JP5664810B1 - プレス成形方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、スプリングバック後の形状を設計形状に近づけるために、生産現場では熟練者によって金型を幾度も修正して、トライアル&エラーを重ねなければならず、その結果、生産期間が長期化してしまう。
したがって、スプリングバックを効果的に低減できる方法を開発することは、自動車の開発期間やコストを削減する上でもますます重要な課題であると言える。
応力をコントロールしてスプリングバックを低減するものとして、例えば特許文献1に記載の「薄鋼板のプレス成形用金型装置」がある。特許文献1は、ハット断面部品をフォーム成形する際に、フランジ部に凸ビードを設けた金型でプレス成形する方法である。この方法は、下死点直前でブランクが凸ビードにロックされてブランクの縦壁部に引張変形が付与され、縦壁部の反りの原因であった板厚方向の応力差が解消されるというものである。
そこで、発明者は、フランジ部の残留応力を低減する方法として、プレス成形過程においてフランジ部の線長を製品形状よりも大きく変化させ、その後にフランジ部の線長を製品形状に戻すような成形をすることを考えた。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
ダイとパンチによって前記溝形状部を前記製品形状に第1下死点まで成形すると共に、縮みフランジ変形を受けるフランジ部または伸びフランジ変形を受けるフランジ部の少なくとも一方について、縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも短く、伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程と、
前記ダイとフランジ成形用ダイによって前記第1成形工程で成形された前記フランジ部を製品形状に第2下死点まで成形する第2成形工程とを備え、
前記第1成形工程と前記第2成形工程を1度のプレス成形で行うことを特徴とするものである。
凹陥部と該凹陥部の両側にフランジ成形部を有するダイと、該ダイの前記凹陥部に上部が挿入されるパンチと、前記ダイの前記フランジ成形部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイとを有し、
前記パンチは前記フランジ成形用ダイに対して相対移動可能に設置されると共に所定の圧力が作用したときに相対移動するように支持装置に支持されており、
前記パンチを前記支持装置によって前記フランジ成形用ダイに対して所定高さで支持し、この状態で前記パンチの上部を前記ダイの前記凹陥部に挿入させて、前記溝形状部を成形し、
前記ダイと前記パンチで前記溝形状部を保持したまま、前記支持装置によるパンチを支持する支持力よりも大きい力で前記ダイを移動させて、前記ダイと前記フランジ成形用ダイで前記フランジ部を成形することを特徴とするものである。
凹陥部と該凹陥部の両側にフランジ成形部を有するダイと、該ダイの前記凹陥部に上部が挿入されるパンチと、前記ダイの前記フランジ成形部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイとを有し、
前記パンチは前記フランジ成形用ダイに対して相対移動可能に設置されると共に所定の圧力が作用したときに相対移動するように支持装置に支持されており、
前記パンチを前記支持装置によって前記フランジ成形用ダイに対して所定高さで支持し、この状態で前記パンチの上部を前記ダイの前記凹陥部に挿入させて、前記溝形状部を成形し、
前記ダイと前記パンチで前記溝形状部を保持したまま、前記フランジ成形用ダイを移動させて、前記ダイと前記フランジ成形用ダイで前記フランジ部を成形することを特徴とするものである。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法は、図14に示す製品形状を有する成形品31を成形するプレス成形方法であって、図1に示すように、ダイ3とパンチ5によってパンチ底部31a及び縦壁部31bを製品形状に第1下死点まで成形すると共に、外側フランジ部31cおよび内側フランジ部31dについて、外側フランジ部31cに対しては長手方向の線長が成形品31のフランジ部の線長よりも短く、内側フランジ部31dに対しては長手方向の線長が成形品31のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程(図1(a)〜図1(c)参照)と、ダイ3とフランジ成形用ダイ7によって第1成形工程で成形された外側フランジ部31cおよび内側フランジ部31dを成形品31の製品形状に第2下死点まで成形する第2成形工程(図1(d)参照)とを備え、第1成形工程と第2成形工程を1度のプレス成形で行うことを特徴とするものである。
