JP2018201359A - 揚げ包餡食品用皮、揚げ包餡食品およびその製造方法 - Google Patents

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千景 井出
影嶋 富美
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Abstract

【課題】本発明は、新たな揚げ包餡食品用皮および揚げ包餡食品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によれば、DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含有する揚げ包案食品用皮が提供される。また、本発明によれば、当該皮で餡が包まれた揚げ包餡食品が提供される。さらに、原料としてDE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を配合する揚げ包餡食品用皮の製造方法が提供される。加えて、DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含む揚げ包餡食品用皮の品質改良剤が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を含む揚げ包餡食品用皮、揚げ包餡食品およびその製造方法に関する。
揚げ春巻きや揚げ餃子などの揚げ包餡食品においては、パリパリとしたクリスピーな食感が求められる。また、油ちょう後時間が経過しても、あるいは電子レンジ等で再加熱しても、その食感が低下しないことが求められる。
揚げ包餡食品の食感を向上させるための手段としては、皮の原料に特定の澱粉を添加する技術が報告されている。例えば、特許文献1には、小麦粉の一部を置換澱粉で代替する揚げ包餡食品用皮が記載されている。
また、皮の原料に水溶性食物繊維を添加する技術も報告されている。例えば、特許文献2には、小麦粉及び水溶性食物繊維を含み、皮の表面全体に半透明部が点在した模様を有した揚げ包餡食品用皮が記載されており、その実施例においては水溶性食物繊維としてトウモロコシ殻分解物が用いられている。特許文献3には、大豆多糖類を配合する揚げ包餡食品用皮が記載されている。特許文献4には、難消化性デキストリンを配合する揚げ包餡食品用皮が記載されている。
しかしながら、皮の原料として水溶性食物繊維を添加する上記技術は、いずれもその製造の煩雑さや食感向上効果の点で課題の残るものであった。
特開2008−22753号公報 特開2001−238646号公報 特開2014−226067号公報 特開2016−77220号公報
本発明は、新たな揚げ包餡食品用皮および揚げ包餡食品を提供することを目的とする。
本願発明者らは、DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を配合することで顕著に優れた食感を有する揚げ包餡食品の皮が得られることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含有することを特徴とする揚げ包餡食品用皮。
(2) 難消化性グルカンが、活性炭の存在下で加熱縮合させて得られた糖縮合物である、(1)記載の揚げ包餡食品用皮。
(3) 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を3〜75質量部の割合で含有する(1)または(2)に記載の揚げ包餡食品用皮。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載の揚げ包餡食品用皮で餡が包まれた揚げ包餡食品。
(5) 原料としてDE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を配合することを特徴とする揚げ包餡食品用皮の製造方法。
(6) 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を3〜75質量部配合することを特徴とする(5)記載の揚げ包餡食品用皮の製造方法。
(7) 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を10〜55質量部配合し、液状の生地を焼成して成形する(5)記載の揚げ包餡食品用皮の製造方法。
