JP2008094691A - ガラスカレットの除去装置、ガラスカレットの除去方法および基板分断装置 - Google Patents
ガラスカレットの除去装置、ガラスカレットの除去方法および基板分断装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ガラス基板に付着したガラスカレットを、確実に除去することができるガラスカレットの除去装置、除去方法および基板分断装置を提供する。
【解決手段】スクライブラインLに沿ってガラス基板80をブレイクした時に発生するガラスカレットCを除去するガラスカレットの除去装置において、スクライブラインLに沿って配設され、真空吸引手段29に連なると共にガラスカレットCを吸引する吸引部11と、スクライブラインLを中心に線対称位置に配設され、エアー供給手段33に連なると共にガラス基板80に付着しているガラスカレットCを吹き払う一対の吹出し部12,12と、を備え、各吹出し部12は、供給エアーに乱流を発生させる乱流生成手段24,25を有している。
【選択図】図3
【解決手段】スクライブラインLに沿ってガラス基板80をブレイクした時に発生するガラスカレットCを除去するガラスカレットの除去装置において、スクライブラインLに沿って配設され、真空吸引手段29に連なると共にガラスカレットCを吸引する吸引部11と、スクライブラインLを中心に線対称位置に配設され、エアー供給手段33に連なると共にガラス基板80に付着しているガラスカレットCを吹き払う一対の吹出し部12,12と、を備え、各吹出し部12は、供給エアーに乱流を発生させる乱流生成手段24,25を有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、分断ラインに沿ってガラス基板を分断する基板分断装置に設けられ、分断時に発生するガラスカレットを除去するガラスカレットの除去装置、ガラスカレットの除去方法および基板分断装置に関するものである。
この種のガラスカレットの除去装置として、スクライブラインに沿ってガラス基板をブレイクしたときに、発生したガラスカレットを吸引する吸引ノズルと、スクライブラインに向かってエアーを吹き付けるブローノズルと、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。
この場合、吸引ノズルは、スクライブラインに沿ってその直上部に開口し、ブローノズルは、ガラス基板に30°の角度でエアーを吹き付けるようになっている。
特開2006−89325号公報
この場合、吸引ノズルは、スクライブラインに沿ってその直上部に開口し、ブローノズルは、ガラス基板に30°の角度でエアーを吹き付けるようになっている。
ところで、ブレイク等により発生するガラスカレットは、スクライブラインの周囲雰囲気中に舞うものの他、静電気等によりガラス基板のブレイク面に付着しているものもある。このようなガラス基板に付着しているガラスカレットは、従来の除去装置ように、単純にエアーを吹き付け且つ吸引しても、ガラス基板から剥離することなく残ってしまう問題があった。そして、ガラス基板に付着して残ったガラスカレットが、後工程等で剥がれガラス基板に付着してガラス基板を傷付けるおそれがあった。
本発明は、ガラス基板に付着した分断時のガラスカレットを、確実に除去することができるガラスカレットの除去装置、ガラスカレットの除去方法および基板分断装置を提供することを課題としている。
本発明のガラスカレットの除去装置は、分断ラインに沿ってガラス基板を分断する基板分断装置に設けられ、分断時に発生するガラスカレットを除去するガラスカレットの除去装置において、分断ラインに沿って配設され、真空吸引手段に連なると共にガラスカレットを吸引する吸引部と、分断ラインを中心に線対称位置に配設され、気体供給手段に連なると共にガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払う一対の吹出し部と、を備え、各吹出し部は、供給気体に乱流を発生させる乱流生成手段を有していることを特徴とする。
この構成によれば、分断ラインに対し線対称となるように配設された一対の吹出し部により、ガラス基板に付着しているガラスカレットが吹き払われると共に、吹き払われたガラスカレットは、吸引部により吸引される。この場合、各吹出し部から吹き出される供給気体は、乱流生成手段により乱流となってガラス基板に吹き付けられる。このため、ガラス基板に付着しているガラスカレットは、複数方向から強弱の風を受けてガラス基板から剥離し、吸引部に吸引される。このように、ガラス基板に付着しているガラスカレットに、乱流となった供給気体を吹き付けるようにしているため、ガラス基板に付着しているガラスカレットも確実に除去し回収することができる。なお、「分断」とは、スクライブ後のブレイクおよびダイシング(切断)を含む概念であり、この除去装置はブレイク装置およびダイシング装置に適用可能である。また、供給気体として、空気の他、窒素や二酸化炭素等が考えられる。
