JP2023072667A - プレス部品の製造方法、プレス成形用の板材、予成形形状成形用の金型、プログラム、及びプレス成形品 - Google Patents

プレス部品の製造方法、プレス成形用の板材、予成形形状成形用の金型、プログラム、及びプレス成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2023072667A
JP2023072667A JP2022173458A JP2022173458A JP2023072667A JP 2023072667 A JP2023072667 A JP 2023072667A JP 2022173458 A JP2022173458 A JP 2022173458A JP 2022173458 A JP2022173458 A JP 2022173458A JP 2023072667 A JP2023072667 A JP 2023072667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shape
top plate
plate portion
line
press
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022173458A
Other languages
English (en)
Inventor
翔太 日下
Shota Kusaka
健太郎 佐藤
Kentaro Sato
隆史 岩間
Takashi Iwama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2023072667A publication Critical patent/JP2023072667A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

Figure 2023072667000001
【課題】天板部に形成される意匠面をより精度良く成形可能な技術及びその技術で製造したプレス成形品を提供する。
【解決手段】曲面形状を有する天板部1Aと上記天板部1Aに稜線部1Bを介して連続する縦壁部1Cとを有する目標形状1に、板材3をプレス成形することでプレス部品を製造する方法であって、板材3を予成形形状2にプレス成形する予成形工程10と、上記予成形形状2の板材3を上記目標形状1にプレス成形する本成形工程11と、を備え、上記予成形形状2は、上記目標形状1の上記天板部1Aの曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部2Aと、上記第2の天板部2Aに滑らかに連続し且つ上記目標形状1の上記稜線部1Bと同方向に凸となった第2の稜線部2Bとを有する形状である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、意匠が施された天板部とその天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する形状を、プレス成形で製造する方法に関する技術である。また、本発明は、その技術によって製造されたプレス成形品に関する技術である。
自動車を構成するパネル部品(板材から成形された部品)の1つに、ドアパネルなどの外板部品(外板パネル)がある。また近年、自動車に使用される材料が高強度化していることに伴い、プレス成形した部材のスプリングバックによる変形量が大きくなる傾向がある。このため、ドア用のなどの外板部品においては、スプリングバックによって、曲面形状で構成した意匠面が平坦化するおそれがある。すなわち、外板パネルの天板面の寸法精度が低下する。そして、後工程である、外板パネルと補強部品との組み付け時に課題が発生する。このようなことは、外板パネル以外のプレス成形品でも発生する。したがって、プレス成形品におけるスプリングバック量を低減するための工法の開発が必要である。
一般に、スプリングバック量を低減させるためには、その要因となっている下死点応力を緩和させる工法が用いられる。例えば、離型時に、引張であった下死点応力が解放されることによって反りが発生するケースがある。また、曲げに見られる板厚方向の応力差によるモーメントによって角度変化の発生するケースがある。このようなケースの対策として、種々の工法が提案されている。
例えば、特許文献1では、スプリングバックの抑制にエンボスやビードを付与しており、そのエンボスやビードの形状・位置をパラメータとすることで最適化している。特許文献1に記載の方法は、このようなエンボスなどの形状の付与によって剛性が高まることから、スプリングバック対策として用いられる。
特許文献2では、長尺の湾曲部品に対して長手方向の反りやねじれを抑制するために、1工程目で成形した部品の稜線部分を2工程目で面取りのように成形しなおす。これによって、特許文献2では、スプリングバック成分とスプリングゴー成分を相殺させて、反りやねじれを抑制している。
特許文献3では、1組の金型によってブランクに予成形及び本成形を施している。予成形時に本成形の形状とは逆方向へ張出し、その後、本成形によって予成形形状とは逆方向へ成形することで、寸法精度の高い加工品を製造する工法が提案されている。
特開2020-42566号公報 特再公表2020-235152号公報 特開2010-110777号公報 特再公表2015-4908号公報
特許文献1のような方法は、スプリングバックにより寸法精度が低下する箇所に対し、エンボスやビードを付与することを前提としている。そして、そのままエンボスやビードといった形状を残す場合もあれば、後工程によって潰す場合もある。いずれにおいても、このような対策工法は、意匠性が重要である外板部品には使用することができないという課題がある。
また、特許文献2の方法は、反りやねじりといった長尺湾曲部品での寸法精度に対する抑制工法である。したがって、特許文献2の方法では、意匠面を有する天板部の曲率が小さくなって平坦化してしまう課題には適用できない。
特許文献3のような方法は、予成形時のパンチ肩が本成形時に増肉することで、割れの発生がなく高意匠な形状への成形を可能とする。しかし、その適用が可能な形状は単純なものに限定されており、プレス成形品の形状が非対称な形状の場合には向いていないと考えられる。
