JP3534401B2 - 電子レンジ加熱食品用の食感改良剤 - Google Patents
電子レンジ加熱食品用の食感改良剤Info
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Description
した場合に、表面にシワがついたり、ふやけたり、ひき
が強くなったりせず、ソフトで弾力が維持でき、サック
リ感や口溶け等の食感に優れ、風味にも優れる食品を製
造するための食感改良剤、およびそれを使用した電子レ
ンジ加熱に対する耐性を持った食品に関する。
で保存するのが一般的であるが、比較的長期間保存する
必要がある場合には、冷蔵または冷凍する場合も多い。
また最近では、パンやドーナツとして焼成したりフライ
したりする前の生地やそれを成形したものを、冷蔵ある
いは冷凍する場合も多くなってきている。さらには、近
年、電子レンジが急速に普及し、食品を簡単に加熱でき
るようになったことから、このような常温、冷蔵、また
は冷凍したパン類またはドーナツ類を電子レンジで加熱
する機会が増えてきた。
で加熱すると、表面にシワがついたり、ふやけてしまっ
たり、ひきが強くなったり、また、ベタベタして口溶け
が悪く、加熱後に急激にヒール部が硬くなるという問題
があった。特にホットドックやハンバーガーなどの調理
パンにおいては電子レンジ加熱によって中の具材まで加
熱するのに時間がかかり、過剰に加熱してしまう場合が
ある。そのため、パン自体が収縮してしまったり、具材
の水分がパンに移行してしまい、パンがふやけてしまう
といった問題があった。
を主体としたパン生地に、乳化剤、油脂を配合した電子
レンジ加熱に適する冷凍パン(特開平2−222639
号公報)や、パーオキシダーゼやグルコースオキシダー
ゼ等の酸化還元酵素を含有するパン組成物を焼成した電
子レンジ加熱に適するパン(特開平9−172944号
公報)などが提案されている。
2−222639号公報の技術では、ねとつきや口溶け
等の食感があまり良好でなく、また乳化剤を比較的多量
に添加するため、風味も良好でなかった。また、特開平
9−172944号公報の技術では、食感はある程度改
善することができるが、その効果は必ずしも十分でな
く、また、加熱後の急激な硬化を十分に防止することが
できなかった。
態、常温保存状態、冷凍後に解凍した状態にある食品を
電子レンジで加熱した場合に、表面にシワがついたり、
ふやけたり、ひきが強くなったりせず、ソフトで弾力が
維持でき、サックリ感や口溶け等の食感に優れ、風味に
も優れるという特性を与え得る食感改良剤を提供するこ
とを目的とする。また、該食感改良剤を用いて製造した
電子レンジ加熱に対する耐性を持った食品を提供するこ
とも目的とする。
を達成すべく鋭意研究した結果、アルギン酸エステルま
たは、当該アルギン酸エステルと多糖類、糖アルコール
類、繊維類、でん粉類、たん白質類、乳製品類、カルシ
ウム剤類、アルカリ剤類、pH調整剤類、乳化剤類、オ
カラ、その他の食品素材類の1種または2種以上とを組
み合わせた混合物を食品に用いることにより上記課題を
解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
含有することを特徴とする、食品を電子レンジ加熱した
ときの食感を改良するための食感改良剤を提供する。本
発明の食感改良剤は、多糖類、糖アルコール類、繊維
類、でん粉類、たん白質類、乳製品類、カルシウム剤
類、アルカリ剤類、pH調整剤類、乳化剤類、オカラ、
その他の食品素材類の1種または2種以上を含んでいて
もよく、小麦粉を主成分とする食品に好適に用いられ
る。
を特徴とする、電子レンジ加熱時の食感が改良された食
品、特にパン類およびドーナツ類を提供する。本発明の
食品には、上記食感改良剤が0.01重量%以上含まれ
ていることが好ましく、0.01〜50.0重量%含ま
れていることがより好ましく、0.10〜10.0重量
%含まれていることがさらに好ましい。
剤および食品について詳細に説明する。本発明の食感改
良剤には、アルギン酸エステルを必須構成成分として使
用する。本明細書でいう「アルギン酸エステル」とはア
ルギン酸を構成するカルボキシル基の少なくとも一部が
エステルに変換されている構造を有する化合物である。
アルギン酸エステルのエステル化度は特に制限されな
い。好ましいアルギン酸エステルとして、アルギン酸プ
ロピレングリコールが挙げられる。
分子量や分子量分布は特に制限されないが、1%溶液の
20℃における粘度(B型粘度計で測定)が1.0〜1
000.0mPa・sのものを好ましく用いることがで
