JP5844336B2 - 修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用 - Google Patents

修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP5844336B2
JP5844336B2 JP2013235231A JP2013235231A JP5844336B2 JP 5844336 B2 JP5844336 B2 JP 5844336B2 JP 2013235231 A JP2013235231 A JP 2013235231A JP 2013235231 A JP2013235231 A JP 2013235231A JP 5844336 B2 JP5844336 B2 JP 5844336B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
csf
polypeptide
substituted
amino acid
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013235231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014064581A (ja
Inventor
アナ−マリア・エー・ヘイズ・パトナム
ニック・クヌーセン
テア・ノーマン
アラン・コダー
ヴァディム・クレイノフ
リリアン・スキッドモア
ピーター・シー・キャニング
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ambrx Inc
Original Assignee
Ambrx Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ambrx Inc filed Critical Ambrx Inc
Publication of JP2014064581A publication Critical patent/JP2014064581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5844336B2 publication Critical patent/JP5844336B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/53Colony-stimulating factor [CSF]
    • C07K14/535Granulocyte CSF; Granulocyte-macrophage CSF
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/16Central respiratory analeptics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • A61P15/14Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives for lactation disorders, e.g. galactorrhoea
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/19Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • A61K38/193Colony stimulating factors [CSF]

Description

本発明は、少なくとも1つの天然にコードされていないアミノ酸を用いて必要に応じて修飾されている、ウシ顆粒球−コロニー刺激因子(bG−CSF)ポリペプチドに関する。
食料動物の生産における感染症の経済的な影響は十分に実証されている。感染症は、収益を低下させ、生産コストを増大させ、食料製品を危険にさらし、動物の性質、健康および幸福に影響を及ぼす。疾患は乳の生産量および品質を低下させ得、特に感染性細菌による疾患が新生の動物、若い動物(例えば、代替用のストック)または成熟した動物の罹患および死亡を引き起こす場合に、農場主および牛肉生産者に多大な経済的損失を生じさせる。そのような2つの疾患、乳腺炎およびウシの呼吸器疾患(BRD)は、食料動物の生産に対する壊滅的な影響を有し得る。
乳腺炎は乳腺の炎症と規定される。乳腺炎は任意の哺乳類(例えば、ウシ、ヒツジおよびヤギ)において発症し得る。ウシ乳腺炎は、グラム陽性およびグラム陰性の細菌によって主に引き起こされる反芻動物(例えば、ウシ)、特に乳の産生ユニットが集中しているウシの乳房の感染症である。細菌感染は乳腺(すなわち乳頭および乳房)の炎症を生じる。動物は、出産間近の期間における傷害された好中球の殺菌性機能に起因して、乳腺炎に対する感受性がより高くなる。搾乳の過程の間に病原体がある動物から他の動物へ容易に移動するので、乳腺炎は特に厄介なものであり、相当に経済的に重要である。出産前後の数週間においてしばしば発症し、授乳にともなって再発し得る。ウシ乳腺炎の原因である主な病原性微生物のいくつかは、Staphylococcus aureus、Streptococcus agalactiae、Streptococcus uberis、Streptococcus dysgalactiae、Escherichia coli、Aerobacter aerogenes、Klebsiella pneumoniae、およびPseudomonas aeruginosaである。また、参照によって本明細書に援用される、Bovine Mastitis, edited by Glenys Bloomfield, V&O Publications 1987を参照すればよい。これらの微生物は、乳頭管を介して乳房に侵襲し、瘢痕組織の形成を生じる乳産生組織の炎症を起こす。瘢痕組織が形成されると、ウシの乳生産に持続性の低下をもたらし得る。また、感染は乳の組成、量、外観および品質を変え得る。乳腺炎を引き起こす病原体は2つのカテゴリ、つまり伝染性および環境性に分類される。伝染性の細菌(例えば、Staphylococcus aureusおよびStreptococcus agalactiae)は、主に、宿主の組織部位(例えば、乳腺、乳頭管および乳房の皮膚病変)にコロニー形成し、搾乳の過程の間に1頭のウシから他のウシに広がる。環境性の細菌(しばしば連鎖球菌、腸球菌および大腸菌)は、発生源(例えば、ウシの顔、土壌、植物性の物質、敷きわら、水)からウシの周囲に一般的に存在しており、動物との日和見な偶然の接触によって感染する。毎日の異なる群れの維持を評価することが微生物の異なる群に必要とされるので、伝染性および環境性の病原体の区別は、専門的とは言えないが、部分的な重要性がある。原因細菌が何であろうとすべてのウシの乳腺炎の場合に、乳房の内分泌腺への病原体の侵襲の感染経路は乳頭の開口部および乳頭管を介している。危険な微生物の一般的な発生源としては、不衛生な搾乳設備、搾乳器、他の乳腺炎の動物、不衛生な家畜小屋の環境および動物自身の排泄(排便/排尿)過程が挙げられる。
種々の重篤度および症候を有しているウシ乳腺炎の種々の形態または種類があり、これらとしては、以下の(1)〜(4)が挙げられる。(1)乳房の感染;腺内において増殖し、炎症を引き起こす微生物による乳腺腔の侵襲。(2)非臨床的または無症状性の乳腺炎;腺の腫脹または目に見える乳の異常がないが、特定の試験によって検出され得る乳における変化がある乳腺炎の形態。この種の乳腺炎は、圧倒的に広く分布しており、ほとんどの群れにおいて最も多大な損失を引き起こしている。この種の乳腺炎は、“隠れた”乳腺炎としばしば呼ばれている。(3)臨床的な乳腺炎;乳房および分泌物の異常な状態が観察される乳腺炎の形態。穏やかな臨床的な乳腺炎は、乳の変化(例えば、薄片、凝塊、および水気の多い状態もしくは異常な状態)に関する。乳房の熱および過敏性はわずかであるか、または存在しないが、腫脹の徴候があり得る。重篤な乳腺炎は、熱があり、硬く、過敏な感染した四肢の腫脹をともなう突然の発症に関する。乳は異常を呈し、乳の生産量が低下する。ときに乳房における局所的な影響に加えて、ウシ自身が疾患になる。発熱、速脈、抑うつ、脱力および食欲の低下の徴候がある。これらの状態の組合せは、全身性の急性乳腺炎としばしば呼ばれる。これは、乳房だけでなく、動物の全身が影響を受けるからである。(4)慢性の乳腺炎;ほとんど常に非臨床的な形態を生じているが、ときおり活性な形態に進行し得る持続性の乳腺感染によって引き起こされる乳腺炎の形態。これらの突発の後に、一般的に非臨床的な形態が一時的に戻ってくる(generally Current Concepts of Bovine Mastitis, published by The National Mastitis Council, Inc., 2ndEd. 1978 at p.5.を参照すればよい)。
乳腺炎は、日常的な産業に対して多大な経済的損失を引き起こし続けている。乳腺炎は、直接的および間接的いずれにしても多くの様式((1)乳の生産量の低下;(2)感染したウシの高い殺処分率;(3)乳の価値の低下;(4)抗生物質処理にしたがう乳の廃棄;(5)獣医のコスト(抗生物質および獣医の往診);および(6)死亡が挙げられる)において家畜の群れの採算性に影響を及ぼしている(Bovine Mastitis, Glenys Bloomfield, supra, at p.33)。
畜牛産業に影響を及ぼす一般的な他の疾患は輸送熱(ウシの呼吸器疾患またはBRD)である。BRDは、以下の2つの理由:互いに作用しあって本格的な疾患を生じる種々の病原体(ウイルスおよび細菌の両方)によって一般的に引き起こされ、病原体の挙動が、動物を徐々に病的にする逐次的に起こる過程に進め得るために、“疾患症候群”とも呼ばれている。細菌性の病原体は、急性症状の最もよく知られている原因の1つである。細菌性の病原体は、ウイルス感染および他の要因(例えば、感染に先立ち得るか、または感染を引き起こし得る離乳、輸送、給餌の変化、環境温度の変化および湿度の変化)によって呼吸器系が損なわれた後に、ウシの呼吸器系に侵襲し得る。多くの実例において、畜牛がトラック、家畜飼育場および競売小屋における他の発生源の畜牛と一緒になった場合が、輸送中の病原体への畜牛のばくろに加えられ、畜舎に運ばれる畜牛における疾患の高い発生率を生じる。
細菌の様々な種が単離され、BRDと関連付けられており、これらのうちの最も一般的なものは、Mannhemia haemolytica、Pasteurella multocidaおよび(または)Histophilus somniである。Haemophilus somnusは、畜牛において敗血症を引き起こす毒性の病原体であり、ときに発症する症状は、一形態が呼吸器疾患である“Haemophilus somnus症候群”と呼ばれている。また、ウイルス(例えば感染性のウシ鼻気管炎(IBR)、ウシのウイルス性下痢(BVD)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス(BRSV))が、BRD症候群の発症に関与し得、第2の細菌感染への道をしばしば開く。
環境からこれらの生物を排除することが実質的に不可能であるため、BRD症候群は、これらの疾患を引き起こす要因の確立の防止、ならび可能な限り迅速かつ効果的な臨床症状の検出および処置という観点から取り組まれるべきである。呼吸器疾患は食肉牛における疾患による損失の主な原因である。輸送熱のほとんどの場合に死亡の根本的な原因は細菌(通常はパスツレラ属の小桿菌)の肺炎であることが一般的に認識されている。Pasteurella haemolytica、特に1A型は、北アメリカにおける呼吸器疾患の症例から単離されている最も一般的な細菌である。輸送熱に関する感染性の作用物のいくつかに対するワクチン接種はときに有望であるが、ワクチン接種は疾患症候群に関与することが知られている作用物の少数に対してのみ利用可能であり、有効である。
抗生物質療法が、乳腺炎およびBRDの制御方法の主要な要素である。参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第7,182,948号には、ヨウ素を含んでいる抗菌剤による乳頭の浸漬が哺乳類の感染および乳腺炎を引き起こす細菌に対して有効であると示されている(Pankey, J. W. et al., (1983) J. Dairy Sci. 66 (1), 161 167)。これらの組成物は、搾乳の前および搾乳カップの取り外し後に、乳頭の浸漬または噴霧によって一般的に乳頭へ投与される。乳腺炎を低減させるために、市販の乳頭浸漬剤は、種々の抗菌剤(四級アンモニウム化合物(例えば、過酸化水素、過酸)、プロトン化カルボン酸(例えば、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸)、アニオン化酸(例えば、アルキルスルホン酸)、二酸化塩素(亜塩素酸塩に由来する)、ビスビグアニド(例えば、クロロヘキシジン)が挙げられる)を含むように開発されている。有効性が異なる程度を有しているこれらの試薬は、乳頭における病原体の集団を減らすことによって乳腺炎の転移を制限する。しかし、抗菌剤の使用に関連する問題点がある。最も一般的な問題は、乳頭に対する刺激作用および乳頭のひび割れである。これらの問題点を軽減するために、軟化添加物(例えば、グリシンおよびラノリン)がそのような組成物に含められている。しかし、これらの軟化剤の使用をともなっても皮膚の刺激作用はいまだに生じ得る。
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第6,790,867号には、非ステロイド性の抗炎症性薬(NSAID)(例えば、フルニキシン)をフッ素化したクロラムフェニコール誘導体またはチアンフェニコール誘導体の抗生物質(例えば、フロルフェニコール)と組み合せた調合剤の皮下投与によってBRDが処置され得ることが示されている。参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願公開第20070155799号には、抗生物質のプロドラッグとして、およびNSAIDまたは他の抗生物質との組合せとして使用され得る新規なフェニコール化合物について開示されている。
乳腺炎の減少および牛乳の品質向上を目指した非営利団体であるNMC(かつての米国国立乳腺炎協議会)は、乳頭の適切な衛生の重要性だけでなく、乳腺炎の予防のための乳頭の適切な保護を強調している。乳腺炎に起因して生じる経済的な損害がきっかけとなって、その制御に関する多大な調査が行われている。物理的な刺激および環境条件が、乳腺炎の感染に対する多大な原因であることが報告されている。参照によって本明細書に援用される米国特許出願公開第20020051789号を参照すればよい。無症状性の乳腺炎が、乳頭の状態の悪さに直接に関連していることが実証された(Neijenhuis, P. et al., (2001) J. Dairy Sci. (84) 2664 2672)ので、調整剤を含んでいる市販の乳頭浸漬溶液が多く開発されている(National Mastitis Council, Summary of Peer-Reviewed Publications on Efficacy of Premilking and Postmilking Teat Disinfectants Published Since 1980; January 2002)。乳頭端部の硬化および荒れが臨床的な乳腺炎との直接的な関連性を有していることが示されている(Neijenhuis, F. et al., (2001) J. Dairy Sci. (84) 2664 2672)。乳頭のひび割れおよび刺激の低減、ならびに乳頭の柔軟さの維持は、哺乳類の感染において非常に重要である。また、グリシンは、乳頭浸漬剤における乳頭調整剤として使用されている。しかし、研究によって、グリシンの含有量が1%のヨウ素の乳頭浸漬溶液において2%から10%増やされている場合に、乳腺炎を引き起こす細菌(例えば、staphylococcus aureus、streptococcus agalactiaeまたはcoliforms)が有意に低下しないことが示されている(National Mastitis Council, Summary of Peer-Reviewed Publications on Efficacy of Premilking and Postmilking Teat Disinfectants Published Since 1980; January 2002)。したがって、乳頭浸漬溶液などの製品が利用可能であるものの、乳腺炎の発生率、再発および/または重篤度を軽減する必要性はいまだに十分に満たされていない。
その全体が参照によって本明細書に援用される米国特許第5,849,883号には、乳腺炎の処置に使用される多くの抗生物質について開示されている。当該抗生物質としては、βラクタム抗生物質(例えば、ペニシリン(アンピシリン、クロキサシリン、ヘラシリン、ナフシリン、ペニシリンG(ベンジルペニシリン)、プロカインペニシリン)およびセファロスポリン(セフォペラゾン、セフロキシム、セファロニウム、セファピリン、セフォキサゾル、セフラセトリル));アミノグリコシド抗生物質(フラミセチン、ネオマイシン、ノボビオシン、ストレプトマイシン);マクロリド抗生物質(エリスロマイシン);テトラサイクリン(クロロテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン);およびペプチド抗生物質(ポリミキシンB)が挙げられるが、これらに限定されない。乳腺炎にとっての抗生物質処理は、臨床的な乳腺炎が検出されている場合の授乳中の牛、または乳が出なくなった牛(乳が出なくなった牛の療法)において、乳房内への注入によって一般的に行われる(Bovine Mastitis, supra, at p.69.)。種々の臨床疾患が存在する場合、乳房内への注入が管の閉塞のために非効率的であるので、抗生物質は非経口的に与えられるべきである。
抗生物質が疾患の完全な制御を可能にするという早期の望みは実現されていない。これまでに利用されている上述のような抗生物質は十分に良好なものではない。さらに、抗生物質処理を非抗生物質の化学療法薬化合物による処置に置き換えることが非常に望ましいことが見出されている。これは、以下の理由:(1)ヒトの疾患に現れる細菌の耐性株を確立させないために、ヒト薬剤として効果的な抗生物質は獣医学の薬剤として使用されるべきではないこと;(2)抗生物質の長期にわたる使用の後に細菌株が抗生物質に対する耐性を確立することが証明されているので、抗生物質は化学療法薬化合物が利用可能ではない疾患のために残されておかれるべきであること;および(3)上述の病原体の1つであるStaphylococcus aureusがウシ乳腺炎の処置に使用される抗生物質のほとんどに対して耐性をすでに確立していることによる。
非抗生物質の化学療法薬化合物によって処置する方法の1つが、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,610,993号に記載されている。当該特許文献では、少なくとも1つのピリジン−N−オキシドのジスルフィド化合物の有効量を用いてウシ乳腺炎を処置する方法について請求されている。同一の発明者による他の方法が、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,401,666号に記載されている。当該特許文献では、少なくとも1つのピリジン 2−チオン−N−オキシドの金属塩の有効量を用いてウシ乳腺炎の動物を処置する方法について請求されている。これらの種々の公開されている方法にもかかわらず、これまでに使用されている抗生物質の欠点を実質的に克服し、乳腺炎の処置および予防にとってさらに有効である、非抗生物質の化合物を利用する費用有効性の高い方法を見出すことが非常に重要である。
牛の産業に影響する他の一般的な疾患は輸送熱(ウシの呼吸器疾患)である。呼吸器疾患は食肉牛に損失を与える疾患の主な原因である。“輸送熱”という用語は、畜舎または牧草地への輸送後の、6ヶ月齢以上の牛に認められる呼吸器疾患を説明するために使用される。ウイルス、細菌、マイコプラズマおよび/またはクラミジアの感染と組み合わさっている離乳、虚勢、角の切断、絶食、過密、感染性の作用物へのばくろ、食餌の変化、輸送、極端な環境温度および他の負荷が、輸送熱症候群の原因である。異なる農場および/または販売小屋からの子牛を混ぜることは、感染性の作用物へのばくろを強く助長する。参照によって本明細書に援用される米国特許第6,497,869号には、牛を冒し得る初発性の感染性の作用物のいくつかについて記載されている。混在している集団は、負荷因子よりも重要な、輸送熱に対する素因であり得るが、劇的に呼吸器疾患を一般的に悪化させる混在および負荷因子がなくとも疾患は発症し得る。離乳、虚勢、角の切断など、および輸送前の数日間または数週間の新たな食餌に対する牛の順化による負荷を減少させる試みは、輸送熱の発生率を下げることにときおり功を奏する(しかしコスト有効性は高くなり得ない)。輸送熱に関与する感染性の作用物のいくつかに対するワクチン接種はときに有望であるが、ワクチン接種は疾患症候群に関与することが公知のわずかな作用物に対してのみしか利用可能でも有効でもない。
輸送熱における死亡の根本的な原因は細菌性(通常、パスツレラ属)の肺炎であることが一般的に認識されている。Pasteurella haemolytica、特に1A型は、北アメリカにおける呼吸器疾患の症例から単離されている最も多く見られる細菌である。牛における肺炎を実験的に再現する試みは、気道に対する過酷な負荷および素因になる損傷なしには一般的に成功しない。長期間の負荷、ウイルス、マイコプラズマおよび/またはクラミジアが、重篤な細菌感染および疾患に対する素因になる、気道に対する初期の損傷を最もしばしば与えることが、一般的に信じられている。
代表的な臨床的な呼吸器疾患の発症は、牛の畜舎への到着から数時間から数日間以内に、一般的に始まる。最近、400〜500ポンドの範囲の体重を有している輸送される牛は、気道の疾患に対して10〜80%以上の発症率、および1〜10%以上の死亡率を一般的に有している。牛の血清を4倍抗体上昇(抗体陽転)に関して分析し、気道およびその分泌物を微生物単離に供すると、無数の病因的要素が同定され得る。多くの動物、疾患にかかっている動物およびおそらく健康な動物は、1つ以上の作用物による感染を受けていることが示され得る(気道の疾患は1つの感染性の作用物のみに起因することはまずあり得ない)。ウシの呼吸器疾患症候群は到着後の畜舎において臨床的に認識されるが、臨床疾患を引き起こす感染は、牛が異なる農場からまず集められる販売小屋においておそらく始まっている。また、参照によって本明細書に援用されるBovine Respiratory Disease, Loan, R. W. Texas A & M University Press, 1984を参照すればよい。
牛における乳腺炎もしくは呼吸器疾患、または非ヒト(牛、家禽、豚、馬、犬および猫が挙げられるが、これらに限定されない)における他の感染症の発症、再発、持続期間および/または重篤度の処置または調節ための化合物の投与は、獣医学的な処置において有用である。そのような感染症の例としては、馬における新生児敗血症、豚における胸膜肺炎および非ヒトの動物における肺炎が挙げられるが、これらに限定されない。そのような化合物は動物における好中球の機能を回復させ得るか、または調節し得る。
成長ホルモン(GH)スーパージーンファミリー(Bazan, F. Immunology Today 11: 350-354 (1991); Mott, H. R. and Campbell, I. D. Current Opinion in Structural Biology 5: 114-121 (1995); Silvennoinen, O. and Ihle, J. N. (1996) SIGNALING BY THEHEMATOPOIETIC CYTOKINE RECEPTORS)は、類似の構造的な特徴を有しているタンパク質の集合である(Bazan, F. Immunology Today 11: 350-354 (1991); Mott, H. R. and Campbell, I. D. Current Opinion in Structural Biology 5: 114-121 (1995); Silvennoinen, O. and Ihle, J. N. (1996) SIGNALING BY THE HEMATOPOIETIC CYTOKINE RECEPTORS)。このファミリーに属する各メンバーは4ヘリックスバンドルを含んでいる。これから同定されるファミリーの多くのメンバーがあり、ファミリーのいくつかのメンバーとしては、成長ホルモン、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)、インターロイキン−2(IL−2)、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−9、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12(p35サブユニット)、IL−13、IL−15、オンコスタチンM、毛様体神経栄養因子、白血病抑制因子、αインターフェロン、βインターフェロン、γインターフェロン、ωインターフェロン、τインターフェロン、εインターフェロン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)およびカルディオトロフィン−1(CT−1)(“GHスーパージーンファミリー”)が挙げられる。GHスーパージーンファミリーのメンバーは、限られたアミノ酸配列またはDNA配列の同一性しか一般的に有していないにもかかわらず、類似の二次構造および四次構造を有している。共有されている構造上の特徴はジーファミリーの新たなメンバーの同定を容易にする。4ヘリックスバンドルのポリペプチドについて、参照によってその全体が本明細書に援用される国際公開第2005/074650号(発明の名称:“Modified Human Four Helical Bundle Polypeptides and Their Uses”)に記載されている。
GHスーパージーンファミリーのメンバーは、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)である。顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)は、それらが造血性前駆体細胞の増殖を支持するので、コロニー刺激因子(CSF)として知られている種々の糖タンパク質成長因子の1つである。G−CSFは特定の骨髄前駆体細胞の増殖およびそれらの顆粒球への分化を刺激する。G−CSFは、半流動体寒天培地において好中球の顆粒球コロニー形成の刺激能、およびマウス骨髄単核急性白血病細胞のインビトロにおける最終的な分化の誘導能の両方によって他のCSFと区別されている。顆粒球コロニー刺激因子は、インビボにおける好中球の増殖および成熟を強力に刺激する(参照によって本明細書に援用されるCohen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 1987; 84: 2484-2488; Heidari et al., Vet. Immunol. Immunopathol. 2001; 81:45-57を参照すればよい)。また、G−CSFは、インビトロにおける好中球の、機能的な活性化の誘導、“準備刺激”または成熟を可能にする(Weisbart, R. H., Gasson, C. G., and D. W. Golde. Annals of Internal Medicine 1989; 110:297-303)。G−CSFは、ヒト顆粒球を準備刺激し、化学走性ペプチドであるN−ホルミル−メチオニル−ロイシル−フェニルアラニンによって刺激される超酸化物を増強し(S. Kitagawa, et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 1987; 144:1143-1146,and C. F. Nathan, Blood 1989; 74:301-306)、ヒトIgA媒介性の食作用を活性化す
る(Weisbart, R. H., et al., Nature 1988; 332: 647-649)。
好中球は、細菌感染および真菌感染に対する宿主防御機構の重要な構成要素である。G−CSFは、循環している好中球の絶対数の増強を誘導可能であり、好中球の機能を向上可能である。
組換えヒトG−CSF(hG−CSF)のcDNAクローニングおよび発現が説明されており、組換えhG−CSFが未処理の分子の生物学的特性の、すべてではないにしてもほとんどを示すことが確認されている(Souza, L. et al. Science 232, 61-65 (1986))。cDNAおよびゲノムDNAクローンの配列分析によってアミノ酸配列の推測が可能になり、そのタンパク質が、30アミノ酸のシグナル配列を有している204アミノ酸長であることが明らかになっている。成熟タンパク質は174アミノ酸長であり、見込みのあるN結合型糖鎖付加部位を有していないが、見込みのある種々のO結合型糖鎖付加部位を有している。
ヒトG−CSFをコードしているcDNAのクローニングおよび発現について2つのグループによって説明されている(Nagata, S. et. al., Nature 319, 415-418 (1986); Souza, L. M. et al., Science 232, 61-65 (1986))。G−CSFのcDNAクローンの最初の報告は、成熟タンパク質の長さが177アミノ酸であると示唆していた。著者は、それらがまた3アミノ酸の伸長を欠失しているタンパク質をコードしているG−CSFのcDNAを同定したと報告した。G−CSFのcDNAのより短いこの形態が予想されるG−CSF活性を発現する。第2の報告において、より短いこの形態と一致するcDNA配列について説明しており、他のバリアントに関する記述はない。これらの著者らは、より短いcDNAが生物学的活性の予想されるプロファイルを有しているG−CSFを発現することを確認しているので、これがG−CSFの重要な形態であり、より長い形態が副次的なスプライシングバリアントまたはクローニングの人為的現象の結果のいずれかであると予想される。
Matsumoto et al., in Infection and Immunity, Vol. 55, No. 11, p. 2715 (1987)において、好中球減少性のマウスにおける微生物感染に対するヒトG−CSFの防御作用について議論されている。
参照によって本明細書に援用される国際公開第8703698号は、G−CSFに関し、ヒトG−CSFに対して特異的なモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマおよびG−CSFの生成におけるそれらの使用について記載しており、参照によって本明細書に援用される国際公開第8702060号は、ヒトG−CSF様ポリペプチドおよびそれらの製造方法を開示しており、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,810,643号は、ヒトG−CSF様ポリペプチド、それらをコードしている配列、およびそれらの生成方法を開示しており、参照によって本明細書に援用される国際公開第8604605号および国際公開第8604506号は、ヒトG−CSFをコードしている遺伝子およびヒトG−CSFを含んでいる感染阻害剤を開示している。h−GCSFの単離および宿主細胞(例えば、E. coli)におけるG−CSFの生成について、例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,810,643号;米国特許第4,999,291号;米国特許第5,580,755号;米国特許第6,716,606号に記載されている。
G−CSFは、好中球性の顆粒球の増殖、分化および機能的な活性化を制御する薬学的に活性なタンパク質である(Metcalf, Blood 67:257 (1986); Yan, et al. Blood 84(3):795-799 (1994); Bensinger, et al. Blood 81(11): 3158-3163 (1993); Roberts, et al., Expt'l Hematology 22: 1156-1163 (1994); Neben, et al. Blood 81(7): 1960-1967(1993); Welte et al. PNAS-USA 82: 1526-1530 (1985); Souza et al. Science 232: 61-65 (1986) and Gabrilove, J. Seminars in Hematology 26:2 1-14 (1989))。G−C
SFは、ヒト膀胱がん細胞株5637の細胞培養上清から均質に精製された(Welte et al., Proc. Natl. Acad. Sci (1985) 82:1526-30)。未処理のhG−CSFをコードしているcDNAの配列は、Souza et al., Science (1986) 232:61-65から公知である。第2のイントロンにおける選択的スプライシングの結果として、hG−CSFの天然に存在している2つの形態は、最初の30アミノ酸がシグナルペプチドである204アミノ酸または207アミノ酸を有して存在している(Lymphokines, IRL Press, Oxford, WashingtonD.C., Editors D. Male and C. Rickwood)。成熟タンパク質は、約19kDaの分子量を有しており、分子内または分子間のジスルフィド結合を形成し得る5つのシステイン残基を有していることが示された。結合に関する研究によって、hG−CSFは好中球性の顆粒球と結合することが示されている。赤血球系細胞株、リンパ球系好酸球細胞株およびマクロファージとの結合は、観察されないか、またはほとんどない。
ヒトにおいて、内因性のG−CSFは血漿において検出可能である(Jones et al. Bailliere's Clinical Hematology 2:1 83-111 (1989))。hG−CSFは、繊維芽細胞、マクロファージ、T細胞、栄養芽細胞、内皮細胞および上皮細胞によって産生され、染色体17上に位置している4つのエキソンおよび5つのイントロンを含んでいる単コピーの発現産物である。この遺伝子座の転写は、選択的にスプライシングされるmRNA種を生成し、hG−CSFのmRNAの2つの形態(一方は177アミノ酸をコードしており、他方は174アミノ酸をコードしている)を生じる(Nagata et al. EMBO J 5: 575-581 (1986))。174アミノ酸から構成されている形態は、インビボの生物学的活性において最も高い特異性を有していることが見出されている。hG−CSFは、ヒトG−CSFが他の哺乳類(例えば、マウス、イヌまたはサル)に投与された場合に、維持されている好中球の白血球増加症が誘発される交差反応を示す種である((Moore et al. PNAS-USA 84: 7134-7138 (1987))。
G−CSFは多くの入手源から入手され得、精製され得る。天然のG−CSF(nhG−CSF)は培養されたヒトがん細胞株の上清から単離され得る。組換えDNA技術の発展(例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,810,643号(Souza)を参照すればよい)によって、真核生物の宿主細胞における発現の生成物として糖鎖付加形態のG−CSF、および原核生物の宿主砂防における発現の生成物として非糖鎖付加形態のG−CSFを商業規模の量において製造することが可能になっている。
G−CSFは、好中球の増加が利益をもたらす徴候の処置に有用であることが見出されている。G−CSFは幹細胞および前駆体細胞を骨髄から動態化し得、顆粒球が化学療法によって減少しているか、または骨髄移植に対する前兆として減少している患者を処置するために使用されている。例えば、がんの患者にとってG−CSFは、好中球の産生を選択的に刺激して、化学療法または放射線療法の結果として生じる造血の不足を補う手段として有益である。他の適応症としては、種々の感染性疾患および関連する障害(例えば、細菌の代謝物によって典型的に引き起こされる敗血症)が挙げられる。また、G−CSFは、培養細胞(例えば骨髄移植物)の成長または増殖にとって、単独または他の化合物(例えば他のサイトカイン)との組合せにおいて有用である。
GーCSF受容体(G−CSFR)は、種々の他の成長因子受容体を含んでいる造血性/サイトカイン/成長因子受容体ファミリーのメンバーである。種々の他の成長因子受容体は、例えばインターロイキン(IL)−3、IL−4およびIL−6の受容体、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)受容体、エリスロポエチン(EPO)受容体ならびにプロラクチン受容体および成長ホルモン受容体である。Bazan, Proc. Natl. Acad. Sci USA 87: 6934-6938 (1990)を参照すればよい。サイトカイン受容体ファミリーのメンバーは、保存されている4つのシステイン残基および膜貫通領域のすぐ外側にトリプトファン−X−トリプトファン−セリンのモチーフを含んでいる。保存されている領域はタンパク質−タンパク質の相互作用に関与していると考えられている。例えば、Chiba et al., Biochim. Biophys. Res. Comm. 184: 485-490 (1992)を参照すればよい。G−CSF受容体は約150kDの分子量を有している単一のペプチド鎖からなる(Nicola, Immunol. Today 8 (1987), 134)。
糖鎖付加hG−CSFは、pHおよび温度に応じたその安定性について、ノイラミニダーゼおよびエンド−α−N−アセチルガラクトサミニダーゼを用いたインビトロ酵素消化によって調製されている糖鎖除去hG−CSFと比較されている(Oh-eda et al., 1990,J. Biol. Chem. 265 (20): 11432-35)。0.2MのNaClおよび0.01%のTween20を含んでいる20mMのリン酸緩衝液に1μg/mLの濃度において溶解されている糖鎖除去hG−CSFは、37℃における2日間のインキュベーションの後に、約7から約8のpHの範囲において急速に不活性化された。これに対して、糖鎖付加hG−CSFは同一条件下においてその活性の80%以上を維持した。さらに、生物学的アッセイおよび熱量測定によって測定されたhG−CSFの両方の形態の熱安定性の評価によって、糖鎖除去hg−CSFはhG−CSFの天然の形態より熱安定性に劣っていることが示された。
薬学的に受容可能な安定性のG−CSF組成物を提供するために多くの手法が採用されている。G−CSFの安定性について組成物を改善するための1つの手法は、タンパク質の誘導体の合成に関する。米国特許第5,665,863号には、新たな薬物動態特性を有している、アルブミンと結合しているG−CSFを含んでいる組換えキメラタンパク質の形成が開示されている。米国特許第5,824,784号および米国特許第5,320,840号には、タンパク質分解性の分解に対する安定性および耐性を向上させるための、タンパク質に対する水溶性重合体の化学的な結合、より詳細には化学的に結合している重合体(ポリエチレングリコールがが挙げられる)を担持しているN末端において修飾されているG−CSF分子が開示されている。
多くのサイトカインの構造は、X線回折およびNMR研究によって決定されており、顕著な一次配列の相同性を欠いているにもかかわらず、GH構造を有している顕著な保存を示している(G−CSF(Zink et al., FEBS Lett. 314:435 (1992); Zink et al., Biochemistry 33:8453 (1994); Hill et al., Proc. Natl. Acad. Sci.USA 90:5167 (1993))、GM−CSF(Diederichs, K., et al. Science 154: 1779-1782 (1991); Walter et al., J. Mol. Biol. 224:1075-1085 (1992))、IL−2(Bazan, J. F. Science 257: 410-411 (1992); McKay, D. B. Science 257: 412 (1992))、IL−4(Redfield etal., Biochemistry 30: 11029-11035 (1991); Powers et al., Science 256:1673-1677 (1992))、IL−5(Milburn et al., Nature 363: 172-176 (1993)))。
組成物におけるG−CSFの安定性を向上させる他の手法は、タンパク質におけるアミノ酸配列の変更に関する。米国特許第5,416,195号には、改善された組成物の安定性を有しているG−CSFの遺伝的に改変されている類似物が開示されている。当該類似物において、通常、成熟したポリペプチド鎖の17位に見られるシステイン残基、27位に見られるアスパラギン酸残基、ならびに65位および66位に見られる直列の、少なくとも1つのプロリン残基が、すべてシステイン残基に置換されている。米国特許第5,773,581号には、水溶性重合体と共有結合的に抱合されているG−CSFの遺伝的に改変されている類似物が開示されている。
乳腺炎の処置または予防のための方法に有用なヒトG−CSFの種々の形態(調製および精製を含んでいる)の詳細について、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,810,643号に記載されている。米国特許第4,810,643号では、G−CSF遺伝子または遺伝的に改変されているG−CSF遺伝子のバリアントを含んでいる、新規な遺伝子断片、生物学的に機能的な組換えプラスミドおよびウイルス性のベクター、ならびに原核生物および真核生物の宿主細胞が記載されており、請求されている。上記宿主細胞は、生物学的に活性な、G−CSFまたは遺伝的に改変されているG−CSFのバリアントを発現する。米国特許第5,849,883号および国際公開第89/10932号には、牛におけるヒトG−CSFを用いた研究が記載されている。この研究において実施されたのは、牛における呼吸器系疾患(Pasteurella hemolytica)、細菌性の抗原投与(Klebsiella pneumonia)に対する応答または乳腺炎(E. coli)の評価であった。
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第5,849,883号には、成熟ウシG−CSF(bG−CSF)のポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列が示されており、上記ポリペプチドおよびそれらの類似物をクローン化する方法、単離する方法および精製する方法が記載されている。マウスbG−CSFはhG−CSFと82%の相同性を有している174アミノ酸長である。最初にメチオニンアミノ酸残基を有しているbG−CSFポリペプチドは配列番号2に示さている。配列番号1をコードしているポリヌクレオチド配列は配列番号3に示されている。配列番号2をコードしているポリヌクレオチド配列は配列番号4に示されている。Heidariらは、Veterinary Immunology andImmunopathology (2001) 81:45-57において、bG−CSFの発現、精製および生物学的活性を説明している。
PEGと略書される親水性重合体ポリ(エチレングリコール)の共有結合は、多くの生物学的に活性な分子(タンパク質、ペプチドおよび特に疎水性の分子が挙げられる)の水溶性の向上、生体適合性の向上、血中半減期の延長、治療半減期の延長、免疫原性の調節、生物学的活性の調節、または循環時間の延長の一方法である。PEGは、生物適合性、毒性がないこと、および免疫原性がないことが重要である場合に、製薬、人工的な移植物および他の用途に広く使用されている。PEGの特性を最大化するために、生物学的に活性な分子に結合される(複数の)PEG重合体の総分子量および水和部位は、PEG重合体の結合と代表的に関連する有利な特徴(例えば、水溶性および循環半減期の増大)を与えるほどに、親分子の生物活性に逆の作用を与えないほどに、十分に高くなければならない。
PEG誘導体は、反応性の化学官能基(例えば、リジン残基、システイン残基、ヒスチジン残基、N末端部分およびカルボキシル末端部分)を介して生物学的に活性な分子と、しばしば結合されている。タンパク質および他の分子は、しばしば重合体の結合に利用可能な反応性部位を限られた数しか有していない。重合体結合を介した修飾に最も好適な部位は、しばしば受容体結合に重要な役割を果たしており、分子の生物学的な活性の維持に必須である。結果として、生物学的に活性な分子上のそのような反応性部位に対する重合体鎖の無差別な結合は、重合体によって修飾されている分子の生物学的な活性の有意な低下または完全な消失さえ、しばしば引き起こす(R. Clark et al., (1996), J. Biol. Chem., 271:21969-21977)。標的分子に対して所望の利点を与えるために十分な分子量を有している抱合体を形成するために、従来技術の手法は、多数の重合体の腕の、分子に対する無作為な結合を典型的に含んでおり、これによって親分子の生物活性の低下または完全な消失という危険性が高まる。
タンパク質に対するPEG誘導体の結合部位を形成する反応性部位は、タンパク質の構造によって決定される。タンパク質(酵素が挙げられる)は一般構造HN−−CHR−−COOHを有しているαアミノ酸の種々の配列から構成されている。アミノ酸のαアミノ部分(HN−−)は、隣接するアミノ酸のカルボキシ部分(−−COOH)と結合して、−−(NH−−CHR−−CO)−−と表され得るアミド結合を形成する。ここで、下付文字の“n”は数百または数千であり得る。Rによって表される部分は、タンパク質の生物学的な活性およびPEG誘導体の結合のための反応性の部位を含み得る。
例えばアミノ酸リジンの場合、ε位およびα位に−−NH部分が存在している。ε位の−−NHは塩基性のpH条件における反応にとって自由である。PEGを用いたタンパク質の誘導体化の分野における技術のほとんどが、タンパク質に存在しているリジン残基のε位の−−NH部分に対する結合に関するPEG誘導体の開発に関する(“Polyethylene Glycol and Derivatives for Advanced PEGylation”, Nektar Molecular Engineering Catalog, 2003, pp. 1-17)。しかし、これらのPEG誘導体のすべては、タンパク質の表面に存在している多くの場合に多数のリジン残基のなかから選択的に導入し得ないという一般的な制限を有している。これは、リジン残基がタンパク質の活性に重要である(酵素活性部位に存在している)場合、または例えば、受容体結合部位の場合のように、リジン残基が他の生物学的分子とのタンパク質の相互作用を媒介する役割を果たしている場合、実際に重大な制限であり得る。
タンパク質にPEGを付加する既存の方法の第2の等しく重要な複雑さは、PEG誘導体が所望される残基以外の残基と所望されない副反応を受け得ることである。ヒスチジンは、−−N(H)−−と構造的に表される反応性部分を含んでいるが、ε位の−−NHと反応する多くの化学反応種はまた、−−N(H)−−と反応し得る。同様に、アミノ酸システインの側鎖は、−−SHと構造的に表される自由なスルフィドリル基を有している。いくつかの場合に、リジンのε位の−−NH基に関するPEG誘導体はまた、システイン、ヒスチジンまたは他の残基と反応する。これは、PEG誘導体化されている生物活性分子の複合的な異種混合物を生成し得、標的の生物活性分子の活性を破壊する危険がある。タンパク質内の単一の部位に化学官能基が導入され得、それから明確かつ予測可能なタンパク質表面の特定の部位において生物活性分子に対する1つ以上のPEG重合体の選択的な結合が可能であるPEG誘導体の開発が望まれている。
リジン残基に加えて、当該分野における多くの試みは、他のアミノ酸側鎖(システイン、ヒスチジンおよびN末端が挙げられる)を標的とする活性化されているPEG試薬の開発に関する。例えば、“Polyethylene Glycol and Derivatives for Advanced PEGylation”, Nektar Molecular Engineering Catalog, 2003, pp. 1-17を参照すればよい。システイン残基は、部位特異的変異生成および当該分野に公知の他の技術を用いてタンパク質の構造へ部位特異的に導入され得、生じた自由なスルフィドリル部分がチオール反応性の官能基を有しているPEG誘導体と反応され得る。しかし、この手法は、自由なスルフィドリル基が生じるアミノ酸の発現、フォールディングおよび安定性を悪化させ得る点において複雑である。したがって、1つ以上のPEG重合体の、タンパク質に対する選択的な結合を可能にすると同時に、スルフィドリルおよびタンパク質に典型的に見られる他の化学官能基と適合する(すなわちこれらと所望されない側鎖反応を起こさない)生物活性分子に化学官能基を導入する手法を有していることが所望される。
従来技術の抽出からわかるように、タンパク質の側鎖(特にリジンのアミノ酸側鎖にある−−NH部分およびシステインの側差にある−−SH部分)に対する結合のために開発されているこれらの誘導体は、合成および使用において問題があると証明されている。いくつかは、加水分解を受け、したがって変性するか、分解されるか、または水性環境(例えば血流)において不安定であるタンパク質との不安定な結合を形成する。いくつかはより安定な結合を形成するが、結合が形成される前に加水分解され、つまりPEG誘導体上の反応性基がタンパク質と結合し得る前に不活性化され得る。いくつかは、若干の毒性を示し、したがってインビボにおける使用にとってあまり好適ではない。いくつかは実際に有用である反応の進行が遅すぎる。いくつかは、タンパク質の活性を担っている部位に結合することによってタンパク質の活性の消失を起こす。いくつかは、それらが結合する部位に特異的ではなく、所望の活性の消失および再現性のない結果を生じ得る。ポリ(エチレングリコール)を用いたタンパク質の修飾と関連する問題点を克服するために、より安定なPEG誘導体(例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,602,498号)、または分子上および表面上のチオール部分と選択的に反応するPEG誘導体(例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,610,281号)が開発されている。安定な化学結合を形成するために選択的に反応させることを所望するまで、生理学的環境において化学的に不活性なPEG誘導体に対する当該分野における明らかな必要性がある。
ポリペプチドに対して共有結合させるための、ヒドロキシアルキルスターチの抱合物の使用、特にヒドロキシエチルスターチ(HES)の使用が、ポリペプチドの免疫原性および/またはアレルゲン性を大きく変更する目的について開示されている。HES付加は、Fresenius Kabi ABに譲渡されている一連の特許出願(参照によって本明細書に援用される米国特許出願公開第20050063943号、米国特許出願公開第20060121073号、米国特許出願公開第20010100163号、米国特許出願公開第20050234230号、米国特許出願公開第20050238723号、米国特許出願公開第20060019877号、米国特許出願公開第20070134197号、米国特許出願公開第20070087961号、および米国特許第7,285,661号が挙げられる)に開示されている代替技術である。HESは、血漿容積増量剤として臨床的に使用されている、修飾されている天然の重合体であり、HES付加は、薬剤の特性(例えば、薬物動態および水溶性)を調節するためにHES誘導体と薬物を結合する技術を代表している。また、薬剤の特性としては、生物学的な活性の増大を生じる分子の増大した安定性を介したタンパク質の血漿循環の延長および低下した腎クリアランスが挙げられる。さらに、免疫原性またはアレルゲン性が低下し得る。異なるパラメータ(例えば、HESの分子量)を変更することによって、広範なHES抱合物が製造され得る。それでもやはり、ヒドロキシエチルスターチは、現在、使用可能な他の重合体のすべてと一般的な欠点(多分散性)を共有している。重合体の抱合物は、平均値の周囲に分布している分子量を有している分子の混合物である。この均質性の欠失は、低レベルの化学的特性および生化学的特性を生じ、薬学的に活性な成分が作用の部位(受容体、酵素など)に到達することを妨げ得る。これらの場合に、活性であるべき薬剤は、元の抱合されていない形態における送達を必要とし、したがって代謝反応による重合体の切断が製薬の有効性にとって要求される。
最近、タンパク質の部位特異的修飾に関連する多くの制限の克服を可能にする、タンパク質科学における全く新たな技術が報告されている。具体的には、新たな構成要素が、原核生物の大腸菌(Escherichia coli)(E. coli)(例えば、L. Wang, et al., (2001), Science 292:498-500)、および真核生物の酵母(Sacchromyces cerevisiae)(S. cerevisiae)(例えば、J. Chin et al., Science 301:964-7 (2003))のタンパク質生合成機構に対して加えられている。これらの構成要素は、インビボにおけるタンパク質に対する遺伝的にコードされないアミノ酸の組込みを可能にしている。新規な化学的、物理的または生物学的特性を有する多くの新たなアミノ酸(光親和性標識されたアミノ酸、光異性化可能なアミノ酸、光架橋アミノ酸(例えばChin, J. W., et al. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 99:11020-11024; and, Chin, J. W., et al., (2002) J. Am. Chem. Soc. 124:9026-9027を参照すればよい)ケトアミノ酸、および糖鎖付加アミノ酸が挙げられる)が、この方法論を用いて、アンバーコドンTAGに応じてE. coliおよび酵母内にて、タンパク質に対して効率的かつ高い忠実度を有して組み込まれている。例えば、J. W. Chin et al., (2002), Journal of the American Chemical Society 124:9026-9027; J. W. Chin, & P. G. Schultz, (2002), ChemBioChem 3(11):1135-1137; J. W. Chin, et al., (2002), PNAS United States of America 99:11020-11024; and, L. Wang, & P. G.Schultz, (2002), Chem. Comm., 1:1-11を参照すればよい(参照によってその全体が本
明細書に援用される)。これらの研究は、遺伝的にコードされる一般的な20個のアミノ酸に見出される官能基のすべてに対して化学的に不活性であり、効率的にかつ選択的に反応して安定な共有結合を形成するために使用され得る、タンパク質に見出されない化学官能基(例えば、ケトン基、アルキン基およびアジド部分)を、選択的かつ日常的に導入することが可能であることを証明している。
遺伝的にコードされないアミノ酸をタンパク質に組み込むことができれば、天然に存在する官能基(例えば、リジンのε位の−NH、システインのスルフィドリル−SH、ヒスチジンのイミノ基など)に代わる有益な化学官能基を導入することが可能となる。ある種の化学官能基は、一般的な20個の遺伝的にコードされるアミノ酸に見出される官能基に対して不活性であるが、安定な結合を形成するために容易かつ効率的に反応することが知られている。例えば、アジド基およびアセチレン基は、触媒量の銅が存在する水性条件においてヒュイゲン(Huisgen)[3+2]付加環化反応を受けることが当該技術において知られている。例えば、Tornoe, et al., (2002) Org. Chem. 67:3057-3064;およびRostovtsev, et al., (2002) Angew. Chem. Int. Ed. 41 :2596-2599を参照すればよい。例えば、タンパク質構造にアジド部分を導入することによって、タンパク質に見られるアミン基、スルフィドリル基、カルボン酸基、およびヒドロキシル基に対して化学的に不活性であるが、アセチレン部分と速やかにかつ効率的に反応して付加環化生成物を形成する官能基を組み込むことができる。重要なことに、アジドは、アセチレン部分が存在していないと、他のタンパク質の側鎖が存在したり、生理学的条件下であったりしても、化学的に不活性のままであり、非反応性を維持する。
本発明は、とりわけbG−CSFポリペプチドの活性および生成と関連する問題を解決するものであり、向上した生物学的もしくは薬理学的な特性および/または増大した治療半減期を有しているbG−CSFポリペプチドの生成に関する。
本発明は天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含んでいるbG−CSFポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは1つ以上の翻訳後修飾を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、リンカー、重合体または生物学的に活性な分子と連結されている。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、二機能性重合体、二機能性リンカーまたは少なくとも1つのさらなるbG−CSFポリペプチドと連結されている。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、上記水溶性重合体はポリ(エチレングリコール)部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は、リンカーを用いて水溶性重合体と連結されているか、または水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、上記ポリ(エチレングリコール)分子は二機能性重合体である。いくつかの実施形態において、上記二機能性重合体は第2のポリペプチドと結合されている。いくつかの実施形態において、上記第2のポリペプチドがbG−CSFポリペプチドである。
いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、ポリ(エチレングリコール)部分を含んでいる水溶性重合体と連結されている少なくとも2つのアミノ酸を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つのアミノ酸は天然にコードされていないアミノ酸である。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFにおける以下の位置:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFにおける以下の位置:配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸の、3位、7位、11位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、98位、99位、123位、124位、125位、133位、134位、136位、141位、159位、166位、169位、170位、173位、およびこれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFにおける以下の位置:、3位、7位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、99位、123位、124位、133位、134位、141位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFにおける以下の位置:3位、7位、62位、133位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFにおける以下の位置:62位、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上がbG−CSFの62位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)に組み込まれている。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上がbG−CSFの133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)に組み込まれている。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、1つ以上の天然アミノ酸の置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は、配列番号1、2または他のbG−CSFの配列のN末端またはC末端にあるリーダー配列またはシグナル配列に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、以下の位置の1つ以上における非天然に存在しているアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。当該位置としては、1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、11位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、98位、99位、123位、124位、125位、133位、134位、136位、141位、159位、166位、169位、170位、173位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における非天然に存在しているアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、99位、123位、124位、133位、134位、141位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における非天然に存在しているアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、62位、133位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における非天然に存在しているアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、以下の位置:62位、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における天然にコードされていないアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、62位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)における天然にコードされていないアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)における天然にコードされていないアミノ酸が水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、配列番号1、2または他のbG−CSFの配列のN末端またはC末端にあるリーダー配列またはシグナル配列における非天然に存在しているアミノ酸が、水溶性重合体と連結されている。
いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、受容体または結合パートナー(タンパク質、ポリペプチド、小分子または核酸が挙げられる)に対する親和性を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの安定性と比べて、当該bG−CSFポリペプチドの安定性を増大させる置換、付加または欠失を含んでいる。安定性および/または水溶性は当業者にとっての公知の多くの異なるアッセイを用いて測定され得る。そのようなアッセイとしては、SE−HPLCおよびRP−HPLCが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの免疫原性と比べて、当該bG−CSFポリペプチドの免疫原性を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの血中半減期または循環時間と比べて、当該bG−CSFポリペプチドの血中半減期または循環時間を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。
いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの水溶性と比べて、当該bG−CSFポリペプチドの水溶性を増大させる置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの可溶性と比べて、宿主細胞における当該bG−CSFポリペプチドの可溶性を増大させる置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの発現または合成と比べて、宿主細胞における当該bG−CSFポリペプチドの発現またはインビトロにおける合成を増大させる置換、付加または欠失を含んでいる。この置換を含んでいるbG−CSFポリペプチドはアゴニスト活性を維持しており、宿主細胞における発現を維持しているか、または当該発現が向上されている。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドのプロテアーゼ耐性と比べて、当該bG−CSFポリペプチドのプロテアーゼ耐性を向上させる置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドとの相互作用による受容体の活性と比べて、受容体のシグナル伝達活性を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの結合と比べて、他の分子(例えば受容体)との結合を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの造血性と比べて、造血性を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの好中球の増殖と比べて、好中球の増殖を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの好中球の成熟と比べて、好中球の成熟を調節する置換、付加または欠失を含んでいる。
いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、置換、付加または欠失を有していない対応するbG−CSFポリペプチドの適合性と比べて、薬学的な保存剤(例えば、m−クレゾール、フェノール、ベンジルアルコール)との当該bG−CSFポリペプチドの適合性を増大させる置換、付加または欠失を含んでいる。増大したこの適合性によって、保存期間にタンパク質の薬学的特性および生物学的活性を維持している薬学的な保存統合物の調製が可能になる。
いくつかの実施形態において、1つ以上の改変された結合は、1つ以上の非天然アミノ酸を用いてもたらされる。分子間結合は、多くの手法(好適な条件におけるタンパク質内の2つのアミノ酸間の反応(1つまたは両方のアミノ酸が非天然アミノ酸であり得る);リンカー、重合体または他の分子を用いた好適な条件における、2つのアミノ酸を用いた反応(アミノ酸のいずれもが天然にコードされているアミノ酸または天然にコードされていないアミノ酸であり得る)などが挙げられるが、これらに限定されない)においてもたらされ得る。
いくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドにおける1つ以上のアミノ酸置換は、天然に存在しているアミノ酸または天然に存在していないアミノ酸の1つ以上を用いてなされ得る。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドにおけるアミノ酸置換は、少なくとも1つの置換が天然にコードされていないアミノ酸を用いてなされていることを条件に、天然または非天然に存在しているアミノ酸を用いてなされ得る。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドにおける1つ以上のアミノ酸置換は天然に存在しているアミノ酸の1つ以上を用いてなされ得、さらに少なくとも1つの置換が天然にコードされていないアミノ酸を用いてなされている。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸は、カルボニル基、アセチル基、アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、セミカルバジド基、アジド基またはアルキン基を含んでいる。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸がカルボニル基を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は以下の構造:
Figure 0005844336
(ここで、nは0〜10であり、Rは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであり、Rは、H、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはカルボキシ末端修飾基である)
を有している。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸はアミノオキシ基を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸はヒドラジド基を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸はヒドラジン基を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸はセミカルバジド基を含んでいる。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸はアジド基を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は以下の構造:
Figure 0005844336
(ここで、nは0〜10であり、Rは、アルキル、アリール、置換アルキルもしくは置換アリールであるか、または存在せず、Xは、O、NもしくはSであるか、または存在せず、mは0〜10であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチドまたはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチドまたはカルボキシ末端修飾基である)
を有している。
いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸はアルキン基を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は以下の構造:
Figure 0005844336
(ここで、nは0〜10であり、Rは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであり、Xは、O、NもしくはSであるか、または存在せず、mは0〜10であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチドまたはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチドまたはカルボキシ末端修飾基である)
を有している。
いくつかの実施形態において、上記ポリペプチドは、bG−CSFポリペプチドのアゴニスト、部分アゴニスト、部分アンタゴニストまたは逆アゴニストである。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドの上記アゴニスト、部分アゴニスト、部分アンタゴニストまたは逆アゴニストは水溶性重合体と連結されている天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記水溶性重合体はポリ(エチレングリコール)である。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドの上記アゴニスト、部分アゴニスト、部分アンタゴニストまたは逆アゴニストは天然にコードされていないアミノ酸、および1つ以上の翻訳後修飾、リンカー、重合体もしくは生物学的に活性な分子を含んでいる。
また、本発明は、ストリンジェントな条件において配列番号3もしくは4とハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んでいる単離されている核酸、または配列番号1のポリペプチドをコードしている核酸を提供する。また、本発明は、ストリンジェントな条件において配列番号3もしくは4とハイブリダイズするポリヌクレオチド、または配列番号1または2に示されているポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドとストリンジェントな条件においてハイブリダイズするポリヌクレオチドを含んでいる単離されている核酸を提供する。当該核酸に含まれているポリヌクレオチドが、少なくとも1つのセレクターコドンを含んでいる。また、本発明は、配列番号1または2に示されているポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含んでいる単離されている核酸を提供する。また、本発明は、天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含んでおり、かつ配列番号1または2に示されているポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含んでいる単離されている核酸を提供する。多くの異なるポリヌクレオチドが本発明の任意のポリペプチドをコードし得ることは、当業者にとって明らかである。
いくつかの実施形態において、上記セレクターコドンは、アンバーコドン、オーカーコドン、オパールコドン、ユニークコドン、レアコドン、5塩基コドンおよび4塩基コドンからなる群から選択される。
また、本発明は、水溶性重合体と連結されているbG−CSFポリペプチドを製造する方法を提供する。いくつかの実施形態において、当該方法は、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる単離されているbG−CSFポリペプチドを、当該天然にコードされていないアミノ酸と反応する部分を含んでいる水溶性重合体と接触させることを包含している。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドに組み込まれている上記天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体に対して反応性であり、通常の20のアミノ酸のいずれとも反応性ではない。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドに組み込まれている天然にコードされていないアミノ酸は、リンカー、重合体または生物学的に活性な分子に対して反応性であり、当該リンカー、重合体または生物学的に活性な分子が通常の20のアミノ酸のいずれとも反応性ではない。
いくつかの実施形態において、水溶性重合体と連結されている上記bG−CSFポリペプチドは、カルボニル含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドを、アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基またはセミカルバジド基を含んでいるポリ(エチレングリコール)分子と反応させることによって製造される。いくつかの実施形態において、上記アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基またはセミカルバジド基は、アミド結合を介してポリ(エチレングリコール)分子と連結されている。いくつかの実施形態において、上記アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基またはセミカルバジド基は、カルバメート結合を介してポリ(エチレングリコール)分子と連結されている。
いくつかの実施形態において、水溶性重合体と連結されている上記bG−CSFポリペプチドは、カルボニル基を含んでいるポリ(エチレングリコール)分子を、アミノオキシ基、ヒドラジン基ヒドラジド基またはセミカルバジド基を含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるポリペプチドと反応させることによって製造される。
いくつかの実施形態において、水溶性重合体と連結されている上記bG−CSFポリペプチドは、アルキン含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドを、アジド基を含んでいるポリ(エチレングリコール)分子と反応させることによって製造される。いくつかの実施形態において、アジド基またはアルキン基はアミド結合を介してポリ(エチレングリコール)分子と連結されている。
いくつかの実施形態において、水溶性重合体と連結されている上記bG−CSFポリペプチドは、アジド含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドを、アルキン部分を含んでいるポリ(エチレングリコール)分子と反応させることによって製造される。いくつかの実施形態において、アジド基またはアルキン基はアミド結合を介してポリ(エチレングリコール)分子と連結されている。
いくつかの実施形態において、上記ポリ(エチレングリコール)分子は約0.1kDaから約100kDaの分子量を有している。いくつかの実施形態において、上記ポリ(エチレングリコール)分子は約0.1kDaから約50kDaの分子量を有している。
いくつかの実施形態において、上記ポリ(エチレングリコール)分子は分枝鎖状の重合体である。いくつかの実施形態において、分枝鎖状の上記ポリ(エチレングリコール)重合体の分枝鎖のそれぞれは1kDaから100kDaまたは1kDaから50kDaの分子量を含んでいる。
いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドと連結されている上記水溶性重合体はポリアルキレングリコール部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドに組み込まれている上記天然にコードされていないアミノ酸残基は、カルボニル基、アミノオキシ基、ヒドラジド基、ヒドラジン基、セミカルバジド基、アジド基またはアルキン基を含んでいる。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドに組み込まれている上記天然にコードされていないアミノ酸残基は、カルボニル部分を含んでおり、上記水溶性重合体は、アミノオキシ部分、ヒドラジド部分、ヒドラジン部分またはセミカルバジド部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドに組み込まれている上記天然にコードされていないアミノ酸残基はアルキン部分を含んでおり、上記水溶性重合体はアジド部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドに組み込まれている上記天然にコードされていないアミノ酸はアジド部分を含んでおり、上記水溶性重合体はアルキン部分を含んでいる。
また、本発明は、薬学的に受容可能な担体および天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドを含んでいる、組成物を提供する。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は水溶性重合体と連結されている。
また、本発明は、bG−CSFポリペプチドをコードしており、セレクターコドンを含んでいるポリヌクレオチドを含んでいる細胞を提供する。いくつかの実施形態において、上記細胞は、bG−CSFポリペプチド内に天然にコードされていないアミノ酸を置換するための、直交性のRNA合成酵素および/または直交性のtRNAを含んでいる。
また、本発明は、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドを製造する方法を提供する。いくつかの実施形態において、当該方法は、bG−CSFポリペプチド、直交性のRNA合成酵素および/または直交性のtRNAをコードしている(複数の)ポリヌクレオチドを含んでいる細胞を、bG−CSFポリペプチドを発現可能な条件において培養すること;ならびに細胞および/または培養上清から得られたbG−CSFポリペプチドを精製することを包含している。
また、本発明は、bG−CSFポリペプチドの治療半減期、血清中半減期または循環時間を増大させる方法を提供する。また、本発明はbG−CSFポリペプチドの免疫原性を調節する方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記方法は天然に存在しているbG−CSFポリペプチドにおける1つ以上の任意のアミノ酸を天然にコードされていないアミノ酸に置換すること、および/またはリンカー、重合体、水溶性重合体、もしくは生物学的に活性な分子とbG−CSFポリペプチドを連結することを包含している。
また、本発明は、本発明のbG−CSFポリペプチドの有効量を用いて、処置を必要としている患者を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、当該方法は、薬学的に受容可能な担体および治療有効量の薬学的組成物を投与することを包含しており、ここで、当該bG−CSFポリペプチドは天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドは糖鎖付加されている。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドは糖鎖付加されていない。
また、本発明は、少なくとも1つのアミノ酸が天然にコードされていないアミノ酸によって置換されている点を除いて、配列番号1、2または任意の他のbG−CSFポリペプチドの配列を含んでいるbG−CSFポリペプチドを提供する。また、本発明は、配列番号1、2に示されている配列を含んでいるbG−CSFポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、上記水溶性重合体はポリ(エチレングリコール)部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は、カルボニル基、アミノオキシ基、ヒドラジド基、ヒドラジン基、セミカルバジド基、アジド基またはアルキン基を含んでいる。
また、本発明は、薬学的に受容可能な担体およびbG−CSFポリペプチドを含んでいる薬学的組成物を提供し、ここで、当該bG−CSFポリペプチドは配列番号1もしくは2に示されている配列もしくは任意の他のbG−CSFポリペプチドの配列を含んでいる。また、本発明は、薬学的に受容可能な担体およびbG−CSFポリペプチドを含んでいる薬学的組成物を提供し、ここで、当該bG−CSFポリペプチドは配列番号1もしくは2に示されている配列を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記天然にコードされていないアミノ酸は糖部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記水溶性重合体は糖部分を介して上記ポリペプチドと連結されている。いくつかの実施形態において、上記リンカー、重合体または生物学的に活性な分子は糖部分を介してbG−CSFポリペプチドと連結されている。
また、本発明は、bG−CSFポリペプチドの単一のアミノ酸に対する共有結合によって連結されている水溶性重合体を含んでいるbG−CSFポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態において、上記水溶性重合体はポリ(エチレングリコール)部分を含んでいる。いくつかの実施形態において、水溶性重合体と共有結合されている上記アミノ酸は上記ポリペプチドに存在している天然にコードされていないアミノ酸である。
本発明のいくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドと共有結合によって連結されているHESを含んでいる当該bG−CSFポリペプチドは単一のアミノ酸において連結されている。本発明のいくつかの実施形態において、上記bG−CSFポリペプチドは、複数のHES分子および/またはPEG分子と連結され得る天然にコードされていないアミノ酸を複数含んでいる。
本発明は、少なくとも1つリンカー、重合体または生物学的に活性な分子を含んでいるbG−CSFポリペプチドを提供し、ここで、当該リンカー、重合体または生物学的に活性な分子が、リボソームによって当該ポリペプチドに組み込まれている天然にコードされていないアミノ酸の官能基を介して当該ポリペプチドに結合している。いくつかの実施形態において、上記ポリペプチドは1つのPEGが付加されている。また、本発明は、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上に結合されているリンカー、重合体または生物学的に活性な分子を含んでいるbG−CSFポリペプチドを提供する。当該天然にコードされていないアミノ酸は、上記ポリペプチドのあらかじめ選択された部位に、リボソームによって組み込まれている。
本発明の範囲内に包含されるのは、bG−CSFのコーディング領域に連結されているbG−CSFのリーダー配列またはシグナル配列、ならびにbG−CSFのコーディング領域に連結されている異種のシグナル配列である。選択される異種のリーダー配列またはシグナル配列は、宿主によって分泌され、シグナルペプチダーゼによっておそらく切断されるために、例えば宿主の分泌系によって、認識され、処理される1つであるべきである。本発明のbG−CSFを用いて障害または疾患を処置する方法は、シグナルペプチドまたはリーダーペプチドあり、またはなしにおいて、bG−CSFを用いた処理を包含していることが意図される。
本発明は、動物における感染症の処置および予防の方法を提供する。また、本発明は、ウシ属の動物における乳腺炎および輸送熱の処置および予防の方法を提供する。また、本発明は、細菌の耐性菌株を生じさせることなく動物における感染症の処置の方法を提供する。また、本発明は、天然に存在しているウシbG−CSFの、一次構造の一部もしくは全部、および1つ以上の生物学的な性質を有している、精製および単離されているポリペプチド、ならびにそのようなウシbG−CSFをコードしているDNA配列を提供する。
本発明の他の実施形態において、1つ以上のさらなるコロニー刺激因子が、感染症にかかっている動物に対して、G−CSF(GM−CSF、M−CSFおよびマルチ−CSF(IL−3)が挙げられるが、これらに限定されない)とともに投与される。複数のCSFは同時または別々に投与される。さらなる実施形態において、動物の感染症は、インターフェロン(αインターフェロン、IL−2およびTNFが挙げられるが、これらに限定されない)または従来の抗生物質(ペニシリン、セファロスポリンおよびアミノグリコシドが挙げられるが、これらに限定されない)とともにG−CSFを投与することによって、処置される。
他の実施形態において、bG−CSF処置は予防的手法に使用される。上記bG−CSFは、細菌感染、酵母感染または真菌感染を被るおそれのある動物の宿主防御を増強するための予防療法剤として使用され得る。例えば、上記bG−CSFは、感染症(肺炎が挙げられるが、これらに限定されない)にかかるおそれのある正常な動物における予防療法剤として使用され得る。本明細書に使用されるとき“正常な”という用語は、正常な免疫機能、白血球カウントおよび白血球の分化を有している動物を意味する。牛は、感染症を抑える能力を増進させ、初回刺激するために、輸送または牛を衰弱させる事象の前に予防的に処置される。上記bG−CSFの投与は、ウシが処理されるとき(すなわちワクチン接種または焼印などのとき)になされ得る。また、上記bG−CSFを用いた処置は、乳が出なくなった牛の治療の期間、および/または牛が出産する直前になされて、産後の子宮内感染、および授乳の初期の段階における乳腺炎のおそれを低下させ得る。出産直前期におけるウシの好中球の機能の説明については、Kehrli et al., Am. J. Vet. Res., 50,No.2, 207 (1989); Oliver et al., J. Dairy Sci. 71:2584-2606 (1988); and Kehrli et al., J Dairy Sci. 74:4399-4412 (1991)を参照すればよい。飲用に適さない牛乳と思われる残余物のために、出産の直前における抗生物質を用いた処置はこれまでなかった。
他の実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる上記bG−CSFポリペプチドの、他の分子(PEGが挙げられるが、これらに限定されない)との抱合物は、天然にコードされていないアミノ酸に対する抱合に利用される特有の化学反応の結果として、実質的に精製されているbG−CSFを提供する。天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドの、他の分子(例えばPEG)との抱合は、実質的に純粋なbG−CSFを準備する抱合ステップの前、またはこれに続いて実施される他の精製技術を用いて実施され得る。
bG−CSFの発現に使用したプラスミドが示されている。 bG−CSFを発現するために使用した宿主細胞株に関する詳細が示されている。 本発明のbG−CSFポリペプチドの発現のSDS−PAGE分析が示されている。 PEG付加前におけるbG−CSF のCM FFカラムのピーク画分のSDS−PAGE分析が示されている。 PEG付加bG−CSF−T133pAFのSP HPカラムのピーク画分のSDS−PAGE分析が示されている。 PEG付加の前後におけるbG−CSFのSDS−PAGE分析が示されている。 野生型bG−CSFのトリプシン/Glu−C消化(214nm検出)が示されている。 bG−CSF T133pAFのトリプシン/Glu−C消化(214nm検出)が示されている。 野生型bG−CSFのトリプシン/Glu−C消化(250nm検出)が示されている。 bG−CSF T133pAFのトリプシン/Glu−C消化(250nm検出)が示されている。 野生型bG−CSFのGlu−C消化(214nm検出)が示されている。 bG−CSF T133pAFのGlu−C消化(214nm検出)が示されている。 野生型bG−CSFのGlu−C消化(250nm検出)が示されている。 bG−CSF T133pAFのGlu−C消化(250nm検出)が示されている。 PEG付加bG−CSFポリペプチドのSEC−HPLC分析が示されている。 bG−CSFポリペプチドのSEC−HPLC分析が示されている。 20K PEG付加ウシG−CSF T133pAFおよび野生型のM−NFS60増殖アッセイから得られた未加工のEC50値が示されている。 20K PEG付加ウシG−CSF T133pAF対野生型の、M−NFS60増殖アッセイにおけるEC50の倍率差が示されている。 CD11b抗体を用いて染色したウシの好中球を分析する実験からの結果が示されている。 ANCに対するPEG付加bG−CSF投与の結果が示されている。 40μg/kgの単回の皮下投与の後に、調合緩衝液またはPEG付加bG−CSFのいずれかを用いて処置した牛における好中球カウントの絶対値(平均値±標準誤差)を示す線グラフが示されている。 40μg/kgの実施例から得られた牛の毎日の乳の産生量の平均値を示す線グラフが示されている。 牛の4つの群(対照群、非PEG付加のbG−CSFの毎日の処理群、40μg/kgのPEG付加bG−CSFを用いて注入された群および20μg/kgのPEG付加bG−CSFを用いて注入された群を含んでいる)の間における産後の3、5、7および10日目における体細胞のカウントにおける差を示す棒グラフが示されている。
〔定義〕
本発明は、本明細書に記載されている特定の方法論、手順、細胞株、構築物、および試薬に制限されず、よって変更可能であることが、理解されるべきである。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限することを意図しないことが、理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるときに、単数形“a”、“an”、および“the”は、前後関係から1つのものを明確に示している場合を除いて、複数を指すことを含む。したがって例えば、“bGCSF”、“ウシG−CSF”、“bG−CSF”、“bG−CSF”、“ウシG−CSFポリペプチド”もしくは“bG−CSFポリペプチド”、および種々のハイフンありおよびハイフンなしの形態に対する言及は、1つ以上のそのようなタンパク質を指し、当業者にとって公知のこれらの投下物などを包含している。
他に明示されていない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に通常に理解されるような、同じ意味を有する。任意の方法、装置および物質、本明細書に記載されているそれらの類似物または等価物が、本発明の実施または試験に使用され得るが、好ましい方法、装置および材料は、これから説明される。
本明細書に述べられている公報および特許は、例えば、現在、説明されている本発明と関連して使用され得る公報に説明されている構築物および方法論を説明し、開示することを目的として、参照によって本明細書に援用される。本明細書において議論される公報において、本願の出願日の前における開示内容が単に規定される。本明細書において、先の発明によって当該開示に先立つために、または任意の他の理由によって、発明者に権利が与えられないことの承認として解釈されるべきではない。
“実質的に精製された”という用語は、天然に存在する環境(すなわち、天然の細胞、またはbG−CSFポリペプチドが組換え的に産生される場合における宿主細胞)に見られるような、bG−CSFタンパク質と付随するか、または相互作用する化合物を実質的にまたはほとんど含み得ない、bG−CSFポリペプチドを指す。細胞性物質を実質的に含み得ないbG−CSFポリペプチドとしては、混入しているタンパク質が、(乾燥重量として)約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満である、タンパク質の調製物が挙げられる。bG−CSFポリペプチドまたはこれらのバリアントが、宿主細胞において組換え的に産生される場合に、タンパク質は、細胞の乾燥重量の約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%もしくはそれ未満において存在し得る。bG−CSFポリペプチドまたはこれらのバリアントが、宿主細胞において組換え的に産生される場合に、タンパク質は、細胞の乾燥重量の約5g/l、約4g/l、約3g/l、約2g/l、約1g/l、約750mg/l、約500mg/l、約250mg/l、約100mg/l、約50mg/l、約10mg/l、または約1mg/lもしくはそれ未満において培養培地に存在し得る。したがって、本発明の方法によって産生される“実質的に精製された”bG−CSFポリペプチドは、適切な方法(例えば、SDS/PAGE分析、RP−HPLC、SEC、およびキャピラリー電気泳動)によって決定されるときに、少なくとも約30%、少なくとも35約%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%の純度、詳細には少なくとも約75%、80%、85%の純度、そしてより詳細には少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、少なくとも約99%またはそれ以上の純度を有している。
“組換え宿主細胞”または“宿主細胞”は、挿入に使用される方法(例えば、直接的な取り込み、形質導入、f−交配(f-mating)、または組換え宿主細胞を作り出すために使用される他の公知の方法)にかかわらず、外来性のポリヌクレオチドを含んでいる細胞を指す。外来性のポリヌクレオチドは、宿主のゲノムに組み込まれないベクター(例えば、プラスミド)として維持され得るか、または宿主のゲノムに組み込まれ得る。
本明細書において使用されるときに、“培地”または“培養液”という用語は、任意の宿主細胞(細菌宿主細胞、酵母宿主細胞、昆虫宿主細胞、植物宿主細胞、真核生物宿主細胞、哺乳類宿主細胞、CHO細胞、原核生物宿主細胞、E. coliまたはPseudomonas宿主細胞が挙げられる)、および細胞内容物を保持し得るか、または含有し得る任意の培養培地、溶液、固体、半固体、または固定担体を含む。したがって、当該用語は、宿主細胞が培養されている培地(例えば、bG−CSFポリペプチドが分泌されている培地(増殖段階の前または後のいずれかにおける培地))を包含し得る。また、当該用語は、“bG−CSF”ポリペプチドが細胞内において産生され、宿主細胞が溶解されるか、または崩壊させられてbG−CSFポリペプチドを放出する場合に、宿主細胞溶解液を含有する緩衝液または試薬を包含し得る。
タンパク質のフォールディングに関して本明細書において使用されるときに、“還元剤”は、還元状態においてスルフィドリル基を維持し、分子内または分子間のジスルフィド結合を還元する、任意の化合物または物質として定義づけされる。好適な還元剤としては、ジチオスレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール、ジチオエリスリトール、システイン、システアミン(2−アミノエタンチオール)、および還元グルタチオンが挙げられるが、これらに限定されない。広範な還元剤が本発明の方法および組成物における使用に好適であることは、当業者にとって直ちに明らかになる。
タンパク質のフォールディングに関して本明細書において使用されるときに、“酸化剤”は、酸化される化合物から電子を除去できる、任意の化合物または物質として定義づけされる。好適な酸化剤としては、酸化グルタチオン、シスチン、シスタミン、酸化ジチオスレイトール、酸化エリスレイトール、および酸素が挙げられるが、これらに限定されない。広範な酸化剤が本発明の方法における使用に好適であることは、当業者にとって直ちに明らかになる。
タンパク質のフォールディングに関して本明細書において使用されるときに、“酸化剤”は、酸化される化合物から電子を除去できる、任意の化合物または物質として定義づけされる。好適な酸化剤としては、酸化グルタチオン、シスチン、シスタミン、酸化ジチオスレイトール、酸化エリスレイトール、および酸素が挙げられるが、これらに限定されない。広範な酸化剤が本発明の方法における使用に好適であることは、当業者にとって直ちに明らかになる。
本明細書において使用されるときに、“変性剤(denaturing agent)”“変性剤(denaturant)”は、タンパク質の可逆的な変性を引き起こす、任意の化合物または物質として定義づけされる。変性剤または変性剤の強さは、特定の変性剤または変性剤の性質および濃度の両方によって決定される。好適な変性剤または変性剤は、カオトロープ、界面活性剤、有機溶媒、水混和性溶媒、リン脂質、または当該試薬の2つ以上の組合せであり得る。好適なカオトロープとしては、尿素、グアジニン、およびチオシアン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。有用な界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム、またはポリオキシエチレンエーテル(例えば、TweenまたはTriton界面活性剤)といった強力な界面活性剤、サルコシル(Sarkosyl)、穏やかな非イオン性界面活性剤(例えば、ジギトニン)、N−>2,3−(ジオレイオキシ)−プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムといった穏やかなカチオン性界面活性剤、穏やかなイオン性界面活性剤(例えば、コール酸ナトリウムまたはデオキシコール酸ナトリウム)または両性イオン性界面活性(これらに限定されないが、スルホベタイン(ツヴァイッタージェント)、3−(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ−1−プロパン硫酸塩(CHAPS)、3−(3−クロルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸塩(CHAPSO)が挙げられる)が挙げられ得るが、これらに限定されない。アセトニトリル、低級アルカノール(特にエタノールまたはイソプロパノールといったC−Cアルカノール)、または低級アルカンジオール(特にエチレングリコールといったC−Cアルカンジオール)といった、水混和性の有機溶媒が、変性剤として使用され得る。本発明において有用なリン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルイノシトールといった天然に存在するリン脂質であり得るか、またはジヘキサノイルホスファチジルコリンもしくはジヘプタノイルホスファチジルコリンといった合成リン脂質誘導体またはバリアントであり得る。
