JP2002505110A - 遺伝物質の高生産性発現のためのバキュロウイルス発現系及び方法 - Google Patents

遺伝物質の高生産性発現のためのバキュロウイルス発現系及び方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、宿主細胞において外来遺伝物質を発現させるための新規なバキュロウイルス発現系を提供する。当発現系は、高生産性に外来遺伝物質を発現させるための自動化された方法に容易に利用される。他方、本発明は、外来遺伝物質の機能を決定するための新規な自動化された方法に関し、その方法は、その外来遺伝物質を宿主細胞に、本発明の組換えバキュロウイルス発現系によって移入することによる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、一般的には分子生物学及び遺伝学の分野に関する。本発明は、特に
は、外来遺伝物質を発現させるための新規なバキュロウイルス発現系及び方法に
関する。この方法は、同物質を昆虫細胞に移入することに依る。
【0002】発明の背景 多数の下等生物の遺伝子に関する多数の配列情報が得られてきた。同様に人間
等の高等生物の遺伝的構成を解明するために、以前に可能と考えられた以上によ
り迅速に、多大な成果が得られてきた。前記生物体の遺伝子配列、特に人間、例
えば植物及び他の哺乳動物にとって重要な遺伝子配列を決定するために、努力が
益々払われるであろう。現在、特定の遺伝子及びイントロンの機能を決定する急
速且つ正確な方法が、特に必要とされている。このための最初の過程は、配列決
定された遺伝物質からその遺伝子産物を発現させることである。この目的を効率
良く達成するために決定的な技術は、多数の遺伝子又は遺伝子産物試料を同時に
取り扱うことが可能なロボット工学であろう。更にこの過程を促進するために、
発現した遺伝子産物を精製する最適な方法が用いられるであろう。
【0003】 バキュロウイルスは昆虫細胞に感染する。外来の遺伝物質を発現するために、
原核細胞及び真核細胞が用いられてきた。しかし大腸菌などの原核細胞は、その
遺伝子産物が、翻訳後修飾、例えばグリコシル化、リン酸化、又はシグナルペプ
チド切断を必要としない場合にのみ、外来遺伝子を発現するために適する。原核
細胞は、その様な翻訳後修飾に必要な機構を備えていない。従って、真核細胞に
おける新規で且つ、簡単に操作できる組換え体発現系を開発することが特に重要
である。バキュロウイルスが感染する昆虫細胞は、真核細胞のほとんどの翻訳後
修飾(リン酸化、N-及びO-グリコシル化、アシル化、ジスルフィド架橋結合、オ
リゴマー形成、及び細胞内標的供給)を行うことができ、従って多種多様な外来
遺伝子から機能的な組換えタンパク質を生産するために活用される。
【0004】 組換えタンパク質を生産するために、遺伝的に修飾したバキュロウイルスが広
く使われている。Davies, Bio/technology 12:47-50 (1994)。典型的なバキュロ
ウイルスには、限定でなく、Autographa californica, Trichoplusia ni, Rachi
plusia ou, Galleria mellonella及びBombyx mori がある。その中で、おそらく
Autographa californicaが最も良く解明されていて、広く用いられている。バキ
ュロウイルスのポリヘドリン(polyhedrin)遺伝子は、天然のウイルス生活環にお
いて非常に高レベルで発現しているが、細胞培養には必須ではない。従ってそれ
を、注目する任意の異種核酸によって置換することができる。ポリヘドリン遺伝
子を置換する様に挿入した注目する任意の異種核酸は、ポリヘドリンのプロモー
ターによって調節され、従って同様に高レベルで発現される。
【0005】 分子レベルでのバキュロゲノムの操作は難しい。なぜなら当ゲノムは約 130kb
のDNA を含んでいて、通常のプラスミドクローニング技術を適用するにはあまり
に大きいからである。この問題に対する伝統的な解決法は、適当なプロモーター
及び停止配列をも含んでいるカセットとして、外来遺伝子を相同組換えによって
導入することであった。そのためにプラスミドベクター内で、当カセットを、挿
入部位を挟んでいるウイルスDNA 配列によって挟み込む。この方法の効率は、通
常1%未満である。
【0006】 昔は、クローン性ベクターを得るためにプラーク精製法が用いられた。いくつ
かの伝統的な方法が、米国特許4,745,051(Smith et al.); 4,879,236(Smith et
al.); 5,169,784(Summers et al.); 5,077,214(Guarino et al.); 5,194,376(Ka
ng); 5,229,293(Matsuura et al.);及び5,516,657(Murphy et al.)に記載されて
いる。しかし最近、バキュロウイルスゲノム内への組換え頻度を増加させるため
に、いくつかの異なった技術が開発された。その中で最も成功した方法を以下に
説明する。
【0007】 バキュロウイルスゲノムが、酵母Saccharomyces cerevisiae内で増殖するレプ
リコンとして再構成された。そのために、酵母の自律複製配列(ARS) を、バキュ
ロウイルスゲノムのポリヘドリン遺伝子座に、CEN(セントロメア)配列及びURA3
選択マーカーと共に挿入した。CEN 配列は、分裂性セントロメアとして機能して
、安定な低コピー数のゲノム分離を保証するものであり、URA3選択マーカーは、
ウラシル欠失培地中での増殖を可能にする。従って、ポリヘドリンプロモーター
によって支配される外来遺伝子の組換えを酵母内で行うことができ、生じたバキ
ュロウイルスゲノムをその酵母から抽出し、それをクローン性ベクターとして、
昆虫細胞に直接移入することができる。この方法の長所は、100%近い効率と、そ
の生産物が昆虫細胞に対して有毒であるかもしれない外来宿主遺伝子を取り扱う
ことができることである。しかし多数の操作が必要であることから、この方法は
煩雑且つ複雑である。
【0008】 またバキュロウイルスゲノムは、大腸菌内で増殖し得るレプリコンとしても再
構成された。Luckow et al., J. Virology 67:4566-4579 は、最初に、酵母の場
合と同様な方法で、大腸菌内で巨大プラスミドとして増殖する様にバキュロウイ
ルスゲノムを修飾し得ることを示した。このプラスミドを「バクミド(bacmid)」
と言う。そのために、自律複製及び、安定で且つ低コピー数のゲノム分離を可能
にするミニF-レプリコン、並びにkanr選択マーカーを、ポリヘドリン座に組み込
む。Tn7 細菌性トランスポゾン用の標的部位も、pUC を基にしたプラスミドに由
来するLacZa 配列内に、読み枠を合わせた挿入体として導入できる。従ってこの
バクミドは、大腸菌宿主、例えばDH1OB 、の欠陥βガラクトシダーゼlacZDM15を
、細胞内で対立遺伝子的に補完し得る。しかし、外来遺伝子がTn7 部位に挿入さ
れたバクミドを保有する大腸菌DH1OB は LacZa- のままであり、組換えバクミド
を保有するコロニーを視覚的に選択できる。当該方法の全体的な方針は、異種宿
主、ここでは大腸菌内で、組換えと選択を行うことであり、そして次に完成した
生産物を昆虫細胞に移入することである。この方法は、前記酵母系と同様な利点
を有するが、その過程の数も多い。
【0009】 組換え体選択にとって好ましいと考えられる異種宿主内で、バキュロウイルス
レプリコンを再構成するよりもむしろ、転移ベクターからウイルス内のポリヘド
リン座に遺伝子を転移させるインビトロ組換え反応が開発された。バクテリオフ
ァージPiのCre リコンビナーゼ及びその基質lovpを活用して、酵素的な単一交差
反応によって、その系での遺伝子転移を行う。標的のバキュロウイルスゲノム(v
aclox)及び転移ベクターの両方を、lox 部位を含有する様に工学的に修飾する。
その34ヌクレオチド配列を基に、Cre 酵素が、前記の2つの基質DNA 分子を、位
相的に非連結の組換え生産物に変換する。その反応は、約70%の効率で化学量論
的に進行する。この方法の大きな利点は、簡単さであるが、最大効率はほんの約
70%である。