き、10.0〜600.0mPa・sのものをより好ま
しく用いることができる。本発明で使用するアルギン酸
エステルの原料および製法は特に制限されない。したが
って、本発明で使用するアルギン酸類は、天然物由来の
ものであってもよいし、合成によって得られたものであ
ってもよい。
の方法にしたがってエステル化することにより容易に得
ることができる。高分子のアルギン酸は、褐藻類の細胞
間に豊富に含まれている。したがって、褐藻類を例えば
希硫酸で洗浄した後、炭酸ナトリウム溶液で抽出して、
硫酸で沈殿させる方法を用いることによって、高分子の
アルギン酸を取得することができる。こうして得られた
高分子のアルギン酸は、公知の方法のいずれかを用いる
ことによって容易に低分子化することができる。例え
ば、高分子のアルギン酸に酵素を作用させる方法、次亜
塩素酸ナトリウムや過酸化水素などを反応させる方法、
熱分解する方法、加圧分解する方法などを用いて低分子
アルギン酸を調製することができる。これらの方法によ
り得られたアルギン酸を、常法にしたがってエステル化
反応させることによりアルギン酸エステルを得ることが
できる。
するβ−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸の割合
や配列順序は特に制限されない。したがって、β−D−
マンヌロン酸のみからなるブロック、α−L−グルロン
酸のみからなるブロック、両者が混合しているブロック
のすべてを有するものを使用してもよいし、そのいずれ
か1種または2種からなるものを使用してもよい。
酸エステルを含有するものであっても、複数種のアルギ
ン酸エステルを含有するものであってもよい。また、本
発明で使用するアルギン酸エステルは、所期の効果を過
度に阻害しない範囲内で、官能基や架橋構造を有してい
てもよい。
ルを含有するものであれば、その他の成分の種類と含有
量は所期の効果を過度に阻害しない限り特に制限されな
い。例えば、多糖類、糖アルコール類、繊維類、でん粉
類、たん白質類、乳製品類、カルシウム剤類、アルカリ
剤類、pH調整剤類、乳化剤類、オカラ、その他の食品
素材の1種または2種以上を含んでいてもよい。
れを加工したものを広く用いることができる。例えば、
アルギン酸、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、カラギーナ
ン、マンナン、ペクチン、プルラン、ローカストビーン
ガム、キサンタンガム、グアーガム、寒天、カシアガ
ム、カードラン、タマリンドガム、アラビアガム、トラ
ガントガム、ファセーレラン、ジェランガム、サイリウ
ムガム、カラヤガム、キチン、キトサンなどの海藻、種
子、樹脂および微生物由来の物質またはそれを加工した
物質の1種または2種以上を用いることができる。ただ
し、本発明で用いることができる多糖類はこれらの具体
例に限定されるものではない。
を有する糖の還元基を還元してアルコール基としたもの
を広く用いることができる。例えば、マルチトール、ソ
ルビトール、還元パラチノース、エリスリトール、ラク
チトール、還元キシロオリゴ糖などの植物、動物、微生
物由来物質またはそれを加工した物質の1種または2種
以上を用いることができる。ただし、本発明で用いるこ
とができる糖アルコール類はこれらの具体例に限定され
るものではない。
不消化性の炭水化物を広く用いることができる。例え
ば、セルロース、ヘミセルロース、微結晶セルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの
植物、動物、微生物由来物質またはそれを加工した物質
の1種または2種以上を用いることができる。ただし、
本発明で用いることができる繊維類はこれらの具体例に
限定されるものではない。
使用される天然でん粉やそれを加工した加工でん粉を広
く用いることができる。天然でん粉としては、例えばワ
キシーコーンスターチ、馬鈴薯でん粉、タピオカでん
粉、サゴでん粉、ハイアミロースコーンスターチ、緑豆
でん粉が挙げられる。また、加工でん粉としては、通常
市販されているタイプの加工でん粉、例えば漂白でん
粉、可溶性でん粉、架橋でん粉、エステル化でん粉、エ
ーテル化でん粉、エステル化架橋でん粉、エーテル化架
橋でん粉が挙げられる。これらは、1種または2種以上
を組み合わせて用いることができる。ただし、本発明で
用いることができるでん粉類はこれらの具体例に限定さ
れるものではない。
使用されるたん白質を広く用いることができる。例え
ば、大豆たん白質、小麦たん白質、活性グルテン、卵
白、卵黄、ゼラチン、コラーゲン、プラズマ、血液たん
