JPWO2019225661A1 - プレス部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

簡易に且つより安定して湾曲部での伸びフランジ割れを抑えることが可能な技術を提供する。内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部(2a)を有する天板部(2)と湾曲外周縁部(2a)に連続する縦壁部(3A)と縦壁部(3A)に連続するフランジ部(4A)とを有する部品形状にプレス成形する。天板部(2)に相当する領域の少なくとも一部を含む領域である挟持領域(P)を下型(20)とパッド(30)とで挟持した状態で、上型(40)をプレス方向に移動して挟持している材料を縦壁部3側に移動させながら曲げ成形する。挟持領域(P)を挟持する下型(20)の面に対し1条又は2条以上の折れ曲げを付与する稜線(20a)を設ける。稜線(20a)は、曲げ成形が完了した状態では、天板部(2)の位置が稜線(20a)位置よりも縦壁部(3)側に存在する位置に設定する。

Description

本発明は、例えば、上面視でL字形状やT字形状などの部品形状のプレス部品を製造する技術に関する。上記の部品形状は、外周縁の一部が内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部を有する天板部と、上記湾曲外周縁部に連続する縦壁部と、上記縦壁部に連続して上記天板部側に屈曲するフランジ部とを有する。特に、本発明は、自動車の車体骨格部品の製造に好適な技術である。
自動車の車体骨格部品としては、例えばフロントピラーリンフォースメントやセンターピラーリンフォースメント等がある。これらの車体骨格部品は、L字形状部あるいはT字形状部など、天板部の一部が内方へ凹むように湾曲した形状となっている場合も多い。このような部品形状の部品を、平板状の金属板(ブランク材)からプレス成形によって製造する場合、一般に、絞り成形や曲げ成形が採用される。
しかし、上記のような骨格部品は、自動車の衝突安全性に大きく影響することから、近年では引張強度980MPa以上の高強度鋼板(ハイテン材)を使って製造される傾向にある。このような延性の低いハイテン材をプレス加工する場合には、割れを避けるためにパッド曲げ成形主体の工法を採用することが多い。
曲げ主体の成形工法に用いられる金型は、一般的に、ダイ(下型)、パンチ(上型)及び成形中にブランク材を安定させるパッドから構成される。しかしながら、湾曲部のフランジ端で発生する伸びフランジ割れは、上記の曲げ主体の成形においても問題となる場合が多い。
このような伸びフランジ割れを回避する技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載の製造方法がある。
特許文献1には、L字形状部品の製造において、ブランク材のL字の下側に相当する部分の端部が製品の天板部と同一平面上にある状態でパッドによりブランク材を加圧し、その状態で、上型によって曲げ成形を行う方法が開示されている。
特許文献2には、ブランク材に対し短手縁部に沿って延びる直線状のビードや段差を形成した後に、縦壁部及びフランジ部を曲げ成形する方法が開示されている。
特許第5168429号公報 特開2016−203214号公報
特許文献1に記載の方法では、曲げ成形中に、湾曲部の天板部位置のブランク材がパッド下で面内方向へ移動することで、湾曲部の伸びフランジ割れを改善する。しかし、ダイ(下型)とパッドで挟持された部分の成形時の移動量や移動速度は、金型(パッドやパンチ)とブランク材の間の摩擦力によって支配される。このため、特許文献1に記載の方法によって量産を行う場合、金型の摩耗による金型表面の状態変化や、材料表面の塗油状態の変化によって移動量が変動してしまう。このため、移動量の変動が原因で発生する、散発的な伸びフランジ割れに対応することが難しい。
また、特許文献2に記載の方法では、本成形に先立って予めブランク材(金属板)にビードや段差を成形する工程が必要となるため、コストの上昇につながる。また、本成形でビードや段差からなる突起部を通過することによる表面疵が製品に発生するおそれがある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、簡易に且つより安定して湾曲部での伸びフランジ割れを抑えることが可能な技術を提供することを目的とする。
上述のような課題に対し、発明者は、金属板の材料としてハイテン材を用いても、L字やT字形状部品など上面視で天板部側に凹の湾曲部を有する部品を、散発的な伸びフランジ割れの発生なしで安価に製造することを目的として、鋭意検討を行った。その結果、発明者は、下型とパッドで挟持した金属板部分に対し、その挟持により折れ線(断面山形形状の面外変形)を付与しながら縦壁部側に移動させるようにして、パッドを用いた曲げ主体成形によって縦壁部及びフランジ部を曲げ成形することで、上記課題を解決できるとの知見を得た。