【0010】 1990年に、Kitts et al., Nucl. Acids. Res. 18:5667-5672 (1990) において
、ポリヘドリン座に単一制限部位(Bsu361)を導入することにより、共有結合的に
閉環した環状二本鎖分子としての野生型バキュロウイルスDNA 誘導体が生産され
た。当バキュロウイルスを前記制限部位で線状化することにより、昆虫細胞への
移入時における当ウイルスDNA の感染性が低下するが、ポリヘドリン座への組換
えを起こす転移ベクターの同時移入により、組換えウイルスの生産は3倍より高
くなる。
【0011】 この方法では、Bsu361部位を含有するバキュロウイルスを、ACRP-SC(single c
ut単切断を表す) と表示した。発現される外来遺伝子を、ポリヘドリンプロモー
ター配列及び停止配列のコピーと共に移入する2回の二重交差も起こる。その様
な同時移入による子孫ウイルスの約10〜25%が組換え体であるが、これは、組換
え体の絶対数の増加というよりも、バックグランドの野生型ウイルス数の低下に
よることに注意すべきであろう。
【0012】 この系の次の展開として、それを、視覚(lacZによる)及び複製に基づく選択
系と効率的に組合せる。Kitts et al., Biotechniques 14:810-817 (1993) 。ポ
リヘドリン座にlacZを含有し、且つポリヘドリンのフランキング配列中に更に2
つのBsu361部位を含有する野生型ゲノム誘導体(BacPAK6と表示する) と、通常の
転移ベクターとの間で、組換えが起きる。そのバキュロウイルスDNA をBsu361で
消化することで、当分子が線状化するだけでなく、2つのゲノム断片が除かれ、
従って読み取り枠ORF-1629が破壊される。この遺伝子は、バキュロウイルス複製
のために必須である。従って、2つのBsu361断片が当ゲノムから除かれたコンピ
テントなウイルスが、転移ベクターとの組換えによって再構成されて、それによ
り、完全なORF-1629が当ゲノムに回復する。更に組換えウイルスは、BacPAK6 の
DNA に由来する青色プラークの背景上に白色プラークを形成するだろう。
【0013】 この方法では、85〜99%の頻度で組換えウイルスが生じる。バックグランドの
ほとんどは、線状型よりも実質的に感染性の高い未消化のBacPAK6 のDNA の混入
によるものであろう。更なる研究に使用できる見込みのあるウイルスは、生じた
ウイルス総数の極わずかであろうが、それを、通常の技術(プラーク検査)によ
って精製することができる。従ってこの方法は、簡便さと効率を良好に兼ね備え
ており、そして整列したcDNAを発現ベクターに変換するために本発明者が選択す
る技法である。
【0014】 バキュロウイルス発現系に伴う1つの特別な問題は、感染細胞のアポトーシス
又は細胞溶解が生じ得ることである。ある細胞株でウイルス収率を増加させるバ
キュロウイルスアポトーシス耐性遺伝子(p35遺伝子)が同定されている。この遺
伝子を保有する組換えバキュロウイルスを、アポトーシス宿主において選択的に
増幅することができる(106倍まで) 。
【0015】 バキュロウイルス発現系では高収量と方法の確実性とが有益に組合わさってい
るが、バキュロウイルスが感染した細胞から、希望する生成物を精製することは
、他の真核生物系よりも簡単ではない。注目する抗原を、精製を容易にするポリ
ペプチドとの融合体として合成する多数の発現ベクターが開発されている。例え
ば、プロテインA融合タンパク質を、IgG 親和性により精製し、ポリアルギニン
融合タンパク質を、陽イオン交換により精製し、ポリヒスチジン融合体を、亜鉛
イオンのキレート化により精製し、βガラクトシダーゼ融合体、及び特異的免疫
原との融合体を、免疫親和性により精製し、そしてβガラクトシダーゼ、マルト
ース結合タンパク質及びグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST) 融合タンパク
質を、基質親和性により精製し得る。その他のエピトープタグ、例えばEEすなわ
ちGlu-Glu 抗ペプチド抗体により認識されるエピトープタグを用いることもでき
る。その抗体が、ポリオーマ中間t抗原の主要チロシンリン酸化部位を含むペプ
チドに対して作成された。このタグは、多数の組換え体において広範に使用され
ている。何人かの研究者の報告では、EEタグ付きタンパク質を精製する試みの90
%超が成功しており、そのほとんどが、その他のクロマトグラフィー無しに50%
超の純度を示した(Jim Litts and Robin Clark未公開データ)。
【0016】 このタグのエピトープは、NEmotopeペプチドスキャン分析により完全に特性評
価され、そして最適化された(Mario Geysen, John Wang and Robin Clark未公開
データ)。当抗体は、当EEタグに対して中度の親和性(Kd 2 x 10-7) を有し、従
って、非変性条件下で遊離ペプチドにより、タグ付きタンパク質を迅速に溶離す
ることができ、一方粗溶解物中のタンパク質への効率的な結合が保たれている。
通常はN-末端に配置するが、C-末端又はタンパク質の内部部分に配置した場合で
も、EEタグは認識される。タグに対する抗体は、免疫沈降、免疫蛍光及びウエス
タンブロットにも有用である。更に当抗体は、EEハイブリドーマによって高レベ
ルで生産される。何人かの研究者の報告では、10L の調製液から、通常3-5gの精
製タンパク質が得られる。当EEタグには、src などのタンパク質キナーゼの強力
なチロシンリン酸化基質を含んでいるという別の利点もある。その様なタグを、
放射活性リン酸により直接標識するか、又は抗リン酸化チロシン抗体によって検
出することができる。
【0017】発明の要旨 1点目として、本発明は、宿主において異種遺伝物質を発現することに特に適
した新規なバキュロウイルス発現系に関する。一般に、当該発現系は、1又は複
数の選択マーカー遺伝子、プロモーター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリ
ヘドリンプロモーター又はその断片、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺
伝子の転写停止配列又はその断片、外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位
、場合によりタグ、並びに場合により1又は複数の制限部位を含んで成る。典型
的な選択マーカー遺伝子には、アポトーシス抑制因子遺伝子、例えばAcNPV p35
がある。これを、多くの態様では、ポリヘドリンプロモーターの上流に配置する
ことができる。典型的なタグには、前記のEEタグ配列がある。好ましい態様では
、バキュロウイルス発現系はORF-1629遺伝子をも含み、これを、もう1つの選択
マーカー遺伝子として使用する。本発明は、組換えバキュロウイルスを生産する
方法に関し、この方法では、外来遺伝物質を含有するDNA 断片を、好ましくは2
つの選択マーカー遺伝子と組み合わせて、単一DNA 断片を形成させる。それを、
昆虫宿主細胞内にバキュロウイルスDNA と共に同時移入させた場合、選択マーカ
ー遺伝子の選択によって単離することができる組換えバキュロウイルスが生成さ
れる。従って、クローニング工程を行うことなく組換えバキュロウイルスを生産
するために、本発明を使用することができ、従って本発明は、自動化した高生産
性の発現系のために有用である。
【0018】 2点目として、本発明は、組換えバキュロウイルス発現系を生産する方法に関
し、この方法は以下の過程を含んで成る:(a) アポトーシス抑制因子遺伝子、プ
ロモーター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はそ
の断片、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその
断片、外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、並びに場
合により1又は複数の制限部位を含んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供