ここで、特許文献4には、スプリングバックの抑制という観点ではないが、張出し成形において割れやしわなく高意匠な部品を成形する工法が提案されている。特許文献4では、1工程目で目標形状に対する中間形状のような予成形を行い、2工程目で目標形状へと成形を行うというものである。この工法では、ひずみが分散することによって割れ危険箇所に材料を流入させることが可能である。ただし、特許文献4は、意匠面のスプリングバックを抑制することが目的ではない。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、天板部に形成される意匠面をより精度良く成形可能な技術、及びその技術で製造したプレス成形品を提供することを目的としている。
課題解決のために、本発明の一態様は、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状に、板材をプレス成形することでプレス部品を製造する方法であって、板材を予成形形状にプレス成形する予成形工程と、上記予成形形状の板材を上記目標形状にプレス成形する本成形工程と、を備え、上記予成形形状は、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する形状である、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状に、板材をプレス成形する際に用いられる上記板材であって、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する形状からなる、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、板材をプレス成形して予成形形状に成形し、その予成形形状の板材を、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状にプレス成形する際に使用される、板材を上記予成形形状に成形するための金型であって、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する天板形成用の成形面と、その天板形成用の成形面に連続する稜線部を形成するための第2の成形面と、を有する予成形形状成形用の金型である。
また、本発明の態様は、板材をプレス成形して予成形形状に成形し、その予成形形状の板材を、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状にプレス成形するために使用され、上記予成形形状を求める成形解析の処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、上記目標形状に基づき、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部の面形状を求める第1の手順と、上記第2の天板部の面形状に稜線部を滑らかに連続した形状を求める第2の手順と、を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の態様は、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状からなるプレス部品であって、記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する予成形形状の板材を、上記目標形状にプレス成形した、プレス成形品である。
本発明の態様によれば、本開示の予成形形状から目標形状(例えば最終形状)へと成形する過程において、意匠面を構成する天板部の面形状が反転する。この結果、本発明の態様によれば、意匠面の下死点応力が、通常1工程で目標形状とする場合に比べて低下する。これによって、本発明の態様によれば、スプリングバックを抑制し、天板部の面形状(意匠)の寸法精度を向上させることができる。
なお、本開示の目標形状からなるプレス部品の形状は、本開示の予成形形状を介して成形されることで、天板部のスプリングバックによる面変位が抑制された形状となる。また、本開示の目標形状からなるプレス部品の形状は、本開示の予成形形状を介して成形されることでできる形状である。
本発明に基づく実施形態に係る目標形状(プレス部品)を示す斜視図である。 プレス部品製造の際の成形工程における、形状の変化を説明する概念図である。 本発明に基づく実施形態に係るプレス部品製造の成形工程を示す図である。 予成形形状の別例を示す図である。 予成形形状の決定手順の一例を示す図である。 目標形状における意匠面(天板部の面)の曲面形状の別例(a)と、そのときの反転例(b)を示す図である。 予成形工程で用いる金型の例を示す図である。 本成形工程で用いる金型の例を示す図である。 プログラムのフロー例を示す図である。 本成形時の板材の変形過程を示す図である。 実施例における目標形状を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 実施例における予成形形状を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 寸法精度の指標値を求める方法を説明する図である。 予成形形状の第2の天板面を規定するための、切断線の修正方法の例を説明する図である。 修正後の切断線の決定方法の例を説明する図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。
(構成)
<プレス部品(最終成形品)>
本実施形態が対象とするプレス部品(成形品)は、曲面形状を有する天板部と天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状からなる部品である(図1参照)。また、縦壁部に連続してフランジ部を有していてもよい。
また、目標形状は、縦壁部が天板部外周の全周に形成されていても良いし、断面ハット型のような部分的に縦壁部を有する形状であってもよい。
また、本実施形態のプレス部品は、ドアパネルやルーフパネルなどの外板パネルに好適であり、天板部の面形状に意匠が施されていることを前提としている。このため、本開示では、曲面形状を有する天板部と規定している。
