JP2005254279A - プレス型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 しごき加工をすることなく金属板素材をハット形断面に曲げ加工でき、さらに、曲げ加工が完了した直後に金属板素材の縦壁部に下向きの圧縮力を付与するようにしたプレス型を提供する。
【解決手段】 吊りカム51に設けた上曲げ刃55をカムドライバ3により、ポンチ20に向かう傾斜方向に案内して金属板素材Wを折り曲げるようにした。さらに、金属板素材Wの縦壁部の上半部を挟持して、下半部に押圧して縦壁部を圧縮する。
【選択図】 図1
【解決手段】 吊りカム51に設けた上曲げ刃55をカムドライバ3により、ポンチ20に向かう傾斜方向に案内して金属板素材Wを折り曲げるようにした。さらに、金属板素材Wの縦壁部の上半部を挟持して、下半部に押圧して縦壁部を圧縮する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、平板状の金属板素材をハット形断面に曲げ加工するプレス型に関し、特に、金属板素材の表面をしごかずに曲げ加工するとともに、このプレス型内でスプリングバック防止用の歪み取りを可能としたプレス型に関する。
自動車の床板下面に設けられるハット形断面のフレームは、エンジンやサスペンション等を支持するための十分な強度を必要とする一方、衝突安全性の観点から、衝突エネルギーを吸収する部位と乗員保護のために高い剛性が要求される部位とを形成する必要がある。
このように部分的に強度剛性を変化させるために、例えばハット形断面のフレームの内部に、所要長さに亘ってその内面に沿ってコ字形断面の補強材を溶接して強度を増加させることが行われる。このような補強材を溶接する部位のハット形断面のフレーム及びコ字形断面の補強材は、部品を密着させるために高い断面精度が要求される。
このように部分的に強度剛性を変化させるために、例えばハット形断面のフレームの内部に、所要長さに亘ってその内面に沿ってコ字形断面の補強材を溶接して強度を増加させることが行われる。このような補強材を溶接する部位のハット形断面のフレーム及びコ字形断面の補強材は、部品を密着させるために高い断面精度が要求される。
ところが、平板状の金属板素材の幅方向中央部を下方からパンチにより支持し、上方からパッドによりパンチに押さえつけ、ダイの下降により前記素材の幅方向両側部を下方へ押圧して折り曲げつつ、該素材の幅方向両側部を前記パンチの側面に圧接して所定の形状に成形するという通常のプレス型では、ダイの肩R部が金属板素材の表面を滑りながら成形するため摩擦などからなる通過抵抗が発生する所謂「しごき」加工となり、成形された部品をプレス型から取り出すと、その縦壁部に反りが生じて僅かに外側に拡がる所謂スプリングバックが発生し、断面精度が得られにくいという問題がある。
特に、近年、自動車の軽量化が叫ばれ、フレームに用いられる金属板素材の板厚を下げつつ強度剛性を確保しなければならないために、その素材に高抗張力鋼板が採用されるようになり、前記スプリングバックがさらに大きくなる傾向にある。
特に、近年、自動車の軽量化が叫ばれ、フレームに用いられる金属板素材の板厚を下げつつ強度剛性を確保しなければならないために、その素材に高抗張力鋼板が採用されるようになり、前記スプリングバックがさらに大きくなる傾向にある。
そこで、上記のようなスプリングバックを防止する技術として、特開2002−172423号公報(以下、「特許文献1」という。)に記載の技術がある。
この特許文献1に記載された「圧縮力付与装置および圧縮力付与方法」は、ワークに座屈を生じる方向に圧縮力を付与しても、座屈を生じることなく圧縮力を付与することができる技術に関し(特許文献1の「0001」参照)、ワークの所定部分に圧縮力を付与する圧縮手段に、圧縮の前後を通して連続的にワークに密着し座屈を防止する座屈防止手段を設けたものである(特許文献1の請求項1参照)。
特開2002−172423号公報
この特許文献1に記載された「圧縮力付与装置および圧縮力付与方法」は、ワークに座屈を生じる方向に圧縮力を付与しても、座屈を生じることなく圧縮力を付与することができる技術に関し(特許文献1の「0001」参照)、ワークの所定部分に圧縮力を付与する圧縮手段に、圧縮の前後を通して連続的にワークに密着し座屈を防止する座屈防止手段を設けたものである(特許文献1の請求項1参照)。
