JP5332925B2 - 成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法 - Google Patents

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本発明は、いわゆるコの字型断面形状またはハット型断面形状(コの字型断面形状やハット型断面形状の類似形状も含む。以下、これらを総称して「ハット型断面形状」という。)のフレーム部品で、長手方向の水平面内で湾曲するフレーム部品において、当該フレーム部品をプレス成形にて製造するときに、その縦壁面に発生するうねりや開き(スプリングバック)などの形状不良や寸法精度不良を低減し、寸法精度の良い製品を得るプレス成形方法に関するものである。
ここで、「長手方向の水平面内で湾曲する」とは、コの字型断面形状またはハット型断面形状の断面で開いた部分を鉛直下方にしたとき、フレーム部品の長手方向を向いたときに形成される水平面内で、当該フレーム部品が湾曲することをいう。また、特に断らない限り、この長手方向の水平面内で湾曲することを、「長手方向に湾曲する」と表現する。
ハット型断面形状の金属製フレーム部品であって、長手方向に湾曲するフレーム部品をプレス成形により製造すると、離型時のスプリングバックにより図1に示すようなフレーム部品の縦壁面にうねりが発生する。これは縦壁面が伸びフランジ変形となり、図2に示すように長手方向に強い引張を受けながら成形されるためと考えられる。非特許文献1にも伸びフランジ成形において形状不良が起こることが記載されているが、対策は容易ではなく効果的な対策については記載されていない。
スプリングバックを抑える技術としては、あらかじめスプリングバックを見込んだ形状に金型を設計する方法や、縦壁にしごきを加えて矯正的に精度を出す方法などが用いられている。しかし、前者では高強度鋼板やアルミ合金板などのスプリングバックが大きい材料では必然的にスプリングバックの見込み量が大きくなり、結果的に所望の製品形状が得られない。得られても試行錯誤で何回も金型に修正を施す必要が生じるため、コストや工期の面で課題がある。特にうねりが発生する場合は、うねり形状を金型に見込んでも根本的な解決にならず、金型設計で対策をとることが非常に困難であった。また、縦壁にしごきを加える方法においては十分な潤滑を施さないと焼き付きが大きくなることや、金型寿命が短くなるなどの問題がある。焼き付きに効果のある固体潤滑剤などを用いる方法もあるが、コストや成形後の工程で脱脂が困難になるといった問題もあり実用的に使うことが難しい場合が殆どである。
ハット型断面の縦壁の開きや反り、ねじれ、稜線反りを低減する方法として、特許文献1のように縦壁に段差を設けて縦壁面に高さ方向の張力を発生させる方法が開発されている。しかし、長手方向に湾曲しているフレーム部品の縦壁面に発生するうねりは、部品長手方向の張力によって発生するため、特許文献1の縦壁の段差では、うねりを低減する効果はない。
特許文献2には縦壁面にステップを設けて屈曲部を有するチャンネル部品の開きやキャンバーを低減する技術が提案されている。しかしこれは、縦壁面中の長手方向に縮み変形を受ける部分の剛性を高める方法であり、縦壁面が長手方向に伸び変形を受けて発生するうねりの根本的な対策にはならない。
特開2004−314123号公報 特開2004−337980号公報
薄板のプレス加工、186頁(実教出版株式会社)
本発明は、上記のように従来技術の範囲では解決できない、ハット型断面形状のフレーム部品で長手方向に湾曲するフレーム部品のプレス成形において、該フレーム部品の縦壁面に発生するうねりやスプリングバックによる形状不良、寸法精度不良を解消することを課題とする。
ハット型断面形状の長手方向に湾曲した金属製フレーム部品をプレス成形により製造すると、離型時にスプリングバックによりフレーム部品の縦壁面に図1に示すようなうねりが発生する。これは、湾曲部内側の湾曲した縦壁面が伸びフランジ変形となるため、図2に示すように長手方向に強い引張を受けながら成形されるためと考えられる。長手方向に強い引張を受けながら成形されるとダイ肩での巻き付き状態が周方向で異なり、曲げ変形や曲げ戻し変形を受けるときの流入方向の引張力に変化が生じる。また、離型時には周方向に受けた引張力が除荷され圧縮となるため、材料が余り、うねりが発生するものと考えられる。つまり伸びフランジ変形となる湾曲部の領域の周方向の引張力がうねりの直接的な原因となっていると考えられる。