この場合、乱流生成手段は、各吹出し部の内部流路に臨ませた邪魔部材および各吹出し部の内部流路の流路壁に形成した凹凸部の、少なくとも一方により構成されていることが、好ましい。
これらの構成によれば、各吹出し部の内部流路内で、乱流を簡単に作り出すことができる。
これらの場合、各吹出し部は、分断ラインに平行に列設された複数の吹出しノズルを有していることが、好ましい。
この構成によれば、部分的な乱流を容易に作り出すことができる。
本発明の他のガラスカレットの除去装置は、分断ラインに沿ってガラス基板を分断する基板分断装置に設けられ、分断時に発生するガラスカレットを除去するガラスカレットの除去装置において、分断ラインに沿って配設され、真空吸引手段に連なると共にガラスカレットを吸引する吸引部と、分断ラインを中心に線対称位置に配設され、気体供給手段に連なると共にガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払う一対の吹出し部と、一対の吹出し部と気体供給手段とを接続する気体供給流路と、気体供給流路に介設した供給バルブと、供給バルブを制御する制御手段と、を更に備え、制御手段は、供給気体の吹出しを断続させてガラスカレットを吹き払うことを特徴とする。
この構成によれば、分断ラインに対し線対称となるように配設された一対の吹出し部により、ガラス基板に付着しているガラスカレットが吹き払われると共に、吹き払われたガラスカレットは、吸引部により吸引される。この場合、各吹出し部から吹き出される供給気体は、断続するようにしてガラス基板に吹き付けられる。このため、ガラス基板に付着しているガラスカレットは、極端な強弱の風を受け挙動してガラス基板から剥離し、吸引部に吸引される。このように、ガラス基板に付着しているガラスカレットに、強弱の供給気体を吹き付けるようにしているため、ガラス基板に付着しているガラスカレットも確実に除去し回収することができる。
この場合、気体供給流路は、一対の吹出し部に対応して一対の供給分岐流路を有し、且つ供給バルブは、一対の供給分岐流路にそれぞれ介設されており、制御手段は、一対の供給バルブを交互に開閉制御することが、好ましい。
この構成によれば、ガラス基板に付着しているガラスカレットは、極端な強弱の風を受けると共に、逆方向からの風を受けることになる。このため、ガラスカレットは、ガラス基板から容易に剥離して吸引部に吸引される。
同様に、各吹出し部は、分断ラインに平行に列設された複数の吹出しノズルを有し、気体供給流路は、複数の吹出しノズルに対応して複数の供給分岐流路を有し、且つ供給バルブは、複数の供給分岐流路にそれぞれ介設されており、制御手段は、複数の供給バルブを個別に且つ不規則に開閉制御することが、好ましい。
この構成によれば、ガラス基板に付着しているガラスカレットは、極端な強弱の風を受けると共に、多方向からの風を受けることになる。このため、ガラスカレットは、ガラス基板から容易に剥離して吸引部に吸引される。
これらの場合、ガラス基板の上側空間および下側空間のいずれか一方に、吸引部が配設され、他方に、一対の吹出し部が配設されていることが、好ましい。
この構成によれば、一対の吹出し部から吹き出された供給気体は、ブレイクされたガラス基板の間隙を通って吸引部に吸引される。このため、供給気体は風速を極端に減ずることなく、且つ発生したガラスカレットを運ぶようにして吸引部に円滑に流れる。したがって、発生したガラスカレットを確実に回収することができる。
この場合、分断ラインを挟んで吸引部に対峙し、気体供給手段に連なると共に吸引部に向かって供給気体を吹き付ける補助吹出し部を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、補助吹出し部から吸引部に向かって流れる供給気体により、周囲に随伴流が生じ、この随伴流に載せてガラスカレットを吸引部に円滑に導くことができる。
この場合、吸引部は、分断ラインに直交する方向に複数配設されていることが、好ましい。
この構成によれば、発生したガラスカレットを外部に漏らすことなく、吸引部に確実に吸引することができる。
これらの場合、一対の吹出し部は、供給気体をそれぞれ分断ラインに向かって斜めに吹き付けることが、好ましい。
この構成によれば、ガラス基板に付着しているガラスカレットを浮き上がらせるようにして剥離することができ、ガラスカレットをガラス基板から容易に剥離することができる。