すなわち、課題を解決するために、本発明の一態様は、外周縁の一部が内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部を有する天板部と、上記天板部の上記湾曲外周縁部に連続する縦壁部と、上記縦壁部に連続して上記天板部側に屈曲するフランジ部とを有する部品形状に、金属板をプレス成形して製造するプレス部品の製造方法であって、上記金属板における上記天板部に相当する領域の少なくとも一部を含む領域である挟持領域を、下型とパッドとで挟持した状態で、相対的に上記下型に対し上型をプレス方向に移動させることで、上記下型とパッドとで挟持している上記挟持領域の材料の少なくとも一部を上記縦壁部側に移動させながら上記縦壁部及び上記フランジ部を曲げ成形し、上記曲げ成形する際に、上記下型とパッドとで挟持される金属板部分に対し、上記材料の移動に応じて、上記材料の移動方向に交差する方向へ延びる折り曲げ部位置で面外方向への曲げ曲げ戻し変形を連続して付与することで、材料の移動を制御することを要旨とする。
本発明の態様によれば、簡易な金型構成の変更によって、例えば金属板の材料としてハイテン材を用いたとしても、L字形状部品やT字形状部品など上面視で天板部側に凹の湾曲部を有する部品を、散発的な伸びフランジ割れをより低減して製造することが可能となる。
部品の形状の例を示す斜視図である。 金属板の例を示す平面図である。 本発明に基づく実施形態に係る部品の形状を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る下型に金属板を配置した状態の図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る金属板とパッドとの関係の例を示す平面図である。 本発明に基づく第1実施形態における、図3のA−A位置での曲げ成形を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態における、図3のB−B位置での曲げ成形を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る稜線を2条設けた例を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る曲げ成形完了時の、下型と成形された部品を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る稜線の傾きの他の例を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る下型に金属板を配置した状態の図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る金属板とパッドとの関係の例を示す平面図である。 本発明に基づく第2実施形態における、図3のA−A位置での曲げ成形を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態における、図3のB−B位置での曲げ成形を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る稜線を2条設けた例を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る曲げ成形完了時の、下型と成形された部品を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る稜線の傾きの他の例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
「第1実施形態」
まず、本発明に基づく第1実施形態について説明する。
本実施形態のプレス部品1の製造方法は、金属板(ブランク材とも呼ぶ)を予め設定したプレス形状にプレス成形して製造するプレス部品1の製造方法である。設定したプレス形状は、外周縁の一部が内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部2aを有する天板部2と、天板部2の湾曲外周縁部2aに連続する縦壁部3Aと、その縦壁部3Aに連続して天板部2側に屈曲するフランジ部4Aとを有する部品形状(図1参照)である。
本実施形態のプレス部品1の製造方法は、金属板が、引張強度590MPa以上、好ましくは780MPa以上の高張力鋼板からなる場合に好適な技術である。
本実施形態が対象とするプレス部品1は、例えば、図1に示すような、T字形状部品やL字形状部品など、上面視で天板部2側に凹の湾曲部(湾曲外周縁部2a)を有する部品形状となっている。図1の例では、プレス部品1は、天板部2における、湾曲外周縁部2a以外の直線状の外縁部2bにも縦壁部3が連続した形状となっている。