伸びフランジ変形において引張力が大きくなりすぎるとエッジから破断することもしばしばであり、このような伸びフランジ変形の引張力を十分に小さくする成形方法について、本発明者らは鋭意研究を進めてきた。その結果、前記湾曲したフレーム部材の縦壁面に図4に示すような凹部を形成することで、伸びフランジ変形部の引張力を減らすことが可能であり、離型時のうねりも小さく抑えられることを見出した。本発明は、この知見に基づき成されたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)長手方向の水平面内で湾曲したコの字型断面形状またはハット型断面形状のフレーム部品のプレス成形方法において、前記湾曲したフレーム部品の湾曲した縦壁面に深さ3mm以上の凹部を形成し、
前記凹部の面積が、前記湾曲した縦壁面の面積に対する比率が30%以上であり、
前記凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状であり、
前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部の縦壁面の高さ方向の長さが、前記縦壁面の高さの37%以上75%以下であることを特徴とする成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法。
)前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部が、前記湾曲したフレーム部品の長手方向において前記湾曲部の始終端から5mm以内の位置から始まり、75mm以上の長さを有することを特徴とする()に記載の成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法。
)前記台形状の凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線上に底辺を有し、凹部の側辺が、底辺に垂直な線に対し5度以上の角度有することを特徴とする(または(2)に記載の成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法。
長手方向の水平面内で湾曲したコの字型断面形状またはハット型断面形状のフレーム部品において、前記湾曲したフレーム部品の湾曲した縦壁面に深さ3mm以上の凹部を有し、
前記凹部の面積が、前記湾曲した縦壁面の面積に対する比率が30%以上であり、
前記凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状であり、
前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部の縦壁面の高さ方向の長さが、前記縦壁面の高さの37%以上75%以下であることを特徴とするハット型断面形状のフレーム部品。
(5)前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部が、前記湾曲したフレーム部品の長手方向において前記湾曲部の始終端から5mm以内の位置から始まり、75mm以上の長さを有することを特徴とする(4)に記載のハット型断面形状のフレーム部品。
(6)前記台形状の凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線上に底辺を有し、凹部の側辺が、底辺に垂直な線に対し5度以上の角度を有することを特徴とする(4)または(5)に記載のハット型断面形状のフレーム部品。
本発明によれば、ハット型断面形状のフレーム部品であって、長手方向に湾曲するフレーム部品のプレス成形において、形状不良や寸法不良を解消し、既存設備を活用して容易に、精度良く部品長手方向に湾曲した縦壁面を有するハット型断面形状のフレーム部品を得ることができる。さらに、製品の寸法精度を上げるため金型形状の調整を繰り返し行うこともなく、また、しごき加工を付加する必要もないため金型の寿命を低減することもないため、製造コストの大幅な低減と生産性の向上に顕著な効果を発揮する。
(a)はコの字断面の、(b)はハット型断面の長手方向に湾曲したフレーム部品で、縦壁面に発生するうねり現象の模式図を示す。 ハット型断面のフレーム部品で湾曲した縦壁面に発生する伸びフランジ変形による引張力の方向を示す。 ハット型断面のフレーム部品の断面図で稜線の位置を示す。 本発明によるうねり対策凹部形状の外観図と寸法記号を示す。(a)はコの字断面のフレーム部品に凹部を形成した例を示す。(b)は凹部を側面から見た図を示す。 本発明によるうねり対策凹部形状の個数が変わった場合の外観図を示す。(a)は凹部が1つの例、(b)は凹部が2つの例、(c)は凹部が3つの例 本発明を適用した実施例におけるうねりの評価断面の位置と評価値の模式図を示す。(a)は外観図を示す。(b)は、うねりの評価値の測定例を示す。