本明細書において使用されるときに“リフォールディング”は、ジスルフィド結合を含んでいるポリペプチドを、不適切に折りたたまれた状態または変性された状態から、ジスルフィド結合に関して本来の立体構造または適切に折りたたまれた立体構造に変形させる、任意の過程、反応または方法を説明する。
本明細書において使用されるときに“コフォールディング(cofolding)”は、お互いに相互作用する少なくとも2つのポリペプチドを用いて、変性されたポリペプチドまたは不適切に折りたたまれたポリペプチドを本来の適切に折りたたまれたポリペプチドに変形させる、リフォールディングの過程、反応、または方法を特に指す。
本明細書に使用されるとき、“顆粒球コロニー刺激因子”または“bG−CSF”は、G−CSF(例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,716,606号;米国特許第6,689,351号;米国特許第6,565,841号;米国特許第6,162,426号;米国特許第5,811,301号;米国特許第5,776,895号;米国特許第5,718,893号;米国特許第5,580,755号;米国特許第5,536,495号;米国特許第5,202,117号;米国特許第5,043,156号;米国特許第4,999,291号;米国特許第4,810,643号;および米国特許第4,968,618号に記載されているそれら)生物学的な活性を少なくとも1つ有している、それらのポリペプチドおよびタンパク質、これらの他に、生物学的な活性が同じであるか、さらにそれらの合成または製造の方法(組換え体(cDNA、ゲノムDNA、合成DNAまたは核酸の他の形態のいずれかから生成される)、合成法、遺伝子導入法、および遺伝子活性化法が挙げられるが、これらに限定されない)にかかわらず、G−CSFの類似物、G−CSFのアイソフォーム、G−CSFの模倣物、G−CSFの断片、ハイブリッドG−CSFタンパク質、融合タンパク質、低重合体および多量体、相同物、糖鎖付加様式のバリアント、ならびに変異体を包含している。G−CSFの特定の例としては、ペグフィルグラスティム(NEULASTA(登録商標))、フィルグラスティム(NEUPOGEN(登録商標))、G−CSFの類似物、G−CSFの変異体、変更されている糖鎖付加のG−CSF、およびPEGが抱合されているG−CSF類似物が挙げられるが、これらに限定されない。内因性のヒトG−CSFの発現のために修飾されている細胞株の特定の例について、参照によって本明細書に援用されるDevlin et al., J. Leukoc. Biol. 41:306 (1987);米国特許第6,716,606号;米国特許第6,379,661号;米国特許第6,004,548号;米国特許第5,830,705号;米国特許第5,582,823号;米国特許第4,810,643号;および米国特許第6,242,218号に記載されている。
本明細書に使用されるとき、“ウシ顆粒球コロニー刺激因子”、“ウシG−CSF”または“bG−CSF”は、bG−CSFの生物学的な活性の少なくとも1つを有しているそれらのポリペプチドおよびタンパク質、これらの他に、これらの他に生物学的な活性が同じであるか、さらにそれらの合成または製造の方法(組換え法(cDNA、ゲノムDNA、合成DNAまたは核酸の他の形態から生成されるか否か)、合成法、遺伝子導入法、および遺伝子活性化法が挙げられるが、これらに限定されない)にかかわらず、bG−CSFの憂い事物、bG−CSFのアイソフォーム、bG−CSFの模倣物、bG−CSFの断片、ハイブリッドbG−CSFタンパク質、融合タンパク質、融合タンパク質、低重合体および多量体、総動物、糖鎖付加様式のバリアント、ならびに変異体を包含している。
“ウシG−CSF(bG−CSF)”または“bG−CSFポリペプチド”という用語は、顆粒球コロニー刺激因子もしくは上述のようなG−CSF、および天然に存在しているbG−CSFの生物学的な活性の少なくとも1つを維持しているポリペプチドを指す。bG−CSFポリペプチドは、薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグ、ならびに塩のプロドラッグ、天然に存在しているウシG−CSFの多形体、水和物、溶媒和物、生物学的に活性な断片、生物学的に活性なバリアントおよび立体異性体、これらの他に天然に存在しているウシG−CSFのアゴニスト、模倣物、アンタゴニストバリアントおよびこれらの融合ポリペプチドを包含している。bG−CSFポリペプチドおよび模倣物の例としては、参照によってその全体が本明細書に援用される国際公開第89/10932号および米国特許第5,849,883号に記載のものが挙げられる。アミノ末端、カルボキシル末端またはこれらの両方に付加的なアミノ酸を含んでいる融合物が“bG−CSFポリペプチド”という用語によって包含されている。融合物の例としては、例えば、bG−CSFの成熟形態の組換え発現から生じるbG−CSF(例えば、配列番号2におけるポリペプチド)のN末端にメチオニンが連結されているメチオニルbG−CSF、精製を目的としている融合物(ポリヒスチジンまたは親和性エピトープに連結されているものが挙げられるが、これらに限定されない)、血清アルブミン結合タンパク質との融合物および血清タンパク質(例えば、血清アルブミン)との融合物が挙げられるが、これらに限定されない。全長の形態および成熟形態に関する天然に存在しているbG−CSFの核酸配列およびアミノ酸配列は、単一アミノ酸のバリアントおよびスプライシングバリアントのようなバリアントとして公知である。成熟bG−CSFのアミノ酸配列、およびメチオニルbG−CSFのアミノ酸配列については、本明細書における配列番号1および配列番号2をそれぞれ参照すればよい。hG−CSFの変異体をコードしている核酸分子および変異体hG−CSFは公知である。
ウシ顆粒球コロニー刺激因子またはbG−CSFは、種々の生物学的な活性(その受容体の二量体化を生じさせる受容体との結合、好中球産生の刺激、ならびに細胞の増殖および分化の刺激が挙げられるが、これらに限定されない)を有している。顆粒球コロニー刺激因子またはbG−CSFの生物学的な活性のいくつかの例について、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,676,947号;米国特許第6,579,525号;米国特許第6,531,121号;米国特許第6,521,245号;米国特許第6,489,293号;米国特許第6,368,854号;米国特許第6,316,254号;米国特許第6,268,336号;米国特許第6,239,109号;米国特許第6,165,283号;米国特許第5,986,047号;米国特許第5,830,851号;米国特許第5,043,156号;および米国特許第5,773,569号に記載されている。
本明細書に使用されるとき、“ウシG−CSFポリペプチド”、“bG−CSFポリペプチド”、“ウシG−CSF”または“bG−CSF”ならびにそれらのハイフンありおよびハイフンなしの形態は、生物学的な活性が同じであるか、さらにそれらの合成または製造の方法(組換え体(cDNA、ゲノムDNA、合成DNAまたは核酸の他の形態のいずれかから生成される)、インビボ、インビトロ、核酸分子の微量注入、合成法、遺伝子導入法、および遺伝子活性化法が挙げられるが、これらに限定されない)にかかわらず、CSF、bG−CSFの類似物、bG−CSFの変異体、変更されている糖鎖付加のG−CSF、PEGが抱合されているbG−CSF、bG−CSFのアイソフォーム、bG−CSFの模倣物、bG−CSFの断片、ハイブリッドbG−CSFタンパク質、融合タンパク質、低重合体および多量体、相同物、糖鎖付加形態のバリアント、バリアント、スプライスバリアントならびにこれらの変異体の生物学的な活性の少なくとも1つを有しているポリペプチドおよびタンパク質を包含している。“ウシG−CSFポリペプチド”、“bG−CSFポリペプチド”、“ウシG−CSF”または“bG−CSF”は、アミノ酸の置換、付加または欠失の1つ以上を含んでいるbG−CSFポリペプチドを包含している。ウシG−CSFの類似物については、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,849,883号を参照すればよい。
bG−CSFにおける種々のアミノ酸位置における置換が説明されている。置換(薬学的な安定性を調節する置換、アゴニスト活性を増大させる置換、プロテアーゼ耐性を増大させる置換、ポリペプチドをアンタゴニストに変換する置換などが挙げられるが、これらに限定されない)は、“ウシG−CSFポリペプチド”、“bG−CSFポリペプチド”、“ウシG−CSF”または“bG−CSF”という用語によって包含されている。
さらなる局面において、本発明は、バリアントタンパク質をコードしている組換え核酸、バリアント核酸を含んでいる発現ベクター、バリアント核酸および/または発現ベクターを含んでいる宿主細胞、ならびにバリアントタンパク質を生成する方法を提供する。さらなる局面において、本発明は、薬学的な担体とともに治療有効量のバリアントタンパク質を動物に投与することによる感染症の処置を提供する。
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第5,849,883号において議論されているbG−CSF変異体は、E. coliにとってのコドンの最適化をともなって設計されているポリペプチド、およびウシG−CSFおよびヒトG−CSFの配列を用いて生成されているハイブリッドタンパク質を包含している。参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第5,416,195号には、少なくとも1つの以下のアミノ酸置換(アミノ酸の番号付与は成熟タンパク質に関しており、したがってN末端メチオニンが存在する場合、−1または0位を割り当てている):未変性の配列のCys17のSer17残基による置換、未変性の配列のAsp27のSer27残基による置換、未変性の配列のLeu15のGlu15残基による置換、未変性の配列のLys23のArg23残基による置換、未変性の配列のGly28のAla28残基による置換、未変性の配列のLys40のArg40残基による置換、未変性の配列のPro44のAla44残基による置換、未変性の配列のLeu49のLys49残基による置換、未変性の配列のGly55のAla55残基による置換、未変性の配列のCys60のSer60残基による置換、未変性の配列のPro111のGlu111残基による置換、未変性の配列のThr115のSer115残基による置換、未変性の配列のTyr165のArg165残基による置換がなされているhG−CSF変異体が記載されている。これらの残基の多くがbG−CSF配列に存在しており、これらの置換の1つ以上が本発明のbG−CSFポリペプチドに見られ得る。Carter et al. Biologicals (2004) 32:37には、糖鎖付加部位を欠失している変異bG−CSFについて記載されている。類似の変異は本発明のbG−CSFポリペプチドに見られ得る。
いくつかの実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、配列番号1、2またはbG−CSFポリペプチドの任意の他の配列と実質的に同一である。変異体を含んでいるbG−CSFポリペプチドをコードしている核酸、およびbG−CSFポリペプチドを発現させ、精製する方法は公知である。
また、“bG−CSFポリペプチド”という用語は、薬学的に受容可能な塩およびプロドラッグ、ならびに塩のプロドラッグ、天然に存在しているbG−CSFの多形体、水和物、溶媒和物、生物学的に活性な断片、生物学的に活性なバリアントおよび立体異性体、この他に天然に存在しているbG−CSFのアゴニスト、模倣物およびアンタゴニストバリアントおよびこれらの融合ポリペプチドを包含している。アミノ末端、カルボキシル末端または両方に付加的なアミノ酸を含んでいる融合体は、“bG−CSFポリペプチド”という用語によって包含されている。例示的な融合体としては、例えば、リーダー配列もしくはシグナル配列またはこれらの一部を欠いている成熟形態のbG−CSFの組換え体発現を生じるbG−CSFのN末端にメチオニンが結合しているメチオニルbG−CSF(メチオニンがbG−CSFのN末端に結合しており、組換え体発現によって生じる)、精製を目的とする融合体(ポリヒスチジンまたは親和性エピトープが挙げられるが、これらに限定されない)、血清アルブミン結合ペプチドとの融合体および血清タンパク質(例えば、血清アルブミン)との融合体が挙げられるが、これらに限定されない。参照によって本明細書に援用される米国特許第5,750,373号には、それぞれの受容体分子に対する変更されている結合特性を有している新規なタンパク質(例えば、成長ホルモン)および抗体断片のバリアントを選択する方法について記載されている。当該方法は、所望のタンパク質をコードしている遺伝子を、糸状ファージM13の遺伝子IIIコートタンパク質のカルボキシ末端ドメインに対して融合することを包含している。キメラ分子はbG−CSFおよび1つ以上の他の分子を含んでいる。キメラ分子はbG−CSFおよび(複数の)他の分子の一方または両方の特定の領域または断片を含んでいる。任意のそのような断片は、標準的な生化学的な方法、または断片をコードしているポリヌクレオチドを発現させることによって、タンパク質から調製され得る。bG−CSFまたはこれらの断片は、ヒト血清アルブミン(HSA)、Fcまたはこれらの一部を含んでいる融合タンパク質として生成され得る。そのような融合構築物は、真核宿主細胞におけるbG−CSFまたはこれらの断片の発現を増強するために好適である。例示的なHSAタンパク質としては、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,766,883号および国際公開第97/24445号に開示されているようなN末端のポリペプチド(1〜369アミノ酸、1〜419アミノ酸、および1位のアミノ酸から始まる中間の長さのアミノ酸)が挙げられる。他のキメラタンパク質は、HSAのC末端およびN末端のそれぞれに結合されているbG−CSFをともなったHSAタンパク質、またはこれらの断片を含み得る。他の融合体は、bG−CSFの、a)免疫グロブリンのFc部分、b)免疫グロブリンのFc部分の類似物およびc)免疫グロブリンのFc部分の断片との融合によって作製され得る。
種々の参考文献には、重合体の抱合または糖鎖付加によるポリペプチド修飾が開示されている。“bG−CSFポリペプチド”という用語は、重合体(例えばPEG)と抱合されているポリペプチドを包含しており、システイン、リジンまたは他の残基の付加的な1つ以上の誘導体化によって構成され得る。さらに、bG−CSFポリペプチドは、リンカーまたは重合体を含み得、リンカーまたは重合体が抱合されているアミノ酸は、本発明に係る非天然アミノ酸であり得るか、または当該bG−CSFポリペプチドは、当該分野に公知の技術(例えば、リジンまたはシステインに対する結合)を用いて天然にコードされているアミノ酸と抱合されている。
ポリペプチドの重合体修飾について報告がなされている。IFNβは、成長ホルモンスーパーファミリーに属するポリペプチドの一例として述べられている。国際公開第00/23114号には、糖鎖付加またはPEG付加されているIFNβが開示されている。国際公開第00/23472号にはIFNβの融合タンパク質が開示されている。米国特許第4,904,584号には、PEG付加されているリジン減少ポリペプチドが開示されており、少なくとも1つのリジンが欠失されているか、または任意の他のアミノ酸残基を用いて置換されている。国際公開第99/67291号には、タンパク質をPEGと抱合する手法が開示されており、ここで、タンパク質における少なくとも1つアミノ酸残基が欠失されており、タンパク質はタンパク質に対する抱合を達成するために十分な条件においてPEGと抱合されている。国際公開第99/03887号には、成長ホルモンスーパーファミリーに属しているポリペプチドのPEG付加バリアントが開示されており、ここで、システイン残基がポリペプチドの特定の領域に位置している非必須のアミノ酸残基を用いて置換されている。国際公開第00/26534号には、少なくとも1つの付加的な糖鎖付加部位を含んでいる対応する親ポリペプチドと比べて、低いアレルゲン性を有している糖鎖付加されているポリペプチドを生成する方法が開示されている。参照によって本明細書に援用される米国特許第5,218,092号には、未変性のポリペプチドと比べて少なくとも1つの付加的な炭化水素鎖を導入するような、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)および他のポリペプチドの修飾が開示されている。
また、“bG−CSFポリペプチド”という用語は、糖鎖付加されているbG−CSF(任意のアミノ酸位置に糖鎖付加されているポリペプチド、N結合型またはO結合型のポリペプチドの糖鎖付加形態が挙げられるが、これらに限定されない)を包含している。また、単一のヌクレオチドの変更を含んでいるバリアントはbG−CSFポリペプチドの生物学的に活性なバリアントと見なされる。さらに、スプライスバリアントもまた包含されている。また、“bG−CSFポリペプチド”という用語は、化学的な手法によって結合されているか、または融合タンパク質として発現されている、任意の1つ以上のbG−CSFもしくは他のポリペプチド、タンパク質、炭化水素、重合体、小分子、リンカー、リガンド、または任意の種類の他の活性な分子の、bG−CSFのヘテロ二量体、ホモ二量体、ヘテロ多量体またはホモ多量体(参照によって本明細書に援用される米国特許第6,261,550号;米国特許第6,166,183号;米国特許第6,204,247号;米国特許第6,261,550号;米国特許第6,017,876号を参照すればよい)、この他に、例えば特定の欠失または他の修飾を含んでいる、生物学的な活性を維持しているポリペプチド類似物(参照によって本明細書に援用される米国特許第6,261,550号;米国特許第6,004,548号;米国特許第6,632,426号)を包含している。
本明細書に記載のbG−CSFにおけるアミノ酸位置に対するすべての言及は、特に指定(すなわち対照が配列番号2または他のbG−CSF配列に基づいていることが記載されている場合)がない限り、配列番号1における位置に基づいている。例えば、配列番号1の1位におけるアミノ酸はスレオニンであり、対応するスレオニンは配列番号2の2位に位置している。当業者は、配列番号1における位置に対応するアミノ酸位置が、任意の他のbG−CSF分子(例えば配列番号2)において容易に同定され得ることを理解する。当業者は、配列番号1、2または任意の他のbG−CSF配列の位置に対応するアミノ酸位置が、任意の他のbG−CSF分子(例えば、bG−CSFの融合体、バリアント、断片など)において容易に同定され得ることを理解する。例えば、配列整列化プログラム(例えば、BLAST)を利用して、整列化し、配列番号1、2または他のbG−CSF配列における位置と対応するタンパク質における特定の位置を同定し得る。また、配列番号1、2または他のbG−CSF配列における、本明細書に記載のアミノ酸の置換、欠失または付加は、本明細書に記載されているか、または当該分野において公知であるbG−CSFの融合体、バリアント、断片などの対応する位置における置換、欠失または付加を指すことを意図されており、本発明によって明らかに包含されている。
“bG−CSFポリペプチド”または“bG−CSF”という用語は、1つ以上のアミノ酸の置換、付加または欠失を含んでいるbG−CSFポリペプチドを包含している。本発明のbG−CSFポリペプチドは、1つ以上の非天然アミノ酸修飾と関連している、天然アミノ酸の1つ以上の修飾から構成され得る。天然に存在しているbG−CSFポリペプチドにおける広範な位置にある例示的な置換が、記載されており、当該置換としては、bG−CSFポリペプチドの薬学的な安定性を調節する置換、生物学的な活性の1つ以上を調節する(例えば、アゴニスト活性を向上させる、ポリペプチドの可溶性を向上させる、プロテアーゼ感受性を低下させる、ポリペプチドをアンタゴニストに変換するなどが挙げられるが、これらに限定されない)置換が挙げられるが、これらに限定されない。当該置換は“bG−CSFポリペプチド”という用語によって包含されている。いくつかの実施形態において、bG−CSFアンタゴニストは、bG−CSF分子の受容体結合領域に存在しており、水溶性重合体と連結されている天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる。
いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、bG−CSFポリペプチドの生物学的な活性を調節する付加、置換または欠失をさらに含んでいる。いくつかの実施形態において、bgポリペプチドは、bG−CSFポリペプチドによる好中球の増殖、機能および/または分化を調節する付加、置換または欠失をさらに含んでいる。例えば、当該付加、置換または欠失はbG−CSFの1つ以上の性質または活性を調節し得る。例えば、当該付加、置換または欠失は、ポリペプチドの受容体に対する親和性を調節し得るか、循環半減期を調節し得るか、治療半減期を調節し得るか、安定性を調節し得るか、プロテアーゼによる分解を調節し得るか、用量を調節し得るか、放出もしくは生体利用効率を調節し得るか、精製を容易にし得るか、または特定の投与経路を改善し得るか、もしくは変更し得る。同様に、bG−CSFポリペプチドは、プロテアーゼ切断配列、反応性基、抗体結合領域(FLAGまたはポリHisが挙げられるが、これらに限定されない)、または他の親和性に基づく配列(FLAG、ポリHis、GSTなどが挙げられるが、これらに限定されない)、もしくはポリペプチドの検出(GFPが挙げられるが、これに限定されない)、精製もしくは他の特質を向上させる連結分子(ビオチンが挙げられるが、これに限定されない)を含み得る。
また、“bG−CSFポリペプチド”という用語は、連結されているホモ二量体、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ二量体(同じか、もしくは異なる天然にコードされていないアミノ酸の側鎖に対してか、天然にコードされているアミノ酸側鎖に対してか、またはリンカーを介して間接的に、天然にコードされていないアミノ酸と直接的に連結されているそれらが挙げられるが、これらに限定されない)を包含している。例示的なリンカーとしては、小さな有機化合物、種々の長さの水溶性重合体(例えば、ポリ(エチレングリコール)またはポリデキストラン)、または種々の長さのポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
“天然にコードされていないアミノ酸”は、ピロールリジン、セレノシステインおよび通常の20のアミノ酸ではないアミノ酸を指す。“天然にコードされていないアミノ酸”という用語と同意語として使用される他の当該用語は、“非天然アミノ酸(non-natural amino acid)”、“非天然アミノ酸(unnatural amino acid)”、“天然に存在していないアミノ酸”、ならびにハイフンによってつながれている種々のこれらの様式およびハイフンによってつながれていない種々のこれらの様式である。また、“天然にコードされていないアミノ酸”という用語は、天然にコードされるアミノ酸(通常の20のアミノ酸、ピロールリジンまたはセレノシステインが挙げられるが、これらに限定されない)の修飾(例えば、翻訳後修飾)によって生じるが、翻訳複合体によって伸張されるポリペプチド鎖に天然には組み込まれないアミノ酸を包含しているが、これらに限定されない。当該天然にコードされていないアミノ酸の例としては、N−アセチルグルコサミニル−L−セリン、N−アセチルグルコサミニル−L−スレオニン、およびO−ホスホチロシンが挙げられるが、これらに限定されない。
“アミノ末端修飾基”は、ポリペプチドのアミノ末端に結合され得る任意の分子を指す。同様に、“カルボキシル末端修飾基”は、ポリペプチドのカルボキシル末端に結合され得る任意の分子を指す。末端修飾基としては、種々の水溶性重合体、ペプチドまたはタンパク質(例えば、血清アルブミン、またはペプチドの血中半減期を増加させる他の分子)が挙げられるが、これらに限定されない。
“官能基”、“活性部分”、“活性化基”、“切断基”、“反応性部分”、“化学反応性基”、および“化学反応性部分”という用語は、当該技術において用いられており、本明細書において、ある分子における明確に識別可能な部分または単位を指す。当該用語は、化学の分野において幾分同義語であり、本明細書において、いくつかの機能もしくは活性を担い、他の分子と反応性を示す分子の部分を指すために用いられる。
本明細書に使用されるとき、“連結”または“リンカー”という用語は、通常、化学反応の結果として形成される原子団または結合を指し、典型的には共有結合を指す。加水分解に安定な結合とは、長期間(おそらく永久にでさえ)にわたって、生理学的環境において当該結合が水において実質的に安定であり、有用なpH値において水と反応しないことを意味する。加水分解に不安定な結合または分解可能な結合とは、当該結合が水または水性溶液(例えば、血液が挙げられる)において分解可能であることを意味する。酵素的に不安定な結合または分解可能な結合とは、当該結合が1つ以上の酵素によって分解され得る結合であることを意味する。PEGおよび関連する重合体が、重合体骨格、または重合体骨格と重合体分子の1つ以上の末端官能基との間のリンカー基における分解可能な結合を含み得ることは、当該技術分野において理解されている。例えば、PEGカルボキシル酸または活性化されたPEGカルボキシル酸と、生物学的に活性な作用物におけるアルコール基との反応によって形成されるエステル結合は、一般に、当該作用物を放出するための生物学的環境において加水分解する。他の加水分解可能な結合としては、これらに限定されないが、炭酸結合;アミンとアルデヒドとの反応から生じるイミン結合;アルコールとリン酸基との反応によって形成されるリン酸エステル結合;ヒドラジドおよびアルデヒドの反応産物であるヒドラゾン結合;アルデヒドとアルコールとの反応産物であるアセタール結合;ギ酸とアルコールとの反応産物であるオルトエステル結合;アミン基によって形成されるペプチド結合(これらに限定されないが、PEGといった重合体の末端における結合);およびホスホラミダイト基によって形成されるオリゴヌクレオチド結合(オリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシル基が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられる。
本明細書に使用される場合に、“生物学的に活性な分子”、“生物学的に活性な部分”または“生物学的に活性な作用物”という用語は、生物(ウイルス、細菌、バクテリオファージ、トランスポゾン、プリオン、昆虫、菌類、植物、動物およびヒトが挙げられるが、これらに限定されない)に関する生物学的な系、経路、分子または相互作用の任意の物理的または生化学的な特性に影響を及ぼし得る、任意の物質を意味する。特に、本明細書に使用されるときの、生物学的に活性な分子としては、ヒトもしくは他の動物における疾患の診断、治療、鎮静、処置もしくは予防、またはそうでなければヒトまたは他の動物の肉体的もしくは精神的な健康を増進することを対象にした任意の物質が挙げられるが、これらに限定されない。生物学的に活性な分子の例としては、ペプチド、タンパク質、酵素、小分子薬、ワクチン、免疫原、習慣性の強い薬、習慣性の弱い薬、炭水化物、無機原子または無機分子、色素、脂質、ヌクレオシド、放射性核種、オリゴヌクレオチド、トキソイド、トキシン、原核細胞および真核細胞、ウイルス、多糖類、核酸およびウイルスから得られたか、またはウイルス由来の核酸の一部、昆虫、動物または任意の他の細胞もしくは細胞種、リポソーム、微小粒子、ならびにミセル体が挙げられるが、これらに限定されない。bG−CSFポリペプチドはミセルの形態として加えられ得る。本発明をともなった使用に好適な生物学的に活性な作用物の分類としては、薬、プロドラッグ、放射性核種、造影剤、重合体、抗生物質、殺真菌剤、抗ウイルス薬、抗炎症誘発因子、抗腫瘍薬、心血管作動薬、抗不安薬、ホルモン、成長因子、ステロイド剤、および微生物由来トキシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
“二官能性重合体”は、他の部分と特異的に反応して、共有的または非共有的な結合を形成可能な2つの別個の官能基を含んでいる重合体を指す。当該部分としては、アミノ酸側鎖基が挙げられるが、これに限定されない。二官能性リンカーは、特定の生物学的に活性な成分における官能基との反応性を示す1つの官能基、および第2の生物学的成分における官能基と反応性を示す他の官能基を有している。よって、当該二官能性リンカーは、第1の生物活性成分、二官能性リンカーおよび第2の生物活性成分を含んでいる包含する抱合物の形成に使用され得る。種々の化合物をペプチドに結合させる多くの手法およびリンカー分子が知られている。例えば、参照によって本明細書に援用される、欧州特許出願公開第188,256号;米国特許第4,671,958号、米国特許第4,659,839号、米国特許第4,414,148号、米国特許第4,699,784号;米国特許第4,680,338号;および米国特許第4,569,789号を参照すればよい。“多官能性重合体”は、他の部分と特異的に反応して、共有的または非共有的な結合を形成可能な2つ以上の別個の官能基を備える重合体を指す。当該部分としては、これに限定されないが、アミノ酸側鎖基が挙げられる。二官能性重合体または多官能性重合体は、所望される任意の長さまたは分子量であり得る。また、二官能性重合体または多官能性重合体は、bG−CSFおよびその受容体と結合されるか、またはbG−CSFおよびbG−CSFと連結されている1つ以上の分子の間に、所望される特定の間隔または立体は位置をもたらすように選択され得る。
置換基が左から右に書かれる従来の化学式によって特定される場合に、それらは、右から左に構造を記載することによって生じる化学的に同一な置換基を等しく包含している(例えば、構造−CHO−は構造−OCH−と等価である)。
“置換基”という用語は、“非干渉性の置換基”を包含するが、これに限定されない。“非干渉性の置換基”は、安定な化合物を生じるこれらの基である。安定な非干渉性の置換基またはラジカルとしては、ハロ、C−C10アルキル、C10アルケニル、C10アルキニル、C−C10アルコキシ、C−C12アラルキル、C−C12アルカリル、C−C12シクロアルキル、C−C12シクロアルケニル、フェニル、置換フェニル、トルオイル、キシレニル、ビフェニル、C−C12アルコキシアルキル、C−C12アルコキシアリール、C−C12アリールオキシアルキル、C−C12オキシアリール、C−Cアルキルスルフィニル、C−C10アルキルスルフォニル、−−(CH−−O−−(C−C10アルキル)(ここで、mは1から8である)、アリール、置換アリール、置換アルコキシ、フルオロアルキル、ヘテロ環ラジカル、置換ヘテロ環ラジカル、ニトロアルキル、−−NO、−−CN、−−NRC(O)−−(C−C10アルキル)、−−C(O)−−(C−C10アルキル)、C−C10アルキルチオアルキル、−−C(O)O−−(C−C10アルキル)、−−OH、−−SO、=S、−−COOH、−−NR、カルボニル、−−C(O)−−(C−C10アルキル)−CF3、−−C(O)−CF3、−−C(O)NR2、−−(C−C10アリール)−S−−(C−C10アリール)、−−C(O)−−(C−C10アリール)、−−(CH−−O−−(−−(CH−−O−−(C−C10アルキル)(ここで、mのそれぞれは1から8までである)、−−C(O)NR、−−C(S)NR、−−SONR、−−NRC(O)NR、−−NRC(S)NR、これらの塩などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に使用されるとき、Rのそれぞれは、H、アルキルもしくは置換アルキル、アリールもしくは置換アリール、アラルキル、またはアルカリルである。
“ハロゲン”という用語は、フッ素、塩素、ヨウ素、および臭素を包含している。
それ自身によってか、または他の置換基の一部として“アルキル”という用語は、特に断りがない限り、完全に飽和され得るか、一価不飽和され得るか、または多価不飽和され得る、直鎖状もしくは分枝状の鎖、または環状炭化水素ラジカル、またはこれらの組合せを意味し、所望の炭素原子数(すなわち、C−C10は1から10の炭素を意味する)を有している二価または多価のラジカルを含み得る。飽和炭化水素ラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチルなどの、類似物および異性体といった基が挙げられるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は1つ以上の2重結合または3重結合を有するアルキル基である。不飽和アルキル基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、ならびにより高級な類似物および異性体が挙げられるが、これらに限定されない。また、“アルキル”という用語は、特に断りがない限り、“ヘテロアルキル”といった以下においてより詳細に定義づけされるアルキルの誘導体を含むことが意図されている。炭化水素基に限定されるアルキル基は、“ホモアルキル”と称される。
それ自身によってか、または他の置換基の一部として“アルキレン”という用語は、構造−CHCH−および−CHCHCHCH−によって例示されるような、アルカンから得られる二価のラジカルを意味し、“ヘテロアルキレン”として以下に記載されているこれらの基をさらに包含するが、これらに限定されない。典型的に、アルキル(またはアルキレン)基は、1から24の炭素原子を有しており、これらの基は、本明細書に記載される方法および組成物の特定の実施形態である10以下の炭素原子を有するものである。“低級アルキル”または“低級アルキレン”は、8以下の炭素原子を一般的に有している、より短い鎖状のアルキル基またはアルキレン基である。
“アルコキシ”、“アルキルアミノ”および“アルキルチオ”(またはチオアルコキシ)という用語は、それらの従来の意味において使用され、酸素原子、アミノ基、または硫黄原子をそれぞれ介して分子の残余部分に対して連結されているこれらのアルキル基を指す。
それ自身によってか、または他の用語との組合せにおいて、“ヘテロアルキル”という用語は、特に断りがない限り、一定の数の炭素原子、ならびにO、N、SiおよびSからなる群から選択される少なくとも1つの異種原子(ここで、窒素原子および硫黄原子は任意に酸化され、窒素異種原子は任意に四級化される)から構成される安定な直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素ラジカルを意味する。(複数の)異種原子であるO、NおよびSおよびSiは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置、またはアルキル基が分子の残余部に対して連結される位置に配置され得る。例としては、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH−)CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCHおよび−CH=CH−N(CH)−CHが挙げられるが、これらに限定されない。最大で2つの異種原子が、例えば、−CH−NH−OCHおよび−CH−O−Si(CHといったように連続し得る。同様に、それ自身によってか、または他の置換基の一部として、“ヘテロアルキレン”という用語は、−CH−CH−S−CH−CH−および−CH−S−CH−CH−NH−CH−に例示されるような、ヘテロアルキルから得られる二価のラジカルを意味するが、これらに限定されない。また、ヘテロアルキレン基に関して、同じかまたは異なる異種原子は、鎖の末端のいずれかまたは両方を占有し得る(これらに限定されないが、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ、およびアミノオキシアルキレンなどが挙げられる)。また、アルキレン連結基およびへテロアルキレン連結基に関して、連結基の方向は、連結基の式が書かれている方向によって意味されない。例えば、式−C(O)R’は、−C(O)R’およびR’C(O)−の両方を意味する。
それら自身によってか、または他の用語との組合せにおいて、“シクロアルキル”および“ヘテロシクロアルキル”という用語は、特に断りがない限り、“アルキル”および“ヘテロアルキル”のぞれぞれの環状の型を表す。したがって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、飽和環結合、部分的に不飽和の環結合およびすべて不飽和の環結合を含んでいる。さらに、ヘテロシクロアルキルに関して、異種原子は、複素環が分子の残余部に対して連結されている位置を占有し得る。シクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、およびシクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例としては、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、および2−ピペラジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、当該用語は、二環式環構造および三環式環構造を包含している。同様に、それ自身によってか、または他の置換基の一部として、“ヘテロシクロアルキレン”という用語は、ヘテロシクロアルキルから得られる二価のラジカルを意味し、それ自身によってか、または他の置換基の一部として、“シクロアルキレン”という用語は、シクロアルキルから得られる二価のラジカルを意味する。
本明細書に使用されるとき、“水溶性重合体”という用語は、水性溶媒に可溶性を示す任意の重合体を指す。bG−CSFポリペプチドに対する水溶性重合体の連結は、変化(非修飾形態と比べて増強されたかもしくは調節された血中半減期または増強されたかもしくは調節された治療半減期、調節された免疫原性、調節された物理的な会合特性(例えば、凝集および多量体形成)、変更された受容体結合、1つ以上の結合パートナーとの変更された結合、ならびに変更された二量体化もしくは多量体化が挙げられるが、これらに限定されない)を生じ得る。水溶性重合体は、特有の生物活性を有し得るか、または有し得ない。また、水溶性重合体は、他の物質に対してbG−CSFを結合するためのリンカーとして利用され得る。当該物質としては、1つ以上のbG−CSFポリペプチド、または1つ以上の生物学的に活性な分子が挙げられるが、これらに限定されない。好適な重合体としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、モノC1−C10アルコキシ誘導体もしくはモノC1−C10アリールオキシ誘導体(参照によって本明細書に援用される米国特許第5,252,714号に記載されている)、モノメトキシポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸、ジビニルエーテルマレイン酸無水物、N−(2−ヒドロキシプロピル)−メタクリルアミド、デキストラン、デキストラン誘導体(硫化デキストランが挙げられる)、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール、ヘパリン、ヘパリン断片、多糖、オリゴ糖、グリカン、セルロースおよびセルロース誘導体(これらに限定されないが、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースが挙げられる)、スターチおよびスターチ誘導体、ポリペプチド、ポリアルキレングリコールおよびこれらの誘導体、ポリアルキレングリコールおよびこれらの誘導体、ポリビニルエチルエーテル、ならびにアルファ−ベータ−ポリ[(2−ヒドロキシエチル)−DL−アスパルトアミドなどの共重合体、あるいはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。当該水溶性重合体の例としては、ポリエチレングリコールおよび血清アルブミンが挙げられるが、これらに限定されない。国際公開第03/074087号および国際公開第03/074088号には、ヒドロキシアルキルスターチ(HAS)に対するタンパク質または小分子の結合が記載されている。ヒドロキシアルキルスターチの例としては、ヒドロキシエチルスターチが挙げられるが、これに限定されない。ヒドロキシアルキルスターチと別の分子との結合としては、例えば、HASの末端アルデヒド基と別の分子の反応性基との共有結合を包含し得る。
本明細書に使用されるとき、“ポリアルキレングリコール”または“ポリ(アルキレングリコール)”という用語は、ポリエチレングリコール(ポリ(エチレングリコール))、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびこれらの誘導体を指す。“ポリアルキレングリコール”という用語は、0.1kDaから100kDaの間の平均分子量を有している、直鎖状および分枝状の重合体の両方を包含する。他の例示的な実施形態は、例えば、株式会社シェアーウォーター(Shearwater)のカタログ“PolyethyleneGlycol and Derivatives for Biomedical Applications”(2001)といった商業的
な業者のカタログに挙げられている。
“アリール”という用語は、特に断りがない限り、ともに融合されるか、または共有的に結合される単環または多環(1から3つの環が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る、多価不飽和の芳香族炭化水素置換基を意味する。“ヘテロアリール”という用語は、N、OおよびSから選択される1から4つの異種原子を含んでいるアリール基(または環)を指す。ここで、窒素原子および硫黄原子は任意に酸化され、(複数の)窒素原子は任意に四級化されている。ヘテロアリール基は、異種原子を介して分子の残余部に対して連結され得る。アリール基またはヘテロアリール基の非限定的な例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、および6−キノリルが挙げられる。上述のアリール環系およびヘテロアリール環系のそれぞれに関する置換基は、以下に記載される受容可能な置換基の群から選択される。
簡潔に言うと、他の用語との組合せにおいて使用される場合の、“アリール”という用語(アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキルが挙げられるが、これらに限定されない)は、上記定義づけのようなアリール環およびヘテロアリール環の両方を包含している。したがって、“アリールアルキル”という用語は、アリール基がアルキル基に対して連結されている、これらのラジカル(ベンジル、フェネチル、およびピリジルメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない)であって、当該アルキル基が、炭素原子が例えば、酸素原子によって置換されているこれらのアルキル基(メチレン基が挙げられるが、これに限定されない)を含んでいるこれらのラジカル(フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、および3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない)を包含することが意図されている。
上述の用語のそれぞれ(“アルキル”、“ヘテロアルキル”、“アリール”および“ヘテロアリール”が挙げられるが、これらに限定されない)は、示されているラジカルの置換形態および非置換形態の両方を包含することを意図されている。それぞれの種類のラジカルにとっての例示的な置換基が以下に規定される。
アルキルラジカルおよびへテロアルキルラジカル(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、およびへテロシクロアルケニルとしばしば呼ばれるこれらの基が挙げられる)にとっての置換基は、0から(2m’+1)の範囲の数における(ここで、m’は当該ラジカルにおける炭素原子の総数である)、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CNおよび−NOから選択される多様な群の1つ以上であり得るが、これらに限定されない。R’、R’’、R’’’およびR’’’’はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール(1−3のハロゲンに置換されたアリールが挙げられるが、これに限定されない)、置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。本発明の化合物が1つ以上のR基を含む場合に、例えば、R基はそれぞれ独立して、1つ以上のこれらの基が存在する場合に、R’、R’’、R’’’およびR’’’’基のそれぞれであるように、選択される。R’およびR’’が、同じ窒素原子に連結される場合に、それらは、5−、6−、7−員環を形成するために窒素原子と組み合せられ得る。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むことを意図されているが、これらに限定されない。置換基の上述の議論から、当業者は、“アルキル”という用語が、水素基以外の基(例えば、ハロアルキル基(−CFおよび−CHCFが挙げられるが、これらに限定されない)およびアシル(−C(O)CH、−C(O)CF、および−C(O)CHOCHなどが挙げられるが、これらに限定されない))に対して結合される炭素原子を含むことを意図されていることを理解する。
アルキルラジカルに関して記載される置換基と同様に、アリール基およびへテロアリール基にとっての置換基は、変更され、0から芳香族環系における空いている原子価の総数の範囲の数において、ハロゲン、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CNおよび−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C−C)アルコキシ、ならびにフルオロ(C−C)アルキルから選択されるが、これらに限定されない。ここで、R’、R’’、R’’’およびR’’’’が独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。本発明の化合物が、1つ以上のR基を含む場合に、例えば、R基のそれぞれは独立して、1つ以上のこれらの基が存在する場合に、R’、R’’、R’’’およびR’’’’のそれぞれであるように、選択される。
本明細書に使用されるとき、“調節された血中半減期”という用語は、その非修飾形態に比べて、修飾されたbG−CSFの循環半減期における正または負の変化を意味する。血中半減期は、bG−CSFの投与後における種々の時点において血液試料を採取すること、および試料のそれぞれにおける分子の濃度を決定することによって測定される。時間と血清濃度との相関関係によって、血中半減期の算出が可能になる。増強された血中半減期は、少なくとも約2倍を好ましく有するが、例えば、十分な投与計画を可能にするか、または毒作用を避ける場合には、より小さな増強が有用であり得る。いくつかの実施形態において、増強は少なくとも約3倍、少なくとも約5倍または少なくとも約10倍である。
本明細書に使用されるとき、“調節された治療半減期”という用語は、その非修飾形態に比べて、治療有効量のbG−CSFの半減期における正または負の変化を意味する。治療半減期は、投与後における種々の時点において分子の薬物動態特性および/または薬理学的特性を測定することによって測定される。増強された治療半減期は、特に利益をもたらす投与計画または特に利益をもたらす総投与量を好ましく可能にするか、または好ましくない影響を好ましく回避する。いくつかの実施形態において、増強された治療半減期は、増強された有効性、修飾された分子のその標的に対する増強されたかもしくは低減された結合、酵素(例えば、プロテアーゼ)によって増強されたかもしくは低減された分子の分解、非修飾分子の作用の他の要素もしくは機序の増強もしくは減弱、または増強されたかもしくは低減された、受容体を介した分子の排除を生じる。
核酸またはタンパク質に対して適用される場合に“単離された”という用語は、核酸またはタンパク質が、天然の状態において会合される少なくともいくつかの細胞性構成要素から遊離していることか、または核酸またはタンパク質が、インビボもしくはインビトロにおけるその産生時の濃度よりも高濃度に濃縮されていることを表す。それは、均質な状態にあり得る。単離された物質は、乾燥状態もしくは半乾燥状態、または溶液(水性溶液が挙げられるが、これに限定されない)内のいずれかにあり得る。それは、薬学的に受容可能な担体および/または賦形剤をさらに含んでいる薬学的な組成物の成分であり得る。純度および均質性は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーといった分析化学的技術を用いて、典型的に決定される。調製物に存在する優勢種であるタンパク質は、実質的に精製されている。特に、単離された遺伝子は、遺伝子に隣接し、所定の遺伝子以外のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームから分離されている。“精製されている”という用語は、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲルにおいて実質的に1つのバンドを生じることを表す。特に、それは、核酸またはタンパク質が、少なくとも85%の純度、少なくとも90%の純度、少なくとも95%の純度、少なくとも99%かそれ以上の純度であることを意味し得る。
“核酸”という用語は、一本鎖の形態または二本鎖の形態のいずれかとしての、デオキシリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、またはリボヌクレオチド、ならびにこれらの重合体を指す。特に断りがない限り、当該用語は、基準の核酸と同様の結合特性を有しており、天然に存在しているヌクレオチドと同様の様式において代謝される天然ヌクレオチドの公知の類似物を含んでいる核酸を包含する。また、特に断りがない限り、当該用語は、オリゴヌクレオチド類似物(PNA(ペプチド核酸)、アンチセンス技術において使用されるDNAの類似物(ホスホロチオエート、およびホスホロアミデートなど)が挙げられる)を指す。また、特に断りがない限り、特定の核酸配列は、これらの保存的に修飾されたバリアント(変性コドン置換が挙げられるが、これに限定されない)および相補的な配列、これらと同様に明確に示されている配列を暗に包含する。特に、変性コドン置換は、1つ以上の選択された(またはすべての)コドンの3番目の位置が、混合塩基および/またはデオキシイノシン残基に置換される配列を生成することによって達成され得る(Batzer et al., Nucleic Acid Res. 19:5081 (1991); Ohtsuka et al., J. Biol. Chem. 260:2605-2608 (1985) ;Rossolini et al., Mol. Cell. Probes8:91-98 (1994))。
“ポリペプチド”、“ペプチド”および“タンパク質”という用語は、本明細書において交換可能に使用されて、アミノ酸残基の重合体を指す。すなわち、ポリペプチドを対象とする記載は、ペプチドの記載およびタンパク質の記載に等しく適用され、逆の場合も同様である。当該用語は、天然に存在するアミノ酸重合体および1つ以上の残基が天然にコードされていないアミノ酸であるアミノ酸重合体に対して適用される。本明細書に使用されるとき、当該用語は、任意の長さ(全長のタンパク質(例えば抗原)が挙げられる)のアミノ酸鎖を包含し、ここでアミノ酸残基は、共有的なペプチド結合によって連結されている。
“アミノ酸”という用語は、天然に存在するアミノ酸および天然に存在していないアミノ酸、ならびに天然に存在するアミノ酸と類似の様式に機能するアミノ酸類似物およびアミノ酸模倣物を指す。天然にコードされるアミノ酸は、通常の20のアミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン)、ピロールリジンおよびセレノシステインである。アミノ酸類似物は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本の化学構造を有する化合物(すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルフォキシド、メチオニンメチルスルフォニウム)に対して結合されているα炭素)を指す。当該類似物は、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本の化学構造を維持している。アミノ酸が指しているものとしては、例えば、天然に存在しているタンパク質新生性のL−アミノ酸、D−アミノ酸(アミノ酸バリアントおよび誘導体などの化学修飾されているアミノ酸)、天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、β−アラニン、オルニチンなど);および当該技術において公知のアミノ酸特性を有する化学的に合成されている化合物が挙げられる。非天然に存在しているアミノ酸の例としては、α−メチルアミノ酸(例えば、α−メチルアラニン)、D−アミノ酸、ヒスチジン様アミノ酸(例えば、2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、α−フルオロメチル−ヒスチジンおよびα−メチル−ヒスチジン)、側鎖に付加的なメチレンを有しているアミノ酸(“ホモ”アミノ酸)、および側鎖において、カルボン酸官能基がスルホン酸基(例えば、システイン酸)と置換されたアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のタンパク質への非天然アミノ酸(合成の非天然アミノ酸、置換されたアミノ酸、または1つ以上のD−アミノ酸が挙げられる)の組み込みは、多くの様々な方法において有用であり得る。D−アミノ酸を含んでいるペプチドなどは、インビトロまたはインビボにおいて、L−アミノ酸を含んでいるペプチドと比べて増強された安定性を示す。したがって、より高い細胞内安定性が所望されるか、または必要とされる場合、D−アミノ酸などを組み込んでいるペプチド構造は特に有用である。より具体的には、D−ペプチドなどは、内因性ペプチターゼおよびプロテアーゼに対して耐性があり、これにより、向上された分子の生体利用効率、および延長されたインビボにおける生存期間(そのような特性が所望される場合)を提供する。さらに、D−ペプチドなどは、ヘルパーT細胞に対する主要組織適合性複合体クラスIIに制限される提示に関して効率的に処理され得ない。そのため、D−ペプチドなどは、すべての生物において体液性免疫応答を誘発する可能性が低い。
アミノ酸は、本明細書において、国際純正および応用化学連合−国際生化学連合生化学命名委員会によって推奨されている、一般的に知られる3文字表記、または1文字表記のいずれかによって示される。同様に、ヌクレオチドは、それらの一般的に受け容れられている1文字符号によって示される。
“保存的に修飾されたバリアント”は、アミノ酸配列および核酸配列の両方に対して適用される。特定の核酸配列に関して、“保存的に修飾されたバリアント”は、同一もしくは本質的に同一なアミノ酸配列をコードしているか、または核酸がアミノ酸配列をコードしていない場合に実質的に同一な、それらの核酸を指す。遺伝暗号の縮重のために、非常に多数の機能的に同一な核酸が、所定のタンパク質のいずれかをコードする。実際に、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUのすべては、アミノ酸のアラニンをコードする。したがって、アラニンがコドンによって特定されるすべての位置において、コドンは、コードされるポリペプチドを変更せずに、記載されている対応するコドンのうちいずれかのコドンに変更され得る。このような核酸の変異は、保存的に修飾される変異の1種である“サイレント変異である”。また、ポリペプチドをコードする本明細書におけるすべての核酸配列は、核酸のすべての見込みのあるサイレント変異について説明している。当業者は、核酸におけるコドンのそれぞれ(通常、メチオニンに対する唯一のコドンであるAUG、および通常、トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除いて)が修飾されて、機能的に同一な分子を生成し得ることを認識している。したがって、ポリペプチドをコードする核酸のサイレント変異のそれぞれは、記載されている配列のそれぞれにおいて暗に示されている。
アミノ酸配列については、当業者は、コードされるアミノ酸におけるアミノ酸の1つまたはわずかな割合を変更するか、付加するかもしくは欠失する核酸配列、ペプチド配列、ポリペプチド配列またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加が、変更がアミノ酸の欠質、アミノ酸の付加もしくは化学的に類似のアミノ酸とのアミノ酸の置換を結果として生じる場合に、“保存的に修飾されるバリアント”であることを認識する。機能的に類似のアミノ酸を規定する保存的な置換の表は、当業者に公知である。当該保存的に修飾されたバリアントは、加えて、本発明の多形バリアント、種間相同物、および対立因子を除外しない。
機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的な置換の一覧は、当業者に公知である。以下の8つの群のそれぞれ:
(1)アラニン(A)、グリシン(G);
(2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
(3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
(4)アルギニン(R)、リジン(K);
(5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
(6)フェニルアラニン(P)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
(7)セリン(S)、スレオニン(T);および
(8)システイン(C)、メチオニン(M)
は、他の1つのアミノ酸に対して保存的な置換であるアミノ酸を含んでいる(例えば、Creighton, Proteins: Structures and Molecular Properties (W H Freeman & Co.; 2nd edition (December 1993)を参照すればよい)。
2つ以上の核酸配列またはポリペプチド配列において、“同一の”または“同一性の”割合は、同じである2つ以上の配列または部分配列を指す。配列は、以下の配列比較演算手順(または当業者に利用可能な他の演算手順)の1つを用いてか、もしくは手動の整列化および目視検査によって測定されるような比較領域または所望の領域の全体にわたって最大の一致に関して比較され、整列される場合に同じである割合(すなわち、特定の領域の全体にわたって、約60%の同一性、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%の同一性)であって、それらがアミノ酸残基またはヌクレオチドの当該割合を有する場合に、“実質的に同一”である。また、この定義は、試験配列の相補性を指す。同一性は、少なくとも約50のアミノ酸もしくはヌクレオチドの長さである領域の全体にわたってか、または75−100のアミノ酸もしくはヌクレオチドの長さである領域の全体にわたってか、または特に特定されないが、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの全体の配列にわたって存在し得る。本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド(ヒト以外の種に由来する相同物が挙げられる)は、本発明のヌクレオチド配列またはその断片を有している標識されたプローブ用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件においてライブラリをスクリーニングする工程、ならびに全長cDNAおよび当該ポリヌクレオチド配列を含んでいる遺伝子クローンを単離する工程を包含している方法によって取得され得る。
配列比較に関して、1つの配列は、比較される試験配列に対する基準配列としての役目を典型的に果たす。配列比較演算手順を用いる場合に、試験配列および基準配列はコンピュータに入力され、配列座標が指定され、必要に応じて配列演算手順のプログラム変数が指定される。初期設定のプログラム変数が使用され得るか、または代替の変数が指示され得る。それから、配列比較演算手順は、プログラム変数に基づいて基準配列と比較した、試験配列に関する配列同一性の割合を算出する。
本明細書に使用されるとき、“比較領域”は、2つの配列が最適に整列化された後において、配列が連続する位置の同じ数の基準領域に対して比較され得る20から600、一般的に約50から約200、より一般的に約100から約150からなる群から選択される多くの連続する位置のいずれか1つの区分に対する基準を包含している。比較に関する配列の整列化の方法は、当業者にとって公知である。比較に関する配列の最適な整列化は、これらに限定されないが、Smith and Waterman (1970) Adv. Appl. Math. 2:482cの局部的な相同性演算手順、Needleman and Wunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443の相同性整列化演算手順、Pearson and Lipman (1988) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444の類似性に関する検索方法、これらの演算手順のコンピュータ化された実施(the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または手動の整列化および目視検査(例えば、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (1995 supplement) を参照すればよい)が挙げられる演算方法によって、実施され得る。
配列同一性および配列類似性の割合の決定に好適な演算手順の一例は、BLASTおよびBLAST2.0演算手順である(それぞれ、Altschul et al. (1997) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402、およびAltschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410に記載されている)。BLAST分析を実施するソフトウェアは、全米バイオテクノロジー情報センター(ワールドワイドウェブncbi.nlm.nih.gov.にて入手可能)を通して一般に利用可能である。BLAST演算手順の変数W、TおよびXは、整列化の感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド用)には、11のワード長(W)、期待値(E)または10、M=5、N=−4を初期設定として、両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列に関して、BLASTPプログラムは、3のワード長、および10の期待値(E)を初期設定として、BLOSUM62 採点マトリクス(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915を参照すればよい)50の位置合わせ(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両方の鎖の比較を使用する。BLAST演算手順は、無効にされる“低い複雑性”のフィルタを用いて典型的に実施される。
また、BLAST演算手順は、2つの配列間の類似性の統計的な分析を実施する(例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5787を参照すればよい)。BLAST演算手順によって与えられる類似性の指標の1つは、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の間の適合が偶然に生じる確率の指標を提供する、最小の総和確率(P(N))である。例えば、核酸は、基準核酸に対する試験核酸の比較において最小の総和確率が約0.2未満、約0.01未満、または約0.001未満である場合に、基準配列に対して類似であると見做される。
“〜に対して選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする”という表現は、配列が複合混合物(全体の細胞またはライブラリのDNAまたはRNAが挙げられるが、これらに限定されない)内に存在する場合に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件において、特定のヌクレオチド配列に対してのみ結合すること、2重鎖化すること、またはハイブリダイズすることを指す。
“ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件”という表現は、当該技術において知られるように、低いイオン強度および高い温度の条件における、DNA、RNA、PNAもしくは他の核酸模倣物の配列か、またはそれらを組合せた配列のハイブリダイゼーションを指す。典型的に、ストリンジェントな条件において、プローブは、核酸の複合混合物(全体の細胞またはライブラリのDNAまたはRNAが挙げられるが、これらに限定されない)においてその標的配列に対してハイブリダイズするが、複合混合物における他の配列とはハイブリダイズしない。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる環境において異なる。より長い配列は、より高い温度において特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範にわたる指針は、Tijssen, Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Probes, “Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays” (1993)に見られる。一般的に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度 pHにおける、特定の配列に関する熱溶融点(T)よりも約5−10℃低く選択される。Tは、標的に対して相補的なプローブの50%が、平衡状態において標的配列とハイブリダイズする(標的配列がTにおいて過剰に存在し、プローブの50%が平衡状態にあるような)、温度である(規定のイオン強度、pH、および核酸の濃度の条件下)。ストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7.0から8.3において約1.0M未満のナトリウムイオン濃度、典型的に約0.01から1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、短いプローブ(10から50のヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない)に関して温度が少なくとも約30℃、および長いプローブ(これらに限定されないが、50を超えるヌクレオチドが挙げられる)に関して少なくとも約60℃である条件であり得る。また、ストリンジェントな条件は、ホルムアミドといった不安定化剤の添加を伴って達成され得る。選択的または特異的なハイブリダイゼーションに関して、正のシグナルは、バックグラウンドの少なくとも2倍の、任意にバックグラウンドの10倍のハイブリダイゼーションであり得る。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下のとおり:65℃において0.2×SSC、および0.1%のSDSにおける洗浄を伴う、42℃においてインキュベートする50%のホルムアミド、5×SSC、および1%のSDSか、または65℃においてインキュベートする5×SSC、1%SDSであり得る。当該洗浄は、5、15、30、60、120分、またはそれ以上にわたって実施され得る。
本明細書に使用されるとき、“真核生物”という用語は、動物(哺乳類、昆虫、爬虫類、鳥類などが挙げられるが、これらに限定されない)、繊毛虫類、植物(単子葉植物、双子葉植物、藻類などが挙げられるが、これらに限定されない)、菌類、酵母、鞭毛虫、微胞子虫、原生生物といった、真核生物界の系統学的な領域に属する生体を指す。
本明細書に使用されるとき、“非真核生物”という用語は、非真核生物の生体を指す。例えば、非真核生物の生体は、系統学的な領域の真正細菌(Escherichia coli、Thermus thermophilus、Bacillus stearothermophilus、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas putidaなどが挙げられるが、これらに限定されない)、または系統学的な領域の古細菌(Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium(例えば、Haloferax volcaniiおよびHalobacterium種のNRC−1)、Archaeoglobus fulgidus、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus horikoshii、Aeuropyrum pernixなどが挙げられるが、これらに限定されない)に属することができる。
本明細書に使用されるとき、“対象”という用語は、処置、観察または実験の対象である動物、いくつかの実施形態では哺乳類、別の実施形態ではヒトを指す。動物は、ペット(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマなど)、または実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)であり得る。
本明細書に使用されるとき、“有効量”という用語は、処置されるべき疾患、健康状態または不調の症状の1つ以上をある程度まで和らげる、投与される(修飾された)非天然アミノ酸ポリペプチドの量を指す。本明細書に記載されている(修飾された)非天然アミノ酸ポリペプチドを含有している組成物は、予防処置、処置の促進および/または治療処置を目的として投与され得る。
“増強”または“増強すること”は、所望の効果を、有効性または持続期間に関して向上するか、または延ばすことを意味する。したがって、治療薬の効果を増強することに関して、“増強すること”という用語は、系における他の治療薬の効果を、有効性または持続期間に関して、向上させるか、または延ばすことを指す。本明細書に使用されるとき、“増強有効量”は、所望の系におけるもう1つの治療薬の効果を十分に増強する量を指す。動物に使用される場合に、この使用に有効な量は、疾患、不調もしくは健康状態の重篤度および経過、以前の治療、動物の健康状態および薬物に対する応答、ならびに処置する獣医の判断に依存する。
本明細書に使用されるとき、“修飾”という用語は、所定のポリペプチドに対してなされる任意の変更(例えば、ポリペプチドの長さ、アミノ酸配列、化学構造、翻訳同時修飾、またはポリペプチドの翻訳後修飾に対する変更)を指す。ポリペプチドについて議論されている“(修飾)”形態という用語は、任意に修飾されており、すなわち、議論の項目におけるポリペプチドが修飾され得るか、または修飾され得ない。
“翻訳後修飾”という用語は、ポリペプチド鎖に組み込まれた後に当該アミノ酸に生じる、天然または非天然のアミノ酸の任意の修飾を指す。当該用語は、ほんの一例として、インビボにおける翻訳後修飾、インビトロにおける翻訳所修飾(例えば、無細胞翻訳系)、インビボにおける翻訳同時修飾、インビボにおける翻訳後修飾、およびインビトロにおける翻訳後修飾を包含する。
予防的な用途において、bG−CSFポリペプチドを含有する組成物は、特定の疾患、不調または健康状態に影響を受けやすいか、またはさもなければその危険性が高い動物に対して投与される。そのような量は、“予防有効量”と定義づけされる。また、この利用において、正確な量は、動物の健康状態および体重などに依存する。日常的な実験による当該予防有効量(例えば、用量の段階的増大の臨床試験)の決定は、当業者の範囲内にあると十分に見做される。
“保護”という用語は、ある反応条件における化学的に反応性の官能基の反応を防ぐ“保護基”または保護部分の存在を指す。保護基は、保護される化学的に反応性の基の種類に依存して変わる。例えば、化学的に反応性を示す基がアミンまたはヒドラジドである場合に、保護基は、tert−ブチルオキシカルボニル(t−Boc)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)からなる群から選択され得る。化学的に反応性を示す基がチオールである場合に、保護基はオルトピリジルジスルフィドであり得る。化学的に反応性を示す基がブタン酸もしくはプロピオン酸といったカルボキシル酸、またはヒドロキシル基である場合に、保護基は、ベンジル基またはメチル、エチルもしくはtert−ブチルといったアルキル基であり得る。また、当該分野において公知の他の保護基が、本明細書に記載される方法および組成物においてか、またはともに使用され得る。当該保護基としては、NvocおよびMeVocといった感光性基が挙げられる。また、当該分野において公知の他の保護基が、本明細書に記載される方法および組成物においてか、またはこれらとともに使用され得る。
ほんの一例として、封鎖基/保護基は、
Figure 0005844336
から選択され得る。
他の保護基は、参照によってその全体が本明細書に援用される、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, NY, 1999に記載されている。
治療的適用において、(修飾された)非天然アミノ酸ポリペプチドを含有している組成物は、すでに疾患、健康状態または不調になっている動物に対して、疾患、不調または障害の症状を治療するか、または少なくとも部分的に進行を押さえるために十分な量が、患者に投与される。当該量は、“治療有効量”であると定義され、疾患、不調もしくは障害の重篤度および経過、以前の治療、動物の健康状態および薬物に対する応答、ならびに処置する獣医の判断に依存する。日常的な実験によって当該治療有効量を(例えば、用量の段階的増大の臨床試験)を決定することは、当業者の範囲内にあると十分に見做される。
“処置”という用語は、予防的処置および/または治療的処置のいずれかを指して使用される。
本明細書において示される天然にコードされていないアミノ酸は、通常、天然に見られる原子量または質量とは異なる原子量または質量を有している原子と置き換えられる1つ以上の原子を含有する、同位体標識された化合物を含み得る。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素および塩素の同位体(例えば、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl)が挙げられる。本明細書に記載のいくつかの同位体標識された化合物は、薬および/または基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。当該化合物は、例えば、放射性同位体(例えば、Hおよび14C)の中に組み込まれる。さらに、重水素(すなわち、H)などの同位体との置換は、より高い代謝安定性(例えば、増強されたインビボにおける半減期か、または低減された投与必要量)によってもたらされる所定の薬学的な利点を提供し得る。
すべての異性体(ジアステレオマー、エナンチオマー、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない)が、本明細書に記載される組成物の一部とみなされる。付加的な実施形態またはさらなる実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸ポリペプチドは、代謝産物を生成する必要がある生物に投与されると代謝され、その後、生成された代謝産物が利用されて、所望の効果(所望の薬学的な効果が挙げられる)がもたらされる。さらなる実施形態または付加的な実施形態においては、天然にコードされていないアミノ酸ポリペプチドの活性な代謝産物である。
ある場合、天然にコードされていないアミノ酸ポリペプチドは、互変異性体として存在している。また、本明細書に記載の天然にコードされていないアミノ酸ポリペプチドは、薬学的に受容可能な溶媒(例えば、水およびエタノールなど)と、溶媒和されていない形態および溶媒和されている形態において存在し得る。また、溶媒和されている形態は、本明細書に記載されているとみなされる。当業者は、本明細書における化合物がいくつかの互変異性体の形態において存在し得ることを理解する。上記互変異性体のすべての形態が、本明細書に記載される組成物の一部とみなされる。
指定がない限り、当該技術の範囲内の質量分析、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術、薬理学といった従来の方法が用いられる。
〔詳細な説明〕
I.導入
非天然アミノ酸を少なくとも1つ含んでいるb−GSF分子が、本発明において提供される。本発明のある実施形態において、非天然アミノ酸を少なくとも1つ有しているb−GSFポリペプチドは、少なくとも1つの翻訳後修飾を包含する。1つの実施形態において、少なくとも1つの翻訳後修飾は、分子(ヒドロキシアルキルスターチ(HAS)、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、標識、色素、重合体、水溶性重合体、ポリエチレングリコールの誘導体、光架橋剤、放射線核種、細胞毒性化合物、薬物、親和性標識、光親和性標識、反応性化合物、樹脂、第2のタンパク質もしくはポリペプチドもしくはポリペプチド類似物、抗体もしくは抗体断片、金属キレート剤、補助因子、脂肪酸、含水炭素、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、アンチセンスポリヌクレオチド、多糖類、水溶性デンドリマー、シクロデキストリン、抑制性リボ核酸、生体適合物質、ナノ粒子、スピン標識、蛍光団、金属を含有する部分、放射性部分、新規な官能基、他の分子と共有的もしくは非共有的に相互作用する基、光ケージド部分、化学線励起部分、光異性体化可能な部分、ビオチン、ビオチンの誘導体、ビオチン類似物、重元素を組み込んでいる部分、化学的に切断可能な基、光切断可能な基、延長された側鎖、炭素結合型の糖、酸化還元活性のある物質、アミノチオ酸、毒性部分、同位体によって標識された部分、生物物理学的なプローブ、燐光性の基、化学発光性の基、電子密度の高い基、磁性基、インターカレートする基、発色団、エネルギー転移物質、生物学的に活性な物質、検出可能な標識、小分子、量子ドット、ナノ伝達物質、放射性ヌクレオチド、放射性伝達物質、中性子捕獲物質、または上述のものの任意の組合せもしくは特定の反応性にとって好適であることが当業者に知られている化学方法論に利用される第1の反応性基を備える少なくとも1つの非天然アミノ酸に対して反応性の第2の基を含んでいる、他に所望する任意の化合物もしくは物質が挙げられるが、これらに限定されない)の連結を含んでいる。例えば、第1の反応性基が、アルキニル部分(非天然アミノ酸p−プロパルギルオキシフェニルアラニン(ここで、プロパルギル基は、ときにアセチレン部分とも呼ばれる)における、が挙げられるが、これに限定されない)であり、第2の反応性基がアジド部分であり、[3+2]付加環化化学方法論が利用される。他の例において、第1の反応性基が、アジド部分(非天然アミノ酸p−アジド−L−フェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない)であり、第2の反応性基がアルキニル部分である。本発明の修飾されたb−GSFポリペプチドのある特定の実施形態において、少なくとも1つの翻訳後修飾を含んでいる、少なくとも1つの非天然アミノ酸(ケト官能基を含有する非天然アミノ酸が挙げられるが、これに限定されない)が、使用される(ここで、少なくとも1つの翻訳語後修飾が、糖鎖部分を含んでいる)。ある特定の実施形態において、翻訳後修飾は、真核細胞または非真核細胞のインビボにおいてなされる。リンカー、重合体、水溶性重合体、または他の分子は、当該ポリペプチドに対してその分子を結合し得る。当該分子は、ポリペプチドに直接結合され得る。
ある特定の実施形態において、タンパク質は、1つの宿主細胞によってインビボにおいてなされる少なくとも1つの翻訳後修飾を含んでおり、ここで、当該翻訳後修飾は他の宿主によって通常になされない。ある特定の実施形態において、タンパク質は、真核細胞によってインビボにおいてなされる少なくとも1つの翻訳修飾を含んでおり、ここで、当該翻訳後修飾は非真核細胞によって通常になされない。翻訳後修飾の例としては、糖鎖付加、アセチル化、アシル化、脂質修飾、パルミトイル化、パルミチン酸付加、リン酸化、および糖脂質結合修飾などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチドの糖鎖付加、アセチル化、アシル化、脂質修飾、パルミトイル化、パルミチン酸付加、リン酸化、または糖脂質結合修飾に関する天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含む。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチドの糖鎖付加に関する天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含む。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチドの糖鎖付加、アセチル化、アシル化、脂質修飾、パルミトイル化、パルミチン酸付加、リン酸化、または糖脂質結合修飾のための天然にコードされるアミノ酸を1つ以上含む。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチドの糖鎖付加のための天然にコードされるアミノ酸を1つ以上含んでいる。
いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチドの糖鎖付加を増進させる1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチドの糖鎖付加を促進させる1つ以上の欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の様々なアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の様々なアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の天然にコードされていないアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の天然にコードされるアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の異なるアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の天然にコードされるアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の天然にコードされるアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、b−GSFポリペプチドは、ポリペプチド中の天然にコードされていないアミノ酸における糖鎖付加を促進させる1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸の付加および/または置換を含んでいる。
ある実施形態において、翻訳後修飾は、GlcNAc−アスパラギン酸結合によるアスパラギン酸に対するオリゴ糖(オリゴ糖が(GlcNAc−Man)−Man−GlcNAc−GlcNAcなどを包含する場合が挙げられるが、これに限定されない)の連結を含んでいる。他の実施形態において、翻訳後修飾は、GalNAc−セリン、GalNAc−スレオニン、GlcNAc−セリン、またはGlcNAc−スレオニン結合による、セリンまたはスレオニンに対するオリゴ糖(Gal−GalNAc、Gal−GlcNAcなどが挙げられるが、これらに限定されない)の連結を含んでいる。ある特定の実施形態において、本発明のタンパク質またはポリペプチドは、分泌シグナル配列もしくは局在配列、エピトープタグ、FLAGタグ、ポリヒスチジンタグ、および/またはGST融合などを含み得る。分泌シグナル配列の例としては、原核生物の分泌シグナル配列、真核生物の分泌シグナル配列、細菌発現のために5’−最適化された真核生物の分泌シグナル配列、新規の分泌シグナル配列、ペクチン酸リアーゼ分泌シグナル配列、Omp A分泌シグナル配列、およびファージ分泌シグナル配列が挙げられるが、これらに限定されない。分泌シグナル配列の例としては、STII(原核生物)、Fd GIIIおよびM13(ファージ)、Bg12(酵母)、およびトランスポゾン由来のシグナル配列blaが挙げられるが、これらに限定されない。そのような任意の配列が、ポリペプチドによって所望される結果を提供するために修飾され得る。当該修飾としては、様々なシグナル配列を含んでいるあるシグナル配列の置換、様々なリーダー配列を含んでいるリーダー配列の置換などが挙げられるが、これらに限定されない。
所定のタンパク質またはポリペプチドは、少なくとも1つの、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、または10もしくはそれ以上の非天然アミノ酸を含有し得る。非天然アミノ酸は、同じであるか、または異なり得る(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の異なる非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質における1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の異なる部位にあり得る)。ある特定の実施形態において、タンパク質の天然に存在する型に存在する特定のアミノ酸のすべてではないが、少なくとも1つが、非天然アミノ酸に置換されている。
本発明は、天然にコードされていないアミノ酸を少なくとも1つ含んでいるb−GSFポリペプチドを用いた方法および組成物を提供する。b−GSFポリペプチドに対する天然にコードされていないアミノ酸の少なくとも1つの導入は、通常に存在する20のアミノ酸と反応しないが、1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸と反応する(これが挙げられるが、これに限定されない)、特定の化学反応を含む抱合化学的性質の適用を可能にする。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるb−GSFポリペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)といった水溶性重合体に対して、天然にコードされていないアミノ酸の側鎖を介して連結される。本発明は、PEG誘導体を用いてタンパク質を選択的に修飾する高効率な方法を提供する。当該方法は、遺伝的にコードされないアミノ酸のセレクターコドンに応じたタンパク質への効率的な組込み、および好適な反応性のPEG誘導体を用いたこれらのアミノ酸の一連の修飾に関する。ここで、遺伝的にコードされないアミノ酸としては、天然に組み込まれる20のアミノ酸に見られない官能基または置換基(ケトン、アジドまたはアセチレン部分が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。組み込まれると、それから、アミノ酸側鎖は、天然にコードされていないアミノ酸に存在する特定の官能基または置換基にとって好適であると当業者に知られる、化学方法論を利用することによって修飾され得る。多種多様な公知の化学方法論が、水溶性重合体をタンパク質に組み込むために、本発明における使用にとって好適である。当該方法論としては、ヒュイゲン[3+2]付加環化反応(これらに限定されないが、アセチレン誘導体またはアジド誘導体のそれぞれとの、ヒュイゲン[3+2]付加環化反応が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Padwa, A. in Comprehensive Organic Synthesis, Vol.4, (1991) Ed. Trost, B. M., Pergamon, Oxford, p. 1069-1109;およびHuisgen, R. in 1,3-Dipolar Cycloaddition Chemistry, (1984) Ed. Padwa, A., Wiley, New York, p.1-176を参照すればよい)。
ヒュイゲン[3+2]付加環化法は求核置換反応よりむしろ付加環化に関するので、タンパク質は非常に高い選択性をともなって修飾され得る。反応は、室温および水性条件において、非常に良好な位置選択性(1,4>1,5)をともなって、反応混合物に触媒量のCu(I)塩を添加することによって実施され得る。例えば、Tornoe, et al., (2002)J. Org. Chem. 67:3057-3064; and, Rostovtsev, et al., (2002) Angew. Chem. Int. Ed. 41:2596-2599および国際公開第03/101972号を参照すればよい。[3+2]
付加環化を介して本発明のタンパク質に加えられ得る分子としては、好適な官能基または置換基(アジド誘導体またはアセチレン誘導体が挙げられる)を有する実質的に任意の分子が挙げられるが、これらに限定されない。これらの分子は、アセチレン基またはアジド基を有している非天然アミノ酸のそれぞれに対して加えられ得る。アセチレン基を有している非天然アミノ酸としては、p−プロパルギルオキシフェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない。アジド基を有する非天然アミノ酸としては、p−アジド−フェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない。
ヒュイゲン[3+2]付加環化から生じる5員環は、還元性環境において一般的に不可逆的であり、水性環境において長期間にわたって加水分解に対して安定である。結果として、多種多様な物質の物理的および化学的な特性が、本発明の活性PEG誘導体をともなう厳しい水性条件において修飾され得る。さらに重要なことに、アジド部分およびアセチレン部分が互いに特異的である(そして、例えば遺伝的にコードされる通常の20のアミノ酸のいずれとも反応しない)ので、タンパク質は非常に高い選択性をともなって1つ以上の特定の部位において修飾され得る。
また、本発明は、PEG誘導体の加水分解に対して安定な水溶性の誘導体を提供し、1つ以上のアセチレン部分またはアジド部分を有している親水性重合体に関する。アセチレン部分を含有しているPEG重合体誘導体は、セレクターコドンに応じてタンパク質に選択的に導入されているアジド部分と結合する高い選択性を有している。同様に、アジド部分を含有するPEG重合体誘導体は、セレクターコドンに応じてタンパク質に選択的に導入されているアセチレン部分と結合する高い選択性を有している。
より詳細には、アジド部分は、アルキルアジド、アリールアジドおよびこれらのアジドの誘導体を包含するが、これらに限定されない。アルキルアジドおよびアリールアジドの誘導体は、アセチレン特異的な反応性が維持される限り、他の置換基を含み得る。アセチレン部分は、アルキルアセチレン、アリールアセチレンおよびそれぞれの誘導体を包含するが、これらに限定されない。アルキルアセチレンおよびアリールアセチレンの誘導体は、アジド特異的な反応性が維持される限り、他の置換基を含み得る。
本発明は、他の物質(ヒドロキシアルキルスターチ(HAS);ヒドロキシエチルスターチ(HES);標識;色素;重合体;水溶性重合体;ポリエチレングリコールの誘導体;光架橋剤;放射線核種;細胞毒性化合物;薬物;親和性標識;光親和性標識;反応性化合物;樹脂;第2のタンパク質もしくはポリペプチドもしくはポリペプチド類似物;抗体もしくは抗体断片;金属キレート剤;補助因子;脂肪酸;含水炭素;ポリヌクレオチド;DNA;RNA;アンチセンスポリヌクレオチド;多糖類;水溶性デンドリマー;シクロデキストリン;抑制性リボ核酸;生体適合物質;ナノ粒子;スピン標識;蛍光団;金属を含有する部分;放射性部分;新規な官能基;他の分子と共有的もしくは非共有的に相互作用する基;光ケージド部分;化学線励起部分;光異性体化可能な部分;ビオチン;ビオチン類似物;ビオチン類似物;重元素を組み込んでいる部分;化学的に切断可能な基;光切断可能な基;延長された側鎖;炭素結合型の糖;酸化還元活性のある物質;アミノチオ酸;毒性部分;同位体によって標識された部分;生物物理学的なプローブ;燐光性の基;化学発光性の基;電子密度の高い基;磁性基;インターカレートする基;発色団;エネルギー転移物質;生物学的に活性な物質;検出可能な標識;小分子;量子ドット;ナノ伝達物質;放射性ヌクレオチド;放射性伝達物質;中性子捕獲物質;または上述のものの任意の組合せ、もしくは他に所望される任意の化合物もしくは物質が挙げられるが、これらに限定されない)との、多種多様な官能基、置換基または部分を有する物質の抱合物を提供する。また、本発明は、対応するアセチレンまたはアジド部分を有しているPEG重合体誘導体との、アジドまたはアセチレン部分を有している物質の抱合物を包含する。例えば、アジド部分を含んでいるPEG重合体は、アセチレン官能性基を有している遺伝的にコードされないアミノ酸を含んでいるタンパク質における位置において、生物学的に活性な分子に連結され得る。PEGおよび生物学的に活性な分子が連結される結合としては、ヒュイゲン[3+2]付加環化産物が挙げられるが、これに限定されない。
PEGを用いて生体材料の表面を修飾し得ることは、当該技術において十分に確立されている。例えば、参照によって本明細書に援用される、米国特許第6,610,281号;Mehvar, R., J. Pharm Pharm ScL, 3(1):125-136 (2000)を参照すればよい。また、本発明は、1つ以上のアジド反応性部位もしくはアセチレン反応性部位を有している表面、およびヒュイゲン[3+2]付加環化結合を介して当該表面に結合されている本発明のアジドもしくはアセチレン含有重合体を含んでいる生体材料を包含する。また、生体材料および他の物質は、アジド結合またはアセチレン結合以外の結合を介してアジドまたはアセチレン活性化重合体に対して結合され得る。当該結合は、例えば、後の反応に利用可能なアジド部分またはアセチレン部分を残しておくための、カルボン酸、アミン、アルコールまたはチオール部分を含んでいる結合である。
本発明は、本発明のアジド含有重合体およびアセチレン含有重合体を合成する方法を包含する。アジド含有PEG誘導体の場合には、アジドは、重合体の炭素原子に対して直接に結合され得る。他の方法として、アジド含有PEG誘導体は、生成される重合体がその末端にアジド部分を有するように、1つの末端にアジド部分を有している連結剤を従来の活性化重合体に連結させることによって調製され得る。アセチレン含有PEG誘導体の場合には、アセチレンは、重合体の炭素原子に対して直接に結合され得る。他の方法として、アセチレン含有PEG誘導体は、生成される重合体がその末端にアセチレン部分を有するように、1つの末端にアセチレン部分を有している連結剤を従来の活性化重合体に連結させることによって調製され得る。
より詳細には、アジド含有PEG誘導体の場合には、少なくとも1つの活性ヒドロキシ部分を有する水溶性重合体は、より反応性の高い部分を有している置換重合体を生成するための反応を受ける。より反応性の高い部分は、例えば、水溶性重合体上にあるメシレート基、トレシレート基、トシレート基またはハロゲン離脱基である。ハロゲン化スルフォニル酸、ハロゲンおよび他の離脱基を含んでいるPEG誘導体の調製および使用は、当業者にとって公知である。それから、生成される置換重合体は、重合体の末端においてアジド部分をより反応性の高い部分に置換するための反応を受ける。他の方法としては、少なくとも1つの活性な求核部分または求電子部分を有している水溶性重合体は、1つの末端にアジド部分を有している連結剤との反応を受ける。当該連結剤は、1つの末端にアジド部分を有しているので、PEG重合体と連結剤との間に共有結合が形成され、アジド部分が重合体の末端に配置される。求核部分および求電子部分は当業者に公知であり、これらとしては、アミン、チオール、ヒドラジド、ヒドラジン、アルコール、カルボン酸塩、アルデヒド、ケトンおよびチオエステルなどが挙げられる。
より詳細には、アセチレン含有PEG誘導体の場合には、少なくとも1つの活性なヒドロキシ部分を有している水溶性重合体は、アセチレン部分を含んでいる前駆体からハロゲンまたは活性な離脱基を置換するための反応を受ける。他の方法としては、少なくとも1つの活性な求核部分または求電子部分を有している水溶性重合体は、1つの末端にアセチレン部分を有している連結剤との反応を受ける。当該連結剤は、1つの末端にアセチレン部分を有しているので、PEG重合体と連結剤との間に共有結合が形成され、アセチレン部分が重合体の末端に配置されることを可能にする。PEG誘導体の有機合成、調製および使用に関する、ハロゲン部分、活性化脱離基、求核部分および求電子部分の使用は、当該分野において十分に確立されている。
また、本発明は、修飾されたタンパク質に他の物質を加えるためにタンパク質を選択的に修飾する方法を提供する。他の物質としては、水溶性重合体(例えば、アジド部分もしくはアセチレン部分を含有するPEGおよびPEG誘導体)が挙げられるが、これに限定されない。アジド含有PEG誘導体およびアセチレン含有PEG誘導体を使用して、表面を修飾し得、分子の特性を調節し得る。ここで、当該特性としては、生体利用効率、安定性、溶解性および欠失した免疫原性が重要である。同時に、タンパク質に対してPEG誘導体をより選択的に連結させる手段は、当該技術において以前から公知であった。
II.ウシGCSF
本発明のbG−CSFポリペプチドは、動物の感染症を寛解させるか、または予防するために用いられ得る。生物学的な活性、ならびにウシG−CSFおよびヒトGCSFの生物学的な活性を性質決定するためのアッセイは当業者に公知である。好中球の数および好中球の機能の評価に関するアッセイは当業者に公知である。
III.本発明とともに使用するための一般的な組換え核酸法
本発明の多くの実施形態において、所定のbG−CSFポリペプチドをコードする核酸は、単離され、クローン化され、しばしば組換え法を用いて変更される。当該実施形態は、これらに限定されないが、bG−CSFポリペプチドから得られるバリアント、誘導体、発現カセット、または他の配列の、タンパク質発現または生成の間を含めて使用される。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドをコードする配列は、異種のプロモータに対して作動可能に連結されている。hG−CSFの単離および宿主細胞におけるG−CSFの産生について、例えば、参照によって本明細書に援用される、米国特許第4,810,643号;米国特許第4,999,291号;米国特許第5,580,755号;および米国特許第6,716,606号に記載されている。
天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるレプチンポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、親ポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて合成され得る(配列番号1または2に示されるアミノ酸配列を有し、それから関連する(複数の)アミノ酸残基の導入(すなわち、組み込みまたは置換)または除去(すなわち、欠失または置換)をもたらすようにヌクレオチド配列を変えている、が挙げられるが、これらに限定されない)。ヌクレオチド配列は、従来の方法に従った部位特異的な変異生成によって簡便に修飾され得る。代替可能に、ヌクレオチド配列は、化学合成(オリゴヌクレオチド合成機を用いること、および好ましくは組換えポリペプチドが産生される宿主細胞に好まれるこれらのコドンを選択することが挙げられるが、これらに限定されない)によって調製され得る(ここで、オリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて設計される)。例えば、所望のポリペプチドの部分をコードする種々の小さなオリゴヌクレオチドが、合成され得、PCR、ライゲーションまたはライゲーション鎖反応によって集められ得る。例えば、参照によって本明細書に援用される、Barany, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 88: 189-193 (1991) ;米国特許第6,521,427号を参照すればよい。