本開示は、天板部の曲面形状が、天板の面の延在方向に沿って滑らかな曲線を描いている場合に好適である。ただし、天板の面の延在方向に沿った途中で曲率が反対側になってもよい。例えば、途中までが上に凸の曲率と成っており、途中から下に凸の曲率となるような曲面形状であっても良い(図6参照)。ただし、上に凸の曲面と下に凸の曲面とが滑らかに連続しているように構成されていることが好ましい。
また天板部の面の全面が曲面形状でなくても良いが、少なくとも半分以上、好ましくは2/3以上が曲面形状であることが良い。1つの曲面形状の面積が小さい場合には、その部分での、スプリングバックによる面変形は小さく、1つの曲面形状の面積が大きい程、本開示の効果は大きくなる。
なお、天板部の曲面形状の一部に、ビード状などの局所的に形成された曲面部がある場合、その局所的な曲面部は、曲面形状の面剛性を高める。このため、本開示は、なだらかに曲率が変化する曲面形状から天板部が形成されている場合に、特に有効である。
以下の説明では、製造するプレス部品の目標形状1が、図1や図2(c)に示すように、天板部1Aと、天板部1Aの外周全周に稜線部1Bを介して連続する縦壁部1Cと、縦壁部1Cに連続するフランジ部1Dとを有する形状を想定して説明する。また、天板部1Aの面形状は、面が全体として上側に凸の曲面形状の場合を例に説明する。フランジ部1Dは無くても良く、以下の説明で参照する図面の一部では、フランジ部1Dを省略して図示している。
ここで、上側に凸とは、例えば、最終のプレス成形品におけて、外面側に凸となっていることを指す。
<プレス部品の製造方法>
図2は、本実施形態における、プレス部品製造の際における、成形に伴う板形状の変化状況を説明する概念図である。
本実施形態の成形工程は、図3に示すように、予成形工程10と、本成形工程11とを備える。
<予成形工程10>
予成形工程10は、板材3(ブランク)を予成形形状2にプレス成形する工程である。
本実施形態の予成形形状2からなる予成形品は、図2(b)に示すように、第2の天板部2Aと、第2の稜線部2Bと、縦壁部2Cと、フランジ部2Dとを有する。第2の稜線部2Bは、第2の天板部2Aに滑らかに連続する。縦壁部2Cは、第2の稜線部2Bに連続する。フランジ部2Dは、縦壁部2Cに連続する。
第2の天板部2Aの面形状は、図2に示すように、プレス部品の目標形状1における天板部1Aの曲面形状をプレス方向に反転した面形状となっている。反転した面形状は、天板部1Aの曲面形状の曲率が反転した形状であればよく、曲率の絶対値が一致しなくてもよい。例えば、天板部1Aの曲面形状が全体として上側に凸の曲面形状であれば、反転させた第2の天板部2Aの面形状は、全体として下側に凸の面形状となっていれば良い。
ここで、曲面形状に連続する直線形状の面があり、直線形状の面の傾きが付いている場合、曲面形状の反転に伴い、反転によって直線形状の面の傾きも反転する。すなわち、プレス方向に水平な面に対し、傾きを有する直線形状の面も曲面形状として扱う。
なお、目標形状1における天板部1Aの曲面形状の一部に、局所的な凹形状や凸形状を構成するエンボスやビード状の局所的曲面部が存在する場合、その局所的曲面部で曲率が急峻する部分が発生する。このため、第2の天板部2Aの面形状を規定する際に、目標形状1における局所的曲面部を無視して、天板部1Aの曲面形状が滑らかな曲面形状とみなして、面の反転処理を行ってもよい。
予成形形状2の第2の稜線部2Bの形状は、目標形状1での稜線部1Bと同方向に凸の曲率からなる曲面形状とする。ただし、予成形形状2での稜線部1Bの曲率は、目標形状1での稜線部1Bの曲率と同じでも良いし、異なっていても良い。
そして、予成形形状2は、第2の天板部2Aの外周と第2の稜線部2Bとが滑らかに接続するように、第2の天板部2Aの外周部と、第2の稜線部2Bの形状の少なくとも一方の形状を変更する。
ここで、予成形形状2(予成形品)は、縦壁部2Cを有しない形状であっても良い。予成形形状2に縦壁部2Cが無い場合、図4に示すように、予成形形状2の第2の稜線部2Bに連続して塑性変形していないフランジ部2Dが外周に連続した形となる。すなわち、予成形工程10で、予成形形状2として、稜線部1Bの高さの成形高さで、第2の天板部2Aが成形されることになる。
予成形形状2(予成形品)が縦壁部2Cを有する場合、その縦壁部2Cの成形高さH1は、目標形状1おける縦壁部1Cの成形高さH以下の高さとすると良い(図2参照)。ここで、縦壁部2Cの成形高さH1を最終形状の成形高さHよりも高くなるように予成形用の金型で成形すると、本成形工程11で目標形状1に成形する際に座屈が生じるおそれがあることを確認した。このため、縦壁部2Cの成形高さH1は、目標形状での縦壁部1Cの成形高さH以下の高さとした。
ここで、縦壁部の成形高さH、H1を、稜線部との縦壁部との境界位置までの高さで規定しているが、これに限定しない。例えば、天板部と稜線部との境界位置(天板部の外周端位置)までの高さを、縦壁部の成形高さH、H1としても良い。
<第2の面の規定方法>
第2の天板部2Aの面形状を規定する、目標形状1での天板部1Aの曲面形状を反転する処理の例を、図5を参照して説明する。
まず、図5(a)のように、目標形状1における天板部1Aの面を複数の断面20で分割する。面の分割方法は特に限定されないが、面の任意の延在方向に沿って複数の断面20が並ぶように設定する。この場合に、複数の断面20が、面を規定する曲率の1つに直交する方向に並ぶことが好ましい。
次に、図5(b)に示すように、各断面20毎に、断面20の切断線21を、当該切断線の両端21aを結ぶ直線Lにプレス方向で線対称な線22に反転する処理を行う。
なお、天板部1Aの面に局所的なビードによる凹凸が有る場合において、切断線21がその局所的な凹凸位置を通過する場合、次のようにすることが好ましい。すなわち、その局所的な凹凸を切断した線の部分については、その局所的な凹凸をならした滑らかな曲線線(例えば、凹凸を形成しないときの線)に変換して切断線21を設定することが好ましい。
切断線21を構成する線分の両端21aは、それぞれ天板部1Aの面の端部に位置する。すなわち、線分の両端21aは、天板部1Aと稜線部1Bの境界に位置する。線分の両端21aの位置が多少前後しても問題は無い。
これによって、切断線の曲率が反転する。
この処理を、図5(c)のように、各断面20に対して実行して、複数の反転した線22を求める。
ここで、図6(a)のように、目標形状1での天板部1Aの曲面形状の途中に変曲点がある場合、反転した線22は、図6(b)のようになる。