本実施形態のプレス部品1の製造方法は、曲げ主体のプレス成形でプレス部品1を製造する。本実施形態のプレス成形で使用するプレス成形金型は、上型40(曲げ型)、下型20(パンチ)及びパッド30を備える(図6、図7参照)。
そして、本実施形態のプレス部品1の製造方法では、天板部2の湾曲外周縁部2aに連続する縦壁部3Aと、その縦壁部3Aに連続して天板部2側に屈曲するフランジ部4Aとを曲げ成形する際には、金属板における天板部2に相当する領域の少なくとも一部を含む領域である挟持領域Pを、下型20とパッド30とで挟持した状態とする。そして、相対的に下型20に対し上型40をプレス方向に移動させることで、下型20とパッド30とで挟持している挟持領域Pの材料を縦壁部3側に移動させながら縦壁部3及びフランジ部4を曲げ成形して、目的の部品形状とする。
上記の挟持領域Pを挟持する下型20の面(パッド30と対向する面部分)には、材料の移動方向Sに交差する方向へ延びる1条又は2条以上の稜線20aが設けられ(図5、図7参照)、下型20の面は、各稜線20aを境とした両側の面の傾きが異なる。
材料の移動は、主として、湾曲外周縁部2aから金属板10の端部までの距離が小さい側で発生する。また、図3のような部品形状の場合、湾曲外周縁部2aの右側(紙面右側)に連続する直線状の外縁部に対し連続した縦壁部位置でも、曲げ成形時に縦壁部側への材料の移動が発生する。
このため、稜線20aを、湾曲外周縁部2aから金属板10の端部までの距離が小さい側に配置している。
稜線20aを境とした両側の面の傾きの差(以下、折れ角度αとも記載する)は、1度以上90度未満に設定する(図7参照)。折れ角度αは、好ましくは3度以上15度以下、より好ましくは3度以上10度以下とする。また、稜線20a位置での曲げ半径R1は、例えば0.1mm以上30mm以下に設定する(図7参照)。曲げ半径は、180度未満側での半径とする。
稜線20aは、必ずしも直線状に延在している必要はなく、やや曲線を描くように形成しても良い。またCAD解析などの構造解析を行って、材料の移動方向Sを推定し、その推定した材料の移動方向Sと直交するように稜線20aの延在方向を設定しても良い。
また、2条以上の稜線20aを設ける場合には、2条以上の稜線20aは、材料の移動方向Sに並ぶように形成される。2条以上の稜線20aの凸側の向きは、上下方向において、同方向となるように設定することが好ましい(図8参照)。
また、本実施形態では、各稜線20aの設定位置について、上型40の相対移動による縦壁部3及びフランジ部4の成形が完了した状態では、天板部2が、全ての稜線20aの位置よりも縦壁部3側に存在している位置に設定することが好ましい。
以下の説明では、各稜線20aの設定位置について、上型40の相対移動による縦壁部3及びフランジ部4の成形が完了した状態では、天板部2の位置が、全ての稜線20a位置よりも縦壁部3側に存在するような位置に設定されているとして説明する(図9参照)。
また、パッド30の挟持面は、金属板を介して対向する下型20の面に倣った面形状となっている。すなわち、パッド30の面における下型の面に設けた各稜線20aと対向する位置に、それぞれ対向する稜線20aと同方向に延在する第2の稜線としての稜線30aを有し、パッド30の面は、各稜線30aを境とした両側の面が、対向する下型20の面に追従した形状となっている。具体的には、パッド30の挟持面には、下型20の面に形成した稜線20aと上下で対向する位置にパッド30側の稜線30aが形成され、パッド30の挟持面は、パッド30側の稜線30aを境とした両側の面の傾きが異なる。そのパッド30の挟持面での稜線30aを境とした両側の面の傾きの差(折れ角度β)及び曲げ半径R2は、下型20側の傾きの差α及び曲げ半径R1と等しくなるように設定する(図7参照)。なお、曲げ半径R2は、曲げ半径R1と等しくする必要は無いが、曲げ半径R1以下が好ましい。
パッド圧(下型20とパッド30による挟圧)の圧力は、曲げ成形中に湾曲部の天板部2にシワが発生しない圧力(例えば、成形下死点までパッド30とパンチの隙間がブランク材の板厚以上にならない圧力)に設定して、上記の曲げ成形中に湾曲部分で材料の移動が可能な状態で押さえる。
以上の本成形工程の前工程として、天板面等に部分的な形状を付与する工程を設けても良い。また、以上の本成形工程の後工程として、最終製品へのリストライクや外周のトリム加工を実施しても良い。すなわちスポット溶接用の座面などの形状の付与やトリムピアス工程、リストライク工程を、前後の工程として追加することは可能である。また、材料移動が発生する天板部2の領域には折れ線以外の形状の付与は摺動痕が発生する恐れがあるため極力避けることが望ましい。しかし、材料移動が発生しない領域への形状付与は問題ない。