給する過程;並びに(b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、
当バキュロウイルス転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する
過程。
【0019】 3点目として、本発明は、外来遺伝物質を発現させる方法に関し、この方法は
以下の過程を含んで成る:(a) 1又は複数の選択マーカー遺伝子、プロモーター
、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断片、転
写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、外来
遺伝物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、並びに場合により1
又は複数の制限部位を含んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供給する過程
;(b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウイル
ス転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程;並びに(c)
外来遺伝物質を含んでいる当バキュロウイルス転移ベクターを宿主細胞内に移入
する過程。好ましい態様では、本発明は、自動化に適合し、従って高生産性発現
にとって有用である。
【0020】 4点目として、本発明は、外来遺伝物質の機能を決定する方法に関し、この方
法は以下の過程を含んで成る:(a) 1又は複数の選択マーカー遺伝子、プロモー
ター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断片
、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、
外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、並びに場合によ
り1又は複数の制限部位を含んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供給する
過程;(b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウ
イルス転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程;(c) 外
来遺伝物質を含んでいる当バキュロウイルス転移ベクターを宿主細胞内に移入す
る過程;並びに(d) この様にして生じた生物学的な結果を観察する過程。好まし
い態様では、本発明は、自動化に適合し、従って高生産性分析にとって有用であ
る。
【0021】 5点目として、本発明は、本発明の方法によって得られた遺伝子及びその断片
、ヌクレオチド配列、並びに遺伝子産物に関する。本発明は、宿主生物において
選択したヌクレオチド配列を発現させることに関する。当業者には、そのヌクレ
オチド配列からの遺伝子産物を、当業者に既知の方法によって単離及び精製でき
ることが明白であろう。その単離及び精製技術を、本文に記載したいくつかの方
法に従って最適化できる。その遺伝子産物は、医薬としての生物活性、及びその
他の類似の機能を有し得る。
【0022】発明の詳細な説明 1点目として、本発明は、宿主において異種遺伝物質を発現することに特に適
した新規なバキュロウイルス発現系に関する。一般に、当該発現系は、1又は複
数の選択マーカー遺伝子、プロモーター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリ
ヘドリンプロモーター又はその断片、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺
伝子の転写停止配列又はその断片、外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位
、場合によりタグ、並びに場合により1又は複数の制限部位を含んで成る。典型
的な選択マーカー遺伝子にはAcNPV p35 があり、これを、多くの態様では、ポリ
ヘドリンプロモーターの上流に配置することができ、そして転写停止配列の下流
に配置することができる。典型的なタグには、EEタグ配列、好ましくはORF-1629
遺伝子がある。
【0023】 いくつかの態様では、本発明は、従来技術によりクローン化された転移ベクタ
ープラスミドではなく、転移ベクター要素、選択マーカー及びcDNAを含んでいる
連結された断片を昆虫細胞に移入することによって形成される組換えバキュロウ
イルスに関する。従って、本発明のバキュロウイルス発現系は、プラスミドクロ
ーニング工程を省くこと、そして細菌内ではクローン化できないcDNAの発現が可
能になることによって、従来の方法に比べて大きく簡便化される。この態様では
、別々の断片上に存在する選択マーカーを、cDNA配列を含んでいる断片に連結す
る。それにより、希望するcDNAを含んでいる組換えバキュロウイルスを選択する
。この目的で、DNA 断片の連結に適する任意の方法を使用し得る。
【0024】 最も好ましい態様では、本発明の組換えバキュロウイルス発現系は、p35 タン
パク質をコードするアポトーシス抑制因子遺伝子、ポリヘドリンプロモーター、
当バキュロウイルスのクローニング部位にクローン化され且つポリヘドリンプロ
モーターの支配下にある外来遺伝物質、クローニング部位の上流又は下流にある
タグ配列、例えばEEタグ、そしてバキュロウイルスの複製及び/又は感染性のた
めに重要と考えられるORF-1629を含んでいる。更に、それらの要素の全ての上流
及び下流に、都合の良い制限部位が存在してよいが、それらは、任意の特定の要
素に隣接する必要はない。その様な都合の良い制限部位には、限定でなく、XhoI
部位及びPvuII 部位がある。
【0025】 2点目として、本発明は、組換えバキュロウイルス発現系を生産する方法に関
し、この方法は以下の過程を含んで成る:(a) 1又は複数の選択マーカー遺伝子
、プロモーター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又
はその断片、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又は
その断片、外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、並び
に場合により1又は複数の制限部位を含んで成るバキュロウイルス転移ベクター
を供給する過程;並びに(b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くため
に、当バキュロウイルス転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結
する過程。
【0026】 いつかの態様では、その様な組換えバキュロウイルス発現系を、自動的且つ高
生産的に生産することができる。特には、アポトーシス抑制因子遺伝子、プロモ
ーター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断
片、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片
、外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、を含んでいる
バキュロウイルスの操作可能部分を、制限酵素によってバキュロウイルスゲノム
から取り出すことができる。
【0027】 自動化によって組換えバキュロウイルス発現系を生産するという本発明の前記
の様な態様では、比較短時間で高収量を生産し得る。その様な技術を用いて、cD
NAなどの遺伝物質を、クローニング部位に挿入するために整列化し、従って多数
の異なる挿入体を含んでいる組換えバキュロウイルスを生産することができる。
【0028】 3点目として、本発明は、外来遺伝物質を発現させる方法に関し、この方法は
以下の過程を含んで成る:(a) アポトーシス抑制因子遺伝子、プロモーター、例
えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断片、転写停
止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、外来遺伝
物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、並びに場合により1又は
複数の制限部位を含んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供給する過程;(b
) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウイルス転
移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程;並びに(c) 外来
遺伝物質を含んでいる当バキュロウイルスを宿主細胞内に移入する過程。
【0029】 一般的には、好ましい態様では、その宿主細胞は昆虫細胞である。バキュロウ
イルスは、数種類の昆虫細胞に対して病原性を示す。従って好ましい態様では、
本発明の組換えバキュロウイルス発現系は、アポトーシス抑制因子を含有する。
本発明のいくつかの態様に従ってタンパク質を組換え生産するために、特に有望
な動物細胞宿主として、Sf9 細胞がある。
【0030】 特には、外来遺伝物質のクローニング、並びにその発現から得られる生産物の
単離及び精製を自動化することができる。サンプルの並行処理を可能にする技術
は、系統的な形式の組合せ、特に96及び384 ウエルのマイクロタイタープレート
の使用、そしてその様な系統的な形式に対して迅速且つ規則的に作用する様に設
計されたサンプル処理ロボットの使用である。例えば96ウエルのマイクロタイタ
ープレートは、最初、特に免疫学分野での使用のために開発されたが、384 ウエ
ルプレートは、ゲノム研究での使用のために、Lawrence Livermore National La
boratoryにより開発された。更に初期のロボットは、ゲノム研究を速く行うため
に、384 ウエルプレート用に設計された。Copeland et al., Nature 369:421-42
2 (1994)。
【0031】 この形式化及び自動化の開発に伴い、ゲノムDNA 及び相補的DNA (以下cDNAと
する)のクローン化サンプルが、前記の様な形式化されたアレイに用意された。
例えば、フロー式分類により単離された単一のヒト染色体に主に由来する挿入体
を含んでいるコスミド及びファージライブラリーが、Lawrence Livermore Natio
nal Laboratories及びLos Alamos National Laboratoryにより、エネルギー省の
National Gene Library Project の一部として提供された。最近、多数のcDNAラ
イブラリーが、Lawrence Livermore National LaboratoriesのI.M.A.G.E.(Integ
rated Molecular Analysis of Genomes and thier Expression) Consortiumを介
して入手できる様になった。Lennon et al., Genomics 33:151-152 (1996) 。
【0032】 I.M.A.G.E.Consortiumは、分配且つ整列化されたcDNAライブラリーの使用を推
進している。Washington大学との共同で(Hillier et al., Genome Research 6:8
29-845 (1996))、これらの公的に利用できるクローン配列は、限定なく且つ遅滞
なく、公的な配列データベース、短配列タグ又は発現配列タグを含むデータベー
ス(dbEST) に寄託される。500,000 超のヒトcDNAクローンが整列化されており、
そして500,000 超の配列が、dbEST で利用できる。配列のクラスター化アルゴリ
ズムによって、現在80,000程度のヒト遺伝子の大部分が、この収集群においてク
ローン化されていると思われる。Hillier,supra; Aaronson et al., Genome Res
earch 6:829-845 (1996)。
【0033】 I.M.A.G.E.のcDNA収集群で利用できるクローンの大部分は、dTプライマーによ
るmRNAからのものであり、平均長は1-2kb である。従って、この収集群は、多く
のmRNAの3'部分の1-2kb をより完全に表示しているが、5'部分とコード配列をそ
れほど網羅していない。ヒトの非重複mRNA組(NCBI)にまとめられている4,200 の
ヒトmRNAの中で、約25%はI.M.A.G.E.クローンにより完全に表示され、50%は部
分表示され、そして25%未満が表示クローンを欠いている。クローンの再度の配
列決定に基づき、概算された全体のエラー率は、現在約9%である。従って、当
時の約91%の、マイクロタイタープレートの特定の位置に存在すると考えられる
クローンは、実際上、そのプレートウエルから増殖したものである。
【0034】 特には、これらのcDNAクローンを用いて、本発明に係る外来遺伝物質を提供す
るつもりである。更に、他の生物源に由来し、そして異なる様式で整列化された
追加ライブラリーを、過度の実験をすることなく、本発明に適合させ得る。
【0035】 高収量と方法の確実性とが、組換えバキュロウイルス発現系に伴っているが、
バキュロウイルスが感染した細胞から、希望する生成物を精製することは、他の
真核生物系よりも簡単ではない。注目する抗原を、精製を容易にするポリペプチ
ドとの融合体として合成する多数の発現ベクターが開発されている。例えば、プ
ロテインA融合タンパク質を、IgG 親和性により精製し、ポリアルギニン融合タ
ンパク質を、陽イオン交換により精製し、ポリヒスチジン融合体を、亜鉛イオン
のキレート化により精製し、βガラクトシダーゼ融合体、及び特異的免疫原との
融合体を、免疫親和性により精製し、そしてβガラクトシダーゼ、マルトース結
合タンパク質及びグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST) 融合タンパク質を、
基質親和性により精製し得る。その他のエピトープタグ、例えばEEすなわちGlu-
Glu 抗ペプチド抗体により認識されるエピトープタグを用いることもできる。そ
の抗体が、ポリオーマ中間t抗原の主要チロシンリン酸化部位を含むペプチドに
対して作成された。このタグは、多数の組換え体において広範に使用されている
。何人かの研究者の報告では、EEタグ付きタンパク質を精製する試みの90%超が
成功しており、そのほとんどが、その他のクロマトグラフィー無しに50% 超の純
度を示した(Jim Litts and Robin Clark未公開データ)。
【0036】 このタグのエピトープは、NEmotopeペプチドスキャン分析により完全に特性評
価され、そして最適化されている(Mario Geysen, John Wang and Robin Clark未
公開データ)。当抗体は、当タグに対して中度の親和性(Kd 2 x 10-7) を有し、
従って、非変性条件下で遊離ペプチドにより、タグ付きタンパク質を迅速に溶離
することができ、一方粗溶解物中のタンパク質への効率的な結合が保たれている
。通常はN-末端に配置するが、C-末端又はタンパク質の内部部分に配置した場合
でも、当タグは認識される。当抗体は、免疫沈降、免疫蛍光及びウエスタンブロ
ットにも有用である。更に当抗体は、EEハイブリドーマによって高レベルで生産
される。何人かの研究者の報告では、10L の調製液から、通常3-5gの精製タンパ
ク質が得られる。当EEタグには、src などのタンパク質キナーゼの強力なチロシ
ンリン酸化基質を含んでいるという別の利点もある。その様なタグは、高生産性
タンパク質相互作用検査のための有用な検出標識になり得る。その様なタグを、
放射活性リン酸により直接標識するか、又は抗リン酸化チロシン抗体によって検
出することができる。
【0037】 4点目として、本発明は、外来遺伝物質の機能を決定する方法に関し、この方
法は以下の過程を含んで成る:(a) 1又は複数の選択マーカー遺伝子、プロモー