これらの場合、一対の吹出し部と気体供給手段とを接続する気体供給流路に、除電のために供給気体をイオン化するイオン化手段を、更に備えることが好ましい。
同様に、除電のために分断ラインの周囲雰囲気をイオン化するイオン化手段を、更に備えることが好ましい。なお、イオン化手段として、イオナイザを用いることが好ましい。
これらの構成によれば、イオン化手段によりガラス基板の静電気を除電することができるため、静電吸着によりガラス基板に付着しているガラスカレットを、簡単に剥離して回収(吸引)することができる。
これらの場合、吸引部の両外側に配設され、分断ラインの周囲を覆う整流板を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、一対の吹出し部から吹き出された供給気体を、ガラスカレットと共に吸引部に円滑に流すことができ、ガラスカレットを外部に漏らすことなく、効率良く吸引することができる。
本発明のガラスカレットの除去方法は、分断ラインに沿ってガラス基板を分断する際に発生する、ガラスカレットの除去方法であって、分断ラインに沿って配設した吸引部からの気体吸引動作と、分断ラインを中心に線対称位置に配設した一対の吹出し部からの気体吹出し動作と、を同期させ、気体吹出し動作で、乱流となる供給気体を吹き出して、ガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払うことを特徴とする。
この構成によれば、各吹出し部から吹き出される供給気体は、乱流生成手段により乱流となってガラス基板に吹き付けられる。このため、ガラス基板に付着しているガラスカレットは、複数方向から強弱の風を受けてガラス基板から剥離し、吸引部に吸引される。このように、ガラス基板に付着しているガラスカレットに、乱流となった供給気体を吹き付けるようにしているため、ガラス基板に付着しているガラスカレットも確実に除去し回収することができる。
本発明の他のガラスカレットの除去方法は、分断ラインに沿ってガラス基板を分断する際に発生する、ガラスカレットの除去方法であって、分断ラインに沿って配設した吸引部からの気体吸引動作と、分断ラインを中心に線対称位置に配設した一対の吹出し部からの気体吹出し動作と、を同期させ、気体吹出し動作で、断続流となる供給気体を吹き出して、ガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払うことを特徴とする。
この構成によれば、各吹出し部から吹き出される供給気体は、断続するようにしてガラス基板に吹き付けられる。このため、ガラス基板に付着しているガラスカレットは、極端な強弱の風を受け挙動してガラス基板から剥離し、吸引部に吸引される。このように、ガラス基板に付着しているガラスカレットに、強弱の供給気体を吹き付けるようにしているため、ガラス基板に付着しているガラスカレットも確実に除去し回収することができる。
本発明の基板分断装置は、上記したガラスカレットの除去装置を、備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ブレイクやダイシングにより生じたガラスカレットを、確実に回収することができ、ガラスカレットによるガラス基板の損傷を防止することができる。
この場合、ガラス基板を分断するにより、前記ガラス基板からTFT液晶パネルを複数枚取りすることが、好ましい。
この構成によれば、ガラス基板の分断時にガラスカレットを確実に除去することができるため、ガラスカレットによりTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルが傷つくことがなく、TFT液晶パネルの歩留りを向上させることができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るガラスカレットの除去装置を適用した、ガラス基板のブレイク装置(基板分断装置)について説明する。このブレイク装置は、ガラス基板である円板状のODF(One Drop Filling)マザー基板を、スクライブライン(分断ライン)に沿ってマトリクス状に分割(ブレイク)し、小型のTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルを複数枚取りするものである。
図1に示すように、ODFマザー基板80は、液晶を滴下したシール材83を介して、複数のTFTを半導体技術によりマトリクス状に作りこんだ石英ガラス製の円形のTFTマザー基板81と、石英ガラス製の円形の対向マザー基板82と、を貼り合わせて構成されている。一方、スクライブラインLに沿ってODFマザー基板80から分割されたTFT液晶パネル90は、シール材83を介して、TFT基板85と対向基板86とを貼り合わせた構成を有し、全体として方形に形成されている。そして、TFT液晶パネル90の構成した端子部87にFPCが接続されるようになっている。
