JP6112226B2 - プレス成形方法、及びプレス成形部品の製造方法 - Google Patents

プレス成形方法、及びプレス成形部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、断面コ字状やハット形など、少なくとも天面部とその幅方向両側の側壁部とを有する断面形状をもち、且つその断面に交差する、例えば直交する方向である長手方向に湾曲した湾曲部分を有する部品形状に成形するプレス成形法、及びプレス成形部品の製造方法に関する。
本発明は、特に、引張強度が590MPa以上の高張力鋼板やアルミニウム合金板等の、延性やランクフォード値が劣る難成形部材からなる金属板を、長手方向に湾曲部分を有する部品形状に成形するのに好適な技術に関する。
自動車や家電などで使用される多くの金属部品は、平坦な金属板を様々な形状に変形させることで作られる。金属部品を大量生産する場合、プレス機と金型を用いて金属板を変形させるプレス成形方法が広く用いられている。通常、加工前の金属板は平坦であるから、それを複雑な立体形状に変形させる場合、金属板は、立体形状に合わせた形状に伸び縮みをすることになる。しかし、部品形状(立体形状)が複雑になるほど、立体形状に合わせた伸び縮みを金属板に与えることは困難になる。特に、使用する金属板が、引張強度が590MPa以上の高張力鋼板やアルミニウム合金板等の場合や、延性やランクフォード値が劣る難成形部材の場合なほど、自由な立体形状への成形が困難になる傾向にある。
プレス成形の際に、立体形状に合わせた伸び縮みを金属板に与えられない場合、金属板に割れやしわといった成形不良が発生する。例えば、金属板が立体形状に変形させられる際、金属板の長さが不足して周囲から不足分を補えない部位では、金属板は必要以上に伸びざるを得ず、その結果、金属板が自身の延性を超えて引っ張られると割れが発生する。一方、立体形状に変形させられる際に金属板の長さが縮まなければならない場合や、周囲から過剰に材料が流入する部位では、成形後のプレス成形部品にしわが発生しやすい。
プレス成形が困難な部品形状の例として、図1及び図2に示すような、断面形状がコ字状やハット形で且つその断面と垂直な断面と交差する方向(部品の長手方向、以下、単に長手方向と呼ぶ場合もある)に湾曲部分を有する部品形状がある。このような複雑な部品形状に平坦な金属板から成形する場合、上記湾曲部分で発生する引張変形や圧縮変形によって、成形後のプレス成形部品に割れやしわが発生しやすい。
ここで、プレス成形では割れやしわの発生を抑制させる方法として、ドロー成形のように金属板を金型で挟むことで、金属板に張力を与えながら成形する方法がある。この方法では、金属板に付与する張力を強めれば金属板が立体形状部へ過剰に流入しにくくなり、しわの発生を防ぐことができる。逆に金属板に付与する張力を弱めれば、金属板が立体形状部へ流入しやすくなり、割れの発生を防ぐことができる。
そして、特許文献1では、ビードと呼ばれる凹凸形状を用いて、成形途中に必要な張力を適正に変化させることが提案されている。また、特許文献2では、金属板の幅方向の端部の剛性を高めることで、金属板が流入する抵抗力を高め、しわの発生を抑制することが提案されている。
特開平9−29349号公報 特開2013−169578号公報
特許文献1に記載の方法では、金属板に与える張力を変化させるために、可変ビードの押圧力を制御する機構を絞り成形装置に設ける必要がある。このため、特許文献1に記載の方法では、成形装置の製造コストが高くなる。また、一般に、高張力鋼板やアルミニウム合金などは絞り成形性を示すランクフォード値が劣るため、通常の絞り成形により複雑な立体形状を成形するには限界がある。
また特許文献2に記載の方法は、長手方向に湾曲した部品に、フランジ部に縮み変形に対抗する高剛性部を設けることで、湾曲形状に起因した肉余りによってフランジ部で発生するしわを抑制する。しかし、特許文献2に記載の方法は、フランジ部以外の例えば側壁部や天面部にしわが発生する場合に対しては有効な解決方法とはならない。また、上記の肉余りは、平坦な形状の金属板を湾曲した複雑な形状に変形させようとする際に、金属板の一部が過剰に余ることで発生する。そのため、特許文献2に記載の方法では、フランジ部だけでなく部品形状全体で発生する金属板の過不足を考えなければ、しわや割れ等の成形不良が別の部位で発生するおそれがあるという課題がある。