本発明は、組換え遺伝学の分野における通常の技術を利用している。本発明に使用する一般的な方法を開示する基本的な教科書としては、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd ed. 2001);Kriegler, Gene Transfer and Expression: ALaboratory Manual (1990);およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubelet al., eds., 1994))が挙げられる。
分子生物学的な技術について記載している一般的な教科書としては、Berger and Kimmel, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology volume 152 Academic Press, Inc., San Diego, CA (Berger);Sambrook et al., Molecular Cloning - A Laboratory Manual (2nd Ed.), Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989 (“Sambrook”)およびCurrent Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubel et al., eds., Current Protocols, a joint venture beTween Greene Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., (supplemented through 1999) (“Ausubel”))が挙げられる。これらの教科書は、変異生成、ベクター、プロモータおよび他の関連性のある多くの原理(非天然アミノ酸、直交性のtRNA、直交性の合成酵素、およびこれらの対を含むタンパク質産生用のセレクターコドンを含む、遺伝子またはポリヌクレオチドの生成と関連性のあるものが挙げられるが、これらに限定されない)の利用について記載している。
多様な種類の変異生成が、本発明において種々の目的に使用される。当該目的としては、新規の合成酵素またはtRNAを産生すること、tRNA分子を変異させること、合成酵素をコードするポリヌクレオチドを変異させること、tRNAのライブラリを産生すること、合成酵素のライブラリを産生すること、セレクターコドンを産生すること、所定のタンパク質またはポリペプチドにおける非天然アミノ酸をコードするセレクターコドンを挿入することが挙げられるが、これらに限定されない。変異生成としては、部位特異的変異生成、無作為点変異生成、相同性組換え、DNAシャッフリングもしくは他の反復的な変異生成法、キメラ構築、鋳型を含有するウラシルを用いた変異生成、オリゴヌクレオチド特異的変異生成、ホスホロチオネート修飾DNA変異生成、もしくはギャップ2本鎖DNAを用いた変異生成など、PCT介在変異生成、またはこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。付加的な好適な方法としては、点不一致対、修復欠失宿主株を用いた変異生成、制限選択および制限精製、欠失変異生成、全体の遺伝子合成による変異生成、ならびに2本鎖切断修復などが挙げられるが、これらに限定されない。また、キメラ構築に関する変異生成が本発明に包含されるが、これに限定されない。1つの実施形態において、変異生成は、天然に存在する分子、または変更されるかもしくは変異された天然に存在する分子の公知の情報(配列、配列比較、物理的性質、二次構造、三次構造もしくは四次構造、または結晶構造などが挙げられるが、これらに限定されない)よって導かれ得る。
本明細書に見られる教科書および例は、これらの手法について記載している。付加的な情報は、以下の公刊物および引用文献:Ling et al., Approaches to DNA mutagenesis: an overview, Anal Biochem. 254(2): 157-178 (1997);Dale et al., Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method, Methods Mol. Biol. 57:369-374 (1996) ;Smith, In vitro mutagenesis, Ann. Rev. Genet. 19:423-462 (1985);Botstein & Shortle, Strategies and applications of in vitro mutagenesis, Science 229:1193-1201 (1985);Carter, Site-directed mutagenesis, Biochem. J. 237:1-7 (1986) ;Kunkel, The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis, inNucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, D.M.J. eds., Springer Verlag, Berlin) (1987);Kunkel, Rapid and efficient site-specific mutagenesiswithout phenotypic selection, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492 (1985);Kunkel et al., Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection, Methods in Enzymol. 154, 367-382 (1987);Bass et al., Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities, Science 242:240-245 (1988);Zollcr & Smith, Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficientand general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment, Nucleic Acids Res. 10:6487-6500 (1982); Zoller & Smith, Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors, Methods in Enzymol. 100:468-500 (1983); Zollcr & Smith, Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template, Methods in Enzymol. 154:329- 350 (1987);Taylor et al., The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA, Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764 (1985) ;Taylor et al., The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA, Nucl. Acids Res. 13: 8765-8785 (1985) ;Nakamaye & Eckstein, Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis, Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698 (1986) ;Sayers et al, Y-T Exonucleases in phosphorothioaie-based oligonucleotide-directed mutagenesis, Nucl. Acids Res, 16:791-802 (1988);Sayers et al., Strand specificcleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide, (1988) Nucl. Acids Res. 16: 803-814;Kramer et al., The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction, Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456 (1984) ;Kramer & Fritz Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA, Methods in Enzymol. 154:350-367 (1987);Kramer et al., Improved enzymatic in vitro reactions
in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations, Nucl. Acids Res. 16: 7207 (1988) ;Fritz et al., Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro, Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999 (1988) ;Kramer et al., Different base/base mismatches are corrected with different efficiencies by the methyl-directed DNA mismatch-repair system of E. coli, Cell 38:879-887 (1984); Carter et al., Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors, Nucl. Acids Res. 13: 4431 -4443 (1985);Carter, Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors, Methods in Enzymol. 154: 382-403 (1987);Eghtedarzadeh & Henikoff, Use of oligonucleotides to generate large deletions, Nucl. Acids Res. 14: 5115 (1986) ;Wells et al., Importance of hydrogen-bond formation instabilizing the transition state of subtilisin, Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423 (1986);Nambiar et al., Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein, Science 223: 1299-1301 (1984);Sakmar and Khorana, Total synthesis and expression of a gene for the alpha-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin), Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372 (1988) ;Wells et al., Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites, Gene 34:315-323 (1985) ;Grundstrom et al., Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale 'shot-gun' gene synthesis, Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316 (1985) ;Mandecki, Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181 (1986)
;Arnold, Protein engineering for unusual environments, Current Opinion in Biotechnology 4:450-455 (1993) ;Sieber, et al., Nature Biotechnology, 19:456-460 (2001) ;W. P. C. Stemmer, Nature 370, 389-91 (1994) ;およびI. A. Lorimer, I. Pastan, Nucleic Acids Res. 23, 3067-8 (1995) に見出される。上述の方法に関する付加的な詳細は、種々の変異生成方法に伴う問題を解決する有用な管理についても記載しているMethods in Enzymology Volume 154に見出され得る。
例えば、本発明の変異生成(例えば、合成酵素のライブラリを変異させること、またはtRNAを改変すること)に用いるオリゴヌクレオチドは、Beaucage and Caruthers, Tetrahedron Letts. 22(20):1859-1862, (1981) e.g., using an automated synthesizer, as described in Needham-VanDevanter et al., Nucleic Acids Res., 12:6159-6168 (1984)に記載される固相ホスホラミダイトトリエステル法にしたがって、典型的に化学合成される。
また、本発明は、直交性のtRNA/RS対を介した非天然アミノ酸のインビボにおける組み込み用の、真核生物宿主細胞、非真核生物宿主細胞、および生体に関する。宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含んでいる構築物(クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る本発明のベクターが挙げられるが、これらに限定されない)を用いて、遺伝的に改変される(形質転換されるか、形質導入されるか、またはトランスフェクトされる、が挙げられるが、これらに限定されない)。例えば、直交性のtRNA、直交性のtRNA合成酵素、および誘導体化されたタンパク質に関するコード領域は、遺伝子発現制御因子に対して作動可能に連結される。ここで、遺伝子発現制御因子は、所望される宿主細胞において機能する。ベクターは、例えば、プラスミド、細菌、ウイルス、裸のポリヌクレオチド、または抱合されたポリヌクレオチドの形態であり得る。ベクターは、標準的な方法(エレクトロポレーション(From et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 5824 (1985) )、ウイルスベクターによる感染、小さなビーズもしくは粒子のマトリクスの内部、または表面のいずれかに核酸を有する小粒子による高速弾丸侵入(high velocity ballistic penetration)(Klein et al., Nature 327, 70-73 (1987) )などが挙げられる)によって細胞および/または微生物に導入される。インビトロにおける細胞内への核酸の転移にとって好適な技術としては、リポソーム、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン、リン酸カルシウム沈降法などの使用が挙げられる。インビボにおける遺伝子転移技術としては、ウイルス(典型的にレトロウイルス)ベクターによるトランスフェクション、およびウイルスのエンベロープタンパク質−リポソームを用いたトランスフェクション(Dzau et al., Trends in Biotechnology 11:205-210 (1993))が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合、標的細胞を対象にする作用物質(例えば、細胞表面の膜タンパク質または当該標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上の受容体に対するリガンドなど)を核酸入手源に付与することが好ましい。リポソームが用いられる場合、エンドサイトーシスに関連のある細胞表面の膜タンパク質と結合するタンパク質が、標的化および/または容易な取込みのために用いられ得る。そのようなタンパク質としては、例えば、特定の細胞種に向性を示すカプシドタンパク質もしくはその断片、循環において内部移行するタンパク質に対する抗体、細胞内において局在化させ、細胞内半減期を増強させるタンパク質が挙げられる。
改変された宿主細胞は、例えば、スクリーニング段階、プロモータの活性化または形質転換体の選択といった活性に適するように改変された、従来の培養液において培養され得る。これらの細胞は、遺伝子導入生体において任意に培養され得る。他の有用な参考文献(細胞の単離および培養にとって(例えば、後の核酸単離にとって)の、が挙げられるが、これに限定されない)としては、Freshney (1994) Culture of Animal Cells, a Manual of Basic Technique, third edition, Wiley- Liss, New York およびこれに引用されている参考文献;Payne et al. (1992) Plant Cell and Tissue Culture in Liquid Systems John Wiley & Sons, Inc. New York, NY;Gamborg and Phillips (eds.) (1995) Plant Cell, Tissue and Organ Culture;Fundamental Methods Springer Lab Manual, Springer-Verlag (Berlin Heidelberg New York)ならびにAtlas and Parks (eds.) The Handbook of Microbiological Media (1993) CRC Press, Boca Raton, FLが挙げられる。
標的の核酸を細胞に導入する種々のよく知られる方法が、本発明に使用される任意の方法に利用可能である。これらとしては、DNAを含有する細菌の原形質体との受容細胞の融合、エレクトロポレーション、粒子衝撃法(projectile bombardment)、およびウイルスベクターを用いた感染(以下にさらに論じられている)などが挙げられる。細菌細胞は、本発明のDNA構築物を含有するプラスミドの数を増幅するために使用され得る。細菌は、対数期まで増殖され、細菌内におけるプラスミドは、当該技術において公知の種々の方法(例えば、実際には、Sambrookを参照すればよい)によって単離され得る。さらに、細菌からのプラスミドの精製にとってのキットは、市販されている(例えば、いずれもPharmacia Biotechから得られるEasyPrep(商標)、FlexiPrep(商標);Stratageneから得られるStrataClean(商標);およびQiagenから得られるQIAprep(商標))。それから、単離され、精製されたプラスミドは、さらに操作されて他のプラスミドを産生するか、細胞のトランスフェクトに使用されるか、または関連するベクターに組み込まれて生体に感染させられる。典型的なベクターは、特定の標的核酸の発現の制御に有用な、転写ターミネータおよび翻訳ターミネータ、転写開始配列および翻訳開始配列、ならびにプロモータを含んでいる。ベクターは、少なくとも1つの独立したターミネータ配列を含んでいる遺伝的な発現カセット、真核生物もしくは原核生物もしくはこの両方におけるカセットの複製を可能にする配列(シャトルベクターが挙げられるが、これに限定されない)、および原核生物系もしくは真核生物系の両方にとっての選択マーカーを任意に含んでいる。ベクターは、原核生物、真核生物または両方における複製および組み込みに好適である。例えば、Gillam & Smith, Gene 8:81 (1979);Roberts, et al., Nature, 328:731 (1987); Schneider, B., et al., Protein Expr. Purif. 6(1):10-14 (1995);Ausubel, Sambrook, Berger (すべて上述されている)を参照すればよい。クローニングに有用な細菌およびバクテリオファージのカタログは、例えば、ATCCによって提供される(例えば、ATCCによって公開されるThe ATCC Catalogue of Bacteria and Bacteriophage (1992) Gherna et al. (eds))。また、配列決定、クローニング、および分子生物の他の局面に関する付加的な基本的な手法ならびに基礎になる論理的な考察は、Watson et al. (1992)Recombinant DNA Second Edition Scientific American Books, NYに見出される。さら
に、実質的に任意の核酸(および、らせん構造であるか否かにかかわらず、実質的に任意の標識核酸)は、任意の多様な販売元(例えば、the Midland Certified Reagent Company(Midland)、TX、ワールドワイドウェブのmcrc.comにおいて利用可能である)、The Great American Gene Company(Ramona)、CA、ワールドワイドウェブのgenco.comにおいて利用可能である)、ExpressGen Inc.(Chicago)、IL、ワールドワイドウェブのexpressgen.comにおいて利用可能である)、Operon Technologies Inc.(Alameda)、CA)および多くの他社)から、特別または通常に注文して提供され得る。
(セレクターコドン)
本発明のセレクターコドンは、タンパク質の生合成機構の遺伝学的なコドンの枠組みを拡張する。例えば、セレクターコドンとしては、固有の3塩基コドン、ナンセンスコドン(例えば、ストップコドン(アンバーコドン(UAG)、オーカーコドン、またはオパールコドン(UGA)が挙げられるが、これらに限定されない))、非天然コドン、4塩基以上のコドン、またはレアコドン(rare codon)などが挙げられるが、これらに限定されない。所望の遺伝子またはポリヌクレオチドに導入され得るセレクターコドンの数は広範囲に及ぶ(少なくともbG−CSFポリペプチドの部分を少なくともコードする単一のポリヌクレオチドにおける1以上、2以上、3以上、4、5、6、7、8、9、10以上が挙げられるが、これらに限定されない)ことは、当業者にとってただちに明らかである。
1つの実施形態において、方法は、インビボにおける1つ以上の非天然アミノ酸の組み込み用のストップコドンである、セレクターコドンの使用に関する。例えば、ストップコドン(UAGが挙げられるが、これに限定されない)を認識するO−tRNAが産生され、所望の非天然アミノ酸と共にO−RSによってアミノアシル化される。このO−tRNAは、天然に存在する宿主のアミノアシル−tRNA合成酵素によって認識されない。従来の部位特異的な突然変異生成は、所定のポリペプチドにおける所定の部位に対するストップコドン(TAGが挙げられるが、これに限定されない)の導入に使用され得る。例えば、Sayers, J.R.,ら (1988), 5'-3' Exonuclease in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis. Nucleic Acids Res. 16:791-802を参照すればよい。O−RS、O−tRNAおよび所定のポリペプチドをコードする核酸がインビボにおいて組み合せられると、非天然アミノ酸がUAGコドンに応じて組み込まれて、特定の位置に非天然アミノ酸を含んでいるポリペプチドを生じさせる。
非天然アミノ酸のインビボにおける組込みは、宿主細胞を大きく乱すことなくなされ得る。例えば、UAGコドンの抑制効率が、O−tRNA(アンバーサプレッサtRNAが挙げられるが、これらに限定されない)と、(ストップコドンに対して結合し、リボソームからの成長しつつあるペプチドの放出を開始する)真核細胞放出因子(eRFが挙げられるが、これに限定されない)との間の競合に依存するので、抑制効率は、O−tRNAおよび/またはサプレッサtRNAの発現レベルを増強することによって調節され得るが、これらに限定されない。
また、非天然アミノ酸は、レアコドンによってコードされ得る。例えば、インビトロにおけるタンパク質合成反応においてアルギニン濃度が減少した場合、レアアルギニンコドン(AGG)は、アラニンによってアシル化された合成RNAによるアラニンの挿入に有効であることが証明されている。例えば、Ma et al., Biochemistry, 32:7939 (1993)を参照すればよい。この場合、合成tRNAは、天然に存在しているtRNAアルギニン(大腸菌において少数の種として存在する)と競合する。いくつかの生物は、すべての三塩基コドンを使用しない。Micrococcus luteusにおいて割り当てられていないコドンAGAは、インビトロの転写/翻訳の抽出物における、アミノ酸の挿入に利用されている。例えば、Kowal and Oliver, Nucl. Acid. Res., 25:4685 (1997) を参照すればよい。本発明の成分は、インビトロにおいてこれらレアコドンを使用するために生成され得る。
また、セレクターコドンは、拡張されたコドン(4以上の塩基コドン(例えば、4、5、6以上の塩基コドン)が挙げられるが、これらに限定されない)を包含する。4塩基コドンの例としては、AGGA、CUAG、UAGA、およびCCCUなどが挙げられるが、これらに限定されない。5塩基コドンの例としては、AGGAC、CCCCU、CCCUC、CUAGA、CUACU、およびUAGGCなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特徴は、フレームシフト抑圧に基づいて延長されたコドンの使用を包含する。4以上の塩基コドンは、同じタンパク質に1つまたは複数の非天然アミノ酸(例として挙げられるが、これらに限定されない)を挿入可能である。例えば、突然変異されたO−tRNA(特別なフレームシフトサプレッサtRNAが挙げられるが、これに限定されない)の存在下において、アンチコドンループ(少なくとも8−10ntのアンチコドンループが挙げられるが、これらに限定されない)を用いて、4以上の塩基コドンが単一のアミノ酸として解読される。他の実施形態において、アンチコドンループは、少なくとも4塩基コドン、少なくとも5塩基コドン、または少なくとも6塩基コドン(例として挙げられるが、これらに限定されない)を翻訳可能である。見込みのある4塩基コドンが256あるので、複数の非天然アミノ酸は、4以上の塩基コドンを用いて、同じ細胞においてコードされ得る。Anderson et al, (2002) Exploring the Limits of Codon and Anticodon Size, Chemistry and Biology. 9:237-244;Magliery, (2001) Expanding the Genetic Code: Selection of Efficient Suppressors of Four-base Codons and Identification of "Shifty" Four-base Codons with a Library Approach in Escherichia coli, J.MoI. Biol. 307: 755-769を参照すればよい。
例えば、4塩基コドンは、インビトロ生合成方法を用いた、タンパク質への非天然アミノ酸の組込みに使用されている。例えば、Ma et al, (1993) Biochemistry. 32:7939、およびHohsaka et al, (1999) L Am. Chem. Soc. 121: 34を参照すればよい。CGGGおよびAGGUは、化学的にアシル化された2つのフレームシフトサプレッサtRNAを用いて、インビトロにおいて、ストレプトアビジンに2−ナフチルアラニンおよびリジンNBD誘導体を同時に組み込むために使用された。例えば、Hohsaka et al, (1999) J. Am. Chem. Soc. 121: 12194を参照すればよい。インビボにおける研究において、Moore et alは、NCUAアンチコドンを有するtRNALeu誘導体のUAGNコドン(NはU、A、GまたはCであり得る)を抑圧する能力を試験し、クワドルプレットUAGAが、0または−1フレームの状態に少なく翻訳して、13から26%効率において、UCUAアンチコドンを有するtRNALeuによって翻訳され得ることを見出した。例えば、Moore et al, (2000) J. MoI. Biol., 298:195を参照すればよい。1つの実施形態において、レアコドンまたはナンセンスコドンに基づいて延長されたコドンは、読み過ごしのミスセンス、および他の不要な部位におけるフレームシフト抑圧を低減し得る本発明に、使用され得る。
また、所定の系に関して、内在性の系が天然塩基コドンを使用しない(またはまれにしか使用しない)場合に、セレクターコドンは、天然の3塩基コドンの1つを包含し得る。例えば、これとしては、天然の3塩基コドンを認識するtRNAを欠如している系、および/または3塩基コドンがレアコドンである系が挙げられる。
セレクターコドンは非天然の塩基対を任意に包含する。これらの非天然塩基対は、存在する遺伝子アルファベットをさらに拡張する。追加の塩基対の1つは、64から125までトリプレットの数を増加させる。第3の塩基対の性質としては、安定かつ選択的な塩基対形成、ポリメラーゼによる高い忠実度を伴ったDNAへの効率的な酵素的組み込み、および新生の非天然塩基対の合成後における効率的な連続するプライマー伸張が挙げられる。方法および組成物に適合し得る非天然塩基対の記述の例としては、例えば、Hirao et al, (2002) An unnatural base pair for incorporating amino acid analogues into protein, Nature Biotechnology, 20:177-182が挙げられる。また、Wu, Y., et al., (2002)J. Am. Chem. Soc. 124:14626-14630を参照すればよい。他の関連する刊行物は、以下に載せられている。
インビボにおける使用法に関して、非天然ヌクレオシドは、膜透過性であり、リン酸化されて対応する3リン酸塩を形成する。その上に、増加した遺伝情報は、安定であり、細胞性の酵素によって破壊されない。Bennerおよびその他によるこれまでの試みは、もっとも注目すべき例であるイソ−C:イソ−G対という、基準のWatson-Crick対における水素結合様式とは異なる、水素結合様式を巧く活用した。例えば、Switzer et al, (1989) J.Am. Chem. Soc, 111 :8322;およびPiccirilli et al, (1990) Nature, 343:33;Kool, (2000) Curr. Opin. Chem. Biol., 4:602を参照すればよい。これらの塩基は、通常、あ
る程度まで天然塩基と誤対合し、酵素的に修復され得ない。Koolおよび共同研究者らは、塩基間の疎水性パッキング相互作用(hydrophobic packing interactions)が水素結合と入れ替わって、塩基対の形成を生じることができることを証明した。例えば、Kool, (2000) Curr. Opin. Chem. Biol., 4:602、およびGuckian and Kool, (1998) Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 36, 2825を参照すればよい。上述した条件のすべてを満たす非天然塩基対を開発する試みにおいて、Schultz、Romesbergおよび共同研究者らは、一連の非天然疎水性塩基を体系的に合成し、研究している。PICS:PICS自己対は、天然塩基対より安定であることが見出されており、エシェリキア コリのDNAポリメラーゼ Iのクレノー酵素(Klenow fragment)(KF)によって、DNAに効率的に組み込まれ得る。
例えば、McMinn et al, (1999) J. Am. Chem. Soc. 121: 11585-6;およびOgawa et al, (2000) J. Am. Chem. Soc. 122:3274;を参照すればよい。3MN:3MN自己対は、生物学的機能に対して十分な効率性および選択性を伴って、KFによって合成され得る。例えば、Ogawa et al, (2000) J. Am. Chem. Soc, 122:8803を参照すればよい。しかし、両方の塩基は、さらなる複製に対して連鎖ターミネータとして作用する。近年、突然変異体DNAポリメラーゼは、PICS自己対の複製に使用され得るように、発展されている。さらに、7AI自己対は複製され得る。例えば、Tae et al, (2001) J. Am. Chem. Soc. 123:7439を参照すればよい。また、Cu(II)との結合によって安定な対を形成する新規な金属塩基対であるDipic:Pyが、開発されている。例えば、Meggers et al, (2000) J. Am. Chem. Soc 122:10714を参照すればよい。拡張されたコドンおよび非天然コドンが、天然コドンに対して本来的に直交性であるので、本発明の方法は、この性質を活かして非天然アミノ酸用の直交性のtRNAを生成し得る。
また、翻訳回避系(translational bypassing system)が、所望のポリペプチドにおける非天然アミノ酸の組み込みに使用され得る。翻訳回避系において、大きな配列が遺伝子に組み込まれるが、タンパク質に翻訳されない。当該配列は、リボソームに当該配列を跳び越えさせ、挿入の下流にある翻訳を再開させる合図としての機能を果たす構造を含んでいる。
ある種の実施形態において、本発明の方法および/または組成物における所定のタンパク質またはポリペプチド(またはこれらの一部)は、核酸によってコードされている。典型的に、核酸は、少なくとも1つのセレクターコドン、少なくともつ2のセレクターコドン、少なくとも3つのセレクターコドン、少なくとも4つのセレクターコドン、少なくとも5つのセレクターコドン、少なくとも6つのセレクターコドン、少なくとも7つのセレクターコドン、少なくとも8つのセレクターコドン、少なくとも9つのセレクターコドン、少なくとも10またはそれ以上のセレクターコドンを含んでいる。
所定のタンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子は、例えば、非天然アミノ酸を組込むための1つ以上のセレクターコドンを含めるために、当業者に公知の方法、および本明細書に記載されている方法を用いて、突然変異生成され得る。例えば、所定のあるタンパク質に関する核酸は、1つ以上の非天然アミノ酸の組み込みを提供する1つ以上のセレクターコドンを含めるために、突然変異される。本発明は、そのようなバリアント(例えば非天然アミノ酸を少なくとも1つ含んでいる突然変異体、任意のタンパク質の型が挙げられるが、これらに限定されない)のいずれかを包含する。また同様に、本発明は、対応する核酸(すなわち、1つ以上の非天然アミノ酸をコードする1つ以上のセレクターコドンを有する任意の核酸)を包含する。
所定のタンパク質(例えば、bG−CSFポリペプチド)をコードする核酸分子によって、ポリペプチドの所望される任意の位置にシステインを導入する突然変異が容易になされ得る。システインは、反応性分子、水溶性重合体、タンパク質、または多種多様な他の分子を、所定のタンパク質に導入するために広く使用されている。ポリペプチドの所望の位置へのシステインの組み込みに好適な方法は、当業者に公知であり(例えば、引用によって本明細書に援用される米国特許第6,608,183号に記載の方法)、標準的な技術である。
IV.天然にコードされていないアミノ酸
非常に広範囲に及ぶ天然にコードされていないアミノ酸が、本発明における使用に好適である。任意の多様な天然にコードされていないアミノ酸が、bG−CSFポリペプチドに導入され得る。一般的に、導入された天然にコードされていないアミノ酸は、一般的な20の遺伝的にコードされるアミノ酸(すなわち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン)に対して化学的に、実質的に不活性である。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸は、通常の20のアミノ酸に見られない官能基と効率的かつ選択的に反応して安定な抱合物を形成する側鎖官能基(アジド、ケトン、アルデヒドおよびアミノオキシ基が挙げられるが、これらに限定されない)を含んでいる。例えば、アジド官能基を含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、重合体(ポリ(エチレングリコール)が挙げられるが、これに限定されない)と反応してか、または代替可能に、アルキン部分を含有する第2のポリペプチドと反応して、ヒュイゲン[3+2]付加環化産物を形成するためのアジドおよびアルキン官能基の選択的な反応によって生じる安定な抱合物を形成し得る。
α−アミノ酸の一般的な構造は、以下の式I:
Figure 0005844336
のように示される。
天然にコードされていないアミノ酸は、典型的に、上述の式を有する構造のいずれかであり(ここで、R基は20の天然アミノ酸に用いられている官能基以外の任意の置換基である)、本発明における利用に好適であり得る。本発明の天然にコードされていないアミノ酸が、側鎖の構造においてのみ天然アミノ酸と典型的に異なるので、天然にコードされていないアミノ酸は、それらが天然に存在するポリペプチドにおいて形成される同じ様式において、他のアミノ酸(天然または天然にコードされていないアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない)とアミド結合を形成する。しかし、天然にコードされていないアミノ酸は、これらを天然のアミノ酸と区別する側鎖基を有する。例えば、Rは、アルキル−、アリール−、アシル−、ケト−、アジド−、ヒドロキシル−、ヒドラジン、シアノ−、ハロ−、ヒドラジド、アルケニル、アルキル、エーテル、チオール、セレノ−、スルフォニル−、ボレート、ボロネート、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、ヘテロ環、エノン、イミン、アルデヒド、エステル、チオ酸、ヒドロキシルアミン、もしくはアミノ基、またはこれらの組合せを、任意に含んでいる。本発明における使用に好適であり得る他の所定の天然に存在していないアミノ酸としては、光活性化架橋を含んでいるアミノ酸、スピン標識されたアミノ酸、蛍光性のアミノ酸、金属が結合しているアミノ酸、金属を含有しているアミノ酸、放射性のアミノ酸、新規な官能基を有するアミノ酸、他のと共有的または非共有的に相互作用するアミノ酸、光ケージドおよび/または光異性体化アミノ酸、ビオチンまたはビオチン類似体を含んでいるアミノ酸、糖鎖付加されたアミノ酸(例えば、糖置換化セリン)、他の炭水化物によって修飾されたアミノ酸、ケト含有アミノ酸、ポリエチレングリコールまたはポリエーテルを含んでいるアミノ酸、重元素によって置換されたアミノ酸、化学的に切断可能および/または光によって切断可能なアミノ酸、天然アミノ酸と比べて延長された側鎖(ポリエーテルまたは長鎖炭化水素(約5または約10を超える炭素が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)を有しているアミノ酸、炭素結合型の糖を含有しているアミノ酸、酸化還元活性のアミノ酸、アミノチオ酸含有アミノ酸、ならびに1つ以上の毒性部分を含んでいるアミノ酸が挙げられる。
本発明における使用に好適であり得、水溶性重合体との反応に有用である例示的な天然にコードされていないアミノ酸としては、カルボニル反応性基、アミノオキシ反応性基、ヒドラジン反応性基、ヒドラジド反応性基、セミカルバジド反応性基、アジド反応性基およびアルキン反応性基を有するアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸は、糖鎖部分を含んでいる。そのようなアミノ酸の例としては、N−アセチル−L−グルコサミニル−L−セリン、N−アセチル−L−ガラクトサミニル−L−セリン、N−アセチル−L−グルコサミニル−L−スレオニン、N−アセチル−L−グルコサミニル−L−アスパラギンおよびO−マンノサミニル−L−セリンが挙げられるが、これらに限定されない。また、そのようなアミノ酸の例としては、アミノ酸と糖鎖との間に天然に存在するN型またはO型の結合が、自然には通常は見られない共有結合(アルケン、オキシム、チオエーテルおよびアミドなどが挙げられるが、これらに限定されない)によって置換されている場合の例が挙げられる。また、そのようなアミノ酸の例としては、2−デオキシ−グルコース、および2−デオキシガラクトースといった、天然に存在するタンパク質に通常は見られない糖鎖が挙げられる。
本明細書に規定される天然にコードされていないアミノ酸の多くは、市販されている(例えば、シグマアルドリッチ(Sigma-Aldrich)(セントルイス(St.Louis)、MO、USA)、ノババイオケム(Novabiochem)(EMD Biosciences部門、ダームシュタット(Darmstadt)、ドイツ)、またはペプテック(Peptech)(バーリントン(Burlington)、MA、USA)から得られる)。市販されていない天然にコードされていないアミノ酸は、本明細書に規定されているようにか、または当業者にとって公知の標準的な方法を用いて任意に合成される。有機合成技術に関しては、例えば、Organic Chemistry by Fessendonand Fessendon, (1982, Second Edition, Willard Grant Press, Boston Mass.);Advanced Organic Chemistry by March (Third Edition, 1985, Wiley and Sons, New York);およびAdvanced Organic Chemistry by Carey and Sundberg (Third Edition, Parts A and B, 1990, Plenum Press, New York)を参照すればよい。また、参照によって本明細書に援用される、米国特許第7,045,337号および米国特許7,083,970号を参照すればよい。また、新規な側鎖を含有する非天然アミノ酸に加えて、本発明における使用に好適であり得る非天然アミノ酸は、これらに限定されないが、式IIおよびIII:
Figure 0005844336
Figure 0005844336
(ここで、Zは、OH、NH、SH、NH−R’、またはS−R’を典型的に備え;同じかまたは異なり得るXおよびYは、SまたはOを典型的に備え、任意に同じであるか、または異なるRおよびR’は、水素だけでなく式Iを有する非天然アミノ酸に関して上述したR基にとっての置換基の同じ一覧から任意に選択される)の構造が挙げられる修飾された骨格構造を任意に含んでいる。例えば、本発明の非天然アミノ酸は、式IIおよびIIIによって示されるようなアミノ基またはカルボキシル基において置換基を任意に含んでいる。この種の非天然アミノ酸としては、一般的な20の天然アミノ酸または非天然アミノ酸に対応する側鎖を有する(限定されないが、これらが挙げられる)、α−ヒドロキシ酸、α−チオ酸、α−アミノチオカルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、α−炭素における置換基としては、D−グルタメート、D−アラニン、D−メチル−O−チロシン、およびアミノブチル酸などといったL、D、またはα−α−2置換アミノ酸が任意に挙げられるが、これらに限定されない。他の構造的な代替物としては、プロリン類似物ならびに3、4、5、6、7、8および9員環のプロリン類似物といった環状アミノ酸、これらと同様に置換β−アラニンおよびγ−アミノブチル酸といったβおよびγアミノ酸が挙げられる。
多くの非天然アミノ酸は、チロシン、グルタミンおよびフェニルアラニンといった天然アミノ酸に基づいており、本発明における使用に好適である。チロシン類似物としては、置換チロシンが、ケト基(これに限定されないが、アセチル基が挙げられる)、ベンゾイル基、アミノ基、ヒドラジン基、ヒドロキシアミン基、チオール基、カルボキシ基、イソプロピル基、メチル基、C−C20の直鎖状または分枝状の炭化水素、飽和もしくは不飽和の炭化水素、O−メチル基、ポリエーテル基、ニトロ基、またはアルキニル基など(限定されないが、これらが挙げられる)を含んでいる場合の、パラ位置換チロシン、オルト位置換チロシン、およびメタ位置換チロシンが挙げられるが、これらに限定されない。さらにまた、多置換アリール環が意図される。本発明における利用に好適なグルタミン類似物としては、α−ヒドロキシ誘導体、γ−置換誘導体、環状誘導体、およびアミド置換グルタミン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明における利用に好適なフェニルアラニン類似物の例としては、置換基が、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチル基、アリル基、アルデヒド、アジド、ヨード、ブロモ、ケト基(アセチル基が挙げられるが、これに限定されない)、ベンゾイル、またはアルキニル基など(限定されないが、これらが挙げられる)を含んでいる場合の、パラ位置換フェニルアラニン、オルト位置換フェニルアラニン、およびメタ位置換フェニルアラニンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明における利用に好適な非天然アミノ酸の特定の例としては、p−アセチル−L−フェニルアラニン、O−メチル−L−チロシン、L−3−(2−ナフチル)アラニン、3−メチル−フェニルアラニン、O−4−アリル−L−チロシン、4−プロピル−L−チロシン、トリ−O−アセチル−GlcNAcβ−セリン、L−ドーパ、フッ化フェニルアラニン、イソプロピル−L−フェニルアラニン、p−アジド−L−フェニルアラニン、p−アシル−L−フェニルアラニン、p−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、L−ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p−ヨード−フェニルアラニン、p−ブロモフェニルアラニン、p−アミノ−L−フェニルアラニン、イソプロピル−L−フェニルアラニン、およびp−プロパルギルオキシ−フェニルアラニンなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明における使用に好適な非天然アミノ酸の変形の構造の例は、例えば、国際公開第2002/085923号(発明の名称:“In vivo incorporation ofunnatural amino acids”)に規定されている。また、付加的なメチオニン類似物に関しては、参照によって本明細書に援用される、Kiick et al., (2002) Incorporation of azides into recombinant proteins for chemoselective modification by the Staudingerligation, PNAS 99:19-24を参照すればよい。参照によって本明細書に援用される、国際出願番号第US06/47822号(発明の名称:“Compositions Containing, MethodsInvolving, and Uses of Non-natural Amino Acids and Polypeptides”)には、芳香族アミン部分(p−アミノフェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない)の還元的なアルキル化、および還元的なアミノ化について記載されている。
1つの実施形態において、非天然アミノ酸(例えば、p−(プロパルギルオキシ)−フェニルアラニン)を含んでいるbG−CSFポリペプチドの組成物が提供される。また、p−(プロパルギルオキシ)−フェニルアラニンを含んでいる種々の組成物(タンパク質および/または細胞が挙げられるが、これらに限定されない)が、提供される。1つの局面において、p−(プロパルギルオキシ)−フェニルアラニン非天然アミノ酸を備える組成物は、直交性のtRNAをさらに含んでいる。非天然アミノ酸は、直交性のtRNAに対して共有結合的に(限定されないが、これが挙げられる)結合され得る(アミノアシル結合を介して直交性のtRNAに対して共有結合的に結合される、直交性のtRNAの末端リボース糖の3’OHまたは2’OHに対して共有結合的に結合されるなど、が挙げられるが、これらに限定されない)。
タンパク質に組み込まれ得る非天然アミノ酸を介する化学部分は、タンパク質の種々の利点および操作を提供する。例えば、ケト官能基の固有の反応性は、多くのヒドラジン含有試薬またはヒドロキシアミン含有試薬のいずれかを用いた、インビボおよびインビトロにおけるタンパク質の選択的な修飾を可能にする。重原子非天然アミノ酸は、例えば、X線構造データの位相合わせに有用であり得る。また、非天然アミノ酸を用いた重原子の部位特異的な導入は、重原子のための位置の選択に選択性および自由度を提供する。光反応性非天然アミノ酸(ベンゾフェノンおよびアリールアジド(フェニルアジドが挙げられるが、これらに限定されない)側鎖を有するアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない)は、例えば、タンパク質のインビボおよびインビトロにおける効率的な光架橋を可能にする。光反応性アミノ酸の例としては、p−アジド−フェニルアラニンおよびp−ベンゾイル−フェニルアラニンが挙げられるが、これらに限定されない。光反応性アミノ酸を有するタンパク質は、その結果、光反応性基を供給する一時的な制御の励起によって、自由自在に光架橋され得る。1つの例において、非天然アミノ酸のメチル基は、核磁気共鳴および振動顕微鏡の利用を伴う(限定されないが、これらが挙げられる)、局所的な構造および動態のプローブとして、放射線標識されたメチル基(限定されないが、これが挙げられる)に置換され得る。アルキニル官能基またはアジド官能基は、例えば、[3+2]付加環化反応を介したタンパク質の選択的な修飾を可能にする。
アミノ末端においてポリペプチドに組み込まれる非天然アミノ酸は、20の天然のアミノ酸に用いられる官能基以外の任意の置換基であるR基、およびα−アミノ酸に通常に存在するNH基とは異なる第2の反応性基から構成され得る(式Iを参照すればよい)。類似の非天然アミノ酸が、カルボキシル末端において、α−アミノ酸に通常に存在するCOOH基と異なる第2の反応性基を用いて、組み込まれ得る(式1を参照すればよい)。
本発明の非天然アミノ酸は、20の天然アミノ酸において得られない付加的な特性を提供するために選択されるか、または設計され得る。例えば、非天然アミノ酸は、タンパク質(例えば、非天然アミノ酸が組み込まれているタンパク質)の生物学的な特性を修飾するために、必要に応じて設計され得るか、または選択され得る。例えば、タンパク質へのアミノ酸の挿入によって、以下の特性が任意に調節され得る。当該特性としては:毒性、体内分布、可溶性、安定性(例えば、熱的な安定性、加水分解に対する安定性、酸化的な安定性および酵素分解に対する耐性など)、精製および処理の容易さ、構造的特性、分光学的特性、化学的および/または光化学的な特性、触媒活性、酸化還元電位、半減期、ならびに他の分子と反応するための能力(例えば、共有結合的か、または非共有結合的)などが挙げられる。
(非天然アミノ酸の構造および合成:カルボニル基、カルボニル様基、マスクされているカルボニル基、保護されているカルボニル基およびヒドロキシアミン基)
いくつかの実施形態において、本発明は、オキシム結合によって水溶性重合体(例えば、PEG)と結合されるbG−CSFを提供する。
多くの種類の天然にコードされていないアミノ酸は、オキシム結合の形成にとって好ましい。これらとしては、カルボニル基、ジカルボニル基またはヒドロキシルアミン基を含有する天然にコードされていないアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。また、当該アミノ酸は、参照によって本明細書に援用される、米国特許出願公開第2006/0194256号、米国特許出願公開第2006/0217532号、および米国特許出願公開第2006/0217289号、ならびに国際公開第2006/069246号(発明の名称:“天然アミノ酸およびポリペプチドを含有する組成物、非天然アミノ酸およびポリペプチドに関する方法、ならびに非天然アミノ酸およびポリペプチドの使用”)に記載されている。
本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上の位置においてパラ−アセチルフェニルアラニンアミノ酸を用いて置換されているbG−CSFポリペプチドを利用する。p−アセチル−(+/−)−フェニルアラニンおよびm−アセチル−(+/−)−フェニルアラニンの合成については、参照によって援用されるZhang, Z., et al., Biochemistry 42: 6735-6746 (2003)に記載されている。カルボニルまたはジカルボニルを含有する別のアミノ酸が、当業者によって同様に調製され得る。さらに、本明細書に含まれる非天然アミノ酸の非限定的な例としては、参照によって本明細書に援用される米国特許第7,083,970号の図4、24−34、および36−39に示されている。
求電子反応性基を有するアミノ酸は、様々な反応が可能であり、他の分子との間の求核付加反応を介して分子を連結し得る。当該求電子反応性基としては、カルボニル基(ケト基およびジカルボニル基が挙げられる)、カルボニル様基(カルボニル基(ケト基およびジカルボニル基が挙げられる)と同様の反応性を有し、カルボニル基と構造的に類似している)、マスクしたカルボニル基(カルボニル基(ケト基およびジカルボニル基が挙げられる)に直ちに変換され得る)、または保護されたカルボニル基(脱保護されると、カルボニル基(ケト基およびジカルボニル基が挙げられる)と同様の反応性を有する)が挙げられる。そのようなアミノ酸としては、化学式(IV)の構造を有するアミノ酸が挙げられる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Jは、
Figure 0005844336
であり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
R’’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル、もしくは保護基、または1つ以上のR’’基が存在している場合、2つのR’’がヘテロシクロアルキルを形成してもよい;
は任意であり、存在している場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在している場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
およびRは、それぞれ独立してH、ハロゲン、低級アルキル、もしくは置換低級アルキルであるか、またはRおよびRか、もしくは2つのR基がシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成してもよい;または、
A−B−J−R基がともに、少なくとも1つのカルボニル基(ジカルボニル基、保護されたカルボニル基(保護されたジカルボニル基を含む)、またはマスクされたカルボニル基(マスクしたジカルボニル基を含む)が挙げられる)を含有する二環性もしくは三環性シクロアルキルか、またはヘテロシクロアルキルを形成し;または、
J−R基がともに、少なくとも1つのカルボニル基(ジカルボニル基、保護されたカルボニル基(保護されたジカルボニル基を含む)、またはマスクされたカルボニル基(マスクされたジカルボニル基を含む)が挙げられる)を含有する二環性もしくは三環性シクロアルキルか、またはヘテロシクロアルキルを形成する;
ただし、Aがフェニレンであり、RがそれぞれHであるとき、Bは存在し;Aが−(CH−であり、RがそれぞれHであるとき、Bは−NHC(O)(CHCH)−ではなく;また、AおよびBが存在せず、RがそれぞれHであるとき、Rはメチルではない。
また、化学式(V)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在している場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在している場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドである;
ただし、Aがフェニレンであるとき、Bは存在し;Aが−(CH−であるとき、Bは−NHC(O)(CHCH)−ではなく;また、AおよびBが存在しないとき、Rはメチルではない)。
また、化学式(VI)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Bは、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在している場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在している場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
は、それぞれ独立してH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル)からなる群から選択される)。
また、下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、上記化合物は任意により、アミノ保護基、カルボキシル保護基、またはそれらの塩である)。また、下記の任意の非天然アミノ酸が、非天然アミノ酸ポリペプチドに組み込まれ得る。
また、化学式(VII)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Bは、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
RはH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり; Rは任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
は、それぞれ独立してH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル)からなる群から選択され;nは0〜8である;
ただし、Aが−(CH−であるとき、Bは−NHC(O)(CHCH)−ではない)。
また、下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
上記化合物は、アミノ保護基であり得、カルボキシル保護基であり得、アミノ保護基とカルボキシル保護基とであり得、またはそれらの塩である)。さらに、これらの非天然アミノ酸および下記の任意の非天然アミノ酸が非天然アミノ酸ポリペプチドに組み込まれ得る。
また、化学式(VIII)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
は任意であり、存在している場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在している場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドである)。
また、化学式(IX)の構造を有する下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
ここで、Rは、それぞれ独立してH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル)からなる群から選択される)。
また、下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、上記化合物は、アミノ保護基であり得、カルボキシル保護基であり得、アミノ保護基とカルボキシル保護基とであり得、またはそれらの塩である)。さらに、これらの非天然アミノ酸および下記の任意の非天然アミノ酸が非天然アミノ酸ポリペプチドに組み込まれ得る。
また、化学式(X)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル)からなる群から選択され;nは0から8である)。
また、下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、上記化合物は、アミノ保護基であり得、カルボキシル保護基であり得、アミノ保護基とカルボキシル保護基とであり得、またはそれらの塩である)。さらに、これらの非天然アミノ酸および下記の任意の非天然アミノ酸が非天然アミノ酸ポリペプチドに組み込まれ得る。
本明細書に記載される非天然アミノ酸は、モノカルボニル構造に加えて、ジカルボニル基、ジカルボニル様基、マスクされたジカルボニル基および保護されたジカルボニル基などの基を含み得る。
また、化学式(XI)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドである)。
また、化学式(XII)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
ここで、Rはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル)からなる群から選択される)。
また、下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、上記化合物は、アミノ保護基であり得、カルボキシル保護基であり得、アミノ保護基とカルボキシル保護基とであり得、またはそれらの塩である)。さらに、これらの非天然アミノ酸および下記の任意の非天然アミノ酸が非天然アミノ酸ポリペプチドに組み込まれ得る。
また、化学式(XIII)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Bは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、低級ヘテロアルキレン、置換低級ヘテロアルキレン、−O−、−O−(アルキレンまたは置換アルキレン)、−S−、−S−(アルキレンまたは置換アルキレン)−S(O)−(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−S(O)(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)−、−C(O)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(S)−、−C(S)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)−、−NR’−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−C(O)N(R’)−、−CON(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−CSN(R’)−、−CSN(R’)−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)CO−(アルキレンまたは置換アルキレン)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(S)N(R’)−、−N(R’)S(O)N(R’)−、−N(R’)−N=、−C(R’)=N−、−C(R’)=N−N(R’)−、−C(R’)=N−N=、−C(R’)−N=N−、および−C(R’)−N(R’)−N(R’)−(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキルである)からなる群から選択されるリンカーであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、置換アルキル)からなる群から選択され;およびnは0から8である)。
また、下記のアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、上記化合物は、アミノ保護基であり得、カルボキシル保護基であり得、アミノ保護基とカルボキシル保護基とであり得、またはそれらの塩である)。さらに、これらの非天然アミノ酸および下記の任意の非天然アミノ酸が非天然アミノ酸ポリペプチドに組み込まれ得る。
また、化学式(XIV)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
はC、S、またはS(O)であり;およびLは、アルキレン、置換アルキレン、N(R’)(アルキレン)、またはN(R’)(置換アルキレン)(ここで、R’は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)である)。
また、化学式(XIV−A)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
Lは、アルキレン、置換アルキレン、N(R’)(アルキレン)、またはN(R’)(置換アルキレン)(ここで、R’は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)である)。
また、化学式(XIV−B)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
Lは、アルキレン、置換アルキレン、N(R’)(アルキレン)、またはN(R’)(置換アルキレン)(ここで、R’は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)である)。
また、化学式(XV)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
はC、S、またはS(O)であり;nは、0、1、2、3、4、または5であり;および各CR基におけるRおよびRは、それぞれ独立して、H、アルコキシ、アルキルアミン、ハロゲン、アルキル、アリールからなる群から選択されるか、任意のRおよびRがともに=Oもしくはシクロアルキルを形成し得るか、またはRに隣接する任意の基がともにシクロアルキルを形成し得る)。
また、化学式(XV−A)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
nは、0、1、2、3、4、または5であり;および各CR基におけるRおよびRは、それぞれ独立して、H、アルコキシ、アルキルアミン、ハロゲン、アルキル、アリールからなる群から選択されるか、任意のRおよびRがともに=Oもしくはシクロアルキルを形成し得るか、またはRに隣接する任意の基がともにシクロアルキルを形成し得る)。
また、化学式(XV−B)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
nは、0、1、2、3、4、または5であり;および各CR基におけるRおよびRは、それぞれ独立して、H、アルコキシ、アルキルアミン、ハロゲン、アルキル、アリールからなる群から選択されるか、任意のRおよびRがともに=Oもしくはシクロアルキルを形成し得るか、またはRに隣接する任意の基がともにシクロアルキルを形成し得る)。
また、化学式(XVI)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
はC、S、またはS(O)であり;およびLは、アルキレン、置換アルキレン、N(R’)(アルキレン)、またはN(R’)(置換アルキレン)(ここで、R’は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)である)。
また、化学式(XVI−A)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、 Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
Lは、アルキレン、置換アルキレン、N(R’)(アルキレン)、またはN(R’)(置換アルキレン)(ここで、R’は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)である)。
また、化学式(XVI−B)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
Lは、アルキレン、置換アルキレン、N(R’)(アルキレン)、またはN(R’)(置換アルキレン)(ここで、R’は、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)である)。
また、化学式(XVII)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Aは任意であり、存在する場合は、低級アルキレン、置換低級アルキレン、低級シクロアルキレン、置換低級シクロアルキレン、低級アルケニレン、置換低級アルケニレン、アルキニレン、低級ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルキレン、低級ヘテロシクロアルキレン、置換低級ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロアリーレン、置換ヘテロアリーレン、アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン、または置換アラルキレンであり;
Mは、−C(R)−、
Figure 0005844336
(ここで、(a)はA基と結合することを示し、また、(b)はそれぞれカルボニル基と結合することを示しており、RおよびRは独立して、H、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか、または、RおよびRか、または2つのR基もしくはR基がシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成してもよい)であり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は、結合、C(R)(R)、O、またはSであり、また、RはH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドである)。
また、化学式(XVIII)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Mは、−C(R)−、
Figure 0005844336
(ここで、(a)はA基と結合することを示し、また、(b)はそれぞれカルボニル基と結合することを示しており、RおよびRは独立して、H、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか、または、RおよびRか、または2つのR基もしくはR基がシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成してもよい)であり;
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は、結合、C(R)(R)、O、またはSであり、また、RはH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は任意であり、存在する場合は、H、アミノ保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;および、
は任意であり、存在する場合は、OH、エステル保護基、樹脂、アミノ酸、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドであり;
はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、−N(R’)、−C(O)R’(ここで、kは1、2、もしくは3である)、−C(O)N(R’)、−OR’、および−S(O)R’(ここで、R’はそれぞれ独立してH、アルキル、または置換アルキル)からなる群から選択される)。
また、化学式(XIX)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり;
は、OまたはSである)。
また、化学式(XX)の構造を有するアミノ酸が含まれる:
Figure 0005844336
(ここで、
Rは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである)。
また、化学式(XXI)の構造を有するアミノ酸が含まれる。
Figure 0005844336
いくつかの実施形態において、非天然アミノ酸を含有するポリペプチドは化学的に修飾されて、反応性カルボニル官能基または反応性ジカルボニル官能基を生成する。例えば、抱合反応にとって有用なアルデヒド官能性基は、隣接するアミノ基およびヒドロキシル基有している官能性基から生成され得る。生物学的に活性な分子がポリペプチドである場合、例えばN−末端のセリンまたはスレオニンが使用されて、過ヨウ素酸を用いた穏やかな酸化切断条件の下に、アルデヒド官能性基を生成し得る。なお、N−末端のセリンまたはスレオニンは、通常に存在し得るか、または化学的もしくは酵素的な分解によって露出され得る。例えば、Gaertner, et. al., Bioconjug. Chem. 3: 262-268 (1992); Geoghegan, K. & Stroh, J., Bioconjug. Chem. 3:138-146 (1992); Gaertner et al., J. Biol. Chem. 269:7224-7230 (1994) を参照すればよい。しかし、当該分野において公知の方法は、ペプチドまたはタンパク質のN−末端におけるアミノ酸に限定されている。
本発明において、隣接するヒドロキシル基およびアミノ基を有している非天然アミノ酸は、“マスクされている”アルデヒド官能性基としてポリペプチドに組み込まれ得る。例えば、5−ヒドロキシリジンはε位のアミンと結合するヒドロキシル基を有している。アルデヒドを生成する反応条件は、ポリペプチドにおける他の部位における酸化を回避するために、穏やかな環境下における過剰なモル濃度のナトリウムメタ過ヨウ素酸の添加を包含している。酸化反応のpHは、典型的に約7.0である。通常の反応は、ポリペプチドの緩衝溶液に約1.5モル濃度の過剰なナトリウムメタ過ヨウ素酸を添加すること、次いで暗所において約10分間インキュベートすることを包含している。例えば、米国特許第6,423,685号を参照すればよい。
カルボニル官能性基またはジカルボニル官能性基は、穏やかな環境下の水性溶液においてヒドロキシルアミン含有試薬と選択的に反応され得、それにより対応するオキシム結合を形成する。このオキシム結合は、生理学的な環境下において安定である。例えば、Jencks, W. P., J. Am. Chem. Soc. 81, 475-481 (1959); Shao, J. and Tam, J. P., J. Am.Chem. Soc. 117:3893-3899 (1995) を参照すればよい。さらに、カルボニル基またはジ
カルボニル基の特有の反応性は、別のアミノ酸側鎖の存在下における選択的な修飾を可能にする。例えば、Cornish, V. W., et al., J. Am. Chem. Soc. 118:8150-8151 (1996); Geoghegan, K. F. & Stroh, J. G., Bioconjug. Chem. 3:138-146 (1992); Mahal, L. K., et al., Science 276:1125-1128 (1997) を参照すればよい。
(非天然アミノ酸:ヒドロキシアミン含有アミノ酸の構造および合成)
米国仮特許第60/638,418号が、参照によって本明細書に援用される。したがって、米国仮特許第60/638,418号のセクションV(“Non-natural Amino Acids”と題された)のパートB(“Structure and Synthesis of Non-Natural Amino Acids:Hydroxylamine-Containing Amino Acids”と題された)に提供されている開示は、上記
開示があたかも本明細書に全て示されていると同程度に、本明細書に記載される非天然アミノ酸、非天然アミノ酸ポリペプチド、および修飾されている非天然アミノ酸ポリペプチドを作製、精製、特徴づけ、および使用するための方法、組成物(化学式I−XXXVが挙げられる)、技術および方策に対して全体的に適用される。また、米国特許出願公開第2006/0194256号、米国特許出願公開第2006/0217532号、および米国特許出願公開第2006/0217289号、ならびに国際公開第2006/069246号(発明の名称:“Compositions containing, methods involving, and uses of non-natural amino acids and polypeptides”)についても、参照によって本明細書に援用される。
(非天然アミノ酸の化学合成)
本発明における使用に好適な非天然アミノ酸の多くは、例えば、Sigma(USA)またはAldrich(Milwaukee、WI、USA)から市販されている。市販されていない非天然アミノ酸は、本明細書に規定されているように、または多様な公開物に規定されているように、または当業者に公知の標準的な方法を用いて、任意に合成される。有機合成技術に関しては、例えば、Organic Chemistry by Fessendon and Fessendon, (1982, Second Edition, Willard Grant Press, Boston Mass.);Advanced Organic Chemistry by March (Third Edition, 1985, Wiley and Sons, New York);およびAdvanced Organic Chemistry by Carey and Sundberg (Third Edition, Parts A and B, 1990, Plenum Press, New York)を参照すればよい。非天然アミノ酸の合成について記載している付加的な公開物としては、例えば、国際公開第2002/085923号(発明の名称:“In vivo incorporation of Unnatural Amino Acids”);Matsoukas et al, (1995) J. Med. Chem., 38, 4660-4669;King, F.E. & Kidd, D.A.A. (1949) A New Synthesis of Glutamine and of γ- Dipeptides of Glutamic Acid from Phthylated Intermediates. J. Chem. Soc. 3315-3319;Friedman, O.M. & Chatterrji, R. (1959) Synthesis of Derivatives of Glutamine as Model Substrates for Anti- Tumor Agents. J. Am. Chem. Soc. 81, 3750-3752;Craig, J.C. et al. (1988) Absolute Configuration of the Enantiomers of 7-Chloro-4 [[4-(diethylamino)-l-methylbutyl]amino]quinolim (Chloroquine). J. Org. Chem. 53, 1167-1170;Azoulay, M., Vilmont, M. & Frappier, F. (1991) Glutamine analogues as Potential Antimalarials, Eur. J. Med. Chem. 26, 201-5;Koskinen, A.M.P. & Rapoport, H. (1989)Synthesis of 4-Substituted Prolines as Conformationally Constrained Amino Acid Analogues. J. Org. Chem. 54, 1859-1866;Christie, B.D. & Rapoport, H. (1985) Synthesis of Optically Pure Pipecolates from L-Asparagine. Application to the Total Synthesis of (+)-Apovincamine through Amino Acid Decarbonylation and Iminium IonCyclization. J. Org. Chem. 50:1239-1246;Barton et al, (1987) Synthesis of Novel
alpha-Amino-Acids and Derivatives Using Radical Chemistry: Synthesis of L- and D-alpha-Amino-Adipic Acids, L-alpha- aminopimelic Acid and Appropriate Unsaturated Derivatives. Tetrahedron 43:4297-4308;およびSubasinghe et al, (1992) Quisqualic acid analogues: synthesis of beta-heterocyclic 2- aminopropanoic acid derivatives and their activity at a novel quisqualate-sensitized site. J. Med. Chem. 35:4602-7が挙げられる。また、参照によって本明細書に援用される米国特許出願公開第2
004/0198637号(発明の名称:“Protein Arrays”)を参照すればよい。
A.カルボニル反応性基
カルボニル反応性基を有しているアミノ酸は、求核性の付加を介して分子(PEGまたは他の水溶性分子が挙げられるが、これらに限定されない)を連結するための多様な反応、または特にアルドール縮合反応を可能にする。
例示的なカルボニル含有アミノ酸は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、nは0−10であり;Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリールであり;Rは、H、アルキル、アリール、置換アルキル、および置換アリールであり;Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはカルボキシ末端修飾基である)。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、Rは単純アルキル(すなわち、メチル、エチルまたはプロピル)であり、ケトン部分は、アルキル側鎖に対してパラ位に位置している。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、Rは単純アルキル(すなわち、メチル、エチルまたはプロピル)であり、ケトン部分は、アルキル側鎖に対してメタ位に位置している。
p−アセチル−(+/−)−フェニルアラニンおよびm−アセチル−(+/−)−フェニルアラニンの合成は、参照によって本明細書に援用される、Zhang, Z.et al, Biochemistry 42: 6735-6746 (2003)に記載されている。他のカルボニル含有アミノ酸は、当業者によって同様に調製され得る。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸を含むポリペプチドは、化学的に修飾されて、反応性のカルボニル官能基を生成する。例えば、抱合反応に有用なアルデヒド官能性基は、隣接するアミノ基とヒドロキシル基とを有する官能性基から生成され得る。生物学的に活性な分子がポリペプチドである場合に、例えば、N末端のセリンまたはスレオニン(通常に存在し得るか、または化学的もしくは酵素的な消化を介して露出され得る)は、過ヨウ素酸塩を用いた穏やかな酸化切断条件においてアルデヒド官能性基を生成するために使用され得る。例えば、Gaertner, et ah, Bioconjug. Chem. 3:262-268 (1992) ;Geoghegan, K. & Stroh, J., Bioconjug. Chem. 3:138-146 (1992) ;Gaertner et al, J. Biol. Chem. 269:7224-7230 (1994) を参照すればよい。しかし、当
該技術において公知の方法は、ペプチドまたはタンパク質のN末端におけるアミノ酸に制限される。
本発明において、隣接するヒドロキシル基とアミノ基とを有する天然にコードされていないアミノ酸アミノ酸は、“マスクされた”アルデヒド官能性基としてポリペプチドに組み込まれ得る。例えば、5−ヒドロキシリジンは、イプシロンアミンと隣接するヒドロキシル基を有している。アルデヒドを生成する反応条件は、典型的に、ポリペプチド内の他の部位における酸化を回避するための穏やかな反応条件における、過剰なモル濃度のメタ過ヨウ素酸ナトリウムの添加に関する。酸化反応のpHは、典型的に約7.0である。典型的な反応は、ポリペプチド緩衝化溶液に対する、1.5モル濃度を超えるメタ過ヨウ素酸ナトリウムの添加に続いて、暗所における約10分間のインキュベーションに関する。例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,423,685号を参照すればよい。
カルボニル官能性基は、水性溶液における穏やかな条件の下に、ヒドラジン含有試薬、ヒドラジド含有試薬、ヒドロキシルアミン含有試薬、またはセミカルバジド含有試薬と選択的に反応して、生理学的条件においてそれぞれに対して安定な対応するヒドラゾン、オキシム、またはセミカルバゾン連結を形成し得る。例えば、Jencks, W. P., J. Am. Chem. Soc. 81, 475-481 (1959) ;Shao, J. and Tam, J. P., J. Am. Chem. Soc. 117:3893-3899 (1995) を参照すればよい。さらに、カルボニル基の固有な反応性は、他のアミノ酸側鎖の存在下において選択的な修飾を可能にする。例えば、Cornish, V. W., et al, J. Am. Chem. Soc. 118:8150-8151 (1996) ;Geoghegan, K. F. & Stroh, J. G., Bioconjug.Chem. 3:138-146 (1992) ;Mahal, L. K., et al, Science 276:1125-1128 (1997) を参
照すればよい。
B.ヒドラジン反応性基、ヒドラジド反応性基またはセミカルバジド反応性基
求核性基(例えば、ヒドラジン、ヒドラジドまたはセミカルバジド)を含んでいる天然にコードされていないアミノ酸は、PEGまたは他の水溶性重合体(限定されないが、これらが挙げられる)との抱合物を形成するための多様な求電子基との反応を可能にする。
例示的なヒドラジン含有アミノ酸、ヒドラジド含有アミノ酸、またはセミカルバジド含有アミノ酸は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、nは0−10であり;Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリールであるか、または存在しないかであり;Xは、O、NまたはSであるか、または存在しないかであり;Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはカルボキシ末端修飾基である)。
いくつかの実施形態において、nは4であり、Rは存在せず、XはNである。いくつかの実施形態において、nは2であり、Rは存在せず、Xは存在しない。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、XはOであり、酸素原子は、アリール環上における脂肪族基に対してパラ位に位置している。
ヒドラジド含有アミノ酸、ヒドラジン含有アミノ酸、またはセミカルバジド含有アミノ酸は、市販の供給元から入手可能である。例えば、L−グルタミン酸−γ−ヒドラジドは、シグマケミカル(Sigma Chemical)(セントルイス(St. Louis)、MO)から入手可能である。市販されていない他のアミノ酸は、当業者によって調製され得る。例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,281,211号を参照すればよい。
ヒドラジド、ヒドラジンまたはセミカルバジド反応性基を有している天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる、ポリペプチドは、アルデヒドまたは類似の化学反応性を有する他の官能基を含んでいる多様な分子と効率的かつ選択的に反応し得る。例えば、Shao, J. and Tam, J., J. Am. Chem. Soc. 117:3893-3899 (1995)を参照すればよい。ヒドラジド、ヒドラジンおよびセミカルバジド官能基の固有な反応性は、通常の20のアミノ酸に存在する求核性基(セリンもしくはスレオニンのヒドロキシ基、またはリジンとN末端とのアミノ基が挙げられるが、これらに限定されない)と比較して、アルデヒド、ケトンおよび他の求電子性基に対してより著しい反応を起こさせる。
C.アミノオキシ含有アミノ酸
アミノオキシ(ヒドロキシアミンとも呼ばれる)基を含んでいる天然にコードされていないアミノ酸は、PEGまたは他の水溶性重合体(限定されないが、これらが挙げられる)との抱合物を形成するための求電子性基との反応を可能にする。ヒドラジン、ヒドラジドおよびセミカルバジドと同様に、アミノオキシ基の増強された求核性は、アミノオキシ基がアルデヒドまたは類似の化学反応性を有している他の官能基と効率的かつ選択的に反応することを可能にする。例えば、Shao, J. and Tam, J., J. Am. Chem. Soc. 117:3893-3899 (1995);H. Hang and C. Bertozzi, Acc. Chem. Res. 34: 727-736 (2001) を参照すればよい。ヒドラジン基との反応の結果として生じるのは、対応するヒドラゾンであるが、これに対してオキシムは、一般的にカルボニル含有基(例えば、ケトン)とアミノオキシ基の反応から生じる。
例示的なアミノオキシ基を含むアミノ酸は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、nは0−10であり、Rは、アルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリールであるか、または存在せず;Xは、O、N、またはSであるか、または存在せず;mは0−10であり;YはC(O)であるか、または存在せず;Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはカルボキシ末端修飾基である)。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、XはOであり、mは1であり、Yは存在する。いくつかの実施形態において、nは2であり、RおよびXは存在せず、mは0であり、Yは存在しない)。
アミノオキシ含有アミノ酸は、容易に入手可能なアミノ酸前駆体(ホモセリン、セリンおよびスレオニン)から調製され得る。例えば、M. Carrasco and R. Brown, J. Org. Chem. 68: 8853-8858 (2003) を参照すればよい。ある種のアミノオキシ含有アミノ酸(例えば、L−2−アミノ−4−(アミノオキシ)ブチル酸)は、天然の供給源から単離されている(Rosenthal, G, Life Sci. 60: 1635-1641 (1997))。他のアミノオキシ含有アミノ酸は、当業者によって調製され得る。
D.アジド反応性基およびアルキン反応性基
アジド官能基およびアルキン官能基の固有な反応性は、ポリペプチドおよび他の生体分子の選択的な修飾にとって、それらを極めて有効にさせる。有機アジド、特にアルファティックアジド、およびアルキンは、通常の反応性の化学的条件に対して一般的に安定である。特に、アジド官能基およびアルキン官能基の両方は、天然に存在するポリペプチドに見られる通常の20のアミノ酸の側鎖(すなわち、R基)に対して不活性である。しかし、非常に近づくと、アジド基およびアルキン基の“ばね荷重”性質が現れ、それらは、ヒュイゲン(Huisgen)[3+2]付加環化反応を介して選択的かつ効率的に反応して、対応するトリアゾールを生成する。例えば、Chin J., et al, Science 301 :964-7 (2003);Wang, Q,, et al, J. Am. Chem. Soc. 125, 3192-3193 (2003) ;Chin, J. W., et al, J. Am. Chem. Soc. 124:9026-9027 (2002) を参照すればよい。
ヒュイゲン付加環化反応が、求核置換よりむしろ選択的な付加環化反応に関与するので(例えば、Padwa, A., in COMPREHENSIVE ORGANIC SYNTHESIS, Vol. 4, (ed. Trost, B. M., 1991), p. 1069-1109;Huisgen, R. in 1,3-DIPOLAR CYCLOADDITION CHEMISTRY, (ed.Padwa, A., 1984), p. 1-176を参照すればよい)、アジド含有側鎖およびアルキン含有
側鎖を有している天然にコードされていないアミノ酸の組み込みによって、結果として生じるポリペプチドが、天然にコードされていないアミノ酸の位置において選択的に修飾されることが可能になる。アジド含有bG−CSFポリペプチドまたはアルキン含有bG−CSFポリペプチドに関する付加環化反応は、室温における水性条件の下に、Cu(II)(触媒量のCuSOの形態が挙げられるが、これに限定されない)の付加によって、インシチュ(in situ)においてCu(II)をCu(I)に還元する触媒量の還元物質の存在下において、達成され得る。例えば、Wang, Q., et al, J. Am. Chem. Soc.125, 3192-3193 (2003) ;Tornoe, C. W., et al, J. Org. Chem. 67:3057-3064 (2002) ;Rostovtsev, et al, Angew. Chem. Int. Ed. 41:2596-2599 (2002) を参照すればよい。例示的な還元物質としては、アスコルビン酸塩、金属銅、キニーネ、ヒドロキノン、ビタミンK、グルタチオン、システイン、Fe2+、Co2+および印加された電位が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの場合において、アジドとアルキンとの間におけるヒュイゲン[3+2]付加環化反応が所望される場合に、bG−CSFポリペプチドは、アルキン部分を含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでおり、当該アミノ酸に連結されるべき水溶性重合体はアジド部分を含んでいる。また代替可能に、逆反応(すなわち、アミノ酸上におけるアジド部分および水溶性重合体上に存在するアルキン部分を用いる)が達成され得る。
また、アジド官能基は、アリールエステルを含んでいる水溶性重合体と選択的に反応し、アリールホスフィン部分を用いて適切に機能付与されて、アミド連結を生成する。アリールホスフィン基はインシチュにおいてアジドを還元し、それから結果として生じたアミンは近接するエステル結合と効率的に反応して、対応するアミドを生成する。例えば、E.Saxon and C. Bertozzi, Science 287, 2007-2010 (2000) を参照すればよい。アジド含有アミノ酸は、アルキルアジド(2−アミノ−6−アジド−1−ヘキサン酸が挙げられるが、これに限定されない)またはアリールアジド(p−アジド−フェニルアラニン)のいずれかであり得る。
アリールエステルおよびホスフィン部分を含んでいる例示的な水溶性重合体は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、Xは、O、N、またはSであり得るか、または存在しない場合があり得、Phはフェニルであり、Wは水溶性重合体であり、Rは、H、アルキル基、アリール基、置換アルキル基および置換アリール基であり得る)。例示的なR基としては、−CH、−C(CH、−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−C(O)R’、−CONR’R’’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−CN、および−NOが挙げられるが、これらに限定されない。R’、R’’、R’’’およびR’’’’のそれぞれは独立して、水素基、置換もしくは非置換のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基(1−3のハロゲンと置換されたアリールが挙げられるが、これに限定されない)、置換もしくは非置換のアルキル基、アルコキシ基もしくはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合に、例えば、2つ以上のこれらの基が存在する場合に、R基のそれぞれは、R’、R’’、R’’’およびR’’’’のそれぞれであるように、独立して選択される。R’およびR’’が同じ窒素原子に結び付けられている場合に、それらは窒素原子と組み合わさって、5員環、6員環、または7員環を形成し得る。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルが挙げられるが、これらに限定されないことが意図される。置換体の上述の議論から、当業者は、“アルキル”という用語が、水素基以外の基(例えば、ハロアルキル(−CFおよび−CHOCHが挙げられるが、これらに限定されない)およびアシル(−C(O)CH、−C(O)CF、および−C(O)CHOCHなどが挙げられるが、これらに限定されない))と結合された炭素原子を含むことを意図されることを理解する。
また、アジド官能基は、チオエステルを含む水溶性重合体と選択的に反応し、アリールホスフィン部分を用いて適切に機能付与されて、アミド結合を生成し得る。アリールホスフィン基は、インシチュにおいてアジドを還元し、それから結果として生じるアミンは、チオエステル結合と効率的に反応して、対応するアミドを生成する。チオエステル部分およびホスフィン部分を含んでいる例示的な水溶性重合体は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、nは1−10であり、XはO、N、またはSであり得るか、または存在しない場合があり得、Phはフェニルであり、Wは水溶性重合体である)。
例示的なアルキン含有アミノ酸は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、nは0−10であり;Rは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであるか、または存在せず;Xは、O、NまたはSであるか、存在せず;mは0−10であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはカルボキシ末端修飾基である)。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、Xは存在せず、mは0であり、アセチレン部分はアルキル側鎖に対してパラ位に位置している。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、XはOであり、mは1であり、プロパルギルオキシ基は、アルキル側鎖に対してパラ位に位置している(すなわち、O−プロパルギル−チロシン)。いくつかの実施形態において、nは1であり、RおよびXは存在せず、mは0である(すなわち、プロパリルグリシン)。
