JP6358208B2 - プレス成形用金型 - Google Patents

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本発明は、少なくとも天板部とそれに連続する縦壁部とを有する成形品形状をプレス成形で成形する技術に関する。上記成形品形状は、例えば断面ハット型の形状、断面コ字状の部品や、天板部の片側にのみ縦壁部がある形状などである。
サイドシルアウター(図1参照)に代表されるような、縦壁方向(側面方向)から見て長手方向に真っ直ぐな部品を金属板(ブランク)からプレス成形する場合、離型後の成形品には弾性回復によるスプリングバック変形が発生し、これに起因した製品寸法精度が問題となることがある。特に近年の自動車の骨格部品では、車体軽量化と衝突安全性を同時に達成するために、薄肉の高張力鋼板やアルミニウム合金板の使用が増加している。しかし、これらの材料からなる金属板を単純にプレス成形すると、スプリングバックが大きく、寸法精度不良が顕在化している。
以上のようなスプリングバック現象による不良には、断面形状の崩れによる2次元的な寸法精度不良の他に、部品長手方向のバネや部品全体のねじれといった3次元的な寸法精度不良があり、それぞれの不良現象に対して多くの対策技術が提案されている。
ここで、ハット型の部品の断面形状の崩れは、主として、天板部と縦壁部との境界部である曲げ部における角度変化と、縦壁部の反りとによって、プレスした部品の断面が開く方向に弾性回復する現象で発生する。
従来、この断面形状の崩れへの対策として、例えば特許文献1では、ブランクを断面コ字形状の部品にプレス成形する際に、天板部と縦壁部との折曲部(曲げ部)の材料を天板部側に向かって流動させることで、折曲部の角度の開きを低減する技術を提案している。
また特許文献2では、曲げ部の角度変化について、第1の成形工程で製品形状よりも大きな曲げ部曲率半径を有する金型を用いて成形した後に、第2の成形工程で製品形状の曲げ部曲率半径を有する金型で成形する技術を提案している。また特許文献2では、縦壁部の反りに対し、第1の成形工程で製品形状よりも低い成形高さを有する金型を用いて成形し、第2の成形工程で製品形状の成形高さを有する金型で成形する技術を提案している。
特許文献3では、曲げ部の角度変化および縦壁部の反りに対して、1回目の下死点成形で製品形状よりも成形高さを高くし、2回目の下死点成形ではストローク量が制限されるように金型形状を変化させて製品形状に成形することで、ハット型部品に面内圧縮力を与え、これによって曲げモーメントを低下させる対策技術を提案している。
特開2012−232329号公報 特許第4879588号公報 特許第4970900号公報
しかし、特許文献1では、断面コ字状の部品の縦壁部が成形される際に生じる曲げ曲げ戻し変形によって、縦壁部に反りが発生してしまうため、断面形状の崩れを十分に回避できない。
また特許文献2では、少なくとも2台以上の金型を必要とするため、生産コストの上昇が懸念される。
特許文献3では、2回目の下死点成形時にストローク量を制限するための特別な金型構造が必要となる。さらに、成形高さを変化させるときに、特許文献3のように縦壁部のパンチ底(パンチ面)に対する角度が直角の場合では問題とならないが、角度が90度より大きな角度となった場合、金型の面が製品形状とは異なる可能性がある。ここで、天板部と縦壁部との曲げ部の角度は90度より大きく設計する場合もある。
本発明は、上記のような課題に着目してなされたものであり、一つの金型で、天板部と縦壁部との曲げ部の角度変化および縦壁部の反りを同時に低減し得るプレス成形の技術を提供することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様のプレス成形用金型は、ブランクを、少なくとも天板部と上記天板部に連続した縦壁部とを有する成形品形状にプレス成形するための金型であって、
