンを含有する出発フカン組成物などのフカン組成物は、固相抽出に供される。前記方法は:他の不純物の中にエンドトキシンを含む固体状態の出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること;前記出発フカン組成物を前記抽出媒体と混合して、溶解されていない固体フカン組成物と、溶解したエンドトキシン及び場合により他の不純物を含有する前記抽出媒体と、の混合物を形成すること;他の不純物の中に溶解エンドトキシンを含有する抽出媒体から、前記フカン−低エンドトキシン組成物を非溶解固体フカン組成物として分離すること;及び、前記フカン−低エンドトキシン組成物を前記抽出媒体から除去した後、前記フカン−低エンドトキシン組成物を固体として回収することを含みうる。前記分離は、例えば、遠心分離、濾過、析出及び流体力学的流体分離のうちの1又は複数を含んでいてもよい。
前記抽出媒体は、例えば、塩基、界面活性剤及び酸化剤のうちの1又は複数を含みうる。フカンを溶解しない好適な抽出媒体として、相対極性が0.765未満である有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、ジエチルエーテル、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタノール、オクタノール及びデカノールが挙げられる。好適な塩基として、限定することなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及び水酸化カルシウムが挙げられる。好適な酸化剤として、限定することなく、過酸化水素、過酸化尿素、及び次亜塩素酸ナトリウムを含む酸化漂白剤のうちの1又は複数が挙げられる。好適な界面活性剤として、限定することなく、非イオン性界面活性剤、例えば、Tween(登録商標)、Brij(登録商標)及びTriton(登録商標)の範囲の界面活性剤;アニオン性界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、デオキシコール酸ナトリウム;並びにカチオン性界面活性剤、例えば、塩化ベンザルコニウム(BAC)が挙げられる。本明細書における方適した特定のフカンとしては、限定されないがフコイダンが挙げられる。オリジナルの、例えば、出発フカン組成物の、前記抽出媒体による処理は、1分から120時間まで延長しうる。
前記方法は、出発フカン組成物を固体形態で提供する前に出発フカン組成物を脱塩することをさらに含んでいてもよい。脱塩は、分画分子量(MWCO)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタを用いて水中溶液として出発フカン組成物を透析濾過することを含みうる。透析濾過は、出発フカン組成物を蒸留水によって透析濾過することを含んでいてもよい。分画分子量TFFフィルタは、フカン−低エンドトキシン組成物における所望の分子量分離点又はターゲットよりも小さい分画分子量、例えば、50kDa、70kDa、100kDa、200kDa、300kDa、500kDa又は1000kDaの分画分子量を有しうる。透析濾過は、好適なプレフィルタを通して出発フカン組成物を予備濾過して、粒子状物を除去することをさらに含んでいてもよい。前記方法は、出発フカン組成物を固体形態で提供する前に溶液中の適した出発フカン組成物を凍結乾燥及び/又は噴霧乾燥することをさらに含んでいてもよい。前記方法は、出発フカン組成物を固体形態で提供する前に好適な出発フカン組成物を溶液から沈殿させることをさらに含んでいてもよい。好適な沈殿剤として、限定することなく、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、アセトン、メタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、グライム、ジグライム、ジオキサンが挙げられ、フカンの溶解度は、沈殿させる流体の極性が減少するにつれて減少する。上記の方法によって除去され得る不純物としては、粒子状物、脂質、脂肪酸、フロロタンニン、ラミナリン、アルギネート、タンパク質、メイラード反応生成物、フコキサンチン、クロロフィル、遊離イオン、細菌、ウイルス、酵母、カビ、寄生虫、DNA及びエンドトキシンが挙げられるが、これらに限定されない。
化学的に誘導される沈殿
高レベルのエンドトキシン及び他の不純物、例えば、懸濁した粒子状物を含有する、出発フカン組成物又は他の好適なフカン組成物は、化学的に誘導される不純物の沈殿に供される。ある一定の実施形態において、前記方法は:出発フカン組成物を出発溶液中に提供すること;イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記出発溶液から不純物を沈殿させて、懸濁不純物と沈殿不純物と上清との混合物を提供すること;前記上清溶液から前記懸濁不純物及び沈殿不純物を分離すること;及び前記懸濁不純物及び沈殿不純物を前記上清から分離した後に、所望の前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する前記上清溶液を回収することを含みうる。
好適な不純物沈殿剤として、二価カチオン及び三価カチオンのイオン性多価塩及び/又は塩基が挙げられる。かかる好適な塩の例として、限定することなく、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び鉄の塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物が挙げられる。かかる好適な塩基の例として、限定することなく、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄の水酸化物及び/又は酸化物が挙げられる。上清溶液からの懸濁した不純物及び沈殿した不純物の分離は、混合物中の不純物を凝集させることを含んでいてもよい。好適な凝集剤として、限定することなく、硫酸アルミニウムカリウム;硫酸アルミニウムナトリウム;硫酸アンモニウムアルミニウム;塩化カルシウム;リン酸ナトリウム;水酸化アルミニウム;塩化アルミニウム;塩化第二鉄;硫酸第二鉄;硫酸第一鉄;ケイ酸ナトリウム;ケイ酸カルシウム;リン酸カルシウム;塩化亜鉛;炭酸カルシウム;重炭酸カルシウム;硫酸カリウム;リン酸マグネシウム;アクリルアミド;アクリル酸;アルミニウムクロロハイドレート;ポリ塩化アルミニウム;タンニン;ホルムアルデヒド;メラミン;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド;第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド;及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドが挙げられる。凝集剤の上記列挙から分かるように、いくつかの実施形態において、凝集剤は、不純物沈殿剤であってよい。上清溶液からの沈殿した、懸濁した及び/又は凝集した不純物の分離は、不純物と上清溶液との混合物の遠心分離、濾過、析出及び流体力学的流動分離のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
前記方法は、前記出発フカン組成物を提供することの前に前記出発フカン組成物を脱塩することをさらに含んでいてもよい。前記脱塩は、TFFフィルタを通して水性溶液として前記出発フカン組成物を透析濾過することを含んでいてもよい。前記透析濾過は、前記出発フカン組成物を蒸留水によって透析濾過することを含んでいてもよい。前記透析濾過は、分画分子量(MWCO)が5kDa、10kDa、30kDa、50kDa、70kDa又は100kDaであるTFFフィルタを通して前記出発フカン組成物を透析濾過することを含んでいてもよい。前記透析濾過は、好適なプレフィルタを通して前記出発フカン組成物を予備濾過して、粒子状物を除去することをさらに含んでいてもよい。
前記方法は、約7〜14のpHを維持して、酸性環境におけるフカンの分解を抑制又は防止することをさらに含んでいてもよい。この約7〜14のpHの維持には、好適な塩基、例えば、水酸化ナトリウムの添加を含んでいてもよい。好適な塩基は、イオン性多価不純物沈殿剤を用いて溶液から不純物を沈殿させる前に出発フカン組成物に添加されてもよい。他の実施形態においては、好適な塩基は、イオン性多価不純物沈殿剤を用いて溶液から不純物を沈殿させた後に、沈殿した不純物と上清溶液との混合物に添加されてもよい。さらに他の実施形態においては、好適な塩基は、懸濁した不純物及び沈殿した不純物を上清溶液から分離した後に上清溶液に添加されてよい。
上記の方法による処理に好適なフカンの例として、限定することなく、フコイダンが挙げられ、溶液中のフカン濃度は0.01%w/v〜50%w/vでありうる。上記の方法によって除去され得る不純物として、限定することなく、粒子状物、脂質、脂肪酸、フロロタンニン、ラミナリン、アルギネート、タンパク質、メイラード反応生成物、フコキサンチン、クロロフィル、遊離イオン、細菌、ウイルス、酵母、カビ、寄生虫、DNA及びエンドトキシンが挙げられる。
溶解及び凝集
高レベルのエンドトキシンを含有する、原料フカン組成物などの出発フカン組成物は、溶解及び凝集に供される。この例における前記方法は、出発フカン組成物を提供すること;前記出発フカン組成物をアルカリ性にすること;前記出発フカン組成物に細胞破壊剤を添加して、反応混合物を生成すること、ここで前記細胞破壊剤は、前記出発フカン組成物における細胞成分を溶解し、生体分子成分を含む溶解物をアルカリ性の反応混合物中に放出する;前記反応混合物から前記細胞破壊剤及び前記不純物の少なくとも一部を除去して、分解されていない所望の前記フカン−低エンドトキシン組成物を残すことを含みうる。
前記細胞破壊剤を除去することは、沈殿、凝集、タンジェンシャルフロー濾過、ミセル相分離、イオン吸着、及び疎水性吸着のうちのいずれか1又は複数を含んでいてもよい。不純物を除去することは、沈殿、凝集、タンジェンシャルフロー濾過、ミセル相分離、イオン吸着、及び疎水性吸着のうちのいずれか1又は複数を含んでいてもよい。これらの除去方法のいずれか又は除去方法の組み合わせは、固体相と液体相とのいずれかの混合物の遠心分離、濾過、析出又は流体力学的流動分離を含んでいてもよい。
好適な細胞破壊剤としては、限定することなく、アニオン性、非イオン性又はカチオン性の界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton X100(登録商標)、Triton X114(登録商標)、Brij(登録商標)界面活性剤、Tween(登録商標)界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウム、及びアルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。
前記方法の一実施形態において、細胞破壊剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であり、細胞破壊剤を除去することは、細胞破壊剤をアルカリ性反応混合物に不溶にすることにより細胞破壊剤を沈殿させるための沈殿剤を添加することを含む。この実施形態において、細胞破壊剤を除去することは、凝集剤を反応混合物に添加して、沈殿した細胞破壊剤を少なくとも一部の不純物と共に凝集させることをさらに含んでいてもよい。細胞破壊剤を除去することは、凝集後に遠心分離することをさらに含んでいてもよい。
ドデシル硫酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホネートに好適な沈殿剤としては、限定することなく、水酸化カリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム及び塩化バリウムが挙げられる。好適な凝集剤としては、限定することなく、硫酸アルミニウムカリウム;硫酸アルミニウムナトリウム;硫酸アンモニウムアルミニウム;塩化カルシウム;リン酸ナトリウム;水酸化アルミニウム;塩化アルミニウム;塩化第二鉄;硫酸第二鉄;硫酸第一鉄;ケイ酸ナトリウム;ケイ酸カルシウム;リン酸カルシウム;塩化亜鉛;炭酸カルシウム;重炭酸カルシウム;硫酸カリウム;リン酸マグネシウム;アクリルアミド;アクリル酸;アルミニウムクロロハイドレート;ポリ塩化アルミニウム;タンニン;ホルムアルデヒド;メラミン;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド;第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド;及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドが挙げられる。
細胞破壊剤は、沈殿のプロセスにおいて変化が起こり得ることを本明細書により理解されるべきである。例えば、細胞破壊剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であるとき、沈殿剤は水酸化カリウム(KOH)であり得、ナトリウムカチオンは沈殿プロセスの一部としてカリウムにより置き換えられ、得られるドデシル硫酸カリウムは反応混合物に不溶性であるため、沈殿する。硫酸ドデシルカチオンは、機能的にはSDSの細胞破壊部分であり、このプロセスにおいてそのまま(intact)である。
前記方法のさらに他の実施形態において、細胞破壊剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及びデオキシコール酸ナトリウムのうちの1又は複数であってよく、細胞破壊剤を除去することは、アニオン吸着を含む。アニオン吸着は、好適な正に帯電した吸着剤を好適な時間量で添加すること、続いて吸着剤を除去することを含んでいてもよい。アニオン吸着は、適切な正に帯電した吸着剤で充填されたカラム又はフィルタを通して適切な流量で反応混合物を流すことをさらに含んでいてもよい。
前記方法のさらに他の実施形態において、細胞破壊剤は、塩化ベンザルコニウムであってよく、細胞破壊剤を除去することは、カチオン吸着を含む。カチオン吸着は、好適な負に帯電した吸着剤を好適な時間量で添加すること、続いて吸着剤を除去することを含んでいてもよい。カチオン吸着は、適切な負に帯電した吸着剤で充填されたカラム又はフィルタを通して適切な流量で反応混合物を流すことをさらに含んでいてもよい。
前記方法のさらに他の実施形態において、細胞破壊剤は、Triton X100(登録商標)、Triton X114(登録商標)、Brij(登録商標)及びTween(登録商標)界面活性剤のうちの1又は複数であってよく、細胞破壊剤を除去することは、ミセル相分離を含む。ミセル相分離は、反応混合物の温度が細胞破壊剤の曇り点を超えるように反応混合物の温度を変更することを含んでいてもよい。ミセル相分離は、反応混合物を遠心分離して所望の相分離を得ることを含んでいてもよい。
方法のさらなる実施形態において、細胞破壊剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton X100(登録商標)、Triton X114(登録商標)、Brij(登録商標)界面活性剤、Tween(登録商標)界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウム、及びアルキルベンゼンスルホネートのうちの1又は複数であってよく、細胞破壊剤を除去することは、疎水性吸着並びに希釈及びタンジェンシャルフロー濾過(TFF)の組み合わせのうちの1又は複数を含む。疎水性吸着は、適切な疎水性吸着剤を適切な時間をかけて添加すること、続いて吸着剤を除去することを含んでいてもよい。疎水性吸着は、適切な疎水性吸着剤で充填されたカラム又はフィルタを通して適切な流量で反応混合物を流すことをさらに含んでいてもよい。希釈及びTFFによる除去は、細胞破壊剤がその臨界ミセル濃度未満まで低下することにより、フカンを含有する保持液からの細胞破壊剤の透過を可能にする適切な分画分子量(MWCO)TFFフィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過を利用して細胞破壊剤が除去され得るように、反応混合物を希釈することを含んでいてもよい。希釈及びTFFによる除去は、適切なダイアボリューム数を有するTFFフィルタを通して反応混合物を透析濾過することを含んでいてもよい。
前記方法は、キレート剤を反応混合物に添加して反応混合物中の遊離多価カチオンにキレートさせることをさらに含んでいてもよい。キレート剤は、出発フカン組成物を提供した後及び細胞破壊剤を除去する前に添加されうる。前記方法は、反応混合物中の酸化剤を反応制御することをさらに含んでいてもよい。酸化剤を反応制御することは、細胞破壊剤を除去する前又は後に酸化剤−反応制御剤を反応混合物に添加することを含んでいてもよい。
前記方法は、静菌剤を反応混合物に添加することを含んでいてもよい。静菌剤は、出発フカン組成物を提供した後及び細胞破壊剤を除去する前に添加されうる。好適な静菌剤としては、限定することなく、亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、塩化ベンザルコニウム、エタノール、及びチオ尿素が挙げられる。
好適なキレート剤としては、限定することなく、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレンジアミン、ポルフィン及びクエン酸が挙げられる。好適な酸化剤−反応制御剤としては、限定することなく、亜硫酸塩、亜硝酸塩及び亜リン酸塩が挙げられる。上記から明らかであるように、列挙されている化合物のいくつかは、前記方法において1つを超える機能を有しうる。
好適な疎水性吸着剤としては、限定することなく、活性炭、珪藻土、アクリル酸エステル非イオン性樹脂、ポリスチレン非イオン性樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン(DVB)非イオン性樹脂が挙げられる。好適なアニオン吸着剤としては、限定することなく:アミン官能基を有したスチレン−DVB樹脂、アミン官能基を有したメタクリレート樹脂、アミン官能基を有したメタクリル酸メチル樹脂、アミン官能基を有したメタクリル酸ブチル樹脂、アミン官能基を有したアガロース樹脂、アミン官能基を有したデキストラン樹脂、アミン官能基を有したセラミック系樹脂、アミン官能基を有したケイ酸塩、及び脂質除去剤(LRA)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、前記出発フカン組成物は、溶液として提供され得る。上記の方法による処理に好適なフカンの例としては、限定することなく、フコイダンが挙げられる。出発フカン組成物は、溶液中のフカン濃度が0.1%w/v超〜30%w/v未満であってよい。細胞破壊剤は、溶液中のフカン濃度が0.1%w/v超〜60%w/v未満であってよい。上記の方法によって除去され得る不純物としては、限定することなく、粒子状物、脂質、脂肪酸、フロロタンニン、ラミナリン、アルギネート、タンパク質、メイラード反応生成物、フコキサンチン、クロロフィル、遊離イオン、細菌、ウイルス、酵母、カビ、寄生虫、DNA及びエンドトキシンが挙げられる。
アニオン吸着
高レベルのエンドトキシンを含有する出発フカン組成物又は他の所望のフカン組成物は、アニオン吸着に供される。前記方法は、前記出発フカン組成物をアニオン交換システムにおけるアニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンレベルが実質的に低いフカン−低エンドトキシン組成物を生成すること、及び前記フカン−低エンドトキシン組成物を前記アニオン交換システムの流出物として回収することを含みうる。前記方法は、出発フカン組成物中の望ましくないエンドトキシンの平均流体力学的サイズを超えるアニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に出発フカン組成物を供することを含みうる。前記方法は、出発フカン組成物を破壊剤によって前処理することを含みうる。
前記方法は、出発フカン組成物をアニオン交換に供する前に出発フカン組成物を脱塩することをさらに含んでいてもよい。脱塩は、分画分子量(MWCO)TFFフィルタを横切って溶液中の前記出発フカン組成物を透析濾過することを含んでいてもよい。MWCO TFFフィルタは、フカン−低エンドトキシン組成物における所望の分子量分離点又はターゲットよりも小さい分画分子量、例えば、5kDa、10kDa、30kDa、50kDa、70kDa、100kDa、200kDa、300kDa、500kDa又は1000kDaの分画分子量を有しうる。透析濾過は、適切なプレフィルタを通して出発フカン組成物を予備濾過して、粒子状物を除去することをさらに含んでいてもよい。
前記方法は、出発フカン組成物対マクロ多孔性アニオン交換樹脂の比を所定の比に調整することを含んでいてもよい。前記所定の比は、出発フカン組成物:マクロ多孔性アニオン交換樹脂が1:100〜10:1、1:90〜1:1、1:80〜1:5又は1:70〜1:10でありうる。いくつかの実施形態において、前記所定の比は、出発フカン組成物及びマクロ多孔性アニオン交換樹脂の質量を基準としうる。
前記方法、システムなどは、出発フカン組成物を、所定の期間、樹脂によるアニオン交換に供することを含んでいてもよい。前記所定の期間は、約5分〜300時間、例えば、約10分、30分〜1、2、3、5、10、30、100及び300時間でありうる。
前記方法、システムなどは、出発フカン組成物を強塩基マクロ多孔性アニオン交換樹脂、弱塩基マクロ多孔性アニオン交換樹脂又はマクロ多孔性混床電荷樹脂によるアニオン交換に供することを含んでいてもよい。「強塩基」及び「弱塩基」は、通常の意味にしたがって使用され、例えば、「強塩基」は、いずれの典型的なイオン交換状況下でも電荷を失わない樹脂、例えば、第4級アミン官能基を有した樹脂であり、弱塩基は、高pH条件下で電荷を失わない樹脂、例えば、第1級、第2級又は第3級アミン官能基を有した樹脂である。
前記方法、システムなどは、出発フカン組成物を、第1級、第2級、第3級及び第4級アミノ基のうちの少なくとも1つを含むマクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供することを含んでいてもよい。前記第1級アミノ基は、アミン基であってよい。前記第2級アミノ基は、例えば、ベンジルアミン基及びジメチルアミノ基のうちの少なくとも1つであってよい。前記第3級アミノ基は、例えば、ジエチルアミノエチル基及びジメチルアミノエチル基のうちの少なくとも1つであってよい。前記第4級アミノ基は、例えば、トリメチルアンモニウム基及びトリエチルアンモニウム基であってよい。前記樹脂は、限定されないが、スチレン、アガロース、デキストラン、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、セルロース、シリカ、及びセラミックのうちの1又は複数を含んでいてもよい。
前記方法、システムなどは、平均孔サイズが約5nm〜約1000nm、例えば、約5nm、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、40nm、50nm、60nm、80nm、100nm、200nm、300nm、400nm、500nm、750nm又は1000nmであるイオン交換樹脂を使用することを含んでいてもよい。前記イオン交換樹脂は、排除限界が約5kDa又は50kDa〜50,000kDa、例えば、約50kDa、100kDa、200kDa、500kDa、1,000kDa、2,000kDa、3,000kDa、4,000kDa、5,000kDa、6,000kDa、8,000kDa、9,000kDa、10,000kDa、20,000kDa、40,000kDa又は50,000kDaであってよい。いくつかの実施形態において、前記排除限界は、球状タンパク質のサイズを基準とする。
図2におけるシステムは、出発フカン組成物からのエンドトキシンの除去のためのアニオン吸着エンドトキシン除去システム1400の例示的な装置を示す。前記出発フカン組成物を含有する溶液は、流入供給ライン1401を介してタンジェンシャルフロー濾過(TFF)サブシステムのフカン容器1416に供給される。適切な溶媒中の前記出発フカン組成物は、例えば、望ましくない粒子状物を除去するためにプレフィルタ1406を通して予備濾過されてよい。脱塩プロセスにおいて、TFFサブシステムポンプ1414は、TFFフィルタ供給ライン1412を介してTFFサブシステム1410のTFFフィルタ1411に前記出発フカン組成物を送り込む。
TFFフィルタ1411は、保持液側にあるフィルタを流入流体が通過し、濾過生成物は第1流出ラインを介して送り出され、処理された流入流体は保持液として別の流出ラインを介して送り出されるように設計されているカセットとして供給され得る。この例示的な方法において、TFFフィルタ1411のMWCOは、アニオン交換サブシステム1420における後のアニオン吸着処理のために前記保持液中のフカンを保持しながら、塩成分の透過を可能にするように選択される。TFFサブシステムポンプ1414は、その保持液側及び濾過生成物側の間のTFFフィルタ1411にあるレベルの圧力を提供する。図2において、TFFフィルタ1411の保持液は、TFFサブシステム保持液戻りライン1418を介してTFFサブシステムのフカン容器1416に戻されるが、一方で、前記出発フカン組成物の望ましくない塩成分を含有する濾過生成物が、TFFサブシステム濾過生成物流出ライン1419を介して生成され、アニオン吸着エンドトキシン除去システム1400の外側において使用されるか又は廃棄されることとなる。
TFFサブシステムポンプ1414が出発フカン組成物及び保持液をTFFフィルタ1411を通して再循環させる間、TFFサブシステム透析濾過溶液容器1417からの脱イオン水又は低導電率溶液がTFFサブシステム透析濾過溶液供給ライン1415を介して供給されてもよい。透析濾過溶液は、TFFサブシステム濾過生成物流出ライン1419において濾過生成物を介して失われた保持液溶液を補充する、並びに/又は、所定のダイアボリューム数の流入出発フカン及び透析濾過溶液をTFFフィルタ1411を通して確実に循環させるために使用される。透析濾過溶液バルブ1413を制御することにより、フラッシュ溶液がパルス及び/又は連続プロセスで添加されてもよい。TFFフィルタ1411にわたるプロセスへのフラッシュ溶液のダイアボリューム数は、予め決定されていてよい。いくつかの実施形態において、フラッシュ溶液は、脱イオン水であってよい。
容器(図示せず)内に回収されたTFFサブシステム1410のTFFフィルタ1411の保持液がアニオン交換サブシステム1420のアニオン交換サブシステムのフカン容器1426に供給される前、上記の処理の間、サブシステム間バルブ1402は、閉じられてよい。回収された保持液は、TFFサブシステム保持液流出ライン1403を介してアニオン交換サブシステム1420のアニオン交換サブシステムのフカン容器1426に供給されてよい。他の実施形態において、回収された保持液は、容器(示さず)において、アニオン交換サブシステムのフカン容器1426に移されうる。前記システムのさらに他の実施形態において、サブシステム間バルブ1402は、開放されたまま維持されていてよく、TFFフィルタ1411の保持液は、TFFサブシステム保持液流出ライン1403を介してアニオン交換サブシステムのフカン容器1426に継続的に供給されてもよい。アニオン交換サブシステム1420に供給された保持液は、出発フカン組成物よりも低塩含有量でありうる。出発フカン組成物の塩含有量の低減は、アニオン交換サブシステム1420における後続の処理に望まれうる。いくつかの実施形態においては、出発フカン組成物が脱塩された出発フカン組成物として提供され、TFFサブシステム1410を通した処理はバイパスされてもよい。
アニオン交換サブシステム1420のアニオン交換容器1421は、ある体積のマクロ多孔性アニオン交換樹脂1429を含む。マクロ多孔性アニオン交換樹脂1429の孔サイズは、フカン分子を残しながらエンドトキシン分子を優先的に吸着するように選択される。かかる樹脂は、ジビニルベンゼンで架橋されており第4級アンモニウム基を含む孔を有している実質的に球形のスチレン粒子を含みうる。エンドトキシンは、個々の分子、分子のクラスタ、又はミセルのいずれかとして、溶液中のエンドトキシン分子、クラスタ、又はミセルの流体力学的サイズに基づいて前記樹脂の孔に優先的に吸着され得る。アニオン交換プロセスにおいて、アニオン交換サブシステムポンプ1424は、アニオン交換容器の供給ライン1422を介してアニオン交換サブシステム1420のアニオン交換容器1421に保持フカン組成物を送り込む。