図2に示すように、ブレイク装置1は、4本の支持脚2と、4本の支持脚2上に固定されたメインテーブル3と、メインテーブル3の端部に回動自在に取り付けられたサブテーブル4と、メインテーブル3に対しサブテーブル4を下方に回動させるエアーシリンダ5と、を備えると共に、メインテーブル3とサブテーブル4との境界部分の直上部に配設したガラスカレットの除去装置(以下、「カレット除去装置6」)6と、これら構成装置を統括制御する制御手段7(図3参照)と、を備えている。そして、ODFマザー基板80は、スクライブラインLを上記の境界部分に位置合せして、その被ブレイク側をメインテーブル3上に、ブレイク側をサブテーブル4上にセットされるようになっている。
メインテーブル3はいわゆる吸着テーブルであり、その表面には、後述する真空吸引手段29に連なる多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。同様に、サブテーブル4は吸着テーブルであり、その表面には、真空吸引手段29に連なる多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。ODFマザー基板80は、そのスクライブラインLを両テーブル3,4の境界線に位置合せして吸着セットされ、この状態でエアーシリンダ5により、サブテーブル4を所定の角度下方に回動させることにより、ブレイクされる。実際のブレイク作業では、縦横の一方のスクライブラインLに沿って、ODFマザー基板80を短冊状にブレイクし、この短冊状の各ODFマザー基板80からTFT液晶パネル90を1つずつブレイクする。
このように、ODFマザー基板80を吸着した状態でブレイクするようにしているため、液晶ギャップが狂うことが無く且つODFマザー基板80の表裏両面が傷つくことがない。なお、スクライブラインLは、フェムト秒レーザによるODFマザー基板(TFTマザー基板81および対向マザー基板82)80の改質や、物理的な溝形成により、形成されることが好ましい。
図2および図3に示すように、カレット除去装置6は、ODFマザー基板80のブレイクにより生ずるガラスカレットCを吸引・除去するものであり、ガラスカレットC混じりの雰囲気を吸引する3つの吸引部11,11,11と、ODFマザー基板80のスクライブラインL(ブレイク位置)に向かってエアー(供給気体)を吹き付ける一対の吹出し部12,12と、エアーの流れを3つの吸引部11,11,11に導く一対の整流板13,13と、を備えている。一対の吹出し部12,12は、ODFマザー基板80の上側空間に配設され、3つの吸引部11,11,11と一対の整流板13,13とは、ODFマザー基板80の下側空間に配設されている。
3つの吸引部11,11,11は、メインテーブル3とサブテーブル4との境界線に直交する方向に並んでおり、各吸引部11は、境界線(スクライブライン)に平行に延在するスリット吸引口21を有している。この場合、各吸引部11の長さは、メインテーブル(サブテーブル4)3の幅と略同一となっており、ODFマザー基板80における最大長のスクライブラインLをスリット吸引口21によりカバーできるようになっている。
一対の吹出し部12,12は、境界線に対し線対称位置に、且つ逆「ハ」字状となる斜め内向きにそれぞれ配設されている。各吹出し部12は、境界線と平行に列設した複数の吹出しノズル23と、複数の吹出しノズル23を支持する支持部材(図示省略)と、により構成されている。各吹出しノズル23には、その内部流路の流路壁(内周面)に螺旋状の凹凸部24が形成され、且つ内部流路の先端側に臨ませて邪魔部材25が設けられている。これにより、請求項に言う乱流発生手段が構成され、吹出しノズル23から乱流となったエアーが吹き出されるようになっている。なお、スリット吸引口21を、複数の吸引口を列設した吸引口アレイで構成してもよい。また、複数の吹出しノズル23を、各吸引部11の単位で、スリット吹出し口を有する一体のノズルとしてもよい。さらに、後述する複数の個別エアー配管31の代わりに、各吸引部11の単位でマニホールドを設けるようにしてもよい。