上記天板部を挟み込むパンチのパンチ面及びパッドのパッド面と、上記パンチに沿って相対移動して上記縦壁部を形成するダイと、そのダイのダイフェース面に対向配置されたブランクホルダのホルダ押え面とを有し、
上記パンチ面の外縁部に対向するパッド面の外縁部、上記ダイの肩部側のダイフェース面の外縁部、及び上記ダイフェース面の外縁部に対向する上記ホルダ押え面の外縁部の少なくとも1つの面の外縁部に対し、対向する面を当接させた際に、当接した面間に隙間を形成する面削ぎ部を形成したことを特徴とする。
また、本発明の一態様であるプレス成形方法は、本発明の一態様のプレス成形用金型を使用し、
上記天板部をパンチとパッドで挟持すると共に上記ダイを上記ブランクホルダに向けて相対移動させて、上記縦壁部を形成すると共に上記天板部と上記縦壁部との境界部を上記パンチの肩部に沿った形状に曲げる第1工程と、
第1工程後に、上記パッドと上記パンチでの上記天板部の挟持を保持した状態で、上記ダイと上記ブランクホルダを、上記第1工程でのダイの移動方向とは反対方向である戻し方向に予め設定した曲げ戻し量だけ移動させた後に、上記第1工程でのダイの移動方向に移動させる第2工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の態様によれば、一台の金型で、例えばスプリングバック現象による天板部と縦壁部との曲げ部の角度変化および縦壁部の反りを同時に低減して、寸法精度の良いプレス成形品を提供可能となる。
本発明に基づく実施形態に係るプレス成形品の例を説明する斜視図である。 本発明に基づく実施形態に係る金型の例を示す模式図である。 パッド側面削ぎ部を説明する図である。 ホルダ側面削ぎ部を説明する図である。 金型の動作を説明する図である。 第1工程終了後の曲げ部の応力分布を説明する図である。 第1工程終了後の曲げ部の状態を説明する図である。 第1工程終了後の縦壁部の応力分布を説明する図である。 第1工程終了後の縦壁部の状態を説明する図である。 第2工程で曲げ戻し量だけ上昇したときの曲げ部の応力分布を説明する図である。 第2工程で曲げ戻し量だけ上昇したときの縦壁部の応力分布を説明する図である。 第2工程終了後の曲げ部の応力分布を説明する図である。 第2工程終了後の縦壁部の応力分布を説明する図である。 実施例のスプリングバック量の評価を説明する図である。
本発明者は、スプリングバックによる、天板部と縦壁部との曲げ部の角度変化、及び縦壁部の反りについて鋭意検討を行った結果、ダイ(上型)およびパンチ(下型)、パンチ・ダイ肩付近のブランクを挟持する面の外縁部に対し、面削ぎ部(以下、逃がし面とも言う)を形成した金型を使用することを検討した。
そして、そのような金型を使用して、成形中の応力を任意にコントロールすることで、ハット型部品のパンチ底およびフランジ部に曲げ変形を発生させて曲げ部の角度変化を相殺することで、角度の開きが低減可能であるという知見を得た。また、パンチ底およびフランジ部に曲げ変形を発生させると同時に縦壁部に面内圧縮力が作用することで、板厚方向の応力分布差が低下し、壁反りを低減可能であるという知見も得た。尚、縦壁部とフランジ部との間の曲げ部についても同様である。
本発明は、このような知見に基づきなされたものである。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下の説明では、少なくとも天板部2と天板部2に連続した縦壁部3とを有する成形品形状として、図1に示すような、断面ハット型の成形品1をプレス成形する場合を例に挙げて説明する。即ち、本実施形態のプレス成形品1は、図1に示すように、天板部2、天板部2に曲げ部5を介して連続する縦壁部3、縦壁部3に第2曲げ部6を介して連続するフランジ部4を有する。但し、本発明の対象とするプレス成形品1の形状は、断面ハット型形状に限定されない。
