JP6999264B2 - レーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

レーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機elディスプレイの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はレーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機ELディスプレイの製造方法に関し、例えばレーザ光を用いて基板から剥離層を分離するレーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機ELディスプレイの製造方法に関する。
基板上に形成された剥離層に、基板側からレーザ光を照射して剥離層を基板から剥離するレーザ剥離装置が知られている。特許文献1には、基板から薄膜を分離するレーザ剥離工程に使われるレーザ加工装置が開示されている。
特許第5220133号公報
背景技術で説明したように、レーザ剥離装置は、基板上に形成された剥離層に基板側からレーザ光を照射して剥離層を基板から剥離する。このとき、基板上に粉塵(パーティクル)が付着している場合は、この粉塵が付着している部分においてレーザ光が剥離層に届かないため、この部分では基板と剥離層とが分離されない。このため、基板と剥離層とを均一に分離することができないという問題がある。
一実施の形態にかかるレーザ剥離装置は、ワーク上に気体を吹き付ける噴射ユニットと、開口部から吸引して粉塵を集塵する集塵ユニットと、を備える。
一実施の形態にかかるレーザ剥離装置は、レーザ光が通過する光路空間と、光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットを有する。光路空間は、開口部の周囲に配置された側壁を有し、側壁には光路空間に気体を供給するための給気孔が形成されている。給気孔から光路空間に供給された気体は、側壁に沿ってワーク側に流れた後、側壁の下端とワークとの間を通過して排気空間に流れるように構成されている。
一実施の形態にかかるレーザ剥離方法は、レーザ光を照射しながらワークを搬送する際、ワーク上に気体を吹き付け、吹き付けられた気体を吸引して粉塵を集塵する。
一実施の形態にかかる有機ELディスプレイの製造方法は、基板と剥離層とを分離する工程を含み、前記分離工程においてレーザ光を照射しながらワークを搬送する際、ワーク上に気体を吹き付け、吹き付けられた気体を吸引して粉塵を集塵する。
前記一実施の形態によれば、基板から剥離層を均一に分離することができるレーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機ELディスプレイの製造方法を提供することができる。
有機ELディスプレイの一例を示す断面図である。 有機ELディスプレイの製造工程の概要を説明するための図である。 レーザ剥離装置を説明するための断面図である。 レーザ剥離工程を説明するための平面図および側面図である。 レーザ剥離工程を説明するための平面図および側面図である。 レーザ剥離工程を説明するための平面図および側面図である。 レーザ剥離工程を説明するための断面図である。 実施の形態1にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図である。 実施の形態1にかかるレーザ剥離装置を説明するための平面図である。 実施の形態1にかかるレーザ剥離装置を説明するための下面図である。 集塵ユニットのワーク近傍の拡大断面図である。 実施の形態2にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図である。 実施の形態2にかかるレーザ剥離装置が備える集塵ユニットの詳細を説明するための斜視図である。 実施の形態2にかかるレーザ剥離装置が備える集塵ユニットの詳細を説明するための斜視図である。 実施の形態3にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図である。 実施の形態3にかかるレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。 実施の形態3にかかるレーザ剥離装置の他の構成例を説明するための断面図である。 実施の形態4にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図である。 実施の形態4にかかるレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置を説明するための側面図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置において、チャンバの内部におけるワークの移動を例示した図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置において、前面壁及び後面壁におけるフィルタの有無と、チャンバの内部の前面壁側及びステージ上への空気の到達との関係を例示した図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置において、チャンバの前面壁に、給気ファンを設置し、後面壁に排気ダクト用排気口を設置した場合のチャンバの内部の空気の流れを例示した図であり、(a)は、斜視図を示し、(b)は上面図を示す。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置において、チャンバの前面壁に、給気ファンを設置し、後面壁に排気ダクト用排気口及びフィルタを設置した場合のチャンバの内部の空気の流れを例示した図であり、(a)は、斜視図を示し、(b)は上面図を示す。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置において、チャンバの前面壁に、給気ファン及びフィルタを設置し、後面壁に排気ダクト用排気口及びフィルタを設置した場合のチャンバの内部の空気の流れを例示した図であり、(a)は、斜視図を示し、(b)は上面図を示す。 チャンバの内部の圧力が、外部の圧力よりも大きくなったときのチャンバを例示した断面図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置において、集塵ユニットにおける給気量に対する排気量の比と、パーティクル濃度を例示したグラフである。 実施の形態5にかかるFFUの作動及び集塵ユニットにおける排気量/給気量の比と、パーティクル濃度の関係を例示したグラフである。 実施の形態5にかかるFFUの作動、並びに、集塵ユニットの給気及び排気の制御方法を例示したブロック図である。 実施の形態5にかかるレーザ剥離装置のコントローラの制御を例示した図である。 実施の形態6に係るレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。 実施の形態6にかかるレーザ剥離装置において、チャンバの内部におけるワークの移動を例示した図であり、(a)は、上面壁に投影した図であり、(b)は、底面壁に投影した図である。 実施の形態6にかかるレーザ剥離装置において、チャンバの内部の空気の流れを例示した図である。 (a)及び(b)は、実施の形態6に係るレーザ剥離装置において、チャンバの空気の流れを例示した図であり、(a)は、給気量を排気量よりも大きくした場合を示し、(b)は、給気量を排気量よりも小さくした場合を示す。
<有機ELディスプレイ>
まず、図1Aを用いて有機EL(Electroluminescence)ディスプレイの構造について説明する。図1Aは、有機ELディスプレイの一例を示す断面図である。図1Aに示す有機ELディスプレイ300は、各画素PXにTFTが配置されたアクティブマトリクス型の表示装置である。
有機ELディスプレイ300は、基板218、剥離層212、TFT(Thin Film Transistor)層311、有機層312、カラーフィルタ層313、及び保護層214を備えている。図1Aでは、保護層214側が視認側となるトップエミッション方式の有機ELディスプレイを示している。なお、以下の説明は、有機ELディスプレイの一構成例を示すものであり、本実施の形態は、以下に説明される構成に限られるものではない。例えば、本実施の形態では、ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイに用いられてもよい。
基板218は、プラスチックフィルムであり、応力を加えることにより曲げることができるフィルムである。基板218の上には、剥離層212、TFT層311が設けられている。TFT層311は、各画素PXに配置されたTFT311aを有している。さらに、TFT層311は、TFT311aに接続される配線(不図示)等を有している。TFT311a、及び配線等が画素回路を構成する。
TFT層311の上には、有機層312が設けられている。有機層312は、画素PXごとに配置された有機EL発光素子312aを有している。有機EL発光素子312aは、例えば、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、及び陰極が積層された積層構造を有している。トップエミッション方式の場合、陽極は金属電極であり、陰極はITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜である。さらに、有機層312には、画素PX間において、有機EL発光素子312aを分離するための隔壁312bが設けられている。
有機層312の上には、カラーフィルタ層313が設けられている。カラーフィルタ層313は、カラー表示を行うためのカラーフィルタ313aが設けられている。すなわち、各画素PXには、R(赤色)、G(緑色)、又はB(青色)に着色された樹脂層がカラーフィルタ313aとして設けられている。有機層312から放出された白色光は、カラーフィルタ313aを通過すると、RGBの色の光に変換される。なお、有機層312に、RGBの各色を発光する有機EL発光素子が設けられている3色方式の場合、カラーフィルタ層313を省略してもよい。
カラーフィルタ層313の上には、保護層214が設けられている。保護層214は、樹脂材料で構成されており、有機層312の有機EL発光素子の劣化を防ぐために設けられている。
有機層312の有機EL発光素子312aに流れる電流は、画素回路に供給される表示信号によって変化する。よって、表示画像に応じた表示信号を各画素PXに供給することで、各画素PXでの発光量を制御することができる。これにより、所望の画像を表示することができる。
<有機ELディスプレイの製造工程>
次に、図1Bを用いて上記で説明した有機ELディスプレイの製造工程について説明する。有機ELディスプレイを製造する際は、まず基板211を準備する(工程A)。例えば、基板211にはレーザ光を透過するガラス基板を用いる。次に、基板211の上に剥離層212を形成する(工程B)。剥離層212には、例えばポリイミドを用いることができる。その後、剥離層212の上に回路素子213を形成する(工程C)。ここで、回路素子213は、図1Aに示すTFT層311、有機層312、カラーフィルタ層313を含む。回路素子213は、フォトリソグラフィ技術や成膜技術を用いて形成することができる。その後、回路素子213の上に、回路素子213を保護するための保護層214を形成する(工程D)。
次に、基板211が上になるように基板211を反転させ(工程E)、基板211側から剥離層212にレーザ光216を照射する(工程F)。レーザ光216にはラインビームを用いることができる。図1Bに示す場合は、基板211をx方向に搬送しているので、基板211の右側から左側に向かってレーザ光216が照射される。その後、基板211と剥離層212とを分離する(工程G)。最後にフィルム218を剥離層212に積層する。例えば、フィルム218はプラスチックフィルムであり、応力を加えることにより曲げることができるフィルムである。このような製造工程を用いることで、折り曲げ可能な有機ELディスプレイ300を作製することができる。
<レーザ剥離装置(比較例)>
次に、工程Fで用いられるレーザ剥離装置(比較例)について具体的に説明する。図2は、レーザ剥離装置(レーザリフトオフ装置)を説明するための断面図である。図2に示すように、レーザ剥離装置201は、光学系220とステージ221とを備える。光学系220には、レーザ光源(不図示)からレーザ光が供給される。レーザ光源には、例えばエキシマレーザや紫外(UV)レーザを発生させるレーザ発生装置を用いることができる。光学系220は複数のレンズを用いて構成されている。光学系220は、レーザ光源から供給されたレーザ光の形状をライン状、具体的には焦点がy軸方向に伸びるレーザ光216とする。
ステージ221は、ステージ221上に配置されたワーク210を搬送方向(x軸方向)に搬送可能に構成されている。ここで、ワーク210は少なくとも基板211と剥離層212とを備える。なお、剥離層212の上に形成されている回路素子等は図示を省略している。ワーク210は、基板211側から基板211と剥離層212との界面にレーザ光216が照射されるように、基板211が上側になるようにステージ221上に配置されている。また、ステージ221は、レーザ光216の焦点が基板211と剥離層212との界面に合うように上下方向(z軸に沿った方向)に移動可能に構成されている。