各スリット吸引口21には個別吸引配管27がそれぞれ接続されており、3つの個別吸引配管27,27,27が合流した主吸引配管(吸引流路)28の下流側に真空吸引手段29に接続されている。同様に、各吹出しノズル23には個別エアー配管31がそれぞれ接続されており、複数の個別エアー配管31が合流した主エアー配管(気体供給流路)32の上流側にエアー供給手段33に接続されている。主吸引配管28には、エアーオペレートバルブ等で構成した吸引バルブ35が介設され、同様に主エアー配管32には、エアーオペレートバルブ等で構成した供給バルブ36が介設されている。また、主吸引配管28の下流部(真空吸引手段29の手前)には、吸引したガラスカレットCを回収するエアーフィルタ37が介設されている。さらに、主エアー配管32の下流部(分岐部手前)には、供給するエアーをイオン化するイオナイザ(イオン化手段)38が介設されている。
エアー供給手段33から供給された圧縮エアーは、イオン化され主エアー配管32および個別エアー配管31を介して各吹出しノズル23に流入し、各吹出しノズル23の先端からODFマザー基板80のスクライブラインL近傍に吹き出される。一方、ODFマザー基板80上に吹き出されたエアーは、発生したガラスカレットCと混じり、3つのスリット吸引口21,21,21から個別吸引配管27および主吸引配管28を介してフィルタリングされた後、真空吸引手段29に排気される。なお、真空吸引手段29は、工場内の真空設備や真空ポンプ等で構成され、エアー供給手段33は、工場内の圧縮エアー設備やブロワーやエアーボンベ等で構成されている。
各整流板13は、断面「L」字状に形成され、最外端の吸引部の外側位置から立ち上がりODFマザー基板80の近傍位置で屈曲して、ODFマザー基板80と平行に延在している。すなわち、一対の整流板13,13は、ODFマザー基板80との間で3つの吸引部11,11,11の上側空間を囲むように配設されている。詳細は後述するが、エアーの吹出し量より吸引量を十分に多くするように制御しているため、スクライブラインL廻りのエアーは全体として、各吸引部11に吸い込まれるが、吹出し部12のエアーの一部が乱れると、吸引部11に吸い込まれないガラスカレットCが生ずる可能性がある。この場合、3つの吸引部11,11,11の上側空間のエアーは、一対の整流板13,13に覆われて外部に漏れ難く、ガラスカレットCを伴って各吸引部11に確実に吸い込まれるようになっている。なお、一対の整流板13,13に代えて、3つの吸引部11,11,11が臨む部分を開口とした単一の整流板を用いるようにしてもよい。
ここで、上記の制御手段7によるブレイク装置1の制御方法を簡単に説明する。ODFマザー基板80をメインテーブル3およびサブテーブル4に吸着セットした状態で、先ず吸引バルブ35および供給バルブ36を開弁すると共に、イオナイザ38を駆動する。これにより、ODFマザー基板80のブレイク位置(スクライブラインL廻り)に、両吹出し部12,12からエアーが吹き出され、且つ吹き出されエアーが各吸引部11に吸い込まれて、いわゆるエアーのシートサーキットが生じた状態となる。また、このエアー(イオン化エアー)を受けてODFマザー基板80が除電された状態となる。
続いて、エアーシリンダ5が駆動しサブテーブル4を回動させて、ODFマザー基板80をブレイクする。ブレイクの瞬間に、ODFマザー基板80の分断面からガラスカレットCが発生し、ガラスカレットCは、シートサーキットのエアーに載って、ブレイクにより生じたODFマザー基板80の間隙を上から下に流れ、3つの吸引部11,11,11に吸い込まれてゆく。この場合、各吹出し部(吹出しノズル23)12,12からエアーは、乱流となっており、ブレイク後にODFマザー基板80のブレイク端面等に付着しているガラスカレットCを剥離するように作用する。また、エアー(イオン化エアー)を受けて、発生したガラスカレットCも除電され、ODFマザー基板80に付着しているガラスカレットCの剥離が促進される。したがって、発生したガラスカレットCの全てが、シートサーキットのエアーに載って、3つの吸引部11,11,11に吸い込まれてゆく。
このようにして、ガラスカレットCを回収したところで(タイマー制御)、供給バルブ36が閉弁されると共にイオナイザ38の駆動が停止し、最後に吸引バルブ35が閉弁して、ブレイク動作を終了する。なお、発生したガラスカレットCを検出する光センサを設け、この光センサの検出結果により、供給バルブ36および吸引バルブ35の閉弁やイオナイザ38の駆動停止を制御してもよい。また、制御手段7は、エアーの吹出し量と吸引量とがバランス(吹出し量より吸引量を十分に多くする)するように、開弁状態の吸引バルブ35および供給バルブ36の弁開度を制御している。
このように、各吹出しノズル23からの吹出しエアーを乱流化としているため、ODFマザー基板80に付着しているガラスカレットCも吹き上げて、各吸引部11に確実に吸引させることができる。なお、後述する第2実施形態のように、供給バルブ36を開閉制御し、吹出しエアーを断続させるようにしてもよい。