ところが、上記特許文献1に記載の技術でも曲げ加工にはしごき加工が用いられる(特許文献1の「0052」から「0058」の第2の実施の形態参照)ものであるため、スプリングバックの発生を前提とした加工方法を採用するものである。
したがって、この特許文献1に記載の技術では、しごき加工を前提としているため、成形後に圧縮付与工程を必要とし、設備費用が高価になるという問題が生じていた。
したがって、この特許文献1に記載の技術では、しごき加工を前提としているため、成形後に圧縮付与工程を必要とし、設備費用が高価になるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、しごき加工をすることなく金属板素材をハット形断面に曲げ加工でき、さらに、曲げ加工が完了した直後に金属板素材の縦壁部に圧縮力を付与するようにしたプレス型を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1に記載のプレス型は、平板状の金属板素材を曲げ加工するプレス型であって、下型に設けられ、前記金属板素材が載置されるポンチと、上型に設けられ、前記ポンチとにより前記金属板素材を挟持するパッドと、上型に設けられ、前記ポンチと前記パッドとにより挟持された前記金属板素材を曲げ加工するために押圧するダイとを備えたプレス型において、前記ダイは、前記上型の下降により、前記金属板素材の端部に当接し、前記ポンチに向かって傾斜して下降するとともに、前記ポンチと前記ダイとは、それぞれ上下に分割されており、曲げ加工が完了した直後に、分割された前記ポンチと前記ダイとのそれぞれの上部が下降することにより、前記分割された前記ポンチと前記ダイとにより挟持された前記金属板素材に下向きの圧縮力を付与することを特徴とする。
よって、ダイの金属板素材への当接部がその端部であるため、ダイによる金属板素材表面での滑りが殆ど発生せず、摩擦などからなる通過抵抗が金属板素材に発生しないので、離型後の金属板素材の縦壁部に反りが発生しにくくなり、成形精度が向上する。
さらに、これに、同一型内で曲げ加工が完了した直後に金属板素材の縦壁部に下向きの圧縮力を付与するため、金属板素材をさらに安定した形状のプレス品に成形することができる。
さらに、これに、同一型内で曲げ加工が完了した直後に金属板素材の縦壁部に下向きの圧縮力を付与するため、金属板素材をさらに安定した形状のプレス品に成形することができる。
また、本発明に係る請求項2に記載のプレス型は、請求項1に記載のプレス型において、前記ポンチは、下型に固定された下曲げ刃と、該下曲げ刃に上下移動可能に案内されクッション機構により下方から支持されたパンチとからなり、前記ダイは、前記上型に左右方向に移動可能に支持された吊りカムと、該吊りカムに上下方向に移動可能に下方に付勢されて支持された上曲げ刃とからなり、前記上型の下降により、前記吊りカムの前記パンチと対向する面と反対側の斜面に当接し、該吊りカムがその下降に伴い前記パンチに向かって移動するように押圧するカムドライバを、クッション機構により上下移動可能に前記下型に支持するとともに、前記曲げ加工が完了した後に、前記パンチと前記カムドライバが前記上型の下降によりさらに下降することで、前記分割された前記ポンチと前記ダイとにより挟持された前記金属板素材に下向きの圧縮力を付与することを特徴とする。
よって、カムドライバにより上曲げ刃が金属板素材の端部を押し下げながらパンチに向かって傾斜方向に移動させられるので、上曲げ刃による金属板素材の被押圧部が殆ど移動せずに曲げ加工が完了するため、上曲げ刃の滑りが発生しない。すなわち、金属板素材にしごきが発生しない。したがって、滑りによる金属板素材の削り滓がプレス型に付着する「型かじり」が発生しにくく、プレス型のメンテナンスが容易となる。
また、曲げ加工完了後に、さらに下型を下降させてパンチと吊りカムとで挟持された縦壁部を圧縮するので、該縦壁部を座屈させることなく、歪みを除去でき、スプリングバックの発生を防止し、より精度の高いプレス品を成形することができる。
また、曲げ加工完了後に、さらに下型を下降させてパンチと吊りカムとで挟持された縦壁部を圧縮するので、該縦壁部を座屈させることなく、歪みを除去でき、スプリングバックの発生を防止し、より精度の高いプレス品を成形することができる。
本発明のプレス型によれば、ダイによる金属板素材表面での滑りを殆ど発生させないため、摩擦などからなる通過抵抗が金属板素材にかからず、したがって、金属板素材に反りが発生せず、成形精度が向上するとともに、プレス型のメンテナンスが容易となる。