図2に示すように、レーザ光216を照射しながら、ステージ221を搬送方向(x軸方向)に移動させてワーク210を搬送方向に搬送することで、ワーク210上においてレーザ光216を走査することができる。このとき、レーザ光216が照射されることで、基板211と剥離層212との界面付近において原子・分子の結合が分解するため、図3に示すように、基板211と剥離層212との界面から煤状の煙219が発生する。この煤状の煙219は、ワーク210の端面217から大気中に放出される。この煤状の煙219は剥離層212の分解生成物である。この煤状の煙219は、図4に示すように基板211の表面に堆積して粉塵(パーティクル)231となる。
そして、この粉塵231が基板211の表面に堆積した状態でレーザ光216を走査すると、図5に示すように、レーザ光216が粉塵231によって遮られ、剥離層212にレーザ光216が届かない部分であるダークスポット(ダークムラ)232が発生する。このレーザ光216が届かないダークスポット232では、基板211と剥離層212とが付着した状態となっている。このため、図6に示すように、基板211と剥離層212とを剥離する際、ダークスポット232と対応する部分において、基板211と剥離層212とが分離されない部分が発生する。この状態で基板211と剥離層212とを無理に分離すると、剥離層212の表面が凹凸状になり、剥離層212の表面の平滑性にムラが生じる。換言すると剥離層212の厚さにムラが生じる。よって、基板211と剥離層212とを均一に分離することができないという問題があった。特に有機ELディスプレイの製造工程においてレーザ剥離装置を用いた場合、基板211と剥離層212とが均一に分離されないと、有機ELディスプレイの表示画面にムラが生じる。
このような問題を解決するために、以下で説明する実施の形態1乃至4にかかるレーザ剥離装置は、基板上の粉塵を除去するための機構を備える。以下、具体的に説明する。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。図7~図9はそれぞれ、実施の形態1にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図、平面図、及び下面図である。図7に示すようにレーザ剥離装置1は、光学系20、ステージ21、噴射ユニット22、及び集塵ユニット23を備える。本実施の形態にかかるレーザ剥離装置1は、基板11と当該基板11上に形成された剥離層12とを少なくとも備えるワーク10に対して、ワーク10を搬送しながら、基板11側から基板11と剥離層12との界面にレーザ光16を照射して剥離層12を基板11から剥離する装置である。レーザ剥離装置1は、レーザ光を照射しながらワーク10を搬送する際、ワーク10上に気体を吹き付け、吹き付けられた気体を吸引して粉塵を集塵する。
光学系20には、レーザ光源(不図示)からレーザ光が供給される。レーザ光源には、例えばエキシマレーザや紫外(UV)レーザを発生させるレーザ発生装置を用いることができる。光学系20は複数のレンズを用いて構成されている。光学系20は、レーザ光源から供給されたレーザ光の形状をライン状、具体的には焦点がy軸方向に伸びるレーザ光16(図8参照)とする。
ステージ21は、ステージ21上に配置されたワーク10を搬送方向(x軸方向)に搬送可能に構成されている。ここで、ワーク10は少なくとも基板11と剥離層12とを備える。なお、剥離層12の上に形成されている回路素子等は図示を省略している(以下、同様)。ワーク10は、基板11側から基板11と剥離層12との界面にレーザ光16が照射されるように、基板11が上側になるようにステージ21上に配置されている。また、ステージ21は、レーザ光16の焦点が基板11と剥離層12との界面に合うように上下方向(z軸に沿った方向)に移動可能に構成されている。
噴射ユニット22は、ワーク10上に気体を吹き付け、ワーク10の表面に存在する粉塵(パーティクル)を吹き飛ばす。図7に示すように、噴射ユニット22は集塵ユニット23に対してワーク10の搬送方向下流側(x軸プラス側)に配置されている。噴射ユニット22は、本体部31、ノズル32、及び給気用配管33を備える。図8、図9に示すように、本体部31およびノズル32は、y軸方向(換言すると、ワーク10の表面と平行であってワーク10の搬送方向と垂直な方向)に伸びるように配置されている。
噴射ユニット22の本体部31には、給気用配管33から気体(圧縮気体)が供給される。そして、本体部31に供給された気体は、ノズル32の先端からワーク10の表面に向けて噴射される(矢印35で示す)。図7に示すように、ノイズ32の流路は狭くなっているのでノズル32は絞りとしての機能を果たす。このため、本体部31の内部の圧力が高くなり、ノズル32の先端から気体が勢いよく吹き出す。このとき、噴射ユニット22は、ワーク10の搬送方向と逆方向(x軸マイナス側)に気体を吹き付けて、ワーク10表面にワーク10の搬送方向と逆方向の層流を形成する。噴射ユニット22は、例えばステンレスなどの金属材料や樹脂材料を用いて形成することができる。また、給気用配管33から供給する気体には、圧縮された不活性ガス(窒素など)や圧縮空気等を用いることができる。
図7に示すように、集塵ユニット23は、噴射ユニット22に対してワーク10の搬送方向上流側(x軸マイナス側)に配置されており、噴射ユニット22から吹き付けられた気体35によって吹き飛ばされた粉塵を、開口部52から吸引して集塵する。集塵ユニット23は、側壁41と、側壁41の上部に設けられた上板42(図8参照)と、側壁41の下部に設けられた板状部材44、45(図9参照)と、を用いて構成されている。図8に示すように、上板42には、y軸方向に伸びる上部開口部51が形成されており、この上部開口部51は蓋体48によって蓋がされている。
図7に示すように、板状部材44と板状部材45との間には開口部52が形成されている。具体的には、図9に示すように、開口部52は、開口部52に対して搬送方向上流側に設けられたy軸方向に伸びる板状部材44と、開口部52に対して搬送方向下流側に設けられたy軸方向に伸びる板状部材45とを用いて形成されている。
図7に示すように、側壁41には排気用配管46(46a、46b)が取りけられており、排気用配管46(46a、46b)を用いて排気することで、側壁41、上板42、板状部材44、45、及び蓋体48で囲まれた空間は減圧される。これにより、開口部52から粉塵を吸引することができる。
このとき、図9に示すように、開口部52のy軸方向における長さL1が、噴射ユニット22のノズル32のy軸方向における長さL2よりも長くなるようにしてもよい。このような構成とすることで、ノズル32から吹き付けられた気体35によって吹き飛ばされた粉塵を、開口部52から確実に吸引することができる。
開口部52は、レーザ光16の照射位置と対応する位置に配置されている(図7、9参照)。また、上部開口部51はレーザ光が通過する光路と対応する位置に設けられている。また、上部開口部51はレーザ光を透過する材料で形成された蓋体48を用いて蓋がされている。例えば、蓋体48はガラスやサファイアを用いて形成することができる。図8、図9に示すように、上部開口部51および開口部52は、y軸方向に伸びるように形成されている。よって、図7に示すように、ライン状のレーザ光16は、集塵ユニット23の上部開口部51を通過した後、開口部52を通過して基板11と剥離層12との界面に到達する。集塵ユニット23の側壁41、上板42、板状部材44、45は、例えばステンレスなどの金属材料や樹脂材料を用いて形成することができる。
図10は、集塵ユニット23のワーク10近傍の拡大断面図である。図10に示すように、板状部材44、45は、板状部材45とワーク10との隙間d2が板状部材44とワーク10との隙間d1よりも広くなるように配置されている。板状部材44、45をこのような配置とすることで、板状部材45とワーク10との隙間d2における空気抵抗を低減させることができる。これにより、板状部材45とワーク10との隙間d2において気体35が流れやすくなり、集塵ユニット23の開口部52に気体35が流れやすくなる。
また、図10に示すように、板状部材44の開口部52における断面形状を、板状部材44の下面との成す角度が鋭角となるような傾斜面55を含む形状としてもよい。また、板状部材45の開口部52における断面形状を、板状部材45の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面56を含む形状としてもよい。板状部材44、45をこのような形状とすることで、集塵ユニット23の開口部52における空気抵抗を低減させることができ、気体35が開口部52を流れやすくなる。
上記で説明したように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置1は、ワーク10上に気体35を吹き付け、ワーク10の表面に存在する粉塵を吹き飛ばす噴射ユニット22と、レーザ光16の照射位置と対応する位置に開口部52を有し、吹き飛ばされた粉塵を開口部52から吸引して集塵する集塵ユニット23と、を備える。よって、レーザ剥離装置1を用いてワーク10を搬送しながらワーク10にレーザ光16を照射する際、ワーク10の表面に存在する粉塵を吹き飛ばして除去することができる。
これにより、レーザ光16が粉塵によって遮られて、剥離層12にレーザ光16が届かない部分であるダークスポットが発生することを抑制することができる。したがって、基板11と剥離層12とが分離されない部分の発生を抑制することができるので、基板11と剥離層12とを均一に分離することができる。つまり、基板11と剥離層12と分離した際に、剥離層12の表面が凹凸状になることを抑制でき、剥離層12の表面を平滑な状態にすることができる。換言すると剥離層12の厚さにムラが生じることを抑制することができる。
また、有機ELディスプレイの製造工程において本実施の形態にかかるレーザ剥離装置1を用いることで、基板11と剥離層12とを均一に分離することができ、有機ELディスプレイの表示画面でのムラの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置1では、レーザ光16の照射位置と対応する位置に開口部52を設け、この開口部52から粉塵を吸引しているので、レーザ光16の照射位置近傍の粉塵を除去することができる。特に、このような構成により、レーザ光16の光軸上に気体を流すことができるので、剥離層12にレーザ光16を照射することによって発生した煤状の煙(図3参照)を開口部52から吸引して除去することができる。よって、ワーク10上に粉塵が付着することを抑制することができる。
更に本実施の形態にかかるレーザ剥離装置1では、集塵ユニット23(開口部52)に対してワーク10の搬送方向下流側に噴射ユニット22を配置し、噴射ユニット22からワーク10の搬送方向と逆方向に気体35を吹き付けて、ワーク10表面にワーク10の搬送方向と逆方向の層流35を形成している。よって、レーザ光16がワーク10に照射される前に、ワーク10表面に存在する粉塵を除去することができる。
以上で説明した本実施の形態により、基板から剥離層を均一に分離することができるレーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機ELディスプレイの製造方法を提供することができる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図11は、実施の形態2にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図である。図11に示すようにレーザ剥離装置2は、光学系20、ステージ21、及び集塵ユニット60を備える。本実施の形態にかかるレーザ剥離装置2は、基板11と当該基板11上に形成された剥離層12とを少なくとも備えるワーク10に対して、ワーク10を搬送しながら、基板11側から基板11と剥離層12との界面にレーザ光16を照射して剥離層12を基板11から剥離する装置である。
光学系20には、レーザ光源(不図示)からレーザ光が供給される。レーザ光源には、例えばエキシマレーザや紫外(UV)レーザを発生させるレーザ発生装置を用いることができる。光学系20は複数のレンズを用いて構成されている。光学系20は、レーザ光源から供給されたレーザ光の形状をライン状、具体的には焦点がy軸方向に伸びるレーザ光16とする。
ステージ21は、ステージ21上に配置されたワーク10を搬送方向(x軸方向)に搬送可能に構成されている。ここで、ワーク10は少なくとも基板11と剥離層12とを備える。なお、剥離層12の上に形成されている回路素子等は図示を省略している。ワーク10は、基板11側から基板11と剥離層12との界面にレーザ光16が照射されるように、基板11が上側になるようにステージ21上に配置されている。また、ステージ21は、レーザ光16の焦点を基板11と剥離層12との界面に合わせるために、上下方向(z軸に沿った方向)に移動可能に構成されている。
次に、集塵ユニット60の構成について詳細に説明する。図12、図13は、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置2が備える集塵ユニット60の詳細を説明するための斜視図である。なお、図13では、集塵ユニット60の一部をxz平面で切断した断面形状も示している。
図11~図13に示すように、集塵ユニット60は、光路空間70、給気空間71、72、及び排気空間73、74を備える。
光路空間70は、レーザ光16が通過する空間であり、レーザ光16の照射位置と対応する位置に開口部78を有する。光路空間70は、光路空間70の周囲に配置された側壁61、62、81、82(図12参照)と、側壁61、62の上部を覆うように配置された蓋体68(図11参照)とを用いて構成されている。ここで、側壁61は、光路空間70に対してワーク10の搬送方向上流側(x軸マイナス側)に配置された板状部材である。側壁62は、光路空間70に対してワーク10の搬送方向下流側(x軸プラス側)に配置された板状部材である。