このように、目標形状1の天板部1Aを規定する曲面形状に、上側に凸の曲面部分と上側に凹の曲面部分とを有する場合がある。この場合、切断線21、及びそれを反転させた線22は、図6(b)に示すように、曲線の途中に変曲点fを有する。
そして、発明者は、天板部1Aを規定する曲面形状が、上側に凸の曲面部分と上側に凹の曲面部分とを有する場合、次の不具合が発生するおそれがあるとの知見を得た。すなわち、天板部1Aの曲面形状の形状によっては、予成形形状を有する板材を本成形工程で成形した際に、天板部1Aでしわが発生する場合があるとの知見を得た。このしわの発生は、例えば、上側に凹の曲面部分の曲率半径が上側に凸の曲面部分の曲率半径より小さい場合などに発生するおそれがある。
このような理由から、複数の切断線21について、それぞれ、図14(a)に示すように、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状からなる切断線21Aに修正する処理を行うことが好ましい。この場合、修正後の各切断線21Aは、上側に凸の曲線形状とすることが好ましい。
また、修正後の各切断線21Aは、単一曲率半径の曲線形状であることが好ましい。単一曲率半径の曲線形状の場合、修正の切断線21Aの曲線を求めやすくなる。
修正後の切断線21Aを、単一曲率半径の曲線形状とする場合を例にして、当該修正後の切断線21Aの求め方について、図15を参照して説明する。なお、修正前の切断線21の線長をLXとする。
単一曲率半径の曲線形状からなる修正後の切断線21Aは、図15(b)に示すような、円弧形状となる。
ここで、図15(b)に示すように、円弧形状を規定する円の半径をR、角度をθ、弦をDとした場合、余弦定理から、角度θは、次の(1)式で表される。

cosθ =(2R-D)/2R ・・・(1)
また、この(1)式を変形すると、
θ =cos-1{(2R-D)/2R } ・・・(2)
となる。
そして、上記(2)式から、修正後の切断線21Aの円弧長LY(=R・θ)を算出する。
続いて、修正前の切断線21の線長LXと、修正後の切断線21Aの線長である円弧長LYとの誤差が最小になるように、半径Rを設計変数として収束計算する。その収束計算によって、修正後の切断線21Aの曲線形状を規定する半径Rを求める。
なお、上記の弦Dは、目標形状1から決まる既知の値である。
これを、複数の切断線21の全てに対し実行して、各切断線を修正する。
このようにして修正後の切断線21Aが求められたら、次の処理を行う。つまり、修正後の切断線21Aを、図14(a)→(b)のように、当該切断線の両端21aを結ぶ直線Lにプレス方向で線対称な線22に反転する処理を行う(図14参照)。
これによって、反転後の各線22が、変曲点の無い曲線として求まる。
ここで、上記説明では、切断線21を修正し、修正後の切断線21Aを反転して、反転後の各線22を求めたが、これに限定されない。修正前の切断線21を反転し、反転した線22について、上記と同様な方法で、変曲点の無い曲線に修正してもよい。修正した反転後の線の曲線は、切断線21を修正処理をして求めた反転後の線と同様な線の形状となる。
次に、各反転させた線22の両端部について、稜線部1Bの断面20線と滑らかに繋がる(接続する)ように、反転させた線と稜線の少なくとも一方を変形させる。例えば、稜線の天板部1A側の部分を反転させた線の端部に滑らかに接続するように変化させる。
次に、図5(d)のように、各断面20毎に反転した複数の線で規定される面形状を、第2の天板部2Aの面形状として求める。すなわち、反転した複数の線をできるだけ通過する滑らかな曲面を求め、その求めた曲面を第2の天板部2Aの面形状とする。なお、このとき細かい凹凸があっても、全体として反転した複数の線をできるだけ通過する滑らかな曲面を求めれば良い。
そして、図5(e)に示すような予成形形状が求まる。
この予成形工程10の処理は、例えば、上記のように決定した予成形形状2に倣った成形面を有する予成形用金型を使用したプレス成形にて行われる。金型は、例えばパンチとホルダー及びダイの組を備える。プレス成形は、例えば張出し成形とする。
<本成形工程11>
本成形工程11は、予成形工程10で予成形形状2となった板材3を、製品としての最終形状に塑性変形する工程である。
すなわち、本成形工程11は、図2のように、予成形形状2の板材3(予成形品)を目標形状1(最終部品形状)にプレス成形する工程である。
本成形工程11も、最終形状に成形するための本成形用金型を使用したプレス成形にて行われる。金型は、例えばパンチとホルダー及びダイの組を備える。各プレス成形は、例えば張出し成形とする。
<金型>
実際のプレス成形に先立って、本成形用の金型、及び予成形用の金型を製造する。
本成形用の金型は、例えば、目標形状1に倣った成形面を有するパンチとホルダー及びダイから構成する。
予成形用の金型は、図7に示すような。上述の方法で決定した予成形形状2に倣った成形面を有するパンチ33、ホルダー31及びダイ32から構成する。符号34は、ウレタンその他の弾性体からなるパッドである。パッドの成形面をパンチ33の成形面と同じ形状をしたダイとしてもよい。
予成形用の金型の決定方法は、例えば、目標形状1(最終形状)における天板部1Aを構成する意匠面の形状を、プレス方向(板厚方向)へ幾何学的に曲率が反転するように対称移動させる。更に、パンチ肩と滑らかに繋がるよう任意のフィレットをかけた形状として成形面を決定する。このとき、例えば、上述のように、対称移動させる意匠面(目標形状1における天板面)を複数の断面20に分割する。そして、各断面20における端点同士を結ぶ線分に対して、各断面20を対称移動させて新たに面を生成すればよい。
例えば、目標形状における天板部1Aの面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転する。その後、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、天板形成用の成形面の面形状とすればよい。
このとき、目標形状1(最終形状)における天板部1Aの曲面形状に、上側に凸の曲面形状の部分と上側に凹の曲面形状とが存在する場合、次のような変更処理を行うと良い。
