JP2002030098A - バキュロウィルスの発芽ウイルスからウイルスエンベロープを回収する方法 - Google Patents

バキュロウィルスの発芽ウイルスからウイルスエンベロープを回収する方法

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JP2002030098A
JP2002030098A JP2000215416A JP2000215416A JP2002030098A JP 2002030098 A JP2002030098 A JP 2002030098A JP 2000215416 A JP2000215416 A JP 2000215416A JP 2000215416 A JP2000215416 A JP 2000215416A JP 2002030098 A JP2002030098 A JP 2002030098A
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protein
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Takao Hamakubo
隆雄 浜窪
Tatsuhiko Kodama
龍彦 児玉
Hiroko Iwanari
宏子 岩成
Yukio Ito
行夫 伊藤
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SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
Institute of Immunology Co Ltd
Todai TLO Ltd
Original Assignee
SENTAN KAGAKU GIJUTSU INCUBATI
Institute of Immunology Co Ltd
Center for Advanced Science and Technology Incubation Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/14011Baculoviridae
    • C12N2710/14022New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発芽ウイルスのヌクレオカプシッドとウイ
ルスエンベロープを分離し、目的膜蛋白質が発現された
ウイルス膜画分(enucleated virion envelope,EVE)を
回収する方法を提供すること。 【解決手段】 目的蛋白質が発現されたバキュロウィル
スの発芽ウイルスを物理化学的手法で処理することを含
む、該発芽ウイルスのヌクレオカプシッドとウイルスエ
ンベロープとを分離してウイルスエンベロープを回収す
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バキュロウィルス
の発芽ウイルスからウイルスエンベロープを回収する方
法に関する。より詳細には、本発明は、目的蛋白質が発
現されたバキュロウィルスの発芽ウイルスを物理化学的
手法で処理することを含む、該発芽ウイルスからウイル
スエンベロープを回収する方法に関する。本発明はま
た、上記回収方法を利用した化学物質のスクリーニング
方法、抗体の作製方法、及び目的蛋白質の精製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】バキュロウイルスと昆虫細胞を用いた蛋
白質の発現系は、膜蛋白質の発現系として広く用いられ
ている。このような発現系は、大腸菌や酵母を用いる発
現系に比べ、凝集物を作りにくく、糖鎖の付加や金属イ
オンの配位などタンパク質の機能に必要な翻訳後修飾が
入るなど利点が多い。
【0003】バキュロウイルス発現系はバキュロウイル
スの多角体蛋白質などのウイルス遺伝子のプロモーター
を利用して、目的遺伝子を昆虫細胞で大量に発現させる
システムである。
【0004】通常、昆虫細胞から発現蛋白質が回収され
るが、7回膜貫通型受容体(LoiselTP,Ansanay H, St-O
nge S, Gay B, Boulanger P, Strosberg AD, Marullo
S, Bouvier M., Nat Biotechnol. 1997 Nov;15(12):130
0-4., Recovery of homogeneous and functional beta
2-adrenergic receptors from extracellular baculovi
rus particles.)や特願2000―158294号明細
書に記載されている様々な膜蛋白質がウイルスのエンベ
ロープに発現されることが報告されている。
【0005】ウイルスのエンベロープに発現された膜蛋
白質は昆虫細胞に発現された蛋白質に比べ、機能を保持
している蛋白質の割合が多いことが報告されている。す
なわち、発現蛋白質の利用法としては、Sf9などの昆虫
細胞に発現された蛋白質を利用する方法に加えて、ウイ
ルスのエンベロープに発現された膜蛋白質を利用する方
法が新たに考えられるようになってきた。またウイルス
のエンベロープに存在する唯一のウイルス膜蛋白質であ
るgp64に目的蛋白質を融合、ウイルスエンベロープ上
にディスプレイする方法(Novagen, pBACsurf-1 expres
sion system)を用いて目的蛋白質に対するモノクロー
ナル抗体を作成する方法が報告された(Lindley K.M.,
Su J-L., Hodges P.K., Wisely B., Bledsoe R.K., Con
dreay J.P., Winegar D.A., Hutchins J.T., Kost T.A.
Production of monoclonal antibodies using recombi
nant baculovirus displaying gp64-fusion proteins.