白などの植物、動物、微生物由来物質またはそれを加工
した物質の1種または2種以上を用いることができる。
ただし、本発明で用いることができるたん白質類はこれ
らの具体例に限定されるものではない。
関連製品やそれらを部分的に精製したものや加工したも
のを広く用いることができる。例えば、脂粉乳、低脂肪
粉乳、ホエーたん白、カゼイン、カゼインナトリウム、
酸カゼイン、レンネットカゼイン、ラクトアルブミンな
どの乳製品由来の物質またはそれを加工した物質の1種
または2種以上を用いることができる。ただし、本発明
で用いることができる乳製品類はこれらの具体例に限定
されるものではない。
ルシウム類やそれらを焼成したりして加工されたものを
広く用いることができる。例えば、焼成カルシウム、塩
化カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸
化カルシウム、リン酸カルシウムなどの天然由来または
合成品またはそれらを加工した物質の1種または2種以
上を用いることができる。ただし、本発明で用いること
ができるカルシウム剤類はこれらの具体例に限定される
ものではない。
食品加工に使用されるリン酸類やナトリウム塩類を広く
用いることができる。例えば、リン酸一ナトリウム、リ
ン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナ
トリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナト
リウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウムなど一般的に
用いられるアルカリ剤物質の1種または2種以上を用い
ることができる。ただし、本発明で用いることができる
アルカリ剤類はこれらの具体例に限定されるものではな
い。
食品加工に使用される酸類を広く用いることができる。
例えば、塩酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、コ
ハク酸、酒石酸、フマル酸、アスコルビン酸やこれらの
塩類など一般的に用いられるpH調整剤物質の1種また
は2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用
いることができるpH調整剤類はこれらの具体例に限定
されるものではない。
加工に使用される天然乳化剤や合成乳化剤を広く用いる
ことができる。例えば、卵白、レシチン、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウムなど一般的に
用いられる乳化剤物質の1種または2種以上を用いるこ
とができる。ただし、本発明で用いることができる乳化
剤類はこれらの具体例に限定されるものではない。
に、食品素材類として、塩類、香辛料、着色料、甘味
料、酸味料、オカラ、製造用剤など一般的に食品に用い
ることができるすべての食品関連物質の1種または2種
以上を用いることができる。なお、オカラは通常は乾燥
オカラとして添加することが好ましい。
て用いることができる。本発明の食感改良剤を適用しう
る食品の種類は特に制限されないが、小麦粉を主成分と
する食品に効果的に用いることができる。 本発明にお
いて小麦粉は、ベーカリー製品の製造に通常使用されて
いる普通小麦から得られた薄力粉、中力粉、強力粉、デ
ュラム粉のいずれでも良いが、このうち風味、食感等に
優れたものを得るという観点から、強力粉を用いること
が好ましい。小麦粉以外の原料粉としては、例えば大麦
粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、米粉、大豆粉等が挙げ
られる。
しく適用することができる。本発明を適用することがで
きるパン類・ドーナツ類は、食パン、特殊パン、調理パ
ン、菓子パン、蒸しパン、揚げパン、イーストドーナツ
などいずれのパンでも良い。食パンとしては、例えば白
パン、黒パン、フランスパン、バラエティーブレッド、
テーブルロール、バンズ、バターロール等が挙げられ
る。特殊パンとしては、例えば、グリッシーニ、マフィ
ン、ラスク等が挙げられる。調理パンとしては、例えば
ホットドッグ、ハンバーガー、ピザパイ、サンドイッチ
等が挙げられる。菓子パンとしては、例えばジャムパ
ン、あんパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパ
ン、スイートロール、クロワッサン、デニッシュペスト
リー等が挙げられる。蒸しパンとしては、例えば肉ま
ん、あんまん等が挙げられる。揚げパンとしては、例え