本実施形態の製造方法では、下型20とパッド30とで、少なくとも曲げ成形中に材料移動が発生する領域である湾曲部分の天板部2を含む領域(挟持領域P)を押さえる。このとき、下型20及びパッド30に設けた稜線20a、30aによって、挟持された金属板部分に面外方向への変形である折れ曲がりが稜線20a、30a位置で付与される。これによって、曲げ成形時に下型20とパッド30で挟持されていた金属板部分が縦壁部3側に移動する際に、挟持されている金属板部分は、上記の稜線20a、30a位置である折り曲げ部位置を通過する際に、面外方向に折り曲げ・曲げ戻し変形が連続して付与される。
すなわち、稜線20a、30aにより面外変形位置が移動しながら、下型20とパッド30で挟持されていた金属板部分が縦壁部3側に移動するようになるため、稜線20a、30aによって、曲げ成形中の挟持領域Pでの材料移動を抑制する方向に作用する。すなわち、稜線20a、30aの設定によって材料の移動条件を制御することが可能となる。
更に具体的に説明する。
以下の例では、図2に示すような金属板10を、図3に示すような部品形状の部品1にプレス成形で製造する場合を例に挙げて説明する。
金属板10は、図4に示すように、下型20の天板面上に設置され、図5のように、湾曲部(内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部2a)の天板部2に相当する金属板10部分を含む挟持領域Pを、下型20に対しパッド30で押さえて下型20とパッド30で挟持する。
このとき、縦壁部3及びフランジ部4を曲げ成形する際に、少なくとも湾曲部及びその近傍では、挟持している金属板10部分が縦壁部3側に移動可能なパッド圧に設定する。
この状態で曲げ型である上型40を下型20の側面部に沿ってプレス方向へ移動すると、下型20の側面部と底面部に倣うように金属板10が曲げ成形されて縦壁部3とフランジ部4が形成され目的とするプレス部品となる。
このとき、図5の紙面下側部分に位置して天板部2の直線状に延びる、湾曲外周縁部2a以外の外縁部2bに連続する縦壁部3及びフランジ部4は、図6に示すように、上型40のプレス方向への移動によって、金属板10が、曲げ成形されて縦壁部3及びフランジ部4が形成される。
また、この成形の際、湾曲外周縁部2aに連続する縦壁部3A及びフランジ部4Aの部分では、図7に示すように、パッド30と下型20で挟持されている金属板10部分の材料が縦壁部3A側に移動する。
このとき、本実施形態では、下型20に稜線20aを設けることで、パッド30と下型20で挟持されている金属板10部分の材料が、稜線20a位置を通過する際に、稜線20a位置で面外方向に折り曲げ曲げ戻しを受けつつ、材料の移動に伴い折れ曲げ位置が連続して移動しながら曲げ成形される。
このように、本実施形態では、材料の移動の際に、金型と材料との間の摩擦抵抗以外に、材料に曲げ曲げ戻し抵抗を連続して発生させることができるため、成形中の天板面での材料の移動量が安定する。ここで、曲げ曲げ戻し抵抗は、摩擦抵抗より大きく、量産での変動を受けにくい。このため、本実施形態では、材料移動の量産での変動が小さくすることができ、散発的な伸びフランジ割れをより効果的に抑えることができる。
ここで、上記の稜線20aを設けることで、下型20には、稜線20aを頂部とした、断面山形形状の面が形成されている。この稜線20aを形成する代わりに、断面半円形状や台形形状のビード形状を付与する場合には、稜線20aを設ける場合に比べ、曲げ曲げ戻し回数が増加するため表面疵が付きやすい。そして、製品内に表面疵が残存する場合は問題となる場合がある。更に、ビード形状を使用する場合、稜線20aと比較して大きなパッド力が必要となる。このため、ビード形状を使用する場合、パッド形状によっては(特に小さい場合には)金型構造上パッド力の確保が不十分となる。その場合、成形中のパッドでの材料の押えが不十分となるため、成形中の天板面での材料の移動量が不安定となり制御が難しくなるおそれがある。
この曲げ曲げ戻し抵抗は、稜線20a位置での角度(折れ角度α)と稜線20aの曲げ半径R1によって大きく変化する。折れ角度αが1度以下では曲げ曲げ戻し抵抗が小さい恐れがある。折れ角度αは、パッド圧を調整すれば90度未満の角度まで設定可能である。ただし、パッド圧によっては、折れ角度αが15度以上では稜線20a、30a位置通過時の曲げ曲げ戻し抵抗の増大による伸びフランジ割れにつながる恐れがある。このため、折れ角度αは1度以上15度以下が好ましく、1度以上10度以下がより好ましい。また、量産での安定性を考慮すると折れ角度αは3度以上が好ましい。
また、折れ稜線20aの曲げ半径R1が0.1mm以下では稜線位置通過時に型かじりが発生する可能性が高く、30mm以上では曲げ曲げ戻し抵抗が不十分となる可能性がある。このため、曲げ半径R1は0.1mm以上30mm以下が好ましい。また、曲げ角度との組合せから考慮すると、曲げ半径R1は1mm以上20mm以下がより好ましい。