アルキン含有アミノ酸は市販されている。例えば、プロパルギルグリシンは、ペプテック(Peptech)(バーリントン(Burlington)、MA)から市販されている。代替可能に、アルキン含有アミノ酸は、標準的な方法にしたがって調製され得る。例えば、p−プロパルギルオキシフェニルアラニンは、例えば、Deiters, A.et al, J. Am. Chem. Soc. 125: 11782-11783 (2003) に記載されているように合成され得、4−アルキニル−L−フェニルアラニンは、Kayser, B., et al, Tetrahedron 53(7): 2475-2484 (1997) に記載されているように、合成され得る。他のアルキン含有アミノ酸は、当業者によって調製され得る。
例示的なアジド含有アミノ酸は、以下のように表され得る:
Figure 0005844336
(ここで、nは0−10であり;Rは、アルキル、アリール、置換アルキルまたは置換アリールであるか、または存在せず;Xは、O、NまたはSであるか、または存在せず;mは0−10であり;Rは、H、アミノ酸、ポリペプチド、またはアミノ末端修飾基であり、Rは、H、アミノ酸、ポリペプチドまたはカルボキシ末端修飾基である)。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、Xは存在せず、mは0であり、アジド部分は、アルキル側鎖に対してパラに位置している。いくつかの実施形態において、nは0−4であり、RおよびXは存在せず、m=0である。いくつかの実施形態において、nは1であり、Rはフェニルであり、XはOであり、mは2であり、β−アジドエトキシ部分は、アルキル側鎖に対してパラ位に位置している。
アジド含有アミノ酸は、商業的な供給元から入手可能である。例えば、4−アジドフェニルアラニンは、ケム−インペックスインターナショナル(Chem-Impex International)、(ウッドデール(Wood Dale)、IL)から入手され得る。市販されていないこれらのアジド含有アミノ酸に関して、アジド基は、適切な脱離基(ハロゲン化物、メシラート、トシレートが挙げられるが、これらに限定されない)の排除を介した、または適切に保護されたラクトンの開環を介した(限定されないが、これらが挙げられる)、当業者に公知の標準的な方法を用いて、比較的容易に調製され得る。例えば、Advanced Organic Chemistry by March (Third Edition, 1985, Wiley and Sons, New York)を参照すればよい。
E.アミノチオール反応性基
ベータ置換アミノチオール官能基の固有な反応性は、チアゾリジンの形成を介した、アルデヒド基を含んでいるポリペプチドおよび他の生体分子の選択的な修飾にとって、それらを極めて有効にする。例えば、J.Shao and J. Tam, J. Am. Chem. Soc. 1995, 117 (14) 3893-3899を参照すればよい。いくつかの実施形態において、ベータ置換アミノチオールアミノ酸は、bG−CSFポリペプチドに組み込まれ得、それからアルデヒド官能性基を含んでいる水溶性重合体と反応し得る。いくつかの実施形態において、水溶性重合体、薬剤抱合物または他のペイロード(payload)は、チアゾリジンの形成を介したベータ置換アミノチオールアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドに連結され得る。
F.さらなる反応性基
本発明のbG−CSFポリペプチドに組み込まれ得る、付加的な反応性基および天然にコードされていないアミノ酸(パラ−アミノ−フェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない)が以下の特許文献に記載されており、それらは参照によって本明細書に援用される。当該特許文献は、米国特許出願公開第2006/0194256号、米国特許出願公開第2006/0217532号、米国特許出願公開第2006/0217289号、米国仮特許第60/755,338号、米国仮特許第60/755,711号、米国仮特許第60/755,018号、国際公開第06/49397号、国際公開第2006/069246号、米国仮特許第60/743,041号、米国仮特許第60/743,040号、国際公開第06/47822号、米国仮特許第60/882,819号、米国仮特許第60/882,500号、および米国仮特許第60/870,594号である。また、これらの文献では、PEGまたは他の重合体(結合のためのヒドロキシルアミン(アミノオキシ)基が挙げられるが、これに限定されない)に存在し得る反応性基について議論されている。
(非天然アミノ酸の細胞の取込み)
真核細胞による非天然アミノ酸の取り込みは、タンパク質への取り込みを目的として(限定されないが、これが挙げられる)、非天然アミノ酸を設計および選択するときに典型的に考慮される1つの課題である。例えば、α−アミノ酸の高い電荷密度は、これらの化合物が細胞透過性ではあり得ないことを意味する。天然アミノ酸は、タンパク質に基づく輸送系の収集を介して真核細胞に取り込まれる。非天然アミノ酸が少しでも細胞によって取り込まれるならば、これを評価する急速なふるいが行われ得る。例えば、参照によって本明細書に援用される、米国特許出願公開第2004/0198637号(発明の名称:“Protein Arrays”);ならびにLiu, D.R. & Schultz, P.G. (1999) Progress toward the evolution of an organism with an expanded genetic code. PNAS United States 96:4780-4785 における、例えば、毒性アッセイを参照すればよい。取り込みは、多様なアッセイを用いて容易に分析されるが、細胞性の取り込み経路に受け容れられる非天然アミノ酸の設計ための代替案は、インビボにおいてアミノ酸を作り出す生合成経路を提供することである。
(非天然アミノ酸の生合成)
多くの生合成経路が、アミノ酸および他の化合物を産生するために細胞にすでに存在している。特定の非天然アミノ酸のための生合成方法が、天然(細胞内が挙げられるが、これに限定されない)には存在し得ない一方において、本発明は、そのような方法を提供する。例えば、非天然アミノ酸のための生合成経路は、新しい酵素の添加、または存在する宿主細胞経路の改変によって宿主細胞において生成され得る。追加の新しい酵素は、任意で、天然に存在する酵素または人工的に発展させた酵素である。例えば、p−アミノフェニルアラニンの生合成(国際公開第2002/085923号(発明の名称:“In vivo incorporation of unnatural amino acids”)における一例に示されるように)は、他の生物に由来する公知の酵素の組合せの追加を基にしている。これらの酵素に関する遺伝子は、当該遺伝子を備えるプラスミドを用いた真核細胞の形質転換によって、当該細胞に導入され得る。細胞において発現される場合に、当該遺伝子は、所望の化合物を合成する酵素経路を提供する。任意に添加されるこの種の酵素の例は、以下の実施例において与えられる。追加の酵素の配列は、例えば、ジーンバンクに見出される。また、人工的に発展させた酵素は、同様の方法において細胞の中に加えられ得る。この方法において、細胞性機構および細胞資源は、非天然アミノ酸を産生するために操作される。
多様な方法が、生合成経路に使用するための新規な酵素の産生、または存在する経路の発展に利用可能である。例えば、マキシゲン(Maxygen)(maxigen.comにおけるワールドワイドウェブ上において利用可能である)によって開発されたような(限定されないが、これが挙げられる)、反復的な組換えは、新規の酵素および経路の開発に使用され得る。例えば、Stemmer (1994), Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling, Nature 370(4):389- 391、およびStemmer, (1994), DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution, Proc. Natl.Acad. Sci. USA., 91:10747-10751を参照すればよい。同様に、ジェネンコア(Genencor)(genencor.comにおけるワールドワイドウェブ上において利用可能である)によって開発されたデザインパス(DesignPath)(商標)は、代謝経路操作(細胞においてO−メチリル−L−チロシンを作り出す経路の操作が挙げられるが、これに限定されない)に任意に使用される。この技術は、新しい遺伝子(機能的なゲノミクスを介して同定された遺伝子が挙げられるが、これに限定されない)、ならびに分子進化および設計の組合せを用いて、宿主生物に存在する経路を再構築する。また、ディバーサコーポレーション(Diversa Corporation)(diversa.comにおけるワールドワイドウェブ上において利用可能である)は、新しい経路を作り出すための(限定されないが、これが挙げられる)、遺伝子および遺伝子経路のライブラリを迅速にスクリーニングする技術を提供する。
典型的に、本発明の設計された生合成経路を用いて産生された非天然アミノ酸は、タンパク質の効率的な生合成に十分な濃度(天然の細胞における量が挙げられるが、これに限定されない)に産生されるが、他のアミノ酸の濃度に影響するか、または細胞性の資源を使い果たす程ではない。この方法においてインビボにおいて生成される典型的な濃度は、約10mMから0.05mMである。特定の経路に関して所望される酵素の生成に使用される遺伝子を含んでいるプラスミドを用いて、細胞が形質転換され、非天然アミノ酸が生成されると、インビボにおける選択は、リボソームタンパク質の合成および細胞増殖の両方に対して、非天然アミノ酸の産生をさらに最適化するために、任意に使用される。
(非天然アミノ酸を有しているポリペプチド)
非天然アミノ酸の組込みは、多様な目的(タンパク質構造および/または機能の変化の修正、大きさの変更、酸性度の変更、求核性の変更、水素結合の変更、疎水性の変更、プロテアーゼ標的部位の接触性の変更、部分に対する標的化の変更(タンパク質アレイ用が挙げられるが、これらに限定されない)、生物学的に活性な分子の付加、重合体の結合、放射線核種の結合、血清半減期の調節、組織浸透の調節(例えば、腫瘍)、活性な輸送の調節、組織、細胞もしくは器官の特異性または分布の調節、免疫原性の調節、プロテアーゼ耐性の調節などが挙げられるが、これらに限定されない)のためになされ得る。非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質は、増強されたかもしくはまったく新しい触媒的、または生物学的な性質を有し得る。例えば、以下の性質:毒性、体内分布、構造的性質、分光性質、化学的および/または光化学的な性質、触媒能、半減期(血中半減期が挙げられるが、これに限定されない)、ならびに他の分子との共有結合的または非共有結合的な(限定されないが、これらが挙げられる)反応能などは、タンパク質への非天然アミノ酸の含有によって任意に調節される。少なくとも1つの非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質を含有している組成物は、新規の治療、診断、触媒酵素、産業的な酵素、結合タンパク質(抗体が挙げられるが、これに限定されない)、ならびにタンパク質の構造および機能に関する研究(限定されないが、これらが挙げられる)に有用である。例えば、Dougherty,(2000) Unnatural Amino Acids as Probes of Protein Structure and Function, Current Opinion in Chemical Biology, 4:645-652を参照すればよい。
本発明の1つの局面において、組成物は、少なくとも1(少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10以上が挙げられるが、これらに限定されない)の非天然アミノ酸を有している少なくとも1つのタンパク質を含んでいる。非天然アミノ酸は、同じであり得るか、または異なり得る(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれ以上の異なる、または同じ非天然アミノ酸を含んでいるポリペプチドにおける、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはそれ以上の異なる部位があり得ることが挙げられるが、これらに限定されない)。他の局面において、タンパク質に存在する特定のアミノ酸のすべてではないが、少なくとも1つが非天然アミノ酸と置換されているタンパク質を含んでいる。2つ以上の非天然アミノ酸を有している所定のタンパク質に関して、当該非天然アミノ酸は、同一であり得るか、または異なり得る(タンパク質が2つ以上の異なる種類の非天然アミノ酸を含み得るか、または2つの同じ非天然アミノ酸を含み得ることが挙げられるが、これらに限定されない)。3つ以上の非天然アミノ酸を有している所定のタンパク質に関して、当該非天然アミノ酸は、同じであり得るか、異なり得るか、または少なくとも1つの非天然アミノ酸と複数の同種の非天然アミノ酸との組合せであり得る。
少なくとも1つの非天然アミノ酸を有する所定のタンパク質またはポリペプチドは、本発明の特徴である。また、本発明は、本発明の組成物および方法を用いて産生された少なくとも1つの非天然アミノ酸を有しているポリペプチドまたはタンパク質を包含する。また、賦形剤(薬学的に受容可能な賦形剤が挙げられるが、これに限定されない)は、タンパク質と共に存在し得る。
少なくとも1つの非天然アミノ酸を有している所定のタンパク質またはポリペプチドを、真核細胞において産生することによって、タンパク質またはポリペプチドは、真核細胞翻訳後修飾を典型的に含んでいる。ある特定の実施形態において、タンパク質は、少なくとも1つの非天然アミノ酸、および真核細胞によってインビボにおいてなされた少なくとも1つの翻訳後修飾を含んでおり、ここで、当該翻訳後修飾は、原核細胞によってなされない。例えば、翻訳後修飾としては、アセチル化、アシル化、脂質修飾、パルミトイル化、パルミチン酸付加、リン酸化、糖脂質結合修飾、および糖鎖形成などが挙げられるが、これらに限定されない。1つの局面において、翻訳後修飾としては、GlcNAc−アスパラギン連結による、アスパラギンに対するオリゴ糖((GlcNAc−Man)−Man−GlcNAc−GlcNAcが挙げられるが、これに限定されない)の付加が挙げられる。真核細胞タンパク質のN結合型オリゴ糖のいくつかの例を載せている表1を参照すればよい(付加的な残基が存在し得るが、示されていない)。他の局面において、翻訳後修飾としては、GalNAc−セリン連結もしくはGalNAc−スレオニン連結、またはGlcNAc−セリン連結もしくはGlcNAcスレオニン連結による、セリンまたはスレオニンに対するオリゴ糖(Gal−GalNAc、Gal−GlcNAcなどが挙げられるが、これらに限定されない)の付加が挙げられる。
Figure 0005844336
さらにもう1つの局面において、翻訳後修飾としては、前駆体(カルシトニン前駆体、カルシトニン遺伝子関連ペプチド前駆体、プレプロ副甲状腺ホルモン(preproparathyriod hormone)、プレプロインシュリン、プロインシュリン、プレプロオピオメラノコルチン、およびプロオピオメラノコルチンなどが挙げられるが、これらに限定されない)のタンパク質分解性のプロセシング、多サブユニットタンパク質への集合もしくは巨大分子への集合、細胞における他の部位への移動(細胞小器官(例えば、小胞体、ゴルジ装置、核、リソソーム、ペルオキシソーム、ミトコンドリア、葉緑体、液胞など)または分泌経路の通過が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。ある特定の実施形態において、ポリペプチドは、分泌配列または局在化配列であるエピトープタグ、FLAGタグ、ポリヒスチジンタグ、またはGST融合などを含んでいる。
非天然アミノ酸の利点の1つは、非天然アミノ酸が付加的な分子の付加に使用され得る付加的な化学部分を与えるということである。これらの修飾は、真核細胞もしくは原核細胞のインビボまたはインビトロにおいてなされ得る。したがって、ある特定の実施形態において、翻訳後修飾は非天然アミノ酸を介する。例えば、翻訳後修飾は、求核−求電子反応を介し得る。タンパク質の選択的な修飾に現在、使用されるほとんどの反応は、求核反応パートナーと求電子反応パートナーとの間における共有結合(α−ハロケトンのヒスチジン側鎖またはシステイン側鎖との反応が挙げられるが、これらに限定されない)の形成に関する。これらの場合における選択性は、タンパク質における求核性残基の数および接触性によって決定される。本発明のポリペプチドにおいて、より選択的な他の反応は、例えば、インビボおよびインビトロにおける、非天然ケトアミノ酸の、ヒドラジドまたはアミノオキシ化合物との反応に使用され得る。例えば、すべてが参照によって本明細書に援用される、Cornish et al, (1996) Am. Chem. Soc. 118:8150-8151;Mahal et al, (1997)Science. 276:1125-1128;Wang et al, (2001) Science 292:498-500;Chin et al, (2002) J. Am. Chem. Soc. 124:9026-9027;Chin et al, (2002) Proc. Natl. Acad. Sci., 99:11020-11024;Wang et al, (2003) Proc. Natl. Acad. Sci 100:56-61;Zhang et al, (2003) Biochemistry. 42:6735-6746;およびChin et al, (2003) Science, 301:964-7 を参照すればよい。これは、多くの試薬(蛍光団、架橋剤、糖誘導体および細胞毒性分子が挙げられるが、これらに限定されない)を用いた実質的に任意のタンパク質の選択的な標識を可能にする。また、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,927,042号(発明の名称:“Glycoprotein synthesis”)を参照すればよい。また、アジドアミノ酸を介した(限定されないが、これが挙げられる)翻訳後修飾は、トリアリールホスフィン試薬を用いた(限定されないが、これが挙げられる)シュタウディンガー連結を介してなされ得る。例えば、Kiick et al, (2002) Incorporation of azides into recombinant
proteins for chemoselective modification by the Staudinger ligation, PNAS 99: 19-24を参照すればよい。
本発明は、タンパク質にアジド部分またはアルキニル部分(限定されないが、これらが挙げられる)を含んでいる非天然アミノ酸の、セレクターコドンに応じた遺伝子的組み込みに関する、タンパク質の選択的な修飾のための他の高効率な方法を提供する。それから、これらのアミノ酸側鎖は、アジド誘導体またはアルキニル誘導体(限定されないが、これらが挙げられる)を別々に用いて、ヒュイゲン[3+2]付加環化反応(限定されないが、これが挙げられる)(例えば、Padwa, A. in Comprehensive Organic Synthesis. Vol. 4. (1991) Ed. Trost, B. M., Pergamon, Oxford, p. 1069-1109;およびHuisgen, R.in 1 ,3-Dipolar Cycloaddition Chemistry. (1984) Ed. Padwa, A., Wiley, New York,p. 1-176を参照すればよい)によって修飾され得る。この方法は、求核性置換よりむし
ろ付加環化に関するので、タンパク質は極めて高い選択性を有して修飾され得る。この反応は、反応混合物に対する触媒量のCu(I)塩の添加によって、室温の水性条件下において、優れた位置選択性(1,4>1,5)を有して達成され得る。例えば、Tornoe et al, (2002) J. Org. Chem. 67:3057-3064;およびRostovtsev et al, (2002) Angew. Chem. Int. Ed. 41: 2596-2599を参照すればよい。使用され得る他の方法は、テトラシステインモチーフを有しているビス砒素化合物におけるリガンド交換である(例えば、Griffin et al, (1998) Science 281 :269-272を参照すればよい)。
[3+2]付加環化を介して本発明のポリペプチドに加えられ得る分子としては、アジド誘導体またはアルキニル誘導体を有する実質的に任意の分子が挙げられる。分子としては、色素、蛍光団、架橋剤、糖誘導体、重合体(ポリエチレングリコールの誘導体が挙げられるが、これに限定されない)、光架橋剤、細胞毒性化合物、親和性標識、ビオチンの誘導体、樹脂、ビーズ、第2のタンパク質もしくはポリペプチド(もしくはそれ以上)、ポリヌクレオチド(DNA、RNAなどが挙げられるが、これらに限定されない)、金属キレート剤、補助因子、脂肪酸、および炭水化物などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの分子は、アルキニル基(p−プロパルギルオキシフェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない)またはアジド基(p−アジド−フェニルアラニンが挙げられるが、これに限定されない)を別々に有している非天然アミノ酸に加えられ得る。
V.天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドのインビボ生成
本発明のbG−CSFポリペプチドは、天然に存在する系にコードされないアミノ酸を加えるか、または置換するために、修飾されたtRNAおよびtRNA合成酵素を用いてインビボにおいて生成され得る。
天然に存在する系にコードされないアミノ酸を使用するtRNAおよびtRNA合成酵素を生成する方法は、参照によって本明細書に援用される、米国特許第7,045,337号および米国特許第7,083,970号に記載されている。これらの方法は、翻訳系に対して内在性の合成酵素およびtRNAと独立して機能する(そして、このためにときに“直交性の(orthogonal)”と呼ばれる)、翻訳機構の生成に関与する。典型的に、当該翻訳系は、直交性のtRNA(O−tRNA)および直交性のアミノアシルtRNA合成酵素(O−RS)を含んでいる。典型的に、O−RSは、翻訳系における少なくとも1つの天然に存在していないアミノ酸と共にO−tRNAを好ましくアミノアシル化し、O−tRNAは、当該系における他のtRNAによって認識されない少なくとも1つのセレクターコドンを認識する。したがって、当該翻訳系は、コードされたセレクターコドンに応じて、当該系において産生されるタンパク質に天然にコードされていないアミノ酸を挿入して、これによってコードされたポリペプチドにおける所定の位置にアミノ酸を“置換する”。
広範な直交性のtRNAおよびアミノアシルtRNA合成酵素は、ポリペプチドに特定の合成アミノ酸を挿入する当該技術において説明されており、一般的に本発明における使用に好適である。例えば、ケト特異的O−tRNA/アミノアシルtRNA合成酵素は、Wang, L.et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:56-61 (2003) 、およびZhang, Z.et al, Biochem. 42(22):6735-6746 (2003)に記載されている。例示的なO−RSまたはこれらの一部は、米国特許第7,045,337号および米国特許第7,083,970号(それぞれ、参照によって本明細書に援用される)に開示されている、ポリヌクレオチド配列にコードされ、アミノ酸配列を含んでいる。また、O−RSと共に使用するための対応するO−tRNA分子は、参照によって本明細書に援用される、米国特許第7,045,337号および米国特許第7,083,970号に記載されている。O−tRNA/アミノアシルtRNA合成酵素対のさらなる例は、国際公開第2005/007870号、国際公開第2005/007624号、および国際公開第2005/019415号に記載されている。
アジド特異的なO−tRNA/アミノアシルtRNA合成酵素の系の例が、Chin, J. W., et al, J. Am. Chem. Soc. 124:9026-9027 (2002) に記載されている。p−アジド−L−Phe用の例示的なO−RS配列としては、参照によって本明細書に援用される、米国特許第7,083,970号に記載されているように、配列番号14−16および29−32のヌクレオチド配列、ならびに配列番号46−48および61−64のアミノ酸配列が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の使用に好適な例示的なO−tRNA配列としては、参照によって本明細書に援用される米国特許第7,083,970号に開示されているように、配列番号1−3のヌクレオチド配列が挙げられるが、これらに限定されない。特定の天然にコードされていないアミノ酸に対して特異的なO−tRNA/アミノアシルtRNA合成酵素の他の例が、参照によって本明細書に援用される米国特許第7,045,337号に記載されている。S.セレビジアエにおいてケト含有アミノ酸およびアジド含有アミノ酸の両方を組み込む、O−RSおよびO−tRNAについて、Chin, J. W.et al, Science 301 :964-967 (2003). に記載されている。
他の直交性対がいくつか報告されている。S. cerevisiaeのtRNA由来のグルタミニル系(例えば、Liu, D. R., and Schultz, P. G. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S.A. 96:4780-4785を参照すればよい)、アスパルチル系(例えば、Pastrnak, M., et al., (2000) Helv. Chim. Acta 83:2277-2286を参照すればよい)、およびチロシル系(例えば、Ohno, S., et al., (1998) J. Biochem. (Tokyo, Jpn.) 124:1065-1068; および Kowal, A. K., et al., (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 98:2268-2273を参照すればよい)、ならびに合成酵素は、E. coliにおける非天然アミノ酸の考えられる取込みに関して記載されている。E. coliのグルタミニル(例えば、 Kowal, A. K., et al., (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 98:2268-2273を参照すればよい)およびE. coliのチロシル(例えば、Edwards, H., and Schimmel, P. (1990) Mol. Cell. Biol. 10:1633-1641を参照すればよい)由来の系の合成酵素が、S.セレビジアエおいて用いるために記載されている。E. coliのチロシル系は、哺乳細胞のインビボにおける3−ヨード−L−チロシンの取り込みのために用いられている。Sakamoto, K., et al., (2002) Nucleic Acids Res. 30:4692-4699を参照すればよい。
O−tRNA/アミノアシルtRNA合成酵素の使用は、天然にコードされていないアミノ酸をコードする特異的なコドンの選択に関与する。任意のコドンが使用され得るが、一般的にO−tRNA/アミノアシルtRNA合成酵素が発現されている細胞において、まれにしか使用されないか、または決して使用されないコドンを選択することが好ましい。例えば、例示的なコドンとしては、ナンセンスコドン(例えば、ストップコドン(アンバー、オーカー、およびオパール))、4以上の塩基コドン、ならびにまれにしか使用されない、または使用されない他の天然の3塩基コドンが挙げられる。
特異的なセレクターコドンは、当該技術において公知の突然変異生成方法(部位特異的突然変異生成法、カセット突然変異生成法、制限選択突然変異生成法などが挙げられるが、これらに限定されない)を用いて、bG−CSFポリヌクレオチドのコード配列における適切な位置に導入され得る。
タンパク質の生合成機構の構成要素(例えば、非天然アミノ酸を組み込むために使用され得るO−RS、O−tRNAおよび直交性のO−tRNA/O−RS対)を生成する方法は、Wang, L., et al Science 292: 498-500 (2001);Chin, J. W.et al, J. Am. Chem.Soc. 124:9026-9027 (2002) ;Zhang, Z.et al, Biochemistry 42: 6735-6746 (2003) に記載されている。天然にコードされていないアミノ酸のインビボにおける組み込みのための方法および組成物は、参照によって本明細書に援用される、米国特許第7,045,337号に記載されている。また、生体のインビボにおける翻訳系に使用する、直交性のtRNA−tRNA合成酵素対を選択する方法は、参照によって本明細書に援用される、米国特許第7,045,337号および米国特許第7,083,970号に記載されている。参照によって本明細書に援用される国際公開第04/035743号(発明の名称:“Site Specific Incorporation of Keto Amino Acids into Proteins”)には、ケトアミノ酸の取り込みのための直交性のRSおよびtRNAの対が記載されている。参照によって本明細書に援用される国際公開第04/094593号(発明の名称:“Expanding the Eukaryotic Genetic Code”)には、真核生物の宿主細胞における天然にコードされていないアミノ酸の取り込みのための直交性RSおよびtRNAの対が記載されている。
少なくとも1つの組換え直交性のアミノアシルtRNA合成酵素(O−RS)を産生する方法は:(a)第1の生物(原核生物(例えば、Methanococcus jannaschii, Methanobacterium thermoautotrophicum, Halobacterium, Escherichia coli, A. fulgidus, P. furiosus, P. horikoshii, A. pernixまたはT. thermophilusなど)または真核生物が挙げられるが、これらに限定されない)から、少なくとも1つのアミノアシルtRNA合成酵素から誘導体化された(任意に突然変異した)RSのライブラリを生成すること;(b)非天然アミノ酸および天然アミノ酸の存在下において直交性のtRNA(O−tRNA)をアミノアシル化する構成要素のためのRS(任意に突然変異したRS)のライブラリを選択(および/またはスクリーニング)し、これによって活性な(任意に突然変異した)RSのプールを提供すること;および/または(c)非天然アミノ酸の非存在下においてO−tRNAを好ましくアミノアシル化する活性なRS(突然変異体RSが挙げられるが、これに限定されない)のプールを、(任意にネガティブ選択を介して)選択し、これによって少なくとも1つの組換えO−RSを提供することを包含し;ここで、少なくとも1つの当該組換えO−RSは、非天然アミノ酸と共に当該O−tRNAを好ましくアミノアシル化する。
1つの実施形態において、RSは不活性RSである。不活性RSは、活性なRSを突然変異させることによって生成され得る。例えば、不活性RSは、異なるアミノ酸(アラニンが挙げられるが、これに限定されない)に対して、少なくとも約1つ、少なくとも約2つ、少なくとも約3つ、少なくとも約4つ、少なくとも約5つ、少なくとも約6つ、または少なくとも約10以上のアミノ酸を突然変異させることによって生成され得る。
突然変異体RSのライブラリは、当該分野において公知の多様な技術(三次元のRS構造に基づいた合理的な設計、または無作為のもしくは合理的な技術におけるRSヌクレオチドの突然変異生成法が挙げられるが、これらに限定されない)を用いて生成され得る。例えば、突然変異体RSは、部位特異的突然変異生成法、無作為の突然変異生成法、多様性生成組換え突然変異、キメラ構築、合理的な設計、ならびに本明細書に記載されているか、もしくは当該技術において公知の他の方法によって、生成され得る。
1つの実施形態において、活性な構成要素(非天然アミノ酸および天然アミノ酸の存在下において直交性のtRNA(O−tRNA)をアミノアシル化する構成要素が挙げられるが、これに限定されない)のためのRS(任意に突然変異したRS)のライブラリを選択(および/またはスクリーニング)することは:ポジティブ選択またはスクリーニングマーカー(抗生物質耐性遺伝子などが挙げられるが、これに限定されない)、および(任意に突然変異した)RSのライブラリを、複数の細胞に導入すること(ここで、ポジティブ選択マーカーおよび/またはスクリーニングマーカーは、少なくとも1つのセレクターコドン(アンバーコドン、オーカーコドン、オパールコドンが挙げられるが、これらに限定されない)を含んでいる);選択薬剤の存在下において複数の細胞を成長させること;ポジティブ選択マーカーまたはスクリーニングマーカーにおける少なくとも1つのセレクターコドンを抑圧することによって、選択薬剤および/またはスクリーニング薬剤の存在下において、生存する(または特異的な反応を示す)細胞を同定し、これによって活性な(任意に突然変異した)RSのプールを含むポジティブに選択された細胞の一部を提供することを含む。任意に、選択薬剤および/またはスクリーニング薬剤の濃度は、変更され得る。
1つの局面において、ポジティブ選択マーカーは、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子であり、セレクターコドンは、CAT遺伝子におけるアンバーストップコドンである。任意に、ポジティブ選択マーカーはβ−ラクタマーゼ遺伝子であり、セレクターコドンはβ−ラクタマーゼ遺伝子におけるアンバーストップコドンである。他の局面において、ポジティブ選択マーカーは、蛍光もしくは発光のスクリーニングマーカー、または親和性に基づくスクリーニングマーカー(細胞表面マーカーが挙げられるが、これに限定されない)を含んでいる。
1つの実施形態において、非天然アミノ酸の非存在下においてO−tRNAを好ましくアミノアシル化する活性なRS(任意に突然変異した)に関するプールの、ネガティブ選択またはネガティブスクリーニングは:ポジティブ選択またはスクリーニングマーカーからの活性な(任意に突然変異した)RSのプールと共に、ネガティブ選択マーカー、またはネガティブスクリーニングマーカーを、第2の生物の複数の細胞に導入すること(ここで、ネガティブ選択マーカー、またはネガティブスクリーニングマーカーは、少なくとも1つのセレクターコドン(抗生物質耐性遺伝子(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これに限定されない)を含んでいる);ならびに非天然アミノ酸、およびスクリーニング薬剤もしくは選択薬剤を補った第1の培地において生存するか、または特異的なスクリーニング反応を示すが、非天然アミノ酸およびスクリーニング薬剤もしくは選択薬剤を補っていない第2の培地において生存できないか、または特異的なスクリーニング反応を示さない細胞を同定し、これによって少なくとも1つの組換えO−RSを有する生存細胞または選別された細胞を提供することを包含する。例えば、CAT同定手順は、適切なO−RS組換え体の決定において、ポジティブ選択および/またはネガティブ選択として任意に役割を果たす。例えば、クローンのプールは、1つ以上の非天然アミノ酸を有しているか、または有していないCAT(少なくとも1つのセレクターコドンを含んでいる)を含んでいる成長プレート上において、任意に複製される。したがって、非天然アミノ酸を含んでいるプレート上において排他的に成長するコロニーは、組換えO−RSを含んでいるとみなされる。1つの局面において、選択(および/またはスクリーニング)薬剤の濃度は変更される。いくつかの実施形態において、第1および第2の生物は異なる。したがって、第1および/または第2の生物は、原核生物、真核生物、哺乳類、Escherichia coli、菌類、酵母、古細菌、真正細菌、植物、昆虫、原生生物などを任意に包含する。他の実施形態において、スクリーニングマーカーは、蛍光もしくは発光のスクリーニングマーカー、または親和性に基づくスクリーニングマーカーを含んでいる。
他の実施形態において、活性な(任意に突然変異した)RSに関するプールのスクリーニングまたは選択(ネガティブ選択が挙げられるが、これに限定されない)は:ポジティブ選択の段階(b)から活性な突然変異体RSのプールを単離することと;ネガティブ選択マーカー、またはネガティブスクリーニングマーカー(ここで、ネガティブ選択マーカー、またはネガティブスクリーニングマーカーは、少なくとも1つのセレクターコドン(少なくとも1つのセレクターコドンを含んでいる毒性マーカー遺伝子(リボヌクレアーゼバルナーゼ(barnase)遺伝子が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられるが、これに限定されない)を含んでいる)、ならびに活性な(任意に突然変異した)RSのプールを、第2の生物の複数の細胞に導入することと;非天然アミノ酸を補っていない第1の培地において生存するか、または特異的なスクリーニング反応を示すが、非天然アミノ酸を補った第2の培地において生存できないか、または特異的なスクリーニング反応を示さない細胞を同定し、これによって少なくとも1つの組換えO−RSを有する生存細胞、または選別細胞を提供することとを包含し、ここで、少なくとも1つの組換えO−RSは天然にコードされていないアミノ酸に特異的である。1つの局面において、少なくとも1つのセレクターコドンは、約2つ以上のセレクターコドンを含んでいる。そのような実施形態は、少なくとも1つのセレクターコドンが2つ以上のセレクターコドンを含んでいる場合、ならびに第1および第2の生物が異なる場合(それぞれの生物が、任意に原核生物、真核生物、哺乳類、Escherichia coli、菌類、酵母、古細菌、真正細菌、植物、昆虫、原生生物など(限定されないが、これらが挙げられる)である場合が挙げられるが、これらに限定されない)を任意に含み得る。また、いくつかの局面は、ネガティブ選択マーカーが、リボヌクレアーゼバルナーゼ遺伝子(少なくとも1つのセレクターコドンを含んでいる)を備える場合を含む。他の局面は、スクリーニングマーカーが蛍光もしくは発光のスクリーニングマーカー、または親和性に基づくスクリーニングマーカーを任意に含んでいる場合を包含する。本明細書における実施形態において、スクリーニングおよび/または選択は、スクリーニングおよび/または選択のストリンジェンシー(stringency)の変動を任意に包含する。
1つの実施形態において、直交性の組換えアミノアシルtRNA合成酵素(O−RS)を少なくとも1つを産生する方法は:(d)少なくとも1つの組換えO−RSを単離すること;(e)少なくとも1つの組換えO−RSから誘導体化されたO−RS(任意に突然変異した)の第2のセットを生成すること;ならびに(f)O−tRNAを好ましくアミノアシル化する能力を備える突然変異したO−RSが得られるまで、段階(b)および(c)を繰り返すことをさらに包含する。段階(d)−(f)は、任意に繰り返される(少なくとも2回が挙げられるが、これに限定されない)。1つの局面において、少なくとも1つの組換えO−RSから誘導体化された突然変異したO−RSの第2のセットは、突然変異生成法(無作為の突然変異生成法、部位特異的突然変異生成法、組換え、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない)によって生成され得る。
選択/スクリーニングの段階(上述した方法における、ポジティブ選択/スクリーニングの段階(b)か、ネガティブ選択/スクリーニングの段階(c)か、ポジティブおよびネガティブ選択/スクリーニングの段階(b)および(c)の両方かのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない)のストリンジェンシーは、選択/スクリーニングのストリンジェンシーの変更を任意に包含する。他の実施形態において、ポジティブ選択/スクリーニングの段階(b)か、ネガティブ選択/スクリーニングの段階(c)か、ポジティブおよびネガティブ選択/スクリーニングの段階(b)および(c)の両方かのいずれかは、蛍光標示式細胞分取器(FACS)によって検出されるか、または発光によって検出されるレポーターを使用することを包含する。レポーターは、細胞表面、またはファージディスプレイなどに並び、非天然アミノ酸または類似体に関する親和性、または触媒活性に基づいて選択される。1つの実施形態において、突然変異した合成酵素は、細胞表面またはファージディスプレイなどに提示される。
組換え直交性のtRNA(O−tRNA)を産生する方法は:(a)第1の生物に由来する少なくとも1つのtRNA(サプレッサtRNAが挙げられるが、これに限定されない)から誘導体化された突然変異体tRNAのライブラリを生成すること;(b)第1の生物に由来するRSの非存在下において、第2の生物に由来するアミノアシルtRNA合成酵素(RS)によってアミノアシル化される(任意に突然変異した)tRNAに関するライブラリを選択(ネガティブ選択が挙げられるが、これに限定されない)、またはスクリーニングし、これによってtRNA(任意に突然変異した)のプールを提供すること;ならびに(c)導入された直交性のRS(O−RS)によってアミノアシル化される構成要素に関するtRNA(任意に突然変異した)のプールを選択またはスクリーニングし、これによって少なくとも1つの組換えO−tRNAを提供することを包含し;ここで、少なくとも1つの組換えO−tRNAは、セレクターコドンを認識し、第2の生物に由来するRSによって効率的に認識されず、O−RSによって好ましくアミノアシル化される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのtRNAは、サプレッサtRNAであり、および/または、天然および/または非天然の塩基の固有な3塩基コドンを含んでいるか、ナンセンスコドン、レアコドン、非天然コドン、少なくとも4塩基を含んでいるコドン、アンバーコドン、オーカーコドン、もしくはオパールストップコドンである。1つの実施形態において、組換えO−tRNAは、向上した直交性を有している。いくつかの実施形態において、O−tRNAが修飾を必要とせずに、第2の生物から第1の生物に任意に取り込まれることが理解される。多様な実施形態において、第1および第2の生物は、同じであるか、または異なり、原核生物(Methanococcus jannaschii、Methanobacteriumthermoautotrophicum、Escherichia coli、Halobacteriumなどが挙げられるが、これら
に限定されない)、真核生物、哺乳類、菌類、酵母、アルカエバクテリウム、ユウバクテリウム、植物、昆虫、原生生物など(限定されないが、これらが挙げられる)から任意に選択される。付加的に、組換えtRNAは、遺伝子操作を介してインビボにおいてか、または天然に生合成される非天然アミノ酸によって、任意にアミノアシル化される。非天然アミノ酸は、少なくとも第1または第2の生物に使われる成長培地に任意に加えられる。
1つの局面において、アミノアシルtRNA合成酵素によってアミノアシル化される(任意に突然変異した)tRNAに関するライブラリの選択(ネガティブ選択が挙げられるが、これに限定されない)またはスクリーニング(段階(b))は:毒性マーカー遺伝子(ここで、毒性マーカー遺伝子が、少なくとも1つのセレクターコドンを含んでいる(または少なくとも1つのセレクターコドンを含んでいる毒性マーカー遺伝子が、毒性薬剤もしくは静止薬剤の産生を導く遺伝子か、生物に必須の遺伝子を含んでいる))、および(任意に突然変異した)tRNAのライブラリを、第2の生物に由来する複数の細胞に導入すること;ならびに生存細胞を選択すること(ここで、生存細胞は、少なくとも1つの直交性のtRNAまたは非機能的tRNAを有している(任意に突然変異した)tRNAのプールを含んでいる)を包含する。例えば、生存細胞は、比較比率細胞密度アッセイ(comparison ratio cell density assay)を用いることによって選択され得る。
他の局面において、毒性マーカー遺伝子は、2つ以上のセレクターコドンを含み得る。当該方法の他の実施形態において、毒性マーカー遺伝子は、少なくとも1つのアンバーコドンを含んでいるリボヌクレアーゼバルナーゼ遺伝子である。リボヌクレアーゼバルナーゼ遺伝子は、2つ以上のアンバーコドンを任意に含み得る。
1つの実施形態において、導入された直交性のRS(O−RS)によってアミノアシル化される構成要素に関する(任意に突然変異した)tRNAのプールの選択またはスクリーニングは:ポジティブ選択マーカー遺伝子またはポジティブスクリーニングマーカー遺伝子(ここで、ポジティブマーカー遺伝子は、薬剤耐性遺伝子(少なくとも1つのセレクターコドン(例えば、少なくとも1つのアンバーストップコドン)を含んでいるβ−ラクタマーゼ遺伝子が挙げられるが、これに限定されない)、または生物に必須の遺伝子、またはO−RSと共に毒性薬剤の無毒化を導く遺伝子を含んでいる)、および(任意に突然変異した)tRNAのプールを、第2の生物に由来する複数の細胞に導入すること;ならびに選択薬剤またはスクリーニング薬剤(抗生物質が挙げられるが、これに限定されない)の存在下において成長された、生存細胞または選択細胞を同定し、これによって少なくとも1つの組換えtRNAを含んでいる細胞のプールを提供すること(ここで、少なくとも組換えtRNAは、O−RSによってアミノアシル化され、少なくとも1つのセレクターコドンに応じて、ポジティブマーカー遺伝子によってコードされる転写産物にアミノ酸を挿入する)を包含し得る。他の実施形態において、選択薬剤および/またはスクリーニング薬剤の濃度は変更される。
特定のO−tRNA/O−RS対を生成する方法が提供される。方法は:(a)第1の生物に由来する少なくとも1つのtRNAから誘導体化された突然変異体tRNAのライブラリを生成すること;(b)第2の生物に由来するアミノアシルtRNA合成酵素(RS)によってアミノアシル化される(任意に突然変異した)tRNAに関するライブラリを、第1の生物に由来するRSの非存在下において、ネガティブ選択またはネガティブスクリーニングし、これによって(任意に突然変異した)tRNAのプールを提供すること;(c)導入された直交性のRS(O−RS)によってアミノアシル化される構成要素に関する(任意に突然変異した)tRNAのプールを選択またはスクリーニングし、これによって少なくとも1つの組換えO−tRNAを提供することを包含する。少なくとも1つの組換えO−tRNAは、セレクターコドンを認識し、第2の生物に由来するRSによって効率的に認識されず、O−RSによって好ましくアミノアシル化される。また、当該方法は、(d)第3の生物に由来する少なくとも1つのアミノアシルtRNA合成酵素(RS)から誘導体化された(任意に突然変異した)RSのライブラリを生成すること;(e)少なくとも1つの組換えO−tRNAを好ましくアミノアシル化する構成要素に関する突然変異体RSのライブラリを、天然にコードされていないアミノ酸および天然アミノ酸の存在下において選択またはスクリーニングし、これによって活性な(任意に突然変異した)RSのプールを提供すること;ならびに(f)少なくとも1つの組換えO−tRNAを好ましくアミノアシル化する活性な(任意に突然変異した)RSに関するプールを、天然にコードされていないアミノ酸の非存在下において、ネガティブ選択またはネガティブスクリーニングし、これによって少なくとも1つの特異的なO−tRNA/O−RS対を提供すること(ここで、少なくとも1つの特異的なO−tRNA/O−RS対は、天然にコードされていないアミノ酸および少なくとも1つの組換えO−tRNAに対して特異的な、少なくとも1つの組換えO−RSを含んでいる)を包含する。当該方法によって産生される特異的なO−tRNA/O−RS対が包含される。例えば、特異的なO−tRNA/O−RS対としては、mutRNATyr−mutTyrRS対(例えば、mutRNATyr−SS12TyrRS対)、mutRNALeu−mutLeuRS対、mutRNAThr−mutThrRS対、またはmutRNAGlu−mutGluRS対などが挙げることができるが、これらに限定されない。付加的に、そのような方法は、第1および第3の生物が同じ生物(Methanococcus jannaschiiが挙げられるが、これに限定されない)である場合を包含する。
また、第2の生物のインビボにおける翻訳系に使用するための直交性のtRNA−tRNA合成酵素対を選択する方法が、本発明に包含される。当該方法は:マーカー遺伝子、第1の生物から単離されたか、誘導体化されたtRNAおよびアミノアシルtRNA合成酵素(RS)を、第2の生物に由来する第1の細胞のセットに導入すること;第2の生物に由来する二重の細胞セットにマーカー遺伝子およびtRNAを導入すること;ならびに二重の細胞セットにおいて生存することができない第1のセットにおける生存細胞を選択すること、または二重の細胞セットにおいて特異的なスクリーニング反応を示すことができないそのような反応を示す細胞を選択すること(ここで、第1のセットおよび二重の細胞セットは、選択薬剤またはスクリーニング薬剤の存在下において成長され、ここで、生存細胞または選択細胞は、第2の生物のインビボにおける翻訳系に使用するための直交性のtRNA−tRNA合成酵素対を含んでいる)を含んでいる。1つの実施形態において、比較、および選択もしくはスクリーニングは、インビボ相補的アッセイを包含する。選択薬剤またはスクリーニング薬剤の濃度は変更され得る。
本発明の生物は、多様な生物および多様な組合せを包含する。例えば、本発明の方法の第1および第2の生物は、同じであり得るか、または異なり得る。1つの実施形態において、生物は、任意に原核生物(Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium、Escherichia coli、A. fulgidus、P. furiosus、P. horikoshii、A. pernix、またはT. thermophilusなどが挙げられるが、これらに限定されない)である。代替可能に、生物は、任意に真核生物(植物(複合体植物(例えば、単子葉植物または双子葉植物)が挙げられるが、これらに限定されない)、藻類、原生生物、菌類(酵母が挙げられるが、これに限定されない)、または動物(哺乳類、昆虫、節足動物などが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)などである。他の実施形態において、第2の生物は、原核生物(Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium、Escherichia coli、A. fulgidus、Halobacterium、P. furiosus、P. horikoshii、A. pernix、T. thermophilusなどが挙げられるが、これらに限定されない)である。代替可能に、第2の生物は、真核生物(酵母、動物細胞、植物細胞、菌類、または哺乳類細胞などが挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。多様な実施形態において、第1および第2の生物は異なる。
VI.非天然に存在しているアミノ酸の、bG−CSFポリペプチドにおける位置
本発明は、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上をbG−CSFポリペプチドに組み込むことを考慮している。非天然に存在しているアミノ酸の1つ以上が、ポリペプチドの活性を破壊しない特定の位置に組み込まれ得る。これは、“保存的な”置換(活性に要求されない位置における、疎水性アミノ酸を用いた疎水性アミノ酸の置換、かさ高いアミノ酸を用いたかさ高いアミノ酸の置換、親水性アミノ酸を用いた親水性アミノ酸の置換、および/または非天然に存在しているアミノ酸の挿入が挙げられるが、これらに限定されない)を生じさせることによって達成され得る。
種々の生化学的および構造的な手法は、bG−CSFポリペプチド内における天然にコードされていないアミノ酸を用いた置換に所望される部位を選択するために作用され得る。ポリペプチド鎖の任意の位置が天然にコードされていないアミノ酸を組み込むための選択にとって好適であり、選択が任意の特定の目的のためか、または特定の目的のない、合理的な計画に基づき得るか、または無作為の選択によってなされ得ることは、当業者にとって直ちに理解される。所望の部位の選択は、任意の所望の特性または活性を有しているbG−CSFポリペプチドを生成するためであり得る。任意の所望の特性または活性としては、アゴニスト、超アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト、受容体結合調節因子、受容体活性調節因子、二量体形成もしくは多量体形成、も処理の分子にと比較して変化のない活性もしくは特性、ポリペプチドの任意の物理的もしくは化学的(例えば、可溶性、凝集または安定性)な特性の操作が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、bG−CSFポリペプチドの生物学的な活性に必要なポリペプチドにおける位置は、点変異分析、アラニンスキャニング、飽和変異生成、および当該分野に公知の生物学的活性に関するスクリーニングもしくは相同性スキャニング法を用いて同定され得る。他の方法が使用されて、bG−CSFポリペプチドの修飾のための残基を同定し得る。当該方法としは、配列のプロファイリング、回転異性体ライブラリの選択、残基の対電位、およびProtein Design Automation(登録商標)技術を用いた合理的な設計が挙げられるが、これらに限定されない(参照によって本明細書に援用される米国特許第6,188,965号、米国特許第6,269,312号、米国特許第6,403,312号および国際公開第98/47089号を参照すればよい)。bG−CSFポリペプチドの生物活性にとって重要な残基、薬学的な安定性と関与している残基、抗体エピトープ、または受容体結合残基が変異され得る。参照によって本明細書に援用される米国特許第5,580,723号、米国特許第5,834,250号、米国特許第6,013,478号および米国特許第6,451,561号には、標的物質を用いてポリペプチドの活性に影響する活性ドメインを同定することによって、ポリペプチド(例えばbG−CSF)の構造および機能の葬式的な分析の方法について記載されている。G−CSFのアラニンスキャニング変異生成に関する研究について、Reidhaar-Olson JF et al., Biochemistry (1996) Jul 16;35(28):9034-41、 Young DC et al. Protein Sci. (1997) Jun;6(6):1228-36、および Layton et al. (1997) JBC 272(47):29735-29741に記載されている。アラニンスキャニング変異生成または相同性スキャニング変異生成によって生物学的な活性にとって重要であると同定された残基以外の残基は、ポリペプチドに求められている所望の活性に依存する天然にコードされていないアミノ酸を用いた置換にとって良好な候補であり得る。また代替的に、生物学的な活性に重要であると同定された部位は、ポリペプチドに求められている所望の活性に同じく依存する天然にコードされていないアミノ酸を用いた置換にとって良好な候補であり得る。他の代替法は、天然にコードされていないアミノ酸を用いた、ポリペプチド鎖における各位置における一連の置換体を単に作製し、ポリペプチドの活性に対する作用を観察することである。非天然アミノ酸を用いた任意のポリペプチドへの置換にとっての位置を選択する任意の手段、技術または方法が本発明における使用に好適であることは、当業者にとって容易に理解される。
また、欠失を含んでいるbG−CSFポリペプチドの変異体の構造および活性が試験されて、天然にコードされていないアミノ酸を用いた置換を許容し得るタンパク質の領域を決定し得る。類似の手法において、プロテアーゼ消化およびモノクローナル抗体が素養されて、受容体との結合を担うbG−CSFの領域を同定し得る。Layton et al. (2001) JBC 276 (39) 36779-36787には、hG−CSFおよびその受容体を用いた抗体の研究について記載されている。天然にコードされていないアミノ酸を用いた置換を許容し得る残基が排除されると、残り部分のそれぞれにおいて提案されている置換の影響が試験され得る。モデルは、他のCSFファミリーのメンバーおよびCSF受容体の三次元の結晶構造から生成され得る。Protein Data Bank(PDB、ワールドワイドウェブrcsb.orgにおいて利用可能である)は、タンパク質および核酸の多数の分子の三次元構造を含んでいる集中化されているデータベースである。三次元構造のデータが利用可能でない場合、ポリペプチドの二次元構造および三次元構造を調査するモデルが作成される。hG−CSFのX線結晶構造およびNMR構造は、PDB識別番号:1CD9、1PGR、1RHG、1GNCを用いてProtein Data Bankにおいて利用可能であり、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,581,476号および米国特許第5,790,421号に記載されている。したがって当業者は、天然にコードされていないアミノ酸を用いて置換され得るアミノ酸位置を容易に同定し得る。
いくつかの実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、当該ポリペプチドの構造を破壊しないタンパク質の領域に配置されている非天然に存在しているアミノ酸を1つ以上含んでいる。
天然にコードされていないアミノ酸の組込みの例示的な残基は、受容体結合領域として可能性のある領域から除外される残基、完全または部分的に溶媒に露出され得る残基、近傍の残基との水素結合相互作用を、最小に有しているか、もしくは有していない残基、近傍の反応性残基に対して最小に露出され得る残基、1つ以上の露出面であり得る残基、第2のbG−CSFまたは他の分子もしくはこれらの断片に対して並列されている(複数の)部位であり得る残基、受容体と結合するか、もしくは結合しないか、または他の生物学的に活性な分子と結合するか、もしくはしないと、bG−CSFの三次元構造、二次構造、三次構造もしくは四次構造によって予測されるような、柔軟性の高い領域もしくは構造的に堅固な領域にあり得る残基、または所望される完全な構造の柔軟性もしくは剛性を変化させることによって、bG−CSF自身または1つ以上のbG−CSFを含んでいる二量体もしくは多量体の立体構造を調節し得る残基である。
当業者は、そのようなbG−CSFの分析が、タンパク質の三次構造内に埋もれているアミノ酸残基と比べて表面に露出されているアミノ酸残基の決定を可能にすることを認識する。したがって、表面に露出されている残基であるアミノ酸を天然にコードされていないアミノ酸に置換することは、本発明の一実施形態である。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの以下の位置:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの以下の位置:配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸の3位、7位、11位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、98位、99位、123位、124位、125位、133位、134位、136位、141位、159位、166位、169位、170位、173位の1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの以下の位置:3位、7位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、99位、123位、124位、133位、134位、141位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの以下の位置:3位、7位、62位、133位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの以下の位置:62位、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せの1つ以上に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの62位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSFの133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)に組み込まれている。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、天然アミノ酸の置換、付加または欠失を1つ以上含んでいる。いくつかの実施形態において、1つ以上の非天然アミノ酸が、配列番号1、2または他のbG−CSFの配列に対してN末端またはC末端にあるリーダー配列またはシグナル配列に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSF(配列番号1)の1つ以上の位置に組み込まれており、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、ロイシン、トリプトファン、アラニン、システイン、アスパラギン、バリン、グリシン、セリン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、または天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、βアラニン、オルチニンなど)を包含していない。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSF(配列番号2)の1つ以上の位置に組み込まれており、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、ロイシン、トリプトファン、アラニン、システイン、アスパラギン、バリン、グリシン、セリン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、または天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、βアラニン、オルチニンなど)を包含していない。いくつかの実施形態において、配列番号1の133位または配列番号2における対応する位置に組み込まれているアミノ酸は、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、ロイシン、トリプトファン、アラニン、システイン、アスパラギン、バリン、グリシン、セリン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、または天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、βアラニン、オルチニンなど)以外のアミノ酸である。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSF(配列番号1)の1つ以上の位置にリボソームによって組み込まれており、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、ロイシン、トリプトファン、アラニン、システイン、アスパラギン、バリン、グリシン、セリン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、または天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、βアラニン、オルチニンなど)を包含していない。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、bG−CSF(配列番号2)の1つ以上の位置にリボソームによって組み込まれており、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、ロイシン、トリプトファン、アラニン、システイン、アスパラギン、バリン、グリシン、セリン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、または天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、βアラニン、オルチニンなど)を包含していない。いくつかの実施形態において、配列番号1の133位または配列番号2における対応する位置にリボソームによって組み込まれているアミノ酸は、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、フェニルアラニン、ロイシン、トリプトファン、アラニン、システイン、アスパラギン、バリン、グリシン、セリン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、または天然に存在している非タンパク質新生性のアミノ酸(例えば、βアラニン、オルチニンなど)以外のアミノ酸である。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSF(配列番号1)の1つ以上の位置に組み込まれており、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、内因性のRSによって認識されない(複数の)官能基を有している。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSF(配列番号2)の1つ以上の位置に組み込まれており、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、内因性のRSによって認識されない(複数の)官能基を有している。いくつかの実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、配列番号1の133位または配列番号2における対応する位置に組み込まれているアミノ酸を有しており、当該アミノ酸が内因性のRSによって認識されない(複数の)官能基を有している。いくつかの実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、配列番号1の133位または配列番号2における対応する位置に組み込まれているパラ−アセチルフェニルアラニンを有している。いくつかの実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、配列番号1の133位または配列番号2における対応する位置に組み込まれているパラ−アミノフェニルアラニンを有している。
いくつかの実施形態において、以下の位置の1つ以上における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。当該位置としては、1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、11位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、98位、99位、123位、124位、125位、133位、134位、136位、141位、159位、166位、169位、170位、173位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せ(限定されないが、これらが挙げられる)の1つ以上における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、99位、123位、124位、133位、134位、141位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せ(限定されないが、これらが挙げられる)の1つ以上における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、62位、133位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せ(限定されないが、これらが挙げられる)の1つ以上における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、以下の位置:62位、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびそれらの任意の組合せ(限定されないが、これらが挙げられる)の1つ以上における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、62位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)(限定されないが、これらが挙げられる)における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)(限定されないが、これらが挙げられる)における天然にコードされていないアミノ酸は、水溶性重合体と連結されている。いくつかの実施形態において、配列番号1、2または他のbG−CSFの配列に対してN末端またはC末端にあるリーダー配列またはシグナル配列における非天然に存在しているアミノ酸が、水溶性重合体と連結されている。
bG−CSFまたはbG−CSFファミリーの(複数の)メンバーの結晶構造の試験、およびG−CSF受容体との相互作用の試験によって、完全または部分的に溶媒と接触可能な側鎖を有しているアミノ酸残基を含んでいることが示され得る。これらの位置における天然にコードされていないアミノ酸の側鎖は、タンパク質の表面の外側および溶媒内に向かい得る。
多種多様な天然にコードされていないアミノ酸が、bG−CSFポリペプチド内の所定の位置のアミノ酸と置換され得るか、この所定の位置に組み込まれ得る。一般に、特定の天然にコードされていないアミノ酸は、(i)bG−CSF受容体をともなうbG−CSFポリペプチドの三次元結晶構造の調査、(ii)保存的置換(すなわち、アリールに基づく天然にコードされていないアミノ酸(p−アセチルフェニルアラニンまたはO−プロパルギルチロシンなど)をPhe、Tyr、またはTrpと置換すること)を優先させること、および(iii)bG−CSFポリペプチドに導入することが望まれる特異的な共役の化学的性質に基づいて組み込むために選択される(例えば、アルキン部分を有する水溶性重合体とのヒュイゲン[3+2]付加環化を引き起こしたい場合、4−アジドフェニルアラニンを導入する。また、アリールエステルを有しており、次いでホスフィン部分を組み込む水溶性重合体とアミド結合を形成したい場合、4−アジドフェニルアラニンを導入する)。
一実施形態において、本方法は、第1の反応性基を含んでいる非天然アミノ酸をタンパク質に組み込むこと、およびこのタンパク質を第2の反応性基を含んでいる分子と接触させることをさらに包含している。この分子としては、ヒドロキシアルキルスターチ(HAS)、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、標識、色素、重合体、水溶性重合体、ポリエチレングリコールの誘導体、光架橋剤、細胞毒性化合物、薬物、親和性標識、光親和性標識、反応性化合物、樹脂、もう1つのタンパク質もしくはポリペプチドもしくはポリペプチド類似物、抗体もしくは抗体断片、金属キレート剤、補助因子、脂肪酸、炭水化物、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、糖、水溶性デンドリマー、シクロデキストリン、アンチセンスポリヌクレオチド、抑制性リボ核酸、生体材料、ナノ粒子、スピン標識、蛍光団、金属を含有する部分、放射性部分、新規な官能基、他の分子と共有結合的または非共有結合的に相互作用する基、光ケージド(photocaged)部分、光異性化可能な部分、ビオチン、ビオチンの誘導体、ビオチン類似物、重原子を組み込みこんでいる部分、化学切断可能な基、光切断可能な基、延長された側鎖、炭素結合型の糖、酸化還元活性のある剤、アミノチオ酸、毒性部分、同位体によって標識された部分、生物物理学的なプローブ、燐光性の基、化学発光性の基、電子密度の高い基、磁性基、インターカレートする基、発色団、エネルギー転移剤、生物学的に活性な薬剤、検出可能な標識、小分子、量子ドット、ナノ伝達物質、放射性ヌクレオチド、放射性伝達物質、中性子捕捉物質または上述のものの任意の組合せ、あるいは他の所望の化合物または物質が挙げられる。第1の反応性基は、第2の反応性基と反応して、[3+2]付加環化を介して上記分子に上記非天然アミノ酸を付与する。一実施形態において、第1の反応性基はアルキニル部分またはアジド部分であり、第2の反応性基はアジド部分またはアルキニル部分である。例えば、第1の反応性基がアルキニル部分(非天然アミノ酸であるp−プロパルギルオキシフェニルアラニン内のアルキニル部分が挙げられる)であり、第2の反応性基はアジド部分である。他の例において、第1の反応性基はアジド部分(p−アジド−L−フェニルアラニン内のアジド部分が挙げられるが、これに限定されない)であり、第2の反応性基はアルキニル部分である。
いくつかの場合において、天然にコードされていないアミノ酸の置換は、bG−CSFポリペプチドの他の生物学的特色に影響を及ぼすために、bG−CSFポリペプチド内の他の付加、置換または欠失と組み合せられる。いくつかの場合において、他の付加、置換または欠失は、bG−CSFポリペプチドの安定性(タンパク質分解性の分解に対する体性が挙げられるが、これに限定されない)を増強し得るか、またはその受容体に対するbG−CSFの親和性を増強し得る。いくつかの場合において、他の付加、置換または欠失は、bG−CSFポリペプチドの薬学的な安定性を増強し得る。いくつかの場合において、他の付加、置換または欠失は、bG−CSFポリペプチドの生物学的な活性を増強し得る。いくつかの場合において、他の付加、置換または欠失は、bG−CSFポリペプチドの可溶性(E. coliまたは他の宿主細胞において発現される場合が挙げられるが、これらに限定されない)を増強し得る。いくつかの実施形態において、付加、置換または欠失は、E. coliまたは他の宿主細胞における発現の後におけるbG−CSFポリペプチドの可溶性を増強し得る。いくつかの実施形態において、E. coliまたは他の宿主細胞における発現の後におけるbG−CSFポリペプチドの可溶性を生じる非天然アミノ酸の組込みのための他の部位に加えて、天然にコードされていないアミノ酸を用いた置換のための部位が選択される。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、受容体、結合タンパク質もしくは会合するリガンドに対する親和性を調節するか、受容体との結合後におけるシグナル伝達を調節するか、循環半減期を調節するか、精製を容易にするか、または特定の投与経路を改善するか、または変更する他の付加、置換または欠失を含んでいる。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、その受容体に対するbG−CSFバリアントの親和性を増強する付加、置換または欠失を含んでいる。同様に、bG−CSFポリペプチドは、化学的または酵素的な切断配列、プロテアーゼ切断配列、反応性基、抗体結合ドメイン(FLAGまたはポリ−Hisが挙げられるが、これらに限定されない)もしくは他の親和性に基づく配列(FLAG、ポリ−His、GSTなど挙げられるが、これらに限定されない)、または連結分子(ビオチンが挙げられるが、これに限定されない)を含み得る。当該連結分子は、検出を向上させる分子(GFPが挙げられるが、これに限定されない)、精製、組織もしくは細胞膜を介した輸送、プロドラッグの放出もしくは活性化、bG−CSFのサイズの低下またはポリペプチドの他の特色を向上させる分子である。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の置換によってbG−CSFアンタゴニストが生成される。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸は、受容体結合に関与する領域において置換されているか、または付加されている。いくつかの実施形態において、bG−CSFアンタゴニストは、bG−CSFをアンタゴニストとして作用させる少なくとも1つの置換を含んでいる。いくつかの実施形態において、bG−CSFアンタゴニストは、水溶性重合体と連結されている天然にコードされていないアミノ酸を含んでおり、当該アミノ酸がbG−CSF分子の受容体結合領域に存在している。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の置換によってbG−CSFアンタゴニストが生成される。いくつかの実施形態において、bG−CSFアンタゴニストは、水溶性重合体と連結されている天然にコードされていないアミノ酸を含んでおり、当該アミノ酸がbG−CSF分子の受容体結合領域に存在している。
いくつかの場合において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のアミノ酸が、1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸を用いて置換される。いくつかの場合において、bG−CSFポリペプチドは、1つ以上の天然にコードされていないアミノ酸による天然に存在しているアミノ酸の、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の置換をさらに含んでいる。例えば、いくつかの実施形態において、bG−CSFにおける1つ以上の残基が、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上を用いて置換されている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、直鎖状または分枝鎖状のより低分子量の複数のPEGと連結されており、これによって単一のより高分子量のPEGと結合されている種と比べて、結合親和性を増強し、匹敵する血中半減期を実現する。
いくつかの実施形態において、bG−CSFの2つ以下の残基が天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上を用いて置換されている。
VII.非真核生物および真核生物における発現
クローニングされたbG−CSFポリヌクレオチドを高レベルに発現させるために、一般的に、本発明のbG−CSFポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、直接的に転写するための強力なプロモータ、転写/翻訳ターミネータを含んでいる、タンパク質をコードする核酸用であれば、翻訳開始用のリボソーム結合部位をさらに含んでいる発現ベクターにサブクローニングする。適切な細菌プロモータは、当業者に周知であり、Sambrook et alおよびAusubel et alにて説明されている。
本発明のbG−CSFポリペプチドの発現を目的とした細菌発現系は、例えばE. coli、Bacillus sp、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas putidaおよびSalmonellaにおいて利用可能であるが、これらに限定されない(Palva et al., Gene 22:229-235 (1983); Mosbach et al., Nature 302:543-545 (1983))。そのような発現系用のキットは市販されている。また、哺乳動物細胞、酵母、および昆虫細胞にとっての真核発現系は、当業者に周知であり、市販もされている。直交性のtRNAおよびアミノアシル化tRNA合成酵素(上述されている)を使用して、本発明のbG−CSFポリペプチドを発現する場合、発現用の宿主細胞は、直交性の構成要素を使用する該宿主細胞の能力に基づいて選択される。例示的な宿主細胞としては、グラム陽性細菌(B. brevis、B. subtiliまたはStreptomycesが挙げられるが、これらに限定されない)、およびグラム陰性細菌(E. coli、Pseudomonas fluoresceinsPsendomonas aeruginosa、Pscudomonas putida)だけでなく、酵母および他の真核細胞が挙げられる。O−tRNA/O−RSの対を含んでいる細胞は、本明細書に記載されているように使用され得る。
本発明の真核生物の宿主細胞、または非真核生物の宿主細胞は、非常に有用な量の非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質を合成する能力を有している。1つの局面において、組成物は、必要に応じて、少なくとも10マイクログラム、少なくとも50マイクログラム、少なくとも75マイクログラム、少なくとも100マイクログラム、少なくとも200マイクログラム、少なくとも250マイクログラム、少なくとも500マイクログラム、少なくとも1ミリグラム、少なくとも10ミリグラム、少なくとも100ミリグラム、少なくとも1グラム、もしくはそれ以上(これらに限定されない)の、非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質を含んでいるか、またはインビボにおけるタンパク質の製造方法(組換えタンパク質の製造および精製についての詳細が本明細書に与えられている)を用いて達成され得る量のタンパク質を含んでいる。他の局面において、タンパク質は、(これに限定されないが、1nL〜100Lまたはそれ以上などの任意の量の)細胞溶解液、緩衝液、薬学的緩衝液または他の液体懸濁液の中に、1リットルごとに少なくとも10マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも50マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも75マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも100マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも200マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも250マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも500マイクログラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも1ミリグラムのタンパク質、1リットルごとに少なくとも10ミリグラムのタンパク質、またはそれ以上の濃度(これらに限定されない)において、組成物中に必要に応じて存在する。少なくとも1つの非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質の真核細胞での大量生産(典型的に限定されないが、インビボにおける翻訳を含む他の方法を用いて可能な量よりも多い量が挙げられるが、これに限定されない)は、本発明の1つの特徴である。
本発明の真核生物の宿主細胞、または非真核生物の宿主細胞は、非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質を非常に有用な量で生合成する能力を備えている。例えば、非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質は、細胞抽出物、細胞溶解液、培地、および/または緩衝液などの中に、例えば、少なくとも10μg/リットル、少なくとも50μg/リットル、少なくとも75μg/リットル、少なくとも100μg/リットル、少なくとも200μg/リットル、少なくとも250μg/リットル、少なくとも500μg/リットル、少なくとも1mg/リットル、少なくとも2mg/リットル、少なくとも3mg/リットル、少なくとも4mg/リットル、少なくとも5mg/リットル、少なくとも6mg/リットル、少なくとも7mg/リットル、少なくとも8mg/リットル、少なくとも9mg/リットル、少なくとも10mg/リットル、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900mg/リットル、1g/リットル、5g/リットル、10g/リットル、またはそれ以上の濃度において、製造され得る。
bG−CSFの発現に好適なベクターの多くは市販されている。真核生物の宿主にとって好適な発現ベクターとしては、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルスおよびサイトメガロウイルスに由来する発現制御配列を含んでいるベクターが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなベクターとしては、pCDNA3.1(+)Hyg(Invitrogen、Carlsbad、CAlif., USA)、およびpCI−neo(Stratagene, La Jolla, Calif., USA)が挙げられる。細菌性のプラスミド(例えば、E. coli由来のプラスミド(pBR322、pET3aおよびpET12aが挙げられる))、広範な宿主範囲のプラスミド(例えば、RP4)、ファージDNA(例えば、ファージラムダの多くの誘導体(例えば、NM989))、および他のDNAファージ(例えば、M13および糸状の単鎖DNAファージ)が使用され得る。2μプラスミドおよびそれらの誘導体、POT1ベクター(参照によって本明細書に援用される米国特許第4,931,373号)、pJSO37ベクター(Okkels, Ann. New York Aced. Sci. 782, 202 207, 1996に記載されている)、ならびにpPICZ A、BまたはC(Invitrogen)が、酵母宿主細胞とともに使用され得る。昆虫細胞に関するベクターとしては、pVL941、pBG311(Cate et al., "Isolation of the Bovine and Human Genes for Mullerian Inhibiting Substance And Expression of the Human Gene In Animal Cells", Cell, 45, pp. 685 98 (1986))、pBlueback4.5およびpMelbac(Invitrogen、Carlsbad、CA)が挙げられる。
bG−CSFポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列は、シグナルペプチドをコードしている配列を含み得るか、または含み得ない。シグナルペプチドはポリペプチドが発現されている細胞から分泌される場合に存在する。そのようなシグナルペプチドは任意の配列であり得る。シグナルペプチドは原核生物性または原核生物性であり得る。Coloma, M (1992) J. Imm. Methods 152:89 104には、哺乳類細胞における使用のためのシグナルペプチド(マウスのIgκ軽鎖のシグナルペプチド)について記載されている。他のシグナルペプチドとしては、S. cerevisiae由来のα因子シグナルペプチド(参照によって本明細書に援用される米国特許第4,870.,008号)、マウスの唾液アミラーゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle et al., Nature 289, 1981, pp. 643-646)、修飾されているカルボキシペプチダーゼのシグナルペプチド(L. A. Valls et al., Cell 48,1987, pp. 887-897)、酵母のBAR1 シグナルペプチド(国際公開第87/02670号)、および酵母のアスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド(M.Egel-Mitani et al., Yeast 6, 1990, pp. 127-137を参照)が挙げられるが、これらに
限定されない。
好適な哺乳類の宿主細胞の例が当業者に知られている。そのような宿主細胞は、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)の細胞(例えば、CHO−KI;ATCC CCL−61)、緑ザルの細胞(COS)(例えば、COS1(ATCC CRL−1650)、COS7(ATCC CRL−1651))、新生児ハムスターの腎(BHK)細胞株(例えば、ATCC CRL−1632またはATCC CCL−10)、およびヒト細胞(例えば、HEK293(ATCC CRL−1573))。ならびに組織培養における植物細胞であり得る。これらの細胞株およびその他のものが、公的な受託機関(例えばATCC、Rockville、Md)から入手可能である。bG−CSFポリペプチドの向上した糖鎖付加を提供するために、哺乳類の宿主細胞が修飾されて、シアリルトランスフェラーゼ(例えば、1,6−シアリルトランスフェラーゼ(例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,047,335号に記載されている))を発現し得る。
哺乳類の宿主細胞に外因性のDNAを導入する方法としては、リン酸カルシウムを用いたトランスフェクション、エレクトロポレーション、DEAEデキストランを用いたトランスフェクション、リポソームを用いたトランスフェクション、ウイルスベクター、ならびにLipofectamin 2000を用いたLife Technologies Ltd、Paisley、UKによって説明されている方法およびFuGENE 6を用いたRoche Diagnostics Corporation、Indianapolis、USAによって説明されている方法が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法は、当該分野において公知であり、 Ausbel et al. (eds.), 1996, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, USAによって説明されている。哺乳類細胞の培養は、確立されている方法(例えば、Animal Cell Biotechnology, Methods andProtocols, Edited by Nigel Jenkins, 1999, Human Press Inc. Totowa, N.J., USA and Harrison Mass. and Rae IF, General Techniques of Cell Culture, Cambridge University Press 1997に記載されているような方法)にしたがって実施され得る。
1.発現系、培養および単離
任意の数の適切な発現系において、bG−CSFポリペプチドを発現させ得る。当該発現系としては、例えば、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞および細菌が挙げられる。典型的な発現系の例を以下に示す。
(酵母)
本明細書で用いられる場合、“酵母”という用語は、bG−CSFポリペプチドをコードする遺伝子を発現可能な、種々の酵母のいずれかを包含する。そのような酵母としては、限定されないが、子嚢胞子を生じる(ascosporogenous)酵母(エンドミセタレス(Endomycetales))、担子胞子を生じる(basidiosporogenous)酵母、および不完全真菌(ブラストミセス(Blastomycetes))の群に属する酵母などが挙げられるが、これらに限定されない。子嚢胞子を生じる酵母は、2のファミリー(SpermophthoraceaeおよびSaccharomycetaceae)に分けられる。後者は、4のサブファミリー(Schizosaccharomycoideae(Schizosaccharomyces属など)、Nadsonioideae、Lipomycoideae、およびSaccharomycoideae(Pichia属、Kluyveromyces属およびSaccharomyces属など))から構成されている。担子胞子を生じる酵母としては、Leucosporidium属、Rhodosporidium属、Sporidiobolus属、Filobasidium属およびgenus Filobasidiella属が挙げられる。不完全真菌(ブラストミセテス)の群に属する酵母は、2のファミリー(Sporobolomycetaceae(Sporobolomyces属およびBullera属など)およびCryptococcaceae(Candida属など))に分けられる。
本発明と一緒に使用するための特に所定のものとして、Pichia属、Kluyveromyces属、Saccharomyces属、Schizosaccharomyces属、Hansenula属、Torulopsis属およびCandida属に含まれる種であり、P. pastoris、P. guillerimondii、S. cerevisiae、S. carlsbergensis、S. diastaticus、S. douglasii、S. kluyveri、S. norbensis、S. oviformis、K. lactis、K. fragilis、C. albicans、C. maltosa、およびH. polymorphaが挙げられるが、これらに限定されない。
bG−CSFポリペプチドの発現に好適な酵母の選択は、当業者の技術範囲にある。発現用の酵母宿主の選択において、好適な宿主としては、例えば、良好な分泌能、低いタンパク質分解活性、良好な分泌能、良好な可溶化タンパク質産生、および総合的な強健さを有することが示されている酵母が挙げられ得る。酵母は、一般的に種々の供給源から入手でき、カリフォルニア大学生物物理学および医学物理学分野(Department of Biophysicsand Medical Physics, University of California)のYeast Genetic Stock Center (Berkeley、CA)、およびthe American Type Culture Collection(“ATCC”)(Manassas、VA)などから入手できるが、これらに限定されない。
“酵母宿主”または“酵母宿主細胞”という用語は、組換えベクターまたは他のトランスファーDNAの受容物として使用し得るか、または使用されている酵母を含む。この用語は、組換えベクターまたは他のトランスファーDNAを受け容れている元々の酵母宿主細胞の子孫を含んでいる。1つの親細胞の子孫が、形態において、またはゲノムDNAもしくは全DNAの補体(complement)において、偶発的な突然変異、もしくは計画的な突然変異に起因して、元々の親細胞と必ずしも完全に一致しなくてもよいことが理解される。関連する性質(例えば、bG−CSFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在)により特徴付けられる親細胞と十分に類似する、親細胞の子孫は、この定義によって意図される子孫に含まれる。
発現ベクターおよび形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組込みベクターが挙げられる)は、多くの酵母宿主を形質転換するために開発されている。例えば、S. cerevisiae(Sikorski et al, GENETICS (1989) 122:19、Ito et al, J. BACTERIOL. (1983) 153:163、Hinnen et al, PROC. NATL. ACAD. SCI. USA (1978) 75:1929)、C. albicans(Kurtz et al, MOL. CELL. BIOL. (1986) 6:142)、C. albicans(Kunze et al, J. BASICMICROBIOL. (1985) 25:141)、H. polymorpha(Gleeson et al, J. GEN. MICROBIOL. (1986) 132:3459、Roggenkamp et al, MOL. GENETICS AND GENOMICS (1986) 202:302)、K.fragilis(Das et al, J. BACTERIOL. (1984) 158:1165)、K. lactis(De Louvencourt et al, J. BACTERIOL. (1983) 154:737、Van den Berg et al, BIOTECHNOLOGY (NY) (1990) 8:135)、P. guillerimondii(Kunze et al, J. BASIC MICROBIOL. (1985) 25:141)、P. pastoris(米国特許第5,324,639号、米国特許第4,929,555号、および米国特許第4,837,148号、Cregg et al, MOL. CELL. BIOL. (1985) 5:3376、Schizosaccharomyces pombe(Beach et al, NATURE (1982) 300:706)、およびY. lipolytica、A. nidulans(Balance et al, BIOCHEM. BIOPHYS. RES. COMMUN. (1983) 112:284-89、Tilburn et al, GENE (1983) 26:205-221、およびYelton et al, PROC. NATL. ACAD. SCI. USA (1984) 81:1470-74)、A. niger(Kelly and Hynes, EMBO J. (1985) 4:475479
)、T. reesia(欧州特許出願公開第0244234号)、および糸状菌(例えば、Neurospora、Penicillium、Tolypocladium(国際公開第91/00357号)など)、のための発現ベクターが開発されている。なお、各文献は、参照によって本明細書に援用される。
酵母ベクター用の制御配列は、当業者に周知であり、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(欧州特許出願公開第0284044号)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6リン酸イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸−デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(欧州特許出願公開第0329203号)といった遺伝子に由来するプロモータ領域などが挙げられるが、これに限定されない。また、酸性ホスファターゼをコードしている酵母のPHO5遺伝子は、有用なプロモータ配列を提供し得る(Miyanohara et al, PROC. NATL. ACAD. SCI. USA (1983) 80:1)。酵母宿主との使用に適切な他のプロモータ配列としては、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman et al, J. BIOL. CHEM. (1980) 255:12073)、および他の解糖系の酵素(例えば、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、およびホスホグルコースイソメラーゼ(例えば、Holland et al, BIOCHEMISTRY (1978) 17:4900、Hess et al, J. ADV. ENZYME REG. (1969) 7:149)が挙げられ得る。増殖条件によって制御される転写のさらなる利点を有している、酵母の誘導性プロモータとしては、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、ならびにマルトースおよびガラクトースの利用を担う酵素にとってのプロモータ領域が挙げられ得る。酵母発現における使用に適切なベクターおよびプロモータが、欧州特許出願公開第0073657号に、さらに記載されている。
また、酵母エンハンサーを、酵母プロモータと共に用いてもよい。さらに、合成プロモータもまた、酵母プロモータとして機能し得る。例えば、酵母プロモータの上流活性化配列(UAS)を別の酵母プロモータの転写活性化領域につないで、合成混成プロモータを作製し得る。混成プロモータとしては、例えば、GAPの転写活性化領域に連結されたADH調節配列が挙げられる。米国特許第4,880,734号、および米国特許第4,876,197号を参照すればよく、これらの文献は参照によって本明細書に援用される。混成プロモータの他の例としては、解糖系酵素の遺伝子(例えば、GAPまたはPyK)の転写活性化領域と組み合せたADH2、GAL4、GAL10、またはPHO5の遺伝子の調節配列からなるプロモータが挙げられる。欧州特許出願公開0164556号を参照すればよい。さらに、酵母プロモータは、酵母のRNAポリメラーゼとの結合能および転写開始能を有している、非酵母由来の天然に存在するプロモータを含み得る。