本発明の目的は、上記のような点について着目してなされたもので、コ字状やハット形などの断面形状を有し長手方向に湾曲部分を有する部品形状に成形する際に、割れやしわの発生をより抑制可能な技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、少なくとも天面部とその左右両側に連続する側壁部とを有するコ字状又はハット形の断面を有し且つ上記断面に交差する方向である長手方向に1又は2以上の湾曲する湾曲部分を有する部品形状に、金属板を成形するプレス成形方法である。本発明の一態様は、上記金属板の長手方向における上記湾曲部分の両側若しくは片側の板部分に対し、上記湾曲させる方向に応じた面内せん断変形を付与する第1の工程と、上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状にプレス成形する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、少なくとも天面部とその左右両側に連続する側壁部とを有するコ字状又はハット形の断面を有し且つ上記断面に交差する方向である長手方向に1又は2以上の湾曲した湾曲部分を有する部品形状に、金属板を成形してプレス成形部品を製造するプレス成形部品の製造方法である。本発明の他の態様は、上記金属板の上記長手方向における上記湾曲部分の両側若しくは片側の板部分に対し、上記湾曲させる方向に応じた面内せん断変形を付与する第1の工程と、上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状にプレス成形する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の工程で金属板に面内せん断変形を予め付与してから、第2の工程で目的の部品形状にプレス成形する。
これによって、湾曲部分での過剰な材料の移動が抑制される結果、コ字状やハット形などの断面を有し断面に交差する長手方向に湾曲部分を有する複雑な部品形状に成形する際に、割れやしわの発生を抑制可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る部品形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は、長手方向かつ斜め上からみた斜視図である。 図1における各断面図を示す図であり、(a)はA−A断面図、(b)はB−B断面図、(c)はC−C断面図である。 しわ、割れの成形不良を説明する側面図である。 金属板の長さの過不足を説明する図であり、(a)は第1の工程を行わない場合で、(b)が第1の工程を実施した場合を示す。 第1の工程で使用する金型を示す概念図である。 第1の工程で示す金型を説明する図である。 金型と金属板との関係を示す上面図である。 パンチの肩部のプロフィールの別例を示す図である。 第1の工程による絞り成形による金属板の成形品を示す図であって、(a)は板幅方向からみた図、(b)は長手方向から見た図である。 金属板状の格子AAの変形を示す図であり、(a)は成形前、(b)は成形後の格子の状態を説明する図である。 金属板が強く引っ張られる部位を示す長手方向から見た図である。 引張力によって金属板が受ける変形を説明する図であって、(a)が成形前、(b)が成形後の状態を示す。 しわを示す図であって、(a)は板幅方向からみた図、(b)は長手方向から見た図である。 プロフィールの変形例である。 プロフィールの変形例である。 プロフィールの変形例である。 プロフィールの変形例である。 第2の工程でのフォーム成形で使用する金型を示す概念図である。 第2の工程での成形状態を示す図である。 第2の工程でのドロー成形で使用する金型を示す概念図である。 変形例を説明する図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
筆者らは、使用する金属板が、延性やランクフォード値の劣る高張力鋼板やアルミニウム合金板のような難成形部材であっても、図1及び図2に示すような部品形状1(プレス成形部品)に成形して製造する際に、部品形状1に割れやしわが発生することなく成形できるプレス方法について、下記の検討を行った。
すなわち、平坦な金属板を、1回のプレス成形で図1のような部品形状1に成形する場合、図3に示すような引張り変形や圧縮変形が長手方向の各湾曲部分に発生し、割れやしわの発生原因となる。図3の成形不良を引き起こす原因となる引張り変形や圧縮変形について、隣り合う湾曲部分2a、2b間の側壁部Aを基準に考えると、図4(a)のように、金属板の長さの過不足が側壁部Aの周辺に発生している。これらの金属板の過不足が発生しないように予め金属板を変形させることができれば、成形不良は発生しないことになる。そのことから、発明者らは、金属板の長さが過剰な部位から不足している部位に向かって、図4(b)のように材料が移動すればよいことに思い至った。つまり、側壁部Aの金属板に対し、板面内でのせん断変形(面内せん断変形)を予め付与しておけば良いことに思い至った。また天面部1Aで上記のような現象が発生する場合には、天面部1Aに上記のような面内せん断変形を予め付与しておけばよい。
すなわち、目的の部品形状1が有する長手方向の湾曲の方向に応じて、面内せん断変形を金属板に発生させる工程を予め施した後に、フォーム成形やドロー成形などの一般的なプレス成形法により、目的の部品形状1へ成形することで、湾曲部分での過剰な材料の移動が抑制されることを見出した。これによって、コ字状やハット形などの断面を有し且つ長手方向に湾曲部分を有する部品形状1に成形する際に、部品形状1に対する割れやしわの発生を抑制することが可能となる