図12に示すように、側壁61および側壁62は、y軸方向に伸びるように配置されている。また、側壁61および側壁62のy軸方向の両端には、側壁81、82がそれぞれ配置されている。図13に示すように、開口部78はy軸方向に伸びるように配置されている。側壁61および側壁62は互いに対向するように配置されており、また、側壁81および側壁82は互いに対向するように配置されている。光路空間70は、側壁61、62、81、82で囲まれた空間である。
なお、図11に示すように、本実施の形態では、側壁61、62が光路を妨害しないように、側壁61、62が鉛直方向(z軸方向)に対して斜めになるように配置しているが、側壁61、62が光路を妨害しないようであれば側壁61、62を鉛直方向と平行になるように配置してもよい。
図11に示すように、蓋体68は上板65の上に配置されている。つまり、蓋体68を用いて光路空間70に蓋がされている。蓋体68はレーザ光を透過する材料で形成されており、例えばガラスやサファイアを用いて形成することができる。なお、図12では上板65および蓋体68の図示を省略している。また、図13では蓋体68の図示を省略している。図12に示すように、光路空間70はy軸方向に伸びるように形成されているので、y軸方向に伸びるライン状のレーザ光16を通過させることができる。よって、図11に示すように、ライン状のレーザ光16は、集塵ユニット23の光路空間70を通過した後、開口部78を通過して基板11と剥離層12との界面に到達する。
図11に示すように、側壁61、62にはそれぞれ、光路空間70に気体を供給するための給気孔75、76が形成されている。つまり、光路空間70と給気空間71は給気孔75を介して繋がっており、光路空間70には給気空間71から給気孔75を介して気体が供給される。また、光路空間70と給気空間72は給気孔76介して繋がっており、光路空間70には給気空間72から給気孔76を介して気体が供給される。図12、図13に示すように、例えば給気孔75、76はy軸方向に沿って並ぶように形成されている。
給気空間71、72は、光路空間70の外側に配置されている。具体的には、給気空間71は、光路空間70に対してワーク10の搬送方向上流側(x軸マイナス側)で、且つ排気空間73の上部に配置されている。また、給気空間72は、光路空間70に対してワーク10の搬送方向下流側(x軸プラス側)で、且つ排気空間74の上部に配置されている。図12に示すように、給気空間71、72は、集塵ユニット60のy軸方向の両端側において空間的に繋がっている。つまり、給気空間71、72は、光路空間70の外側を取り囲むように配置されている。
図12に示すように、給気空間71、72は、板状部材63、64、板状部材83、84、側壁61、62、側壁81、82、仕切り板66、67、及び上板65(図13参照)で囲まれた空間である。図12に示すように、集塵ユニット60のy軸方向のマイナス側の端部、つまり板状部材84には給気空間71、72に気体を供給するための給気ポート85が形成されている。給気ポート85には、圧縮された不活性ガス(窒素など)や圧縮空気等の正圧の気体が供給される。
図11、図13に示すように、排気空間73、74は、光路空間70の外側に配置されている。具体的には、排気空間73は、光路空間70に対してワーク10の搬送方向上流側(x軸マイナス側)で、且つ給気空間71の下部に配置されている。また、排気空間74は、光路空間70に対してワーク10の搬送方向下流側(x軸プラス側)で、且つ給気空間72の下部に配置されている。給気空間71、72の場合と同様に、排気空間73、74は集塵ユニット60のy軸方向の両端側において空間的に繋がっている。
図11~図13に示すように、排気空間73、74は、板状部材63、64、板状部材83、84、側壁61、62、側壁81、82、及び仕切り板66、67で囲まれた空間である。排気空間73、74のワーク10側は開口している。集塵ユニット60の板状部材64には、排気ポート77(77a、77b)が取り付けられており、排気ポート77(77a、77b)の先に取り付けられたファンやポンプ等を用いて排気することで、排気空間73、74の圧力が負圧となる。
集塵ユニット60が備える側壁61、62、81、82、板状部材63、64、83、84、上板65、仕切り板66、67、及び排気ポート77a、77bは、例えばステンレスなどの金属材料を用いて形成することができる。
次に、集塵ユニット60の動作について説明する。集塵ユニット60を動作させる際は、図12に示す給気ポート85から給気空間71、72に正圧の気体を供給する。また、図13に示す排気ポート77a、77bを介して排気空間73、74を排気して、排気空間73、74の圧力を負圧とする。
図11に示すように、給気空間71、72が正圧になると、給気空間71、72から光路空間70に給気孔75、76を通して気体が流れる。このとき、給気孔75、76の直径は十分に小さいため、給気空間71、72内の圧力は給気空間71、72の全域で均一な圧力となる。よって、各々の給気孔75、76から流れ出る気体の流量は略同一となる。なお、気体の流れは図11において破線の矢印で示している。図14、図16、図17においても同様である。
給気孔75、76から光路空間70に供給された気体は、側壁61、62に沿ってワーク10側に流れた後、側壁61、62の下端とワーク10との間を通過して排気空間73、74に流れる。つまり、給気孔75、76から供給された気体はダウンフローを形成し、ワーク10に衝突した後、ワーク10の搬送方向上流側と下流側とに分岐される。ワーク10の搬送方向上流側に分岐された気体は排気空間73に流れる。また、ワーク10の搬送方向下流側に分岐された気体は排気空間74に流れる。そして、排気空間73、74に流れた気体は、その後、排気ポート77(77a、77b)から排気される。
このように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置2では、集塵ユニット60の内部において上記で説明した気体の流れを作ることで、レーザ光を照射することによって発生した粉塵(図3、図4参照)を、気体の流れに沿って排気ポート77(77a、77b)から排気することができる。このとき、給気孔75、76から供給された気体はダウンフローとなってワーク10に衝突するので、ワーク10の表面に存在する粉塵を吹き飛ばすことができる。そして、この吹き飛ばされた粉塵を気体の流れに沿って排気ポート77(77a、77b)から排気することができる。
またこのとき、給気ポート85から給気空間71、72に供給する気体の量よりも、排気ポート77(77a、77b)から排気する気体の量を多くすることで、排気空間73、74における圧力を更に低くすることができる。このように、排気空間73、74における圧力を更に低くすることで、集塵ユニット60の外側から、板状部材63、64、83、84(図12参照)の下端とワーク10との間を通過して気体が流れ込むようにすることができる。よって、集塵ユニット60の内部で粉塵が浮遊しても、集塵ユニット60の外部に粉塵が出ることを抑制することができる。
上記で説明したように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置2は、レーザ光16の照射位置と対応する位置に開口部78を有し、レーザ光16が通過する光路空間70と、光路空間70の外側に配置された排気空間73、74と、を備える集塵ユニット60を有する。光路空間70の側壁61、62には、光路空間70に気体を供給するための給気孔75、76が形成されている。そして、給気孔75、76から光路空間70に供給された気体は、側壁61、62に沿ってワーク10側に流れた後、側壁61、62の下端とワーク10との間を通過して排気空間73、74に流れる。このように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置2では、集塵ユニット60を用いて、上記で説明したような気体の流れを作ることで、レーザ光16を照射することによって発生した粉塵(図3、図4参照)を、気体の流れに沿って排気することができる。
これにより、レーザ光16が粉塵によって遮られて、剥離層12にレーザ光16が届かない部分であるダークスポットが発生することを抑制することができる。したがって、基板11と剥離層12とが分離されない部分の発生を抑制することができるので、基板11と剥離層12とを均一に分離することができる。つまり、基板11と剥離層12と分離した際に、剥離層12の表面が凹凸状になることを抑制でき、剥離層12の表面を平滑な状態にすることができる。換言すると剥離層12の厚さにムラが生じることを抑制することができる。
また、給気孔75、76から供給された気体は、レーザ光16の光軸上においてダウンフローとなって側壁61、62に沿って流れるので、レーザ光を照射することによって発生した煤状の煙や粉塵(図3、図4参照)が側壁61、62や蓋体の下面に付着することを抑制することができる。
また、有機ELディスプレイの製造工程において本実施の形態にかかるレーザ剥離装置2を用いることで、基板11と剥離層12とを均一に分離することができ、有機ELディスプレイの表示画面でのムラの発生を抑制することができる。
以上で説明した本実施の形態により、基板から剥離層を均一に分離することができるレーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機ELディスプレイの製造方法を提供することができる。
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。図14は、実施の形態3にかかるレーザ剥離装置を説明するための断面図である。本実施の形態にかかるレーザ剥離装置3は、実施の形態2で説明したレーザ剥離装置2と比べて集塵ユニット90の底部に底板部材91~94を備える点が異なる。これ以外は実施の形態2で説明したレーザ剥離装置2と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図14、図15に示すように、集塵ユニット90が備える排気空間73の下部には吸気口95が形成されている。吸気口95は、y軸方向に伸びる底板部材91および底板部材92を対向させて配置することで形成することができる。底板部材91は側壁61の下部に取り付けられており、底板部材92は板状部材63の下部に取り付けられている。吸気口95は、ワーク10の表面と排気空間73との間の流路が狭くなるように形成されている。
同様に、集塵ユニット90が備える排気空間74の下部には吸気口96が形成されている。吸気口96は、y軸方向に伸びる底板部材93および底板部材94を対向させて配置することで形成することができる。底板部材93は側壁62の下部に取り付けられており、底板部材94は板状部材64の下部に取り付けられている。吸気口96は、ワーク10の表面と排気空間74との間の流路が狭くなるように形成されている。
このように、吸気口95、96を設けることで、ワーク10の表面と排気空間73、74との間の流路を狭くすることができる。これにより、排気空間73、74には圧力損失が発生する。排気空間の内部の圧力を排気空間全体において均一にすることができる。よって、ワーク10の表面から排気空間73、74の内部に気体を効率よく回収することができる。換言すると、吸気口95、96における吸引力を強くすることができるので、ワーク10の表面における気体の流速を速くすることができる。よって、粉塵を確実に吸引することができる。
このとき、底板部材91の吸気口95における断面形状を、底板部材91の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面97を含む形状としてもよい。また、底板部材93の吸気口96における断面形状を、底板部材93の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面98を含む形状としてもよい。このように傾斜面97、98を設けることで、開口部78側から吸気口95、96に向かって気体が流れやすくなる。
図16は、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置の他の構成例を示す断面図である。本実施の形態では、図16に示すレーザ剥離装置4のように、集塵ユニット100の底部に設けた底板部材101、102にそれぞれ傾斜面103、104を形成してもよい。つまり、底板部材103の吸気口95における断面形状を、底板部材101の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面103を含む形状としてもよい。また、底板部材102の吸気口96における断面形状を、底板部材102の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面104を含む形状としてもよい。このように傾斜面103、104を設けることで、集塵ユニット100の外側から吸気口95、96に向かって気体が流れやすくなる。
以上で説明した本実施の形態においても、基板から剥離層を均一に分離することができるレーザ剥離装置、レーザ剥離方法、及び有機ELディスプレイの製造方法を提供することができる。
<実施の形態4>
次に、実施の形態4について説明する。図17は、実施の形態4にかかるレーザ剥離装置5を説明するための断面図である。本実施の形態にかかるレーザ剥離装置5は、実施の形態3で説明したレーザ剥離装置3(図14参照)と比べて集塵ユニット110が給気空間71、72を備えない点が異なる。これ以外は実施の形態3で説明したレーザ剥離装置3と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図17、図18に示すように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置5が備える集塵ユニット110は、光路空間70および排気空間73、74を備える。光路空間70および排気空間73、74については、実施の形態2、3で説明した場合と同様であるので説明を省略する。