すなわち、複数の切断線若しくは反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、天板形成用の成形面の面形状を規定するとよい。この場合、曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状であることが好ましい。
なお、線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更の方法は、上述の切断線21の修正処理と同様な処理を行えば良い。
本成形用の金型は、図8に示すような、目標形状1に倣った成形面を有する金型を使用すればよい。符号41がホルダー、符号42がダイであり、符号43がパンチである。符号43Aは天板形成用の成形面であり、符号43Bがパンチ肩である。本成形用の金型についても、パンチ43と対向する位置にパンチ43の成形面と同じ形状をしたダイを配置してもよい。
<予成形形状2決定用のプログラム>
予成形形状2決定用のプログラムは、コンピュータによって実行される。
プログラムは、起動されることで、図9に示す手順で実行される。
まず、ステップS10にて、目標形状1の設定を行う。例えば、CADなどで事前に設計された目標形状1の形状データをデータベースなどの記憶部から取得する。
次に、ステップS20にて、対称移動させる意匠面の範囲を選択する処理を行う。
例えば、天板部1Aの面形状を表示部に表示し、その表示に伴いオペレータが選択した面の領域を取得する。ステップS20は無くても良い。
次に、ステップS30では、選択した範囲において、意匠面を幾何学的にプレス方向へ対称移動した面形状を、第2の天板部2Aの面形状として求める。即ち、目標形状1における天板部1Aの曲面形状をプレス方向に反転した面形状を、予成形形状2での第2の天板部2Aの面形状として求める。
例えば、ステップS30では、目標形状における天板部の面を複数の断面で分割する手順と、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転する手順と、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする手順と、を行うことで実行する。
このとき、目標形状1の天板部1Aを規定する曲面形状に、曲率の凹凸が反転する曲面形状(変曲点がある形状)を有する場合には、次のように行うことが好ましい。
すなわち、複数の切断線若しくは反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に修正する処理を行う。ここで、曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状が好ましい。つまり、各断面における線長を維持したまま凸側へ単一の曲率半径によって断面を修正してから反転処理を行う。もしくは、反転処理を行ってから、凹側へ単一の曲率半径によって断面を修正してから面形状の調整を行う。
ここで、一部の領域の面だけを反転処理を行った場合には、その反転処理を行った領域と他の領域とが滑らかに接続するように面形状の調整を行う。
次に、ステップS40では、第2の天板部2Aの面形状に第2の稜線部2Bが滑らかに連続する形状とする処理を行う。
例えば、意匠面とパンチ肩(稜線部1B成形面)とを滑らかに繋ぐように、パンチ肩に任意のフィレットを施す。
以上の処理をコンピュータに実行させることで、予成形形状2(予成形形状2用の金型)を決定する。
(動作その他)
例えば、板材3を1工程で目標形状1に成形した場合、離型の際のスプリングバックによって、次のことが発生するおそれがある。すなわち、天板部1Aの引張応力による曲率収縮と、パンチ肩(稜線部1B)のモーメントによる押し上げ作用が発生する。そして、そのバランスによって、凸からなるはずの天板部1Aの意匠面が、下方に面変形するおそれがある。
特に、440MPa以上の高強度鋼板の場合、強度が高いことからスプリングバック量が大きくなりやすい。更に、薄肉化するほど面変形が発生しやすい。したがって、本開示は、板材3が高強度鋼板の場合に好適である。近年、自動車は、部品の強度を上げつつ軽量化を図る要望があることから、高強度鋼板を採用し薄肉化する傾向がある。この場合、スプリングバック量が大きくなるにつれて、薄肉化した天板部1Aが面変形(板厚方向の変形)を起こしやすくなる。本開示は、このような傾向への対策として有効な技術である。
これに対し、本開示では、目標形状1に対し天板部1A(意匠面)の曲率を反転させた形状(図10(a)参照)に予成形してから、目標形状1にプレス成形する。このため、本成形工程11でのプレス成形時の下死点応力が低減して、天板部1Aに面内圧縮が入力(図10(b)参照)される。この結果、目標形状1に対する天板部1Aでの面変形が抑制される(図10(c)参照)。
このことは、本開示で作成されたプレス部品は、途中の形状である予成形形状2によって規定される。すなわち、上記のような特定の課題を克服した本開示のプレス部品は、本開示の予成形工程10を経ないと成り立たないものである。そして、出願時において物の構造又は特性を解析することが技術的に不可能、若しくは、特許出願の性質上、迅速性等を必要とする。このことを鑑みると、物の構造又は特性を特定する作業を行うことに著しく経済的支出や時間を要する部品形状である。
また、予成形形状2において、第2の天板部2Aと第2の稜線部2Bとを滑らかに接続することで、本成形の際に、稜線部1Bでの座屈を抑制することができる。
ここで、本開示が対象とするプレス部品は、自動車部品用のプレス部品に限定されず、板材3をプレス成形する加工全てに対して適用することが可能である。また、プレス成形する板材3の素材は、鉄鋼に限らずステンレス等の鉄合金、更には非鉄材料、非金属材料に対しても適用可能である。
(その他)
本開示は、次のような構成も取り得る。
(1)曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状に、板材をプレス成形することでプレス部品を製造する方法であって、
板材を予成形形状にプレス成形する予成形工程と、
上記予成形形状の板材を上記目標形状にプレス成形する本成形工程と、
を備え、
上記予成形形状は、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する形状である。
(2)上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする。