なお、成形品31は長手方向に沿って湾曲するフランジを有しているため、湾曲する円弧の外側フランジ部31cの湾曲曲率が小さくなり、内側フランジ部31dの湾曲曲率が大きくなっている。したがって、外側フランジ部31cが本発明の縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対応し、内側フランジ部31dが本発明の伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対応している。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形装置1は、長手方向に沿って湾曲する凹陥部3aを有するダイ3と、ダイ3の凹陥部3aに上部が挿入されることでパンチ底部31aと縦壁部31bを成形するパンチ5と、ダイ3のフランジ成形部3bと協働して内側フランジ部31dおよび外側フランジ部31cを成形するフランジ成形用ダイ7を有している。以下、各構成について説明する。
ダイ3の凹陥部3aは、パンチ5の上部と共にパンチ底部31aと縦壁部31bからなる溝形状部31e(図14)を成形する。ダイ3のフランジ成形部3bは、フランジ成形用ダイ7とで内側フランジ部31dおよび外側フランジ部31cを成形する。
フランジ成形用ダイ7はパンチ5の下部が上下動可能に設置されるパンチ設置溝7aを有している。
パンチ設置溝7aには、パンチ5の押し縮み可能な支持機構8が設けられている。
なお、支持機構8は、ダイ3とパンチ5とでパンチ底部31aと縦壁部31bを成形する際(第1成形工程)にパンチ5に作用する押圧力によっては押し縮められないように設定されている。なお、支持機構8はバネ、ゴム等の弾性体、圧力流体圧シリンダ等を適用できる。
パンチ5は、凸条からなる。上述したように、パンチ5の下部はフランジ成形用ダイ7のパンチ設置溝7aに上下動可能に設置されている。
パンチ5の下面がパンチ設置溝7aに当接すると、図1(d)に示すように、パンチ5の縦壁部成形面最下端5aがフランジ成形用ダイ7のパンチ設置溝7aの溝壁上端6に連続するようになっている。プレス成形開始時においては、パンチ5の縦壁部成形面最下端5aがフランジ成形用ダイ7のパンチ設置溝7aの溝壁上端6から所定の高さになるように支持機構8によって支持されており、この高さがパンチ5の相対移動距離hに相当する。相対移動距離hは支持機構8の長さを変えることにより容易に変更可能である。
本発明の特徴は、プレス成形中において、内側フランジ部31dおよび外側フランジ部31cの長手方向の線長を僅かに変化させることによってスプリングバックを緩和するという点にある。この点に着目しながら図1および図4に基づいて詳細に説明する。
図4に示すように、例えば、プレス成形開始前のA0点、B0点はそれぞれ、第1下死点ではA1点、B1点になり、第2下死点ではA2点、B2点となり、線長はA0B0→A1B1→A2B2と変化する。
まず、ダイ3を移動させて(図1(b)参照)パンチ底部31aと縦壁部31bを製品形状に成形する(第1下死点、図1(c)参照)(第1成形工程)。
上述したとおり、この間、パンチ5は移動しないように支持機構8によって支持されている。
縦壁部31bが成形される際にブランク23が内方に流入することによって、ブランク23の内側端23aおよび外側端23bは、図1(b)および図1(c)の太矢印に示すように、パンチ5側に移動する。
一方、湾曲の外側では、図4の拡大図に示す通り、ブランク23の流入により外側端23bにおけるC0D0はC1D1となり、外側端23bの線長は縮められて短くなる(縮みフランジ変形)。
次に、支持機構8によるパンチ5の支持力よりもダイ3の押下力を強くして、ダイ3およびパンチ5を一体として、パンチ底部31aおよび縦壁部31bを保持させたまま移動させる。こうすることで、ダイ3のフランジ成形部3bとフランジ成形用ダイ7によって内側フランジ部31dおよび外側フランジ部31cが製品形状に成形される(第2下死点、図1(d)参照)(第2成形工程)。
このときブランク23の内側端23aおよび外側端23bは、図1(d)中の太矢印に示すように、外方に移動する。
一方、湾曲の外側では、外側端23bの線長が僅かに長くなる(C1D1→C2D2)。
この点について、図5に基づいて説明する。図5は、フランジ部の成形開始から第2下死点までの長手方向の応力―ひずみ線図である。図5に示すように、第1成形工程により第1下死点のフランジ部には大きな残留応力が蓄積されている。しかし、第1下死点から第2下死点までひずみを僅かに戻すことによって残留応力は大幅に低減する。
このように、本発明は、僅かなひずみの戻りに対して残留応力が敏感に大きく変化する特徴を利用したものである。
なお、ひずみの戻し量が大きすぎると、逆方向の残留応力を蓄積させてしまうため、適切な戻し量が必要である。
実施の形態1では、プレス成形装置1はダイ3、パンチ5、フランジ成形用ダイ7を有している例を挙げて説明したが、図6に示すプレス成形装置10のように、ブランク23のパンチ底部31aに相当する部位を、パンチ5と協働して挟持するパッド9を設けて、第1成形工程開始時からブランク23を挟持するようにしてもよい。こうすることで、第1成形工程においてブランク23がずれてしまうことを確実に防止できる。
なお、図6のプレス成形装置10において、図1のプレス成形装置1と同一のものには同一の符号を付している。