本実施の形態では、集塵ユニット110の側壁61、62がそれぞれ備える給気孔75、76に配管113、114が接続されており、この配管113、114から給気孔75、76を経由して光路空間70に正圧の気体が供給される。つまり、本実施の形態では、実施の形態3で説明したレーザ剥離装置4と比べて、板状部材111、112のz軸方向における長さを短くし、且つ上板65(図14参照)を設けない構成として、給気空間71、72を省略している。また、本実施の形態では上板65を設けていないので、蓋体68を側壁61、62の上部に設けている。
このように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置5では、給気孔75、76に配管113、114を接続し、この配管113、114から光路空間70に正圧の気体を供給している。よって、給気空間71、72(図14参照)を省略することができるので、装置構成を簡略化することができる。
なお、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置5の構成、つまり給気空間71、72を省略する構成は、実施の形態2で説明したレーザ剥離装置2にも適用することができる。換言すると、図17に示す本実施の形態にかかるレーザ剥離装置5において、底板部材91~94を省略してもよい。また、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置5の構成は、図16に示した実施の形態3の他の構成例にかかるレーザ剥離装置4に適用してもよい。
<実施の形態5>(サイドフローのチャンバ装備)
次に、実施の形態5について説明する。まず、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置の構成を説明する。図19~21は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。図22は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置を説明するための側面図である。図19~図22では、内部の構造を説明するために、適宜、構成する部材を省略している。
図19~図22に示すように、本実施の形態にかかるレーザ剥離装置500は、実施の形態1~4で説明したレーザ剥離装置と比べて、チャンバ510を備えている点が異なっている。チャンバ510の内部に、実施の形態1~4で説明した集塵ユニット23、60、90、100及び110のいずれかが配置されている。また、ステージ21上に配置されたワーク10もチャンバ510の内部に配置されている。
本実施の形態では、実施形態1~4の集塵ユニットのうち、集塵ユニット60がチャンバ510の内部に配置されているとして説明する。なお、集塵ユニット60の代わりに他の集塵ユニットを用いてもよい。レーザ剥離装置500を説明するために、集塵ユニット60に適用したXYZ直交座標系を導入する。よって、ワーク10の搬送方向は、X軸方向となっている。
<チャンバの構成>
チャンバ510は、例えば、外形が直方体状であり、チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有している。チャンバ510は、下方から支持台530で支持されている。支持台530は、土台531及び複数の支柱532を有している。土台531は、床面上に平らに設置された平板状の部材であり、チャンバ510の重みを支えている。土台531から上方に延びるように設けられた複数の支柱532によって、チャンバ510は支持されている。
チャンバ510は、底面壁511及び上面壁512、前面壁513及び後面壁514、並びに、側面壁515及び516によって、例えば、直方体状に構成されている。底面壁511及び上面壁512は、Z軸方向、すなわち、上下方向で対向している。前面壁513及び後面壁514は、X軸方向、すなわち、ワーク10の搬送方向で対向している。側面壁515及び516は、Y軸方向で対向している。なお、チャンバ510の形状は、直方体状に限らない。
底面壁511は、上方から見て、例えば、長辺がX軸方向に沿い、短辺がY軸方向に沿った長方形の平板状となっている。底面壁511は、上面壁512の-Z軸方向側に配置されている。底面壁511は、板面を水平にして、複数の支柱532で支持されている。
前面壁513は、X軸方向から見て、例えば、長辺がY軸方向に沿い、短辺がZ軸方向に沿った長方形の平板状となっている。前面壁513は、後面壁514の-X軸方向側に配置され、後面壁514と対向している。したがって、前面壁513を一方の壁とすれば、後面壁514は、一方の壁に対向する他方の壁となる。また、前面壁513は、搬送方向に直交している。前面壁513には、給気ファン541及びフィルタ542が設けられている。よって、前面壁513は、給気ファン541及びフィルタ542が組み込まれたFFU(Fan Filter Unit)を構成している。
給気ファン541は、例えば、前面壁513のY軸方向における中央部に配置されている。給気ファン541は、チャンバ510の外部から、チャンバ510の内部に気体を給気する。気体は、例えば、空気である。なお、チャンバ510の外部から内部に給気される気体(給気気体ともいう。)は、空気に限らず、窒素等の不活性ガス等でもよい。以下の説明では、チャンバ510の内部へ取り込む気体を空気として説明する。給気ファン541は、チャンバ510の内部へ取り込んだ空気を+X軸方向に送風する。例えば、給気ファン541は、1個当たり、500~1500L/minの流量の空気を給気する。
フィルタ542は、例えば、前面壁513に、1個または複数個設けられている。例えば、フィルタ542は、前面壁513におけるY軸方向において、給気ファン541の両側に一つずつ、給気ファン541を挟むように合計2つ設けられている。よって、Y軸方向に離して配置されたフィルタ542の間に給気ファン541が配置されている。
後面壁514は、X軸方向から見て、例えば、長辺がY軸方向に沿い、短辺がZ軸方向に沿った長方形の平板状となっている。後面壁514には、排気ダクト用排気口543及びフィルタ542が設けられている。
排気ダクト用排気口543は、例えば、後面壁514のY軸方向における中央部に配置されている。排気ダクト用排気口543は、チャンバ510の内部からチャンバ510の外部に空気を排気する。排気ダクト用排気口543には、チャンバ510の外部から排気ダクト544が接続されている。給気ファン541によって、チャンバ510の内部に取り込まれた空気は、排気ダクト用排気口543を通って、排気ダクト544へ排気される。よって、排気ダクト用排気口543は、給気ファン541とともに配置されることにより、チャンバ510の内部に+X軸方向に沿った空気の流れを形成する。排気ダクト用排気口543に排気ファン548が設けられていてもよい。
フィルタ542は、例えば、後面壁514に、1個または複数個設けられている。例えば、フィルタ542は、後面壁514におけるY軸方向において、排気ダクト用排気口543の両側に、排気ダクト用排気口543を挟むように、一つずつ合計2つ設けられている。よって、Y軸方向に離して配置されたフィルタ542の間に排気ダクト用排気口543が配置されている。なお、フィルタ542の配置個数及び配置場所は、適宜、変更してもよく、例えば、後面壁514の形状等により、後面壁514に設けるフィルタ542の数を変更してもよい。
側面壁515及び516は、Y軸方向から見て、例えば、長辺がX軸方向に沿い、短辺がZ軸方向に沿った長方形の平板状となっている。側面壁515は、側面壁516の-Y軸方向側に配置されている。側面壁515には、ワーク10を出し入れすることができるワーク出入口515aが形成されている。ワーク出入口515aは、レーザ照射時は密閉されている。
上面壁512は、上方から見て、例えば、長辺がX軸方向に沿い、短辺がY軸方向に沿った長方形の平板状となっている。上面壁512には、開口部545が設けられている。開口部545は、集塵ユニット60の光路空間70につながっている。上面壁512上に光学系20を配置したときに、開口部545から集塵ユニット60の内部にレーザ光16を入射する(図11参照)。これにより、レーザ光16は、光路空間70を通ってワーク10を照射する。
<チャンバの内部の部材>
チャンバ510の内部には、ステージ21及び集塵ユニット60が配置される。ステージ21は、底面壁511上に配置された走査装置551上に配置される。ステージ21上にワーク10を配置する。ステージ21に配置されたワーク10は、走査装置551上に配置されることにより、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能である。
図23は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500において、チャンバ510の内部におけるワーク10の移動を例示した図である。図23に示すように、ステージ21上に配置されたワーク10は、例えば、ワーク出入口515aの近傍から、搬送方向となるX軸に沿って移動する。このときに、ワーク10はレーザ照射される。ワーク10を搬送方向に移動させながらレーザ照射することをスキャンともいう。ワーク10は、一度スキャンされた後で、+Y軸方向にずらしてスキャン開始位置に戻り、再びスキャンされてもよい。
図20~22に示すように、集塵ユニット60は、例えば、上面壁512の下方に配置される。集塵ユニット60の光路空間70が上面壁512の開口部545の直下に配置されるように、集塵ユニット60を配置する。集塵ユニット60には、給気ポート85が設けられている。例えば、給気ポート85は、集塵ユニット60の-Y軸方向側に設けられている。給気ポート85には、給気配管521が接続されている。給気配管521は、給気ポート85から-Y軸方向に延びて屈曲し、+X軸方向へ延びている。給気配管521は、後面壁514の手前まで+X軸方向に延び、後面壁514の手前で下方に屈曲する。そして、給気配管521は、後面壁514の下部で、チャンバ510の外部へ突き抜けている。給気配管521は、チャンバ510の外部で、チャンバ510の下方に配置された集塵ユニット用給排気ファン520に接続している。
集塵ユニット60には、排気ポート77a及び77bが設けられている。例えば、排気ポート77a及び77bは、集塵ユニット60の+X軸方向側に2つ設けられている。排気ポート77a及び77bには、排気配管522a及び522bが接続している。排気配管522a及び522bはそれぞれ、排気ポート77a及び77bから+X軸方向に延びて、後面壁514の手前で合体し、後面壁514からチャンバ510の外部へ突き抜けている。排気配管77は、チャンバ510の外部で、集塵ユニット用給排気ファン520に接続している。
集塵ユニット用給排気ファン520は、チャンバ510の下方に配置されている。集塵ユニット用給排気ファン520には、給気配管521が接続されている。集塵ユニット用給排気ファン520は、給気配管521を介して、集塵ユニット60の給気空間71及び72から光路空間70に気体を給気する。また、集塵ユニット用給排気ファン520には、排気配管522が接続している。集塵ユニット用給排気ファン520は、排気配管522を介して、集塵ユニット60の排気空間73及び74を排気する。これにより、集塵ユニット60が吸引した気体をチャンバ510の外部へ排気する。例えば、集塵ユニット用給排気ファン520は、500L/min~1500L/minの流量の空気を給排気する。
<チャンバの内部の空気の流れ>
次に、チャンバ510の内部の空気の流れを説明する。
図24は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500において、前面壁513及び後面壁におけるフィルタ542の有無と、チャンバ510の内部の前面壁513側及びステージ21上への空気の到達との関係を例示した図である。
図25は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500において、チャンバ510の前面壁513に、給気ファン541を設置し、後面壁514に排気ダクト用排気口543を設置した場合のチャンバ510の内部の空気の流れを例示した図であり、(a)は、斜視図を示し、(b)は上面図を示す。
図24におけるAの欄が、図25に示すチャンバ510の場合を示している。図24及び図25(a)及び(b)に示すように、チャンバ510の前面壁513に、給気ファン541を設置し、後面壁514に排気ダクト用排気口543を設置した場合には、給気ファン541からチャンバ510の内部に取り込まれた空気は、+X軸方向に流れ、後面壁514に近づくと、Y軸方向及びZ軸方向に拡がっている。
一方、チャンバ510の内部における前面壁513側には空気が到達していない部分がある。例えば、前面壁513側の+Y軸方向側及び-Y軸方向側の端部546には、空気が到達していない。特に、チャンバ510の内部に取り込まれた直後の、いわば、フレッシュな空気が到達していない。このように、チャンバ510の内部に空気が到達しない部分があると、パーティクル等が堆積して吹き溜まりとなり、チャンバ510の内部をクリーンに保つことができない。ステージ21へのフレッシュな空気が到達する到達時間は10秒である。
図26は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500において、チャンバ510の前面壁513に、給気ファン541を設置し、後面壁514に排気ダクト用排気口543及びフィルタ542を設置した場合のチャンバ510の内部の空気の流れを例示した図であり、(a)は、斜視図を示し、(b)は上面図を示す。