また、曲げ刃の熱処理による硬度が低いものでよくなり、安価な材料費で曲げ刃を製作することができる。
さらに、同一型内で曲げ加工が完了した直後に金属板素材の縦壁部に下向きの圧縮力を付与するため、スプリングバックの原因となる歪みを除去し、さらに安定した形状のプレス品に成形することができる。
また、曲げ刃の熱処理による硬度が低いものでよくなり、安価な材料費で曲げ刃を製作することができる。
さらに、同一型内で曲げ加工が完了した直後に金属板素材の縦壁部に下向きの圧縮力を付与するため、スプリングバックの原因となる歪みを除去し、さらに安定した形状のプレス品に成形することができる。
次に、本発明に係るプレス型の一の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。本実施の形態のプレス型は、自動車車体のフレームのメンバー等に用いられるハット形断面のプレス品を成形するプレス型に適用されたものである。
ここで、図1は、プレス型の、金属板素材をセットした直後の正面断面図であり、図2は、曲げ加工の途中の拡大断面図である。
ここで、図1は、プレス型の、金属板素材をセットした直後の正面断面図であり、図2は、曲げ加工の途中の拡大断面図である。
本発明に係るプレス型の構成について説明する。プレス型10は、図1に示すように、下型2と上型4とからなり、下型2には、金属板素材Wが載置されるポンチ20と、後述する左右対称に設けられたダイ50を移動させるカムドライバ3とが、クッション機構15、16により、上下方向に移動可能に支持されている。
また、上型4には、前記ポンチ20とにより前記金属板素材Wを挟持するパッド40と、金属板素材Wを左右対称に押圧するダイ50が、パッド40は上下方向に移動可能に、ダイ50は横方向に移動可能に支持されている。
また、上型4には、前記ポンチ20とにより前記金属板素材Wを挟持するパッド40と、金属板素材Wを左右対称に押圧するダイ50が、パッド40は上下方向に移動可能に、ダイ50は横方向に移動可能に支持されている。
下型2に設けられたポンチ20は、金属板素材Wが載置されるパンチ21と、該パンチ21を上下移動可能に支持するとともに、金属板素材Wがハット形断面に成形されたときに、その開口部にフランジを形成する下曲げ刃25とからなる。
パンチ21は、図2に示すように、上部に金属板素材Wが載置される上面211と該上面211の両端から下部に連続する左右の外側面213とから形成される台形の頭部210と、該頭部210の下部の、前記左右の外側面213の間隔より狭い外径を有する摺動軸215とからなっている。
パンチ21は、図2に示すように、上部に金属板素材Wが載置される上面211と該上面211の両端から下部に連続する左右の外側面213とから形成される台形の頭部210と、該頭部210の下部の、前記左右の外側面213の間隔より狭い外径を有する摺動軸215とからなっている。
下曲げ刃25は、ハット形断面のプレス品のフランジ部を成形する下刃本体251と、該下刃本体251の略中央部に前記パンチ21の外側面213から延長するように形成された外側面253を外形として前記下刃本体251から上部に盛り上がる凸部255とからなり、前記凸部255と下刃本体251との中央部を貫通し、前記パンチ21の摺動軸215を摺動可能に支持する摺動孔257が設けられている。
そして、前記摺動軸215の下端は、下型2に設けられたクッション機構15により、常時上方に押圧されるように付勢されている。
そして、前記摺動軸215の下端は、下型2に設けられたクッション機構15により、常時上方に押圧されるように付勢されている。
パンチ21の頭部210の外側面213の下端と、下刃本体251の外側面253の上端との間には、連結部29を設けている。連結部29は、図3に示すように、パンチ21と下刃本体251の双方に交互に噛み合う複数の凸部と凹部とを設けて噛み合わせたものである。
つぎに、パッド40は、上型4の略中央部に、該上型4とは別個に動いて前記ポンチ20とにより前記金属板素材Wを挟持するように押圧するシリンダ45により支持されている。
また、ダイ50は、上端を上型4の下面に設けられたスライド部材27に、左右に摺動可能に支持された吊りカム51と、該吊りカム51の前記ポンチ20寄りの下端角部に設けられた上曲げ刃55と、前記吊りカム51に対して前記上曲げ刃55を上下方向に移動可能に支持するタンカシリンダ57とからなる。