実施の形態1、2では内側フランジ31dおよび外側フランジ31cの両方においてひずみの戻りを与える例を説明したが、内側フランジ31dと外側フランジ31c残留応力のバランスをとることによって成形品31全体としてスプリングバックが緩和されればよく、内側フランジ部31dまたは外側フランジ部31cの一方についてのみ、ひずみの戻りを与えるような成形を行うようにしてもよい。
例えば、内側フランジ部31dのみにひずみの戻りを与える場合、図7に示すように、外側フランジ成形部11aを有するパンチ11と、内側フランジ成形用ダイ13を有するプレス成形装置15を用いてプレス成形を行う。
プレス成形装置15の他の構成はプレス成形装置1と同様であるので、図7において、同一のものには同一の符号を付している。
まず、図8(a)に示すようにブランク23を載置し、ダイ3を移動させる(図8(b)参照)。第1下死点(図8(c)参照)においては、内側端23aでは伸びフランジ変形となり、外側端23bでは縮みフランジ変形となる。そして、第2下死点(図8(d)参照)において内側端23aの長手方向の線長が僅かに短くなり、伸びフランジ変形が緩和されて引張応力が大幅に減少する。
このようにして、内側フランジ部31dと外側フランジ部31cとでの残留応力がバランスされ、成形品31全体としてスプリングバックによる変形が緩和される。
実施の形態3に示したものとは逆に、外側フランジ部31cのみにひずみの戻りを与えるようにしてもよく、この場合、図9に示すように、内側フランジ成形部17aを有するパンチ17と、外側フランジ成形用ダイ19を有するプレス成形装置21を用いる。
パンチ17は、ダイ3と共にパンチ底部31aと縦壁部31bと内側フランジ部31dを成形する。
プレス成形装置21の他の構成はプレス成形装置1と同様であるので、図9において、同一のものには同一の符号を付している。
このようにして、内側フランジ部31dと外側フランジ部31cとでの残留応力がバランスされ、成形品31全体としてスプリングバック変形が緩和される。
図10(a)〜図10(f)は、内側および外側の両方に湾曲したフランジ部を有するものである。図10(a)、(d)は縦壁が垂直になっているものである。図10(b)、(e)は上述した成形品31の断面と同様であり、縦壁が傾斜しているものである。図10(c)、(f)は両縦壁部が傾斜して三角形を形成しているものである。図10(c)、(f)の断面を成形するには、先端がRになっているパンチを使用するとよい。
また、図10(g)〜図10(i)に示すように、図10(a)〜図10(c)の内側または外側のいずれか一方のみの湾曲したフランジ部を有するものであってもよい。
フランジ部の長さ、高さ位置や角度について制限はない。
また、図19(a)の成形品41及び図19(b)の成形品43に示すように、内側または外側のいずれか一方に湾曲したフランジ部を有し、他方は湾曲しないフランジ部を有するものであってもよく、成形品の製品形状全体が湾曲していなくともよい。
図20(a)は、成形品全体が長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品71)を図示したものであり、図20(b)は長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品73)を図示したものである。
また、図21(a)は、成形品のフランジ部のみが長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品81)を図示したものであり、図21(b)は成形品のフランジ部のみが長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品83)を図示したものである。
まず、実験方法について概説する。実験は、プレス成形装置1を用いて複数のプレス成形条件で成形を行い、成形された成形品のスプリングバック量を比較するというものである。
成形対象となる成形品31は、図11および図12に示すように、ハット断面を有する長手方向に沿って湾曲した形状であり、長さは1000mm、断面の高さは30mm、パンチ底部31aの幅は20mm、内側フランジ部31dおよび外側フランジ部31cの幅はともに25mm、部品幅中央の長手方向湾曲曲率半径は1000mmである。ブランク23は厚さ1.2mmの980MPa級鋼板を使用した。プレス機には1000tonf油圧プレス機を用いた。
本発明例1〜本発明例7は、パンチ5の相対移動距離hの影響を確認するため、相対移動距離hをそれぞれ2.5、5、10、15、20、25、30mmの7水準とした。
本発明例1〜本発明例7は、第2成形工程では、フランジ成形用ダイ7を固定して、ダイ3とパンチ5がパンチ底部31aおよび縦壁部31bを下死点で保持したまま下動させるものとした。また、本発明例8は、ダイ3とパンチ5がパンチ底部31aおよび縦壁部31bを下死点で保持したまま停止した状態で、フランジ成形用ダイ7が上動する成形方法とした。
本発明例1〜本発明例8においては、図1〜図3に示すプレス成形装置1を用いた。
また、パッド9で天板部を押さえる場合の効果を確認するために、本発明例9として図6で示したプレス成形装置10を用いた本発明に係るパッド付きのフォーム成形(相対移動距離h=10mm)と、比較例2として通常のパンチ105(相対移動距離h=0mm)およびパッド付きダイを用いたフォーム成形を実施した。パッド圧は50tonfとした。