(8) 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を5〜20質量部配合し、ドウ状の生地を圧延して成形する(5)記載の揚げ包餡食品用皮の製造方法。
(9) (5)〜(8)のいずれか1つに記載の方法により得られた揚げ包餡食品用皮で餡を包み、油ちょう処理を施す揚げ包餡食品の製造方法。
(10) DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含むことを特徴とする、揚げ包餡食品用皮の品質改良剤。
本発明によれば、揚げ包餡食品用皮に難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を配合することで、軽くサクミがありさらにヒキがなく歯切れが良く、好ましい食感を有する揚げ包餡食品を得ることができる。
本発明はまず、DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物(以下、難消化性グルカン等と記載する場合がある)を含有する揚げ包餡食品用皮に関するものである。
本発明において「難消化性グルカン」は、難消化性のグルカン(グルコースポリマー)を意味し、DE70〜100の澱粉分解物を、加熱処理により縮合反応させることで得られる糖縮合物(加熱縮合物)として得ることができる。難消化性グルカンは、水溶性食物繊維画分を豊富に有している。
難消化性グルカンの原料となる澱粉分解物としては、DEが70〜100である澱粉分解物を使用することができる。澱粉分解物のDEが70を下回ると、分解が不十分であるために得られる難消化性グルカンに澱粉由来の構造が多く残存してしまう。ここで、「DE(Dextrose Equivalent)」とは、澱粉分解物の分解度合いの指標であり、試料中の還元糖をブドウ糖として固形分に対する百分率で示した値である。澱粉分解物のDEは、例えばレインエイノン法で測定することができる。澱粉分解物は、DEが75〜100であることが好ましく、80〜100であることがより好ましい。本発明に用いられる「DE70〜100の澱粉分解物」は、DEが所定の範囲を満たす澱粉分解物であればよく、例えば、マルトオリゴ糖、水飴、粉飴、グルコース等が挙げられる。その性状も特に制限はなく、結晶品(無水ぶどう糖結晶、含水ぶどう糖結晶等)、液状品(液状ぶどう糖、水飴等)、非結晶粉末品(粉飴等)のいずれでも良いが、ハンドリングや製造コストを考慮すると液状品を用いることが好ましい。特に、グルコースの精製工程で生じる副産物である「ハイドロール」と呼ばれるグルコースシラップの使用は、リサイクルや原料コスト削減の観点から極めて有利である。
本発明において「加熱縮合」は、澱粉分解物を加熱条件下において縮合させることをいい、加熱縮合方法は当業者に周知である。加熱縮合における加熱条件は、縮合反応により水溶性食物繊維が豊富な難消化性グルカン(糖縮合物)が得られれば特に制限はなく、当業者であれば加熱条件を適宜決定することができるが、得られる難消化性グルカン(糖縮合物)の食物繊維含量が70%以上となるように加熱することが好ましく、例えば、100℃〜300℃で1〜180分間、より好ましくは、150℃〜250℃で1〜180分間加熱処理することで製造できる。
本発明において「加熱縮合」は、無触媒条件下で行ってもよいが、縮合反応の反応効率の点から触媒存在下で行うことが好ましい。前記触媒としては糖縮合反応を触媒するものであれば特に制限はないが、無機酸(塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等)、有機酸(クエン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酢酸等)、鉱物性物質(珪藻土、活性白土、酸性白土、ベントナイト、カオリナイト、タルク等)および活性炭(水蒸気炭、塩化亜鉛炭、スルホン化活性炭、酸化活性炭等)を用いることができる。得られる水溶性食物繊維素材の着色や安全性、更には味・臭いを考慮すると、触媒として活性炭を用いることが好ましい。また、前記各触媒は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いる難消化性グルカンは、上記手法で得られた糖縮合物をそのまま用いても良く、あるいは、難消化性グルカンの各種処理物を用いても良い。難消化性グルカン処理物としては、例えば、難消化性グルカン酵素処理物、難消化性グルカン分画処理物、難消化性グルカン還元処理物が挙げられる。