TFFサブシステム1410からの保持フカン組成物をアニオン交換容器1421において処理する間、アニオン交換サブシステムの流出バルブ1404は閉鎖されていてよい。アニオン交換容器1421を通って流れる溶液は、アニオン交換容器流出ライン1428を介してアニオン交換サブシステムのフカン容器1426に戻され、結果として溶液の再循環を生じさせる。この再循環の間、マクロ多孔性アニオン交換樹脂1429は、保持フカン組成物からのエンドトキシンを吸着する。
アニオン交換サブシステムのフカン容器1426におけるエンドトキシンレベルは、測定又はモニタリングされうる。溶液が適当な期間再循環されたとき、又は所定の所望のエンドトキシンレベルに達したとき、アニオン交換サブシステム流出バルブ1404は、フカン−低エンドトキシン組成物がアニオン交換サブシステム流出ライン1405を介して流出するように開放されうる。
図2の破壊剤容器1427及び破壊剤供給ライン1425を検討すると、かかる実施形態において、破壊剤は、破壊剤供給ライン1425を介して破壊剤容器1427から添加される。破壊剤は、エンドトキシンのクラスタ又はミセルを破壊して、得られる分子を、マクロ多孔性アニオン交換樹脂1429の孔内により容易に吸着できるようにしうる。ある一定の実施形態において、TFFフィルタ1411の保持液は、破壊剤によって処理されてよい。好適な破壊剤としては、限定されないが、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114、Brij(登録商標)35、Tween(登録商標)20及び塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
液液抽出
高レベルのエンドトキシンを含有する、原料フカン組成物などの出発フカン組成物は、液液抽出に供される。前記方法は、出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること;前記出発溶液を有機溶媒と混合して、フカン−低エンドトキシン組成物を含む水性部分とエンドトキシンを含む疎水性不純物を含む有機部分とを有する水性有機相混合物を得ること;前記有機部分から前記水性部分を分離すること;及び前記フカン−低エンドトキシン組成物を含む前記水性部分を回収することを含みうる。
前記方法は、水性出発溶液と有機溶媒とを混合する前に出発フカン組成物を脱塩することをさらに含んでいてもよい。脱塩は、分画分子量(MWCO)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタを通して水溶液である出発フカン組成物を透析濾過することを含んでいてもよい。透析濾過は、出発フカン組成物を蒸留水によって透析濾過することを含んでいてもよい。分画分子量TFFフィルタは、フカン−低エンドトキシン組成物における所望の分子量分離点又はターゲットよりも小さい分画分子量、例えば、5kDa、10kDa、30kDa、50kDa、70kDa、100kDa、200kDa、300kDa、500kDa又は1000kDaの分画分子量を有しうる。透析濾過は、好適なプレフィルタを通して出発フカン組成物を予備濾過して、粒子状物を除去することをさらに含んでいてもよい。
水性出発溶液を有機溶媒と混合することは、水性有機相混合物を振とうすること、水性有機相混合物を撹拌すること、水性有機相混合物を高剪断に曝露すること、水性部分を有機部分に再循環させること、及び有機部分を水性部分に再循環させることを含んでいてもよい。
有機部分から水性部分を分離することは、遠心分離、デカンテーション、分離漏斗分離及び流体力学的流動分離のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
この方法による使用に好適な有機溶媒としては、相対極性が0.765未満である有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘプタン、酢酸イソブチル、アニソール、酢酸イソプロピル、1−ブタノール、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、ペンタン、1−ペンタノール、エチルエーテル、及び酢酸プロピルが挙げられる。前記有機相は、不純物、例えば、脂質、脂肪酸、フロロタンニン、タンパク質、フコキサンチン、クロロフィル、及び/又はエンドトキシンを含有しうる。
化学構造修飾
本明細書において考察されている方法、システムなどは、前記フカン組成物、特に、前記フカン組成物中のフカンの化学構造修飾を含みうる。化学構造修飾は、フカン由来の官能基、例えば、フカン構造由来のO−アセチル、N−アセチル、メトキシ、ヒドロキシ、カルボン酸及び/又は硫酸官能基の除去を含みうる。前記化学構造修飾は、広範な化学試薬、例えば、酸、塩基、界面活性剤及び/又は酸化剤の使用を含みうる。
疾患及び状態
線維性癒着
線維性癒着は、通常は手術(このタイプの線維性癒着は外科的癒着と称されうる)後に、身体の2つの部分の間に形成される瘢痕のタイプである。線維性癒着は、深刻な問題を引き起こす可能性がある。例えば、雌性生殖器官(卵巣、卵管)を巻き込んだ線維性癒着は、不妊、性交疼痛症、および重度の骨盤痛を引き起こす可能性がある。腸に生じる線維性癒着は、腸の閉塞(obstruction)または閉鎖(blockage)を引き起こす可能性があり、また線維性癒着は、心臓、脊椎、および手のような他の場所でも形成されうる。手術に加えて、線維性癒着は、例えば子宮内膜症、感染、化学療法、放射線、外傷およびがんにより生じることもある。
本明細書では、様々な線維性癒着が議論されている。外科的癒着(surgical adhesion)、外科手術後癒着(post-surgical adhesion)、術後癒着(postoperative adhesions)、骨盤炎症性疾患による癒着、機械的損傷による癒着、放射線による癒着、放射線治療による癒着、外傷による癒着、異物の存在による癒着などの用語は全て、同様のメカニズムによる組織同士の相互の付着を意味し、全てが線維性癒着という用語に包含される。
線維性癒着形成は、通常は身体内で分離している組織同士が互いの組織内に侵食成長する(grow into each other)複雑なプロセスである。外科的癒着(手術後癒着としても知られている)は、外傷に対する組織の、さもなければ正常であったであろう創傷治癒反応から進展し、全腹腔部手術患者の3分の2超(over two-thirds)に生じることが報告されている(Ellis,H.,Surg.Gynecol.Obstet.133:497(1971))。これらの線維性癒着の転帰は多様であり、関係する手術部位や疾患部位など他の部位によって異なる。問題としては、慢性疼痛、腸の閉塞、さらに心臓手術の後の死亡のリスクの増加も挙げられうる(diZerega,G.S.,Prog.Clin.Biol.Res.381:1−18(1993);diZerega,G.S.,Fertil.Steril.61:219−235(1994);Dobell,A.R.,Jain,A.K.,Ann.Thorac.Surg.37:273−278(1984))。生殖可能年齢の女性においては、全不妊症例の約20%は子宮、卵管又は卵巣を含む線維性癒着が原因であると推定される(Holtz,G.,Fertil.Steril.41:497−507(1984);Weibel,M.A.及びMajno,G.Am.J.Surg.126:345−353(1973))。
線維性癒着形成のプロセスは、最初に、フィブリンフレームワークの確立及び正常組織の修復が関与する。正常修復プロセスでは中皮の修復に伴い線維素分解が起こる。しかし、線維性癒着形成においては、線維芽細胞の組織網内における増殖の際に線維素のマトリックスが成長して血管形成させ、約3〜5日間以内に組織化された線維性癒着が確立線維される(Buckman,R.F.,et al.,J.Surg.Res.21:67−76(1976);Raferty,A.T.,J.Anat.129:659−664(1979))。炎症プロセスには、外傷組織内における好中球の活性化、線維素沈着及び隣接組織同士の結合、マクロファージ浸潤、前記領域内への線維芽細胞増殖、コラーゲン沈着、血管形成並びに永続的線維性癒着組織の確立が含まれる。
外科的癒着を予防するために様々な方法が試されてきた。これらには、手術性外傷を伴う生物化学及び細胞作用に影響を及ぼすことを目的とした薬理的アプローチ並びに患部組織を分離する隔壁法が含まれる。例えば、腹腔洗浄、ヘパリン化溶液、凝血原(procoagulants)の使用、例えば顕微鏡外科手技又は腹腔鏡外科手技の使用など外科手技の改変、手術用手袋からのタルクの除去、さらに細い縫合糸の使用、及び漿膜表面の付着(apposition)を最小限に抑える物理的バリア(フィルム、ゲル又は溶液)の使用が全て試みられてきた。現在のところ、予防的治療には、線維素沈着の予防、炎症の軽減(ステロイド性抗炎症薬及び非ステロイド性抗炎症薬)並びに線維素沈着物の除去も含まれている。
術後癒着の形成を予防するための介入的試みには、ハイドロフローテーション(hydroflotation)手法又はバリア器具の使用が含まれてきた。ハイドロフローテーションは、関与する器官を分離状態にしておくように大量のポリマー溶液、例えばデキストラン(Adhesion Study Group,Fertil.Steril.40:612−619(1983))又はカルボキシメチルセルロース(Elkins,T.E.,et al.,Fertil.Steril.41:926−928(1984))などを手術部位へ点滴注入することを含む。酸化再生セルロース(例えば、Interceed(商標))やポリテトラフルオロエチレン(Gore−tex手術用膜体)から製造された合成バリア膜及び変性ヒアルロン酸/カルボキシメチルセルロース(HA/CMC)のの組み合わせ(Seprafilm(商標))から製造された完全再吸収膜も、動物及びヒトの両方における術後癒着形成を軽減させるために用いられてきた(Burns,J.W.,et al.,Eur.J.Surg.Suppl.577:40−48(1997);Burns,J.W.,et al.,Fertil.Steril.66:814−821(1996);Becker,J.M.,et al.,J.Am.Coll.Surg.183:297−306(1996))。これらHA/CMC膜の成功は、線維性癒着が形成される際の腹膜傷部修復プロセス中に組織を分離させる膜の能力によるものであろう。前記膜は適用後の3〜5日間をかけて損傷組織上に透明粘性コーティングを形成することが観察された。この修復期間は手術後の癒着形成期間と合致する(Ellis,H.,Br.J.Surg.50:10−16(1963))。残念なことに、これらの方法で認められる成功は限定的であった。
腹膜炎には腹膜の炎症が関与する。腹膜炎は激しい症状を引き起すことがある。例えば、腹痛、腹部圧痛及び腹壁防御などがある。腹膜炎には、特発性炎症、解剖に伴う(anatomic)炎症及び/又は腹膜透析関連に伴う炎症が関与する場合がある。腹膜炎には感染が関与する場合もあり、例えば、管腔臓器の穿孔、腹膜の破損、特発性細菌感染腹膜炎及び全身感染によって感染及び腹膜炎が生じることがある。腹膜炎には感染が関与しないこともあり、例えば、腹膜内への滅菌体液の漏出及び滅菌腹部手術によって腹膜炎が生じうる。腹膜炎の予防及び/又は処置のために、様々な試みがなされてきた。例えば、経静脈補水、抗生剤及び手術などの一般的対症療法である。腹膜炎をさらに効果的に、しかも少ない副作用で抑制又はそれ以外の場合処置及び/若しくは予防するための化合物、組成物、方法及び同種のもの(送達アプローチを含む)に対する未だ満たされない需要が存在する。
本明細書において考察されるフカン−低エンドトキシン組成物は、患者における線維性癒着を処置するために使用することができ、線維性癒着を処置するために構成され且つ組成されるフカン−低エンドトキシン医療組成物、フカン−低エンドトキシン医療機器、フカン−低エンドトキシン組み合わせ(combination)若しくはフカン−低エンドトキシン医薬品の成分として含まれるか、又は線維性癒着を処置するために構成され且つ組成されるフカン−低エンドトキシン医療組成物、フカン−低エンドトキシン医療機器、フカン−低エンドトキシン組み合わせ若しくはフカン−低エンドトキシン医薬品であり得る。例えば、生理的塩類溶液に溶解された本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を約0.02mg/mL〜約100mg/mL、例えば、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.5mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2.5mg/mL、5mg/mL、又は7.5mg/mLで含むフカン−低エンドトキシン組成物又はフカン−低エンドトキシン医療機器でありうる。前記生理的塩類溶液は、例えば、乳酸リンゲル液USP(LRS)、生理食塩液又は生理的デキストラン溶液であってよい。
本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン医療組成物及び医療機器は、液体医療組成物及び液体医療機器(medical compositions and devices)であってもよいものであり、医薬的に許容し得る賦形剤、例えば、緩衝剤、安定剤、保存剤、アジュバントなどを含んでもよい。かかるフカン−低エンドトキシン医療組成物及びフカン−低エンドトキシン医療機器は、前段落におけるフカン医療組成物又はフカン医療機器を約0.01mL/kg(患者又は標的の体重1キログラム当たり)〜約10mL/kg又は15mL/kg投与することによって手術前、手術中又は手術後の線維性癒着を処置するために使用され得る。前記フカン−低エンドトキシン医療組成物及びフカン−低エンドトキシン医療機器の患者の手術部位への投与量としては、例えば、約0.03mL/kg、0.1mL/kg、0.2mL/kg、0.4mL/kg、0.5mL/kg、0.6mL/kg、1mL/kg、1.2mL/kg、2mL/kg、3mL/kg、4mL/kg、5mL/kg、8mL/kg、10mL/kg又は15mL/kgが挙げられる。さらなる実施形態において、かかるフカン−低エンドトキシン医療組成物及びフカン−低エンドトキシン医療機器は、約0.04mg/kg、0.1mg/kg〜約25mg/kg、又は50mg/kgを投与することによって、任意の選択された標的部位、例えば、病変、擦過傷、傷害部位、手術部位及び手術後の部位における線維性癒着を処置するために使用され得る。かかる投与量のいくつかの例としては、例えば、患者の手術部位への、約0.04mg/kg、0.075mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、1.3mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、7.5mg/kg、8mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg又は50mg/kgの、例えば本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を含む、本明細書に記載のフカンが挙げられる。前記投与は、例えば、前記標的領域の全体にわたって前記医療組成物又は液体医療機器を点滴すること;前記標的領域の中の(1又は複数の)特定位置に前記医療組成物又は前記液体医療機器を仕向けること;前記標的領域の中の全体若しくは(1又は複数の)特定位置に前記医療組成物又は液体医療機器を噴霧すること、又は、特に線維性癒着しやすい若しくは線維性癒着の発現の懸念があると外科医又は他の専門家が同定した(1又は複数の)特定位置上へ、トロカール、カテーテル、内視鏡若しくは他の侵襲性が最小限である装置を通じて噴霧塗布器であり得る塗布器を介して、前記医療組成物又は液体医療機器を噴霧する若しくはそれ以外の場合送達すること、によって達成され得る。別の態様において、前記投与は、手術創が開いた後でありかつ外科的手技の前、外科的手技の間、又は外科的手技の後でありかつ手術創が閉じる前、に為され得る。所望により、前記医療組成物又は液体医療機器を、(例えば注射器及び針によって)手術が完了した後で投与することも可能であり、また同様に非外科的標的部位に投与することも可能である。患者の手術部位は、例えば、骨盤腔、腹腔、背側腔(dorsal cavity)、頭蓋腔、脊椎腔、腹部腔、胸腔、胸膜腔、心膜腔、皮膚、関節、筋肉、腱及び靱帯のうち少なくとも1つでありうる。患者の手術部位内へのフカン−低エンドトキシン組成物医療機器の投与は、約15分未満、約10分未満、約8分未満、約6分未満、約5分未満、約4分未満、約3分未満、約2分未満、約1分未満、約45秒未満、約30秒未満、約20秒未満、約15秒未満、約10秒未満又は約5秒未満で達成され得る。
手術部位へのフカン−低エンドトキシン医療組成物又は医療機器での投与の例としては、手術創を開いた後、手術の間、手術創を閉じる前及び/又は手術創を閉じた後における、帝王切開外科的手技、微小血管遊離皮弁再建外科的手技、全層植皮外科的手技、V−Y伸展皮弁外科的手技、筋膜回旋皮弁外科的手技、関節形成外科的手技、乳房切除外科的手技、腐骨摘出外科的手技、杯形成外科的手技、骨切断外科的手技、骨形成外科的手技、膝蓋骨切除外科的手技、滑膜切除外科的手技、被膜切除外科的手技、腱又は靭帯を修復する外科的手技、腱剥離外科的手技、外科的腱切除、筋膜切開外科的手技、半月板修復外科的手技、脊椎切除外科的手技、篩骨切除外科的手技、コールドウェル・ルック手術外科的手技、涙嚢鼻腔吻合外科的手技、溶解鼻癒着外科的手技(lysis nasal synechia surgical procedure)、胸腺摘出外科的手技、肺剥離外科的手技、肺切除外科的手技、胸形成外科的手技、二肺葉切除外科的手技、門脈圧亢進手術外科的手技、脾摘出外科的手技、食道切除外科的手技、腹膜炎手術外科的手技、胃切除手術外科的手技、空腸吻合手術外科的手技、腹腔鏡下胆嚢切除手術外科的手技、腹腔鏡下総胆管検査外科的手技、胃腸吻合外科的手技、肥満手術外科的手技、腸切除及び吻合外科的手技、分節的(segemental)肝除去外科的手技、肺葉切除外科的手技、膵切開外科的手技、膵十二指腸切除外科的手技、腫瘍切除外科的手技、腹腔鏡下腎切除外科的手技、膀胱切除外科的手技、腹部又は骨盤の癒着溶解外科的手技、子宮卵管造瘻外科的手技、卵管形成外科的手技、子宮外妊娠腹腔鏡下手術外科的手技、関節置換外科療法外科的手技、骨折修復外科的手技、子宮摘出外科的手技、胆嚢除去外科的手技、心臓バイパス外科的手技、血管形成外科的手技、粥腫切除外科的手技、乳房生検外科的手技、頚動脈内膜切除外科的手技、白内障手術外科的手技、冠状動脈バイパス外科的手技、子宮内膜掻爬術外科的手技、ヘルニア修復外科的手技、腰痛手術外科的手技、結腸部分切除外科的手技、前立腺切除外科的手技及び扁桃摘出外科的手技の手術部位におけるフカン−低エンドトキシン医療組成物又は医療機器での投与が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
がん一般
がんは、米国における2番目に多い死因であり、全死亡者数のうち20%超(over 20%)の原因である。がんは、増殖性疾患であり、1又は複数の腫瘍の形成につながり得るある種の細胞の無制御の分裂によって特徴づけられる。がんを処置するために、手術、放射線療法、化学療法及びそれらの併用を含む多くの方法が用いられている。手術は、いくつかの限局性腫瘍のために用いられる比較的一般的な方法であるが、腫瘍切除後の腫瘍再発の可能性は依然として顕著である。
がん及び他の増殖性疾患の処置は、非がん性健常組織に対する損傷又は毒性の可能性により制約を受けていた。放射線療法及び外科的処置において、手技は、一般的に腫瘍部位に限られ、また腫瘍部位の近位で行われてきた。しかし、がん組織の外科的除去を受ける患者には著しいリスクがありうる(例えば、前立腺腫瘍又は脳腫瘍の除去においては、例えば非腫瘍組織の切除の必要が潜在的に低いことによって、周囲の主要組織に対して修復不能な傷害を与える著しいリスクの可能性がある)。さらに、前立腺がんのための第1選択の処置として行われてきた集束放射線による処置でも同様のリスクがある。がんの化学療法による処置において、薬物は全身投与されてきたが、その結果、全身が前記薬物に曝露される。これらの薬物は、がん細胞に対して毒性があるように設計されているが、非がん性細胞に対しても(一般的には)毒性があり、その結果、患者は、がんのための薬物処置を受ける場合に非常に不調になる。経験を通して、腫瘍医は、ある程度の患者が忍容性を示しうる投与量でこれらの薬物を投与することが可能である。しかしながら、これらの投与量では、多くの場合、がんの処置に成功しない。
がんを処置するあらゆる方法に伴う1つの問題は、当該疾患の局所再発であった。例えば、毎年およそ700,000人のアメリカ人が限局性がんと診断され(全がん患者のおよそ64%)、約500,000人が、外科的方法を用いて処置される。残念ながら、手術で処置された患者の32%が初期処置後に再発する(およそ21%が初期手術部位で再発し、11%が遠隔転移部位で再発する)。毎年約100,000人の患者ががんの限局性再発によって死亡する。このことは、とりわけ乳がんで当てはまったが、乳腺腫瘤摘出を受ける患者の39%が前記疾患の局所再発を経ることになる。
ステージ分類は、患者におけるがん(固形腫瘍)の進行を判断する方法である。簡略化されたアプローチによって、がんがどの程度進行したのかに基づいて、患者は3つの群又はステージに入れられる。
ステージ1:器官の一部を外科的に除去することによってがんを処置することができる。これは、切除が可能なステージとしても知られている。
ステージ2:がんは、切除が可能なポイントを過ぎて進行したが、依然として器官自体に限定される。
ステージ3:腫瘍が他の器官に広がっている。
多くのがんは、例えば、5−フルオロウラシル(Efudex(登録商標))、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標)))、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)))、シスプラチン(Platinol−AQ(登録商標))、塩酸ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、メトトレキセート及びパクリタキセルを含む抗増殖剤で処置される。抗増殖剤であるメトトレキセート及びパクリタキセルに関連した毒性のいくつかの例は、本明細書において他の箇所で考察される。メトトレキセートは、例えば、膀胱がん、乳がん、子宮頸がん、頭頚部がん、肝がん、肺がん及び精巣がんを含むいくつかのがんを処置するために用いられてきた。パクリタキセルは、例えば、卵巣がん、乳がん及び非小細胞性肺がんを含むいくつかのがんを処置するために用いられてきた(Compendium of Pharmaceutical and Specialties Thirty−fifth Edition,2000)。
5−フルオロウラシルによる毒性としては、心筋虚血などの心臓血管毒性;多幸感、急性小脳症候群及びおよび運動失調などの中枢神経系毒性;脱毛症及び皮膚炎などの皮膚病学的毒性;悪心、嘔吐及び口腔内潰瘍又は胃腸潰瘍などの胃腸毒性;白血球減少症、血小板減少症及び貧血などの血液学的毒性;過敏症及び接触過敏症などの過敏症毒性;流涙増加、羞明及び結膜炎などの眼毒性;並びに発熱などの他の毒性を挙げることができる。5−フルオロウラシルは、例えば、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝がん、膀胱がん、頭頚部がん、非小細胞性肺がん、卵巣がん、膵がん及び前立腺がんを含む多くのがんを処置するために用いられてきた(Compendium of Pharmaceutical and Specialties Thirty−fifth Edition,2000)。
ビンクリスチンによる毒性としては、子供の発作や幻覚などの中枢神経系毒性;脱毛症などの皮膚病学的毒性;発疱(vesicant)などの血管外遊走毒性;悪心、嘔吐、便秘及び口内炎などの胃腸毒性;骨髄抑制などの血液毒性;末梢神経障害及び自律神経ニューロパシーなどの神経性毒性;複視、一過性失明及び視神経萎縮などの眼毒性;尿閉、高尿酸血症及び膀胱弛緩などの腎臓/代謝毒性;息切れなどの呼吸器毒性;並びに子供の発熱などの他の毒性が挙げられる。この抗増殖剤は、例えばホジキン病、小細胞肺がん、ウィルムス腫瘍及び精巣がんを含むいくつかのがんを処置するために用いられてきた(Compendium of Pharmaceutical and Specialties Thirty−fifth Edition,2000)。
ドキソルビシンによる毒性としては、心電図異常及び心筋症などの心臓血管毒性;脱毛症や爪の変化などの皮膚病学的毒性;発疱などの血管外遊走障害毒性;悪心、嘔吐及び口内炎などの胃腸毒性;尿の赤色着色などの尿生殖器毒性;骨髄抑制などの血液毒性;過敏症及び皮膚発疹などの過敏症毒性;結膜炎などの眼毒性;不妊症などの繁殖毒性;並びに高尿酸血症などの他の毒性が挙げられる。この抗増殖剤は、例えば、乳がん、肺小細胞がん及び卵巣がんを含むいくつかのがんを処置するために用いられてきた(Compendium of Pharmaceutical and Specialties Thirty−fifth Edition,2000)。
シスプラチンによる毒性としては、心電図変化などの心臓血管毒性;色素沈着過剰などの皮膚病学的毒性;刺激(irritant)などの血管外遊走障害毒性;悪心及び嘔吐などの胃腸毒性;骨髄抑制及び溶血性貧血などの血液学的毒性;過敏症などの過敏症毒性;末梢神経障害及び急性変性脳疾患などの神経筋毒性;球後視神経炎などの眼毒性;聴力損失及び耳鳴などの耳科学的毒性;中毒性ネフロパシー及び低カリウム血症などの腎臓/代謝毒性;並びに不妊症などの他の毒性が挙げられる。この抗増殖剤は、例えば、膀胱がん、肺小細胞がん、卵巣がん、精巣がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、頭頚部がん、肝芽腫及び甲状腺がんを含むいくつかのがんを処置するために用いられてきた(Compendium of Pharmaceutical and Specialties Thirty−fifth Edition,2000)。塩酸ゲムシタビンによる毒性としては、例えば、骨髄抑制などの血液学的毒性;悪心、嘔吐及び口内炎などの胃腸毒性;血清トランスアミナーゼの一過性上昇などの肝毒性;蛋白尿、血尿、溶血性尿毒症症候群及び腎不全などの腎毒性;発疹及び脱毛症などの皮膚病学的毒性;浮腫及び末梢性浮腫などの浮腫毒性;並びに発熱などの他の毒性が挙げられる。この抗増殖剤は、膵がん及び非小細胞性肺がんを処置するために用いられてきた(Compendium of Pharmaceutical and Specialties Thirty−fifth Edition,2000)。
本考察は、前立腺、乳房、膵臓、肝臓、腎臓、泌尿生殖器系、脳、胃腸系、呼吸器系及び頭頸部の限局性がん又は固形腫瘍など、処置することが可能な限局性がん又は固形腫瘍の予防又は処置を含む。本明細書における前記組成物等は、拡散又はさらに全身輸送により有効濃度のフカン−低エンドトキシン組成物を前記腫瘍及び/又は転移に到達させ、前記標的腫瘍からいくらか遠隔部位におけるフカン−低エンドトキシン組成物の制御放出を可能にすることによって、転移を含むがんを予防又は処置しうる。以下の段落において、これらのがんのうちいくつかをさらに考察する。
前立腺がん
前立腺がんは、前立腺を覆う細胞で起こる悪性腫瘍である。米国では、推定で200,000人の患者が、今年、前立腺がんを発症し、30,000人超が前記疾患で死亡する。前立腺がんは、新たな症例に対する死亡の比率が約15%である。前記がんは、前立腺の中に残る可能性があるか、又はそれは、周囲組織若しくは遠隔部位(ほとんどの場合、リンパ節及び骨)に広がる。通常、前立腺がんは静かに広がり、それが前立腺を越えて進行した場合のみ症候を生じる。前立腺がんが診断されて早期ステージの間に処置された場合、いくつかの研究において、患者の5年生存率は94%であった。