このように、本発明に基づいてプレス加工を行うことで、長手方向に3次元的に曲がった自動車部品等の部品をプレス加工で成形する際であっても、従来であれば発生する可能性があった割れやシワを抑制することが可能となる。本発明は、特に、金属板として590MPa以上の高張力鋼板やアルミ合金板などの難成形部材を用いて成形するプレス成形部品の製造に好適となる。
「プレス方法」
プレス成形後の部品形状1(プレス成形部品)は、少なくとも天面部1Aとその左右幅方向両側に連続する側壁部1Bとを有する断面コ字状、若しくは、側壁部1Bの外周にフランジ部1Cを有するハット形の断面形状となっている。更に、上記の部品形状1は、上記断面(板幅方向)に交差する方向である、長手方向の一箇所若しくは2箇所以上に湾曲部分を有する。
本実施形態では、成形後の目的の部品形状1として、図1及び図2のような、断面ハット形で長手方向に2箇所の湾曲部分2a、2bを有する部品形状1に成形する場合を例に挙げて説明する。すなわち、本実施形態の部品形状1は、断面ハット形であり且つ長手方向に2箇所、天面部1Aが凸に湾曲(屈曲)する部分2aと天面部1Aが凹に湾曲(屈曲)する部分2bの場合である。但し、湾曲部分は1箇所でも良いし、3箇所以上であっても良い。また2箇所であっても、その隣り合う2箇所の湾曲部分がともに同方向に湾曲した形状であっても構わない。
そして、本実施形態のプレス成形方法は、次の第1の工程と第2の工程の2工程を備える。
第1の工程では、平坦な金属板6(図5,図6参照)に対して、金属板6の長手方向における上記湾曲部分2a、2bの両側若しくは片側の板部分に対し、上記湾曲させる方向に応じた面内せん断変形を付与する。本実施形態の長手方向の湾曲は、上述のように、主に天面部1Aの板厚方向へ湾曲した形状の場合であるので、第1の工程で上記面内せん断変形を付与する部分は、左右の側壁部1Bとする。また、本実施形態では、湾曲部分の長手方向片側に対し面内せん断変形を付与する場合を例示するが、湾曲部分の長手方向両側に面内せん断変形を付与しても良い。
ここで、目的の部品形状1における長手方向の湾曲が、幅方向(側壁部1Bの板厚方向)へ湾曲した形状の場合には、天面部1Aに面内せん断変形を付与するように成形を施せばよい。すなわち、面内せん断変形を付与する板部分を、長手方向に沿った幅方向への湾曲の方向に応じて適宜決定すれば良い。
第1の工程の成形は、例えば絞り成形によって行う。
第2の工程では、第1の工程で上記面内せん断変形を施した板材を、フォーム成形やドロー成形などの一般のプレス方法で、目的の部品形状1にプレス成形する。
「第1の工程」
第1の工程では、図5,図6に示すように、断面円形の円柱状のパンチ3と、そのパンチ3が通過するダイ穴4aが開口したダイ4を備える金型を使用する。ダイ穴4aの形状はパンチ3と同形形状とする。ダイ穴4aの開口部がダイ4の肩部となる。
上記パンチ3の肩部3aの周方向に沿ったプロフィール(図5、図6におけるパンチ3上端面の外周輪郭形状)は図7のように円形であって、その円の直径は、金属板6の板幅より大きくなっている。なお、パンチ3の肩部3aの円の直径は、金属板6の加工条件に応じて、金属板6の板幅と同じ程度の寸法若しくは板幅よりも小さくても構わない。
そして、先ず、金属板6をダイ4の上に設置する。このとき、上面図である図7に示すように、上記パンチ3における円形形状の上端面の中心が、金属板6の幅方向中央に位置し、且つパンチ3の肩部3aが当接する金属板6の板部分が、目的の形状において凸側の湾曲部分2aの位置となるよう調整する。また、ダイ穴4aの外周に位置する金属板部分の上に、しわ押さえ5を設置して、パンチ3の通過位置の外周に位置する金属板6を押さえた状態とする。しわ押さえ5による金属板6の押さえは、パンチ3の上昇に伴い、金属板6がパンチ3側に向けて、しわが発生しないで移動可能な程度な案内状態に設定する。
続いて、パンチ3を上昇させて絞り成形を施す。パンチ3の上昇量は、上記長手方向における2つの湾曲部分2a、2b間の長さに設定することが好ましい。
これによって、凸となる湾曲部分2aに凸方向の曲げが付加されると共に、凹となる湾曲部分2bに凹方向の曲げが付加される。更に、後述のように、凸となる湾曲部分2aと凹となる湾曲部分2bとの間に位置して側壁部1Bとなる部分には、パンチ3の上昇に伴い、連続的に長手方向に向けて、湾曲方向に沿ったせん断変形が順次、付加される。
この本実施形態では、パンチ3の上端面中心位置を境に、左右対称な形状に金属板6が成形され、そのパンチ3の上端面中心位置で板幅方向に切断(トリム)することで、2つのプレス成形部品に分割される。凸となる湾曲部分2aから長手方向左側(凹となる湾曲部分2a、2bとは反対方向)の長さがパンチ3の半径よりも長い場合には、パンチ3として、図8に示すような、断面楕円形形状(図8(a))や、左右の円弧の間に矩形部分がある形状(図8(b))など、他の断面形状のパンチを使用することで、凸となる湾曲部分2aから長手方向左側までの長さを確保すればよい。すなわち、本実施形態は、パンチ3のプロフィールのうち、パンチ3が金属板6に当接して曲げを付加する部分以外のプロフィール形状には何ら制限は無い。
