JPWO2023032037A5 - - Google Patents

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本発明は、半導体ウエハの処理工程などのような、製品となるワークの製造過程において、ワークを剥離するために用いられるワーク分離装置、及び、ワーク分離装置を用いたワーク分離方法に関する。
従来、この種のワーク分離装置及びワーク分離方法として、基板上に結晶層が形成されてなるワークに対し、基板を通してパルスレーザ光が照射されることにより、基板と結晶層との界面で結晶層を基板から剥離するレーザリフトオフ方法及びレーザリフトオフ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
レーザリフトオフ装置は、パルスレーザ光を発生するレーザ源と、レーザ光を所定の形状に成形するためのレーザ光学系と、ワークが載置されるワークステージと、ワークステージを搬送するコンベヤのような搬送機構と、レーザ源で発生するレーザ光の照射間隔及び搬送機構などの動作を制御する制御部を備えている。
レーザ光学系は、シリンドリカルレンズと、レーザ光をワークの方向へ反射するミラーと、レーザ光を所定の形状に成形するためのマスクと、マスクを通過したレーザ光の像をワーク上に投影する投影レンズと、を備えている。
レーザ源で発生したパルスレーザ光は、基板を通じて基板と材料層の界面に照射されることにより、材料層の基板との界面付近のGaNが分解されて、材料層が基板から剥離される。
特開2012-024783号公報
しかし、特許文献1では、レーザ光の照射による材料層(分離層)の変性に伴い、基板と材料層の界面付近においてGaNの結合が分解するため、煙状やスス状の分解生成物が発生して、ワークの端面から大気空間に放出される。その中でも軽い煙状やスス状の分解生成物は、上昇してレーザ光学系に接近し、投影レンズに付着してしまう。
投影レンズに付着した煙状やスス状の分解生成物は、レーザ照射の妨げとなるため、分離層で必要とするエネルギーに到達せず、安定した分離層の変性が得られなくなる。これにより、分離層を均一に剥離可能な程度まで変性できず、剥離ムラが発生して、その後の生産過程において異常を起こすという問題があった。
さらに、投影レンズに付着した煙状やスス状の分解生成物でエネルギーの吸収が発生し、レーザ光学系の熱量が上がり続けることで、レーザ光学系の劣化や破損の原因になるという問題もあった。
このような課題を解決するために本発明に係るワーク分離装置は、分離層を含むワークに対するレーザ光の照射により、前記分離層が変性されるワーク分離装置であって、密閉装置内の光学系配置空間に配置されて前記レーザ光を前記分離層に向けて照射する光学系と、前記光学系から前記密閉装置内の変性空間部に配置された前記ワークに向かう前記レーザ光の光路と、前記光路の途中に設けられる仕切部と、を備え、前記仕切部は、前記光学系の照射口と前記変性空間部との間に形成される気流層を有し、前記気流層は、前記光路と交差する平面上に形成されて、前記光学系配置空間を前記変性空間部と遮断することを特徴とする。
また、このような課題を解決するために本発明に係るワーク分離方法は、分離層を含むワークに対するレーザ光の照射により、前記分離層が変性されるワーク分離方法であって、密閉装置内の光学系配置空間に配置された光学系から、前記密閉装置内の変性空間部に配置された前記ワークに向かう前記レーザ光の光路の途中に仕切部を設ける仕切工程と、光学系から前記レーザ光を前記ワークの前記分離層に向けて照射するレーザ照射工程と、を含み、前記仕切工程では、レーザ照射部の照射口と前記変性空間部との間に、前記仕切部の気流層を前記光路と交差する平面上に形成して、前記気流層により前記光学系配置空間が前記変性空間部と遮断されることを特徴とする。
本発明の実施形態に係るワーク分離装置及びワーク分離方法の全体構成を示す説明図であり、仕切工程及びレーザ照射工程の縦断正面図である。 図1の(2)-(2)線に沿える横断平面図である。 図1の(3)-(3)線に沿える部分拡大横断底面図である。 仕切部の変形例を示す部分拡大横断底面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るワーク分離装置A及びワーク分離方法は、図1~図4に示すように、ワークWに対してレーザ光Lを照射することにより、ワークWに含まれる分離層Wbがレーザ光Lの吸収で剥離可能に変性(変質)されて、ワークWの分離層Wbを基板Waから剥離するレーザリフトオフ装置とレーザリフトオフ方法である。
WLP(wafer level packaging)やPLP(panel level packaging)のような半導体パッケージなどを製造することや、厚さが極めて薄い半導体ウエハ(以下「極薄ウエハ」という)の処理工程のために用いられる。
ワークWは、搬送可能な基板Waと、基板Waの一面に設けられる分離層Wbと、分離層Wbを介して基板Waに接合される支持体Wcと、を有する積層体である。さらに、ワークWは、基板Wa,分離層Wb及び支持体Wcに加え、基板Waを覆うように封止層(図示しない)が積層形成されて基板Waを気密状に保護したものであってもよい。