なお、上記の稜線20aの設定条件(折れ角度α、曲げ半径R1)は、製品形状やめっきなどの材料の表面状態、金属板10の形状などによって適切な条件が存在する。適切な条件はFEM解析によるコンピュータシミュレーションから求めることも可能である。また稜線20a、30aは材料移動が発生する領域の全長に設定することが好ましい。
また、図8に示すように、稜線20aの条数を増やせば、各稜線20aの折れ角度αを小さく設定することが可能となる。
また、成形中は湾曲部分の天板部2に相当する位置でシワが発生しやすく、パッド圧がシワ発生を抑えることができないほど小さい場合、パッド30と上型40の隙間が大きくなり、稜線20a、30aによる曲げ曲げ戻し抵抗の発生が不安定となる。よって、パッド30は成形中に湾曲部分の天板部2の面にシワが発生しない圧力で押さえることができるように、圧力や形状を設定することが好ましい。
稜線20a、30aの位置を、上型40を下死点まで移動させて曲げ成形が完了した最終製品の内側に設定すると、成形中に材料が稜線20a、30aを通過した領域に摺動痕が発生し、外観品質に影響を及ぼす可能性がある。また、製品内に稜線20a、30aによる折れ線が残存するため、製品形状が制約される恐れがある。このため、稜線20a、30aの位置が、上型40の相対移動による縦壁部3及びフランジ部4の成形が完了した状態で、金属板10における天板部2に相当する位置が稜線20a、30a位置よりも縦壁部3側に移動している位置となるように設定することが好ましい。
図9に、曲げ成形完了時の下型20と部品1との関係を示す。
以上のように、本実施形態にあっては、伸びフランジ割れが懸念されるL字やT字部品を量産でも安定して安価で製造ができる。
なお、図7では、上方に凸となるように稜線20aを設定した場合を例示しているが、図10に示すように、下方に凸となるように稜線20aを設定しても良い。
「第2実施形態」
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態では、挟持領域Pに設けた1条又は2条以上の稜線が、曲げ成形が完了した状態では、天板部2の位置が全ての稜線位置よりも縦壁部3側に存在する位置に設定する。これに対し、第2実施形態では、挟持領域Pに設けた全ての稜線のうちの少なくとも1条の稜線の少なくとも一部が、曲げ成形が完了した状態では、天板部2と重なるように、各稜線の位置を設定する点で、第1実施形態と異なる。
その他の構成については、第2実施形態の構成は、上記の第1実施形態と同様な構成となっている。
また、第1実施形態と同様な構成については、同一の符号を付して説明する。
本実施形態のプレス部品1の製造方法は、金属板(ブランク材とも呼ぶ)を予め設定したプレス形状にプレス成形して製造するプレス部品1の製造方法である。設定したプレス形状は、外周縁の一部が内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部2aを有する天板部2と、天板部2の湾曲外周縁部2aに連続する縦壁部3Aと、その縦壁部3Aに連続して天板部2側に屈曲するフランジ部4Aとを有する部品形状(図1参照)である。
本実施形態のプレス部品1の製造方法は、金属板が、引張強度590MPa以上、好ましくは780MPa以上の高張力鋼板からなる場合に好適な技術である。
本実施形態が対象とするプレス部品1は、例えば、図1に示すような、T字形状部品やL字形状部品など、第1実施形態と同じである。
本実施形態のプレス部品1の製造方法も、曲げ主体のプレス成形でプレス部品1を製造する。本実施形態のプレス成形で使用するプレス成形金型は、上型40(曲げ型)、下型20(パンチ)及びパッド30を備える(図13、図14参照)。
そして、本実施形態のプレス部品1の製造方法では、天板部2の湾曲外周縁部2aに連続する縦壁部3Aと、その縦壁部3Aに連続して天板部2側に屈曲するフランジ部4Aとを曲げ成形する際には、金属板における天板部2に相当する領域の少なくとも一部を含む領域である挟持領域Pを、下型20とパッド30とで挟持した状態とする。そして、相対的に下型20に対し上型40をプレス方向に移動させることで、下型20とパッド30とで挟持している挟持領域Pの材料を縦壁部3側に移動させながら縦壁部3及びフランジ部4を曲げ成形して、目的の部品形状とする。
上記の挟持領域Pを挟持する下型20の面(パッド30と対向する面部分)には、材料の移動方向Sに交差する方向へ延びる1条又は2条以上の稜線20aが設けられ(図12、図14参照)ている。これによって、下型20の面は、各稜線20aを境とした両側の面の傾きが異なる。
材料の移動は、主として、湾曲外周縁部2aから金属板10の端部までの距離が小さい側で発生する。また、図3のような部品形状の場合、湾曲外周縁部2aの右側(紙面右側)に連続する直線状の外縁部に対し連続した縦壁部位置でも、曲げ成形時に縦壁部側への材料の移動が発生する。