<金型>
本実施形態のプレス成形用金型は、図2に示すように、上型と下型とを備える。
上型は、ダイ10とパッド11から構成されている。下型は、パンチ12とブランクホルダ13とから構成されている。ブランクホルダ13には、ダイクッション14が設けられている。
そして、パンチ12のパンチ面12aとパッド11のパッド面11aが、ブランク7における天板部2となる位置を挟んで対向するように配置されている。また、パンチ12の両側にブランクホルダ13が配置されていると共に、パッド11の両側にダイ10が配置されている。
そして、パンチ12のパンチ面12a及びパッド11のパッド面11aとで天板部2になる位置を挟持(挟圧)した状態で、ダイ10をパンチ12に沿って相対移動することで縦壁部3を形成可能となっている。そして、ダイ10のダイフェース面10aとブランクホルダ13のホルダ押え面13aとでフランジ部4となる位置を挟持可能となっている。
図2中、符号10c及び13bは、フランジ部4にビード形成のために、ダイ10のダイフェース面10aとブランクホルダ13のホルダ押え面13aとに対をなして形成された凹凸部である。この凹凸部を形成することで、より確実にフランジ部4をダイ10とブランクホルダ13で挟持可能となる。ダイ10とブランクホルダ13との間の押圧力によっては、ビードは無くても良い。
更に、本実施形態のパッド面11aには、パンチ12の肩部12b側のパンチ面12aの外縁部に対向するパッド面11aの外縁部を面削ぎしてなる、パッド側面削ぎ部20が形成されている。このパッド側面削ぎ部20によって、パンチ12のパンチ面12aとパッド11のパッド面11aを当接させた際に、パンチ面12aとパッド面11aとの間に、ダイ10側に近づくほど隙間の高さが大きくなる空間(隙間)が形成される。
パッド側面削ぎ部20による上記隙間は、図3に示すように、最大の高さhが2mm以上4mm以下の範囲であり、且つダイ10からの最大の距離wが10mm以上50mm以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態のホルダ押え面13aには、ダイ10の肩部10b側のダイフェース面10aの外縁部に対向するホルダ押え面13aの外縁部を面削ぎしてなる、ホルダ側面削ぎ部21が形成されている。このホルダ側面削ぎ部21によって、ダイ10のダイフェース面10aとブランクホルダ13のホルダ押え面13aを当接させた際に、ダイフェース面10aとホルダ押え面13aとの間に、パンチ12側に近づくほど隙間の高さが大きくなる空間(隙間)が形成される。
ホルダ側面削ぎ部21による、上記隙間は、図4に示すように、最大の高さhが0mmより大きく且つ4mm以下の範囲であり、且つパンチ12からの最大の距離wが、10mm以上50mm以下の範囲に形成されていることが好ましい。
また最大の高さhは、最大の高さh以下であることが好ましい。
<プレス成形方法>
次に、上記のプレス成形用金型を使用したプレス成形方法について説明する。
本実施形態のプレス形成方法は、少なくとも第1工程と第2工程とを備える。
第1工程は、天板部2をパンチ12とパッド11で挟持すると共にダイ10をブランクホルダ13に向けて相対移動させて、縦壁部3を形成すると共に天板部2と縦壁部3との境界部をパンチ12の肩部12bに沿った形状に成形する工程である。
第2工程は、第1工程後に、天板部2をパッド11とパンチ12で挟持した状態で、ダイ10とブランクホルダ13を、第1工程でのダイ10の移動方向とは反対方向である戻し方向に予め設定した曲げ戻し量ΔH1だけ移動させ、再度、第1工程でのダイ10の移動方向に移動させる工程である。
曲げ戻し量ΔH1は、2mm以上10mm以下であることが好ましい。