加工される平坦状の金属板6は、図7に示すような長方形形状の平板とする。この実施形態の説明では、説明する際の座標として、パンチ3の上端面の中心と対向する金属板6の中央部を原点Oとし、金属板6の長手方向をX軸、金属板6の板幅方向をY軸、板厚方向(パンチ3のストローク方向)をZ軸として説明する。
金属板6及び絞り成形条件の一例を、次に例示する。
本実施形態の金属板6は、矩形であり、幅W=100mm、長さL=800mm、板厚1.0mmの板材であって、金属板6の材質は1180MPa級冷延鋼板である。パンチ3とダイ4、しわ押さえ5はともに円筒形状であり、ダイ穴4aの曲率半径Rd(ダイ肩の曲率半径)は90mmとし、クリアランスCL(パンチ3とダイ4の隙間(パンチ3の肩半径とダイ穴4aの半径との差))は金属板6の板厚と同じ1.0mmとし、しわ押さえ荷重は金属板6にしわが発生しないと想定される10tonfに設定する。
そして上述のようにパンチ3をZ軸方向(本実施形態では上下方向)に動かすことで、ダイ4としわ押さえ5により挟み込まれた金属板6の板部分は、ダイ肩部で連続的に曲げられつつ、X軸方向(パンチ3側)及びZ軸方向に移動しながら、パンチ3とダイ4の隙間へ流入していく。このとき、パンチ3の肩部3aにおいては、中央側が相対的に突出しているのに対し金属板6は平坦であることから、パンチ3の肩部3aに当接する金属板6部分は幅方向中央側(第1荷重部)が強く引っ張られる。一方、ダイ4の肩部4b(ダイ穴4aの開口端部外周)においては、板幅方向左右側が相対的にポンチ側に突出していることから、ダイ4の肩部4bに位置する板部分は、曲げられながら、幅方向両側(第2荷重部)で強く引っ張られる。このため、側壁部となる部分には、第1荷重部と第2荷重部とを結ぶ方向、つまり板幅及び長手方向の両方に対し傾斜した斜め方向に引っ張られながら絞り成形が行われる。なお、この例では、パンチ3の移動に従って、金属板における第2荷重部の位置(ダイ肩部と当接する位置)が、凹側の湾曲部分2b側に移動する。
ここで、金属板6が成形前後でどのように変形したのかを視覚的に理解しやすいように、加工前の金属板6の表面に対し、図7に示すように、それぞれのマスが正方形形状の格子状のマーキングを記しておいた。
上記金型を用いて矩形金属板6を絞り成形し、成形品の中央部(パンチ3の中央部に当接した部分)でトリムした結果、割れやしわ等の成形不良が発生することなく図9のような成形品を得た。
この成形品を観察した結果、ダイ4の肩部を通過した金属板部分(2つの湾曲部分2a、2bの間の部分)は面内せん断変形をしており、特に格子AA(図9参照)のように板幅の中央から端部の間で、図10に示すような大きな面内せん断変形が発生していることが確認できた。また、この絞り成形では、一般的な絞り成形とは異なり、ダイ4の肩部の曲線(プロフィール)における周方向への縮み変形があまり発生しないため、本実施形態は絞り成形性(ランクフォード値)の劣る難成形部材への適用に適している。
次に、上記面内せん断変形が発生する理由を、図5〜図7に示した金型形状を用いて、詳細に説明する。
ZY平面からパンチ3の肩部3aまでの距離が金属板6の幅方向で差がある場合、YZ平面上からX軸方向に最も遠い位置にあるパンチ3の肩部の中央部(第1荷重部Fa)が金属板6を強く引っ張る。一方、ダイ4側に着目すると、YZ平面上からY軸方向に最も近い位置にあるダイ穴4aの肩部の外周側(第2荷重部Fb)が金属板6を強く引っ張る。したがって、金属板6はパンチ3により中央部が相対的に大きな張力を受け、ダイ4により板の幅方向端部が相対的に大きな張力を受ける。図11に矩形金属板6が1工程目成形途中にパンチ3とダイ4により張力を受ける部位を示す。その結果、しわ押さえ5部からダイ4肩を通過する金属板6は図12(a)のように3箇所から引っ張られるため、図8(b)のような変形を受ける。
このように、第1の工程では、上記金型を使用して金属板6に絞り成形を行うことで、天面部1Aに位置する第1荷重部Faと、その第1荷重部Faと上記長手方向に離れた且つ側壁部1Bとなる位置よりも板幅方向外側の板部分に位置する第2荷重部Fbとの間で引張り力が発生するように、せん断変形が少なくとも側壁部1Bとなる板位置に付与される。
特に、本実施形態では、パンチの移動に伴って第2荷重部Fbの位置が連続して移動することで、2つの湾曲部分2a、2b間に距離があっても、より確実に長手方向に沿ってせん断変形を板材に付与可能となる。
図12に示す例では、天面部1Aの幅方向中央位置が第1荷重部Faに相当し、幅方向外端部つまり左右のフランジ部1Cに第2荷重部Fbが位置する。この第1荷重部Faと第2荷重部Fbとで一番強く引っ張られる結果、長手方向に対し斜めに引張荷重が付加され、もって板に面内せん断変形が発生する。
