JP5731784B2 - 食感食味の優れたベーカリー製品及びその製造法 - Google Patents

食感食味の優れたベーカリー製品及びその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、食パン,ロールパン、クロワッサン等の各種パン類,その他ケーキ,ビスケット,シュークリームなどの穀粉を主原料とするベーカリー製品において、ソフトでしっとりとした食感を有し、かつ口溶け感が良く、風味も良好で、ボリューム感のあるベーカリー製品を提供すること及びその製造方法に関する。特に、ソフトでしっとりとした食感と口溶け感等の食感が良好な、食パン等のベーカリー製品の製造方法に関する。
近年、消費者の嗜好は多様化し、既存の概念にとらわれない新しいタイプの食品、あるいはこれまでにない食感、又は更に改良された食感、風味の食品が求められる傾向にあり、クッキー、スポンジケーキ、パン又は米菓等の小麦粉、米粉、又は澱粉等の穀粉を主要原料とするベーカリー製品でも例外ではない。特に、パンにおいて新規な食感が求められている。パンは我が国においても欠かせない食品の一つであり、機械製造で大量生産を主体とする大手ベーカリーや、小規模ながら手作りや焼きたての商品を提供するリテイルベーカリーでは、毎日幅広い種類のパンが製造されており、我が国のパン市場におけるその種類の多さは世界的に見ても希有な例といえる。
このような我が国のパン市場の現状に則したパンの分類が、社団法人日本パン工業会から「パンの実用分類」とし以下のようにて示されている。
[1]食パン:
(1)ホワイトブレッド(白食パン):角形食パン、山形食パン、コッペパン等;
(2)バラエティーブレッド:ホールホィート・ブレッド(全粒粉)、スペシャリティ・ブレッド(他種穀粉:コーンブレッド等)、ベジタブル・ブレッド(野菜)、フルーツ・ブレッド(乾果物:レーズン・ブレッド等)、ナッツブレッド等;
(3)テーブルロール(食卓ロール)、ソフトロール(バターロール等)、ホットドッグ・ロール、ハンバーガーバンズ等;
[2]型焼きパン:
(1)ハードブレッドおよびハードロール:フランスパン(バゲット等)、ドイツパン(ブレーチヒェン等)、イタリアパン(ロゼッタ、ピザクラスト等);
(2)バラエティー・ハードブレッドおよびバラエティー・ハードロール、ライブレッド等;
[3]菓子パン:
(1)あんパン等:日本式菓子パン(あんパン、クリームパン、ジャムパン等)、欧米式菓子パン(デニッシュペストリー、クロワッサン等)等高糖、高油脂濃度生地をそのまま、またはフィリングおよび/またはトッピングを充填あるいは塗り、掛けして焼成したもの;
(2)揚げパン(イーストドーナツを含む):パン生地をそのまま、またはフィリングを充填して油で揚げたもの(リングドーナツ等);
(3)蒸しパン:パン生地をそのまま、またはフィリングを充填して蒸したもの;
[4]その他のパン(上記三分類に属さないもの):マフィン(イングリッシュマフィン等)、クネッケブロート、ラスク等
従来より、パン類のようなベーカリー製品において、製品にソフト感やしっとり感等の食感を付与させるために、製造原料に種々の配合成分や配合剤を配合することが開示されている。例えば、パン製造生地に、食用油脂類或いは食用油脂類と糖類或いは水溶性多糖類、水溶性蛋白質等からなる組成物を添加することが開示されている(特許文献1〜5)。また、パン原料である小麦粉に、ホエー蛋白質や、鶏卵粉末や乳蛋白、小麦蛋白、大豆蛋白等の蛋白素材を添加することが開示されている(特許文献6,7)。
更に、パン類の製造に際して、マルトヘキサオースやマルトペンタオースのような糖類を配合すること(特許文献8)、デキストランやセルロースのような多糖類を含有するパン改良剤を添加すること(特許文献9,10)、グルコース重合度600以上、グルコース重合度200〜600、グルコース重合度40以上の糖質を特定割合で配合した糖質からなる品質改良剤を配合すること(特許文献11)、平均粒子径が20μm以下のグアーガム、ペクチン、ローカストビーンガムのような増粘安定剤を添加すること(特許文献12)も開示されている。
また、パン類の製造に際して、原料に、小麦粉やトウモロコシ、ジャガイモ等のα化澱粉を配合すること(特許文献13〜15)、パン類の製造に際し、パン原料に、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉、或いは架橋エステル化澱粉のような化工澱粉を配合すること(特許文献16〜18)、及び、パン類の製造に際し、パン原料に、α化架橋澱粉を配合すること(特許文献19)も開示されている。
このように、既にタンパク質、油脂、澱粉類や多糖類といった、高分子物質を利用する検討事例は数多くあるものの、製品味覚への影響や付与された食感等において、必ずしも満足のいくものではなかった。