本発明において「難消化性グルカン酵素処理物」は、糖縮合物を糖質分解酵素で酵素処理して得ることができる。当該処理により難消化性グルカン中の消化性部位を分解することができるため、食物繊維含量を高める事ができる。
本発明に用いられる「糖質分解酵素」は、糖質に作用し加水分解反応を触媒する酵素であり、特に制限はないが、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ(アミログルコシダーゼ)、イソアミラーゼ、プルラナーゼ、α−グルコシダーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−マンノシダーゼ、β−フルクトシダーゼ、セロビアーゼ、ゲンチオビアーゼ等を挙げることができ、前記酵素を単独で用いてもよく、複数の酵素を組み合わせて用いてもよい。難消化性グルカンへの分解作用からα−アミラーゼ、グルコアミラーゼが好ましく、両酵素のいずれかを単独で作用させてもよいが、α−アミラーゼおよびグルコアミラーゼを共に作用させるのが特に好ましい。
本発明において「酵素処理」の処理条件は、酵素処理により糖縮合物の易消化性部分が消化される条件であれば特に制限はなく、当業者であれば酵素処理条件を適宜決定することができるが、酵素処理によりグルコース含量が1%以上、より好ましくは2%以上増加するように処理するのが好ましく、例えば、20〜120℃で30分間〜48時間、より好ましくは、50〜100℃で30分間〜48時間酵素処理することができる。
本発明において「難消化性グルカン分画処理物」は、難消化性グルカン酵素処理物を二糖以下の画分が15%以下となるように分画処理して得ることができる。言い換えれば「難消化性グルカン分画処理物」は三糖以上の糖類を85%を超えて有するものである。ここで「%」は、固形分に対する質量%を意味する。
本発明において「分画処理」は、二糖以下の画分を15%以下にすることができるものであれば特に制限はなく、その分離方法は当業者に周知の手段を利用することができる。
前記分画処理は、例えば、膜分離、ゲルろ過クロマトグラフィー、カーボン−セライトカラムクロマトグラフィー、強酸性陽イオン交換カラムクロマトグラフィー、エタノール沈殿、溶媒沈殿など当業者に周知の糖質の精製方法を使用することができる。前記分画処理は、二糖以下の画分が10%以下となるよう行うのが好ましく、5%以下となることが特に好ましい。
本発明において「難消化性グルカン還元処理物」は、難消化性グルカンを還元処理して得ることができる。本発明において「還元処理」は、糖の還元末端のグルコシル基のアルデヒド基を水酸基に還元する処理をいう。還元処理方法は当業者に周知であり、例えば、ヒドリド還元剤を用いる方法、プロトン性溶媒中の金属を用いる方法、電解還元方法、接触水素化反応方法等が挙げられる。本発明においては、少量の糖アルコールを調製する場合にはヒドリド還元剤を用いる方法が簡便且つ特殊な装置を必要とせず便利であり、一方で、工業的に大規模に実施する場合には、経済性に優れ、副生成物も少ないという点から、接触水素化反応を用いる方法が好ましい。「接触水素化反応」とは、触媒の存在下、不飽和有機化合物の二重結合部に水素を添加する反応であり、一般に水添反応とも言われている。
本発明における「還元処理」を具体的に説明すると、難消化性グルカンを水に溶解し、そこにラネーニッケル触媒を適量加え、水素ガスを添加し、高温条件下で還元する。次に、脱色・脱イオン処理して、難消化性グルカン還元処理物を得ることができる。
難消化性グルカン等の性状も特に制限はなく、液状(シラップ状)品や粉末品を用いることができる。
本発明における「揚げ包餡食品」とは、餡を皮で包んで油ちょう処理することで得られる食品であり、例えば、揚げ春巻き、揚げ餃子、揚げシュウマイ、揚げワンタン、揚げラビオリ、揚げクレープ等が挙げられる。
本発明における「揚げ包餡食品の皮」は、餡を包み揚げ包餡食品を調理製造するために必要な皮であり、難消化性グルカン等を含有する以外は特に制限はなく、その他原料としては、例えば、小麦粉・米粉・大麦粉・大豆粉・そば粉などの穀粉類、コーンスターチ・タピオカ・馬鈴薯澱粉・加工澱粉などの澱粉類、澱粉分解物、卵・大豆粉末・カゼインなどのタンパク質類、牛乳、油脂類、乳化剤、増粘剤、膨化剤、糖類、食塩、調味料などが挙げられ、穀粉類および/または澱粉類を含むことが好ましい。