基板Waは、シリコンなどの材料で薄板状に形成され、回路形成処理や薄化処理などの半導体プロセスが供された回路基板を有している。
基板Waの全体形状は、矩形(長方形及び正方形を含む角が直角の四辺形)のパネル形状や、円形のウエハ形状などが含まれる。基板Waのサイズとしては、矩形の場合に一辺が500mm以上、円形の場合に直径が200mmや300mm以上など、XY方向の全体サイズが大型であるものの、Z方向の厚みを薄化したものが好ましい。
基板Waの厚みは、例えば15~3,000μmとなどに薄化された矩形や円形の基板も含まれる。特に基板Waの厚みが数十μm程度などのように極めて薄い(以下「極薄」という)パネル形状やウエハ形状の場合には、ダイシングテープなどのようなテープ状の保持用粘着シートに基板Waの全面を貼り付けてサポートすることや、ダイシングフレームなどのような四角枠状や円形枠状(リング状)の保持フレームで外周部が補強されたテープ状の保持用粘着シートに対し、基板Waを貼り付けることでサポートすることも可能である。
分離層Wbは、適度な接着力を有し且つその接着力が制御可能に変性又は変質或いは改質する材料で、基板Waと後述する支持体Wcとの間に挟み込むように積層形成される。
分離層Wbの接着力を制御する方法としては、基板Wa又は支持体Wcを介して照射されたレーザ光Lを吸収することにより、接着力を低下させるように変性(変質,改質)して、僅かな外力を受けると接着性を失い剥離するか、又は破壊し得るように変性する層である。さらに分離層Wbは、基板Waと支持体Wcの剥離後において、容易に洗浄除去できるものを用いることが好ましい。
分離層Wbの具体例として図1に示される場合には、例えばポリイミド樹脂などのような十分な接着性を有する材料からなり、分離層Wbのみで基板Waと支持体Wcとを着脱自在に接合させている。
また、分離層Wbの他の例として図示しないが、分離層Wbが必要な接着力を有していない材料からなる場合には、分離層Wbの補助材として接着層が介装され、接着層で基板Waと分離層Wbとを着脱自在に接合させるように変更可能である。
支持体Wcは、基板Waの薄化工程や各種処理工程や搬送工程などで基板Waを支持することにより、基板Waの破損や変形などが防止されるように必要な強度を有するサポート基板やキャリア基板と呼ばれるものである。このため、支持体Wcは、硬質な剛性材料で、基板Waに対応したサイズの矩形や円形に形成される。
基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方若しくは両方は、特定の波長のレーザ光Lが透過可能な透明又は半透明な剛性材料で形成される。
支持体Wcの具体例として図示例の場合には、特定波長のレーザ光Lが透過する透明又は半透明のガラス板やセラミック板やアクリル系樹脂製の板などが用いられ、厚みを例えば300~3,000μmに設定している。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係るワーク分離装置Aは、レーザ光LをワークWの分離層Wbに向けて照射するように設けられる光学系1と、光学系1からワークWに向かって設けられるレーザ光Lの光路2と、光路2の途中に設けられる仕切部3と、を主要な構成要素として備えている。
さらに、ワークWの基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方側を着脱自在に保持する保持部材4と、保持部材4の近傍に設けられる吸引機構5と、光学系1からのレーザ照射位置PをワークWの分離層Wbに対して相対的に移動させるように設けられる駆動部6と、光学系1,仕切部3,保持部材4,吸引機構5及び駆動部6などを作動制御するように設けられる制御部7と、を備えることが好ましい。
なお、レーザ光Lは、図1に示されるように通常、光学系1からワークWに対して上下方向に照射され、レーザ光Lの照射方向(光照射方向)を以下「Z方向」という。レーザ光Lの照射方向(Z方向)と交差する二方向を以下「XY方向」という。
光学系1は、レーザ発振器などのレーザ光源11と、レーザ光源11からレーザ光LをワークWに対して厚み方向(Z方向)へ向けて導くレーザ照射部12を有する。
レーザ照射部12は、光学系1で導かれたレーザ光LをワークWに沿ってXY方向へ移動させる走査(掃引)機能を有する。これにより、光学系1で導かれたレーザ光LがワークWの基板Wa又は支持体Wcを透過して分離層Wbの全面に照射される。
レーザ照射部12からワークWに向け照射するレーザ光Lとしては、基板Wa又は支持体Wcを透過し且つ分離層Wbが吸収可能な波長のレーザを用いることが好ましい。特にレーザ光Lの中でも、投影形状がライン(スリット)状のレーザ光Lよりは、高出力なレーザが容易に得られるスポット(点)状のレーザ光Lが好ましい。連続発振されるレーザ(連続波レーザ)よりは、分離層Wb内に吸収されたレーザエネルギーによる熱の影響を抑えられ、且つ高エネルギーを分離層Wb内に与えるため、パルス発振されるレーザ光(パルスレーザ光)Lが好ましい。