特開平5−227873号公報 特開2003−304800号公報 特開2005−295920号公報 特開2006−288341号公報 特開2008−67642号公報 特開平8−256672号公報 特開2002−171897号公報 特開2003−9757号公報 特開2001−161258号公報 特開2006−180724号公報 特開2007−82435号公報 特開2002−291396号公報 特開昭59−175845号公報 特開2003−180233号公報 特開2003−199482号公報 特開平3−87135号公報 特開昭64−71433号公報 特開2002−345394号公報 特開平6−125776号公報 特開平4−91744号公報 特開2002−17392号公報 国際特許出願PCT/JP2010/5536、未公開
生物工学会誌 第86巻 第9号 434−436(2008) Journal of Fermentation and Bioengineering、第85巻、539〜41頁(1998年)
従来、製品味覚への影響や付与された食感等において、必ずしも満足のいくものではなかったため、目的とする食感以外の好ましくない食感は付与せず、ベーカリー製品の味質にも悪影響を及ぼさない、低分子の素材、例えば単糖のような、別の切り口による検討が必要となっている。
小麦粉を原料としたパンがふっくらと膨らむためには、パン生地中の発酵性糖類が酵母によって嫌気性発酵されて生成された二酸化炭素が必要である。また、グルテンの形成も不可欠である。もちろん、従来のフランスパンなどのように糖類を添加しないタイプのパンもあるが、安定した製パンを行うためには、糖類の添加は必要不可欠である。
糖類は、酵母の発酵を促し生地を安定化させる効用が知られている。また、糖類は製パンの過程で、種々の芳香物質を形成し風味に影響を与えることから、用いる糖質を選別することによって、品質向上に寄与することができる。焼成の過程においても、カラメル化とメイラード反応を起こし、これもフレーバー付与に貢献する。
このように糖類を種類、量を変えて添加することによって、焼成温度等にも影響し、結果的に保湿性、老化遅延、保存性の延長などが起こると考えられる。その他にも、パンの歩留りの増加、でん粉の糊化遅延と蛋白質変性の遅延により、内相全体の滑らかさ、ソフトさの向上、甘味の付与、食味向上、トースト性の向上が期待される。
天然界に存在量が少ないとされる希少糖の1つD−プシコースにおいての検討例としては、アルブミンとの相互作用が報告され、加熱ゲル形成性の向上に寄与することなどが報告されている(非特許文献1)。ベーカリー製造過程においても、これら低分子単糖の相互作用による思わぬ効果が期待される。
そこで本発明が解決を意図する課題は、クッキー、スポンジケーキ、パン又は米菓等の小麦粉や澱粉等の穀粉を主要原料とするベーカリー製品において、ソフトでしっとりとした食感を有し、かつ口溶け感が良く、風味も良好で、ボリューム感のあるベーカリー製品、及びその製造方法を提供することにある。特に、本発明の課題は食パン等のベーカリー製品において、ソフトでしっとりとした食感と口溶け感等の食感が良好なベーカリー製品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、食パンのようなベーカリー製品の製造に際して、希少糖を含む異性化糖あるいは希少糖を配合した原料粉を用いることにより、調製されたベーカリー製品に、ソフトでしっとりとし、かつ口溶感の良さを付与したベーカリー製品を製造することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜()に記載のベーカリー製品の製造方法を要旨とする。
(1)穀粉を主原料とするベーカリー製品の製造に際して、主原料粉100質量部に対してD-プシコース及びD-アロースが0.1−10質量%になるように、少なくともD−プシコース及びD−アロースを含有する希少糖あるいはD−グルコース及びD−フラクトースに希少糖として少なくともD-プシコース及びD-アロースを含む希少糖含有異性化糖を配合した原料粉を用いることを特徴とするベーカリー製品の製造方法。
)希少糖含有異性化糖が、D−グルコース、D−フラクトース、及び、D−グルコースとD−フラクトースを主成分とする異性化糖のうち1種、あるいは2種以上を0.005mol/l以上のアルカリにより異性化することで得られる、D−グルコース及びD−フラクトース以外の糖の含有率が60質量%未満であって、少なくともD−プシコース及びD−アロースを含有することを特徴とする、上記の(1)記載のベーカリー製品の製造方法。