本発明の揚げ包餡食品の皮における難消化性グルカン等の含有量も特に制限はないが、その効果の点から穀粉類および澱粉類100質量部に対し3〜75質量部とすることができ、5〜65質量部とするのが好ましい。春巻皮やクレープ等、液状の生地を焼成して成形する皮については、その効果の点から穀粉類および澱粉類100質量部に対し10〜55質量部とすることがより好ましく、20〜50質量部とすることが特に好ましい。また、餃子皮やシュウマイ皮等、粉と水等で練ったドウ状の生地を伸ばして成形する皮については、その効果と製造適正から、穀粉類および澱粉類100質量部に対し5〜20質量部とすることがより好ましく、8〜15質量部とするのが特に好ましい。
本発明はまた、原料としてDE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を配合する揚げ包餡食品用皮の製造方法に関するものである。
本発明の揚げ包餡食品用皮の製造方法においては、難消化性グルカン等を配合する以外
は特に制限はなく、通常の手法で揚げ包餡食品用皮を製造することができる。該皮の原料も特に制限はなく、難消化性グルカン等の他に、例えば小麦粉・米粉・大麦粉・大豆粉・そば粉などの穀粉類、コーンスターチ・タピオカ・馬鈴薯澱粉・加工澱粉などの澱粉類、澱粉分解物、卵・大豆粉末・カゼインなどのタンパク質類、牛乳、油脂類、乳化剤、増粘剤、膨化剤、糖類、食塩、調味料などの原料を混合し皮の生地を製造することができ、穀粉類および/または澱粉類を配合することが好ましい。より詳細な該皮の製造方法としては、春巻皮やクレープ等、液状の生地を焼成して成型する皮については、例えば各種材料を水に混合して、皮を形成しうる適度な粘度のバッター液を調整し、一定時間静置し熟成させた後、ドラム成形機やクレープ焼成機等で焼成する方法が挙げられる。また、餃子皮やシュウマイ皮等、粉と水などで練ったドウ状の生地を伸ばして成形する皮については、例えば各種材料に水を加えて横型ミキサー等で混合しそぼろ状の生地をつくり、それを皮成形機や製麺機等にかけて帯状生地とし、さらにロールで伸ばして一定厚にして型を抜く等して、揚げ包餡食品用皮を製造する方法が挙げられる。
本発明の揚げ包餡食品用皮の製造方法において、難消化性グルカン等の原料あたりの配合量も特に制限はないが、穀粉類および澱粉類100質量部に対し3〜75質量部の割合で配合することができ、5〜65質量部とするのが好ましい。春巻皮やクレープ等、液状の生地を焼成して成形する皮については、その効果の点から穀粉類および澱粉類100質量部に対し10〜55質量部の割合で配合することが好ましく、20〜50質量部とすることがより好ましい。また、餃子皮やシュウマイ皮等、粉と水などを練ってドウ状にした生地を伸ばして成形する皮については、その効果と製造適正から、穀粉類および澱粉類100質量部に対し5〜20質量部の割合で配合することが好ましく、8〜15質量部とすることがより好ましい。
上記製造方法で揚げ包餡食品用皮を製造した後、常法の通り当該皮で餡を包み、食用油で油ちょうすることで揚げ包餡食品を製造することができる。揚げ包餡食品に用いる餡も通常のものであればよく、例えば、畜肉・家禽肉・魚肉・イカ・タコ・貝などの肉類、卵、野菜類、海藻類、果物類、米飯、餅、チーズ、ホワイトソース、クリーム、香辛料、調味料などを原料とすることができる。
本発明はさらに、原料としてDE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含む揚げ包餡食品用皮の品質改良剤に関するものである。
本発明の品質改良剤を用いることで、揚げ包餡食品用皮の品質を改良し、その結果品質の優れた揚げ包餡食品を得ることができる。本発明の品質改良剤を用いることで、軽くサクミがありさらにヒキがなく歯切れが良く好ましい食感の揚げ包餡食品を得ることができる。すなわち、本発明の品質改良剤は食感改良剤として使用することができる。
本発明の品質改良剤は、有効成分として難消化性グルカン等を含む以外は特に制限はなく、その効果を損なわない範囲であれば他の素材を含有しても当然良い。本発明の品質改良剤は、上述の通り製造することができ、また上述の通り揚げ包餡食品用皮おおよび揚げ包餡食品の製造に用いることができる。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:揚げ春巻き試験1(水溶性食物繊維の比較)
