JP4990792B2 - アミノアシル−tRNAシンテターゼの組成物およびこの使用 - Google Patents

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Description

本発明は、翻訳の生化学の分野に関する。本発明は、アミノアシル−tRNAシンテターゼの生成のための方法および組成物、ならびにこの使用に関する。本発明はまた、このようなアミノアシル−tRNAシンテターゼおよび関連の組成物を用いて細胞中でタンパク質を生成する方法に関する。
細菌からヒトにおよぶあらゆる公知の生物体の遺伝子コードは、同じ20の共通のアミノ酸をコードする。同じ20の天然のアミノ酸の異なる組み合わせによって、光合成からシグナル伝達および免疫応答まで、生命の複雑な過程の全てを実質的に行うタンパク質が形成される。タンパク質の構造および機能を研究および改善するために、科学者は、タンパク質の遺伝子コードおよびアミノ酸配列の両方を操作しようと試みている。しかし、タンパク質を20個の遺伝的にコードされた標準的な構築単位に限定する、遺伝子コードによって課される制約を取り除くことは困難であった(セレノシステイン(例えば、A.Bockら(1991),Molecular Microbiology 5:515から20を参照のこと)およびピロリジン(例えば、G.Srinivasanら(2002),Science 296:1459から62を参照のこと)というわずかな例外があるが)。
これらの制約を取り除くためにある程度の進展があったが、この進展は限られており、およびタンパク質の構造および機能を合理的に制御する能力は依然として初期段階にある。例えば、化学者は、低分子の構造を合成および操作する方法およびストラテジーを開発している(例えば、E.J.Corey,およびX.−M.Cheng,The Logic of Chemical Synthesis(Wiley−Interscience,New York,1995)を参照のこと)。トータル合成(total synthesis)(例えば、B.Merrifield,(1986),Science 232:341から7(1986)を参照のこと)、および半合成の方法論(例えば、D.Y.Jackson et al.,(1994)Science 266:243から7;およびP.E.Dawson,& S.B.Kent,(2000),Annual Review of Biochemistry 69:923から60を参照のこと)は、ペプチドおよび低分子タンパク質を合成することを可能にしたが、これらの方法論は、10キロダルトン(kDa)を超えるタンパク質では有用性が限定されている。突然変異誘発法は、強力であるが、限られた数の構造的変化に制限される。多数の場合、タンパク質全体にわたって共通のアミノ酸の近接した構造的アナログを競合的に組み込むことが可能である。例えば、R.Furter,(1998),Protein Science 7:419から26;K.Kirshenbaum,et al.,(2002),ChemBioChem 3:235から7;およびV.Doring et al.,(2001),Science 292:501から4を参照のこと。化学的なペプチド結合および天然の化学的結合は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許番号6,184,344、米国特許公開番号2004/0138412、米国特許公開番号2003/0208046、WO02/098902およびWO 03/042235に記載される。Luらは、Mol Cell.2001 Oct;8(4):759から69において、タンパク質が、天然でないアミノ酸を含む合成ペプチドに化学的に結合される方法を記載している(発現タンパク質結合(expressed protein ligation))。
初期の研究では、E.coliの翻訳機構は、共通20種に構造が類似のアミノ酸に適応できるということが実証された。Hortin,G.,およびBoime,I.(1983)Methods Enzvmol.96:777から784を参照のこと。この研究は、同族の天然のアミノ酸と同様に天然でないアミノ酸を活性化するように内因性のE.coliシンテターゼの特異性を緩和させることによってさらに拡大される。さらに、ドメイン編集における変異はまた、内因性のシンテターゼの基質範囲を拡大させるために用いられ得ることが示された。Doring,V.,et al.,(2001)Science 292:501から504を参照のこと。しかし、これらのストラテジーは、遺伝子コードを「拡張する(expanding)」ことよりも、共通20のアミノ酸のうちの1つの、天然でないアミノ酸による置換の程度を変更する遺伝子コードの「再コードする(recoding)」に限定される。
後に、天然ではないアミノ酸が、インビトロの転写/翻訳反応に対する化学的にアミノアシル化された直交性アンバー・サプレッサーtRNAの添加によって、インビトロでタンパク質に部位特異的に組み込まれ得ることが示される。例えば、Noren,C.J.,et al.(1989)Science 244:182から188;Bain,J.D.,et al.,(1989)J.Am.Chem.Soc.111:8013から8014;Dougherty,D.A.(2000)Curr.Opin.Chem.Biol.4,645から652;Cornish,V.W.,et al.(1995)Angew.Chem.,Int.Ed.34:621から633;J.A.Ellman,et al.,(1992),Science 255:197から200;および,D.Mendel,et al.,(1995),Annual Review of Biophysics and Biomolecular Structure 24:435から462。これらの研究によって、リボソームおよび翻訳因子が、天然でない構造を有しても、多数の天然ではないアミノ酸と適合性であることが示される。残念ながら、tRNAの化学的アミノアシル化は困難であり、およびこのプロセスの化学量論的性質によって、生成され得るタンパク質の量は厳しく制限される。
天然ではないアミノ酸は既に細胞に微量注入されている。例えば、天然ではないアミノ酸は、化学的にミスアシル化(misacylated)テトラヒメナの好熱性tRNA(例えば、M.E.Saks,et al.(1996),An engineered Tetrahymena tRNAGln for in vivo incorporation of unnatural amino acids into proteins by nonsense suppression,J.Biol.Chem.271:23169から23175)および関連のmRNAの微量注入によって、ゼノパス(アフリカツメガエル)の卵母細胞におけるニコチン酸アセチルコリンレセプターに導入された(例えば、M.W.Nowak,et al.(1998),In vivo incorporation of unnatural amino acids into ion channels in Xenopus oocyte expression system,Method Enzymol.293:504から529)。また、D.A.Dougherty(2000),Unnatural amino acids as probes of protein structure and function,Curr.Opin.Chem.Biol.4:645から652およびM.W.Nowak,P.C.Kearney,J.R.Sampson,M.E.Saks,C.G.Labarca,S.K.Silverman,W.G.Zhong,J.Thorson,J.N.Abelson,N.Davidson,P.G.Schultz,D.A.DoughertyおよびH.A.Lester,Science,268:439(1995)も参照のこと。ゼノパスの卵母細胞は、インビトロで作成された以下の2つのRNA種と同時注入された:目的のアミノ酸位置でUAG停止コドンを有する標的タンパク質をコードするmRNA、および所望の天然でないアミノ酸でアミノアシル化されたアンバー・サプレッサーtRNA。ついで、卵母細胞の翻訳機構は、UAGによって特定される位置に天然でないアミノ酸を挿入する。残念ながら、この方法論は、微量注入され得る細胞におけるタンパク質に限定される、なぜならば、関連のtRNAはインビトロで化学的にアシル化されて、再アシル化できず、タンパク質の収量は極めて低いからである。
これらの限界を克服するために、新規な組成物、例えば、直交性tRNA、直交性アミノアシルtRNAシンテターゼおよびこれらの対を、原核生物Escherichia coli(E.coli)のタンパク質生合成機構(例えば、L.Wang,et al.,(2001),Science 292:498から500を参照のこと)、および真核生物サッカロミセス・セレビシエ(Sacchromyces cerevisiae)(S.cerevisiae)(例えば、J.Chin et al.,Science 301:964から7(2003))に添加して、これによって、遺伝子的にコードされていないアミノ酸のインビボでのタンパク質への組み込みが可能になった。新規な化学的、物理的または生物学的な特性を有する多数の新規なアミノ酸であって、光親和性標識および光異性化可能なアミノ酸、光架橋アミノ酸(例えば、Chin,J.W.,et al.(2002)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.99:11020から11024;およびChin,J.W.,et al.,(2002)J.Am.Chem.Soc.124:9026から9027を参照のこと)、ケトアミノ酸(例えば、Wang,L.,et al.,(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.100:56から61およびZhang,Z.et al.,Biochem.42(22):6735から6746(2003)を参照のこと)、重原子含有アミノ酸、およびグリコシル化されたアミノ酸を含むアミノ酸が、この方法論を用いて、例えば、アンバーコドン(TAG)に応答して、効率的におよび高い忠実度で、E.coli中でおよび酵母中でタンパク質に取り込まれている。例えば、J.W.Chin,& P.G.Schultz,(2002),ChemBioChem 3(11):1135−1137および,L.Wang,&P.G.Schultz,(2002),Chem.Comm.,1:1から11を参照のこと。
いくつかの他の直交性対が報告されている。グルタミニル(例えば、Liu,D.R.,およびSchultz,P.G.(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96:4780から4785を参照のこと)、アスパルチル(例えば、Pastrnak,M.,et al,(2000)Helv.Chim.Acta 83:2277から2286を参照のこと)、およびチロシル(例えば、Ohno,S.,et al.,(1998)J.Biochem.(Tokyo.Jpn.)124:1065から1068;および,Kowal,A.K.,et al.,(2001)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98:2268−2273を参照のこと)の系であって、S.cerevisiaeのtRNAおよびシンテターゼ由来の系は、E.coliにおける天然ではないアミノ酸の潜在的な取り込みについて記載されている。E.coliのグルタミニル(例えば、Kowal,A.K.,et al.,(2001)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98:2268から2273を参照のこと)およびチロシル(例えば、Edwards,H.,and Schimmel,P.(1990)Mol.Cell.Biol.10:1633から1641を参照のこと)シンテターゼ由来の系は、S.cerevisiaeにおける使用について記載されている。E.coliのチロシル系は、哺乳動物細胞においてインビボにおける3−ヨード−L−チロシンの取り込みのために用いられている。Sakamoto,K.,et al.,(2002)Nucleic Acids Res.30:4692から4699を参照のこと。代表的には、これらの系は、アンバー終止コドンの使用を行っている。遺伝子コードをさらに拡大するために、生合成機構の改善されたおよび/または追加の成分、例えば、アミノアシル−tRNAシンテターゼを開発することが必要である。本発明は、以下の開示の検討によって明らかであるとおり、これらおよび他の要件を満たす。
遺伝子コードを拡張するために、本発明は、直交性アミノアシルtRNAシンテターゼの組成物および生成方法を提供する。本発明のアミノアシルtRNAシンテターゼは、天然にコードされないアミノ酸でtRNAをアミノアシル化する。これらの翻訳成分は、tRNAによって認識されるセレクターコドンに応答して、(核酸翻訳の間に)成長しているポリペプチド鎖における特定の位置に選択されたアミノ酸を組み込むために用いられ得る。
特定の位置で選択されたアミノ酸を有する細胞中でタンパク質を生成する方法も、本発明の特徴である。例えば、ある方法は、適切な培地中で細胞を増殖させる工程であって、この細胞が少なくとも1つのセレクターコドンを含み、タンパク質をコードする核酸を含む工程と;選択されたアミノ酸を提供する工程とを含む。この細胞はさらに、細胞中で機能してセレクターコドンを認識する直交性tRNA(O−tRNA)と;選択されたアミノ酸でO−tRNAを優先的にアミノアシル化する直交性アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)とを含む。代表的には、O−tRNAは、同族のシンテターゼの存在下で抑制活性を含む。この方法によって生成されるタンパク質はまた、本発明の特徴である。
(定義)
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、当然ながら、特定の生物学的系には限定されず変化し得ることが理解されるべきである。本明細書に用いられる用語は、特定の実施形態を記載する目的に過ぎず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定するものではないことも理解されるべきである。本明細書において、および添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形「1つの、1つ(a)、(an)」、および「この(the)」は、文脈が明確に他を示すのでない限り、複数の言及を含む。従って、例えば、「1つの細胞(a cell)」という言及は、2つ以上の細胞の組み合わせを含み、および当業者に公知であるこの等価物などを含む。「細菌(bacteria)」という言及は、細菌などの混合物を含む。
本明細書においておよび本明細書の以下の残りに規定されない限り、本明細書に用いられる全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書に言及される全ての刊行物および特許は、現在記載されている本発明に関連して用いられ得る刊行物に記載される、例えば、構築物および方法論を記載および開示する目的のために参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に考察される刊行物は、単に本出願の出願日前の開示のためにのみ提供される。本発明者らが、先願発明または任意の他の理由のために、このような開示に先行する権利を与えられないことの承認と解釈されるものは本明細書にはない。
ホモログ:タンパク質および/またはタンパク質の配列は、これらが、天然にまたは人工的に、共通の祖先のタンパク質またはタンパク質配列から、誘導される場合、「相同(homologous)」である。同様に、核酸および/または核酸配列は、これらが、天然にまたは人工的に、共通の祖先核酸または核酸配列から、誘導される場合、相同である。例えば、任意の天然に存在する核酸は、1つ以上のセレクターコドンを含む任意の利用可能な突然変異誘発方法によって改変され得る。発現される場合、この突然変異誘発された核酸は、1つ以上の選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を含むポリペプチドをコードする。変異プロセスは、当然ながら、1つ以上の標準コドンをさらに変更し得、これによって、同様に得られた変異タンパク質中で1つ以上の標準的アミノ酸を変化させる。1つ以上の標準的なアミノ酸は、天然ではないアミノ酸または天然のアミノ酸に変化され得る。相同性は、2つ以上の核酸またはタンパク質(またはこの配列)の間で配列類似性から一般的に推論される。相同性を確立するために有用である配列の間の類似性の正確な割合は、該核酸およびタンパク質で変化するが、相同性を確立するために慣用的に用いられるのはわずか25%程度の小さい配列類似性である。より高いレベルの配列類似性、例えば、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%以上がまた、相同性を確立するために用いられ得る。配列類似性割合を決定するための方法(例えば、デフォールトパラメーターを用いるBLASTPおよびBLASTN)は本明細書において記載されており、および一般に利用される。
直交性:本明細書において用いる場合、「直交性(orthogonal)」という用語は、分子(例えば、直交性のtRNA(O−tRNA)および/または直交性のアミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS))を指し、これは、目的の系(例えば、翻訳系、例えば、細胞)によって効率を減少されて用いられる。直交性とは、目的の翻訳系において機能する、直交性tRNAおよび/または直交性RSの不能または効率性の低下、例えば、20%未満の効率、10%未満の効率、5%未満の効率、または1%未満の効率をいう。例えば、目的の翻訳系における直交性tRNAは、目的の翻訳系の任意の内因性のRSによって、内因性RSによる内因性のtRNAのアミノアシル化に比較した場合、減少したかまたは実にゼロの効率で、アミノアシル化される。別の実施例では、直交性RSは、目的の翻訳系において任意の内因性tRNAを、内因性のRSによる内因性のtRNAのアミノアシル化に比較した場合、減少したまたは実にゼロの効率で、アミノアシル化する。第二の直交性分子は、第一の直交性分子と機能する細胞に導入され得る。例えば、直交性tRNA/RS対は、対応するtRNA/RS内因性対のものに対して(例えば、約50%の効率、約60%の効率、約70%の効率、約75%の効率、約80%の効率、約85%の効率、約90%の効率、約95%の効率、または約99%以上の効率)効率で細胞中に一緒に機能する導入された相補的な成分を含む。「直交性における改善(improvement in orthogonality)」とは、出発物質または天然に存在するtRNAもしくはRSに対して比較して増強された直交性をいう。
同族:「同族の(cognate)」という用語は、一緒に機能する成分、例えば、tRNAおよびアミノアシルtRNAシンテターゼをいう。この成分はまた、相補性であるということもできる。
優先的にアミノアシル化する。「優先的にアミノアシル化する(preferentially aminoacylate)」という用語は、効率、例えば、約70%の効率、約75%の効率、約80%の効率、約85%の効率、約90%の効率、約95%の効率、または約99%以上の効率であって、O−RSが、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸でO−tRNAを、O−RSが天然に存在するtRNAまたは出発材料をアミノアシル化してO−tRNAを生成することに比較してアミノアシル化することをいう。ついで、天然ではないアミノ酸は、高い忠実度で、例えば、所与のセレクターコドンについて約70%より大きい効率で、所与のセレクターコドンについて約75%より大きい効率で、所与のセレクターコドンについて約80%より大きい効率で、所与のセレクターコドンについて約85%より大きい効率で、所与のセレクターコドンについて約90%より大きい効率で、所与のセレクターコドンについて約95%より大きい効率で、または所与のセレクターコドンについて約99%より大きい効率で、成長しているポリペプチド鎖に組み込まれる。
セレクターコドン:「セレクターコドン(selector codon)」という用語は、翻訳プロセスにおいてO−tRNAによって認識され、および内因性tRNAによって認識されないコドンをいう。O−tRNAアンチコドンループは、mRNA上のセレクターコドンを認識し、およびこのアミノ酸、例えば、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を、このポリペプチドにおけるこの位置に組み込む。セレクターコドンとしては、限定はしないが、例えば、ナンセンスコドン、例えば、終止コドンを挙げることが可能で、これには、限定はしないが、アンバー、オーカーおよびオパールのコドン;4つ以上の塩基コドン;まれなコドン;天然または天然でない塩基対由来のコドンおよび/またはその他が挙げられる。所与の系については、セレクターコドンはまた、天然の3塩基コドンのうちの1つが挙げられ、この内因性の系は、この天然の3つの塩基コドンを用いない(またはまれに使用する)。例えば、これは、天然の3塩基コドンを認識するtRNAを欠く系、および/または天然の3塩基コドンがレアコドン(rare codon)である系を含む。
サプレッサーtRNA:サプレッサーtRNAは、例えば、セレクターコドンに応答するポリペプチド鎖にアミノ酸を組み込むための機構を提供することによって、所与の翻訳系におけるメッセンジャーRNA(mRNA)の読み取りを変更するtRNAである。例えば、サプレッサーtRNAは、限定はしないが、終止コドン、4塩基コドンまたはレアコドンを含むコドンを通じて読み取り得る。
抑制活性:「抑制活性(suppression activity)」という用語は、tRNA、例えば、サプレッサーtRNAが、セレクターコドンを通じて読み取る能力をいう。活性は、コントロール(例えば、同族のシンテターゼを欠く)に比較して観察される活性の割合として表現されてもよい。
翻訳系:「翻訳系(translation system)」という用語は、天然に存在するアミノ酸を成長しているポリペプチド鎖(タンパク質)に組み込むのに必要な構成部をいう。翻訳系の成分としては、例えば、リボソーム、tRNA、シンテターゼ、mRNAなどを挙げることができる。本発明の成分は、インビトロまたはインビボの翻訳系に添加され得る。翻訳系の例としては限定はしないが、非真核生物細胞、例えば、細菌(例えば、E.coli)、真核生物細胞、例えば、酵母細胞、哺乳動物細胞、植物細胞、藻類細胞、真菌細胞、昆虫細胞、無細胞翻訳系、例えば、細胞溶解物、および/またはその他が挙げられる。
翻訳系は、細胞であっても、または無細胞であってもよく、および原核生物であってもまたは真核生物であってもよい。細胞翻訳系としては、限定はしないが、全細胞調製物、例えば、透過性細胞または細胞培養物が挙げられ、ここで所望の核酸配列は、mRNAに転写され、およびmRNAが翻訳される。無細胞翻訳系は市販されており、および多くの異なるタイプおよび系が周知である。無細胞系の例としては、限定はしないが、原核生物溶解物、例えば、Escherichia coli溶解物、および真核生物溶解物、例えば、コムギ胚芽抽出物、昆虫細胞溶解物、ウサギ網状赤血球溶血液、ウサギ卵母細胞溶解物およびヒト細胞溶解物が挙げられる。真核生物の抽出物または溶解物は、得られたタンパク質がグリコシル化、リン酸化その他の修飾をされる場合、好ましいかもしれない。なぜなら、多くのこのような改変は、真核生物系でのみ可能であるからである。これらの抽出物および溶解物のいくつかは、市販されている(Promega;Madison,Wis.;Stratagene;La Jolla,Calif;Amersham;Arlington Heights,III.;GIBCO/BRL;Grand Island,N.Y.)。膜抽出物、例えば、ミクロゾーム膜を含むイヌ膵臓抽出物も、利用可能であり、これは分泌タンパク質を翻訳するために有用である。
再構成された翻訳系も用いられてもよい。精製された翻訳因子の混合物はまた、mRNAをタンパク質に翻訳するために首尾よく用いられており、および精製された翻訳因子、例えば、開始因子−1(IF−1)、IF−2、IF−3(αまたはβ)、伸長因子T(EF−Tu)、または終止因子の補充が有無の溶解物の組み合わせも同様である。無細胞系はまた、結合された転写/翻訳系であり得、ここでは、参照により本明細書に詳細に組み込まれる、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編,Wiley Interscience,1993)に記載されるように、DNAがこの系に導入され、mRNAに転写され、およびmRNAが翻訳される。真核生物転写系に転写されるRNAは、異核RNA(hnRNA)または5’末端キャップ(7−メチルグアノシン)および3’末端ポリAテール成熟mRNAの形態であってもよく、これは、特定の翻訳系において有利であり得る。例えば、キャップされたmRNAを、網状赤血球溶血液系において高効率で翻訳する。
選択されたアミノ酸:「選択されたアミノ酸(selected amino acid)」という用語は、任意の所望の天然に存在するアミノ酸または天然でないアミノ酸をいう。本明細書において用いる場合、「天然でないアミノ酸(unnatural amino acid)」または「天然ではコードされないアミノ酸(non−naturally encoded amino acid)」という用語は、20の一般に天然に存在するアミノ酸またはセレノシステインもしくはピロリジンのうちの1つではない任意のアミノ酸、修飾されたアミノ酸、および/またはアミノ酸アナログをいう。「天然にはコードされないアミノ酸(non−naturally encoded amino acid)」および「天然でないアミノ酸(unnatural amino acid)」という同義に用いられ得る他の用語は、「天然でないアミノ酸(non−natural amino acid)」「天然には存在しないアミノ酸(non−naturally−occurring amino acid)」という用語、ならびにこの種々のハイフンでつながれたおよびハイフンでつながれていないバージョンである。「天然にはコードされないアミノ酸(non−naturally encoded amino acid)」という用語はまた、限定はしないが、天然にはコードされないアミノ酸(限定はしないが、20の一般的なアミノ酸またはピロリジンおよびセレノシステイン)の修飾(例えば、翻訳後修飾)によって生じるが、それ自体は、成長しているポリペプチド鎖に翻訳複合体によって天然には組み込まれないアミノ酸を含む。このような天然には存在しないアミノ酸の例としては限定はしないが、N−アセチルグルコサミニル−Lセリン、N−アセチルグルコサミニル−L−トレオニン、およびO−ホスホチロシンが挙げられる。
由来する、・・・から誘導される(derived from):本明細書において用いる場合、「由来する、・・・から誘導される(derived from)」という用語は、特定の分子または生物体由来の情報を用いて単離されるか、または作成される成分をいう。
陽性選択またはスクリーニングマーカー:本明細書において用いる場合、「陽性選択またはスクリーニングマーカー(positive selection or screening marker)」とは、マーカーであって、存在する場合、例えば、発現されるか、活性化されるなどの場合、陽性の選択マーカーのない細胞からの、陽性の選択マーカーを有する細胞の同定を生じるマーカーをいう。
陰性選択またはスクリーニングマーカー:本明細書において用いる場合、「陰性選択またはスクリーニングのマーカー(negative selection or screening marker)」という用語は、マーカーであって、存在する場合、例えば、発現されるか、活性化されるなどの場合、所望の特性を保有しない(例えば、所望の特性を保有する細胞に比較した場合)細胞の同定を可能にするマーカーをいう。
レポーター:本明細書において用いる場合、「レポーター(reporter)」という用語は、目的の系の標的成分を選択するために用いられ得る成分をいう。例えば、レポーターとしては、タンパク質、例えば、抗生物質耐性または感受性を付与する酵素(限定はしないが、βラクタマーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などを含む)、蛍光スクリーニングマーカー(限定はしないが、緑色蛍光タンパク質(例えば、GFP)、YFP、EGFP、RFPを含む)、発光マーカー(限定はしないがホタルルシフェラーゼタンパク質を含む)、親和性に基づくスクリーニングマーカー、または陽性もしくは陰性の選択マーカー遺伝子、例えば、lacZ、β−gal/lacZ(β−ガラクトシダーゼ)、ADH(アルコールデヒロドゲナーゼ)、his3、ura3、leu2、lys2、などを挙げることができる。
真核生物:本明細書において用いる場合、「真核生物(eukaryote)」という用語は、系統発生の領域Eucarya(真核生物)に属する生物体、例えば、動物(限定はしないが、哺乳動物、昆虫、爬虫類、鳥類などを含む)、繊毛虫類、植物(限定はしないが、単子葉植物、双子葉植物、藻類などを含む)、真菌、酵母、鞭毛虫、微胞子虫、原生生物などをいう。
非真核生物:本明細書において用いる場合、「非真核生物(non−eukaryote)」という用語は、真核生物でない生物体をいう。例えば、非真核生物生物体は、Eubacteria(真正細菌)(限定はしないが、Escherichia coli、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)、バチルス・ステアロサーモフィルス/バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)などを含む)の系統発生の領域、またはArchaea(古細菌)(例えば、Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium、例えば、Haloferax volcaniiおよびHalobacterium種NRC−I、Archaeoglobus fulgidus、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus horikoshii、Aeuropyrum pernixなど)の系統発生領域に属し得る。
保存的改変体:「保存的改変体(conservative variant)」という用語は、翻訳成分、例えば、この保存的改変体が基づく成分、例えば、O−tRNAまたはO−RSのように機能するが、配列中に改変を有する、保存的な改変体O−tRNAまたは保存的改変体O−RSをいう。例えば、O−RSは、選択されたアミノ酸、例えば、非天然のアミノ酸で、相補的なO−tRNAまたは保存的な改変体O−tRNAをアミノアシル化するが、O−tRNAおよび保存的な改変体O−tRNAは、同じ配列を有さない。同様に、tRNAは、選択されたアミノ酸、例えば、非天然のアミノ酸で、相補的なO−RSまたは保存的な改変体O−RSをアミノアシル化するが、O−RSおよび保存的な改変体O−RSは、同じ配列を有さない。この保存的改変体は、この保存的改変体が対応するO−tRNAまたはO−RSに相補的である限り、例えば、配列中に、1つの改変体、2つの改変体、3つの改変体、4つの改変体、または5つ以上の改変体を有してもよい。
選択またはスクリーニング因子:本明細書において用いる場合、「選択またはスクリーニングの因子(selection or screening agent)」という用語は、存在する場合、集団から特定の成分の選択/スクリーニングを可能にする因子をいう。例えば、選択またはスクリーニングの因子としては、限定はしないが、例えば、栄養物、抗生物質、光の波長、抗体、発現されたポリヌクレオチドなどが挙げられる。選択因子は、例えば、濃度、強度などによって変化され得る。
「効率的に認識されない(not efficiently recognized)」という用語は、1つの生物体由来のRSがO−tRNAをアミノアシル化する効率、例えば、約10%未満、約5%未満、または約1%未満をいう。
1つ以上の選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を含むタンパク質を作製するために適切である翻訳系は、「METHODS AND COMPOSITION FOR THE PRODUCTION OF ORTHOGONAL tRNA− AMINOACYL tRNA SYNTHETASE PAIRS」と題された米国特許出願10/126,931、および「IN VIVO INCORPORATION OF UNNATURAL AMINO ACIDS.」と題された同第10/126,927号に記載されている。さらに、「EXPANDING THE EUKARYOTIC GENETIC CODE.」と題されたUSSN 10/825,867を参照のこと。これらの出願の各々は、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。このような翻訳系は一般に、直交性tRNA(O−tRNA)、直交性アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)および選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を含む細胞を含み、ここでO−RSが選択されたアミノ酸でO−tRNAをアミノアシル化する。本発明の直交性対は、O−tRNA、例えば、サプレッサーtRNA、フレームシフトtRNAなど、およびO−RSから構成される。O−tRNAは、第一のセレクターコドンを認識し、およびセレクターコドンに応答して同族のシンテターゼの存在下で抑制活性を有する。この細胞は、成長しているポリペプチド鎖に選択されたアミノ酸を組み込むための成分を用いる。例えば、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、O−tRNAによって認識されるセレクターコドンを含むポリヌクレオチドを含む核酸も存在してもよい。この翻訳系はまた、インビトロの系であってもよい。本発明のRS分子は、翻訳においてリボソームを利用する系を含む任意の翻訳系において有用である。