Journal of Immunological Methods 234, 2000, 123-13
5)。
【0006】上記したように、バキュロウイルス発現系
では、従来のようにSf9などの昆虫細胞に発現された蛋
白質を利用する系、分泌されるタンパク質を利用する系
に加えて発芽ウイルスに発現されたタンパク質を利用す
る系がモノクローナル抗体作成等に新たに使用され始め
ている。
【0007】バキュロウイルスには封入体由来ウイルス
(occlusion derived virus, ODV)と発芽ウイルス(bu
dded virus, BV)の2種類の生活環があり、それぞれ昆
虫個体間感染および個体内細胞間感染の過程に適合して
いる。両者ともウイルスDNAと構造タンパク質でできた
ヌクレオカプシッド(nucleocapsid)とよばれる部分を中
心として、それを包むウイルスエンベロープ(virion e
nvelope)とよばれるウイルス膜とからできている。ウ
イルスエンベロープにはウイルス由来の膜蛋白質として
はgp64だけが知られている。上記の発芽ウイルスに発
現されている膜蛋白質はこのウイルスエンベロープに存
在していると考えられる。
【0008】膜蛋白質はホルモンや化学物質の受容体を
始め、チャネル蛋白質、物質輸送に関与する蛋白質、接
着因子、膜酵素、酵素の基質蛋白質、酵素の活性化因
子、抗原提示に関与する蛋白質、高次構造形成に関与す
る蛋白質など細胞の生理的機能に関わる重要な機能を有
している。これらの膜蛋白質を発現させ、その機能を利
用できるシステムを構築することは医薬品の開発やバイ
オセンサーの開発、モノクローナル抗体の作成などにつ
ながる重要な技術である。しかしながら、発芽ウイルス
のヌクレオカプシッドとウイルスエンベロープを分離
し、目的膜蛋白質が発現されたウイルス膜画分(enucle
ated virion envelope, EVE)を回収する簡易な方法は
これまでの所、報告されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明は、発芽
ウイルスのヌクレオカプシッドとウイルスエンベロープ
を分離し、目的膜蛋白質が発現されたウイルス膜画分
(enucleated virion envelope, EVE)を回収する方法
を提供することを解決すべき課題とした。さらに、本発
明は、上記した目的膜蛋白質が発現されたウイルス膜画
分の回収方法を利用した、化学物質のスクリーニング方
法、抗体の作製方法、及び目的蛋白質の精製方法を提供
することを解決すべき課題とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、バキュロウィルスの
発芽ウイルス(Budded Virus)を物理化学
的手法(具体的には、界面活性剤処理と密度勾配遠心分
離との組み合わせ)で処理することにより、該発芽ウイ
ルスのヌクレオカプシッドとウイルスエンベロープを分
離し、目的膜蛋白質が発現されたウイルス膜画分(enuc
leated virion envelope, EVE)を回収することに成功
し本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明によれば、以下の発明が提供
される。 (1) 目的蛋白質が発現されたバキュロウィルスの発
芽ウイルスを物理化学的手法で処理することを含む、該
発芽ウイルスのヌクレオカプシッドとウイルスエンベロ
ープとを分離してウイルスエンベロープを回収する方
法。 (2) 物理化学的手法による処理が、界面活性剤によ
る処理または凍結融解による処理と密度勾配遠心による
分離操作である、(1)に記載の方法。 (3) 界面活性剤としてtween20を使用する、(1)
又は(2)に記載の方法。 (4) 目的蛋白質が膜蛋白質である、(1)から
(3)の何れかに記載の方法。
【0012】(5) (1)から(4)の何れかに記載
の方法により得られる、目的蛋白質が発現されたウイル
スエンベロープ。 (6) (1)から(4)の何れかに記載の方法により
得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープ
を用いて、該ウイルスエンベロープ上に発現されている
目的蛋白質と被験物質との相互作用を測定することを含
む、化学物質のスクリーニング方法。 (7) (1)から(4)の何れかに記載の方法により
得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープ
を用いて、該ウイルスエンベロープ上に発現されている
目的蛋白質に対するポリクローナル抗体又はモノクロー
ナル抗体を作製する方法。 (8) (7)に記載の方法により得られるポリクロー
ナル抗体又はモノクローナル抗体。 (9) (1)から(4)の何れかに記載の方法により
得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープ
を溶解剤で処理し、該目的蛋白質を可溶化および精製す
る方法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様及び実施
方法について詳細に説明する。本発明の方法は、目的蛋
白質を発現するバキュロウィルスの発芽ウイルスを物理
化学的手法で処理することを含む、該発芽ウイルスのヌ
クレオカプシッドとウイルスエンベロープを分離する方
法に関する。本明細書で言う目的蛋白質とは、好ましく
は膜蛋白質であり、より好ましくは膜結合型酵素、該膜
結合型酵素の基質、膜結合型酵素活性化因子、膜結合型
輸送蛋白質、チャネル蛋白質、膜の構造蛋白質、接着関
与蛋白質、抗原提示に関わる蛋白質、又は蛋白質の高次
構造形成に関わる蛋白質から選択される蛋白質である。
以下、膜蛋白質についてさらに詳細に説明する。
【0014】本明細書で言う「膜結合型」とは、蛋白質
が細胞膜並びに細胞内小器官(例えば、小胞体やゴルジ
体等)の形質膜に存在することを広く意味し、その蛋白
質の種類は特に限定されない。好ましくは、膜結合型受
容体、膜結合型酵素、該膜結合型酵素の基質、膜結合型
酵素活性化因子又は膜結合型輸送蛋白質、チャネル蛋白