また、ダイ50は、上端を上型4の下面に設けられたスライド部材27に、左右に摺動可能に支持された吊りカム51と、該吊りカム51の前記ポンチ20寄りの下端角部に設けられた上曲げ刃55と、前記吊りカム51に対して前記上曲げ刃55を上下方向に移動可能に支持するタンカシリンダ57とからなる。
吊りカム51は、その上面510が前述したように上型4の下面に左右に摺動可能に支持された菱形のもので、前記パンチ21の外側面213に対向する側部には曲げ加工が完了したときに前記パンチ21の外側面213とにより金属板素材Wを挟持する外側面513を有し、該外側面513の反対側の面には、前記上型4の下降により、前記吊りカム51が前記ポンチ20に向かって傾斜して摺動するように、傾斜面511が設けられている。
吊りカム51の下面515と前記外側面513とがなす下角部には、断面L字形の凹部517が形成されており、該凹部517に上曲げ刃55が収納されている。
吊りカム51の下面515と前記外側面513とがなす下角部には、断面L字形の凹部517が形成されており、該凹部517に上曲げ刃55が収納されている。
上曲げ刃55は、断面L字型の前面が前記吊りカム51の外側面513から延長するように形成された外側面553と、該外側面553の高さ方向中間部で、前記パンチ21から離れる方向に突出する上刃本体551とからL字状断面に形成されたものである。
上刃本体551の下面555と前記外側面553とがなす角部557は、図4に示すように、ハット形断面のプレス品の角部Pを形成するものであり、上刃本体551の下面555は、曲げ加工完了の時点で下刃本体251の上面とにより、ハット形断面のプレス品のフランジ部を成形するように形成されている。
上刃本体551の下面555と前記外側面553とがなす角部557は、図4に示すように、ハット形断面のプレス品の角部Pを形成するものであり、上刃本体551の下面555は、曲げ加工完了の時点で下刃本体251の上面とにより、ハット形断面のプレス品のフランジ部を成形するように形成されている。
そして、この上曲げ刃55は、吊りカム51の凹部517にタンカシリンダ57により常時下方に付勢されて支持されている。
吊りカム51の外側面513の下端と、上刃本体551の外側面553の上端との間には、ポンチ20と同様に連結部59が設けられている。連結部59は、図3に示すように、吊りカム51と上刃本体551の双方に交互に噛み合う複数の凸部と凹部とを設けて噛み合わせたものである。
吊りカム51の外側面513の下端と、上刃本体551の外側面553の上端との間には、ポンチ20と同様に連結部59が設けられている。連結部59は、図3に示すように、吊りカム51と上刃本体551の双方に交互に噛み合う複数の凸部と凹部とを設けて噛み合わせたものである。
つぎに、下型2に設けられ、上型4の下降による前記吊りカム51の傾斜面511との摺接により、吊りカム51をポンチ20に向かって傾斜して摺動させるカムドライバ3は、下型2に対して凹断面のベース37を介してクッション機構16により上下方向に摺動可能に支持され、該ベース37はクッション機構16により常時上方に付勢されている。
カムドライバ3の上部は、前記吊りカム51の傾斜面511が摺動して、ポンチ20に接近する方向にガイドするガイド面31となっている。ガイド面31の傾斜角度は、上曲げ刃55の角部557が下刃本体251の上面と凸部255との角部(図4のP点)に向かって進行するように設定される。
カムドライバ3の上部は、前記吊りカム51の傾斜面511が摺動して、ポンチ20に接近する方向にガイドするガイド面31となっている。ガイド面31の傾斜角度は、上曲げ刃55の角部557が下刃本体251の上面と凸部255との角部(図4のP点)に向かって進行するように設定される。
以上のように構成された本発明のプレス型の動作を説明する。まず、パンチ21の上面211と上刃本体551の下面555とが高さ方向で離間するように上型4を上昇させておき(図略)、所定の幅に切断された金属板素材Wをパンチ21の上面211に載置し、上型4を下降させながらシリンダ45を伸張作動させてパッド40を下降させて、パンチ21の上面211とパッド40の下面とで金属板素材Wを挟持し、その挟持状態を保ちながらさらに上型4を徐々に下降させて、図1に示す金属板素材Wの中央部をポンチ20とパッド40により挟持し、ダイ50の上曲げ刃55が金属板素材Wの端部(図4のM点)に当接した状態にする。