翻訳系はまた、無細胞(インビトロ)の翻訳系であってもよい。テンプレートとしてmRNA(インビトロ翻訳)、またはテンプレートとしてDNA(インビトロの転写および翻訳の組み合わせ)のいずれかを含み得るこれらの系では、インビトロの合成は、リボソームによって指向される。無細胞のタンパク質発現系の開発にはかなりの労力が払われている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Kim,D.M.およびJ.R.Swartz,Biotechnology and Bioengineering,74:309から316(2001);Kim,D.M.およびJ.R.Swartz,Biotechnology Letters,22,1537から1542,(2000);Kim,D.M.,およびJ.R.Swartz,Biotechnology Progress,16,385から390,(2000);Kim,D.M.,およびJ.R.Swartz,Biotechnology and Bioengineering,66,180から188,(1999);ならびにPatnaik,R.およびJ.R.Swartz,Biotechniques 24,862から868,(1998);米国特許番号6,337,191;米国特許公開番号2002/0081660;WO 00/55353;WO 90/05785を参照のこと。適用され得る別のアプローチとしては、mRNAペプチド融合技術が挙げられる。例えば、R.RobertsおよびJ.Szostak,Proc.Natl Acad.Sci.(USA)94:12297から12302(1997);A.Frankel,et al.,Chemistry & Biology 10:1043から1050(2003)を参照のこと。このアプローチでは、プロマイシンに結合されたmRNAテンプレートをリボゾーム上でペプチドに翻訳する。1つ以上のtRNA分子が改変される場合、天然でないアミノ酸が同様にペプチドに組み込まれてもよい。最後のmRNAコドンが読み取られた後、プルロマイシンはペプチドのC末端を捕獲する。得られたmRNAペプチド結合体が、インビトロアッセイにおいて目的の特性を有することが見出される場合、この特徴は、mRNA配列から容易に明らかにされ得る。このように、当業者は、所望の特性を有するポリペプチドを同定する1つ以上の天然にはコードされないアミノ酸を含むポリペプチドのライブラリーをスクリーニングし得る。より最近では、精製された成分を有するインビトロのリボソーム翻訳が報告されており、これは、天然にはコードされないアミノ酸で置換されたペプチドの合成を可能にする。例えば、A.Forster et al.,Proc.Natl Acad.Sci(USA)100:6353(2003)を参照のこと。
特定の実施形態では、本発明のRSを含むE.coli細胞は、このような翻訳系を含む。例えば、本発明のE.coli細胞は、直交性のtRNA(O−tRNA)であって、セレクターコドンに応答して同族のシンテターゼの存在下において抑制活性を含む、O−tRNAと;直交性アミノアシル−tRNAシンテターゼ(O−RS)と;選択されたアミノ酸と;目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む核酸であって、このポリヌクレオチドがO−tRNAによって認識されるセレクターコドンを含む、核酸と、を含む。
本発明はまた、2つ以上の選択されたアミノ酸の取り込みを可能にする、細胞中の複数のO−tRNA/O−RS対を特徴とする。特定の実施形態では、この細胞はさらに、さらなる異なるO−tRNA/O−RS対および第二の選択されたアミノ酸を含み、このO−tRNAが第二のセレクターコドンを認識し、およびO−RSが第二の選択されたアミノ酸でO−tRNAを優先的にアミノアシル化する。例えば、細胞はさらに、例えば、Methanococcus jannaschiiのチロシル−tRNAシンテターゼ由来のアンバー・サプレッサーtRNA−アミノアシルtRNAシンテターゼ対を含んでもよい。
O−tRNAおよび/またはO−RSは、天然に存在するものでも、または天然に存在するtRNAおよび/またはRSの変異体に由来してもよく、これは、例えば、種々の生物体から、tRNAのライブラリーおよび/またはRSのライブラリーを生成する。例えば、直交性tRNA/アミノアシルtRNAシンテターゼ対を生成する1つのストラテジーは、異種のtRNA/シンテターゼ対を、例えば、宿主細胞以外の供給源または複数の供給源から宿主細胞へ輸送する工程を含む。異種シンテターゼ候補物の特性としては、例えば、宿主細胞tRNAを荷電しないことが挙げられ、および異種tRNA候補物の特性としては、例えば、宿主細胞シンテターゼによってアミノアシル化されないことが挙げられる。さらに、異種tRNAは、全ての宿主細胞シンテターゼに対して直交性である。
直交性対を生成するための第二のストラテジーは、O−tRNAまたはO−RSをスクリーニングおよび/または選択する変異体ライブラリーを生成する工程を含む。これらのストラテジーはまた、組み合されてもよい。
種々の実施形態では、O−tRNAおよびO−RSは、少なくとも1つの生物体由来である。別の実施形態では、O−tRNAは天然に存在するか、または第一の生物体由来の変異された天然に存在するtRNA由来であり、およびO−RSは、天然に存在するか、または第二の生物体由来の変異された天然に存在するRS由来である。一実施形態では、第一および第二の生物体は異なる。例えば、直交性対はMethanobacterium thermoautotrophicum由来のtRNAシンテターゼ、および古細菌tRNA由来のtRNA(例えば、Halobacterium sp.NRC−1由来)を含んでもよい。または、この第一および第二の生物体は同じである。追加情報については、「供給源および宿主生物体(Sources and Host Organisms)」と題された節を参照のこと。
本発明の特定の実施形態では、本発明のO−RSは、配列番号4に示されるようなポリヌクレオチド配列、またはこの相補的なポリヌクレオチド配列、またはこの保存的な改変体を含むか、またはこれらによってコードされる。特定の実施形態では、O−RSは、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含む。また、本明細書における「Nucleic Acid and Polypeptide Sequence and Variants」と題された節を参照のこと。
直交性tRNA(O−tRNA)
直交性tRNA(O−tRNA)は、例えば、インビボまたはインビトロにおいて、O−tRNAによって認識されるセレクターコドンを含むポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質への選択されたアミノ酸の組み込みを媒介する。O−tRNAは、限定はしないが、化学的、または酵素的なアミノアシル化を含む、任意の方法または技術によって所望のアミノ酸でアミノアシル化され得る。アミノアシル化されたO−tRNAは、翻訳系へ直接添加されてもよい。O−tRNAは、インビトロまたはインビボにおいて、選択されたアミノ酸で本発明のRSによってアミノアシル化され得る。さらに、RSは、O−RSであってもよい。O−tRNAは、翻訳系(例えば、インビトロの翻訳組成物、または細胞)に直接、またはO−tRNAもしくはこの一部をコードするポリヌクレオチドを提供することによって、提供されてもよい。例えば、O−tRNA、またはこの一部は、配列番号1、2、3に示されるポリヌクレオチド配列もしくはこの相補的なポリヌクレオチド配列によって、またはこの保存的な改変体によってコードされる。O−RSは、翻訳系(例えば、インビトロの翻訳組成物、または細胞)に直接(例えば、配列番号5または17)もしくはこの保存的改変体、またはO−RSもしくはこの一部をコードするポリヌクレオチドを提供することによって、提供されてもよい。例えば、O−RS、またはこの一部は、配列番号4に示されるポリヌクレオチド配列、アミノ酸配列の配列番号17をコードするポリヌクレオチド配列、またはこの相補的なポリヌクレオチド配列、またはこの保存的な改変体によってコードされる。
本発明のO−tRNAは、セレクターコドンに応答して同族シンテターゼの存在下で抑制活性を含む。抑制活性は、当分野で公知の任意の多数のアッセイによって決定され得る。例えば、βガラクトシダーゼレポーターアッセイが用いられてもよい。プロモーターの制御下でlacZ遺伝子を発現するプラスミドの誘導体が用いられ、例えば、lacZのペプチドVVLQRRDWENのLeu−25は、セレクターコドン、例えば、TAG、TGA、AGGAなどのコドン、またはセンスコドン(コントロールとして)によって、チロシン、セリン、ロイシンなどについて置換される。誘導体化されたlacZプラスミドは、本発明のO−tRNAを含むプラスミドとともに適切な生物体(例えば、直交性成分が用いられ得る生物体)由来の細胞に導入される。同族のシンテターゼも導入され得る(発現される場合、同族のシンテターゼをコードするポリペプチドまたはポリヌクレオチドのいずれかとして)。細胞は、所望の密度まで、例えばOD600約0.5まで培地中で増殖され、および例えば、BetaFluor(商標)β−Galactosidase Assay Kit(Novagen)を用いて、βガラクトシダーゼアッセイが行われる。抑制パーセントは、匹敵するコントロールに対するサンプルについての活性の割合、例えば、誘導されたlacZ構築物であって、セレクターコドン以外の所望の位置で対応するセンスコドンを有する構築物から観察された値として計算される。
本発明における使用に適切なO−tRNAの例は、米国特許出願10/126,931、10/126,927、および10/825,867に開示されるO−tRNA分子のいずれか1つである。tRNA分子では、チミン(T)は、ウラシル(U)で置換される。さらに、この塩基に対するさらなる改変が存在し得る。本発明はまた、O−tRNAの保存的改変体を含む。例えば、O−tRNAの保存的改変体としては、O−tRNAのように機能して、tRNAのL形状の構造を保持するが、同じ配列は有さない分子(および野性型tRNA分子以外である)が挙げられる。「核酸およびポリペプチド配列および改変体(Nucleic Acid and Polypeptide Sequence and Variants)」と題された本明細書の節も参照のこと。
O−tRNAを含む組成物はさらに、直交性のアミノアシル−tRNAシンテターゼ(O−RS)を含んでもよく、このO−RSは選択されたアミノ酸(例えば、天然でないアミノ酸)でO−tRNAを優先的にアミノアシル化する。特定の実施形態では、O−tRNAを含む組成物は、さらに、翻訳系(例えば、インビトロまたはインビボの翻訳系)を含んでもよい。目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、O−tRNAによって認識される1つ以上のセレクターコドンまたはこれらの1つ以上の組み合わせを含むポリヌクレオチド、を含む核酸がまた、細胞または他の翻訳系に存在し得る。また、「直交性アミノアシル−tRNAシンテターゼ(O−RS)(Orthogonal Aminoacyl−tRNA Synthetases(O−RS))」と題された本明細書の節も参照のこと。
直交性のtRNA(O−tRNA)、例えば、O−tRNAを産生する方法も、本発明の特徴である。tRNA、例えば、この方法によって生成されるO−tRNAも、本発明の特徴である。
直交性tRNAを生成する方法は、セレクターコドン(例えば、アンバーコドン、オパールコドン、四塩基コドンなど)の認識を可能にするようにtRNAのプールの各々のアンチコドンループを変異させる工程であって、これによって複数の潜在的なO−tRNAを提供する工程と;O−tRNAの多数の複数の可能性の二次構造を分析して、二次構造中で非標準塩基対を同定する工程と、この非標準塩基対を場合により変異させる(例えば、非標準塩基対が標準塩基対に変異される)工程とを含む。この非標準塩基対は、二次構造のステム領域に位置してもよい。O−tRNAは、出発物質、例えば、複数のtRNA配列に比較して所望の生物体についての直交性の改善のような、1つ以上の特徴または活性の改善を、所望のRSに対するこの親和性を保存しながら保有し得る。
または、O−tRNAは、翻訳に影響するか、または翻訳機構の成分である1つ以上の分子とのこの相互作用またはこの分子との結合親和性を調節するように、公知のtRNAを変異することによって開発されてもよい。このような成分としては、限定はしないが、伸長因子が挙げられる。細菌伸長因子EF−Tuは、タンパク質合成における伸長工程において重要な役割を果たす。tRNAシンテターゼによるtRNAのアミノアシル化後、EF−Tuは、アミノアシル化されたtRNAに結合して、これをリボソームのA部位に架橋する。荷電されたアミノ酸とtRNAとの間のエステル結合は、EF−Tuとアミノアシル化tRNAとの間の結合に起因して自然な加水分解から保護される。Stortchevoiらは、TΨCステムにおいてE.coli開始tRNAfMetU50:G64ゆらぎ塩基対の変異体を検討した。なぜならこの塩基対は、EF−Tu.GTPとアミノアシル化tRNAとの間の弱まった相互作用におそらく起因して、伸長においてtRNAの活性をブロックする二次的な陰性決定基であることが見出されたからである(JBC 2003 278(20):17672から17679)。また、LaRiviereらは、Science 2001 Oct 5;294(5540):165から8において、EF−Tuに対する全体的な結合親和性に対するアミノ酸およびtRNAの熱力学的な寄与を記載した。これらによって、tRNA本体およびアミノ酸の寄与が、お互いに独立していること、およびこれらはtRNAが正確にアシル化されるときお互いについて補償するということが示された。天然でないアミノ酸でアミノアシル化されたEF−Tu.GTPとtRNAとの間の相互作用に対する変更は、リボソームのA部位へのtRNAのローディングの効率に影響し得る。潜在的な変異部位はまた、tRNAと翻訳機構の他の成分、例えば、EF−Tuとの間の複合体の結晶構造を分析することによって見出され得る。例えば、Nissenらは、EF−Tu.GTPが、酵母のフェニルアラニル−トランスファーRNA(Phe−tRNA)のTΨCステムのリン酸骨格に直接結合することを示している(Science 1995 270(5241):1464から1472)。
この方法は場合により、tRNAおよび/またはアミノアシルtRNAシンテターゼの配列の相同性を分析して、特定の生物体について直交性であると考えられる、O−tRNA、O−RSおよび/またはこの対についての潜在的な候補物を決定する工程を含む。当分野で公知であって、および本明細書に記載されるコンピュータープログラムは、分析のために用いられ得る。1実施例では、原核生物の生物体における使用のための潜在的な直交性翻訳成分を選択するために、原核生物の生物体に対して異常な相同性を示さない、シンテターゼおよび/またはtRNAが選択される。
tRNAのプールはまた、コンセンサスなストラテジーによって生成され得る。例えば、tRNAのプールは、複数のtRNA配列を整列させること;コンセンサス配列を決定すること;およびコンセンサス配列の少なくとも一部、ほとんど、または全体を用いてtRNAのライブラリーを生成することによって生成される。例えば、コンセンサス配列は、コンピュータープログラム、例えば、GCGプログラムpileupを用いて編集され得る。必要に応じて、プログラムによって決定された縮重位置は、この位置で最も頻繁な塩基に変化される。ライブラリーは、コンセンサス配列を用いて当分野で公知の技術によって合成される。例えば、tRNA遺伝子の各々の部位が、90%のコンセンサス配列のドープ混合物、および他の3塩基の10%混合物として合成され得るオリゴヌクレオチドの重複伸長を用いて、コンセンサス配列に基づくライブラリーを提供してもよい。他の混合物、例えば、75%のコンセンサス配列および他の3塩基の25%の混合物、80%のコンセンサス配列および他の3塩基の20%混合物、95%のコンセンサス配列および他の3塩基の5%混合物なども用いられてもよい。
変異体tRNAのライブラリーは、当分野で公知の種々の突然変異誘発技術を用いて生成され得る。例えば、変異体tRNAは、部位特異的変異、ランダムポイント変異、相同組み換え、DNAシャッフリングまたは他の再帰的な突然変異方法、キメラ構築物、またはこれらの任意の組み合わせによって生成されてもよい。
さらなる変異が、特定の部位で、例えば、非保存的な位置で、または保存的な位置で、ランダムな位置で、またはtRNAの所望のループもしくは領域においてこれらの組み合わせで、例えば、tRNA分子のアンチコドンループ、アクセプターステム、Dアームもしくはループ、可変ループ、TΨCアームもしくはループ、他の領域、またはこれらの組み合わせで導入されてもよい。変異はステム領域にマッチされた塩基対を含んでもよい。
代表的には、O−tRNAは、細胞が複数の潜在的なO−tRNAのメンバーを含む、第一の種の細胞の集団を陰性選択に供することによって得られる。陰性の選択は、細胞に対して内因性であるアミノアシルtRNAシンテターゼ(RS)によってアミノアシル化される複数の潜在的なO−tRNAのメンバーを含む細胞を排除する。これによって、第一種の細胞に対して直交性であるtRNAのプールが提供される。
陰性選択の特定の実施形態では、セレクターコドンが、陰性選択マーカー、例えば、抗生物質耐性を付与する酵素、例えば、βラクタマーゼ、検出可能生成物を付与する酵素、例えば、βガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、例えば、毒性生成物、例えば、バルナーゼ(barnase)をコードするポリヌクレオチドに、非必須部位などで導入される。スクリーニング/選択は、選択因子(例えば、アンピシリンのような抗生物質)の存在下で細胞の集団を増殖することによって行われ得る。一実施形態では、選択因子の濃度が変化される。
例えば、サプレッサーtRNAの活性を測定するために、セレクターコドンのインビボ抑制、例えば、陰性選択マーカー、例えば、βラクタマーゼの遺伝子(bla)をコードするポリヌクレオチドに導入されたナンセンスまたはフレームシフト変異に基づく選択システムが用いられる。例えば、TAG、AGGAおよびTGAを、特定の位置で有する、例えば、ポリヌクレオチド改変体、例えば、bla改変体は、特定の位置で構築される。細胞、例えば、細菌は、これらのポリヌクレオチドで形質転換される。内因性E.coliシンテターゼによって効率的に荷電され得ない直交性tRNAの場合、抗生物質耐性、例えば、アンピシリン耐性は、プラスミドなしで形質転換された細菌についての耐性とほぼ同じであるかまたは少なくなければならない。tRNAが直交性でない場合、またはtRNAを荷電させ得る異種シンテターゼがこの系で同時発現される場合、より高レベルの抗生物質の耐性、例えば、アンピシリン耐性が観察される。プラスミドで形質転換されていない細胞とほぼ等しい抗生物質濃度で、LB寒天プレート上で成長できない細胞、例えば、細菌が選択される。
毒性の生成物の場合(例えば、リボヌクレアーゼバルナーゼ)の場合、複数の潜在的なtRNAのメンバーは、内因性の宿主、例えば、Escherichia coliシンテターゼ(すなわち、宿主、例えば、Escherichia coliシンテターゼに対して直交性でない)によってアミノアシル化されるとき、セレクターコドンが抑制され、および生成された毒性のポリヌクレオチド生成物が細胞死をもたらす。直交性tRNAまたは非機能的なtRNAを保有する細胞は生残する。
一実施形態では、所望の生物体に対して直交性であるtRNAのプールを次に、陽性選択に供するが、ここでは、βラクタマーゼ遺伝子のような薬物耐性遺伝子によって例えばコードされる陽性選択マーカーにセレクターコドンが位置する。陽性選択は、細胞上で行うが、この細胞は、tRNAのプールのメンバーをコードするかもしくは含むポリヌクレオチドと、陽性選択マーカーをコードするポリヌクレオチドと、同族のRSをコードするポリヌクレオチドとを含む。これらのポリヌクレオチドは、細胞中で発現され、この細胞は選択因子、例えば、アンピシリンの存在下で成長させられる。ついでtRNAを、これが同時発現された同族のシンテターゼによってアミノアシル化される能力、およびこのセレクターコドンに応答してアミノ酸に挿入する能力について選択する。代表的には、これらの細胞は、非機能的なtRNA、または目的のシンテターゼによって効率的に認識されないtRNAを保有する細胞に比較して抑制効率の増強を示す。非機能的なtRNA、または目的のシンテターゼによって効率的に認識されないtRNAを保有する細胞は抗生物質に対して感受性である。従って、tRNAは、(i)内因性の宿主、例えば、Escherichia coliの基質、シンテターゼではない;(ii)目的のシンテターゼによってアミノアシル化され得る;および(iii)翻訳において機能的であり両方の選択を生き残る。
選択、例えば陽性の選択、陰性の選択、または陽性および陰性の選択の両方のストリンジェンシーは、上記の方法で、場合により、改変され得る。例えば、バルナーゼ(barnase)が極端に毒性のタンパク質であるので、陰性選択のストリンジェンシーは、種々の数のセレクターコドンをバルナーゼ遺伝子に導入することによって、および/または誘導性プロモーターを用いることによって制御され得る。別の例では、選択またはスクリーニングの因子の濃度は変化される(例えば、アンピシリン)。一態様では、ストリンジェンシーは変化される。なぜなら、所望の活性は初期の回の間には低くてもよいからである。従って、ストリンジェントの少ない選択基準が初期の回にあてはまり、およびさらにストリンジェントな基準が選択の後の回にあてはまる。特定の実施形態では、陰性の選択、陽性の選択、または陰性および陽性の選択の両方が複数回繰り返されてもよい。複数の異なる陰性選択マーカー、陽性選択マーカーまたは陰性および陽性の両方の選択マーカーが用いられ得る。特定の実施形態では、陽性および陰性の選択マーカーは同じであってもよい。
他のタイプの選択/スクリーニングは、直交性の翻訳成分、例えば、O−tRNA、O−RSおよびO−tRNA/O−RSの対を生成するために本発明において用いられ得る。例えば、陰性の選択マーカー、陽性の選択マーカー、または陽性および陰性の両方の選択マーカーとしては、適切な反応物の存在下で蛍光を発するかまたは発光反応を触媒するマーカーを挙げることができる。別の実施形態では、マーカーの生成物は、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって、または発光によって検出される。場合により、マーカーは、アフィニティーベースのスクリーニングマーカーを含む。Francisco,J.A.,et al.,(1993)Production and fluorescence−activated cell sorting of Escherichia coli expressing a functional antibody fragment on the external surface.Proc Natl Acad Sci U S A.90:10444から8を参照のこと。
組み換えの直交性tRNAを生成するためのさらなる方法は、例えば、「Methods and Compositions for the Production of Orthogonal tRNA−Aminoacyl tRNA Synthetase Pairs」と題された米国特許出願10/126,931、および「In vivo Incorporation of Unnatural Amino Acids」と題された同第10/126,127号、「EXPANDING THE EUKARYOTIC GENETIC CODE」と題されたUSSN 10/825,867号に見出され得る。また、Forster et al.,(2003)Programming peptidomimetic synthetases by translating genetic codes designed de novo PNAS 100(11):6353から6357;ならびに、Feng et al.,(2003),Expanding tRNA recognition of a tRNA synthetase by a single amino acid change,PNAS 100(10):5676から5681も参照のこと。
tRNAは、限定はしないが、化学的または酵素的なアミノアシル化を含む任意の方法または技術によって所望のアミノ酸でアミノアシル化され得る。
アミノアシル化は、限定はしないがリボザイムを含む、アミノアシルtRNAシンテターゼによって、または他の酵素分子によって達成され得る。リボザイムという用語は、「触媒性RNA(catalytic RNA)」と交換可能である。Cechおよび共同研究者(Cech,1987,Science,236:1532から1539;McCorkle et al.,1987,Concepts Biochem.64:221から226)は、触媒(リボザイム)として機能し得る天然に存在するRNAの存在を実証した。これらの天然のRNA触媒は、切断およびスプライシングのためにリボ核酸基質上で作用することしか示されていないが、リボザイムの人工的な進化の近年の発達は、種々の化学的反応に対する触媒のレパートリーを拡大している。アミノアシルRNAを触媒し得るRNA分子がこれら自体の(2’)3’−末端に(Illangakekare et al.,1995 Science 267:643から647)、およびアミノ酸を1つのRNA分子から別に輸送し得るRNA分子(Lohse et al.,1996,Nature 381:442−444)に結合することが研究によって確認されている。
本明細書において参照により組み込まれる、米国特許出願公開2003/0228593は、天然にコードされるおよび天然にはコードされないアミノ酸でのtRNAのアミノアシル化におけるリボザイムの構築方法およびこれらの使用を記載している。限定はしないが、リボザイムを含む、tRNAをアミノアシル化し得る酵素分子の基質固定型によって、アミノアシル化生成物の効率的なアフィニティー精製が可能になり得る。適切な基質の例としては、アガロース、セファロースおよび磁気ビーズが挙げられる。アミノアシル化のためのリボザイムの基質固定型の生成および使用は、本明細書に参照により組み込まれる、ChemistryおよびBiology 2003,10:1077から1084および米国特許出願公開2003/0228593に記載される。
化学的なアミノアシル化の方法としては、限定はしないが、アミノアシル化におけるシンテターゼの使用を回避するために、Hechtおよび共同研究者(Hecht,S.M.Acc.Chem.Res.1992,25,545;Heckler,T.G.;Roesser,J.R.;Xu,C.;Chang,P.;Hecht,S.M.Biochemistry 1988,27,7254;Hecht,S.M.;Alford,B.L.;Kuroda,Y.;Kitano,S.J.Biol.Chem.1978,253,4517)によって、およびSchultz、Chamberlin、Dougherty他(Cornish,V.W.;Mendel,D.;Schultz,P.G.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1995,34,621;Robertson,S.A.;Ellman,J.A.;Schultz,P.G.J.Am.Chem.Soc.1991,113,2722;Noren,C.J.;Anthony−Cahill,S.J.;Griffith,M.C;Schultz,P.G.Science 1989,244,182;Bain,J.D.;Glabe,C.G.;Dix,T.A.;Chamberlin,A.R.J.Am.Chem.Soc.1989,111,8013;Bain,J.D.et al.Nature 1992,356,537;Gallivan,J.P.;Lester,H.A.;Dougherty,D.A.Chem.Biol.1997,4,740;Turcatti,et al.J.Biol.Chem.1996,271,19991;Nowak,M.W.et al.Science,1995,268,439;Saks,M.E.et al.J.Biol.Chem.1996,271,23169;Hohsaka,T.et al.J.Am.Chem.Soc.1999,121,34)によって導かれた方法が挙げられる。このような方法または他の化学的アミノアシル化法を用いて、tRNA分子をアミノアシル化し得る。
化学的に修飾されたアミノアシル−tRNAを使用する生合成方法は、インビトロで合成されたタンパク質にいくつかの生物物理学的なプローブを組み込むために用いられている。以下の刊行物およびこの中に引用される引用文献を参照のこと:Brunner,J.New Photolabeling and crosslinking methods,Annu.Rev Biochem,62:483から514(1993);ならびに、Krieg,U.C.,Walter,P.,Hohnson,A.E.Photocrosslinking of the signal sequence of nascent preprolactin of the 54− kilodalton polypeptide of the signal recognition particle,Proc.Natl.Acad.Sci,83(22):8604から8608(1986)。
以前には、天然でないアミノ酸は、所望のアンバー・ナンセンス変異を含む遺伝子でプログラムされたタンパク質合成反応に対する化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAの添加によってインビトロでタンパク質中に部位特異的に組み込まれ得る。これらのアプローチを用いて、当業者は、特定のアミノ酸について栄養要求性の株を用いて、一般の20のアミノ酸のうち多数を、構造の近い相同体、例えば、フェニルアラニンについてはフルオロフェニルアラニンで置換し得る。例えば、Noren,C.J.,Anthony−Cahill,Griffith,M.C.,Schultz,P.G.A general method for site−specific incorporation of unnatural amino acids into proteins,Science,244:182から188(1989);M.W.Nowak,et al.,Science 268:439から42(1995);Bain,J.D.,Glabe,C.G.,Dix,T.A.,Chamberlin,A.R.,Diala,E.S.Biosynthetic site−specific Incorporation of a non−natural amino acid into a polypeptide,J.Am Chem Soc,111 :8013から8014(1989);N.Budisa et al.,FASEB J.13:41から51(1999);Ellman,J.A.,Mendel,D.,Anthony−Cahill,S.,Noren,C.J.,Schultz,P.G.Biosynthetic method for introducing unnatural amino acids site−specifically into proteins,Methods in Enz.,vol.202,301から336(1992);ならびに、Mendel,D.,Cornish,V.W.& Schultz,P.G.Site− Directed Mutagenesis with an Expanded Genetic Code,Annu Rev Biophys.Biomol Struct.24,435から62(1995)を参照のこと。
例えば、終止コドンUAGを認識して、天然でないアミノ酸で化学的にアミノアシル化された、サプレッサーtRNAを調製した。従来の部位特異的突然変異誘発を用いて、タンパク質の遺伝子における目的の部位に終止コドンTAGを導入した。例えば、Sayers,J.R.,Schmidt,W.Eckstein,F.5’−3’ Exonucleases in phosphorothioate−based olignoucleotide−directed mutagensis,Nucleic Acids Res,16(3):791から802(1988)を参照のこと。アシル化されたサプレッサーtRNAおよび変異遺伝子をインビトロの転写/翻訳系で組み合わせた場合、UAGコドンに応答して天然でないアミノ酸を組み込んで、特定の位置でこのアミノ酸を含有するタンパク質を得る。[H]−Pheを用いる実験およびαヒドロキシ酸での実験で、所望のアミノ酸のみがUAGコドンによって特定される位置に組み込まれること、およびこのアミノ酸がこのタンパク質における他の部位には組み込まれないことが実証された。例えば、Noren,et al,上記;Kobayashi et al.,(2003)Nature Structural Biology 10(6):425から432;および,Ellman,J.A.,Mendel,D.,Schultz,P.G.Site−specific incorporation of novel backbone structures into proteins,Science,255(5041):197から200(1992)を参照のこと。
触媒性RNAを生成するための方法は、無作為化されたリボザイム配列の別のプールを生成する工程と、このプール上で指向進化を行う工程と、所望のアミノアシル化活性のプールをスクリーニングする工程と、所望のアミノアシル化活性を示すリボザイムの配列を選択する工程とを含み得る。
リボザイムは、GGUモチーフおよびU−リッチ領域のようなアシル化活性を促進するモチーフおよび/または領域を含み得る。例えば、Uリッチ領域がアミノ酸基質の再生を促進し得、およびGGUモチーフがtRNAの3’末端と塩基対を形成し得ることが報告されている。合わせて、GGUおよびモチーフおよびUリッチ領域は、アミノ酸およびtRNAの両方の同時認識を同時に促進し、これによって、tRNAの3’末端のアミノアシル化を促進する。
リボザイムは、tRNAAsn CCCGと結合体化された部分的に無作為化されたr24miniを用いてインビトロ選択によって、続いて活性なクローンで見出されるコンセンサス配列の体系的な操作によって生成され得る。この方法によって得られる例示的なリボザイムは、「Fx3リボザイム(Fx3 ribozyme)」と命名され、およびこの内容が、本明細書に参照により組み込まれる、米国公開出願番号2003/0228593に記載されており、同族の天然でないアミノ酸を充填された種々のアミノアシルt−RNAの合成のための多様な触媒として機能する。
基質上の固定を用いて、アミノアシル化されたtRNAの効率的な親和性精製を可能にすることができる。適切な基質の例としては限定はしないが、アガロース、セファロースおよび磁気ビーズが挙げられる。リボザイムは、RNAの化学構造の利点を利用することによって樹脂上に固定され得る。例えば、RNAのリボソーム上の3’−cis−ジオールを、過ヨウ素酸塩で酸化して、樹脂上へのRNAの固定を促進する、対応するジアルデヒドを得てもよい。安価なヒドラジド樹脂を含む種々のタイプの樹脂を用いてもよく、ここの樹脂では、還元的なアミノ化で樹脂とリボザイムとの間の相互作用である可逆的な結合を作製する。アミノアシル−tRNAの合成は、このカラム上のアミノアシル化技術によって有意に促進され得る。Kourouklisら、Methods 2005;36:239から4は、カラムベースのアミノアシル化システムを記載している。
アミノアシル化されたtRNAの単離は、種々の方法で達成され得る。1つの適切な方法は、10mM EDTAであって、50mMのN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(3−プロパンスルホン酸)、12.5mM KCl、pH7.0、10mMのEDTAを含有する酢酸ナトリウム溶液、または単にEDTA緩衝化生理食塩水(pH7.0)のような緩衝液を用いて、カラムからアミノアシル化tRNAを溶出することである。
アミノアシル化tRNAが、アミノ酸を組み込むために翻訳反応に添加されてもよく、ここではtRNAは、翻訳反応によって作成されるポリペプチドにおける選択の位置でアミノアシル化された。アミノアシル化tRNAが用いられ得る翻訳系の例としては、限定はしないが、細胞溶解物が挙げられる。細胞溶解物は、インプットmRNAからのポリペプチドのインビトロ翻訳に必要な反応成分を提供する。このような反応成分の例としては限定はしないが、リボソームタンパク質、rRNA、アミノ酸、tRNA、GTP、ATP、翻訳開始および伸長因子、ならびに翻訳に関連するさらなる因子が挙げられる。さらに、翻訳系は、バッチ翻訳であっても、または区画化された翻訳であってもよい。バッチ翻訳系は、単一の区画において反応成分を組み合わせるが、区画化された翻訳系は、翻訳効率を妨げ得る反応生成物から翻訳反応成分を分ける。このような翻訳系は市販されている。