ここで、本実施形態では、第1工程でのダイ10の移動方向を下方、戻し方向を上方として説明する。
上記のプレス成形における金型の動作を、図5を参照して説明する。
まず、ブランク7を、図5(a)に示すように、上型と下型との間に、パンチ12のパンチ面12aが天板部2位置と対向するように設定する。このとき、ブランクホルダ13は成形下死点位置から2〜10mm上昇させた位置に待機させておく。
次に、図5(b)に示すように、パッド11により天板部2を押圧しながら上型のダイ10を成形下死点位置まで下降させる。この状態を第1成形下死点とする。
これによって、天板部2は、パンチ面12aに沿った形状に加工されると共に、天板部2と縦壁部3の境界部に、パンチ12の肩部12bに応じた曲率で折れ曲がった曲げ部5が形成される。また、縦壁部3とフランジ部4との境界部に対しダイ10の肩部10bに沿った第2曲げ部6が形成される。また、フランジ部4がダイフェース面10aとホルダ押え面13aとで挟持された状態になっている。
ここまでが第1工程に対応する。
この第1工程だけでは、パンチ12の肩部12bおよびダイ10の肩部10bのような曲げ変形を受ける曲げ部5及び第2曲げ部6の箇所では、曲げ部5側で例示すると、図6に示すように、曲げの外側で引張応力、曲げの内側で圧縮応力が作用することで、板厚方向に応力分布が発生し、この応力差を緩和するために残留曲げモーメントが生じ、そのままでは図7に示すような角度変化を引き起こす。この角度変化は第2曲げ部6の角度についても同様である。
さらに、縦壁部3では、一度曲げられた部分が、成形下死点で逆方向に再度曲げられる曲げ・曲げ戻し変形を受けるため、図8に示すように、部品表面に引張応力、部品裏面に圧縮応力が作用することで、板厚方向に応力分布が発生し、この応力差を緩和するために残留曲げモーメントが生じ、これにより図9に示すような外側への壁反りを引き起こす。このような、曲げ部5の角度変化および縦壁部3の反りは、材料強度が高い鋼板ほど大きくなる。
次に、図5(c)に示すように、パンチ12とパッド11で天板部2を所定の圧力で挟持した状態で、ダイ10とブランクホルダ13とを曲げ戻し量ΔH1分である数mmだけ上昇させる。
このとき、パッド11によるパンチ12への押圧力は、例えば部品長手方向の単位長さあたり30kgf/mm以上に設定する。すなわち天板部2がパンチ12とパッド11の挟圧位置からずれないだけの押圧力に設定しておく。
これによって、天板部2が上型に取り付けられたパッド11によって押圧された状態のまま、この金型の動きにより、天板部2およびフランジ部4の材料は、それぞれパッド11およびブランクホルダ13に設けた各面削ぎ部20,21に沿うように曲げられる。
このときの曲げ部5付近は、図10に示すような板厚方向の応力分布をとる。第2曲げ部6でも同様である。
さらに、このとき縦壁部3には面内の圧縮応力が作用するため、縦壁部3は図11に示すような板厚方向の応力分布をとる。
その後、図5(d)に示すように、パッド11により天板部2を押圧し、且つブランクホルダ13によりフランジ部4を押圧した状態を保ちながら、再度、成形下死点まで下降させる。この状態を第2成形下死点とする。このとき、曲げ部5付近は図12に示すような板厚方向の応力分布をとる。第2曲げ部6で同様である。
これによって、パンチ12の肩部12bおよびダイ10の肩部10bに発生する残留曲げモーメントとは反対方向に作用する残留曲げモーメントがパンチ12の肩部12bおよびダイ10の肩部10bに発生することで、スプリングバックが互いに相殺され、曲げ部5及び第2曲げ部6における各角度変化を低減させることができる。
さらに、このとき縦壁部3には圧縮応力が発生した後、除荷される応力状態となるため、図13に示すように残留曲げモーメントが低減し、壁反りを抑制することができる。