(2A)上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に修正する処理を行う。
(2B)上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である。
すなわち、上記目標形状の天板部の中で曲率の凹凸が反転する形状を有する場合には、各断面における線長を維持したまま凸側へ単一の曲率半径によって断面を修正してから反転処理を、もしくは、反転処理をおこなってから凹側へ単一の曲率半径によって断面を修正して得られた複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする。
(3)上記予成形形状は、上記第2の稜線部に連続する縦壁部を有し、その縦壁部は、目標形状おける縦壁部の成形高さ以下の高さとなっている。
(4)曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状に、板材をプレス成形する際に用いられる上記板材であって、
上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する形状からなる。
(4A)上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とした。
(4B)上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、上記第2の天板部の面形状を規定した。
(4C)上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である。
(5)板材をプレス成形して予成形形状に成形し、その予成形形状の板材を、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状にプレス成形する際に使用される、板材を上記予成形形状に成形するための金型であって、
上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する天板形成用の成形面と、その天板形成用の成形面に連続する稜線部を形成するための第2の成形面と、を有する予成形形状成形用の金型。
(5A)上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記天板形成用の成形面の面形状とした。
(5B)上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、上記天板形成用の成形面の面形状を規定した。
(5C)上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である。
(6)板材をプレス成形して予成形形状に成形し、その予成形形状の板材を、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状にプレス成形するために使用され、上記予成形形状を求める成形解析の処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
上記目標形状に基づき、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部の面形状を求める第1の手順と、
上記第2の天板部の面形状に稜線部を滑らかに連続した形状を求める第2の手順と、
を実行させるためのプログラム。
(7)上記第1の手順は、
上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割する手順と、
各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転する手順と、
各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする手順と、
を備える。
(7A)上記反転する手順は、上記切断線若しくは上記反転後の線について、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に修正する処理を有する。
(7B)上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である。
上記目標形状における上記天板部の中で曲率の凹凸が反転する形状を有する場合には、上記天板部の面の各断面毎に断面の線長を維持したまま凸側へ単一の曲率半径によって断面を修正してから反転する、もしくは、反転処理をおこなってから凹側へ単一の曲率半径によって断面を修正して得られた複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする手順であってもよい。
(8)曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状からなるプレス部品であって、
上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する予成形形状の板材を、上記目標形状にプレス成形した、プレス成形品。
(8A)上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状が、上記第2の天板部の成形面の面形状である。
(8B)上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、上記第2の天板部の面形状を規定した。
(8C)上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である。
次に、本実施形態に基づく実施例について説明する。
本発明手法では、図11に示される、自動車のドアアウターを模した最終形状を、本開示に基づき、2段階のプレス成形工程(予成形工程10と本成形工程11)で作製した。
本例では、目標形状1での天板部1Aの意匠面は、一方向に曲率半径1200mm、それと直交する方向には曲率をもたない形状を対象とした。
板材3としては、板厚0.6mmの引張強度440MPa級高張力鋼板を用い、製品形成部の外周側にロックビードを設け、材料流入を阻害する張出し成形を行って、本開示の効果を検証した。