すなわち、レーザ照射部12には、レーザ光源11で発生されたスポット状などのレーザ光Lの光軸(主軸)L1を動かすためのレーザ掃引手段(レーザスキャナ)12aが設けられ、レーザスキャナ12aの照射口12bからレーザ光LをワークWに対してXY方向へ走査(掃引)させるように構成することが好ましい。このため、レーザスキャナ12aのみでも、ワークWの分離層Wbに対してレーザ光Lを相対的に移動させることが可能になる。
レーザ照射部12としては、図1及び図2に示されるように、レーザ光源11で発生されたスポット状のレーザ光Lの光軸L1を、ワークWに沿って動かすレーザスキャナ12aと、レーザスキャナ12aからのレーザ光Lを分離層Wbに向け導く照射口12bと、を有することが好ましい。
レーザスキャナ12aとしては、ガルバノスキャナやポリゴンスキャナなどが用いられ、レーザスキャナ12aから分離層Wbへ向かうレーザ照射方向(Z方向)と交差するXY方向のいずれか一方、又はXY方向の両方へ掃引させることが好ましい。
照射口12bは、レーザスキャナ12aからのレーザ光Lを集光するレンズなどからなり、ガルバノスキャナやポリゴンスキャナなどと組み合わせて使用されるfθレンズを用いることが好ましい。fθレンズは、レンズの中心部やその周辺部で走査速度を一定にし、且つ一つの平面上に焦点を置くことが可能になる。
さらに、照射口12bのレンズとしては、レンズ中心を通りレンズ面に垂直な光軸L1に対して主光線L2が様々な角度に配置可能な非テレセントリック系レンズや、光軸L1に対して主光線L2が平行に配置可能なテレセントリック系レンズを用いることが好ましい。
特に非テレセントリック系レンズの場合には、レーザ光Lの照射が安定するレンズ中心部(レンズ中央とその周辺部分)を主に使用し、レーザ光Lの照射が不安定なレンズ外周端部は使用しないことが好ましい。
また、ワークW(基板Wa)の全体サイズが大型の場合には、ワークW(分離層Wb)の全体を複数の照射領域Rに分割するとともに、複数の照射領域Rに対してレーザスキャナ12aからスポット状のレーザ光Lを整列照射することが好ましい。
光学系1の具体例として図1及び図2に示される場合には、先ずレーザ光源11となるレーザ発振器で発生されたレーザ光Lを、ビームエキスパンダ13に通すことでビーム径が調整される。これに続きステアリングミラーなどの反射鏡14,15でレーザ光Lの向きを変えて、レーザ照射部12となるレーザスキャナ12aに導かれる。最後にレーザスキャナ12aから超短パルスのレーザ光Lが照射口(レンズ)12bを通して、保持部材4に保持したワークWの目標位置に対し、順次照射されて掃引する。
レーザスキャナ12a及び照射口(レンズ)12bの一例として図示例の場合には、レーザスキャナ12aとしてガルバノスキャナが用いられ、レーザ光LをY方向に掃引して往復移動させている。照射口12bのレンズとしては、非テレセントリック系レンズを用いている。
また、その他の例として図示せぬが、レーザスキャナ12aとしてポリゴンスキャナを用いることや、ガルバノスキャナ及びポリゴンスキャナの組み合わせ又は複数のガルバノスキャナ若しくはそれ以外の構造のものを用いて、XY方向の両方へ掃引するなどの変更も可能である。照射口12bのレンズとしてはテレセントリック系レンズや、それ以外の構造のものを用いることも可能である。
一方、少なくともワークW,後述する保持部材4や駆動部6などは、図1に示されるように、変性空間部S1に配備される。
変性空間部S1は、チャンバーなどからなる密閉装置Bの内部空間Siに密閉して形成され、搬送ロボットなどからなる搬送手段(図示しない)によって、外部空間SоからワークWを変性空間部S1に搬入することが好ましい。
この場合には、搬入されたワークWにおいて基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方側を、保持部材4の所定位置に保持して、レーザ光Lの照射による分離層Wbの変性作業が行われる。その後に分離層Wbの変性で支持体Wcから剥離された基板Waは、搬送手段によって変性空間部S1から外部空間Sоに搬出される。
さらに、密閉装置Bの内部空間Siは、少なくとも変性空間部S1を外部空間Sоよりも陰圧に設定することが好ましい。これにより、陰圧雰囲気でレーザ光Lの照射に伴う分離層Wbの変性作業を行うことが可能になる。
ところで、ワークWの分離層Wbは、照射口(レンズ)12bからのレーザ光Lの照射による分離層Wbの変性に伴い、基板Waと分離層Wbとの界面付近において原子・分子の結合が分解するため、煙状やスス状の分解生成物Dが発生して、ワークW(基板Wa,分離層Wb)の端面Wdから変性空間部S1に放出される。
その中でも比較的に軽い煙状やスス状の分解生成物Dは、変性空間部S1を上昇して光学系1に接近し、露出した照射口(レンズ)12bなどに付着する虞がある。
照射口(レンズ)12bに付着した煙状やスス状の分解生成物Dは、分離層Wbに対するレーザ照射の妨げとなるため、分離層Wbのレーザ照射位置Pで必要とするエネルギーに到達し難くなって、安定した分離層Wbの変性が得られなくなる。
そこで、このような問題点を解決するため、図1~図4に示されるように、レーザ照射部12からワークWに至るレーザ光の光路2の途中には、仕切部3が設けられる。