図24におけるBの欄が、図25に示すチャンバ510の場合を示している。図24及び図26(a)及び(b)に示すように、チャンバ510の前面壁513に、給気ファン541を設置し、後面壁514に排気ダクト用排気口543及びフィルタ542を設置した場合には、給気ファン541からチャンバ510の内部に取り込まれた空気は、+X軸方向に流れ、後面壁514に近づくと、Y軸方向及びZ軸方向に拡がっている。
また、チャンバ510の内部における前面壁513側にも空気が到達している。例えば、前面壁513側の+Y軸方向側及び-Y軸方向側の端部546には、後面壁514ほどでなないものの空気は到達している。よって、チャンバ510の内部をクリーンに保つことができる。ステージ21へのフレッシュな空気が到達する到達時間は50秒である。
図27は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500において、チャンバ510の前面壁513に、給気ファン541及びフィルタ542を設置し、後面壁514に排気ダクト用排気口543及びフィルタ542を設置した場合のチャンバ510の内部の空気の流れを例示した図であり、(a)は、斜視図を示し、(b)は上面図を示す。
図24におけるCの欄が、図27に示すチャンバ510の場合を示している。図24及び図27(a)及び(b)に示すように、チャンバ510の前面壁513に、給気ファン541及びフィルタ542を設置し、後面壁514に排気ダクト用排気口543及びフィルタ542を設置した場合には、給気ファン541からチャンバ510の内部に取り込まれた空気は、+X軸方向に流れ、後面壁514に近づくと、Y軸方向及びZ軸方向に拡がっている。
また、チャンバ510の内部における前面壁513側にも空気が到達している。例えば、前面壁513側の+Y軸方向側及び-Y軸方向側の端部546には、図26の場合よりも多くの空気が到達している。よって、チャンバ510の内部を十分にクリーンに保つことができる。ステージ21へのフレッシュな空気が到達する到達時間は36秒である。したがって、図26の場合よりもフレッシュな空気がステージ21に到達している。
このように、本実施形態では、チャンバ510の内部の空間に層流を形成することにより、チャンバ510の内部から発生する粉塵が、レーザ光16の照射領域に達するのを抑制することができる。また、後面壁514に、フィルタ542を設けることにより、チャンバ510の内部の前面壁513側に吹き溜まりを形成しないようにすることができる。さらに、前面壁513にもフィルタ542を設けることにより、チャンバ510の内部の前面壁513側に吹き溜まりを形成しないようにすることができるとともに、ステージ21へのフレッシュな空気の到達時間を短縮することができる。よって、ワーク10の表面に存在する粉塵を吹き飛ばし、基板から剥離層を均一に分離することができる。
フィルタ542は、空気を通過させる。フィルタ542は、チャンバ510の外部から内部へ空気を通過させてもよいし、チャンバ510の内部から外部へ空気を通過させてもよい。例えば、チャンバ510の内部におけるフィルタ542の近傍が減圧されると、フィルタ542は、チャンバ510の外部から内部へ空気を通過させる。逆に、チャンバ510の内部におけるフィルタ542の近傍の空気の圧力が増加すると、フィルタ542は、チャンバ510の内部から外部へ空気を通過させる。このように、フィルタ542は、チャンバ510の内部の圧力と、チャンバ510の外部の圧力とのバランスをとっている。チャンバ510の外部が大気圧の場合には、フィルタ542は、チャンバ510の内部の圧力と、チャンバ510の外部の大気圧とのバランスをとる。
図28は、チャンバ510の内部の圧力が、外部の圧力よりも大きくなったときのチャンバ510を例示した断面図である。図28に示すように、チャンバ510の内部の圧力が、チャンバ510の外部の圧力よりも大きくなると、チャンバ510のチャンバ壁は、外側に膨張する。そうすると、例えば、走査装置551の底面が配置された底面壁511の中央部は下方に凹む。これにより、レーザ光16を、集塵ユニット60を介して、ワーク10に照射したとき、レーザ光16の焦点がデフォーカス547することになる。よって、レーザ光16をワーク10上で焦点を合わせることができなくなる。逆に、チャンバ510の内部が減圧した時も、チャンバ壁の変形により、レーザ光16の焦点がデフォーカス547することになる。
これに対して、本実施の形態では、チャンバ510には、フィルタ542が設けられている。フィルタ542は、チャンバ510の内部の圧力が高くなると、チャンバ510の内部の空気を外部に通過させる。チャンバ510の内部の圧力が低くなると、チャンバ510の外部の空気を内部に通過させる。このようにして、フィルタ542は、チャンバ510の外部の圧力とのバランスをとることができる。
本実施形態のようなレーザ剥離装置500においては、チャンバ510に給気する給気量は、500~1500L/minとなっている。類似の装置として挙げられるエキシマレーザアニーリング装置(ELA)における流量が、50cc/min~5L/minであるのと比較すると、大きい流量となっている。本実施形態では、フィルタ542を設けているので、大きな流量の空気を給気しても内部の圧力が高くなるのを防止することができ、レーザ剥離装置500の性能を維持することができる。
<集塵ユニットの給排気量>
次に、集塵ユニット60への給気量及び集塵ユニット60からの排気量について説明する。図29は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500において、給気量に対する排気量の比と、排気配管522内のパーティクル濃度を例示したグラフである。パーティクル濃度は、粒径が0.3~1.0μm(グラフ中に丸印で示す。)のパーティクル(以下、小パーティクルという。)濃度、粒径が1.0~10μm(グラフ中に四角印で示す。)のパーティクル(以下、中パーティクルという。)濃度及び粒径が10μm以上(グラフ中に三角印で示す)のパーティクル(以下、大パーティクルという。)濃度を示している。
パーティクル濃度は、レーザ照射時に一定間隔で排気配管522a及び522b内の各パーティクルをパーティクルカウンターで測定したものである。パーティクル濃度が大きいほど、排気配管522a及び522b内に取り込まれるパーティクルが多いことを示し、したがって、ワーク10上に残存するパーティクル濃度が小さいことを示している。
図29に示すように、集塵ユニット60の給気量に対して、排気量の割合の排気量/給気量の比が1.4の場合には、排気配管722a及び722b内の小パーティクルの濃度は、100、000個/ft3程度を示し、中パーティクルの濃度は、7、000個/ft3程度を示し、大パーティクルの濃度は、30~100個/ft3程度を示している。排気量/給気量の比が1.8の場合には、排気配管722a及び722b内の小パーティクルの濃度は、100、000個/ft3程度を示し、中パーティクルの濃度は、7、000個/ft3程度を示し、大パーティクルの濃度は、100個/ft3程度を示している。このように、排気量/給気量の比が、1.4~1.8では、排気配管722a及び722b内のパーティクル濃度はほとんど変化しない。
一方、集塵ユニット60の排気量/給気量の比が3.0の場合には、排気配管722a及び722b内の小パーティクルの濃度は、300、000個/ft3程度を示し、中パーティクルの濃度は、20、000個/ft3程度を示し、大パーティクルの濃度は、100個/ft3程度を示している。このように、排気量/給気量の比が3.0の場合には、排気配管722a及び722b内のパーティクル濃度は増加している。このことは、排気量/給気量の比を3倍以上とすることにより、排気空間73、74における圧力を更に低くすることができ、気体とともに、流れ込む粉塵の量が大きくなったことを示している。
このように、光路空間に供給される気体の給気量に対して、排出空間から排出される気体の排出量の割合を、3以上とすることにより、集塵ユニット60の外部に粉塵が出ることを抑制することができ、基板から剥離層を均一に分離することができる。なお、図には示していないが、排気量/給気量の比が3より大きい場合では、パーティクル数は、3と同程度か3よりも大きくなっている。
<集塵ユニットの給排気量及びチャンバの空気の流れと、パーティクルとの関係>
本実施形態では、チャンバ510の内部の空気の流れと、集塵ユニット60における給気及び排気の経路とは、別経路となっている。本実施形態では、チャンバ510の内部の空気の流れを、給気ファン541及びフィルタ542(FFU)で制御し、集塵ユニット60における給気量及び排気量を集塵ユニット用給排気ファン520で制御している。
図30は、実施の形態5にかかるFFUの作動及び集塵ユニット60における排気量/給気量の比と、パーティクル濃度の関係を例示したグラフである。パーティクル濃度は、ダクトコレクタ近傍のパーティクル濃度をパーティクルカウンターで測定した値である。
図30に示すように、チャンバ510におけるFFUを作動させ、集塵ユニット60における排気量/給気量の比を3:1とした場合(以下、ON・ON状態という。)には、大パーティクルの濃度は、測定限界以下であり、中パーティクルの濃度は、40個/ft3程度を示し、小パーティクルの濃度は、100個/ft3程度を示している。チャンバ510におけるFFUを作動させ、集塵ユニット60に給気も排気もさせない場合(以下、ON・OFF状態という。)には、大パーティクルの濃度は、測定限界以下であり、中パーティクルの濃度は、70個/ft3程度を示し、小パーティクルの濃度は、300個/ft3程度を示している。チャンバ510におけるFFUを停止させ、集塵ユニット60における排気量/給気量の比を3:1とした場合(以下、OFF・ON状態という。)には、大パーティクルの濃度は、測定限界以下であり、中パーティクルの濃度は、400個/ft3程度を示し、小パーティクルの濃度は、2000個/ft3程度を示している。
このように、ON・ON状態とすることにより、パーティクルを抑制することができる。これに対して、OFF・ON状態であると、パーティクル濃度が、格段に大きくなる。なお、ON・OFF状態でも、OFF・ON状態よりは、パーティクル濃度を抑制することができるが、ON・ON状態に比べれば、パーティクル濃度は大きくなる。
<チャンバ及び集塵ユニットの制御>
次に、チャンバ510のFFUの作動、並びに、集塵ユニット60の給気及び排気の制御について説明する。図31は、実施の形態5にかかるFFUの作動、並びに、集塵ユニット60の給気及び排気の制御方法を例示したブロック図である。
図31に示すように、本実施の形態のレーザ剥離装置500は、FFUの作動、並びに、集塵ユニット60の給気及び排気を制御するコントローラ552を備えている。コントローラ552は、給気ファン541、排気ファン548、ワーク出入口515b、光学系20及び集塵ユニット用給排気ファン520と、信号線または無線等の情報伝達手段によって接続されている。なお、排気ダクト用排気口543に排気ファン548を設けたものとしている。
コントローラ552は、給気ファン541の作動、停止及び空気517の給気量を制御する。コントローラ552は、排気ファン548の作動、停止及び空気517の排気量を制御する。コントローラ552は、集塵ユニット用給排気ファン520の作動、停止及び空気517の給排気量を制御する。
また、コントローラ552は、ワーク出入口515bから、ワーク10の出し入れについての情報を取得する。コントローラ552は、光学系20から、レーザ照射の情報を取得する。
図32は、実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500のコントローラ552の制御を例示した図である。図31及び図32に示すように、コントローラ552は、ワーク出入口515bから、ワーク10の出し入れについての情報を取得した場合には、集塵ユニット用給排気ファン520を停止させ、チャンバ510の給気ファン541を停止させる。また、コントローラ552は、チャンバ510の排気ファン548の回転数を低下させ、排気ファン548の排気量を低下させる。
また、コントローラ552は、光学系20から、レーザ光16の照射の情報を取得した場合には、集塵ユニット用給排気ファン520を作動させ、チャンバ510の給気ファン541及び排気ファン548を作動させる。
さらに、コントローラ552は、ワーク出し入れ及びレーザ光16の照射以外の、例えば、アイドリング時等は、集塵ユニット用給排気ファン520の回転数を低下させ、チャンバ510の給気ファン541及び排気ファン548の回転数を低下させ、空気517の給気量及び排気量を低下させる。
このように、コントローラ552は、給気ファン541による給気気体の供給量、並びに、集塵ユニット用給排気ファン520の給気量及び排出量を、ワーク10のチャンバ510への出し入れ及びレーザ光16の照射に基づいて制御する。
次に、本実施の形態5にかかるレーザ剥離装置500の動作を説明する。
図22に示すように、チャンバ510の内部に配置されたステージ21上にワーク10を配置する。例えば、側面壁515に設けられたワーク出入口515aよりチャンバ510の内部にワーク10を挿入し、ステージ21上に配置する。
次に、チャンバ510の前面壁513に設けられた給気ファン541を作動させる。これにより、チャンバ510内に、+X軸方向に向かう空気の流れが形成される。また、集塵ユニット用給排気ファン520を作動させる。給気ファン541及び集塵ユニット用給排気ファン520をコントローラ552により制御させる。
次に、ステージ21上のワーク10をスキャンさせて、ワーク10にレーザ光を照射する。このようにして、レーザ剥離装置500により、ワーク10の基板から剥離層を剥離する。