さらに、カップリングされた転写/翻訳系を用いてもよい。カップリングされた転写/翻訳系によって、対応するmRNAへのインプットDNAの両方の転写が可能になり、ついでこれが反応性分によって翻訳される。市販のカップリングされた転写/翻訳の例は、Rapid Translation System(RTS,Roche Inc.)である。この系は、リボザイムおよび翻訳因子のような翻訳成分を提供するためのE.coli溶解物を含む混合物を含む。さらに、RNAポリメラーゼが、翻訳における使用のためにmRNAテンプレートへのインプットDNAの転写のために含まれる。RTSは、供給/廃棄区画および転写/翻訳区画を含む反応区画の間に組み込まれた膜による反応成分の区画化を用いてもよい。
tRNAのアミノアシル化は、限定はしないが、トランスフェラーゼ、ポリメラーゼ、触媒性抗体、他機能タンパク質などを含む他の因子によって行われ得る。
直交性アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)
本発明のO−RSは、インビトロまたはインビボにおいて、選択されたアミノ酸でO−tRNAを優先的にアミノアシル化する。本発明のO−RSは、O−RSを含むポリペプチドによって、および/またはO−RSもしくはこの一部をコードするポリヌクレオチドによって翻訳系(例えば、インビトロの翻訳成分、または細胞)に提供され得る。例えば、O−RSまたはこの一部は、配列番号4に示されるポリヌクレオチド配列、またはこの相補的なポリヌクレオチド配列、またはこの保存的改変体によってコードされる。本発明のO−RSは、限定はしないが、本明細書に開示されるものを含む、多数の異なるO−tRNA分子をアミノアシル化し得る。
O−tRNA、例えば、O−tRNAとの使用のための直交性アミノアシル−tRNAシンテターゼ(O−RS)、例えばO−RSを同定するための方法も、本発明の特徴である。例えば、ある方法は、第一の種の細胞の集団を陽性選択に供する工程を含み、この細胞は、各々が、1)多数の複数のアミノアシル−tRNAシンテターゼ(RS)を含み、ここでは複数のRSが、変異RS、第一の種以外の種由来のRS、または第一の種以外の種由来の変異RSおよびRSの両方を含むRSと;2)第二の種由来の直交性tRNA(O−tRNA)と;および3)陽性選択マーカーをコードし、および少なくとも1つのセレクターコドンを含む、ポリヌクレオチドとを含む。複数のRSのメンバーを欠くかまたは量が減少している細胞に比較して、抑制効率の増強を示す細胞を選択するかまたはスクリーニングする。抑制効率の増強を有する細胞は、O−tRNAをアミノアシル化する活性なRSを含む。第一の種由来のtRNAの第一のセットの活性なRSによるアミノアシル化のレベル(インビトロまたはインビボにおける)を、第二の種由来のtRNAの第二のセットの活性なRSによるアミノアシル化のレベル(インビトロまたはインビボにおける)に比較する。アミノアシル化のレベルは、検出可能な物質(例えば、標識されたアミノ酸または天然でないアミノ酸)によって決定され得る。第一のセットのtRNAに比較して第二のセットのtRNAをより効率的にアミノアシル化する活性なRSを選択し、これによって、O−tRNAでの使用のための直交性アミノアシルtRNAシンテターゼを提供する。O−RS、例えば、本方法によって特定されたO−RSも、本発明の特徴である。
多数のアッセイを用いてアミノアシル化を決定してもよい。これらのアッセイは、インビトロで行っても、インビボでおこなってもよい。例えば、インビトロのアミノアシル化アッセイは、例えば、Hoben,P.,and Soll,D.(1985)Methods Enzymol.113:55から59において、および米国特許出願公開番号2003/0228593において記載される。アミノアシル化はまた、直交性の翻訳成分とともにレポーターを用いること、およびタンパク質をコードする少なくとも1つのセレクターコドンを含むポリヌクレオチドを発現する細胞においてレポーターを検出することによって決定され得る。「IN VIVO INCORPORATION OF UNNATURAL AMINO ACIDS;」と題された米国特許出願10/126,927および「EXPANDING THE EUKARYOTIC GENETIC CODE」と題されたUSSN 10/825,867を参照のこと。
同定されたO−RSは、所望の天然でないアミノ酸だけでなく、任意の一般的な20のアミノ酸もO−tRNAに充填されるように、シンテターゼの基質特異性を変更するためにさらに操作され得る。天然でないアミノ酸の基質特異性を有する直交性のアミノアシルtRNAシンテターゼを生成する方法は、例えば、シンテターゼにおける活性部位で、シンテターゼにおける編集機構部位で、シンテターゼの種々のドメインを組み合わせることによって種々の部位で、などで、シンテターゼを変異する工程と、選択プロセスを加える工程とを含む。陽性選択に続く陰性選択の組み合わせに基づくストラテジーを用いる。陽性選択では、陽性マーカーの非必須位置に導入されたセレクターコドンの抑制によって、陽性の選択圧下で細胞が生存することが可能になる。従って、天然のアミノ酸および天然でないアミノ酸の両方の存在下において、生残物は、天然のアミノ酸または天然でないアミノ酸のいずれかで直交性サプレッサーtRNAを充填している活性シンテターゼをコードする。陰性選択では、陰性のマーカーの非必須位置に導入されたセレクターコドンの抑制によって、天然のアミノ酸特異性を有するシンテターゼを除去する。陰性および陽性の選択の生残物は、天然でないアミノ酸のみを有する直交性サプレッサーtRNAをアミノアシル化(充填)するシンテターゼをコードする。ついで、これらのシンテターゼを、さらなる突然変異誘発、例えば、DNAシャッフリング、または他の再帰的突然変異(recursive mutagenesis)法に供してもよい。
変異体O−RSのライブラリーは、当分野で公知の種々の突然変異誘発技術を用いて生成され得る。例えば、変異体RSは、部位特異的変異、無作為な点変異、相同組み換え、DNAシャッフリング、または他の再帰的突然変異誘発法、キメラ構築物、またはこれらの任意の組み合わせによって生成され得る。例えば、変異RSのライブラリーは、2つ以上の他の、例えば、より小さい、少ない多様性の「サブライブラリー(sub−library)」から生成され得る。RSのキメラライブラリーも、本発明に含まれる。種々の生物体(例えば、真正細菌または古細菌などの微生物)由来のtRNAシンテターゼのライブラリー、例えば、天然の多様性を含むライブラリー(例えば、Shortらの米国特許番号6,238,884;Schallenbergerらの米国特許番号5,756,316;Petersenらの米国特許番号5,783,431;Thompsonらの米国特許番号5,824,485;Shortらの米国特許番号5,958,672)が場合により構築されて、直交性の対についてスクリーニングされることが注目されるべきである。
一旦シンテターゼを陽性および陰性の選択/スクリーニングのストラテジーに供すれば、ついで、これらのシンテターゼを、さらなる突然変異誘発に供してもよい。例えば、O−RSをコードする核酸が単離され得る;変異した(例えば、ランダム突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発;組み換えまたはこの任意の組み合わせによる)O−RSをコードする1セットのポリヌクレオチドを核酸から生成してもよく;およびこれらの個々の工程またはこれらの工程の組み合わせは、天然でないアミノ酸でO−tRNAを優先的にアミノアシル化する変異されたO−RSが得られるまで、繰り返され得る。本発明の一態様では、この工程は複数回、例えば、少なくとも2回繰り返される。
選択/スクリーニングのストリンジェンシーのさらなるレベルをまた、O−tRNA、O−RSまたはこの対を生成するために、本発明の方法において用いてもよい。選択またはスクリーニングのストリンジェンシーは、O−RSを生成するための方法の1つまたは両方の工程で変化され得る。これは、例えば、用いられる選択/スクリーニング因子の量を変化させる工程などを含み得る。陽性および/または陰性の選択のさらなる回をまた行ってもよい。選択またはスクリーニングはまた、1回以上の陽性または陰性の選択またはスクリーニングを含んでもよく、これには、例えば、アミノ酸透過性の変化、翻訳効率の変化、翻訳忠実度の変化などが挙げられる。代表的には、1つ以上の変化は、直交性のtRNA−tRNAシンテターゼ対を用いてタンパク質を生成する生物体中における1つ以上の遺伝子における変異に基づく。
他のタイプの選択を本発明において、例えば、O−RS、O−tRNAおよびO−tRNA/O−RSの対について用いてもよい。陽性の選択マーカーは、限定はしないが、成長のための栄養性補充物を提供する生成物を含む任意の種々の分子であってもよく、および選択は、栄養補充物を欠く培地で行われる。陽性選択マーカーをコードするポリヌクレオチドの例としては、限定はしないが、例えば、細胞のアミノ酸栄養要求性を補完することに基づくレポーター遺伝子、his3遺伝子(例えば、ここでhis3遺伝子は、3−アミノトリアゾール(3−AT)を提供することによって検出されるイミダゾールグリセロールホスフェートデヒドラターゼをコードする)、ura3遺伝子、leu2遺伝子、lys2遺伝子、lacZ遺伝子、adh遺伝子などが挙げられる。例えば、G.M.Kishore,&D.M.Shah,(1988),Amino acid biosynthesis inhibitors as herbicides,Annual Review of Biochemistry 57:627から663を参照のこと。一実施形態では、lacZの生成は、オルト−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)加水分解によって検出される。例えば、I.G.Serebriiskii,&E.A.Golemis,(2000)、Uses of lacZ to study gene function:evaluation of beta−galactosidase assays employed in the yeast two−hybrid system,Analytical Biochemistry 285:1から15を参照のこと。さらなる陽性選択マーカーとしては、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、YFP、EGFP、RFP、抗生物質耐性遺伝子の生成(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT))、転写調節因子(例えば、GAL4)などが挙げられる。場合により、陽性選択マーカーをコードするポリヌクレオチドは、セレクターコドンを含む。
陽性選択マーカーをコードするポリヌクレオチドは、応答エレメントに作動可能に連結され得る。応答エレメントからの転写を調節する転写調節因子タンパク質をコードし、および少なくとも1つのセレクターコドンを含むさらなるポリヌクレオチドも存在し得る。天然でないアミノ酸でアミノアシル化されたO−tRNAによる転写調節タンパク質への天然でないアミノ酸の取り込みによって、陽性の選択マーカーをコードするポリヌクレオチド(例えば、レポーター遺伝子)の転写が生じる。必要に応じて、セレクターコドンは、転写調節タンパク質のDNA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドの一部に位置するかまたは実質的に近位である。
陰性の選択マーカーをコードするポリヌクレオチドはまた、転写が転写調節タンパク質によって媒介される応答エレメントに対して必要に応じて連結され得る。例えば、A.J.DeMaggio,et al.,(2000),The yeast split−hybrid system,Method Enzymol.328:128から137;H.M.Shih,et al.,(1996),A positive genetic selection for disrupting protein−protein interactions: identification of CREB mutations that prevent association with the coactivator CBP,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:13896から13901;M.Vidal,et al.,(1996),Genetic characterization of a mammalian protein−protein interaction domain by using a yeast reverse two−hybrid system,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:10321から10326;ならびに,M.Vidal,et al.,(1996),Reverse two−hybrid and one−hybrid systems to detect dissociation of protein−protein and DNA−protein interactions(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:10315から10320)を参照のこと。天然のアミノ酸でアミノアシル化されたO−tRNAによる転写調節タンパク質への天然のアミノ酸の取り込みによって、陰性選択マーカーの転写が生じる。必要に応じて、陰性選択マーカーはセレクターコドンを含む。本発明の陽性選択マーカーおよび/または陰性選択マーカーは、少なくとも2つのセレクターコドンを含み得、この各々または両方が、少なくとも2つの異なるセレクターコドン、または少なくとも2つの同じセレクターコドンを含み得る。
転写調節タンパク質は、核酸配列(例えば、応答エレメント)に(直接または間接的に)結合し、この応答エレメントに作動可能に結合される配列の転写を調節する分子である。転写調節タンパク質は、転写活性化タンパク質(例えば、GAL4、核ホルモン受容体、AP1、CREB、LEF/tcfファミリーのメンバー、SMAD、VP16、SPlなど)、転写抑制タンパク質(例えば、核ホルモンレセプター、Groucho/tleファミリー、Engrailedファミリーなど)、または環境に依存して両方の活性を有し得るタンパク質(例えば、LEF/tcf、ホモボックス(homobox)タンパク質など)であってもよい。応答エレメントは代表的には、転写調節タンパク質によって認識される核酸配列、または転写調節タンパク質と共同して作用するさらなる因子である。
転写調節タンパク質の別の例は、転写活性化タンパク質GAL4である。例えば、A.Laughonら(1984)、Identification of two proteins encoded by the Saccharomyces cerevisiae GAL4 gene,Molecular & Cellular Biology 4:268から275;A.Laughon,& R.F.Gesteland,(1984),Primary structure of the Saccharomyces cerevisiae GAL4 gene,Molecular & Cellular Biology 4:260から267;L.Keegan,et al.,(1986),Separation of DNA binding from the transcription−activating function of a eukaryotic regulatory protein,Science 231:699から704;および,M.Ptashne,(1988),How eukaryotic transcriptional activators work,Nature 335:683から689を参照のこと。この881個のアミノ酸のタンパク質のN末端の147個のアミノ酸は、DNA配列特異的に結合するDNA結合ドメイン(DBD)を形成する。例えば、M.Carey,et al.,(1989),An amino−terminal fragment of GAL4 binds DNA as a dimer,J.Mol.Biol.209:423から432;ならびに,E.Giniger,et al.,(1985),Specific DNA binding of GAL4,a positive regulatory protein of yeast,Cell 40:767から774を参照のこと。DNAに結合したとき転写を活性化し得るC末端の113のアミノ酸活性化ドメイン(AD)に対して、タンパク質配列を介在させることによって、DBDを連結する。例えば、J.Ma,& M.Ptashne,(1987),Deletion analysis of GAL4 defines two transcriptional activating segments,Cell 48:847から853:ならびに,J.Ma,& M.Ptashne,(1987),The carboxy−terminal 30 amino acids of GAL4 are recognized by GAL80,Cell 50:137から142を参照のこと。GAL4のN末端DBDおよびこのC末端ADの両方を含む単一のポリペプチドの例えばN末端DBDに対するアンバーコドンを置くことによって、O−tRNA/O−RS対によるアンバーサプレッションを、GAL4による転写活性化に結合させてもよい。GAL4活性化レポーター遺伝子を用いて、この遺伝子を用いる陽性および陰性の両方の選択を行ってもよい。
陰性選択のために用いられる培地は、陰性の選択マーカーによって検出可能物質に変換される因子を選択する工程またはスクリーニングする工程を含んでもよい。本発明の一態様では、検出可能物質は、毒性物質である。陰性選択マーカーをコードするポリヌクレオチドは、例えばura3遺伝子であってもよい。例えば、URA3レポーターは、GAL4 DNA結合部位を含むプロモーターの制御下に置かれてもよい。例えば、GAL4をコードするポリヌクレオチドのセレクターコドンでの翻訳によって、陰性選択マーカーが生成される場合、GAL4は、URA3の転写を活性化する。陰性の選択は、5−フルオロオロチン酸(5−FOA)を含む培地上で達成され、この5−フルオロオロチン酸(5−FOA)は、ura3遺伝子の遺伝子生成物によって検出可能物質(例えば、細胞を殺傷する毒性物質)に変換される。例えば、J.D.Boeke,et al.,(1984),A positive selection for mutants lacking orotidine−5’−phosphate decarboxylase activity in yeast:5−fluoroorotic acid resistance,Molecular & General Genetics 197:345から346);M.Vidal,et al.,(1996),Genetic characterization of a mammalian protein−protein interaction domain by using a yeast reverse two−hybrid system.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:10321から10326;および,M.Vidal,et al.,(1996),Reverse two−hybrid and one−hybrid systems to detect dissociation of protein−protein and DNA−protein interactions.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.93:10315から10320を参照のこと。
陽性の選択マーカーと同様、陰性の選択マーカーも、任意の種々の分子であってよい。陽性の選択マーカーおよび/または陰性の選択マーカーは、適切な反応物の存在下で蛍光を発するかまたはルシフェラーゼ反応を触媒するポリペプチドであり得る。例えば、陰性の選択マーカーとしては、限定はしないが、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、YFP、EGFP、RFP、抗生物質耐性遺伝子の生成物(例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT))、lacZ遺伝子の生成物、転写調節タンパク質などが挙げられる。陽性選択マーカーおよび/または陰性選択マーカーは、蛍光活性化細胞分取(FACS)またはルシフェラーゼによって検出され得る。陽性の選択マーカーおよび/または陰性の選択マーカーは、親和性ベースのスクリーニングマーカーを含んでもよい。同じポリヌクレオチドが、陽性選択マーカーおよび陰性選択マーカーの両方をコードしてもよい。例えば、陽性選択工程、陰性選択工程、または陽性および陰性の選択工程の両方が、レポーターを用いる工程を含み得、ここでこのレポーターは、蛍光活性化細胞分取(FACS)によって決定される。例えば、陽性選択は、陽性選択マーカー、例えば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子で最初に行われてもよく、ここでこのCAT遺伝子は、セレクターコドン、例えば、アンバー終止コドンを、CAT遺伝子に含み、その後に、陰性マーカー内の位置、例えば、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子で、セレクターコドン、例えば、2つ以上を抑制できないことに基づく、陰性選択スクリーニングが続く。この陽性選択マーカーおよび陰性選択マーカーは、同じベクター、例えば、プラスミド上で見出され得る。陰性マーカーの発現は、レポーター、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発現を駆動する。選択およびスクリーニングのストリンジェンシーは、変化し得、例えば、蛍光レポーターに必要な光の強度は変化し得る。陽性選択は、FACSによってスクリーニングされる陽性選択マーカーとしてレポーターで行われ得る、その後に、陰性マーカー内の位置、例えば、バルナーゼ遺伝子で、セレクターコドン、例えば、2つ以上を抑制できないことに基づく、陰性選択スクリーニングが続く。
場合により、このレポーターは、細胞表面上で、例えば、ファージディスプレイ上などで提示される。細胞表面のディスプレイ、例えば、OmpAに基づく細胞表面ディスプレイ系は、Escherichia coli細胞の表面上で、特定のエピトープ、例えば、外膜ポーリンOmpAに融合されたポリオウイルスC3ペプチドの発現に対して、依存する。このエピトープは、タンパク質メッセージ中のセレクターコドンが翻訳の間に抑制される細胞表面でのみ提示される。ついで、この提示されたペプチドは、ライブラリー中で変異アミノアシルtRNAシンテターゼの1つによって認識されるアミノ酸を含み、および対応するシンテターゼ遺伝子を含む細胞は、特定の天然でないアミノ酸を含むペプチドに対して惹起された抗体で単離され得る。OmpA−に基づく細胞表面ディスプレイ系は、ファージディスプレイの代替としてGeorgiouらによって開発されて、最適化された。Francisco,J.A.,Campbell,R.,Iverson,B.L.およびGeorgoiu,G.Production and fluorescence−activated cell sorting of Escherichia coli expressing a functional antibody fragment on the external surface.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10444から8(1993)を参照のこと。
本発明の他の実施形態は、インビトロにおいて1つ以上の選択工程を行う工程を含む。ついで、選択された成分、例えば、シンテターゼおよび/またはtRNAは、天然でないアミノ酸のインビボの組み込みにおける使用のために細胞に導入され得る。
O−RSを生成し、およびシンテターゼの基質特異性を変更するためのさらなる詳細は、「Methods and Compositions for the Production of Orthogonal tRNA−Aminoacyl tRNA Synthetase Pairs」と題された米国特許出願10/126,931号、および参照により本明細書に組み込まれる、「EXPANDING THE EUKARYOTIC GENETIC CODE」と題されたUSSN 10/825,867に見出され得る。O−RSを生成するためのさらなる詳細は、参照により本明細書にこの各々が組み込まれる、Hamano−Takaku et al.,(2000)A mutant Escherichia coli Tyrosyl−tRNA Synthetase Utilizes the Unnatural Amino Acid Azatyrosine More Efficiently than Tyrosine,Journal of Biological Chemistry,275(51):40324から40328;Kiga et al.(2002),An engineered Escherichia coli tyrosyl−tRNA synthetase for site−specific incorporation of an unnatural amino acid into proteins in eukaryotic translation and its 出願in a wheat germ cell−free system,PNAS 99(15):9715から9723;ならびに,Francklyn et al.,(2002),Aminoacyl−tRNA synthetases:Versatile players in the changing theater of translation;RNA,8:1363から1372に見出され得る。
供給源および宿主生物体
本発明の翻訳成分は代表的には、非真核生物生物体由来である。例えば、直交性O−tRNAは、非真核生物生物体、例えば、古細菌、例えば、Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium、例えば、Haloferax volcaniiおよびHalobacterium種、NRC−1、Archaeoglobus fulgidus、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus horikoshii、Aeuropyrum pernixなど、または真正細菌、例えば、Escherichia coli、Thermus thermophilics、Bacillus stearothermphilusなどに由来し得るが、直交性O−RSは、非真核生物の生物体、例えば、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium、例えば、Haloferax volcaniiおよびHalobacterium種 NRC−1,Archaeoglobus fulgidus、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus horikoshii、Aeuropyrum pernixなど、または、真正細菌、例えば、Escherichia coli、Thermus thermophilus、Bacillus stearothermphilusなどに由来し得る。一実施形態では、限定はしないが、植物、藻類、原生生物、真菌、酵母、動物(例えば、哺乳動物、昆虫、節足動物など)などを含む真核生物供給源も用いられ得る。
O−tRNA/O−RS対の個々の成分は、同じ生物体または異なる生物体由来であり得る。一実施形態では、O−tRNA/O−RS対は、同じ生物体由来である。または、O−tRNA/O−RS対のO−tRNAおよびO−RSは、異なる生物体由来である。例えば、O−tRNAは、例えば、Halobacterium sp NRC−1由来であってもよく、およびO−RSは、例えば、Methanobacterium thermoautrophicum由来であり得る。
O−tRNA、O−RSまたはO−tRNA/O−RS対を、インビボもしくはインビトロにおいて、および/または、細胞、例えば、非真核生物細胞(例えば、E.coli細胞)もしくは真核生物細胞において、選択もしくはスクリーニングして、選択されたアミノ酸(例えば、天然でないアミノ酸)を有するポリペプチドを生成してもよい。非真核生物細胞は、限定はしないが、Methanococcus jannaschii、Methanobacterium thermoautotrophicum、Halobacterium、例えば、Haloferax volcaniiおよびHalobacterium種 NRC−1、Archaeoglobus fulgidus、Pyrococcus furiosus、Pyrococcus horikoshii、Aeuropyrum pernixなどを含むArchaea系統発生ドメインのような種々の供給源由来であってもよく、または限定はしないが、Escherichia coli、Thermus thermophilus、Bacillus stearothermophilus、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas putidaなどを含むEubacteria系統発生ドメインに属し得る。真核生物細胞は、限定はしないが、植物(例えば、単子葉植物または双子葉植物のような複雑な植物)、藻類、原生生物、真菌、酵母(限定はしないが、Saccharomyces cerevisiaeを含む)、動物(限定はしないが、哺乳動物、昆虫、節足動物などを含む)などを含む、種々の供給源に由来し得る。本発明の翻訳成分を有する細胞の組成はまた、本発明の特徴である。別の種における使用のために1つの種においてO−tRNAおよび/またはO−RSをスクリーニングするためには、「Expanding the Eukaryotic Genetic Code」と題されたUSSN10/825,867も参照のこと。
宿主細胞において選択されたアミノ酸を有する目的のポリペプチドを発現するためには、転写、転写/翻訳ターミネーターを指示するプロモーターを、およびタンパク質をコードする核酸については、翻訳開始のためのリボソーム結合部位を含む発現ベクターに目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをサブクローニングしてもよい。適切な細菌プロモーターは、当分野で周知であり、およびSambrookら、およびAusubelらに記載される。
目的のポリペプチドを発現するための細菌発現系は、限定はしないが、E.coli,Bacillus sp.,Pseudomonas fluorescens,Pseudomonas aeruginosa,Pseudomonas putida、およびSalmonellaなどにおいて利用可能である(Palva et al.,Gene 22:229から235(1983);Mosbach et al.,Nature 302:543から545(1983))。このような発現系のためのキットは市販されている。哺乳動物細胞、酵母および昆虫細胞の真核生物発現系は、当分野で周知であり、およびまた市販される。
本発明のtRNAおよび/もしくはRS、ならびに/または目的のポリペプチドは、例えば、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞および細菌を含む、任意の多数の適切な発現系において利用および/または発現され得る。例示的な発現系の説明は下に提供される。
酵母
本明細書において用いる場合、「酵母(yeast)」という用語は、目的のポリペプチドを発現し得る任意の種々の酵母を含む。このような酵母としては限定はしないが、有子嚢胞子酵母(ascosporogenous yeasts)(Endomycetales)、バシディオスポロゲノウス(basidiosporogenous)酵母、および不完全真菌(Fungi imperfecti)(Blastomycetes)群に属する酵母が挙げられる。有子嚢胞子酵母は、2つの科であるSpermophthoraceaeおよびSaccharomycetaceaeに分けられる。後者は、4つの亜科、Schizosaccharomycoideae(例えば、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属)、Nadsonioideae、LipomycoideaeおよびSaccharomycoideae(例えば、Pichia属、KluyveromycesおよびSaccharomyces)からなる。バシディオスポロゲノウス(basidiosporogenous)酵母としては、Leucosporidium属、Rhodosporidium、Sporidiobolus、FilobasidiumおよびFilobasidiellaが挙げられる。不完全真菌(Blastomycetes)群に属する酵母は、2つの科であるSporobolomycetaceae(例えば、genera SporobolomycesおよびBullera)およびCryptococcaceae(例えば、Candida属)に分けられる。
本発明での使用のための特に目的なのは、属、Pichia、Kluyveromyces、Saccharomyces、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、Hansenula、TorulopsisおよびCandida内の種であり、これには、限定はしないが、P.pastoris、P.guillerimondii、S.cerevisiae、S.carlsbergensis、S.diastaticus、S.douglasii、S.kluyveri、S,norbensis、S.oviformis、K.lactis、K.fragilis、C.albicans、C.maltosaおよびH.polymorphaが挙げられる。酵母は一般に、限定はしないが、Yeast Genetic Stock Center,Department of Biophysics and Medical Physics,University of California(Berkeley,CA)およびAmerican Type Culture Collection(「ATCC」)(Manassas,VA)を含む、種々の供給源から入手される。
「酵母宿主(yeast host)」または「酵母宿主細胞(yeast host cell)」という用語は、組み換えベクターまたは他のトランスファーDNAのレシピエントであり得るかまたはそうであった酵母を含む。この用語としては、組み換えベクターまたは他のトランスファーDNAを受け取った、元の酵母宿主細胞の子孫を含む。単独の親細胞の子孫は、偶発的または意図的な変異に起因して、形態学的に、またはゲノムDNAもしくは元の親に対して相補的な総DNAにおいて完全に同一である必要はないかもしれない。目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在のような関連の特性によって特徴付けられるべき親と実質的に類似である親細胞の子孫は、本発明の定義に含まれる子孫に含まれる。