このため、稜線20aを、湾曲外周縁部2aから金属板10の端部までの距離が小さい側に配置している。
稜線20aを境とした両側の面の傾きの差(以下、折れ角度αとも記載する)は、1度以上90度未満に設定する(図14参照)。折れ角度αは、好ましくは3度以上15度以下、より好ましくは3度以上10度以下とする。また、稜線20a位置での曲げ半径R1は、例えば0.1mm以上30mm以下に設定する(図14参照)。曲げ半径は、180度未満側での半径とする。
稜線20aは、必ずしも直線状に延在している必要はなく、やや曲線を描くように形成しても良い。またCAD解析などの構造解析を行って、材料の移動方向Sを推定し、その推定した材料の移動方向Sと直交するように稜線20aの延在方向を設定しても良い。
また、2条以上の稜線20aを設ける場合には、2条以上の稜線20aは、材料の移動方向Sに並ぶように形成される。2条以上の稜線20aの凸側の向きは、上下方向において、同方向となるように設定することが好ましい(図15参照)。
また、本実施形態では、各稜線20aの設定位置について、上型40の相対移動による縦壁部3及びフランジ部4の成形が完了した状態では、全ての稜線20aのうちの少なくとも1条の稜線20aの少なくとも一部が、曲げ成形が完了した状態では天板部2と重なるように、各稜線20aの位置を設定する。稜線20aが1条だけである場合には、その稜線20aの少なくとも一部が曲げ、成形が完了した状態では、上記天板部2と重なるように設定する(図16参照)。
また、パッド30の挟持面は、金属板を介して対向する下型20の面に倣った面形状となっている。すなわち、パッド30の面における下型の面に設けた各稜線20aと対向する位置に、それぞれ対向する稜線20aと同方向に延在する第2の稜線としての稜線30aを有し、パッド30の面は、各稜線30aを境とした両側の面が、対向する下型20の面に追従した形状となっている。具体的には、パッド30の挟持面には、下型20の面に形成した稜線20aと上下で対向する位置にパッド30側の稜線30aが形成され、パッド30の挟持面は、パッド30側の稜線30aを境とした両側の面の傾きが異なる。そのパッド30の挟持面での稜線30aを境とした両側の面の傾きの差(折れ角度β)及び曲げ半径R2は、下型20側の傾きの差α及び曲げ半径R1と等しくなるように設定する(図14参照)。なお、曲げ半径R2は、曲げ半径R1と等しくする必要は無いが、曲げ半径R1以下が好ましい。
パッド圧(下型20とパッド30による挟圧)の圧力は、曲げ成形中に湾曲部の天板部2にシワが発生しない圧力(例えば、成形下死点までパッド30とパンチの隙間がブランク材の板厚以上にならない圧力)に設定して、上記の曲げ成形中に湾曲部分で材料の移動が可能な状態で押さえる。
以上の本成形工程の前工程として、天板面等に部分的な形状を付与する工程を設けても良い。また、以上の本成形工程の後工程として、最終製品へのリストライクや外周のトリム加工を実施しても良い。すなわちスポット溶接用の座面などの形状の付与やトリムピアス工程、リストライク工程を、前後の工程として追加することは可能である。また、材料移動が発生する天板部2の領域には折れ線以外の形状の付与は摺動痕が発生する恐れがあるため極力避けることが望ましい。しかし、材料移動が発生しない領域への形状付与は問題ない。
本実施形態の製造方法では、下型20とパッド30とで、少なくとも曲げ成形中に材料移動が発生する領域である湾曲部分の天板部2を含む領域(挟持領域P)を押さえる。このとき、下型20及びパッド30に設けた稜線20a、30aによって、挟持された金属板部分に面外方向への変形である折れ曲がりが稜線20a、30a位置で付与される。これによって、曲げ成形時に下型20とパッド30で挟持されていた金属板部分が縦壁部3側に移動する際に、挟持されている金属板部分は、上記の稜線20a、30a位置である折り曲げ部位置を通過する際に、面外方向に折り曲げ・曲げ戻し変形が連続して付与される。
すなわち、稜線20a、30aにより面外変形位置が移動しながら、下型20とパッド30で挟持されていた金属板部分が縦壁部3側に移動するようになるため、稜線20a、30aによって、曲げ成形中の挟持領域Pでの材料移動を抑制する方向に作用する。すなわち、稜線20a、30aの設定によって材料の移動条件を制御することが可能となる。
更に具体的に説明する。
以下の例では、図2に示すような金属板10を、図3に示すような部品形状の部品1にプレス成形で製造する場合を例に挙げて説明する。
金属板10は、図11に示すように、下型20の天板面上に設置され、図12のように、湾曲部(内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部2a)の天板部2に相当する金属板10部分を含む挟持領域Pを、下型20に対しパッド30で押さえて下型20とパッド30で挟持する。