このように、本実施形態では、金型の動きを成形中に変化させることで、曲げ部5における残留曲げモーメントとは反対方向の残留曲げモーメントを発生させる。この結果、角度変化を低減し、かつ、縦壁部3に圧縮応力を付与することで、残留曲げモーメント自体を低減させることが出来る。
以上のように、本実施形態では、1台の金型によって、寸法精度の良い長手方向に真っ直ぐなハット断面部品の成形が可能となる。特に、引張強度が590MPa以上の鋼板をプレス対象とするときに有効である。
ここで、本実施形態では、パンチ12の肩部12b側のパンチ面12aの外縁部、パンチ面12a外縁部に対向するパッド面11aの外縁部、ダイ10の肩部10b側のダイフェース面10aの外縁部、及びダイフェース面10aの外縁部に対向するホルダ押え面13aの外縁部のうち、パッド面11aの外縁部及びホルダ押え面13aの外縁部に対し面削ぎ部20,21を形成する場合を例示したがこれに限定されない。
例えば、パッド面11aの外縁部の代わりに、若しくはパッド面11aの外縁部と一緒に、パンチ面12aの外縁部に面削ぎ部を形成しても良い。また、ホルダ押え面13aの外縁部の代わりに、若しくはホルダ押え面13aの外縁部と一緒にダイフェース面10aの外縁部に面削ぎ部を形成しても良い。
また、上記の実施形態では、パッド面11aの外縁部及びホルダ押え面13aの外縁部の両方に面削ぎ部20,21を形成する場合で説明したが、パッド面11aの外縁部及びホルダ押え面13aの外縁部の一方だけに面削ぎ部を形成しても良い。この場合でも、少なくとも面削ぎ部を形成した側の曲げ部でのスプリングバックを抑制すると共に、縦壁部3のスプリングバックを抑制することが出来る。
また面削ぎ部の面削ぎのプロフィール形状は、直線である必要はない。成形品1の長手方向から見て、面削ぎ部の面のプロフィールは、湾曲していても良い。
また本発明のプレス成形の対象とする成形品1は、ハット形状に限定されず、断面コ字状の成形品1でも良い。少なくとも天板部2とそれに続く縦壁部3を有する形状であれば対象となる。
次に、本発明の実施例を説明する。
1180MPa級冷延鋼板(板厚1.2mm)を想定して、天板部2、縦壁部3、フランジ部4からなるハット断面部品のプレス成形解析を行った。使用したソルバーはLS−DYNA ver971である。
また、縦壁部3の角度は天板面に対して95°とした。断面形状は長手方向に真っ直ぐなため、長さ100mmの鋼板を供試材として用いた。
そして、実施形態で説明した金型を使用し、実施形態で説明した本発明に基づくプレス成形方法で断面ハット型形状にプレス成形した。
表1に各諸元と、スプリングバック(S/B)の判定結果を表す。
表1中、REV量は曲げ戻し量ΔH1であり、RST量はその後のダイ10の下降量(リストライク量)である。
プレス成形後のスプリングバック量の評価では、図14に示すように、パンチ12およびダイ10の肩部10bの角度θ1,θ2が95°±10°かつ縦壁部3の曲率ρが0.03mm−1以下の最終形状の場合を形状凍結性が良好(OK)と評価した。
Figure 0006358208
この表1から分かるように、本発明の範囲の場合には、形状凍結性良好であることが分かる。
すなわち、パッド11の面削ぎ部の高さhによる効果を確認するために、上記のハット部品を対象に、パッド11の面削ぎ部の高さhの影響を検証した。
パッド11の面削ぎ部の高さは1mm、3mm、5mmの3水準とし、その他の形状はh=50mm、h=1mm、h=50mm、パッド圧6ton、逆曲げ量(曲げ戻し量ΔH1を指す。以下同様)5mmで統一した。
表1から分かるように、hが2mm≦h≦4mmの条件から外れた場合に形状凍結性が悪化した。
すなわち、パッド11の面削ぎ部の高さが2mmを下回ると、図5(c)の工程でパンチ12の肩部12bに十分な逆曲げ成形が生じず、スプリングバックとスプリングゴーの相殺効果が発現しない。また4mmを上回ると、過剰に逆曲げ成形されてしまうため、スプリングゴーし過ぎてしまい、形状凍結性を確保できなかった。