染色体外レプリコンまたは組み込みベクターを含む発現ベクターおよび形質転換ベクターは、多くの酵母宿主への形質転換について開発されている。例えば、発現ベクターは、S.cerevisiae(Sikorski et al.,GENETICS(1989)122:19;Ito et al.,J.BACTERIOL.(1983)153:163;Hinnen et al.,PROC.NATL.ACAD.SCI.USA(1978)75:1929);C.albicans(Kurtz et al.,MOL.CELL.BIOL.(1986)6:142);C.maltosa(Kunze et al.,J.BASIC MICROBIOL.(1985)25:141);H.polymorpha(Gleeson et al.,J.GEN.MICROBIOL.(1986)132:3459;Roggenkamp et al.,MOL.GENETICS AND GENOMICS(1986)202:302);K.fragilis(Das et al.,J.BACTERIOL.(1984)158:1165);K.lactis(De Louvencourt et al.,J.BACTERIOL.(1983)154:737;Van den Berg et al.,BIOTECHNOLOGY(NY)(1990)8:135);P.guillerimondii(Kunze et al.,J.BASIC MICROBIOL.(1985)25:141);P.pastoris(米国特許番号5,324,639;4,929,555;および4,837,148;Cregg et al.,MOL.CELL.BlOL.(1985)5:3376);Schizosaccharomyces pombe(Beach et al.,NATURE(1982)300:706);およびY.lipolytica;A.nidulans(Ballance et al.,BlOCHEM.BlOPHYS.RES.COMMUN.(1983)112:284から89;Tilburn et al.,GENE(1983)26:205から221;およびYelton et al.,PROC.NATL.ACAD.SCI.USA(1984)81:1470から74);A.niger(Kelly and Hynes,EMBO J.(1985)4:475から479);T.reesia(EP 0 244 234);ならびに糸状菌、例えば、Neurospora、Penicillium、Tolypocladium(WO 91/00357)などについて開発されており、この各々は本明細書に参照により組み込まれる。
酵母ベクターの制御配列は、当業者に公知であり、これには限定はしないが、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(EP 0 284 044);エノラーゼ;グルコキナーゼ;グルコース−6−リン酸イソメラーゼ;グリセルアルデヒド−3−ホスフェート−デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH);ヘキソキナーゼ;ホスホフルクトキナーゼ;3−ホスホグリセレートムターゼ;およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(EP 0 329 203)のような遺伝子由来のプロモーター領域が挙げられる。酸ホスファターゼをコードする酵母PHO5遺伝子はまた、有用なプロモーター配列を提供し得る(Miyanohara et al.,PROC.NATL.ACAD.SCI.USA(1983)80:1)。酵母宿主との使用のための他の適切なプロモーター配列としては、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzeman et al.,J.BlOL.CHEM.(1980)255:12073);および他の糖分解酵素、例えば、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、およびホスホグルコースイソメラーゼ(Holland et al.,BIOCHEMISTRY(1978)17:4900;Hess et al.,J.ADV.ENZYME REG.(1969)7:149)のためのプロモーターを挙げることができる。成長条件によって制御される転写のさらなる利点を有する誘導性酵母プロモーターとしては、アルコールデヒドロゲナーゼ2;イソチトクロームC;酸性ホスファターゼ;メタロチオネイン;グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ;窒素代謝に関連する分解酵素;ならびにマルトースおよびガラクトース利用を担う酵素のプロモーター領域を挙げることができる。酵母発現における使用のために適切なベクターおよびプロモーターは、EP 0 073 657にさらに記載される。
酵母エンハンサーはまた、酵母プロモーターとともに用いられ得る。さらに、合成プロモーターはまた、酵母プロモーターとして機能し得る。例えば、酵母プロモーターの上流活性化配列(UAS)は、別の酵母プロモーターの転写活性化領域と結合されてもよく、これによって合成ハイブリッドプロモーターが生成される。このようなハイブリッドプロモーターの例としては、GAP転写活性化領域に結合されたADH調節性配列が挙げられる。本明細書において参照により組み込まれる、米国特許番号4,880,734および同第4,876,197号を参照のこと。ハイブリッドプロモーターの他の例としては、GAPまたはPyKのような糖分解性酵素遺伝子の転写活性化領域と合わされた、ADH2、GALA、GAL10、またはPHO5遺伝子の調節性配列からなるプロモーターが挙げられる。EP 0 164 556を参照のこと。さらに、酵母プロモーターとしては、酵母RNAポリメラーゼに結合して転写を開始する能力を有する非酵母起源の天然に存在するプロモーターを挙ることができる。
酵母発現ベクターの一部を含み得る他の制御エレメントとしては、例えば、GAPDHまたは他のエノラーゼ遺伝子由来のターミネーターが挙げられる(Holland et al.,J.BlOL.CHEM.(1981)256:1385)。さらに、2μのプラスミド由来の複製起点が酵母に適切である。酵母での使用のための適切な選択遺伝子は、酵母プラスミドに存在するtrpl遺伝子である。Tschumper et al.,GENE(1980)10:157;Kingsman et al.,GENE(1979)7:141を参照のこと。trpl遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能力を欠く酵母の変異株の選択マーカーを提供する。同様に、Leu2−欠失酵母株(ATCC 20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を保有する公知のプラスミドによって補完される。
酵母宿主へ外因性DNAを導入する方法は、当業者に公知であり、および代表的には、限定はしないが、スフェロプラストのまたはアルカリ陽イオンで処置されたインタクトな酵母宿主細胞の形質転換を含む。例えば、酵母の形質転換は、Hsiao et al.,PROC.NATL.ACAD.SCI.USA(1979)76:3829およびVan Solingen et al.,J.BACT.(1977)130:946に記載される方法に従って行われ得る。しかし、核注入、エレクトロポレーションまたはプロトプラスト融合などによる、細胞へDNAを導入するための他の方法はまた一般に、SAMBROOK ET AL.,MOLECULAR CLONING:A LAB.MANUAL(2001)に記載され得る。酵母宿主細胞はついで当業者に公知の標準的な技術を用いて培養され得る。
酵母宿主細胞において異種タンパク質を発現するための他の方法は、当業者に公知である。一般には、各々が本明細書において参照により組み込まれる、米国特許公開番号20020055169,米国特許番号6,361,969;6,312,923;6,183,985;6,083,723;6,017,731;5,674,706;5,629,203;5,602,034;および5,089,398;米国再審査特許番号RE37,343およびRE35,749;PCT公開特許出願WO 99/07862;WO 98/37208;ならびにWO 98/26080;欧州特許出願EP 0 946 736;EP 0 732 403;EP 0 480 480;WO 90/10277;EP 0 340 986;EP 0 329 203;EP 0 324 274;およびEP 0 164 556を参照のこと。Gellissen et al.,ANTONIE VAN LEEUWENHOEK(1992)62(l−2):79から93;Romanos et al.,YEAST(1992)8(6):423から488;Goeddel,METHODS IN ENZYMOLOGY(1990)185:3から7も参照のこと。
酵母宿主株は、当業者に公知の標準的なフィード・バッチ発酵法(feed batch fermentation method)を用いて増幅段階の間にファーメンター中で増殖され得る。発酵方法は、特定の酵母宿主の炭素利用経路または発現制御の方式における相違を克服するように採用され得る。例えば、Saccharomyces酵母宿主の発酵は、単回のグルコース供給、複雑な窒素供給物(例えば、カゼイン加水分解物)および複数回のビタミン補充を要し得る。対照的に、メチロトローフ酵母P.pastorisは、グリセロール、メタノールおよび微量金属供給を要し得るが、最適の増殖および発現のためにはわずかに単なるアンモニウム(窒素)塩だけでよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許番号5,324,639;Elliott et al.,J.PROTEIN CHEM.(1990)9:95;およびFieschko et al.,BIOTECH.BIOENG.(1987)29:1113を参照のこと。
しかし、このような発酵方法は、使用される酵母宿主株と独立して特定の共通の特徴を有し得る。例えば、増殖制限栄養物、代表的には増幅段階の間に炭素をファーメンターに添加して、最大増殖を可能にし得る。さらに、発酵法は一般には、炭素、窒素、基本塩、リンおよび他の微量の栄養物(ビタミン、微量ミネラルおよび塩など)の十分な量を含むように設計された発酵培地を使用する。Pichiaとの使用に適切な発酵培地の例は、本明細書に参照により組み込まれる、米国特許番号5,324,639および5,231,178に記載される。
バキュロウイルス感染性昆虫細胞「昆虫宿主(insect host)」または「昆虫宿主細胞(insect host cell)」という用語は、組み換えベクターまたは他のトランスファーDNAのレシピエントであってもよく、またはレシピエントとして用いられている昆虫をいう。この用語は、トランスフェクトされている元の昆虫宿主細胞の子孫を含む。単一の親細胞の子孫は、偶発的なまたは意図的な変異に起因して、元の親に対して、形態学的に、またはゲノムDNAもしくは相補的な総DNAにおいて完全に同一である必要はないかもしれないことが理解される。目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在のような関連の特性によって特徴付けられるべき親と実質的に類似である親細胞の子孫は、本発明の定義によって意図される子孫に含まれる。
目的のポリペプチドの発現のために適切な昆虫細胞の選択は、当業者に公知である。いくつかの昆虫の種は、当分野で十分に記載され、および市販されており、これには、Aedes aegypti、Bombyx mori、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperdaおよびTrichoplusia ni.が挙げられる。発現のための昆虫宿主を選択するには、適切な宿主としては、とりわけ、良好な分泌能力、低タンパク質分解活性および全体的な堅牢性を有することが示されている宿主を挙げることができる。昆虫は一般には、限定はしないが、Insect Genetic Stock Center,Department of Biophysics and Medical Physics,University of California(Berkeley,CA);およびthe American Type Culture Collection(「ATCC」)(Manassas,VA)を含む種々の供給源から入手可能である。
一般には、バキュロウイルス感染した昆虫発現系の成分としては、トランスファーベクター、通常は細菌のプラスミドであって、バキュロウイルスゲノムのフラグメント、および発現されるべき異種遺伝子の挿入のための簡便な制限部位の両方を含むもの;このトランスファーベクターにおけるバキュロウイルス特異的フラグメントと相同な配列を有する野性型バキュロウイルス(これによって、バキュロウイルスゲノムへの異種遺伝子の相同組み換えが可能になる);ならびに適切な昆虫の宿主細胞および増殖培地が挙げられる。ベクターを構築すること、細胞をトランスフェクトすること、プラークをピックアップすること、培養中で細胞を増殖すること、などにおいて用いられる物質、方法および技術は、当分野で公知であり、およびこれらの技術を記載しているマニュアルが利用可能である。
トランスファーベクターへの異種遺伝子の挿入後、このベクターおよび野性型ウイルスゲノムを昆虫の宿主細胞にトランスフェクトして、ここでこのベクターおよびウイルスエノムを組み換える。パッケージされた組み換えウイルスは、発現されて、組み換えプラークが同定されて精製される。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系の物質および方法は、例えば、Invitrogen Corp.(Carlsbad,CA)からキットの形態で市販されている。これらの技術は一般に、当業者に公知であって、参照により本明細書に組み込まれる、SUMMERS AND SMITH,TEXAS AGRICULTURAL EXPERIMENT STATION BULLETIN NO.1555(1987)に詳細に記載される。また、RICHARDSON,39 METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY:BACULOVIRUS EXPRESSION PROTOCOLS(1995);AUSUBEL ET AL.,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY 16.9から16.11(1994);KING AND POSSEE,THE BACULOVIRUS SYSTEM:A LABORATORY GUIDE(1992);ならびにO’REILLY ET AL.,BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS:A LABORATORY MANUAL(1992)も参照のこと。
実際に、バキュロウイルス/昆虫細胞発現系を用いる種々の異種タンパク質の生成は、当業者に公知である。例えば、本明細書に参照により組み込まれる、米国特許番号6,368,825;6,342,216;6,338,846;6,261,805;6,245,528,6,225,060;6,183,987;6,168,932;6,126,944;6,096,304;6,013,433;5,965,393;5,939,285;5,891,676;5,871,986;5,861,279;5,858,368;5,843,733;5,762,939;5,753,220;5,605,827;5,583,023;5,571,709;5,516,657;5,290,686;WO 02/06305;WO 01/90390;WO 01/27301;WO 01/05956;WO 00/55345;WO 00/20032;WO 99/51721;WO 99/45130;WO 99/31257;WO 99/10515;WO 99/09193;WO 97/26332;WO 96/29400;WO 96/25496;WO 96/06161;WO 95/20672;WO 93/03173;WO 92/16619;WO 92/02628;WO 92/01801;WO 90/14428;WO 90/10078;WO 90/02566;WO 90/02186;WO 90/01556;WO 89/01038;WO 89/01037;WO 88/07082を参照のこと。
バキュロウイルス/昆虫細胞発現系において有用であるベクターは、当分野で公知であって、これには例えば、ヘルパー非依存性のウイルス発現ベクターであるバキュロウイルスAutographacalifornica核多核体病ウイルス(AcNPV)由来の昆虫発現およびトランスファーベクターが挙げられる。この系由来のウイルス発現ベクターは通常、異種遺伝子の発現を駆動する強力なウイルスポリヘドリン遺伝子プロモーターを使用する。一般には、O’Reilly ET AL.,BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS:A LABORATORY MANUAL(1992)を参照のこと。
バキュロウイルスゲノムに外来遺伝子を挿入する前に、プロモーター、リーダー(必要に応じて)、目的のコード配列および転写終結配列を含む上記の成分は代表的には、中間置換構築物(トランスファーベクター)にアセンブリされる。中間置換構築物はしばしば、レプリコン、例えば、細菌のような宿主中で安定に維持され得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)中で維持される。このレプリコンは、複製系を有し、これによって、クローニングおよび増幅のために適切な宿主中で維持されることが可能になる。さらに詳細には、プラスミドは、ポリヘドリンポリアデニル化シグナル(Miller,ANN.REV.MICROBIOL.(1988)42:177)および原核生物アンプリコン耐性(amp)遺伝子ならびにE.coli中での選択および増幅のための複製起点を含み得る。
外来遺伝子をAcNPVへ導入するために一般に用いられるトランスファーベクターの1つはpAc373である。当業者に公知の多くの他のベクターも設計されており、これは、例えば、ポリヘドリン開始コドンをATGからATTに変更し、およびATTから32塩基対下流のBamHIクローニング部位を導入する、pVL985が挙げられる。LuckowおよびSummers,VIROLOGY 170:31(1989)を参照のこと。他の市販のベクターとしては、例えば、PBlueBac4.5/V5−His;pBlueBacHis2;pMelBac;pBlueBac4.5(Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA)が挙げられる。
異種遺伝子の挿入後、トランスファーベクターおよび野性型バキュロウイルスゲノムを昆虫細胞宿主に同時トランスフェクトする。バキュロウイルスにおける所望の部位へ異種DNAを導入するための方法は当分野で公知である。SUMMERS AND SMITH,TEXAS AGRICULTURAL EXPERIMENT STATION BULLETIN NO.1555(1987);Smith et al.,MOL.CELL.BlOL.(1983)3:2156;Luckow and Summers,VIROLOGY(1989)170:31を参照のこと。例えば、挿入はポリヘドリン遺伝子のような遺伝子へ、相同二重交差組み換え(homologous double crossover recombination)によってであってもよいし;挿入はまた、所望のバキュロウイルス遺伝子へ操作された制限酵素部位へであってもよい。Miller et al.,BlOESSAYS(1989)11(4):91を参照のこと。
トランスフェクションは、エレクトロポレーションによって達成され得る。TROTTER AND WOOD,39 METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1995);Mann and King,J.GEN.VIROL.(1989)70:3501を参照のこと。または、リポソームを用いて、組み換え発現ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞にトランスフェクトしてもよい。例えば、Liebman et al.,BIOTECHNIQUES(1999)26(1):36;Graves et al.,BIOCHEMISTRY(1998)37:6050;Nomura et al.,J.BIOL.CHEM.(1998)273(22):13570;Schmidt et al.,PROTEIN EXPRESSION AND PURIFICATION(1998)12:323;Siffert et al.,NATURE GENETICS(1998)18:45;TILKINS ET AL.,CELL BIOLOGY:A LABORATORY HANDBOOK 145から154(1998);Cai et al.,PROTEIN EXPRESSION AND PURIFICATION(1997)10:263;Dolphin et al.,NATURE GENETICS(1997)17:491;Kost et al.,GENE(1997)190:139;Jakobsson et al.,J.BIOL.CHEM.(1996)271:22203;Rowles et al.,J.BIOL.CHEM.(1996)271(37):22376;Reverey et al.,J.BIOL.CHEM.(1996)271(39):23607から10;Stanley et al.,J.BIOL.CHEM.(1995)270:4121;Sisk et al.,J.VIROL.(1994)68(2):766;およびPeng et al.,BIOTECHNIQUES(1993)14(2):274を参照のこと。市販のリポソームとしては、例えば、Cellfectin(登録商標)およびLipofectin(登録商標)(Invitrogen,Corp.,Carlsbad,CA)が挙げられる。さらに、リン酸カルシウムトランスフェクションが用いられ得る。TROTTER AND WOOD,39 METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1995);Kitts,NAR(1990)18(19):5667;およびMann and King,J.GEN.VIROL.(1989)70:3501を参照のこと。
バキュロウイルス発現系は通常、バキュロウイルスプロモーターを含む。バキュロウイルスプロモーターとは、バキュロウイルスRNAポリメラーゼに結合し得、およびmRNAへのコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、コード配列の5’末端に対して通常近位にある転写開始領域を有する。この転写開始領域は代表的には、RNAポリメラーゼ結合部位と、転写開始部位とを含む。バキュロウイルスプロモーターはまた、存在する場合、構造遺伝子に対して通常遠位である、エンハンサーと呼ばれる第二のドメインを有し得る。さらに、発現は、調節されてもよいし、または構成的であってもよい。
感染サイクルの後期で豊富に転写される構造遺伝子は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、ウイルスのポリヘドロン(polyhedron)タンパク質をコードする遺伝子(FRIESEN ET AL.,The Regulation of Baculovirus Gene Expression in THE MOLECULAR BIOLOGY OF BACULOVIRUSES(1986);EP 0 127 839 and 0 155 476)およびp10タンパク質をコードする遺伝子(Vlak et al.,J.GEN.VlROL.(1988)69:765)由来の配列が挙げられる。
新しく形成されたバキュロウイルス発現ベクターは、感染性組み換えバキュロウイルスにパッケージングされ、引き続いて成長プラークが、当業者に公知の技術によって精製され得る。Miller et al.,BIOESSAYS(1989)11(4):91;SUMMERS AND SMITH,TEXAS AGRICULTURAL EXPERIMENT STATION BULLETIN NO.1555(1987)。
組み換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの感染細胞への感染のために開発された。例えば、組み換えバキュロウイルスは、とりわけ、Aedes aegypti(ATCC No.CCL−125)、Bombyx mori(ATCC No.CRL−8910)、Drosophila melanogaster(ATCC No.1963)、Spodoptera frugiperda、およびTrichoplusia niについて開発されている。Wright,NATURE(1986)321:718;Carbonell et al.,J.VIROL.(1985)56:153;Smith et al.,MOL.CELL.BIOL.(1983)3:2156を参照のこと。一般には、Fraser et al.,IN VITRO CELL.DEV.BIOL.(1989)25:225を参照のこと。さらに詳細には、バキュロウイルス発現ベクター系について用いられる細胞株としては一般には、限定はしないが、Sf9(Spodoptera frugiperda)(ATCC No.CRL−1711)、Sf21(Spodoptera frugiperda)(Invitrogen Corp.,Cat.No.11497−013(Carlsbad,CA))、Tri−368(Trichopulsia ni)、およびHigh−Five(商標)BTI−TN−5B1−4(Trichopulsia ni)が挙げられる。
細胞および培養培地は、バキュロウイルス/発現における異種ポリペプチドの直接発現および融合発現の両方のために市販されており、および細胞培養技術は一般に、当業者に公知である。
E.coli.Pseudomonas種および他の原核生物
細菌発現技術は当業者に公知である。広範な種々のベクターが細菌宿主における使用のために市販されている。このベクターは、単一コピーであっても、または低もしくは高マルチコピーのベクターであってもよい。ベクターは、クローニングおよび/または発現のために役立ち得る。ベクターに関する豊富な文献、多くのベクターの商業的利用度、ならびにさらにはベクターおよびこの制限マップおよび特徴を記載しているマニュアルの観点から、ここでは広範な考察は必要ない。周知のとおり、このベクターは通常、選択を可能にするマーカーを含み、このマーカーは、細胞毒性因子耐性、原栄養性または免疫性を提供し得る。高頻度に、複数のマーカーが存在し、これによって種々の特徴が得られる。
細菌のプロモーターは、細菌のRNAポリメラーゼに結合し得、およびmRNAへのコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、コード配列の5’末端に対して通常近位にある転写開始領域を有する。この転写開始領域は代表的には、RNAポリメラーゼ結合部位と、転写開始部位とを含む。細菌のプロモーターはまた、RNA合成が開始する隣接するRNAポリメラーゼ結合部位に重複し得るオペレーターと呼ばれる第二のドメインを有し得る。このオペレーターによって、負に調節された(誘導性)転写が可能になる。なぜなら、遺伝子リプレッサータンパク質は、オペレーターに結合し得、これによって特定の遺伝子の転写を阻害するからである。構成的発現は、オペレーターのような負の調節エレメントの非存在下で存在し得る。さらに、陽性の調節は、存在する場合、RNAポリメラーゼ結合配列に対して通常近位(5’)である、遺伝子活性化タンパク質結合配列によって達成され得る。遺伝子活性化タンパク質の例は、カタボライト活性化タンパク質(CAP)であり、これは、Escherichia coli(E.coli)におけるlacオペロンの転写開始を補助する[Raibaud et al.,ANNU.REV.GENET.(1984)18:173]。従って、調節された発現は陽性であっても陰性であってもよく、これによって転写は増強または減少される。
代謝経路の酵素をコードする配列は特に有用なプロモーター配列を提供する。例としては、ガラクトース、ラクトース(lac)[Chang et al.,NATURE(1977)198:1056]およびマルトースのような糖代謝酵素由来のプロモーター配列が挙げられる。さらなる例としては、トリプトファン(trp)[参照により本明細書に組み込まれる、Goeddel et al.,Nuc.ACIDS RES.(1980)8:4057;Yelverton et al.,NUCL.ACIDS RES.(1981)9:731;米国特許番号4,738,921;EP 公開番号036 776および121 775]のような生合成酵素由来のプロモーター配列が挙げられる。βガラクトシダーゼ(bla)プロモーター系[Weissmann(1981)「The cloning of interferon and other mistakes.」In Interferon 3(Ed.I.Gresser)]、バクテリオファージλPL[Shimatake et al.,NATURE(1981)292:128]およびT5[参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号4,689,406]プロモーター系はまた、有用なプロモーター配列を提供する。強力なプロモーター、例えば、T7プロモーターを用いて、目的のポリペプチドを高レベルで誘導してもよい。このようなベクターの例は、当業者に公知であり、およびこれには、NovagenのpET29シリーズ、および本明細書において参照により組み込まれる、WO99/05297に記載されるpPOPベクターが挙げられる。このような発現系は、宿主細胞の生存度および成長パラメーターを損なうことなく、宿主において高レベルのポリペプチドを生成する。pET19(Novagen)は当分野で公知の別のベクターである。
さらに、天然には存在しない合成プロモーターはまた、細菌プロモーターとして機能する。例えば、1つの細菌またはバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列を別の細菌またはバクテリオファージプロモーターのオペロン配列と連結させてもよく、これによって、合成のハイブリッドプロモーターが作成される[参照により本明細書に組み込まれる、米国特許番号4,551,433]。例えば、tacプロモーターは、lacリプレッサーによって調節されるtrpプロモーターおよびlacオペロン配列の両方から構成されるハイブリッドのtrp−lacプロモーターである[Amann et al.,GENE(1983)25:167;de Boer et al.,PROC.NATL.ACAD.SCI.(1983)80:21]。さらに、細菌プロモーターとしては、細菌RNAポリメラーゼに結合して転写を開始する能力を有する、細菌でない起源の天然に存在するプロモーターを挙げることができる。細菌起源でない天然に存在するプロモーターを、原核生物中のいくつかの遺伝子の高レベルの発現を生じる適合性のRNAポリメラーゼと結合してもよい。バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼ/プロモーター系は、結合されたプロモーター系の例である[Studier et al.,J.MOL.BlOL.(1986)189:113;Tabor et al.,Proc Natl.Acad.Sci.(1985)82:1074]。さらに、ハイブリッドプロモーターはまた、バクテリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域から構成されてもよい(EP 公開番号267 851)。
機能的なプロモーター配列に加えて、効率的なリボソーム結合部位がまた、原核生物における外来遺伝子の発現に有用である。E.coliでは、リボソーム結合部位は、シャイン・ダルガーノ(Shine−Dalgarno)(SD)配列と呼ばれ、および開始コドン(ATG)および開始コドンの3から11ヌクレオチド上流に位置する3から9ヌクレオチド長の配列を含む[Shine et al.,NATURE(1975)254:34]。SD配列は、SD配列とE.coli 16S rRNAの3’との間の塩基の対合によって、リボソームに対するmRNAの結合を促進することが考えられる[Steitz et al「Genetic signals and nucleotide sequences in messenger RNA」,In Biological Regulation and Development:Gene Expression(Ed.R.F.Goldberger,1979)]。弱いリボゾーム結合部位を有する真核生物遺伝子および原核生物遺伝子を発現するため[Sambrook et al.「Expression of cloned genes in Escherichia coli」,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,1989]。
「細菌宿主(bacterial host)」または「細菌宿主細胞(bacterial host cell)」という用語は、組み換えベクターまたは他のトランスファーDNAのレシピエントとして用いられてもよいし、または用いられている細菌を指す。この用語は、トランスフェクトされている元の細菌宿主細胞の子孫を含む。単一の親細胞の子孫は、偶発的なまたは意図的な変異に起因して、元の親に対して、形態学的に、またはゲノムDNAもしくは相補的な総DNAにおいて完全に同一である必要はないかもしれないことが理解される。目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の存在のような関連の特性によって特徴付けられるべき親と実質的に類似である親細胞の子孫は、本発明の定義によって意図される子孫に含まれる。
ポリペプチドの発現のための適切な宿主細菌の選択は、当業者に公知である。発現のための細菌宿主を選択するには、適切な宿主としては、とりわけ、良好な封入体形成能力、低タンパク質分解活性および全体的な堅牢性を有することが示される宿主を挙げることができる。細菌宿主は一般には、限定はしないが、Bacterial Genetic Stock Center,Department of Biophysics and Medical Physics,University of California(Berkeley,CA);およびAmerican Type Culture Collection(「ATCC」)(Manassas,VA)を含む種々の供給源から入手可能である。工業的/薬学的な発酵には一般に、K株(例えば、W3110)由来の細菌、またはB株(例えば、BL21)由来の細菌を用いる。これらの株は特に有用である。なぜなら、これらの成長パラメーターは、極めて周知および堅固であるからである。さらに、これらの株は、病原性でなく、安全および環境的な理由のために商業上重要である。適切なE.coli宿主の他の例としては、限定はしないが、BL21、DH10Bまたはこの誘導体の株が挙げられる。本発明の方法の別の実施形態では、E.coli宿主は、プロテアーゼマイナス株であって、これには限定はしないが、OMP−およびLON−が挙げられる。宿主細胞株は、Pseudomonasの種であってもよく、これには、限定はしないが、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas aeruginosa、およびPseudomonas putidaが挙げられる。MB101株と命名されたPseudomonas fluorescens biovar 1は、組み換え生成のために有用であることが公知であり、および治療タンパク質生成過程で利用可能である。Pseudomonas発現系の例としては、宿主株としてDow Chemical Companyから入手可能な系が挙げられる(Midland,MI available on the World Wide Web at dow.com)。参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号4,755,465および4,859,600は、hGH生成のための宿主細胞としてPseudomonas株の使用を記載している。