次に、図2および図4を参照して、第2実施形態に係るカレット除去装置6につき、第1実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態では、上記の境界線の直上部に、エアーを下向きに吹き出す補助吹出し部15を備えている。補助吹出し部15は、境界線(スクライブライン)に平行に延在するスリット吹出し口41を有し、スリット吹出し口41は補助エアー配管42および補助供給バルブ43を介して、上記のエアー供給手段33に接続されている。そして、補助吹出し部15の長さは、メインテーブル(サブテーブル4)3の幅と略同一となっており、ODFマザー基板80における最大長のスクライブラインLをスリット吹出し口41によりカバーできるようになっている。また、この実施形態では、第1実施形態と同様に形成された2つの吸引部11,11が設けられている。
さらに、この実施形態では、各個別エアー配管31にそれぞれ個別供給バルブ39が介設されており、制御手段7は、複数の個別供給バルブ39を個別に制御すると共に、上記の補助供給バルブ43も制御するようになっている。補助供給バルブ43を開弁した状態では、ブレイクにより生じたODFマザー基板80の間隙を、補助吹出し部15からのエアーが上から下に強制的に流れ、これにより生じた髄判流にガラスカレットCが載って、2つの吸引部11,11に吸い込まれることになる。なお、図示では省略したが、この実施形態でも、各吹出しノズル23に第1実施形態のような乱流発生手段を設けると共に一対の整流板13,13を設けることが、好ましい。さらに、ブレイクラインLの両端部位置にも、それぞれ吹出しノズル23,23を設けることが、好ましい(図5参照)。
そして、上記の制御手段7によるブレイク装置1の制御方法では、第1実施形態と同様に、ODFマザー基板80をセットした状態から、吸引バルブ35、供給バルブ36、個別供給バルブ39および補助供給バルブ43を開弁すると共に、イオナイザ38を駆動し、この状態でブレイクを行なう。また、ガラスカレットCを回収したところで、タイマー制御或いはセンサ制御(上記の光センサ)により、)、供給バルブ36、個別供給バルブ39および補助供給バルブ43が閉弁されると共にイオナイザ38の駆動が停止し、最後に吸引バルブ35が閉弁して、ブレイク動作を終了する。
ここで、上記の制御手段7によるブレイク装置1の制御方法のうち、特にガラスカレットCの除去における複数の個別供給バルブ39の制御方法について説明する。この制御手段7では、複数の吹出しノズル23からのエアーの吹出し形態(個別供給バルブ39の開閉制御)により、3つのシーケンスを有しており、ODFマザー基板80の種別等によりいずれかのシーケンスを実施し、或いはこれらシーケンスを選択的に或いは合成的して実施するようにしている。
第1のシーケンスでは、一対の吹出し部12,12の複数の吹出しノズル23からエアーを、同時に断続させるものであり、ODFマザー基板80のブレイク端面に付着しているガラスカレットCに対し、エアーが間欠的に吹きつけられるようになっている。この場合、一対の吹出し部12,12における対向する吹出しノズル23,23同士について、奇数番目を「断」偶数番目を「続」とし、次に奇数番目を「続」偶数番目を「断」とする吹出し形態を繰り返すようにしてもよい。
第2のシーケンスでは、一方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーと、他方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーと、を交互に断続させるものであり、ODFマザー基板80に付着しているガラスカレットCに対し、間欠的なエアーが両方向から吹きつけられるようになっている。この場合も、一対の吹出し部12,12における対向する吹出しノズル23,23同士について、交互に「断・続」させ且つ隣接する吹出しノズル23は「続・断」としいもよい。
第3のシーケンスでは、一方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーを個別に且つ不規則に吹き出す一方、他方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーを不規則に吹き出すようにするものであり、ODFマザー基板80に付着しているガラスカレットCに対し、間欠的なエアーが多方向から不規則ら吹きつけられるようになっている。