また、パッド11の面削ぎ部の幅wによる効果について確認するために、上記のハット部品を対象に、パッド11の面削ぎ部の高さwの影響を検証した。パッド11の面削ぎ部の面幅は9mm、11mm、49mm、51mmの4水準とし、その他の形状はh=3mm、h=1mm、w=50mm、パッド圧6ton、逆曲げ量5mm、リストライク量5mmで統一した。
表1から分かるように、wが10mm≦w≦50mmの条件から外れた場合に形状凍結性が悪化した。パッド11の面削ぎ部の面幅が10mmを下回ると、逆曲げ成形される領域が集中してしまうため、スプリングゴーし過ぎてしまい、形状凍結性を確保できなかった。また、50mmを上回ると、下死点成形中に天板部2を押圧する領域が狭くなってしまうため、形状凍結性を確保できなかった。
またブランクホルダ13の面削ぎ部の高さhによる効果について確認するために、上記のハット部品を対象に、ブランクホルダ13の面削ぎ部の高さhの影響を検証した。ブランクホルダ13の面削ぎ部の高さは2mm、4mmの2水準とし、その他の形状はh=3mm、w=50mm、h=50mm、パッド圧6ton、逆曲げ量5mm、リストライク量5mmで統一した。
表1から分かるように、hが0<h≦hの条件から外れた場合に形状凍結性が悪化した。ブランクホルダ13の面削ぎ部の高さがhを上回ると、逆曲げ成形時における曲げ部5の変形がパンチ12の肩部12bよりもダイ10の肩部10bで大きくなってしまい、パンチ12の肩部12bに十分な逆曲げ成形が生じず、スプリングバックとスプリングゴーの相殺効果が発現しない。
また、ブランクホルダ13の面削ぎ部の幅wによる効果について確認するために、上記のハット部品を対象に、パッド11の面削ぎ部の高さwの影響を検証した。パッド11面削ぎ部の幅は9mm、11mm、49mm、51mmの4水準とし、その他の形状はh=3mm、h=1mm、w=50mm、パッド圧6ton、逆曲げ量5mm、リストライク量5mmで統一した。
表1から分かるように、wが10mm≦w≦50mmの条件から外れた場合に形状凍結性が悪化した。ブランクホルダ13の面削ぎ部の面幅が10mmを下回ると、逆曲げ成形される領域が集中してしまうため、スプリングゴーし過ぎてしまい、形状凍結性を確保できなかった。また、50mmを上回ると、下死点成形中に天板部2を押圧する領域が狭くなってしまうため、形状凍結性を確保できなかった。
また、パッド圧について確認するために、上記のハット部品を対象に、パッド圧の影響を検証した。パッド圧は2ton、6tonの2水準とし、その他の形状はh=3mm、h=1mm、w=50mm、w=50mm、逆曲げ量5mm、リストライク量5mmで統一した。
表1から分かるように、パッド圧が30kgf/mm(本ハット部品では3ton)の条件から外れた場合に形状凍結性が悪化した。パッド圧が30kgf/mmを下回ると、逆曲げ成形時にパッド11が天板面を押圧しきれなくなり、十分な逆曲げ成形が生じず、スプリングバックとスプリングゴーの相殺効果が発現しない。
また、逆曲げ量による効果について確認するために、上記のハット部品を対象に、逆曲げ量の影響を検証した。逆曲げ量は1mm、3mm、9mm、10mmの4水準とし、その他の条件はh=3mm、h=1mm、w=50mm、w=50mm、パッド圧6ton、リストライク量は逆曲げ量と同じ条件で統一した。
表1から分かるように、逆曲げ量が2mm以上10mm以下の条件から外れた場合に形状凍結性が悪化した。逆曲げ量が2mmを下回ると、逆曲げ成形時にパンチ12の肩部12bに十分な逆曲げ成形が生じず、スプリングバックとスプリングゴーの相殺効果が発現しない。また10mmを上回ると、過剰に逆曲げ成形されてしまうため、スプリングゴーし過ぎてしまい、形状凍結性を確保できなかった。