ター、例えばポリヘドリン構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断片
、転写停止配列、例えばポリヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、
外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位、場合によりタグ、並びに場合によ
り1又は複数の制限部位を含んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供給する
過程;(b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウ
イルス転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程;(c) 外
来遺伝物質を含んでいる当バキュロウイルスを宿主細胞内に移入する過程;並び
に(d) この様にして生じた生物学的な結果を観察する過程。好ましい態様では、
本発明は、自動化に適合し、従って高生産性分析にとって有用である。
【0038】 当業者に明らかな通り、宿主、例えば昆虫細胞において発現が達成された場合
、外来遺伝物質の機能を決定する多数の方法がある。1つの態様では、注目する
核酸の機能を、相補性分析により決定できる。すなわち、注目する核酸の機能を
、その核酸を導入することによって機能が置換されるか、又は増加する内在性遺
伝子を観察することにより決定できる。2つ目の態様では、核酸の機能を、当業
者に既知の方法に従って、酵素反応に由来する基質又は生産物の集積量の生化学
的変化を分析することにより決定できる。3つ目の態様では、核酸の機能を、形
態学的、巨視的、又は顕微鏡的分析などの方法によって宿主の表現型変化を観察
することにより決定できる。4つ目の態様では、核酸の機能を、その外来遺伝物
質の部分的及び/又は全体的な発現の結果、宿主において修飾された生化学経路
の変化を観察することにより決定できる。5つ目の態様では、核酸の機能を、そ
の外来遺伝物質の発現の結果、宿主細胞の細胞質において阻害された遺伝子発現
を、当業者に既知の技術を用いて観察することにより決定できる。
【0039】 遺伝子の機能を決定する特に有用な方法は、特定の外来遺伝物質を発現させた
生物体の表現型を観察することによる。顕微鏡的に、巨視的に、又はその他の方
法により観察できる生物体の有用な表現型の特徴には、限定でなく、殺虫剤に対
する耐性の向上、極端な高温又は低温、渇水、塩分又は浸透圧ストレスに対する
耐性の向上、疾患(真菌、細菌又はウイルス性)に対する耐性の向上、酵素又は
二次代謝産物の生産などがある。その他の例には、重要なタンパク質又はその他
の生産物、例えば抗体、ホルモン、医薬、抗生剤などの生産がある。表現型の特
徴には、その生産が望まれる二次代謝産物もある。
【0040】 この様な研究を補助するために提唱された1つの方策は、発現された遺伝子を
同定するために用いることができる発現配列タグ(EST) のデータベースを作るこ
とである。発現配列タグの収集及び分析は、ゲノム研究の重要な部分となった。
遺伝子産物を同定するために、従って遺伝子クローニングを加速するために、ES
T データを用いることができる。進行中の配列決定の研究から得られた膨大な量
の配列情報を保存且つ理解するために、種々の配列データベースが作成された。
機能的な遺伝子を単離し、そしてその生物学的機能を決定するための研究を促進
するために、本発明の方法を用いることができると特に考えられる。
【0041】 5点目として、本発明は、本発明の方法によって得られた遺伝子及びその断片
、ヌクレオチド配列、並びに遺伝子産物に関する。本発明は、宿主生物において
、選択した外来遺伝物質、例えばヌクレオチド配列を発現させることに関する。
当業者に明白な通り、外来遺伝物質からの遺伝子産物を、当業者に既知の方法に
よって単離できる。その遺伝子産物は、医薬としての生物活性、及びその他の類
似の機能を有し得る。
【0042】 本発明を更に明確にするために以下の定義を示す。以下の定義は、限定するた
めでなく、その用語の意味を明確するためのものである。 発現配列タグ(EST) :cDNAクローン及びそれに由来するRNA の1又は複数の末
端から得られた比較的に短い単一パスのDNA 配列。それらは、5'又は3'方向で存
在し得る。EST は、特定の遺伝子を同定するために有用であることが示されてい
る。 発現:この用語は、1又は複数の転写、逆転写及び翻訳の合体を意味する。 遺伝子:1又は複数の細胞内産物を生産すること、及び/又は1又は複数の細
胞間又は細胞内機能を実行することを担う別個の核酸配列。 宿主:外来遺伝物質、例えば核酸を複製することでき、そしてバキュロウイル
ス又はその転移ベクター断片などを用いて同物質を移入することができる細胞、
組織又は生物体。この用語は、適宜、原核細胞及び真核細胞、臓器、組織又は生
物体を指す。 転移ベクター:外来遺伝物質の転写及び/又は翻訳を実行させるために、宿主
細胞に外来遺伝物質を転移させることができるヌクレオチド配列。この用語は、
特には、バキュロウイルス及びその断片、例えば線状化した断片を指す。
【0043】好ましい態様の実施例 以下の実施例により更に本発明を説明する。当実施例は、本発明を限定するも
のではない。当実施例では、タンパク質及びペプチドを迅速に生産するために、
続いてその機能を評価するために、宿主昆虫細胞において自動的な様式で、組換
えバキュロウイルス発現系により外来遺伝物質を発現させ得ることを特に説明す
る。
【0044】実施例1 cDNAの選択及び、96ウエル形式への再整列化 cDNAクローンが利用可能である遺伝子群を選択する。当cDNAを96ウエルプレー
トに整列化させる。そのために、Lawrence Livermore National Laboratoriesで
使用されている様な再整列化ロボットを使用できる。必要に応じて、クローンの
同定のために配列決定を行う。ウエル間で再現性を予備的に評価するために、い
くつかのクローンを複数のウエルにまく。また、各再整列化プレート毎に、クロ
ーン識別名、配列アクセス番号、経代数などを得るために、データ追跡処理を始
める。選択したクローンには、既知及び未知クローンの混合もあるだろう。既知
クローンのために、いくつかの完全な標本及びいくつかの部分的な標本を含ませ
る。
【0045】実施例2 整列化したcDNAの増幅 組換え及び発現に必要な要素を含有する線状の組換えバキュロウイルス発現系
(転移ベクター)に連結された増幅したcDNAを直接移入する。これにより、この
工程を自動化するために必要な過程の数が最小になり、cDNAクローンの多様な収
集群を扱う柔軟性が最大となる。
【0046】 各cDNAライブラリーベクターのために適当なPCR プライマーを設計し、そして
合成する。当プライマーは、転移ベクター断片に直接連結するための制限部位を
含む。それらのプライマーによりcDNA挿入体を増幅し、適当な制限酵素により切
断し、転移ベクター断片に連結し、必要なら精製し、そして昆虫細胞に移入する
。移入した細胞からの上清を経代して、高力価の組換えウイルス保存液を作成し
た。単一塩基末端による連結のために未消化PCR 産物を用いている可能性も調べ
る。配列の誤りを下げるために、最も忠実な熱安定性ポリメラーゼを使用するこ
と、並びに増幅サイクル数を最小にすることが重要である。
【0047】 各cDNA挿入体が、当転移ベクターの開始コドンに対して適切な読み枠に位置す
ることを保証するために、各cDNAクローン毎に適当な転移ベクターを選択する必
要がある。そのために、cDNAクローンの既知の5'配列(EST) の分析に基づいて適
切なベクターを選択する様に、ロボットピペッターをプログラムする。
【0048】実施例3 増幅したcDNAを保有且つ適用するためのバキュロウイルス転移ベクターの構築 利用できるcDNAライブラリーからcDNA断片より速くクローニングするために、
新規な一連の発現ベクターを構築する。当発現ベクターは、昆虫細胞での発現に
おける最近の進展を利用する。クローン化された転移ベクタープラスミドよりも