そして、ポンチ20とパッド40とによる挟持状態を維持しながら上型4をさらに下降させると、上曲げ刃55の角部557が金属板素材Wの略M点に当接しながらこれを押圧し、金属板素材Wを折り曲げる。
そして、ポンチ20とパッド40とによる挟持状態を維持しながら上型4をさらに下降させると、上曲げ刃55の角部557が金属板素材Wの略M点に当接しながらこれを押圧し、金属板素材Wを折り曲げる。
さらに上型4が下降すると、やがて、図2に示すように、上型4に支持された吊りカム51の傾斜面511がカムドライバ3のガイド面31に当接する。
さらに、上型4を下降させると、図5に示すように、吊りカム51はカムドライバ3のガイド面31に案内されながら、該ガイド面31と平行にポンチ20に向かって進行する。このため、金属板素材Wは、上刃本体551の角部557によりパンチ21の上面の角部を中心にして回動するように折り曲げられる。
すなわち、角部557は金属板素材W上を殆ど滑ることなく、したがって、通過摩擦も発生させずに曲げるため、金属板素材Wはその縦壁部に反りが発生せずに曲げ加工される。
さらに、上型4を下降させると、図5に示すように、吊りカム51はカムドライバ3のガイド面31に案内されながら、該ガイド面31と平行にポンチ20に向かって進行する。このため、金属板素材Wは、上刃本体551の角部557によりパンチ21の上面の角部を中心にして回動するように折り曲げられる。
すなわち、角部557は金属板素材W上を殆ど滑ることなく、したがって、通過摩擦も発生させずに曲げるため、金属板素材Wはその縦壁部に反りが発生せずに曲げ加工される。
そして、金属板素材Wの先端が下刃本体251の上面に当接し、ハット形断面のプレス品のフランジとなるように外側に折り曲げられる。
さらに、上型4を下降させると、図6に示すように、吊りカム51の外側面513と上曲げ刃55の外側面553とが、パンチ21の頭部210の外側面213と下曲げ刃25の凸部255の外側面253とで金属板素材Wの縦壁部を挟持し、かつ、上刃本体551の下面555が下刃本体251の上面とで金属板素材Wを挟持して曲げ加工が完了する。
さらに、上型4を下降させると、図6に示すように、吊りカム51の外側面513と上曲げ刃55の外側面553とが、パンチ21の頭部210の外側面213と下曲げ刃25の凸部255の外側面253とで金属板素材Wの縦壁部を挟持し、かつ、上刃本体551の下面555が下刃本体251の上面とで金属板素材Wを挟持して曲げ加工が完了する。
その後、上型4をさらに押圧して、パッド40と吊りカム51に押圧力を付加すると、図7に示すように、パンチ21の頭部210の外側面213と吊りカム51の外側面513とにより金属板素材Wの縦壁部の上半部を挟持した状態で、パンチ21がクッション機構15の上方への押圧力に抗して下方へ摺動する。すなわち、連結部29の間隙が殆ど無くなるまで摺動する。
同時に、カムドライバ3がクッション機構16の上方への押圧力に抗して下方に摺動し、また、上刃本体551が下刃本体251とにより金属板素材Wを挟持して固定された状態で、吊りカム51が、該上刃本体551を支持するタンカシリンダ57の押圧力に抗して下降する。すなわち、連結部59の間隙が殆ど無くなるまで下降する。
その結果、下刃本体25の外側面253と上曲げ刃55の外側面553とにより挟持された金属板素材Wの縦壁部の下半部を固定したまま、パンチ21の頭部210の外側面213と吊りカム51の外側面513とにより挟持された金属板素材Wの縦壁部の上半部を下方に押圧して、該縦壁部に圧縮力を付加する。縦壁部が圧縮されることにより、内部応力が吸収されて離型時のスプリングバックの発生が防止される。
同時に、カムドライバ3がクッション機構16の上方への押圧力に抗して下方に摺動し、また、上刃本体551が下刃本体251とにより金属板素材Wを挟持して固定された状態で、吊りカム51が、該上刃本体551を支持するタンカシリンダ57の押圧力に抗して下降する。すなわち、連結部59の間隙が殆ど無くなるまで下降する。
その結果、下刃本体25の外側面253と上曲げ刃55の外側面553とにより挟持された金属板素材Wの縦壁部の下半部を固定したまま、パンチ21の頭部210の外側面213と吊りカム51の外側面513とにより挟持された金属板素材Wの縦壁部の上半部を下方に押圧して、該縦壁部に圧縮力を付加する。縦壁部が圧縮されることにより、内部応力が吸収されて離型時のスプリングバックの発生が防止される。