質、膜の構造蛋白質、接着関与蛋白質、抗原提示に関わ
る蛋白質、又は蛋白質の高次構造形成に関わる蛋白質
は、細胞内小器官の膜結合蛋白質であり、例えば、小胞
体やゴルジ体の膜に結合した蛋白質である。
【0015】膜結合型受容体としては、ホルモン、臭
い、味、光などに対する7回膜貫通型受容体、LDL受容
体やスカベンジャー受容体,成長ホルモンやインスリ
ン、TNFα,グルタミン酸等に対する1回膜貫通型受容
体、GABA、アセチルコリン、リアノジンなどのイオンチ
ャネル型受容体およびT細胞受容体、Fc受容体、などの
複合体を形成するものなどが挙げられる。膜結合型酵素
としては、コレステロール代謝に関わるHMG-CoA還元酵
素やACAT(acyl-coenzyme A:cholesterol acyltransfer
ase)、7α−hydroxylaseなどがあげられる。また解毒に
関わるシトクロームP450系、ミトコンドリアに存在
するATP合成酵素やシトクロム酸化酵素および還元酵
素、NADH-Q還元酵素などの電子伝達系酵素があげられ
る。またホルモンや調節因子、栄養因子などのプロセッ
シングに関わるプロセッシングプロテアーゼ群としてS
1P(site 1 protease)、furin、PC(proprotein conv
ertase)、S2P(site 2 protease)、エンドセリン変換酵
素(endothelin converting enzyme)、アンギオテンシ
ン変換酵素(angiotensin converting enzyme)、nepri
lysinなど、またnotchシグナルなどのシグナル伝達系に
関わるADAMS(a disintegrin and metalloprotease) fam
ilyや細胞外基質の分解に関わるmatrix metalloproteas
e群があげられる。その他diacylglycerol合成酵素、ホ
スファチジン酸ホスファターゼ、ホスファチジルセリン
合成酵素などの膜脂質代謝酵素、adenylate cyclaseな
どのシグナル伝達に関与する酵素があげられる。
【0016】膜結合型の酵素基質蛋白質としては,シグ
ナル伝達,転写調節に関わる蛋白質としてステロール調
節蛋白質(SREBP)、Notch、Ire1、ATF6などがあげら
れ、またその他アミロイド前駆体蛋白質(Amyloid prec
ursor protein)、TNFα(tumor necrosis factor)pre
cursor、Stem cell factor、M-CSF (monocyte colony s
timulating factor) precursor、Klothoなどがあげられ
る。
【0017】膜結合型酵素活性化因子としては,プレセ
ニリン(presenillin),SCAP(SREBPcleavage activating
protein), などがあげられる。
【0018】膜結合型輸送蛋白質としては,コレステロ
ールなどの脂質を輸送するNPC(Niemann-Pick type c)
1、ABC(ATP-binding cassette)トランスポーター、カベ
オリン(caveolin)、脂肪酸トランスポーター(fatty a
cid transporter)があげられ、またGLUT1-4などのグル
コーストランスポーターを含む糖トランスポーター、gl
utamate tanspoter、serotonin transporterなどのアミ
ノ酸トランスポーターなどがあげられる。また細胞内ベ
ジクル間の物質輸送に関与する膜蛋白質としてSec12な
どがあげられる。
【0019】さらに膜を透過しない分子をある条件のも
とに選択的に通過させるチャネル蛋白質があげられる.
その中には水の選択的チャネルであるアクアポリンファ
ミリー、またカリウムイオン、カルシウムイオン、ナト
リウムイオンなどに対する選択的チャネルであるイオン
チャネルなどがあげられる。
【0020】その他膜の構造蛋白質および接着に関与す
る蛋白質として、NCAM(Neural celladhesion molecul
e)、ICAM(interecellular adhesion molecule)、カドヘ
リンファミリー、インテグリン、デスモコリン、デスモ
グレイン、L-selectin、connexin、 グリコプロテイン
などがあげられる。また免疫細胞において抗原提示に関
わる主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibi
lity complex; MHC),蛋白質の高次構造形成に関わる
と考えられるcalnexin、PDI(protein disulfide isomer
ase)、CFTR (cystic fibrosis transmembrane conducta
nce regulator)、 major prion protein precursor(プ
リオン)などのシャペロン蛋白質があげられる。
【0021】本発明では、上記したような目的蛋白質を
コードする遺伝子を含む少なくとも1種の組換えバキュ
ロウィルスを使用する。昆虫に感染して病気を起こすウ
イルスであるバキュロウイルスは、環状の二本鎖DNA
を遺伝子としてもつエンベロープウイルスで、鱗翅目、
膜翅目および双翅目などの昆虫に感受性を示す。バキュ
ロウイルスの中で、感染細胞の核内に多角体(ポリヒド
ラ)と呼ばれる封入体を大量につくる一群のウイルスが
核多角体病ウイルス(NPV)である。多角体は、分子
量31kDaのポリヘドリンタンパクより構成され、感
染後期に大量につくられその中に多数のウイルス粒子を
埋め込んでいる。多角体はウイルスが自然界で生存する
ためには必須であるが、ウイルスの増殖そのものには必
要ないので、多角体遺伝子の代わりに発現させたい外来
遺伝子を挿入してもウイルスは全く支障なく感染し増殖
する。
【0022】本発明で用いられるバキュロウイルスとし
ては、NPVのキンウワバ亜科のオートグラファ・カリ
フォルニカ(Autographa californica)NPV(AcN
PV)やカイコのボンビックス・モリ(Bombyx mori )