酵母発現ベクターの一部を構成し得る他の制御要素としては、例えば、GAPDHまたはエノラーゼ遺伝子に由来するターミネータ(Holland et al, J. BlOL. CHEM. (1981) 256:1385)が挙げられる。さらに、2μプラスミドの起点に由来する複製起点は、酵母にとって適切である。酵母に使用するための適切な選択遺伝子は、酵母プラスミドに存在するtrp1遺伝子である。Tschumper et al, GENE (1980) 10:157、Kingsman et al, GENE (1979) 7:141を参照すればよい。trp1遺伝子は、トリプトファン存在下において増殖能を欠如している酵母の突然変異株に対する選択マーカーを提供する。同様にLeu2欠損酵母株(ATCC20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を有する公知のプラスミドにより補完される。
外因性DNAを酵母宿主に導入する方法は、当業者に周知の技術であり、通常、アルカリ性陽イオンを用いて処理された天然の酵母宿主細胞またはスフェロプラストのいずれかの形質転換が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、酵母の形質転換は、Hsiao et al, PROC. NATL. ACAD. SCI. USA (1979) 76:3829およびVan Solingen et al, J. BACT. (1977) 130:946に記載の方法にしたがって、実施され得る。しかし、また、例えば、核注入、エレクトロポレーションまたは原形質融合によってDNAを細胞に導入する他の方法も、SAMBROOK et al, MOLECULAR CLONING: A LAB. MANUAL (2001)に通常に記載されているように、使用され得る。次いで、酵母宿主細胞を当業者に公知の標準技術を用いて培養してもよい。
酵母宿主細胞において異種タンパク質を発現させる他の方法は、当業者に公知の技術である。一般的に、米国特許出願公開第2002/0055169号、米国特許第6,361,969号、米国特許第6,312,923号、米国特許第6,183,985号、米国特許第6,083,723号、米国特許第6,017,731号、米国特許第5,674,706号、米国特許第5,629,203号、米国特許第5,602,034号、および米国特許第5,089,398号、米国再発行特許発明第RE37,343号、および米国再発行特許発明第RE35,749号、国際公開第99/07862号、国際公開第98/37208号、および国際公開第98/26080号、欧州特許出願公開第0946736号、欧州特許出願公開第0732403号、欧州特許出願公開第0480480号、国際公開第90/10277号、欧州特許出願公開第0340986号、欧州特許出願公開第0329203号、欧州特許出願公開第0324274号、および欧州特許出願公開第0164556明細書を参照すればよい。また、Gellissen et al, ANTONIE VANLEEUWENHOEK (1992) 62(1-2):79-93、Romanos et al, YEAST (1992) 8(6):423-488、Goeddel, METHODS IN ENZYMOLOGY (1990) 185:3-7を参照すればよい。上記文献は、参照によって本明細書に援用される。
酵母宿主株は、当業者に周知である標準の給飼バッチ発酵方法(feed batch fermentation method)を用いて、増幅段階の間に発酵槽において増殖されてもよい。上記発酵方法は、特定の酵母宿主の炭素利用経路、または発現制御の様式の差異に起因して、適合され得る。例えば、サッカロミセス酵母宿主の発酵は、1つのグルコース飼料、複合的な窒素源(カゼイン加水分解物など)、および複数のビタミン補助物を必要とし得る。これに対して、メチロトローフ酵母であるP. pastorisは、グリセロール、メタノール、および微量の無機化合物飼料を必要とし得、最適な増殖および発現については単純なアンモニウム(窒素)塩だけを必要とする。例えば、米国特許第5,324,639号、Elliott et al, J. PROTEIN CHEM. (1990) 9:95、およびFieschko et al, BIOTECH. BIOENG. (1987) 29:1113を参照すればよい。なお、これら文献は、参照によって本明細書に援用される。
しかし、上記発酵方法は、用いられる酵母宿主株とは無関係な特定の共通の特徴を有していてもよい。例えば、成長限界栄養素(通常は炭素)を発酵槽に増幅段階の間に添加して、最大限の成長を可能にし得る。さらに、発酵方法は、一般的に、十分な量の炭素、窒素、基本塩、リンおよび他の微量栄養素(ビタミン、微量無機物、および塩など)を含むように調製された発酵培地を用い得る。ピチアと一緒に使用するに適切な発酵培地の例が、米国特許第5,324,639号、および米国特許第5,231,178号に記載されている。なお、これら文献は、参照によって本明細書に援用される。
(バキュロウイルス感染昆虫細胞)
“昆虫宿主”または“昆虫宿主細胞”という用語は、組換えベクターまたは他のトランスファーDNAの受容物として使用し得るか、または使用されている昆虫をいう。この用語は、トランスフェクトされた元々の昆虫宿主細胞の子孫を包含する。1つの親細胞の子孫が、形態において、またはゲノムDNAもしくは全DNAの補体において、偶発的な突然変異、もしくは計画的な突然変異に起因して、元々の親細胞と必ずしも完全に一致していなくてもよいことは理解される。関連する性質により特徴付けられる親細胞と十分に類似する親細胞の子孫は、この定義によって意図される子孫に含まれる。ここで、関連する性質は、例えば、bG−CSFポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列の存在である。
bG−CSFポリペプチドの発現に好適な昆虫細胞の選択は、当業者に周知である。いくつかの昆虫種は、当該分野において十分に説明されており、例えば、市販されているAedes aegypti、Bombyx mori、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperda、およびTrichoplusia niが挙げられる。発現用の昆虫宿主の選択において、適切な宿主としては、特に、良好な分泌能、低いタンパク質分解活性、および総合的な強健さを有することが示されている宿主が挙げられ得る。昆虫は、Insect Genetic Stock Center, Department of Biophysics and Medical Physics, University of California (Berkeley、CA)、およびthe American Type Culture Collection (“ATCC”) (Manassas、VA)を含む、種々の供給源から通常に入手することができるが、これらに限定されない。
一般的に、バキュロウイルス−感染昆虫の発現系の構成要素は、バキュロウイルスのゲノム断片、および発現される異種遺伝子の挿入に便利な制限酵素認識部位の両方を含んでいるトランスファーベクター(普通は細菌のプラスミド);当該トランスファーベクターにおけるバキュロウイルスに特異的な断片に対して、相同な配列を有している(これにより、バキュロウイルスゲノムに対する異種遺伝子の相同組換えが可能になる)野生型バキュロウイルス;ならびに適切な昆虫宿主細胞および増殖培地を含んでいる。ベクターの構築、細胞のトランスフェクション、プラークの選択、または培養における細胞の増殖などに用いられる材料、方法および技術は公知であり、これらの技術が記載されている手引書が利用可能である。
異種遺伝子をトランスファーベクターに挿入した後に、このベクターおよび野生型ウイルスゲノムを、ベクターとウイルスゲノムとが組換えを起こす昆虫宿主細胞にトランスフェクションする。パッケージングされた組換えウイルスが発現され、組換え体のプラークが同定および精製される。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系にとっての材料および方法は、例えば、Invitrogen Corp(Carlsbad、CA)が提供している、キットの様式において市販されている。これらの技術は、一般的に当業者に公知であり、SUMMERS AND SMITH, TEXAS AGRICULTURAL EXPERIMENT STATION BULLETIN NO. 1555 (1987)に十分に記載されている。なお、この文献は、参照によって本明細書に援用される。また、RICHARDSON, 39 METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY: BACULOVIRUS EXPRESSION PROTOCOLS (1995); AUSUBEL ETAL., CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY 16.9-16.11 (1994); KING AND POSSEE,THE BACULOVIRUS SYSTEM: A LABORATORY GUIDE (1992); および O’REILLY ET AL., BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS: A LABORATORY MANUAL (1992)を参照すればよい。
バキュロウイルス/昆虫細胞発現系を用いた、種々の異種タンパク質の製造は、当業者にとって周知である。例えば、米国特許出願第6,368,825号、米国特許出願第6,342,216号、米国特許出願第6,338,846号、米国特許出願第6,261,805号、米国特許出願第6,245,528号、米国特許出願第6,225,060号、米国特許出願第6,183,987号、米国特許出願第6,168,932号、米国特許出願第6,126,944号、米国特許出願第6,096,304号、米国特許出願第6,013,433号、米国特許出願第5,965,393号、米国特許出願第5,939,285号、米国特許出願第5,891,676号、米国特許出願第5,871,986号、米国特許出願第5,861,279号、米国特許出願第5,858,368号、米国特許出願第5,843,733号、米国特許出願第5,762,939号、米国特許出願第5,753,220号、米国特許出願第5,605,827号、米国特許出願第5,583,023号、米国特許出願第5,571,709号、米国特許出願第5,516,657号、米国特許出願第5,290,686号、国際公開第02/06305号、国際公開第01/90390号、国際公開第01/27301号、国際公開第01/05956号、国際公開第00/55345号、国際公開第00/20032号、国際公開第99/51721号、国際公開第99/45130号、国際公開第99/31257号、国際公開第99/10515号、国際公開第99/09193号、国際公開第97/26332号、国際公開第96/29400号、国際公開第96/25496号、国際公開第96/06161号、国際公開第95/20672号、国際公開第93/03173号、国際公開第92/16619号、国際公開第92/02628号、国際公開第92/01801号、国際公開第90/14428号、国際公開第90/10078号、国際公開第90/02566号、国際公開第90/02186号、国際公開第90/01556号、国際公開第89/01038号、国際公開第89/01037号、国際公開第88/07082号を参照すればよく、これらの各文献は、参照によって本明細書に援用される。
バキュロウイルス/昆虫細胞の発現系に有用なベクターは公知であり、例えば、バキュロウイルスのAutographacalifornica核多角体ウイルス(AcNPV)に由来する、ヘルパー非依存性のウイルス発現ベクターである昆虫の発現およびトランスファーベクターを包含する。この系に由来するウイルス発現ベクターは、一般的に、異種遺伝子の発現を誘導するために、ウイルスの強力なポリヘドリン遺伝子プロモータを使用する。一般的には、O’Reilly ET AL., BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS:A LABORATORY MANUAL(1992)を参照すればよい。
外来の遺伝子をバキュロウイルスのゲノムに挿入する前に、上記構成要素(プロモータ、リーダー(必要に応じて)、目的のコード配列、および転写終結配列を含んでいる)は、集合して中間トランス配列コンストラクト(intermediate transplacement construct)(トランスファーベクター)を構築する。中間トランス配列コンストラクトは、レプリコンにおいてしばしば維持される。このレプリコンは、例えば、細菌などの宿主において安定な維持が可能な染色体外エレメント(例えば、プラスミド)といったものである。レプリコンは複製系を有し、このため、クローニングおよび増幅に適切な宿主における当該レプリコンの維持を可能にする。より具体的には、プラスミドは、ポリヘドリンポリアデニル化シグナル(Miller, ANN. REV. MICROBIOL. (1988) 42:177)およびE. coliにおける選択および増殖に関する、原核生物のアンピシリン耐性(amp)遺伝子と複製起点とを含み得る。
AcNPVへ外来遺伝子を導入するために一般的に使用されるトランスファーベクターの1つは、pAc373である。当業者に公知である他の多くのベクターもまた設計されており、例えば、これらとしてはpVL985が挙げられる。このベクターでは、ポリヘドリン開始コドンがATGからATTに変えられ、ATTの下流の32塩基対にBamHIクローニング部位が導入されている(Luckow and Summers, VIROLOGY 170:31 (1989)を参照すればよい)。他の市販されているベクターとしては、例えば、PBlueBac4.5/V5−His、pBlueBacHis2、pMelBac、pBlueBac4.5(Invitrogen Corp、Carlsbad、CA)が挙げられる。
異種遺伝子を挿入した後に、トランスファーベクターおよび野生型バキュロウイルスのゲノムを、昆虫細胞宿主に同時トランスフェクションする。異種DNAをバキュロウイルスの所望の部位に導入するための方法は公知である。SUMMERS AND SMITH, TEXAS AGRICULTURAL EXPERIMENT STATION BULLETIN NO. 1555 (1987); Smith et al., MOL. CELL. BIOL. (1983) 3:2156; Luckow and Summers, VIROLOGY (1989) 170:31を参照すればよい。例えば、二重交差型相同組換えによって、ポリへドリン遺伝子などの遺伝子に挿入し得る。また、所望のバキュロウイルス遺伝子中に設けられた、制限酵素認識部位に挿入してもよい。Miller et al., BIOESSAYS (1989) 11(4):91を参照すればよい。
トランスフェクションを、エレクトロポレーションにより達成してもよい。TROTTER AND WOOD, 39 METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (1995)、Mann and King, J. GEN. VIROL. (1989) 70:3501を参照すればよい。代替可能に、リポソームを使用して、組換え発現ベクターとバキュロウイルスとを用いて昆虫細胞をトランスフェクションし得る。例えば、Liebman et al., BIOTECHNIQUES (1999) 26(1):36、Graves et al, BIOCHEMISTRY (1998) 37:6050、Nomura et al, J. BIOL. CHEM. (1998) 273(22): 13570、Schmidt et al, PROTEINEXPRESSION AND PURIFICATION (1998) 12:323、Siffert et al, NATURE GENETICS (1998) 18:45、TILKINS et al, CELL BIOLOGY: A LABORATORY HANDBOOK 145-154 (1998) 、Caiet al, PROTEIN EXPRESSION AND PURIFICATION (1997) 10:263、Dolphin et al, NATURE
GENETICS (1997) 17:491、Kost et al, GENE (1997) 190:139、Jakobsson et al, J. BlOL. CHEM. (1996) 271:22203、Rowles et al, J. BIOL. CHEM. (1996) 271(37): 22376、Reverey et al, J. BIOL. CHEM. (1996) 271(39) :23607- 10、Stanley et al, J. BlOL.CHEM. (1995) 270:4121、Sisk et al, J. VlROL. (1994) 68(2):766、およびPeng et al, BIOTECHNIQUES (1993) 14(2):274を参照すればよい。市販されているリポソームとしては、例えば、Cellfectin(登録商標)、およびLipofectin(登録商標)(Invitrogen Corp、Carlsbad、CA)が挙げられる。また、リン酸カルシウムトランスフェクションを用い
てもよい。TROTTER AND WOOD, 39 METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (1995)、Kitts, NAR (1990) 18(19):5667、およびMann and King, J. GEN. VIROL. (1989) 70:3501を参照すればよい。
バキュロウイルス発現ベクターは、たいていは、バキュロウイルスプロモーターを含んでいる。バキュロウイルスプロモーターは、バキュロウイルスのRNAポリメラーゼが結合でき、コード配列(例えば、構造遺伝子)をmRNAへと下流(3’)へ転写開始する任意のDNA配列である。プロモーターは、たいていはコード配列の5’末端近傍に配置される転写開始領域を有している。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位と転写開始部位とを含んでいる。また、バキュロウイルスのプロモーターは、エンハンサーと呼ばれる2次ドメインを有していてもよい。この2次ドメインは、存在する場合、構造遺伝子から遠位に存在し得る。また、発現は、調節されてもよいし、恒常的であってもよい。
感染サイクルの後期に多量に転写される構造遺伝子は、特に有用なプロモーター配列を提供する。有用なプロモーター配列の例としては、ウイルスポリヘドリンタンパク質をコードする遺伝子由来の配列(FRIESEN ET AL., The Regulation of Baculovirus Gene Expression in THE MOLECULAR BIOLOGY OF BACULOVIRUSES (1986)、欧州特許出願公開第0127839号、および欧州特許出願公開第0155476号)、およびp10タンパク質をコードする遺伝子由来の配列(Vlak et al., J. GEN. VIROL. (1988) 69:765)が挙げられる。
新しく形成されたバキュロウイルス発現ベクターは、感染性の組換えバキュロウイルスにパッケージングされる。その後、成長したプラークが当業者に公知の方法により精製され得る。Miller et al, BIOESSAYS (1989) 11(4):91、SUMMERS AND SMITH, TEXAS AGRICULTURAL EXPERIMENT STATION BULLETIN NO. 1555 (1987)を参照すればよい。
組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞へ感染させるために開発されている。例えば、とりわけAedea aegypti(ATCC番号CCL−125)、Bombyx mori(ATCC番号CRL−8910)、Drosophila melanogaster(ATCC番号1963)、Spodoptera frugiperdaおよびTrichoplusia niのための組換えバキュロウイルスが開発されている。Wright, NATURE (1986) 321:718、Carbonell et al, J. VlROL. (1985) 56:153、Smith et al, MOL. CELL. BIOL. (1983) 3:2156を参照すればよい。一般的には、Fraser et al, IN VITRO CELL. DEV. BIOL (1989) 25:225を参照すればよい。より具体的には、バキュロウイルス発現ベクターの系に用いられる細胞株としては、通常、Sf9(Spodoptera frugiperda(ATCC番号CRL−1711)、Sf21(Spodoptera frugiperda)(Invitrogen Corp、カタログ番号11497−013(Carlsbad、CA))、Tri−368(Trichoplusia ni)、およびHigh-Five(登録商標)、BTI−TN−5B1−4(Trichoplusia ni)が挙げられるが、これらに限定されない。
バキュロウイルス/発現における異種ポリペプチドの直接発現および融合発現の両方にとっての細胞および培地は、市販されている。また、細胞培養技術は、当業者に公知である。
(E. Coli、Pseudomonas種および他の原核生物)
細菌における発現技術は、当業者に公知である。多種多様なベクターが、細菌宿主における使用に利用可能である。これらのベクターは、1コピーベクター、またはコピー数が少ない多コピー型ベクター(low multicopy vectors)もしくはコピー数が多い多コピー型ベクター(high multicopy vectors)であり得る。ベクターは、クローニングおよび/または発現に役立ち得る。ベクターに関する豊富な文献、多くの市販のベクター、ならびにベクターとその制限酵素地図とその特徴とについて記載している手引書を考慮すれば、本明細書では、これ以上論じる必要は無い。よく知られているように、ベクターは、通常は選択を可能にするマーカーを含んでいる。このマーカーは、細胞毒性剤への耐性、原栄養性、または免疫を提供し得るものである。しばしば、異なる特徴を提供する複数のマーカーが存在する。
細菌プロモータは、細菌のRNAポリメラーゼと結合可能であり、コード配列(例えば、構造遺伝子)をmRNAへと下流(3’)へ転写開始できる任意のDNA配列である。プロモータは、コード配列の5’末端近傍に通常、配置される転写開始領域を有している。この転写開始領域は、典型的に、RNAポリメラーゼ結合部位と転写開始部位とを含んでいる。また、細菌プロモータは、オペレーターと呼ばれる2次ドメインを有していてもよい。この2次ドメインは、RNA合成が始まる隣接したRNAポリメラーゼ結合部位と重複してもよい。遺伝子リプレッサータンパク質が、オペレーターに結合することにより、特定の遺伝子の転写を阻害し得るように、オペレーターは、負に調節される(誘導性の)転写を可能にする。恒常的発現は、負の調節エレメント(オペレーターなど)が無いときに起こり得る。さらに、正の調節が、遺伝子アクチベータータンパク質の結合配列によりもたらされ得る。該結合配列は、存在する場合は、通常、RNAポリメラーゼ結合配列よりも遠位(5’)に存在する。遺伝子アクチベータータンパク質としては、例えば、カタボライト活性化タンパク質(CAP)が挙げられる。このCAPは、Escherichia coli(E. coli)のlacオペロンの転写開始を助ける(Raibaud et al, ANNU. REV. GENET. (1984) 18:173)。したがって、調節された発現は、正または負のいずれかであってもよく、これによって転写を増強または低減させ得る。
代謝経路の酵素をコードしている配列は、特に有用なプロモータ配列を提供する。このプロモーター配列としては、例えば、ガラクトース、ラクトース(lac)(Chang et al, NATURE (1977) 198:1056)、およびマルトースなどの糖代謝酵素に由来するプロモータ配列が挙げられる。さらなる例としては、トリプトファン(trp)などの生合成酵素に由来するプロモータ配列が挙げられる(Goeddel et al, Nuc. ACIDS RES. (1980) 8:4057、Yelverton et al, NUCL. ACIDS RES. (1981) 9:731、米国特許第4,738,921号、欧州公開第036776号、欧州公開第121775号)。なお、これら文献は参照によって本明細書に援用される。また、β−ガラクトシダーゼ(bla)のプロモータ系(Weissmann (1981) “The cloning of interferon and other mistakes.” In Interferon 3 (Ed. I. Gresser) )、バクテリオファージ ラムダのPL(Shimatake et al, NATURE (1981) 292:128) 、およびT5(米国特許第4,689,406号)のプロモータ系も、有用なプロモータ配列を提供する(なお、これら文献は参照によって本明細書に援用される)。本発明の好ましい方法は、bG−CSFポリペプチドを高レベルに誘導するためのT7プロモータなどの強力なプロモータを利用する。そのようなベクターの例は、当業者に周知であり、pET29のシリーズ(Novagen)、および国際公開第99/05297号に記載のpPOPベクターなどが挙げられる(なお、上記文献は参照によって本明細書に援用される)。そのような発現系は、宿主細胞の生存能力または増殖パラメータに支障をきたすことなく、宿主において、bG−CSFポリペプチドを高レベルに産生する。
また、天然に存在しない合成プロモータも、細菌プロモータとして機能する。例えば、ある細菌またはバクテリオファージのプロモータの転写活性化配列を、別の細菌またはバクテリオファージのプロモータのオペロン配列に結合して、合成混成プロモータを作製してもよい(米国特許第4,551,433号(なお、この文献は参照によって本明細書に援用される))。例えば、tacプロモータは、trpプロモータ配列と、lacリプレッサーにより調節されるlacオペロン配列とを含んでいる混成のtrp−lacプロモータである(Amann et al, GENE (1983) 25:167、de Boer et al, PROC. NATL. ACAD. SCI. (1983) 80:21)。さらに、細菌プロモータは、細菌のRNAポリメラーゼとの結合能、および転写開始能を有する非細菌起源の天然に存在するプロモータを含み得る。また、非細菌起源の天然に存在するプロモータを、適合するRNAポリメラーゼに結合させることによって、原核生物にていくつかの遺伝子を高レベルに発現させ得る。バクテリオファージのT7RNAポリメラーゼ/プロモータ系は、共役型プロモータ系の例である(Studier et al, J. MOL. BIOL. (1986) 189:113、Tabor et al, Proc Natl. Acad. Sci. (1985) 82:1074)。さらに、混成プロモータは、バクテリオファージプロモータと、E. coliのオペレータ領域とを含み得る(欧州公開第267851号)。
また、機能性プロモータ配列に加えて、効率的なリボソーム結合部位が、外来遺伝子を原核細胞において発現させるために有効である。E. coliにおいて、リボソーム結合部位は、シャイン−ダルガルノ(SD)配列と呼ばれ、開始コドン(ATG)と、該開始コドンから3〜11ヌクレオチド上流に位置した、3〜9の長さのヌクレオチドの配列とを含んでいる(Shine et al, NATURE (1975) 254:34)。SD配列は、SD配列とE. coliの16S rRNAの3’との間において塩基対を形成することにより、mRNAとリボソームとの結合を促進すると考えられている(Steitz et al “Genetic signals and nucleotide sequences in messenger RNA”, In Biological Regulation and Development: GeneExpression (Ed. R. F. Goldberger, 1979))。真核性遺伝子および原核性遺伝子を、弱いリボソーム結合部位により発現すること(Sambrook et al Expression of cloned genes in Escherichia coli, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 1989)。
“細菌宿主”または“細菌宿主細胞”という用語は、組換えベクターまたは他のトランスファーDNAにとっての受容物として使用され得るか、または使用されている細菌のことをいう。この用語は、トランスフェクションされている元々の細菌宿主細胞の子孫を含む。1つの親細胞の子孫が、形態、ゲノムDNAまたは全DNAの補体において、偶発的な突然変異、または計画的な突然変異に起因して、元々の親細胞と必ずしも完全に一致していなくてもよいことは理解される。関連する性質(例えば、bG−CSFポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在)により特徴付けられる親細胞と十分に類似する、親細胞の子孫は、この定義によって意図される子孫に含まれる。
bG−CSFポリペプチドの発現に適切な細菌宿主の選択は、当業者に周知である。発現のための細菌宿主の選択において、適切な宿主としては、取り分け、良好な封入体形成能、低いタンパク質分解活性、および全体的に強健さを有することが示されている宿主が挙げられ得る。細菌宿主は、一般的に、種々の供給源から入手することができ、例えば、Bacterial Genetic Stock Center, Department of Biophysics and Medical Physics, University of California (Berkeley、CA)、およびthe American Type Culture Collection (“ATCC”) (Manassas、VA)から入手することができるが、これらに限定されない。K株に由来する細菌(W3110など)、またはB株に由来する細菌(BL21など)が、一般的に産業的/製薬的な発酵に用いられる。これらの株は、増殖パラメータが、極めてよく知られており、強健であるから特に有用である。さらに、これらの株は非病原性であり、このことは安全性および環境的理由にとって商業的に重要である。適切なE. coli宿主の例としては、BL21、DH10B、またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法の別の一実施形態において、E. coli宿主は、プロテアーゼが欠失した株(OMP−、およびLON−が挙げられるが、これらに限定されない)である。宿主細胞株は、シュードモナス種(Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas aeruginosaおよびPseudomonas putida)が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。MB101株と命名されたPseudomonas fluorescensの1つの次亜種は、組換体の生成に有用であると知られており、宿主株として治療用タンパク質の製造過程に利用可能である。シュードモナス発現系の例としては、The Dow Chemical Companyから入手可能である系が挙げられる(Midland、MI(ワールドワイドウェブのdow.comにおいて利用できる))。
組換え宿主細胞株が、確立されれば(すなわち、発現コンストラクトが、宿主細胞に導入され、適切な発現コンストラクトを有する宿主細胞が単離されれば)、当該組換え宿主細胞株が、bG−CSFポリペプチドの産生に適切な条件下において培養される。当業者にとって明らかなように、組換え宿主細胞株の培養方法は、利用される発現コンストラクトの性質、および宿主細胞の個性に依存する。組換え宿主株は、一般に、当業者に周知の方法を用いて培養される。組換え宿主細胞は、通常、炭素、窒素および無機塩の吸収可能な供給源を含んでおり、任意にビタミン、アミノ酸、増殖因子、および当業者にとって周知の他のタンパク質性の培養補助物を含んでいる液体培養基において一般的に培養される。また、宿主細胞を培養するための液体培養基は、望まない微生物および/または化合物の増殖を阻害するための抗生物質、または抗真菌剤(発現ベクターを含む宿主細胞を選択するための抗生物質が挙げられるが、これに限定されない)を任意に含み得る。
組換え宿主細胞は、バッチ式もしくは連続式のいずれかにおいて、細胞の回収(bG−CSFポリペプチドが細胞内に蓄積する場合に)、または培養上清の回収のいずれかを伴う、バッチ式または連続式において培養され得る。原核生物の宿主細胞における産生にとって、バッチ式培養および細胞収集が好ましい。
本発明のbG−CSFポリペプチドは、組換え系における発現の後に、普通、精製される。bG−CSFポリペプチドは、当該技術分野において公知の種々の方法によって宿主細胞または培地から精製され得る。米国特許第5,849,883号および国際公開第89/10932号(参照によって本明細書に援用される)には、b−GCSFおよびそれらの類似物の宿主細胞へのクローニング、ならびに単離および精製に関する方法が記載されている。細菌宿主細胞において産生されたbG−CSFポリペプチドは、(封入体の形態において)溶解性に乏しいか、または不溶性であり得る。本発明の一実施形態では、当該技術において公知の方法だけでなく、本明細書に記載された方法を利用して、組換えによって産生されるタンパク質の溶解性の向上を目的として選択されたアミノ酸の置換が、bG−CSFポリペプチドにて容易に行われ得る。不溶性のタンパク質の場合、このタンパク質は、宿主細胞溶解液から遠心分離によって回収され得、次いで細胞のホモジナイゼーション(homogenization)がさらに行われ得る。溶解性に乏しいタンパク質の場合、化合物(ポリエチレンイミン(PEI)が挙げられるが、これに限定されない)が、部分的に可溶性のタンパク質の沈殿を引き起こすために加えられ得る。その後、沈殿したタンパク質は、遠心分離によって首尾よく回収され得る。当業者にとって周知の種々の方法により、組換え宿主細胞が破壊またはホモジナイズされて、当該細胞内から封入体が放出され得る。宿主細胞の破壊またはホモジナイゼーションは周知の技術(酵素的な細胞の破壊、超音波処理、ダウンス型ホモジナイゼーション(dounce homogenization)、または高圧放出破壊が挙げられるが、これらに限定されない)を用いて実施され得る。本発明の方法の一実施形態では、高圧放出技術を、E. coli宿主細胞の破壊に使用することによって、bG−CSFポリペプチドの封入体を放出させる。bG−CSFポリペプチドの封入体を取り扱うときに、繰り返しのホモジナイゼーション時間を最小化することが好都合であり得る。これにより、可溶化、器械的なせん断またはタンパク質分解などの要因による損失を無くし、封入体の収量が最大になる。
次いで、不溶性のbG−CSFポリペプチドまたは沈殿したbG−CSFポリペプチドは、当該技術にとって公知の適切な多くの可溶化試薬のいずれかを用いて可溶化され得る。bG−CSFポリペプチドは、尿素またはグアジニン塩酸塩を用いて可溶化され得る。バッチの大きさが都合よく扱いやすいものを用いて、大規模なバッチが産生され得るように、可溶化されたbG−CSFポリペプチド−BPの容積は、最小化されるべきである。組換え宿主細胞が数千リットルの容積であるバッチにおいて増殖され得るとき、この要因は、大規模な商業的設定において重要であり得る。また、特にヒトへの薬学的な使用のために大規模な商業的設定においてbG−CSFポリペプチドを製造するとき、機械および容器、またはタンパク質産物自体のいずれかを損傷するおそれのある過酷な化学物質の回避は、可能であれば、避けられるべきである。穏やかな変性試薬である尿素を、過酷な変性試薬であるグアニジン塩酸塩の代わりに、bG−CSFポリペプチドの封入体の可溶化に使用し得ることが、本発明の方法に示されている。尿素の使用は、bG−CSFポリペプチドの製造過程および精製過程に利用されるステンレス鋼の設備に対する損傷の危険度を顕著に低減すると同時に、bG−CSFポリペプチドの封入体を効率的に可溶化する。
可溶性のbG−CSFタンパク質の場合、bG−CSFは細胞膜周辺孔または培地に分泌され得る。さらに、可溶性のbG−CSFは、宿主細胞の細胞質に存在し得る。精製工程の実施前に、可溶性のbG−CSFを濃縮することが所望され得る。当業者に公知の標準的な技術を用いて、例えば細胞可溶化物または培地から可溶性のbG−CSFが濃縮され得る。さらに、当業者に公知の標準的な技術を用いて、宿主細胞が破壊されて、宿主細胞の細胞質または細胞膜周辺孔から可溶性bG−CSFを放出させ得る。
bG−CSFポリペプチドが融合タンパク質として産生されるとき、融合配列は除去してもよい。融合配列の除去は、酵素的切断または化学的切断によって果たされ得る。融合配列の酵素的除去は、当業者に周知の方法を用いて果たされ得る。当業者にとって明らかなように、融合配列を除去するための酵素の選択は融合の個性によって決定され、反応条件は酵素の選択によって特定される。化学的切断は、当業者に公知の試薬(臭化シアン、TEVプロテアーゼ、および他の試薬が挙げられるが、これらに限定されない)によって果たされ得る。切断されたbG−CSFポリペプチドは、当業者に周知の方法によって、切断された融合配列から精製され得る。そのような方法は、当業者にとって明らかなように、融合配列およびbG−CSFポリペプチドの個性および性質によって決定される。精製方法としては、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、もしくは透析、またはこれらの任意の組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。
また、bG−CSFポリペプチドは、タンパク質の溶液からDNAを除去するために、精製され得る。DNAは、当業者に公知の任意の適切な方法(例えば、沈殿またはイオン交換クロマトグラフィー)によって除去され得るが、核酸沈殿試薬(例えば、硫酸プロタミンが挙げられるが、これに限定されない)を用いた沈殿によって除去してもよい。bG−CSFポリペプチドは、標準的な周知の方法(遠心分離またはろ過が挙げられるが、これらに限定されない)を用いて、沈殿されたDNAから分離され得る。bG−CSFポリペプチドが動物またはヒトの治療に用いられる設定、および本発明の方法が薬学的に許容可能なレベルまで宿主細胞のDNAを低減する設定において、宿主核酸分子の除去は重要な要因である。
また、小規模または大規模な発酵方法は、タンパク質の発現(発酵槽、振とうフラスコ、流動床バイオリアクター、中空糸バイオリアクター、ローラーボトル培養系、および攪拌タンクバイオリアクター系が挙げられるが、これらに限定されない)に使用され得る。これらの方法のそれぞれは、バッチ処理、給飼バッチ処理、連続様式処理において実施され得る。
本発明のbG−CSFポリペプチドは、通常、当該分野における標準的な方法を用いて、回収され得る。例えば、培地または細胞溶解液は、細胞破片を除去するために遠心分離またはろ過され得る。上清は、濃縮され得るか、所望の容積に希釈され得るか、あるいは、さらなる精製のために調製物の状態を整える適切な緩衝液へ透析され得る。本発明のbG−CSFポリペプチドのさらなる精製としては、脱アミド化され、短縮された形態のbG−CSFポリペプチドバリアントを、損なわれていない形態(intact form)のbG−CSFポリペプチドから分離することが挙げられる。
以下の例示的な手法のいずれかが、本発明のbG−CSFポリペプチドの精製に採用され得る。当該手法は、アフィニティークロマトグラフィー;陰イオン交換クロマトグラフィーもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー(DEAE SEPHAROSEを用いたものが挙げられるが、これに限定されない);シリカ上におけるクロマトグラフィー;高速液体クロマトグラフィー(HPLC);逆相HPLC;ゲルろ過(SEPHADEX G-75を用いたものが挙げられるが、これに限定されない);疎水性相互作用クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー;金属キレートクロマトグラフィー;限外ろ過/ダイアフィルトレーション;エタノール沈殿;硫酸アンモニウム沈殿;等電点電気泳動(chromatofocusing);置換クロマトグラフィー;電気泳動的手法(分離用の等電点電気泳動(preparative isoelectric focusing)が挙げられるが、これに限定されない)、差別的溶解性(differentialsolubility)(硫酸アンモニウム沈殿が挙げられるが、これに限定されない)、SDS
−PAGEまたは抽出である。
本発明のタンパク質(非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質、非天然アミノ酸を含んでいるペプチド、非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質に対する抗体、非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質に対する結合パートナーなどが挙げられるが、これらに限定されない)は、当業者が知っており、使用する標準的な手法にしたがって、部分的または実質的に均質に精製される。したがって、本発明のポリペプチドは、当業者に周知の任意の多くの方法(硫酸アンモニウム沈殿もしくはエタノール沈殿、酸抽出もしくは塩基抽出、カラムクロマトグラフィー、アフィニティーカラムクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィーもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、レクチンクロマトグラフィー、およびゲル電気泳動などが挙げられるが、これらに限定されない)によって、回収および精製され得る。タンパク質をリフォールディング(refolding)する工程は、必要に応じて、正確に折りたたまれた成熟タンパク質を作製するときに、使用され得る。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、アフィニティークロマトグラフィー、または他の適切な方法は、高い純度が所望される場合に、最終的な精製工程において採用され得る。一実施形態において、非天然アミノ酸(または非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質もしくはペプチド)に対して作製された抗体は、非天然アミノ酸を1つ以上含んでいるタンパク質もしくはペプチドの親和性に基づく精製などのための精製試薬として使用され得るが、これに限定されない。必要に応じて、部分的にまたは均質にまで精製されると、ポリペプチドは、多種多様な有用物(例えば、アッセイの構成要素、治療学、予防法、診断学、研究試薬として、および/または抗体生成用の抗原としてであるが、これらに限定されない)に関して、任意に使用される。本発明のポリペプチドに対して産生される抗体は、当該ポリペプチドもしくは抗原決定基を有する断片、または細胞を通常の手順によって動物(好ましくは非ヒト動物)に投与することによって取得され得る。当業者は、種々の公知技術を用いて抗体を産生することが可能である。また、トランスジェニックマウス、または他の生物(他の哺乳類が挙げられる)が、ヒト化された抗体を発現するために用いられ得る。上述した抗体は、当該ポリペプチドを発現するクローンを単離もしくは同定するためか、または当該ポリペプチドを精製するために用いられ得る。また、本発明のポリペプチドに対する抗体は、病気を治療するために用いられ得る。
また、本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、ワクチンとして用いられ得る。したがって、さらなる態様において、本発明は、哺乳類における免疫学的な応答を誘発する方法に関する。当該方法は、本発明のポリペプチドによって哺乳類を接種して、適度の抗体免疫応答および/またはT細胞免疫応答(例えば、サイトカイン産生T細胞または細胞毒性T細胞が挙げられる)を引き起こすことを包含しており、それにより、個体内に疾患がすでに生じているか、生じていない当該動物を疾患から保護する。また、哺乳類における免疫学的な応答は、インビボにおけるポリヌクレオチドの発現を目的としているベクターであって、ポリペプチドをコードするベクターによって、本発明のポリペプチドを輸送することを包含する方法によって誘導され得る。本発明のポリペプチドの輸送によって、当該免疫学的な応答を誘導して抗体を産生させ、本発明の疾患から当該動物を保護する。ベクターの投与方法の一つは、ベクターを活発化させて、粒子上の被覆物または他の形態として所望の細胞内への当該ベクターの移動を促進させることである。そのような核酸ベクターは、DNA、RNA、修飾された核酸、またはDNA/RNAハイブリッドを含み得る。ワクチンとして利用するために、ポリペプチドまたは核酸ベクターは、ワクチン製剤(組成物)として一般的に提供される。製剤は、適切な担体をさらに含み得る。ポリペプチドが胃において分解され得るので、非経口的に投与(例えば、皮下注入、筋肉内注入、静脈内注入、または皮内注入)され得る。非経口的な投与にとって好適な製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および受容物である血液と等張な製剤にする溶質を含み得る水性または非水性の滅菌注入液、ならびに懸濁化剤または増粘剤を含み得る水性または非水性の滅菌懸濁液を含んでいる。また、ワクチン製剤は、当業者に公知である、製剤の免疫原性を増強するためのアジュバント系を含み得る。投与量は、ワクチンの特定の活性に依存し、日常的な試験によって容易に決定され得る。
本明細書に言及されている他の参考文献に加えて、種々の精製/タンパク質フォールディング方法が、当業者に周知である(R. Scopes, Protein Purification, Springer-Verlag, N.Y. (1982); Deutscher, Methods in Enzymology Vol. 182: Guide to Protein Purification, Academic Press, Inc. N.Y. (1990); Sandana, (1997) Bioseparation of Proteins, Academic Press, Inc.; Bollag et al. (1996) Protein Methods, 2nd Edition Wiley-Liss, NY; Walker, (1996) The Protein Protocols Handbook Humana Press, NJ, Harris and Angal, (1990) Protein Purification Applications: A Practical ApproachIRL Press at Oxford, Oxford, England; Harris and Angal, Protein Purification Methods: A Practical Approach IRL Press at Oxford, Oxford, England; Scopes, (1993)Protein Purification: Principles and Practice 3rd Edition Springer Verlag, NY; Janson and Ryden, (1998) Protein Purification: Principles, High Resolution Methods and Applications, Second Edition Wiley-VCH, NY; and Walker (1998), Protein Protocols on CD-ROM Humana Press, NJならびにこれらに引用されている参考文献に記載されている方法が挙げられるが、これらに限定されない)。
真核生物の宿主細胞または非真核生物の宿主細胞において、非天然アミノ酸を用いて目的のタンパク質またはポリペプチドを産生することの1つの利点は、通常、該タンパク質または該ポリペプチドが、それらの本来の立体構造に折りたたまれることである。しかし、本発明のある特定の実施形態において、当業者は、合成、発現および/または精製の後に、タンパク質またはペプチドが、関連するポリペプチドの所望の立体構造とは異なる立体構造を有することが可能であることを認識している。本発明の1つの局面において、発現されたタンパク質またはポリペプチドは、任意に変性され、次いで復元される。これは、当該分野において公知の方法を利用して(目的のタンパク質またはポリペプチドに対するシャペロニンの添加によってか、カオトロピック剤(例えば、グアニジンHCl)にタンパク質を可溶化することによってか、またはプロテインジスルフィドイソメラーゼを用いてなどが挙げられるが、これらに限定されない)なされ得る。
一般的には、発現したポリペプチドを変性または還元して、その後に当該ポリペプチドを好ましい立体構造へとリフォールディングさせることが望ましいことがある。例えば、グアニジン、尿素、DTT、DTE、および/またはシャペロニンは、目的の転写産物に加えられ得る。タンパク質の還元、変性および復元の方法は、当業者に周知である(上記参考文献、Debinski,et al, (1993) J. Biol. Chem., 268: 14065- 14070)、Kreitman and Pastan (1993) Bioconiug. Chem.. 4: 581-585、およびBuchner,et al, (1992) Anal. Biochem., 205: 263-270を参照すればよい)。Debinski, et alには、例えば、グアニジン−DTEにおける封入体タンパク質の変性および還元が記載されている。タンパク質は、レドックス緩衝剤(これらに限定されないが、酸化型グルタチオンおよびL−アルギニンなどを含有している)においてリフォールディングされ得る。リフォールディング剤は、流されるか、またはそうでなければ、移動されて、1つ以上のポリペプチドもしくは他の発現産物と接触させられ得る。また、その逆もあり得る。
bG−CSFポリペプチドを原核生物において産生する場合、そのように産生されるbG−CSFポリペプチドは、誤って折りたたまれることがある。このため、ポリペプチドの生物活性が、欠如または低下していることがあり得る。タンパク質の生物活性は、“リフォールディング”によって回復され得る。一般に、誤って折りたたまれたbG−CSFポリペプチドは、例えば、1つ以上のカオトロピック剤(例えば、尿素および/またはグアニジン)およびジスルフィド結合を還元可能な還元剤(例えば、ジチオスレイトール(DTT)、または2メルカプトエタノール(2−ME))を用いて、(bG−CSFポリペプチドも不溶性である場合に)ポリペプチド鎖を可溶化し、アンフォールディング(unfolding)し、そして還元することによってリフォールディングされ得る。次いで、穏やかな濃度のカオトロープ(chaotorope)において、ジスルフィド結合の再形成を可能にする酸化剤(例えば、酸素、シスチンまたはシスタミン)が添加される。bG−CSFポリペプチドは、当該分野において公知の標準的な方法(例えば、米国特許第4,511,502号、米国特許第4,511,503号、および米国特許第4,512,922号に記載の方法、これらの文献は、参照によって本明細書に援用される)を用いてリフォールディングされ得る。また、bG−CSFポリペプチドは、他のタンパク質とコフォールディングされて、異種ニ量体または異種多量体を形成し得る。
リフォールディングの後に、bG−CSFはさらに精製され得る。bG−CSFの精製は、当業者に公知の種々の技術を用いて実施され得る。当該技術としては、疎水性相互作用クロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、およびアフィニティークロマトグラフィーなど、もしくはこれらの任意の組合せが挙げられる。また、さらなる精製は、精製されたタンパク質の乾燥工程または沈降工程を含み得る。
精製後、bG−CSFを当該技術分野において公知の種々の方法(ダイアフィルトレーションおよび透析が挙げられるが、これらに限定されない)のいずれかによって、様々な緩衝液に交換され得るか、および/また濃縮され得る。単一の精製タンパク質として提供されるbG−CSFは、凝集および沈降され得る。
精製されたbG−CSFは、少なくとも90%の純度(逆相高速液体クロマトグラフィー、RP−HPLC、またはドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動、SDS−PAGEによって測定される場合)、少なくとも95%の純度、少なくとも98%の純度、少なくとも99%の純度、またはそれ以上の純度であり得る。bG−CSFの純度の正確な数値に関わらず、bG−CSFは、医薬品としての用途またはさらなる処理(水溶性重合体(PEGなど)との結合など)にとって十分に純粋である。
あるbG−CSF分子は、他の活性な成分またはタンパク質(賦形剤、担体および安定剤以外のもの、血清アルブミンなど)の非存在下において、治療剤として使用され得るか、または他のタンパク質もしくは重合体と複合化され得る。
(一般的な精製方法)
種々の単離工程のいずれか1つが、bG−CSFポリペプチドを含んでいる細胞溶解物、抽出物、培地、封入体、宿主細胞の細胞膜周辺孔、宿主細胞の細胞質もしくは他の物質、任意の単離工程から生じた任意のbG−CSFポリペプチドの混合物に対して実施され得る。このような単離工程としては、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(“HPLC”)、逆相HPLC(“PR−HPLC”)、発泡床吸着(expanded bed adsorption)、あるいはそれらの任意の組合せおよび/または繰り返し、ならびに任意の適切な順序でのそれらの任意の組合せおよび/または繰り返しが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されている技術の実施に使用される設備、および他の必要な材料は、市販されている。ポンプ、フラクションコレクター、モニター、記録器、および全体のシステムは、例えば、Applied Biosystems(Foster City、CA)、BioRad Laboratories, Inc.(Hercules、CA)、およびAmersham Biosciences Inc.(Piscataway、NJ)から入手することができる。また、クロマトグラフィーの材料(交換基質材料、溶剤および緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない)も、そのようは企業から入手可能である。
本明細書に記載のカラムクロマトグラフィー手法における平衡および他の工程(例えば、洗浄および溶出)は、特殊な設備(例えば、ポンプ)を用いてより迅速に実施され得る。市販のポンプとしては、HILOAD (登録商標) Pump P-50、ペリスタルティックポンプ(Peristaltic Pump)、ポンプP−901、およびポンプP−903(Amersham Biosciences Inc.、Piscataway、NJ)が挙げられるが、これらに限定されない。
フラクションコレクターの例としては、REDIFRACフラクションコレクターFraction Collector、FRAC−100およびFRAC−200フラクションコレクター、ならびにSUPERFRAC(登録商標)フラクションコレクター(Amersham Biosciences Inc.、Piscataway、NJ)が挙げられるが、これらに限定されない。また、混合器は、pH勾配および直線的な濃度勾配の形成に利用可能である。市販の混合器としては、グラジエントミキサー(Gradient Mixer)GM−1およびイン−ラインミキサーズ(In-Line Mixers)(Amersham Biosciences Inc.、Piscataway、NJ)が挙げられる。
クロマトグラフィー過程は、任意の市販のモニターを用いてモニターされ得る。そのようなモニターは、UV、pHおよび導電率のような情報の収集に使用され得る。検出器の例としては、モニター(Monitor)UV−1、UVICORD(登録商標)SII、モニターUV−MII、モニターUV−900、モニターUPC−900、モニターpH/C−900、およびコンダクティヴィティーモニター(Conductivity Monitor)(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)が挙げられる。実際に、全体のシステムは、市販されている(例えば、Amersham Biosciences Inc.(Piscataway、NJ))から提供されているAKTA(登録商標)システムズが挙げられる)。
本発明の一実施形態において、例えば、bG−CSFポリペプチドは、得られた精製されたbG−CSFポリペプチドを、尿素を用いてまず変性によって還元し変性して、続いて適切なpHにおいて還元剤(例えばDTT)を含んでいる緩衝液に希釈され得る。他の実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、約2M〜約9Mの濃度の尿素によって変性され、続いて約5.0〜約8.0のpHのTRIS緩衝液に希釈される。次いで、この実施形態のリフォールディング混合物は、インキュベートされ得る。一実施形態において、リフォールディング混合物は、室温において4〜24時間、インキュベートされる。還元されかつ変性されたbG−CSFポリペプチド混合物は、それからさらに単離され得るか、または精製され得る。
本明細書に述べられているように、第1のbG−CSFポリペプチド混合物のpHは、その後の任意の単離工程を実施する前に調整され得る。また、第1のbG−CSFポリペプチド混合物、またはその後に生じた任意の混合物は、当該分野において公知の技術を用いて濃縮され得る。さらに、第1のbG−CSFポリペプチド混合物、またはその後に生じた任意の混合物のいずれかを含む溶出緩衝液は、当業者に周知の技術を用いて、次の単離工程に好適な緩衝液に交換され得る。
(イオン交換クロマトグラフィー)
一実施形態において、そして必要に応じてさらなる工程として、イオン交換クロマトグラフィーが、第1のbG−CSFポリペプチド混合物に対して実施され得る。一般的に、ION EXCHANGE CHROMATOGRAPHY: PRINCIPLES AND METHODS(カタログ番号18−1114−21、Amersham Biosciences Inc.(Piscataway、NJ))を参照すればよい。市販のイオン交換カラムとしては、HITRAP(登録商標)カラム、HIPREP(登録商標)カラム、およびHILOAD(登録商標)カラム(Amersham Biosciences Inc.、Piscataway、NJ)が挙げられる。そのようなカラムは、強い陰イオン交換体(例えば、Q SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow)、Q SEPHAROSE(登録商標) High Performance、およびQ SEPHAROSE(登録商標)XL);強い陽イオン交換体(例えば、SP SEPHAROSE(登録商標) High Performance、SP SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow、およびSP SEPHAROSE(登録商標)XL);弱い陰イオン交換体(例えば、DEAE SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow);および弱い陽イオン交換体(例えば、CM SEPHAROSE(登録商標) Fast Flow)(Amersham Biosciences Inc.、Piscataway、NJ)を利用している。陰イオンまたは陽イオン交換カラムクロマトグラフィーは、実質的に精製されたbG−CSFポリペプチドを単離するために、精製過程の任意の工程において、bG−CSFポリペプチドに対して実施され得る。陽イオン交換クロマトグラフィー工程は、任意の適切な陽イオン交換基質を用いて実施され得る。有用な陽イオン交換基質としては、繊維状の陽イオン交換基質材料、多孔質の陽イオン交換基質材料、非多孔質の陽イオン交換基質材料、微粒子状の陽イオン交換基質材料、ビーズ状の陽イオン交換基質材料、または架橋された陽イオン交換基質材料が挙げられるが、これらに限定されない。このような陽イオン交換基質材料としては、セルロース、アガロース、デキストラン、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリスチレン、シリカ、ポリエーテル、または上述のものの何れかの混合材料が挙げられるが、これらに限定されない。
陽イオン交換基質は、適切な任意の陽イオン交換体(強い陽イオン交換体および弱い陽イオン交換体が挙げられる)であり得る。強い陽イオン交換体は広範囲のpHにわたってイオン化状態を維持し得、したがって、広範囲のpHにわたってbG−CSFを結合し得る。しかし、弱い陽イオン交換体は、pHに応じてイオン化状態を消失し得る。例えば、弱い陽イオン交換体は、pHは約4または5をしたまわって低下すると、電荷を消失し得る。好適な強い陽イオン交換体としては、荷電した官能基(スルホニル(SP)、メチルスルホン酸(S)、またはスルホエチル(SE)など)が挙げられるが、これらに限定されない。陽イオン交換基質は、強い陽イオン交換体(好ましくは、約2.5から約6.0pH範囲におけるbG−CSF結合を示す)であり得る。代替可能に、強い陽イオン交換体は、約2.5から約5.5のpH範囲においてbG−CSF結合を示し得る。陽イオン交換基質は、約3.0のpHにおいてbG−CSF結合を示す強い陽イオン交換体であり得る。代替可能に、陽イオン交換基質は、強い陽イオン交換体(好ましくは、約6.0から約8.0のpH範囲においてbG−CSF結合を示す)であり得る。陽イオン交換基質は、好ましくは、約8.0から約12.5のpH範囲においてbG−CSF結合を示す強い陽イオン交換体であり得る。代替可能に、強い陽イオン交換体は、約8.0から約12.0のpH範囲においてbG−CSF結合を示し得る。
bG−CSFを充填する前に、例えばカラム容積の数倍量の希弱酸(例えば、カラム体積の4倍量の20mMの酢酸(pH3))を用いて、陽イオン交換基質が均衡化れ得る。均衡化に続いてbG−CSFが加えられ得、十分に精製されたbG−CSFの溶出前に、同様に弱酸溶液(弱酢酸または弱リン酸の溶液など)を用いてカラムが1回から数回にわたって洗浄され得る。例えば、カラム容積の約2〜4倍量の20mMの酢酸(pH3)を用いてカラムが洗浄され得る。また、例えば、カラム容積の約2〜4倍量の0.05Mの酢酸ナトリウム(pH5.5)、または0.1Mの塩化ナトリウムと混合した0.05M(pH5.5)を用いて、さらに洗浄し得る。代替可能に、当該分野において公知の方法を用いて、陽イオン交換基質がカラム体積の数倍量の希弱塩基によって均衡化され得る。
代替可能に、十分に精製したbG−CSFは、十分に低いpHまたはイオン強度を有する緩衝液と陽イオン交換基質を接触させることによって溶出されて、当該基質からbG−CSFを除去し得る。溶出緩衝液のpHは、約2.5から約6.0の範囲であり得る。より詳細には、溶出緩衝液のpHは、約2.5から約5.5のpH、約2.5から約5.0のpHの範囲であり得る。溶出緩衝液は、約3.0のpHであり得る。さらに、溶出緩衝液の量は広範に変更され得、通常、カラム体積の約2〜約10倍量の範囲である。
陽イオン交換基質へのbG−CSFポリペプチドの吸収に続いて、十分に精製したbG−CSFポリペプチドは、十分に低いpHまたはイオン強度を有する緩衝液と当該基質を接触させることによって溶出されて、基質からbG−CSFポリペプチドを除去し得る。十分に精製されたbG−CSFポリペプチドの高pHの溶出に使用するために好適な緩衝液としては、少なくとも約5mMから少なくとも約10mMの濃度範囲にあるクエン酸塩、リン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、HEPES、およびMES緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。
(逆相クロマトグラフィー)
RP−HPLCは、当業者に公知の適切なプロトコールにしたがって、タンパク質を精製するために実施され得る。例えば、Pearson et al, ANAL BIOCHEM. (1982) 124:217-230 (1982)、Rivier et al, J. CHROM. (1983) 268:112-119、Kunitani et al, J. CHROM. (1986) 359:391-402を参照すればよい。RP−HPLCをbG−CSFポリペプチドに対して実施して、実質的に精製されたbG−CSFポリペプチドを単離し得る。この点に関して、多種多様な長さ(少なくともC〜少なくともC30、少なくともC〜少なくともC20、または少なくともC〜少なくともC18の長さが挙げられるが、これらに限定されない)を有しているアルキル官能基を用いた、シリカ誘導体化樹脂が使用され得る。代替可能に、重合体化樹脂が使用され得る。例えば、スチレン重合体樹脂である、トソハースアンバークローム(TosoHaas Amberchrome)CG1000sd樹脂が使用され得る。また、多種多様な長さのアルキル鎖を有するシアノ樹脂または重合体樹脂が使用され得る。さらに、RP−HPLCカラムは、溶媒(例えば、エタノール)を用いて洗浄され得る。Source RPカラムは、RP−HPLCカラムの他の例である。
イオン対を形成する剤および有機修飾因子(例えば、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、またはエタノール)を含んでいる適切な溶出緩衝液が、bG−CSFポリペプチドをPR−HPLCカラムから溶出するために使用され得る。最も一般的に使用されるイオン対を形成する剤としては、酢酸、蟻酸、過塩素酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、ヘプタフルオロブチル酸、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。溶出は、分離時間の短縮、およびピーク幅の縮小に好ましい勾配条件を有している、1つ以上の勾配条件または定組成条件(isocratic condition)を用いて実施され得る。他の方法は、異なる溶媒濃度範囲を有する2つの勾配を使用することを包含している。本明細書における使用に適した溶出緩衝液の例としては、酢酸アンモニウム溶液およびアセトニトリル溶液が挙げられるが、これらに限定されない。
(疎水性相互作用クロマトグラフィー精製技術)
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)が、bG−CSFポリペプチドに対して実施されてもよい。一般的に、HYDROPHOBIC INTERACTION CHROMATOGRAPHY HANDBOOK: PRINCIPLES AND METHODS(カタログ番号18−1020−90、Amersham Biosciences Inc.(Piscataway、NJ))を参照すればよく、これは参照によって本明細書に援用される。適切なHIC基質としては、アルキルによって置換された基質もしくはアリールによって置換された基質(例えば、ブチルによって置換された基質、ヘキシルによって置換された基質、オクチルによって置換された基質、またはフェニルによって置換された基質(アガロース基質、架橋されたアガロース基質、セファロース基質、セルロース基質、シリカ基質、デキストラン基質、ポリスチレン基質、ポリ(メタクリレート)基質が挙げられる))、および混合された形式の基質(ポリエチレンアミン樹脂基質、またはブチルもしくはフェニルで置換されたポリ(メタクリレート)基質が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。疎水性相互作用クロマトグラフィーに関する市販の原料としては、HITRAP(登録商標)カラム、HIPREP(登録商標)カラム、およびHILOAD(登録商標)カラム(Amersham Biosciences Inc.、Piscataway、NJ)が挙げられるが、これらに限定されない。
簡単に説明すると、装填の前に、HICカラムは、当業者に公知の標準的な緩衝液(例えば、酢酸溶液/塩化ナトリウム溶液、または硫酸アンモニウムを含むHEPES)を用いて、平衡化され得る。硫酸アンモニオウムは、HICカラムを装填するための緩衝液として用いればよい。次いで、bG−CSFポリペプチドを装填した後に、カラムは、不要な物質を取り除くための標準的な緩衝液と条件とを用いて洗浄され得るが、レプチンポリペプチドはHICカラムに保持されている。bG−CSFポリペプチドは、カラム容積の約3倍〜約10倍の標準的な緩衝液(例えば、とりわけ、EDTAと平衡化緩衝液よりも低濃度の硫酸アンモニウムとを含むHEPES緩衝液、または酢酸/塩化ナトリウム緩衝液)を用いて溶出され得る。また、例えば、リン酸カルシウムの勾配を用いた、塩が減少する直線勾配を用いて、bG−CSF分子を溶出し得る。次いで、この溶出物は、例えば、ダイアフィルトレーション、または限外ろ過といったろ過によって濃縮され得る。ダイアフィルトレーションは、bG−CSFポリペプチドの溶出に使用される塩を除くために利用され得る。
(他の精製技術)
例えば、ゲルろ過(参照によって本明細書に援用されるGEL FILTRATION: PRINCIPLES AND METHODS(カタログ番号18−1022−18、アマシャムバイオサイエンス(ピスカタウェイ、NJ))、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー(好適な基質としては、HA−ウルトロゲル、高解像度(カルバイオケム)、CHTセラミックハイドロキシアパタイト(バイオレッド)、バイオ−ゲルHTPハイドロキシアパタイト(バイオレッド))、HPLC、発泡床吸着、限外ろ過、ダイアフィルトレーション、および凍結乾燥などを用いたさらに他の単離工程を第1のbG−CSFポリペプチド混合物または該ポリペプチド混合物のその後に生じた任意の混合物に対して行い、任意の過剰な塩を除去したり、緩衝液を、次の単離工程または最終的な製剤の処方にさえも好適な緩衝液と交換したりし得る。
bG−CSFポリペプチド(実質的に精製されたbG−CSFポリペプチドを含んでいる)の収率は、当業者に公知の技術を用いて、本明細書に記載の各工程において、モニターされてもよい。また、そのような技術は、最後の単離工程の後に、実質的に精製されたbG−CSFポリペプチドの収率を評価するために使用され得る。例えば、bG−CSFポリペプチドの収率は、陽イオン交換クロマトグラフィーおよびゲルろ過だけでなく、種々のアルキル鎖長を有するいくつかの逆相高圧液体クロマトグラフィーのいずれか(例えば、シアノPR−HPLC、C18RP−HPLC;同様に、陽イオン交換HPLCおよびゲルろ過HPLC)を用いて、モニターされてもよい。
本発明の特定の実施形態では、各精製工程後のbG−CSFの収率は、各精製工程のための出発材料に含まれるbG−CSFの少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%であり得る。
精製は、標準的な技術(例えば、SDS−PAGE)を用いることによって、またはウエスタンブロットおよびELISAアッセイを用いてbG−CSFポリペプチドを測定することによって、決定され得る。例えば、ポリクローナル抗体は、陰性対照の酵母を発酵させ、陽イオン交換により回収することによって単離されたタンパク質に対して生成され得る。また、抗体は、宿主細胞のタンパク質の夾雑物の存在を探索するために使用され得る。
PR−HPLC材料であるVydac C4(Vydac)は、シリカゲル粒子からなり、シリカゲル粒子の表面にC4−アルキル鎖が保持されている。タンパク質性の不純物からのbG−CSFポリペプチドの分離は、疎水性相互作用の強度の差に基づく。アセトニトリル勾配の希釈されたトリフルオロ酢酸を用いて、溶出を行う。ステンレス鋼カラム(2.8〜3.2リットルのVydac C4シリカゲルが充填されている)を用いて、調製用HPLCを行う。ヒドロキシアパタイトウルトロゲルの溶出物を、トリフルオロ酢酸を加えることによって酸性化し、そして、Vydac C4カラム上に添加する。洗浄および溶出のために、アセトニトリル勾配の希釈されたトリフルオロ酢酸を使用する。画分を収集し、ただちにリン酸緩衝液を用いて中性化する。IPC限界内にあるbG−CSFポリペプチドの画分をプールする。
デアエセファロース(Pharmacia)材料は、セファロースビーズの表面と共有結合されるジエチルアミノエチル(DEAE)基からなる。DEAE基に対するbG−CSFポリペプチドの結合は、イオン性相互作用によって媒介される。アセトニトリルおよびトリフルオロ酢酸は、保持されることなくカラムを通過する。これらの物質が洗い流された後に、微量の不純物を低pHの酢酸緩衝液を用いてカラムを洗浄することによって除去する。次いで、カラムを中性のリン酸緩衝液を用いて洗浄する。そして、bG−CSFポリペプチドを、イオン強度が増加した緩衝液を用いて溶出する。カラムに、デアエセファロースファストフロウを充填する。3−10mgのbG−CSFポリペプチド/1mlのゲルの範囲にて、bG−CSFポリペプチドを添加することを保障するように、カラム容積を調整する。水および平衡化緩衝液(リン酸ナトリウム/カリウム)を用いてカラムを洗浄する。HPLC溶出物のプールされた画分を添加し、カラムを平衡化緩衝液を用いて洗浄する。次いで、カラムを、洗浄緩衝液(酢酸ナトリウム緩衝液)を用いて洗浄し、その後、平衡化緩衝液を用いて洗浄する。続いて、溶出緩衝液(塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム/カリウム)を用いてbG−CSFポリペプチドをカラムから溶出し、主要な溶出プロファイルにしたがって、単一の画分に収集する。デアエセファロースカラムの溶出物を、特定の伝導性に調整する。結果として生じる製剤原料を、テフロン(Teflon)(登録商標)ボトルの中に無菌的にろ過し、−70℃にて保存する。
使用され得るさらなる方法としては、エンドトキシンを除去する工程が挙げられるが、これに限定されない。エンドトキシンは、グラム陰性の宿主細胞(例えば、大腸菌など)の外膜に位置しているリポ多糖(LPS)である。エンドトキシンの値を低下させる方法は当業者に公知であり、シリカ担体、ガラス粉末またはハイドロキシアパタイトを用いた精製技術、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、およびこれらの方法の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。改良された方法または追加の方法が、関連のあるポリペプチドからの共遊走性タンパク質などの混入物を除去するために必要とされ得る。エンドトキシンの値を測定する方法は当業者に公知であり、カブトガニアメーバ様細胞溶解液(LAL)アッセイが挙げられるが、これに限定されない。エンドセーフ(Endosafe)(登録商標)−PTSアッセイは、比色分析すなわち、携帯用分光光度計と共に、LAL試薬、発色基質、および標準物質であるエンドトキシンの対照があらかじめ充填されたカートリッジを利用する単一のチューブシステムである。代替的な方法は、比濁法であり、96ウェルの形式を用いる動態LAL法が挙げられるが、これに限定されない。
多種多様な方法および手法が、天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含んでいるbG−CSFタンパク質の収率および純度を評価するために使用されてもよい。このような方法および手法としては、ブラッドフォードアッセイ、SDS−PAGE、銀染色されるSDS−PAGE、クーマシーブルー染色されるSDS−PAGE、質量分析(MALDI−TOFが挙げられるが、これに限定されない)、および当業者に公知のタンパク質の性質を決定するための他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる方法としては、タンパク質染色法と組み合わせたSDS−PAGE、免疫ブロッティング、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析(MALDI−MS)、液体クロマトグラフィー/質量分析、等電点電気泳動、分析的イオン交換、等電点電気泳動、および円偏光二色性が挙げられるが、これらに限定されない。
VIII.代替系における発現
種々の戦略が、非組換え宿主細胞、変異された宿主細胞、または無細胞系においてタンパク質に非天然アミノ酸を導入するために使用されている。また、これらの系は、本発明のbG−CSFポリペプチドの作製における使用に好適である。Lys、CysおよびTyrといった反応性の側鎖を有するアミノ酸を誘導体化することによって、リジンをN−アセチル−リジンへと転換させる。また、化学合成は、非天然アミノ酸を組み込むための簡単な方法を提供する。ペプチドの断片の酵素的ライゲーションおよびネイティブな化学的ライゲーションの最近の発展に伴って、巨大タンパク質の作製が可能である。例えば、P. E. Dawson and S. B. H. Kent, Annu. Rev. Biochem, 69:923 (2000) を参照すればよい。化学的なペプチドライゲーションおよび天然の化学的ライゲーションについては、米国特許第6,184,344号、米国特許出願公開第2004/0138412、米国特許出願公開第2003/0208046、国際公開第02/098902号、および国際公開第03/042235号に記載されている(参照によって本明細書に援用される)。所望の非天然アミノ酸によって化学的にアシル化されたサプレッサtRNAが、タンパク質生合成を支持し得るインビトロ抽出物に添加される、通常のインビトロ生合成方法は、実質的に任意の大きさを有する種々のタンパク質に100を超える非天然アミノ酸を部位特異的に組み込むために、使用されている。例えば、V. W. Cornish, D. Mendel and P. G. Schultz, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 1995, 34:621 (1995); C.J. Noren, S.J.Anthony-Cahill, M.C. Griffith, P.G. Schultz, A general method for site-specificincorporation of unnatural amino acids into proteins, Science 244:182-188 (1989);およびJ.D. Bain, C.G. Glabe, T.A. Dix, A.R. Chamberlin, E.S. Diala, Biosynthetic site-specific incorporation of a non-natural amino acid into a polypeptide, J. Am. Chem. Soc. 111:8013-8014 (1989)を参照すればよい。広範な官能基が、タンパク
質の安定性、タンパク質のフォールディング、酵素機序、およびシグナル伝達を研究するために、タンパク質に組み込まれている。
選択圧(selective pressure)組込みと呼ばれる、インビボの方法が、野生型合成酵素の無差別さを活用するために開発された。例えば、N. Budisa, C. Minks, S. Alefelder,W. Wenger, F. M. Dong, L. Moroder and R. Huber, FASEB J., 13:41 (1999) を参照すればよい。特定の天然アミノ酸を細胞に供給する関連代謝経路が断たれている栄養要求株は、制限された濃度の天然アミノ酸を含有している最小培地において増殖する一方、標的遺伝子の転写が抑制されている。増殖の定常期に入ると、天然アミノ酸が枯渇して、非天然アミノ酸類似物と置き換えられる。組換えタンパク質の発現の誘導は、非天然の類似物を含んでいるタンパク質の蓄積を生じる。例えば、この戦略を用いて、o、mおよびp−フルオロフェニルアラニンが、タンパク質に組み込まれており、容易に同定され得るUVスペクトルにおける2つの特徴的な肩を示し(例えば、C. Minks, R. Huber, L. Moroderand N. Budisa, Anal. Biochem., 284:29 (2000)を参照すればよい);トリフルオロメ
チオニンが、19F NMRによってチトオリゴ糖のリガンドとの相互作用を研究するために、バクテリオファージのT4ライソザイム内のメチオニンを置換するために使用されており(例えば、H. Duewel, E. Daub, V. Robinson and J. F. Honek, Biochemistry, 36:3404 (1997) を参照すればよい);トリフルオロロイシンがロイシンの代わりに組み込まれて、ロイシンジッパータンパク質の増強された熱的および化学的な安定性をもたらしている。例えば、Y. Tang, G. Ghirlanda, W. A. Petka, T. Nakajima, W. F. DeGrado and D. A. Tirrell, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 40:1494 (2001)を参照すればよい。
さらに、セレノメチオニンおよびテルルメチオニンが、種々の組換えタンパク質に組み込まれて、X線結晶解析における位相の解像を容易にしている。例えば、W. A. Hendrickson, J. R. Horton and D. M. Lemaster, EMBO J., 9:1665 (1990) ;J. O. Boles, K. Lewinski, M. Kunkle, J. D. Odom, B. Dunlap, L. Lebioda and M. Hatada, Nat. Struct. Biol., 1:283 (1994) ;N. Budisa, B. Steipe, P. Demange, C. Eckerskorn, J. Kellermann and R. Huber, Eur. J. Biochem., 230:788 (1995);およびN. Budisa, W. Karnbrock,S. Steinbacher, A. Humm, L. Prade, T. Neuefeind, L. Moroder and R. Huber, J. Mol. Biol., 270:616 (1997) を参照すればよい。また、アルケンまたはアルキンの官能基
を有しているメチオニン類似物が効率的に組み込まれて、化学的手段によるタンパク質のさらなる修飾を可能にしている。例えば、J. C. van Hest and D. A. Tirrell, FEBS Lett., 428:68 (1998);J. C.. van Hest, K. L. Kiick and D. A. Tirrell, J. Am. Chem. Soc., 122:1282 (2000);およびK. L. Kiick and D. A. Tirrell, Tetrahedron, 56:9487 (2000) ;米国特許第6,586,207号;米国特許出願公開第2002/0042097号を参照すればよい(なお、これらの文献は、参照によって本明細書に援用される)。
この方法の成功は、タンパク質翻訳の忠実度を保証するために高い選択性を一般的に必要とする、アミノアシルtRNAによる非天然アミノ酸類似物の認識に依存する。この方法の有効範囲を拡張するための1つの方法は、アミノアシルtRNAの基質特異性を緩和することであるが、この緩和は限られた事例にしか達成されていない。例えば、Escherichia coliのフェニルアラニル合成酵素(PheRS)内のAla294のGlyによる置換は、基質結合ポケットの大きさを増加させ、p−Cl−フェニルアラニン(p−Cl−Phe)によってtRNAPheがアシル化されることをもたらす。M. Ibba, P. Kast and H. Hennecke, Biochemistry, 33:7107 (1994) を参照すればよい。この変異PheRSを内部に有するEscherichia coli株は、フェニルアラニンの代わりに、p−Cl−フェニルアラニンまたはp−Br−フェニルアラニンの組込みを可能にする。例えば、M. Ibba and H. Hennecke, FEBS Lett., 364:272 (1995);およびN. Sharma, R. Furter, P. Kast and D. A. Tirrell, FEBS Lett., 467:37 (2000)を参照すればよい。同様に、エシェリキア コリのチロシル−tRNA合成酵素のアミノ酸結合部位の近傍の点変異Phe130Serによって、アザチロシンがチロシンよりも効率的に組み込まれることが可能になることが、示されている。F. Hamano-Takaku, T. Iwama, S. Saito-Yano, K. Takaku, Y.Monden, M. Kitabatake, D. Soll and S. Nishimura, J. Biol. Chem., 275:40324 (2000) を参照すればよい。
インビボにおいて非天然アミノ酸をタンパク質に組み込む他の戦略は、校正機序を有する合成酵素を修飾することである。これらの合成酵素は、同種の天然アミノ酸と構造的に類似するアミノ酸を区別できず、それゆえ当該類似するアミノ酸を活性化する。この誤りは別の部位において訂正されて、誤ってチャージしたアミノ酸をtRNAから脱アシル化し、タンパク質翻訳の忠実度を維持する。合成酵素の校正活性が無効にされると、誤って活性化される構造的類似物が、編集機能を免れて組み込まれることがある。この方法は、近年、バリル−tRNA合成酵素(ValRS)を用いて証明されている。V. Doring, H. D. Mootz, L. A. Nangle, T. L. Hendrickson, V. de Crecy-Lagard, P. Schimmel andP. Marliere, Science, 292:501 (2001) を参照すればよい。ValRSは、Cys、Thr、アミノブチレート(Abu)によってtRNAValを誤ってアシル化でき;その後に、これらの非同種のアミノ酸が編集ドメインによって加水分解される。Escherichia coliの染色体の無作為変異生成の後に、ValRSの編集部位に変異を有している変異体Escherichia coli株が選択された。この編集を欠損したValRSは、Cysを用いてtRNAValを不正確にチャージする。また、AbuがCysと立体的に類似している(Cysの−SH基がAbuにおいて−CH3に置換されている)ので、変異体ValRSは、この変異体Escherichia coli株がAbuの存在下において増殖されると、タンパク質にAbuを組み込む。質量分析に基づく解析は、本来のタンパク質におけるバリンの位置のそれぞれにおいて、バリンの約24%がAbuに置換されることを示している。
また、固相合成法および固相半合成法は、新規のアミノ酸を含んでいる多くのタンパク質の合成を可能にしている。例えば、以下の刊行物および引用される参考文献を参照すればよい:Crick, F.H.C., Barrett, L. Brenner, S. Watts-Tobin, R. General nature ofthe genetic code for proteins. Nature, 192:1227-1232 (1961); Hofmann, K., Bohn,H. Studies on polypeptides. XXXVI. The effect of pyrazole-imidazole replacements on the S-protein activating potency of an S-peptide fragment, J. Am Chem, 88(24):5914-5919 (1966); Kaiser, E.T. Synthetic approaches to biologically active peptides and proteins including enyzmes, Acc Chem Res, 22:47-54 (1989); Nakatsuka,
T., Sasaki, T., Kaiser, E.T. Peptide segment coupling catalyzed by the semisynthetic enzyme thiosubtilisin, J Am Chem Soc, 109:3808-3810 (1987); Schnolzer, M.,Kent, S B H. Constructing proteins by dovetailing unprotected synthetic peptides: backbone-engineered HIV protease, Science, 256(5054):221-225 (1992); Chaiken, I.M. Semisynthetic peptides and proteins, CRC Crit Rev Biochem, 11(3):255-301 (1981); Offord, R.E. Protein engineering by chemical means? Protein Eng., 1(3):151-157 (1987); and, Jackson, D.Y., Burnier, J., Quan, C., Stanley, M., Tom, J., Wells, J.A. A Designed Peptide Ligase for Total Synthesis of Ribonuclease A with
Unnatural Catalytic Residues, Science, 266(5183):243 (1994)。
化学的修飾は、インビトロにおいてタンパク質に種々の非天然な側鎖(補助因子、スピン標識およびオリゴヌクレオチドが挙げられる)を導入するために、使用されている。例えば、Corey, D.R., Schultz, P.G. Generation of a hybrid sequence-specific single-stranded deoxyribonuclease, Science, 238(4832):1401-1403 (1987); Kaiser, E.T., Lawrence D.S., Rokita, S.E. The chemical modification of enzymatic specificity, Annu Rev Biochem, 54:565-595 (1985); Kaiser, E.T., Lawrence, D.S. Chemical mutation of enyzme active sites, Science, 226(4674):505-511 (1984); Neet, K.E., NanciA, Koshland, D.E. Properties of thiol-subtilisin, J Biol. Chem, 243(24):6392-6401 (1968); Polgar, L. et M.L. Bender. A new enzyme containing a synthetically formed active site. Thiol-subtilisin. J. Am Chem Soc, 88:3153-3154 (1966); and, Pollack, S.J., Nakayama, G. Schultz, P.G. Introduction of nucleophiles and spectroscopic probes into antibody combining sites, Science, 242(4881):1038-1040 (1988)を参照すればよい。
代替可能に、化学的に修飾されたアミノアシル−tRNAを採用する生合成方法は、インビトロにおいて合成されるタンパク質に種々の生物物理的なプローブを組み込むために使用されている。以下の刊行物および引用される参考文献:Brunner, J. New Photolabeling and crosslinking methods, Annu. Rev Biochem, 62:483-514 (1993); and, Krieg, U.C., Walter, P., Hohnson, A.E. Photocrosslinking of the signal sequence of nascent preprolactin of the 54-kilodalton polypeptide of the signal recognition particle, Proc. Natl. Acad. Sci, 83(22):8604-8608 (1986)を参照すればよい。
これまでに、所望のアンバーナンセンス変異を含んでいる遺伝子を用いて計画されたタンパク質合成反応に対して、化学的にアミノアシル化されたサプレッサtRNAを加えることによって、非天然アミノ酸がインビトロにおいて部位特異的に組み込まれ得ることが示されている。これらの方法を用いて、特定のアミノ酸に対して栄養要求性の株を用いて、通常の20のアミノ酸の多くを構造的に近い相同物(例えば、フェニルアラニンに対するフルオロフェニルアラニン)に置換し得る。例えば、Noren, C.J., Anthony-Cahill, Griffith, M.C., Schultz, P.G. A general method for site-specific incorporation ofunnatural amino acids into proteins, Science, 244: 182-188 (1989); M.W. Nowak, et al., Science 268:439-42 (1995); Bain, J.D., Glabe, C.G., Dix, T.A., Chamberlin, A.R., Diala, E.S. Biosynthetic site-specific Incorporation of a non-natural amino acid into a polypeptide, J. Am Chem Soc, 111:8013-8014 (1989); N. Budisa etal., FASEB J. 13:41-51 (1999); Ellman, J.A., Mendel, D., Anthony-Cahill, S., Noren, C.J., Schultz, P.G. Biosynthetic method for introducing unnatural amino acids site-specifically into proteins, Methods in Enz., vol. 202, 301-336 (1992); and, Mendel, D., Cornish, V.W. & Schultz, P.G. Site-Directed Mutagenesis with an Expanded Genetic Code, Annu Rev Biophys. Biomol Struct. 24, 435-62 (1995)を参照
すればよい。
例えば、UAGストップコドンを認識するサプレッサtRNAが調製され、非天然アミノ酸によって化学的にアミノアシル化された。従来の部位特異的変異生成が、タンパク質遺伝子における目的の部位に、ストップコドンTAGを導入するために使用された。例えば、Sayers, J.R., Schmidt, W. Eckstein, F. 5’-3’ Exonucleases in phosphorothioate-based olignoucleotide-directed mutagensis, Nucleic Acids Res, 16(3):791-802 (1988)を参照すればよい。アミノアシル化サプレッサtRNAおよび変異体遺伝子が、インビトロの転写/翻訳系において組み合せられる場合、非天然アミノ酸がUAGコドンに応じて組み込まれ、特定の位置においてアミノ酸を含んでいるタンパク質が生じる。[H]−Pheを用いた実験およびα−ヒドロキシ酸を用いた実験は、所望のアミノ酸のみがUAGコドンによって特定される位置に組み込まれ、このアミノ酸が、タンパク質における任意の他の部位に組み込まれないことを証明した。例えば、Noren, et al, supra; Kobayashi et al., (2003) Nature Structural Biology 10(6):425-432;およびEllman, J.A., Mendel, D., Schultz, P.G. Site-specific incorporation of novel backbone structures into proteins, Science, 255(5041):197-200 (1992)を参照すればよい。
tRNAは、任意の方法または技術(化学的または酵素的アミノアシル化が挙げられるが、これらに限定されない)によって所望のアミノ酸とともにアミノアシル化され得る。
アミノアシル化は、アミノアシルtRNA合成酵素または他の酵素性の分子(リボザイムが挙げられるが、これに限定されない)によってなされ得る。“リボザイム”という用語は、“触媒性のRNA”と交換可能である。Cechおよび共同研究者らは、触媒(リボザイム)として機能し得る天然に存在しているRNAの存在を証明した(Cech, 1987, Science, 236:1532-1539; McCorkle et al., 1987, Concepts Biochem. 64:221-226)。しかし、これら天然のRNA触媒が開裂および切断に関するリボ核酸基質において作用することを示されているにすぎないが、近年における人工的なリボザイムの進化によって、触媒の種類は種々の化学反応にまで及んでいる。研究によって、自身の(2’)3’−末端に対するアミノアシル−RNA結合を触媒し得るRNA分子(Illangakekare et al., 1995Science 267:643-647)、およびあるRNA分子から別のRNA分子にアミノ酸を転移させ得るRNA分子(Lohse et al., 1996, Nature 381:442-444)が同定されている。
米国特許出願公開第2003/0228593号(参照によって本明細書に援用される)には、リボザイムの構築方法、ならびに天然にコードされているアミノ酸および天然にコードされていないアミノ酸をともなったtRNAのアミノアシル化におけるそれらの使用について記載されている。tRNAをアミノアシル化し得る酵素性の分子(リボザイムが挙げられるが、これに限定されない)の担体に不動化されている形態は、アミノアシル化された産物の効率的な親和性精製を可能にする。好適な担体の例としては、アガロース、セファロースおよび磁性ビーズが挙げられる。アミノアシル化のためのリボザイムの担体に不動化されている形態の生成および使用について、Chemistry and Biology 2003, 10:1077-1084、および米国特許出願公開第2003/0228593号(参照によって本明細書に援用される)に記載されている。
化学的なアミノアシル化方法としては、アミノアシル化における合成酵素の使用を避けるための、Hechtおよび共同研究者ら(Hecht, S. M. Acc. Chem. Res. 1992, 25, 545; Heckler, T. G.; Roesser, J. R.; Xu, C.; Chang, P.; Hecht, S. M. Biochemistry 1988, 27, 7254; Hecht, S. M.; Alford, B. L.; Kuroda, Y.; Kitano, S. J. Biol. Chem. 1978, 253, 4517)、ならびにSchultz、ChamberlinおよびDoughertyら(Cornish, V. W.; Mendel, D.; Schultz, P. G. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, 621; Robertson,S. A.; Ellman, J. A.; Schultz, P. G. J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 2722; Noren, C. J.; Anthony-Cahill, S. J.; Griffith, M. C.; Schultz, P. G. Science 1989, 244,182; Bain, J. D.; Glabe, C. G.; Dix, T. A.; Chamberlin, A. R. J. Am. Chem. Soc.