表1に示された配合で原料を混合し、ホイッパーで撹拌した後、冷蔵で2時間置いた。その後、液状の生地をハンディクレープメーカーを用いて焼成し、冷めてから10cm×10cmにカットして、春巻皮を作製した。皮に12g前後の餡(具)を乗せて包み、半量を急速冷凍した。残りの半量は175℃の大豆白締油で4分程度油ちょうしてから急速冷凍した。なお、春巻きの皮に用いた各種水溶性食物繊維は以下のものを用いた。
<難消化性グルカン>:フィットファイバー#80P(日本食品化工社製)を用いた。なお、当該製品は、DE87(レインエイノン法で測定)の澱粉分解物を、特開2013−76044号に記載の方法に従って、活性炭を触媒として加熱縮合させることで得られる糖縮合物の水溶液を粉末化したものである。
<難消化性デキストリン>:ファイバーソルII(松谷化学工業社製)
<ポリデキストロース>:ライテス2(デュポン社製)
<水溶性コーンファイバー>:アラビノキシラン(日本食品化工社製)
<大豆多糖類>:ソヤファイブ(不二製油社製)
<水溶性グアガムファイバー>:サンファイバーR(太陽化学社製)
また、その他添加剤として不溶性食物繊維(セルロース)およびデキストリンとして以下を用いた。
<セルロース>:セオラス(旭化成ケミカルズ社製)
<デキストリン>パインデックス#2(松谷化学工業社製)
Figure 2018201359
油ちょうせずに冷凍した春巻きは、175℃の大豆白締油で6分間程度油ちょうし、常温で2時間放置した後、揚げ春巻きの食感、味および外観を3人のパネラーで評価した。油ちょう後に冷凍した冷凍春巻きは、500Wの電子レンジで熱くなるまで加熱して、同様に官能評価を実施した。各評価については3人のパネラーで議論し評価を決定した。評価基準は以下の通りとし、食感、味、揚げ色の数値の乗数を総合評点とした。その結果を表2に示した。
食感
3…バリバリ・ザクザクとしたサクミがあり、噛み切る際に歯つきがなく、歯切れが良い
2…バリバリ・ザクザクとしたサクミがあり、噛み切る際にやや歯切れが良い
1…サクミはあるが、噛み切る際にやや歯につく、またはやや歯切れが悪い
1…サクミはないが、噛み切る際に歯つきがなく、歯切れが良い
0…サクミはあるが、噛み切る際に歯つきがひどい、または歯切れが悪い
0…しんなりしてサクミがない

2…水溶性食物繊維等無添加区(試験区1−1)と同じ
1…水溶性食物繊維等無添加区(試験区1−1)と比べやや違和感あり
0…水溶性食物繊維等無添加区(試験区1−1)と比べ大きな違和感あり(甘味またはコゲ味が強い)
揚げ色
2…適度な揚げ色
1…やや濃い(こげ茶色)またはやや薄い
0…濃すぎる(黒色に近い)または薄い(白い)
その結果を表2に示す。
Figure 2018201359
表2に示された通り、難消化性グルカンを配合した皮を用いた揚げ春巻きは、油ちょう後2時間経過した後でも、サクサクとした軽いサクミのある食感で、歯切れが良く、ヒキや歯つきはみられなかった。一方、他の水溶性食物繊維素材などを配合した揚げ春巻の皮は、サクミはあってもねっちゃりと歯についたり噛み切りにくかったりと、歯切れの点で良好な食感とはいえなかった。また、油ちょう後の冷凍揚げ春巻きを電子レンジ加熱したものについても、同様の結果であった。
実施例2:揚げ春巻き試験2(難消化性グルカン配合量の比較)
皮の原料あたりの難消化性グルカンの配合量を表3の通りとした以外は、実施例1と同様の手法で春巻きを作製し、冷凍した後に油ちょうすることで揚げ春巻きを作製し、実施例1と同様の手法で評価した。その結果を表3に示した。
Figure 2018201359
表3に示されたとおり、難消化性グルカンを配合した揚げ春巻き(試験区2−2〜2−7)は、いずれも無添加区(試験区2−1)と比べ好ましい食感であった。特に、試験区2−3〜2−6は、サクサクとした軽いサクミのある食感で、歯切れがよく、ヒキや歯つきもない良好な食感であった。
実施例3:揚げ餃子試験
表4に示された準強力粉および粉末油脂を横型ミキサーに入れ、食塩及び難消化性グルカンを溶解した水を加えて混合し、そぼろ状の生地を作った。それを製麺機(大竹麺機社製)にかけて帯状生地とし、さらにロールで複数回圧延して0.8mm厚の生地を作り、9cmの型で抜いて、円形状の餃子皮を得た。皮に、餡(具)9gをのせて、ヒダを3箇所つくって水で閉じ、半量は急速冷凍し、残りの半量は90℃で5分間蒸してから急速冷凍した。