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態によれば、チャンバ510の内部の空間に層流を形成することにより、チャンバ510の内部から発生する粉塵が、レーザ光16の照射領域に達するのを抑制することができる。特に、チャンバ510の内部に配置されたステージ21の走行レール、レールに組み込まれたベアリング、ケーブル、ケーブルを支持するケーブルベア(登録商標)、配線配管等から発生する粉塵をワーク10の近傍から除去することができる。
また、チャンバ510に、フィルタ542を設けることにより、チャンバ510の内部の前面壁513側に吹き溜まりを形成しないようにすることができる。また、ステージ21へのフレッシュな空気の到達時間を短縮することができる。よって、ワーク10の表面に存在する粉塵を吹き飛ばし、基板から剥離層を均一に分離することができる。さらに、フィルタ542を設けることにより、チャンバ510の外部の圧力とのバランスをとることができ、チャンバ510の変形によるレーザ光16のデフォーカスを抑制することができる。
集塵ユニット60への排気量を、給気量よりも大きくし、排気空間73、74を負圧にすることにより、集塵ユニット60の内部で粉塵が浮遊しても、集塵ユニット60の外部に粉塵が出ることを抑制することができる。さらに、給気量に対する排気量の割合を3以上とすることにより、この効果を顕著にすることができる。
チャンバ510の内部にワーク10を配置することにより、ワーク10を外気にさらすことがないので、ワーク10の表面をクリーンに保つことができる。その他の効果は、実施の形態1~4と同様であるので説明を省略する。
<実施の形態6>(ダウンフローのチャンバ装備)
次に、実施の形態6を説明する。まず、実施の形態6にかかるレーザ剥離装置を説明する。図33は、実施の形態6に係るレーザ剥離装置を説明するための斜視図である。
図33に示すように、本実施の形態6にかかるレーザ剥離装置600は、実施の形態5で説明したレーザ剥離装置500のチャンバ510と比べて、チャンバ610における給気ファン641、排気ファン648及びフィルタ642が設けられた位置が異なっている。本実施形態でも、チャンバ610の内部に集塵ユニット60が設けられているものとし、集塵ユニット60に適用したXYZ直交座標系を導入する。よって、ワーク10の搬送方向は、X軸方向となっている。
<チャンバの構成>
チャンバ610は、例えば、外形が直方体状であり、チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有している。チャンバ610は、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の長さが5.5m程度、4.5m程度及び2m程度となっている。なお、実施の形態5のチャンバ510は、チャンバ610よりも例えば、小さいものとなっている。チャンバ610は、下方から、複数の支柱632によって、支持されている。
チャンバ610は、底面壁611及び上面壁612の他、前面壁613及び後面壁614、並びに、側面壁615及び616(前面壁613及び後面壁614、側面壁615及び616は、図35参照。)によって、例えば、直方体状に構成されている。図では、前面壁613及び後面壁614、並びに、側面壁615及び616を省略している。底面壁611及び上面壁612は、Z軸方向、すなわち、上下方向で対向している。前面壁613及び後面壁614は、X軸方向、すなわち、ワーク10の搬送方向において対向し、側面壁615及び616は、Y軸方向において対向している。なお、チャンバ510の形状は、直方体状に限らない。
上面壁512は、上方から見て、例えば、長辺がX軸方向に沿い、短辺がY軸方向に沿った長方形の平板状となっている。上面壁612は、底面壁611の+Z軸方向側に配置され、底面壁611と対向している。したがって、上面壁612を一方の壁とすれば、底面壁611は一方の壁に対向する他方の壁となる。上面壁512及び底面壁511は、X軸方向及びY軸方向に平行となっている。
上面壁612には、複数の給気ファン641及び複数のフィルタ642が設けられている。よって、上面壁612は、給気ファン641及びフィルタ642が組み込まれたFFUを構成している。
ここで、上面壁612における複数の給気ファン641及び複数のフィルタ642の配置された位置を説明する。図34は、実施の形態6にかかるレーザ剥離装置600において、チャンバ610の内部におけるワーク10の移動を例示した図であり、(a)は、上面壁612に投影した図であり、(b)は、底面壁611に投影した図である。
図34(a)に示すように、上面壁612を上方から透視するように見たとき、ワーク10の搬送によって、ワーク10が可動する可動領域649は、上面壁612の中央部に重なっている。しかしながら、上面壁612の辺縁部は、可動領域649に重ならない。例えば、上面壁612におけるX軸方向の両端部の辺縁部612a及び612b、並びに、Y軸方向の両端部の辺縁部612c及び612dは、可動領域649に重なっていない。そこで、給気ファン641を、上面壁612におけるY軸方向の両端側の辺縁部612c及び612dに配置させる。例えば、辺縁部612cにX軸方向に沿って並ぶように2つの給気ファン641を配置させ、辺縁部612dにX軸方向に沿って並ぶように2つの給気ファン641を配置させる。
給気ファン641は、チャンバ610の外部から、チャンバ610の内部に気体を給気する。実施の形態5と同様に、以下の説明では、チャンバ610の内部へ取り込む気体を空気として説明する。給気ファン641は、チャンバ610の内部へ取り込んだ空気を-Z軸方向に送風する。
フィルタ642は、例えば、上面壁612に、複数個設けられている。例えば、フィルタ642は、辺縁部612cにおいて、複数の給気ファン641を挟むように、上面壁612の角部に設けられている。また、フィルタ642は、辺縁部612dにおいて、複数の給気ファン641を挟むように、上面壁612の角部に設けられている。よって、辺縁部612c及び612dにおいて、X軸方向に離して配置されたフィルタ642の間に給気ファン641が配置されている。
図33に示すように、上面壁612には、開口部645が設けられている。開口部645は、集塵ユニット60の光路空間70につながっている。開口部645は、Y軸方向に延びている。上面壁612上に光学系20を配置したときに、開口部645から集塵ユニット60の内部にレーザ光16を入射する(図11参照)。これにより、レーザ光16は、光路空間70を通ってワーク10を照射する。
図33に示すように、底面壁611は、上方から見て、例えば、長辺がX軸方向に沿い、短辺がY軸方向に沿った長方形の平板状となっている。底面壁611は、上面壁612の-Z軸方向側に配置され、上面壁612と対向している。底面壁611には、複数の排気ファン648が設けられている。
図33及び図34(b)に示すように、底面壁611を上方から透視するように見たとき、可動領域649は、底面壁611の中央部に重なっている。しかしながら、底面壁611の辺縁部は、可動領域649に重ならない。例えば、底面壁611におけるX軸方向の両端部の辺縁部611a及び611b、並びに、Y軸方向の両端部の辺縁部611c及び611dは、可動領域649に重なっていない。そこで、複数の排気ファン648を、底面壁611におけるX軸方向の両端側の辺縁部611a及び611bに配置させる。例えば、辺縁部611aにY軸方向に沿って並びように4つの排気ファン648を配置させ、辺縁部611bにY軸方向に沿って並ぶように4つの排気ファン648を配置させる。排気ファン648は、チャンバ610の内部から、チャンバ610の外部に空気を-Z軸方向に排気する。
<チャンバの内部の空気の流れ>
次に、チャンバ610の内部の空気の流れを説明する。
図35は、実施の形態6にかかるレーザ剥離装置600において、チャンバ610の内部の空気の流れを例示した図である。図35に示すように、チャンバ610の内部において、上面壁612から底面壁611に向かうダウンフローが形成されている。特に、チャンバ610の内部におけるY軸方向の両端部には、ダウンフローが形成されている。粉塵等のパーティクルは、基本的に底面壁611上に堆積する。よって、ダウンフローにすることにより、底面壁611上に堆積したパーティクルがステージ21上に巻き上がることを抑制することができる。
チャンバ610の上面壁612の全面に給気ファン641を設け、底面壁611の全面に排気ファン648を設けることにより、チャンバ610の内部を完全なダウンフローにすることができるかもしれない。しかしながら、チャンバ610の内部には、ステージ21及び走査装置等の部材が配置されるため、チャンバ610内を完全なダウンフローにすることはできない。そこで、本実施形態では、チャンバ610の内部に、ダウンフローを妨げる部材が配置されていても、粉塵の影響を抑制することができる位置に給気ファン641、フィルタ642及び排気ファン648を配置した。図35に示すような配置とすることで、チャンバ610の内部にダウンフローを形成することができ、粉塵がレーザ光16の照射領域に達することを抑制することができる。
図36(a)及び(b)は、実施の形態6に係るレーザ剥離装置600において、チャンバ610の空気の流れを例示した図であり、(a)は、給気量を排気量よりも大きくした場合を示し、(b)は、給気量を排気量よりも小さくした場合を示す。
図36(a)及び(b)に示すように、チャンバ610の内部をダウンフローとすることにより、チャンバ610の内部の全域にわたって、空気を到達させることができる。特に、図36(a)に示すように、給気量を排気量よりも大きくし、チャンバ610の内部を陽圧とすることにより、給気量を排気量よりも小さくして、チャンバ610の内部を陰圧とすることよりも、チャンバ610の内部に空気を行き渡らせることができる。
本実施形態によれば、チャンバ610の内部の空間にダウンフローを形成することにより、チャンバ610の内部から発生する粉塵が、レーザ光16の照射領域に達するのを抑制することができる。
また、ダウンフローにより、チャンバ610の内部に渡って隅々まで空気が到達している。よって、チャンバ610の内部に吹き溜まりの発生を抑制することができる。その他の動作及び効果は、実施の形態1~5と同様であるので説明を省略する。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1、2、3、4、5 レーザ剥離装置
10 ワーク
11 基板
12 剥離層
16 レーザ光
20 光学系
21 ステージ
22 噴射ユニット
23 集塵ユニット
31 本体部
32 ノズル
33 給気用配管
41 側壁
42 上板
44、45 板状部材
48 蓋体
51 上部開口部
52 開口部
60 集塵ユニット
61、62 側壁
63、64 板状部材
65 上板
66、67 仕切り板
68 蓋体
70 光路空間
71、72 給気空間
73、74 排気空間
75、76 給気孔
77、77a、77b 排気ポート
78 開口部
81、82 側壁
83、84 板状部材
85 給気ポート
90 集塵ユニット
91、92、93、94 底板部材
95 吸気口
100 集塵ユニット
101、102 底板部材
110 集塵ユニット
111、112 板状部材
113、114 配管
500 レーザ剥離装置
510 チャンバ
511 底面壁
512 上面壁
513 前面壁
514 後面壁
515 側面壁
515a ワーク出入口
516 側面壁
517 空気
520 集塵ユニット用給排気ファン
521 給気配管
522、522a、522b 排気配管
530 支持台
531 土台
532 支柱
541 給気ファン
542 フィルタ
543 排気ダクト用排気口
544 排気ダクト
545 開口部
546 端部
547 デフォーカス
548 排気ファン
551 走査装置
552 コントローラ
600 レーザ剥離装置
610 チャンバ
611 底面壁
611c、611d 辺縁部
612 上面壁
612a、612b 辺縁部
613 前面壁
614 後面壁
615 側面壁
616 側面壁
648 排気ファン
649 可動領域

Claims (27)

  1. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離装置であって、
    前記ワーク上に気体を吹き付ける噴射ユニットと、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記開口部から吸引して粉塵を集塵する集塵ユニットと、を備え、
    前記噴射ユニットは、前記集塵ユニットに対して前記ワークの搬送方向下流側に配置されており、前記ワークの搬送方向と逆方向に前記気体を吹き付けて、前記ワーク表面に前記ワークの搬送方向と逆方向の層流を形成し、
    前記噴射ユニットのノズルは、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に伸びるように配置されており、
    前記集塵ユニットの前記開口部は、前記第1の方向に伸びるように配置され、
    前記開口部は、当該開口部の前記搬送方向上流側に設けられた前記第1の方向に伸びる第1の板状部材と、前記開口部の前記搬送方向下流側に設けられた前記第1の方向に伸びる第2の板状部材とを用いて形成されており、
    前記第1及び第2の板状部材は、前記第2の板状部材と前記ワークとの隙間が前記第1の板状部材と前記ワークとの隙間よりも広くなるように配置されている、
    レーザ剥離装置。
  2. 前記噴射ユニットは、前記ワーク上に気体を吹き付けて前記ワーク表面に存在する粉塵を吹き飛ばし、
    前記集塵ユニットは、前記吹き飛ばされた粉塵を前記開口部から吸引して集塵する、