一旦組み換え宿主細胞株が樹立されれば(すなわち、発現構築物が宿主細胞に導入されて、適切な発現構築物を有する宿主細胞が単離されれば)、組み換え宿主細胞株は、目的のポリペプチドの生成のために適切な条件下で培養される。当業者に明白であるように、組み換え宿主細胞株の培養方法は、利用される発現構築物の性質および宿主細胞の同一性に依存する。組み換え宿主株は、当分野で周知である方法を用いて正常に培養される。組み換え宿主細胞は代表的には、炭素、窒素および無機塩の同化性の供給源を含み、および必要に応じて当業者に公知のビタミン、アミノ酸、成長因子および他のタンパク質性の培養補充物を含む、液体培地中で培養される。宿主細胞の培養のための液体培地は、必要に応じて、所望されない微生物の増殖を防止するために、抗生物質または抗真菌剤を、および/または限定はしないが発現ベクターを含む宿主細胞の選択のための抗生物質を含む化合物を含んでもよい。
組み換え宿主細胞は、バッチまたは連続形式で、細胞収集(目的のポリペプチドが細胞内で蓄積する場合)または、バッチもしくは連続方式のいずれかでの培養上清の収集のいずれかを用いて培養されてもよい。原核生物宿主細胞における生成のためには、バッチ培養および細胞回収が好ましい。
セレクターコドン
本発明のセレクターコドンは、タンパク質生合成機構の遺伝子コドンフレームワークを拡大する。例えば、セレクターコドンとしては、例えば、固有の3塩基コドン、ナンセンスコドン、例えば、終止コドンが挙げられ、これには限定はしないが、アンバーコドン(UAG)、オーカーコドン、またはオパールコドン(UGA)、天然でないコドン、4塩基(以上の)コドン、レアコドンなどが挙げられる。多数のセレクターコドンは、所望の遺伝子またはポリヌクレオチド、例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上などに導入されてもよい。
一実施形態では、この方法は、インビボにおいて、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸の組み込みのための終止コドンであるセレクターコドンの使用を含む。例えば、終止コドンを認識するO−tRNAが生成され、および選択されたアミノ酸を有するO−RSによってアミノアシル化される。このO−tRNAは、天然に存在する宿主のアミノアシルtRNAシンテターゼによって認識されない。従来の部位特異的突然変異誘発は、目的のポリペプチドにおける目的の部位で終止コドンを導入するために用いられ得る。例えば、Sayers,J.R.,et al.(1988),5’−3’ Exonucleases in phosphorothioate−based oligonucleotide−directed mutagenesis.Nucleic Acids Res,16:791から802を参照のこと。目的のポリペプチドをコードするO−RS、O−tRNAおよび核酸を、例えばインビボで組み合わせる場合、選択されたアミノ酸が、特定の位置で、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を含むポリペプチドを得るために終止コドンに応答して組み込まれる。本発明の一実施形態では、セレクターコドンとして用いられる終止コドンは、アンバーコドン、UAGおよび/またはオパールコドン、UGAである。例えば、アンバーコドンを認識するO−tRNAの例については配列番号6を参照し、およびオパールコドンを認識するO−tRNAの例については配列番号7を参照のこと。UAGおよびUGAが両方ともセレクターコドンとして用いられる遺伝子コードは、22アミノ酸をコードし得るが、最も豊富な末端シグナルであるオーカーナンセンスコドンUAAを保存している。
選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸のインビボにおける組み込みは、宿主細胞の有意な摂動なしに行われてもよい。例えば、Escherichia coliのような真核生物でない細胞では、UAGコドンの抑制効率は、O−tRNA、例えば、アンバー・サプレッサーtRNAと、終結因子(release factor)1(RF1)(UAGコドンに結合し、およびリボソームからの成長しているペプチドの遊離を開始する)との間の競合に依存するので、抑制効率は、O−tRNA、例えば、サプレッサーtRNAの発現レベルを増大すること、またはRF1欠失株を用いることのいずれかによって調節され得る。真核生物細胞では、UAGコドンの抑制効率は、O−tRNA、例えば、アンバー・サプレッサーtRNAと、真核生物終結因子(例えば、eRF)(終止コドンに結合し、およびリボソームからの成長しているペプチドの遊離を開始する)との間の競合に依存するので、抑制効率は、O−tRNA、例えば、サプレッサーtRNAの発現レベルを、例えば増大することによって調節され得る。
天然でないアミノ酸はまた、レアコドンでコードされてもよい。例えば、インビトロのタンパク質合成反応におけるアルギニン濃度が減少される場合、レアなアルギニンコドンAGGは、アラニンでアシル化された合成tRNAによるAlaの挿入について効率的であることが証明された。例えば、Ma et al.,Biochemistry,32:7939(1993)。この場合、合成tRNAは、Escherichia coliにおけるマイナーな種として存在する、天然に存在するtRNAArgと競合する。いくつかの生物体は、全ての三つ組みコドンを用いない。Micrococcus luteusにおける割り当てられていないコドンAGAは、インビトロの転写/翻訳抽出物において、アミノ酸の挿入のために利用されている。例えば、KowalおよびOliver,Nucl.Acid.Res.,25:4685(1997)を参照のこと。インビボにおいてこれらのレアコドンを用いるように、本発明の成分を生成してもよい。
セレクターコドンはまた、伸長されたコドン、例えば、4つ以上の塩基のコドン、例えば、4、5、6以上の塩基のコドンを含む。4塩基のコドンの例としては、限定はしないが、AGGA、CUAG、UAGA、CCCUなどが挙げられる。5つの塩基コドンの例としては、限定はしないが、AGGAC、CCCCU、CCCUC、CUAGA、CUACU、UAGGCなどが挙げられる。ある特徴としては、フレームシフト抑制に基づく伸長したコドンを用いることが挙げられる。4つ以上の塩基のコドンは、限定はしないが、天然でないアミノ酸含む、例えば、1つまたは複数の選択されたアミノ酸を同じタンパク質に挿入し得る。例えば、CU(X) XXXAA配列(ここでn=l)を有するアンチコドンループを有する、例えば、変異されたO−tRNA、例えば、専門的なフレームシフトサプレッサーtRNAの存在下では、4つ以上の塩基コドンを単一のアミノ酸として読む。例えば、4塩基コドンを認識するO−tRNAについてはPCT/US04/22061由来の配列番号6、12を参照のこと。他の実施形態では、アンチコドンループは、例えば、少なくとも4塩基コドン、少なくとも5塩基のコドン、または少なくとも6塩基コドン以上を解読し得る。256の可能性のある4塩基コドンが存在するので、複数の天然でないアミノ酸は、4つ以上の塩基コドンを用いて同じ細胞中でコードされ得る。Anderson et al.,(2002)Exploring the Limits of Codon and Anticodon Size,Chemistry and Biology,9:237から244;Magliery,(2001)Expanding the Genetic Code:Selection of Efficient Suppressors of Four−base Codons and Identification of「Shifty」Four−base Codons with a Library Approach in Escherichia coli,J.Mol.Biol.307:755から769を参照のこと。
例えば、4塩基コドンは、インビトロの生合成方法を用いてタンパク質に天然でないアミノ酸を組み込むために用いられている。例えば、Ma et al.,(1993)Biochemistry,32:7939;およびHohsaka et al.,(1999)J.Am.Chem.Soc.,121:34を参照のこと。CGGGおよびAGGUを用いて、2つの化学的にアシル化されたフレームシフトサプレッサーtRNAを用いて2−ナフチルアラニンおよびリジンのNBD誘導体をインビトロでストレプトアビジンに同時に組み込んだ。例えば、Hohsaka et al.,(1999)J.Am.Chem.Soc.,121:12194を参照のこと。インビボの研究では、Moore et al.は、NCUAアンチコドンを有するtRNALeu誘導体がUAGNコドン(NがU、A、GまたはCであってもよい)を抑制する能力を検討して、四つ組みのUAGAが、UCUAアンチコドンを有するtRNALeuによって解読され得、これは0または−1のフレームにおいてほとんど解読されていない13から26%の効率であることを見出した。Moore et al.,(2000)J.Mol.Biol.,298:195を参照のこと。一実施形態では、レアコドンまたはナンセンスコドンに基づく伸長されたコドンを本発明において用いてもよく、これは、他の望ましくない部位でのミスセンスの通読およびフレームシフト抑制を軽減し得る。
所与のシステムについて、セレクターコドンはまた、天然の3つの塩基コドンのうちの1つを含み得、ここで内因性の系は天然の塩基コドンを使用しない(かまたはまれにしか使用しない)。例えば、これは、天然の3塩基コドンを認識するtRNAを欠く系、および/または3塩基コドンがレア・コドンである系を含む。
セレクターコドンは必要に応じて、天然でない塩基対を含む。これらの天然でない塩基対はさらに、既存の遺伝暗号を拡大する。1つの余分の塩基対によって、3つ組みのコドンの数は64から125に増える。3番目の塩基対の特性としては、安定および選択的な塩基対合、ポリメラーゼによる高い忠実度でのDNAへの効率的な酵素取り込み、および初期の天然でない塩基対の合成後の効率的な連続したプライマー伸長が挙げられる。方法および組成物について採用され得る天然でない塩基対の説明としては、例えば、Hirao,et al.,(2002)An unnatural base pair for incorporating amino acid analogues into protein,Nature Biotechnology,20:177から182が挙げられる。また、Wu,Y.,et al.,(2002)J.Am.Chem.Soc.124:14626から14630も参照のこと。他の関連の刊行物は下に列挙する。
インビボの使用では、天然でないヌクレオシドは膜透過性であり、および対応する三リン酸エステルを形成するようにリン酸化される。さらに、増大した遺伝子情報は、安定であって、細胞酵素によって破壊されない。Bennerらによる以前の試みでは、正準のワトソン・クリック対におけるものとは異なる水素結合パターンを利用しており、この最も顕著な例はiso−C:iso−G対である。例えば、Switzer et al.,(1989)J.Am.Chem.Soc.,111:8322;およびPiccirilli et al.,(1990)Nature,343:33;Kool,(2000)Curr.Opin.Chem.Biol.,4:602を参照のこと。これらの塩基は一般に、ある程度までは天然の塩基とミス対合して、酵素的には複製され得ない。Koolおよび共同研究者らは、塩基の間の疎水性のパッキング相互作用が、水素結合を置換して塩基対の形成を駆動し得ることを実証した。Kool,(2000)Curr.Opin.Chem.Biol.,4:602;ならびにGuckian and Kool,(1998)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,36,2825を参照のこと。上記の全ての要件を満足する天然でない塩基対を開発する試みでは、Schultz、Romesbergおよび共同研究者は、一連の天然でない疎水性の塩基を体系的に合成して研究している。PICS:PICSの自己対は、天然の塩基対よりも安定であることが見出されており、およびEscherichia coliのDNAポリメラーゼI(KF)のクレノウ(Klenow)フラグメントによってDNAに効率的に組み込まれ得る。例えば、McMinn et al.,(1999)J.Am.Chem.Soc.,121:11585から6;およびOgawa et al.,(2000)J.Am.Chem.Soc,122:3274。3MN:3MNの自己対は、KFによって、生物学的な機能について高効率でおよび十分な選択性で合成され得る。例えば、Ogawa et al.,(2000)J.Am.Chem.Soc.,122:8803を参照のこと。しかし、両方の塩基とも、さらなる複製のための連鎖停止剤として機能する。PICS自己対を複製するために用いられ得る変異体DNAポリメラーゼが近年進化されている。さらに、7AI自己対が複製され得る。例えば、Tae et al.,(2001)J.Am.Chem.Soc.,123:7439を参照のこと。新規な金属塩基(metallobase)対、Dipic:Pyも開発されており、Cu(II)結合に基づいて安定な塩基を形成する。Meggers et al.,(2000)J.Am.Chem.Soc,122:10714を参照のこと。伸長されたコドンおよび天然でないコドンは、天然のコドンに対して本来直交性であるので、本発明の方法は、この特性を利用してこれらについて直交性tRNAを生成し得る。
所望のポリペプチドに、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を組み込む転写バイパス系も用いられ得る。翻訳バイパス系では、大きい配列が遺伝子に挿入されるが、タンパク質には翻訳されない。この配列は、リボソームを誘導して配列を乗り越えて、挿入の下流で翻訳を開始するためのキューとして機能する構造を含む。
選択されたおよび天然でないアミノ酸
本明細書において用いる場合、選択されたアミノ酸とは、任意の所望の天然に存在するアミノ酸または天然でないアミノ酸をいう。天然に存在するアミノ酸としては、以下の20の遺伝子的にコードされたαアミノ酸のうちの任意の1つが挙げられる。アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン。一実施形態では、選択されたアミノ酸は、高い忠実度で、例えば、所与のセレクターコドンについて約70%を超える効率で、所与のセレクターコドンについて75%を超える効率で、所与のセレクターコドンについて約80%を超える効率で、所与のセレクターコドンについて約85%を超える効率で、所与のセレクターコドンについて約90%を超える効率で、所与のセレクターコドンについて95%を超える効率で、または所与のセレクターコドンについて約99%以上の効率で、成長しているポリペプチド鎖に組み込まれる。
本明細書において用いる場合、天然でないアミノ酸とは、セレノシステインおよび/もしくはピロリジン、ならびに以下の20の遺伝子的にコードされたαアミノ酸:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、以外の任意のアミノ酸、改変アミノ酸、またはアミノ酸アナログ。
αアミノ酸の一般的な構造は、式I:
Figure 0004990792
によって例示される。
天然でないアミノ酸は代表的には、式Iを有する任意の構造であって、ここではR基は、20個の天然のアミノ酸において用いられるもの以外の任意の置換基である。例えば、20個の天然のアミノ酸の構造については、L.StryerのBiochemistry,第3版、1988,Freeman and Company,New Yorkを参照のこと。本発明の非天然のアミノ酸は、上記の20個のαアミノ酸以外の天然に存在する化合物であってもよいことに注意のこと。
本発明の天然でないアミノ酸は代表的には、側鎖の構造においてのみ天然のアミノ酸と異なるので、天然でないアミノ酸は、限定はしないが天然または非天然のアミノ酸を、天然に存在するタンパク質で形成される同じ方式で含む、他のアミノ酸とのアミド結合を形成する。しかし、天然でないアミノ酸は、天然のアミノ酸からこれらを識別する側鎖基を有する。例えば、式IにおけるRは、アルキル−、アリール−、アシル−、ケト−、アジド−、ヒドロキシル−、ヒドラジン−、シアノ−、ハロ−、ヒドラジド、アルケニル、アルキニル、エーテル、チオール、セレノ−、スルホニル−、ボラート、ボロナート、ホスホ、ホスホノ、ホスフィン、複素環、エノン、イミン、アルデヒド、エステル、チオ酸、ヒドロキシルアミン、アミンなど、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。他の天然には存在しないアミノ酸としては、限定はしないが、光活性化架橋を含むアミノ酸、スピン標識アミノ酸、蛍光アミノ酸、金属結合アミノ酸、金属含有アミノ酸、放射性アミノ酸、新規な官能基を有するアミノ酸、他の分子と共有結合的にもしくは非共有結合的に相互作用するアミノ酸、フォトケージ(photocaged)および/もしくは光異性化(photoisomerizable)アミノ酸、ビオチンもしくはビオチンアナログを含むアミノ酸、糖置換セリンのようなグリコシル化アミノ酸、他の炭化水素修飾アミノ酸、ケト含有アミノ酸、ポリエチレングリコールまたはポリエーテルを含むアミノ酸、重原子置換アミノ酸、化学切断可能なおよび/または光切断可能なアミノ酸、天然のアミノ酸に比較して伸長された側鎖を有するアミノ酸であって、この側鎖としては、限定はしないが、ポリエーテルまたは限定はしないが、約5個もしくは約10個を超える炭素を含む長鎖炭化水素を含むアミノ酸、炭素結合した糖含有アミノ酸、酸化還元活性アミノ酸、アミノチオ酸含有アミノ酸、および1つ以上の毒性部分を含むアミノ酸が挙げられる。また、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開2003/0082575および2003/0108885も参照のこと。天然でないアミノ酸は、例えば、固体支持体に対してタンパク質を結合させるために用いられる光活性化架橋を有し得る。天然でないアミノ酸は、アミノ酸側鎖に対して結合された単糖部分を有してもよい。
新規な側鎖を含む天然でないアミノ酸に加えて、天然でないアミノ酸はまた必要に応じて、例えば、式IIおよびIII:
Figure 0004990792
の構造によって図示されるような修飾された骨格構造を含み、ここで、Zは代表的には、OH、NH、SH、NH−R’またはS−R’を含み;XおよびYは、同じであっても異なってもよく、代表的には、SまたはOを、およびRおよびR’を含み、これは必要に応じて、同じであっても異なってもよく、代表的には式Iを有する天然でないアミノ酸について上記されたR基の構成要素の同じリストおよび水素から選択される。例えば、天然でないアミノ酸は、式IIおよびIIIによって図示されるようなアミノ基またはカルボキシル基において置換を含んでもよい。このタイプの天然でないアミノ酸としては、例えば、共通の20の天然のアミノ酸に対応する側鎖、または天然でない側鎖を有するα−ヒドロキシ酸、α−チオ酸、α−アミノチオカルボキシレートが挙げられるがこれに限定されない。さらに、α炭素での置換基としては必要に応じて、L、D、またはα−α−二置換アミノ酸、例えば、D−グルタミン酸、D−アラニン、D−メチル−O−チロシン、アミノ酪酸などが挙げられる。他の構造的な代替物としては、環状アミノ酸、例えば、プロリンアナログ、ならびに、3、4、6、7、8および9員環のプロリンアナログ、βおよびγアミノ酸、例えば、置換β−アラニンおよびγ−アミノ酪酸が挙げられる。
多くの天然でないアミノ酸は、天然のアミノ酸、例えば、チロシン、グルタミン、フェニルアラニンなどに基づく。チロシンアナログとしては、パラ置換チロシン、オルト置換チロシン、およびメタ置換チロシンが挙げられ、この置換チロシンは、ケト基(限定はしないが、アセチル基を含む)、ベンゾイル基、アミノ基、ヒドラジン、ヒドロキシアミン、チオール基、カルボキシ基、イソプロピル基、メチル基、C−C20直鎖または分枝炭化水素、飽和または不飽和炭化水素、O−メチル基、ポリエステル基、ニトロ基などを含む。さらに、多重置換アリール環も考えられる。グルタミンアナログとしては、限定はしないがα−ヒドロキシ誘導体、γ−置換誘導体、環状誘導体およびアミド置換グルタミン誘導体が挙げられる。例示的なフェニルアラニンアナログとしては、限定はしないが、パラ−置換フェニルアラニン、オルト置換フェニルアラニン、およびメタ置換フェニルアラニンが挙げられ、この置換基は、ヒドロキシ基、メトキシ基、メチル基、アリル基、アルデヒド基、アジド基、ヨード基、ブロモ基、ケト基(限定はしないが、アセチル基を含む)などが挙げられる。天然でないアミノ酸の特定の例としては、限定はしないが、p−アセチル−L−フェニルアラニン、p−プロパルギル−フェニルアラニン、O−メチル−L−チロシン、L−3−(2−ナフチル)アラニン、3−メチル−フェニルアラニン、O−4−アリル−L−チロシン、4−プロピル−L−チロシン、トリ−O−アセチル−GlcNAcβ−セリン、L−ドーパ、フッ化フェニルアラニン、イソプロピル−L−フェニルアラニン、p−アジド−L−フェニルアラニン、p−アシル−L−フェニルアラニン、p−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、L−ホスホセリン、ホスホノセリン、ホスホノチロシン、p−ヨード−フェニルアラニン、p−ブロモフェニルアラニン、p−アミノ−L−フェニルアラニン、イソプロピル−L−フェニルアラニン、およびp−プロパルギルオキシ−フェニルアラニンなどが挙げられる。種々の天然でないアミノ酸の構造の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、「In vivo incorporation of unnatural amino acids」と題されたWO 2002/085923に提供される。さらなるメチオニンアナログについては、参照により本明細書に組み込まれる、Kiick et al.,(2002)Incorporation ofazides into recombinant proteins for chemoselective modification by the Staudinger ligation,PNAS 99:19から24も参照のこと。
アミノ末端でポリペプチドに組み込まれる天然でないアミノ酸は、20の天然のアミノ酸において用いられるもの以外の任意の置換基であるR基、およびαアミノ酸に通常存在するNH基とは異なる第二の反応性基から構成されてもよい(式Iを参照のこと)。類似の天然でないアミノ酸が、αアミノ酸に通常存在するCOOH基とは異なる第二の反応性基とともにカルボキシル末端に組み込まれてもよい(式Iを参照のこと)。
本発明の天然ではないアミノ酸は、20個の天然のアミノ酸において利用できないさらなる特徴を選択または設計し得る。例えば、天然でないアミノ酸は、例えば、これらが組み込まれるタンパク質の生物学的特性を改変するために、場合により設計または選択されてもよい。例えば、以下の特性は、タンパク質への天然でないアミノ酸の包含によって場合により改変され得る。毒性、生体分布、溶解度、安定性、例えば、熱安定性、加水分解安定性、酸化安定性、酵素分解に対する耐性など、精製および処理の容易さ、構造的特性、分光学的特性、化学的および/または光化学的特性、触媒活性、酸化還元電位、半減期、他の分子との反応能力、例えば、共有結合または非共有結合など。
種々の天然でないアミノ酸の構造は、例えば、本明細書において参照により組み込まれる、「In vivo incorporation of unnatural amino acids」と題される、WO 2002/085923の図16、17、18、19、26および29に示される。この例は、本発明のtRNAに結合され得るアミノ酸を限定することは決して意味しない。
天然でないアミノ酸の1つの利点は、さらなる分子を付加するために用いられ得るさらなる化学部分を提示するということである。これらの改変は、真核生物もしくは非真核生物細胞においてインビボで、またはインビトロで作成され得る。従って、特定の実施形態では、翻訳後改変は、天然でないアミノ酸を通じる。ポリペプチドにおける天然でないアミノ酸は、ポリペプチドに対して別の分子を結合するために用いられ得、この分子としては限定はしないが、標識、色素、ポリマー、水溶性ポリマー、ポリエチレングリコールの誘導体、光架橋基、放射性核種、細胞毒性化合物、薬物、アフィニティー標識、光親和性標識、放射性化合物、樹脂、第二のタンパク質またはポリペプチドまたはポリペプチドアナログ、抗体または抗体フラグメント、金属キレーター、補因子、脂肪酸、炭水化物、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、アンチセンスポリヌクレオチド、糖類、水溶性デンドリマー、シクロデキストリン、阻害性リボ核酸、医用材料、ナノ粒子、スピンラベル、発蛍光団、金属含有部分、放射性部分、新規な官能基、他の分子と共有結合的または非共有結合的に相互作用する基、フォトケージ部分(photocaged moiety)、化学線励起部分(actinic radiation excitable moiety)、光異性化部分、ビオチン、ビオチンの誘導体、ビオチンアナログ、重原子を組み込む部分、化学切断基、光切断基、伸長した側鎖、炭素結合した糖、酸化還元活性剤、アミノチオ酸、毒性部分、同位体的に標識された部分、生物物理学的プローブ、リン光基、化学発光基、高電子密度基、磁気基、挿入基、発色団、エネルギー転移因子、生物学的活性因子、検出可能標識、低分子、量子ドット、ナノトランスミッター、または上記の任意の組み合わせ、または任意の他の所望される化合物もしくは物質が挙げられ、これは、少なくとも1つの天然でないアミノ酸に対する第二の反応性基を含み、特定の反応性基に適切である当業者に公知である化学的方法論を利用する第一の反応性基を含む。
例えば、翻訳後修飾は、求核性−求電子性の反応を通じてもよい。タンパク質の選択的修飾のために現在用いられるほとんどの反応は、ヒスチジンまたはシステイン側鎖とのαハロケトンの反応を含むがこれに限定されない、求核性と求電子性の反応パートナーの間の共有結合形成を含む。これらの場合の選択性は、タンパク質中の求核性残基の数および接近性によって決定される。本発明のタンパク質では、インビトロおよびインビボにおける、天然でないケトアミノ酸と、ヒドラジドまたはアミノオキシ化合物との反応のような、他のさらに選択性の反応を用いてもよい。この全てが本発明において参照により組み込まれる、例えば、Cornish,et al.,(1996)J.Am.Chem.Soc,118:8150から8151;Mahal,et al.,(1997)Science,276:1125から1128;Wang,et al.,(2001)Science 292:498から500;Chin,et al.,(2002)J.Am.Chem.Soc.124:9026から9027;Chin,et al.,(2002)Proc.Natl.Acad.Sci.,99:11020から11024;Wang,et al.,(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.,100:56から61;Zhang,et al.,(2003)Biochemistry,42:6735から6746;ならびにChin,et al.,(2003)Science,301:964から7を参照のこと。これによって、発蛍光団、架橋剤、サッカライド誘導体および細胞毒性分子を含む試薬のホストによる実質上、任意のタンパク質の選択性標識が可能になる。参照により本明細書に組み込まれる、「Glycoprotein synthesis」と題された米国特許番号6,927,042も参照のこと。限定はしないが、アジドアミノ酸を通じたものを含む翻訳後改変はまた、Staudinger連結を通じて行われ得る(トリアリルホスフィン試薬とを含むがこれに限定されない)。Kiick et al.,(2002)Incorporation of azides into recombinant proteins for chemoselective modification by the Staudinger ligation,PNAS 99:19から24を参照のこと。
天然でないアミノ酸の化学合成
多くの天然でないアミノ酸が、例えば、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO,USA)、Novabiochem(EMD Biosciences,Darmstadt,Germanyの一部門)、またはPeptech(Burlington,MA,USA)から市販されている。市販されていないものは、必要に応じて、本明細書に提供されるように、または当業者に公知の標準的方法を用いて合成される。有機合成技術については、例えば、Fessendon and FessendonによるOrganic Chemistry,(1982,Second Edition,Willard Grant Press,Boston Mass.);Marchによる、Advanced Organic Chemistry(第3版,1985,Wiley and Sons,New York);ならびにCarey and Sundbergによる、Advanced Organic Chemistry(第3版,パートAおよびB,1990,Plenum Press,New York)を参照のこと。天然でないアミノ酸の合成を記載しているさらなる刊行物としては、例えば、「In vivo incorporation of Unnatural Amino Acids」と題されたWO 2002/085923;Matsoukas et al.,(1995)J.Med.Chem.,38,4660から4669;King,F.E.& Kidd,D.A.A.(1949)A New Synthesis of Glutamine and of γ−Dipeptides of Glutamic Acid from Phthylated Intermediates.J.Chem.Soc.,3315から3319;Friedman,O.M.& Chatterrji,R.(1959)Synthesis of Derivatives of Glutamine as Model Substrates for Anti−Tumor Agents.J Am.Chem.Soc.81,3750から3752;Craig,J.C.et al.(1988)Absolute Configuration of the Enantiomers of 7−Chloro−4[[4−(diethylamino)−1−methylbutyl]amino]quinoline(Chloroquine).J.Org.Chem.53,1167から1170;Azoulay,M.,Vilmont,M.& Frappier,F.(1991)Glutamine analogues as Potential Antimalarials,Eur.J.Med.Chem.26,201から5;Koskinen,A.M.P.& Rapoport,H.(1989)Synthesis of 4−Substituted Prolines as Conformationally Constrained Amino Acid Analogues.J.Org.Chem.54,1859から1866;Christie,B.D.& Rapoport,H.(1985)Synthesis of Optically Pure Pipecolates from L− Asparagine.出願to the Total Synthesis of(+)−Apovincamine through Amino Acid Decarbonylation and Iminium Ion Cyclization.J.Org.Chem.50:1239から1246;Barton et al.,(1987)Synthesis of Novel alpha−Amino−Acids and Derivatives Using Radical Chemistry:Synthesis of L− and D−alpha−Amino−Adipic Acids,L−alpha−aminopimelic Acid and Appropriate Unsaturated Derivatives.Tetrahedron 43:4297から4308;ならびに,Subasinghe et al.,(1992)Quisqualic acid analogues:synthesis of beta−heterocyclic 2−aminopropanoic acid derivatives and their activity at a novel quisqualate−sensitized site.J.Med.Chem.35:4602から7を参照のこと。また、参照により組み込まれる、「Protein Arrays」と題された米国特許公開番号US 2004/0198637も参照のこと。
天然でないアミノ酸の細胞取り込み
細胞によって取り込まれる天然でないアミノ酸は、例えばタンパク質への取り込みについて、天然でないアミノ酸を設計および選択する場合に代表的には考慮される1つの問題である。例えば、αアミノ酸の高い荷電密度によって、これらの化合物は、細胞透過性である可能性は低いことが示唆される。天然のアミノ酸は、タンパク質ベースの輸送系の収集を介して細胞に取り込まれる。急速なスクリーニングを行ってもよく、これによって、存在すれば、どの天然でないアミノ酸が、細胞によって取り込まれるかを評価する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、「タンパク質アレイ(Protein Arrays)」と題された米国特許公開番号US 2004/0198637、およびLiu,D.R.& Schultz,P.G.(1999)Progress toward the evolution of an organism with an expanded genetic code.PNAS United States 96:4780から4785における毒性のアッセイを参照のこと。取り込みは種々のアッセイで容易に分析されるが、細胞取り込み経路に対して従順である天然でないアミノ酸を設計する別法は、インビボでアミノ酸を作製するための生合成経路を提供することである。
天然でないアミノ酸の生合成
多くの生合成経路が既に、アミノ酸および他の化合物の生成のために細胞に存在する。特定の天然でないアミノ酸の生合成方法は、細胞中においてだけでなく、事実上存在し得ないが、本発明はこのような方法を提供する。例えば、天然でないアミノ酸の生合成経路は、新規の酵素を添加すること、または既存の宿主細胞経路を改変することによって、場合により宿主細胞中で生成される。さらなる新規な酵素は場合により、天然に存在する酵素、または人工的に進化した酵素である。例えば、p−アミノフェニルアラニンの生合成(「In vivo incorporation of unnatural amino acids」と題されたWO 2002/085923において実施例に提示される)は、他の生物体由来の公知の酵素の組み合わせの添加に依存する。これらの酵素の遺伝子は、この遺伝子を含有するプラスミド細胞を用いて形質転換することによって細胞に導入され得る。遺伝子は、細胞中で発現される場合、所望の化合物を合成する酵素経路を提供する。場合により添加されるこのタイプの酵素の例は、下の実施例に示す。さらなる酵素配列は、例えば、Genbankに見出される。人工的に進化された酵素はまた、場合により同じ方式で細胞に添加される。この方式では、細胞の細胞性機構および資源を操作して、天然でないアミノ酸を生成する。