)製造過程に、酵母菌による糖質の資化過程を含む上記の(1)または(2)に記載のベーカリー製品の製造方法。
)ベーカリー製品が、食パンであることを特徴とする上記の(1)〜()のいずれかに記載のベーカリー製品の製造方法。
また、本発明は、以下の()に記載のベーカリー製品を要旨とする。
)上記の(1)〜()のいずれかに記載の製造方法によって製造されたベーカリー製品。
本発明により、小麦粉などの穀粉を主原料とするベーカリー製品において、ソフトでしっとりとした食感を有し、かつ口溶け感が良く、風味も良好で、ボリューム感のあるベーカリー製品を提供することができる。
稀少糖、特にD−プシコースおよび/またはD−アロースは、ダイエット甘味料をはじめとして多くの用途(例えば肥満などの場合のカロリー摂取制限、糖尿病などの疾患により血糖値上昇抑制等)に使用され、「低カロリー甘味料」としての特徴を持つが、このような希少糖を配合して、本発明のベーカリー製品の製造方法により、食パンのようにベーカリー製品において、ソフトでしっとりとした食感を有し、かつ口溶け感が良く、風味も良好で、ボリューム感のある該ベーカリー製品において優れた食感を有する製品を提供することができる。
本発明において、ベーカリー製品とは、小麦粉などの澱粉系原料を焼成して得る製品であって、食パン,ロールパン、クロワッサン等の各種パン類,その他ケーキ,ビスケット,シュークリームなどが例示される。原料粉として小麦粉などの穀粉を主原料とし、これにイースト(またはベーキングパウダー)、食塩、水などの他、必要に応じて副材料を加えて、発酵工程を経て、或いは、経ないで得られた一般的なベーカリー生地を焼成、フライ、蒸し等の加熱処理を行なって調製される。本発明でいうところの主原料粉である穀粉は、主に小麦粉を挙げることができるが、その他、米粉、澱粉(例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、もち米澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉など)、加工澱粉(例えば、架橋澱粉、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、アセチル化架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉、酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉など)、酸処理澱粉、酸焙焼澱粉、全粒粉、トウモロコシ粉、ライ麦粉なども含む。また、上記原料粉以外には小麦以外の穀物、例えば全粒粉、ライ麦、米、トウモロコシ、大麦、ひえ、あわ、きび、発芽玄米、黒米、赤米、大豆、小豆、アマランサス、キヌアなどを混入しても良く、組成的には特に限定されるものではなく、一般的な原材料が使用可能である。
具体的には本発明は、(1)ベーカリー製品の製造に際して、主原料として、小麦粉に、希少糖を含む異性化糖もしくは、希少糖を配合した原料粉を用いることにより、調製されたベーカリー製品に、ソフトでしっとりとし、かつ口溶感の良さを付与することを特徴とするベーカリー製品の製造方法や、(2)主原料粉100質量部に対して、希少糖を含む異性化糖もしくは、希少糖を0.1〜100質量部の割合で配合したことを特徴とする上記(1)記載のベーカリー製品の製造方法からなる。本発明のベーカリー製品の製造方法は、食パンのようにベーカリー製品の製造に適用され、ベーカリー製品に、ソフトでしっとりとし、かつ口溶感の良さを付与することができる。
また、ベーカリー製品が、酵母菌を用いることによって、糖質の資化過程を含む製造工程を含むベーカリー製品であることが好ましい。
本発明を構成する希少糖は、国際希少糖学会の定義によれば、「自然界に希にしか存在しない糖」であり、自然界における存在量が少ない単糖である。本発明においは、このような希少糖、あるいは含有する希少糖を、主原料である小麦粉100重量部に対し、0.1〜100重量部の割合で含有させる。
本発明における「希少糖」は、国際希少糖学会の定義によれば、「自然界に希にしか存在しない糖」であり、自然界における存在量が少ない単糖である。また、大量生産が難しいため、希少糖には未知の性質が多く潜んでいると考えられている。
六炭糖(ヘキソース)には、アルドースの場合、L−アロース、L−グロース、L−グルコース、L−ガラクトース、L−アルトロース、L−イドース、L−マンノース、L−タロース、D−タロース、D−マンノース、D−イドース、D−アルトロース、D−ガラクトース、D−グルコース、D−グロース、D−アロースの16種類、ケトースの場合はL−プシコース、L−ソルボース、L−フルクトース、L−タガトース、D−タガトース、D−フルクトース、D−ソルボース、D−プシコースの8種類が存在し、そのうち自然界に多量に存在する単糖は、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−マンノース、D−リボース、D−キシロース、L−アラビノースの7種類であり、それ以外の単糖は全て希少糖である。