    請求項1に記載のレーザ剥離装置。
  3. 前記第1の板状部材の前記開口部における断面形状は、前記第1の板状部材の下面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の板状部材の前記開口部における断面形状は、前記第2の板状部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    請求項1または2に記載のレーザ剥離装置。
  4. 前記開口部の前記第1の方向における長さは、前記ノズルの前記第1の方向における長さよりも長い、請求項1~3のいずれか1項に記載のレーザ剥離装置。
  5. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離装置であって、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記レーザ光が通過する光路空間と、
    前記光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットを有し、
    前記光路空間は、前記開口部の周囲に配置された側壁と、前記側壁の上部を覆うように配置された前記レーザ光を透過する蓋体と、を用いて構成されており、
    前記側壁には前記光路空間に気体を供給するための給気孔が形成されており、
    前記給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記側壁に沿って前記ワーク側に流れた後、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過して前記排気空間に流れ、
    前記開口部は、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に伸びるように配置されており、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    レーザ剥離装置。
  6. 前記第1の排気空間は、前記第1の板状部材と、当該第1の板状部材に対して前記搬送方向上流側に配置された第3の板状部材とで挟まれた空間であり、
    前記第1の排気空間には更に、前記集塵ユニットの外側から前記第3の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して気体が流れ込み、
    前記第2の排気空間は、前記第2の板状部材と、当該第2の板状部材に対して前記搬送方向下流側に配置された第4の板状部材とで挟まれた空間であり、
    前記第2の排気空間には更に、前記集塵ユニットの外側から前記第4の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して気体が流れ込む、
    請求項5に記載のレーザ剥離装置。
  7. 前記第2の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第2の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第4の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第4の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    請求項5または6に記載のレーザ剥離装置。
  8. 前記集塵ユニットは、前記光路空間の外側に配置され、前記給気孔を介して前記光路空間に気体を供給する給気空間を更に有する、請求項5~7のいずれか1項に記載のレーザ剥離装置。
  9. 前記給気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側で、且つ前記第1の排気空間の上部に配置された第1の給気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側で、且つ前記第2の排気空間の上部に配置された第2の給気空間と、を備える、請求項8に記載のレーザ剥離装置。
  10. 前記給気孔には配管が接続されており、前記配管および前記給気孔を介して前記光路空間に気体が供給される、請求項5~7のいずれか1項に記載のレーザ剥離装置。
  11. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離装置であって、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記レーザ光が通過する光路空間と、前記光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットと、
    チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有し、前記ワーク及び前記集塵ユニットが前記内部に配置されたチャンバと、
    を備え、
    前記光路空間は、前記開口部の周囲に配置された側壁と、前記側壁の上部を覆うように配置された前記レーザ光を透過する蓋体と、を用いて構成されており、
    前記側壁には前記光路空間に気体を供給するための給気孔が形成されており、
    前記給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記側壁に沿って前記ワーク側に流れた後、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過して前記排気空間に流れ、
    前記開口部は、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に伸びるように配置されており、
    前記チャンバ壁は、前記搬送方向に直交する平板状の一方の壁と、前記一方の壁に対向し前記搬送方向に直交する平板状の他方の壁と、を含み、
    前記チャンバは、
    前記一方の壁に設けられ、前記チャンバの外部から前記内部に給気される給気気体を、前記内部に給気する給気ファンと、
    前記一方の壁に設けられ、前記第1の方向において前記給気ファンを挟むように設けられた複数のフィルタと、
    前記他方の壁に設けられ、前記内部から前記外部に前記給気気体を排気する排気口と、
    を有し、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    レーザ剥離装置。
  12. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離装置であって、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記レーザ光が通過する光路空間と、前記光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットと、
    チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有し、前記ワーク及び前記集塵ユニットが前記内部に配置されたチャンバと、
    を備え、
    前記光路空間は、前記開口部の周囲に配置された側壁と、前記側壁の上部を覆うように配置された前記レーザ光を透過する蓋体と、を用いて構成されており、
    前記側壁には前記光路空間に気体を供給するための給気孔が形成されており、
    前記給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記側壁に沿って前記ワーク側に流れた後、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過して前記排気空間に流れ、
    前記開口部は、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に伸びるように配置されており、
    前記チャンバ壁は、前記搬送方向及び前記第1の方向に平行な平板状の一方の壁と、前記一方の壁に対向し前記搬送方向及び前記第1の方向に平行な平板上の他方の壁と、を含み、
    前記チャンバは、
    前記一方の壁を上方から透視するように見たとき、前記ワークの搬送によって前記ワークが可動する可動領域に重ならない前記一方の壁における前記第1の方向の両端側の辺縁部である第1方向辺縁部に、前記搬送方向に沿って並ぶように設けられ、前記チャンバの外部から前記内部に給気される給気気体を、前記内部に給気する複数の給気ファンと、
    前記第1方向辺縁部において、前記複数の給気ファンを挟むように、前記一方の壁の角部に設けられた複数のフィルタと、
    前記他方の壁を上方から透視するように見たとき、前記可動領域に重ならない前記他方の壁における前記搬送方向の両端側の辺縁部である搬送方向辺縁部に、前記第1の方向に沿って並ぶように設けられ、前記内部から前記外部に前記給気気体を排気する複数の排気ファンと、
    を有し、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    レーザ剥離装置。
  13. 前記集塵ユニットに前記気体を給気するとともに、前記集塵ユニットが吸引した前記気体を前記集塵ユニットから排気する集塵ユニット用給排気ファンをさらに備え、
    前記集塵ユニット用給排気ファンは、前記チャンバの下方に配置された、
    請求項11または12に記載のレーザ剥離装置。
  14. 前記給気ファンによる前記給気気体の給気量、並びに、前記集塵ユニット用給排気ファンの給気量及び排気量を、前記ワークの前記チャンバへの出し入れ及び前記レーザ光の照射に基づいて制御するコントローラをさらに備えた、
    請求項13に記載のレーザ剥離装置。
  15. 前記光路空間に供給される前記気体の給気量に対して、前記排気空間から排気される前記気体の排気量の割合は、3以上である、
    請求項11~14のいずれか1項に記載のレーザ剥離装置。
  16. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離方法であって、
    前記剥離層に前記レーザ光を照射しながら前記ワークを搬送する際、
    前記ワークの搬送方向下流側に配置された噴射ユニットから前記ワーク上に気体を吹き付けて前記ワーク表面に存在する粉塵を吹き飛ばし、
    前記ワークの搬送方向上流側に配置された集塵ユニットを用いて、前記レーザ光の照射位置と対応する位置に配置された開口部から前記吹き飛ばされた粉塵を吸引して集塵し、
    前記噴射ユニットは、前記集塵ユニットに対して前記ワークの搬送方向下流側に配置されており、前記ワークの搬送方向と逆方向に前記気体を吹き付けて、前記ワーク表面に前記ワークの搬送方向と逆方向の層流を形成し、
    前記噴射ユニットのノズルは、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に伸びるように配置されており、
    前記集塵ユニットの前記開口部は、前記第1の方向に伸びるように配置され、
    前記開口部は、当該開口部の前記搬送方向上流側に設けられた前記第1の方向に伸びる第1の板状部材と、前記開口部の前記搬送方向下流側に設けられた前記第1の方向に伸びる第2の板状部材とを用いて形成されており、
    前記第1及び第2の板状部材は、前記第2の板状部材と前記ワークとの隙間が前記第1の板状部材と前記ワークとの隙間よりも広くなるように配置されている、
    レーザ剥離方法。
  17. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離方法であって、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記開口部の周囲に側壁が配置され、前記レーザ光が通過する光路空間と、当該光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットと、
    チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有し、前記ワーク及び前記集塵ユニットが前記内部に配置されたチャンバと、
    を用い、
    前記開口部を、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に延びるように配置し、
    前記チャンバ壁は、前記ワークの搬送方向に直交する平板状の一方の壁と、前記一方の壁に対向し前記搬送方向に直交する平板上の他方の壁と、を含み、
    前記チャンバは、
    前記一方の壁に設けられ、前記チャンバの外部から前記内部に給気される給気気体を、前記内部に給気する給気ファンと、
    前記一方の壁に設けられ、前記第1の方向において前記給気ファンを挟むように設けられた複数のフィルタと
    前記他方の壁に設けられ、前記内部から前記外部に前記給気気体を排気する排気口と、
    を有し、
    前記剥離層に前記レーザ光を照射しながら前記ワークを搬送する際、前記側壁に形成された給気孔から前記光路空間に気体を供給し、当該気体を前記側壁に沿って前記ワーク側に流して、前記ワーク上に気体を吹き付け、前記吹き付けられた気体を吸引し、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過させて前記排気空間に流して前記ワーク表面に存在する粉塵を集塵し、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    レーザ剥離方法。