前立腺がんは、多くの場合、50歳を過ぎた(over age 50)男性の疾患として考察される。実際、前立腺がんの男性の80%が60歳以上である。男性が生涯の間に前立腺がんと診断される可能性は、10の内、約1であり、女性が乳がんになる可能性とおおむね同じである。前記疾患を、多くの場合症候が発現するずっと前に、その発現の早期に検出し得る試験の向上の結果として、新規症例が報告される数は、近年著しく上昇した。ある年に前立腺がんを発症する可能性は、年齢と共に増加するが、50歳以降で著しく上昇する。
前立腺がんのための現行の処置の選択肢は、疾患進行の程度、患者の年齢及び全体的健康に依存する。早期ステージのがんだけに罹患しているか、又はさらなるより重篤な疾患に罹患している高齢患者は、保存的に処置され得るが、がんが進行している高齢患者は、より積極的な処置を受けうる。前立腺がんは、放射線治療(外部ビーム放射又は近接照射療法)、ホルモン消退又は去勢(外科的又は化学的)、抗増殖剤、手術、待期的治療(すなわち、「注意深い経過観察」)を含む各種方法によって処置されてきた。処置は、完治を保証するものではなく、一部にはかなりの副作用がある。
早期ステージの前立腺がん(すなわち、腫瘍が前立腺に限局性である)は、「注意深い経過観察」で扱われてもよい。前立腺がんの手術は、それ以外の面で全体的健康が良好であり、腫瘍が前立腺に限定される患者について推奨されてきた。70歳未満の男性の前立腺の限局性がんのための一般的処置は、根治的前立腺切除(すなわち、前立腺の外科的除去)であった。
がんが前立腺領域内において限局性である患者は、一般に、外部ビーム放射(EBR)で処置される。前記放射は、がん細胞を死滅させ、腫瘍を縮小させる。EBRは、限局性前立腺がん処置の20%未満を占め、これらの患者のおよそ50%が前記疾患の放射後再発を経る。早期ステージの前立腺がんの検出及び患者からの需要増大に相まって、近接照射療法(すなわち、局所放射線治療)の使用が増えることが予測されている。1995年には、近接照射療法を用いて処置されたのは新規に診断された患者のわずか2.5%であった。近接照射療法は、前立腺腫瘍内に放射性金属の「種」を埋め込むことを含む。
広まった前立腺がんの処置には、精巣を除去すること又はホルモン治療が含まれる。がんの増殖を引き起こしてきたテストステロンの生成を抑制又は止めるには両方が用いられる。ホルモン消退治療を受けるのは全ての前立腺がん患者のおよそ20%である。ホルモン治療は、酢酸ゴセレリン(Zoladex(登録商標))又は酢酸ロイプロリド(Lupron(登録商標))を含む。前立腺がんを処置するために用いる抗増殖剤としては、5−フルオロウラシルが挙げられている。
乳がん
米国において、乳がんは、女性の間で最もよくみられるがんであり、毎年約180,000件の新規症例が診断される(男性の乳がんは、全ての診断された乳がんの約5%を占める)。女性の死因として乳がんを超えるのは肺がんのみであり、乳がんは、毎年およそ50,000の死亡の原因となった。アメリカ人の女性において、その生涯の間に乳がんを発症する可能性があるのは8人のうち1人(又は約13%)である。過去10年にわたって、最も報告された乳がんは、小さい、原発性の(独立して生じる;転移によって引き起こされない)腫瘍であった。新規に診断された患者のおおむね70%〜80%が早期疾患(ステージ1又は2)を示し、大多数には腋窩(わきの下)リンパ節の併発がなかった。
ほとんどの乳がんは、がん腫(すなわち、上皮組織から増殖する悪性腫瘍)である。肉腫又は結合組織、骨、筋肉若しくは脂肪から生じる腫瘍は乳房がんの1%未満である。また、ほとんどの乳がん(約75%)は、乳管を覆う組織内で生じる腺管がんである。ずっと少ない数のがん(約7%)が乳腺小葉内で認められ、小葉がんと呼ばれる。他の形態の乳がんのほとんど全ての原因はページェット病(小室及び乳首のがん)及び炎症性がんである。
乳がんの処置は、複雑になっており、多くの因子に依存する。2つの重要な因子は、腫瘍の型及び進行のステージである。腫瘍の特性は、特に、個々を、2つの群、すなわち、(1)がん再発のリスクが低い個体、及び(2)がん再発のリスクが高い個体、に分けるのに役立つ。特定の予後因子によって、患者はこれらの群のうちいずれかに入る。これらの因子としては、腫瘍の大きさ;女性ホルモンエストロゲン及びプロゲステロン(ER/PR)受容体の存在;細胞の増殖周期(腫瘍細胞が活発に分裂しているのか、又は「S期」であるのかどうか);「her−2−neuタンパク質」として知られているタンパク質の存在;腫瘍悪性度、すなわち、腫瘍細胞の分化又は変化の指標;及び腫瘍倍数性、すなわち、腫瘍細胞内の遺伝物質の組の数、が挙げられる。
著しいリンパ節併発のない原発疾患の処置は、乳腺腫瘤摘出及び放射線治療によるものである。より著しいリンパ節併発は、乳房切除及び補助的リンパ節の除去の根拠となり得る。このステージにおいて、転移及び局所再発の可能性は高い。転移性疾患の処置は症状緩和目的であり、放射線治療及び化学療法を含むものであって、これらは免疫を抑制し、細胞を障害し白血球を減少させる。乳がんに対する使用のために、例えば、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、メトトレキセート及びパクリタキセルを含む抗増殖剤が承認されている。
膵がん
膵臓は、胃及び小腸の近くに位置する消化器系の器官である。それは、2つの主要な機能、すなわち、酵素及びホルモンの生成を有する。膵臓のがんは、外分泌(すなわち、酵素)膵臓内で生じ得(例えば、古典的な膵臓腺がん)、又は内分泌(すなわち、ホルモン)膵臓内で生じ得る。
外分泌膵臓のがんは、非常に重篤な健康問題である。米国において、およそ28,000人の患者が膵がんと診断されるが、一方でほぼ同じ数が毎年この疾患で死亡する。膵がんは、男性及び女性で同程度に生じる。診断における困難、膵がんの固有の攻撃的性質、及び利用可能な全身処置の選択肢が乏しいことのため、膵臓腺がん診断後に5年間生存するのは診断された患者のおよそ4%のみである。膵がんは、乳がん、肺がん、結腸がん及び前立腺がんに続く、がんによる死亡の5番目の原因である。
膵がんの処置の選択は、腫瘍のステージに大きく依存する。可能な処置としては、手術、抗増殖剤、放射線及び生物学的療法が挙げられる。手術は、通常、がんが切除可能であると考えられるステージ1の患者のために確保されている。場合によっては、手術の前又は後に投与される放射線及び抗増殖剤などの治療の併用によって、患者の生存可能性が増加しうる。切除不能であると考えられる膵がん(通常、ステージII以降)は、臨床試験における抗増殖剤を用いて処置されうる。例えばゲムシタビン又は5−フルオロウラシルなどの抗増殖剤は、膵がんに対して多少の効果を有し、ゲムシタビンは、症状緩和目的の剤として用いられてきた。これらの抗増殖剤による毒性は、本明細書の別の箇所において考察される。放射線治療は、化学療法と併用して用いられる場合、膵がんに対する多少の効果を有する。放射線治療単独で症候が抑えられることがある。この形態の処置は、ステージII以降の膵がんにおいても用いられている。
膀胱がん
1998年には、米国で膀胱がんの新規症例が54,000件超診断され、該疾患に起因する死亡は約15,000件と推定された。膀胱がんは、アメリカ人の男性の中で4番目に多いがんであり、アメリカ人の女性の中で9番目に多いがんである。膀胱がんは女性よりも男性に3倍頻繁に起こる。より高齢の男性の主要な疾患である膀胱がんは、疾病及び死亡の著しい原因である。膀胱がんのリスクは、年齢と共に急激に増加し(症例の80%が50歳を過ぎた人々に起こる)、膀胱がんでの全死亡の半分超が70歳以降で起こる。65歳を過ぎた白人において、膀胱がんの年間疾病率は、1,000人当たりおよそ2症例であり、このことは、65歳未満では1,000人当たり0.1症例の割合であることと対照をなす。一人が生涯の間において膀胱がんを発症する確率は3%より高いが、膀胱がんで死亡する確率は小さい(<1%)。膀胱がんが40歳より若い人々に起こることは稀である。
最近の研究は、ある種の遺伝子及び遺伝性の代謝能力が膀胱がんにおいて役割を果たす可能性があることを示唆する。移行上皮がん(TCC)は、膀胱がんの最もよくみられる形態である。TCCは、通常、茎状基部上の表在性(表面)腫瘤、乳頭状(疣状)腫瘤、外方増殖性(外側に増殖する)腫瘤として生じる。しかし、場合によっては、TCCは、広範な基部に付着する可能性があるか、又はそれは、(窪んだ病変内で)潰瘍化したようにみえる可能性がある。乳頭状TCCは、多くの場合、後に脱分化するか又は個別細胞の特性を喪失する過形成の領域として開始する。乳頭状TCCの約10%〜30%のみが浸潤がんに進行する。対照的に、TCCの非乳頭状形態は浸潤性になる可能性が高い。記載したように、かかるTCCは、潰瘍化しているか又は平坦にみえることがある。未分化上皮から構成された平坦で非乳頭状のTCCは、上皮内がん(CIS又はTIS)として分類されている。CISの組織は、大きく、顕著な核小体(細胞内の丸い実体;タンパク質合成に関与する)を有し、正常な極性を欠いた細胞を含んでいる。
膀胱がんの処置は、多くの因子に依存する。これらの因子で最も重要なものは、存在する腫瘍の型及びそのステージである。一般的な処置としては、経尿道的切除(TUR)、電気外科手術、レーザー外科手術、膀胱内治療、抗増殖剤、外科的治療、膀胱切除及び放射線治療が挙げられる。膀胱がんを処置するために用いられる抗増殖剤の例としては、例えば、5−フルオロウラシル、シスプラチン及びメトトレキセートが挙げられる。延期抗増殖剤である5−フルオロウラシル、シスプラチン及びメトトレキセートによる毒性は、本明細書において他の箇所で考察される。
脳がん
脳腫瘍は、手術不能であることがしばしばであり、患者の80%超が診断から12ヵ月以内に死亡する。米国では原発性頭蓋内(脳)がんの新規症例が毎年およそ18,000件診断される。脳腫瘍は、全ての成人がんの約2パーセントを示す。脳腫瘍のうち50パーセント超は、高悪性度神経膠腫(すなわち、多形性神経膠芽細胞腫及び退形成星細胞腫腫瘍)である。これらの腫瘍の患者は、しばしば、運動機能障害、発作及び視力障害などの重度の障害に苦しむ。
脳組織内で発生する腫瘍は、原発性脳腫瘍として知られている。原発性脳腫瘍は、それらが発生する組織の型によって分類される。最も一般的な脳腫瘍は、神経膠(支持)組織内で発生する神経膠腫である。他のものとしては、星細胞腫、脳幹部神経膠腫、上衣腫及び乏突起神経膠腫が挙げられる。
脳腫瘍の外科的除去は、ほとんどのタイプについて及びほとんどの位置において推奨されるが、神経機能の保存の制約の中でできるだけ完全であるべきである。この規則の例外は、臨床的エビデンスに基づき診断され、およそ50%で(approximately 50% of the time)初期手術なしで処置される、脳橋神経膠腫などの深在腫瘍の場合である。しかしながら、多くの場合は、生検による診断が行われる。到達し且つ切除することが困難な病変については、定位生検を用いることができる。治癒がまれであるか又は切除不能な脳腫瘍に罹患している患者は、前記腫瘍の局所的制御を向上させるために外部ビーム放射線治療と併用して用いられる放射線増感剤、温熱療法若しくは組織内近接照射療法を評価する臨床試験又は新しい薬物及び生体応答調節剤を評価する研究のための候補と考えられるべきである。
放射線治療は、ほとんどの腫瘍タイプの処置において主要な役割を有し、治癒率を上昇させること又は無病生存期間を延長させることが可能である。放射線治療は、最初に手術単独で処置された患者における再発の処置においても有用であり得る。手術及び放射線治療の前、間又は後に、化学療法を用いてもよい。同様に、再発性腫瘍も化学療法で処置される。脳がんの処置で用いられる抗増殖剤としては、シスプラチンが挙げられる。この抗増殖剤に関連した毒性の例は、本明細書において他の箇所で考察される。
再狭窄
再狭窄は、血管壁肥厚と、血管により組織へ供給される血流の喪失とにつながる、慢性血管損傷の形態である。この炎症性疾患は、血管閉塞を軽減する任意の操作を含む血管再建手技に応答して生じることがある。したがって、再狭窄は、これらの手技の有効性を限定する主要な制限的因子である。
本考察は、例えば治療上有効量のオリゴヌクレオチド治療薬と抗炎症剤との配合物を血管に投与することによる再狭窄の予防又は処置を含む。適切な組成物は、再狭窄部位若しくは潜在的再狭窄部位で外科的に埋め込まれ得るポリマー担体を含むか、又はポリマーペースト若しくはポリマーゲルとしてカテーテルを介して注入され得る。適切な組成物は、本明細書において考察されるフカン−低エンドトキシン組成物を含んでもよい。
関節炎
関節リウマチ(RA)は、関節組織の疼痛、腫脹、滑膜細胞増殖(パンヌス形成)及び破壊を特徴とする消耗性慢性炎症性疾患である。進行期において、前記疾患はしばしば重要な器官を損傷し、致死的となり得る。前記疾患は、免疫系(マクロファージ/単球、好中球、B細胞及びT細胞)複合的サイトカイン相互作用並びに滑膜細胞の機能不全及び増殖の複数の要素を含む。メトトレキセートなどの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)による早期の積極的処置が推奨されており、該薬物は、本明細書において他の箇所で考察される。
結晶誘発性関節炎は、関節内におけるマクロファージ及び好中球の結晶誘発性活性化を特徴とされてきたものであり、その後、何日間も激痛が生じる。前記疾患は、発症の間の間隔が短くなり、患者が病的状態であることが増えるように進行する。この疾患は、概して、ジクロフェナクナトリウム(Voltaren(登録商標))などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で対症的に処置されてきた。この抗炎症剤は、浮動性めまい及び頭痛などの中枢神経系毒性;発疹及びそう痒などの皮膚病学的毒性;悪化した潰瘍性大腸炎及びクローン病などの胃腸毒性;急性腎不全及び腎乳頭壊死などの尿生殖器毒性;無顆粒球症、白血球減少症及び血小板減少症などの血液学的毒性;肝トランスアミナーゼ上昇及び肝炎などの肝毒性;並びに喘息及び過敏症などの他の毒性を含む毒性を有する。
本考察は、例えば治療上有効量のオリゴヌクレオチド治療薬及び所望により抗炎症剤を患者に投与することによる、関節リウマチの予防又は処置を含む。適切な組成物は、前記抗炎症剤の制御放出担体として関節に注入され得るポリマー担体と、(前記ポリマー担体中に組み込まれた)前記オリゴヌクレオチド治療薬の制御放出担体としての微粒子とを含む。適切な組成物は、本明細書において考察されるフカン−低エンドトキシン組成物を含みうる。かかるポリマー担体は、ポリマー微小球、ペースト又はゲルの形態を取りうる。
炎症状態
本明細書に記載の前記組成物などは、例えばオリゴヌクレオチド治療薬及び抗炎症剤を含む組成物を患者に投与することを含む、好中球が関与する炎症状態の抑制又は処置を、所望により行うことができる。かかる状態の例としては、結晶誘導性関節炎、骨関節炎、非リウマチ様炎症性関節炎、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、ベーチェット症候群、サルコイドーシス、乾癬、湿疹、炎症性大腸疾患、慢性炎症性肺疾患、神経障害及び多発性硬化症が挙げられる。これらの疾患の一部は、以下の段落でさらに考察される。
慢性炎症性皮膚疾患(乾癬及び湿疹を含む)
乾癬は、痒みがあり、ひりひりし、チクチクし、容易に出血する、隆起し、肥厚し、鱗片状である病変を特徴とする一般的な慢性炎症性皮膚疾患である。これらの疾患は、前記疾患の後期に細胞増殖成分及び血管形成成分を有するが、患者は、多くの場合、付随的な関節炎状態を有する。症状は、プレドニゾンなどのステロイド性抗炎症剤又はメトトレキセートなどの抗増殖剤によって処置されてもよく、それらの剤は、本明細書において他の箇所で考察される。慢性炎症性皮膚疾患、例えば、乾癬及び/もしくは湿疹の抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは予防のために、本明細書における前記組成物を用いてもよい。
以下は、本明細書において考察される組成物で処置することが可能な、例えば、動静脈奇形(血管奇形)における動脈塞栓術;月経過多;急性出血;中枢神経系障害;脾機能亢進;乾癬などの炎症性皮膚疾患;湿疹様疾患(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹);免疫水疱性疾患;並びに関節リウマチ、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、ベーチェット症候群、サルコイドーシス、結晶誘発性関節炎及び骨関節炎(それらの全ては、顕著な症候として、炎症を起こした、痛みを伴う関節を特徴とする)を含む様々な状態を含む炎症性関節炎を含む炎症性疾患のいくつかのさらなる代表的例を提供する。
虚血
虚血(ischemia)又は乏血(ischaemia)には血液供給における制限が関与し、前記制限としては、適切な組織機能のために必要な酸素、グルコース及び他の成分の供給の不足が挙げられ、組織の傷害及び/又は機能障害を引き起こす。虚血は、重度の問題を引き起こす可能性がある。例えば、組織が無酸素化して壊死したりする可能性があり、血液凝固が発生する可能性がある。虚血の防止及び/又は処置を行うために各種試みが行われてきた。例えば、血流復活治療あるいは再灌流治療がある。しかし、血液復活治療には酸素の再導入が関与し、これはフリーラジカルの生成によるさらなる損傷を引き起こす可能性があり、再灌流による傷害を発生させる可能性がある。再灌流傷害は深刻な問題を引き起こす可能性がある。本明細書に記載の組成物は、虚血及び/もしくは再灌流傷害を抑制するか又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
内毒素血症
内毒素血症は、血液中にエンドトキシンが存在することである。内毒素血症は深刻な問題を引き起こす可能性がある。例えば、内毒素血症は敗血症性ショックにつながる可能性がある。本明細書に記載の組成物は、内毒素血症を抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
ケロイド瘢痕
ケロイド形質は、創傷を、隆起した瘢痕を伴って治癒させる。ケロイド形質の隆起瘢痕には異常な線維性瘢痕化が含まれる。ケロイド形質は、重度の問題、例えば疼痛や外観上の問題(disfigurement)を引き起こす。本明細書に記載の組成物は、ケロイド形質及びその結果として生じる隆起瘢痕を抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
ケロイド(ケロイド瘢痕)は、正常な皮膚の上に増殖して広がるタイプの瘢痕である。ケロイドにはI型及びIII型コラーゲンの異常増殖を含む異常コラーゲン増殖が関与する。ケロイドは、重度の問題、例えば、疼痛、そう痒を引き起こし、感染した場合は潰瘍化する可能性がある。ケロイドを処置又は防止するために、外科手術、包帯、ステロイド注入及びレーザー治療の使用を含む試みが為されてきた。本明細書に記載の組成物は、ケロイドを抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
皮膚炎
皮膚炎にはアトピー性皮膚炎及び接触性皮膚炎を含む皮膚の炎症が含まれる。例えば、接触性皮膚炎には、皮膚の異物との接触の後に発症する局所的発疹及び/又は皮膚の刺激が関与する。例えば、アトピー性皮膚炎は、慢性的に再発性である掻痒性皮膚疾患である。アトピー性皮膚炎は時にベニエー痒疹、神経皮膚炎、内在性湿疹、屈面性湿疹、乳児皮膚炎、小児期湿疹及び急性単純性痒疹(prurigo diathsique)と称される。湿疹は、皮膚炎の形態の疾患である。他のタイプの皮膚炎としては、海綿状皮膚炎、脂漏性皮膚炎(ふけ)、汗疱状皮膚炎(汗疱)、蕁麻疹、小疱性皮膚炎(水疱性皮膚炎)及び丘疹性蕁麻疹(popular urticaria)が挙げられる。皮膚炎は、重度の問題を引き起こす可能性がある。例えば、乾燥肌、皮膚発疹、皮膚浮腫、皮膚発赤、皮膚掻痒、痂皮形成、ひび割れ、水膨れ、滲出及び出血である。皮膚炎を処置又は防止するために、コルチコステロイド及びコールタールの使用を含む試みが為されてきた。本明細書に記載の組成物は、アトピー性皮膚炎、湿疹、接触性皮膚炎、海綿状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、蕁麻疹、小疱性皮膚炎及び丘疹性蕁麻疹を含む皮膚炎を抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
酒さ
酒さは、典型的には顔面紅斑を特徴とする慢性疾患又は慢性状態である。酒さは、重度の問題を引き起こす可能性がある。例えば、酒さは典型的には額、鼻又は頬上の発赤として発生し、頸部、耳、頭皮及び胸部上の発赤を引き起こすこともある。例えば、酒さは、毛細血管拡張、丘疹、膿疱、痛痒感を含むさらなる症候を引き起こし、進行した場合には鼻瘤(赤色の分葉状の鼻)を発症しうる。酒さのサブタイプとしては、紅斑毛細血管拡張型酒さ、丘疹膿疱性酒さ、瘤腫型酒さ(phymatous rosacea)及び眼型酒さが挙げられる。酒さを処置又は予防するために、抗炎症剤及び抗生剤の使用を含む試みが為されてきた。本明細書に記載の組成物は、紅斑毛細血管拡張酒さ、丘疹膿疱性酒さ及び眼性酒さのサブタイプを含む酒さを抑制又は、それ以外の場合、処置及び/もしくは防止するために用いられてもよい。
医療機器、医療材料、組み合わせ及び医薬品
本明細書における考察は、医療機器、医療材料、組み合わせ生成物又は医薬的に許容し得る容器内に本明細書において考察される組成物を含む、医療機器、医療材料、組み合わせ及び医薬品も提供する。前記製品(products)は前記容器に添付された注意事項をさらに含んでもよい。注意事項は典型的には、医療機器、医療材料、組み合わせ及び医薬又は生物医薬の製造、使用又は販売を規制する所管官庁によって規定された形態であり、これによって注意書きは、例えば、フカン−低エンドトキシン組成物が、例えば、増殖性疾患又は炎症性疾患(例えば、炎症性関節炎、再狭窄、外科的癒着、乾癬及び腹膜炎など)の処置のためにヒト又は動物に投与するための抗増殖剤又は抗炎症剤として承認されている旨など、官庁による前記組成物の承認を反映するものとなる。本明細書に記載のフカン−低エンドトキシン組成物の使用のための説明書も含まれてよい。かかる説明書は、患者の投与及び投与方法に関する情報を含んでもよい。医薬品は前記医療組成物を投与又は塗布するためのデバイスやシステムなど、例えば注射器及び/又は噴霧器を含んでいてもよい。
本出願は、前記組成物自体を製造することを含む、本明細書において考察される前記フカン−低エンドトキシン組成物、システムなどの各種要素の製造方法、並びにその使用方法、例えば、本明細書に記載の状態、前記疾患などの処置をさらに対象とする。
本出願は、線維性癒着、関節炎、乾癬又は所望の他の疾患を処置するための、本明細書に示されたフカン−低エンドトキシン組成物を含む医療機器、医療材料、医薬組み合わせ製品及び医薬品を含む。前記材料などは、外科的癒着、関節炎、乾癬又は他の所望の疾患などの線維性癒着を処置するための医薬において使用することができる。医薬的に有効な量の、本明細書において考察されるフコイダンなどのフカンを医薬的に許容し得る賦形剤又は緩衝剤と併用することを含む、ヒト患者を含む患者における線維性癒着、関節炎及び乾癬のうち少なくとも1つに関連した症状を軽減させることが可能なかかる医薬の製造方法及び使用方法も提供される。
以下の実施例は、本明細書におけるある種の実施形態の例示的考察を提供するが、本開示及び請求項は、それらに限定されるものではない。
実施例1:化学的構造的変性
ラミナリア・ヒペルボレア(Laminaria Hyperborea)から滲出物−抽出物を得た。前記滲出物−抽出物を濾過し、100kDaフィルタを用いた(over)タンジェンシャルフロー濾過(TFF)によって小分子を除去した。変性させられないかぎり未変性の試料A(otherwise unmodified sample A)を得るために、得られた保持物(retentate)の試料を凍結乾燥した。得られた保持物を、10MのNaOH溶液の添加によって0.25MNaOHとし、室温で16時間静置した。次いで、得られた試料を50kDaのフィルタを用いて遠心濾過し、得られた保持物を回収して凍結乾燥し、塩基処理試料Bを得た。陽子磁気共鳴分光法(H−NMR)によって未変性試料A及び塩基処理試料Bの両方を分析した。得られたH−NMRスペクトルを図3Aに示す。
図3Aは、前記フカンの化学的構造的変性が達成されたことを示すが、前記未変性試料Aに存在する約2.0ppmのケミカルシフトを伴うブロードピークは、前記塩基処理試料Bには存在しない。
さらに、2DH−13C異核多重量子コヒーレンス(HMQC)によって未変性試料A及び塩基処理/変性試料Bを分析した。図3Bに示されるHMQCスペクトルを、5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計によって、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で取得した。前記HMQCスペクトルの多くの走査を、各回256〜512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10〜30ppmの範囲で取得し、かかる走査を組み合わせて図3Bの前記スペクトルを作製した。
未変性試料Aについての前記HMQCスペクトルは、図3Bにおいて円で囲まれたシグナルによって示されるO−アセチル基に対応するクロスピークを有する。このクロスピークは、塩基処理試料Bについての前記スペクトルには存在しない。このことは、前記フカンからアセチル基が除去されたことを示しており、ひいては、前記NaOH処置により塩基処理試料Bにおいて前記フカンが化学的構造変性していることを示している。
実施例2:物理的に誘導される凝集
高レベルのエンドトキシン、例えば、フコイダンのミリグラム当たり少なくとも1000のエンドトキシン単位(EU)(EU/mg)を含有する原料フコイダン組成物を蒸留水中約10%w/vに調製し、出発溶液を得る。前記出発溶液に塩化ナトリウムを添加して、最終塩化ナトリウム濃度が約0.1Mである混合物を生成する。前記混合物を沸騰付近まで10〜15分間加熱する。この温度での前記混合物の処理は、溶解した不純物及び粒子状非フコイダン物質の凝集を誘導する。前記混合物を2300重力で40分間遠心分離して、凝集した非フコイダン成分からフコイダン含有溶液を分離する。前記フコイダン含有溶液を凍結乾燥して、含まれるフコイダンのミリグラム当たりのエンドトキシン単位(EU/mg)が有意に低減されたレベル、例えば、約100EU/mgである、フコイダン−低エンドトキシン組成物を得る。EUレベルは、例えば、比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによって測定することができる。
実施例3:改変型タンジェンシャルフロー濾過
粗製フコイダン組成物を、まず、実施例2において考察されている物理的誘導による凝集法に供して、比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによって測定すれば含有量が109EU/mgである出発フコイダン組成物を得た。この109EU/mg組成物を次いで脱イオン水中50mg/mlで溶解し、0.22μmフィルタを通して濾過して出発溶液を得た。前記出発溶液を、2ダイアボリュームの、0.01Mエチレンジアミン−四酢酸(EDTA)と0.5%w/vデオキシコール酸ナトリウム溶液で透析濾過して、生物的汚染物質及び生物溶解物成分、例えばエンドトキシンを消化(digest)及び除去した。得られた第1保持液フコイダン組成物を10ダイアボリュームの0.01M EDTAで透析濾過して残存デオキシコール酸ナトリウムを除去し、次いで5ダイアボリュームの蒸留水によって最終pHを7とした。得られた第2保持液フコイダン組成物を比濁LAL法によってエンドトキシンについて分析し、凍結乾燥して、フコイダン含有量を求めた。溶液中の前記フコイダン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシンレベルは、0.158EU/mgであることが分かった。
実施例4.タンジェンシャルフロー濾過