仕切部3は、レーザ照射部12の照射口(レンズ)12bと、ワークWの分離層Wbが配置される変性空間部S1との間に形成される気流層3aを有する。
気流層3aは、光路2と交差する平面上に形成されて、レーザ照射部12からワークWへ向け照射されるレーザ光を透過するものの、レーザ照射部12の照射口(レンズ)12bが気流層3aで覆われて、変性空間部S1と遮断するように構成される。
これに加えて、仕切部3は、光路2においてレーザ照射部12の照射口(レンズ)12bの近傍位置に、少なくとも照射口12bを覆うように配設されて、照射口12bと気流層3aをZ方向に接近させることが好ましい。
詳しくは、仕切部3の配設位置の具体例として、照射口12bからワークWに至る光路2の全長の1/3以内に配置することが好ましい。これにより、気流層3aの範囲が狭くても照射口12bを確実に覆うことが可能になる。
また、仕切部3として密閉装置Bの内部空間Siには、図1に二点鎖線で示されるように、ワークWの分離層Wbが配置される変性空間部S1と、光学系1のレーザ光源11やレーザ照射部12などが配置される光学系配置空間S2と、に分離するための隔離部材3bを設けている。この場合には、少なくとも隔離部材3bで仕切られた変性空間部S1のみを外部空間Sоよりも陰圧に設定することが好ましい。
隔離部材3bは、レーザ照射部12の照射口(レンズ)12bからワークWに至るレーザ光の光路2を除いて密閉装置Bの内部空間Siが、変性空間部S1と光学系配置空間S2を分割させるように横設される。
図示例では、隔離部材3bを板状に構成している。
さらに、仕切部3は、図1~図3に示されるように、光路2が形成される光路空間部S3に向けて気体を吹き出す吹出口31と、吹出口31から光路空間部S3に向けて吹き出された気体を吸い込む吸込口32と、を有し、吹出口31及び吸込口32が光路2と交差する方向(XY方向)に対向して設けることが好ましい。
吹出口31は、圧縮空気やガスなどの気体を吸込口32に向けて吹き出すコンプレッサーや送風機や圧縮ポンプなどの外部空間Sоに配備された給気用駆動源(図示しない)と給気ダクト31aを介して連通している。これにより、ワークW(基板Wa,分離層Wb)の端面Wdから変性空間部S1に放出されて上昇する軽い煙状やスス状の分解生成物Dは、照射口(レンズ)12bに到達する前に光路2(光路空間部S3)から吹き飛ばされる。しかし、吹出口31のみでは、煙状やスス状の分解生成物Dを光路2から吹き飛ばす機能しか無く、吹き飛ばされた煙状やスス状の分解生成物Dが壁面などに突き当たって照射口(レンズ)12bに向け戻る可能性があるため、吸込口32を追加する。
吸込口32は、真空ポンプやバキュームポンプなどの外部空間Sоに配備された排気用駆動源(図示しない)と排気ダクト32aを介して連通している。このため、吹出口31から噴出された気体を吸込口32で吸引することにより、光路2と交差する気流層3aが形成される。
吹出口31及び吸込口32のサイズは、照射口(レンズ)12bのXY方向サイズよりも大きく設定され、少なくとも吹出口31の形状を光路2と交差する平面上で直線方向(図示例ではX方向)に幅広く形成することで、吸込口32から気体が直線方向(図示例ではY方向)に勢いよく噴出されるように構成している。
仕切部3の一例として図3に実線で示される場合には、一組(一つずつ)の吹出口31と吸込口32が、光路2を挟んでY方向へ対向するように配置され、Y方向へ流動する気流層3aを形成している。
吹出口31及び吸込口32のX方向サイズは、照射口(レンズ)12bのX方向サイズよりも若干大きく形成されている。
なお、その他の例として図示しないが、吹出口31と吸込口32をX方向などY方向以外の方向へ対向して一つずつ配置することが可能である。
さらに、仕切部3の他の例として図3に二点鎖線で示されるように、複数組(図示例では二つずつ合計四つ)の吹出口31,31′と吸込口32,32′が、Z方向に異なる複数の平面上でそれぞれ対向するように配置され、各々に形成される気流層3aの流動方向をXY方向に交差させることも可能である。
図示例では、給気ダクト31aと排気ダクト32aを仕切部3の隔離部材3bに沿って配置しているが、給気ダクト31aと排気ダクト32aの配置を図示例以外の箇所に変更することも可能である。
また、仕切部3は、図4に示されるように、光路2に形成される光路空間部S3から気体が吸気される吸気口33のみを有することも可能である。吸気口33は、光路2を中心として光路2と交差する方向(XY方向)へ挟み込むように複数設けることが好ましい。
吸気口33は、真空ポンプやバキュームポンプなどの外部空間Sоに配備された吸気用駆動源(図示しない)と吸気ダクト33aを介して連通している。このため、光路空間部S3から圧縮空気やガスなどの気体を吸気口33で吸気することにより、光路2と交差する気流層3aが形成される。
吸気口33のサイズは、照射口(レンズ)12bのXY方向サイズよりも大きく設定され、少なくとも吸気口33の形状を光路2と交差する平面上で直線方向(図示例ではX方向)に幅広く形成することで、吸気口33から気体が直線方向(図示例ではY方向)に勢いよく吸気されるように構成している。