1989, 111, 8013; Bain, J. D. et al. Nature 1992, 356, 537; Gallivan, J. P.; Lester, H. A.; Dougherty, D. A. Chem. Biol. 1997, 4, 740; Turcatti, et al. J. Biol.Chem. 1996, 271, 19991; Nowak, M. W. et al. Science, 1995, 268, 439; Saks, M. E. et al. J. Biol. Chem. 1996, 271, 23169; Hohsaka, T. et al. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 34)(これらは参照によって本明細書に援用される)によって紹介されている方法が挙げられるが、これらに限定されない。このような方法または他の化学的なアミノアシル化方法が、tRNA分子をアミノアシル化するために使用され得る。
触媒性のRNAを生成する方法は、ランダム化されたリボザイム配列の分離プールを生成すること、当該プールにおいて定方向の進化を実施すること、所望のアミノアシル化活性について当該プールをスクリーニングすること、および所望のアミノアシル化活性を示すリボザイム配列を選択することを包含し得る。
リボザイムは、アシル化活性を促進するモチーフおよび/または領域(GGUモチーフおよびUに富んだ領域など)を含み得る。例えば、Uに富んだ領域がアミノ酸基質の認識を容易にし得ること、およびGGUモチーフがtRNAの3’末端とともに塩基対を形成し得ることが報告されている。GGUモチーフおよびUに富んだ領域は共同して同時に、アミノ酸およびtRNAの両方の同時認識を容易にし、それによってtRNAの3’末端のアミノアシル化を促進する。
リボザイムは、tRNAAsn CCCGと抱合されており、部分的にランダム化されているr24miniを用いたを用いたインビトロ選択、続く活性なクローンに見られる共通配列の組織的な改変によって、生成され得る。この方法によって得られる例示的なリボザイムは、“Fx3リボザイム”と呼ばれ、米国特許出願公開第2003/0228593号(その内容は参照によって本明細書に援用される)に記載されており、同種の非天然アミノ酸とともに荷電されている種々のアミノアシル−tRNAの合成にとっての多目的な触媒としての役割を果たす。
担体に対する不動化が利用されて、アミノアシル化されているtRNAの効率的な親和性精製を可能にする。適切な担体の例としては、アガロース、セファロース、および磁性ビーズが挙げられるが、これらに限定されない。リボザイムは、RNAの化学構造を利用して樹脂に不動化され得る。例えば、RNAのリボースにおける3’−シス−ジオールが、過ヨウ素酸を用いて酸化されて、樹脂に対するRNAの不動化を容易にするための対応するジアルデヒドを生じ得る。様々な種類の樹脂(安価なヒドラジド樹脂が挙げられる)が用いられ得る。なお、還元性のアミノ化は、樹脂とリボザイムとの相互作用を不可逆結合にする。アミノアシル−tRNAの合成は、このカラムアミノアシル化技術によって非常に容易にされ得る。Kourouklis et al. Methods 2005; 36:239-4には、カラムに基づくアミノアシル化系が記載されている。
アミノアシル化されているtRNAの単離は、様々な方法においてなされ得る。1つの好適な方法としては、緩衝液(例えば、10mMのEDTAを有している酢酸ナトリウム溶液、50mMのN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)、12.5mMのKCl(pH7.0)、10mMのEDTAを含んでいる緩衝液、または単純なEDTA緩衝化水(pH7.0))を用いてカラムからアミノアシル化されているtRNAを溶出することである。
アミノアシル化されているtRNAが翻訳反応に加えられて、翻訳反応によって作製されているポリペプチドにおける選択部位に、ともにアミノアシル化されたアミノ酸を組み込み得る。本発明のアミノアシル化されているtRNAが使用され得る翻訳系の例としては、細胞溶解物が挙げられるが、これに限定されない。細胞溶解物は、投入したmRNAに由来するポリペプチドのインビトロ翻訳に必須の反応成分を提供する。そのような反応成分の例としては、リボソームタンパク質、rRNA、アミノ酸、tRNA、GTP、ATP、翻訳開始因子、伸張因子および翻訳と関連する付加的な因子が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、バッチ式(batch)翻訳または区画化翻訳であり得る。バッチ式翻訳の系は、単一の区画において反応成分を組み合せる一方において、区画化翻訳の系は、翻訳効率を抑制し得る反応産物から翻訳反応成分を分ける。当該翻訳系は市販されている。
さらに、複合された転写/翻訳系が使用され得る。複合された転写/翻訳系は、反応成分によって次々に翻訳される対応するmRNAへの、投入するDNAの転写の両方を可能にする。市販の複合された転写/翻訳の例は、ラピッドトランスレーションシステム(Rapid Translation System)(RTS、Rche)である。系としては、リボソームおよび翻訳因子といった翻訳の成分を供給するE. coliの溶菌液を含有する混合物が挙げられる。付加的に、RNAポリメラーゼは、翻訳において使用するmRNA鋳型への、挿入するDNAの転写に含められる。RTSは、反応区画(供給/排泄区画および転写/翻訳区画が挙げられる)の間に挿入される膜を用いて反応成分の区画化を使用できる。
tRNAのアミノアシル化は、他の物質(これらに限定されないが、トランスフェラーゼ、ポリメラーゼ、触媒抗体および多機能タンパク質などが挙げられる)によって実施され得る。
Stephan in Scientist 2005 Oct 10; pages 30-33 には、天然にコードされていないアミノ酸をタンパク質に組み込むさらなる方法について記載されている。Lu et al. in MolCell. 2001 Oct;8(4):759-69には、タンパク質が、非天然アミノ酸を含有する合成ペプ
チドに対して化学的に連結される方法(タンパク質連結と言われる)について記載されている。
また、微量注入技術は、タンパク質への非天然アミノ酸の組込みに使用されている。例えば、M. W. Nowak, P. C. Kearney, J. R. Sampson, M. E. Saks, C. G. Labarca, S. K. Silverman, W. G. Zhong, J. Thorson, J. N. Abelson, N. Davidson, P. G. Schultz,D. A. Dougherty and H. A. Lester, Science, 268:439 (1995) ;およびD. A. Dougherty, Curr. Opin. Chem. Biol., 4:645 (2000) を参照すればよい。アフリカツメガエルの卵母細胞は、インビトロにおいて作製された2つのRNA種:所定のアミノ酸位置にUAGストップコドンを有している標的タンパク質をコードするmRNA、および所望の非天然アミノ酸と共にアミノアシル化されたアンバーサプレッサtRNAを用いて共注入された。それから、卵母細胞の翻訳機構は、UAGによって特定される位置に非天然アミノ酸を挿入する。この方法は、一般的にインビトロの系に受け容れられない、内在性膜タンパク質(integral membrane protein)の構造−機能研究を可能にしている。例としては、蛍光共鳴エネルギー転移によって距離を測定するための、タキキニン ニューロキニン−2受容体への蛍光アミノ酸の組込み(例えば、G. Turcatti, K. Nemeth, M. D. Edgerton, U. Meseth, F. Talabot, M. Peitsch, J. Knowles, H. Vogel and A. Chollet, J. Biol. Chem., 271:19991 (1996) を参照すればよい);イオンチャネルにおける表面露出残基を同定するための、ビオチン化アミノ酸の組込み(例えば、J. P. Gallivan, H. A. Lester and D. A. Dougherty, Chem. Biol., 4:739 (1997) を参照すればよい);実時間におけるイオンチャネルの立体配置の変化を観察するための、ケージ化チロシン類似物の使用(例えば、J. C. Miller, S. K. Silverman, P. M. England, D. A. Dougherty and H.A. Lester, Neuron, 20:619 (1998) を参照すればよい);およびそれらのゲート機構を調べるためにイオンチャネル骨格を変更するための、αヒドロキシアミノ酸の使用が挙げられる。例えば、P. M. England, Y. Zhang, D. A. Dougherty and H. A. Lester, Cell,96:89 (1999) ;およびT. Lu, A. Y. Ting, J. Mainland, L. Y. Jan, P. G. Schultz and J. Yang, Nat. Neurosci., 4:239 (2001)を参照すればよい。
インビボにおいてタンパク質に非天然アミノ酸を組み込む能力は、広範な利点(これらに限定されないが、変異タンパク質の高い収率、技術的な容易さ、細胞またはおそらくは生体における変異タンパク質を研究する見込み、ならびに治療的な処置および診断的な用途におけるこれらのタンパク質の利用が挙げられる)を提供する。種々の大きさ、酸性度、求核性、疎水性および他の特性を有している非天然アミノ酸をタンパク質に含める能力は、タンパク質の機能を調べること、および新規の性質を有する新たなタンパク質もしくは生体を作り出すことの両方を目的として、タンパク質の構造を合理的かつ体系的に操作するわれわれの能力を非常に拡張し得る。
パラ−F−Pheを部位特異的に組み込むための1つの試みにおいて、酵母アンバーサプレッサtRNAPheCUA/フェニルアラニル−tRNA対が、p−F−Phe耐性の、Phe要求性のEscherichia coli株に使用された。例えば、R. Furter, Protein Sci., 7:419 (1998) を参照すればよい。
また、無細胞(インビトロ)翻訳系を用いて、本発明のbG−CSFポリペプチドを発現させ得る。翻訳系は、細胞性および無細胞であり得、かつ原核生物および真核生物であり得る。細胞性翻訳系としては、これに限定されないが、所望の核酸配列が、mRNAに転写され得、かつmRNAが翻訳され得る透過処理された細胞および培養細胞といった、全細胞調製物が挙げられる。無細胞翻訳系は、市販されており、かつ多くの異なる種類および系がよく知られている。無細胞翻訳系の例としては、これらに限定されないが、Escherichia coliの溶菌液といった原核生物溶菌液、ならびに大麦抽出物、昆虫細胞溶解液、ウサギの網赤血球溶解液、ウサギの卵母細胞溶解液およびヒト細胞溶解液といった真核生物溶解液が挙げられる。真核細胞の抽出物または溶解液は、生じたタンパク質が糖鎖付加されるか、リン酸化されるか、またはそれとは別に修飾される場合に、当該修飾が真核生物の系においてのみ可能であるため、好ましくあり得る。これらの抽出物および溶解液のいくつかは、市販されている(Promega、Madison、Wis.;Stratagene、La Jolla、Calif.;Amersham、Arlington Heights、Ill.;GIBCO/BRL、Grand Island、N.Y)。また、膜性抽出物(例えば、ミクロソーム膜を含有するイヌの膵臓抽出物)は、分泌タンパク質の翻訳にとって有用に利用可能である。鋳型としてmRNA(インビトロ翻訳)または鋳型としてDNA(インビトロ転写および翻訳の組合せ)のいずれかを含み得るこれらの系において、インビトロ合成は、リボソームによって導かれる。無細胞タンパク質発現系の開発に、多大な努力が注がれている。例えば、参照によって本明細書に援用される、Kim, D.M. and J.R. Swartz, Biotechnology and Bioengineering, 74 :309-316 (2001);Kim, D.M. and J.R. Swartz, Biotechnology Letters, 22, 1537-1542, (2000);Kim, D.M., and J.R. Swartz, Biotechnology Progress, 16, 385-390, (2000);Kim, D.M., and J.R.Swartz, Biotechnology and Bioengineering, 66, 180-188, (1999);およびPatnaik, R. and J.R. Swartz, Biotechniques 24, 862-868, (1998);米国特許第6,337,191号;米国特許出願公開第2002/0081660号;国際公開第00/55353号国際公開第90/05785号を参照すればよい。天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドの発現に適用され得る他の方法としては、mRNA−ペプチド融合技術が挙げられる。例えば、R. Roberts and J. Szostak, Proc. Natl Acad. Sci. (USA) 94:12297-12302 (1997) ;A. Frankel, et al., Chemistry & Biology 10:1043-1050 (2003) を参照すればよい。この方法において、ピューロマイシンと連結されたmRNAの鋳型は、リボソーム上において翻訳される。1つ以上のtRNA分子が修飾されると、非天然アミノ酸が、同様にペプチドに組み込まれ得る。最後のmRNAコドンが読まれた後に、ピューロマイシンは、ペプチドのC末端を捕捉する。生じたmRNA−ペプチド抱合物は、インビトロアッセイにおいて興味深い性質を有することを見出されている場合に、その同一性は、mRNA配列から容易に明らかにされ得る。この方法において、所望の性質を有するポリペプチドを同定するために、天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含んでいるbG−CSFポリペプチドのライブラリをスクリーニングし得る。より最近に、精製成分を用いたインビトロリボソーム翻訳は、天然にコードされていないアミノ酸に置換されたペプチドの合成を可能にすることが、報告されている。例えば、A. Forster et al., Proc. Natl Acad. Sci. (USA) 100:6353 (2003)を参照すればよい。
また、再生翻訳系が使用され得る。また、精製された翻訳因子の混合物だけでなく、溶解液の組合せ、または開始因子1(IF−1)、IF−2、IF−3(αまたはβ)、伸張因子 T(EF−Tu)、もしくは終結因子といった精製された翻訳因子を補った溶解液が、mRNAをタンパク質に翻訳するために首尾よく使用されている。また、無細胞系は、転写/翻訳系と組合せられ得る。ここで、参照によって本明細書に特に援用される、Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel et al. editors, Wiley Interscience, 1993) に記載されているように、DNAが系に導入され、mRNAに転写され、かつmRNAが翻訳される。真核生物転写系において転写されるRNAは、ある特定の翻訳系において有利であり得る、異核RNA(hnRNA)の形態であり得るか、または5’末端キャップ(7−メチルグアノシン)および3’末端ポリAを尾部につないだRNAの形態であり得る。例えば、キャップつきのmRNAは、網赤血球溶解液の系において高い効率を有して翻訳される。
IX.bG−CSFポリペプチドに結合されている巨大分子重合体
本明細書に記載されている非天然アミノ酸ポリペプチドの種々の修飾は、本明細書に記載されている組成物、方法、技術および戦略を用いてもたらされ得る。これらの修飾は、ポリペプチドに対する非天然アミノ酸に対するさらなる機能性(ヒドロキシアルキルスターチ(HAS)、ヒドロキシエチルスターチ(HES)、標識、色素、重合体、水溶性重合体、ポリエチレングリコールの誘導体、光架橋剤、細胞毒性化合物、薬物、親和性標識、光親和性標識、反応性化合物、樹脂、もう1つのタンパク質もしくはポリペプチドもしくはポリペプチド類似物、抗体もしくは抗体断片、金属キレート剤、補助因子、脂肪酸、炭水化物、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、糖、水溶性デンドリマー、シクロデキストリン、アンチセンスポリヌクレオチド、抑制性リボ核酸、生体材料、ナノ粒子、スピン標識、蛍光団、金属を含有する部分、放射性部分、新規な官能基、他の分子と共有結合的または非共有結合的に相互作用する基、光ケージド部分、光異性化可能な部分、ビオチン、ビオチンの誘導体、ビオチン類似物、重原子を組み込みこんでいる部分、化学切断可能な基、光切断可能な基、延長された側鎖、炭素結合型の糖、酸化還元活性のある剤、アミノチオ酸、毒性部分、同位体によって標識された部分、生物物理学的なプローブ、燐光性の基、化学発光性の基、電子密度の高い基、磁性基、インターカレートする基、発色団、エネルギー転移剤、生物学的に活性な薬剤、検出可能な標識、小分子、量子ドット、ナノ伝達物質、放射性ヌクレオチド、放射性伝達物質、中性子捕捉物質または上述のものの任意の組合せ、もしくは他に所望される任意の化合物もしくは物質が挙げられるが、これらに限定されない)の組み込みを包含する。本明細書に記載されている組成物、方法、技術および戦略の具体的な、非限定的な例として、以下の記載は、それらに関して本明細書に記載されている組成物、方法、技術および戦略が、他の機能性(上記に挙げたそれらが挙げられるが、これらに限定されない)を加えることにも適用可能である(必要に応じて、当業者が本明細書における開示を用いてなし得る適切な改変を伴って)という理解を含めて、非天然アミノ酸ポリペプチドに対する巨大分子を加えることを中心に扱う。
広範な巨大分子重合体および他の分子は、bG−CSFポリペプチドの生物学的な性質を調節するためか、および/またはbG−CSF分子に対して新たな生物学的な性質を与えるために、本発明のbG−CSFポリペプチドに対して連結され得る。これらの巨大分子重合体は、天然にコードされるアミノ酸を介してか、天然にコードされていないアミノ酸、または天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸の任意の置換基、または天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸に対して加えられる任意の置換基もしくは官能基を介して、bG−CSFポリペプチドに対して連結され得る。重合体の分子量は広い範囲(約100Da〜約100000Daまたはそれ以上の間が挙げられるが、これに限定されない)にあり得る。重合体の分子量は、約100Da〜約100000Daの間(100000Da、95000Da、90000Da、85000Da、80000Da、75000Da、70000Da、65000Da、60000Da、55000Da、50000Da、45000Da、40000Da、35000Da、30000Da、25000Da、20000Da、15000Da、10000Da、9000Da、8000Da、7000Da、6000Da、5000Da、4000Da、3000Da、2000Da、1000Da、900Da、800Da、700Da、600Da、500Da、400Da、300Da、200Da、および100Daが挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。いくつかの実施形態において、重合体の分子量は約100Da〜約50000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体の分子量は約100Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体の分子量は約1000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体の分子量は約5000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体の分子量は約10000Da〜約40000Daの間である。
本発明は、重合体:タンパク質の抱合物の実質的に均質な調製物を提供する。本明細書において使用されるときに、“実質的に均質な”は、重合体:ポリペプチドの抱合物がタンパク質の総量の半分より多く観察されることを意味する。重合体:タンパク質の抱合物は、生物活性を有し、かつ本明細書において規定される“実質的に同質な”PEG付加bG−CSFポリペプチド調製物は、均質な調製物の利点(例えば、1組の薬物動態に対する1組の予想における臨床的な適用における容易さ)を示すために十分に均質であるそれらである。
また、重合体:タンパク質の抱合物分子の混合物を調製するために選択し得、かつ本明細書に規定されている利点は、混合物に含まれるモノ−重合体:タンパク質の抱合物の比率を選択し得ることである。したがって、必要に応じて、種々の数(すなわち、ジ−、トリ−、テトラ−など)の重合体部分と連結した状態の様々なタンパク質の混合物を調製し得、かつ本発明の方法を用いて調製されたモノ−重合体:タンパク質の抱合物と上記抱合物を組み合せ得、かつ所定の割合のモノ−重合体:タンパク質の抱合物を有する混合物を有し得る。
選択される重合体は、重合体が連結されるタンパク質が水性環境(例えば、生理学的環境)において沈殿しないように、水溶性重合体であり得る。重合体は、分枝状であり得るか、または非分枝状であり得る。最終産物の調製物の治療的利用に関して、重合体は薬学的に受容可能である。
重合体の例としては、ポリアルキルエーテルおよびアルコキシキャップされているそれら類似物(例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレン/プロピレングリコール、およびメトキシまたはエトキシキャップされているそれらの類似物、特にポリオキシエチレングリコール(ポリエチレングリコールまたはPEGとして知られている);ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルキルエーテル;ポリオキサゾリン、ポリアルキルオキサゾリンおよびポリヒドロキシアルキルオキサゾリン;ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド、およびポリヒドロキシアルキルアクリルアミド(例えば、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドおよびこれらの誘導体);ポリヒドロキシアルキルアクリレート;ポリシアル酸およびこれらの類似物;親水性ペプチド配列;多糖およびそれらの誘導体(デキストランおよびデキストランの誘導体(例えば、カルボキシメチルデキストラン、硫酸デキストラン、アミノデキストラン)が挙げられる);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース);キチンおよびその誘導体(例えば、キトサン、スクシニルキトサン、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン);ヒアルロン酸およびその誘導体;スターチ;アルギン酸塩;硫酸コンドロイチン;アルブミン;プルランおよびカルボキシメチルプルラン;ポリアミノ酸およびそれらのそれらの誘導体(例えば、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリアスパラギン);無水マレイン酸の共重合体(例えば、スチレン無水マレイン酸の共重合体、ジビニルエーテル無水マレイン酸の共重合体);ポリビニルアルコール;これらの共重合体;これらの三元重合体;ヒドロキシアルキルスターチ(HAS)(ヒドロキシエチルスターチ(HES)が挙げられるが、これに限定されない);または上述のものの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
タンパク質分子に対するポリエチレングリコールの比率は、反応混合物におけるそれらの濃度にしたがって変化する。一般的に、最適な比率(余剰の未反応のタンパク質または重合体が最小である反応の効率に関する)は、選択されるポリエチレングリコールの分子量によって、かつ有用な反応性基の利用可能な数に基づいて決定され得る。分子量に関連するときに、タンパク質に対して連結されるのは、典型的により分子量の高い重合体、より少ない数の重合体分子である。同様に、重合体の分枝は、これらの要素を最適化する場合に、計算に入れられるべきである。一般的に、分子量が高いほど(分枝が多いほど)、重合体:タンパク質の割合が高くなる。
本明細書において使用されるとき、およびPEG:bG−CSFポリペプチドの抱合物について検討される場合に、“治療有効量”は、動物における所望の利益を与える量を指す。当該量は、個体間において変わり、かつ要素(患者の全体的な体調および処置される障害の根本的な原因が挙げられるが、これらに限定されない)の数に依存する。治療のために使用されるbG−CSFポリペプチドの量は、受容可能な変化率を生じ、所望の応答を有益なレベルに維持する。本発明の組成物の治療有効量は、一般に利用可能な材料および手法を用いて、当業者によって容易に確認され得る。
水溶性重合体は、任意の構造的な形態(直鎖、分岐鎖または分枝鎖が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。水溶性重合体は、典型的にポリ(エチレングリコール)(PEG)といったポリ(アルキレングリコール)であるが、他の水溶性重合体もまた採用され得る。ほんの一例として、PEGは、本発明のある特定の実施形態を説明するために使用される。
PEGは、市販されているか、または当業者に公知の方法(Sandler and Karo, Polymer Synthesis, Academic Press, New York, Vol. 3, pages 138-161)にしたがって、エチレングリコールの開環重合によって調製され得る、よく知られている水溶性重合体である。“PEG”という用語は、PEGの大きさまたは末端における修飾に関係なく、任意のポリエチレングリコール分子を包含するために広く使用され、かつbG−CSFポリペプチドに対して連結されるときに、式:
XO-(CH2CH2O)n-CH2CH2-Y
(ここで、nは2から10000であり、Xは、Hまたは末端修飾(C1−4アルキルが挙げられるが、これらに限定されない)である)
によって表され得る。
いくつかの場合において、本発明において使用されるPEGは、ヒドロキシまたはメトキシを有している末端が終端になる(すなわち、XはHかCHである(“メトキシPEG”))。代替可能に、PEGは、これによって二官能性重合体を形成する反応性基が終端になる。典型的な反応性基は、一般的に見られる20のアミノ酸における官能基と反応するために通常に使用されるこれらの反応性基(マレイミド基、活性化カルボン酸塩(p−ニトロフェニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない)、活性化エステル(N−ヒドロキシスクシニミド、p−ニトロフェニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない)、およびアルデヒドが挙げられるが、これらに限定されない)だけでなく、一般的な20のアミノ酸に対して不活性であるが、天然にコードされていないアミノ酸に存在する補完的な官能基と特に反応する官能基(アジド基、アルキン基が挙げられるが、これに限定されない)を含むことができる。ここで留意すべきは、上記式においてYによって示されているPEGの他の末端が、天然に存在するアミノ酸または天然にコードされていないアミノ酸を介してbG−CSFポリペプチドに対して直接的または間接的に連結していることである。実際に、Yは、ポリペプチドのアミン基(リジンまたはN末端のイプシロンアミンが挙げられるが、これらに限定されない)に対する、アミド結合、カルバメート結合または尿素結合であり得る。代替可能に、Yは、チオール基(システインのチオール基が挙げられるが、これに限定されない)に対するマレイミド結合であり得る。代替可能に、Yは、一般的な20のアミノ酸を介して通常には接近できない残基に対する結合であり得る。例えば、PEGにおけるアジド基は、bG−CSFポリペプチドのけるアルキン基と反応して、ヒュイゲン[3+2]環付加産物を形成し得る。代替可能に、PEGにおけるアルキン基は、天然にコードされていないアミノ酸に存在するアジド基と反応して、同様の産物を形成し得る。いくつかの実施形態において、強い求核基(ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシアミン、セミカルバジドが挙げられるが、これらに限定されない)は、天然にコードされていないアミノ酸に存在するアルデヒド基またはケトン基と反応して、必要に応じていくつかの場合において適切な還元剤を用いた処理によってさらに還元されるヒドラゾン、オキシムまたはセミカルバゾンを形成し得る。代替可能に、強い求核基は、天然にコードされていないアミノ酸を介してbG−CSFポリペプチドに組み込まれ得、水溶性重合体に存在するケトン基またはアルデヒド基と好適に反応するために使用され得る。
PEGに関する任意の分子量が、実際に所望されるように、約100ダルトン(Da)から100000Daまたは必要に応じてそれ以上(0.1〜50kDaまたは10〜40kDaが挙げられるが、これらに限定されない)まで(これらが挙げられるが、限定されない)使用され得る。PEGの分子量は、広範囲(約100Da〜約100000Daの間(100000Da、95000Da、90000Da、85000Da、80000Da、75000Da、70000Da、65000Da、60000Da、55000Da、50000Da、45000Da、40000Da、35000Da、30000Da、25000Da、20000Da、15000Da、10000Da、9000Da、8000Da、7000Da、6000Da、5000Da、4000Da、3000Da、2000Da、1000Da、900Da、800Da、700Da、600Da、500Da、400Da、300Da、200Da、および100Daが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約100Da〜約50000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約100Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約1000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約5000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約10000Da〜約40000Daの間である。また、分枝鎖のPEG(1〜100kDa(1〜50kDaまたは5〜20kDaが挙げられるが、これらに限定されない)の範囲にあるMWを有しているそれぞれの鎖を含んでいるPEG分子が挙げられるが、これらに限定されない)が使用され得る。分枝鎖状のPEGのそれぞれの鎖の分子量は、約1000Da〜約100000Daまたはそれ以上の間にあり得る(これらが挙げられるが、限定されない)。分枝鎖状のPEGのそれぞれの鎖の分子量は、約1000Da〜約100000Da(100000Da、95000Da、90000Da、85000Da、80000Da、75000Da、70000Da、65000Da、60000Da、55000Da、50000Da、45000Da、40000Da、35000Da、30000Da、25000Da、20000Da、15000Da、10000Da、9000Da、8000Da、7000Da、6000Da、5000Da、4000Da、3000Da、2000Da、1000Daが挙げられるが、これらに限定されない)の間である。いくつかの実施形態において、分枝鎖状のPEGのそれぞれの鎖の分子量は約1000Da〜約50000Daの間である。いくつかの実施形態において、分枝鎖状のPEGのそれぞれの鎖の分子量は約1000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、分枝鎖状のPEGのそれぞれの鎖の分子量は約5000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、分枝鎖状のPEGのそれぞれの鎖の分子量は約10000Da〜約20000Daの間である。広範なPEG分子が参照によって本明細書に援用されるShearwater Polymers, Inc. catalog, Nektar Therapeuticscatalog(これが挙げられるが、限定されない)に記載されている。
一般的に、PEGの少なくとも1つの末端は、天然にコードされていないアミノ酸との反応に利用可能である。例えば、アミノ酸側鎖との反応のためのアルキン部分およびアジド部分は、本明細書に記載されるような天然にコードされていないアミノ酸に対してPEGを連結させるために使用され得る。天然にコードされていないアミノ酸がアジドを含んでいる場合に、そのときPEGは、ヒュイゲン[3+2]環付加産物の形成をもたらすためのアルキン部分、またはアミド結合の形成をもたらすための活性化PEG種(すなわち、エステル、カルボン酸塩)のいずれかを典型的に含んでいる。代替可能に、天然にコードされていないアミノ酸がアルキンを含んでいる場合に、そのときPEGは、[3+2]ヒュイゲン環付加産物の形成をもたらすためのアジド部分を典型的に含んでいる。天然にコードされていないアミノ酸がカルボニル基を含んでいる場合に、PEGは、対応するヒドラゾン、ヒドロキシアミン、またはセミカルバゾン結合のそれぞれをもたらすために、強力な求核基(ヒドラジド、ヒドラジン、ヒドロキシアミン、またはセミカルバジド基能性基が挙げられるが、これらに限定されない)を典型的に含んでいる。他の代替物において、上記において説明される反応性基の逆の方向性が使用され得る(すなわち、天然にコードされていないアミノ酸におけるアジド基が、アルキンを含有するPEG誘導体と反応され得る)。
いくつかの実施形態において、PEG誘導体を有するbG−CSFポリペプチドバリアントは、天然にコードされていないアミノ酸の側鎖に存在する化学的な官能性基と反応性である化学的な官能性基を含んでいる。
本発明は、いくつかの実施形態において、約800Daから約100000Daまでの平均分子量を有する水溶性重合体骨格を含んでいる、アジド含有重合体およびアセチレン含有重合体を提供する。水溶性重合体の重合体骨格は、ポリ(エチレングリコール)であり得る。しかし、広範な水溶性重合体(ポリ(エチレン)グリコールおよび他の関連する重合体(ポリ(デキストラン)およびポリ(プロピレングリコール))が挙げられるが、これらに限定されない)がまた、本発明の実践における使用に好適であること、PEGまたはポリ(エチレングリコール)という用語が、そのような分子のすべてを包含し、含むことを意図されることは、理解されるべきである。PEGという用語としては、その形態のいずれか(二官能性のPEG、多腕のPEG、誘導体化PEG、分岐状のPEG、分枝状のPEG、ぶら下がりのPEG(すなわち、重合体骨格に対してぶら下がっている1つ以上の官能基を有するPEGまたは関連重合体)、またはこれらに分解可能な結合を有するPEGが挙げられるが、これらに限定されない)であるポリ(エチレングリコール)が挙げられるが、これに限定されない。
PEGは、典型的に、透明であり、無色であり、無臭であり、水溶性であり、熱に安定であり、多くの化学物質に対して不活性であり、加水分解されないかまたは劣化されず、かつ一般的に無毒である。ポリ(エチレングリコール)は、生体適合性である(PEGが、損傷の原因になることなく、生きている組織または生体と共存可能であることを意味する)と見做される。より詳細には、PEGは、実質的に非免疫原性である(PEGが身体に免疫応答を生じさせる傾向を示さないことを意味する)。身体においていくつかの所望の機能を有している分子(例えば、生物学的に活性な分子)に連結される場合に、PEGは、物質をマスクする傾向にあり、生体が物質の存在に寛容であり得るように任意の免疫応答を低減可能か、または排除できる。PEG抱合物は、実質的な免疫応答を生じないか、または凝固もしくは他の好ましくない影響の原因にならない傾向を示す。式−CHCHO−(CHCHO)−CHCH−(ここでnは約3から4000、典型的に約20から約2000である)を有するPEGは、本発明における使用に好適である。約800Daから約100000Daまでの分子量を有しているPEGは、本発明のいくつかの実施形態において、重合体骨格として特に有用である。PEGの分子量は、広範(約100Da〜約100000Daまたはそれ以上の間が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。PEGの分子量は、約100Da〜約100000Daの間(100000Da、95000Da、90000Da、85000Da、80000Da、75000Da、70000Da、65000Da、60000Da、55000Da、50000Da、45000Da、40000Da、35000Da、30000Da、25000Da、20000Da、15000Da、10000Da、9000Da、8000Da、7000Da、6000Da、5000Da、4000Da、3000Da、2000Da、1000Da、900Da、800Da、700Da、600Da、500Da、400Da、300Da、200Da、および100Daが挙げられるが、これらに限定されない)である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約100Da〜約50000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約100Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約1000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約5000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、PEGの分子量は約10000Da〜約40000Daの間である。
重合体骨格は、直鎖状または分枝状であり得る。分枝状の重合体骨格は、一般的に当該技術において公知である。典型的に、分枝状の重合体は、中心の分枝核部分および中心の分枝核に連結された複数の直鎖状の重合体鎖を有する。PEGは、種々のポリオール(例えば、グリセロール、グリセロールオリゴマー、ペンタエリスリトールおよびソルビトール)に対するエチレンオキシドの付加によって調製され得る、分枝状の形態において通常に使用される。また、中心の分枝核部分は、リジンといった種々のアミノ酸から誘導体化され得る。分枝状のポリ(エチレングリコール)は、R(−PEG−OH)(Rは、グリセロール、グリセロールオリゴマー、またはペンタエリスリトールといった核部分から誘導体化され、mは腕の数を表す)として通常の形態において表され得る。また、多腕のPEG分子(例えば、参照によってその全体が本明細書に援用される、米国特許第5,932,462号;米国特許第5,643,575号;米国特許第5,229,490号;米国特許第4,289,872号;米国特許出願公開第2003/0143596号;国際公開第96/21469号パンフレット;および国際公開第93/21259号パンフレットに記載されるようなそれら)は、重合体骨格として使用され得る。
また、分枝状のPEGは、PEG(−YCHZ(ここで、Yは結合基であり、Zは所定の長さの原子の鎖によってCHに対して連結される活性化末端基である)によって表される分岐状のPEGの形態であり得る。
まださらなる分枝状の形態、ぶら下がりのPEGは、PEG鎖の末端ではなくPEG骨格に沿ってある、カルボキシルといった反応性基を有している。
まださらなる分枝状の形態、ぶら下がりのPEGは、PEG鎖の末端ではなくPEG骨格に沿ってある、カルボキシルといった反応性基を有している。
またPEGのこれらの形態に加えて、重合体は、骨格において弱い結合または分解可能な結合を有して、調製され得る。例えば、PEGは、重合体骨格に加水分解を受けやすいエステル結合を有して調製され得る。以下に示すように:
-PEG-CO2-PEG-+H2O → PEG-CO2H+HO-PEG-
この加水分解は、重合体のより低い分子量の断片への切断を結果として生じる。ポリ(エチレングリコール)またはPEGという用語が、当該技術において公知の形態のすべて(本明細書に開示されるそれらが挙げられるが、これらに限定されない)を表すか、または含むことは、当業者によって理解される。
また、他の重合体は、本発明における使用にとって好適である。いくつかの実施形態において、水溶性重合体であり、2から約300の末端を有する重合体骨格は、本発明において特に有用である。好適な重合体の例としては、ポリ(プロピレングリコール)(“PPG”)、これらの共重合体(エチレングリコールおよびプロピレングリコールの共重合体が挙げられるが、これに限定されない)、これらの三元重合体、およびこれらの混合物などといった、他のポリ(アルキレングリコール)が挙げられるが、これらに限定されない。重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は、変更可能であるが、典型的に約800Daから約100000Daまで、しばしば約6000Daから約80000Daまでの範囲である。重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は、広範(約100Da〜約100000Daまたはそれ以上の間が挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は、約100Da〜約100000Daの間(100000Da、95000Da、90000Da、85000Da、80000Da、75000Da、70000Da、65000Da、60000Da、55000Da、50000Da、45000Da、40000Da、35000Da、30000Da、25000Da、20000Da、15000Da、10000Da、9000Da、8000Da、7000Da、6000Da、5000Da、4000Da、3000Da、2000Da、1000Da、900Da、800Da、700Da、600Da、500Da、400Da、300Da、200Da、および100Daが挙げられるが、これらに限定されない)である。いくつかの実施形態において、重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は約100Da〜約50000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は約100Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は約1000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は約5000Da〜約40000Daの間である。いくつかの実施形態において、重合体骨格のそれぞれの鎖の分子量は約10000Da〜約40000Daの間である。
当業者は、水溶性重合体に関して上記に挙げたものが、決して網羅的なものではなく、単に例示であること、および上述のような品質を有する重合体材料のすべてが、本発明における使用に好適であると考えらえることを認識する。
本発明のいくつかの実施形態において、重合体誘導体は、重合体骨格が、官能基を用いて官能性化されたか、または活性化された少なくとも2つの末端、おそらく約300もの末端を有することを意味する、“多官能性”である。多官能性重合体誘導体としては、2つの末端(末端のそれぞれが、同じであり得るか、または異なり得る官能基に対して結合されている)を有する直鎖状の重合体が挙げられるが、これに限定されない。
1つの実施形態において、重合体誘導体は、構造:
X-A-POLY-B-N=N=N
(ここで、
N=N=Nはアジド部分であり;
Bは、存在し得るか、または存在しない場合があり得る連結部分であり;
POLYは、水溶性の非抗原性の重合体であり;
Aは、存在し得るか、または存在し得ず、Bと同じであり得るか、または異なり得る連結部分であり;
Xは第2の官能基である)
を有している。
AおよびBに関する連結部分の例は、18まで含有する多重官能性化アルキル基を含んでおり、1−10の間の炭素原子を含有し得るが、これらに限定されない。窒素、酸素または硫黄といった異種原子は、アルキル鎖に含まれ得る。また、アルキル鎖は、異種原子において枝分かれし得る。AおよびBに関する結合部分の他の例は、10まで含有する多重官能性化アリール基を含んでおり、5−6の間の炭素原子を含有し得るが、これに限定されない。アリール基は、1つ以上の炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子を用いて置換され得る。好適な連結基の他の例としては、参照によって本明細書に援用される、米国特許第5,932,462号;米国特許第5,643,575号;および米国特許出願公開第2003/0143596号に記載されているこれらの連結基が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、連結部分に関して上記に挙げたものが、決して網羅的ではなく、かつ単に例示であること、および上述の品質を有する結合部分のすべてが、本発明における使用に好適であると考えらえることを認識する。
Xとしての使用に好適な官能基の例としては、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシル、活性化エステル(例えば、N−ヒドロキシスクシニミジルエステルおよび1−ベンゾトリアゾリルエステル)、活性化カルボネート(例えば、N−ヒドロキシスクシニミジルカルボネートおよび1−ベンゾトリアゾリルカルボネート)、アセタール、アルデヒド、アルデヒド水和物、アルケニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、活性化スルホン、アミン、アミノオキシ、保護されたアミン、ヒドラジド、保護されたヒドラジド、保護されたチオール、カルボキシル酸、保護されたカルボキシル酸、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ビニルスルホン、ジチオピリジン、ビニルピリジン、ヨードアセトアミド、エポキシド、グリオキサール、ジオン、メシレート、トシレート、トレシレート、アルケン、ケトンおよびアジドなどが挙げられるが、これらに限定されない。当業者によって理解されるように、選択されるX部分は、アジド基との反応が生じないように、アジド基とコンパティブル(compatible)であるべきである。アジド含有重合体誘導体は、第2の官能基(すなわち、X)がまた、アジド部分であることを意味する同種の二官能性であり得るか、または第2の官能基が異なる官能基であることを意味する異種二官能性であり得る。
“保護された”という用語は、特定の反応条件下における化学的に反応性の官能基の反応を妨げる保護基または保護部分の存在を指す。保護基は、保護される化学的に反応性の基の種類に依存して変わる。例えば、化学的に反応性の基がアミンまたはヒドラジドである場合に、保護基は、tert−ブチルオキシカルボニル(t−Boc)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)の群から選択され得る。化学的に反応性の基がチオールである場合に、保護基は、オルトピリジルジスルフィドであり得る。化学的に反応性の基がカルボキシル酸(例えば、ブタン酸またはプロピオン酸)またはヒドロキシル基である場合に、保護基は、ベンジル基またはメチル、エチルもしくはtert−ブチルといったアルキル基であり得る。また、当該技術において公知の他の保護基は、本発明に使用され得る。
文献における特定の末端官能基の例としては、N−スクシニミジルカルボネート(例えば、米国特許第5,281,698号、米国特許第5,468,478号を参照すればよい)、アミン(例えば、Buckmann et al. Makromol. Chem. 182:1379 (1981), Zalipsky et al. Eur. Polym. J. 19:1177 (1983)を参照すればよい)、ヒドラジド(例えば、Andresz et al. Makromol. Chem. 179:301 (1978) を参照すればよい)、スクシニミジルプロピオネートおよびスクシニミジルブタノエート(例えば、Olson et al. in Poly(ethylene glycol) Chemistry & Biological Applications, pp 170-181, Harris & Zalipsky Eds., ACS, Washington, D.C., 1997を参照すればよく;また、米国特許第5,672,662号を参照すればよい)、スクシニミジルスクシネート(例えば、Abuchowski et al. Cancer Biochem. Biophys. 7:175 (1984)およびJoppich et al. Makromol. Chem. 180:1381(1979)を参照すればよい)、スクシニミジルエステル(例えば、米国特許第4,670
,417号を参照すればよい)、ベンゾトリアゾールカルボネート(例えば、米国特許第5,650,234号を参照すればよい)、グリシジルエステル(例えば、Pitha et al.Eur. J Biochem. 94:11 (1979)、Elling et al., Biotech. Appl. Biochem. 13:354 (1991)を参照すればよい)、オキシカルボニルイミダゾール(例えば、Beauchamp, et al., Anal. Biochem. 131:25 (1983), Tondelli et al. J. Controlled Release 1:251 (1985)を参照すればよい)、p−ニトロフェニルカルボネート(例えば、Veronese, et al., Appl. Biochem. Biotech., 11: 141 (1985);およびSartore et al., Appl. Biochem. Biotech., 27:45 (1991)を参照すればよい)、アルデヒド(例えば、Harris et al. J. Polym. Sci. Chem. Ed. 22:341 (1984) 、米国特許第5,824,784号、米国特許第5,252,714号を参照すればよい)、マレイミド(例えば、Goodson et al. Bio/Technology 8:343 (1990) 、Romani et al. in Chemistry of Peptides and Proteins 2:29 (1984) を参照すればよい)、オルトピリジル−ジスルフィド(例えば、Woghiren, et al. Bioconj. Chem. 4:314(1993) を参照すればよい)、アクリロール(例えば、Sawhney et al., Macromolecules, 26:581 (1993) を参照すればよい)、ビニルスルホン(例えば、米国特許第5,900,461号を参照すればよい)が挙げられるが、これらに限定されない。上述の参考文献および特許文献のすべては、参照によって本明細書に援用される。
本発明のある特定の実施形態において、本発明の重合体誘導体は、構造:
X-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-N=N=N
(ここで、
Xは、上述のような官能基であり;
nは、約20から約4000までである)
を有している重合体骨格を含んでいる。
他の実施形態において、本発明の重合体誘導体は、構造:
X-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-O-(CH2)m-W-N=N=N
(ここで、
Wは、1−10の炭素原子を備える脂肪族または芳香族の連結部分であり;
nは、約20から約4000までであり;
Xは、上述のような官能基である)
を有している重合体骨格を含んでいる。mは、1から10である。
本発明のアジド含有PEG誘導体は、当該技術において公知の種々の方法および/または本明細書に開示されている種々の方法によって調製され得る。以下に示されている1つの方法において、約800Daから約100000Daまでの平均分子量を有している水溶性重合体骨格であり、第1の官能基に対して結合される第1の末端および好適な脱離基に対して結合される第2の末端を有する重合体骨格は、アジドアニオン(好適な対イオン(ナトリウム、カリウム、およびtertブチルアンモニウムなどが挙げられる)と一対にされ得る)と反応させられる。脱離基は、求核置換を受け、かつアジド部分によって置換され、所望のアジド含有PEG重合体を生じる。
X-PEG-L+N3 - → X-PEG-N3
に示されているように、本発明における使用に好適な重合体骨格は、式X−PEG−L(ここで、PEGはポリ(エチレングリコール)であり、Xはアジド基と反応しない官能基であり、Lは好適な脱離基である)を有している。好適な官能基の例としては、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アセタール、アルケニル、アミン、アミノオキシ、保護されたアミン、保護されたヒドラジド、保護されたチオール、カルボキシル酸、保護されたカルボキシル酸、マレイミド、ジチオピリジン、およびビニルピリジン、およびケトンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な脱離基の例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、メシレート、トレシレート、およびトシレートが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のアジド含有重合体誘導体を調製する他の方法において、アジド官能性基を有する結合剤は、約800Daから約100000Daまでの平均分子量を有している水溶性重合体骨格と接触させられ、ここで、上記結合剤は、PEG重合体における化学的な官能性基と選択的に反応してアジド含有重合体誘導体産物を形成する化学的な官能性基を有しており、ここで、アジドは、結合剤よって重合体骨格から離されている。
例示的な反応手順が、以下に示される:
X-PEG-M+N-リンカー-N=N=N → PG-X-PEG-リンカー-N=N=N
(ここで、
PEGは、ポリ(エチレングリコール)であり、Xは、アルコキシまたは上述のような官能基といったキャップ形成基であり;
Mは、アジド官能性基と反応しないが、Nの官能基と効率的かつ選択的に反応する官能基である)。
好適な官能基の例としては、Nがアミンである場合にカルボキシル酸、カルボネートまたは活性エステルであるM;Nがヒドラジドまたはアミノオキシ部分である場合にケトンであるM;Nが求核基である場合に脱離基であるMが挙げられるが、これらに限定されない。
粗製産物の精製は、公知の方法(必要に応じてクロマトグラフィーに続く産物の沈殿が挙げられるが、これに限定されない)によって達成され得る。
より詳細な例は、アミンの1つがtert−ブチル−Bocといった保護基部分によって保護され、結果として生じる1保護されたPEGジアミンがアジド官能性基を有する連結部分と反応される、PEGジアミンの場合に関して、以下に示される:
BocHN-PEG-NH2+HO2C-(CH2)3-N=N=N。
この場合には、アミン基は、チオニル塩化物もしくはカルボジイミド試薬、およびN−ヒドロキシスクシニミドもしくはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールといった種々の活性剤を用いて、カルボキシル酸基に対して結合されて、モノアミンPEG誘導体とアジド担持連結部分との間にアミド結合を作り出し得る。アミド結合の形成が上手く行った後に、結果として生じるN−tert−ブチル−Boc−保護されたアジドを含んでいる誘導体は、生体活性分子を修飾するために直接に使用され得るか、または他の有用な官能基を組み込むために、さらに合成され得る。例えば、N−t−Boc基は、強酸を用いた処理によって加水分解されて、ω−アミノ−PEG−アジドを生成する。結果として生じるアミンは、合成の手がかりとして使用されて、有益な異種の二官能性試薬にとっての、マレイミド基、活性化ジスルフィド、および活性化エステルなどといった他の有用な官能性基を組み込み得る。
異種二官能性誘導体は、重合体の末端のそれぞれに対して異なる分子を連結させることが所望される場合に、特に有用である。例えば、ω−N−アミノ−N−アジドPEGは、活性化された求核基(例えば、アルデヒド、ケトン、および活性化カルボネートなど)を有している分子の、PEGの1つの末端に対する連結、およびアセチレン基を有している分子の、PEGの他の末端に対する連結を可能にする。
本発明の他の実施形態において、重合体誘導体は、構造:
X-A-POLY-B-C≡C-R
(ここで、
Rは、Hもしくはアルキル、アルキレン、アルコキシ、またはアリールもしくは置換アリールであり得;
Bは、存在し得るか、または存在しない場合があり得る連結部分であり;
POLYは、水溶性の非抗原性重合体であり;
Aは、存在し得るか、または存在しない場合があり得、かつBと同じであり得るか、または異なり得る連結部分であり;
Xは、第2の官能基である)
を有している。
AおよびBに関する連結部分の例は、18まで含有する多機能化アルキル基を含んでおり。1−10の間の炭素原子を含有し得るが、これらに限定されない。窒素、酸素または硫黄といった異種原子は、アルキル鎖と共に含まれ得る。また、アルキル鎖は、異種原子において分岐され得る。AおよびBに関する連結部分の例は、10まで含有する多機能化アルキル基を含んでおり、5−6の間の炭素原子を含有し得るが、これらに限定されない。アリール基は、1つ以上の炭素原子、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を用いて置換され得る。好適な連結基の他の例としては、参照によって本明細書に援用される、米国特許第5,932,462号および米国特許第5,643,575号および米国特許出願公開第2003/0143596号に記載されているそれらが挙げられる。当業者は、連結部分に関して上記に挙げたものが、決して網羅的なものではなく、かつ単に例示であること、および上述のような品質を有する連結部材料のすべてが、本発明における使用に好適であると考えらえることを認識する。
Xとしての利用に好適な官能基の例としては、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシル、活性化エステル(例えば、N−ヒドロキシスクシニミジルエステルおよび1−ベンゾトリアゾリルエステル)、活性なカルボネート(例えば、N−ヒドロキシスクシニミジルカルボネートおよび1−ベンゾトリアゾリルカルボネート)、アセタール、アルデヒド、アルデヒド水和物、アルケニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、活性化スルホン、アミン、アミノオキシ、保護されたアミン、ヒドラジド、保護されたヒドラジド、保護されたチオール、カルボキシル酸、保護されたカルボキシル酸、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ビニルスルホン、ジチオピリジン、ビニルピリジン、ヨードアセトアミド、エポキシド、グリオキサール、ジオン、メシレート、トシレート、およびトレシレート、アルケン、ケトン、およびアセチレンが挙げられる。理解されるように、選択されるX部分は、アセチレン基との反応が生じないように、アセチレン基とコンパティブルであるべきである。アセチレン含有重合体誘導体は、第2の官能基(すなわち、X)がまた、アセチレン部分であることを意味する同種の二官能性であり得るか、または第2の官能基が異なる官能基であることを意味する異種の二官能性であり得る。
本発明の他の実施形態において、重合体誘導体は、構造:
X-CH2CH2O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-O-(CH2)m-C≡CH
(ここで、
Xは、上述のような官能基であり;
nは、約20から約4000であり;
mは、1から10の間である)
を有している重合体骨格を含んでいる。異種二官能性PEG重合体のそれぞれの詳細な例が以下に示される。
本発明のアセチレン含有PEG誘導体は、当業者に公知の方法および/または本明細書に開示されている方法を用いて調製され得る。1つの方法において、約800Daから約100000Daまでの平均分子量を有している水溶性重合体骨格であり、第1の官能基に対して結合される第1の末端および好適な求核基に対して結合される第2の末端を有する重合体骨格は、PEGにおける求核基との反応に好適であるアセチレン基および脱離基の両方を有している化合物と反応される。求核部分を有するPEG重合体および脱離基を有する分子が組み合せられると、脱離基は、求核置換を受け、かつ求核部分によって置換され、所望のアセチレン含有重合体を生じる。
X-PEG-Nu+L-A-C → X-PEG-Nu-A-C≡CR’
に示されるように、反応における使用に好ましい重合体骨格は、式X−PEG−Nu(ここで、PEGはポリ(エチレングリコール)であり、Nuは求核部分であり、かつXはNu、Lまたはアセチレン官能性基と反応しない官能基である)を有している。
Nuの例としては、SN2−型機序を介して主に反応する、アミン、アルコキシ、アリールオキシ、スルフィドリル、イミノ、カルボキシレート、ヒドラジド、アミノオキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。Nuの付加的な例としては、求核付加反応を介して主に反応する、これらの官能基が挙げられる。L基の例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、メシレート、トレシレート、およびトシレートおよび求核置換を受けると予想される他の基、これらと同様にケトン、アルデヒド、チオエステル、オレフィン、アルファ−ベータ不飽和カルボニル基、カルボネートおよび求核基によって付加を受けると予想される他の求核性基が挙げられる。
本発明の他の実施形態において、Aは、1〜10の間の炭素原子の脂肪酸リンカー、または6〜14の間の炭素原子の置換アリール環である。Xはアジド基と反応しない官能基であり、Lは好適な脱離基である。
本発明のアセチレン含有重合体誘導体を調製する他の方法において、約800Daから約100000Daまでの平均分子量を有し、1つの末端に保護された官能基もしくはキャップ形成剤のいずれかを有しており、もう一方の末端に好適な脱離基を有するPEG重合体は、アセチレンアニオンによって接触される。
例示的な反応手順は、以下に示される:
X-PEG-L+-C≡CR’ → X-PEG-C≡CR’
(ここで、
PEGはポリ(エチレングリコール)であり、Xはキャップ形成基(例えば、アルコキシまたは上述のような官能基)であり;
R’はH、アルキル、アルコキシ、アリールもしくはアリールオキシ基、または置換アルキル、置換アルコキシル、置換アリールもしくは置換アリールオキシ基のいずれかである)。
上述の例において、脱離基Lは、十分な濃度のアセチレンアニオンと接触される場合に、SN2−型置換を受けるために十分に反応性でなければならない。アセチレンアニオンによる脱離基のSN2置換の達成に要求される反応条件は、当業者に公知である。
粗製産物の精製は、当該分野に公知の方法(必要に応じて、クロマトグラフィーに続く沈殿が挙げられる)によって通常に達成され得るが、これに限定されない。
水溶性重合体は、本発明のbG−CSFポリペプチドに対して連結され得る。水溶性重合体は、(1)天然にコードされていないアミノ酸もしくは天然にコードされるアミノ酸の任意の官能基もしくは置換基、またはbG−CSFポリペプチドに組み込まれている天然にコードされていないアミノ酸、または(2)天然にコードされるアミノ酸に付加された任意の官能基もしくは置換基を介して連結され得る。代替可能に、水溶性重合体は、天然に存在するアミノ酸(システイン、リジンまたはN末端残基のアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない)を介して、天然にコードされていないアミノ酸を組み込んでいるbG−CSFポリペプチドに連結され得る。いくつかの場合において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の非天然アミノ酸を含んでおり、ここで、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上は、(複数の)水溶性重合体(PEGおよび/またはオリゴ糖が挙げられるが、これらに限定されない)に連結される。いくつかの場合において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、水溶性重合体に連結された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の天然にコードされていないアミノ酸をさらに含んでいる。いくつかの場合において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、水溶性重合体に連結された天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上、および水溶性重合体に連結された天然に存在するアミノ酸の1つ以上を含んでいる。いくつかの場合において、本発明に使用される水溶性重合体は、その非抱合形態と比べて、bG−CSFポリペプチドの半減期を延長させる。
本発明のbG−CSFポリペプチドに対して連結される水溶性重合体の数(すなわち、PEG付加または糖鎖付加の程度)は、変更された(増強されたか、または低減されたが挙げられるが、これらに限定されない)薬理的特性、薬物動態的特性、または薬力学特性(例えば、インビボにおける半減期)を与えるために調節され得る。いくつかの実施形態において、bG−CSFの半減期は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90パーセント、2倍、5倍、10倍、50倍、または少なくとも約100倍に、非修飾のポリペプチドを超えて延長される。
(強い求核性基(すなわちヒドラジド、ヒドラジン、ヒドロキシアミンまたはセミカルバジド)を含んでいるPEG誘導体)
本発明の1つの実施形態において、カルボニルを含有する天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、PEG骨格に対して直接に連結されている末端のヒドラジン、ヒドロキシアミン、ヒドラジドまたはセミカルバジド部分を含んでいるPEG誘導体を用いて修飾されている。
いくつかの実施形態において、ヒドロキシルアミン末端PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-O-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは、100〜1000である(すなわち、平均分子量は5−40kDaの間である))
を有している。
いくつかの実施形態において、ヒドラジン含有PEG誘導体またはヒドラジド含有PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-X-NH-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000であり、Xは任意に、存在し得るか、または存在しない場合があり得るカルボニル基(C=O)である)
を有している。
いくつかの実施形態において、セミカルバジド含有PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-NH-C(O)-NH-NH2
(ここで、Rは、単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000である)
を有している。
本発明の他の実施形態において、カルボニル含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、アミド結合を用いてPEG骨格に連結されている末端のヒドロキシアミン、ヒドラジド、ヒドラジン、またはセミカルバジド部分を含んでいるPEG誘導体を用いて修飾されている。
いくつかの実施形態において、ヒドロキシアミン末端PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-NH-C(O)(CH2)m-O-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000である(すなわち、平均分子量は5−40kDaの間である))
を有している。
いくつかの実施形態において、ヒドラジン含有PEG誘導体またはヒドラジド含有PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-NH-C(O)(CH2)m-X-NH-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000であり、かつXは任意に、存在し得るかまたは存在しない場合があり得るカルボニル基(C=O)である)
を有している。
いくつかの実施形態において、セミカルバジド含有PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-NH-C(O)(CH2)m-NH-C(O)-NH-NH
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000である)
を有している。
本発明の他の実施形態において、カルボニル含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、末端のヒドラジン、ヒドロキシアミン、ヒドラジドまたはセミカルバジド部分を含んでいる分枝状のPEG(10〜40kDa(より好ましくは、5〜20kDaである)の範囲にある分子量を有する分枝状のPEGのそれぞれの鎖を伴う)を用いて修飾されている。
本発明の他の実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、分枝状構造を有しているPEG誘導体を用いて修飾されている。例えば、いくつかの実施形態において、ヒドラジン末端PEG誘導体またはヒドラジド末端PEG誘導体は、以下の構造:
[RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-NH-C(O)]2CH(CH2)m-X-NH-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000であり、Xは任意に、存在し得るか、または存在しない場合があり得るカルボニル基(C=O)である)
を有している。
いくつかの実施形態において、セミカルバジド基を含有するPEG誘導体は、構造:
[RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-C(O)-NH-CH2-CH2]2CH-X-(CH2)m-NH-C(O)-NH-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、Xは任意にNH、O、S、C(O)であるか、または存在せず、mは2〜10であり、nは100〜1000である)
を有している。
いくつかの実施形態において、ヒドロキシアミン基を含有するPEG誘導体は、構造:[RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-C(O)-NH-CH2-CH2]2CH-X-(CH2)m-O-NH2
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、Xは任意にNH、O、S、C(O)であるか、または存在せず、mは2〜10であり、nは100〜1000である)
を有している。
水溶性重合体がbG−CSFポリペプチドに対して連結される程度および部位は、受容体に対するbG−CSFポリペプチドの結合を調節し得る。いくつかの実施形態において、連結は、bG−CSFポリペプチドが、受容体を、平衡化結合アッセイ(例えば、hGHについてSpencer et al., J. Biol. Chem., 263:7862-7867 (1988) に記載の通りである)によって測定されるときに約400nM以下のKを有して、150nM以下のKを有して、そしていくつかの場合において100nM以下のKを有して、結合するように配置される。
重合体の活性化およびペプチドの抱合に関する、方法および化学反応は、文献に記載され、かつ当該技術において公知である。重合体の活性化に通常に使用される方法としては、シアン、臭化物、過ヨウ素酸塩、グルタルアルデヒド、ビエポキシド、エピクロロヒドリン、ジビニルスルホン、カルボジイミド、ハロゲン化スルホニル、トリクロロトリアジンなどを有する官能基の活性化が挙げられるが、これらに限定されない(R. F. Taylor, (1991), PROTEIN IMMOBILISATION. FUNDAMENTAL AND APPLICATIONS, Marcel Dekker, N.Y.; S. S. Wong, (1992), CHEMISTRY OF PROTEIN CONJUGATION AND CROSSLINKING, CRC Press, Boca Raton; G. T. Hermanson et al., (1993), IMMOBILIZED AFFINITY LIGAND TECHNIQUES, Academic Press, N.Y.; Dunn, R.L., et al., Eds. POLYMERIC DRUGS AND DRUGDELIVERY SYSTEMS, ACS Symposium Series Vol. 469, American Chemical Society, Washington, D.C. 1991を参照すればよい)。
PEGの官能性化および抱合に関する種々の概説および研究論文が利用可能である。例えば、Harris, Macromol. Chem. Phys. C25: 325-373 (1985); Scouten, Methods in Enzymology 135: 30-65 (1987); Wong et al., Enzyme Microb. Technol. 14: 866-874 (1992); Delgado et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 9: 249-304 (1992); Zalipsky, Bioconjugate Chem. 6: 150-165 (1995)を参照すればよい。
また、重合体を活性化する方法は、国際公開第94/17039号パンフレット、米国特許第5,324,844号、国際公開第94/18247号パンフレット、国際公開第94/04193号パンフレット、米国特許第5,219,564号、米国特許第5,122,614号、国際公開第90/13540号パンフレット、米国特許第5,281,698号、および国際公開第93/15189号パンフレットに見出され得、かつ活性化重合体と酵素(凝結因子VIII(国際公開第94/15625号パンフレット)、ヘモグロビン(国際公開第94/09027号パンフレット)、酸素運搬タンパク質(米国特許第4,412,989号)、リボヌクレアーゼおよび超酸化物不均化酵素(Veronese at al., App. Biochem. Biotech. 11: 141-52 (1985))が挙げられるが、これらに限定されない)との間における抱合に関して見出され得る。引用された参考文献および特許文献のすべては、参照によって本明細書に援用される。
天然にコードされていないアミノ酸(例えば、p−アジド−L−フェニルアラニン)を含んでいるbG−CSFポリペプチドのPEG付加(すなわち、任意の水溶性重合体の付加)は、任意の従来の方法によって実施される。例えば、bG−CSFポリペプチドは、アルキン末端化mPEG誘導体を用いて修飾される。簡単に言うと、過剰のmPEG(5000)−O−CH−C≡CHが、室温において攪拌しながら、p−アジド−L−Phe含有bG−CSFポリペプチドの水性溶液に対して加えられる。典型的に、水性溶液は、反応が実施されるべきpH(一般的に約pH4〜10)に近いpKを有する緩衝液を用いて、緩衝化される。pH7.5におけるPEG付加に好適な緩衝液の例としては、例えば、HEPES、リン酸塩、ホウ酸塩、TRIS−HCl、EPPS、およびTESが挙げられるが、これらに限定されない。pHは、継続的に観察され、必要に応じて調節される。反応は放置されて、典型的に1〜48時間にわたって継続される。
反応産物は、続いて疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられて、遊離mPEG(5000)−O−CH−C≡CH、ならびにブロックされていないPEGが分子の両方の末端において活性化される場合に形成し、これによってbG−CSFポリペプチドバリアント分子を架橋し得る、bG−CSFポリペプチドバリアントの任意の高分子量複合体から、PEG付加bG−CSFポリペプチドを分離する。疎水性相互作用クロマトグラフィーの条件は、遊離mPEG(5000)−O−CH−C≡CHがカラムをとおり抜ける一方において、PEG付加bG−CSFポリペプチドバリアント複合体が、1つ以上のPEG基に抱合された1つのbG−CSFポリペプチドバリアント分子を含んでいる所望の形態の後に、溶出するような条件である。好適な条件は、所望の抱合物に対する架橋化複合体の相対的な大きさに依存して変わり、当業者によって容易に決定される。所望の抱合物を含んでいる溶出物は、限外ろ過によって濃縮され、ダイアフィルトレーションによって脱塩化される。
必要に応じて、疎水性相互作用クロマトグラフィーから得られたbG−CSFポリペプチドは、当業者に公知の1つ以上の手法(アフィニティークロマトグラフィー;アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー(デアエ セファロース(DEAE SEPHAROSE)を用いる、が挙げられるが、これに限定されない);シリカ上におけるクロマトグラフィー;逆相HPLC;ゲルろ過(セファデックス(SEPHADEX) G−75を用いる、が挙げられるが、これらに限定されない);疎水性相互作用クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー、金属キレートクロマトグラフィー;限外ろ過/ダイアフィルトレーション;エタノール沈殿;硫酸アンモニウム沈殿;等電点電気泳動;置換クロマトグラフィー;電気泳動手法(分離用の等電点電気泳動が挙げられるが、これに限定されない)、差異的可溶性(硫酸アンモニウム沈殿が挙げられるが、これに限定されない)、または抽出が挙げられるが、これらに限定されない)によってさらに精製され得る。見かけの分子量は、球状タンパク質標準との比較によるGPCによって、見積もられ得る(Preneta, AZ in PROTEIN PURIFICATION METHODS, A PRACTICAL APPROACH (Harris & Angal, Eds.) IRL Press 1989, 293-306)。bG−CSF−PEG抱合物は、タンパク質分解(トリプシン切断が挙げられるが、これに限定されない)に続く質量分析によって評価され得る。PepinskyB., et al., J. Pharmcol. & Exp. Ther. 297(3):1059-66 (2001)。
本発明のbG−CSFポリペプチドのアミノ酸に対して連結された水溶性重合体は、制限されることなく、さらに誘導体化され得るか、または置換され得る。
アジド含有PEG誘導体
本発明の他の実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、天然にコードされていないアミノ酸の側鎖に存在するアルキン部分と反応するアジド部分を含んでいるPEG誘導体を用いて、修飾されている。一般的に、PEG誘導体は、1−100kDaを有しており、いくつかの実施形態において10−40kDaの範囲にある平均分子量を有している。
いくつかの実施形態において、アジド末端PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-N3
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000である(すなわち、平均分子量は5〜40kDaの間である))
を有している。
他の実施形態において、アジド末端PEG誘導体は、構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-NH-C(O)-(CH2)p-N3
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、pは2〜10であり、nは100〜1000である(すなわち、平均分子量は5〜40kDaの間である))
を有している。
本発明の他の実施形態において、アルキン含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、末端アジド部分を含んでいる分枝状のPEG誘導体(10〜40kDa、および5〜20kDaの範囲にある分子量を有する分枝状のPEGのそれぞれの鎖を伴う)を用いて修飾されている。例えば、いくつかの実施形態において、アジド末端PEG誘導体は、以下の構造:
[RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-NH-C(O)]2CH(CH2)m-X-(CH2)pN3
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、pは2〜10であり、nは100〜1000であり、かつXは任意に、いずれの場合においても存在し得るか、または存在し得ない、O、N、Sまたはカルボニル基(C=O)である)
を有している。
アルキン含有PEG誘導体
本発明の他の実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、天然にコードされていないアミノ酸の側鎖に存在しているアジド部分と反応するアルキン部分を含んでいる、PEG誘導体を用いて修飾されている。
いくつかの実施形態において、アルキン末端PEG誘導体は、以下の構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-C≡CH
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、nは100〜1000である(すなわち、平均分子量は5〜40kDaの間である))
を有する。
本発明の他の実施形態において、アルキンを含んでいり天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、アミド結合を用いてPEGに対して連結される末端のアジドまたは末端のアルキン部分を含んでいるPEG誘導体を用いて、修飾されている。
いくつかの実施形態において、アルキン末端PEG誘導体は、以下の構造:
RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-NH-C(O)-(CH2)p-C≡CH
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、pは2〜10であり、nは100〜1000である)
を有している。
本発明の他の実施形態において、アジド含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、末端のアルキン部分を含んでいる分枝状のPEG誘導体(10〜40kDa、および5〜20kDaの範囲にある分子量を有する分枝状のPEGのそれぞれの鎖を伴う)を用いて修飾されている。例えば、いくつかの実施形態において、アルキン末端PEG誘導体は、以下の構造:
[RO-(CH2CH2O)n-O-(CH2)2-NH-C(O)]2CH(CH2)m-X-(CH2)pC≡CH
(ここで、Rは単純なアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)であり、mは2〜10であり、pは2〜10であり、nは100〜1000であり、かつXはO、N、Sまたはカルボニル基(C=O)であるか、または存在しない)
を有している。
ホスフィン含有PEG誘導体
本発明の他の実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、活性化官能基(エステル、カルボネートが挙げられるが、これらに限定されない)を含有しており、天然にコードされていないアミノ酸の側鎖に存在しているアジド部分と反応するアリールホスフィン基をさらに含んでいるPEG誘導体を用いて、修飾されている。一般的に、PEG誘導体は、1〜100kDa、そしていくつかの実施形態において10〜40kDaの範囲の平均分子量を有する。
いくつかの実施形態において、PEG誘導体は、構造:
Figure 0005844336
(ここで、nは1〜10であり、XはO、NまたはSであり得るか、または存在しない場合があり得、Phはフェニルであり、かつWは水溶性重合体である)
を有している。
いくつかの実施形態において、PEG誘導体は、構造:
Figure 0005844336
(ここで、Xは、O、NまたはSであるか、または存在せず、Phはフェニルであり、Wは水溶性重合体であり、RはH、アルキル、アリール、置換アルキルおよび置換アリール基であり得る)。例示的なR基としては、−CH、−C(CH、−OR’,−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−C(O)R’、−CONR’R’’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−CNおよび−NOが挙げられるが、これらに限定されない。R’、R’’、R’’’およびR’’’’は互いに独立して、水素、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール(1−3のハロゲンを用いて置換されているアリールが挙げられるが、これらに限定されない)、置換もしくは非置換のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ、またはアルキルアリール基を指す。本発明の化合物が1つ以上のR基を含む場合に、例えば、R基のそれぞれは独立して、2つ以上のこれらの基が存在する場合に、R’、R’’、R’’’およびR’’’’のそれぞれであるように選択される。R’およびR’’が同じ窒素原子に連結される場合に、それらは、窒素原子と組み合わさって、5−、6−または7−員環を形成し得る。例えば、−NR’R’’は、これらに限定されないが、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを包含することを意図している。置換基の上述の議論から、当業者は、“アルキル”という用語が、水素基以外の基(例えば、ハロアルキル(−CFおよび−CHCFが挙げられるが、これらに限定されない)およびアシル(−C(O)CH、−C(O)CF、および−C(O)CHOCHなどが挙げられるが、これらに限定されない))に結合される炭素原子を含めた基を包含することを意図している。
他のPEG誘導体および一般的なPEG付加技術
bG−CSFポリペプチドに連結され得る他の例示的なPEG分子だけでなく、PEG付加方法としては、例えば、参照によって本明細書に援用される、米国特許出願公開第2004/0001838号;米国特許出願公開第2002/0052009号;米国特許出願公開第2003/0162949号;米国特許出願公開第2004/0013637号;米国特許出願公開第2003/0228274号;米国特許出願公開第2003/0220447号;米国特許出願公開第2003/0158333号;米国特許出願公開第2003/0143596号;米国特許出願公開第2003/0114647号;米国特許出願公開第2003/0105275号;米国特許出願公開第2003/0105224号;米国特許出願公開第2003/0023023号;米国特許出願公開第2002/0156047号;米国特許出願公開第2002/0099133号;米国特許出願公開第2002/0086939号;米国特許出願公開第2002/0082345号;米国特許出願公開第2002/0072573号;米国特許出願公開第2002/0052430号;米国特許出願公開第2002/0040076号;米国特許出願公開第2002/0037949号;米国特許出願公開第2002/0002250号;米国特許出願公開第2001/0056171号;米国特許出願公開第2001/0044526号;米国特許出願公開第2001/0027217;米国特許出願公開第2001/0021763号;米国特許第6,646,110号;米国特許第5,824,778号;米国特許第5,476,653号;米国特許第5,219,564号;米国特許第5,629,384号;米国特許第5,736,625号;米国特許第4,902,502号;米国特許第5,281,698号;米国特許第5,122,614号;米国特許第5,473,034号;米国特許第5,516,673号;米国特許第5,382,657号;米国特許第6,552,167号;米国特許第6,610,281号;米国特許第6,515,100号;米国特許第6,461,603号;米国特許第6,436,386号;米国特許第6,214,966号;米国特許第5,990,237号;米国特許第5,900,461号;米国特許第5,739,208号;米国特許第5,672,662号;米国特許第5,446,090号;米国特許第5,808,096号;米国特許第5,612,460号;米国特許第5,324,844号;米国特許第5,252,714号;米国特許第6,420,339号;米国特許第6,201,072号;米国特許第6,451,346号;米国特許第6,306,821号;米国特許第5,559,213号;米国特許第5,747,646号;米国特許第5,834,594号;米国特許第5,849,860号;米国特許第5,980,948号;米国特許第6,004,573号;米国特許第6,129,912号;国際公開第97/32607号パンフレット、欧州特許出願公開第229,108号、欧州特許出願公開第402,378号、国際公開第92/16555号パンフレット、国際公開第94/04193号パンフレット、国際公開第94/14758号パンフレット、国際公開第94/17039号パンフレット、国際公開第94/18247号パンフレット、国際公開第94/28024号パンフレット、国際公開第95/00162号パンフレット、国際公開第95/11924, WO95/13090号パンフレット、国際公開第95/33490号パンフレット、国際公開第96/00080号パンフレット、国際公開第97/18832号パンフレット、国際公開第98/41562号パンフレット、国際公開第98/48837号パンフレット、国際公開第99/32134号パンフレット、国際公開第99/32139号パンフレット、国際公開第99/32140号パンフレット、国際公開第96/40791号パンフレット、国際公開第98/32466号パンフレット、国際公開第95/06058号パンフレット、欧州特許出願公開第439 508号、国際公開第97/03106号パンフレット、国際公開第96/21469号パンフレット、国際公開第95/13312号パンフレット、欧州特許出願公開第921 131号、国際公開第98/05363号パンフレット、欧州特許出願公開第809 996号、国際公開第96/41813号パンフレット、国際公開第96/07670号パンフレット、欧州特許出願公開第605 963号、欧州特許出願公開第510 356号、欧州特許出願公開第400 472号、欧州特許出願公開第183 503号および欧州特許出願公開第154 316号に記載されているそれらが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載されているPEG分子のいずれもが、任意の形態(単鎖、分枝状鎖、マルチアーム鎖、単官能性、二官能性、多官能性、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない)において使用され得る。
付加的な重合体およびPEG誘導体(ヒドロキシアミン(アミノオキシ)PEG誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)について、参照によってその全体が本明細書に援用される以下の特許文献:米国特許出願公開第2006/0194256号;米国特許出願公開第2006/0217532号;米国特許出願公開第2006/0217289号;米国仮特許出願第60/755,338号;米国仮特許出願第60/755,711号;米国仮特許出願第60/755,018号;国際特許出願第PCT/US06/49397号;国際公開第2006/069246号;米国仮特許出願第60/743,041号;米国仮特許出願第60/743,040号;国際特許出願第PCT/US06/47822号;米国仮特許出願第60/882,819号;米国仮特許出願第60/882,500;および米国仮特許出願第60/870,594号に記載されている。
異種のFc融合タンパク質
上述のbG−CSF化合物は、免疫グロブリンのFc部分に対して、直接にか、またはペプチドリンカーを介して融合され得る。免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって互いに保持されるポリペプチド鎖を含んでいる、一般に2つの軽鎖および2つの重鎖を有している分子である。鎖のそれぞれにおいて、1つのドメイン(V)は、分子の抗体特異性に依存する可変性のアミノ酸配列を有している。他のドメイン(C)は、同じ分類の分子に共通するかなり定常性のアミノ酸配列を有している。
本明細書において使用されるときに、免疫グロブリンのFc部分は、免疫学の分野における用語に共通して与えられている意味を有する。特に個の用語は、抗体から2つの抗原結合領域(Fab断片)を除去することによって得られる抗体断片を指す。Fab断片wお除去する1つの方法は、パパインプロテアーゼを用いて免疫グロブリンを消化することである。したがって、Fc部分は、両方の重鎖に由来する定常領域のおおよそ等しい大きさの断片から形成される。ここで、方の重鎖は、非共有結合的な相互作用およびジスルフィド結合を介して会合している。Fc部分は、ヒンジ領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを介した抗体に対する伸張を有する。ヒトおよびマウスにおける代表的なヒンジ領域は、その教示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、Antibody Engineering, A Practical Guide, Borrebaeck, C. A. K., ed., W. H. Freeman and Co., 1992に見出され得る。Fc部分は、1つ以上の糖鎖付加部位をさらに含んでいる。ヒンジ領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含んでいる多くの代表的なFc部分のアミノ酸配列は、当該分野において公知である。
異なるエフェクター機能および薬物動態を有するヒト免疫グロブリンのFc部分には5種類:IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEが存在する。IgGは血清中に豊富な免疫グロブリンである。また、IgGは免疫グロブリンのいずれよりも血清中において最も長い半減期(23日)を有する。他の免疫グロブリンとは異なり、IgGは、Fc受容体との結合後に効率的に再循環される。4つのIgGサブクラス:G1、G2、G3およびG4があり、それぞれが異なるエフェクター機能を有している。G1、G2およびG3はC1qおよび結合補体と結合するが、G4は結合できない。G3はG1よりもC1qと効率的に結合できるが、G1は補体指向性の細胞溶解の媒介により有能である。G2は補体との結合効率が非常に悪い。IgGにおける結合部位はCH2ドメインのカルボキシル末端に位置している。
IgGサブクラスのすべては、Fc受容体(CD16、CD32、CD64)と結合可能であり、G1およびG3がG2およびG4よりも効率的である。IgGのFc受容体結合領域は、CH2ドメインのヒンジ領域およびカルボキシル末端領域の両方に位置する残基によって形成されている。
IgAは、J鎖によってともに保持されているモノマーおよびダイマーの形態の両方において存在する。IgAは血清中に最も豊富に存在するが、その半減期はわずか6日に過ぎない。IgAは3つエフェクター機能を有している。IgAは、食作用および脱顆粒のそれぞれを促進する、マクロファージおよび好酸球上のIgA特異的受容体と結合する。また、IgAは未知の代替経路を介して補体と結合する。
IgMは、ペンタマーまたはヘキサマーのいずれか(いずれもJ鎖によって保持されている)として発現される。IgMの半減期は5日である。IgMはCH3ドメインに位置する結合部位を介してC1qと弱く結合する。IgDは血清中における半減期が3日である。IgDは、このIgが担っているエフェクター機能が何であるか明確になっていない。IgEは2.5日の半減期を有するモノマーIgである。IgEは脱顆粒を促進し、炎症誘発性物質の放出を生じる2つのFc受容体と結合する。
所望のインビボにおける効果に依存して、本発明の異種融合タンパク質は、上述のアイソタイプのいずれかを含み得るか、または変異Fc領域を含み得る。ここで、補体および/またはFc受容体との結合機能が改変されている。したがって、本発明の異種融合タンパク質は、bG−CSF化合物と融合された、免疫グロブリンのFc部分全体、免疫グロブリンのFc部分の断片、またはこれらの類似物を含み得る。
本発明の融合タンパク質は、短鎖タンパク質または重鎖ポリペプチドからなり得る。2つ以上のFc融合タンパク質は、それらがFc領域の間に天然に形成されるジスルフィド結合を介して相互作用するように、作製され得る。これらのマルチマーは、bG−CSF化合物に対して異種であり得るか、またはそれらが融合タンパク質のFc部分のC末端に融合される異なるbG−CSF化合物を含み得る。
融合タンパク質の最終的な構造とは関係なく、Fc領域またはFc様領域はN末端において融合されたbG−CSF化合物のインビボ血漿半減期を延長するために機能する。また、本発明のbG−CSF化合物は、bG−CSFの生物学的活性を少なくとも1つ維持しているべきである。治療半減期または循環半減期の向上は、本明細書に記載の方法または当該分野において公知の方法を用いて証明され得る。ここで、融合タンパク質の半減期は、bG−CSF化合物単独の半減期と比較されている。生物学的活性は、当該分野において公知のインビトロ法およびインビボ法によって決定される。
タンパク質分解によって産生されるIgGのFc領域は、IgG分子およびFab断片が急速に分解されるのと同様のインビボ半減期を有しているので、延長した半減期と関連する配列がCH2ドメインおよび/またはCH3ドメインに存在すると考えられる。さらに、親和性の高いFc受容体まC1qとを有して結合しないIgGバリアントの分解速度は、親の野生型抗体の排除速度と識別できないことが、文献において示されている。これは、分解部位がFc受容体またはC1q結合と関連する部位とは異なることを示しいる(Wawrzynczak et al., (1992) Molecular Immunology 29:221]. )。マウスIgG領域を用いた部位特異的変異生成の研究によって、分解速度を制御するIgG1のFc領域の部位がCH2−CH3ドメインの接合域に位置していることが示唆された。Fc領域は、癒合タンパク質の半減期を最適化するために分解部位において修飾され得る。本発明の融合タンパク質に使用されるFc領域は、IgG1またはIgG4のFc領域に由来し得、ヒンジ領域を含むCH2ドメインCH3ドメインの両方を含み得る。
異種のアルブミン融合タンパク質
本明細書に記載のbG−CSFは、アルブミンまたはこれらの類似物、断片、もしくは誘導体と、直接に融合され得るか、またはペプチドリンカー、水溶性リンカー、もしくはプロドラッグリンカーを介して融合され得る。一般的に、本発明の融合タンパク質の一部であるアルブミンタンパク質は、任意の種(ヒトが挙げられる)からクローン化されたアルブミンに由来し得る。ヒト血清アルブミン(HSA)は、66500の分子量を有する、585アミノ酸の短鎖の非糖鎖付加ポリペプチド鎖からなる。ヒトHSAのアミノ酸配列は公知である(参照によって本明細書に組み込まれる、Meloun, et al. (1975) FEBS Letters 58:136; Behrens, et al. (1975) Fed. Proc. 34:591; Lawn, et al. (1981)Nucleic Acids Research 9:6102-6114; Minghetti, et al. (1986) J. Biol. Chem. 261:6747を参照すればよい)。アルブミンの種々の多形バリアントならびに類似物および断片について、Weitkamp, et al., (1973) Ann. Hum. Genet. 37:219に記載されている。例えば、欧州特許第322,094号におけるHSAの短鎖形態。HSAのこれらの断片のいくつか(HSA(1−338)、HSA(1−389)、ならびにHSA(1−419)および1−369と1−419との間の断片が挙げられる)が開示されている。欧州特許第399,666号には、HSA(1−177)、ならびにHSA(1−200)および1−177と1−200との間の断片を含むアルブミン断片が開示されている。
本発明の異種融合タンパク質が、任意のアルブミンタンパク質(断片、類似物および誘導体が挙げられる)と結合されているbG−CSF化合物を含んでいることについて理解される。ここで、当該融合タンパク質が生物学的に活性であり、bG−CSF化合物単独より長い血漿半減期を有している。したがって、融合タンパク質のアルブミン部分は、未処理のヒトアルブミンの半減期と等しい半減期を有している必要はない。所定の未処理のヒトアルブミンおよびbG−CSF化合物の半減期に対して、より長い半減期または中間の半減期を有している断片、類似物および誘導体は、公知であるか、または生成され得る。
本発明の異種融合タンパク質は、融合タンパク質のbG−CSF化合物および/またはFc部分もしくはアルブミン部分に保存的なアミノ酸置換を有している、タンパク質を包含する。“保存的な置換”は、同じ正味の電荷ならびにおおよそ同じ大きさおよび形状を有する、他のアミノ酸を用いたアミノ酸の置換である。脂肪族または置換脂肪族のアミノ酸側鎖を有するアミノ酸は、炭素原子および異種原子の総数が約4以下だ異なる場合に、おおよそ同じ大きさを有する。それらは、それらの側鎖における分枝の数が1以下だけ異なる場合に、おおよそ同じ形状を有する。それらの側鎖にフェニル基または置換フェニル基を有するアミノ酸は、おおよそ同じ大きさおよび形状を有すると考えられる。本明細書において特に断りがなければ、保存的な置換は天然アミノ酸に対して好ましくなされる。
野生型のアルブミンタンパク質および免疫グロブリンタンパク質は、種々の供給源から取得され得る。例えば、これらのタンパク質は、検出可能なレベルにおいて布袋のmRNAを発現する組織または細胞から調製されたcDNAライブラリから取得され得る。ライブラリは、特に所望されるタンパク質の公開されたDNA配列またはタンパク質を用いて設計されたプローブを用いてスクリーニングされ得る。例えば、免疫グロブリンの軽鎖または重鎖の定常領域について、Adams, et al. (1980) Biochemistry 19:2711-2719; Goughet, et al. (1980) Biochemistry 19:2702-2710; Dolby, et al. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:6027-6031 ; Rice et al. (1982) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:7862-7862; Falkner, et al. (1982) Nature 298:286-288; and Morrison, et al. (1984) Ann. Rev. Immunol. 2:239-256に記載されている。アルブミンのタンパク質配列およびDNA配列を開示しているいくつかの文献としては、Meloun, et al. (1975) FEBS Letters58: 136; Behrens, et al. (1975) Fed. Proc. 34:591 ; Lawn, et al. (1981) NucleicAcids Research 9:6102-6114; and Minghetti, et al. (1986) J. Biol. Chem. 261 :6747が挙げられる。
本発明の異種の融合タンパク質の性質決定
本発明の融合タンパク質を性質決定するための多くの方法が存在する。これらの方法のいくつかとしては、これらに限定されないが、タンパク質染色法と組み合わせたSDS−PAGEまたは抗IgG抗体もしくは抗HSA抗体を用いた免疫ブロットが挙げられる。他の方法としては、例えば、マトリックス支援レーザイオン化質量分析(MALDI−MS)、液体クロマトグラフィー/質量分析、等電点電気泳動、分析陰イオン交換クロマトグラフィー、円偏向二色性が挙げられる。
血清アルブミンに対する親和性の増強
また、種々の生物学的に活性な分子が本発明のbG−CSFポリペプチドと融合されて、生物学的に活性な分子の半減期を調節し得る。いくつかの実施形態において、分子が本発明のbG−CSFポリペプチドに対して連結されるか、または融合されて、動物における内因性の血清アルブミンに対する親和性を増強し得る。
例えば、いくつかの場合において、bG−CSFポリペプチドおよびアルブミン結合配列の組換え融合体が作製される。例示的なアルブミン結合配列としては、ストレプトコッカスのタンパク質Gから得られるアルブミン結合ドメイン(例えば、Makrides et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 277:534-542 (1996)およびSjolander et al., J, Immunol. Methods 201:115-123 (1997)を参照すればよい)、または例えば、Dennis, et al., J. Biol. Chem. 277:35035-35043 (2002) に記載されているペプチドといったアルブミン結合ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
他の実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、脂肪酸を用いてアシル化される。いくつかの場合において、脂肪酸は血清アルブミンに対する結合を促進する。例えば、Kurtzhals, et al., Biochem. J. 312:725-731 (1995) を参照すればよい。
他の実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、血清アルブミン(ヒトアルブミンが挙げられるが、これに限定されない)と直接に融合される。当業者であれば、広範な生物学的に活性な分子がまた、本発明におけるbG−CSFに対して連結されて、血清アルブミンまたは他の血清成分との結合を調節し得ることを認識する。
X.bG−CSFポリペプチドの糖鎖付加
本発明は、糖付加残基を有する天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上組み込んでいる、bG−CSFポリペプチドを包含する。糖付加残基は、天然(N−アセチルグルコサミンが挙げられるが、これに限定されない)、または非天然(3−フルオロガラクトースが挙げられるが、これに限定されない)であり得る。糖は、N型もしくはO型の糖鎖結合(N−アセチルガラクトース−L−セリンが挙げられるが、これに限定されない)、または非天然の結合(オキシムまたは対応するC型−またはS型のグリコシドが挙げられるが、これらに限定されない)のいずれかによって、天然にコードされていないアミノ酸に連結され得る。
糖(グリコシルが挙げられるが、これに限定されない)部分は、インビボまたはインビトロにおいて、bG−CSFポリペプチドに付加され得る。本発明のいくつかの実施形態において、カルボニルを含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、オキシム結合を介して対応する糖鎖付加ポリペプチドを生成するためのアミノオキシ基を有している糖誘導体を用いて修飾される。天然にコードされていないアミノ酸に連結されると、糖は、bG−CSFに結合されるオリゴ糖を生成するための糖転移酵素および他の酵素を用いた処理によって、さらに合成され得る。例えば、H.Liu, et al. J. Am. Chem. Soc. 125: 1702-1703 (2003) を参照すればよい。
本発明のいくつかの実施形態において、カルボニルを含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、アミノオキシ誘導体として調製される所定の構造を有しているグリカンを用いて、直接に修飾される。当業者は、他の官能性基(アジド、ヒドラジド、ヒドラジン、およびセミカルバジドが挙げられるが、これらに限定されない)が、天然にコードされていないアミノ酸に対する糖の連結に対して使用され得ることを認識する。
本発明のいくつかの実施形態において、アジドまたはアルキニルを含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、それから、アルキニルまたはアジド誘導体のそれぞれ(限定されないが、これら挙げられる)を用いた、ヒュイゲン[3+2]環付加反応によって(限定されないが、これが挙げられる)、修飾される。この方法は、タンパク質が非常に高い選択性を有して修飾されることを可能にする。
XI.bG−CSFの二量体および多量体
また、本発明は、bG−CSFおよびbG−CSF類似物の組合せ(例えば、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体(すなわち三量体、四量体など))を提供する。ここで、天然にコードされていないアミノ酸を1つ以上含んでいるbG−CSFは、他のbG−CSFもしくはそれらのbG−CSFバリアント、またはbG−CSFもしくはそれらのbG−CSFバリアント以外の他のポリペプチドと、直接的またはリンカーを介してポリペプチド骨格に対して間接的に結合されている。単量体と比べて増大した分子量に起因して、bG−CSFの二量体または多量体の抱合物は、新たなまたは所望の特性を示し得る。当該特性としては、単量体のbG−CSFと比べて異なる薬物動態、異なる薬力学、調節された治療半減期、または調節された血清中半減期が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、本発明のbG−CSFの2量体は、bG−CSF受容体のシグナル伝達を調節する。他の実施形態において、本発明のbG−CSFの2量体または多量体は、bG−CSF受容体のアンタゴニスト、アゴニストまたは調節因子として機能する。
いくつかの実施形態において、bG−CSFを含有する二量体または多量体に存在する1つ以上のbG−CSF分子は、水溶性重合体に連結された天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる。
いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチドは、これらに限定されないが、Asn−Lysアミド結合またはCys−Cysジスルフィド結合を介して直接に連結されている。いくつかの実施形態において、bG−CSFポリペプチド、および/または連結されている非bG−CSF分子は、異なる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいて、二量体化を容易にする。当該二量体化は、第1のbG−CSFポリペプチドの天然にコードされていないアミノ酸におけるアルキンおよび第2の分子の天然にコードされていないアミノ酸におけるアジドが、ヒュイゲン[3+2]付加環化を介して抱合されることによって(これらが挙げられるが、限定されない)、容易になり得る。代替可能に、ケトン含有天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチド、および/または連結されている非bG−CSF分子は、ヒドロキシアミン含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる第2のポリペプチドに抱合される。これらのポリペプチドは、対応するオキシムの形成を介して反応させられる。
代替可能に、2つのbG−CSFポリペプチド、および/または連結されている非bG−CSF分子は、リンカーを介して連結される。任意のヘテロ−またはホモ−二官能性リンカーが使用されて、同じか、または異なる一次配列を有している2つのbG−CSFポリペプチド、および/または連結されている非bG−CSF分子を連結する。いくつかの場合において、bG−CSFポリペプチドおよび/または連結されている非bG−CSF分子をつなぐためにともに使用されるリンカーは、二官能性のPEG試薬であり得る。リンカーは広範な分子量または分子長を有し得る。より大きいまたはより小さい分子量のリンカーが使用されて、bG−CSFおよび連結されている全体、bG−CSFおよびその受容体、またはもしあれば連結されている全体およびその結合パートナーの間における所望の空間関係または立体配置を提供し得る。また、より長いまたはより短い分子長を有しているリンカーが使用されて、bG−CSFおよび連結されている全体、またはもしあれば連結されている全体および結合パートナーの間における所望の空間または柔軟性を提供し得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、ダンベル構造を有している水溶性の二官能性リンカーを提供する。当該ダンベル構造は、(a)重合体骨格の少なくとも第1の末端にあるアジド、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシアミンまたはカルボニルを含有している部分;(b)重合体骨格の第2の末端にある少なくとも1つの第2の官能基を含んでいる。第2の官能基は、第1の官能基と同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの実施形態において、第2の官能基は、第1の官能基と反応性ではない。いくつかの実施形態において、本発明は、分枝状の分子構造の少なくとも1つのアームを含んでいる水溶性化合物を提供する。例えば、分枝状の分子構造は樹状であり得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、1つ以上のbG−CSFポリペプチドを含んでいる多量体を提供する。当該bG−CSFポリペプチドは、以下の構造:
R-(CH2CH2O)n-O-(CH2)m-X
(ここで、nは約5から3000であり、mは2から10であり、Xは、アルキン、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノオキシ基、ヒドロキシアミン、アセチルまたはカルボニルを含有している部分であり得、Rは、Xと同じであるか、または異なるキャップ形成基、官能基または脱離基である)
を有している水溶性活性化重合体と反応させることによって形成される。Rは、例えば、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、アルコキシル、N−ヒドロキシスクシニミジルエステル、1−ベンゾトリアゾリルエステル、N−ヒドロキシスクシニミジルカルボネート、1−ベンゾイミダゾリルカルボネート、アセタール、アルデヒド、アルデヒド水和物、アルケニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、活性化スルホン、アミン、アミノオキシ、保護されたアミン、ヒドラジド、保護されたヒドラジド、保護されたチオール、カルボン酸、保護されたカルボン酸、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ビニルスルホン、ジチオピリジン、ビニルピリジン、ヨードアセトアミド、エポキシド、グリオキサール、ジオン、メシレート、トシレート、およびトレシレート、アルケン、およびケトンからなる群から選択される官能基であり得る。
XII.bG−CSFポリペプチド活性および受容体に対するbG−CSFの親和性の測定
bG−CSFポリペプチドの活性は、標準的であるか、または公知のインビトロまたはインビボのアッセイを用いて決定され得る。bG−CSFポリペプチドは、当該分野において公知の好適な方法によって生物学的な活性について分析され得る。そのようなアッセイとしては、Hedari et al. Veterinary Immunology and Immunopathology (2001) 81:45-57に記載されているアッセイ、およびhG−CSFの生物学的な活性を評価するアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
bG−CSFポリペプチドは、好中球におけるCD11a、CD11b、CD11cおよび/またはCD18を上方制御するそれらの能力について分析され得る。この活性は、Hedari et al(上述されている)によって説明されているようなFACSによって測定され得る。当業者にとって公知の好中球の活性を測定する付加的なアッセイとしては、L−セレクチンを測定するアッセイが挙げられるが、これらに限定されない。他のアッセイが実施されて、本発明のbG−CSFポリペプチドによる細胞の増殖および/または分化を評価し得る。
bG−CSFポリペプチドは受容体に対する結合能について分析され得る。G−CSF受容体は当業者にとって公知の技術および方法を用いて調製され得る。hG−CSF受容体は、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,574,136号に記載のように調製され得る。例えば、G−CSFに応じて作動するか、またはG−CSFと結合する細胞または細胞株(活性なG−CSF受容体を含んでいる細胞(例えば、組換えG−CSF産生細胞)が挙げられるが、これらに限定されない)が使用されて、bG−CSF受容体結合を監視し得る。天然にコードされていないアミノ酸を含んでいる非PEG付加またはPEG付加のbG−CSFポリペプチドについて、その受容体または他のG−CSF受容体に対するbG−CSFの親和性が、BIAcore biosensor(登録商標)(Pharmacia)を用いて測定され得る。好適な結合アッセイとしては、BIAcore biosensor(Pearce et al., Biochemistry 38:81-89 (1999))およびAlphaScreen(登録商標) assays(PerkinElmer)が挙げられるが、これらに限定されない。AlphaScreen(登録商標)は、ビーズを用いた非放射線の発光近接アッセイであり、ドナーのビーズが680nmのレーザによって励起されて、一重項酸素を放出する。一重項酸素が拡散し、アクセプタのビーズ表面にあるチオキセン誘導体と反応して、〜600nmの蛍光放射を生じる。蛍光の放射は、ドナーおよびアクセプタのビーズが、互いがリガンドおよび受容体と結合される分子の相互作用によって非常に近接する場合にのみ生じる。このリガンド−受容体の相互作用は受容体結合バリアントを用いて競合され得、非結合バリアントは競合しない。