以下、本発明の実施例について説明する。
前述したように、ハット型断面形状の長手方向に湾曲した金属製フレーム部品をプレス成形により製造すると、離型時に、スプリングバックによりフレーム部品の縦壁面に図1に示すようなうねりが発生し、これは、伸びフランジ変形となる湾曲部の領域の周方向の引張力がうねりの直接的な原因となっていると考えられるからである。
そのため、湾曲した縦壁面に図4に示すような凹部を形成すると、縦壁上部と下部に長手方向の線長差が生じ、伸びフランジ変形部の引張力を減らすことが可能であり、離型時のうねりも小さく抑えられることを見出した。そして、凹部の形状について詳細に検討した結果、以下の知見を得た。
凹部の深さは3mm以上あればよく、3mm未満ではうねりを低減する効果を発揮しない。深さ5mm以上あれば、より望ましい。凹部形状はプレス成形において負角成形とならないように、湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含むように長方形や台形状の形で設定するのが望ましい。ここで、稜線とは図3に示すように成形品のパンチ肩にあたる部分の長手方向の線を言う。また、凹部をつけることにより元の設計形状から変化する。そのため、他部材との接合面となる部位には凹部を設定できない。その場合はいくつかに分けて凹部を設定することになるので、凹部の個数は特に定められるものではない。
うねり低減の観点では湾曲した縦壁面全体の面積に対する凹部領域の面積の比率(面積率S)が30%以上、できれば48%以上となるように設定することが望ましい。面積率Sは図4に示すように湾曲した縦壁面全体の面積のうち、斜線で示した凹部の投影面積が占める割合と定義する。これは、凹部設定により成形時に縦壁上部の周長が縦壁下部の周長より大きくなるため、縦壁下部で周囲の縦壁面から材料を寄せる効果が発生し、縦壁下部の伸びフランジ変形量が減少し、周方向の引張力も低減するためと考えられる。
そういった観点から、凹部形状は湾曲部の始終端の位置に設定するのが望ましく、できれば始終端から5mm以内、長くても10mm以内の位置から設定することが望ましい。
凹部の幅Wについても特に定めるものではないが、例えば図5に示すように凹部の数を複数に設置した場合、湾曲部の始終端に近い凹部の幅Wを75mm以上、少なくとも40mm以上とするのが望ましい。これは縦壁の下部で材料を寄せる効果は凹部の縦線の両側で反対方向に発生するため、幅Wが小さすぎると周囲の縦壁面から材料を寄せる効果が減少してしまうためである。
さらに凹部を形成することによる効果が大きいため、凹部の成形品縦壁の高さ方向の長さ(凹部の高さ)も制約されるものではないが、成形品の縦壁高さの37%以上の高さで設定すると大きな効果が得られる。これは37%以下では縦壁下部の材料を周囲から寄せる効果が十分に発揮できていないものと考えられる。できれば50%以上あることが望ましい。
このように縦壁面に凹部をつけることは縦壁下部のエッジ破断を防止するにも有効である。縦壁下部において材料呼び込み効果があると、湾曲部稜線方向の引張力が低減し、湾曲部の中央部付近の周方向最大ひずみが低減した。この効果は凹部形状によって効果が異なるが、凹部の個数を1個とするよりも2または3個に増やした場合に効果が顕著であった。
縦壁面に凹部をつけることはプレス成形時に局部的な面圧が高くなるため、場合によっては、成形中に素材と金型の間にかじりや焼き付きが発生し、成形品の外観が損なわれる場合がある。また、外観が損なわれるような局部高面圧が発生すると、金型の耐久性も低下し、自動車や家電部品などの量産部品としては適切な条件とならない場合もある。そこで、湾曲した縦壁面に加工する凹部の形状を、図4に示すように、パンチ金型の稜線を底辺とする台形形状とし、凹部の側辺が、底辺に垂直な線に対する角度(図4のθ)が5度以上となるようにすることで、成形時の局部高面圧を抑えることができる。この条件で、プレス成形すると、成形品にかじりや焼き付きなどの痕跡は見られず、外観表面品位として問題ない状態であった。
ハット型断面で成形するとコの字断面に比べコーナー部が増え剛性が上がるため、うねりは低減する傾向がある。ただし、ハットのフランジの寸法が小さいと図1に示すような同様のうねりが発生する。