脱イオン水に溶解した出発フコイダン組成物を、孔サイズが徐々に小さくなり最後のフィルタが2/1.2μmフィルタである3つの異なるフィルタを通してマイクロ濾過した。得られたフコイダン溶液を比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによってエンドトキシンについて分析し、水分含有率(concentration of moisture)を水分分析器によって分析してフコイダン含有量を求めた。前記フコイダン溶液のフコイダンのmg当たりのエンドトキシン単位(EU/mg)であるエンドトキシンレベルは、1.7EU/mgであることが分かった。
前記フコイダン溶液を、次いで、単一の100kDaタンジェンシャルフロー濾過(TFF)カセットを通して5mM NaClで以下のようにバッチモード操作下で透析濾過した。前記フコイダン溶液をまず体積減少を通じて濃縮した。次いで、等しい体積(1ダイアボリューム)の5mM NaClを前記フコイダン溶液に添加して、透析濾過を開始した。濃縮、次いで透析濾過を、6ダイアボリュームの5mM NaClが前記フコイダン溶液に導入されるまで繰り返した。透析濾過した溶液を最終体積まで濃縮した。得られた保持液フコイダン組成物を比濁LALアッセイによってエンドトキシンについて分析し、水分含有率を水分分析器によって分析してフコイダン含有量を求めた。前記エンドトキシンレベルが1.2EU/mgまで低減されたことが分かった。
実施例5.タンジェンシャルフロー濾過
脱イオン水に溶解した出発フコイダン組成物を、孔サイズが徐々に小さくなり最後のフィルタが2/1.2μmフィルタである3つの異なるフィルタを通してマイクロ濾過した。得られたフコイダン溶液を比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによってエンドトキシンについて分析し、水分含有率(concentration of moisture)を水分分析器によって分析してフコイダン含有量を求めた。前記フコイダン溶液のフコイダンのmg当たりのエンドトキシン単位(EU/mg)であるエンドトキシンレベルは、13,000EU/mgであることが分かった。
前記フコイダン溶液を、次いで、単一の100kDaタンジェンシャルフロー濾過(TFF)カセットを通して5mM NaClで以下のようにバッチモード操作下で透析濾過した。前記フコイダン溶液をまず体積減少を通じて濃縮した。次いで、等しい体積(1ダイアボリューム)の5mM NaClを前記フコイダン溶液に添加して、透析濾過を開始した。濃縮、次いで透析濾過を、8ダイアボリュームの5mM NaClが前記フコイダン溶液に導入されるまで繰り返した。透析濾過した溶液を最終体積まで濃縮した。得られた保持液フコイダン組成物を比濁LALアッセイによってエンドトキシンについて分析し、水分含有率を水分分析器によって分析してフコイダン含有量を求めた。前記エンドトキシンレベルが6,100EU/mgまで低減されたことが分かった。
実施例6:改変型タンジェンシャルフロー濾過
粗製フコイダン組成物を、まず、実施例2において考察されている物理的誘導による凝集法に供して、比濁によるリムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによって測定すれば含有量が109EU/mgである出発フコイダン組成物を得た。この109EU/mg組成物を次いで水中50mg/mlで溶解し、0.22μmフィルタを通して濾過して出発溶液を得た。前記出発溶液を、7ダイアボリュームの、0.1MNaOH、0.01Mエチレン−ジアミン−四酢酸(EDTA)及び0.01Mドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液で透析濾過して、生物的汚染物質及び生物溶解物成分、例えばエンドトキシンを消化及び除去した。3M塩化カリウムによる沈殿、続いての遠心分離によって沈殿したドデシル硫酸カリウムを除去することにより、得られた第1保持液フコイダン組成物から補助タンジェンシャルフロー濾過システムの外部へ前記SDSを除去した。得られた上清フコイダン組成物を2ダイアボリュームの0.01M EDTAで再び透析濾過し、残存SDSを除去した。得られた第2級保持液フコイダン組成物を比濁LAL法によってエンドトキシンについて分析し、凍結乾燥して、フコイダン含有量を求めた。前記フコイダン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシンレベルは、0.0006EU/mg未満であることが分かった。
実施例7:固相抽出
2つの並列実験において、ゲルクロットLALアッセイによって測定すればミリグラム当たりエンドトキシン単位がそれぞれ約4,000及び8,000(EU/mg)である2つの原料フコイダン組成物を、70%v/vエタノール/水中0.5M NaOHの40℃混合物に添加する。得られた反応混合物を撹拌して40℃で2時間維持する。前記反応混合物を次いで遠心分離して、固体であるフコイダン−低エンドトキシン組成物を、抽出された不純物を含有する70%v/vエタノール/水上清中0.5M NaOHから分離する。
上記のプロセスの終了後、得られたフコイダン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシンレベルをゲルクロットLALアッセイによって測定したところ、それぞれ4EU/mg及び8EU/mgであることが分かる。
実施例8:化学的に誘導される沈殿
33,006EU/mgを含有する原料フコイダン組成物を蒸留水中15%w/vに調製して出発溶液を得た。前記出発溶液は、観察により、懸濁した粒子状物を含有することが分かった。塩化カルシウムを前記出発溶液に0.5Mのレベルまで添加して、反応混合物を生成した。10M NaOHを前記反応混合物に滴加して、pHを7〜8とした。これは前記反応混合物中でのフコイダンの分解を避けるために行われた。後のリン酸添加による前記反応混合物の酸性化を回避するために、最少量の10M NaOHを前記反応混合物に再び添加した。前記反応混合物にリン酸を添加して0.5Mリン酸塩モル濃度(0.5 M phosphate)とした。これにより、前記塩化カルシウムと前記リン酸との反応によって形成されるリン酸カルシウムの作用を介して、前記の懸濁した粒子状物及び沈殿した不純物の凝集が開始された。前記反応混合物を室温で10分間静置して前記凝集を継続させた。前記反応混合物を17,568重力で17分間遠心分離して、上清溶液中の所望のフコイダン−低エンドトキシン組成物を前記の凝集した沈殿物から分離した。上清溶液を凍結乾燥してフコイダン分を得た。比濁LALアッセイにより、フコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり27.7のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが分かった。
実施例9:化学的に誘導される沈殿
33,006EU/mgを含有する原料フコイダン組成物を蒸留水中15%w/vに調製して出発溶液を得た。前記出発溶液は、観察により、懸濁した粒子状物を含有することが分かった。10M NaOHを前記出発溶液に滴加して、pHを7〜8とした。これは、後の硫酸アルミニウム添加が前記出発溶液を酸性とするためのものである場合における前記出発溶液中でのフコイダンの分解を避けるために行われた。前記出発溶液を0.1M硫酸アルミニウムモル濃度(0.1 M aluminum sulfate)として反応混合物を生成した。これにより、形成された水酸化アルミニウムによる前記の懸濁した粒子状物及び沈殿した不純物の凝集が開始された。前記反応混合物を室温で10分間静置して前記凝集を継続させた。前記反応混合物を17,568重力で17分間遠心分離して、上清溶液中の所望のフコイダン−低エンドトキシン組成物を前記の凝集した沈殿物から分離した。上清溶液を凍結乾燥してフコイダン分を得た。比濁LALアッセイにより、前記上清溶液中のフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり36.3(EU/mg)のエンドトキシン単位を含有することが分かった。
実施例10:溶解及び凝集
エンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり25.9のエンドトキシン単位(EU/mg)である出発フコイダン組成物を5〜10%w/v含有する水性出発溶液を提供した。固体EDTA四ナトリウムをキレート剤として0.011Mの濃度まで添加した。1Mドデシル硫酸ナトリウム(「SDS」)溶液を細胞破壊剤として0.011Mの濃度まで添加した。10M NaOH溶液を0.28Mの濃度まで添加して、前記出発溶液を塩基性にした。得られた反応混合物を室温で約30分間撹拌して、濁った白色混合物を得た。
約30分後、45%w/v KOH溶液を0.07Mの濃度まで添加した。かかるカリウム添加により、SDSの沈殿物、及び、前記SDSと共にエンドトキシンを含む望ましくない不純物を結果として生じさせた。48%w/v硫酸アルミニウム溶液を0.11Mの濃度まで添加した。水酸化アルミニウムの形成により、前記反応混合物中にエンドトキシンを含む望ましくない不純物が凝集した。亜硫酸ナトリウム固体を0.02Mの濃度まで添加して、前記反応混合物中の潜在的な酸化剤を反応制御した。
得られた反応混合物を約16時間冷蔵庫に保存し、続いて、17,568重力で17分間遠心分離して、前記の凝集した不純物から上清溶液中の所望のフコイダン−低エンドトキシン組成物を分離した。上清溶液を凍結乾燥してフコイダン内容物を得た。比濁LALアッセイにより、前記上清溶液中のフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり0.02のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが分かった。
実施例11:溶解及び凝集
エンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり25.9のエンドトキシン単位(EU/mg)である出発フコイダン組成物を5〜10%w/v含有する水性出発溶液を提供した。固体EDTA四ナトリウムをキレート剤として0.033Mの濃度まで添加した。1Mドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液を細胞破壊剤として0.033Mの濃度まで添加した。10M NaOH溶液を0.12Mの濃度まで添加して、前記出発溶液を塩基性にした。得られた反応混合物を室温で約30分間撹拌して、濁った白色混合物を得た。
約30分後、45%w/v KOH溶液を0.07Mの濃度まで添加した。かかるカリウム添加により、SDSの沈殿物、及び、前記SDSと共にエンドトキシンを含むその他の不純物を結果として生じさせた。48%w/v硫酸アルミニウム溶液を0.11Mの濃度まで添加した。水酸化アルミニウムの形成により、前記反応混合物中にエンドトキシンを含む望ましくない不純物が凝集した。亜硫酸ナトリウム固体を0.02Mの濃度まで添加して、前記反応混合物中の潜在的な酸化剤を反応制御した。
得られた反応混合物を約16時間室温で保存し、続いて、17,568重力で17分間遠心分離して、前記の凝集した不純物から上清溶液中の所望のフコイダン−低エンドトキシン組成物を分離した。上清溶液を凍結乾燥してフコイダン分を得た。比濁LALアッセイにより、前記上清溶液中のフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり0.0005のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが分かった。
実施例12:溶解及び凝集
エンドトキシンレベルが約33,006EU/mgである原料フコイダンを沸騰0.1Mリン酸二ナトリウムに約10%w/vで溶解して、反応混合物を生成した。沸騰温度において40分後、前記反応混合物を2300重力で5分間遠心分離して、エンドトキシンを含む凝集した不純物の部分を除去した。得られた上清溶液を、固体トリリン酸ナトリウムを用いてトリリン酸ナトリウムモル濃度50mM(50 mM trisodium phosphate)、10M NaOH溶液を用いてNaOHモル濃度0.2M(0.2 M NaOH)として、前記上清溶液を塩基性にした。得られた二次反応混合物を固体メタ重亜硫酸ナトリウムの添加によりメタ重亜硫酸ナトリウムモル濃度20mM(20 mM sodium metabisulfite)として、前記の二次反応混合物のいずれの酸化剤も反応制御した。静菌剤としての95%EtOHの添加によって、前記の二次反応混合物をEtOH濃度10%(10% EtOH)とした。約50%w/v塩化ベンザルコニウム溶液の添加によって、前記二次反応混合物を塩化ベンザルコニウム濃度約0.1%w/v(about 0.1% w/v benzalkonium chloride)とした。前記塩化ベンザルコニウムは前記細胞破壊剤として機能するように添加された。
前記二次反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後、6M HClの添加によって中和した。固体塩化亜鉛の添加によって、前記二次反応混合物を塩化亜鉛モル濃度0.15M(0.15 M zinc chloride)とした。結果としてのリン酸亜鉛形成により、前記の二次反応混合物中にエンドトキシンを含む望ましくない不純物が凝集した。凝集剤及び溶液のかかる二次反応混合物をさらに15分間撹拌させた。この二次反応混合物を2300重力で5分間遠心分離して、前記の凝集した不純物から、第2上清溶液中の所望のフコイダンを分離した。前記第2上清溶液中の得られた所望のフコイダン−低エンドトキシン組成物を10M NaOHの添加によって中和した。前記第2上清溶液を凍結乾燥してフコイダン含有量を求めた。前記第2上清溶液中のフコイダン−低エンドトキシン組成物は、エンドトキシンレベルが2EU/mgであることが分かった。得られた第2上清溶液を希釈し、TFFに供して、塩化ベンザルコニウムを除去した。
実施例13:アニオン吸着
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり14.9のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
実施例14:アニオン吸着
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分を約5.0gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり0.06のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
実施例15:アニオン吸着
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分をTriton(登録商標)X100と混合して最終濃度を約0.5mMとした。得られた溶液を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たりで含有するエンドトキシン単位(EU/mg)が0.003未満であることが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
実施例16:アニオン吸着
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分をn−ブタノールと混合して最終濃度を約5%v/vとした。得られた溶液を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり6.7のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
実施例17:アニオン吸着
フコイダン組成物を100kDa TFFカセットを通して脱塩して、比濁LAL法によって測定すればエンドトキシンレベルがフコイダンのミリグラム当たり960のエンドトキシン単位(EU/mg)である、出発溶液中の脱塩フコイダン組成物を得た。約500mgの前記脱塩フコイダン組成物を含む前記出発溶液の部分をエタノールと混合して最終濃度を約10%v/vとした。得られた溶液を約2.5gのAmberlystA26OH樹脂と約16時間混合した。前記混合物の液体部分を次いでデカンテーションにより前記樹脂から分離した。前記液体を凍結乾燥して得られたフコイダン−低エンドトキシン組成物は、フコイダンのミリグラム当たり6.0のエンドトキシン単位(EU/mg)を含有することが比濁LALアッセイにより分かるものであった。
実施例18:液液抽出
約10,000EU/mgを含有する出発フカン組成物を蒸留水中に溶解して10mg/mLの水性出発溶液を生成する。出発フコイダン組成物を含有する水性出発溶液に20%v/vヘプタンを添加し、有機−水性混合物を次いで高剪断にて30分間混合する。この混合を終了させ、前記有機−水性混合物を分離漏斗に入れて有機相を水性相から分離する。所望のフカン成分を含有する、より濃厚な水性相が、前記分離漏斗の底部に沈降する一方で、望ましくない不純物を含む、濃厚さの低い有機相が、前記分離漏斗の上端に存在する。前記有機−水性混合物を前記分離漏斗において10分間静置する。前記水性相を次いでデカントし、溶液中の所望のフカン−低エンドトキシン組成物として回収する。溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシン含有量は前記出発フカン組成物よりも約50%〜約99.999%少ないことが比濁LALアッセイにより分かりうる。
実施例19:液液抽出
約10,000EU/mgを含有する出発フカン組成物を蒸留水中に溶解して10mg/mLの水性出発溶液を生成する。出発フコイダン組成物を含有する水性出発溶液に20%v/v1−ブタノールを添加し、有機−水性混合物を次いで高剪断にて30分間混合する。この混合を終了させ、前記有機−水性混合物を分離漏斗に入れて有機相を水性相から分離する。所望のフカン成分を含有する、より濃厚な水性相が、前記分離漏斗の底部に沈降する一方で、望ましくない不純物を含む、濃厚さの低い有機相が、前記分離漏斗の上端に存在する。前記有機−水性混合物を前記分離漏斗において10分間静置する。前記水性相を次いでデカントし、溶液中の所望のフカン−低エンドトキシン組成物として回収する。溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシン含有量は前記出発フカン組成物よりも約50%〜約99.999%少ないことが比濁LALアッセイにより分かりうる。
実施例20:液液抽出
約10,000EU/mgを含有する出発フカン組成物を蒸留水中に溶解して10mg/mLの水性出発溶液を生成する。出発フコイダン組成物を含有する水性出発溶液に20%v/v酢酸エチルを添加し、有機−水性混合物を次いで高剪断にて30分間混合する。この混合を終了させ、前記有機−水性混合物を分離漏斗に入れて有機相を水性相から分離する。所望のフカン成分を含有する、より濃厚な水性相が、前記分離漏斗の底部に沈降する一方で、望ましくない不純物を含む、濃厚さの低い有機相が、前記分離漏斗の上端に存在する。前記有機−水性混合物を前記分離漏斗において10分間静置する。前記水性相を次いでデカントし、溶液中の所望のフカン−低エンドトキシン組成物として回収する。溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシン含有量は前記出発フカン組成物よりも約50%〜約99.999%少ないことが比濁LALアッセイにより分かりうる。
実施例21:以下の実施例のいくつかにおいて考察される一定のフカンを製造するために使用される粗製フカンのエンドトキシンの測定
粗製フカンを用いて、以下の実施例において考察される一定のフカンを製造した。特に、フカン2、フカン4、及びフカン7を製造するために用いられる粗製フカンを、リムルス変形細胞溶解物(LAL)アッセイによってエンドトキシンについて分析した。「粗製フカン1」は、フカン2を製造するのに使用され且つフカン4も製造するのに使用される粗製フカンを指す。「粗製フカン2」及び「粗製フカン3」は、一緒にブレンドされ次いでフカン7を製造するのに使用される2つの粗製フカンを指す。かかる分析の結果を表1に示す。以下の表における結果は、エンドトキシンの一定の特徴に関して使用される略号を含んでいる。ミリグラム当たりのエンドトキシン単位をEU/mgによって表す。
Figure 2021532137
実施例22:フカン−低エンドトキシン組成物の調製
本明細書において考察されている方法は、フカン−低エンドトキシン組成物を得るために如何様にも使用され、組み合わされ、改変され、また順番が変更されてもよい。10種のフカン−低エンドトキシン組成物を高エンドトキシン(例えば、原料)フカン組成物から調製して、医学的用途及び外科的用途におけるフカン−低エンドトキシン組成物の効能を評価した。より詳細には、エンドトキシンレベルが10,000EU/mg〜60,000EU/mgの範囲である高エンドトキシンフカン組成物を、本明細書における方法のうちの1又は複数を使用して修飾及び/又はパイロジェン除去して、前記10種のフカン−低エンドトキシン組成物を得た。前記10種のフカン−低エンドトキシン組成物を、以下、フカン1〜フカン10と称する。フカン1〜フカン6、フカン8及びフカン10は、白色固体であった。フカン9は、淡褐色固体であった。フカン7を溶液に溶解して透明無色溶液を得た。フカン1、フカン3及びフカン7の調製には、実施例8及び実施例10に考察されている方法と、低イオン強度溶液に対するさらなる透析濾過との組み合わせを使用することが含まれた。フカン2及びフカン4の調製には、実施例7、ミセル相分離及び実施例15に考察されている方法の組み合わせの使用が含まれた。フカン9の調製には、実施例7、ミセル相分離、及び脱イオン水に対するタンジェンシャルフロー濾過に考察されている方法の組み合わせを使用することが含まれた。フカン6、フカン8及びフカン10の調製には、実施例9及び実施例10に考察されている方法並びに低イオン強度溶液に対するさらなる透析濾過の組み合わせを使用することが含まれた。エンドトキシンレベル、分子量、硫酸レベル及び総炭水化物レベルを以下のように求めた。
実施例23:所望のフカン−低エンドトキシン組成物のエンドトキシン及び分子量の測定
フカン1〜8及びフカン10について、比濁エンドトキシン試験を、製造者の指示にしたがって、Associates of Cape CodのPyrotell(登録商標)−T溶解物を使用して実施した。濁度の測定値を、Biotek Synergy(登録商標)HTXインキュベーションプレートリーダを使用して採取した。結果を製造者のCSE(対照の標準エンドトキシン)較正曲線に対して定量した。
フカン9については、発色エンドトキシン試験を、Charles RiverのEndosafe(登録商標)カートリッジを使用してCharles RiverのNexgen(登録商標)−PTS分光計を使用して実施した。結果を製造者のCSE(対照の標準エンドトキシン)較正曲線に対して定量した。
フカン1〜8及びフカン10のエンドトキシン試験の結果を以下の表2に示す。
Figure 2021532137
表2は、エンドトキシンレベルが0.001〜0.18EU/mgの範囲であるフカン−低エンドトキシン組成物が生成したことを実証している。
実施例24:フカン−低エンドトキシン組成物の分子量分布、硫酸、総炭水化物及び単糖組成の分析
前記フカン−低エンドトキシン組成物(フカン1、フカン2、フカン4、フカン5、フカン6、フカン8及びフカン10)について得られた分子量分布を評価するために、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いた。ゲル浸透クロマトグラフィーにおける使用のために利用可能な異なるパラメータ、カラム及び標準物質が多数あるため、分子量の分析に利用可能な計装構成も多様となる。ここでは分子量決定のために、以下のパラメータを用いてGPCを行った。移動相は、0.1Mの硝酸ナトリウム流を0.6mL/分とした。カラムコンパートメント及び検出器は30℃とした。検出にはWaters2414示差屈折率検出器を用いた。
適切なGPCカラムとしては、水性溶媒と適合性のあるGPCカラム、例えば、スルホン化スチレンジビニルベンゼン、NH官能基を有したアクリレートコポリマー網状組織、変性シリカ及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルのうち少なくとも1つが充填されたカラムが挙げられる。ここでは分析のために、粒径6μmのヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填された内径(ID)が6mmであり長さ40mmであるガードカラム1つ、続いて排除限界が約7,000kDaであり有効分子量範囲が約50kDa〜約5,000kDaである粒径12μmのヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されたIDが7.8mmである第1の300mm分析GPCカラム、続いて排除限界が約7,000kDaであり有効分子量範囲が約1kDa〜約6,000kDaである粒径10μmのヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されたIDが7.8mmである第2の300mm分析GPCカラム、を含む3つのカラムを直列に用いた。前記カラム設定の総有効分子量範囲は、約1kDa〜約6,000kDaであった。このカラム設定は例えば、直列に接続されたUltrahydrogel(登録商標)ガード−Ultrahydrogel(登録商標)2000−Ultrahydrogel(登録商標)Linearカラムであってよい。
American Polymer Standards Corporationのトレース可能な標準物質であるDXT3755K(ピーク分子量=2164kDa)、DXT820K(ピーク分子量=745kDa)、DXT760K(ピーク分子量=621kDa)、DXT670K(ピーク分子量=401kDa)、DXT530K(ピーク分子量=490kDa)、DXT500K(ピーク分子量=390kDa)、DXT270K(ピーク分子量=196kDa)、DXT225K(ピーク分子量=213kDa)、DXT150K(ピーク分子量=124kDa)、DXT55K(ピーク分子量=50kDa)、DXT50K(ピーク分子量=44kDa)及びDXT5K(ピーク分子量=4kDa)(これらの標準物質のピーク分子量は約4kDa〜約2,200kDaである)を含む標準曲線に対して試料流を定量した。用いられる標準曲線は、例えば、Dextran3755kDa、Dextran50kDa及びDextran55kDaのうち少なくとも1つ、並びに本明細書において考察される3種〜6種のさらなるトレース可能な標準物質を含み、較正点は、用いられる較正物質のピーク分子量であってもよい。例示的な較正曲線は、DXT3755K、DXT820K、DXT530K、DXT500K、DXT225K及びDXT55Kからなってもよい。ここで用いられたカラムは、前記フカンの定量のために用いられる前記標準物質のピーク分子量範囲を包含し且つそれを超えて拡張された総有効分子量範囲を有するものであった。
以下の表3の結果は、分子量分布のある種の特性について用いられる略語を含む。ゲル浸透クロマトグラフィーはGPCと表され、ピーク分子量はPMWと表され、重量平均分子量はWAMWと表され、数平均分子量はNAMWと表され、百分率分布は%dist.と表され、分子量はMWと表される。
Figure 2021532137
表2に示す前記フカン−低エンドトキシン組成物は、表3に示される分子量分布によってさらに特性決定することができる。ピーク分子量が約100kDa〜約850kDa、重量平均分子量が約130kDa〜2000kDa、数平均分子量が約80kDa〜750kDa、且つ上記分布の少なくとも50%が100kDaであるフカン−低エンドトキシン組成物を調製した。
フカン−低エンドトキシン組成物、フカン1、フカン2、フカン4、フカン5、フカン6、フカン7、フカン8及びフカン10を脱イオン水に溶解し、酸性条件下で加水分解し、Burnaby,British ColumbiaにおけるALS Environmental laboratoriesによって実施されている、%w/w合計硫黄含有量についての誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)によって分析した。硫黄含有量を、硫酸対硫黄のモル比と前記硫黄含有量を乗算して前記フカン組成物の硫酸含有量%w/wを得ることによって硫酸含有量に換算した。前記フカン−低エンドトキシン組成物の硫酸含有量を以下の表4に示す。