仕切部3の変形例として図4に実線で示される場合には、一組(二つ)の吸気口33が、光路2及び光路空間部S3を挟んでY方向へ対向するように配置され、光路空間部S3からの吸気によりY方向へ流動する気流層3aを形成している。
なお、その他の例として図示しないが、吸気口33をX方向などY方向以外の方向へ対向して一組(二つ)配置することが可能である。
さらに、仕切部3の他の例として図4に二点鎖線で示されるように、複数組(図示例では二つずつ合計四つ)の吸気口33,33′が、Z方向に同一平面上又はZ方向に異なる複数の平面上でそれぞれ対向するように配置され、光路空間部S3からの吸気によりXY方向へ流動する気流層3aを形成することも可能である。
なお、その他の例として図示しないが、光路2を中心として吸気口33が環状に配置され、光路空間部S3からの吸気により、光路2を中心とした放射線状へ流動する気流層3aを形成することも可能である。
図示例では、吸気ダクト33aや吸気ダクト33a′を仕切部3の隔離部材3bに沿って配置しているが、吸気ダクト33aや吸気ダクト33a′の配置を図示例以外の箇所に変更することも可能である。
保持部材4は、金属などの剛体で歪み変形しない厚さで、ワークW(基板Wa,分離層Wb,支持体Wc)の外形寸法よりも大きい矩形又は円形の定盤などで構成される。
保持部材4においてワークWと厚み方向(Z方向)へ対向する平滑な保持面4aには、ワークWの基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方側を着脱自在に保持する保持チャック4bが設けられる。
なお、保持部材4の他の例として図示しないが、平滑な保持面4aに代えて複数の支持ピンによりワークWの全体が固定(移動不能で且つ着脱自在に保持)される構造や、ハニカムによる定盤構造も含まれる。ピンによりワークWが固定される構造の場合には、複数の支持ピンの一部又は全部の先端でワークWを吸着固定できるように構成することが好ましい。
さらに、保持部材4の保持チャック4bで保持された保持部材4の近傍には、吸引機構5を設けることが好ましい。
吸引機構5は、ワークWの端面WdとXY方向に対向して開口される吸引口51を有する。吸引口51は、真空ポンプやバキュームポンプなどの外部空間Sоに配備された吸気用駆動源(図示しない)と吸気ダクト52を介して連通している。これにより、ワークW(基板Wa,分離層Wb)の端面Wdから変性空間部S1に放出される煙状やスス状の分解生成物Dのうち、主に重い煙状やスス状の分解生成物Dなどを吸引口51で吸引して外部空間Sоに排出することが可能になる。
駆動部6は、保持部材4又はレーザ照射部12(レーザスキャナ12a)のいずれか一方か若しくは保持部材4及びレーザ照射部12(レーザスキャナ12a)の両方を移動することにより、レーザスキャナ12aから照射したレーザ光Lが、保持部材4に保持したワークWに対して、少なくともレーザスキャナ12aからのレーザ光Lの照射方向(Z方向)と交差する二方向(XY方向)へ相対的に移動するように構成した光軸相対移動機構である。
駆動部6による相対的な移動方向は、XY方向のみに限られず、必要に応じてZ方向も含まれる。
駆動部6となる光軸相対移動機構には、主に保持部材4及びワークWを動かすワーク側移動タイプと、レーザスキャナ12aを動かす光軸側移動タイプがある。
駆動部6の具体例として図1及び図2に示されるワーク側移動タイプの場合は、保持部材4に駆動部6が設けられ、駆動部6で保持部材4をX方向及びY方向やZ方向へ動かすことにより、レーザスキャナ12aからのレーザ照射位置PをXY方向やZ方向へ移動させる。この場合の駆動部6としては、XYステージやXYテーブルなどが用いられ、モータ軸などからなるX軸移動機構61及びY軸移動機構62を有している。さらに必要に応じて保持部材4をZ方向へ動かすZ軸移動機構(図示しない)を設けることが好ましい。
なお、ワーク側移動タイプの他の例として図示せぬが、駆動部6としてXYステージやXYテーブルなどに代えて、コンベアなどの搬送機構を用いることも可能である。
さらに、図1及び図2に示される場合には、レーザスキャナ12aの作動によって、分離層Wbの照射面全体よりも小さく分割された複数の照射領域Rのうち一つの照射領域R(図示例では第一照射領域R1)の全体が、多数のスポット状のレーザ光Lによる照射痕で隙間なく埋め尽くされる。その後は、駆動部6(光軸側移動タイプ)が連動して、次の照射領域R(図示例では第二照射領域R2)に対するスポット状のレーザ光Lの整列照射が同様に繰り返し行われる。最終的には複数の照射領域Rのすべてを整列照射している。
また、光軸側移動タイプの場合は、図示しないが光学系1の一部のみに駆動部6を設けて、保持部材4が動かずレーザスキャナ12aからのレーザ照射位置PをXY方向やZ方向へ移動させるように構成される。この場合の駆動部6としては、ガルバノスキャナやポリゴンスキャナなどからなるXY軸移動機構を有している。さらに必要に応じてZ方向へ相対移動させる場合には、保持部材4にZ軸移動機構を設けるか、或いはレーザスキャナ12aを駆動部6によってZ方向へ動かす。