本発明における「希少糖」は、これらだけに限られず、その誘導体も包含し、その糖アルコール、ウロン酸、アミノ糖等が例示される。
上記希少糖のうち、D−プシコースは、現在大量生産が可能な希少糖である。D−プシコースを得る方法は、現在のところ、フラクトースを酵素(エピメラーゼ)処理して得られる製法が一般的であるが、本発明におけるD−プシコースは、それだけに限られず、該酵素を生産する微生物を利用した製法により得られたものでも良いし、天然物から抽出されたもの、もしくは天然物中に含まれるものをそのまま用いても良いし、化学的な処理方法により異性化されたものでも良い。また、酵素を利用してD−プシコースを精製する方法は、例えば、特許文献20等に開示されている。
一方、D−アロースも、大量生産が試みられている希少糖のひとつである。D−アロースを得る方法としては、L−ラムノース・イソメラーゼを用いてD−プシコースから合成する方法(非特許文献2)や、D−プシコース含有溶液にD−キシロース・イソメラーゼを作用させて得る方法(特許文献21)等が開示されているが、本発明におけるD−アロースは、それだけに限られず、化学的な処理方法により異性化されたものなど、何れの方法によって得られたものでも構わない。
本発明における希少糖を含有する異性化糖は、上述した希少糖の何れかを含有する異性化糖であり、異性化糖とは、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)を主成分とする液状糖である。希少糖を得る方法は既にいくつか例示したが、現在のところ、大量安価に入手できる方法はほとんどなく、発明者らは鋭意研究を行った結果、異性化糖をアルカリ異性化するという、比較的単純な反応方法により、希少糖を約10質量%含有する希少糖含有異性化糖を安価に得ることに成功した(特許文献22)。本発明を完成させる過程において検討された希少糖含有異性化糖の糖組成のうち、同定されている希少糖は、D−プシコース0.5〜17質量%、D−アロース0.2〜10質量%であるほか、未同定の希少糖も存在しており、本発明にいうところの希少糖は、これら未同定のものも包含する。また、希少糖含有異性化糖は、希少糖ではないが、D−マンノースを0.5%以上含むことがわかっている。特許文献22に記載された実施例を示すと以下の通りである。
<5%異性化糖の強塩基性イオン交換樹脂による反応>異性化糖を、0.1M NaOH溶液で、5%(w/v)になるように調製する。この溶液1100mlを、強塩基性イオン交換樹脂45ml、強酸性イオン交換樹脂26mlの順に、温度60℃、送液速度0.8ml/minで通液した。 (強塩基性イオン交換樹脂:アンバーライトIRA900J OH、強酸性イオン交換樹脂:アンバーライト200CT[H型]、カラム長30cm、カラム内径1.5cm)。この時にカラムから溶出してくる経時的な反応液をサンプリング後、HPLC(検出器;RI、カラム;三菱化成 MCI GEL CK 08EC)にて分析した。通液後(1000ml)、糖質含量に対して、D−グルコース34.3%、D−マンノース+D-ソルボース+D-アルトロース12.4%、D−フラクトース25.8%、D−アロース4.1%、D−プシコース6.3%の混合糖液が得られた。
<40%異性化糖の強塩基性イオン交換樹脂による反応>異性化糖を、0.1M NaOH溶液で、40%(w/v)になるように調製する。この溶液1100mlを、強塩基性イオン交換樹脂45ml、強酸性イオン交換樹脂26mlの順に、温度60℃、送液速度0.8ml/minで通液した。 (強塩基性イオン交換樹脂:アンバーライトIRA900J OH、強酸性イオン交換樹脂:アンバーライト200CT[H型]、カラム長30cm、カラム内径1.5cm)。この時にカラムから溶出してくる経時的な反応液をサンプリング後、HPLC(検出器;RI、カラム;三菱化成 MCI GEL CK 08EC)にて分析した。通液後(1000ml)、糖質含量に対して、D−グルコース46.2%、D−マンノース+D-ソルボース+D-アルトロース6.3%、D−フラクトース32.8%、D−アロース2.0%、D−プシコース4.8%の混合糖液が得られた。
一方、D−グルコース及びD−フラクトースの濃度が40質量%程度に減少するまで異性化反応を進めると、褐変化が著しく、産業上の利用は難しいため、D−グルコース及びD−フラクトース以外の糖の含有率は、60質量%未満であることが望ましい。