この第1の工程での成形では、クリアランスCL(図7参照)は金属板6の板厚の0.5倍以上1.5倍以下が好ましい。板厚の0.5倍未満となると、金属板6の表面がパンチ3の側面とダイ穴4aの内周面によって強くしごかれることで、割れが発生しやすくなる。一方、板厚の1.5倍よりも大きくすると、せん断変形による板の歪みから、金属板6の幅方向端部付近に図13に示すようなしわが発生しやすくなる。そして、次工程である第2の工程で、そのしわを除去することが困難な場合が多い。ただし、パンチ3とダイ4の周方向に沿った隙間全体を上記範囲に規定する必要はない。少なくとも図13のようなしわが発生しやすい金属板6の幅方向端部付近のクリアランスだけを、板厚の0.5倍以上1.5倍以下にすれば良い。
なお、金属板6の幅方向端部を次工程以降の工程にてトリム加工で除去する場合や、その幅方向端部を最終製品形状の中に含まない場合など、金属板6の幅方向端部にしわが発生しても良い場合は、クリアランスCLに対する制約はない。
上記説明では、ダイ4の肩部の周方向に沿ったプロフィール(特に金属板6と当接する部分のプロフィール)が一定の曲率半径Rdの円であり、パンチ3の肩部3aのプロフィール(特に金属板6と当接する部分のプロフィール)が一定の曲率半径Rp(Rp=Rd−Cl)の円である場合を例示した。しかし、この形状に限定されるわけでない。
例えば、パンチ3の肩部3aにおける、金属板6の中央部が当接する部分と、金属板6の板幅方向端部が当接する部分とが、長手方向(X軸方向)にオフセット、つまり長手方向に離隔した形状のプロフィールを有するパンチ3を使用すればよい。つまり、パンチ3の肩部3aまでの、金属板6の板幅方向の中央側部位置と上記金属板6の板幅方向端部と当接する端縁部とが、上記長手方向(X軸方向)に離隔しており、パンチ3の肩部のプロフィールとして、上記中央側部位置から上記端縁部に向かうほど、上記中央側部位置からの上記離隔量が大きくなる輪郭形状となっていれば良い。ちなみに上記離隔量が大きいほど、付与するせん断変形は大きくなると思われる。
プロフィールは、図7のように、ZY平面からパンチ3の肩部と当接する部分(以下、境界とも記載する)までの最短距離Dminと最長距離Dmaxの距離との差ΔDができるような形状となっていればよい。このため、パンチ3の肩部のプロフィールは、図14〜図15のような直線部と曲線部の両方をもつプロフィールや、図16のような楕円形状のプロフィールであっても良い。また、プロフィールは、その他にも、放物線、複数の直線と曲線を組み合わせた形状、S字、W字、多角形などでも良い。但し、中央側部から端縁部に向かうにつれて、中央側部からの長手方向の距離が長くなるようにすることが好ましい。
また、図17のように曲線の中心軸がダイ4側にあるプロフィールの形状であっても良い。
ここで、最短距離Dminと最長距離Dmaxとなる、それぞれの境界位置に対する板幅方向の距離をΔW(図17参照)とすると、ΔDとΔWの比は0.01≦ΔD/ΔW≦10の範囲であることが好ましい。ΔD/ΔWが0.01よりも小さくなると、板幅に対してΔDが小さくなり過ぎるため、部品形状1を次工程で成形するために必要な面内せん断変形を金属板6へ与えることができなくなるおそれがある。一方、ΔD/ΔWが10よりも大きくなると境界線の形状が急激に変化する部位ができるため、その部位で金属板6が自身の延性を超えて局所的に変形させられ、割れが発生しやすくなる。ΔDとΔWの比は0.1≦ΔD/ΔW≦5の範囲であることがより好ましい。
ここで上記第1の工程の例では、絞り成形で面内せん断変形を発生する場合を例示したが、第1荷重部Faと第2の荷重部間に引張力を付加する加工であれば、第1の工程の処理は、絞り成形に限定されない。
「第2の工程」
第2の工程では、第1の工程で図9のようにせん断変形を付与した後、目的の部品形状1に沿った金型を使用して、目的の部品形状1に曲げ変形させるようにプレス成形を行うことでプレス成形部品とする。すなわち、部品の側壁部1Bやフランジ部1Cを成形し、長手方向に湾曲した部品形状1に成形する。
この第2の工程のプレス成形での曲げ変形の与え方に特に制限はないが、一般的なプレス成形法である図18で例示されるフォーム成形の金型10、11や図20で例示されるドロー成形の金型12〜14を用いたり、カム機構を用いることが好ましい。
ここで、図18において、符号10はダイを、符号11はパンチを示す。図20において、符号12はダイを、符号13はパンチを、符号14はしわ押さえを示す。
また、天面部1Aでのしわの発生をより抑えたりプレス成形部品を固定する目的で、パッドを用いることもできる。すなわち、パンチの頭とパッドとで天面部1Aとなる部分を挟んで拘束した状態で、プレス成形を実施してプレス成形部品を製造しても良い。
また、例えば、パンチ底の幅と側壁部1Bの高さは、金属板6の板幅Wの1/4、側壁部1Bの角度は、80°、クリアランスCLは板厚と同じに設定すればよい。
第2の工程における、金型による成形では図19に示すように、割れやしわが発生することなく長手方向に湾曲した部品形状1を得ることができ、第1の工程で面内せん断変形が発生した金属板6の位置が側壁部Aに位置していることが確認出来た。
予め第1の工程で付与する面内せん断変形により、第2の工程後の側壁部Aの周辺で発生する金属板6の過不足が小さく抑制される。このため、第2の工程目の成形金型として複雑な構造や成形を行う必要はなく、フォーム成形の他、図20のようなドロー成形金型でも良い。