NPV(BmNPV)などのウイルスがベクターとして
用いることができる。AcNPVの宿主(感染、継代細
胞)としてはスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera
frugiperda )細胞(Sf細胞)などが挙げられ、Bm
NPVの宿主(感染、継代細胞)としてはBmN4細胞
などが挙げられる。Sf細胞は、BmN4細胞などに比
べ増殖速度が速いこと、また、AcNPVはヒト肝細胞
およびヒト胎児腎細胞などにも感染する能力を有するこ
とから、AcNPV系のベクターが好ましい。
【0023】宿主としては、Spodoptera Frugiperda細
胞系統Sf9およびSf21などがS.frugiperda幼虫の卵巣組
織から確立しており、Invitrogen社あるいはPharmingen
社(San Diego,CA)、又はATCCなどから入手可能であ
る。さらに、生きている昆虫幼虫を宿主細胞系として使
用することもできる。
【0024】本発明で用いる組換えウイルスを構築する
方法は、常法に従って行えばよく、例えば次の手順で行
うことができる。先ず、発現させたい蛋白質の遺伝子を
トランスファーベクターに挿入して組換えトランスファ
ーベクターを構築する。トランスファーベクターの全体
の大きさは一般的には数kb〜10kb程度であり、そ
のうちの約3kbはプラスミド由来の骨格であり、アン
ピシリン等の抗生物質耐性遺伝子と細菌のDNA複製開
始のシグナルを含んでいる。通常のトランスファーベク
ターではこの骨格以外に、多角体遺伝子の5’領域と
3’領域をそれぞれ数kbずつ含み、以下に述べるよう
なトランスフェクションを行った際に、この配列間で目
的遺伝子と多角体遺伝子との間で相同組換えが引き起こ
る。また、トランスファーベクターには蛋白質遺伝子を
発現させるためのプラモーターを含むことが好ましい。
プロモーターとしては、多角体遺伝子のプロモーター、
p10遺伝子のプロモーター、キャプシド遺伝子のプロ
モーターなどが挙げられる。
【0025】トランスファーベクターの種類は特に限定
されない。トランスファーベクターの具体例としては、
AcNPV系トランスファーベクターとしては、pEV
mXIV2、pAcSG1、pVL1392/139
3、pAcMP2/3、pAcJP1、pAcUW2
1、pAcDZ1、pBlueBacIII、pAcU
W51、pAcAB3、pAc360、pBlueBa
cHis、pVT−Bac33、pAcUW1、pAc
UW42/43などが挙げられ、BmNPV系トランス
ファーベクターとしては、pBK283、pBK5、p
BB30、pBE1、pBE2、pBK3、pBK5
2、pBKblue、pBKblue2、pBFシリー
ズ(以上、フナコシ株式会社、藤沢薬品工業株式会社等
から入手可能)などが挙げられる。
【0026】次に、組換えウイルスを作製するために、
上記の組換えトランスファーベクターをウイルスと混合
した後、宿主として用いる培養細胞に移入するか、ある
いは予めウイルスで感染させた宿主として用いる培養細
胞に上記のトランスファーベクターを移入し、組換えト
ランスファーベクターとウイルスゲノムDNAとの間に
相同組み換えを起こさせ、組み換えウイルスを構築す
る。ここで宿主として用いる培養細胞とは、上記した宿
主が挙げられ、通常、昆虫培養細胞(Sf9細胞やBm
N細胞など)である。培養条件は、当業者により適宜決
定されるが、具体的にはSf9細胞を用いた場合は10
%ウシ胎児血清を含む培地で、28℃前後で培養するこ
とが好ましい。このようにして構築された組み換えウイ
ルスは、常法、例えばプラークアッセイなどによって精
製することができる。なお、このようにして作製された
組換えウイルスは、核多角体病ウイルスの多角体蛋白質
の遺伝子領域に外来のDNAが置換または挿入されてお
り多角体を形成することができないため、非組換えウイ
ルスと容易に区別することが可能である。
【0027】本発明では、前記の組換えバキュロウイル
スを、上記した適当な宿主(Spodoptera Frugiperda細
胞系統Sf9およびSf21などの培養細胞、又は昆虫幼虫な
ど)に感染させ、一定時間後(例えば、72時間後等)
に培養上清から細胞外発芽ウイルス(budded virus, B
V)を遠心などの分離操作によって回収することによ
り、目的蛋白質を回収することができる。なお、組換え
バキュロウイルスは1種類のみ感染させてもよいし、2
種類以上の組換えバキュロウイルスを組み合わせて共感
染させてもよい。
【0028】細胞外発芽バキュロウイルスの回収は、例
えば、以下のように行うことができる。先ず感染細胞の
培養液を500〜1,000gで遠心分離して、細胞外
発芽バキュロウイルスを含む上清を回収する。この上清
を約30,000〜50,000gで遠心分離して細胞
外発芽バキュロウイルスを含む沈殿物を得る。この沈殿
物を適当な緩衝液に懸濁することにより、細胞外発芽バ
キュロウイルスを含むウイルス(BV)画分を得ることが
できる。
【0029】本発明では上記のようにして得られる目的
蛋白質を有するバキュロウィルスの発芽ウイルスを物理
化学的手法で処理することにより、ヌクレオカプシッド
とウイルスエンベロープとを分離する。本発明で用いる
物理化学的手法とは、バキュロウィルスの発芽ウイルス
からヌクレオカプシッドとウイルスエンベロープとを分
離することができれば特に限定されないが、例えば、界
面活性剤による処理と密度勾配遠心による分離操作、あ
るいは凍結融解による処理と密度勾配遠心による分離操
作などが挙げられる。
【0030】本発明で用いることができる界面活性剤の
種類は特に限定されないが、例えば、tween 20、triton
X 305、などが挙げられ、特に好ましくはtween20が挙
げられる。界面活性剤による処理は、発芽ウイルスを含
む画分をPBS等の適当な緩衝液中の界面活性剤溶液
(例えば、0.5%tween20/PBS溶液)と混合し、室温で
適当な時間静置することにより行うことができる。
【0031】凍結融解による処理としては、一般的に
は,ウイルス(BV)をPBSに懸濁し、−20℃に冷却