むしろ、転移ベクター要素及びcDNA挿入体を含有する連結された断片を、昆虫細
胞に移入することによって、組換えバキュロウイルスを作成することができる。
これにより、プラスミドのクローニングを省略することができ、組換えバキュロ
ウイルスの調製工程が大きく簡単になる。当ベクターは、cDNA挿入体を増幅する
ために用いられるプライマーに特異的な唯一の制限酵素部位、例えばSfiI及びNo
tIを含むだろう。従って当ベクターにより発現されるタンパク質産物は、N-末端
にEEタグを有し、その後リンカー配列に由来する2〜4アミノ酸に続く。
【0049】 バキュロウイルスのアポトーシス耐性遺伝子(p35遺伝子)が同定された。これ
は、ある種の細胞株においてウイルス収量を増加させる。Clem et al., Science
254:1388-1390 (1991) 。この遺伝子を保有する組換えバキュロウイルスは、適
当な宿主において選択的に(106まで)増幅され得る。Lerch et al., Nucleic Ac
ids Research 21:1753-1760 (1993)。ウイルス保存液中の組換えバキュロウイル
スの割合を、確実に100%近くに維持するために、設計ベクター中に当遺伝子を含
有させ、宿主のウイルス株からそれを除く。詳しくは、p35 アポトーシス抑制因
子遺伝子を、ポリヘドリンプロモーターの上流に挿入する。当ベクターを、p35
遺伝子を欠いたバキュロウイルス株と共に用いるので、組換えウイルスの更なる
選択が可能になる。当ベクターは、その他の部分では、当ベクターが由来するpA
coG 及びpAcOGSと同一である。
【0050】 当ベクターを、Cetus Corporation で開発されたバキュロウイルス株polyBsu2
(Martha Stampfer and Robin Clark未公開)からのDNA と共に、同時に移入する
。その株は、3つのBsu36I部位を有し、それを切断した場合には、そのバキュロ
ウイルスゲノムから必須のORF-1629が除かれる。従って当株は、以前に記載され
た株に非常に類似する。Kitts et al., Biotechniques 14:810-817 (1993) 。Bs
u361で消化したpolyBsu2 DNAの生存力は、ORF-1629を有する転移ベクターDNA と
の組換えによってのみ回復し得る。p35 アポトーシス抑制因子遺伝子を不活性化
するために、標準的な組換え法によって当株を修飾する。
【0051】実施例4 連結されたDNA の直接移入による組換えバキュロウイルスの調製 特に確固とした形式を開発するために、昆虫細胞培養の多数の側面を最適化す
る。例えば、96ウエルプレートでのSf9 宿主細胞の接種において、接種する細胞
密度を最適化する。 高生産性及び/又は自動化工程を促進する様に計画されたいくつかの実験で、
大量培養されたSf9 を接種原として用いた。無血清昆虫用培地中で当接種原を増
殖させ、そして96ウエルプレート中で、種々の密度で当細胞を培養した。再現性
よく24時間を超えて対数増殖するための接種原密度が得られた。従ってその様な
培養によって、組換えバキュロウイルスの感染、並びに、供与体の転移ベクター
及び受容体のバキュロウイルスDNA による同時移入の両方にとって最適な条件に
おける培養が可能となる。
【0052】実施例5 組換えバキュロウイルス発現系からタンパク質を生産する方法を最適化する。
しかしその方法として、現在利用でき且つ文献に記載されている方法でよいと思
われる。必要とされる操作、例えば細胞培養、感染、感染細胞の収集、溶解液の
調製、親和性クロマトグラフィー、及び精製タンパク質の保存、の小型化及び自
動化を、過度の実験無しに、既知の方法に従って最適化する。
【0053】実施例6 Glu-Glu タグを用いた組換えタンパク質の親和性精製 多くの方法の1つに従って、バキュロウイルス感染細胞から、希望する生成物
を精製する。注目する抗原を、精製を容易にするポリペプチドとの融合体として
合成する多数の発現ベクターが開発されている。例えば、プロテインA融合タン
パク質を、IgG 親和性により精製し、ポリアルギニン融合タンパク質を、陽イオ
ン交換により精製し、ポリヒスチジン融合体を、亜鉛イオンのキレート化により
精製し、βガラクトシダーゼ融合体、及び特異的免疫原との融合体を、免疫親和
性により精製し、そしてβガラクトシダーゼ、マルトース結合タンパク質及びグ
ルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST) 融合タンパク質を、基質親和性により精
製し得る。
【0054】 EEすなわちGlu-Glu 抗ペプチド抗体により認識されるエピトープタグを用いる
こともできる。Grussenmeyer et al., Proc.Natl.Acad.Sci. 82:7952-7954 (198
5)。その抗体が、ポリオーマ中間t抗原の主要チロシンリン酸化部位を含むペプ
チドに対して作成された。Talmage et al., Cell 59:55-65 (1989)。タンパク質
精製のための当タグの利用は、Cetus Corporation において開発された(Rubinfe
ld et al., Cell 65:1033-1042 (1991))。これは、その目的のためにChiron Cor
porationにおいて用いられた最初のタグであった。当タグのエピトープは、Mimo
topeペプチドスキャン分析により完全に特性評価され、そして最適化された(Mar
io Geysen, John Wang and Robin Clark未公開データ)。当抗体は、当タグに対
して中度の親和性(Kd 2 x 10-7) を有し、従って、非変性条件下で遊離ペプチド
により、タグ付きタンパク質を迅速に溶離することができ、一方粗溶解物中のタ
ンパク質への効率的な結合が保たれている。通常はN-末端に配置するが、C-末端
又はタンパク質の内部部分に配置した場合でも、当タグは認識される。当抗体は
、免疫沈降、免疫蛍光及びウエスタンブロットにも有用である。Garcia et al.,
Mol.Cell Biol. 13:6615-6620 (1993) 。当抗体は、EEハイブリドーマによって
高レベルで生産されるので、当抗体の供給は問題ない。10L の調製液から、通常
3-5gの精製タンパク質が得られる。当EEタグには、src などのタンパク質キナー
ゼの強力なチロシンリン酸化基質を含んでいるという別の利点もある。Garcia e
t al., J.Biol.Chem. 268:25146-25151 (1993)。この特徴部分は、高生産性タン
パク質相互作用検査のための有用な検出標識として有用である。それを、放射活
性リン酸により直接標識するか、又は抗リン酸化チロシン抗体によって検出する
ことができる。
【0055】 一連のバキュロウイルス発現ベクター、pAcOG1, 2 及び3により、当EEタグの
使用が用意になった。それらでは、pAcC13の元々のポリリンカーが、3フレーム
全部で、開始メチオニン、Glu-Glu エピトープタグ、及び複数の単一制限酵素部
位をコードする合成ポリリンカーで置換されている。Munemitsu et al., Mol.Ce
ll.Biol. 10:597-5982 (1990) 。それらのベクターを用いることで、挿入コーデ
ィング配列(天然の停止コドンを有する)がN-末端のEEタグとインフレームで連
結されているバキュロウイルス発現ベクターを一過程で構築することができる。
もう1つのベクター組、pAcO G1S, 2S及び3Sもまた、自身の停止コドンを保有し
ない部分構成体のために、3フレーム全部で、一連の一列に並んだ停止コドンを
有する。当該部位の順序は、cDNAライブラリーの作成のために最も一般的に用い
られている制限酵素に応じて変動した。開始メチオニンの上流及び下流に、Sf9
細胞での発現を増強することが経験的に決定された独特の配列を配置することに
よって、当ベクター自身は、発現のために最適化された。これらのベクターを用
いて、多数のEEタグ付きタンパク質が生産された。
【0056】 高生産性の自動化が可能な96ウエル形式において、Glu タグ付きタンパク質を
簡便に免疫検査できることを示すために、以下の実験を行った。Immobilon-P 膜