生合成経路における使用のために、または既存の経路の進化のために、新規な酵素を生成するためには種々の方法が利用可能である。例えば、Maxygen,Inc.によって開発された、例えば、再帰的組み換え(recursive recombination)(World Wide Webでmaxygen.comから利用可能)を場合により用いて、新規な酵素および経路を開発する。例えば、Stemmer(1994),Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling,Nature 370(4):389から391;ならびにStemmer,(1994),DNA shuffling by random fragmentation and reassembly:In vitro recombination for molecular evolution,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,91:10747から10751を参照のこと。同様に、Genencorによって開発されたDesignPath(商標)(World Wide Webでgenencor.comから利用可能)は場合により、例えば、細胞中でO−メチル−L−チロシンを作製する経路を操作するための代謝経路操作に用いられる。この技術は、新規な遺伝子の組み合わせを用いて宿主生物体中で既存の経路を再構築し、この遺伝子としては、限定はしないが、機能的なゲノミクス、ならびに分子評価および設計を通じて同定されるものを含む。Diversa Corporation(World Wide Web上で、diversa.comから入手可能)も、限定はしないが、新規な経路を作製することを含む、遺伝子および遺伝子経路のライブラリーを急速にスクリーニングするための技術を提供する。
代表的には、本発明の操作された生合成経路で生成された天然でないアミノ酸は、効率的なタンパク質生合成のために十分な濃度で、例えば、天然の細胞量で、ただし他のアミノ酸の濃度に影響したり細胞資源を消耗するほどの程度ではない濃度で生成される。この方式においてインビボで生成される代表的な濃度は、約10mMから約0.05mMである。特定の経路について望ましい酵素を生成するために用いられる遺伝子を含有するプラスミドを用いて、一旦細胞が形質転換され天然でないアミノ酸が生成されれば、場合によりインビボ選択を用いて、リボソームタンパク質合成および細胞増殖の両方について、天然でないアミノ酸の生成をさらに最適化する。
核酸およびポリペプチド配列および改変体
上記および下に記載されるように、本発明は、核酸ポリヌクレオチド配列およびポリペプチドアミノ酸配列、例えば、tRNAおよびRS、ならびに、例えば、この配列を含有する組成物および方法を提供する。この配列の例、例えば、tRNAおよびRSは本明細書に開示される。しかし、当業者は、本発明が、本明細書に開示される配列に、例えば実施例に限定されないことを理解する。当業者は、本発明がまた、例えばO−tRNAまたはO−RSをコードする、本明細書に記載される機能を有する多くの関連のおよび非関連の配列を提供することを理解する。
本発明は、ポリペプチド(O−RSs)およびポリヌクレオチド、例えば、O−tRNA、O−RSまたはこの一部をコードするポリヌクレオチド、アミノアシル−tRNAシンテターゼクローンを単離するために用いられるオリゴヌクレオチドなどを提供する。本発明のポリヌクレオチドは、1つ以上のセレクターコドンを有する本発明の目的のタンパク質またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。さらに、本発明のポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号4に示されるようなヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、このポリヌクレオチド配列に相補的であるか、もしくはこれをコードするポリヌクレオチド、またはこの保存的改変体が挙げられる。本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。同様に、核酸の実質的に全長にまたがる高度にストリンジェントな条件下で、上記で示されるポリヌクレオチドに対してハイブリダイズする核酸は、本発明のポリヌクレオチドである。一実施形態では、組成物は、本発明のポリペプチドおよび賦形剤(例えば、緩衝液、水、医薬的に許容される賦形剤など)を含む。さらに、本発明のポリペプチドとしては、例えば、配列番号5に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、このポリペプチド配列に相補的であるか、もしくはこのポリペプチド配列をコードするポリペプチド、またはこの保存的改変体が挙げられる。本発明はまた、本発明のポリペプチドと特異的に免疫反応性である抗体または抗血清を提供する。
特定の実施形態では、ベクター(例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、細菌、ウイルス、裸のポリヌクレオチド、結合体化したポリヌクレオチドなど)は、本発明のポリヌクレオチドを含む。一実施形態では、このベクターは、発現ベクターである。別の実施形態では、この発現ベクターは、本発明の1つ以上のポリヌクレオチドに対して作動可能に連結されたプロモーターを含む。別の実施形態では、ある細胞は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを含む。
当業者はまた、開示された配列の多くの改変体が本発明に含まれることを理解する。例えば、機能的に同一の配列を生じる開示された配列の保存的な改変体は、本発明に含まれる。核酸ポリヌクレオチド配列の改変体であって、少なくとも1つの開示された配列に対してハイブリダイズする改変体は、本発明に含まれるものとみなされる。本明細書に開示される配列の固有のサブ配列は、例えば、標準的な配列比較技術によって決定されるとおり、また本発明に含まれる。
保存的改変体
遺伝子コードの縮重性に起因して、「サイレント置換(silent substitutions)」(すなわち、コードされたポリペプチドにおける変更を生じない、核酸配列における置換)は、アミノ酸をコードするあらゆる核酸配列の黙示的な特徴である。同様に、アミノ酸配列における、1つまたは2から3のアミノ酸の「保存的なアミノ酸置換(conservative amino acid substitution)」とは、高度に類似の特性を有する異なるアミノ酸で置換され、また開示された構築物に対して極めて類似であると容易に同定される。各々の開示された配列のこのような保存的改変体は、本発明の特徴である。
特定の核酸配列の「保存的改変体(conservative variations)」とは、同一もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合は、本質的に同一の配列をいう。当業者は、コードされた配列における単一のアミノ酸もしくは小さい割合のアミノ酸を変更、付加もしくは欠失する個々の置換、欠失もしくは付加は、「保存的に改変された改変体(conservatively modified variations)」であるか、または変更がアミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、もしくはアミノ酸の化学的に類似のアミノ酸での置換を生じる「保存的に改変された改変体(conservatively modified variants)」であることを認識する。従って、本発明の列挙されたポリペプチド配列の「保存的改変体(conservative variations)」としては、ポリペプチド配列のアミノ酸の小さい割合、代表的には5%未満、さらに代表的には4%、2%または1%未満の、同じ保存的な置換基の保存的に選択されたアミノ酸での置換が挙げられる。核酸分子のコードされた活性を変更しない配列の付加、例えば、非機能的な配列の付加は、基礎的な核酸の保存的改変である。
機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的置換の表は、当業者に公知である。以下の8つの群の各々は、お互いに保存的な置換であるアミノ酸を含む。
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リシン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、トレオニン(T);および
8)システイン(C)、メチオニン(M)
(例えば、Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties(W H Freeman & Co.;第二版(December 1993)を参照のこと。
核酸ハイブリダイゼーション
競合的ハイブリダイゼーションを用いて、本発明の核酸、例えば、本発明の核酸の保存的改変体を含む配列番号4を同定してもよく、およびこの比較のハイブリダイゼーション方法は、本発明の核酸を識別する好ましい方法である。さらに、高、超高い、および/または超超高いストリンジェンシーな条件下で配列番号4によって示される核酸にハイブリダイズする標的核酸は、本発明の特徴である。このような核酸の例としては、所与の核酸配列に比較して1または2から3のサイレントなまたは保存的な核酸置換を有する核酸が挙げられる。
試験核酸は、これが完全にマッチした相補的な標的に対してプローブに対してと同様少なくとも1/2程度ハイブリダイズする場合、すなわち、任意のマッチしない標的核酸に対するハイブリダイゼーションについて観察される少なくとも約5×から10×程度の高さである信号対雑音比で、完全にマッチした相補的な標的に対して完全にマッチしたプローブが結合する条件下で、標的に対するプローブのハイブリダイゼーションの少なくとも1/2程度の信号対雑音比でハイブリダイズする場合、プローブ核酸に対して特異的にハイブリダイズするといわれる。
核酸は、代表的には溶液中で、これが会合する場合、「ハイブリダイズ(hybridize)」する。核酸は、種々の周知の特徴付けられた物理化学的な力、例えば、水素結合、溶媒排除、塩基スタッキングなどに起因してハイブリダイズする。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件(stringent hybridization conditions)」という句は、当分野で公知のような低イオン強度および高温の条件をいう。代表的には、ストリンジェントな条件下では、プローブは、核酸(限定はしないが、総細胞のまたはライブラリーのDNAもしくはRNAを含む)の複雑な混合物中においてこの標的配列にハイブリダイズするが、複雑な混合物中の他の配列にはハイブリダイズしない。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な手引きは、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes part I 第2章,「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays」(Elsevier,New York)において、およびAusubel,et al.,Current Protocols in Molecular Biology(1995)において見出される。Hames and Higgins(1995)Gene Probes 1 IRL Press at Oxford University Press,Oxford,England,(Hames and Higgins 1)and Hames and Higgins(1995)Gene Probes 2 IRL Press at Oxford University Press,Oxford,England(Hames and Higgins 2)は、オリゴヌクレオチドを含む、DNAおよびRNAの合成、標識、検出および定量に対する詳細を提供する。一般には、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度pHにおいて特定の配列について熱融点(T)よりも約5から10℃低いように選択される。Tとは、標的に対して相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度(規定のイオン強度、pHおよび核酸の濃度下で)である(標的配列が過剰に存在する場合、Tにおいてプローブの50%が平衡状態で専有される)。ストリンジェントな条件とは、pH7.0から8.3で塩濃度が約1.0Mのナトリウムイオン未満、代表的には約0.01から1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)である条件であり、およびこの温度は短いプローブ(限定はしないが10から50ヌクレオチドを含む)については少なくとも約30℃、および長いプローブ(限定はしないが50より長いヌクレオチドを含む)については少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドのような不安定化因子の添加で達成され得る。選択的なまたは特異的なハイブリダイゼーションのためには、正のシグナルは、少なくともバックグラウンドの2倍、場合によりバックグラウンドの10倍のハイブリダイゼーションであり得る。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下のとおりであり得る。50%ホルムアミド、5×SSC、および1%SDS、42℃でインキュベートするか、または5×SSC、1%のSDS、65℃でインキュベートし、0.2×SSCおよび0.1%SDS中で65℃で洗浄。このような洗浄は、5、15、30、60、120分以上の分数行ってもよい。
サザンブロットまたはノーザンブロットにおけるフィルター上の100を超える相補的な残基を有する相補的な核酸のハイブリダイゼーションのためのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、1mgのヘパリンを含む50%ホルマリン中で42℃であり、このハイブリダイゼーションは一晩行う。ストリンジェントな洗浄条件の例は、65℃で15分間の0.2×SSC洗浄である(SSC緩衝液の説明については、Sambrook,et al,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第3版.2001)を参照のこと)。しばしば、高ストリンジェンシー洗浄に続いて低ストリンジェンシー洗浄を行って、バックグラウンドのプローブのシグナルを除去する。低ストリンジェンシー洗浄の例は、2×SSC40℃で15分間である。一般には、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおける関連しないプローブについて観察された5倍の(またはより高い)信号対雑音比によって特定のハイブリダイゼーションの検出が示される。
サザンハイブリダイゼーションおよびノーザンハイブリダイゼーションのような核酸ハイブリダイゼーション実験の状況における「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件(Stringent hybridization wash conditions)」は、配列依存性であって、種々の環境パラメーターにおいて異なる。長い配列ほど高温で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範な手引きは、Tijssen(1993),前出に、およびHames and Higgins,1 and 2に見出される。ストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件は、任意の試験核酸について、容易に経験的に決定され得る。例えば、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件を決定するのには、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件は、基準の選択されたセットが満たされるまで、徐々に増大される(例えば、温度を上昇させること、塩濃度を低下させること、洗浄剤濃度を増大すること、および/またはハイブリダイゼーションまたは洗浄中のホルマリンのような有機溶媒の濃度を増大させることによって)。例えば、マッチしていない標的に対するプローブのハイブリダイゼーションについて観察される少なくとも5倍程度高い信号対雑音比で、完全にマッチした相補的な標的に対してプローブが結合するまで、ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を徐々に増大する。
「極めてストリンジェント(Very stringent)」な条件は、特定のプローブについての熱融点(T)に等しくなるように選択される。Tは、完全にマッチしたプローブに対して試験配列の50%がハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpH下)である。本発明の目的のためには、一般には「高度にストリンジェント(highly stringent)」なハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHで特定の配列についてのTより約5℃低くなるように選択される。
「超高いストリンジェンシー(Ultra high−stringency)」なハイブリダイゼーションおよび洗浄条件とは、ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件のストリンジェンシーが、完全にマッチした相補的な標的核酸に対するプローブの結合のための信号対雑音比が、任意のマッチしていない標的核酸に対するハイブリダイゼーションについて観察された少なくとも10倍程度であるまで増大される。このような条件下でプローブに対してハイブリダイズする標的核酸であって、完全にマッチした相補的な標的核酸の信号対雑音比の少なくとも1/2の比で、ハイブリダイズする核酸は、超高いストリンジェンシー条件下でプローブに結合すると言われる。
同様に、さらに高レベルのストリンジェンシーが、関連のハイブリダイゼーションアッセイのハイブリダイゼーション条件および/または洗浄条件を徐々に増大することによって決定され得る。例えば、完全にマッチした相補的な標的核酸に対するプローブの結合についての信号対雑音比が、任意のマッチしていない標的核酸に対するハイブリダイゼーションについて観察された少なくとも10×、20×、50×、100×または500×以上程度の高さであるまで、ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件のストリンジェンシーは増大される。このような条件下でプローブにハイブリダイズする標的核酸であって、完全にマッチした相補的な標的核酸の信号対雑音比の少なくとも1/2の比で、ハイブリダイズする核酸は、超−超高いストリンジェンシー条件下でプローブに結合すると言われる。
ストリンジェントな条件下でお互いにハイブリダイズしない核酸は、これがコードするポリペプチドが実質的に同一である場合には、依然として実質的に同一である。これは、例えば、核酸のコピーが、遺伝子コードによって可能な最大コドン縮重性を用いて作成される場合に、生じる。
固有のサブ配列
一態様では、本発明は、本明細書に開示されるO−tRNAおよびO−RSの配列から選択される核酸における固有の配列を含む核酸を提供する。固有のサブ配列は、任意の公知のO−tRNAまたはO−RS核酸配列に対して対応する核酸に比較して固有である。アラインメントは、例えば、デフォールトパラメーターに対するBLASTセットを用いて行われてもよい。任意の固有のサブ配列は、例えば、本発明の核酸を同定するためのプローブとして有用である。
同様に、本発明は、本明細書に開示されるO−RSの配列から選択されるポリペプチドにおける固有のサブ配列を含むポリペプチドを含む。ここで、この固有のサブ配列は、任意の公知のポリペプチド配列に対するポリペプチドに比較して固有である。
本発明はまた、O−RSの配列から選択されたポリペプチドにおける固有のサブ配列であって、任意のコントロールポリペプチド(例えば、変異によって、本発明のシンテターゼが由来する、例えば、親の配列)に対応するポリペプチドと比較して固有である固有のサブ配列をコードする、固有のコードオリゴヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする標的核酸を提供する。固有の配列は上に注記されるように決定される。
配列比較、同一性および相同性
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における、「同一である(identical)」または「同一性(identity)」パーセントという用語は、2つ以上の配列またはサブ配列であって、比較ウインドウまたは所定の領域にまたがって最大対応について比較および整列させた場合、下に記載される配列比較アルゴリズムの1つ(または当業者に利用可能な他のアルゴリズム)を用いるか、または手技によるアラインメントおよび視覚検査によって測定して、同じであるか、同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドの特定の割合を有する2つ以上の配列またはサブ配列をいう。
2つの核酸またはポリペプチド(例えば、O−tRNAもしくはO−RSをコードするDNA、またはO−RSのアミノ酸配列)の文脈では、「実質的に同一である(substantially identical)」という句は、比較ウインドウまたは所定の領域にまたがって最大対応について比較および整列させた場合、配列比較アルゴリズム(または当業者に利用可能な他のアルゴリズム)を用いるか、または手技によるアラインメントおよび視覚検査によって測定して、少なくとも約60%、約80%、約90から95%、約98%、約99%以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有する2つ以上の配列またはサブ配列をいう。このような「実質的に同一(substantially identical)」の配列は代表的には、実際の先祖を参照することなく、「相同(homologous)」であるとみなされる。「実質的な同一性(substantial identity)」は、少なくとも約50残基長である配列の領域、少なくとも約100残基の領域、または少なくとも約150残基の領域にわたって、または比較されるべき2つの配列の全長にわたって存在し得る。
配列比較および相同性決定のために、代表的には、1つの配列が、試験配列が比較される参照配列として機能する。配列比較アルゴリズムを用いて、試験および参照配列をコンピューターに入れて、サブ配列座標を、必要に応じて、指定し、および配列アルゴリズムプログラムのパラメーターを指定する。ついで、割り当てられたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対して試験配列についての配列同一性パーセントを、配列比較アルゴリズムで算出する。
比較のための配列のアラインメントの方法は、当業者に公知である。比較のための配列の最適アラインメントは、例えば、Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482c(1981)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444(1988)の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズム(GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA、in the Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)のコンピューターによる実行によって、または手技によるアラインメントおよび視覚検査(例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology(1995 補遺)を参照のこと)によって、行われ得る。
配列同一性パーセントおよび配列類似性を決定するために適切であるアルゴリズムの一例は、Altschul et al.,(1997)Nuc.Acids Res.25:3389から3402,およびAltschul et al.,J Mol.Biol.215:403から410(1990)に記載される、BLASTアルゴリズムおよびBLAST2.0アルゴリズムである。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、World Wide Webでncbi.nlm.nih.gov.から入手可能なNational Center for Biotechnology Informationを通じて公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列において同じ長さのワードと整列された場合いくつかの正の価の閾値スコアTにマッチするかまたは満足させる、クエリー配列における長さWの短いワードを同定することにより高スコアリング配列対(high scoring sequence pairs)(HSP)を最初に同定する工程を含む。Tは、近傍ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschul et al.,上記)。これらの最初の近傍ワードヒットは、これを含む、より長いHSPを見出すための検索を開始するためのシードとして機能する。ついで、ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増大され得る限り、各々の配列にそって両方向に伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメーターM(マッチする残基の対についてのリウォードスコア;常に0より大きい)およびN(ミスマッチする残基のペナルティースコア;常に0より小さい)を用いて計算される。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを用いて、累積スコアを計算する。各々の方向におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される。累積アラインメントスコアが、この最大達成値から量Xまで落ち込む場合;1つ以上の負のスコアリング残基アラインメントの累積に起因して累積スコアがゼロ未満までになる場合;またはいずれかの配列の末端に到達する場合。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォールトとして11のワード長(W)、10の期待値(E)、100のカットオフ、M=5、N=−4、および両方の鎖の比較を用いる。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォールトとして3のワード長(W)、10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff(1992)Proc.Natl.Acad.Sci USA 89:10915を参照のこと)50のアラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両方の鎖の比較を用いる。BLASTアルゴリズムは代表的には、ターンオフされた「低複雑性(low complexity)」フィルターで行われる。
配列同一性パーセントを算出することに加えて、BLASTアルゴリスムはまた、2つの配列の間の類似性の統計学的分析を行う(例えば、Karlin & Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873から5787(1993)を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の1つの指標は、最小合計確率(smallest sum probability)(P(N))であって、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間のマッチが偶然生じる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、参照核酸に対する試験核酸の比較における最小合計確率が、約0.2未満、約0.01未満、または約0.001未満である場合に、参照配列に対して類似であるとみなされ得る。
突然変異誘発および他の分子生物学的技術
本発明のおよび本発明において用いられる、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、分子生物学的技術を用いて操作され得る。ヌクレオチド配列は、従来の方法に従って、部位特異的の突然変異誘発によって都合よく改変され得る。または、ヌクレオチド配列は、限定はしないが、オリゴヌクレオチドシンセサイザーを用いることによるものを含む化学的合成によって調製され得、ここではオリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて設計され、および好ましくは組み換えポリペプチドが生成される宿主細胞において好ましいコドンを選択する。例えば、所望のポリペプチドの一部をコードするいくつかの小さいオリゴヌクレオチドは、PCR、連結または連鎖反応によって合成およびアセンブリされ得る。参照により本明細書に組み込まれる、Barany,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.88:189から193(1991);米国特許6,521,427を参照のこと。
本発明は、組み換え遺伝学の分野における慣用的な技術を利用する。本発明における使用の一般的方法を開示する基本的なテキストとしては、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第3版.2001);Kriegler,Gene TransferおよびExpression:A Laboratory Manual(1990);ならびにCurrent Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,編,1994))が挙げられる。
分子生物学的技術を記載する一般的なテキストとしては、BergerおよびKimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology volume 152 Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger);Sambrook et al.,Molecular Cloning − A Laboratory Manual(第2版),Vol.1−3,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989(「Sambrook」)ならびにCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,編,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc.,(1999全体の補遺)(「Ausubel」))が挙げられる。これらのテキストは、突然変異誘発、ベクターの使用、プロモーターおよび関連する多くの他の関連の話題、例えば、選択されたアミノ酸(例えば、天然でないアミノ酸)、直交性tRNA、直交性シンテターゼ、およびこれらの対を含む、タンパク質の生成のためのセレクターコドンを含む遺伝子またはポリヌクレオチドの生成を記載している。
種々のタイプの突然変異誘発が、限定はしないが、新規なシンテターゼまたはtRNAを生成すること、tRNA分子を変異すること、tRNAのライブラリーを生成すること、RS分子を変異させること、シンテターゼのライブラリーを生成すること、セレクターコドンを生成すること、目的のタンパク質またはポリペプチドにおける選択されたアミノ酸をコードするセレクターコドンを挿入することを含む、種々の目的のために本発明において用いられている。これらとしては、限定はしないが、部位特異的、無作為な点突然変異誘発、相同組み換え、DNAシャッフリングまたは他の再帰的突然変異誘発方法、キメラ構築、ウラシル含有テンプレートを用いる突然変異誘発、オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発、ホスホロチオエート修飾DNA突然変異誘発、ギャップのある二重DNAを用いる突然変異誘発など、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。さらなる適切な方法としては、点不適合(ポイントミスマッチ)修復、修復欠損宿主株を用いる突然変異誘発、制限選択および制限精製、欠失突然変異誘発、全遺伝子合成による突然変異誘発、二本鎖破壊修復(double−strand break repair)などが挙げられる。限定はしないがキメラ構築物を含む突然変異誘発もまた、本発明に含まれる。一実施形態では、突然変異誘発は、限定はしないが、配列、配列比較、物理的特性、二次、三次もしくは四次構造、結晶構造などを含む、天然に存在する分子、または変更されるかもしくは変異された天然に存在する分子の公知の情報によって導かれてもよい。