ここで、図12に。本開示の本発明手法によって得られる予成形形状2を示す。この予成形形状2は、図5のように、対称移動させる意匠面を複数の断面20(5つの面)に分割する。更に、各断面20における切断線の端点同士を結ぶ直線Lに対して、各断面20を対称移動させた各線を通過する曲面を新たに生成する。更にパンチ肩と滑らかに繋がるよう半径8mmのフィレット(第2の稜線部)をかけた形状である。
また、比較のために、平坦な板材3を、一回のプレス成形を行って、つまり本成形工程11だけで目標形状1のプレス部品を製造した。その他の条件は、本発明手法と同様である。
実験結果を表1に示す。
Figure 2023072667000002
ここで、表1に示す寸法精度は、図13に示すように、本成形用のパンチ43と本成形後のプレス部品の天板部1Aとを3次元形状測定したデータからフィッティングを行う。そして、代表断面における面直方向の形状の差分を積算することによって、図13で示す隙間Sの面積を求め、面積Sの寸法精度を示す指標値とした。この寸法精度を示す値は、値が大きいほど寸法精度が劣位であることを示している。
表1から分かるように、本発明手法では、従来手法に比べ、寸法精度が大幅に向上し、良好な意匠面となっているプレス部品を提供できることが分かった。
1 目標形状
1A 天板部
1B 稜線部
1C 縦壁部
1D フランジ部
2 予成形形状
2A 第2の天板部
2B 第2の稜線部
2C 縦壁部
2D フランジ部
3 板材
10 予成形工程
11 本成形工程
21 切断線
21A 補正後の切断線
22 反転後の線

Claims (21)

  1. 曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状に、板材をプレス成形することでプレス部品を製造する方法であって、
    板材を予成形形状にプレス成形する予成形工程と、
    上記予成形形状の板材を上記目標形状にプレス成形する本成形工程と、
    を備え、
    上記予成形形状は、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する形状である、
    ことを特徴とするプレス部品の製造方法。
  2. 上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。
  3. 上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に修正する処理を行う、
    ことを特徴とする請求項2に記載したプレス部品の製造方法。
  4. 上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である、
    ことを特徴とする請求項3に記載したプレス部品の製造方法。
  5. 上記予成形形状は、上記第2の稜線部に連続する縦壁部を有し、その縦壁部は、目標形状おける縦壁部の成形高さ以下の高さとなっている、
    ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
  6. 曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状に、板材をプレス成形する際に用いられる上記板材であって、
    上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する形状からなる、
    ことを特徴とするプレス成形用の板材。
  7. 上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とした、
    ことを特徴とする請求項6に記載したプレス成形用の板材。
  8. 上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、上記第2の天板部の面形状を規定した、
    ことを特徴とする請求項7に記載したプレス成形用の板材。
  9. 上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である、
    ことを特徴とする請求項8に記載したプレス成形用の板材。
  10. 板材をプレス成形して予成形形状に成形し、その予成形形状の板材を、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状にプレス成形する際に使用される、板材を上記予成形形状に成形するための金型であって、
    上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する天板形成用の成形面と、その天板形成用の成形面に連続する稜線部を形成するための第2の成形面と、
    を有する予成形形状成形用の金型。
  11. 上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記天板形成用の成形面の面形状とした、
    ことを特徴とする請求項10に記載した予成形形状成形用の金型。
  12. 上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、上記天板形成用の成形面の面形状を規定した、
    ことを特徴とする請求項11に記載した予成形形状成形用の金型。
  13. 上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である、
    ことを特徴とする請求項12に記載した予成形形状成形用の金型。
  14. 板材をプレス成形して予成形形状に成形し、その予成形形状の板材を、曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状にプレス成形するために使用され、上記予成形形状を求める成形解析の処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    上記目標形状に基づき、上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部の面形状を求める第1の手順と、
    上記第2の天板部の面形状に稜線部を滑らかに連続した形状を求める第2の手順と、
    を実行させるためのプログラム。
  15. 上記第1の手順は、