なお、断面形状がコ字状であり、長手方向に湾曲した部品形状1を作製するには、金属板6の板幅Wに対して第2の工程目の金型の側壁部の高さとパンチ底部の幅の合計の長さを長くすればよい。
ここで、第2の工程において、同一タイミングで目的の部品形状1に曲げ成形する必要はない。例えば、凸側の湾曲部分2aを先に曲げる加工を行った後に、凹側の湾曲部分2bを曲げるように曲げ加工を行うなど各湾曲部の加工のタイミングをずらして曲げを実施しても良い。
このように、タイミングをずらすことで、材料の流れがよりズムーズとなり、最終形状の精度が向上する。
(変形例)
上記説明では、第1の工程において、XZ平面に対称な金型形状の場合を記載しているが、XZ平面に非対称な金型形状を用いてもよい。この場合、図21(a)のように、天面部1Aが長手方向に沿ってS字状など板幅方向に湾曲する場合に対応可能となる。
すなわち、非対称な金型を用いた場合、第1の工程によって、金属板の側壁部1Bや天面部1AにはXZ平面に非対称な面内せん断変形が発生する。そのため、その金属板を第2の工程でプレス成形した場合、図21のような長手方向に捻れた部品形状を成形しやすくなるといった効果を奏する。これは図21の部品の場合、天面部1Aに連続する左側と右側の側壁部1Bで割れやしわを抑制するために必要な金属板の長さの過不足が異なるためである。その過不足に応じて上記非対称な金型を設定すればよい。
またこのとき、第1の工程において、天面部1Aにも幅方向の湾曲に応じた面内せん断を付与しておいても良い。
(本実施形態の効果)
(1)少なくとも天面部1Aとその左右両側に連続する側壁部1Bとを有する断面コ字状で且つ上記断面に交差する方向である長手方向に湾曲する1又は2以上の湾曲部分2a、2bを有する部品形状1に、金属板6を成形するプレス成形方法である。上記金属板6の長手方向における上記湾曲部分2a、2bの両側若しくは片側の板部分に対し、上記湾曲させる方向に応じた面内せん断変形を付与する第1の工程と、上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状1にプレス成形する第2の工程と、を備える。
この構成によれば、第1の工程で、金属板6に湾曲方向に沿った面内せん断変形を付与してから、第2の工程で目的の部品形状1にプレス成形してプレス成形部品を製造する。
予め面内せん断変形を付与することによって、湾曲部分2a、2bでの過剰な材料の移動が抑制される。この結果、コ字状やハット形などの断面を有し断面に交差する長手方向に湾曲部分2a、2bを有する部品形状に成形する際に、割れやしわの発生を抑制可能となる。
(2)部品形状1の湾曲部分2a、2bが、天面部1Aが凸若しくは凹となるように湾曲する場合、第1の工程による面内せん断変形は、側壁部1Bとなる板部分に付与する。
天面部1Aの板厚方向に湾曲させる場合、主として側壁部で金属板6の長さの過不足が発生する。
この構成によれば、長さの過不足が発生する側壁部に予め面内せん断変形を付加することで、コ字状やハット形などの断面を有し断面に交差する長手方向に湾曲部分2a、2bを有する形状に成形する際に、割れやしわの発生を抑制可能となる。
(3)上記部品形状1が長手方向に2以上の湾曲部分2a、2bを有する場合、第1の工程において、隣り合う湾曲部分2a、2b間に上記面内せん断変形を付与する。
この構成によれば、隣り合う湾曲部分2a、2b間に上記面内せん断変形を付与することで、2箇所の湾曲部での割れやしわの発生を共に抑制可能となる。
(4)第1の工程では、上記天面部1Aに位置する第1荷重部Faと、その第1荷重部Faと上記長手方向に離れた且つ上記側壁部1B若しくは該側壁部1Bよりも板幅方向外側の板部分に位置する第2荷重部Fbとの間で引張り力が発生するように、上記金属板6に絞り成形を行って上記せん断変形を発生させる。
この構成によれば、板長手方向に対し傾斜した方向に引張力が入力出来て、面内せん変形を付与可能となる。
(5)絞り成形に使用されるパンチ3の肩部3aのプロフィールは、上記金属板6の板幅方向の中央側部位置に当接する中央側部と上記金属板6の板幅方向端部と当接する端縁部とが上記長手方向に離隔し、且つ上記中央側部から上記端縁部に向かうにつれて、上記中央側部からの上記離隔量が大きくなる輪郭形状となっている。
なお、パンチ3の肩部のプロフィール形状でダイ穴4aのプロフィール形状も同形状に設定される。
この構成によれば、湾曲部分2a、2bに曲げを付与しつつ、必要なせん断変形を付与可能となる。
(6)中央側部と上記端縁部の上記離隔量をΔD、上記中央側部と上記端縁部との板幅方向の距離をΔWと定義した場合に、0.01≦ΔD/ΔW≦10を満足する。
この範囲であれば、せん断変形を付与することが可能となる。
(7)第1の工程で使用するパンチ3とダイ4との間の隙間を、上記金属板6の板厚の0.5倍以上1.5倍以下とする。
この構成によれば、絞り成形によって板幅端部に発生するしわを低減若しくは抑えることが可能となる。
(8)パンチ3の肩部3aの上記プロフィールは、上記金属板6の板幅方向中央側に当該金属板6の板幅方向の延びる平行部を備え、その平行部の端部に上記中央側部が位置している。