本発明による効果は断面形状がコの字断面、ハット断面に関わらず得ることができる。断面形状は部品の設計に応じて決められるため、例えば、縦壁の高さが左右で異なるコの字型断面形状やハット型断面形状も含まれる。さらには、片側の縦壁にはフランジがなく、いわゆるコの字型断面の縦壁であり、もう片方がハット型断面の縦壁の場合も含み、原理的に断面形状が限定されるものではない。従って、冒頭に述べたように、本発明に係るコの字型断面形状またはハット型断面形状は、コの字型断面形状やハット型断面形状の類似形状も含むものである。
図6に示す湾曲した縦壁面を有するコの字断面のフレーム部品を対象に検討を行った。湾曲した縦壁面(内側)の曲率は半径400mmとした。鋼板は厚さ1.0mm、引張強さ590MPaの高張力鋼板を用い、成形品の断面幅が60mm、高さが80mmとなるように素板をレーザーカットで製作し準備した。また,湾曲縦壁面内側の曲率半径や成形高さ,材料強度を変えた試験も実施した。まずは、比較例1(No.1金型)となる凹部形状のない金型を能力200トンのプレス機に設置し、しわ押さえ荷重を20ton加えながらプレス成形した。素板には、予め複数の点を格子状に付しておき、非接触式のCCD3次元形状測定機で、得られた成形品上の点の座標値を取得し、設計形状のCADデータと比較し誤差量を調べた。図6(a)に示すパンチ上面から70mmの位置の断面での設計形状からの誤差量を評価し、湾曲部における誤差の最大値と最小値の差の絶対値をうねりの評価値△ywとしたところ(図6(b)参照)、No.1金型では△yw =18mmのうねりが発生したと評価される。また、あらかじめ素板に直径10mmのスクライブドサークルをエッチングにて転写しておき、成形後のエッジ部の周方向ひずみ量についても測定した。
本発明例の実験条件と実験結果について説明する。
実施した実験条件と実験結果を表1に記す。うねり量の評価結果では△ywが15mm以上を×、5〜15mmを△、5mm以下を○、3mm以下を◎とした。またエッジ部の周方向のひずみ量は16%以上を×とし、12〜16%を△、12%以下を○とした。成形品の外観を目視にて評価し、かじり痕が大きく発生した場合を×、かじり痕が小さい場合を△、かじり痕が見られない場合を○とした。
まず、湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む深さ5mmの台形状の凹部を一個つけた金型(No.2〜6金型)を準備し、プレス成形を行った。凹部の高さhを10、20、30、40、60mmと変えて影響を調べた。縦壁高さH(本実施例ではH=80mm)との比率h/Hはそれぞれ12.5、25、37.5、50、75%である。うねりの評価値△ywは比較例1に比べいずれも減少した。特にhが30mm以上(h/Hが37.5%以上)では大きな低減効果が得られた。次に凹部の高さhは40mm一定のまま深さを2mmとした比較例2金型(No.7金型)と深さを3mmとした金型(No.8金型)で実験を行った。深さ2mmの場合は比較例1とうねり量にほとんど変化は見られなかったが、深さ3mmでうねり量は低減することから、凹部の深さ3mm以上で効果が発現することが分かった。
さらに、凹部深さ5mm、凹部高さ40、60mmの条件において凹部の幅を変更して設置する個数を変えた金型(No.9〜12金型)を用いて実験を行った。いずれの場合もうねり低減効果見られたが、凹部の数を増やすと効果が小さくなった。これより、凹部の幅が75mm以上ないと大きな効果が得られないことが分かった。
次に、凹部の高さ方向の縦線の稜線からの角度を0°(長方形形状)、または3、7、9°(台形形状)とした金型(No.13〜16金型)を用いて実験した。いずれの場合もうねり量は低減したが、0°と3°の場合は成形品の凹部の縦線部で金型とのかじり痕が若干見られた。また、次に比較例1の金型を用いて成形高さ60mmまで成形しておき、No.5金型を用いてしわ押さえを加えないで成形するリストライク成形(No.17)を行った。評価結果ではうねり量△ywも大きく低減し十分な効果が得られた。さらに外観表面品位も問題なく良品が得られることが分かった。
同じ材料を用いて成形品の高さが60mmとなるように素板をレーザーカットで準備してNo.1、No.4金型で成形した結果を実施例のNo.18、19に記す。また、湾曲部の縦壁面内側の曲率半径を300mmとし、凹部形状がない金型(No.20金型)と凹部形状がNo.5金型と同等の金型(No.21金型)を準備し、同じ材料で成形した。さらに板厚1.0mm、引張強さが780MPaの高張力鋼板を用いてNo.1、No.5金型で成形した結果を実施例No.22、23に記す。No.18〜23の結果から、いずれの条件においても本発明例ではうねり量△ywは低減し、十分な効果が得られた。