フカン−低エンドトキシン組成物、フカン1、フカン2、フカン4、フカン5、フカン6、フカン7、フカン8及びフカン10もまた、総炭水化物及び単糖組成について分析された。フカン−低エンドトキシン組成物を72%w/w硫酸中に40mg/mLで溶解し、水浴において45℃で30分間インキュベートした。酸加水分解物を次いで高圧管において4%w/w硫酸に希釈し、120℃で60分間インキュベートした。得られた第2の酸加水分解物を蒸留水によって1/333の濃度まで希釈し、パルスドアンペロメトリック検出による高速アニオン交換カラムクロマトグラフィセットアップにおいて起動させた。検体の分離を、イソクラティックポンプを使用して1.0mL/分で10mM NaOH溶出液を流すことによってCarbopac(登録商標)PA20分析カラムを通して達成させた。
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、フコース及びガラクトースを含有することが分かった。総炭水化物含有量を測定された検体の総計によって求めた。前記フカン−低エンドトキシン組成物のフコース含有量を、フコースに関する標準曲線における内挿によって求めた。前記フカン−低エンドトキシン組成物のガラクトース含有量を、標準添加の方法によって求めた。前記フカン−低エンドトキシン組成物に関する総炭水化物含有量に対する割合としての、総炭水化物含有量並びにフコース及びガラクトースの含有量を以下の表4に示す。以下の表における炭水化物は「carb」と略称されている。
Figure 2021532137
実施例25:硬膜外線維性癒着の処置
表2〜4に示されるフカン1、フカン2、フカン4及びフカン5から乳酸リンゲル液USP(LRS)中の100mg/mLのフコイダン溶液を調製した。フカン8から乳酸リンゲル液USP(LRS)中の500mg/mLのフコイダン溶液を調製した。スプラーグ・ドーリー・ラットにラミネクトミー手術を施した。ラットの平均体重及び1キログラム当たりのミリグラム表示の投与量を以下の表5に示す。ブピバカイン溶液を用いて腰椎に沿ったラインブロック(line block)を作製した。ラットの背部を洗浄し、次いで滅菌ドレープで覆った。正中皮膚切開によって腰筋膜を開き、腰仙筋膜を切開し、傍脊柱筋を切開して下にある椎弓板を露出させた。椎骨の中心の骨を除去した。手技の全体にわたって、乳酸リンゲル液USP(LRS)の灌注及び綿棒による圧力によって止血を維持した。露出させた硬膜を、直接、15マイクロリットルのLRS(対照)によって、又はフコイダン溶液によって処理した。筋層及び皮膚層を縫合糸で閉じ、前記ラットを1週間回復させた後、癒着の定量のために屠殺した。硬膜上の癒着の存在及び大きさを書きとめた。癒着及び露出硬膜の寸法を記録し、用いて、総露出硬膜面積に対する癒着面積の割合である癒着被覆率を算出した。
式1:癒着被覆率(%)=100×硬膜癒着面積(mm)÷総露出硬膜面積(mm
LRSの投与を受けた対照群は、式1を用いて算定したところ癒着被覆率は65%であった。表5に開示されるフカン−低エンドトキシン組成物であるフカン1、フカン2、フカン4及びフカン5についての癒着被覆率を以下の表5に示すが、対照群に対して癒着被覆率は低下している。
Figure 2021532137
表5で見られるように、フカン−低エンドトキシン組成物は、外科手術後癒着を、首尾よく抑制するか、予防するか、除去するか、軽減させるか、又は、それ以外の場合、処置するために使用することができる。
実施例26:フカン7で処置された子宮角線維性癒着
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン7組成物の有効性を測定するために、合計4匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって、手術のために準備した。
乳酸リンゲル液USP(LRS)中の0.33mg/mLのフコイダン溶液を調製し、濾過によって滅菌した。全ての器具は滅菌され、手術中は滅菌野を維持した。腹部を清潔にし、正中腹部切開によって進入した。子宮角の位置を確定し、体外に露出させ、擦過して傷害を誘導した。擦過した子宮角の近傍の腹壁も擦過した。傷害を受けた子宮角及び腹壁を互いに隣に配置し、縫合糸で固定した。切開を閉じる前に、ウサギ体重あたり約15mL/kgのフコイダン溶液を、該フコイダン溶液の約半分が左子宮角に、該フコイダン溶液の約半分が右子宮角に向かうように、腹腔に適用した。前記手術の2週後に癒着を評価した。縫合糸が外れてしまった子宮角は評価しなかった。子宮角癒着の長さを定規で測定した。総傷害子宮角長に対する癒着の長さの割合である子宮角癒着被覆率を、
式2:癒着被覆率(%)=100×子宮角癒着長÷総傷害子宮角長
として算出した。
4匹のニュージランドホワイト種ウサギに、同じ外科的方法を適用し、フコイダン溶液の代わりに約15mL/kgの対照乳酸リンゲル液USP(LRS)を投与した。
LRSが投与された対照群は、式2を用いて算定したところ癒着被覆率は63%であった。表6は、フカン−低エンドトキシン組成物の代表例であるフカン7組成物について、上記で考察されている方法を用いて得られた結果を示す。以下の表6における結果は、対照群に比しての癒着被覆率の低下として示される。
表6は、フカン7による6個の子宮角の処置の結果を提供する。
Figure 2021532137
表6の結果から分かるように、フカン−低エンドトキシン組成物は、手術後の子宮角癒着、首尾よく抑制するか、予防するか、除去するか、軽減させるか、又は、それ以外の場合、処置するのに使用されうる。
実施例27:フカン8で処置された子宮角線維性癒着
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン8組成物の有効性を測定するために、合計4匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって、手術のために準備した。
乳酸リンゲル液USP(LRS)中の3.75mg/mLのフコイダン溶液を調製し、濾過により滅菌した。全ての器具は滅菌され、手術全体を通して滅菌野を維持した。腹部を清潔にし、腹部正中切開により進入した。子宮角の位置を確定し、露出させ、擦過して損傷を誘発した。擦過した子宮角の近傍の腹壁も擦過した。4mLの体積のフコイダン溶液を損傷した左側の子宮角及び側壁領域に直接適用し、4mLのフコイダン溶液を損傷した右側の子宮角及び側壁領域に直接適用した。損傷を受けた子宮角及び腹壁を互いに隣に配置し、縫合糸で固定した。ドレナージ管を腹腔に配置した後、切開を閉鎖した。前記ドレナージ管を手術後48時間で除去した。前記手術の2週後に癒着を評価した。子宮角癒着の長さを定規で測定した。子宮角癒着被覆率を、式2を使用して算出した。
3匹のニュージランドホワイト種ウサギに、同じ外科的方法を適用し、フコイダン溶液の代わりに一方あたり4mL/kg(4 mL per side)の対照乳酸リンゲル液USP(LRS)を投与した。LRSが投与された対照群は、式2を用いて算定したところ癒着被覆率は73%であった。表7は、フカン−低エンドトキシン組成物の代表例であるフカン8組成物について、上記で考察されている方法を用いて得られた結果を示す。以下の表における結果は、対照群に比しての癒着被覆率の低下として示される。
表7は、フカン8による8個の子宮角の処置の結果を提供する。
Figure 2021532137
表7の結果から分かるように、フカン−低エンドトキシン組成物は、手術後の子宮角癒着、首尾よく抑制するか、予防するか、除去するか、軽減させるか、又は、それ以外の場合、処置するのに使用されうる。
実施例28:フカン9によって処置される子宮角線維性癒着
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン9組成物の有効性を測定するために、合計9匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって、手術のために準備した。
フコイダン溶液を乳酸リンゲル液USP(LRS)中0.17mg/mL、0.33mg/mL及び0.67mg/mLで調製し、濾過により滅菌した。全ての器具は滅菌され、手術全体を通して滅菌野を維持した。腹部を清潔にし、腹部正中切開により進入した。子宮角の位置を確定し、露出させ、擦過して損傷を誘発した。擦過した子宮角の近傍の腹壁も擦過した。損傷を受けた子宮角及び腹壁を互いに隣に配置し、縫合糸で固定した。ウサギ体重当たり15mL/kgのフコイダン溶液を腹腔に適用した後、切開を閉鎖した。前記手術の2週後に癒着を評価した。調製された各フコイダン濃度で3匹のウサギを評価した。子宮角癒着の長さを定規で測定した。子宮角癒着被覆率を、式2を使用して算出した。
対照群として3匹のニュージランドホワイト種ウサギに同じ外科的方法を適用し、フコイダン溶液の代わりに約48mL(約15mL/kg)の対照の乳酸リンゲル液USP(LRS)を投与した。LRSが投与された対照群は、式2を用いて算定したところ癒着被覆率は54%であった。表8は、フカン−低エンドトキシン組成物の代表例であるフカン9組成物について、異なる用量で、上記に考察された方法を用いて得られた結果を示す。以下の表の結果は、対照群に比しての癒着被覆率の低下として示される。
表8は、フカン9による18個の子宮角の処置の結果を提供する。
Figure 2021532137
表8の結果から分かるように、フカン−低エンドトキシン組成物は、手術後の子宮角癒着、首尾よく抑制するか、予防するか、除去するか、軽減させるか、又は、それ以外の場合、処置するのに使用されうる。
実施例29:フカン8で処置された子宮角線維性癒着
外科的癒着の抑制における低エンドトキシンフカン8組成物の有効性を測定するために、合計3匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ケタミン及びキシラジンの前投薬によって手術のために準備した。
乳酸リンゲル液USP(LRS)中の5mg/mLのフコイダン溶液を調製し、濾過によって滅菌した。全ての器具は滅菌され、手術全体を通して滅菌野を維持した。腹部を清潔にし、腹部正中切開により進入した。子宮角の位置を確定し、露出させ、擦過して損傷を誘発した。擦過した子宮角の近傍の腹壁も擦過した。損傷を受けた子宮角及び腹壁を互いに隣に配置し、縫合糸で固定した。筋肉切開の上から1/3及び下から1/3を閉じ、ウサギ体重あたり5mL/kgのフコイダン溶液を腹腔に適用した。筋肉切開を一時的に閉じ、前記フコイダン溶液を腹腔内に30分間静置した。筋肉切開を再び開き、10mL/kgのLRSで腹腔を洗浄した。切開を閉じる前に、腹腔内の大部分の液を吸引除去した。前記手術の2週後に癒着形成を評価した。子宮角癒着の長さを定規で測定した。総損傷子宮角長に対する癒着の長さの割合である子宮角癒着被覆率を、式2を用いて算出した。
表9は、フカン−低エンドトキシン組成物の代表的な例であるフカン8組成物について、上記で考察された方法を用いて得られた結果を示す。以下の表の結果は、評価された6つの子宮角にわたる平均癒着長として示される。
Figure 2021532137
表9の結果から分かるように、フカン−低エンドトキシン組成物は、手術後の子宮角癒着を、首尾よく抑制するか、予防するか、除去するか、軽減させるか、又は、それ以外の場合、処置するために使用することができる。
実施例30:フカン−低エンドトキシン組成物によって処置される子宮角線維性癒着
外科的癒着の抑制における、合計エンドトキシンレベルが0.003EU/mgであるフカン−低エンドトキシン組成物の有効性を測定するために、合計20匹のニュージランドホワイト種ウサギの両方の子宮角に、以下の二重子宮角(DUH)手術を行った。手術前に、前記ウサギの体重を量り、次いで、ミダゾラム及びデクスメデトミジンの前投薬によって、手術のために準備した。
フコイダン溶液を乳酸リンゲル液USP(LRS)中0.02mg/mL、0.1mg/mL、0.5mg/mL又は2.5mg/mLで調製し、濾過により滅菌した。全ての器具は滅菌され、手術全体を通して滅菌野を維持した。腹部を清潔にし、腹部正中切開により進入した。子宮角の位置を確定し、露出させ、擦過して損傷を誘発した。擦過した子宮角の近傍の腹壁も擦過した。損傷を受けた子宮角及び腹壁を互いに隣に配置し、縫合糸で固定した。ウサギ体重当たり2mL/kgのフコイダン溶液を腹腔に適用した後、切開を閉鎖した。前記手術の2週後に癒着を評価した。調製された各フコイダン濃度で5匹のウサギを処置し評価した。子宮角癒着の長さを定規で測定した。子宮角癒着被覆率を、式2を使用して算出した。
対照群として5匹のニュージランドホワイト種ウサギに同じ外科的方法を適用し、それぞれにフコイダン溶液の代わりに約2mL/kgの対照の乳酸リンゲル液USP(LRS)を投与した。LRSが投与された対照群は、式2を用いて算定したところ癒着被覆率は100%であった。表10は、フカン−低エンドトキシン組成物について、異なる濃度及び用量で、上記に考察された方法を用いて得られた結果を示す(フカン−低エンドトキシン組成物の各濃度に対し10個ずつ、計40個の子宮角がフカン溶液で処置された)。結果は、対照群に比しての癒着被覆率の低下として示される。
Figure 2021532137
表10の結果から分かるように、フカン−低エンドトキシン組成物は、手術後の子宮角癒着を、首尾よく抑制するか、予防するか、除去するか、軽減させるか、又は、それ以外の場合、処置するために使用することができる。
1000 改変型TFFシステム
1002 流入供給ライン
1004 プレフィルタ
1006 TFFシステム流出バルブ
1008 補助TFFシステム流出ライン
1010 タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタ
1012 TFF供給ライン
1014 TFF流入ポンプ
1016 フカン容器
1017 TFF保持液バルブ
1018 TFF保持液戻りライン
1019 TFF濾過生成物流出ライン
1020 第1透析濾過溶液容器
1024 第1透析濾過溶液バルブ
1025 第1透析濾過溶液供給ライン
1030 第2透析濾過溶液容器
1034 第2透析濾過溶液バルブ
1035 第2透析濾過溶液供給ライン
1400 アニオン吸着エンドトキシン除去システム
1401 流入供給ライン
1402 サブシステム間バルブ
1403 TFFサブシステム保持液流出ライン
1404 アニオン交換サブシステムの流出バルブ
1405 アニオン交換サブシステム流出ライン
1406 プレフィルタ
1410 タンジェンシャルフロー濾過(TFF)サブシステム
1411 タンジェンシャルフロー濾過(TFF)フィルタ
1412 TFFフィルタ供給ライン
1413 透析濾過溶液バルブ
1414 TFFサブシステムポンプ
1415 TFFサブシステム透析濾過溶液供給ライン
1416 TFFサブシステムフカン容器
1417 TFFサブシステム透析濾過溶液容器
1418 TFFサブシステム保持液戻りライン
1419 TFFサブシステム濾過生成物流出ライン
1420 アニオン交換サブシステム
1421 アニオン交換容器
1422 アニオン交換容器の供給ライン
1424 アニオン交換サブシステムポンプ
1425 破壊剤供給ライン
1426 アニオン交換サブシステムフカン容器
1427 破壊剤容器
1428 アニオン交換容器流出ライン
1429 マクロ多孔性アニオン交換樹脂
本明細書において用いられる全ての用語は、特に文脈又は定義が明確に指示しない限り、それらの通常の意味に従って用いられる。また、特に明示的に示されない限り、本開示において、「又は」の使用は「及び」を含み、且つ、逆もまた同じである。非限定的な用語は、明示的に述べられない限り、又は特に文脈が明確に指示しない限り、限定的なものとして解釈されるものではない(例えば、「含む(including)」、「有する(having)」及び「含む(comprising)」は、典型的には、「含むが、これに限定されるものではない(including without limitation)」を示す)。単数形、例えば、「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「前記(the)」は、請求項におけるものを含め、明示的に述べられない限り、又は特に文脈で明確に別途示されない限り、複数の参照(plural reference)を含む。
特に断らない限り、実施形態の1つの特徴又は複数の特徴の条件又は関係特性を修飾する「実質的に」及び「約」などの本明細書における形容詞は、前記条件又は特性が、それが意図される適用のための実施形態の実施のために許容し得る許容範囲内に規定されることを示す。
本方法、本組成物、本システムなどの範囲は、ミーンズ・プラス・ファンクション概念及びステップ・プラス・ファンクション概念の両方を含む。しかし、請求項は、「手段」という語が請求項において具体的に記載されない限り「ミーンズ・プラス・ファンクション」関係を示すと解釈されるものではなく、「手段」という語が請求項において具体的に記載される場合には「ミーンズ・プラス・ファンクション」関係を示すと解釈される。同様に、請求項は、「ステップ」という語が請求項において具体的に記載されない限り「ステップ・プラス・ファンクション」関係を示すと解釈されるものではなく、「ステップ」という語が請求項において具体的に記載される場合には「ステップ・プラス・ファンクション」関係を示すと解釈される。
上文から、具体的な実施形態が例示の目的のために本明細書において考察されたが、本明細書における考察の精神及び範囲から逸脱することなく各種修正を為してもよいことは理解されよう。したがって、前記システム及び前記方法などは、かかる修正並びに本明細書において記載される主題の全ての順列及び組み合わせを含むものであって、添付の請求項又は本明細書における考察及び図における適切な裏付けを有する他の請求項によるものを除き、限定されるものではない。
上文から、具体的な実施形態が例示の目的のために本明細書において考察されたが、本明細書における考察の精神及び範囲から逸脱することなく各種修正を為してもよいことは理解されよう。したがって、前記システム及び前記方法などは、かかる修正並びに本明細書において記載される主題の全ての順列及び組み合わせを含むものであって、添付の請求項又は本明細書における考察及び図における適切な裏付けを有する他の請求項によるものを除き、限定されるものではない。
本発明の例示的な態様を以下に記載する。
<1>
フカンのミリグラム当たり約0.2未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<2>
フカンのミリグラム当たり約0.18未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<3>
フカンのミリグラム当たり約0.16未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<4>
フカンのミリグラム当たり約0.1未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<5>
フカンのミリグラム当たり約0.09未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<6>
フカンのミリグラム当たり約0.06未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<7>
フカンのミリグラム当たり約0.04未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<8>
フカンのミリグラム当たり約0.03未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<9>
フカンのミリグラム当たり約0.02未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<10>
フカンのミリグラム当たり約0.01未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<11>
フカンのミリグラム当たり約0.007未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<12>
フカンのミリグラム当たり約0.003未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<13>
フカンのミリグラム当たり約0.002未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<14>
フカンのミリグラム当たり約0.001未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<15>
フカンのミリグラム当たり約0.0006未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<16>
フカンのミリグラム当たり約0.0005未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
<17>
有効分子量範囲が約50kDa〜約5,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、有効分子量範囲が約1kDa〜約6,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が6mmの40mmガードカラム1つ、ここで前記2つの分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム及び前記1つのガードカラムは約30℃のカラムコンパートメントに収容されている;
約30℃の示差屈折率検出器;
0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流;及び
ピーク分子量が約2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が約720kDa〜約760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が約470kDa〜約510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が約370kDa〜約410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が約180kDa〜約220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が約40kDa〜55kDaの第6デキストラン標準品から実質的になるピーク分子量標準曲線と照らし合わせての定量(quantification)
から実質的になる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成を用いて測定される場合に、分布の60%w/w以上が100kDaより大きい分子量分布を前記フカンが有する、<1>〜<16>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<18>
前記フカンは、分布の少なくとも75%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<19>
前記フカンは、分布の少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<20>
前記フカンは、分布の少なくとも98%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<21>
前記フカンは、分布の少なくとも81%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<22>
前記フカンは、分布の少なくとも92%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<23>
前記フカンは、分布の少なくとも97%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<24>
前記フカンは、分布の少なくとも44%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<25>
前記フカンは、分布の少なくとも61%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<26>
前記フカンは、分布の少なくとも70%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<27>
前記フカンは、分布の少なくとも80%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<28>
前記フカンは、分布の少なくとも90%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<29>
前記フカンは、分布の少なくとも5%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<30>
前記フカンは、分布の少なくとも10%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<31>
前記フカンは、分布の少なくとも24%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<32>
前記フカンは、分布の少なくとも31%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、<17>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<33>
前記フカンが100kDaより大きい重量平均分子量を有する、<17>〜<32>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<34>
前記フカンが200kDaより大きい重量平均分子量を有する、<17>〜<32>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<35>
前記フカンが500kDaより大きい重量平均分子量を有する、<17>〜<32>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<36>
前記フカンの硫酸化レベルが約20%w/w〜60%w/wである、<1>〜<35>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<37>
前記フカンの硫酸化レベルが約30%w/w〜55%w/wである、<1>〜<35>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<38>
前記フカンの硫酸化レベルが約32%w/w〜52%w/wである、<1>〜<35>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<39>
前記フカンの総炭水化物含有量が27%w/w〜80%w/wである、<1>〜<35>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<40>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約30%w/w以上である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<41>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約50%w/w以上である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<42>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約70%w/w以上である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<43>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約80%w/w以上である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<44>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約90%w/w以上である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<45>