を含むMillipore MAIP N45高タンパク質結合プレートを、Glu タグ又はGST タグ
付きタンパク質で処理し、そして抗Glu-Glu モノクローナル抗体、及びアルカリ
ホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG 二次抗体を用いて結合検査した。SigmaFas
t BCIP/NBT錠を用いて、アルカリホスファターゼを検出した。図4に示す通り、
精製したRho-EE, E2F-EE及びMut1-EE は、0.1-2.0 μg/ウエルの濃度範囲で検出
された。それらの結果から、96ウエル形式において組換えタンパク質を定量する
ために、Glu タグを、簡便且つ特異的な免疫検査によって測定できることが分か
る。更にこの技法を、組換えバキュロウイルスのスクリーニングのために限界希
釈検査に容易に適用でき、そして96ウエルプレートにおけるその場での組換えタ
ンパク質検査にも適用できる。
【0057】実施例7 それらの結果から、同一の96ウエルプレート上で、Sf9 細胞をまき、そしてウ
イルスを感染させた後、バキュロウイルスにより発現された組換えタンパク質に
対して、酵素検査を行うことができる。容易に比色定量できる酵素(例えばGus)
を発現するウイルスを用いた。しかしこの原理を、他の機能を有するタンパク質
に拡大することができる。
【0058】 βグルクロニダーゼ(Gus) を発現する組換えバキュロウイルスを用いて、96ウ
エルプレートで、組換えタンパク質を酵素的に検出した。Sf9 細胞を昆虫用無血
清培地中で対数期の中間まで増殖させ、それを40000 細胞/100μl/ウエルの密度
で、96ウエルの平底ポリスチレン培養プレートにまいた。rGusウイルスを連続的
に10倍ずつ希釈した。ウイルス希釈液の添加後、プレートを数日間インキュベー
ションし、そしてX-グルクロニドを各ウエルに添加した。X-グルクロニドは、β
グルクロニダーゼの組織化学用基質であり、その加水分解により青色基質を生じ
る。
【0059】 基質添加後数分以内に、多数のウエルで青色発色が認められた。高希釈では、
低MOI での感染によりrGus生産が増加するに連れて、24時間を超えて発色が継続
した。感染させたウエルの上清で、そして顕微鏡観察する場合には個別の細胞で
、発色を視認することができた。図3で示す通り、それらの結果から、バキュロ
ウイルス感染培養において、少数の細胞を低MOI で感染させた場合、酵素活性を
容易に検出できることが分かる。従って、バキュロウイルス感染後に、当酵素検
査及び類似の酵素検査を、高生産性の自動化方法に適用することができる。
【0060】実施例8 この実施例では、クローニング過程無しに、小型化した形式(96ウエル)でcD
NAクローンから組換えバキュロウイルスを生産するという本発明のいくつかの原
則を示す。当方法の原則的要素を図2に示す。 過程1:cDNAクローンプラスミドを含有する細菌培養を、96ウエルプレートに
整列化させる。当プラスミドは、発現マーカーとして一般に利用されているGUS
遺伝子を含有するBluescript cDNA ライブラリーベクターである。 過程2:cDNA挿入部位の両側のプラスミドベクター配列にハイブリダイズする
プライマーを用いて、PCR によってGUS 遺伝子挿入体を増幅する。また当プライ
マーは、その5'末端に制限部位(5'プライマーにはNotI、そして3'プライマーに
はSfiI)を含有する。その制限部位を含有するプライマー部分は、前記のプラス
ミドベクター配列にハイブリダイズせず、しかしPCR 産物には組み込まれる。 過程3:過程2で得たPCR 産物を制限酵素NotIとSfiIで消化して、その産物に
適当な付着末端を作成する。
【0061】 過程4:過程3で得た制限断片を、Arrayit 96ウエルDNA 精製装置上でのクロ
マトグラフィーにより精製する。 過程5:pAcOP2をNotI, SfiI, PvuII 及びXhoIで消化することによって、バキ
ュロウイルス転移ベクターのアームを作成する。pAcOP2プラスミドは、NotIとSf
iI制限部位を含有するクローニング部位の前にEEエピトープタグを保有する。そ
のEEタグは、開始コドンを有し、そしてポリヘドリンプロモーターによって転写
される様に配置されている。pAcOP2は、orf-1629及びp35 選択マーカーも保有す
る。これが、図2で示したバキュロウイルス転移ベクターの例である。制限消化
したDNA を、Qiagenのカラムクロマトグラフィーによって精製する。 過程6:過程4及び5で得た制限断片を混合して、DNA リガーゼで相互に連結
する。 過程7:orf-1629領域内にBsu36I制限酵素部位を含有するバキュロウイルスDN
A をBsu36Iで消化して、orf-1629遺伝子を完全に欠失した線状断片を作成する。
【0062】 過程8:標準的な昆虫細胞への移入法、例えばInvitrogenのリポフェクション
法によって、過程6で得た連結断片を、過程7で得たバキュロウイルスDNA と共
に、(96ウエルプレートにまいた)昆虫細胞(Sf9) に同時に移入する。 過程9:過程8で得た移入済みSf9 を5日間培養する。得られたバキュロウイ
ルス保存液を、Sf9 細胞上で2回経代する。 過程10:過程9で得た、経代したウイルス保存液を、150 μg/mlのX-glucを含
有する培地に10倍希釈し、それによって96ウエルプレート上のSf9 細胞を感染さ
せる。96ウエル中8ウエルを対照実験に用いる。 過程11:感染2日後に、過程10のプレート上で、各ウエルの青色の発色を評価
する。その発色はGUS 遺伝子の発現を表す。ウエル総数に対する青発色したウエ
ル数の割合は、当方法の効率及び成功度を表す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法に従って行われ得る高生産性タンパク質の機能検査のた
めの一般的な説明図である。整列した状態で、選択したcDNAクローンを増幅し、
場合によりタグで修飾し、そして線状化した組換えバキュロウイルス転移ベクタ
ー内に移入し得る。次にその組換えバキュロウイルス発現系を、適当な宿主細胞
、例えば昆虫細胞内に移入し得る。外来遺伝物質の生産物を、適当な精製方法、
例えば親和性による方法によって精製し得る。
【図2】 図2は、本発明を、遺伝物質、例えばEST cDNAクローンの発現に適用できるこ
とを示す。外来遺伝物質を高レベルで発現させるために、p35 アポトーシス抑制
因子遺伝子、ポリヘドリンプロモーター、EEタグ、及び、ポリヘドリンプロモー
ターの支配下にあるクローニング部位を含有するバキュロウイルスを、外来遺伝
物質、例えばEST cDNAクローンに連結し得る。次に、外来遺伝物質の生産物を発
現させるために、外来遺伝物質を含有するバキュロウイルス発現系を宿主細胞、
例えば昆虫細胞に移入し得る。EST cDNAクローンを、当分野に周知のPCR 法に従
って増幅し、注目のクローニング部位にクローニングするために適切に調製し得
る。この様な方法により、外来遺伝物質の高転写速度及び高翻訳速度が得られ、
従って高レベルのタンパク質生産及び遺伝子機能の高速分析が可能となる。
【図3】 図3は、βグルクロニダーゼ(Gus) を発現する組換えバキュロウイルスを用い
て、96ウエルプレートで、組換えタンパク質を酵素的に検出することを示す。Sf
9 細胞を昆虫用無血清培地中で対数期の中間まで増殖させ、それを40000 細胞/1
00μl/ウエルの密度で、96ウエルの平底ポリスチレン培養プレートにまいた。rG
usウイルスを連続的に10倍ずつ希釈した。ウイルス希釈液の添加後、プレートを
数日間インキュベーションし、そしてX-グルクロニドを各ウエルに添加した。X-
グルクロニドは、βグルクロニダーゼの組織化学用基質であり、その加水分解に
より青色基質を生じる。基質添加後数分以内に、多数のウエルで青色発色が認め
られた。基質添加後数分以内に、多数のウエルで青色発色が認められた。高希釈
では、低MOI での感染によりrGus生産が増加するに連れて、24時間を超えて発色
が継続した。
【図4】 図4は、Immobilon-P 膜を含むMillipore MAIP N45高タンパク質結合プレート