なお、難消化性グルカンとしては、製品名:フィットファイバー#80(日本食品化工社製)を用いた。なお、当該製品は、DE87(レインエイノン法で測定)の澱粉分解物を、特開2013−76044号に記載の方法に従って、活性炭を触媒として加熱縮合させることで得られる糖縮合物の水溶液(固形分72%)である。
Figure 2018201359
175℃の大豆白締油で5分程度油ちょうし、常温で2時間放置した後、揚げ餃子の食感、味および外観を3人のパネラーで評価した。各評価については3人のパネラーで議論し評価を決定した。評価基準は実施例1と同様とした。
蒸して冷凍した後に油ちょうした揚げ餃子の評価結果を表5に示した。(なお、蒸さずに冷凍した後に油ちょうした揚げ餃子の評価も表5と全く同じであったため、記載を省略する。)
Figure 2018201359
表5に示された通り、難消化性グルカンを配合した皮を用いた揚げ餃子は、無添加区(試験区3−1)と比べ良好な食感であった。
実施例4:揚げシュウマイ試験
表6に示された準強力粉および粉末油脂を横型ミキサーに入れ、食塩及び難消化性グルカン(製品名:フィットファイバー#80、日本食品化工社製)を溶解した水を加えて混合し、そぼろ状の生地を作った。それを製麺機(大竹麺機社製)にかけて帯状生地とし、さらにロールで複数回圧延して0.5mm厚の生地を作り、6cm×6cmの正方形にカットしてシュウマイ皮を得た。皮に、餡(具)20gをのせて形を整え、90℃で5分間蒸してから急速冷凍した。
Figure 2018201359
175℃の大豆白締油で3分程度油ちょうし、常温で2時間放置した後、揚げシュウマイの食感、味および外観を3人のパネラーで評価した。各評価については3人のパネラーで議論し評価を決定した。評価基準は実施例1と同様とした。その結果を表7に示した。
Figure 2018201359
表7に示された通り、難消化性グルカンを配合した皮を用いた揚げシュウマイは、油ちょう後2時間経過した後でも、サクミがあり、歯切れがよく、ヒキや歯つきのない良好な食感であった。

Claims (10)

  1. DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含有することを特徴とする揚げ包餡食品用皮。
  2. 難消化性グルカンが、活性炭の存在下で加熱縮合させて得られた糖縮合物である、請求項1記載の揚げ包餡食品用皮。
  3. 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を3〜75質量部の割合で含有する請求項1または請求項2に記載の揚げ包餡食品用皮。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の揚げ包餡食品用皮で餡が包まれた揚げ包餡食品。
  5. 原料としてDE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を配合することを特徴とする揚げ包餡食品用皮の製造方法。
  6. 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を3〜75質量部配合することを特徴とする請求項5記載の揚げ包餡食品用皮の製造方法。
  7. 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を10〜55質量部配合し、液状の生地を焼成して成形する請求項5記載の揚げ包餡食品用皮の製造方法。
  8. 穀粉類および澱粉類100質量部に対し難消化性グルカンまたは難消化性グルカン処理物を5〜20質量部配合し、ドウ状の生地を圧延して成形する請求項5記載の揚げ包餡食品用皮の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法により得られた揚げ包餡食品用皮で餡を包み、油ちょう処理を施す揚げ包餡食品の製造方法。
  10. DE70〜100の澱粉分解物の加熱縮合物からなる難消化性グルカンまたは該難消化性グルカン処理物を含むことを特徴とする、揚げ包餡食品用皮の品質改良剤。
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