ばカレーパン、揚げあんパン、フライソーセージパン、
アメリカンドック等が挙げられる。イーストドーナツと
しては、いわゆるイースト法で得られる各種のドーナツ
が挙げられる。
ったパン類およびドーナツ類は、小麦粉と本発明の食感
改良剤の他に、パンの製造に一般的に用いられるイース
ト、アンモニウム塩、カルシウム塩、酸化剤、還元剤、
界面活性剤等のイーストフード、液糖、添加糖、でん粉
糖類などの糖類、食塩、バター、ショートニング、ラー
ド等の油脂類、卵類、牛乳、練乳、生クリーム、等の乳
製品等を適宜配合し、ストレート法、中種法、液種法等
にしたがって製造することができる。
ったパン類およびドーナツ類の製造過程における食感改
良剤の添加法としては、本発明の食感改良剤を小麦粉や
副原料の卵、食塩、イースト、使用水などに粉のまま、
または水を加えてから混合したり、ふりかけたり、まぶ
したり、摺込んだり、漬け込んだり、あるいは注入した
りして使用することができる。本発明の食感改良剤の添
加量は、食品全重量の0.01〜50.0重量%にする
ことが好ましく、0.10〜10.0重量%にすること
がより好ましい。
レンジで加熱した場合に、表面にシワがついたり、ふや
けることがなく、また、ひきが強くなく、弾力が維持で
き、サックリ感や口溶け等の食感に優れ、風味にも優れ
るとともに、ドーナツ類の場合には吸油を抑え、ベタベ
タしないという優れた特質を有する。このような特徴
は、冷凍状態、冷蔵状態、常温保存状態、冷凍後に解凍
した状態などのいずれの状態にある食品に対しても付与
することができる。
的に説明する。以下の実施例に示す材料、手順、割合、
操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更す
ることができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具
体例に制限されるものではない。
るアルギン酸エステル((株)紀文フードケミファ製ダ
ックロイド)20重量%と、炭酸カルシウム60重量
%、ブドウ糖10重量%、加工澱粉10重量%を、粉体
のまま混合することにより、本発明の食感改良剤1を製
造した。
るアルギン酸エステル((株)紀文フードケミファ製ダ
ックロイド)20重量%、炭酸カルシウム30重量%、
植物たん白9.9重量%、ブドウ糖10重量%、加工澱
粉20重量%、グルテン10重量%、ビタミンC0.1
重量%を、粉体のまま混合することにより、本発明の食
感改良剤2を製造した。
るアルギン酸エステル((株)紀文フードケミファ製ダ
ックロイド)8%と、ステアロイル乳酸カルシウム8
%、粉末卵白42%、乾燥オカラ42%を、粉体のまま
混合することにより食感改良剤3を製造した。
るアルギン酸エステル((株)紀文フードケミファ製ダ
ックロイド)8%と、ステアロイル乳酸カルシウム8
%、粉末卵白63%、乾燥オカラ21%を、粉体のまま
混合することにより食感改良剤4を製造した。
中速で2分ミキシングし、25℃で捏ね上げて3時間発
酵させた。得られた中種に、表1に記載される本捏ね用
の材料(ショートニングを除く)を添加し、低速で3
分、高速で2分ミキシングし、さらにショートニング添
加して低速で2分、高速で5分ミキシングした。捏ね上
げ温度は27℃とした。フロアタイムを30分とった
後、50gずつに分割して、ベンチタイムを15分とっ
た。37℃で55分発酵(ホイロ)を行った後、180
℃で片面2分ずつ合計4分間フライしてイーストドーナ
ツを製造した。表1に記載される食感改良剤として、上
記食感改良剤1を用いたもの、上記食感改良剤2を用い
たもの、何も用いなかったものの合計3種類のイースト
ドーナツを製造した。
ムに入れ、シールして−15℃で一晩冷凍保存した。そ
の後、電子レンジ(500W)で30秒加熱したとこ
ろ、食感改良剤1または2を添加したイーストドーナツ
は製造時と同様のふっくらした状態を再現することがで
きた。電子レンジで加熱した直後の各イーストドーナツ
について、8名のパネラーによる食感と口溶けの評価を
行った。評価は、食感改良剤を添加していないイースト
ドーナツを0として、食感改良剤1または2を添加した
イーストドーナツを+3〜−3で評価することにより行
った。8名の評価の平均値を表2に示す。また、8名の
パネラーに最も好ましいイーストドーナツを1つ選択し
てもらい、その結果を集計したものを「嗜好性」として
表2に示す。
で捏ね上げて、2.5時間発酵させた。得られた中種
に、表3に記載される本捏ね用の材料を添加し、26〜
27℃で捏ね上げて、フロアタイムを15〜20分とっ