曲がり量Δyは、正ならば部品の湾曲曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)方向に曲がり変形したことを、負ならば湾曲曲率が小さくなる(曲率半径が大きくなる)方向に曲がり変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバック量が少ないことを意味する。
表1に各プレス成形条件{相対移動距離h(mm)、h/L、パッドの有無、フランジ部成形方法(ダイ3・パンチ5の下動またはフランジ成形用ダイ7の上動)}と各プレス条件で成形された成形品31の曲がり量Δy(mm)を示す。
また、h=15mmで曲がり量Δyの正負が逆転した。曲がり量Δyが最も小さい成形条件は本発明例3(パッドなしのh=10mm)でΔy=1.2mmとなり、比較例1の従来のフォーム成形に比べ大幅にスプリングバックが低減した。
また、比較例2および本発明例9から分かる通り、パッド9を用いた場合でもスプリングバックを低減することができた。
ひずみを戻す成形は、本発明例10〜本発明例14では内側フランジ部31dのみに、本発明例15〜本発明例19では外側フランジ部31cのみに適用した。
本発明例10〜本発明例14では、図7および図8に示すプレス成形装置15、本発明例15〜本発明例19では、図9に示すプレス成形装置21を用いた。
相対移動距離hは、本発明例10〜本発明例14ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明例15〜本発明例19でも同様にそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例3として、プレス成形装置101{通常のパンチ105(相対移動距離h=0mm)}(図15参照)を用いた従来のフォーム成形(図16参照)を行った。
成形対象、油圧プレス機、スプリングバックの評価方法は、実施例1と同様である。
以上のように、ひずみを戻す本発明を適用するのが内側フランジ部31dおよび外側フランジ部31cのどちらか一方のみであっても、高いスプリングバック抑制効果が確認された。
まず、実験方法について概説する。
成形品71および成形品73は、長さは1000mm、長手方向曲率半径は1000mm、断面形状は実施例1および実施例2と同じである(図12参照)。ひずみを戻す成形は、両側のフランジ部に適用した。ブランク材および油圧プレス機は実施例1および実施例2と同様のものを用いた。
相対移動距離hは、本発明20〜本発明例24ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明25〜本発明例29ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例4および比較例5として、図24(a)に示すプレス成形装置111(相対移動距離h=0mm)と図24(b)に示すプレス成形装置113(相対移動距離h=0mm)を用いた通常のフォーム成形を行った。
ハネ量Δzは、正ならば部品端が上方(フランジ部と反対側)にハネ変形したことを、負ならば部品端が下方(フランジ部と同じ側)にハネ変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバックが少ないことを意味する。
表3に製品凸方向と各プレス成形条件{相対移動距離h(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品71および成形品73のハネ量Δz(mm)を示す。
一方、成形品73(下に凸の製品)について検討した例でスプリングバック量が最も小さい成形条件は、本発明例28(h=20mm)でΔz=-0.4mmであり、比較例5のΔz=-15.0mmに比べスプリングバックが大幅に低減した。
3 ダイ
3a 凹陥部
3b フランジ成形部
5 パンチ
5a 縦壁成形面最下端
6 溝壁上端
7 フランジ成形用ダイ
7a パンチ設置溝
8 支持機構
9 パッド
10 プレス成形装置(実施の形態2)
11 外側フランジ成形部を有するパンチ
13 内側フランジ成形用ダイ
15 プレス成形装置(実施の形態3)
17 内側フランジ成形部を有するパンチ
19 外側フランジ成形用ダイ
21 プレス成形装置(実施の形態4)
23 ブランク
23a 内側端
23b 外側端
31 成形品
31a パンチ底部
31b 縦壁部
31c 外側フランジ部
31d 内側フランジ部
41 内側に湾曲フランジを有する成形品
43 外側に湾曲フランジを有する成形品
51 本発明のプレス成形装置(他の態様)
52 ダイ
53 フランジ用成形ダイ
54 パンチ
55 本発明のプレス成形装置(さらに他の態様)
56 ダイ
57 フランジ用成形ダイ
58 パンチ
71 上に凸となる湾曲形状の成形品
73 下に凸となる湾曲形状の成形品
81 フランジ部のみが上に凸となる湾曲形状の成形品
83 フランジ部のみが下に凸となる湾曲形状の成形品
101 プレス成形金型(従来例)
103 ダイ
105 パンチ
111 プレス成形金型(比較例用)
112 パンチ
113 プレス成形金型(比較例用)
114 パンチ
Claims (12)