このとき、縦壁部3及びフランジ部4を曲げ成形する際に、少なくとも湾曲部及びその近傍では、挟持している金属板10部分が縦壁部3側に移動可能なパッド圧に設定する。
この状態で曲げ型である上型40を下型20の側面部に沿ってプレス方向へ移動すると、下型20の側面部と底面部に倣うように金属板10が曲げ成形されて縦壁部3とフランジ部4が形成され目的とするプレス部品となる。
このとき、図12の紙面下側部分に位置して天板部2の直線状に延びる、湾曲外周縁部2a以外の外縁部2bに連続する縦壁部3及びフランジ部4は、図13に示すように、上型40のプレス方向への移動によって、金属板10が、曲げ成形されて縦壁部3及びフランジ部4が形成される。
また、この成形の際、湾曲外周縁部2aに連続する縦壁部3A及びフランジ部4Aの部分では、図14に示すように、パッド30と下型20で挟持されている金属板10部分の材料が縦壁部3A側に移動する。
このとき、本実施形態では、下型20に稜線20aを設けることで、パッド30と下型20で挟持されている金属板10部分の材料が、稜線20a位置を通過する際に、稜線20a位置で面外方向に折り曲げ曲げ戻しを受けつつ、材料の移動に伴い折れ曲げ位置が連続して移動しながら曲げ成形される。
このように、本実施形態では、材料の移動の際に、金型と材料間の摩擦抵抗以外に、材料に曲げ曲げ戻し抵抗を連続して発生させることができるため、成形中の天板面での材料の移動量が安定する。ここで、曲げ曲げ戻し抵抗は、摩擦抵抗より大きく、量産での変動を受けにくい。このため、本実施形態では、材料移動の量産での変動が小さくすることができ、散発的な伸びフランジ割れをより効果的に抑えることができる。
ここで、上記の稜線20aを設けることで、下型20には、稜線20aを頂部とした、断面山形形状の面が形成されている。この稜線20aを形成する代わりに、断面半円形状や台形形状のビード形状を付与する場合には、稜線20aを設ける場合に比べ、曲げ曲げ戻し回数が増加するため表面疵が付きやすい。そして、製品内に表面疵が残存する場合は問題となる場合がある。更に、ビード形状を使用する場合、稜線20aと比較して大きなパッド力が必要となる。このため、ビード形状を使用する場合、パッド形状によっては(特に小さい場合には)金型構造上パッド力の確保が不十分となる。その場合、成形中のパッドでの材料の押えが不十分となるため、成形中の天板面での材料の移動量が不安定となり制御が難しくなるおそれがある。
この曲げ曲げ戻し抵抗は、稜線20a位置での角度(折れ角度α)と稜線20aの曲げ半径R1によって大きく変化する。折れ角度αが1度以下では曲げ曲げ戻し抵抗が小さい恐れがある。折れ角度αは、パッド圧を調整すれば90度未満の角度まで設定可能である。ただし、パッド圧によっては、折れ角度αが15度以上では稜線20a、30a位置通過時の曲げ曲げ戻し抵抗の増大による伸びフランジ割れにつながる恐れがある。このため、折れ角度αは1度以上15度以下が好ましく、1度以上10度以下がより好ましい。また、量産での安定性を考慮すると折れ角度αは3度以上が好ましい。
また、折れ稜線20aの曲げ半径R1が0.1mm以下では稜線位置通過時に型かじりが発生する可能性が高く、30mm以上では曲げ曲げ戻し抵抗が不十分となる可能性がある。このため、曲げ半径R1は0.1mm以上30mm以下が好ましい。また、曲げ角度との組合せから考慮すると、曲げ半径R1は1mm以上20mm以下がより好ましい。
なお、上記の稜線20aの設定条件(折れ角度α、曲げ半径R1)は、製品形状やめっきなどの材料の表面状態、金属板10の形状などによって適切な条件が存在する。適切な条件はFEM解析によるコンピュータシミュレーションから求めることも可能である。また稜線20a、30aは材料移動が発生する領域の全長に設定することが好ましい。
また、図15に示すように、稜線20aの条数を増やせば、各稜線20aの折れ角度αを小さく設定することが可能となる。
また、成形中は湾曲部分の天板部2に相当する位置でシワが発生しやすく、パッド圧がシワ発生を抑えることができないほど小さい場合、パッド30と上型40の隙間が大きくなり、稜線20a、30aによる曲げ曲げ戻し抵抗の発生が不安定となる。よって、パッド30は成形中に湾曲部分の天板部2の面にシワが発生しない圧力で押さえることができるように、圧力や形状を設定することが好ましい。
稜線20a、30aの位置を、上型40を下死点まで移動させて曲げ成形が完了した最終製品の外側に設定すると、後工程のトリム量が多くなり材料歩留りが大きく悪化する。よって、稜線20a、30aの位置は摺動痕が残らない条件において最終製品内に設定する。また、曲げ曲げ戻しを折れ線位置で付与することで材料移動量が安定することから、成形後の形状が最終製品形状の外周となるようにブランク形状を設計することでトリム工程の削減につながり、さらなるコストダウンが可能である。