制御部7は、光学系1のレーザ光源11やレーザ照射部12など,仕切部3の給気用駆動源や排気用駆動源又は吸気用駆動源,保持部材4の保持チャック4bの駆動源,吸引機構5の吸気用駆動源,駆動部6による光軸相対移動機構などに対して、それぞれ電気的に接続するコントローラーである。
さらに制御部7は、それ以外にもワークWを保持部材4に向けて搬入するとともに剥離後の基板Waを搬出する搬送手段,レーザ照射後の支持体Wcから剥離後の基板Waを引き離す剥離機構(図示しない),密閉装置Bの減圧用駆動源などにも電気的に接続するコントローラーでもある。
制御部7となるコントローラーは、その制御回路(図示しない)に予め設定されたプログラムに従って、予め設定されたタイミングで順次それぞれ作動制御している。すなわち制御部7は、レーザ光源11からレーザ照射位置Pに照射されるレーザ光LのON/OFF制御を始めとするワーク分離装置Aの全体的な作動制御を行うだけでなく、これに加えてレーザ光Lの各種パラメーターの設定などの各種設定も行っている。
制御部7によって光学系1のレーザ照射部12(レーザスキャナ12a)や駆動部6は、保持部材4に保持されたワークWの分離層Wbを分割した複数の照射領域Rに対して、レーザスキャナ12aからのレーザ光Lの照射を各照射領域R毎に行い、且つレーザ光Lの照射角度が支持体Wcや分離層Wbの表面と略垂直又は所定角度になるように制御している。
これに加えて制御部7となるコントローラーは、タッチパネルなどの入力手段(図示しない)や表示部(図示しない)などを有し、入力手段の操作によりレーザスキャナ12aの走査距離や、複数の照射領域Rのサイズや、複数の照射領域Rに対するレーザスキャナ12aからのレーザ光Lの照射順序などが設定可能に構成されている。
そして、制御部7の制御回路に設定されたプログラムを、ワーク分離装置Aによるワーク分離方法として説明する。
本発明の実施形態に係るワーク分離装置Aを用いたワーク分離方法は、保持部材4にワークWの基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方側を着脱自在に保持する保持工程と、レーザ光Lの光路2の途中に仕切部3を設ける仕切工程と、保持部材4に保持されたワークWの基板Wa又は支持体Wcの他方側を透して分離層Wbに向けレーザ照射部12からレーザ光Lを照射するレーザ照射工程と、を主要な工程として含んでいる。
さらに、レーザ照射工程の後工程として、保持部材4に保持されたワークWの分離層Wbに対するレーザ照射部12からのレーザ照射位置Pを相対的に移動させる相対移動工程と、保持部材4に保持されたワークWの基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方から他方を剥離する分離工程と、を含むことが好ましい。
また、分離工程の後工程として、分離層Wbから分離した基板Waに残留している分離層Wbの残渣を洗浄液で除去する洗浄工程と、洗浄工程後の基板Waをダイシングなどで切断する切り離し工程と、を含むことが好ましい。
保持工程では、搬送ロボットなどの搬送手段の作動により、分離前のワークWを保持部材4へ向けて搬入し、保持部材4の保持面4aの所定位置に対して、分離前のワークWにおいて基板Wa又は支持体Wcのいずれか一方側(図示例では基板Wa)が保持チャック4bで移動不能に保持される。
仕切工程では、仕切部3の給気用駆動源や排気用駆動源の作動により、レーザ照射部12からワークWに至るレーザ光の光路2の途中に、仕切部3の気流層3aが形成されて、照射口12b(レンズ)が変性空間部S1と遮断して保護される。
さらに、仕切工程では、気流層3aの形成と略同時に、吸気用駆動源が作動して、ワークW(基板Wa,分離層Wb)の端面Wdから変性空間部S1に放出される煙状やスス状の分解生成物Dのうち、主に重い煙状やスス状の分解生成物Dを、吸引口51から吸引して外部空間Sоに排出する。これに加えて、上昇する軽い煙状やスス状の分解生成物Dの一部までもが共に吸引口51から引き込まれることで、軽い煙状やスス状の分解生成物Dの全体量が減少する。
また、レーザ照射部12の照射口12b(レンズ)を除いた部分は、隔離部材3bによって、密閉装置Bの内部空間Siが変性空間部S1と光学系配置空間S2に分離されている。
レーザ照射工程では、気流層3aの形成状態において、光学系1のレーザ光源11及びレーザ照射部12などの作動により、レーザ光源11で発生されたレーザ光Lがレーザスキャナ12aから、保持部材4に保持されたワークWの基板Wa又は支持体Wcの他方側(図示例では支持体Wc)を透して分離層Wbに照射される。
相対移動工程では、レーザ照射部12(レーザスキャナ12a)や駆動部6の作動により、保持部材4に保持したワークWとレーザスキャナ12aとがXY方向やZ方向へ相対的に移動される。図示例では、レーザスキャナ12aや駆動部6の作動により整列照射が行われて、分離層Wbの全体が整列照射で隙間なく埋め尽くされる。
このような本発明の実施形態に係るワーク分離装置A及びワーク分離方法によると、光学系1(レーザ照射部12)からワークWに向かう光路2の途中に、仕切部3の気流層3aを設けることにより、光学系1(レーザ照射部12)の照射口12bが変性空間部S1と遮断される。