bG−CSFポリペプチドの活性は、標準的であるか、または公知のインビトロまたはインビボのアッセイを用いて決定され得る。例えば、hG−CSFまたはG−CSF結合の存在下において増殖する細胞または細胞株(活性なG−CSF受容体を含んでいる細胞(例えば、マウスの骨髄細胞、WEHI−3B(D+)、AML−193(ATCC)または組換えG−CSF受容体産生細胞)が挙げられるが、これらに限定されない)が使用されて、bG−CSF受容体結合を監視し得る。例えば、参照によって本明細書に援用されるKing et al., Exp. Hematol. 20:223 (1992);米国特許第6,385,505号を参照すればよい。hG−CSF活性を試験するためのインビボ動物モデルおよびヒト臨床試験としては、参照によって本明細書に援用される、例えば米国特許第6,166,841号;米国特許第6,565,841号;米国特許第6,162,426号;米国特許第5,718,893号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のbG−CSF類似物を作り出すために使用される方法に関わらず、類似物は生物学的な活性についてのアッセイに供される。トリチル化チミジンアッセイは、細胞分裂の程度を確認するために実施され得る。しかし、他の生物学的なアッセイが使用されて、所望の活性を確認し得る。また、生物学的なアッセイ(例えば、マウスのWEHI−3B(D+)白血病細胞株における最終的な分化の誘導能の定量)は、G−CSF活性の指標を提供する。Nicola, et al. Blood 54: 614-27 (1979)を参照すればよい。生物学的活性に関する試験は、所望の結果に関する分析(例えば、生物学的な活性の上昇または低下(改変されていないG−CSFと比べて)、異なる生物学的活性(改変されていないG−CSFと比べて)、受容体もしくは結合パートナーとの親和性分析、bG−CSF自身もしくはその受容体の立体配置もしくは構造の変化(改変されていないG−CSFと比べて)、または血清半減期の分析)を準備すべきである。
WEHI−3BD細胞および新たに診断された白血病に由来するヒト白血病細胞は、125I標識されているマウスのG−CSFと結合し、この結合は非標識のG−CSFまたはヒトCSFβの添加によって競合され得ることがこれまでに報告されていた。ヒトおよびマウスの白血病細胞に対する125I−G−CSFの結合に競合する、天然のG−CSFおよびbG−CSFの競合する能力が試験されている。高純度に精製されている天然のG−CSF(>95%の純度;1μg)がヨウ素化され(Tejedor, et al., Anal.Biochem., 127, 143 (1982))、ゲルろ過およびイオン交換クロマトグラフィーlによって反応物から分離される。125I−G−CSFの特異的な活性は約100μCi/μgタンパク質である。
アッセイの方法論に関する参考文献の上述の記載は網羅的ではなく、当業者は所望の目的の結果を試験するために有用な他のアッセイを認識している。そのようなアッセイに対する変更は当業者にとって公知である。
XIII.有効性、機能的なインビボ半減期および薬物動態パラメータの測定
本発明の重要な局面は、水溶性重合体部分に対するポリペプチドの抱合を有しているか、または有していないbG−CSFポリペプチドの構築によって得られる、延長された生物学的半減期である。bG−CSFポリペプチドの血中濃度の投与後における急速な低下に起因して、抱合および非抱合のbG−CSFポリペプチドおよびこれらのバリアントを用いた処置に対する生物学的応答を評価することが重要である。本発明の抱合および非抱合のbG−CSFポリペプチドおよびこれらのバリアントは、投与の後においても血中半減期を延長し得ており、例えば、ELISA法および一次スクリーニングアッセイによる測定を可能にしている。市販のELISAキットまたはRIAキットを使用することが可能である。G−CSFまたはバリアントのインビボにおける半減期を測定するためのアッセイの他の例は、米国特許第5,824,778号に記載されており、当該文献は、本明細書に参照によって援用される。当該文献と同じ方法を用いて、bG−CSFの血清における半減期を測定することができる。ここに記載されているように、インビボにおける生物学的半減期を測定することができる。
天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるhG−CSFポリペプチドの有効性および機能的なインビボ半減期は、米国特許第6,646,110号;米国特許第6,555,660号;米国特許第6,166,183号;米国特許第5,985,265号;米国特許第5,824,778号;米国特許第5,773,581号に記載されている手順にしたがって測定され得、これらの文献は本明細書に参照によって援用される。これらの手順はbG−CSFについても同様に使用され得る。
天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドに関する薬物動態要素は、通常のオスのスピローグダウリーマウス(処理群ごとにN=5の動物)において評価され得る。動物は、静脈内に25ug/ラットまたは皮下に50μg/ラットの単回用量のいずれかを受け、およそ5〜7の血液試料が、予め決められた時間経過にしたがって(水溶性重合体に対して抱合されていない、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドに関して約6時間、および天然にコードされていないアミノ酸を含んでおり、水溶性重合体に抱合されているbG−CSFポリペプチドに関して約4日の範囲に一般的に及ぶ)採取される。天然にコードされていないアミノ酸なしのbG−CSFに関する薬物動態のデータは、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドについて得られたデータと直接的に比較され得る。
bG−CSFポリペプチドの薬物動態の試験は、マウス、ラットまたは霊長類(例えば、カニクイザル)において実施され得る。典型的に皮下または血管内に単回注入され、血清中のbG−CSFレベルが長期にわたって監視される。
参照によって本明細書に援用される米国特許第5,849,883号および国際公開第89/10932号には、本発明のbG−CSFポリペプチドを評価するために使用され得る多くの動物モデルについて記載されている。実施され得る動物試験は、Pasteurella hemolyticaを用いて誘発された牛、乳腺/乳腺炎(Klebsiella pneumonia)誘発の細菌を抗原投与された牛に関する。実施され得る他の試験によって、ウシの呼吸器疾患の制御、発生率および持続期間、または大腸菌型の乳腺炎の予防について評価される。動物の健康、乳の産生量、好中球カウントおよび他のパラメータを評価するための方法は当業者にとって公知である。本発明のbG−CSFポリペプチドを評価するために使用され得る他のモデルとしては、感染症の動物モデルまたは感染に対するばくろの動物モデル(例えば、Pseudomonas aeruginosa pneumoniaのハムスターモデル、Candida albicans pyelonephritisのラットモデル、新生児の子馬に関するモデルおよび成体のブタに関するモデル)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのモデルのいくつかについて、米国特許第5,849,883号および国際公開第89/10932号に記載されている。これらのようなモデルは当業者にとって公知である。
hG−CSFまたはこれらのバリアントのインビボの生物学的な活性の測定のためのアッセイのさらなる例が、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,681,720号;米国特許第5,795,968号;米国特許第5,824,778号;米国特許第5,985,265号およびBowen et al., Experimental Hematology 27:425-432 (1999)に記載されている。
XIV.投与および薬学的組成物
本発明のポリペプチドまたはタンパク質(bG−CSF、合成酵素、1つ以上の非天然アミノ酸を含んでいるタンパク質などが挙げられるが、これらに限定されない)は、好適な薬学的担体と組み合せて(限定されないが、これが挙げられる)、治療的使用に任意に採用される。当該組成物は、例えば、治療有効量の化合物、および薬学的に受容可能な担体もしくは賦形剤を含んでいる。当該担体または賦形剤としては、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、および/またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。調合物は、投与形態に合わせて作製される。一般的に、タンパク質を投与する方法は、当業者に公知であり、かつ本発明のポリペプチドの投与に適用され得る。
本発明の1つ以上のポリペプチドを含んでいる治療組成物は、当業者に公知の方法にしたがって、有効性を確かめ、用量を評価するために、疾患の1つ以上のインビトロおよび/またはインビボにおける動物モデルにおいて、任意に試験され得る。特に、用量は、天然アミノ酸の相同物に対する本明細書における非天然アミノ酸の活性、安定性または他の好適な測定(1つ以上の非天然アミノ酸を含めるために修飾されたbG−CSFポリペプチドの、天然アミノ酸のbG−CSFポリペプチドに対する比較、および修飾されて1つ以上の非天然アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドの、現在、利用可能なbG−CSF処置に対する比較が挙げられるが、これらに限定されない)(すなわち、比較アッセイ)によって最初に決定され得る。
投与は、血液または組織細胞と最終的に接触する分子の導入に通常に使用される任意の経路による。本発明の非天然アミノ酸ポリペプチドは、1つ以上の薬学的に受容可能な担体を任意に伴って、任意の好適な様式において投与される。本発明に関する当該ポリペプチドの患者に対する投与の好適な方法が利用可能であり、そして、2つ以上の経路が特定の組成物を投与するために使用されるが、特定の経路は、他の経路よりも即時のかつ効果的な作用または反応をしばしば提供し得る。
薬学的に受容可能な担体は、投与される特定の組成物よって、これと同様に組成物を投与するために使用される方法によって、部分的に決定される。したがって、本発明の薬学的組成物の広範な好適な調合物がある。
本発明のbG−CSFポリペプチドは、タンパク質またはペプチドにとって好適な任意の従来の経路(皮下もしくは静脈内、または注射もしくは注入の任意の他の形態が挙げられるが、これらに限定されない)によって投与され得る。ポリペプチド組成物は、多くの経路(経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、経皮、皮下、局所、舌下、または直腸の手段が挙げられるが、これらに限定されない)によって投与され得る。また、修飾されているか、または非修飾の非天然アミノ酸ポリペプチドの組成物は、リポソームを介して投与され得る。当該投与経路および調合物は、当業者にとって公知である。bG−CSFポリペプチドは、単独にか、または他の好適な成分(例えば薬学的担体)と組み合わせて使用され得る。bG−CSFポリペプチドは他の薬剤または治療剤と組合せて使用され得る。
また、単独の、または他の好適な組成物との組合せの、非天然アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドは、吸入を介して投与されるためのエアロゾル調合物(すなわち、それらは“霧状化”され得る)に作製され得る。エアロゾル調合物は、圧縮化可能な噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパンおよび窒素など)に配合され得る。
例えば、関節内(関節における)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、および皮下の経路といった、非経口投与に好適な調合物としては、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および意図される受容物の血液と等張な調合物にさせる溶液を含有できる水性および非水性の等張無菌注入溶液、ならびに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および防腐剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁液が挙げられる。bG−CSFの調合物は、容器(例えば、アンプルおよびバイアル)に密封された単回用量または多回用量において提供され得る。
非経口投与および静脈内投与は、投与の好ましい方法である。特に、天然アミノ酸相同物治療に関してすでに使用中の投与の経路(EPO、GH、G−CSF、GM−CFS、IFN、インターロイキン、抗体、抗体断片、FGFおよび/または任意の他の薬学的送達タンパク質にとって使用される経路が挙げられるが、これらに限定されない)が、現在使用中の調合物と共に、本発明のポリペプチドにとっての投与および調合物の好適な経路を提供する。
本発明に照らして、動物に投与される用量は、長期間にわたる動物に有益な治療応答、または他の好適な活性を示すために十分な用途に依存する量である。用量は、特定のベクターもしくは調合物の有効性、および採用される非天然アミノ酸ポリペプチドの安定性もしくは血中半減期、および患者の状態、これらと同様に処置される動物の体重または体表面積によって決定される。また、用量の大きさは、特定の動物における特定のベクターまたは調合物などの投与に付随する任意の副作用の存在、性質および程度によって決定される。
疾患の処置または予防において投与されるベクターまたは調合物の有効量の決定において、獣医は、循環血漿濃度、調合物の毒性、疾患の進行、および/または(該当する場合に)抗非天然アミノ酸ポリペプチド抗体の産生を評価する。
投与される用量は、典型的に、関連する組成物の変化されている活性または血中半減期に関して調節される、現在使用されている治療タンパク質の用量と等しい範囲にある。本発明のベクターまたは薬学的調合物は、任意の従来公知の療法(抗体投与、ワクチン投与、細胞毒性剤の投与、天然アミノ酸ポリペプチドの投与、核酸の投与、ヌクレオチド類似物の投与、および生体応答の調節剤の投与などが挙げられる)による障害の処置を補い得る。
投与に関して、本発明の調合物は、関連調合物のLD−50もしくはED−50よって、および/または動物の集団および全体的な健康状態に対して適用されるような(これが挙げられるが、限定されない)、種々の条件における非天然アミノ酸ポリペプチドの任意の副作用の観察によって、決定される割合において投与される。投与は、単回用量または分けられた用量を介して達成され得る。
調合物の注入を受ける動物が熱を出すか、寒気を覚えるか、または筋肉痛を覚える場合には、動物は、適量のアスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェン、または他の痛覚/熱制御薬を受ける。注入に対する反作用(例えば、熱、筋肉痛、および悪寒)を経験する動物は、さらなる注入の30分前に、アスピリン、アセトアミノフェンまたは(これが挙げられるが、限定されない)ジフェンヒドラミン、または動物にとって適切な他の薬剤のいずれかを用いて前投与される。メペリジンは、解熱剤および抗ヒスタミン剤にすぐに反応しないひどい悪寒および筋肉痛に対して使用される。細胞注入は、反作用の重篤度に依存して速度を落とされるか、または中断される。
本発明のbG−CSFポリペプチドは、動物の対象に対して直接に投与され得る。投与は、対象に対するbG−CSFポリペプチドの導入に通常に使用される経路のうちいずれかによる。本発明の実施形態に係るbG−CSFポリペプチド組成物としては、経口、直腸、局所、吸入(エアロゾルを介した吸入が挙げられるが、これに限定されない)、頬側(舌下が挙げられるが、これに限定されない)、膣、非経口(皮下、筋肉内、皮内、間接内、胸膜内、腹腔内、大脳内、動脈内、胸膜内、または静脈内が挙げられるが、これに限定されない)、局所(すなわち、皮膚および気道の表面を含む粘膜の表面の両方)、肺、眼内、鼻内および経皮の投与に好適なそれらが挙げられるが、所定の場合のいずれかにおける最も好適な経路は、処置される性質および重篤度に依存する。投与は、局所的であるか、または全身性であるかのいずれかであり得る。化合物の調合物は、容器(例えば、アンプルおよびバイアル)に密閉された単回用量または多回用量に存在し得る。本発明のbG−CSFポリペプチドは、薬学的に受容可能な担体を伴った、単回用量の形態(溶液、懸濁液、または乳液が挙げられるが、これらに限定されない)における混合物に調製され得る。また、本発明のbG−CSFポリペプチドは、連続的な注入(浸透圧ポンプといったミニポンプを用いた注入が挙げられるが、これに限定されない)、単回の大量瞬時投与、または緩徐に放出する徐放性製剤調合物によって投与され得る。
投与に好適な調合物としては、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および調合物に等張性を与える溶液を含有できる水性および非水性の溶液、等張無菌溶液、ならびに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および防腐剤を含むことができる水性および非水性の無菌懸濁液が挙げられる。溶液および懸濁液は、これまでに記載したような、無菌の粉末、顆粒、および錠剤から調製され得る。
凍結乾燥は、所定のタンパク質調製物から水を取り除く役割を果たす、タンパク質を提供する技術に通常に採用される。凍結乾燥(freeze-drying)、または凍結乾燥(lyophilization)は、乾燥される物質がまず凍結され、それから氷または凍結した溶媒が真空条件における昇華によって除去される過程である。賦形剤が、凍結乾燥過程における安定性の上昇および/または保存状態における凍結乾燥産物の安定性の向上を目的として、凍結乾燥前の調合物に含められ得る。Pikal, M. Biopharm. 3(9)26-30 (1990)およびArakawa et al. Pharm. Res. 8(3):285-291 (1991)。
また、製薬の噴霧乾燥は、当業者に公知である。例えば、Broadhead, J. et al., "TheSpray Drying of Pharmaceuticals," in Drug Dev. Ind. Pharm, 18 (11 & 12), 1169-1206 (1992)を参照すればよい。小分子製薬に加えて、種々の生体物質は、噴霧乾燥されており、これらとしては、酵素、血清、血漿、微生物および酵母が挙げられる。噴霧乾燥は、1段階の過程において液体の製薬調製物を高純度の粉末、ほこりのない粉末、または凝集粉に転換できるので、有用な技術である。基本的な技術は、以下の4つの段階:(a)供給溶液の水煙への霧状化;(b)水煙−空気接触;(c)水煙の乾燥;および(d)乾燥空気からの乾燥産物の分離を包含する。参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,235,710号明細書および米国特許第6,001,800号明細書には、噴霧乾燥による組換えエリスロポエチンの調製物に関して記載されている。
本発明の薬学的組成物および調合物は、薬学的に受容可能な担体を含み得る。薬学的に受容可能な担体は、投与される特定の組成物によって、これと同様に、組成物の投与に使用される特定の方法によって、部分的に決定される。したがって、本発明の薬学的組成物の広範な好適な調合物(薬学的に受容可能な担体、賦形剤、または安定化剤を任意に含む)がある(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed. 1985)を参照すればよい)。
好適的な担体としては、これらに限定されないが、コハク酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、HEPES、クエン酸塩、ヒスチジン、イミダゾール、酢酸塩、重炭酸塩および他の有機酸を含有する緩衝液;抗酸化剤(これに限定されないが、アスコルビン酸が挙げられる);低分子量ポリペプチド(これらに限定されないが、10残基未満のそれらが挙げられる);タンパク質(これらに限定されないが、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンが挙げられる);親水性ポリマー(これに限定されないが、ポリビニルピロリドンが挙げられる);アミノ酸(これらに限定されないが、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、ヒスチジンもしくはヒスチジン誘導体、メチオニン、グルタミン酸塩、またはリジンが挙げられる);単糖類、2糖類、他の糖(これらに限定されないが、トレハロース、スクロース、グルコース、マンノース、またはデキストリンが挙げられる);キレート剤(これらに限定されないが、EDTAおよびエデンテート(edentate)2ナトリウムが挙げられる);2価の金属イオン(これらに限定されないが、亜鉛、コバルト、または銅が挙げられる);糖アルコール(これらに限定されないが、マンニトールまたはソルビトールが挙げられる);塩形成対イオン(これらに限定されないが、ナトリウムおよび塩化ナトリウムが挙げられる);微結晶性セルロース、ラクトース、コーンスターチおよびたのスターチといった充填剤;甘味剤および香料添加剤;着色剤;および/または非イオン性界面活性剤(これに限定されないが、トウィーン(Tween)(商標)(これらに限定されないが、Tween80(ポリソルベート 80)およびTween20(ポリソルベート 20)、Pluronics(商標)および他のプルロン酸(これに限定されないが、および他のプルロン酸(これに限定されないが、プルロン酸 F86(ポロオキサマー(poloxamaer)188)が挙げられる)が挙げられる)が挙げられる)、またはPEGが挙げられる)が挙げられる。好適な界面活性剤としては、これらに限定されないが、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)(すなわち、(PEO−PPO−PEO))、またはポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)(すなわち、(PPO−PEO−PPO))、またはこれらの組合せに基づいたポリエーテルが挙げられる。PEO−PPO−PEOおよびPPO−PEO−PPOは、Pluronics(商標)、R−Pluronics(商標)、Tetronics(商標)およびR−Tetronics(商標)(BASF Wyandotte Corp.、Wyandotte、Mich.)という商品名において市販されており、言及によってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,820,352号明細書にさらに記載されている。他のエチレン/プロピレンブロックポリマーは、好適な界面活性剤であり得る。界面活性剤または界面活性剤の組合せは、1つ以上の負荷(これに限定されないが、攪拌から生じる負荷が挙げられる)に対してPEG付加IFNβを安定化させるために、使用され得る。上述のうちのいくつかは、“充填剤”と呼ばれ得る。また、いくつかは、“強直性変更剤(tonicity modifier)”と呼ばれ得る。また、抗菌性防腐剤が、産物の安定性および抗菌有効性を目的として適用され得;防腐剤としては、これらに限定されないが、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、メタクレゾール、メチル/プロピル パラベン、クレゾール、およびフェノール、またはこれらの組合せが挙げられる。参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,144,574号明細書には、本発明の薬学的組成物および製剤ならびに他の輸送調整物において好適であり得る付加的な材料について記載されている。
また、本発明のbG−CSFポリペプチド(これらに限定されないが、PEGといった水溶性ポリマーに対して連結されるそれらが挙げられる)は、徐放性の系の一部によってか、または一部として投与され得る。徐放性組成物としては、これに限定されないが、成形された品の形態(これらに限定されないが、フィルム、またはマイクロカプセルが挙げられる)における半透過性のポリマーマトリクスが挙げられる。徐放性のマトリクスとしては、生体適合性材料から得られるもの(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langer et al., J. Biomed. Mater. Res., 15: 267-277 (1981); Langer, Chem. Tech., 12: 98-105 (1982) )、エチレンビニルアセテート(上述のLanger et al)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシブチル酸(欧州特許出願公開第133,988号明細書)、ポリラクチド(ポリ酪酸)(米国特許第3,773,919号明細書;欧州特許出願公開第58,481号明細書)、ポリグリコリド(グリコール酸のポリマー)、ポリラクチド−コ−グリコリド(酪酸およびグリコリドの共ポリマー)のポリ無水物、L−グルタミン酸およびガンマ−エチル−L−グルタミン酸塩の共ポリマー(Sidman et al.,Biopolymers, 22, 547-556 (1983) )、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒア
ルロン酸、コラーゲン、硫酸コンドロイチン、カルボキシル酸、脂肪酸、リン脂質、多糖、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(例えば、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドンならびにシリコン)が挙げられる。また、徐放性組成物は、リポソームに取り込まれる化合物が挙げられる。化合物を含有するリポソームは、それ自体が公知の方法によって調製される(独国特許出願公開第3,218,121号明細書;Eppstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 82: 3688-3692 (1985);Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 77: 4030-4034 (1980);欧州特許出願公開第52,322号明細書;欧州特許出願公開第36,676号明細書;米国特許第4,619,794号明細書;欧州特許出願公開第143,949号明細書;米国特許第5,021,234号明細書;日本国出願公開第83−118008号明細書;米国特許第4,485,045号明細書および米国特許第4,544,545号明細書;および欧州特許出願公開第102,324号明細書)。引用された参考文献および特許文献のすべては、参照によって本明細書に援用される。
リポソームに取り込まれたbG−CSFポリペプチドは、例えば、独国特許出願公開第3,218,121号明細書;Eppstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 82: 3688-3692 (1985);Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 77: 4030-4034 (1980);欧州特許出願公開第52,322号明細書;欧州特許出願公開第36,676号明細書;米国特許第4,619,794号明細書;欧州特許出願公開第143,949号明細書;米国特許第5,021,234号明細書;日本国出願第83−118008号明細書;米国特許第4,485,045号明細書および米国特許第4,544,545号明細書;および欧州特許出願公開第102,324号明細書に記載されている方法によって調製され得る。組成物およびリポソームの大きさは、公知であるか、または経験的に当業者によって容易に決定され得る。リポソームのいくつかの例が、例えば、Park JW, et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:1327-1331 (1995) ;Lasic D and Papahadjopoulos D (eds): Medical Applications of Liposomes (1998);Drummond DC, et al., Liposomal drug delivery systems for cancer therapy, in Teicher B (ed): Cancer Drug Discovery and Development (2002);Park JW, et al., Clin. Cancer Res. 8:1172-1181 (2002); Nielsen UB, et al., Biochim. Biophys. Acta 1591(1-3):109-118 (2002);Mamot C, et al., Cancer Res. 63: 3154-3161 (2003)に記載されている。引用された参考文献および特許文献のすべてが、参照によって本明細書に組み込まれる。bG−CSFの多くの製剤について説明されており、当業者にとって公知である。
本発明に照らして、動物に対して投与される用量は、長期間にわたって対象に有益な応答を引き起こすに十分な量であるべきである。一般的に、投与ごとに非経口的に投与される、本発明のbG−CSFポリペプチドの治療有効量の総計は、動物の体重の約0.01ug/kg/日から約100ug/kg/日まで。または約0.05mg/kg/日から約1mg/kg/日の範囲であるが、これは治療の自由裁量に従う。また、投与の頻度は、治療の自由裁量に従い、動物における利用を承認されている、市販のbG−CSFポリペプチド産物よりも、高い頻度であり得るか、または低い頻度であり得る。一般的に、本発明のPEG付加bG−CSFポリペプチドは、上述の投与経路のうちのいずれかによって投与され得る。
XV.本発明のbG−CSFポリペプチドの治療的な使用
本発明のbG−CSFポリペプチドは広範な疾患の処置に有効である。bG−CSF製品の投与はヒトにおける白血球形成を起こす。したがって、本発明のbG−CSFポリペプチドの投与は感染のおそれがある動物における感染の予防に有用であり得る。本発明のbG−CSFポリペプチドは感染症にかかっている動物に投与され得る。本発明のbG−CSFポリペプチドを用いて処置され得る感染症としては、乳腺炎および輸送熱が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは出産の2週間前〜1日前に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、出産の2週間前〜1日前に動物に対して投与され、出産日にか、または出産から1週間後までにさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは出産の2週間前〜1日前に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、出産の2週間前〜1日前に動物に対して投与され、出産日にか、または出産から1週間後までにさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは出産の1週間前〜1日前に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、出産の1週間前〜1日前に動物に対して投与され、出産日にか、または出産から1週間後までにさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは出産の1週間前〜1日前に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、出産の1週間前〜1日前に動物に対して投与され、出産日にか、または出産から1週間後までにさらに投与される。
本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは輸送の2週間前〜輸送日に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは輸送の1週間前〜輸送日に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、輸送の2週間前〜輸送日に動物に対して投与され、輸送日にか、または輸送から1週間後までにさらに投与される。
本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは出産の7日前に動物に対して投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、出産の7日前に動物に対して投与され、出産日にか、または出産から1週間後までにさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、出産の7日前に動物に対して投与され、出産日にさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、出産の1週間前に動物に対して投与され、出産日にか、または出産から1週間後までにさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、出産の7日前に投与され、出産日にさらに投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは子牛の疾患を予防するために出産の日またはその前に乳牛に投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、子牛の疾患を予防するために出産の日またはその前に乳牛に投与される。本発明の一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチド子牛の疾患を予防するために出産の日の前に乳牛に投与される。本発明の一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチド子牛の疾患を予防するために出産の日の前に乳牛に投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、0.01;0.02;0.03;0.04;0.05;0.06;0.07;0.08;0.09;0.10;0.11;0.12;0.13;0.14;0.15;0.16;0.17;0.18;0.19;0.20;0.21;0.22;0.23;0.24;0.25;0.26;0.27;0.28;0.29;0.30;0.31;0.32;0.33;0.34;0.35;0.36;0.37;0.38;0.39;0.40;0.41;0.42;0.43;0.44;0.45;0.46;0.47;0.48;0.49;または0.50μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、0.01;0.02;0.03;0.04;0.05;0.06;0.07;0.08;0.09;0.10;0.11;0.12;0.13;0.14;0.15;0.16;0.17;0.18;0.19;0.200.21;0.22;0.23;0.24;0.25;0.26;0.27;0.28;0.29;0.30;0.31;0.32;0.33;0.34;0.35;0.36;0.37;0.38;0.39;0.40;0.41;0.42;0.43;0.44;0.45;0.46;0.47;0.48;0.49;または0.50μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、PEG付加され、0.01;0.02;0.03;0.04;0.05;0.06;0.07;0.08;0.09;0.10;0.11;0.12;0.13;0.14;0.15;0.16;0.17;0.18;0.19;0.200.21;0.22;0.23;0.24;0.25;0.26;0.27;0.28;0.29;0.30;0.31;0.32;0.33;0.34;0.35;0.36;0.37;0.38;0.39;0.40;0.41;0.42;0.43;0.44;0.45;0.46;0.47;0.48;0.49;または0.50μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、PEG付加され、0.01;0.02;0.03;0.04;0.05;0.06;0.07;0.08;0.09;0.10;0.11;0.12;0.13;0.14;0.15;0.16;0.17;0.18;0.19;0.200.21;0.22;0.23;0.24;0.25;0.26;0.27;0.28;0.29;0.30;0.31;0.32;0.33;0.34;0.35;0.36;0.37;0.38;0.39;0.40;0.41;0.42;0.43;0.44;0.45;0.46;0.47;0.48;0.49;または0.50μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.01μg/kgの用量において投与される。
一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、0.1;0.2;0.3;0.4;0.5;0.6;0.7;0.8;または1.0μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、0.1;0.2;0.3;0.4;0.5;0.6;0.7;0.8;または1.0μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、PEG付加され、0.1;0.2;0.3;0.4;0.5;0.6;0.7;0.8;または1.0μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、PEG付加され、0.1;0.2;0.3;0.4;0.5;0.6;0.7;0.8;または1.0μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは0.1μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.1μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは0.2μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.2μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは0.3μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.3μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは0.4μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.4μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは0.5μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.5μg/kgの用量において投与される。
一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは10μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは10μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは20μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは20μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは30μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは30μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは40μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは40μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは50μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは50μg/kgの用量において投与される。一実施形態において、本発明のbG−CSFポリペプチドは0.5μg/kgを超える用量において投与される。一実施形態において、本発明のPEG付加のbG−CSFポリペプチドは0.5μg/kgを超える用量において投与される。
bG−CSFを含んでいる薬学的組成物は、単独にか、または障害または疾患の一部として低いか、または不完全な白血球産生によって特徴付けられている疾患にかかっている動物に対する種々の方法による投与にとって有効な力価に調合され得る。bG−CSFの量の平均は、変化し得、特に熟練の獣医による推奨および処方に基づくべきである。bG−CSFの正確な量は、処置される障害の正確な種類、処置される動物の状態、および組成物における他の成分といった要因に依存する優先度の問題である。また、本発明は、他の活性薬剤の治療有効量の投与を提供する。与えられる量はbG−CSFを用いた療法に基づいて当業者によって容易に決定され得る。したがって本発明のbG−CSFが使用されて、白血球細胞の産生を刺激し得、低下した赤血球レベルを修正し得る。白血球細胞レベルは、がん、感染症または化学療法に起因して最も一般的に低下する。また、健康な動物における好中球減少症を引き起こし得る障害(例えば抗がん剤を用いた予想される処置)を処置可能である。また、hG−CSFを用いた処置可能な任意の障害が、本発明のbG−CSFおよび/またはPEG:bG−CSFを用いて一般的に処置され得る。また、本発明は他の活性な薬剤(例えば、抗がん化学療法剤)の治療有効量の投与を提供する。与えられる量はbG−CSFを用いた療法に基づいて当業者によって容易に決定され得る。
本発明の薬学的組成物は従来の手法において製造され得る。
以下の実施例は、例証のために提供されており、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
(実施例1:天然にコードされていないアミノ酸のbG−CSFへの組込みのための部位の選択)
本実施例において、天然にコードされていないアミノ酸の、bG−CSFへの組込み部位の選択のための、見込みのある多くの基準のうちのいくつかについて説明する。
ウシGCSFの理論モデルは、受容体(PDB ID番号:2D9Q)と結合しているヒトGCSFの結晶構造を用いて生成された。ヒトGCSF構造にとっての同等物はProtein Data Bank(PDB)(Bernstein et al. J. Mol. Biol. 1997, 112, pp 535)から入手可能である。置換にとって見込みのある残基としては、Cxプログラム(Pintar et al. (2002) Bioinformatics, 18(7):980-4)を用いて、保存的な置換部位および溶媒に対して最も高い接触可能性を有している残基が挙げられるが、これらに限定されない。パラ−アセチルフェニルアラニンを用いた置換のために同定される保存的な置換部位としては、電荷を有しているか、または有していない疎水性の核を含んでいるチロシン残基、フェニルアラニン残基およびアルギニン残基が挙げられるが、これらに限定されない。構造に関連があり得る残基は、置換のために選択されなかった。当該残基としては、グリシン、プロリンおよびらせん末端のキャッピングに関連する残基が挙げられるが、これらに限定されない。また、公知の受容体結合領域における残基は置換のために選択されなかった。配列番号1の123位(Asp)および141位(Thr)は、受容体との相互作用にとって重要であり得る。7位(Arg)は上記ポリペプチドのフォールディングにとって重要であり得る。133位(Thr)は、ヒトG−CSFにおけるO型糖鎖付加部位である。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの以下の位置:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せに組み込まれている。
いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの以下の位置:3位、7位、11位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、98位、99位、123位、124位、125位、133位、134位、136位、141位、159位、166位、169位、170位、173位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せに組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの以下の位置:3位、7位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、99位、123位、124位、133位、134位、141位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せに組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの以下の位置:3位、7位、62位、133位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せに組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの以下の位置:62位、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)およびこれらの任意の組合せに組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの62位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)に組み込まれている。いくつかの実施形態において、天然にコードされていないアミノ酸の1つ以上が、bG−CSFの133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)に組み込まれている。いくつかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、天然アミノ酸の置換、付加または欠失を1つ以上含んでいる。いくつかの実施形態において、1つ以上の非天然アミノ酸が、配列番号1、2または他のbG−CSF配列に対してN末端またはC末端にあるリーダー配列またはシグナル配列に組み込まれている。
いくつかの実施形態において、以下の位置:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。
いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、11位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、98位、99位、123位、124位、125位、133位、134位、136位、141位、159位、166位、169位、170位、173位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、33位、43位、58位、62位、67位、69位、99位、123位、124位、133位、134位、141位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、以下の位置:3位、7位、62位、133位、166位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの1つ以上における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、以下の位置:62位、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)およびこれらの任意の組合せの1つ以上における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、62位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、133位(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸)における、非天然に存在しているアミノ酸は、水溶性重合体と結合している。いくつかの実施形態において、配列番号1、2または他のbG−CSF配列に対してN末端またはC末端のリーダー配列またはシグナル配列における、非天然に存在しているアミノ酸が水溶性重合体と結合している。
(実施例2:天然にコードされていないアミノ酸を含んでおり、E. coliにおいて生成されるbG−CSFポリペプチドのクローニングおよび発現)
本実施例において、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドの、E. coliにおけるクローニングおよび発現、ならびに修飾されているbG−CSFポリペプチドの生物学的な活性を評価する方法について説明する。
bG−CSFをクローニングする方法は当業者にとって公知である。bG−CSFに関するポリペプチド配列およびポリヌクレオチド配列、宿主細胞におけるbG−CSFのクローニング、ならびにbG−CSFの精製については、米国特許第5,849,883号(その全体が参照によって本明細書に援用される)、Heidari et al. Veterinary ImmunologyおよびImmunopathology (2001) 81:45-57に詳述されている。
成熟bG−CSFをコードしているcDNAは配列番号3に示されている。この配列によってコードされているポリペプチドは配列番号1に示されている。
N末端にメチオニンを有している成熟bG−CSFをコードしているcDNAは配列番号4に示されている。この配列によってコードされているポリペプチドが配列番号2に示されている。
直交性のtRNA(O−tRNA)および直交性のアミノアシルtRNA合成酵素(O−RS)を含んでいる、導入された翻訳系は、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFを発現するために使用されている。O−RSは、天然にコードされていないアミノ酸を有しているO−tRNAを選択的にアミノアシル化する。上記翻訳系は、コードされているセレクターコドンに応じて天然にコードされていないアミノ酸を順に挿入する。好適なO−RSおよびO−tRNAの配列は、参照によってそれらの全体が援用される国際公開第2006/068802号(発明の名称:“Compositions of Aminoacyl-tRNA Synthetase and Uses Thereof”)(この出願におけるE9−配列番号22およびE9のD286R変異体−配列番号24)、および国際公開第2007/021297号(発明の名称:“Compositions of tRNA and Uses Thereof”)に記載されている。
Figure 0005844336
修飾されているbG−CSFポリヌクレオチド配列および直交性のアミノアシルtRNA合成酵素/tRNA対(所望の天然にコードされていないアミノ酸に特異的である)を含んでいるプラスミドを用いたE. coliの形質転換によって、天然にコードされていないアミノ酸の、bG−CSFポリペプチドへの組込みが可能になる。一例として示されている所望の遺伝子は、T133をコードしているコドンを置換しているセレクターコドン(アンバー)を有しているbG−CSFである。133位にパラアセチルフェニルアラニンを有しているbG−CSFは、bG−CSF T133pAFと呼ばれる。Plpp−恒常性のE. coliプロモータ;Proクラスター−E. coliのプロリンtRNAのタンデムコピー;F13クラスター−国際公開第2007/021297号に由来する修飾されているMethanococcus jannaschiのチロシンtRNAのタンデムコピー;国際公開第2006/068802号に由来するE9 RS(D286R) Methanococcus jannaschiのチロシルtRNA合成酵素;T7 pro−T7プロモータ;T7ターミネータ;ori−複製の開始点;bla(ap)配列−アンピシリン耐性遺伝子。
野生型のbG−CSF、または15の変異体ポリペプチドのうちのいずれかをコードしているポリヌクレオチドが、クローニングされ、続いてCodon Devices, IncによるpVK6ベクターにサブクローニングされた。生成された各構築物は、セレクターコドンであるアンバーコドンを異なる位置に有していた。生じたbG−CSFポリペプチドは、天然にコードされていないアミノ酸であるパラアセチルフェニルアラニン(pAF;pAcF)を有していた。当該天然にコードされていないアミノ酸は、以下の位置:L3、R7、E33、H43、Q58、S62、Q67、L69、L99、D123、L124、T133、Q134、T141およびR166の(位置の番号は配列番号1を参照している)いずれか1つにおいて天然にコードされているアミノ酸と置換されていた。生成された変異体bG−CSFポリペプチドのそれぞれが、N末端にメチオニンを有していた(N末端にメチオニンを有しているウシG−CSFの野生型の配列に関する配列番号2を参照)ので、発現されたbG−CSFポリペプチドは位置番号+1において非天然アミノ酸置換を有していた(例えば、1つの変異体は配列番号2の4位にpAFと置換されたロイシンを有していた)。配列の確認の後に、プラスミドをW3110 B2細胞内に形質移入され、コロニーをアンピシリンプレートにおいて成長させた。E. coli細胞株の情報は図2に示されている。これらのコロニーを使用して、アンピシリン培養物の1:1000希釈物を5mLのLBに播種した。培養物を、O.D.600=0.8まで37℃において培養した。それから、pAF(パラ−アセチルフェニルアラニン)を15の異なる培養物に4mMの最終濃度まで加えた。約30分後に、培養物は0.2%の最終濃度のL−アラビノースを用いて誘導され、当該培養物をさらに5時間にわたって37℃においてインキュベートした。同時に、500μLのサンプルをそれぞれの培養物から分取し、3分間にわたって13000rpmにおいて遠心沈殿した。上清を捨て、1μLのDNAseを有している150μLのB−PERにペレットを再懸濁し、一晩にわたって室温においてインキュベートした。翌朝に、4×LDS緩衝液(Invitrogen、Carlsbad、CA)を加え、サンプルを5分間にわたって95℃に加熱し、10×サンプル還元試薬(Invitrogen、Carlsbad、CA)を加えた。それから、MES緩衝液において4−12%の勾配ゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)のSDS−PAGEによってサンプルを分離し、Simply Blue SafeStain(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて可視化した。図3は、4−12%の勾配ゲルによる分析およびクーマシー染色後における、野生型bG−CSFおよびbG−CSF変異体の培養物から生成されたサンプルを示している。
封入体の準備的な可溶化
細胞ペーストを、封入体(IB)緩衝液I(50mMのTris pH8.0;100mMのNaCl;1mMのEDTA;1%Triton X−100;4℃)に、最終的に固体が10%になるまで4℃において再懸濁した。再懸濁された材料を合計2回にわたってマイクロフリューダイザに通すことによって、細胞を溶解した。サンプルを、10000g、4℃において15分間にわたって遠心分離し、上清をデカンタした。さらなる量のIB緩衝液I(50mMのTris pH8.0;100mMのNaCl;1mMのEDTA;1%Triton X−100;4℃)に、封入体(IB)のペレットを再懸濁させることによって洗浄し、再懸濁された材料を、マイクロフリューダイザに合計2回にわたって通すことによって溶解した。サンプルを、それから10000g、4℃において15分間にわたって遠心分離し、上清をデカンタした。IBペレットを、等量の緩衝液II(50mMのTris pH8.0;100mMのNaCl;1mMのEDTA;4℃)に再懸濁した。再懸濁の後に、サンプルを、10000g、4℃において15分間にわたって遠心分離し、上清をデカンタした。IBペレットを、それから1/2量の緩衝液II(50mMのTris pH8.0;100mMのNaCl;1mMのEDTA;4℃)に再懸濁した。それから適切な容器にIBを分注した。サンプルを10000g、4℃において15分間にわたって遠心分離し、上清をデカンタした。それから封入体を可溶化したか、またはさらなる使用まで−80℃に保存した。
封入体の可溶化
封入体を、可溶化緩衝液(20mMのTris pH8.0;8Mのグアニジン;10mMのβ−ME)において10〜15mg/mLの最終濃度まで可溶化した。可溶化されたIBを、1時間にわたってか、またはそれらが完全に溶解されるまで、常に混合しながら室温においてインキュベートした。タンパク質濃度が高い場合には、さらなる可溶化緩衝液を用いた希釈によってタンパク質濃度を調節した。
リフォールディング
0.5Mのアルギニン、pH8.0、4℃において0.5mg/mLのタンパク質の最終濃度になるまでサンプルを希釈することによって、リフォールディングを実施した。48〜72時間にわたって4℃に静置されて、サンプルをリフォールディングした。
精製
20%の最終濃度まで穏やかに混合しながら固体の(NHSOをサンプルに加えた。サンプルを30分間にわたって4℃において穏やかに混合した。沈殿したタンパク質(bG−CSFを含んでいる)を12000gにおける15分間にわたる遠心分離によってペレット化した。上清を除去し、それからペレットを1/2量の20mMのNaAc、pH4.5に再懸濁した。すべてのペレットが溶液に戻らなかった。bG−CSFのみが溶液に戻った。不溶材料を12000gにおける15分間にわたる遠心分離によってペレット化した。bG−CSF材料を0.45μmのフィルタに通してろ過した。材料を、それから緩衝液A(20mMのNaAc、pH4.5)において平衡化されているCM FFカラム(GE Healthcare)にかけた。材料は、カラムにかける前には<10m/Sであった。カラムの10倍量の、100%までの緩衝液B(20mMのNaAc、pH4.5;500mMのNaCl)の直線勾配を用いて、bG−CSFをカラムから溶出させた。図4は、bG−CSF−T133pAFを通したカラムからのピーク画分のクーマシー染色したSDS−PAGE分析を示している。
PEG付加および精製
50%の無水酢酸を用いて、CMのプールのpHをpH4.0に調節した。上記プールをそれから約4.0mg/mLのタンパク質まで濃縮した。12:1または8:1モルの過剰なヒドロキシアミンPEG:bG−CSFを上記プールに加えた。混合物は48〜72時間にわたって28℃においてインキュベートした。それから、混合物を、水を用いて8〜10倍に希釈し(<8m/S)、それから緩衝液A(20mMのNaAc、pH4.5)において平衡化されたSP HPカラム(GE Healthcare)にかけた。カラムの40倍量の、100%までの緩衝液B(20mMのNaAc、pH4.5;500mMのNaCl)の直線勾配を用いて、PEG付加bG−CSFを溶出した。図5はSP HPカラムから得られた、PEG付加bG−CSF−T133pAFについてのピーク画分のSDS−PAGE分析を示している。例えば、5%のエチレングリコールが同様に溶出緩衝液に使用され得る。
PEG付加bG−CSF画分を、プールし、bG−CSF調合緩衝液(4.26mMのNaAc、pH4.0;0.565mMのNaCl;0.0033%のTween20;5%のソルビトール)に対して透析した。PEG材料を、6〜6mg/mLのタンパク質まで濃縮し、0.22μmのPESフィルタを用いてろ過滅菌した。タンパク質を4℃に保存したか、または瞬間冷凍し、長期保存のために−80℃に保存した。図6はPEG付加の前後におけるbG−CSFのSDS−PAGE分析を示している。レーン1:bG−CSF−T133pAF;レーン2:bG−CSFT133pAF−20KPEG;レーン3:SeeBlue Plus 2分子量マーカー。
bG−CSFのペプチドマッピング(トリプシン/エンドプロテイナーゼGlu−c) ペプチドマッピングを実施して、パラアセチルフェニルアラニン(pAF)の、bG−CSFポリペプチドへの組込みを確認した。精製されている、PEG付加前のbG−CSF T133pAFおよび野生型のbG−CSFを、6Mの最終濃度のグアニジン−HCl、50mMのTris pH7.8に希釈し、10mMのDTTを用いて1時間にわたって37℃において還元した。サンプルを20mMのIAAを用いて室温の暗所において40分間にわたってアルキル化し、反応を20mMの最終濃度のDTTの添加によって停止させた。材料を、100mMの炭酸水素アンモニウムにおいて透析し、1:50(タンパク質:酵素)のトリプシンを用いて、4時間にわたって37℃において処理した。この反応を、1:20のGlu−Cの添加によって、一晩にわたって25℃において続けた。消化を0.1%の最終濃度のTFAの添加によって停止させた。ThermoFinnigan LCQ Decaイオントラップ質量分析計とタンデムにつながったGrace Vydac C8逆相カラムに、サンプルをアプライした。勾配を、8分間にわたる98%の移動相A(0.05%のTFAの水溶液)から定組成的に始め、それから214nmおよび250nmにおいて検出しながら、60%の移動相(0.05%のTFAのアセトニトリル溶液)まで立ち上げた。0.2mL/分の流速および40℃のカラム温度を適用した。100〜2000m/zの総スキャン範囲とともにキャピラリーの電位を15Vに設定した。MS/MSのための衝突電位は標準化されている42%であった。
図7aは野生型のbG−CSFのトリプシン/Glu−C消化(214nm検出)を示している。図7bはbG−CSF T133pAFのトリプシン/Glu−C消化(214nm検出)を示している。スレオニンからpAF(パラ−アセチルフェニルアラニン)への置換に由来して増加した疎水性が示されている。野生型のbG−CSFに関して、T133含有ペプチドの滞留時間は42.79分間であり、bG−CSF T133pAF含有ペプチドは変化して、42.79分間の滞留時間を有していた。
図8aは野生型のbG−CSFのトリプシン/Glu−C消化(250nm検出)を示している。図8bはbG−CSF T133pAFのトリプシン/Glu−C消化(250nm検出)を示している。250nmにおける分析の場合、タンパク質/ペプチドシグナルは低いが、pAFに起因するシグナルは強い。T133含有ペプチドは46.89分間の滞留時間を有していることが図8bに示されている。
bG−CSFのペプチドマッピング(エンドプロテイナーゼGlu−c)
PEG付加前の精製したbG−CSFを、6Mの最終濃度のグアニジン−HCl、50mMのTris pH7.8に希釈し、140mMのDTTを用いて1時間にわたって37℃において還元した。サンプルを室温の暗所において20mMのIAAを用いて30分間にわたってアルキル化し、反応を20mMの最終濃度のDTTを用いて停止させた。材料を、pH7.7の100mMの炭酸水素アンモニウムにおいて透析し、1:20(タンパク質:酵素)のGlu−Cを用いて一晩にわたって25℃において処理した。0.1%の最終濃度までTFAを加えることによって、消化を停止させた。ThermoFinnigan LCQ Decaイオントラップ質量分析計とタンデムにつながったGrace Vydac C8逆相カラムに、サンプルをアプライした。勾配を、8分間にわたる98%の移動相A(0.05%のTFAの水溶液)から定組成的に始め、それから214nmおよび250nmにおいて検出しながら、60%の移動相(0.05%のTFAのアセトニトリル溶液)まで立ち上げた。0.2mL/分の流速および40℃のカラム温度を適用した。100〜2000m/zの総スキャン範囲とともにキャピラリーの電位を15Vに設定した。MS/MSのための衝突電位は標準化されている42%であった。
図9aは野生型のbG−CSFのGlu−C消化(214nm検出)を示している。図9bはbG−CSF T133pAFのGlu−C消化(214nm検出)を示している。野生型のbG−CSFに関して、T133含有ペプチドは52.04分間の滞留時間を有しており、T133pAF bG−CSFに関して、T133pAF含有ペプチドは53.95分間の滞留時間を有していた。
図10aはは野生型のbG−CSFのGlu−C消化(250nm検出)を示している。図10bはbG−CSF T133pAFのGlu−C消化(250nm検出)を示している。250nmにおける分析の場合、タンパク質/ペプチドシグナルは低いが、pAFに起因するシグナルは強い。T133含有ペプチドは53.95分間の滞留時間を有していることが図10bに示されている。
bG−CSFポリペプチドのRP−HPLCおよびSEC−HPLC分析
RP−HPLCおよびSEC−HPLCを、精製後のサンプルの純度の解析および同定に使用した。精製された20K PEG−bG−CSF T133pAFを、調合緩衝液(pH4.0の4.26mMの酢酸ナトリウム、0.565mMの塩化ナトリウム0.0033%のTween20および5%のソルビトール)を用いて1mg/mLまで希釈し、10μLをJ.T. Baker wide pore Octyl(C8)の逆相カラム(4.6×100mm、5μm)に注入した。勾配を、50%の移動相A(0.1%のTFAの水溶液)から始め、26分間にわたって90%の移動相(0.1%のTFAのアセトニトリル溶液)まで立ち上げた。カラムを90%の移動相Bを用いて4分間にわたって再生し、50%の移動相Aを用いて5分間にわたってふたたび平衡化した。1.5mL/分の流速および60℃のカラム温度を214nmにおける検出に適用した。表3は8.50分間の滞留時間を有している主なピーク(20K PEG−bG−CSF T133pAF)を示している。面積%の算出によってサンプルの91.2%がPEG付加−bG−CSFであった。
Figure 0005844336
また、PEG付加されなかったbG−CSFをRP−HPLCによって分析した。表4は8.893分間の滞留時間を有している主なピーク(bG−CSF T133pAF)を示している。面積%の算出によってサンプルの64.3%がbG−CSF T133pAFであった。
Figure 0005844336
また、精製された20K PEG−bG−CSF T133pAFをSEC−HPLCによって分析した。サンプルを、Tosohaas TSK Super SW3000(4.6×300mm、4μm 250Å)サイジングカラムに、25分間の定組成勾配を用いてきちんと(2μL)注入した。移動相は、97%の63mMのリン酸ナトリウム、pH7.0および3%の2−プロパノールを含んでいる。0.3mL/分の流速および25℃のカラム温度を214nm検出に適用した。Aglient Chemstationソフトウェアを用いて分析を実施した。表5は9.157分間の滞留時間を有している主なピークを示している。面積%の算出によってサンプルの98.3%が単量体のPEG−bG−CSFであった。PEG付加ポリペプチドのSEC−HPLC分析に関して図11を参照すればよい。
Figure 0005844336
また、PEG付加されていないbG−CSFをSEC−HPLCによって分析した。表6は13.125分間の滞留時間を有している主なピークを示している。面積%の算出によってサンプルの99.0%が単量体のbG−CSF T133pAFであった。当該ポリペプチドのSEC−HPLC分析に関して図12を参照すればよい。
Figure 0005844336
また、bG−CSFポリペプチドのESI−TOF高精度分析(Agilent Technology)を実施して、bG−CSFポリペプチドの同一性を確認した。精製されたbG−CSF T133pAFを0.1%の蟻酸に対して透析した。サンプルを水とともに1分間にわたってC−18カートリッジにかけ、それから50%のアセトニトリルの水溶液を用いて溶出した。合計の実行時間は流速0.3mL/分において3分間であった。ESIのキャピラリー電位を4kVに設定し、MSTOFのフラグメンター電位を300Vに設定した。スキャンされた荷電状態のエンベロープを逆重畳積分して、MH+値が与えられる。予測されたMH+MWは19145であった。観察されたMH+MWは19146であった。
M−NFS60増殖アッセイ
bG−CSF分子の有効性を評価するために、M−NFS60細胞株を用いて増殖アッセイを実施した。細胞株をATCC(カタログ#CRL−1838)から購入した。細胞を解凍し、RPMI1640+10%のFBS+ペニシリン/ストレプトマイシン+50μMの2−メルカプトエタノール+20ng/mLのmIL−3(Invitrogen、Carlsbad、CA;BD Pharmingen カタログ#554579から得られるmIL3)において維持した。細胞を2日ごとに分け、0.02×10細胞/mLに播いた。
アッセイの前日に、細胞を0.1×10細胞/mLに分けた。16〜24時間後に、細胞を、黒い平底の96ウェルプレートに対して、アッセイ培地に入れて10000細胞/ウェルを播き、bG−CSF化合物の系列希釈を二組として加えた。ウェルごとの総容積は100μLであり、アッセイ培地はRPMI1640+10%のFBS+P/Sであった。標準物質(例えば、Neupogen(登録商標)およびWT bG−CSF)を、同様にプレートごとに二組として加えた。5%COの37℃において42時間にわたって、プレートをインキュベートした。この42時間のインキュベーションの後に、10μL/ウェルのAlamar Blue(Biosourceカタログ#DAL1100)を加え、5%COの37℃においてさらに6時間にわたって、プレートをインキュベートした。それから4000rpm、室温において2分間にわたって、プレートを遠心沈殿して、あらゆる気泡が除去された。プレートを、535nmにおける励起および590nmの発光の設定においてTecan蛍光光度計によって読み取った。プレートをホイルに包んで、光感受性のAlnar Blue 色素に光をさらすことを回避した。
データ分析のために、各化合物に関する二組の系列希釈を平均化し、EC50値がSigmaPlotにおいて算出した。そのままのEC50値はすべての化合物に関して挙げられており、差異の倍率を算出した(PEG付加ウシGCSF化合物がWTbG−CSFと比較した)。実験を複数回にわたって実施して、アッセイ内CV<20%およびアッセイ間CV<30%を確立した。図13/表7=M−NFS60増殖アッセイ−20KPEG付加ウシG−CSF T133pAFおよび野生型のもとのEC50。図14/表8=20KPEG付加ウシG−CSF T133pAF 対 野生型の、M−NFS60増殖アッセイ−EC50の差異の倍率。
天然にコードされていないアミノ酸置換を含んでいる他のbG−CSF分子をアッセイした。表9は得られたEC50の平均値を示している。
Figure 0005844336
Figure 0005844336
Figure 0005844336
ウシ好中球のCD11b染色
50μlのウシの血液を、未処理のポリスチレン製の96ウェルプレート(Cal Poly Pomona)に加えた。PBSに希釈したNeupogen(登録商標)、Neulasta(登録商標)またはbG−CSF−T133pAcF−20K PEG(最終濃度200ng/ml〜0.001ng/ml)を加えることによって、細胞を刺激した。溶液を穏やかに混合し、39℃のCOインキュベータにおいて30分間にわたってインキュベートした。20ug/mlの一次抗体(マウス抗ウシCD11b:MM12A、VMRD)を細胞に加えた。30分間にわたって4℃において細胞をインキュベートした。アッセイのプレートを2分間にわたって800×gにおいて遠心分離し、上清を捨てた。150ulの冷却した溶解溶液(0.15Mのリン酸塩、pH7.2)を加えることによって、1分間にわたって赤血球を溶解させ、50ulの回復溶液(0.15Mのリン酸塩、0.5MのNaCl、pH7.4)を加えることによって等張性を回復させた。ふたたびプレートを遠心分離し、上清を捨てた。視認されるすべての赤血球が除去されるまで、溶解過程を繰り返した。200ulのFACS緩衝液(1×PBS、2.5mMのHEPES、0.1%のアジ化ナトリウム、2.0%のFBS)を用いて2回にわたって、細胞を洗浄し、100ulのFACS緩衝液に当該細胞を再懸濁させた。20ugの二次抗体(ヤギ抗マウスIgG1、ヒトads−PE)を加え、4℃の暗所において30分間にわたってインキュベートした。細胞を、ペレット化し、2回にわたって洗浄し、200hlのFACS緩衝液に再懸濁した。BD FACSアレイ装置を使用して、50000の事象を入手し、CD11b陽性細胞をカウントした。
図15は、CD11b抗体を用いてウシの好中球を染色して、種々の分子に対するそれらの応答性を評価した実験の結果を示す。顆粒球に関する蛍光強度の平均(MFI)を用いて、細胞表面に対するCD11bの提示レベルを決定した。MFI%は刺激なしの対照群に対して標準化された値である。Neupogen(登録商標)、Neulasta(登録商標)およびbG−CSF T133pAF−20K PEGに関する用量応答曲線およびEC50値を、4要素の適合に基づいて生成した。NeupogenのEC50値は3.18ng/mlであった。Neulastaに関するEC50値は2.84ng/mlであり、bG−CSF T133pAF−20K PEGに関するEC50値は6.23ng/mlであった。
(実施例3:カルボニル含有アミノ酸の導入および続くアミノオキシ含有PEGとの反応)
この実施例では、ケトンを含有している天然にコードされていないアミノ酸を組み込んでいるbG−CSFポリペプチドの生成方法について実証している。当該アミノ酸は続いて、約5000MWのアミノオキシ含有PEGと反応させられる。1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せの残基のそれぞれが、以下の構造:
Figure 0005844336
を有している天然にコードされていないアミノ酸を用いて単独に置換されている。
p−アセチル−フェニルアラニンの、bG−CSFへの部位特異的な組込みに利用される配列は、上述の実施例2に記載されている、配列番号3もしくは4(bG−CSF)、配列番号23もしくは5(muttRNA、M. jannaschiiのmtRNATyr CUA)、および配列番号22、24、17、18、19(TyrRS LW1、5または6)である。
修飾するとすぐに、カルボニル含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドバリアントを、以下の形態:
R-PEG(N)-O-(CH2)n-O-NH2
(ここで、Rはメチルであり、nは3であり、Nは約5000MWである)のアミノオキシ含有PEG誘導体と反応させる。10mg/mLのMES(Sigma Chemical、St. Louis、MO) pH6.0、25mMのHEPES(Sigma Chemical、St. Louis、MO) pH7.0、または10mMの酢酸ナトリウム(Sigma Chemical、St. Louis、MO) pH4.5に溶解されている、p−アセチルフェニルアラニンを含んでいる精製されたbG−CSFは、10〜100倍の過剰量のアミノオキシ含有PEGと反応させられ、それから10〜16時間にわたって室温において攪拌される(Jencks、W. J. Am. Chem. Soc. 1959、81、pp 475)。PEG−bG−CSFはそれから即座の精製および分析に適した緩衝液に希釈される。
(実施例4:アミド結合を介してPEGと結合されているヒドロキシアミン基から構成されているPEGを用いた抱合)
以下の構造:
R-PEG(N)-O-(CH2)2-NH-C(O)(CH2)n-O-NH2
(ここで、Rはメチルであり、nは4であり、Nは約20000MWである)
を有しているPEG試薬は、実施例3に記載の手法を用いて、ケトンを含有している天然にコードされていないアミノ酸と結合される。反応、精製および分析の条件は実施例3に記載の通りである。
(実施例5:2つの異なる天然にコードされていないアミノ酸の、bG−CSFポリペプチドへの導入)
この実施例では、以下の残基:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せのうちから2つの位置においてにケトン官能性基を含んでいる天然にコードされていないアミノ酸を組み込んでいるbG−CSFポリペプチドの生成方法について実証している。bG−CSFポリペプチドは、セレクターコドンが核酸内の異なる2つの位置に導入されていることを除いて、実施例1および2に記載の通りに調製されている。
(実施例6:ヒドラジン含有PEGに対するbG−CSFポリペプチドの抱合および続くインシチュ還元)
カルボニル含有アミノ酸を組み込んでいるbG−CSFポリペプチドは、実施例2および3に記載の手法にしたがって調製されている。修飾するとすぐに、以下の構造:
R-PEG(N)-O-(CH2)2-NH-C(O)(CH2)n-X-NH-NH2
(ここで、Rはメチルであり、nは2であり、Nは10000MWであり、Xはカルボキシル(C=O)基である)
を有しているヒドラジド含有PEGを、bG−CSFポリペプチドと抱合させる。p−アセチルフェニルアラニンを含んでいる精製されたbG−CSFは、25mLのMES(Sigma Chemical、St. Louis、MO)pH6.0、25mMのHepes(Sigma Chemical、St. Louis、MO) pH7.0または10mMの酢酸ナトリウム(Sigma Chemical、St. Louis、MO) pH4.5において、0.1〜10mg/mLに溶解されており、1〜100倍過剰量のヒドラジン含有PEGと反応させられ、対応するヒドラゾンが、10〜50mMの最終濃度までHOに溶解されているストックの1MのMaCNBH(Sigma Chemical、St. Louis、MO)の添加によってインシチュにおいて還元される。18〜24時間にわたって4℃〜室温の暗所において、反応を実施する。約7.6のpHの1MのTris(Sigma Chemical、St. Louis、MO)を50mMのTrisの最終濃度まで添加することによって反応を停止させるか、または反応は即座の精製に適した緩衝液に希釈される。
(実施例7:bG−CSFポリペプチドへのアルキン含有アミノ酸の導入、およびmPEG−アジドを用いた誘導体化)
以下の残基:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−ポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せは、以下の天然にコードされていないアミノ酸:
Figure 0005844336
を用いてそれぞれ置換されている。
p−プロパルギル−チロシンの、bG−CSFへの部位特異的な組込みのために利用される配列は、上述の実施例2に記載されている、配列番号3もしくは4、配列番号5(muttRNA、M. jannaschiiのmtRNATyr CUA)、および配列番号10、11、12である。プロパルギルチロシンを含んでいるbG−CSFポリペプチドはE. coliにおいて発現され、実施例3に記載の条件を用いて精製される。
プロパルギル−チロシンを含んでいる精製されているbG−CSFは、PB緩衝液(100mMのリン酸ナトリウム、0.15MのNaCl、pH8)に、0.1〜10mg/mLにおいて溶解され、10〜100倍の過剰量のアジド含有PEGが反応混合物に加えられる。それから、触媒量のCuSOおよびCuワイヤが反応混合物に加えられる。混合物のインキュベーション(室温もしくは37℃において約4時間にわたって、または4℃において一晩にわたって、が挙げられるが、これらに限定されない)後に、HOが加えられ、混合物は透析膜に通してろ過される。
この実施例において、PEGは以下の構造:
R-PEG(N)-O-(CH2)2-NH-C(O)(CH2)n-N3
(ここで、rはメチルであり、nは4であり、Nは10000MWである)
を有している。
(実施例8:bG−CSFポリペプチドにおける巨大な疎水性アミノ酸の、プロパルギルチロシンを用いた置換)
bG−CSFの以下の領域:1位より前(すなわちN末端)、1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せのうちの1つに存在しているPhe、TrpまたはTyr残基は、実施例7に記載のような以下の天然にコードされていないアミノ酸:
Figure 0005844336
を用いて置換されている。
修飾するとすぐに、PEGを、アルキン含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドと結合させる。PEGは、以下の構造:
Me-PEG(N)-O-(CH2)2-N3
を有しており、その結合手法は実施例7における手法にしたがう。これによって、天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドが生成される。当該アミノ酸は、天然に存在している、大きな疎水性のアミノ酸の1つとおよそ等電子配置であり、上記ポリペプチド内の異なる部位においてPEG誘導体を用いて修飾される。
(実施例9:1つ以上のPEGリンカーによって隔てられているbG−CSFポリペプチドのホモ二量体、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体の生成)
実施例7において生成されている、アルキン含有bG−CSFポリペプチドバリアントを、以下の形態:
N3-(CH2)n-C(O)-NH-(CH2)2-O-PEG(N)-O-(CH2)2-NH-C(O)-(CH2n-N3
(ここで、nは4であり、PEGは約5000の平均分子量を有している)
の二機能性PEG誘導体と反応させて、対応するbG−CSFポリペプチドのホモ二量体を生成し、2つのbG−CSF分子はPEGによって物理的に離されている。類似の様式において、bG−CSFポリペプチドは1つ以上の他のbG−CSFポリペプチドと結合されて、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体を形成し得る。
(実施例10:bG−CSFポリペプチドに対する糖部分の結合)
実施例3に記載の通り、以下の残基:1位より前(すなわちN末端)1位、2位、3位、4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、30位、31位、32位、33位、34位、35位、36位、37位、38位、39位、40位、41位、42位、43位、44位、45位、46位、47位、48位、49位、50位、51位、52位、53位、54位、55位、56位、57位、58位、59位、60位、61位、62位、63位、64位、65位、66位、67位、68位、69位、70位、71位、72位、73位、74位、75位、76位、77位、78位、79位、80位、81位、82位、83位、84位、85位、86位、87位、88位、89位、90位、91位、92位、93位、94位、95位、96位、97位、98位、99位、100位、101位、102位、103位、104位、105位、106位、107位、108位、109位、110位、111位、112位、113位、114位、115位、116位、117位、118位、119位、120位、121位、122位、123位、124位、125位、126位、127位、128位、129位、130位、131位、132位、133位、134位、135位、136位、137位、138位、139位、140位、141位、142位、143位、144位、145位、146位、147位、148位、149位、150位、151位、152位、153位、154位、155位、156位、157位、158位、159位、160位、161位、162位、163位、164位、165位、166位、167位、168位、169位、170位、171位、172位、173位、174位、175位(すなわちタンパク質のカルボキシル末端)(配列番号1、または配列番号2における対応するアミノ酸もしくは他のbG−CSFポリペプチドにおける対応するアミノ酸)、およびこれらの任意の組合せのうちの1つが、以下の天然にコードされていないアミノ酸:
Figure 0005844336
を用いて置換されている。
修飾するとすぐに、カルボニル含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドバリアントを、N−アセチルグルコサミンのβ結合型のアミノオキシ類似物(GlcNAc)と反応させる。bG−CSFポリペプチドバリアント(10mg/mL)およびアミノオキシ糖(21mM)を、100mMの水性の酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)において混合し、7〜26時間にわたって37℃においてインキュベートする。糖を抱合しているbG−CSFポリペプチド(5mg/mL)を、UDPグルコース(16mM)およびβ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ(0.4ユニット/mL)とともに、150mMのHEPES緩衝液、周囲温度において、48時間にわたってインキュベートすることによって、第2の糖を第1の糖に対して酵素的に結合させる(Schanbacher et al.J. Biol. Chem. 1970, 245, 5057-5061)。
(実施例11:PEG付加されているbG−CSFポリペプチドアンタゴニストの生成)
残基(bG−CSF受容体結合に関与する残基が挙げられるが、これらに限定されない)は、実施例3に記載の通り、以下の天然にコードされていないアミノ酸:
Figure 0005844336
を用いて置換されている。
修飾するとすぐに、カルボニル含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドバリアントを、以下の形態:
R-PEG(N)-O-(CH2)n-O-NH2
(ここで、rはメチルであり、nは4であり、Nは20000MWである)
の、アミノオキシ含有PEG誘導体と反応させて、ポリペプチド内の単一の部位においてPEG誘導体を用いて修飾されている天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドアンタゴニストを生成させる。結合、精製および分析は実施例3と同様に実施される。
(実施例12:bG−CSF分子が直接に結合されている、bG−CSFポリペプチドのホモ二量体、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体の生成)
アルキン含有アミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドバリアントは、アジド含有アミノ酸を含んでいる他のbG−CSFポリペプチドバリアントと直接に結合し得る。類似の手法において、bG−CSFポリペプチドポリペプチド1つ以上の他のポリペプチドと結合して、ヘテロ二量体、ホモ多量体またはヘテロ多量体を形成し得る。結合、精製および分析は実施例3、6および7と同様に実施される。
(実施例13)
PEG-OH + Br-(CH2)n-C≡CR’(A) → PEG-O-(CH2)n-C≡CR’(B)
ポリアルキレングリコール(P−OH)をアルキルハライドと反応させて、エーテル(B)を形成させる。これらの化合物において、nは1〜9までの整数であり、R’は直鎖または分枝鎖の、飽和または不飽和のC1〜C20のアルキル基またはヘテロアルキル基であり得る。また、R’は、C3〜C7の飽和もしくは不飽和の環状アルキル基もしくは環状ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基もしくはヘテロアリール基、または置換もしくは非置換のアルカリル基(アルキルはC1〜C20の飽和または不飽和のアルキルである)もしくはヘテロアルカリル基であり得る。典型的に、PEG−OHは800〜40000ダルトン(Da)の分子量を有しているポリエチレングリコール(PEG)またはモノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)である。
(実施例14)
20000Daの分子量を有しているmPEG−OH(mPEG−OH 20kDa;2.0g、0.1mmol、Sunbio)を、NaH(12mg、0.5mmol)のTHF溶液(35mL)を用いて処理した。それから、キシレンにおける80重量%溶液として溶解されているプロパルギルブロマイドの溶液(0.56mL、5mmol、50等量、Aldrich)および触媒量のKIを、上記溶液に加え、生じた混合物を加熱して2時間にわたって還流した。それから水(1mL)を加え、溶媒を真空下において除去した。残余物にCHCl(25mL)を加え、有機層を除去し、無水MaSOに通して乾燥させ、約2mLまで容積を減少させた。このCHCl溶液をジエチルエーテル(150mL)に滴下して加えた。生じた沈殿を回収し、冷却したジエチルエーテルを用いて数回にわたって洗浄し、乾燥させてプロパルギル−O−PEGを生じた。
(実施例15)
20000Daの分子量を有しているmPEG−OH(PEG−OH 20kDa;2.0g、0.1mmol、Sunbio)を、NaH(12mg、0.5mmol)のTHF溶液(35mL)を用いて処理した。それから、50等量の5−ブロモ−1−ペンチン(0.53mL、5mmol、Aldrich)および触媒量のKIを混合物に加えた。生じた混合物を16時間にわたって加熱して還流した。それから水(1mL)を加え、溶媒を真空下において除去した。残余物にCHCl(25mL)を加えて、有機層を分離し、無水NaSOに通して乾燥させ、容積を約2mLまで減少させた。このCHCl溶液をジエチルエーテル(150mL)に滴下して加えた。生じた沈殿を回収し、冷却したジエチルエーテルを用いて数回にわたって洗浄し、乾燥させて対応するアルキンが生じた。5−クロロ−1−ペンチン類似の反応において使用され得る。
(実施例16:mPEG−O−CH2−C6H4O−CH2−C≡CHの生成)
(1)m-HOCH2C6H4OH + NaOH + Br-CH2-C≡CH → m-HOCH2C6H4O-CH2-C≡CH
(2)m-HOCH2C6H4O-CH2-C≡CH + MsCl + N(Et) 3 → m-MsOCH2C6H4O-CH2-C≡CH
(3)m-MsOCH2C6H4O-CH2-C≡CH + LiBr → m-Br-CH2C6H4O-CH2-C≡CH
(4)mPEG-OH + m-Br-CH2C6H4O-CH2-C≡CH → mPEG-O-CH2-C6H4O-CH2-C≡CH
THF(50mL)および水(2.5mL)における3−ヒドロキシベンゼンアルコール(2.4g、20mmol)の溶液に、粉末の水酸化ナトリウム(1.5g、37.5mmol)をまず加え、それからキシレンにおける80重量%の溶液として溶解されたプロパルギルブロマイドの溶液(3.36mL、30mmol)を加えた。反応混合物を6時間にわたって加熱して還流した。10%のクエン酸(2.5mL)を混合物に加え、溶媒を真空下において除去した。酢酸エチル(3×15mL)を用いて残余物を抽出し、混合性の有機層を、飽和NaCl溶液(10mL)を用いて洗浄し、MgSOに通して乾燥させ、濃縮して3−プロパルギルオキシベンジルアルコールが生じた。
塩化メタンスルホニル(2.5gおよび15.7mmol)およびトリエチルアミン(2.8mL、20mmol)を、CHClにおける化合物3の溶液に0℃において加え、反応物を16時間にわたって冷蔵庫に入れておいた。通常の操作によって淡黄色の油状物としてメシレートが生じた。この油状物(2.4g、9.2mmol)をTHF(20mL)に溶解し、LiBr(2.0g、23.0mmol)を加えた。反応混合物を1時間にわたって加熱して還流し、それから室温まで冷却した。混合物に水(2.5mL)を加え、溶媒を真空下において除去した。エチルエーテル(3×15mL)を用いて残余物を抽出し、飽和NaCl溶液(10mL)を用いて、残余物を洗浄し、無水NaSOに通し、濃縮して所望の臭化物が生じた。
mPEG−OH 20kDa(1.0g、0.05mmol、Sunbio)をTHF(20mL)に溶解させ、溶液を冷却バスにおいて冷却した。激しく攪拌しながら数分間にわたってNaH(6mg、0.25mmol)を加え、その後に、上述のように得られた臭化物(2.55g、11.4mmol)および触媒量のKIを加えた。冷却バスを外して、生じた混合物を12時間にわたって加熱して還流した。混合物に水(1.0mL)を加え、溶媒を真空下において除去した。残余物にCHCl(25mL)を加え、有機層を分離し、無水NaSOに通して乾燥させ、容積を約2mLまで減少させた。エタノール溶液(150mL)に滴下して加えることによって白色の沈殿物を生じ、これを回収してPEG誘導体を得た。
(実施例17)
mPEG-NH2 + X-C(O)-(CH2)n-C≡CR’ →mPEG-NH-C(O)-(CH2)n-C≡CR’
また、末端にアルキンを含有しているポリ(エチレングリコール)重合体は、末端官能基を含んでいるポリ(エチレングリコール)重合体を、上記のようなアルキン官能性基を含んでいる反応性分子と結合することによって入手され得る。nは1〜10であり、R’はHまたはC1〜C4の小さなアルキル基であり得る。
(実施例18:mPEG−NH−C(O)−(CH2)2−C≡CHの生成)
(1)HO2C-(CH2)2-C≡CH + NHS +DCC→ NHSO-C(O)-(CH2)2-C≡CH
(2)mPEG-NH2 + NHSO-C(O)-(CH2)2-C≡CH → mPEG-NH-C(O)-(CH2)2-C≡CH
4−ペンチン酸(2.943g、3.0mmol)をCHCl(25mL)に溶解した。N−ヒドロオキシスクシニミド(3.80g、3.3mmol)およびDCC(4.66g、3.0mmol)を加え、一晩にわたって室温において攪拌した。生じた粗製のNHSエステル7を、さらに精製することなく以下の反応に使用した。
5000Daの分子量を有しているmPEG−NH(mPEG−NH、1g、0.4mmol、Sunbio)をTHF(50mL)に溶解させ、混合物を4℃に冷却した。NHSエステル7(400mg、0.4mmol)を数回に分けて、激しく攪拌しながら加えた。3時間にわたって混合物を攪拌し続け、同時に室温まで加温した。それから水(2mL)を加え、溶媒を真空下において除去した。残余物にCHCl(50mL)を加え、有機層を分離し、無水NaSOに通して乾燥させ、容積を約2mLまで減少させた。このCHCl溶液を滴下してエーテル溶液(150mL)に加えた。生じた沈殿を回収し、真空下において乾燥させた。
(実施例19:ポリ(エチレングリコール)のメタンスルホネートおよびメシレートの調製)
この実施例では、ポリ(エチレングリコール)のメタンスルホニルエステル(ポリ(エチレングリコール)のメタンスルホン酸塩またはメシレートとも呼ばれ得る)の調製について示す。対応するトシレートおよびハロゲン化物は類似の手法によって調製され得る。
mPEG-OH + CH3SO2Cl + N(Et) 3 →mPEG-O-SO2CH3 → mPEG-N3
150mLのトルエンにおけるmPEG−OH(MW=3400、25g、10mmol)を、窒素下において2時間にわたって共沸的に蒸留し、溶液を室温まで冷却した。40mLの無水CHClおよび2.1mL無水トリエチルアミン(15mmol)を溶液に加えた。溶液を冷却バスにおいて冷却し、12mLの蒸留した塩化メタンスルホニル(15mmol)を滴下して加えた。一晩にわたって窒素下の室温において溶液を攪拌し、2mLの無水エタノールの添加によって反応を停止させた。混合物を真空下において蒸発させてトルエン以外の溶媒を主に除去し、ろ過し、真空下においてふたたび濃縮し、それから100mLのジエチルエーテルにおいて沈殿した。ろ過物を数回にわけて冷却したジエチルエーテルを用いて洗浄し、真空下において乾燥させてメシレートが生じた。
メシレート(20g、8mmol)を75mLのTHFに溶解させ、溶液を4℃に冷却した。冷却した溶液にアジ化ナトリウム(1.56g、24mmol)を加えた。反応物を2時間にわたって加熱して還流した。それから溶媒を蒸発させ、残余物をCHCl(50mL)を用いて希釈した。NaCl溶液を用いて有機画分を洗浄し、無水MgSOに通して乾燥させた。容積を20mLまで減らし、150mlの冷却した無水エーテルに加えることによって生成物が沈殿した。
(実施例20:mPEG−O−CH−C−Nの生成)
(1)N3-C6H4-CO2H → N3-C6H4CH2OH
(2)N3-C6H4CH2OH → Br-CH2-C6H4-N3
(3)N3-C6H4CH2OH → Br-CH2-C6H4-N3
4−アジドベンジルアルコールは、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,998,595号に記載の方法を用いて生成され得る。CHClにおける4−アジドベンジルアルコール(1.75g、11.0mmol)に対して、塩化メタンスルホニル(2.5g、15.7mmol)およびトリエチルアミン(2.8mL、20mmol)を0℃において加え、反応物を16時間にわたって冷蔵庫に入れておいた。通常の操作によって淡黄色の油状物としてメシレートを生じた。この油状物(9.2mmol)をTHF(20mL)に溶解させ、LiBr(2.0g、23.0mmol)を加えた。反応混合物を1時間にわたって加熱して還流し、それから室温まで冷却した。水(2.5mL)を混合物に加え、溶媒を真空下において除去した。酢酸エチル(3×15mL)を用いて残余物を抽出し、飽和NaCl溶液(10mL)を用いて混合性の有機層を洗浄し、無水NaSOに通して乾燥させ、濃縮して所望の臭化物が得られた。
THF(35mL)におけるNaH(12mg、0.5mmol)を用いてmPEG−OH 20kDa(2.0g、0.1mmol、Sunbio)を処理し、臭化物(3.32g、15mmol)を触媒量のKIとともに混合物に加えた。生じた混合物を12時間にわたって加熱して還流した。水(1.0mL)を混合物に加え、溶媒を真空下において除去した。残余物にCHCl(25mL)を加え、有機層を分離し、無水NaSOに通して乾燥させ、容積を約2mLに減少させた。エーテル溶液に滴下して添加することによって沈殿を生じさせ、これを回収してmPEG−OH−CH−C−Nが生じた。
(実施例21)
NH2-PEG-O-CH2CH2CO2H + N3-CH2CH2CO2-NHS → N3-CH2CH2-C(O)NH-PEG-O-CH2CH2CO2H
NH−PEG−O−CHCHCOH(MW3400Da、2.0g)をNaHCOの飽和水溶液(10mL)に溶解させ、溶液を0℃まで冷却した。3−アジド−1−N−ヒドロキシスクシニミドプロピオネート(5等量)を激しく攪拌しながら加えた3時間後に、20mLのHOを加え、さらに45分間にわたって室温において混合物を攪拌した。0.5規定のHSOを用いてpHを3に調節し、NaClを約15重量%の濃度まで加えた。CHCl(100mL×3)を用いて反応混合物を抽出し、NaSOに通して乾燥させ、濃縮した。冷却したジエチルエーテルを用いた沈殿の後に、ろ過によって生成物を回収し、真空下において乾燥させてω−カルボキシ−アジド−PEG誘導体が生じた。
(実施例22)
mPEG-OMs + HC≡CLi → mPEG-O-CH2-CH2-C≡C-H
当該分野において公知のように調製され、THFにおいて−78℃まで冷却したリチウムアセチリド(4等量)の溶液に、激しく攪拌しながら、THFに溶解させたmPEG−OMの溶液を滴下して加えた。3時間後に、反応を、室温まで加温したままにし、1mLのブタノールの添加によって停止させた。それから、20mLのHOを加え、さらに45分間にわたって室温において混合物を攪拌した。0.5規定のHSOを用いてpHを3に調節し、NaClを約15重量%の濃度まで加えた。CHCl(100mL×3)を用いて反応混合物を抽出し、NaSOに通して乾燥させ、濃縮した。冷却したジエチルエーテルを用いた沈殿の後に、ろ過によって生成物を回収し、真空下において乾燥させて、1−(ブト−3−イニルオキシ)−メトキシポリエチレングリコール(mPEG)が生じた。
(実施例23:アジド含有アミノ酸およびアセチレン含有アミノ酸の組込み)
アジド含有アミノ酸およびアセチレン含有アミノ酸を、L. Wang, et al., (2001), Science 292:498-500, J.W. Chin et al., Science 301:964-7 (2003)), J. W. Chin et al., (2002), Journal of the American Chemical Society 124:9026-9027; J. W. Chin, &P. G. Schultz, (2002), Chem Bio Chem 3(11):1135-1137; J. W. Chin, et al., (2002), PNAS United States of America 99:11020-11024: and, L. Wang, & P. G. Schultz, (2002), Chem. Comm., 1:1-11に記載の方法を用いてタンパク質に部位選択的に組み込み
れ得る。当該アミノ酸が組み込まれると、2mMのPEG誘導体、1mMのCuSOおよび〜1mgのCuワイヤの存在下において、4時間にわたって37℃において、リン酸緩衝液(PB)における0.01mMのタンパク質を用いて、環付加反応を実施す。
(実施例24:p−アセチル−D,L−フェニルアラニン(pAF)およびm−PEG−ヒドロキシアミン誘導体の合成)
ラセミ体のpAFを、Zhang, Z., Smith, B. A. C., Wang, L., Brock, A., Cho, C. &Schultz, P. G., Biochemistry, (2003) 42, 6735-6746においてこれまでに説明されて
いる手法を用いて合成する。
m−PEG−ヒドロキシアミン誘導体を合成するために、以下の手法が実施される。1時間にわたって室温(RT)において攪拌されているジクロロメタン(DCM、70mL)における(N−t−Boc−アミノオキシ)酢酸(0.382g、2.0mmol)および1,3−ジイソプロピルカルボジイミドの溶液に、メトキシ−ポリエチレングリコールアミン(m−PEG−NH、7.5g、0.25mmol、Mt.30K、BioVectra)およびジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.5mmol)を加える。反応物を48時間にわたってRTにおいて攪拌し、それから約100mLまで濃縮する。冷却したエーテル(800mL)に混合物を滴下して加える。t−Boc−保護された生成物を沈殿させ、ろ過によって回収し、3×100mLのエーテルによって洗浄する。2回にわたるDCM(100mL)における再溶解およびエーテルにおける沈殿によって、生成物をさらに精製する。生成物を真空下において乾燥させて7.2gが生成し、NMRおよびニンヒドリン反応によって確認される。
上記において得られた保護生成物(7.0g)の脱Bocを、0℃において1時間にわたって、それからRTにおいて1.5時間にわたって50%TFA/DCM(40mL)実施する。真空下においてTFAのほとんどを除去した後に、ヒドロキシルアミンのTFA塩は、残余物に対するジオキサン(1mL)における4規定のHClの添加によってHCl塩に変換される。沈殿物をDCM(50mL)に溶解させ、エーテル(800mL)において沈殿させる。最終生成物(6.8g、97%)を、ろ過によって回収し、3×100mLのエーテルを用いて洗浄し、真空下において乾燥させ、窒素下において保存する。他のPEG(5K、20K)ヒドロキシアミン誘導体を同じ手法を用いて合成する。
(実施例25:PEG付加bG−CSFのインビトロ活性およびインビボ活性)
PEG−bG−CSF、未修飾のbG−CSFおよび緩衝溶液をマウスまたはラットに投与する。結果は、未修飾のbG−CSFと比べて、本発明のPEG付加bG−CSFの優れた活性および延長された半減期を示し、マウスごとに同じ用量を用いた顕著に増加した好中球の数および白血球カウントの最大値の変化によって示されている。
薬物動態分析
本発明のbG−CSFポリペプチドをマウスの血管内または皮下の経路によって投与する。動物は、投与前および投与後の複数の時点において採血を受ける。血漿を、各サンプルから回収し、放射線免疫アッセイによって分析する。天然にコードされていないアミノ酸を含んでいるbG−CSFポリペプチドと、野生型のbG−CSFまたは本発明のbG−CSFポリペプチドの種々の形態との間における排出半減期を、算出し、比較し得る。同様に、本発明のbG−CSFポリペプチドはカニクイザルに投与され得る。動物は、投与前、または投与後の複数の時点において採血を受ける。血漿を、各サンプルから回収され、放射線免疫アッセイによって分析する。
本発明のポリペプチドは、疾患にかかっている動物モデルに投与され得る。実施され得る動物試験は、Pasteurella hemolyticaに感染しているウシ、乳腺/乳腺炎(肺炎桿菌)の細菌性の疾患にかかっているウシに関する。実施され得る他の試験によって、ウシの呼吸器系疾患の制御、事象および持続期間、または大腸菌型の乳腺炎の予防を評価する。動物の健康、乳の産生、好中球のカウント数、および他の要素を評価するための方法は、当該分野において公知である。本発明のbG−CSFポリペプチドを評価するために使用され得る他のモデルとしては、感染または感染へのばくろの動物モデル(例えば、緑膿菌肺炎のハムスターモデル)、Candida albicansの腎盂腎炎のラットモデル、新生児の子馬に関するモデル、および成長期のブタに関するモデルが挙げられるが、これらに限定されない。これらのモデルのいくつかについて、米国特許第5,849,883号および国際公開第89/10932号に説明されている。これらのようなモデルは当業者にとって公知である。
−チミジンアッセイ
標準的な方法を用いてH−チミジンアッセイを実施する。骨髄を、犠牲のメスのBalb Cマウスまたは他の動物から入手する。骨髄細胞を、簡単に懸濁し、遠心分離し、成長培地に再懸濁する。約10000細胞を含んでいる160μlの分取物を96ウェルのマイクロタイタープレートの各ウェルに入れる。精製されたG−CSF類似物(上述のように調製されている)のサンプルをそれぞれのウェルに加え、68時間にわたってインキュベートする。トリチル化されているチミジンをウェルに加え、さらに5時間にわたってインキュベーションする。5時間のインキュベーション後に、細胞を回収し、ろ過し、十分にすすぎ洗いする。ろ過物をシンチレーション液の入っているバイアルに加える。β線の放射をカウントする(LKB Betaplateシンチレーションカウンター)。標準物質および類似物が三組において分析され、標準曲線を実質的に上回るか、または下回る範囲に収まったサンプルを適切な希釈とともにふたたびアッセイする。結果を、未処理のbG−CSF標準の結果に対する、三組の類似物のデータの平均として記録する。
ヒト骨髄細胞の増殖誘導を増大したH−チミジンの組込みに基づいてアッセイする。健常なドナーからのヒト骨髄細胞を、フィコール−ヒパーク(1.077g/ml、Pharmacia)を用いてデンシティカット(density cut)にかけ、低密度の細胞を、10%のウシ胎児血清およびグルタミン、ペニシリン−ストレプトマイシンを含んでいるイスコフ培地(GIBCO)に懸濁させる。続いて、2×10のヒト骨髄細胞を、37℃の5%COの空気において2日間にわたって、96ウェルの平底プレートにおいて対照培地または組換えE. coli誘導体化bG−CSF材料とともにインキュベートする。サンプルを二組に分けて、10000倍の範囲にわたって濃度を振ってアッセイする。それから培養物を0.5μCi/ウェルのH−チミジン(New England Nuclear、Boston、Mass.)を用いて4時間にわたってパルスする。H−チミジンの取込みをVenuta, et al., Blood, 61, 781 (1983)に記載の通りに測定する。
WEHI−3B Dの分化誘導
本発明のbG−CSFポリペプチドの、マウスの骨髄単核球性白血病細胞株WEHI−3B Dの分化を誘導する能力について、Metcalf, Int. J. Cancer, 25, 225 (1980)に記載の半流動体寒天培地においてアッセイする。組換えbG−CSF生成物および溶媒対照を、37℃の5%COの空気において7日間にわたって、約60のWEHI−3B D細胞/ウェルとともにインキュベートする。サンプルを、平底の24ウェルプレートにおいて、2000倍の範囲にわたって濃度を振ってインキュベートする。コロニーを、未分化、部分的な分化または完全な分化に分類し、コロニーの細胞数を顕微鏡的にカウントする。
CFU−GM、BFU−EおよびCFU−GEMMアッセイ
ヒトbG−CSFおよびhG−CSFの天然の単離物は、ヒトの骨髄細胞に増殖および分化を起こさせることが見出されている。これらの活性を、健常なヒトのボランティアに由来する低密度の非吸着性の骨髄細胞を用いたCFU−GMアッセイ(Broxmeyer, et al., Exp. Hematol., 5, 87, (1971))、BFU−EアッセイおよびCFU−GEMMアッセイ(Lu, et al., Blood, 61, 250 (1983))において測定する。他の入手源に由来する細胞を使用し得る。本発明のG−CSFまたはbG−CSFのポリペプチドの500ユニットのいずれかを用いたCFU、−GM、BFU−EおよびCFU−GEMMの生物学的活性の比較を実施する。
低密度の非吸着性の骨髄細胞を用いてコロニーアッセイを実施する。フィコール−ヒパーク(1.077g/ml、Pharmacia)を用いて、ヒト骨髄細胞をデンシティカット(density cut)に供する。それから、ウシ胎児血清を含んでいるイスコフ改変ダルベッコ培地に低密度の細胞を再懸濁し、Falconの組織培養ディッシュ(No. 3003、Becton Dickinson、Cockeysville、Md.)に対する吸着のために、1/2時間にわたって37℃に置いておく。
培地対照は、10%FCS、0.2mMのヘミンおよび1ユニットの組換えエリスロポエチンを含んでいるイスコフ改変ダルベッコ培地からなる。CFU−GMアッセイのために、補完されたマコイ5A培地および10%の熱非働化ウシ胎児血清を含んでいる1mlの0.3%の寒天培養培地に1×10の標的細胞を播く。培養物をコロニーに関して評価し(凝集体ごと40を超える細胞)、形態学を培養の7日目に評価する。コロニーの数は四組のプレートから測定された平均値±標準誤差として示されている。
BFU−EおよびCFU−GEMMアッセイのために、、イスコフ改変ダルベッコ培地(Gibco)、0.8%のメチルセルロース、30%のウシ胎児血清、0.05nMの2−メルカプトエタノール、0.2mMのヘミンおよび1ユニットの組換えエリスロポエチンの1mlの混合物に、細胞(1×10)を加える。ディッシュは、5%のCOおよび5%のOの加湿した環境においてインキュベートされる。Reming Bioinstrumentsのオキシリデューサ(Syracuse、N.Y.)を用いて、低酸素分圧を実現する。14日間のインキュベーション後にコロニーを記録する。コロニーの数を二組に分けたプレートから測定される平均値±標準偏差として決定する。
CFU−GMアッセイにおいて形成されるコロニーのすべては、クロロアセテートエステラーゼ陽性であり、非特異的なエステラーゼ(αナフチルアセテートエステラーゼ)陰性であり、顆粒球の種類であるコロニーに一致すると予測される。天然のG−CSFおよび本発明のbG−CSFの両方は、CFU−GMアッセイにおける系列希釈によってアッセイされる場合に、約1×10U/mgの純粋なタンパク質の特異的な活性を有していると予測される。本発明のbG−CSFが、E. coliにおける生成によって特に純粋であり得、他の可能性のある成長因子を含み得ないことを留意することが重要である。したがって、bG−CSFは、組換えエリスロポエチンの存在下に加えられる場合に、混合のコロニー形成(CFU−GM)およびBFU−Eを支持可能であり得る。
抱合されているbG−CSF、非抱合のbG−CSFおよびこれらのバリアントのインビボ半減期の測定
オスのスピローグダウリーラット(約7週齢)を使用する。投与の日に各動物の体重を測定する。体重1kgごとに100μgの非抱合および抱合のbG−CSFサンプルを、3匹のラットの尾静脈に対して静脈内注射する。注射後の1分、30分1、2、4、6および24時間において、CO麻酔をかけた各ラットから500μlの血液を採取する。血液サンプルを1.5時間にわたって室温に保存し、遠心分離(4℃、18000×g、5分間)によって血清を単離する。血清サンプルを分析の日まで−80℃に保存する。血清サンプルにおける活性なbG−CSFの量を、サンプルを氷上において融解させた後の、bG−CSFインビトロ活性のアッセイによって定量化する。
抱合されているbG−CSF、非抱合のbG−CSFおよびこれらのバリアントの、健常マウスにおけるインビボの生物学的活性の測定
SPFスピローグダウリーラットにおけるbG−CSFのインビボの生物学的な影響の測定を、抱合されているbG−CSF、非抱合のbG−CSFおよびこれらのバリアントの生物学的な有効性を評価するために使用する。到着した日に、無作為に6つの群にラットを割り当てる。動物を7日間にわたって休息させ、ここで状態の悪い個体または過剰な体重の個体を不採用にする。休息期間の開始時におけるラットの体重の範囲は250〜270gである。
投与の日にラットを6時間にわたって絶食させ、体重1kgごとに100μgのbG−CSFまたはこれらのバリアントを皮下注射する。各bG−CSFサンプルを6匹の無作為化されたラットの群に注射する。300μgのEDTAによって安定化された血液の血液サンプルを、ラットの尾静脈から、投与前、投与後の6、12、24、36、48、72、96、120および144時間に採取する。血液サンプルを、以下の血液学的要因:ヘモグロビン、赤血球カウント、ヘマトクリット値、細胞容積の平均値、細胞のヘモグロビン濃度の平均値、細胞のヘモグロビンの平均値、白血球カウント、白血球分画(好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単核球)について分析する。これらの測定結果に基づいて、抱合型および非抱合型のhG−CSF、ならびにこれらのバリアントの生物学的な影響を評価する。
抱合されているbG−CSF、非抱合のbG−CSFおよびこれらのバリアントの、化学療法誘導性の好中球減少症にかかっているマウスにおけるインビボの生物学的活性の測定
SPFスピローグダウリーラットをこの分析に使用する。到着した日にラットを無作為に6つの群に割り当てる。動物を7日間にわたって休息させ、ここで状態の悪い個体または過剰な体重の個体を不採用にする。休息期間の開始時におけるラットの体重の範囲は250〜270gである。
bG−CSFサンプルの投与の24時間前に、体重1kgごとに50mgのシクロホスファミド(CPA)を用いてラットの腹腔内に注射して、抗がん化学療法剤によって生じる好中球減少症を模倣する好中球減少症を誘導する。0日目に体重1kgごとに100μgのbG−CSFまたはこれらのバリアントを皮下注射する。各bG−CSFサンプルを無作為化された6匹のラットの群に注射する。300μlのEDTAによって安定化された血液の血液サンプルを、投与前、投与後の6、12、24、36、48、72、96、120、144および168時間にラットの尾静脈から採取する。以下の血液学的要因:ヘモグロビン、赤血球カウント、ヘマトクリット値、細胞容積の平均値、細胞のヘモグロビン濃度の平均値、細胞のヘモグロビンの平均値、白血球カウント、白血球分画(好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単核球)について、血液サンプルを分析する。これらの測定結果に基づいて、抱合型および非抱合型のhG−CSF、ならびにこれらのバリアントの生物学的な影響を評価する。
(実施例26:bG−CSF−T133pAF 20K PEGの、ウシの血液学的な応答に対する影響を評価するインビボ研究)
単一のpAF置換をT133位に含んでいる組換えbG−CSF(bG−CSF T133pAF−20K PEG)をE. coliにおいて生成した。このタンパク質はN末端メチオニン(配列番号2)を含んでおり、配列番号2の134位にあるスレオニンがパラ−アセチルフェニルアラニンを用いて置換された。タンパク質のpAF組込み部位に20KのオキシアミノPEGを用いてPEG付加し、当該タンパク質をカチオン交換クロマトグラフィーによって純度>98%まで精製した。最終調合物は、4.26mMのNaAc;5%のソルビトール;0.0033%のTween20;0.565mMのNaCl;pH4.0から構成されている調合緩衝液に7.377mg/mlのPEG付加bG−CSFを含んでいた。
Commercial English or Continentalの、体重が約150kgである交雑種の食用の去勢牛を購入し、研究設備に移した。それらを、耳のタグを用いて個々に識別し、試験への登録まで7日間にわたって順化させた。データ収集または順化の期間には、動物に抗生物質またはワクチンを投与しなかった。試験期間を通じて動物に併用薬を投与しなかった。動物を、溝のあるコンクリートの床をともなった檻に収納し、周囲温度にさらした。動物には、粒状の完全食料(Rumilab(登録商標)5508)を毎日1回与えた。
完全な区画計画を用いて試験を実施し、牛を檻によって遮断した。12匹の動物を、処置または陰性対照(タンパク質なしの調合緩衝液)の群(6匹の動物/処理)のいずれかに割り当てた。動物を無作為に区画、および区画内の処置に割り当てた。
獣医が疾患の臨床的徴候に関して−1日に牛を評価した。評価としては、脈拍数、呼吸数および直腸温、これらと同様に全体の状態が挙げられる。体重および直腸温を測定し、抗凝固血液を血液学的な評価のために回収した(前処置サンプル)。文献の参照に基づく通常の血液学的特性を有しており、疾患の臨床的徴候を示していない、特定の体重の範囲にある動物を、試験に含めるために選択した。
PEG付加bG−CSF T133pAF(40μg/kg)または調合緩衝液(1ml/125kg)の皮下に対する単回の注射剤を用いて、0日に牛を処理した。首の左側にある肩甲骨前部の領域に注射剤を投与した。
静脈の全血サンプル(〜30ml)を、全白血球カウントのためのEDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)または全好中球カウントのためのACD(酸−クエン酸塩−デキストロース)のいずれかを含んでいる滅菌チューブに回収した。Beckman Counter ACT10(商標)血液分析器を用いて全白血球カウントを決定した。Becton Dickinson FACSarray(商標)生物分析器を用いたフローサイトメトリーによる、CD45が染色された全血サンプルにおける好中球の割合の評価によって、全好中球カウント(ANC)を決定した。好中球の割合によって全白血球カウントを乗じて、全好中球カウントを算出した。
−1日に回収した前処理サンプルに加えて、サンプルを、0日の4、8および12時間目、処理後の0、24および36時間、ならびに3〜14日の1日1回において回収した。
PEG付加bG−CSF投与のANCに対する結果は図16に示されている。調合緩衝液のみを用いて処理した動物は試験期間を通じて、相対的に一定のANC値を示した。これに対して、PEG付加bG−CSFを受けている動物は処理後の8時間以内にANCの顕著な増加を示した。ANCの最大値(処理前のレベルの約10倍)は処理後の72時間に観察された。全好中球カウントは、処理後の5日までに処理前のレベルを超える約4〜5倍にまで低下し、10日までこのレベルを維持した。11日から14日までに、値は処理前のレベルを超える約3.5倍まで低下した。
これらの結果は、T133位におけるbG−CSFの部位特異的なPEG付加が、タンパク質の単回注射剤を用いて処理された牛において少なくとも2週間にわたって持続する強力な血液学的活性を得る可能性を示している。
(実施例27:bG−CSF T133のPEG付加バリアントの血液学的研究の概要)
bG−CSF−T133pAF 20K PEGバリアントの、牛の血液学的な応答に対する影響を評価するために、インビボ試験を実施した。