本明細書に見出されるテキストおよび実施例は、これらの手順を記載する。さらなる情報が、以下の刊行物およびそこに引用される引用文献に見出される。Ling et al.,Approaches to DNA mutagenesis:an overview,Anal Biochem.254(2):157から178(1997);Dale et al.,Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method,Methods Mol.Biol.57:369から374(1996);Smith,In vitro mutagenesis,Ann.Rev.Genet.19:423から462(1985);Botstein & Shortle,Strategies and Application of in vitro mutagenesis,Science 229:1193から1201(1985);Carter,Site−directed mutagenesis,Biochem.J.237:1−7(1986);Kunkel,The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis,in Nucleic Acids & Molecular Biology(Eckstein,F.and Lilley,D.M.J.編,Springer Verlag,Berlin)(1987);Kunkel,Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488から492(1985);Kunkel et al.,Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection,Methods in Enzymol.154,367から382(1987);Bass et al.,Mutant Trp repressors with new DNA−binding specificities,Science 242:240から245(1988);Zoller & Smith,Oligonucleotide−directed mutagenesis using M13−derived vectors:an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment,Nucleic Acids Res.10:6487から6500(1982);Zoller & Smith,Oligonucleotide−directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors,Methods in Enzymol.100:468から500(1983);Zoller & Smith,Oligonucleotide−directed mutagenesis:a simple method using two oligonucleotide primers and a single−stranded DNA template,Methods in Enzymol.154:329から350(1987);Taylor et al.,The use of phosphorothioate−modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA,Nucl.Acids Res.13:8749から8764(1985);Taylor et al.,The rapid generation of oligonucleotide−directed mutations at high frequency using phosphorothioate−modified DNA,Nucl.Acids Res.13:8765から8785(1985);Nakamaye & Eckstein,Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its Application to oligonucleotide−directed mutagenesis,Nucl.Acids Res.14:9679から9698(1986);Sayers et al.,5’−3’ Exonucleases in phosphorothioate−based oligonucleotide−directed mutagenesis,Nucl.Acids Res.16:791から802(1988);Sayers et al.,Strand specific cleavage of phosphorothioate−containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide,(1988)Nucl.Acids Res.16:803から814;Kramer et al.,The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed mutation construction,Nucl.Acids Res.12:9441から9456(1984);Kramer & Fritz Oligonucleotide−directed construction of mutations via gapped duplex DNA,Methods in Enzymol.154:350から367(1987);Kramer et al.,Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed construction of mutations,Nucl.Acids Res.16:7207(1988);Fritz et al.,Oligonucleotide−directed construction of mutations:a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro,Nucl.Acids Res.16:6987から6999(1988);Kramer et al.,Different base/base mismatches are corrected with different efficiencies by the methyl−directed DNA mismatch−repair system of E.coli,Cell 38:879から887(1984);Carter et al.,Improved oligonucleotide site−directed mutagenesis using M13 vectors,Nucl.Acids Res.13:4431−4443(1985);Carter,Improved oligonucleotide−directed mutagenesis using M13 vectors,Methods in Enzymol.154:382から403(1987);Eghtedarzadeh & Henikoff,Use of oligonucleotides to generate large deletions,Nucl.Acids Res.14:5115(1986);Wells et al.,Importance of hydrogen−bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin,Phil.Trans.R.Soc.Lond.A 317:415から423(1986);Nambiar et al.,Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein,Science 223:1299から1301(1984);SakmarおよびKhorana,Total synthesis and expression of a gene for the alpha−subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide−binding protein(transducin),Nucl.Acids Res.14:6361から6372(1988);Wells et al.,Cassette mutagenesis:an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites,Gene 34:315から323(1985);Grundstroem et al.,Oligonucleotide−directed mutagenesis by microscale「shot−gun」 gene synthesis,Nucl.Acids Res.13:3305から3316(1985);Mandecki,Oligonucleotide−directed double−strand break repair in plasmids of Escherichia coli:a method for site−specific mutagenesis,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83:7177から7181(1986);Arnold,Protein engineering for unusual environments,Current Opinion in Biotechnology 4:450から455(1993);Sieber,et al.,Nature Biotechnology,19:456から460(2001);W.P.C.Stemmer,Nature 370,389から91(1994);ならびに、I.A.Lorimer,I.Pastan,Nucleic Acids Res.23,3067から8(1995)。上記の方法の多くに対するさらなる詳細は、種々の突然変異誘発方法によるトラブルシューティング問題のための有用な制御を記載しているMethods in Enzymology Volume 154に見出され得る。
オリゴヌクレオチドは、例えば、本発明の突然変異誘発、例えば、tRNAもしくはシンテターゼのライブラリーを変異させること、またはtRNAもしくはRSを変更することにおける使用のために、代表的には、BeaucageおよびCaruthers,Tetrahedron Letts.22(20):1859から1862,(1981)によって記載される固相ホスホラミダイトトリエステル法に従って、例えば、Needham−VanDevanter et al.,Nucleic Acids Res.,12:6159から6168(1984)に記載のような、自動化シンセサイザーを用いて、化学的に合成される。
さらに、本質的に任意の核酸は、Midland Certified Reagent Company(mcrc@oligos.com),The Great American Gene Company(www.genco.com),ExpressGen Inc.(www.expressgen.com),Operon Technologies Inc.(Alameda,Calif.)およびその他多くのような任意の種々の商業的供給源からあつらえられても、または普通に注文されてもよい。
本発明はまた、直交性のtRNA/RS対を介する天然でないアミノ酸のインビボ組み込みのための真核生物宿主細胞、非真核生物宿主細胞、および生物体に関する。宿主細胞は、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る本発明のベクターを、限定はしないが含む、本発明のポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含む構築物で遺伝子操作される(限定はしないが、形質転換、形質導入またはトランスフェクトを含む)。例えば、直交性tRNA、直交性tRNAシンテターゼ、および誘導体化されるべきタンパク質のコード領域は、所望の宿主細胞において機能的である遺伝子発現制御エレメントに対して作動可能に連結される。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、細菌、ウイルス、裸のポリヌクレオチド、または結合体化されたポリヌクレオチドの形態であってもよい。ベクターは、エレクトロポレーションを含む標準的な方法(Fromm et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,5824(1985))、ウイルスベクターによる感染、小型のビーズもしくは粒子のマトリックス内で、または表面上に核酸を有する小型粒子による高速度の弾道論的侵入(Klein et al.,Nature 327,70から73(1987))および/またはその他によって、細胞および/または細菌に導入される。
細胞へ標的核酸を導入するいくつかの周知の方法が利用可能であり、このいずれかが本発明において用いられ得る。これらとしては、DNAを含有する細菌プロトプラストを有するレシピエント細胞の融合、エレクトロポレーション、プロジェクタイル・ボンバードメント(projectile bombardment)およびウイルスベクターでの感染(下にさらに考察される)などが挙げられる。細菌細胞を用いて、本発明のDNA構築物を含むプラスミドの数を増幅してもよい。この細菌は、対数期まで増殖して、細菌内のプラスミドは、当分野で公知の種々の方法によって単離され得る(例えば、Sambrookを参照のこと)。さらに、キットが、細菌由来のプラスミドの精製のために市販されている(例えば、EasyPrep(商標)、FlexiPrep(商標)、両方ともPharmacia Biotech;StratageneのStrataClean(商標);およびQiagenのQIAprep(商標)を参照のこと)。ついで、単離されたおよび精製されたプラスミドをさらに操作して、他のプラスミドを生成し、これを用いて細胞をトランスフェクトするか、または生物体に感染させるために関連のベクターに組み込む。代表的なベクターは、転写および翻訳ターミネーター、転写および翻訳開始配列、ならびに特定の標的核酸の発現の調節のために有用なプロモーターを含む。このベクターは場合により、少なくとも1つの独立したターミネーター配列を含む一般的な発現カセット、真核生物もしくは原核生物またはこの両方におけるカセットの複製を可能にする配列(限定はしないがシャトルベクターを含む)および原核生物および真核生物系の両方についての選択マーカーを含む。ベクターは、原核生物、真核生物またはこの両方における複製および/または組み込みに適切である。Gillam&Smith,Gene 8:81(1979);Roberts,et al,Nature,328:731(1987);Schneider,E.,et al.,Protein Expr.Purif.6(1)10から14(1995);Ausubel,Sambrook,Berger(全て前出)。クローニングに有用な細菌およびバクテリオファージのカタログは、例えば、ATCCによって、例えば、ATCCによって公開された、The ATCC Catalogue of Bacteria and Bacteriophage(1992)Gherna et al.(編)によって、提供される。配列決定、クローニングおよび分子生物学の他の態様のためのさらなる基本的な手順、および背景にある理論的な考慮はまた、Watson et al.(1992)Recombinant DNA Second Edition Scientific American Books,NYに見出される。さらに、本質的に任意の核酸(および標準であっても標準でなくても、実質的に任意の標識された核酸)は、任意の種々の商業的供給源、例えば、Midland Certified Reagent Company(Midland,TX、World Wide Webでmcrc.comから利用可能)、The Great American Gene Company(Ramona,CA available on the World Wide Web at genco.com)、ExpressGen Inc.(Chicago,IL available on the World Wide Web at expressgen.com)、Operon Technologies Inc.(Alameda,CA)およびその他多くから仕立てられても、または通常に注文されてもよい。
操作された宿主細胞は、例えば、スクリーニング工程、活性化プロモーターまたは選択性形質転換のような活動に適切であるように改変された従来の栄養培地中で培養され得る。これらの細胞は場合により、トランスジェニック生物体中に培養され得る。他の有用な引用文献としては、例えば、細胞の単離および培養については、(例えば、引き続く核酸単離については)、Freshney(1994)Culture of Animal Cells,a Manual of Basic Technique,第3版、Wiley−Liss,New Yorkおよびそこに引用される引用文献;Payne et al.(1992)Plant Cell and Tissue Culture in Liquid Systems John Wiley & Sons,Inc.New York,NY;Gamborg and Phillips(編)(1995)Plant Cell Tissue and Organ Culture:Fundamental Methods Springer Lab Manual,Springer−Verlag(Berlin Heidelberg New York)、ならびにAtlasおよびParks(編)The Handbook of Microbiological Media(1993)CRC Press,Boca Raton,FL.が挙げられる。
インビボにおいてタンパク質に天然でないアミノ酸を直接組み込む能力によって、限定はしないが、高収率の変異タンパク質、技術の容易さ、細胞中または可能性としては生きている生物体中の変異タンパク質を研究する能力、ならびに治療処置および診断用とにおけるこれらの変異タンパク質の使用を含む、種々の利点が得られる。種々のサイズ、酸性度、求核性、疎水性および他の特性を有する天然でないアミノ酸をタンパク質に含む能力によって、タンパク質機能を調査し、および新規な特性を有する新規なタンパク質または生物体を作成するために、タンパク質の構造を合理的におよび体系的に操作する能力が大きく拡張され得る。
対象のタンパク質およびポリペプチド
天然でないアミノ酸の組み込みは、種々の目的のために行われ得、この目的としては、限定はしないが、タンパク質の構造および/または機能における変化を仕立てること、サイズ、酸性度、求核性、水素結合、疎水性、プロテアーゼ標的部位の接近性を変化させること、一部に対する標的化(限定はしないが、タンパク質アレイについてを含む)、生物学的に活性な分子を添加すること、ポリマーを結合すること、放射性核種を結合すること、血清半減期を調節すること、組織浸透(例えば、腫瘍)を調節すること、活性輸送を調節すること、組織、細胞もしくは器官の特異性または分布を調節すること、免疫原性を調節すること、プロテアーゼ耐性を調節することなどが挙げられる。天然でないアミノ酸を含むタンパク質は、増強されるか、または全体として新規な触媒性または生物物理学的な特性を有し得る。例えば、以下の特性は場合により、タンパク質への天然ではないアミノ酸の包含によって改変される。毒性、生体分布、構造特性、分光学的特性、化学的および/または光化学的特性、触媒安定性、半減期(限定はしないが、血清半減期を含む)、限定はしないが、共有結合的または非共有結合的を含む、他の分子と反応する能力など。少なくとも1つの天然でないアミノ酸を含むタンパク質を含む組成物は、有用であり、これには、限定はしないが、新規な治療剤、診断剤、触媒酵素、工業的酵素、結合タンパク質(限定はしないが抗体を含む)、および限定はしないがタンパク質の構造および機能の研究が挙げられる。例えば、Dougherty,(2000)Unnatural Amino Acids as Probes of Protein Structure and Function,Current Opinion in Chemical Biology,4:645から652を参照のこと。
タンパク質は、少なくとも1つ、これには限定はしないが、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10以上の天然でないアミノ酸を含む。この天然でないアミノ酸は、同じであってもまたは異なってもよく、これには、限定はしないが、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10以上の異なる天然でないアミノ酸を含むタンパク質中において、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10以上の異なる部位があってもよい。タンパク質は、少なくとも1つを有してもよいが、タンパク質中に存在する特定のアミノ酸の全てではないものが、天然でないアミノ酸で置換される。2つ以上の天然でないアミノ酸を有する所定のタンパク質について、天然でないアミノ酸は、同一であっても異なってもよい(これは限定はしないが、タンパク質は、2つ以上の異なるタイプの天然でないアミノ酸を含んでもよく、または2つの同じ天然でないアミノ酸を含んでもよいなどを含む)。3つ以上の天然でないアミノ酸を有する所与のタンパク質については、天然でないアミノ酸は、同じであっても、異なっても、または少なくとも1つの異なる天然でないアミノ酸と同じ種類の複数の天然でないアミノ酸の組み合わせであってもよい。
真核生物細胞において少なくとも1つの天然でないアミノ酸を有する目的のタンパク質またはポリペプチドを生成することによって、タンパク質またはポリペプチドは代表的には、真核生物の翻訳後改変を含む。特定の実施形態では、タンパク質は少なくとも1つの天然でないアミノ酸および少なくとも1つの翻訳後改変を含み、これは真核生物細胞によってインビボで作成される、ここでは翻訳後改変は、原核生物細胞によって作成されるのではない。例えば、翻訳後改変としては、限定はしないが、アセチル化、アシル化、脂質修飾、パルミトイル化、パルミチン酸付加、ホスホリル化、糖脂質結合修飾、グリコシル化などが挙げられる。さらに別の態様では、翻訳後改変としては、前駆体のタンパク質分解性処理(限定はしないが、カルシトニン前駆体、カルシトニン遺伝子関連ペプチド前駆体、プレプロ副甲状腺ホルモン(preproparathyroid hormone)、プレプロインスリン、プロインスリン、プレプロ−オピオメラノコルチン(Prepro−opiomelanocortin)、プロ−オピオメラノコルチンなどを含む)、マルチサブユニットタンパク質または高分子アセンブリへのアセンブリ、細胞中の別の部位への翻訳(限定はしないが、小胞体、ゴルジ装置、核、リポソーム、ペルオキシソーム、ミトコンドリア、クロロプラスト、空胞などのようなオルガネラへ、または分泌経路を通じてを含む)が挙げられる。特定の実施形態では、このタンパク質は、分泌または局在化配列、エピトープタグ、FLAGタグ、ポリヒスチジンタグ、GST融合物などを含む。
特定の位置で選択されたアミノ酸を有する細胞中のタンパク質を生成する方法はまた、本発明の特徴である。例えば、ある方法は、適切な培地中で細胞を増殖させる工程であって、この細胞が少なくとも1つのセレクターコドンを含み、およびあるタンパク質をコードする核酸を含む工程と;選択されたアミノ酸を提供する工程とを含み;この細胞はさらに、細胞中で機能して、セレクターコドンを認識する直交性tRNA(O−tRNA);および選択されたアミノ酸でO−tRNAを優先的にアミノアシル化する直交性アミノアシルtRNAシンテターゼ(O−RS)を含む。代表的には、O−tRNAは、セレクターコドンに応答して同属のシンテターゼの存在下で抑制活性を含む。本方法によって生成されるタンパク質はまた、本発明の特徴である。
本発明の組成物および本発明の方法によって作成される組成物は場合により細胞中である。本発明のO−tRNA/O−RS対または個々の成分は、ついで、宿主の系の翻訳機構において用いられ得、これが、タンパク質に組み込まれる、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を生じる。「Expanding the Eukaryotic Genetic Code;」と題された特許出願 USSN 10/825,867、および「IN VIVO INCORPORATION OF UNNATURAL AMINO ACIDS」と題された10/126,927号は、このプロセスを記載しており、および参照により本明細書に組み込まれる。例えば、O−tRNA/O−RS対を宿主、例えば、Escherichia coliに導入する場合、この対は、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸、例えば、増殖培地に外因性に添加され得る、ロイシンアミノ酸の誘導体のような、合成のアミノ酸の、セレクターコドンに応答する、タンパク質へのインビボ組み込みをもたらす。場合により、本発明の組成物は、インビトロ翻訳系であっても、インビボ系であってもよい。
選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸(および、例えば、1つ以上のセレクターコドンを含む、任意の対応するコード核酸)を含む任意のタンパク質(またはこの一部)は、本明細書の組成物および方法を用いて生成され得る。任意のポリペプチドが、1つ以上の選択されたアミノ酸の組み込みに適切である。数千の公知のタンパク質であって、このいずれかが、関連の翻訳系において1つ以上の適切なセレクターコドンを含むように、任意の利用可能な変異方法を仕立てることによって、1つ以上の天然でないアミノ酸を含むように改変され得る、数千の公知のタンパク質のうち数百を同定する試みは行われていない。公知のタンパク質についての共通の配列レポジトリとしては、GenBank EMBL、DDBJおよびNCBIが挙げられる。他のレポジトリは、インターネットを検索することによって容易に同定され得る。
代表的には、タンパク質は、任意の利用可能なタンパク質(例えば、治療タンパク質、診断タンパク質、工業的酵素、またはこの一部、など)に対して例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%以上同一であり、およびこれらは、1つ以上の選択されたアミノ酸を含む。1つ以上の選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を含むように改変され得る、治療タンパク質、診断タンパク質および他のタンパク質の例は、限定はしないが、「Expanding the Eukaryotic Genetic Code;」と題されたUSSN 10/825,867、および「IN VIVO INCORPORATION OF UNNATURAL AMINO ACIDS」と題された米国特許出願逐次番号10/126,927に見出され得る。
特定の実施形態では、本発明の方法および/または組成物における、対象のタンパク質またはポリペプチド(またはこの一部)は、核酸によってコードされる。代表的には、この核酸は、少なくとも1つのセレクターコドン、少なくとも2つのセレクターコドン、少なくとも3つのセレクターコドン、少なくとも4つのセレクターコドン、少なくとも5つのセレクターコドン、少なくとも6つのセレクターコドン、少なくとも7つのセレクターコドン、少なくとも8つのセレクターコドン、少なくとも9つのセレクターコドン、10以上のセレクターコドンを含む。
対象のタンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子は、選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸の組み込みのために例えば、1つ以上のセレクターコドンを含むために、当業者に周知であって、および本明細書において、「Mutagenesis and Other Molecular Biology Techniques」として記載される方法を用いて、突然変異誘発されてもよい。例えば、対象のタンパク質の核酸は、1つ以上の選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸の挿入を提供する、1つ以上のセレクターコドンを含むように突然変異誘発される。本発明は、例えば、少なくとも1つの選択されたアミノ酸を含む、任意のこのような改変体、例えば、任意のタンパク質の変異体バージョンを含む。同様に、本発明はまた、対応する核酸、すなわち、1つ以上の選択されたアミノ酸をコードする1つ以上のセレクターコドンを有する任意の核酸を含む。
選択されたアミノ酸を含むタンパク質を作成するために、当業者は、直交性tRNA/RS対を介する選択されたアミノ酸のインビボ組み込みのために採用される宿主細胞および生物体を用い得る。宿主細胞は、直交性tRNA、直交性tRNAシンテターゼを発現する1つ以上のベクター、および誘導体化されるべきタンパク質をコードするベクターで遺伝子操作される(例えば、形質転換、形質導入またはトランスフェクトされる)。これらの成分の各々は、同じベクター上であってもよく、または各々が、別のベクター上であってもよく、2つの成分は、1つのベクター上で、および第三の成分は第二のベクター上であってもよい。このベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、細菌、ウイルス、裸のポリヌクレオチド、または結合体化されたポリヌクレオチドの形態であってもよい。
代替の系
いくつかのストラテジーを使用して、組み換えでない宿主細胞、突然変異誘発された宿主細胞、または無細胞系において、天然でないアミノ酸をタンパク質に導入した。Lys、CysおよびTyrのような反応性の側鎖でのアミノ酸の誘導体化によって、リシンのN−アセチル−リシンへの変換が生じた。化学合成はまた、天然でないアミノ酸を組み込むための直接的な方法を提供する。ペプチドフラグメントの酵素結合および天然の化学的連結の近年の発達によって、より大きいタンパク質を作製することが可能である。例えば、P.E.DawsonおよびS.B.H.Kent,Annu.Rev.Biochem,69:923(2000)を参照のこと。化学的なペプチド結合および天然の化学的結合は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許番号6,184,344、米国特許公開番号2004/0138412、米国特許公開番号2003/0208046、WO 02/098902、およびWO 03/042235に記載される。所望の天然でないアミノ酸で化学的にアシル化されたサプレッサーtRNAが、タンパク質の生合成を支持し得るインビトロ抽出物に添加される、一般的なインビトロの生合成方法を用いて、実質的に任意のサイズの種々のタンパク質へ100を超える天然でないアミノ酸を部位特異的に組み込んでいる。例えば、V.W.Cornish,D.MendelおよびP.G.Schultz,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1995,34:621(1995);CJ.Noren,SJ.Anthony−Cahill,M.C.Griffith,P.G.Schultz,A general method for site−specific incorporation of unnatural amino acids into proteins,Science 244:182から188(1989);および,J.D.Bain,C.G.Glabe,T.A.Dix,A.R.Chamberlin,E.S.Diala,Biosynthetic site−specific incorporation of a non−natural amino acid into a polypeptide,J.Am.Chem.Soc.111:8013から8014(1989)を参照のこと。タンパク質安定性、タンパク質折り畳み、酵素機構およびシグナル伝達の研究のために、広範な範囲の官能基が、タンパク質に導入されている。
選択圧組み込み(selective pressure incorporation)と呼ばれる、インビボの方法を開発され、野性型シンテターゼの交雑を開拓した。例えば、N.Budisa,C.Minks,S.Alefelder,W.Wenger,F.M.Dong,L.MoroderおよびR.Huber,FASEB J.,13:41(1999)を参照のこと。特定の天然のアミノ酸を細胞に供給する関連の代謝経路がスイッチオフされている栄養要求性株は、限られた濃度の天然のアミノ酸を含む最小培地中で増殖されるが、標的遺伝子の転写は抑制される。静止増殖期の開始時に、天然のアミノ酸を枯渇させて、天然でなアミノ酸アナログで置換する。組み換えタンパク質の発現の誘導によって、天然でないアナログを含むタンパク質の蓄積が生じる。例えば、このストラテジーを用いて、o、mおよびp−フルオロフェニルアラニンがタンパク質に組み込まれており、および容易に同定できるUVスペクトル中の2つの特徴的なショルダーを示す、例えば、C.Minks,R.Huber,L.Moroder and N.Budisa,Anal.Biochem..284:29(2000)を参照のこと;トリフルオロメチオニンを用いて、バクテリオファージT4リソザイムにおけるメチオニンを置き換えて、19F NMRによって、キトオリゴ糖リガンドとのこの相互作用を研究する、例えば、H.Duewel,E.Daub,V.Robinson and J.F.Honek,Biochemistry,36:3404(1997);およびトリフルオロロイシンがロイシンの位置に組み込まれており、これによって、ロイシン−ジッパータンパク質の熱安定性および化学的安定性の増大が生じる。例えば、Y.Tang,G.Ghirlanda,W.A.Petka,T.Nakajima,W.F.DeGradoおよびD.A.Tirrell,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,40:1494(2001)を参照のこと。さらに、セレノメチオニンおよびテルロメチオニンが、種々の組み換えタンパク質に組み込まれて、X線結晶学における相の溶解が容易になる。例えば、W.A.Hendrickson,J.R.Horton and D.M.Lemaster,EMBO J.,9:1665(1990);J.O.Boles,K.Lewinski,M.Kunkle,J.D.Odom,B.Dunlap,L.LebiodaおよびM.Hatada,Nat.Struct.Biol.,1:283(1994);N.Budisa,B.Steipe,P.Demange,C.Eckerskorn,J.KellermannおよびR.Huber,Eur.J.Biochem.,230:788(1995);ならびに,N.Budisa,W.Karnbrock,S.Steinbacher,A.Humm,L.Prade,T.Neuefeind,L.Moroder and R.Huber,J.Mol.Biol,270:616(1997)を参照のこと。アルケンまたはアルキン官能基を有するメチオニンアナログはまた、効率的に取り込まれており、これによって、化学的方法によるタンパク質のさらなる修飾が可能になる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、J.C.van HestおよびD.A.Tirrell,FEBS Lett.,428:68(1998);J.C.van Hest,K.L.KiickおよびD.A.Tirrell,J. Am.Chem.Soc.,122:1282(2000);ならびに,K.L.KiickおよびD.A.Tirrell,Tetrahedron,56:9487(2000);米国特許番号6,586,207;米国特許公開2002/0042097を参照のこと。
本方法の成功は、一般には、タンパク質翻訳の忠実度を保証する高い選択性を要する、アミノアシル−tRNAシンテターゼによる天然でないアミノ酸アナログの認識に依存する。本方法の範囲を拡大する1方法は、限られた場合にしか達成されていない、アミノアシル−tRNAシンテターゼの基質特異性を緩くすることである。例えば、Escherichia coliのフェニルアラニル−tRNAシンテターゼ(PheRS)におけるGlyによるAla294の置換によって、基質結合ポケットのサイズが増大し、p−Cl−フェニルアラニン(p−Cl−Phe)によるtRNAPheのアシル化が生じる。M.Ibba,P.KastおよびH.Hennecke,Biochemistry,33:7107(1994)を参照のこと。この変異体PheRSを保有するEscherichia coli株によって、フェニルアラニンの代わりにp−Cl−フェニルアラニンまたはp−Br−フェニルアラニンの組み込みが可能になる。例えば、M.IbbaおよびH.Hennecke,FEBS Lett.,364:272(1995);ならびに,N.Sharma,R.Furter,P.KastおよびD.A.Tirrell,FEBS Lett.,467:37(2000)を参照のこと。同様に、Escherichia coliチロシル−tRNAシンテターゼのアミノ酸結合部位に近い点変異Phe130Serによって、アザチロシンがチロシンよりも効率的に組み込まれることが可能になることが示された。F.Hamano−Takaku,T.Iwama,S.Saito−Yano,K.Takaku,Y.Monden,M.Kitabatake,D.SollおよびS.Nishimura,J.Biol.Chem..275:40324(2000)を参照のこと。