- 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形方法であって、
ダイとパンチによって前記溝形状部を前記製品形状に第1下死点まで成形すると共に、縮みフランジ変形を受けるフランジ部または伸びフランジ変形を受けるフランジ部の少なくとも一方について、縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも短く、伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程と、
前記ダイとフランジ成形用ダイによって前記第1成形工程で成形された前記フランジ部を製品形状に第2下死点まで成形する第2成形工程とを備え、
前記第1成形工程と前記第2成形工程を1度のプレス成形で行うことを特徴とするプレス成形方法。 - 前記第2成形工程は、前記フランジ成形用ダイに前記フランジ部の一部が当接した状態で、前記ダイと前記パンチを前記溝形状部を前記第1下死点で保持したまま前記フランジ成形用ダイに近づけることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
- 前記第2成形工程は、前記ダイと前記パンチを前記溝形状部を前記第1下死点で保持したまま停止させ、前記フランジ成形用ダイを前記ダイ側に近づけることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
- 前記一対の縦壁のいずれか一方のフランジ部に第1成形工程と第2成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記一対の縦壁の両方のフランジ部に第1成形工程と第2成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形方法。
- パンチ底部を有する成形品を成形する場合において、前記ブランクにおける前記パンチ底部に相当する部位をパッドで押えて前記第1成形工程および第2成形工程を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプレス成形方法。
- 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形装置であって、
凹陥部と該凹陥部の両側にフランジ成形部を有するダイと、該ダイの前記凹陥部に上部が挿入されるパンチと、前記ダイの前記フランジ成形部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイとを有し、
前記パンチは前記フランジ成形用ダイに対して相対移動可能に設置されると共に所定の圧力が作用したときに相対移動するように支持装置に支持されており、
前記パンチを前記支持装置によって前記フランジ成形用ダイに対して所定高さで支持し、この状態で前記パンチの上部を前記ダイの前記凹陥部に挿入させて、前記溝形状部を成形し、
前記ダイと前記パンチで前記溝形状部を保持したまま、前記支持装置によるパンチを支持する支持力よりも大きい力で前記ダイを移動させて、前記ダイと前記フランジ成形用ダイで前記フランジ部を成形することを特徴とするプレス成形装置。 - 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形装置であって、
凹陥部と該凹陥部の両側にフランジ成形部を有するダイと、該ダイの前記凹陥部に上部が挿入されるパンチと、前記ダイの前記フランジ成形部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイとを有し、
前記パンチは前記フランジ成形用ダイに対して相対移動可能に設置されると共に所定の圧力が作用したときに相対移動するように支持装置に支持されており、
前記パンチを前記支持装置によって前記フランジ成形用ダイに対して所定高さで支持し、この状態で前記パンチの上部を前記ダイの前記凹陥部に挿入させて、前記溝形状部を成形し、
前記ダイと前記パンチで前記溝形状部を保持したまま、前記フランジ成形用ダイを移動させて、前記ダイと前記フランジ成形用ダイで前記フランジ部を成形することを特徴とするプレス成形装置。 - 前記フランジ成形用ダイに対する前記パンチの相対移動距離をh、前記製品形状のフランジ幅をLとしたときに、
0.05<h/L<1.0
の条件を満たすことを特徴とする請求項7または8に記載のプレス成形装置。 - 前記フランジ成形用ダイは前記一対の縦壁のいずれか一方にフランジ部を成形することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
- 前記フランジ成形用ダイは前記一対の縦壁の両方にフランジ部を成形することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
- 前記ブランクの一部を前記パンチと協働して挟持するパッドを有していることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
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