このため、分離層Wbが配置される変性空間部S1において、照射口12bから照射されたレーザ光Lによる分離層Wbの変性で煙状やスス状の分解生成物Dを発生しても、変性空間部S1から照射口12bに煙状やスス状の分解生成物Dが到達しない。
したがって、レーザ照射に伴う分離層Wbの変性で発生した煙状やスス状の分解生成物Dが照射口12bに付着することを防止することができる。
その結果、レーザ光の照射による剥離時に煙やススが投影レンズに付着する従来のものに比べ、照射口12bが気流層3aで煙状やスス状の分解生成物Dから遮断されて保護され、煙状やスス状の分解生成物Dがレーザ照射の妨げとならず、安定した分離層Wbの変性が得られる。これにより、ワークWの分離層Wbを基板Waからより安定して剥離でき、ワークWの生産過程における加工性の向上や歩留まりの向上が図れる。
さらに、投影レンズに付着した煙やススでエネルギーの吸収が発生する従来のものに比べ、照射口12bに煙状やスス状の分解生成物Dが付着しないため、光学系1の熱量が異常に上がらず、光学系1の劣化や破損を防止できる。
これに加えて、ワークWの分離層Wbが配置される変性空間部S1と、光学系1のレーザ光源11やレーザ照射部12などが配置される光学系配置空間S2と、を仕切部3の隔離部材3bで分離した場合には、変性空間部S1で発生した煙状やスス状の分解生成物Dが、レーザ照射部12などの光学系配置空間S2に入ることが無いので、レンズや光学部材の劣化を防止することができる。
特に、仕切部3は、気体を吹き出す吹出口31と、吹出口31から吹き出された気体を吸い込む吸込口32と、を有し、吹出口31及び吸込口32を光路2と交差して対向するように設けることが好ましい。
この場合には、吹出口31から吹き出された気体を吸込口32で吸い込むことにより、光路2と交差する気流層3aが形成される。
このため、レーザ光Lの照射に伴う分離層Wbの変性で発生した軽い煙状やスス状の分解生成物Dが、照射口12bに向けて移動(上昇)しても、気流層3aの流れに沿って吸込口32に向け誘導される。
これにより、軽い煙状やスス状の分解生成物Dの全部又は一部は、吸込口32に吸い込まれて、照射口12bに煙状やスス状の分解生成物Dが到達しない。
したがって、照射口12bに対する煙状やスス状の分解生成物Dの付着を簡単な構造で確実に防止することができる。
その結果、照射口12bが煙状やスス状の分解生成物Dから高精度に遮断されて、ワークWの分離層Wbを基板Waからより安定して分離でき、ワークWの生産過程における加工性の更なる向上や歩留まりの更なる向上が図れる。
さらに、煙状やスス状の分解生成物Dの付着に伴う光学系1の劣化や破損をより確実に防止できる。
また、仕切部3は、光路2が形成される光路空間部S3から気体が吸気される吸気口33を有し、吸気口33が光路2を挟んで光路2と交差する方向(XY方向)へ挟み込むように複数設けられることが好ましい。
この場合には、光路空間部S3から気体を吸気口33で吸気することにより、光路2と交差する気流層3aが形成される。
このため、レーザ光Lの照射に伴う分離層Wbの変性で発生した軽い煙状やスス状の分解生成物Dが、照射口12bに向けて移動(上昇)しても、気流層3aの流れに沿って吸気口33に向け誘導される。
これにより、軽い煙状やスス状の分解生成物Dの全部又は一部は、吸気口33に吸い込まれて、照射口12bに煙状やスス状の分解生成物Dが到達しない。
したがって、照射口12bに対する煙状やスス状の分解生成物Dの付着を簡単な構造で確実に防止することができる。
その結果、照射口12bが煙状やスス状の分解生成物Dから高精度に遮断されて、ワークWの分離層Wbを基板Waからより安定して分離でき、ワークWの生産過程における加工性の更なる向上や歩留まりの更なる向上が図れる。
さらに、煙状やスス状の分解生成物Dの付着に伴う光学系1の劣化や破損をより確実に防止できる。
さらに、仕切部3は、光路2において照射口12bの近傍位置に、少なくとも照射口12bを覆うように配置されることが好ましい。
この場合には、光路2において照射口12bの近傍位置(詳しくは照射口12bからワークWに至る光路2の全長の1/3以内)に、仕切部3の気流層3aを配置することにより、気流層3aの範囲が狭くても照射口12bを気流層3aで覆うことが可能になる。
したがって、仕切部3(吹出口31,吸込口32)の構成サイズを抑えられることができる。
その結果、装置全体をコンパクト化できて、軽量化やコストの低減が図れる。
また、ワークWの近傍に、ワークWの端面Wdと対向して開口する吸引口51を有することが好ましい。
この場合には、ワークW(基板Wa,分離層Wb)の端面Wdから変性空間部S1に放出される煙状やスス状の分解生成物Dのうち、主に重い煙状やスス状の分解生成物Dが吸引口51で吸い取られる。これに加えて、端面Wdからの放出後に上昇する軽い煙状やスス状の分解生成物Dの一部が共に吸引口51から吸い取られる。
したがって、照射口12bに向けて上昇する軽い煙状やスス状の分解生成物Dの全体量を減少させることができる。
その結果、照射口12bが煙状やスス状の分解生成物Dからより高精度で且つ確実に遮断される。