本発明における希少糖異性化糖は、上記方法により得られたものに限られず、その他の方法によって得られたものでも構わないし、そこに含有される希少糖が、現在のところ同定されているD−プシコースとD−アロースにのみ限られたものでもない。
本発明の食感および/または食味等が改善されたベーカリー製品等は、製品中に少なくともD−アロース及び/又はD−プシコースを適量含んでいることを要件とするが、品質に悪影響を及ぼさない範囲内で、D−アロース及びD−プシコース以外の希少糖や糖質、高甘味度甘味料等を含ませることにより、より良い食感・食味等をもつベーカリー製品等を得ることができる。
異性化糖、果糖、ブドウ糖を異性化して得る希少糖を含有する異性化糖を使用する場合、異性化による反応条件等の違いにより、ブドウ糖、果糖、D−マンノースなどの資化性糖の他に、アルカリの濃度、反応時間、反応基質を変えることによって、D−アロース、D−プシコース、D−ソルボース、D−タガトースなどの非資化性糖を含ませることができる。基質をD−ガラクトースとする、L体の糖を用いるなどによってバラエティに富んだ糖質をパンに入れ込むことも可能である。生成する希少糖の種類や量が異なることから、反応条件の違いを利用した風味、味の改良を行うことが可能である。すなわち、生成する希少糖の種類や量が異なることから、その糖そのものが資化されやすいかどうかのみならず、生地の発酵中に小麦澱粉より発生するマルトースの資化を阻害せずに継続的に発酵を進行させるかどうかなどに影響を与え、焼成後の製品の風味、味の改良に寄与する。
希少糖を含有する異性化糖の場合は、ベーカリー製品の発酵工程を経る過程で添加する場合、異性化糖(ブドウ糖と果糖)及びD−マンノースなどは酵母にある程度資化され、希少糖部分は酵母に資化されないままベーカリー製品中に残存する。つまり、資化性糖と非資化性糖を含むために、酵母を用いた発酵課程において資化性糖を資化させることによって、非資化性糖の割合を高め、食感・食味改善に寄与しソフト、しっとりと感、口溶け感、風味、ボリューム感の改選されたベーカリー製品を作ることができる。
製パン法の違いによっても種々の効果を得ることができる。例えば、中種生地法の場合でも、中種に希少糖を含有する異性化糖を入れ、長時間の発酵によって資化性糖の発酵を促し、残存する非資化性糖の作用を期待することも可能である。また、直捏法、液種生地法などにおいて、酵母と希少糖を含有する異性化糖を好ましい時間、温度に置くことによって、資化性糖質の残存量を調節し好ましい特性を引き出すことも可能である。
ベーカリー製品の製造方法において、希少糖を含有する原料の添加時期は、ベーカリー製品の種類及び/または製法による。例えば、パンの場合、直捏生地法、液種生地法、連続製造法、中種生地法の何れを用いても良く、その添加時期は、中種生地製造時あるいは本捏生地製造時の何れであっても良い。パン以外のベーカリー製品の場合は、ベーキングの前までであれば、何れの時点においてでも添加することができる。
これらの場合、単糖と小麦粉を練る過程、発酵する過程、床置などの生地を寝かす過程の様々な工程において、構造の異なる単糖が作用して種々の最終製品に影響することが考えられる。
本発明の食感および/または食味等が改善されたベーカリー製品等の製造方法において、その特質を改善させるために必要な希少糖を含有する原料の使用量は、所期の効果を得ることができるのであれば特に制限はないが、ベーカリー製品の種類に応じて好ましい濃度が存在する。
例えば、食パン、フランスパンなど、元々甘味が殆どないベーカリー製品の場合、希少糖を含有する異性化糖もしくは、希少糖を主原料粉100質量%に対して、0.1〜10質量%となるように設定して添加することにより、効果的にその食感、食味の改善効果を得ることができる。最終製品中における添加した糖の含有量が0.1質量%未満の場合、味質改善効果が不十分なため、0.1%以上、好ましくは0.5質量%以上添加するのがよい。また、10質量%以上では、菓子パンなどのような元来甘味の強いベーカリー製品等に対しては問題ないが、それ以外のベーカリー製品には強い甘味を与えて全体的な味のバランスを損ねてしまうことになるし、経済的観点からも、10質量%までに留めるほうが良い。
菓子パンのような元来甘味の強いベーカリー製品等の場合は、主原料粉100質量%に対して、希少糖を含有する異性化糖もしくは希少糖の割合が、1〜30質量%となるように設定して添加することにより、効果的にその食感、食味の改善効果を得ることができるし、スポンジケーキなどの場合は、原料粉100質量%に対して、希少糖を含有する異性化糖もしくは希少糖の割合が、5〜160質量%となるように設定して添加することにより、効果的にその食感、食味の改善効果を得ることができる。