する。30分後に室温にもどし、融解させるという操作
を、例えば三回程度繰り返す方法を挙げることができ
る。PBSの代わりに又はPBSと一緒にリン酸緩衝液
又は水等の低張処理と組み合わせる方法や、温度をさら
に下げる(−80℃又は液体窒素中等)方法、融解温度
をより高温にする(例えば、37℃等)方法など、より
急激に凍結融解を行う方法を採用することもできる。凍
結融解による処理としては、このような条件を適宜組み
合わせることにより、最適な条件を設定することができ
る。
【0032】本発明で用いるその他の物理化学的手法と
しては、超音波処理や、圧をかけておいて急激に減圧す
る方法などを挙げることができる。超音波処理として
は、例えば、ウイルスをPBSに懸濁し,BransonのSon
ifier 250などの機械で,氷上で20秒を三回程処理す
る方法が挙げられるが、これより穏やかな条件で行う方
が好ましい場合もある。また、圧をかけておいて急激に
減圧する方法とは、具体的には、Nitrogen cavitation
装置などの装置を用いて、圧をかけてN2を溶解させて
おいて一気に減圧することによりN2を気化させること
により細胞を破壊するという原理に基づく方法である。
あるいは、French pressという細胞破壊法も利用可能で
あり、具体的には、細胞の懸濁液に圧をかけて細い穴を
通すことによって破壊する方法である。上記した通り、
本発明で用いる物理化学的手法の手段は特には限定され
ないが、特に好ましくは、界面活性剤による処理と密度
勾配遠心による分離操作が挙げられる。
【0033】本発明では、上記したようにバキュロウィ
ルスの発芽ウイルスを界面活性剤または凍結融解で処理
した後に、密度勾配遠心による分離操作を行う。密度勾
配遠心としては、例えば、ショ糖密度勾配超遠心を行う
ことができる。具体的には、適当な濃度勾配(例えば、
66.5%、45%、及び30%など)をつけてショ糖溶液を重層
し、その上層に界面活性剤又は凍結融解で処理した発芽
ウイルス含有溶液を重層し、例えば100,000g〜500、000
g(一例としては 350000g)で一定時間遠心した後、
最下層より分画する。
【0034】各画分のショ糖濃度(屈折率計)と蛋白濃
度(バイオラッドプロテインアッセシウテム、BSAスタ
ンダード)を測定し、ポリアクリルアミドSDS電気泳動
(SDS-PAGE) を行い、次いで銀染色を行うことによりタ
ンパク質を確認することができる。これにより、ウイル
ス蛋白質が存在すると考えられる画分を同定することが
できる。さらに、ウイルス蛋白質が存在すると考えられ
る画分を電子顕微鏡で詳細に観察することにより、ヌク
レオカプシッドを含まずにウイルスエンベロープを含む
画分を単離することができる。上記した方法により得ら
れる、目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープも
本発明の範囲内のものである。
【0035】本発明はさらに、上記した方法により得ら
れる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープを用
いて、該ウイルスエンベロープ上に発現されている目的
蛋白質と被験物質との相互作用を測定することを含む、
化学物質のスクリーニング方法に関する。
【0036】スクリーニングに供される化学物質として
は、例えばペプチド、ポリペプチド、合成化合物、微生
物発酵物、生物体(植物又は動物の組織、微生物、又は
細胞などを含む)からの抽出物、あるいはそれらのライ
ブラリーが挙げられる。ライブラリーとしては、合成化
合物ライブラリー(コンビナトリアルライブラリーな
ど)、ペプチドライブラリー(コンビナトリアルライブ
ラリーなど)などが挙げられる。スクリーニングに供さ
れる化学物質は、天然物でも合成物でもよく、また候補
となる単一の化学物質を独立に試験しても、いくつかの
候補となる化学物質の混合物(ライブラリーなどを含
む)について試験をしてもよい。また、細胞抽出物のよ
うな混合物を分画したものについてスクリーニングを行
い、分画を重ねて、所望の活性を有する物質を単離する
ことも可能である。
【0037】これらの化学物質は、ウイルスエンベロー
プ上に発現した目的蛋白質(好ましくは膜蛋白質、特に
好ましくは、膜結合型受容体、膜結合型酵素、該膜結合
型酵素の基質、膜結合型酵素活性化因子、膜結合型輸送
蛋白質、チャネル蛋白質、膜の構造蛋白質、接着関与蛋
白質、抗原提示に関わる蛋白質、又は蛋白質の高次構造
形成に関わる蛋白質などから選択される膜蛋白質)と相
互作用することが予想される物質であり、さらに好まし
くは、上記蛋白質に対する阻害薬または活性化薬物であ
る。
【0038】本発明はさらに、上記した方法により得ら
れる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープを用
いて、該ウイルスエンベロープ上に発現されている目的
蛋白質に対するポリクローナル抗体又はモノクローナル
抗体を作製する方法、並びに該方法により得られるポリ
クローナル抗体又はモノクローナル抗体に関する。
【0039】本発明の抗体の作製方法では、上記した方
法により得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエン
ベロープを免疫原として用いる。抗体の作成は定法によ
り行うことができる。ポリクローナル抗体を作製する場
合には、目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープ
を抗原として哺乳動物を免疫感作し、該哺乳動物から血
液を採取し、採取した血液から抗体を分離・精製するこ
とにより得ることができる。例えば、マウス、ハムスタ
ー、モルモット、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ、ヤ
ギ、ヒツジ、ウシ等の哺乳動物を免疫感作することがで
きる。免疫感作は、通常の免疫感作の方法に従い、例え
ば抗原を1回以上投与することにより行うことができ
る。
【0040】抗原投与は、例えば、7から30日、特に
12から16日間隔で2または3回投与することが好ま