た。パンチタイムは90秒(食感改良剤を添加していな
いものは50秒)としてカレードーナツを製造した。表
3に記載される食感改良剤として、上記食感改良剤1を
用いたもの、上記食感改良剤2を用いたもの、何も用い
なかったものの合計3種類のカレードーナツを製造し
た。
に入れ、シールして、以下の各条件で保存した後、電子
レンジ(500W)で加熱した。食感改良剤1または2
を添加したカレードーナツは、電子レンジによる加熱後
に製造時と同様のふっくらした状態を再現することがで
きた。 条件1: 常温で3日間保存後に電子レンジで加熱(1
分) 条件2: −15℃で約2週間冷凍保存後、いったん解
凍してから電子レンジで加熱(1分) 条件3: −15℃で約2週間冷凍保存後、冷凍状態の
まま電子レンジで加熱(2分)
ナツについて、実施例1と同じ方法で4名のパネラーに
よる食感、口溶け、嗜好性の評価を行った。結果を表4
に示す。
速で3分ミキシングし、さらにショートニングを添加し
て低速で2分、高速で5分ミキシングした。捏ね上げ温
度は26℃とした。1次発酵を28℃で1時間行った
後、ガス抜きを行い80gずつ分割してベンチタイムを
15分とった。その後、ロール成形を行い、38℃、湿
度85%の条件で45分発酵(ホイロ)を行った後、2
00℃のオーブンで8分間焼成した。表5に記載される
食感改良剤として、上記食感改良剤3を用いたもの、上
記食感改良剤4を用いたもの、何も用いなかったものの
合計3種類を調製し、各食感改良剤を用いて3種類のロ
ールパンを製造した。
れ、シールをして以下の各条件で保存した後、電子レン
ジ(1500W)で加熱した。食感改良剤3または4を
添加したロールパンは電子レンジによる加熱後にひきが
強くなったり、表面がシワついたりせず、製造時と同様
のふっくらした状態を再現することができた。 条件1: 常温で1日保存後に電子レンジで加熱(15
00W、15秒) 条件2: 4℃で1日冷蔵保存後に電子レンジでそのま
ま加熱(1500W、15秒) 条件3: −15℃で1日冷凍保存後、冷凍状態のまま
電子レンジで加熱(1500W、20秒)
について、実施例1と同じ方法で8名のパネラーによる
表面のシワ付き防止、弾力、嗜好性の評価を行った。結
果を表6に示す。
子レンジで加熱した場合に、ふやけたり、ひきが強くな
ったり、また、ベタベタして口溶けが悪く、加熱後に急
激にヒール部が硬くなったりせず、ソフトで弾力が維持
でき、サックリ感や口溶け等の食感に優れ、風味にも優
れている。特にホットドッグやハンバーガーなどの調理
パンにおいては電子レンジ加熱によって中の具材まで充
分加熱してもパン自体が収縮してしまったり、表面にシ
ワがついたり、ふやけてしまったりせず、できたての調
理パンが提供できる。このため、本発明の食感改良剤を
用いれば、電子レンジ加熱に対する耐性を持ったパン類
およびドーナツ類等の食品を製造することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 アルギン酸エステルを含有することを特
徴とする、食品を電子レンジ加熱したときの食感を改良
するための食感改良剤。 - 【請求項2】 食物繊維を含有しない請求項1に記載さ
れる食感改良剤。 - 【請求項3】 でん粉類、たん白質類、カルシウム剤
類、pH調整剤類およびブドウ糖からなる群より選択さ
れる1以上の成分とアルギン酸エステルとからなる食感
改良剤。 - 【請求項4】 アルギン酸エステルを食品に含有させる
ことによって、該食品の電子レンジ加熱時の食感を改良
する方法。 - 【請求項5】 前記食品がパン類またはドーナツ類であ
る請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 前記食感が口溶けである請求項4または
5に記載の方法。 - 【請求項7】 前記食感がソフト感である請求項4また
は5に記載の方法。 - 【請求項8】 前記食感が弾力である請求項4または5
に記載の方法。
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JP2001008074 | 2001-01-16 | ||
JP2001393162A JP3534401B2 (ja) | 2001-01-16 | 2001-12-26 | 電子レンジ加熱食品用の食感改良剤 |
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2001
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