またさらに、少なくとも変性空間部S1を外部空間Sоよりも陰圧に設定することが好ましい。
この場合には、少なくとも分離層Wbが配置される変性空間部S1を外部空間Sоよりも陰圧に設定することで、レーザ光Lの照射に伴う分離層Wbの変性で発生した煙状やスス状の分解生成物Dが変性空間部S1に滞留する。
したがって、分離層Wbの変性で発生した煙状やスス状の分解生成物Dが変性空間部S1から外部空間Sоへ漏れ出ることを防止することができる。
その結果、レーザ照射に伴う分離層Wbの変性で発生した煙状やスス状の分解生成物Dが、外部空間Sоに配備される装置に悪影響を与えることがなく防止できる。
なお、前示の実施形態では、仕切部3が吹出口31と吸込口32を有し、吹出口31及び吸込口32が光路2と交差する方向(XY方向)に対向して設けられる場合を示したが、これに限定されず、仕切部3を図示例以外の構造で構成してもよい。この場合においても、前述した実施形態と同様な作用と利点が得られる。
さらに、前示の実施形態において図示例では、ワークWとしてパネル形状(正方形)のみを示したが、これに限定されず、パネル形状(正方形)のワークWに代えて、パネル形状(長方形)のワークWや、ウエハ形状(円形)のワークWに変更することも可能である。
また図示例では、駆動部6となる光軸相対移動機構により主にワークW側を移動させるワーク側移動タイプを示したが、これに限定されず、光学系1の一部のみに設けた駆動部6によりレーザ照射部12が動く光軸側移動タイプを採用してもよい。
その具体例としては、光学系1の一部としてレーザ照射部12のレーザスキャナ12a(ポリゴンスキャナやガルバノスキャナ)などをZ方向へ動かすことにより、同一の照射領域R内での照射においては、保持部材4が動かずにレーザスキャナ12aからのレーザ照射位置PをZ方向へ移動させることも可能である。
さらに、図示例では、仕切部3として密閉装置Bの内部空間Siに、ワークWの分離層Wbが配置される変性空間部S1と光学系配置空間S2とに分離する隔離部材3bを設けたが、これに限定されず、隔離部材3bを設けなくてもよい。
A ワーク分離装置 1 光学系
11 レーザ光源 12 レーザ照射部
12b 照射口(レンズ) 12a レーザスキャナ
2 光路 3 仕切部
3a 気流層 31 吹出口
32 吸込口 33 吸気口
51 吸引口 L レーザ光
S1 変性空間部 S3 光路空間部
Sо 外部空間 W ワーク
Wa 基板 Wb 分離層
Wc 支持体 Wd 端面

Claims (7)

  1. 分離層を含むワークに対するレーザ光の照射により、前記分離層が変性されるワーク分離装置であって、
    密閉装置内の光学系配置空間に配置されて前記レーザ光を前記分離層に向けて照射する光学系と、
    前記光学系から前記密閉装置内の変性空間部に配置された前記ワークに向かう前記レーザ光の光路と、
    前記光路の途中に設けられる仕切部と、を備え、
    前記仕切部は、前記光学系の照射口と前記変性空間部との間に形成される気流層を有し、
    前記気流層は、前記光路と交差する平面上に形成されて、前記光学系配置空間を前記変性空間部と遮断することを特徴とするワーク分離装置。
  2. 前記仕切部は、気体を吹き出す吹出口と、前記吹出口から吹き出された前記気体を吸い込む吸込口と、を有し、前記吹出口及び前記吸込口が前記光路と交差して対向するように設けられることを特徴とする請求項1記載のワーク分離装置。
  3. 前記仕切部は、前記光路に形成される光路空間部から気体が吸気される吸気口を有し、前記吸気口が前記光路を挟んで前記光路と交差する方向へ挟み込むように複数設けられることを特徴とする請求項1記載のワーク分離装置。
  4. 前記仕切部は、前記光路において前記照射口の近傍位置に、少なくとも前記照射口を覆うように配置されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のワーク分離装置。
  5. 前記変性空間部は、前記ワークの近傍に前記ワークの端面と対向して開口する吸引口を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のワーク分離装置。
  6. 少なくとも前記変性空間部が外部空間よりも陰圧に設定されることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のワーク分離装置。
  7. 分離層を含むワークに対するレーザ光の照射により、前記分離層が変性されるワーク分離方法であって、
    密閉装置内の光学系配置空間に配置された光学系から、前記密閉装置内の変性空間部に配置された前記ワークに向かう前記レーザ光の光路の途中に仕切部を設ける仕切工程と、
    光学系から前記レーザ光を前記ワークの前記分離層に向けて照射するレーザ照射工程と、を含み、
    前記仕切工程では、レーザ照射部の照射口と前記変性空間部との間に、前記仕切部の気流層を前記光路と交差する平面上に形成して、前記気流層により前記光学系配置空間が前記変性空間部と遮断されることを特徴とするワーク分離方法。
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