    上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割する手順と、
    各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転する手順と、
    各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状を、上記第2の天板部の面形状とする手順と、
    を備えることを特徴とする請求項14に記載したプログラム。
  16. 上記反転する手順は、上記切断線若しくは上記反転後の線について、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に修正する処理を有する、
    ことを特徴とする請求項15に記載したプログラム。
  17. 上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である、
    ことを特徴とする請求項16に記載したプログラム。
  18. 曲面形状を有する天板部と上記天板部に稜線部を介して連続する縦壁部とを有する目標形状からなるプレス部品であって、
    上記目標形状の上記天板部の曲面形状をプレス方向に反転した面形状を有する第2の天板部と、上記第2の天板部に滑らかに連続し且つ上記目標形状の上記稜線部と同方向に凸となった第2の稜線部とを有する予成形形状の板材を、上記目標形状にプレス成形した、プレス成形品。
  19. 上記目標形状における上記天板部の面を複数の断面で分割し、各断面毎に断面の切断線を当該切断線の両端を結ぶ直線にプレス方向で線対称な線に反転し、各断面毎に反転した複数の線で規定される面形状が、上記第2の天板部の成形面の面形状である、
    ことを特徴とする請求項18に記載したプレス成形品。
  20. 上記複数の切断線若しくは上記反転後の複数の線について、各線の形状を、線長を維持し且つ変曲点の無い曲線形状に変更して、上記第2の天板部の面形状を規定した、
    ことを特徴とする請求項19に記載したプレス成形品。
  21. 上記曲線形状は、単一曲率半径の曲線形状である、
    ことを特徴とする請求項20に記載したプレス成形品。
JP2022173458A 2021-11-12 2022-10-28 プレス部品の製造方法、プレス成形用の板材、予成形形状成形用の金型、プログラム、及びプレス成形品 Pending JP2023072667A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021185035 2021-11-12
JP2021185035 2021-11-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023072667A true JP2023072667A (ja) 2023-05-24

Family

ID=86424638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022173458A Pending JP2023072667A (ja) 2021-11-12 2022-10-28 プレス部品の製造方法、プレス成形用の板材、予成形形状成形用の金型、プログラム、及びプレス成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023072667A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11731185B2 (en) Method for manufacturing pressed component
JP6512191B2 (ja) 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法
KR102291185B1 (ko) 프레스 성형품의 제조 방법
WO2018030240A1 (ja) プレス成形品の製造方法
KR102361285B1 (ko) 프레스 부품의 제조 방법, 프레스 성형 장치 및 프레스 성형용의 금속판
JP5020858B2 (ja) 部材長手方向の平面内に屈曲部を有する金属製断面ハット型形状部材およびそのプレス成形方法
JP2015131306A (ja) プレス成形方法
JPWO2019167793A1 (ja) プレス部品の製造方法、プレス成形装置、及びプレス成形用の金属板
JP6760551B1 (ja) プレス部品の製造方法、及び形状矯正用金型
JP2023072667A (ja) プレス部品の製造方法、プレス成形用の板材、予成形形状成形用の金型、プログラム、及びプレス成形品
EP3778053A1 (en) Designing method for press-molded article, press-molding die, press-molded article, and production method for press-molded article
JP7448464B2 (ja) 鋼部品の製造方法
JP7205520B2 (ja) プレス部品の製造方法及びプレス成形用の金属板
JP6112226B2 (ja) プレス成形方法、及びプレス成形部品の製造方法
WO2021125293A1 (ja) プレス成形品の製造方法およびプレス成形装置、プレス成形ライン
KR102545162B1 (ko) 프레스 성형 방법
CN113226584B (zh) 冲压成形方法
KR102545155B1 (ko) 프레스 성형 방법
JP2021164954A (ja) プレス部品の製造方法、曲げ戻し用の金型、プレス部品の成形方法及び高強度鋼板
JP2020069534A (ja) プレス部品の製造方法及び下金型の設計方法
JP2021159951A (ja) 板金成形品の製造方法、板金成形品の製造装置、及びフランジアップ工具
JP7216937B1 (ja) プレス成形品の製造方法及びブランク
JP7044208B2 (ja) プレス成形品の製造方法およびプレス成形ライン
JP6923043B1 (ja) プレス成形方法
WO2021241024A1 (ja) プレス成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240611