しく、投与量も適宜選択できる。抗原の投与経路も特に
限定されず、皮下投与、皮内投与、腹膜腔内投与、静脈
内投与、筋肉内投与等を適宜選択することができるが、
静脈内、腹膜腔内もしくは皮下に注射することにより投
与することが好ましい。また、抗原は適当な緩衝液、例
えば完全フロイントアジュバント、RAS〔MPL(Monoph
osphoryl Lipid A)+TDM(Synthetic TrehaloseDicorynom
ycolate)+CWS(Cell Wall Skeleton) アジュバントシス
テム〕 、水酸化アルミニウム等の通常用いられるアジ
ュバントを含有する適当な緩衝液に溶解して用いること
ができるが、投与経路や条件等によっては、上記したア
ジュバントは使用しない場合もある。
【0041】免疫感作した哺乳動物を、例えば0.5か
ら4ケ月間飼育した後、該哺乳動物の血清を耳静脈等か
ら少量サンプリングし、抗体価を測定する。抗体価が上
昇してきたら、状況に応じて抗原の投与を適当回数実施
する。例えば100μg〜1000μgの抗原を用いて
追加免疫を行なう。最後の投与から1〜2ケ月後に免疫
感作した哺乳動物から通常の方法により血液を採取し
て、該血液を、例えば遠心分離、硫酸アンモニウムまた
はポリエチレングリコールを用いた沈澱、ゲルろ過クロ
マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフ
ィニティクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー等
の通常の方法によって分離・精製することにより、ポリ
クローナル抗血清として、所望のポリクローナル抗体を
得ることができる。
【0042】また、モノクローナル抗体を作製する場合
には、例えば、抗体産生細胞とミエローマ細胞株との細
胞融合によりハイブリドーマを作製することにより所望
のモノクローナル抗体を得ることができる。モノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマは、以下のような細
胞融合法によって得ることができる。抗体産生細胞とし
ては、免疫された動物からの脾細胞、リンパ節細胞、B
リンパ球等を使用する。抗原としては、目的蛋白質が発
現されたウイルスエンベロープを使用する。免疫される
動物としてはマウス、ラット等が使用され、これらの動
物への抗原の投与は常法に従って行う。例えば完全フロ
インドアジュバント、不完全フロインドアジュバントな
どのアジュバントと抗原である発芽バキュロウイルスと
の懸濁液もしくは乳化液を調製し、これを動物の皮下、
皮内、腹腔内等に数回投与することによって動物を免疫
化する。免疫化した動物から抗体産生細胞として例えば
脾細胞を取得し、これとミエローマ細胞とをそれ自体公
知の方法(G.Kohler et al .,Nature,256 495(1975))
により融合することにより、ハイブリドーマを作製する
ことができる。細胞融合に使用するミエローマ細胞株と
しては、例えばマウスではP3X63Ag8、P3U1
株、Sp2/0株などが挙げられる。細胞融合を行なう
に際しては、ポリエチレングリコール、センダイウイル
スなどの融合促進剤を用い、細胞融合後のハイブリドー
マの選抜にはヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジ
ン(HAT)培地を常法に従って使用することができ
る。
【0043】細胞融合により得られたハイブリドーマは
限界希釈法等によりクローニングを行い、さらにスクリ
ーニングを行なうことにより、所望の蛋白質を特異的に
認識するモノクローナル抗体を産生する細胞株を得るこ
とができる。
【0044】このようにして得られたハイブリドーマか
ら目的とするモノクローナル抗体を製造するには、通常
の細胞培養法や腹水形成法により該ハイブリドーマを培
養し、培養上清あるいは腹水から該モノクローナル抗体
を精製すればよい。培養上清もしくは腹水からのモノク
ローナル抗体の精製は、常法により行なうことができ
る。例えば、硫安分画、ゲルろ過、イオン交換クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを
適宜組み合わせて使用できる。
【0045】本発明はさらに、上記した方法により得ら
れる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロープを溶
解剤で処理し、該目的蛋白質を可溶化および精製する方
法。具体的には、目的蛋白質が発現されたウイルスエン
ベロープを適当な緩衝液に懸濁し、lyso-phosphatidylc
holin 等の溶解剤で処理し、さらに遠心分離(例えば、
30000rpm等)を行うことにより上清と沈澱に分
離することができる。可溶化された目的蛋白質は上清中
に回収される。以下の実施例により本発明を具体的に説
明するが、本発明は実施例によって限定されることはな
い。
【0046】
【実施例】実施例1:ステロール調節蛋白質(SREBP-
2)発現細胞外バキュロウイルスの界面活性剤処理およ
び超遠心によるエンベロープの分離 (1)ステロール調節蛋白質(SREBP-2) SREBP2はLDL受容体やHMG-CoA還元酵素など細胞内コレ
ステロール調節に関わる酵素や輸送タンパク質のコレス
テロール依存性の転写調節をつかさどる転写因子である
(Brown MS, Goldstein J., Proc Natl Acad Sci U S A
1999 Sep 28;96(20):11041-8, A proteolytic pathway
that controls the cholesterol content of membrane
s, cells, and blood.)。SREBP2は、定常状態では1
25kdの2回膜貫通型の前駆体蛋白質として小胞体膜に
存在する。細部内のコレステロールが欠乏すると、SREB
P2前駆体タンパク質の膜貫通部位付近でプロテアーゼ
による2段階の切断がおこり、SREBP2のDNA結合部位を
含むアミノ端が膜から切りはなされて細胞質に放出さ