前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約95%w/w以上である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<46>
前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約60%w/w未満である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<47>
前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約2%w/w〜約20%w/wである、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<48>
前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約10%w/w未満である、<39>に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<49>
前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約4cP〜50cPの粘度を有する、<1>〜<48>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<50>
前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約10cP〜40cPの粘度を有する、<1>〜<48>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<51>
前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約15cP〜30cPの粘度を有する、<1>〜<48>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<52>
前記フカン−低エンドトキシン組成物が、白色固体である、<1>〜<51>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<53>
前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に1mg/mL〜100mg/mLの濃度で溶解される場合に透明無色である溶液を形成する、<1>〜<52>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<54>
前記フカンのアセチル含有量が約5%w/w未満である、<1>〜<53>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<55>
前記フカンのアセチル含有量が約2%w/w未満である、<1>〜<53>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<56>
5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計により、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で、各回256〜512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10〜30ppmの範囲で、2D H− 13 C異核多量子コヒーレンスによって測定される場合に、前記フカンの有するアセチル含有量が実質的に0%w/wである、<1>〜<53>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
<57>
動物における線維性癒着を処置する方法であって、前記線維性癒着を阻害するために<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物の創傷の部位に0.5mg/kg〜50mg/kgの用量範囲を含む治療上有効量の前記フカン−低エンドトキシン組成物を投与すること、を含む方法。
<58>
<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を選択することを含む、動物における線維性癒着の処置のための剤。
<59>
線維性癒着を阻害するために<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び動物の創傷の部位に0.5mg/kg〜50mg/kgの用量範囲を含む治療上有効量の前記フカン−低エンドトキシン組成物を投与すること、を含む、前記動物における線維性癒着の処置のための剤。
<60>
線維性癒着のための治療薬の製造のための、<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物の使用。
<61>
<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を作製することを含む方法。
<62>
<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を使用することを含む方法。
<63>
前記使用することが線維性癒着を処置することを含む<62>に記載の方法。
<64>
医学的に許容しうる緩衝剤又は希釈剤の中に治療上有効量の<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を含む、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物。
<65>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が250EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<66>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が250EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<67>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が50EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<68>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が20EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<69>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が20EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<70>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が10EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<71>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が2EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<72>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が2EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<73>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<74>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が0.1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<75>
<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が0.01EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<76>
フカンの少なくとも60%w/wが100kDa超となっている分子量分布、300kDa〜5,000kDaの重量平均分子量、20%w/w〜60%w/wの硫酸化レベル、30%w/w〜80%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として30%w/w〜100%w/wのフコース含有量を有するフカンを前記フカン−低エンドトキシン組成物が含む、<65>〜<75>のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<77>
フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa〜1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w〜60%w/wの硫酸化レベル、40%w/w〜65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを前記フカン−低エンドトキシン組成物が含む、<65>〜<75>のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<78>
フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa〜1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w〜52%w/wの硫酸化レベル、40%w/w〜65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを前記フカン−低エンドトキシン組成物が含む、<65>〜<75>のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
<79>
動物における状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.5mg/kg〜50mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含む方法。
<80>
動物における状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために<64>に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.04mg/kg〜25mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含む方法。
<81>
前記治療上有効量が約0.2mg/kg〜10mg/kgである、<80>に記載の方法。
<82>
前記治療上有効量が約1mg/kg〜5mg/kgである、<79>又は<80>に記載の方法。
<83>
前記治療上有効量が約1.5mg/kg〜3mg/kgである、<79>又は<80>に記載の方法。
<84>
前記治療上有効量が約5mg/kg〜10mg/kgである、<79>又は<80>に記載の方法。
<85>
前記状態又は前記疾患が、前記動物における標的部位における線維性癒着であり、前記投与が、前記標的部位に前記治療上有効量を投与することを含む、<79>〜<84>のいずれか一項に記載の方法。
<86>
<1>〜<56>のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を約0.02mg/mL〜100mg/mL含む医療組成物であって、動物における疾患又は状態を処置するために構成され且つ組成される、医療組成物。
<87>
前記フカン−低エンドトキシン組成物を約0.5mg/mL〜5mg/mL含む<86>に記載の医療組成物。
<88>
前記フカン−低エンドトキシン組成物を約2.5mg/mL含む<86>に記載の医療組成物。
<89>
前記医療組成物が医療デバイスである、<86>〜<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<90>
前記医療組成物が液体医療デバイスである、<86>〜<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<91>
前記医療組成物が医薬組成物である、<86>〜<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<92>
前記医療組成物が液体医薬組成物である、<86>〜<88>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<93>
前記疾患又は前記状態が線維性癒着である、<86>〜<92>のいずれか一項に記載の医療組成物。
<94>
動物における疾患又は状態を処置するための約0.01mL/kg〜15mL/kgを含む用量範囲の<86>〜<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<95>
動物における疾患又は状態を処置するための約0.03mL/kg〜4mL/kgを含む用量範囲の<86>〜<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<96>
動物における疾患又は状態を処置するための約0.06mL/kg〜2mL/kgを含む用量範囲の<86>〜<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<97>
動物における疾患又は状態を処置するための約2mL/kg〜4mL/kgを含む用量範囲の<86>〜<93>のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
<98>
患者における選択された疾患又は状態を処置するための方法であって、患者における前記選択された疾患もしくは状態を含むか又は前記選択された疾患もしくは状態に罹患しやすいといえる(reasonably susceptible)選択された標的部位を同定すること、及びその後に、前記患者における標的部位に<86>〜<93>のいずれか一項に記載の医療組成物を投与することを含む方法。
<99>
前記疾患又は前記状態が線維性癒着である、<98>に記載の方法。
<100>
前記標的部位が手術部位であり、前記投与がa)前記手術部位における手術創を開けた後、b)手術中、及びc)前記手術創を閉じた後、のうち少なくとも1つにおいて行われる、<98>又は<99>に記載の方法。
<101>
前記投与が手術後且つ前記手術創を閉じる前に行われる、<98>に記載の方法。
<102>
前記投与が3分間未満かかる、<101>に記載の方法。
<103>
前記投与が2分間未満かかる、<101>に記載の方法。
<104>
前記投与が1分間未満かかる、<101>に記載の方法。
<105>
前記標的部位が、病変、擦過傷及び傷害部位のうち少なくとも1つである、<98>〜<104>のいずれか一項に記載の方法。
<106>
前記標的部位が、骨盤腔、腹腔、背側腔、頭蓋腔、脊椎腔、腹部腔、胸腔、胸膜腔、心膜腔、皮膚、関節、筋肉、腱及び靱帯のうち少なくとも1つである、<98>〜<105>のいずれか一項に記載の方法。
<107>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること、
前記反応混合物を加熱することによって前記不純物を凝集させて、凝集した不純物を生成すること、及び
前記凝集した不純物を除去すること
を含む方法。
<108>
前記出発フカン組成物を提供することは、前記出発フカン組成物を溶液として提供することを含む、<107>に記載の方法。
<109>
不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<107>に記載の方法。
<110>
前記不純物を凝集させることが、大気圧を超える圧力において前記反応混合物を加熱することを含む、<107>に記載の方法。
<111>
前記凝集助剤は塩を含む、<107>に記載の方法。
<112>
前記塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物を含む、<111>に記載の方法。
<113>
前記凝集助剤は塩基を含む、<107>に記載の方法。
<114>
前記塩基は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの水酸化物及び/又は酸化物を含む、<113>に記載の方法。
<115>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<107>に記載の方法。
<116>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
エンドトキシンを含有する不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、及び
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ないフカン−低エンドトキシン組成物を含む保持フカン組成物(retentate fucan composition)を生成すること
を含む方法。
<117>
不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<116>に記載の方法。
<118>
前記タンジェンシャルフロー濾過が100kDaタンジェンシャルフロー濾過フィルタを通して実施される、<116>又は<117>に記載の方法。
<119>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物と、細胞及びエンドトキシン集合体(aggregation)を破壊することが可能である破壊剤とを含む出発フカン組成物を溶液中に提供すること、及び
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記フカン−低エンドトキシン組成物及び残存する破壊剤を含む保持フカン組成物を生成すること
を含む方法。
<120>
タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのンジェンシャルフロー濾過によって前記残存する破壊剤を除去して、前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する第2保持フカン組成物(second retentate fucan composition)を生成することをさらに含む、<119>に記載の方法。
<121>
前記破壊剤を沈殿させることができる沈殿剤を用いて前記保持フカン組成物を処理することによって前記残存する破壊剤を除去して、前記破壊剤の沈殿物及び上清フカン組成物を生成すること、及び
前記破壊剤の前記沈殿物を前記上清フカン組成物から分離すること
をさらに含む、<119>に記載の方法。
<122>
不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<119>〜<121>のいずれか一項に記載の方法。
<123>
前記破壊剤は少なくとも1つの界面活性剤を含む、<119>〜<122>のいずれか一項に記載の方法。
<124>
前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤である、<123>に記載の方法。
<125>
前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤である、<123>に記載の方法。
<126>
前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、<123>に記載の方法。
<127>
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114及びデオキシコール酸ナトリウムのうち少なくとも1つを含む、<123>に記載の方法。
<128>
前記沈殿剤は、塩化カリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム及び炭酸カルシウムのうち少なくとも1つを含む、<121>〜<127>のいずれか一項に記載の方法。
<129>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<119>〜<128>のいずれか一項に記載の方法。
<130>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
固体である出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること、
前記出発フカン組成物と前記抽出媒体とを混合して前記フカン−低エンドトキシン組成物と前記抽出媒体との混合物を作成すること、及び
前記抽出媒体から前記フカン−低エンドトキシン組成物を分離すること
を含む方法。
<131>
固体である前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<130>に記載の方法。
<132>
前記抽出媒体は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種を含む、<130>に記載の方法。
<133>
前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、ジエチルエーテル、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタノール、オクタノール及びデカノールのうち少なくとも1つを含む、<132>に記載の方法。
<134>
前記抽出媒体は、塩基、界面活性剤及び酸化剤のうち少なくとも1つをさらに含む、<132>に記載の方法。
<135>
固体である前記出発フカン組成物を提供することは、溶液から前記出発フカン組成物を沈殿させることを含む、<130>に記載の方法。
<136>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<130>に記載の方法。
<137>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
懸濁不純物を含む不純物を含有する出発フカン組成物を溶液中に提供すること、
イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記不純物を前記溶液から沈殿させることにより、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との混合物を生成すること、及び
前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離すること
を含む方法。
<138>
前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する前記上清溶液を回収することをさらに含む、<137>に記載の方法。
<139>
前記イオン性多価不純物沈殿剤は二価又は三価のカチオンの塩を含む、<137>に記載の方法。
<140>
前記塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物である、<139>に記載の方法。
<141>
前記カチオンは、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄である、<139>に記載の方法。
<142>
前記不純物沈殿剤は、二価又は三価のカチオンの塩基を含む、<137>に記載の方法。
<143>
前記塩基は、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄の、水酸化物及び/又は酸化物である、<142>に記載の方法。
<144>
前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離することは、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との前記混合物に凝集剤を添加することにより、前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を凝集させることを含む、<137>〜<143>のいずれか一項に記載の方法。
<145>
前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カリウム、リン酸マグネシウム、アクリルアミド、アクリル酸、アルミニウムクロロハイドレート、ポリ塩化アルミニウム、タンニン、ホルムアルデヒド、メラミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む、<144>に記載の方法。
<146>
約7〜14のpHを維持することをさらに含む、<137>〜<145>のいずれか一項に記載の方法。
<147>
前記pHを維持することは、塩基を添加することを含む、<146>に記載の方法。
<148>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<137>〜<147>のいずれか一項に記載の方法。
<149>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
前記出発フカン組成物のpHを約8〜14に調整すること、
細胞成分を溶解するように構成されている細胞破壊剤を前記出発フカン組成物に添加して、前記細胞破壊剤と、生体分子溶解物と、前記出発フカン組成物とを含む反応混合物を生成すること、及び
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を前記反応混合物から除去すること
を含む方法。
<150>
前記出発フカン組成物を提供することは、溶液である前記出発フカン組成物を提供することを含む、<149>に記載の方法。
<151>
不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、<149>に記載の方法。
<152>
前記細胞破壊剤は界面活性剤を含む、<149>に記載の方法。
<153>
前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤である、<152>に記載の方法。
<154>
前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤である、<152>に記載の方法。
<155>
前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、<152>に記載の方法。
<156>
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114、Brij(登録商標)界面活性剤、Tween(登録商標)界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホネートのうち少なくとも1つを含む、<152>に記載の方法。
<157>
前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を除去することは、前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を凝集させるために構成された凝集剤を前記混合物に添加することを含む、<149>〜<156>のいずれか一項に記載の方法。