単一のpAFをT133位に含んでいる組換えbG−CSFをE. coliにおいて生成した。20KDのオキシアミノPEGを用いてタンパク質のpAF組込み部位にPEGを付加し、サイズ排除高速クロマトグラフィーによって純度>98%まで精製した。最終的な調合物は、4.26mMのNaAc;5%のソルビトール;0.0033%のTween20;0.565mMのNaCl;pH4.0から構成されている調合緩衝液において、7.377mg/mlのPEG付加bG−CSFを含んでいた。
Commercial English or Continentalの、体重が約150kgである交雑種の食用の去勢牛を購入し、研究設備に移した。それらを、耳のタグを用いて個々に識別し、試験への登録まで7日間にわたって順化させた。データ収集または順化の期間には、動物に抗生物質またはワクチンを投与しなかった。試験期間を通じて動物に併用薬を投与しなかった。動物を、溝のあるコンクリートの床をともなった檻の中に収納し、周囲温度にさらした。動物には、粒状の完全食料(Rumilab(登録商標)5508)を毎日1回与えた。
完全な区画計画を用いて試験を実施し、牛を檻によって遮断した。12匹の動物を、処置または陰性対照(タンパク質なしの調合緩衝液)の群(6匹の動物/処理)のいずれかに割り当てた。動物を無作為に区画および区画内の処置に割り当てた。
獣医が疾患の臨床的徴候に関して−1日に牛を評価した。評価としては、脈拍数、呼吸数および直腸温、これらと同様に全体の状態が挙げられる。体重および直腸温を測定し、抗凝固血液を血液学的な評価のために回収した(前処置サンプル)。文献の参照に基づく通常の血液学的特性を有しており、疾患の臨床的徴候を示していない、特定の体重の範囲にある動物を、試験に含めるために選択した。
PEG付加bG−CSF(40μg/kg)または調合緩衝液(1ml/125kg)の皮下に対する単回の注射剤を用いて、0日に牛を処理した。首の左側にある肩甲骨前部の領域に注射剤を投与した。
静脈の全血サンプル(〜30ml)を、全白血球カウントのためのEDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)または全好中球カウントのためのACD(酸−クエン酸塩−デキストロース)のいずれかを含んでいる滅菌チューブに回収した。Beckman Counter ACT10(商標)血液分析器を用いて全白血球カウントを決定した。Becton Dickinson FACSarray(商標)生物分析器を用いたフローサイトメトリーによる、CD45が染色された全血サンプルにおける好中球の割合の評価によって、全好中球カウント(ANC)を決定した。好中球の割合によって全白血球カウントを乗じて全好中球カウントを算出した。
−1日に回収した前処理サンプルに加えて、サンプルを、0日の4、8および12時間目、処理後の0、24および36時間、ならびに3〜14日の1日1回において回収した。
PEG付加bG−CSF投与のANCに対する結果は図17に示されている。調合緩衝液のみを用いて処理した動物は試験期間を通じて、相対的に一定のANC値を示した。これに対して、PEG付加bG−CSFを受けている動物は処理後の8時間以内にANCの顕著な増加を示した。ANCの最大値(処理前のレベルの約10倍)は処理後の72時間に観察された。全好中球カウントは、処理後の5日までに処理前のレベルを超える約4〜5倍にまで低下し、10日までこのレベルを維持した。11日から14日までに、値は処理前のレベルを超える約3.5倍まで低下した(図17を参照すればよい)。
これらの結果は、T133位におけるbG−CSFの部位特異的なPEG付加が、タンパク質の単回注射剤を用いて処理された牛において少なくとも2週間にわたって持続する強力な血液学的活性を得る可能性を示している。
ここに記載されている実施例および実施形態は、例証のみを目的としており、これらを鑑みた種々の修正または変更が、当業者に示唆されており、本願の精神および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるべきことが理解される。
(実施例28:bG−CSF T133のPEG付加バリアントの乳腺炎に対する有効性の研究の概要)
重要な乳腺炎の病原体と関連付けらている天然に存在している炎症性の感染症に対する、bG−CSF−T133pAF 20K PEGバリアントのすべての感染予防作用を、誘導された乳腺炎感染症モデルを用いて評価した。
単一のpAF置換をT133位に含んでいる組換えbG−CSFをE. coliにおいて生成した。20KDオキシアミノPEGを用いてタンパク質のpAF組込み部位にPEGを付加し、サイズ排除高速液体クロマトグラフィーによって精製した。最終的な調合物は、10mMのNaAc;5%のソルビトール;0.0033%のTween20;pH4.0から構成されている調合緩衝液にPEG付加bG−CSFを含んでいた。
約600〜800kgの体重を有しているホルスタイン種の出産間近の経産牛を市販の製品群から選択した。試験に登録するまでの30日以内には、抗菌剤の処理を牛に行わなかった。牛には、出産まで授乳中ではない牛用の食料を与え、出産日および試験期間の継続中には移行期の牛用の食料を与えた。牛には自由に新鮮な水を得ることを許した。一定の毎日の管理手順が続けられ、1日に2回にわたって牛から乳を搾った。
繁殖の記録および牧夫による準備の評価に基づいて予想される出産日の7日前に、健康な牛を試験に登録した。完全に無作為な計画を用いてウシを処置群に割り当てた。各処置群には約50頭の牛を含めた。
滅菌の生理食塩水(陰性対照)、非PEG付加のbG−CSF−T133pAFの毎日の注射(−7〜6日)、または種々の投与量のbG−CSF−T133pAF 20K PEGバリアントの試験登録日および出産日における注射のいずれかを用いて牛を処理した。首の肩甲骨前部に皮下注射によって処理物を投与した。
0〜28日の各搾乳時に乳腺炎の臨床的徴候に関して、処置群を知らない個人が、牛を観察した。特定の観察は、乳の外観および乳腺の状態に基づく臨床的な記録の割り当てを含んでいた。任意の異常が観察された場合、影響を受けている(複数の)四肢に対してカリフォルニア乳腺炎試験を実施し、動物の直腸温を記録した。試験期間中に死亡したすべての動物を、可能な限り死因を決定するために検死した。
0〜28日の各搾乳時に乳の産出量を記録し、体細胞カウント、乳脂肪、乳タンパク質、ラクトースおよび固体を含んでいる乳組成分析のために、3、5、7および10日に健康な牛から混合性の乳サンプルを回収した。また、細菌性の病原体の同定のために臨床的な異常を示している牛からさらなる乳サンプルを回収した。
生殖の健全性に対する処置の影響を評価するために、試験に登録したすべての牛に関して、生産児の割合および人工授精によって妊娠する最初の種付けの受胎率を収集した。すべての子牛に関して出生から30日間にわたって毎日の健康に関する観察を記録し、子牛の健康に対する処理の影響を評価するために任意の異常を記録した。
牛の個体および個々の四肢の両方に関して処理群の間の罹患率を比較することによって有効性を評価した。第2の指標として、死亡率、乳の生産量、乳の組成および最初の種付けの受胎率に対する処理の影響の評価を含めた。
臨床的な乳腺炎の発生率および死亡数に対する種々の処理の影響が表10にまとめられている。
Figure 0005844336
非PEG付加のbG−CSF T133 pAFの毎日の用量の投与によって、生理食塩水対照に対する、新たな臨床的な乳腺炎の感染症の発生率が有意に低下した。bG−CSF T133−pAF 20K PEGのいずれかの用量の投与によって、生理食塩水対照または非PEG付加のbG−CSF T133−pAFのいずれかに対する、新たな臨床的な乳腺炎の感染症の発生率が有意に低下した。bG−CSF T133−pAF 20K PEGのいずれかの用量の投与によって、生理食塩水対照に対する、死亡数においてわずかな数の減少がもたらされた。
健康な牛による毎日の乳の生産量に対する処理の影響が図18に要約されている。乳の生産量のレベルは、生理食塩水、非PEG付加のbG−CSF T133−pAF、または低用量のbG−CSF T133−pAF 20K PEGのいずれかを用いて処理された牛に関して同程度であった。これらの動物は、授乳の最初の1ヶ月間にわたって通常に観察される典型的な生産量よりも、試験の期間に乳の生産量の増加を示した。高い用量のbG−CSF T133−pAF 20K PEGを用いて処理された動物は、試験の期間を通じて他の処理に対して、毎日の乳の生産量の有意な低下を示した。
体細胞のカウントに対する処理の影響が、図19に要約されている。非PEG付加のbG−CSF T133−pA PEGを用いて処理された動物は、出産後の3、5および7日において生理食塩水対照と同程度か、または低い体細胞カウントを示した。非PEG付加のbG−CSF T133−pAFまたはbG−CSF T133 pAF 20K PEGを用いて出産の10日後に処理された動物に関する体細胞カウントは、生理食塩水対照よりも有意に低く、これらの処理が臨床的な乳腺炎に加えて非臨床的な乳腺炎の発生率をおそらく低下させていることを示している。
微生物学的な分析の結果は、細菌性の病原体(大腸菌、連鎖球菌種、ブドウ球菌種および桿菌種が挙げられる)の典型的な範囲を示した病的な牛を表している。これらの結果は、bG−CSF T133−pAF 20K PEGが細菌のグラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方に関する疾患の低減に有効であったことを示唆している。
生産児および最初の種付けの受胎率に対する処理の影響を表11に要約した。処理間の生産児の割合に有意な差はなく、実験的な処理が子宮における子牛の生存に影響しないことを示唆している。非PEG付加のbG−CSF T133−pAFまたはbG−CSF T133 pAF 20K PEGのいずれか、および生理食塩水対照を用いて処理した動物の最初の種付けの受胎率に大きな改善が認められた。これらの結果は、実験的な処理が生殖に関する健康に負の影響を有していなかったことを示している。
Figure 0005844336
試験に登録された牛から生まれた子牛の健康に対する、処理へのばくろの子宮における影響が表12に要約されている。これらの結果は、実験的な処理が、生理食塩水対照に対して、生後30日間における腸疾患または呼吸器系疾患の発生を低下させなかったことを示している。しかし、非PEG付加のbG−CSF T133−pAFおよびbG−CSF T133 pAF 20K PEGのいずれもが生理食塩水対照に対して死亡数を有意に低下させた。これらの結果は、実験的な処理が疾患の重篤度に対して正の影響を有していたことを示している。
Figure 0005844336
(実施例29:bG−CSF T133のPEG付加バリアントの呼吸器系疾患)
有効性の試験の概要
種々の用量のbG−CSF−T133 pAF 20K PEGバリアントの、天然に存在しているウシの呼吸器疾患に対する全感染防御の作用が商業的な飼育囲い地の条件の下に評価される。
単一のpAF置換をT133位に含んでいる組換えbG−CSFをE. coliにおいて生成する。20KD オキシアミノPEGを用いて、タンパク質のpAF組込み部位にPEGを付加し、サイズ排除高速液体クロマトグラフィーによって精製する。最終的な調合物は、10mMのNaAc;5%のソルビトール;0.0033%のTween20;pH4.0から構成される調合緩衝液にPEG付加bG−CSFを含んでいる。
Commercial English or Continentalの、体重が約500ポンドである交雑種の食用の去勢牛および標準的な市販の飼養の子牛を、米国南東部の1つ以上の販売小屋(salebarns)において購入する。共同の場所に到着すると、動物を個々に識別し、臨床的な異常に関して獣医が調べる。また、直腸温を記録し、疾患の臨床徴候がなく、≦華氏104度の直腸温を有している動物を試験への登録のために選択する。全白血球カウントおよび白血球分類カウントのために血液サンプルを処理の前に入得する。
子牛は、表13に概要が説明されているように、無作為に処理群に割り当てられる。
Figure 0005844336
生理食塩水またはbG−CSF−T133 pAF 20K PEGを、首の肩甲骨前部の皮下に注射することによって投与する。
翌朝に子牛をトラックに乗せ、ノースカロライナにおける商業的な飼育囲い地までの約1400マイルを輸送した。到着すると、子牛を、新生児の囲いに放ち、水および飼料に自由に接しさせた。到着から4時間以内に、動物を処理区域に移動させる。ここで、体重測定され、各処理群に割り当てられ最初の10頭を採血し、全白血球カウントおよび白血球分類カウントのためのサンプルを得る。全好中球数の増加によって証明されるような動物が処理に反応していることの確認のために、これらのカウントは使用される。囲いごとに合計20頭の動物について、各処理群から5頭の動物を収容している試験の檻に子牛を無作為に分ける。
処理の割り当てを知らない獣医が、到着してから14日間にわたって疾患の臨床的徴候について子牛を観察する。各動物は0(健康)〜4(瀕死)の範囲の病気の採点を受ける。病気の点数>0を示している動物を、処理区域に移し、直腸温を記録する。病気の点数>0および直腸温≧華氏104度を示している動物を、罹患していると特定し、承認されている抗生物質を用いて処置し、試験の囲いに戻す。試験の継続期間中に死亡した動物の情報を記録し、死因を決定するために検死する。
有効性を決定するために第1の指標は、処置群間の相対的な罹患率である。第2の指標としては、各処置群に関する死亡率、毎日の体重増加の平均、および病気の点数の毎日の平均が挙げられる。
ここに記載されている実施例および実施形態は、例証のみを目的としており、これらを鑑みた種々の修正または変更が、当業者に示唆されており、本願の精神および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるべきことが理解される。本願に引用されているすべての公開物、特許、特許出願および/または他の文献は、すべての目的のために引用によってその全体が援用される。あたかも個々の公開物、特許、特許出願および/または他の文献のそれぞれが、あすべての目的のために参照によって援用されるべきであると示されているのと同然である。
Figure 0005844336

Claims (21)

  1. 配列番号1の133位、または配列番号2における対応するアミノ酸で置換された天然にコードされていないアミノ酸を含むbG−CSFポリペプチドであって、
    該天然にコードされていないアミノ酸が、構造式:
    Figure 0005844336

    [式中、R基は、20個の天然アミノ酸に用いられる以外の任意の置換基であり、カルボニル基、アミノオキシ基、ヒドラジン基、ヒドラジド基、セミカルバジド基、アジド基またはアルキン基から選ばれる官能基を含む]
    を有するが、該天然にコードされていないアミノ酸は、パラアセチルフェニルアラニンでなく;および
    ここで、該天然にコードされていないアミノ酸が、ポリ(エチレングリコール)部分を含む水溶性重合体に結合し、該水溶性重合体が、0.1kDaから100kDaの分子量を有する、bG−CSFポリペプチド。
  2. 配列番号1または配列番号2の配列を含むbG−CSFポリペプチドであって、
    配列番号1の3位、7位、62位または166位、あるいは配列番号2の4位、8位、63位または167位が、パラアセチルフェニルアラニンで置換され、該パラアセチルフェニルアラニンが、ポリ(エチレングリコール)部分を含む水溶性重合体に結合する、bG−CSFポリペプチド。
  3. 水溶性重合体が0.1kDa〜100kDaの分子量を有している、請求項2に記載のbG−CSFポリペプチド。
  4. 水溶性重合体が0.1kDa〜50kDaの分子量を有している、請求項3に記載のbG−CSFポリペプチド。
  5. 水溶性重合体が20kDaの分子量を有している、請求項1または3に記載のbG−CSFポリペプチド。
  6. 水溶性重合体が30kDaの分子量を有している、請求項1または3に記載のbG−CSFポリペプチド。
  7. 水溶性重合体が40kDaの分子量を有している、請求項1または3に記載のbG−CSFポリペプチド。
  8. 水溶性重合体が10kDa〜40kDaの分子量を有し、bG−CSFポリペプチドが、インビトロでM−NFS60増殖アッセイによって測定される野生型bG−CSF活性の14%〜36%を示す、請求項1または3に記載のbG−CSFポリペプチド。
  9. 水溶性重合体が10kDa〜40kDaの分子量を有し、bG−CSFポリペプチドが、健康な牛における40μg/kgの単回皮下注射後72時間で測定される、処理前のANCの10倍である最大全好中球カウント(ANC)を誘発することを特徴とする、請求項1に記載のbG−CSFポリペプチド。
  10. bG−CSFポリペプチドが、健康な牛における40μg/kgの単回皮下注射後少なくとも7日間測定される、処理前のANCの少なくとも4倍である全好中球カウント(ANC)を誘発することを特徴とする、請求項9に記載のbG−CSFポリペプチド。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載のbG−CSFポリペプチドおよび薬学的に受容可能な担体を含んでいる、医薬製剤。
  12. bG−CSFによって調節される感染症にかかっている動物を治療するための医薬の製造における、請求項1〜10のいずれか1つに記載の治療有効量のbG−CSFポリペプチドまたは請求項11に記載の医薬製剤の使用。
  13. 動物における感染症を予防するための医薬の製造における、請求項1〜10のいずれか1つに記載の治療有効量のbG−CSFポリペプチドまたは請求項11に記載の医薬製剤の使用。
  14. 動物が牛である、請求項12または13に記載の使用。
  15. 感染症が、ウシ乳腺炎である、請求項14に記載の使用。
  16. ウシ乳腺炎感染症が、細菌性感染症である、請求項15に記載の使用。
  17. 請求項1またはに記載のbG−CSFポリペプチドをコードする単離された核酸。
  18. 請求項17に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
  19. ベクターが、bG−CSFへのパラアセチルフェニルアラニンの組込みに特異的な直交性tRNA合成酵素および直交性tRNAをコードする核酸をさらに含む、請求項18に記載のベクター。
  20. 請求項17に記載の核酸または請求項18もしくは19に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  21. 細胞が、bG−CSFへのパラアセチルフェニルアラニンの組込みに特異的な直交性tRNA合成酵素および直交性tRNAをさらに含む、請求項20に記載の宿主細胞。
JP2013235231A 2008-07-23 2013-11-13 修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用 Active JP5844336B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8313208P 2008-07-23 2008-07-23
US61/083,132 2008-07-23

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011520158A Division JP5680534B2 (ja) 2008-07-23 2009-07-22 修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014064581A JP2014064581A (ja) 2014-04-17
JP5844336B2 true JP5844336B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=41570844

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011520158A Active JP5680534B2 (ja) 2008-07-23 2009-07-22 修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用
JP2013235231A Active JP5844336B2 (ja) 2008-07-23 2013-11-13 修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011520158A Active JP5680534B2 (ja) 2008-07-23 2009-07-22 修飾されているウシg−csfポリペプチドおよびそれらの使用

Country Status (23)

Country Link
US (3) US10138283B2 (ja)
EP (2) EP3225248B1 (ja)
JP (2) JP5680534B2 (ja)
KR (1) KR101726884B1 (ja)
CN (2) CN102159230A (ja)
AR (1) AR072967A1 (ja)
AU (1) AU2009274076C1 (ja)
BR (1) BRPI0916515B8 (ja)
CA (1) CA2729851C (ja)
CL (1) CL2011000013A1 (ja)
CO (1) CO6351745A2 (ja)
EA (1) EA019968B1 (ja)
ES (2) ES2654387T3 (ja)
IL (1) IL210265A (ja)
MX (1) MX2011000859A (ja)
NZ (2) NZ591235A (ja)
PA (1) PA8836801A1 (ja)
PE (1) PE20110426A1 (ja)
PL (2) PL3225248T3 (ja)
PT (1) PT2318029T (ja)
UA (2) UA103774C2 (ja)
WO (1) WO2010011735A2 (ja)
ZA (1) ZA201101166B (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT2342223T (pt) 2008-09-26 2017-07-07 Lilly Co Eli Polipéptidos de eritropoetina animal modificados e suas utilizações
CN102260343A (zh) 2010-05-25 2011-11-30 健能隆医药技术(上海)有限公司 重组人g-csf二聚体在治疗神经损伤疾病中的用途
US9567386B2 (en) 2010-08-17 2017-02-14 Ambrx, Inc. Therapeutic uses of modified relaxin polypeptides
MA34521B1 (fr) 2010-08-17 2013-09-02 Ambrx Inc Polypeptides de relaxine modifiés et leurs utilisations
CN102380090A (zh) * 2010-08-31 2012-03-21 健能隆医药技术(上海)有限公司 G-csf二聚体在治疗嗜中性粒细胞减少症中的应用
AR083006A1 (es) 2010-09-23 2013-01-23 Lilly Co Eli Formulaciones para el factor estimulante de colonias de granulocitos (g-csf) bovino y variantes de las mismas
CN103732240B (zh) 2011-07-25 2015-12-09 健能隆医药技术(上海)有限公司 G-csf二聚体在制备治疗神经退行性疾病药物中的应用
US9243049B2 (en) 2011-08-09 2016-01-26 Uab Profarma Derivatives of recombinant proteins, homo-multimers of granulocyte colony-stimulating factor and method of preparation thereof
US20150038679A1 (en) * 2012-02-29 2015-02-05 Ambrx, Inc. Interleukin-3 Polypeptide Conjugates and Their Uses
CN103479574A (zh) * 2013-09-12 2014-01-01 华南农业大学 一种用于防治干奶期奶牛乳房炎的乳房注入剂及其制备方法
JP2018512856A (ja) 2015-04-17 2018-05-24 アルパイン イミューン サイエンシズ インコーポレイテッド 調整可能な親和性を有する免疫調節タンパク質
US20190084900A1 (en) * 2016-05-02 2019-03-21 Retrotope, Inc. Isotopically modified composition and therapeutic uses thereof
NZ749962A (en) 2016-06-20 2020-06-26 Elanco Us Inc Pegylated porcine interferon and methods of use thereof
CA3034275A1 (en) 2016-08-22 2018-03-01 Elanco Us Inc. Bovine fibroblast growth factor 21 and ketosis in dairy cattle
US11129906B1 (en) 2016-12-07 2021-09-28 David Gordon Bermudes Chimeric protein toxins for expression by therapeutic bacteria
SG11201907209QA (en) 2017-02-08 2019-09-27 Bristol Myers Squibb Co Modified relaxin polypeptides comprising a pharmacokinetic enhancer and uses thereof
JP7046173B2 (ja) * 2017-10-11 2022-04-01 エランコ・ユーエス・インコーポレイテッド ブタg-csf変異体とその使用
WO2019191728A1 (en) 2018-03-29 2019-10-03 Ambrx, Inc. Humanized anti-prostate-specific membrane antigen (psma) antibody drug conjugates
US20210108213A1 (en) 2018-05-01 2021-04-15 Ambrx, Inc. A method for optimizing antibody expression
US11562806B2 (en) * 2018-05-09 2023-01-24 Shenzhen Jingtai Technology Co., Ltd. Drug crystal structure landscape analysis system and landscape analysis method thereof
WO2020140021A2 (en) * 2018-12-28 2020-07-02 Coherus Biosciences, Inc. Process for producing, isolating, and purifying modified recombinant proteins
CN110320296A (zh) * 2019-07-04 2019-10-11 公安部物证鉴定中心 一种3,4-亚甲二氧基乙卡西酮的检测方法
AU2022283897A1 (en) * 2021-06-02 2023-11-30 Elanco Us Inc. Methods of inhibiting bovine mastitis during the dry period
WO2023196818A1 (en) 2022-04-04 2023-10-12 The Regents Of The University Of California Genetic complementation compositions and methods
WO2024077277A1 (en) 2022-10-07 2024-04-11 Ambrx, Inc. Drug linkers and antibody conjugates thereof

Family Cites Families (304)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3773919A (en) 1969-10-23 1973-11-20 Du Pont Polylactide-drug mixtures
US4263428A (en) 1978-03-24 1981-04-21 The Regents Of The University Of California Bis-anthracycline nucleic acid function inhibitors and improved method for administering the same
US4289872A (en) * 1979-04-06 1981-09-15 Allied Corporation Macromolecular highly branched homogeneous compound based on lysine units
ZA811368B (en) 1980-03-24 1982-04-28 Genentech Inc Bacterial polypedtide expression employing tryptophan promoter-operator
DE3169595D1 (en) 1980-11-10 1985-05-02 Gersonde Klaus Method of preparing lipid vesicles by ultrasonic treatment, the use of this method and apparatus for its application
IE52535B1 (en) 1981-02-16 1987-12-09 Ici Plc Continuous release pharmaceutical compositions
FR2504010B1 (fr) * 1981-04-15 1985-10-25 Sanofi Sa Medicaments anticancereux contenant la chaine a de la ricine associee a un anticorps antimelanome et procede pour leur preparation
US4551433A (en) * 1981-05-18 1985-11-05 Genentech, Inc. Microbial hybrid promoters
JPS57206622A (en) 1981-06-10 1982-12-18 Ajinomoto Co Inc Blood substitute
US4485045A (en) 1981-07-06 1984-11-27 Research Corporation Synthetic phosphatidyl cholines useful in forming liposomes
NZ201705A (en) 1981-08-31 1986-03-14 Genentech Inc Recombinant dna method for production of hepatitis b surface antigen in yeast
US4401666A (en) * 1982-02-01 1983-08-30 Olin Corporation Use of metallic salts of pyridine-2-thione-N-oxide to treat or prevent bovine mastitis
DE3374837D1 (en) 1982-02-17 1988-01-21 Ciba Geigy Ag Lipids in the aqueous phase
US4671958A (en) * 1982-03-09 1987-06-09 Cytogen Corporation Antibody conjugates for the delivery of compounds to target sites
DE3218121A1 (de) 1982-05-14 1983-11-17 Leskovar, Peter, Dr.-Ing., 8000 München Arzneimittel zur tumorbehandlung
EP0102324A3 (de) 1982-07-29 1984-11-07 Ciba-Geigy Ag Lipide und Tenside in wässriger Phase
US4511503A (en) * 1982-12-22 1985-04-16 Genentech, Inc. Purification and activity assurance of precipitated heterologous proteins
US4512922A (en) 1982-12-22 1985-04-23 Genentech, Inc. Purification and activity assurance of precipitated heterologous proteins
US4511502A (en) 1982-12-22 1985-04-16 Genentech, Inc. Purification and activity assurance of precipitated heterologous proteins
US4820352A (en) * 1983-01-10 1989-04-11 Bausch & Lomb Incorporated Cleaning and conditioning solutions for contact lenses and methods of use
US5089398A (en) 1983-02-22 1992-02-18 Chiron Corporation Enhanced yeast transcription employing hybrid GAPDH promoter region constructs
CA1341302C (en) 1983-02-22 2001-10-09 Rae Lyn Burke Yeast expression systems with vectors having gapdh or pyk promoters and synthesis of foreign protein
US4876197A (en) 1983-02-22 1989-10-24 Chiron Corporation Eukaryotic regulatable transcription
JPS59166086A (ja) 1983-03-09 1984-09-19 Teruhiko Beppu 新規な発現型プラスミドとそれらを用いて仔牛プロキモシン遺伝子を大腸菌内で発現させる方法
US4859600A (en) * 1983-04-25 1989-08-22 Genentech, Inc. Recombinant procaryotic cell containing correctly processed human growth hormone
US4755465A (en) * 1983-04-25 1988-07-05 Genentech, Inc. Secretion of correctly processed human growth hormone in E. coli and Pseudomonas
ATE78293T1 (de) 1983-05-27 1992-08-15 Texas A & M Univ Sys Verfahren zur herstellung eines rekombinanten baculovirus-expressionsvektors.
US4544545A (en) 1983-06-20 1985-10-01 Trustees University Of Massachusetts Liposomes containing modified cholesterol for organ targeting
JPS607934A (ja) 1983-06-29 1985-01-16 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd リポソ−ムの製造方法
HUT35524A (en) 1983-08-02 1985-07-29 Hoechst Ag Process for preparing pharmaceutical compositions containing regulatory /regulative/ peptides providing for the retarded release of the active substance
US4689406A (en) 1983-08-10 1987-08-25 Amgen Enhancement of microbial expression of polypeptides
US4870008A (en) 1983-08-12 1989-09-26 Chiron Corporation Secretory expression in eukaryotes
DE3486459D1 (de) 1983-09-26 1997-12-11 Udo Dr Med Ehrenfeld Mittel und Erzeugnis für die Diagnose und Therapie von Tumoren sowie zur Behandlung von Schwächen der zelligen und humoralen Immunabwehr
US4615885A (en) 1983-11-01 1986-10-07 Terumo Kabushiki Kaisha Pharmaceutical composition containing urokinase
ZA848495B (en) 1984-01-31 1985-09-25 Idaho Res Found Production of polypeptides in insect cells
DE3572982D1 (en) 1984-03-06 1989-10-19 Takeda Chemical Industries Ltd Chemically modified lymphokine and production thereof
US5718893A (en) 1984-04-15 1998-02-17 Foster; Preston F. Use of G-CSF to reduce acute rejection
US4880734A (en) 1984-05-11 1989-11-14 Chiron Corporation Eukaryotic regulatable transcription
ATE102250T1 (de) 1984-05-11 1994-03-15 Chiron Corp Erhoehte hefetranskription unter verwendung einer hybridkonstruktion der promotorregion.
US4931373A (en) 1984-05-25 1990-06-05 Zymogenetics, Inc. Stable DNA constructs for expression of α-1 antitrypsin
US4610993A (en) 1984-08-08 1986-09-09 Olin Corporation Use of selected pyridine-N-oxide disulfide compounds to treat or prevent bovine mastitis
US4542225A (en) 1984-08-29 1985-09-17 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Acid-cleavable compound
US4738921A (en) 1984-09-27 1988-04-19 Eli Lilly And Company Derivative of the tryptophan operon for expression of fused gene products
US4659839A (en) * 1984-10-10 1987-04-21 Mallinckrodt, Inc. Coupling agents for radiolabeled antibody fragments
US4837148A (en) 1984-10-30 1989-06-06 Phillips Petroleum Company Autonomous replication sequences for yeast strains of the genus pichia
US4968618A (en) 1984-11-16 1990-11-06 University Of Florida Composition and method for promoting growth of granulocytes
GB8430252D0 (en) 1984-11-30 1985-01-09 Beecham Group Plc Compounds
DE3680924D1 (de) 1985-01-14 1991-09-26 Neorx Corp Metall-radionuklid markiertes protein fuer diagnose und therapie.
JPH0615477B2 (ja) 1985-02-08 1994-03-02 中外製薬株式会社 感染防禦剤
ATE65798T1 (de) 1985-02-08 1991-08-15 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Menschlicher granuloxcyt-koloniestimulierungsfaktor.
EP0206448B1 (en) 1985-06-19 1990-11-14 Ajinomoto Co., Inc. Hemoglobin combined with a poly(alkylene oxide)
JP2524586B2 (ja) 1985-06-26 1996-08-14 シタス コーポレイション ポリマ−接合を利用する医薬組成物用蛋白質の可溶化
JPS63500636A (ja) 1985-08-23 1988-03-10 麒麟麦酒株式会社 多分化能性顆粒球コロニー刺激因子をコードするdna
US4810643A (en) 1985-08-23 1989-03-07 Kirin- Amgen Inc. Production of pluripotent granulocyte colony-stimulating factor
US6004548A (en) 1985-08-23 1999-12-21 Amgen, Inc. Analogs of pluripotent granulocyte colony-stimulating factor
EP0238655A4 (en) 1985-10-03 1989-09-11 Biogen Nv POLYPEPTIDES LIKE THE GRANULOCYTE-MACROPHOUS COLONY STIMULATION FACTORS (GM-CSF) AND THEIR METHODS OF PRODUCING LARGE QUANTITIES IN MICROBIAL CELLS.
US4680338A (en) * 1985-10-17 1987-07-14 Immunomedics, Inc. Bifunctional linker
HU206897B (en) 1985-10-25 1993-01-28 Zymogenetics Inc Process for utilizing bar-1 gen for selecting strange proteins
NZ218336A (en) 1985-12-09 1991-08-27 Kirin Amgen Inc Monoclonal antibodies to human pluripotent granulocyte colony stimulating factor (hpg-csf)
US4699784A (en) 1986-02-25 1987-10-13 Center For Molecular Medicine & Immunology Tumoricidal methotrexate-antibody conjugate
GB8610600D0 (en) 1986-04-30 1986-06-04 Novo Industri As Transformation of trichoderma
JPH0618781B2 (ja) 1986-10-18 1994-03-16 中外製薬株式会社 感染症治療剤
JPS63123383A (ja) 1986-11-11 1988-05-27 Mitsubishi Kasei Corp ハイブリツドプロモ−タ−、発現調節dna配列および発現ベクタ−
US5714581A (en) 1986-12-23 1998-02-03 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Polypeptide derivatives of human granulocyte colony stimulating factor
US5186933A (en) 1986-12-30 1993-02-16 Baylor College Of Medicine Synthesis and immunogenicity of rotavirus genes using a baculovirus expression system
EP0349594A4 (en) 1987-03-16 1990-09-26 American Biogenetic Sciences, Inc. Recombinant baculovirus occlusion bodies in vaccines and biological insecticides
ATE103333T1 (de) 1987-03-23 1994-04-15 Zymogenetics Inc Hohe proteinsyntheserate in hefe.
US5229490A (en) 1987-05-06 1993-07-20 The Rockefeller University Multiple antigen peptide system
WO1989001037A1 (en) 1987-07-24 1989-02-09 Cetus Corporation Production of ricin toxins in a baculovirus-insect cell expression system
AU2251488A (en) 1987-07-24 1989-03-01 Cetus Corporation Production of biologically active forms of csf using a baculovirus (acnpv)-insect cell expression system
US5080891A (en) 1987-08-03 1992-01-14 Ddi Pharmaceuticals, Inc. Conjugates of superoxide dismutase coupled to high molecular weight polyalkylene glycols
US4929555A (en) 1987-10-19 1990-05-29 Phillips Petroleum Company Pichia transformation
GB8725529D0 (en) 1987-10-30 1987-12-02 Delta Biotechnology Ltd Polypeptides
US4904584A (en) 1987-12-23 1990-02-27 Genetics Institute, Inc. Site-specific homogeneous modification of polypeptides
CA1340772C (en) 1987-12-30 1999-09-28 Patricia Tekamp-Olson Expression and secretion of heterologous protiens in yeast employing truncated alpha-factor leader sequences
US4847325A (en) 1988-01-20 1989-07-11 Cetus Corporation Conjugation of polymer to colony stimulating factor-1
US5674706A (en) 1988-05-06 1997-10-07 Chiron Corporation High level expression of proteins in yeast
CA1324969C (en) 1988-05-06 1993-12-07 Jeffrey R. Shuster High level expression of proteins in yeast
KR0133561B1 (ko) * 1988-05-13 1998-04-21 스티븐 엠. 오드레 과립구 군체 자극인자의 정제방법
FR2631974B1 (fr) 1988-05-31 1992-12-11 Agronomique Inst Nat Rech Baculovirus modifie, son procede de preparation et son application en tant que vecteur d'expression de genes
AU4197389A (en) 1988-08-05 1990-03-05 Mount Sinai School Of Medicine Of The City University Of New York, The In vivo infection of live insects with a recombinant baculovirus
GB8819453D0 (en) 1988-08-16 1988-09-21 Roy P Production of bluetongue virus non-structural proteins using baculovirus expression vector
CA1339071C (en) * 1988-08-24 1997-07-29 Koichiro Tsuji Thrombus control agent
NZ230425A (en) 1988-09-02 1992-07-28 Molecular Eng Ass Production of paramyxovirus fusion (f) protein using recombinant baculovirus expression vector
US5218092A (en) 1988-09-29 1993-06-08 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Modified granulocyte-colony stimulating factor polypeptide with added carbohydrate chains
GB8824591D0 (en) 1988-10-20 1988-11-23 Royal Free Hosp School Med Fractionation process
ATE189526T1 (de) 1988-10-28 2000-02-15 Genentech Inc Verfahren zum nachweis von aktiven domänen und aminosäureresten in polypeptiden und hormonvarianten
US6780613B1 (en) 1988-10-28 2004-08-24 Genentech, Inc. Growth hormone variants
JPH04504651A (ja) 1988-11-18 1992-08-20 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 自然に存在しないアミノ酸をタンパク質に部位特異的に導入する方法
US5047335A (en) * 1988-12-21 1991-09-10 The Regents Of The University Of Calif. Process for controlling intracellular glycosylation of proteins
US6166183A (en) 1992-11-30 2000-12-26 Kirin-Amgen, Inc. Chemically-modified G-CSF
EP0401384B1 (en) 1988-12-22 1996-03-13 Kirin-Amgen, Inc. Chemically modified granulocyte colony stimulating factor
US4902502A (en) 1989-01-23 1990-02-20 Cetus Corporation Preparation of a polymer/interleukin-2 conjugate
AU5187190A (en) 1989-02-23 1990-09-26 University Of Ottawa Improved baculovirus expression system capable of producing foreign gene proteins at high levels
EP0460071A4 (en) 1989-02-24 1993-02-03 Cell Analysis Systems, Inc. Method and apparatus for determining a proliferation index of a cell sample
US5324844A (en) 1989-04-19 1994-06-28 Enzon, Inc. Active carbonates of polyalkylene oxides for modification of polypeptides
DE69034200T2 (de) 1989-04-19 2006-05-24 Enzon, Inc. Verfahren zum Herstellen von modifizierten Polypeptiden die eine Polypeptid und ein Polyalkylenoxid enthalten
US5122614A (en) 1989-04-19 1992-06-16 Enzon, Inc. Active carbonates of polyalkylene oxides for modification of polypeptides
US5766883A (en) 1989-04-29 1998-06-16 Delta Biotechnology Limited Polypeptides
ATE92107T1 (de) 1989-04-29 1993-08-15 Delta Biotechnology Ltd N-terminale fragmente von menschliches serumalbumin enthaltenden fusionsproteinen.
AU631223B2 (en) 1989-05-17 1992-11-19 University Of Georgia Research Foundation, Inc., The Improved baculovirus expression vectors
EP0400472B1 (en) 1989-05-27 1996-04-03 Sumitomo Pharmaceuticals Company, Limited Process for preparing polyethylene glycol derivatives and modified protein.
FR2649120B1 (fr) 1989-06-30 1994-01-28 Cayla Nouvelle souche et ses mutants de champignons filamenteux, procede de production de proteines recombinantes a l'aide de ladite souche et souches et proteines obtenues selon ce procede
US5162601A (en) * 1989-11-22 1992-11-10 The Upjohn Company Plant potyvirus expression vector with a gene for protease
US5312808A (en) 1989-11-22 1994-05-17 Enzon, Inc. Fractionation of polyalkylene oxide-conjugated hemoglobin solutions
DE69131421T3 (de) 1990-03-23 2008-07-10 Osaka Bioscience Institute, Suita Für den rezeptor des granulozytenkolonie stimulierenden faktors kodierende dns
GB9107846D0 (en) 1990-04-30 1991-05-29 Ici Plc Polypeptides
US5219564A (en) * 1990-07-06 1993-06-15 Enzon, Inc. Poly(alkylene oxide) amino acid copolymers and drug carriers and charged copolymers based thereon
FR2664905B1 (fr) 1990-07-18 1994-08-12 Agronomique Inst Nat Rech Baculovirus modifie, son procede d'obtention, et vecteurs d'expression obtenus a partir dudit baculovirus.
WO1992001800A1 (en) 1990-07-20 1992-02-06 Chiron Corporation Method for integrative transformation of yeast using dispersed repetitive elements
IE912365A1 (en) * 1990-07-23 1992-01-29 Zeneca Ltd Continuous release pharmaceutical compositions
EP0541721A4 (en) 1990-08-02 1993-12-29 Chiron Corporation Expression of human cmv glycoprotein-h using the baculovirus-insect cell expression system
EP0548267A4 (en) * 1990-09-04 1994-11-23 Salk Inst Biotech Ind Production of insulin-like growth factor-1 in methylotrophic yeast cells
US5492821A (en) 1990-11-14 1996-02-20 Cargill, Inc. Stabilized polyacrylic saccharide protein conjugates
US5252714A (en) 1990-11-28 1993-10-12 The University Of Alabama In Huntsville Preparation and use of polyethylene glycol propionaldehyde
ES2113940T3 (es) 1990-12-03 1998-05-16 Genentech Inc Metodo de enriquecimiento para variantes de proteinas con propiedades de union alteradas.
US5231178A (en) * 1991-01-16 1993-07-27 The Salk Institute Biotechnology/Industrial Associates, Inc. Method for the purification of intact, correctly-folded insulin-like growth factor-1
AU1462392A (en) 1991-02-22 1992-09-15 Amgen, Inc. Use of gm-csf and g-csf to promote accelerated wound healing
US6565841B1 (en) 1991-03-15 2003-05-20 Amgen, Inc. Pulmonary administration of granulocyte colony stimulating factor
CA2101918A1 (en) 1991-03-18 1992-09-19 Samuel Zalipsky Hydrazine containing conjugates of polypeptides and glycopolypeptides with polymers
AU1651992A (en) 1991-03-19 1992-10-21 United States of America, as represented by the Secretary, U.S. Department of Commerce, The Expression of influenza nucleoprotein antigens in baculovirus
US5595732A (en) 1991-03-25 1997-01-21 Hoffmann-La Roche Inc. Polyethylene-protein conjugates
US6013433A (en) 1991-04-26 2000-01-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Baculovirus expression vectors and recombinant antigens for detecting type-specific antibodies to herpes simplex virus
US5281698A (en) 1991-07-23 1994-01-25 Cetus Oncology Corporation Preparation of an activated polymer ester for protein conjugation
US5290686A (en) 1991-07-31 1994-03-01 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Expression of influenza a M2 protein in baculovirus
IT1260468B (it) 1992-01-29 1996-04-09 Metodo per mantenere l'attivita' di enzimi proteolitici modificati con polietilenglicole
FR2686900B1 (fr) * 1992-01-31 1995-07-21 Rhone Poulenc Rorer Sa Nouveaux polypeptides ayant une activite de stimulation des colonies de granulocytes, leur preparation et compositions pharmaceutiques les contenant.
EP0636156B1 (en) 1992-04-14 1997-07-30 Cornell Research Foundation, Inc. Dendritic based macromolecules and method of production
US5516657A (en) * 1992-05-11 1996-05-14 Cambridge Biotech Corporation Baculovirus vectors for expression of secretory and membrane-bound proteins
ZA933926B (en) 1992-06-17 1994-01-03 Amgen Inc Polyoxymethylene-oxyethylene copolymers in conjuction with blomolecules
US5614184A (en) 1992-07-28 1997-03-25 New England Deaconess Hospital Recombinant human erythropoietin mutants and therapeutic methods employing them
WO1994004193A1 (en) 1992-08-21 1994-03-03 Enzon, Inc. Novel attachment of polyalkylene oxides to bio-effecting substances
US5382657A (en) * 1992-08-26 1995-01-17 Hoffmann-La Roche Inc. Peg-interferon conjugates
NZ250375A (en) 1992-12-09 1995-07-26 Ortho Pharma Corp Peg hydrazone and peg oxime linkage forming reagents and protein derivatives
US5298643A (en) 1992-12-22 1994-03-29 Enzon, Inc. Aryl imidate activated polyalkylene oxides
AU6029594A (en) 1993-01-15 1994-08-15 Enzon, Inc. Factor viii - polymeric conjugates
US5349001A (en) 1993-01-19 1994-09-20 Enzon, Inc. Cyclic imide thione activated polyalkylene oxides
US5581476A (en) 1993-01-28 1996-12-03 Amgen Inc. Computer-based methods and articles of manufacture for preparing G-CSF analogs
US5321095A (en) 1993-02-02 1994-06-14 Enzon, Inc. Azlactone activated polyalkylene oxides
US5532142A (en) * 1993-02-12 1996-07-02 Board Of Regents, The University Of Texas System Method of isolation and purification of fusion polypeptides
IL104734A0 (en) 1993-02-15 1993-06-10 Univ Bar Ilan Bioactive conjugates of cellulose with amino compounds
AU7097094A (en) 1993-06-01 1994-12-20 Enzon, Inc. Carbohydrate-modified polymer conjugates with erythropoietic activity
WO1995000162A1 (en) 1993-06-21 1995-01-05 Enzon, Inc. Site specific synthesis of conjugated peptides
US6385505B1 (en) 1993-07-21 2002-05-07 Omnicell.Com Methods and apparatus for dispensing items
GB9317618D0 (en) 1993-08-24 1993-10-06 Royal Free Hosp School Med Polymer modifications
US5762939A (en) 1993-09-13 1998-06-09 Mg-Pmc, Llc Method for producing influenza hemagglutinin multivalent vaccines using baculovirus
US5919455A (en) 1993-10-27 1999-07-06 Enzon, Inc. Non-antigenic branched polymer conjugates
US5643575A (en) 1993-10-27 1997-07-01 Enzon, Inc. Non-antigenic branched polymer conjugates
US5491076A (en) * 1993-11-01 1996-02-13 The Texas A&M University System Expression of foreign genes using a replicating polyprotein producing virus vector
US5605792A (en) * 1993-11-04 1997-02-25 The Ohio State University Research Foundation Infectious bursal disease virus VP2 fusion protein expressed by baculovirus, use as diagnostic
WO1995013090A1 (en) 1993-11-10 1995-05-18 Enzon, Inc. Improved interferon polymer conjugates
US5951974A (en) 1993-11-10 1999-09-14 Enzon, Inc. Interferon polymer conjugates
US5446090A (en) 1993-11-12 1995-08-29 Shearwater Polymers, Inc. Isolatable, water soluble, and hydrolytically stable active sulfones of poly(ethylene glycol) and related polymers for modification of surfaces and molecules
US5599705A (en) 1993-11-16 1997-02-04 Cameron; Robert B. In vitro method for producing differentiated universally compatible mature human blood cells
US5830851A (en) 1993-11-19 1998-11-03 Affymax Technologies N.V. Methods of administering peptides that bind to the erythropoietin receptor
US5773569A (en) 1993-11-19 1998-06-30 Affymax Technologies N.V. Compounds and peptides that bind to the erythropoietin receptor
FR2715664B1 (fr) 1994-01-31 1996-04-12 Proteine Performance Sa Baculovirus recombinant et son utilisation pour la production d'anticorps monoclonaux.
CA2139385C (en) 1994-02-04 2001-12-25 Gottfried Alber Products containing g-csf and tnf binding protein
US6316254B1 (en) 1994-02-14 2001-11-13 University Of Washington Methods for stimulating erythropoiesis using hematopoietic proteins
JP3090586B2 (ja) 1994-03-15 2000-09-25 片倉工業株式会社 システインプロテアーゼ遺伝子欠損バキュロウイルスおよびその製造法並びにこれを利用する有用タンパク質の製造法
US5473034A (en) 1994-03-18 1995-12-05 Hyogo Prefectural Government Method for producing protein-synthetic polymer conjugate and said conjugate produced thereby
US5536495A (en) 1994-04-15 1996-07-16 Foster; Preston F. Use of G-CSF to reduce acute rejection
US5629384A (en) 1994-05-17 1997-05-13 Consiglio Nazionale Delle Ricerche Polymers of N-acryloylmorpholine activated at one end and conjugates with bioactive materials and surfaces
WO1995033490A1 (en) 1994-06-02 1995-12-14 Enzon, Inc. Method of solubilizing substantially water insoluble materials
US5730990A (en) 1994-06-24 1998-03-24 Enzon, Inc. Non-antigenic amine derived polymers and polymer conjugates
US6403375B1 (en) 1994-08-24 2002-06-11 Boyce Thompson Institute For Plant Research, Inc. Establishment of Trichoplusia ni cell lines in serum-free medium for recombinant protein and baculovirus production
US5650234A (en) 1994-09-09 1997-07-22 Surface Engineering Technologies, Division Of Innerdyne, Inc. Electrophilic polyethylene oxides for the modification of polysaccharides, polypeptides (proteins) and surfaces
US5871986A (en) 1994-09-23 1999-02-16 The General Hospital Corporation Use of a baculovirus to express and exogenous gene in a mammalian cell
US5824784A (en) 1994-10-12 1998-10-20 Amgen Inc. N-terminally chemically modified protein compositions and methods
WO1996041813A2 (en) 1994-11-09 1996-12-27 Offord Robin E Functionalized polymers for site-specific attachment
US5738846A (en) 1994-11-10 1998-04-14 Enzon, Inc. Interferon polymer conjugates and process for preparing the same
IL116085A (en) 1994-12-16 1999-12-31 Ortho Pharma Corp Spray dried erythropoietin
US5932462A (en) 1995-01-10 1999-08-03 Shearwater Polymers, Inc. Multiarmed, monofunctional, polymer for coupling to molecules and surfaces
AU720337B2 (en) 1995-02-17 2000-05-25 Stichting Dienst Landbouwkundig Onderzoek Production of biologically active recombinant bovine follicle stimulating hormone (REC bFSH) in the baculovirus expression system
FR2732035B1 (fr) 1995-03-23 1997-05-30 Agronomique Inst Nat Rech Procede de regulation de l'expression d'un gene dans un baculovirus, par un site de fixation d'un recepteur de l'acide retinoique, et vecteur pour la mise en oeuvre du dit procede
US6184344B1 (en) 1995-05-04 2001-02-06 The Scripps Research Institute Synthesis of proteins by native chemical ligation
NZ308772A (en) 1995-05-17 1999-04-29 Du Pont Recombinant baculovirus insecticides
WO1996040791A1 (en) 1995-06-07 1996-12-19 Novo Nordisk A/S Modification of polypeptides
US5672662A (en) 1995-07-07 1997-09-30 Shearwater Polymers, Inc. Poly(ethylene glycol) and related polymers monosubstituted with propionic or butanoic acids and functional derivatives thereof for biotechnical applications
GB9526733D0 (en) 1995-12-30 1996-02-28 Delta Biotechnology Ltd Fusion proteins
US5861279A (en) 1996-01-17 1999-01-19 Schering Corporation Baculovirus expression system for human interleukin 5 receptor and method of screening for interleukin 5 antagonists
AU1690697A (en) 1996-01-17 1997-08-11 Schering Corporation Baculovirus expression system for human interleukin 5 receptor and method of screening for interleukin antagonists
US5747639A (en) 1996-03-06 1998-05-05 Amgen Boulder Inc. Use of hydrophobic interaction chromatography to purify polyethylene glycols
TW517067B (en) 1996-05-31 2003-01-11 Hoffmann La Roche Interferon conjugates
TW586933B (en) 1996-06-20 2004-05-11 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Compositions for treating liver-complaints using EPO
DE69736780T2 (de) 1996-08-02 2007-09-06 Ortho-Mcneil Pharmaceutical, Inc. Polypeptide mit einzelnem kovalent gebundenen n-terminalen wasserlöslichen polymer
US5980948A (en) 1996-08-16 1999-11-09 Osteotech, Inc. Polyetherester copolymers as drug delivery matrices
US6214966B1 (en) 1996-09-26 2001-04-10 Shearwater Corporation Soluble, degradable poly(ethylene glycol) derivatives for controllable release of bound molecules into solution
US5998595A (en) 1996-11-05 1999-12-07 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Azidohalogenobenzyl derivatives, sugar compounds and protection of hydroxy groups
EP0948538B1 (en) 1996-12-13 2008-06-11 Novartis Vaccines and Diagnostics, Inc. Analysis and separation of platelet-derived growth factor proteins
DE69800640T2 (de) 1997-01-29 2001-07-05 Polymasc Pharmaceuticals Plc L Pegylationsverfahren
GB9703406D0 (en) 1997-02-19 1997-04-09 Chiron Spa Expression of heterologous proteins
WO1998047089A1 (en) 1997-04-11 1998-10-22 California Institute Of Technology Apparatus and method for automated protein design
WO1998049198A1 (en) 1997-04-30 1998-11-05 Enzon, Inc. Single-chain antigen-binding proteins capable of glycosylation, production and uses thereof
US6162426A (en) 1997-05-05 2000-12-19 La Gamma; Edmund F. Use of G-CSF to enhance the immune system in neonates
US5990237A (en) 1997-05-21 1999-11-23 Shearwater Polymers, Inc. Poly(ethylene glycol) aldehyde hydrates and related polymers and applications in modifying amines
RO121474B1 (ro) 1997-06-06 2007-06-29 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Polipeptide modificate chimic
US5965393A (en) 1997-07-01 1999-10-12 National Institute Of Immunology Method for enhancing foreign gene expression in baculovirus expression vector system
AU751898B2 (en) 1997-07-14 2002-08-29 Bolder Biotechnology, Inc. Derivatives of growth hormone and related proteins
GB9715660D0 (en) 1997-07-25 1997-10-01 Zeneca Ltd Proteins
AU8688798A (en) 1997-08-05 1999-03-01 Chiron Corporation Novel (pichia pastoris) gene sequences and methods for their use
US6017876A (en) 1997-08-15 2000-01-25 Amgen Inc. Chemical modification of granulocyte-colony stimulating factor (G-CSF) bioactivity
DE19735593C2 (de) 1997-08-15 1999-08-26 Hepavec Ag Fuer Gentherapie Hüllprotein-modifizierter Baculovirus-Vektor für die Gentherapie
US6090584A (en) 1997-08-21 2000-07-18 University Technologies International Inc. Baculovirus artificial chromosomes and methods of use
US5989868A (en) 1997-09-12 1999-11-23 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Fusion protein systems designed to increase soluble cytoplasmic expression of heterologous proteins in esherichia coli
ATE294860T1 (de) 1997-09-16 2005-05-15 Egea Biosciences Llc Methoden zur kompletten chemischen synthese und zusammensetzung von genen und genomen
EP1032268A4 (en) 1997-09-26 2003-08-20 Uab Research Foundation REDUCED ANTIGENS CELLS AND THEIR USE
US6201072B1 (en) 1997-10-03 2001-03-13 Macromed, Inc. Biodegradable low molecular weight triblock poly(lactide-co- glycolide) polyethylene glycol copolymers having reverse thermal gelation properties
US6004573A (en) 1997-10-03 1999-12-21 Macromed, Inc. Biodegradable low molecular weight triblock poly(lactide-co-glycolide) polyethylene glycol copolymers having reverse thermal gelation properties
US6165783A (en) 1997-10-24 2000-12-26 Neuro Spheres Holdings Ltd. Erythropoietin-mediated neurogenesis
DE19748489A1 (de) 1997-11-03 1999-05-06 Roche Diagnostics Gmbh Polyethylenglykol-derivatisierte Biomoleküle und deren Verwendung in heterogenen Nachweisverfahren
US6448369B1 (en) 1997-11-06 2002-09-10 Shearwater Corporation Heterobifunctional poly(ethylene glycol) derivatives and methods for their preparation
EP0924298A1 (en) 1997-12-18 1999-06-23 Stichting Instituut voor Dierhouderij en Diergezondheid (ID-DLO) Protein expression in baculovirus vector expression systems
US5985263A (en) 1997-12-19 1999-11-16 Enzon, Inc. Substantially pure histidine-linked protein polymer conjugates
US5981709A (en) 1997-12-19 1999-11-09 Enzon, Inc. α-interferon-polymer-conjugates having enhanced biological activity and methods of preparing the same
US7258858B2 (en) 1997-12-24 2007-08-21 University Of Guelph Method of identifying high immune response animals
US6274158B1 (en) 1998-02-04 2001-08-14 Veronica L. Zaharia Czeizler Treatment with recombinant human erythropoietin of bleeding in patients with normal and abnormal hemostasis
AU2591699A (en) 1998-02-09 1999-08-23 University Of Southern California Method of promoting erythropoiesis
JP2002505110A (ja) 1998-03-04 2002-02-19 オニックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド 遺伝物質の高生産性発現のためのバキュロウイルス発現系及び方法
DE69921102T2 (de) 1998-03-05 2006-02-02 Chiron Corp., Emeryville Verfahren zur verbesserung der serum-halbwertszeit von biologisch aktiven molekülen
EP1061954B1 (en) 1998-03-12 2004-06-09 Nektar Therapeutics Al, Corporation Poly(ethylene glycol) derivatives with proximal reactive groups
KR100264953B1 (ko) 1998-04-03 2001-03-02 박현우 재조합 베큘로바이러스, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 미생물 살충제
IL124015A0 (en) 1998-04-08 1999-01-26 Yeda Res & Dev Pharmaceutical compositions comprising a protein
AR019025A1 (es) 1998-04-09 2001-12-26 Roche Diagnostics Gmbh Uso de eritropoyetina en bajas dosis para producir un preparado farmaceutico para el tratamiento de hemocromatosis, preparado farmaceutico combinadoutilizado segun dicho uso y envase farmaceutico unitario que contiene al referido preparado farmaceutico combinado
KR20010071207A (ko) 1998-05-07 2001-07-28 추후제출 단백질 생산 및 전달을 위한 인간 과립구 콜로니-자극인자 유전자의 코딩 영역 상류의 지놈 서열
US6451986B1 (en) 1998-06-22 2002-09-17 Immunex Corporation Site specific protein modification
US6168932B1 (en) 1998-07-13 2001-01-02 Parker Hughes Institute Recombinant DTctGMCSF fusion toxin in a baculovirus expression vector system
US6245528B1 (en) 1998-07-28 2001-06-12 Academia Sinica Latent baculovirus expression system
US6368825B1 (en) 1998-08-10 2002-04-09 Academia Sinica Baculovirus containing minimal CMV promoter
DE69915204T2 (de) * 1998-08-17 2004-07-29 Pfizer Products Inc., Groton Stabilisierte Proteinzusammensetzung
ES2170042T3 (es) 1998-08-28 2004-10-01 Gryphon Therapeutics, Inc. Procedimiento para la preparacion de cadenas de poliamida de longitud precisa y sus conjugados con proteinas.
WO2000020032A1 (en) 1998-10-06 2000-04-13 Trustees Of Dartmouth College RECOMBINANT CAT ALLERGEN, Fel dI, EXPRESSED IN BACULOVIRUS FOR DIAGNOSIS AND TREATMENT OF CAT ALLERGY
US6420339B1 (en) 1998-10-14 2002-07-16 Amgen Inc. Site-directed dual pegylation of proteins for improved bioactivity and biocompatibility
CA2343094A1 (en) 1998-10-16 2000-04-27 Biogen, Inc. Interferon-beta fusion proteins and uses
DK1656952T3 (da) 1998-10-16 2014-01-20 Biogen Idec Inc Polyalkylenglycolkonjugater af interferon beta-1A og anvendelser deraf
US6403312B1 (en) 1998-10-16 2002-06-11 Xencor Protein design automatic for protein libraries
US6165283A (en) 1998-10-23 2000-12-26 Dahlin; William G. Railcar cleaning method and apparatus
JP2002531067A (ja) 1998-10-30 2002-09-24 ノボザイムス アクティーゼルスカブ 低下したアレルゲン性を有するグリコシル化タンパク質
US6451346B1 (en) 1998-12-23 2002-09-17 Amgen Inc Biodegradable pH/thermosensitive hydrogels for sustained delivery of biologically active agents
US7208473B2 (en) * 1999-01-06 2007-04-24 Xencor, Inc. Nucleic acids and protein variants of hG-CSF with granulopoietic activity
US6281211B1 (en) 1999-02-04 2001-08-28 Euro-Celtique S.A. Substituted semicarbazides and the use thereof
US6342216B1 (en) 1999-03-17 2002-01-29 The Board Of Regents, The University Of Texas System Therapy of cancer by insect cells containing recombinant baculovirus encoding genes
US6994986B2 (en) 1999-03-17 2006-02-07 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford University In vitro synthesis of polypeptides by optimizing amino acid metabolism
JP4707237B2 (ja) 1999-03-17 2011-06-22 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ リーランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ 外因性アミノ酸および新規atp再生システムを用いたインビトロ高分子生合成の方法
US6337191B1 (en) 1999-03-22 2002-01-08 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Vitro protein synthesis using glycolytic intermediates as an energy source
ATE321803T1 (de) 1999-04-16 2006-04-15 Univ Wm Marsh Rice Funktionalisiertes polypropylenfumarat und polypropylenfumarat-co-ethylenglykol
US6261805B1 (en) 1999-07-15 2001-07-17 Boyce Thompson Institute For Plant Research, Inc. Sialyiation of N-linked glycoproteins in the baculovirus expression vector system
US7144574B2 (en) 1999-08-27 2006-12-05 Maxygen Aps Interferon β variants and conjugates
US6485937B1 (en) 1999-10-15 2002-11-26 The Rockefeller University System for rapid generation of recombinant baculovirus-based expression vectors for silkworm larvae
US6348558B1 (en) 1999-12-10 2002-02-19 Shearwater Corporation Hydrolytically degradable polymers and hydrogels made therefrom
EP2070968A3 (en) 1999-12-22 2013-07-24 Nektar Therapeutics Method for the Preparation of 1-Benzotriazolyl Carbonate Esters of Poly(ethylene glycol)
CA2394980C (en) 1999-12-22 2008-05-13 Shearwater Corporation Sterically hindered derivatives of water soluble polymers
US6413507B1 (en) 1999-12-23 2002-07-02 Shearwater Corporation Hydrolytically degradable carbamate derivatives of poly (ethylene glycol)
US6555660B2 (en) 2000-01-10 2003-04-29 Maxygen Holdings Ltd. G-CSF conjugates
US6646110B2 (en) 2000-01-10 2003-11-11 Maxygen Holdings Ltd. G-CSF polypeptides and conjugates
AU2001238595A1 (en) 2000-02-22 2001-09-03 Shearwater Corporation N-maleimidyl polymer derivatives
WO2001062299A2 (en) 2000-02-28 2001-08-30 Shearwater Corporation Water-soluble polymer conjugates of artelinic acid
EP1129720B1 (en) 2000-02-29 2004-06-23 Pfizer Products Inc. Stabilized granulocyte colony stimulating factor
GB0012997D0 (en) 2000-05-26 2000-07-19 Eurogene Limited Gene delivery
US6586207B2 (en) 2000-05-26 2003-07-01 California Institute Of Technology Overexpression of aminoacyl-tRNA synthetases for efficient production of engineered proteins containing amino acid analogues
JP2002030098A (ja) 2000-07-17 2002-01-29 Institute Of Immunology Co Ltd バキュロウィルスの発芽ウイルスからウイルスエンベロープを回収する方法
JP2004515471A (ja) 2000-09-08 2004-05-27 グリフォン セラピューティクス,インコーポレーテッド 合成赤血球産生刺激タンパク質
US6436386B1 (en) 2000-11-14 2002-08-20 Shearwater Corporation Hydroxyapatite-targeting poly (ethylene glycol) and related polymers
TW593427B (en) 2000-12-18 2004-06-21 Nektar Therapeutics Al Corp Synthesis of high molecular weight non-peptidic polymer derivatives
US6531121B2 (en) 2000-12-29 2003-03-11 The Kenneth S. Warren Institute, Inc. Protection and enhancement of erythropoietin-responsive cells, tissues and organs
TWI246524B (en) 2001-01-19 2006-01-01 Shearwater Corp Multi-arm block copolymers as drug delivery vehicles
DE10112825A1 (de) 2001-03-16 2002-10-02 Fresenius Kabi De Gmbh HESylierung von Wirkstoffen in wässriger Lösung
DK1456360T3 (en) 2001-04-19 2015-08-31 Scripps Research Inst Methods and Composition for Preparation of Orthogonal TRNA-Aminoacyl-TRNA Synthetase Pairs
GB0113657D0 (en) 2001-06-05 2001-07-25 Geneprot Inc Improved native chemical ligation with three or more components
US20040138412A1 (en) 2001-09-07 2004-07-15 Paolo Botti Extended native chemical ligation
US6908963B2 (en) 2001-10-09 2005-06-21 Nektar Therapeutics Al, Corporation Thioester polymer derivatives and method of modifying the N-terminus of a polypeptide therewith
KR100948532B1 (ko) 2001-11-07 2010-03-23 넥타르 테라퓨틱스 분지형 중합체 및 그의 공액체
EP1456225A2 (en) 2001-11-14 2004-09-15 Geneprot, Inc. Extended native chemical ligation of three or more peptide fragments
US6716821B2 (en) 2001-12-21 2004-04-06 Immunogen Inc. Cytotoxic agents bearing a reactive polyethylene glycol moiety, cytotoxic conjugates comprising polyethylene glycol linking groups, and methods of making and using the same
US7622248B2 (en) 2002-02-15 2009-11-24 The Research Foundation Of State University Of New York Ribozymes with broad tRNA aminoacylation activity
DE10207072A1 (de) 2002-02-20 2003-08-28 Supramol Parenteral Colloids Stärkederivate, ihre Konjugate und Verfahren zur Herstellung derselben
DE10209822A1 (de) 2002-03-06 2003-09-25 Biotechnologie Ges Mittelhesse Kopplung niedermolekularer Substanzen an ein modifiziertes Polysaccharid
DE10209821A1 (de) 2002-03-06 2003-09-25 Biotechnologie Ges Mittelhesse Kopplung von Proteinen an ein modifiziertes Polysaccharid
AU2003210052A1 (en) * 2002-03-20 2003-09-29 Biopolymed Inc. Preparation of g-csf stoichiometrically conjugated with biocompatible polymers at cystein residue
US6790867B2 (en) 2002-05-20 2004-09-14 Schering-Plough Animal Health Corporation Compositions and method for treating infection in cattle and swine
KR101048279B1 (ko) 2002-05-30 2011-07-13 더 스크립스 리서치 인스티튜트 구리 촉매 작용하에서의 아지드와 아세틸렌과의 리게이션
PL375037A1 (en) 2002-09-11 2005-11-14 Fresenius Kabi Deutschland Gmbh Hydroxyalkyl starch derivatives
US6927042B2 (en) 2002-10-16 2005-08-09 The Scripps Research Institute Glycoprotein synthesis
DE60327369D1 (de) 2002-10-16 2009-06-04 Scripps Research Inst Stellenspezifischer einbau von ketoaminosäuren in proteine
CA2508939A1 (en) 2002-12-22 2004-07-15 The Scripps Research Institute Protein arrays
US7695723B2 (en) * 2002-12-31 2010-04-13 Sygnis Bioscience Gmbh & Co. Kg Methods of treating neurological conditions with hematopoietic growth factors
WO2004094593A2 (en) 2003-04-17 2004-11-04 The Scripps Research Institute Expanding the eukaryotic genetic code
EP1658366A4 (en) 2003-07-07 2006-08-09 Scripps Research Inst COMPOSITIONS OF ORTHOGONAL GLUTAMYL-TRNA AND AMINOACYL-TRNA-SYNTHETASEPAARES AND THEIR USES
DE602004011789T2 (de) 2003-07-07 2009-02-12 The Scripps Research Institute, La Jolla Zusammensetzungen der orthogonalen Lysyl-tRNA und Aminoacyl-tRNA Synthetase Paaren und ihre Verwendungen
WO2005007870A2 (en) 2003-07-07 2005-01-27 The Scripps Research Institute COMPOSITIONS OF ORTHOGONAL LEUCYL-tRNA AND AMINOACYL-tRNA SYNTHETASE PAIRS AND USES THEREOF
US7182948B2 (en) 2003-08-04 2007-02-27 Ko Manufacturing, Inc. Topical veterinary compositions and methods for the treatment and prevention of infection
EP2322569B1 (en) 2003-10-09 2020-08-26 Ambrx, Inc. Polymer derivatives for the selective modification of proteins
ZA200606224B (en) * 2004-02-02 2007-11-28 Ambrx Inc Modified human growth hormone polypeptides and their uses
JP4896745B2 (ja) 2004-02-02 2012-03-14 アンブレツクス・インコーポレイテツド 修飾されたヒトインターフェロンポリペプチドおよびこれらの使用
EA010501B1 (ru) 2004-03-11 2008-10-30 Фрезениус Каби Дойчланд Гмбх Конъюгаты гидроксиалкилкрахмала и белка, полученные восстановительным аминированием
TW200603818A (en) 2004-03-11 2006-02-01 Fresenius Kabi De Gmbh Conjugates of hydroxyethyl starch and erythropoietin
WO2006017232A1 (en) 2004-07-12 2006-02-16 Taro Pharmaceuticals Industries Ltd. Topical gel formulation comprising insecticide and its preparation thereof
US7638491B2 (en) 2004-12-22 2009-12-29 Ambrx, Inc. Therapies using non-natural amino acids and polypeptides
WO2006068802A2 (en) 2004-12-22 2006-06-29 Ambrx, Inc. COMPOSITIONS OF AMINOACYL-tRNA SYNTHETASE AND USES THEREOF
KR100735784B1 (ko) * 2005-07-20 2007-07-06 재단법인 목암생명공학연구소 인간 과립구콜로니자극인자 변이체 및 이의 화학적 접합물
JP4829969B2 (ja) 2005-08-18 2011-12-07 アンブルックス,インコーポレイテッド tRNA組成物、およびその使用
US8119667B2 (en) 2005-12-29 2012-02-21 Schering-Plough Animal Health Corporation Carbonates of fenicol antibiotics
ITMI20061624A1 (it) * 2006-08-11 2008-02-12 Bioker Srl Mono-coniugati sito-specifici di g-csf
JP4616237B2 (ja) 2006-11-07 2011-01-19 日本電信電話株式会社 シリコン化合物薄膜の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
ES2654387T3 (es) 2018-02-13
AU2009274076C1 (en) 2014-04-17
UA103774C2 (uk) 2013-11-25
NZ591235A (en) 2012-07-27
PT2318029T (pt) 2018-01-10
MX2011000859A (es) 2011-02-24
EP2318029A2 (en) 2011-05-11
EP3225248A1 (en) 2017-10-04
AU2009274076A1 (en) 2010-01-28
WO2010011735A3 (en) 2010-04-15
US20230348547A1 (en) 2023-11-02
US20190071482A1 (en) 2019-03-07
EP2318029B1 (en) 2017-11-01
US20100035812A1 (en) 2010-02-11
ES2963062T3 (es) 2024-03-25
CA2729851C (en) 2019-01-15
CN106928339A (zh) 2017-07-07
BRPI0916515B8 (pt) 2021-07-27
WO2010011735A2 (en) 2010-01-28
CL2011000013A1 (es) 2011-09-02
JP2011529060A (ja) 2011-12-01
JP2014064581A (ja) 2014-04-17
IL210265A (en) 2015-09-24
EP3225248B1 (en) 2023-06-07
CN102159230A (zh) 2011-08-17
BRPI0916515B1 (pt) 2021-03-16
BRPI0916515A2 (pt) 2018-03-13
CO6351745A2 (es) 2011-12-20
US11542310B2 (en) 2023-01-03
EA201170242A1 (ru) 2011-10-31
IL210265A0 (en) 2011-03-31
EP2318029A4 (en) 2012-02-29
NZ600382A (en) 2013-11-29
KR101726884B1 (ko) 2017-04-26
UA118536C2 (uk) 2019-02-11
PE20110426A1 (es) 2011-07-01
CA2729851A1 (en) 2010-01-28
PL3225248T3 (pl) 2023-11-27
ZA201101166B (en) 2012-10-31
EA019968B1 (ru) 2014-07-30
AU2009274076B2 (en) 2014-01-09
PA8836801A1 (es) 2010-05-26
US10138283B2 (en) 2018-11-27
JP5680534B2 (ja) 2015-03-04
PL2318029T3 (pl) 2018-03-30
KR20110044248A (ko) 2011-04-28
AR072967A1 (es) 2010-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230348547A1 (en) Modified bovine g-csf polypeptides and their uses
US20150038678A1 (en) Interleukin-10 Polypeptide Conjugates and Their Uses
AU2010341518B2 (en) Modified porcine somatotropin polypeptides and their uses
JP2010525821A (ja) 修飾IFNβポリペプチドおよびこれらの使用
AU2010341516B2 (en) Modified bovine somatotropin polypeptides and their uses
AU2013202836B2 (en) Modified bovine G-CSF polypeptides and their uses
AU2014202108A1 (en) Modified bovine somatotropin polypeptides and their uses
MX2008009224A (es) Polipeptidos de aminoacidos no naturales, que tienen inmunogenicidad modulada

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5844336

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250