れ、さらに核へと移行する。そして様々なコレステロー
ル調節遺伝子のプロモーター領域上のsre配列に結合す
ることにより、転写を活性化する。
【0047】(2)リコンビナントバキュロウイルスの
作成とSf9細胞培養 ヒトSREBP2全長遺伝子(Hua X, Yokoyama C, Wu J, Br
iggs MR, Brown MS,Goldstein JL, Wang X., Proc Natl
Acad Sci U S A 1993 Dec 15; 90(24):11603-7., SREB
P-2, a second basic-helix-loop-helix-leucine zippe
r protein that stimulates transcription by binding
to a sterol regulatory element.)をpBlueBacTM ベ
クター(Invitrogen, Carlsbad, CA)に組み込んだ。Sf9
細胞(Invitrogen)は10%ウシ胎児血清(Sigma)、p
enicillin 100 units/ml、streptmycin 100μg/mlを含
むGrace's supplemented media (GIBCO BRL)で27℃で
10cm径ディッシュに継代培養した。リコンビナントバ
キュロウイルスの作成は説明書(Bac-N-BlueTM Transfe
ction Kit, Invitrogen)に従い、Sf9細胞にBac-N-Blu
e DNA (ApMNPV 由来)と4μgのpBlueBac-SREBP2とを
共感染させSREBP2組換えウイルスを作成した。
【0048】(3)ウイルスへのSREBP2の発現とウイ
ルスの回収 大量発現のため、Sf9細胞を15cmディッシュ8枚に1
ディッシュあたり2×107 細胞の濃度で培養し、そこにS
REBP2組換えウイルスをMOI (multiplicity ofinfectio
n)5で感染させ、48時間後に培養上清を集めた。集め
た培養上清は800g、10分の遠心により細胞を取り
除き、その上清を40000g、20分超遠心して、そ
の沈澱を4mlのリン酸緩衝液(phosphate buffered sal
ine, PBS)に懸濁し、ウイルス(BV)画分とした(Lois
el TP,他, Nat Biotechnol. 1997Nov;15(12):1300-
4)。
【0049】(4)ウイルスの界面活性剤処理とショ糖
密度勾配超遠心によるEVEの分画 SREBP2発現BV画分の250μlと0.5%tween20/PBS溶
液250μlと1:1混合し、室温で10分間静置処理し
た。66.5%(W/V)ショ糖/PBS溶液0.5ml, 45%
(W/V)ショ糖/PBS溶液1.0ml, 30%(W/V)シ
ョ糖/PBS溶液1.0mlの順に重層し、その上層に上記
のSREBP2発現BV画分のtween20処理溶液0.5mlを重層し、
350000gで2時間遠心した後、最下層より100μlずつ分画
した。各画分のショ糖濃度(屈折率計)と蛋白濃度(バ
イオラッドプロテインアッセイシステム、BSAスタンダ
ード)を測定した(図1)。3〜18画分については、
サンプル10μlに5xSDSバッファー(2M Tris-HCl,
pH6.8, 15% β-mercaptoethanol, 15%SDS, 50% glycero
l, 1.5% bromophenolblue)2.5 μl加え95℃10分熱処
理後12%ポリアクリルアミドSDS電気泳動 (SDS-PAGE)
を行い、銀染色(第一化学キット)によりタンパク質
を染色した結果、8〜13画分にgp64、VP39などの
ウイルスタンパクと考えられるタンパク質バンドがみら
れた(図2)。そこで8〜13画分については電子顕微
鏡(AKASHI EM002A)で観察をおこなった(9〜12画
分の電子顕微鏡観察の結果を図3から図6に示す)。
【0050】(5)電子顕微鏡観察とウエスタンウエス
タンブロッティング 電子顕微鏡観察は以下のように行った。試料観察用400
グリッドメッシュにコロジオン膜を貼り、続いて炭素蒸
着(カーボンコート)した。試料が吸着し易いように、
400グリッドメッシュには予めイオンコーターによりエ
ッチング処理を施した。試料10μlを400グリッドメッシ
ュにのせ、乾燥させた後、2% リンタングステン酸(PT
A)溶液で陰性染色して観察した。
【0051】ショ糖密度勾配超遠心の画分ではBVはタン
パク染色に一致して、蔗糖濃度44.5〜34.5%の範囲で回
収され(8〜13画分)、9画分にはヌクレオカプシッド
(図3)、ショ糖濃度37.0%の12画分にはウイルスエ
ンベロープ(EVE)が濃縮されており(図6)、10、
11画分はヌクレオカプシッドとエンベロープの混在し
た像が観察された(図4及び図5)。SDS-PAGE上VP39
と考えられる分子量39キロダルトンのタンパク質は電
子顕微鏡のヌクレオカプシッド像と一致するように分布
し、またウイルスエンベロープに存在する唯一のウイル
スタンパク質として知られている分子量64キロダルト
ンのgp64のSDS-PAGEでのタンパクバンドの濃さと電子
顕微鏡のエンベロープ像の分布は一致している(図2、
並びに図3〜6)。
【0052】さらにSREBP2に対する特異抗体を用いて
免疫染色(ウエスタンブロット)を行うため、これらの
サンプルを8%SDS-PAGEでゲル電気泳動したのち、38
V20時間ニトロセルロース膜(Hybond ECL, Amersha
m)に転写した。転写膜はブロックエースで30分ブロ
ッキング後、SREBP2のカルボキシル末端を認識するモ
ノクローナル抗体1C6(ATCC No CRL-2224)の塩析精
製抗体(10μg/ml)を室温で1時間反応させ、TB
S(20mMTris-buffered saline, pH7.4)で4回洗浄後
peroxidase conjugated抗マウスIgG抗体(CAPPEL)で1
時間反応、TBSで同様に洗浄後、ECL試薬(Amersham
pharmacia)で化学発光させ、x線フィルムに感光させ
た。