この構成によれば、板幅方向中央側部への引張力の付加を低減可能となって、幅方向中央側でのしわ発生を効果的に抑制可能となる。
(9)パンチ3の肩部3aの上記プロフィールのうち、上記中央側部と上記端縁部との間のプロフィールは直線若しくは円弧状となっている。
この構成によれば、面内せん断力を付与可能となる。
(10)平行部は、上記天面部1Aとなる金属板6位置に当接する。
この構成によれば、天面部1Aへの引張力の付加を低減可能となって、天面部1Aでのしわ発生を効果的に抑制可能となる。
(11)第2の工程において、フォーム成形またはドロー成形を用いて、上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状1にプレス成形する。
これによって、目的の部品形状1に成形可能となる。
(12)第2の工程において、上記金属板6における天面部1Aとなる位置を、パッドとパンチ3で挟むことで、金属板6のうちの天面部1Aとなる位置の成形途中での移動を拘束する。
これによって、天面部1Aでのしわ発生をより確実に抑えることが可能となる。
(13)目的の部品形状1の上記湾曲部分2a、2bは、天面部1Aが凸となる湾曲部分2a、2bと凹となる湾曲部分2a、2bとを有し、第2の工程において、隣り合う湾曲部分2a、2b間を上記長手方向に複数の部位に分割し、その複数の部位を曲げるタイミングを変える。
この構成によれば、より確実に目的の部品形状1にプレス成形可能となる。
例えば、凸側の湾曲部分2a、2bの成形と凹側の湾曲部分2a、2bの成形とをタイミングをずらして成形することで、より精度良く加工することが可能となる。
次に、本発明に基づく上記実施形態のプレス成形についての実施例について説明する。なお、本発明は、上記実施例に規制されるものではない。
「適用材」
金属板6として、590MPa以上の高強度鋼板やアルミニウム合金板などの延性やランクフォード値の劣る金属板を使用した。
具体的には、表1に示すように、金属板6として、590MPa級鋼板と1180MPa級鋼板とを使用した。
Figure 0006112226
対象の部品は図1の長手方向に湾曲した部品形状1とし、金属板6は幅W=300mm、長さL=800mm、板厚は1.0mmtとした。
そして、本発明に基づく発明例と比較のための比較例の成形法、及びその評価結果(成形可否)を、それぞれ表2と表3に示す。
Figure 0006112226
Figure 0006112226
成形品の評価は目視で行い、◎、○、△、×の4段階で評価した。
具体的には、割れが発生した場合を「×」、割れは発生せずに顕著なしわが発生した場合を「△」、割れやしわが発生しない場合を「○」、割れやしわが発生せずに特に外観が優れる場合を「◎」とした。なお、第1の工程の成形で割れが発生した場合は、判定を「×」とし、第2の工程は実施しなかった。
ここで、比較例は1工程のみの成形で、ドロー成形やフォーム成形で成形した成形品にプレス加工した場合であり、発明例は図10に示す金型で第1の工程を行い、図14に示す金型で第2の工程を実施して目的の成形品とした場合である。
図14の第1の工程の金型については、直線部の距離Wdは0≦Wd<板幅Wの範囲であることが好ましい。Wd=0の場合は図6の金型と同じである。Wd=板幅Wの場合、ΔD=0となるため、面内せん断変形が金属板6に発生しなくなる。また、対象部品の天面部1Aが平坦である場合、第1の工程による成形後の金属板6の中央部が平坦になるように天面部1Aの幅とWpを同じにするとより好ましい。
表2,3から分かるように、比較例では割れ、若しくはしわが発生しやすいのに対し、発明例では割れ、しわとも発生していないことが分かる。
ここで、第1の工程の処理は、図15、図16、図17の金型でも実施したが、結果は表2、及び表3と同様の結果を得た。
以上、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2013−263993(2013年12月20日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 部品形状
1A 天面部
1B 側壁部
1C フランジ部
2a 湾曲部分(凸方向)
2b 湾曲部分(凹方向)
3 パンチ
3a 肩部
4 ダイ
4a ダイ穴
4b 肩部
6 金属板
CL クリアランス
Dmax 最長距離
Dmin 最短距離
Fa 第1荷重部
Fb 第2荷重部

Claims (11)

  1. 少なくとも天面部とその左右両側に連続する側壁部とを有するコ字状又はハット形の断面を有し且つ上記断面に交差する方向である長手方向に1又は2以上の湾曲した湾曲部分を有する部品形状に、金属板を成形する際に、
    上記金属板の上記長手方向における上記湾曲部分の両側若しくは片側の板部分に対し、上記湾曲させる方向に応じた面内せん断変形を付与する第1の工程と、
    上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状にプレス成形する第2の工程と、