<158>
前記細胞破壊剤を除去することは、前記細胞破壊剤を前記反応混合物に不溶にすることができる沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含む、<149>〜<156>のいずれか一項に記載の方法。
<159>
前記生体分子溶解物を除去することは、前記生体分子溶解物を前記反応混合物に不溶にすることができるように構成された沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含む、<149>〜<158>のいずれか一項に記載の方法。
<160>
前記沈殿物を凝集させるために構成された凝集剤を前記反応混合物に添加することをさらに含む、<158>〜<159>のいずれか一項に記載の方法。
<161>
前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カリウム、リン酸マグネシウム、アクリルアミド、アクリル酸、アルミニウムクロロハイドレート、ポリ塩化アルミニウム、タンニン、ホルムアルデヒド、メラミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む、<157>〜<160>のいずれか一項に記載の方法。
<162>
前記アニオン性界面活性剤を除去することはアニオン吸着を含む、<153>に記載の方法。
<163>
前記カチオン性界面活性剤を除去することはカチオン吸着を含む、<154>に記載の方法。
<164>
前記非イオン性界面活性剤を除去することはミセル相分離を含む、<155>に記載の方法。
<165>
前記界面活性剤を除去することは疎水性吸着を含む、<152>に記載の方法。
<166>
前記界面活性剤を除去することは、
前記界面活性剤の濃度が所定の濃度未満になるまで前記反応混合物を希釈すること、及び
前記界面活性剤を含む前記反応混合物を、分子量カットオフが前記界面活性剤の最大分子量を超えるタンジェンシャルフロー濾過フィルタによる透析濾過に供すること
を含む、<152>に記載の方法。
<167>
前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、キレート剤を前記反応混合物に添加することをさらに含む、<149>〜<166>のいずれか一項に記載の方法。
<168>
前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレンジアミン、ポルフィン及び/又はクエン酸を含む、<167>に記載の方法。
<169>
前記細胞破壊剤を除去する前に酸化剤反応制御剤(oxidant-quenching agent)を前記反応混合物に添加して、前記反応混合物中の酸化剤の反応を制御(quench)することをさらに含む、<149>〜<168>のいずれか一項に記載の方法。
<170>
前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、静菌剤(bacteriostatic agent)を前記反応混合物に添加することをさらに含む、<149>〜<169>のいずれか一項に記載の方法。
<171>
前記静菌剤は、亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、塩化ベンザルコニウム、エタノール及び/又はチオ尿素を含む、<170>に記載の方法。
<172>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<149>〜<171>のいずれか一項に記載の方法。
<173>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物からエンドトキシンを除去する方法であって、
エンドトキシンを含む出発フカン組成物及びアニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供すること、
前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記フカン−低エンドトキシン組成物を生成すること
を含む方法。
<174>
前記エンドトキシン集合体を破壊できる破壊剤によって前記出発フカン組成物を前処理することをさらに含む、<173>に記載の方法。
<175>
前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供する前に前記出発フカン組成物を脱塩することをさらに含む、<173>に記載の方法。
<176>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、孔サイズが、前記出発フカン組成物中の前記エンドトキシンの平均流体力学半径を超えている、<173>に記載の方法。
<177>
前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することは、約1:100〜約10:1の前記出発フカン組成物:アニオン交換マクロ多孔性樹脂の質量比で前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することを含む、<173>に記載の方法。
<178>
前記質量比は約1:50〜約1:1である、<177>に記載の方法。
<179>
前記質量比は約1:10〜約1:1である、<177>に記載の方法。
<180>
前記出発フカン組成物はアニオン交換に約5分〜約100時間の期間供される、<173>〜<179>のいずれか一項に記載の方法。
<181>
前記期間が約1時間〜約30時間である、<180>に記載の方法。
<182>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は第4級アミン基を含む、<173>〜<181>のいずれか一項に記載の方法。
<183>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は第1級アミン基、第2級アミン基及び第3級アミン基のうち少なくとも1つを含む、<173>〜<181>のいずれか一項に記載の方法。
<184>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、スチレン、アガロース、デキストラン、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、セルロース、シリカ及びセラミックのうち少なくとも1つから構成される、<173>〜<181>のいずれか一項に記載の方法。
<185>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は孔サイズが約5nm〜約1000nmである、<173>〜<181>のいずれか一項に記載の方法。
<186>
前記孔サイズは約10nm〜約100nmである、<185>に記載の方法。
<187>
前記孔サイズは約15nm〜約50nmである、<185>に記載の方法。
<188>
前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は排除限界が約5kDa〜約50,000kDaである、<173>〜<187>のいずれか一項に記載の方法。
<189>
前記排除限界は約1,000kDa〜約9,000kDaである、<188>に記載の方法。
<190>
前記排除限界は約5kDa〜約200kDaである、<188>に記載の方法。
<191>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<173>〜<190>のいずれか一項に記載の方法。
<192>
フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
不純物を含む出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること、
前記水性出発溶液を有機溶媒と混合して、水相有機相混合物を生成すること、及び
前記水相有機相混合物を分離して水性部分及び有機部分を得ること
を含む方法。
<193>
前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する前記水性部分を回収することをさらに含む、<192>に記載の方法。
<194>
前記有機溶媒は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種を含む、<192>に記載の方法。
<195>
前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘプタン、酢酸イソブチル、アニソール、酢酸イソプロピル、1−ブタノール、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、ペンタン、1−ペンタノール、エチルエーテル及び酢酸プロピルのうち少なくとも1つを含む、<192>〜<194>のいずれか一項に記載の方法。
<196>
前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、<192>に記載の方法。

Claims (196)

  1. フカンのミリグラム当たり約0.2未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  2. フカンのミリグラム当たり約0.18未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  3. フカンのミリグラム当たり約0.16未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  4. フカンのミリグラム当たり約0.1未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  5. フカンのミリグラム当たり約0.09未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  6. フカンのミリグラム当たり約0.06未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  7. フカンのミリグラム当たり約0.04未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  8. フカンのミリグラム当たり約0.03未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  9. フカンのミリグラム当たり約0.02未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  10. フカンのミリグラム当たり約0.01未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  11. フカンのミリグラム当たり約0.007未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  12. フカンのミリグラム当たり約0.003未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  13. フカンのミリグラム当たり約0.002未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  14. フカンのミリグラム当たり約0.001未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  15. フカンのミリグラム当たり約0.0006未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  16. フカンのミリグラム当たり約0.0005未満のエンドトキシン単位を含むフカン−低エンドトキシン組成物。
  17. 有効分子量範囲が約50kDa〜約5,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、有効分子量範囲が約1kDa〜約6,000kDaでありヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が7.8mmの300mm分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム1つ、及びヒドロキシル化ポリメタクリレート系ゲルが充填されている内径が6mmの40mmガードカラム1つ、ここで前記2つの分析ゲル浸透クロマトグラフィーカラム及び前記1つのガードカラムは約30℃のカラムコンパートメントに収容されている;
    約30℃の示差屈折率検出器;
    0.6mL/分の0.1M硝酸ナトリウム移動相流;及び
    ピーク分子量が約2,200kDaの第1デキストラン標準品、ピーク分子量が約720kDa〜約760kDaの第2デキストラン標準品、ピーク分子量が約470kDa〜約510kDaの第3デキストラン標準品、ピーク分子量が約370kDa〜約410kDaの第4デキストラン標準品、ピーク分子量が約180kDa〜約220kDaの第5デキストラン標準品、及びピーク分子量が約40kDa〜55kDaの第6デキストラン標準品から実質的になるピーク分子量標準曲線と照らし合わせての定量(quantification)
    から実質的になる水系ゲル浸透クロマトグラフィー構成を用いて測定される場合に、分布の60%w/w以上が100kDaより大きい分子量分布を前記フカンが有する、請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  18. 前記フカンは、分布の少なくとも75%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  19. 前記フカンは、分布の少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  20. 前記フカンは、分布の少なくとも98%w/wが100kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  21. 前記フカンは、分布の少なくとも81%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  22. 前記フカンは、分布の少なくとも92%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  23. 前記フカンは、分布の少なくとも97%w/wが200kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  24. 前記フカンは、分布の少なくとも44%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  25. 前記フカンは、分布の少なくとも61%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  26. 前記フカンは、分布の少なくとも70%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  27. 前記フカンは、分布の少なくとも80%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  28. 前記フカンは、分布の少なくとも90%w/wが500kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  29. 前記フカンは、分布の少なくとも5%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  30. 前記フカンは、分布の少なくとも10%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  31. 前記フカンは、分布の少なくとも24%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  32. 前記フカンは、分布の少なくとも31%w/wが1600kDa超となっている分子量分布を有する、請求項17に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  33. 前記フカンが100kDaより大きい重量平均分子量を有する、請求項17〜請求項32のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  34. 前記フカンが200kDaより大きい重量平均分子量を有する、請求項17〜請求項32のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  35. 前記フカンが500kDaより大きい重量平均分子量を有する、請求項17〜請求項32のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  36. 前記フカンの硫酸化レベルが約20%w/w〜60%w/wである、請求項1〜請求項35のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  37. 前記フカンの硫酸化レベルが約30%w/w〜55%w/wである、請求項1〜請求項35のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  38. 前記フカンの硫酸化レベルが約32%w/w〜52%w/wである、請求項1〜請求項35のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  39. 前記フカンの総炭水化物含有量が27%w/w〜80%w/wである、請求項1〜請求項35のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  40. 前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約30%w/w以上である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  41. 前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約50%w/w以上である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  42. 前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約70%w/w以上である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  43. 前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約80%w/w以上である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  44. 前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約90%w/w以上である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  45. 前記フカンの総フコース含有量が前記総炭水化物含有量に対する割合として約95%w/w以上である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  46. 前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約60%w/w未満である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  47. 前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約2%w/w〜約20%w/wである、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  48. 前記フカンの、前記総炭水化物含有量に対する割合としての総ガラクトース含有量が、約10%w/w未満である、請求項39に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  49. 前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約4cP〜50cPの粘度を有する、請求項1〜請求項48のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  50. 前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約10cP〜40cPの粘度を有する、請求項1〜請求項48のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  51. 前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に50mg/mLの濃度で溶解される場合に約15cP〜30cPの粘度を有する、請求項1〜請求項48のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  52. 前記フカン−低エンドトキシン組成物が、白色固体である、請求項1〜請求項51のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  53. 前記フカン−低エンドトキシン組成物が、水に1mg/mL〜100mg/mLの濃度で溶解される場合に透明無色である溶液を形成する、請求項1〜請求項52のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  54. 前記フカンのアセチル含有量が約5%w/w未満である、請求項1〜請求項53のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  55. 前記フカンのアセチル含有量が約2%w/w未満である、請求項1〜請求項53のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  56. 5mmのコールドプローブを備えた600MHz分光計により、溶媒シグナルを抑制しつつ70℃で、各回256〜512回の走査として8ずつ回数を増加させつつ、炭素次元における10〜30ppmの範囲で、2D H−13C異核多量子コヒーレンスによって測定される場合に、前記フカンの有するアセチル含有量が実質的に0%w/wである、請求項1〜請求項53のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物。
  57. 動物における線維性癒着を処置する方法であって、前記線維性癒着を阻害するために請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物の創傷の部位に0.5mg/kg〜50mg/kgの用量範囲を含む治療上有効量の前記フカン−低エンドトキシン組成物を投与すること、を含む方法。
  58. 請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を選択することを含む、動物における線維性癒着の処置のための剤。
  59. 線維性癒着を阻害するために請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び動物の創傷の部位に0.5mg/kg〜50mg/kgの用量範囲を含む治療上有効量の前記フカン−低エンドトキシン組成物を投与すること、を含む、前記動物における線維性癒着の処置のための剤。
  60. 線維性癒着のための治療薬の製造のための、請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物の使用。
  61. 請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を作製することを含む方法。
  62. 請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を使用することを含む方法。
  63. 前記使用することが線維性癒着を処置することを含む請求項62に記載の方法。
  64. 医学的に許容しうる緩衝剤又は希釈剤の中に治療上有効量の請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を含む、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物。
  65. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が250EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  66. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が250EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  67. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が50EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  68. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が20EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  69. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が20EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  70. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が10EU未満以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  71. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が2EU以下のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  72. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が2EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  73. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  74. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が0.1EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  75. 請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を含み、前記医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシンの投与物(dose)が0.01EU未満のエンドトキシンレベルを有する、医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  76. フカンの少なくとも60%w/wが100kDa超となっている分子量分布、300kDa〜5,000kDaの重量平均分子量、20%w/w〜60%w/wの硫酸化レベル、30%w/w〜80%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として30%w/w〜100%w/wのフコース含有量を有するフカンを前記フカン−低エンドトキシン組成物が含む、請求項65〜請求項75のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  77. フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa〜1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w〜60%w/wの硫酸化レベル、40%w/w〜65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを前記フカン−低エンドトキシン組成物が含む、請求項65〜請求項75のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  78. フカンの少なくとも90%w/wが100kDa超となっている分子量分布、600kDa〜1,800kDaの重量平均分子量、35%w/w〜52%w/wの硫酸化レベル、40%w/w〜65%w/wの総炭水化物含有量、及び前記総炭水化物含有量に対する割合として80%w/w以上のフコース含有量を有するフカンを前記フカン−低エンドトキシン組成物が含む、請求項65〜請求項75のいずれか一項に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン投与物(dosage)。