インビボにおいてタンパク質に天然でないアミノ酸を組み込むための別のストラテジーは、校正(プルーフリーディング)機構を有するシンテターゼを改変することである。これらのシンテターゼは、同属の天然のアミノ酸に対して構造的に類似であるアミノ酸を識別できず、従って活性化できない。この誤りは、別の部位で補正され、ここではタンパク質翻訳の忠実度を維持するために誤まって荷電されたアミノ酸をtRNAから脱アシル化する。シンテターゼの校正活性が不能である場合、誤まって活性化される構造的アナログは、編集機能を逃れて、組み込まれてもよい。このアプローチは、バリル−tRNAシンテターゼ(ValRS)で近年、実証されている。V.Doring、H.D.Mootz、L.A.Nangle、T.L.Hendrickson、V.de Crecy−Lagard、P.SchimmelおよびP.Marliere,Science,292:501(2001)を参照のこと。ValRSは、Cys、Thrまたはアミノブチル酪酸(Abu)でtRNAValをミスアミノアシル化(misaminoacylate)し得る;これらの同族のアミノ酸は引き続き、編集ドメインによって加水分解される。Escherichia coliの染色体の無作為な突然変異誘発後、ValRSの編集部位に変異を有する変異Escherichia coli株を選択した。この編集欠損ValRSはCysでtRNAValを不正確に充填する。AbuはCysを立体的に模倣する(Cysの−SH基は、Abu中で−CH3で置換される)ので、変異ValRSはまた、この変異体Escherichia coli株がAbuの存在下で成長する場合、タンパク質中にAbuを組み込む。質量分析によって、バリンのうち約24%が、天然のタンパク質における各々のバリン位置でAbuによって置換されることが示される。
固相合成方法および半合成方法はまた、新規なアミノ酸を含む多数のタンパク質の合成を可能にした。例えば、以下のような、以下の刊行物、およびこの中に引用される引用文献を参照のこと:Crick,F.H.C.,Barrett,L.Brenner,S.Watts−Tobin,R.General nature of the genetic code for proteins.Nature,192:1227から1232(1961);Hofmann,K.,Bohn,H.Studies on polypeptides.XXXVI.The effect of pyrazole−imidazole replacements on the S−protein activating potency of an S−peptide fragment,J.Am Chem,88(24):5914から5919(1966);Kaiser,E.T.Synthetic approaches to biologically active peptides and proteins including enyzmes,Acc Chem Res,22:47から54(1989);Nakatsuka,T.,Sasaki,T.,Kaiser,E.T.Peptide segment coupling catalyzed by the semisynthetic enzyme thiosubtilisin,J Am Chem Soc,109:3808から3810(1987);Schnolzer,M.,Kent,S B H.Constructing proteins by dovetailing unprotected synthetic peptides:backbone−engineered HIV protease,Science.256(5054):221から225(1992);Chaiken,I.M.Semisynthetic peptides and proteins,CRC Crit Rev Biochem,ll(3):255から301(1981);Offord,R.E.Protein engineering by chemical means? Protein Eng.,1(3):151から157(1987);ならびにJackson,D.Y.,Burnier,J.,Quan,C,Stanley,M.,Tom,J.,Wells,J.A.A Designed Peptide Ligase for Total Synthesis of Ribonuclease A with Unnatural Catalytic Residues,Science,266(5183):243(1994)。
インビトロにおいてタンパク質に補因子、スピンラベルおよびオリゴヌクレオチドを含む種々の天然でない側鎖を導入するために化学的改変を用いている。例えば、Corey,D.R.,Schultz,P.G.Generation of a hybrid sequence−specific single−stranded deoxyribonuclease,Science,238(4832):1401から1403(1987);Kaiser,E.T.,Lawrence D.S.,Rokita,S.E.The chemical modification of enzymatic specificity,Annu Rev Biochem,54:565から595(1985);Kaiser,E.T.,Lawrence,D.S.Chemical mutation of enyzme active sites,Science.226(4674):505から511(1984);Neet,K.E.,Nanci A,Koshland,D.E.Properties of thiol−subtilisin,J Biol.Chem 243(24):6392から6401(1968);Polgar,L.et M.L.Bender.A new enzyme containing a synthetically formed active site.Thiol−subtilisin.J.Am Chem Soc 88:3153から3154(1966);ならびに,Pollack,S.J.,Nakayama,G.Schultz,P.G.Introduction of nucleophiles and spectroscopic probes into antibody combining sites,Science,242(4881):1038から1040(1988)を参照のこと。
免疫反応性によりポリペプチドを規定する
本発明のポリペプチドは、種々の新規なポリペプチド配列(例えば、本明細書における翻訳系で合成されたタンパク質の場合、選択されたアミノ酸(例えば、天然でないアミノ酸)を、または例えば、新規なシンテターゼの場合、標準的なアミノ酸の新規な配列を含む)を提供し、このポリペプチドはまた、例えば、免疫学的アッセイにおいて認識され得る新規な構造的特徴を提供する。本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗血清の生成、ならびにこのような抗血清によって結合されるポリペプチドは、本発明の特徴である。本明細書において用いる場合、「抗体(antibody)」という用語は、分析物(抗原)を特異的に結合して認識する、免疫グロブリン遺伝子もしくは免疫グロブリン遺伝子(複数)、またはこのフラグメントによって実質的にコードされる、ポリペプチドを含むがこれらに限定されない。例としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体および単鎖抗体などが挙げられる。Fabフラグメント、およびファージライブラリーを含む発現ライブラリーによって生成されるフラグメントを含む、免疫グロブリンのフラグメントも、本明細書において用いられる「抗体(antibody)」の用語に含まれる。例えば、Paul,Fundamental Immunology,第4版,1999,Raven Press,New York,for antibody structure and terminologyを参照のこと。
例えば、本発明は、RS、およびtRNAを利用して作成されたタンパク質、および/またはアミノ酸配列を含む免疫原に対して生成された抗体もしくは抗血清に特異的に結合するか、またはこれと特異的に免疫反応性である本発明のRSを含む。他のホモログとの交差反応性を排除するために、抗体または抗血清を利用可能なタンパク質、例えば野性型ポリペプチド、例えば「コントロール」ポリペプチドでサブトラクトする。野性型タンパク質が、核酸に相当する場合、核酸によってコードされるポリペプチドが生成されて、抗体/抗血清サブトラクション目的に用いられる。
1つの代表的な形式では、イムノアッセイは、1つ以上のポリペプチドまたはこの実質的なサブ配列(すなわち、提供された全長配列の少なくとも約30%)に対して惹起されたポリクローナル抗血清を用いる。タンパク質に由来する潜在的なポリペプチド免疫原のセットは、まとめて、以下「免疫原性ポリペプチド(the immunogenic polypeptides)」と呼ばれる。この得られた抗血清は、必要に応じて、コントロールのシンテターゼホモログに対して低い交差反応性を有するように選択され、および任意のこのような交差反応性は、例えば、免疫吸収(immunoabsorbtion)によって、1つ以上のコントロールのホモログとともに、免疫アッセイでのポリクローナル抗血清の使用の前に除去される。
免疫アッセイにおける使用のために抗血清を生成するため、1つ以上の免疫原性ポリペプチドを生成して、本明細書に記載のように精製する。例えば、組み換えタンパク質は、組み換え細胞において生成されてもよい。マウス近交系(このマウスの実質上の遺伝子同一性に起因して、結果がより再現性であるので、このアッセイで用いられる)を、標準的なアジュバント、例えば、フロイントのアジュバントと組み合わせて、および標準的なマウス免疫プロトコールで、免疫原性タンパク質で免疫する(抗体生成、イムノアッセイの形式および特定の免疫反応性を決定するために用いられ得る条件の標準的な説明については、例えば、Harlow and Lane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New Yorkを参照のこと)。
さらなる引用文献および抗体の考察も本明細書に見出され、および免疫反応性によってポリペプチドを規定するために本明細書において適用され得る)。または、本明細書において考察される配列由来の1つ以上の合成または組み換えのポリペプチドは、キャリアタンパク質に結合体化されて、免疫原として用いられる。
ポリクローナル血清を収集して、イムノアッセイ、例えば、固体支持体上に固定された1つ以上の免疫原性タンパク質を用いる固相イムノアッセイにおいて、免疫原性ポリペプチドに対して滴定する。10以上の力価を有するポリクローナル抗血清を選択し、プールし、およびコントロールのシンテターゼポリペプチドでサブトラクトして、サブトラクトされたプールされた滴定されたポリクローナル抗血清を得る。
サブトラクトされたプールされた滴定されたポリクローナル抗血清を、競合的イミノアッセイにおけるコントロールの相同体に対する交差反応性について試験する。この競合的アッセイでは、コントロールのシンテターゼホモログに対する結合に比較した場合免疫原性タンパク質に対する滴定されたポリクローナル抗血清の結合について少なくとも約5から10倍高い信号対雑音比を生じる、サブトラクトされた滴定されたポリクローナル抗血清について、差別的な結合条件を決定する。すなわち、アルブミンまたは脱脂粉乳のような非特異的競合因子の添加によって、ならびに/または、塩条件、温度および/もしくはその他を調節することによって、結合反応のストリンジェンシーを調節する。これらの結合条件を、試験ポリペプチド(免疫原性ポリペプチドおよび/またはコントロールのポリペプチドに比較されるポリペプチド)がプールされたサブトラクトされたポリクローナル抗血清によって特異的に結合されるか否かを決定するために、引き続くアッセイ中で用いる。
別の例では、競合的結合形式のイムノアッセイを試験ポリペプチドの検出のために用いる。例えば、注記のとおり、交差反応性抗体を、コントロールのポリペプチドでの免疫吸着によってプールされた抗血清混合物から除去する。ついで、免疫原性ポリペプチドを、固体支持体に固定して、これをサブトラクトされたプールされた抗血清に曝す。試験タンパク質を、アッセイに添加して、プールされたサブトラクトされた抗血清に対する結合について競合させる。固定されたタンパク質に比較して、試験タンパク質がプールされたサブトラクトされた抗血清に対する結合について競合する能力を、アッセイに添加された免疫原性ポリペプチドが結合について競合する能力に対して比較する(免疫原性ポリペプチドは、プールされた抗血清に対する結合について、固定された免疫原性ポリペプチドと効率的に競合する)。試験タンパク質の交差反応性パーセントは、標準的な計算を用いて算出する。
平行のアッセイで、コントロールタンパク質が、プールされたサブトラクトされた抗血清に対する結合について競合する能力を、抗血清に対する結合について競合する免疫原性ポリペプチドの能力と比較して場合により決定する。ここでも、コントロールポリペプチドについての交差反応性パーセントは、標準的な計算を用いて算出する。交差反応性パーセントが、コントロールポリペプチドに比較して、試験ポリペプチドについて少なくとも5から10倍高い場合、およびまたは、試験ポリペプチドの結合が、ほぼ免疫原性ポリペプチドの結合の範囲内である場合、この試験ポリペプチドは、プールされたサブトラクトされた抗血清に特異的に結合すると言われる。
一般には、免疫吸着されたおよびプールされた抗血清は、免疫原性および/またはコントロールのポリペプチドに対して任意の試験ポリペプチドを比較するために本明細書に記載のように競合的結合イムノアッセイで用いられ得る。この比較を行うために、免疫原性、試験およびコントロールのポリペプチドを各々、広範な濃度でアッセイし、例えば、固定されたコントロール、試験または免疫原性タンパク質に対する、サブトラクトされた抗血清の結合の50%を阻害するのに必要な各々のポリペプチドの量は、標準的な技術を用いて決定する。競合アッセイにおける結合に必要な試験ポリペプチドの量が、必要な免疫原性ポリペプチドの量の半分より小さい場合、この試験ポリペプチドは、この量がコントロールポリペプチドについての高さの少なくとも約5から10倍程度の高さである条件では、免疫原性タンパク質に対して生成された抗体に特異的に結合すると言われる。
特異性のさらなる決定として、免疫吸着において用いられる免疫原性ポリペプチドに対する、得られた免疫原性ポリペプチドサブトラクトされたプールされた抗血清の結合がほとんどまたは全く検出できないようになるまで、プールされた抗血清を必要に応じて、免疫原性ポリペプチド(コントロールポリペプチドではない)で完全に免疫吸着する。ついで、この完全に免疫吸着された抗血清を、試験ポリペプチドとの反応性について試験する。反応性がほとんどまたは全く観察されない(すなわち、免疫原性ポリペプチドに対する完全に免疫吸着された抗血清の結合について観察されるよりも2倍以下の信号対雑音比)場合、この試験ポリペプチドは、免疫原性タンパク質によって惹起された抗血清によって特異的に結合される。
タンパク質、抗体、抗血清などに対するさらなる詳細は、参照により組み込まれる、「Expanding the Eukaryotic Genetic Code」と題されたUSSN 10/825,867、「IN VIVO INCORPORATION OF UNNATURAL AMINO ACIDS」と題された、WO 2002/085923;「Glycoprotein synthesis」と題された米国特許番号6,927,042;および「Protein Arrays」と題された米国特許公開番号US 2004/0198637に見出され得る。
キット
キットも本発明の特徴である。例えば、少なくとも1つの選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を、細胞中に含むタンパク質を生成するためのキットが提供され、ここでこのキットは、O−tRNAをコードするポリヌクレオチド配列および/もしくはO−tRNA、ならびに/またはO−RSをコードするポリヌクレオチド配列および/またはO−RSを含む容器を含む。一実施形態では、このキットはさらに、少なくとも選択されたアミノ酸を含み、別の実施形態では、このキットは本発明のアミノアシル化されたtRNAを含む。別の実施形態では、このキットはさらに、タンパク質を生成するための説明書を含む。
さらなる実施例は、少なくとも1つの選択されたアミノ酸、例えば、天然でないアミノ酸を無細胞翻訳系に含むタンパク質を生成するためのキットであり、このキットは、O−tRNAをコードするポリヌクレオチド配列および/もしくはO−tRNA、ならびに/またはO−RSをコードするポリヌクレオチド配列および/またはO−RSを含む容器を含む。一実施形態では、このキットはさらに、選択されたアミノ酸を含む。別の実施形態では、このキットは本発明のアミノアシル化されたtRNAを含む。別の実施形態では、このキットはさらに、タンパク質を生成するための説明書を含む。
(実施例)
以下の実施例は、特許請求された本発明を例示するために提示しているが、限定するものではない。当業者は、特許請求された本発明の範囲から逸脱することなく変更され得る種々の重要でないパラメーターを認識する。
パラ−アセチルフェニルアラニンに対するアミノアシルtRNAシンテターゼ選択
2つのDNAライブラリーを、天然ではないコードされたアミノ酸である、パラ−アセチルフェニルアラニンに対するアミノアシル−tRNAシンテターゼについてスクリーニングした。これらのライブラリーは、pBKプラスミドにおいてMethanococcous janneschii由来のチロシルtRNAシンテターゼ遺伝子における6つの変異からなる。
5つの交互の回の選択である、3つの陽性、2つの陰性選択からなる選択手順を行った。このライブラリーを、1:1比で合わせて、陽性選択細胞株へエレクトロポレーとし(陽性選択プラスミド、pREPを有するGeneHog)、および適切な抗生物質および天然でないコードされたアミノ酸パラ−アセチルフェニルアラニン(pAF)を含む、最小培地のプレート(GMML)上にプレートした。このプレートを、37℃で約40時間インキュベートして、この時点で細胞を剥離によって回収した。Qiagen Mini−Prep手順を用いてDNAを抽出し、ついでアガロースゲル精製して、ライブラリーのプラスミドDNAを単離する。
ついで、このDNAを陰性の選択細胞株(陰性の選択プラスミドpBAD誘導体を有するGeneHog)にエレクトロポレーションした。これらの形質転換体を、適切な抗生物質を含み、天然にはコードされないアミノ酸(pAF)を含まないLBプレート上にプレートした。約17時間後、これらの細胞を剥離によって回収して、Qiagen Mini−Prep手順およびアガロースゲル精製を用いてプラスミドDNAを精製した。
エレクトロポレーション、プレート、回収およびDNA精製の同じ方法を利用して、選択の引き続く回を行った。選択の最終回(5回目)に、最小培地プレート上にプレートされた形質転換された陽性選択細胞の連続希釈を行った。ついで、個々のコロニーをピックアップして、96ウェルのブロック中で一晩増殖させた。ついで、このブロックを、種々の濃度のクロラムフェニコール(陽性選択抗生物質)を含み、天然でないアミノ酸pAFが有無の最小培地プレート上に複製プレートした。37℃の増殖の約40時間後、このプレートを視覚的に比較して、どのコロニーが最高のクロラムフェニコール濃度で増殖するが、天然にはコードされないアミノ酸pAFの非存在下で増殖しないか、増殖が劣っているかを確認した。これらの基準を満たすコロニーを一晩増殖させた。Mini−Prepおよびアガロースゲル精製によってDNAを培養物から単離して、配列決定した。
pAFのこの選択から、13のクローンが固有のアミノ酸配列を有することを見出して、さらなる特徴付けに供して、pAF−tRNAシンテターゼの忠実度および進化性を決定した。
これらのシンテターゼを特徴付けるために、小規模のアンバーサプレッションを行って、非天然的にコードされたアミノ酸pAFがポリペプチドに組み込まれることを示し、その結果はSDS−PAGEによって可視化した。単一のコロニーをピックアップして、LBブロス中で一晩培養し、ついで、これを用いて50mLのLBに接種した。この細胞を0.3から0.4のODまで増殖して、この時点で1.5mLのアリコートを、誘導前のポイントとしてとり、および培養物を2つのフラスコに分けた。1mMのpAFを1つのスプリットに添加して、両方を30分間増殖させた。30分の増殖後、両方の培養物(+/−pAF)を0.2%のL−アラビノースとともにインキュベートして、4.5時間増殖させて、OD600を記録した。ついで1.5mLのアリコートをSDS−PAGE分析のために+/−pAFのフラスコにとった。
1.5mLのアリコート(誘導前、+pAF、−pAF)を10,000×gで10分間遠心分離して細胞をペレットにした。ついで、この細胞を、回収の時点で、このOD600に対して比例する量のBacterial Protein Extraction Reagent(BPER,Pierce)に懸濁した。DNase Iを、溶解した細胞に添加して、4℃で20分間インキュベートした。ついで、このサンプルを、還元剤およびローディング色素を合わせて、MES緩衝液中で4から12%のBis−TRISゲル上で30分間泳動した。このゲルをDI HO中で10分間2回洗浄して、クマーシーブルー色素で染色した。+/−pAFバンドを、pAF−tRNA RSの忠実度について比較して、pAFの取り込みを得て、+pAFバンドを、以前に選択されたpAF−tRNA RSに比較した。
RSの進化性についてチエックするために、C−H6 S4am myoglobin(S4am−Myo)を含有するプラスミドを用いて同じ手順を行った。ついで、S4am MyoをIMACによって精製して、タンパク質配列決定のために送りpAF組み込みの量を決定した。
この選択から同定されたpAF−tRNA RSのうち、1つのシンテターゼ(E9)は、S4am−MyoへのpAFの取り込みの95%より大きい効率で、効率的にpAFを組み込むことが見出された。この組み込みは、アミノ酸配列決定によって決定したが、進化性は、SDS−PAGEゲルに対してタンパク質バンドを比較することによって示された。E9のヌクレオチド配列は、配列番号4に示され、およびE9のアミノ酸配列は配列番号5に示される。
E9と同様の活性を有するさらなる変異体を同定したが、これは、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する。
tRNA突然変異誘発
tRNA J17の3つの変異体を生成した。野性型J17のDNA配列は、配列番号8として、および米国特許公開番号2003/0108885に配列番号1として、およびUS 2003/0082575に配列番号1として(それぞれ、米国特許出願逐次番号10/126,931および10/126,927)示され、この両方とも本明細書において参照により組み込まれる。J17 tRNAは、図1に示されるようにTΨCステムにU51:G63ゆらぎ対(wobble pair)を有する。
3つのJ17変異体(F12、F13およびF14)を生成して、TΨCステムの51および63の位置でワトソン−クリック塩基対を生成した。突然変異誘発は、重複PCRによって行って、アミノアシルtRNAシンテターゼE9をコードするポリヌクレオチド配列(配列番号4)およびアンバーコドン置換を有する、ヒト成長ホルモン(hGH)をコードするポリヌクレオチド配列(配列番号16)を含む、pET19プラスミド中のEcoRIおよびNdeI部位に、最終構築物をクローニングした。hGHの発現は、T7プロモーターの制御下であった。
2つのフラグメントを、重複するPCRについて生成した。最初のフラグメントは、プライマー伸長によって得た。3つの変異体の各々を生成するために用いられるフォワードプライマーの配列は以下であった。
GTAACGCTGAATTCCCGGCGGTAGTTCAGCAGGGCAGAACGGCGGACTCTAAATCCGCATGGCGC(FTam11;配列番号9)。
F12変異体(51C:63G)を生成するために、以下のリバースプライマーを用いた。GATCTGCAGTGGTCCGGCGGGCCGGATTTGAACCGGCGCCATGCGGATTTAGAGTCCGCCGTTCTGC(FTam12;配列番号10)。
F13変異体(51U:63A)を生成するために、以下のリバースプライマーを用いた。GATCTGCAGTGGTCCGGCGGGCTGGATTTGAACCGGCGCCATGCGGATTTAGAGTCCGCCGTTCTGC(FTam13;配列番号11)。
F14変異体(51A:63U)を生成するために、以下のリバースプライマーを用いた。GATCTGCAGTGGTCCGGCGGGCAGGATTTGAACCTGCGCCATGCGGATTTAGAGTCCGCCGTTCTGC(FTam14;配列番号12)。
第二のフラグメントを生成するために、J17 tRNAのポリヌクレオチド配列(配列番号8)と、tRNAシンテターゼ E9をコードするポリヌクレオチド配列(配列番号4)と、アンバーコドン置換を有するヒト成長ホルモンをコードするポリヌクレオチド配列(配列番号16)を含むプラスミドpET19 J17 E9hGHを以下のセットのプライマーを用いる増幅のためのテンプレートとして用いた。
CGCCGGACCACTGCAGATCCTTAGCGAAAGCTAAGGATTTTTTTTAAGC(フォワードプライマー;FTam15;配列番号13)およびCAAATTCGTCCATATGGGATTCC(FTam16;配列番号14)。フォワードプライマーを用いて、tRNAの3’末端からプラスミドのNdeI部位へ配列を伸長させた。得られた生成物をゲル精製した。
重複PCRの最終工程は、フォワードプライマーGTAACGCTGAATTCCCGGCG(FTam17,配列番号15)、リバースプライマーFTam16(配列番号14)、第一のフラグメントおよび第二のフラグメントに関与した。アセンブルした生成物を、EcoR IおよびNde Iで消化し、および、EcoR IおよびNde Iで消化したプラスミドpET19 J17 E9 hGHに連結した。各々の構築物の配列を、配列決定によって確認して、J17変異体tRNAの各々についてのDNA配列を、配列番号1(F12)、配列番号2(F13)、および配列番号3(F14)として示す。tRNAは、これらの対応するリバースプライマーの後に命名した。
タンパク質発現
tRNA(J17、F12、F13またはF14)をコードするプラスミドを、E.coliの1株および2株の細菌宿主細胞へ化学的な方法によって、各々形質転換して、50μg/mlのカルベニシリンを含有するLBアガープレート上にプレートした。このプレートを37℃で一晩インキュベートした。各々のtRNAについて、単独のコロニーをピックアップして、50μg/mlのカルベニシリンを含有する1mlの2×YT中における37℃で一晩の培養を開始した。この1mlの培養物を用いて、50μg/mlのカルベニシリンを含有する2つの10mlの2×YT培養物に37℃で接種した。1つの10ml培養物に、4mMのパラ−アセチルフェニルアラニンを補充した。OD600=0.7において、hGH発現を0.4mMのIPTGで誘導した。250rpmで37℃で4時間の細胞培養後、この細胞を、5000×gで5分間の遠心分離によって回収した。この細胞を、5μg/mlのDNAseIを補充したB−PER Reagent(Pierce,Rockford,IL)で溶解させた。総細胞溶解物を、4から12%のSDS PAGEによって分析した。
図2は、SDS PAGEによるE.coli株1の総細胞溶解物の分析を示す。ヒト成長ホルモンにおけるセレクターコドンの抑制は、J17またはJ17変異体(F12、F13、F14)tRNAおよびアミノアシルtRNAシンテターゼE9を用いて行った。J17変異体を保有する細胞は、J17を保有する細胞よりもわずかに遅く成長した。4mMのパラ−アセチルフェニルアラニンの非存在下でtRNA変異体のSDS−PAGEによって、全長hGH生成物は観察されなかった。4mMのパラ−アセチルフェニルアラニンの存在下で、各々のtRNA変異体を用いて全長生成物を生成し、これによって、これらのtRNA変異体RS E9対がE.coliの機構に直交性であることが実証された。SDS−PAGEに基づいて、J17変異体の抑制されたhGH収率は、E.coli株1においてJ17の収率よりも約1.5から2倍高かった。
1つのJ17変異体であるF13を、図3に示されるようなアンバーサプレッションにためのE.coli株2細菌細胞系等においてさらに試験した。E.coli株2では、発現およびアンバーサプレッション収率は、E.coli株1における収率に対して低下した。パラ−アセチルフェニルアラニンの非存在下では、SDS−PAGEによって全長hGH生成物は観察されなかった。4mMのパラ−アセチルフェニルアラニンの存在下では、全長hGHが両方のtRNAについて観察された。SDS−PAGEに基づいて、F13の抑制されたhGH収率は、J17の収率よりも約3倍高かった。
約1.5Lの最終容積で、J17およびF13を比較する発酵の実施を行った。J17 tRNAをコードするプラスミドおよびF13のtRNAをコードするプラスミドを各々E.coliの株1に形質転換した。各々についての最終細胞密度は、1リットルあたり約190gの湿細胞であった。hGHの力価は、J17クローンについては347mg/Lで、およびF13クローンについては542mg/Lであった。
前述の本発明は、明確さおよび理解の目的のためにある程度詳細に記載してきたが、形態および詳細における種々の変化が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得るということは本開示を読めば当業者には明らかとなる。例えば、上記の全ての技術および装置は、種々の組み合わせで用いられ得る。全ての刊行物、特許、特許出願および/または本出願に引用される他の文書は、各々の個々の刊行物、特許、特許出願および/または他の文書が全ての目的のために参照により組み込まれるように個々に示されるかのような程度まで、全ての目的のために、この全体において参照により組み込まれる。
Figure 0004990792
Figure 0004990792
TΨCステム変異部位でのJ17 tRNAのクローバー葉構造が示される。 ヒト成長ホルモンにおけるアンバー変異体の抑制が、J17またはJ17変異体(F12、F13、F14)およびE9 RSを用いて示される。各々のサンプルについての総細胞溶解物は、SDS PAGEによって分析された。 ヒト成長ホルモンにおけるアンバー変異の抑制が、F13およびE9 RSを用いて種々の細胞株で示される。

Claims (43)

  1. 配列番号4、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号17のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列からなる群より選択される核酸配列を有するアミノアシルtRNAシンテターゼ(RS)を含む組成物。
  2. 前記RSが優先的にtRNAをアミノアシル化する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記tRNAが天然にはコードされないアミノ酸でアミノアシル化される請求項2に記載の組成物。
  4. 前記天然にはコードされないアミノ酸がパラ−アセチルフェニルアラニンである請求項3に記載の組成物。
  5. 請求項1に記載のRSおよびtRNAを含む組成物であり、前記tRNAが化学的にアミノアシル化される組成物。
  6. 請求項1に記載のRSおよびtRNAを含む組成物であり、前記tRNAが酵素的にアミノアシル化される組成物。
  7. 前記tRNAがRSによって酵素的にアミノアシル化される請求項6に記載の組成物。
  8. 前記tRNAがリボザイムによって酵素的にアミノアシル化される請求項6に記載の組成物。
  9. tRNAをさらに含み、前記tRNAがRSによってアミノ酸でアミノアシル化される請求項1に記載の組成物。
  10. 前記アミノ酸が、天然にはコードされないアミノ酸である請求項9に記載の組成物。
  11. 前記天然にはコードされないアミノ酸がパラアセチルフェニルアラニンである請求項10に記載の組成物。
  12. 前記tRNAが古細菌tRNA由来である請求項9に記載の組成物。
  13. 前記tRNAがM.janneschii由来である請求項9に記載の組成物。
  14. 翻訳系をさらに含む請求項1に記載の組成物。
  15. 前記翻訳系が無細胞翻訳系である請求項14に記載の組成物。
  16. 前記翻訳系が細胞溶解物である請求項14に記載の組成物。
  17. 前記翻訳系が再構成された系である請求項14に記載の組成物。
  18. 前記翻訳系が細胞翻訳系である請求項14に記載の組成物。
  19. 翻訳系を含む細胞であり、前記翻訳系が、請求項1に記載のRSを含む細胞。
  20. 細胞が真核生物細胞である請求項19に記載の細胞。
  21. 真核生物細胞が酵母細胞である請求項20に記載の細胞。
  22. 真核生物細胞が真菌細胞である請求項20に記載の細胞。
  23. 真核生物細胞が哺乳動物細胞である請求項20に記載の細胞。
  24. 真核生物細胞が昆虫細胞である請求項20に記載の細胞。
  25. 真核生物細胞が植物細胞である請求項20に記載の細胞。
  26. 細胞が非真核生物細胞である請求項19に記載の細胞。
  27. 非真核生物細胞がE.coli細胞である請求項26に記載の細胞。
  28. RSによってアミノアシル化されるtRNAおよび目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記ポリヌクレオチドが、tRNAによって認識されるセレクターコドンを含む請求項19に記載の細胞。
  29. 前記目的のポリペプチドがヒト成長ホルモンである請求項28に記載の細胞。
  30. 請求項1に記載のRSを含むE.coli細胞。
  31. 請求項1に記載のRSを含む酵母細胞。
  32. 請求項1に記載のRSを含む真菌細胞。
  33. 請求項1に記載のRSを含む哺乳動物細胞。
  34. 請求項1に記載のRSを含む昆虫細胞。
  35. 請求項1に記載のRSを含む植物細胞。
  36. 配列番号4、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号17のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列からなる群より選択される核酸配列を有するRSをコードするポリヌクレオチドを含むベクター。
  37. ベクターが、プラスミド、コスミド、ファージまたはウイルスを含む請求項36に記載のベクター。
  38. ベクターが発現ベクターである請求項36に記載のベクター。
  39. 請求項36に記載のベクターを含む細胞。
  40. 特定の位置で選択されたアミノ酸を用いて細胞中でポリペプチドを産生する方法であって、前記方法は、
    適切な培地中で細胞を増殖させる工程であって、前記細胞が少なくとも1つのセレクターコドンを含み、および、あるポリペプチドをコードする核酸を含む工程と;および
    前記選択されたアミノ酸を提供する工程と、を含み;
    前記細胞がさらに、
    前記細胞中で機能する請求項1に記載の直交性RS(O−RS)であって、前記RSが配列番号5及び配列番号17からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、RSと;
    および
    セレクターコドンを認識する直交性tRNA(O−tRNA)であって、前記O−RSが選択されたアミノ酸でO−tRNAをアミノアシル化する、tRNAと;
    を含む方法。
  41. 前記選択されたアミノ酸がパラ−アセチルフェニルアラニンである請求項40に記載の方法。
  42. 前記ポリペプチドがヒト成長ホルモンである請求項40に記載の方法。
  43. 配列番号4、配列番号5のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列及び配列番号17のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列からなる群より選択される核酸配列を有するポリヌクレオチド。
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