また、本発明の効果は、何れの種類のベーカリー製品でも得られるが、希少糖を含む異性化糖および/または希少糖は、通常の糖質と比べ、カロリーが低い、資化されない糖質を含むことから、低カロリー、低糖質のベーカリー製品において、更に本発明の食感・食味の改善効果を持たせることができる。
このようにして得られるベーカリー製品は、食感・食味に優れ、さらに、低カロリーベーカリー製品に利用された場合には、健康と嗜好性が両立されるという、産業上利用上、非常に高い価値を有するものとなる。
本発明は、ベーカリー製品の製造に際して、主原料として、小麦粉に、希少糖を含む異性化糖および/または希少糖を配合した原料粉を用いることにより、調製されたベーカリー製品に、ソフトでしっとりとし、かつ口溶感の良さを付与したベーカリー製品を製造することからなる。
本発明におけるベーカリー製品とは、小麦粉等の穀粉を主原料とし、これにイースト(またはベーキングパウダー)、食塩、水などの他、必要に応じて副材料を加えて、発酵工程を経て、或いは、経ないで得られた一般的なベーカリー生地を焼成、フライ、蒸し等の加熱処理を行なって調製される。上記原料粉以外には小麦以外の穀物、例えば全粒粉、ライ麦、米、トウモロコシ、大麦、ひえ、あわ、きび、発芽玄米、黒米、赤米、大豆、小豆、アマランサス、キヌアなどを混入しても良い。
該ベーカリー製品を具体的に例示すると、プルマン、イギリス食パン等の食パン類、バケット、パリジャンなどのフランスパン、菓子パン、バンズ、テーブルロールなどの各種ロール類の他、イーストドーナツ、ケーキドーナツ、中華まん、スポンジケーキ等のケーキ類、シュー生地などが挙げられる。
なお、ここで副材料とは一般にベーカリー製品の製造に使用されている副材料、或いはベーカリー製品の種類、望まれる品質などによって使用されている副材料で、具体的には砂糖、グルコース、異性化糖、オリゴ糖、還元澱粉分解物等の糖質、脱脂粉乳、全乳粉末などの乳製品、ショートニング、マーガリン、バター、乳化油脂等の油脂類、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤、シナモン、バジリコ等の香辛料、ブランデー、ラム酒などの洋ベーカリー製品、レーズン、ドライチェリー等のドライフルーツ、アーモンド、ピーナツ等のナッツ類、αアミラーゼ、βアミラーゼ、グルコアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、キシラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、香料(例えばバニラエッセンス)、人工甘味料(例えばアスパルテーム)、ペクチン、グアガム分解物、アガロース、グルコマンナン、ポリデキストローズ、アルギン酸ナトリウム、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、難消化性デキストリン等の食物繊維、レジスタントスターチ、活性グルテン、ココアパウダー等が例示できる。
本発明のベーカリー製品の製造方法は、主原料として、小麦粉に、希少糖を含む異性化糖および/または希少糖を配合した原料粉を用いることにより行われるが、かかる原料の配合割合としては、小麦粉50〜100重量部に対して、希少糖を含む異性化糖もしくは、希少糖を0.1〜100重量部の割合で配合する割合が(これを「原料粉」と称する)が採用される。
本発明で使用する小麦粉は、通常のパン類の製造に使用されている小麦粉が用いられ、所望によってその一部を全粒粉、ライ麦粉、コーンフラワー、グラハムフラワー、米粉、大麦、ひえ、あわ、きび、発芽玄米、黒米、赤米、大豆、小豆、アマランサス、キヌアなどで置き換えることもできる。その置換量はいくらでも構わないが、好ましくは5〜20重量%量を原料粉中の小麦粉と置き換えて使用することができる。
食感・食味改善のために、澱粉を加えることもできる。種類としては、市販の澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、もち米澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉などを用いることができる。また、加工澱粉を用いても良い。加工澱粉は、市販の未処理澱粉を加工処理した澱粉で、具体的には酸処理澱粉、次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、架橋澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋エーテル化澱粉、架橋エステル化澱粉など、穀粉としては小麦粉、米粉、コーンフラワーが挙げられる。これらの澱粉を用いて作った酸化澱粉、酸化アセチル澱粉、α化澱粉、リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、オクテニルコハク酸澱粉などを用いても良い。