また、リストライク量による効果について確認するために、上記のハット部品を対象に、逆曲げ量の影響を検証した。リストライク量は4mm、6mmの2水準とし、その他の条件はh=3mm、h=1mm、w=50mm、w=50mm、パッド圧6ton、逆曲げ量5mmで統一した。
表1の結果から、リストライク量が5mmを下回る場合に計上凍結性が悪化した。リストライク量が逆曲げ量を下回ると、逆曲げ成形によって曲げられた天板部2およびフランジ部4の曲がり形状を潰すことができないため、形状凍結性を確保できなかった。
1 プレス成形品
2 天板部
3 縦壁部
4 フランジ部
5 曲げ部
6 第2曲げ部
7 ブランク
10 ダイ
10a ダイフェース面
10b 肩部
10c 凹部
11 パッド
11a パッド面
12 パンチ
12a パンチ面
12b 肩部
13 ブランクホルダ
13a 押え面
14 ダイクッション
20,21 面削ぎ部

Claims (5)

  1. ブランクを、少なくとも天板部と上記天板部に連続した縦壁部とを有する成形品形状にプレス成形するために、
    上記天板部を挟み込むパンチのパンチ面及びパッドのパッド面と、上記パンチに沿って相対移動して上記縦壁部を形成するダイと、そのダイのダイフェース面に対向配置されたブランクホルダのホルダ押え面とを有し、
    上記天板部を上記パンチと上記パッドで挟持した状態で上記ダイが上記ブランクホルダに向けて相対移動することで上記縦壁部が形成されると共に上記天板部と上記縦壁部との境界部が上記パンチの肩部に沿った形状に曲げれる第1工程と、その第1工程後に、上記パッドとパンチでの上記天板部の挟持を保持した状態で、相対的に、上記ダイとブランクホルダが、上記第1工程でのダイの移動方向とは反対方向である戻し方向に予め設定した曲げ戻し量だけ移動した後に、上記第1工程でのダイの移動方向に移動する第2工程を行う金型であって、
    上記パンチ面の外縁部に対向するパッド面の外縁部、上記ダイの肩部側のダイフェース面の外縁部、及び上記ダイフェース面の外縁部に対向する上記ホルダ押え面の外縁部のうち、少なくとも上記パッド面の外縁部に対し、対向する面を当接させた際に、当接した面間に隙間を形成する面削ぎ部を形成したことを特徴とするプレス成形用金型。
  2. 上記パッド面の外縁部に形成した面削ぎ部は
    対向する面である上記パンチ面と上記パッド面とを当接させた状態で、上記面削ぎ部による上記隙間は、最大の高さhが2mm以上4mm以下の範囲であり、且つ上記ダイからの最大の距離wが10mm以上50mm以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載したプレス成形用金型。
  3. 更に、上記面削ぎ部は、上記ダイフェース面の外縁部、及び上記ホルダ押え面の外縁部の少なくとも一方の外縁部に形成され、
    上記対向する面である上記ダイフェース面と上記ホルダ押え面とを当接させた状態で、上記面削ぎ部による上記隙間は、最大の高さhが0mmより大きく且つ上記最大の高さh以下の範囲であり、且つ上記パンチからの最大の距離wが、10mm以上50mm以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項2に記載したプレス成形用金型。
  4. 上記ブランクホルダは、ダイクッションを有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したプレス成形用金型。
  5. 上記曲げ戻し量は、2mm以上10mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したプレス成形用金型。
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