    を備え、
    上記部品形状の上記湾曲部分は、上記天面部が凸若しくは凹となるように湾曲し、
    上記第1の工程では、上記天面部に位置する第1荷重部と、その第1荷重部と上記長手方向に離れ且つ上記側壁部若しくは該側壁部よりも板幅方向外側の板部分に位置する第2荷重部との間で引張り力を入力して、上記せん断変形を発生させ、
    上記第1の工程では、絞り成形により上記せん断変形を発生させ、
    上記絞り成形に使用されるパンチの肩部の周方向に沿ったプロフィールは、上記金属板の板幅方向の中央部側位置に当接する中央側部と上記金属板の板幅方向端部と当接する端縁部とが上記長手方向に離隔し、且つ上記中央側部から上記端縁部に向かうにつれて、上記中央側部からの上記離隔量が大きくなる輪郭形状となっており、
    上記絞り成形に使用されるダイ肩部のプロフィールは、上記パンチの肩部のプロフィールと同様の輪郭形状となっていることを特徴とするプレス成形方法。
  2. 上記部品形状は、上記長手方向に離れた2以上の湾曲部分を有し、
    上記第1の工程において、隣り合う湾曲部分間に上記面内せん断変形を付与することを特徴とする請求項1に記載したプレス成形方法。
  3. 上記中央側部と上記端縁部の上記離隔量をΔD、上記中央側部と上記端縁部との板幅方向の距離をΔWと定義した場合に、0.01≦ΔD/ΔW≦10を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したプレス成形方法。
  4. 上記第1の工程で使用するパンチとダイ穴との間の隙間を、上記金属板の板厚の0.5倍以上1.5倍以下とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したプレス成形方法。
  5. 上記パンチの肩部の上記プロフィールは、上記金属板の板幅方向中央側に当該金属板の板幅方向の延びる平行部を備え、その平行部の端部に上記中央側部が位置していることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載に記載のプレス成形方法。
  6. 上記パンチの肩部の上記プロフィールのうち、上記中央側部と上記端縁部との間のプロフィールは直線若しくは円弧状となっていることを特徴とする請求項に記載したプレス成形方法。
  7. 上記平行部は、上記天面部となる金属板位置に当接することを特徴とする請求項又は請求項に記載したプレス成形方法。
  8. 上記第2の工程において、フォーム成形またはドロー成形を用いて、上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状にプレス成形することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載したプレス成形方法。
  9. 上記第2の工程において、上記金属板における天面部となる位置を、パッドとパンチで挟んで成形することで、上記金属板のうちの上記天面部となる位置の成形途中での移動を拘束することを特徴とする請求項に記載したプレス成形方法。
  10. 上記部品形状の上記湾曲部分は、上記天面部が凸となる湾曲部分と凹となる湾曲部分とを有し、
    上記第2の工程での成形において、少なくとも凸となる湾曲部分を曲げるタイミングと凹となる湾曲部分を曲げるタイミングとを変えることを特徴とする請求項又は請求項に記載したプレス成形方法。
  11. 少なくとも天面部とその左右両側に連続する側壁部とを有するコ字状又はハット形の断面を有し且つ上記断面に交差する方向である長手方向に1又は2以上の湾曲した湾曲部分を有する部品形状に、金属板を成形してプレス成形部品を製造する際に、
    上記金属板の上記長手方向における上記湾曲部分の両側若しくは片側の板部分に対し、上記湾曲させる方向に応じた面内せん断変形を付与する第1の工程と、
    上記面内せん断変形を付与した板材を上記部品形状にプレス成形する第2の工程と、
    を備え、
    上記部品形状の上記湾曲部分は、上記天面部が凸若しくは凹となるように湾曲し、
    上記第1の工程では、上記天面部に位置する第1荷重部と、その第1荷重部と上記長手方向に離れ且つ上記側壁部若しくは該側壁部よりも板幅方向外側の板部分に位置する第2荷重部との間で引張り力を入力して、上記せん断変形を発生させ、
    上記第1の工程では、絞り成形により上記せん断変形を発生させ、
    上記絞り成形に使用されるパンチの肩部の周方向に沿ったプロフィールは、上記金属板の板幅方向の中央部側位置に当接する中央側部と上記金属板の板幅方向端部と当接する端縁部とが上記長手方向に離隔し、且つ上記中央側部から上記端縁部に向かうにつれて、上記中央側部からの上記離隔量が大きくなる輪郭形状となっており、
    上記絞り成形に使用されるダイ肩部のプロフィールは、上記パンチの肩部のプロフィールと同様の輪郭形状となっていることを特徴とするプレス成形部品の製造方法。
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