第2のシーケンスでは、一方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーと、他方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーと、を交互に断続させるものであり、ODFマザー基板80に付着しているガラスカレットCに対し、間欠的なエアーが両方向から吹きつけられるようになっている。この場合も、一対の吹出し部12,12における対向する吹出しノズル23,23同士について、交互に「断・続」させ且つ隣接する吹出しノズル23は「続・断」としいもよい。
第3のシーケンスでは、一方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーを個別に且つ不規則に吹き出す一方、他方の吹出し部12の複数の吹出しノズル23からのエアーを不規則に吹き出すようにするものであり、ODFマザー基板80に付着しているガラスカレットCに対し、間欠的なエアーが多方向から不規則ら吹きつけられるようになっている。
このような、シーケンス制御により、各吹出しノズル23からエアーの吹き出しを断続して行なうことにより、ブレイク時に、ODFマザー基板80のブレイク端面等に付着しているガラスカレットCは挙動し、やがて剥離して吹き上げられ、両吸引部11,11に確実に吸引させることができる。
なお、ガラス基板によっては、エアーに代えて、窒素等の不活性ガスや二酸化炭素等を適宜用いるようにしてもよい。また、別途イオナイザを、ODFマザー基板に平行に横向きに配設(上下一対)し、スクライブライン廻り(ブレイク位置)のエアーをイオン化するようにしてもよい。
1 ブレイク装置、3 メインテーブル、4 サブテーブル、5 エアーシリンダ、6 カレット除去装置、7 制御手段、11 吸引部、12 吹出し部、13 整流板、15 補助吹出し部、21 スリット吸引口、23 吹出しノズル、24 凹凸部、25 邪魔部材、28 主吸引配管、29 真空吸引手段、31 個別エアー配管、32 主エアー配管、33 エアー供給手段、35 吸引バルブ、36 供給バルブ、38 イオナイザ、39 個別供給バルブ、41 スリット吹出し口、42 補助エアー配管、43 補助供給バルブ、80 ODFマザー基板、C ガラスカレット、L スクライブライン
Claims (17)
- 分断ラインに沿ってガラス基板を分断する基板分断装置に設けられ、分断時に発生するガラスカレットを除去するガラスカレットの除去装置において、
前記分断ラインに沿って配設され、真空吸引手段に連なると共にガラスカレットを吸引する吸引部と、
前記分断ラインを中心に線対称位置に配設され、気体供給手段に連なると共に前記ガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払う一対の吹出し部と、を備え、
前記各吹出し部は、供給気体に乱流を発生させる乱流生成手段を有していることを特徴とするガラスカレットの除去装置。 - 前記乱流生成手段は、前記各吹出し部の内部流路に臨ませた邪魔部材および前記各吹出し部の内部流路の流路壁に形成した凹凸部の、少なくとも一方により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラスカレットの除去装置。
- 前記各吹出し部は、前記分断ラインに平行に列設された複数の吹出しノズルを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスカレットの除去装置。
- 分断ラインに沿ってガラス基板を分断する基板分断装置に設けられ、分断時に発生するガラスカレットを除去するガラスカレットの除去装置において、
前記分断ラインに沿って配設され、真空吸引手段に連なると共にガラスカレットを吸引する吸引部と、
前記分断ラインを中心に線対称位置に配設され、気体供給手段に連なると共に前記ガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払う一対の吹出し部と、
前記一対の吹出し部と前記気体供給手段とを接続する気体供給流路と、
前記気体供給流路に介設した供給バルブと、
前記供給バルブを制御する制御手段と、を更に備え、
前記制御手段は、供給気体の吹出しを断続させてガラスカレットを吹き払うことを特徴とするガラスカレットの除去装置。 - 前記気体供給流路は、前記一対の吹出し部に対応して一対の供給分岐流路を有し、且つ前記供給バルブは、前記一対の供給分岐流路にそれぞれ介設されており、
前記制御手段は、一対の前記供給バルブを交互に開閉制御することを特徴とする請求項4に記載のガラスカレットの除去装置。 - 前記各吹出し部は、前記分断ラインに平行に列設された複数の吹出しノズルを有し、
前記気体供給流路は、前記複数の吹出しノズルに対応して複数の供給分岐流路を有し、且つ前記供給バルブは、前記複数の供給分岐流路にそれぞれ介設されており、