【0053】その結果、126kdのSREBP2前駆体タン
パク質と一致するバンドがEVEの分布と一致して認めら
れ(図7)、ウイルスエンベロープに発現した膜タンパ
ク質SREBP2がEVEに濃縮されたと考えられる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、発芽ウイルスのヌクレオ
カプシッドとウイルスエンベロープを分離し、目的膜蛋
白質が発現されたウイルス膜画分(enucleated virion
envelope, EVE)を回収するための簡易な方法が提供さ
れることになった。本発明の方法を利用することによ
り、目的膜蛋白質を濃縮することができ、またウイルス
のDNAやヌクレオカプシッドの蛋白質によるアッセイ系
の妨害を回避することができる。また膜の内側(ヌクレ
オカプシッド側)に活性部位がある膜蛋白質や他の蛋白
質や化学物質と相互作用する蛋白質などでは膜の一部が
破壊されていて、外から加えた基質や化学物質が活性部
位や相互作用部位に到達可能である必要がある。このよ
うな場合にもEVE技術はウイルスそのものを使用するよ
りも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた各画
分のショ糖濃度と蛋白濃度の測定結果を示す。
【図2】図2は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた第3
〜18画分について、12%ポリアクリルアミドSDS電
気泳動 (SDS-PAGE) を行い、銀染色した結果を示す。
【図3】図3は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた第9
画分の電子顕微鏡写真である。
【図4】図4は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた第1
0画分の電子顕微鏡写真である。
【図5】図5は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた第1
1画分の電子顕微鏡写真である。
【図6】図6は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた第1
2画分の電子顕微鏡写真である。
【図7】図7は、ショ糖密度勾配超遠心で得られた各画
分とSREBP2に対する特異抗体を用いてウエスタンブロ
ットを行った結果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/02 G01N 33/15 Z C12P 21/08 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 A 33/50 C (72)発明者 児玉 龍彦 東京都品川区上大崎2丁目13番22−909号 (72)発明者 岩成 宏子 東京都文京区後楽1丁目1番10号日本生命 水道橋ビル 株式会社特殊免疫研究所内 (72)発明者 伊藤 行夫 東京都文京区後楽1丁目1番10号日本生命 水道橋ビル 株式会社特殊免疫研究所内 Fターム(参考) 2G045 AA40 4B024 AA03 BA48 BA80 DA02 EA02 EA04 GA03 GA11 HA03 4B064 AG27 AG32 BA15 CA10 CA12 CA19 CA20 CC15 CC24 CE20 DA20 4H045 AA10 AA11 AA20 CA01 DA75 DA76 DA86 FA72 FA74 GA01 GA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的蛋白質が発現されたバキュロウィル
    スの発芽ウイルスを物理化学的手法で処理することを含
    む、該発芽ウイルスのヌクレオカプシッドとウイルスエ
    ンベロープとを分離してウイルスエンベロープを回収す
    る方法。
  2. 【請求項2】 物理化学的手法による処理が、界面活性
    剤による処理または凍結融解による処理と密度勾配遠心
    による分離操作である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 界面活性剤としてtween20を使用する、
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 目的蛋白質が膜蛋白質である、請求項1
    から3の何れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れかに記載の方法に
    より得られる、目的蛋白質が発現されたウイルスエンベ
    ロープ。
  6. 【請求項6】 請求項1から4の何れかに記載の方法に
    より得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロ
    ープを用いて、該ウイルスエンベロープ上に発現されて
    いる目的蛋白質と被験物質との相互作用を測定すること
    を含む、化学物質のスクリーニング方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から4の何れかに記載の方法に
    より得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロ
    ープを用いて、該ウイルスエンベロープ上に発現されて
    いる目的蛋白質に対するポリクローナル抗体又はモノク
    ローナル抗体を作製する方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法により得られるポ
    リクローナル抗体又はモノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】 請求項1から4の何れかに記載の方法に
    より得られる目的蛋白質が発現されたウイルスエンベロ
    ープを溶解剤で処理し、該目的蛋白質を可溶化および精
    製する方法。
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