  18. 基板と当該基板上に形成された剥離層とを備えるワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離するレーザ剥離方法であって、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記開口部の周囲に側壁が配置され、前記レーザ光が通過する光路空間と、当該光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットと、
    チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有し、前記ワーク及び前記集塵ユニットが前記内部に配置されたチャンバと、
    を用い、
    前記開口部を、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に延びるように配置し、
    前記チャンバ壁は、前記搬送方向及び前記第1の方向に平行な平板状の一方の壁と、前記一方の壁に対向し前記搬送方向及び前記第1の方向に平行な平板上の他方の壁と、を含み、
    前記チャンバは、
    前記一方の壁を上方から透視するように見たとき、前記ワークの搬送によって前記ワークが可動する可動領域に重ならない前記一方の壁における前記第1の方向の両端側の辺縁部である第1方向辺縁部に、前記搬送方向に沿って並ぶように設けられ、前記チャンバの外部から前記内部に給気される給気気体を、前記内部に給気する複数の給気ファンと、
    前記第1方向辺縁部において、前記複数の給気ファンを挟むように、前記一方の壁の角部に設けられた複数のフィルタと、
    前記他方の壁を上方から透視するように見たとき、前記可動領域に重ならない前記他方の壁における前記搬送方向の両端側の辺縁部である搬送方向辺縁部に、前記第1の方向に沿って並ぶように設けられ、前記内部から前記外部に前記給気気体を排気する複数の排気ファンと、
    を有し、
    前記剥離層に前記レーザ光を照射しながら前記ワークを搬送する際、前記側壁に形成された給気孔から前記光路空間に気体を供給し、当該気体を前記側壁に沿って前記ワーク側に流し、前記ワーク上に気体を吹き付け、前記吹き付けられた気体を吸引し、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過させて前記排気空間に流して前記ワーク表面に存在する粉塵を集塵し、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    レーザ剥離方法。
  19. 前記集塵ユニットに前記気体を供給するとともに、前記集塵ユニットが吸引した前記気体を前記集塵ユニットから排気する集塵ユニット用給排気ファンをさらに備え、
    前記集塵ユニット用給排気ファンを、前記チャンバの下方に配置する、
    請求項17または18に記載のレーザ剥離方法。
  20. 前記給気ファンによる前記給気気体の給気量、並びに、前記集塵ユニット用給排気ファンの給気量及び排気量を、前記ワークの前記チャンバへの出し入れ及びレーザ光の照射に基づいて制御する、
    請求項19に記載のレーザ剥離方法。
  21. 前記光路空間に供給する前記気体の給気量に対して、前記排気空間から排気される前記気体の排気量の割合を、3以上とする、
    請求項17~20のいずれか1項に記載のレーザ剥離方法。
  22. (A)基板上に剥離層を形成する工程と、
    (B)前記剥離層上に駆動素子及び有機EL素子を形成する工程と、
    (C)前記基板と前記剥離層とを分離する工程と、
    (D)前記剥離層にフィルムを積層する工程と、を含む有機ELディスプレイの製造方法であって、
    (C)前記基板と前記剥離層とを分離する工程は、前記基板と前記剥離層とを含むワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離する工程であり、
    前記剥離層に前記レーザ光を照射しながら前記ワークを搬送する際、
    前記ワークの搬送方向下流側に配置された噴射ユニットから前記ワーク上に気体を吹き付けて前記ワーク表面に存在する粉塵を吹き飛ばし、
    前記ワークの搬送方向上流側に配置された集塵ユニットを用いて、前記レーザ光の照射位置と対応する位置に配置された開口部から前記吹き飛ばされた粉塵を吸引して集塵し、
    前記噴射ユニットは、前記集塵ユニットに対して前記ワークの搬送方向下流側に配置されており、前記ワークの搬送方向と逆方向に前記気体を吹き付けて、前記ワーク表面に前記ワークの搬送方向と逆方向の層流を形成し、
    前記噴射ユニットのノズルは、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に伸びるように配置されており、
    前記集塵ユニットの前記開口部は、前記第1の方向に伸びるように配置され、
    前記開口部は、当該開口部の前記搬送方向上流側に設けられた前記第1の方向に伸びる第1の板状部材と、前記開口部の前記搬送方向下流側に設けられた前記第1の方向に伸びる第2の板状部材とを用いて形成されており、
    前記第1及び第2の板状部材は、前記第2の板状部材と前記ワークとの隙間が前記第1の板状部材と前記ワークとの隙間よりも広くなるように配置されている、
    有機ELディスプレイの製造方法。
  23. (A)基板上に剥離層を形成する工程と、
    (B)前記剥離層上に駆動素子及び有機EL素子を形成する工程と、
    (C)前記基板と前記剥離層とを分離する工程と、
    (D)前記剥離層にフィルムを積層する工程と、を含む有機ELディスプレイの製造方法であって、
    (C)前記基板と前記剥離層とを分離する工程は、前記基板と前記剥離層とを含むワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離する工程であり、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記開口部の周囲に側壁が配置され、前記レーザ光が通過する光路空間と、当該光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットと、
    チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有し、前記ワーク及び前記集塵ユニットが前記内部に配置されたチャンバと、
    を用い、
    前記開口部を、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に延びるように配置し、
    前記チャンバ壁は、前記ワークの搬送方向に直交する平板状の一方の壁と、前記一方の壁に対向し前記搬送方向に直交する平板上の他方の壁と、を含み、
    前記チャンバは、
    前記一方の壁に設けられ、前記チャンバの外部から前記内部に給気される給気気体を、前記内部に給気する給気ファンと、
    前記一方の壁に設けられ、前記第1の方向において前記給気ファンを挟むように設けられた複数のフィルタと
    前記他方の壁に設けられ、前記内部から前記外部に前記給気気体を排気する排気口と、
    を有し、
    前記剥離層に前記レーザ光を照射しながら前記ワークを搬送する際、前記側壁に形成された給気孔から前記光路空間に気体を供給し、当該気体を前記側壁に沿って前記ワーク側に流して、前記ワーク上に気体を吹き付け、前記吹き付けられた気体を吸引して、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過させて前記排気空間に流して前記ワーク表面に存在する粉塵を集塵し、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    有機ELディスプレイの製造方法。
  24. (A)基板上に剥離層を形成する工程と、
    (B)前記剥離層上に駆動素子及び有機EL素子を形成する工程と、
    (C)前記基板と前記剥離層とを分離する工程と、
    (D)前記剥離層にフィルムを積層する工程と、を含む有機ELディスプレイの製造方法であって、
    (C)前記基板と前記剥離層とを分離する工程は、前記基板と前記剥離層とを含むワークにレーザ光を照射して前記剥離層を前記基板から剥離する工程であり、
    前記レーザ光の照射位置と対応する位置に開口部を有し、前記開口部の周囲に側壁が配置され、前記レーザ光が通過する光路空間と、当該光路空間の外側に配置された排気空間と、を備える集塵ユニットと、
    チャンバ壁によって囲まれた内部に空間を有し、前記ワーク及び前記集塵ユニットが前記内部に配置されたチャンバと、
    を用い、
    前記開口部を、前記ワークの表面と平行であって前記ワークの搬送方向と垂直な第1の方向に延びるように配置し、
    前記チャンバ壁は、前記搬送方向及び前記第1の方向に平行な平板状の一方の壁と、前記一方の壁に対向し前記搬送方向及び前記第1の方向に平行な平板上の他方の壁と、を含み、
    前記チャンバは、
    前記一方の壁を上方から透視するように見たとき、前記ワークの搬送によって前記ワークが可動する可動領域に重ならない前記一方の壁における前記第1の方向の両端側の辺縁部である第1方向辺縁部に、前記搬送方向に沿って並ぶように設けられ、前記チャンバの外部から前記内部に給気される給気気体を、前記内部に給気する複数の給気ファンと、
    前記第1方向辺縁部において、前記複数の給気ファンを挟むように、前記一方の壁の角部に設けられた複数のフィルタと、
    前記他方の壁を上方から透視するように見たとき、前記可動領域に重ならない前記他方の壁における前記搬送方向の両端側の辺縁部である搬送方向辺縁部に、前記第1の方向に沿って並ぶように設けられ、前記内部から前記外部に前記給気気体を排気する複数の排気ファンと、
    を有し、
    前記剥離層に前記レーザ光を照射しながら前記ワークを搬送する際、前記側壁に形成された給気孔から前記光路空間に気体を供給し、当該気体を前記側壁に沿って前記ワーク側に流して、前記ワーク上に気体を吹き付け、前記吹き付けられた気体を吸引して、前記側壁の下端と前記ワークとの間を通過させて前記排気空間に流して前記ワーク表面に存在する粉塵を集塵し、
    前記側壁は、前記ワークの搬送方向上流側に配置された第1の板状部材と、前記ワークの搬送方向下流側に配置された第2の板状部材と、を備え、
    前記排気空間は、前記光路空間に対して前記搬送方向上流側に配置された第1の排気空間と、前記光路空間に対して前記搬送方向下流側に配置された第2の排気空間と、を備え、
    前記第1の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第1の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第1の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第1の排気空間に流れ、
    前記第2の板状部材に形成された給気孔から前記光路空間に供給された気体は、前記第2の板状部材の表面に沿って前記ワーク側に流れた後、前記第2の板状部材の下端と前記ワークとの間を通過して前記第2の排気空間に流れ、
    前記第1の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第1の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第1の吸気口が形成されており、
    前記第2の排気空間の下部には、前記ワークの表面と前記第2の排気空間との間の流路が狭くなるように配置された第2の吸気口が形成され、
    前記第1の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第1の底板部材が設けられており、前記第1の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第2の底板部材が設けられており、
    前記第1の底板部材の前記第1の吸気口における断面形状は、前記第1の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状であり、
    前記第2の吸気口の前記搬送方向上流側には前記第1の方向に伸びる第3の底板部材が設けられており、前記第2の吸気口の前記搬送方向下流側には前記第1の方向に伸びる第4の底板部材が設けられており、
    前記第3の底板部材の前記第2の吸気口における断面形状は、前記第3の底板部材の上面との成す角度が鋭角となるような傾斜面を含む形状である、
    有機ELディスプレイの製造方法。
  25. 前記集塵ユニットに前記気体を給気するとともに、前記集塵ユニットが吸引した前記気体を前記集塵ユニットから排気する集塵ユニット用給排気ファンをさらに備え、
    前記集塵ユニット用給排気ファンを、前記チャンバの下方に配置した、
    請求項23または24に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  26. 前記給気ファンによる前記給気気体の給気量、並びに、前記集塵ユニット用給排気ファンの給気量及び排気量を、前記ワークの前記チャンバへの出し入れ及びレーザ光の照射に基づいて制御する、
    請求項25に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
  27. 前記光路空間に供給する前記気体の給気量に対して、前記排気空間から排気される前記気体の排気量の割合を、3以上とする、
    請求項23~26のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイの製造方法。
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