  79. 動物における状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.5mg/kg〜50mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含む方法。
  80. 動物における状態又は疾患を処置する方法であって、前記状態又は前記疾患を処置するために請求項64に記載の医学的に許容しうるフカン−低エンドトキシン組成物を選択すること、及び前記動物に約0.04mg/kg〜25mg/kgを含む治療上有効量の前記フカンを投与すること、を含む方法。
  81. 前記治療上有効量が約0.2mg/kg〜10mg/kgである、請求項80に記載の方法。
  82. 前記治療上有効量が約1mg/kg〜5mg/kgである、請求項79又は請求項80に記載の方法。
  83. 前記治療上有効量が約1.5mg/kg〜3mg/kgである、請求項79又は請求項80に記載の方法。
  84. 前記治療上有効量が約5mg/kg〜10mg/kgである、請求項79又は請求項80に記載の方法。
  85. 前記状態又は前記疾患が、前記動物における標的部位における線維性癒着であり、前記投与が、前記標的部位に前記治療上有効量を投与することを含む、請求項79〜請求項84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 請求項1〜請求項56のいずれか一項に記載のフカン−低エンドトキシン組成物を約0.02mg/mL〜100mg/mL含む医療組成物であって、動物における疾患又は状態を処置するために構成され且つ組成される、医療組成物。
  87. 前記フカン−低エンドトキシン組成物を約0.5mg/mL〜5mg/mL含む請求項86に記載の医療組成物。
  88. 前記フカン−低エンドトキシン組成物を約2.5mg/mL含む請求項86に記載の医療組成物。
  89. 前記医療組成物が医療デバイスである、請求項86〜請求項88のいずれか一項に記載の医療組成物。
  90. 前記医療組成物が液体医療デバイスである、請求項86〜請求項88のいずれか一項に記載の医療組成物。
  91. 前記医療組成物が医薬組成物である、請求項86〜請求項88のいずれか一項に記載の医療組成物。
  92. 前記医療組成物が液体医薬組成物である、請求項86〜請求項88のいずれか一項に記載の医療組成物。
  93. 前記疾患又は前記状態が線維性癒着である、請求項86〜請求項92のいずれか一項に記載の医療組成物。
  94. 動物における疾患又は状態を処置するための約0.01mL/kg〜15mL/kgを含む用量範囲の請求項86〜請求項93のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
  95. 動物における疾患又は状態を処置するための約0.03mL/kg〜4mL/kgを含む用量範囲の請求項86〜請求項93のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
  96. 動物における疾患又は状態を処置するための約0.06mL/kg〜2mL/kgを含む用量範囲の請求項86〜請求項93のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
  97. 動物における疾患又は状態を処置するための約2mL/kg〜4mL/kgを含む用量範囲の請求項86〜請求項93のいずれか一項に記載の医療組成物の使用。
  98. 患者における選択された疾患又は状態を処置するための方法であって、患者における前記選択された疾患もしくは状態を含むか又は前記選択された疾患もしくは状態に罹患しやすいといえる(reasonably susceptible)選択された標的部位を同定すること、及びその後に、前記患者における標的部位に請求項86〜請求項93のいずれか一項に記載の医療組成物を投与することを含む方法。
  99. 前記疾患又は前記状態が線維性癒着である、請求項98に記載の方法。
  100. 前記標的部位が手術部位であり、前記投与がa)前記手術部位における手術創を開けた後、b)手術中、及びc)前記手術創を閉じた後、のうち少なくとも1つにおいて行われる、請求項98又は請求項99に記載の方法。
  101. 前記投与が手術後且つ前記手術創を閉じる前に行われる、請求項98に記載の方法。
  102. 前記投与が3分間未満かかる、請求項101に記載の方法。
  103. 前記投与が2分間未満かかる、請求項101に記載の方法。
  104. 前記投与が1分間未満かかる、請求項101に記載の方法。
  105. 前記標的部位が、病変、擦過傷及び傷害部位のうち少なくとも1つである、請求項98〜請求項104のいずれか一項に記載の方法。
  106. 前記標的部位が、骨盤腔、腹腔、背側腔、頭蓋腔、脊椎腔、腹部腔、胸腔、胸膜腔、心膜腔、皮膚、関節、筋肉、腱及び靱帯のうち少なくとも1つである、請求項98〜請求項105のいずれか一項に記載の方法。
  107. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
    凝集助剤を前記出発フカン組成物に添加して反応混合物を生成すること、
    前記反応混合物を加熱することによって前記不純物を凝集させて、凝集した不純物を生成すること、及び
    前記凝集した不純物を除去すること
    を含む方法。
  108. 前記出発フカン組成物を提供することは、前記出発フカン組成物を溶液として提供することを含む、請求項107に記載の方法。
  109. 不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、請求項107に記載の方法。
  110. 前記不純物を凝集させることが、大気圧を超える圧力において前記反応混合物を加熱することを含む、請求項107に記載の方法。
  111. 前記凝集助剤は塩を含む、請求項107に記載の方法。
  112. 前記塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物を含む、請求項111に記載の方法。
  113. 前記凝集助剤は塩基を含む、請求項107に記載の方法。
  114. 前記塩基は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム及び/又はアンモニウムの水酸化物及び/又は酸化物を含む、請求項113に記載の方法。
  115. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項107に記載の方法。
  116. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    エンドトキシンを含有する不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、及び
    タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ないフカン−低エンドトキシン組成物を含む保持フカン組成物(retentate fucan composition)を生成すること
    を含む方法。
  117. 不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、請求項116に記載の方法。
  118. 前記タンジェンシャルフロー濾過が100kDaタンジェンシャルフロー濾過フィルタを通して実施される、請求項116又は請求項117に記載の方法。
  119. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    不純物と、細胞及びエンドトキシン集合体(aggregation)を破壊することが可能である破壊剤とを含む出発フカン組成物を溶液中に提供すること、及び
    タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのタンジェンシャルフロー濾過に前記溶液を供して、前記フカン−低エンドトキシン組成物及び残存する破壊剤を含む保持フカン組成物を生成すること
    を含む方法。
  120. タンジェンシャルフロー濾過フィルタを通してのンジェンシャルフロー濾過によって前記残存する破壊剤を除去して、前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する第2保持フカン組成物(second retentate fucan composition)を生成することをさらに含む、請求項119に記載の方法。
  121. 前記破壊剤を沈殿させることができる沈殿剤を用いて前記保持フカン組成物を処理することによって前記残存する破壊剤を除去して、前記破壊剤の沈殿物及び上清フカン組成物を生成すること、及び
    前記破壊剤の前記沈殿物を前記上清フカン組成物から分離すること
    をさらに含む、請求項119に記載の方法。
  122. 不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、請求項119〜請求項121のいずれか一項に記載の方法。
  123. 前記破壊剤は少なくとも1つの界面活性剤を含む、請求項119〜請求項122のいずれか一項に記載の方法。
  124. 前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤である、請求項123に記載の方法。
  125. 前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤である、請求項123に記載の方法。
  126. 前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、請求項123に記載の方法。
  127. 前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114及びデオキシコール酸ナトリウムのうち少なくとも1つを含む、請求項123に記載の方法。
  128. 前記沈殿剤は、塩化カリウム、水酸化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム及び炭酸カルシウムのうち少なくとも1つを含む、請求項121〜請求項127のいずれか一項に記載の方法。
  129. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項119〜請求項128のいずれか一項に記載の方法。
  130. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    固体である出発フカン組成物と、不純物を溶解するように構成されているがフカンを溶解できない抽出媒体とを提供すること、
    前記出発フカン組成物と前記抽出媒体とを混合して前記フカン−低エンドトキシン組成物と前記抽出媒体との混合物を作成すること、及び
    前記抽出媒体から前記フカン−低エンドトキシン組成物を分離すること
    を含む方法。
  131. 固体である前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、請求項130に記載の方法。
  132. 前記抽出媒体は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種を含む、請求項130に記載の方法。
  133. 前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、ジエチルエーテル、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、ヘプタノール、オクタノール及びデカノールのうち少なくとも1つを含む、請求項132に記載の方法。
  134. 前記抽出媒体は、塩基、界面活性剤及び酸化剤のうち少なくとも1つをさらに含む、請求項132に記載の方法。
  135. 固体である前記出発フカン組成物を提供することは、溶液から前記出発フカン組成物を沈殿させることを含む、請求項130に記載の方法。
  136. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項130に記載の方法。
  137. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    懸濁不純物を含む不純物を含有する出発フカン組成物を溶液中に提供すること、
    イオン性多価不純物沈殿剤を用いて前記不純物を前記溶液から沈殿させることにより、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との混合物を生成すること、及び
    前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離すること
    を含む方法。
  138. 前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する前記上清溶液を回収することをさらに含む、請求項137に記載の方法。
  139. 前記イオン性多価不純物沈殿剤は二価又は三価のカチオンの塩を含む、請求項137に記載の方法。
  140. 前記塩は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩及び/又はシアン化物である、請求項139に記載の方法。
  141. 前記カチオンは、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄である、請求項139に記載の方法。
  142. 前記不純物沈殿剤は、二価又は三価のカチオンの塩基を含む、請求項137に記載の方法。
  143. 前記塩基は、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム、銅及び/又は鉄の、水酸化物及び/又は酸化物である、請求項142に記載の方法。
  144. 前記上清溶液から前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を分離することは、懸濁不純物と沈殿不純物と上清溶液との前記混合物に凝集剤を添加することにより、前記懸濁不純物及び前記沈殿不純物を凝集させることを含む、請求項137〜請求項143のいずれか一項に記載の方法。
  145. 前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カリウム、リン酸マグネシウム、アクリルアミド、アクリル酸、アルミニウムクロロハイドレート、ポリ塩化アルミニウム、タンニン、ホルムアルデヒド、メラミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む、請求項144に記載の方法。
  146. 約7〜14のpHを維持することをさらに含む、請求項137〜請求項145のいずれか一項に記載の方法。
  147. 前記pHを維持することは、塩基を添加することを含む、請求項146に記載の方法。
  148. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項137〜請求項147のいずれか一項に記載の方法。
  149. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    不純物を含む出発フカン組成物を提供すること、
    前記出発フカン組成物のpHを約8〜14に調整すること、
    細胞成分を溶解するように構成されている細胞破壊剤を前記出発フカン組成物に添加して、前記細胞破壊剤と、生体分子溶解物と、前記出発フカン組成物とを含む反応混合物を生成すること、及び
    前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を前記反応混合物から除去すること
    を含む方法。
  150. 前記出発フカン組成物を提供することは、溶液である前記出発フカン組成物を提供することを含む、請求項149に記載の方法。
  151. 不純物が低減された溶液中の前記フカン−低エンドトキシン組成物を回収することをさらに含む、請求項149に記載の方法。
  152. 前記細胞破壊剤は界面活性剤を含む、請求項149に記載の方法。
  153. 前記界面活性剤はアニオン性界面活性剤である、請求項152に記載の方法。
  154. 前記界面活性剤はカチオン性界面活性剤である、請求項152に記載の方法。
  155. 前記界面活性剤は非イオン性界面活性剤である、請求項152に記載の方法。
  156. 前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、塩化ベンザルコニウム、Triton(登録商標)X100、Triton(登録商標)X114、Brij(登録商標)界面活性剤、Tween(登録商標)界面活性剤、デオキシコール酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホネートのうち少なくとも1つを含む、請求項152に記載の方法。
  157. 前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を除去することは、前記細胞破壊剤及び生体分子溶解物を凝集させるために構成された凝集剤を前記混合物に添加することを含む、請求項149〜請求項156のいずれか一項に記載の方法。
  158. 前記細胞破壊剤を除去することは、前記細胞破壊剤を前記反応混合物に不溶にすることができる沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含む、請求項149〜請求項156のいずれか一項に記載の方法。
  159. 前記生体分子溶解物を除去することは、前記生体分子溶解物を前記反応混合物に不溶にすることができるように構成された沈殿剤を前記反応混合物に添加して、沈殿物を生成することを含む、請求項149〜請求項158のいずれか一項に記載の方法。
  160. 前記沈殿物を凝集させるために構成された凝集剤を前記反応混合物に添加することをさらに含む、請求項158〜請求項159のいずれか一項に記載の方法。
  161. 前記凝集剤は、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、硫酸カリウム、リン酸マグネシウム、アクリルアミド、アクリル酸、アルミニウムクロロハイドレート、ポリ塩化アルミニウム、タンニン、ホルムアルデヒド、メラミン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド、第4級N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド及びポリジアリルジメチル−アンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む、請求項157〜請求項160のいずれか一項に記載の方法。
  162. 前記アニオン性界面活性剤を除去することはアニオン吸着を含む、請求項153に記載の方法。
  163. 前記カチオン性界面活性剤を除去することはカチオン吸着を含む、請求項154に記載の方法。
  164. 前記非イオン性界面活性剤を除去することはミセル相分離を含む、請求項155に記載の方法。
  165. 前記界面活性剤を除去することは疎水性吸着を含む、請求項152に記載の方法。
  166. 前記界面活性剤を除去することは、
    前記界面活性剤の濃度が所定の濃度未満になるまで前記反応混合物を希釈すること、及び
    前記界面活性剤を含む前記反応混合物を、分子量カットオフが前記界面活性剤の最大分子量を超えるタンジェンシャルフロー濾過フィルタによる透析濾過に供すること
    を含む、請求項152に記載の方法。
  167. 前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、キレート剤を前記反応混合物に添加することをさらに含む、請求項149〜請求項166のいずれか一項に記載の方法。
  168. 前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、エチレンジアミン、ポルフィン及び/又はクエン酸を含む、請求項167に記載の方法。
  169. 前記細胞破壊剤を除去する前に酸化剤反応制御剤(oxidant-quenching agent)を前記反応混合物に添加して、前記反応混合物中の酸化剤の反応を制御(quench)することをさらに含む、請求項149〜請求項168のいずれか一項に記載の方法。
  170. 前記出発フカン組成物を提供した後且つ前記細胞破壊剤を除去する前に、静菌剤(bacteriostatic agent)を前記反応混合物に添加することをさらに含む、請求項149〜請求項169のいずれか一項に記載の方法。
  171. 前記静菌剤は、亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、塩化ベンザルコニウム、エタノール及び/又はチオ尿素を含む、請求項170に記載の方法。
  172. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項149〜請求項171のいずれか一項に記載の方法。
  173. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物からエンドトキシンを除去する方法であって、
    エンドトキシンを含む出発フカン組成物及びアニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供すること、
    前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供して、前記フカン−低エンドトキシン組成物を生成すること
    を含む方法。
  174. 前記エンドトキシン集合体を破壊できる破壊剤によって前記出発フカン組成物を前処理することをさらに含む、請求項173に記載の方法。
  175. 前記出発フカン組成物を前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂によるアニオン交換に供する前に前記出発フカン組成物を脱塩することをさらに含む、請求項173に記載の方法。
  176. 前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、孔サイズが、前記出発フカン組成物中の前記エンドトキシンの平均流体力学半径を超えている、請求項173に記載の方法。
  177. 前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することは、約1:100〜約10:1の前記出発フカン組成物:アニオン交換マクロ多孔性樹脂の質量比で前記出発フカン組成物及び前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂を提供することを含む、請求項173に記載の方法。
  178. 前記質量比は約1:50〜約1:1である、請求項177に記載の方法。
  179. 前記質量比は約1:10〜約1:1である、請求項177に記載の方法。
  180. 前記出発フカン組成物はアニオン交換に約5分〜約100時間の期間供される、請求項173〜請求項179のいずれか一項に記載の方法。
  181. 前記期間が約1時間〜約30時間である、請求項180に記載の方法。
  182. 前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は第4級アミン基を含む、請求項173〜請求項181のいずれか一項に記載の方法。
  183. 前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は第1級アミン基、第2級アミン基及び第3級アミン基のうち少なくとも1つを含む、請求項173〜請求項181のいずれか一項に記載の方法。
  184. 前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は、スチレン、アガロース、デキストラン、アクリレート、メタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、セルロース、シリカ及びセラミックのうち少なくとも1つから構成される、請求項173〜請求項181のいずれか一項に記載の方法。
  185. 前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は孔サイズが約5nm〜約1000nmである、請求項173〜請求項181のいずれか一項に記載の方法。
  186. 前記孔サイズは約10nm〜約100nmである、請求項185に記載の方法。
  187. 前記孔サイズは約15nm〜約50nmである、請求項185に記載の方法。
  188. 前記アニオン交換マクロ多孔性樹脂は排除限界が約5kDa〜約50,000kDaである、173〜請求項187のいずれか一項に記載の方法。
  189. 前記排除限界は約1,000kDa〜約9,000kDaである、請求項188に記載の方法。
  190. 前記排除限界は約5kDa〜約200kDaである、請求項188に記載の方法。
  191. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項173〜請求項190のいずれか一項に記載の方法。
  192. フカン−低エンドトキシン組成物を得るために出発フカン組成物から不純物を除去する方法であって、
    不純物を含む出発フカン組成物を水性出発溶液中に提供すること、
    前記水性出発溶液を有機溶媒と混合して、水相有機相混合物を生成すること、及び
    前記水相有機相混合物を分離して水性部分及び有機部分を得ること
    を含む方法。
  193. 前記フカン−低エンドトキシン組成物を含有する前記水性部分を回収することをさらに含む、請求項192に記載の方法。
  194. 前記有機溶媒は、相対極性が0.765未満である有機溶媒を少なくとも1種を含む、請求項192に記載の方法。
  195. 前記有機溶媒は、エタノール、イソプロパノール、メタノール、ベンゼン、デカメチルシクロ−ペンタシロキサン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ヘプタン、酢酸イソブチル、アニソール、酢酸イソプロピル、1−ブタノール、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、ペンタン、1−ペンタノール、エチルエーテル及び酢酸プロピルのうち少なくとも1つを含む、請求項192〜請求項194のいずれか一項に記載の方法。
  196. 前記フカン−低エンドトキシン組成物は、前記出発フカン組成物よりもエンドトキシンの含有量が少ない、請求項192に記載の方法。
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