前記制御手段は、複数の前記供給バルブを個別に且つ不規則に開閉制御することを特徴とする請求項4に記載のガラスカレットの除去装置。 - 前記ガラス基板の上側空間および下側空間のいずれか一方に、前記吸引部が配設され、他方に、前記一対の吹出し部が配設されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のガラスカレットの除去装置。
- 前記分断ラインを挟んで前記吸引部に対峙し、前記気体供給手段に連なると共に前記吸引部に向かって供給気体を吹き付ける補助吹出し部を、更に備えたことを特徴とする請求項7に記載のガラスカレットの除去装置。
- 前記吸引部は、前記分断ラインに直交する方向に複数配設されていることを特徴とする請求項7または8に記載のガラスカレットの除去装置。
- 前記一対の吹出し部は、供給気体をそれぞれ前記分断ラインに向かって斜めに吹き付けることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のガラスカレットの除去装置。
- 前記一対の吹出し部と前記気体供給手段とを接続する気体供給流路に、除電のために供給気体をイオン化するイオン化手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のガラスカレットの除去装置。
- 除電のために前記分断ラインの周囲雰囲気をイオン化するイオン化手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のガラスカレットの除去装置。
- 前記吸引部の両外側に配設され、前記分断ラインの周囲を覆う整流板を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のガラスカレットの除去装置。
- 分断ラインに沿ってガラス基板を分断する際に発生する、ガラスカレットの除去方法であって、
前記分断ラインに沿って配設した吸引部からの気体吸引動作と、前記分断ラインを中心に線対称位置に配設した一対の吹出し部からの気体吹出し動作と、を同期させ、
前記気体吹出し動作で、乱流となる供給気体を吹き出して、前記ガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払うことを特徴とするガラスカレットの除去方法。 - 分断ラインに沿ってガラス基板を分断する際に発生する、ガラスカレットの除去方法であって、
前記分断ラインに沿って配設した吸引部からの気体吸引動作と、前記分断ラインを中心に線対称位置に配設した一対の吹出し部からの気体吹出し動作と、を同期させ、
前記気体吹出し動作で、断続流となる供給気体を吹き出して、前記ガラス基板に付着しているガラスカレットを吹き払うことを特徴とするガラスカレットの除去方法。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載のガラスカレットの除去装置を、備えたことを特徴とする基板分断装置。
- 前記ガラス基板を分断することにより、前記ガラス基板からTFT液晶パネルを複数枚取りすることを特徴とする請求項16に記載の基板分断装置。
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JP2006281686A JP2008094691A (ja) | 2006-10-16 | 2006-10-16 | ガラスカレットの除去装置、ガラスカレットの除去方法および基板分断装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101168179B1 (ko) | 2008-12-16 | 2012-07-24 | 미쓰보시 다이야몬도 고교 가부시키가이샤 | 컬릿 제거 장치 |
CN107379300A (zh) * | 2016-05-16 | 2017-11-24 | 三星钻石工业股份有限公司 | 脆性基板划线器用粉尘去除装置 |
US10479718B2 (en) | 2015-10-30 | 2019-11-19 | Corning Incorporated | Apparatus and methods for separating a glass ribbon |
CN112897866A (zh) * | 2021-02-14 | 2021-06-04 | 戴一飞 | 一种可收集废渣具有保护作用的玻璃加工操作台 |
-
2006
- 2006-10-16 JP JP2006281686A patent/JP2008094691A/ja active Pending
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