図16に、曲げ成形完了時の下型20と部品1との関係を示す。
以上のように、本実施形態にあっては、伸びフランジ割れが懸念されるL字やT字部品を量産でも安定して安価で製造ができる。
なお、図14では、上方に凸となるように稜線20aを設定した場合を例示しているが、図17に示すように、下方に凸となるように稜線20aを設定しても良い。
図1(b)に示すL字形状のプレス部品1を、下型20とパッド30で挟持した状態で、上型40でプレス成形するという条件でFEM解析を行った。用いた金属板10の材料は、引張強度980MPa級、板厚1.2mmとした。またパッド圧は10トンとした。
下型20に稜線20a、30aを設けない平面形状とした場合(稜線20a、30aを設けない場合)には、湾曲部分において材料の移動が大きく、湾曲部分のブランク部下端での伸びフランジ割れの危険性が高かった。
一方、稜線20a、30aの折れ角度α、βを10度、曲げ半径R1、R2を10mmの稜線20a、30aを1条、下型20及びパッド30に設定する条件で解析したところ、材料移動量が安定し、伸びフランジ割れが発生することなく成形が可能となることを確認した。
ここで、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2018−099807(2018年 5月24日出願)及び2018−099808(2018年 5月24日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 部品
2 天板部
2a 湾曲外周縁部
3 縦壁部
3A 湾曲外周縁部に連続する縦壁部
4、4A フランジ部
10 金属板
20 下型
20a 稜線
30 パッド
30a 稜線(第2の稜線)
40 上型
P 挟持領域
R1 曲げ半径
α 折れ角度

Claims (6)

  1. 外周縁の一部が内方へ凹むように湾曲した湾曲外周縁部を有する天板部と、上記天板部の上記湾曲外周縁部に連続する縦壁部と、上記縦壁部に連続して上記天板部側に屈曲するフランジ部とを有する部品形状に、金属板をプレス成形して製造するプレス部品の製造方法であって、
    上記金属板における上記天板部に相当する領域の少なくとも一部を含む領域である挟持領域を、下型とパッドとで挟持した状態で、相対的に上記下型に対し上型をプレス方向に移動させることで、上記下型とパッドとで挟持している上記挟持領域の材料の少なくとも一部を上記縦壁部側に移動させながら上記縦壁部及び上記フランジ部を曲げ成形し、
    上記曲げ成形する際に、上記下型とパッドとで挟持される金属板部分に対し、上記材料の移動に応じて、上記材料の移動方向に交差する方向へ延びる折り曲げ部位置で面外方向への曲げ曲げ戻し変形を連続して付与することで、材料の移動を制御することを特徴とするプレス部品の製造方法。
  2. 上記挟持領域を挟持する下型の面に対し、上記材料の移動方向に交差する方向へ延びる1条又は2条以上の稜線を上記折り曲げ部として設け、上記下型の面は、各稜線を境とした両側の面の傾きが異なり、
    上記各稜線は、上記曲げ成形が完了した状態では、上記天板部の位置が、全ての稜線位置よりも縦壁部側に存在する位置に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。
  3. 上記挟持領域を挟持する下型の面に対し、上記材料の移動方向に交差する方向へ延びる1条又は2条以上の稜線を上記折り曲げ部として設け、上記下型の面は、各稜線を境とした両側の面の傾きが異なり、
    上記全ての稜線のうちの少なくとも1条の稜線の少なくとも一部が、上記曲げ成形が完了した状態では、上記天板部と重なるように、各稜線の位置を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。
  4. 上記稜線を境とした両側の面の傾きの差が1度以上90度未満で、稜線位置での曲げ半径が0.1mm以上30mm以下であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載したプレス部品の製造方法。
  5. 上記パッドの面における上記下型の面に設けた各稜線と対向する位置に、それぞれ対向する上記稜線と同方向に延在する第2の稜線を有し、上記パッドの面は、各第2の稜線を境とした両側の面が、対向する上記下型の面に追従した形状となっていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
  6. 上記金属板は、引張強度590MPa以上の高張力鋼板であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
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