以上のように本発明例により比較例に比べうねり量を低減でき、寸法精度に優れるフレーム部品を得られることができた。特に凹部形状の高さを縦壁高さの37%以上とし、凹部の幅を75mm以上設定した場合に効果が絶大であった。さらに本発明例では比較例に比べエッジ部のひずみが低下しており、エッジ破断の危険性を低減する効果もあることがわかった。本発明によれば金型形状の調整を繰り返し行うことなく、コの字型断面形状またはハット型断面形状で長手方向に湾曲したフレーム部品を、精度よく得ることができる。
Figure 0005332925
本発明は、建築用の梁はもとより、自動車用のフレームなど、産業機械、建築分野を問わず、広く、コの字型断面形状またはハット型断面形状で長手方向に湾曲したフレーム部品を使用する産業分野において、利用することができる。そのフレーム部品を精度よく製造できることから、部品生産の生産性や歩留まり向上に大きく貢献するものと確信する。
1 コの字断面フレーム部品
2 ハット型断面のフレーム部品
3 フレーム部品の長手方向湾曲部分
4 湾曲した縦壁面
5 発生したうねり
6 稜線
7 凹部
8 凹部深さ
41 湾曲した縦壁面の始点
42 湾曲した縦壁面の終点
h 凹部形状の高さ
H 縦壁高さ
d 湾曲部縦壁の始終端から凹部形状までの距離
W 凹部形状の幅
θ 凹部形状の高さ方向の線が稜線に垂直な線となす角度

Claims (6)

  1. 長手方向の水平面内で湾曲したコの字型断面形状またはハット型断面形状のフレーム部品のプレス成形方法において、前記湾曲したフレーム部品の湾曲した縦壁面に深さ3mm以上の凹部を形成し、
    前記凹部の面積が、前記湾曲した縦壁面の面積に対する比率が30%以上であり、
    前記凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状であり、
    前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部の縦壁面の高さ方向の長さが、前記縦壁面の高さの37%以上75%以下であることを特徴とする成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法。
  2. 前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部が、前記湾曲したフレーム部品の長手方向において前記湾曲部の始終端から5mm以内の位置から始まり、75mm以上の長さを有することを特徴とする請求項に記載の成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法。
  3. 前記台形状の凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線上に底辺を有し、凹部の側辺が、底辺に垂直な線に対し5度以上の角度有することを特徴とする請求項1または2に記載の成形品の寸法精度に優れたプレス成形方法。
  4. 長手方向の水平面内で湾曲したコの字型断面形状またはハット型断面形状のフレーム部品において、前記湾曲したフレーム部品の湾曲した縦壁面に深さ3mm以上の凹部を有し、
    前記凹部の面積が、前記湾曲した縦壁面の面積に対する比率が30%以上であり、
    前記凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状であり、
    前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部の縦壁面の高さ方向の長さが、前記縦壁面の高さの37%以上75%以下であることを特徴とするハット型断面形状のフレーム部品。
  5. 前記湾曲した縦壁面の稜線を一辺に含む長方形または台形状の前記凹部が、前記湾曲したフレーム部品の長手方向において前記湾曲部の始終端から5mm以内の位置から始まり、75mm以上の長さを有することを特徴とする請求項に記載のハット型断面形状のフレーム部品。
  6. 前記台形状の凹部が、前記湾曲した縦壁面の稜線上に底辺を有し、凹部の側辺が、底辺に垂直な線に対し5度以上の角度有することを特徴とする請求項4または5に記載のハット型断面形状のフレーム部品。
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