α化澱粉質の原料に用いる澱粉としては、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉、もち米澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、えんどう豆澱粉、緑豆澱粉等の市販の未処理澱粉を挙げることができる。また、これら澱粉、加工澱粉、穀粉を組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるパン類の製造法としては、一般的におこなわれている中種法、直捏法、湯種法などいずれの方法でも製造でき、それらの製造法に於いて原料粉に食塩、イースト、イーストフード、砂糖、油脂類などの必要とする原料粉以外の材料を配合し、水を加えて混捏し、常法に従って発酵、分割、丸め、ねかし、成型、型詰め、ホイロなどの工程を経て焼成、蒸す、フライするなどの加熱処理して得られる。また、本発明の原料粉は、あらかじめ混合したプレミックスの形態で使用することもできるし、パン類の製造時にそれぞれを添加混合しても良い。
また、冷凍耐性のあるイースト、酸化剤(例えばアルコルビン酸)、澱粉分解酵素(例えばグルコアミラーゼ)、などを用いる冷凍生地の技術を適用すれば、冷凍生地に適用することもできるし、生理機能の付与や栄養強化が望まれる場合に、それぞれの機能を有する成分、例えば各種食物繊維、各種オリゴ糖、多価不飽和脂肪酸、ペプチド類、配糖体類、ビタミン類、ポリフェノール、ミネラルなどを所望により添加することができる。
甘味を補強するために、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、スクラロースなどの高甘味度甘味料、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコールを使用しても良い。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
この実施例及び参考例においては、「部」は重量部を示す。異性化糖及び希少糖を含む異性化糖は、70重量%のものを用いた。
実施例1〜3に用いた希少糖を含む異性化糖は、次の方法で作成した。以下の実施例の異性化糖は、フジフラクトF100(ブドウ糖:果糖=51:43)を用いることとする。
まず、市販異性化糖を、0.1M NaOH溶液で、30%(w/v)になるように調製し、温度60℃、SV(Space velocity:流量(l)/時間(h)/樹脂量(l))1で充填後の強塩基性イオン交換樹脂に送液した (樹脂:アンバーライトIRA900J[OH])。次に、溶出した糖液を定法に従って、イオン交換樹脂にて精製、濃縮して希少糖を含む異性化糖を得た。
この時にカラムから溶出してくる経時的な反応液をサンプリング後、HPLC(検出器;RI、カラム;三菱化成 MCI GEL CK 08EC)にて分析したところ、各糖に該当するピーク面積比は、おおよそ、D−グルコース:D−フラクトース:D−プシコース:D−アロースを含む希少糖=44:32:6:6であった。
なお、実施例5は参考例である。
小麦粉、異性化糖(比較例1)、希少糖を含む異性化糖(実施例1)を用いて、下記配合割合の中種法で山型食パンを製造した。配合割合を表1に、製造条件を表2に、評価基準を表3に、表3によって評価した結果を表4に示す。
[表2]
<製造条件>
中種捏上温度 :24℃
中種発酵時間 :4時間
本捏捏上げ温度:28℃
フロアータイム:20分
分割:275g×2
ベンチタイム:20分
ホイロ:60分
焼成温度:上火180℃/下火205℃
焼成時間:28分
得られた山形食パンは、形状、内相、外観は通常品と変わらず、食感はしっとりとソフトでかつ口溶け感の良い食感を有していた。
小麦粉、異性化糖(比較例2)、希少糖を含む異性化糖(実施例2)を用いて、下記配合割合の中種法でバターロールを製造した。配合割合を表5に、製造条件を表6に、結果を表7に示す。評価基準は表3を用いた。
[表6]
<製造条件>
中種捏上温度 :26℃
中種発酵時間 :2.5時間
本捏捏上げ温度:28℃
フロアータイム:20分
分割:40g
ベンチタイム:20分
ホイロ:50分
焼成温度:上火190℃/下火175℃
焼成時間:8分
得られたバターロールは、形状、内相、外観は通常品と変わらず、食感はしっとりとソフトでかつ口溶け感の良い食感を有していた。
[実施例3〜4]