を、Glu タグ又はGST タグ付きタンパク質で処理し、そして抗Glu-Glu モノクロ
ーナル抗体、及びアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG 二次抗体を用い
て結合検査した場合の結果を示す。SigmaFast BCIP/NBT錠を用いて、アルカリホ
スファターゼを検出した。これらのデータは、0.1-2.0 μg/ウエルの濃度範囲で
、精製したRho-EE, E2F-EE及びMut1-EE が検出されたことを示す。
【図5】 図5は、96ウエルプレートの像から、本発明の方法により、クローニング工程
無しに、組換えバキュロウイルスが効率的に生産され得ることを示す。比色法に
より発現を検出できるマーカー遺伝子(GUS) を、IMAGE ライブラリーベクター(S
tratagene 社ブルースクリプト) の1つにクローン化した。96ウエルプレートで
当クローンの細菌を培養増殖し、それをPCR に用いた(細菌から直接に)。ベク
ター配列にハイブリダイズし、且つLigation Independent Cloning (LIC)用の配
列を含む様に、PCR プライマーを設計した。生成産物をT4 DNAポリメラーゼで消
化し、組換え用アーム(T4 DNAポリメラーゼによりLIC 用に調製した)にアニー
ルさせ、連結した。次にその連結産物を、線状化したバキュロウイルス(Bsu361
で切断したpolyBSU2)と共に、96ウエルプレートにまいたSf9 細胞に同時移入し
た。生成したウイルスをSf9 細胞で3回経代して、ウイルス力価を増幅させ、そ
して標準化した。組換えバキュロウイルスを検出するために、最終経代した細胞
をMagenta-gluc(比色測定用のGUS 基質)で染色した(マゼンタ色で表示される
)。その染色像から、88の実験ウエル中78ウエルに組換えウイルスが存在するこ
とが示された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4B024 AA20 CA04 CA07 CA11 DA02 EA02 FA02 FA07 FA10 GA11 HA03 HA04

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの選択マーカー遺伝子、プロモーター、転写
    停止配列、及び、外来遺伝物質を挿入できるクローニング部位を含有するバキュ
    ロウイルス発現系。
  2. 【請求項2】 前記のプロモーターが、ポリヘドリン構造遺伝子のポリヘド
    リンプロモーター又はその断片である、請求項1のバキュロウイルス発現系。
  3. 【請求項3】 前記の転写停止配列が、ポリヘドリン構造遺伝子の転写停止
    配列又はその断片である、請求項1のバキュロウイルス発現系。
  4. 【請求項4】 タグ及び1又は複数の制限部位を更に含有する、請求項1の
    バキュロウイルス発現系。
  5. 【請求項5】 前記の選択マーカー遺伝子が、アポトーシス抑制因子p35 遺
    伝子である、請求項1のバキュロウイルス発現系。
  6. 【請求項6】 前記のアポトーシス抑制因子遺伝子が、前記ポリヘドリンプ
    ロモーターの上流に位置する、請求項5のバキュロウイルス発現系。
  7. 【請求項7】 下記の過程を含んで成る、組換えバキュロウイルス発現系を
    生産するための方法: (a) 少なくとも1つの選択マーカー遺伝子、プロモーター、例えばポリヘドリン
    構造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断片、転写停止配列、例えばポ
    リヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、外来遺伝物質を挿入できる
    クローニング部位、場合によりタグ、並びに場合により1又は複数の制限部位を
    含んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供給する過程;並びに (b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウイルス
    転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程。
  8. 【請求項8】 前記のバキュロウイルス転移ベクターが線状化されている、
    請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 前記の外来遺伝物質がcDNAである、請求項7の方法。
  10. 【請求項10】 前記の連結が、整列したマルチウエル上で自動的に行われ
    る、請求項7の方法。
  11. 【請求項11】 下記の過程を含んで成る、外来遺伝物質を発現させるため
    の方法: (a) アポトーシス抑制因子遺伝子、プロモーター、例えばポリヘドリン構造遺伝
    子のポリヘドリンプロモーター又はその断片、転写停止配列、例えばポリヘドリ
    ン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、外来遺伝物質を挿入できるクローニ
    ング部位、場合によりタグ、並びに場合により1又は複数の制限部位を含んで成
    るバキュロウイルス転移ベクターを供給する過程; (b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウイルス
    転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程;並びに (c) 外来遺伝物質を含んでいる当バキュロウイルス転移ベクターを宿主細胞内に
    移入する過程。
  12. 【請求項12】 前記方法により生産された遺伝子産物を精製する過程を更
    に含んでいる、請求項11の方法。
  13. 【請求項13】 前記の精製をタグエピトープの免疫検査によって行う、請
    求項12の方法。
  14. 【請求項14】 前記のバキュロウイルス転移ベクターが線状化されている
    、請求項11の方法。
  15. 【請求項15】 前記の外来遺伝物質がcDNAである、請求項11の方法。
  16. 【請求項16】 前記の連結が、整列したマルチウエル上で自動的に行われ
    る、請求項11の方法。
  17. 【請求項17】 前記の宿主細胞がバキュロウイルスゲノムを保有する、請
    求項11の方法。
  18. 【請求項18】 前記の宿主細胞が、アポトーシス抑制因子遺伝子を含有し
    ていないバキュロウイルスゲノムを保有する、請求項11の方法。
  19. 【請求項19】 下記の過程を含んで成る、外来遺伝物質の機能を決定する
    方法:(a) アポトーシス抑制因子遺伝子、プロモーター、例えばポリヘドリン構
    造遺伝子のポリヘドリンプロモーター又はその断片、転写停止配列、例えばポリ
    ヘドリン構造遺伝子の転写停止配列又はその断片、外来遺伝物質を挿入できるク
    ローニング部位、場合によりタグ、並びに場合により1又は複数の制限部位を含
    んで成るバキュロウイルス転移ベクターを供給する過程; (b) 外来遺伝物質を当プロモーターの支配下に置くために、当バキュロウイルス
    転移ベクターのクローニング部位に外来遺伝物質を連結する過程; (c) 外来遺伝物質を含んでいる当バキュロウイルス転移ベクターを宿主細胞内に
    移入する過程;並びに (d) この様にして生じた生物学的な結果を観察する過程。
  20. 【請求項20】 前記の観察が、酵素反応に由来する基質又は生産物の集積
    の生化学的変化の分析である、請求項19の方法。
  21. 【請求項21】 前記の観察が、外来遺伝物質を保有する第1細胞における
    RNA 発現態様と、その注目の外来遺伝物質を保有しない第2細胞におけるRNA 発
    現態様との比較である、請求項19の方法。
  22. 【請求項22】 請求項11の方法に従って生産された、遺伝子又はその断
    片、核酸配列、及び遺伝子産物から成る群から選択された生産物。
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