このように、本実施の形態のプレス型10では、吊りカム51に設けた上曲げ刃55をカムドライバ3により、ポンチ20に向かう傾斜方向に案内して金属板素材Wを折り曲げるようにしたので、上曲げ刃55が金属板素材Wを滑ることがなく、したがって、摩擦の発生が防止されるので、金属板素材Wに反りが発生せず、精度よくプレス成形できる。
さらに、金属板素材Wの縦壁部の上半部を挟持して、下半部に押圧して縦壁部を圧縮するので、内部応力を解消し、スプリングバックの発生を防止することが可能となった。
さらに、金属板素材Wの縦壁部の上半部を挟持して、下半部に押圧して縦壁部を圧縮するので、内部応力を解消し、スプリングバックの発生を防止することが可能となった。
本発明は、平板状の金属板素材を曲げ加工するプレス型であって、下型に設けられ、前記金属板素材が載置されるポンチと、上型に設けられ、前記ポンチとにより前記金属板素材を挟持するパッドと、上型に設けられ、前記ポンチと前記パッドとにより挟持された前記金属板素材を曲げ加工するために押圧するダイとを備えたプレス型において、前記ダイは、前記上型の下降により、前記金属板素材の端部に当接し、前記ポンチに向かって傾斜して下降するとともに、前記ポンチと前記ダイとは、それぞれ上下に分割されており、曲げ加工が完了した直後に、分割された前記ポンチと前記ダイとのそれぞれの上部が下降することにより、前記分割された前記ポンチと前記ダイとにより挟持された前記金属板素材に下向きの圧縮力を付与するように構成したので、金属板素材をしごくことなく曲げ加工ができるため、型かじりがなく寿命の長いプレス型とすることができ、金属板素材に反りが発生せず、しかも歪みを除去できるので、精度の高いプレス品を成形することが可能となった。
10 プレス型
2 下型
20 ポンチ
21 パンチ
25 下曲げ刃
3 カムドライバ
4 上型
40 パッド
50 ダイ
51 吊りカム
55 上曲げ刃
W 金属板素材
2 下型
20 ポンチ
21 パンチ
25 下曲げ刃
3 カムドライバ
4 上型
40 パッド
50 ダイ
51 吊りカム
55 上曲げ刃
W 金属板素材
Claims (2)
- 平板状の金属板素材を曲げ加工するプレス型であって、
下型に設けられ、前記金属板素材が載置されるポンチと、
上型に設けられ、前記ポンチとにより前記金属板素材を挟持するパッドと、
上型に設けられ、前記ポンチと前記パッドとにより挟持された前記金属板素材を曲げ加工するために押圧するダイとを備えたプレス型において、
前記ダイは、前記上型の下降により、前記金属板素材の端部に当接し、前記ポンチに向かって傾斜して下降するとともに、
前記ポンチと前記ダイとは、それぞれ上下に分割されており、曲げ加工が完了した直後に、分割された前記ポンチと前記ダイとのそれぞれの上部が下降することにより、前記分割された前記ポンチと前記ダイとにより挟持された前記金属板素材に下向きの圧縮力を付与することを特徴とするプレス型。 - 請求項1に記載のプレス型において、
前記ポンチは、下型に固定された下曲げ刃と、該下曲げ刃に上下移動可能に案内されクッション機構により下方から支持されたパンチとからなり、
前記ダイは、前記上型に左右方向に移動可能に支持された吊りカムと、該吊りカムに上下方向に移動可能に下方に付勢されて支持された上曲げ刃とからなり、
前記上型の下降により、前記吊りカムの前記パンチと対向する面と反対側の斜面に当接し、該吊りカムがその下降に伴い前記パンチに向かって移動するように押圧するカムドライバを、クッション機構により上下移動可能に前記下型に支持するとともに、
前記曲げ加工が完了した後に、前記パンチと前記カムドライバが前記上型の下降によりさらに下降することで、前記分割された前記ポンチと前記ダイとにより挟持された前記金属板素材に下向きの圧縮力を付与することを特徴とするプレス型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004069061A JP2005254279A (ja) | 2004-03-11 | 2004-03-11 | プレス型 |
Applications Claiming Priority (1)
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