小麦粉、異性化糖(比較例3、4)、希少糖を含む異性化糖(実施例3、4)を用いて、下記配合割合のスポンジケーキを製造した。配合割合を表8に、製造条件を表9に、評価基準を表10に、その結果を表11に示す。
スポンジケーキのオールインミックス法による製造条件を表9に示す。
[表9]
<製造条件>
生地比重 :0.45
焼成時間 :30分
焼成温度 :上下火180℃
得られたスポンジケーキは、形状、内相、外観は通常品と変わらず、断面はきめが揃っていて、細かい気泡が均一にしっかりと並んだ状態であり、食感はしっとりとソフトでかつ口溶け感の良い食感を有していた。
砂糖を多く使用するベーカリー製品においては、異性化液糖は砂糖に比べてコクが不足するが、希少糖を含有する異性化糖においては、コクも白砂糖を用いたものと変わらない結果が得られた。
また、実施例4では焼き色が「3」であるが、これは、希少糖を添加すると、添加しない場合に比べて、焼き色がやや濃くなる傾向にあるからである。よって、焼き色を濃くしたい場合には、希少糖を適宜添加すれば良いことがわかる。
次に、希少糖含有異性化糖の製造原料として果糖を利用し、異性化反応時間及びアルカリ濃度を前記より多くして得られた希少糖含有異性化糖を用いて、以下の検討を行った。この得られた糖液を分析すると、各糖に該当するピーク面積比は、おおよそ、D−グルコース:D−フラクトース:D−プシコース:その他希少糖=22:34:16:10であった。
[実施例5〜7]
小麦粉、異性化糖(比較例5)、D−プシコース(実施例5)、D−アロース(実施例6)、希少糖を含む異性化糖(実施例7)を用いて、下記配合割合の直種法で山型食パンを製造した。配合割合を表12に、製造条件を表13に示す。得られた山型食パンを上記の表3に示した評価基準に従って評価し、その結果を表14に示す。
[表13]
<製造条件>
捏上温度 :27〜28℃
発酵時間 :80分、パンチ後30分
フロアータイム:20分
分割:275g×2
ベンチタイム:20分
ホイロ:60分
焼成温度:上火180℃/下火205℃
焼成時間:28分
実施例5〜7の山形食パンは、形状、内相、外観は通常品(対照)と変わらず、食感はしっとりとソフトでかつ口溶け感の良い食感を有していた。そのなかでも、D-プシコース単独添加の実施例5より、D-アロースをさらに添加した実施例6で食感・食味の改善効果が確認され、希少糖含有異性化糖を添加した実施例7では、より一層の食感・食味改善効果が確認された。この結果から、D-プシコース単独の効果だけではなく、その他の希少糖(未同定のもの含む)との相乗効果、あるいは異性化糖との相乗効果がそこに存在するものと推察された。
その他、一般的にしっとり感を与えるといわれる、水あめ、糖アルコールを配合しての検討も行ったが、希少糖を含む異性化糖を用いた場合の方が、よりしっとり感が高くなる結果も得られた。
ダイエット甘味料をはじめとして多くの用途(例えば肥満などの場合のカロリー摂取制限、糖尿病などの疾患により血糖値上昇抑制等)に使用され、「低カロリー甘味料」としての特徴を持つ稀少糖、特にD−プシコースおよび/またはD−アロースをベーカリー製品に用いるという、既存の概念にとらわれない新しいタイプの食品、あるいはこれまでにない食感、又は更に改良された食感、風味の食品を求める消費者のニーズに応えた新しい手段を提供するものである。

Claims (5)

  1. 穀粉を主原料とするベーカリー製品の製造に際して、主原料粉100質量部に対してD-プシコース及びD-アロースが0.1−10質量%になるように、少なくともD−プシコース及びD−アロースを含有する希少糖あるいはD−グルコース及びD−フラクトースに希少糖として少なくともD-プシコース及びD-アロースを含む希少糖含有異性化糖を配合した原料粉を用いることを特徴とするベーカリー製品の製造方法。
  2. 希少糖含有異性化糖が、D−グルコース、D−フラクトース、及び、D−グルコースとD−フラクトースを主成分とする異性化糖のうち1種、あるいは2種以上を0.005mol/l以上のアルカリにより異性化することで得られる、D−グルコース及びD−フラクトース以外の糖の含有率が60質量%未満であって、少なくともD−プシコース及びD−アロースを含有することを特徴とする、請求項に記載のベーカリー製品の製造方法。
  3. 製造過程に、酵母菌による糖質の資化過程を含む請求項1または2に記載のベーカリー製品の製造方法。
  4. ベーカリー製品が、食パンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のベーカリー製品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたベーカリー製品。
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