JP6760551B1 - プレス部品の製造方法、及び形状矯正用金型 - Google Patents
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Abstract
Description
また、フロントピラーやメンバー部品など車体部品は、天板部とそれに連続する縦壁部及びフランジ部を有するハット型断面形状で且つ長手方向に湾曲した形状の成形品である。このような形状の成形品は、スプリングバック(弾性回復)によって断面の変化のみならず、部品長手方向の端部が持ち上がる若しくは落ち込むといった長手方向の反りが発生したり、部品長手中央の断面に対し、部品端部の断面がねじれるといった不良が発生しやすい。更に、長手方向に長尺な部品形状であるため、長手方向中央付近では小さな反りやねじれといった小さな寸法精度不良であっても、部品長手方向端部では、大きな反りやねじれとなる。このため、上記のような部品形状の成形品は、寸法精度の確保が非常に困難な傾向にある。
例えば特許文献1では、ハット型断面を有し、且つ長手方向に湾曲した長尺部品に対して、湾曲内側(湾曲部凹側)のフランジ部を第1の成形工程で小さく曲げ、更に第2工程で製品形状になるまで追加で折り曲げることで、部品端部のねじれの要因となる応力を低減させるプレス成形方法が提案されている。
また、特許文献2では、プレス成形前の金属板に予肉部を設け、プレス成形中に上記予肉部を縦壁部成形部に引っ掛けることで、金属板の面内の材料回転を促進させて、ねじれや長手方向の反りの要因となる応力を低減させるプレス成形方法が提案されている。
また、特許文献2に記載のプレス成形方法では、成形前の金属板に予肉部を設けるため、材料の歩留りが悪化するという問題がある。更に、予肉部を縦壁部に引っ掛けながらの成形は、プレス成形での量産を考えた場合、非常に不安定な状態での処理となる。また、このような方法は、プレス成形前の金属板の置き位置や金属板と金型との間の摩擦係数が変動すると、金属板に付与される面内の回転量が変動してしまうため、寸法精度の改善量も変動してしまう。
本実施形態は、図1に示すような、天板部10Aの幅方向両側に曲げ部10Dを介して縦壁部10Bが連続する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部10Aの長手方向に沿って、平面視で見て上記天板部10Aの幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部20を有する部品形状(以下、長尺湾曲部品形状とも記載する)に金属板1をプレス成形して、目的とする成形品10からなるプレス部品を製造する技術の説明である。長尺とは、天板部の幅よりも長手方向の長さが長いことを指す。
本実施形態ではプレス工程として、図2に示すように、少なくとも第1工程2と、第1工程2後の第2工程3とを備える。
プレス成形される金属板1は、例えば、目的とする成形品10の部品形状を展開したブランク形状となっている金属板1である。しかし、歩留りが許容される範囲内であれば、部品形状に必要な面積よりも広い面積の金属板1をブランク材(プレス成形される金属板1)として適用してもよい。金属板1の形状は特に限定がない。
本実施形態は、特に、引張強度が440MPa以上、好ましくは980MPa以上の鋼板(ハイテン材)からなる金属板1を長尺湾曲部品形状にプレス成形する際に使用することができる。この場合、より効果的に寸法精度不良を低減することができる。
第1工程2では、金属板1(ブランク材)を、第1の金型を用いて上記の部品形状にプレス成形する処理を行う。ここで、目的とする成形品10を多段階のプレス工程で作製する場合もある。この場合には、例えば、多段階のプレス工程の最後のプレス工程を第1工程2とすることができる。このように、第1工程2の前処理として、1又は2以上の他のプレス工程を有していても良い。
第1工程2のプレス成形には、例えば絞り成形、又は曲げ成形を採用する。
第1工程2が絞り成形の場合、第1の金型は、例えば図3に示すような構成となる。図3では、第1の金型は、ダイ50から成る上型と、パンチ51及びブランクホルダー52からなる下型により構成される。そして、図4に示すように、この例の絞り成形では、成形前に、金属板1をブランクホルダー52上に載せた状態(図4(a)参照)から成形が開始する。この状態でダイ50が下降してダイ50とブランクホルダー52によって金属板1が挟まれる(図4(b)参照)。その後、ブランクホルダー42によるプレス方向と対向する方向に圧力を加えながら、更にダイ50を下降させ(図4(c)参照)、最終的に下死点まで到達することで加工が完了する(図4(d)参照)。
ここで、第2工程3では、図5に示すような金型と同様な曲げ成形用の金型を使用して、曲げ成形でプレス成形を行う。
第2工程3では、第1工程2後の成形品10を第2の金型を用いてプレス成形して、成形品11(プレス部品)に形状矯正を施す処理を行う。すなわち、第2工程3では、第1の金型から離型後の部品形状(第1部品形状とも記載する)の成形品10に、第1の金型からの離型による弾性回復によって発生した部品長手方向の反りを矯正するためのプレス成形を行う。第2工程3で使用する第2の金型は、形状矯正用金型を構成する。
第2工程3では、図7(c)に示すように、第1の金型からの離型による弾性回復で、第1部品形状からなる成形品11に発生する反りが、第1の反りパターンHか第2の反りパターンLか判定する。第1の反りパターンHは、部品長手方向端部が天板部10Aの表面側10Aaに持ち上がる反りパターンである。第2の反りパターンLは、部品長手方向端部が天板部10Aの裏面側10Abに落ち込む反りパターンである。そして、第2工程3では、反りパターンが第1の反りパターンHか第2の反りパターンLかによって、使用する第2の金型として異なる金型を使用する。ここで、弾性回復による反りのパターンは、成形解析や、実際に第1工程2の処理を実施した実施品によって、事前に決定することができる。
第1工程2が終了し、離型後の成形品10の形状を第1部品形状とも記載する。
第1工程2のプレス成形で第1の金型からの離型による弾性回復によって、第1部品形状からなる成形品11に、部品長手方向端部が天板部10Aの表面側10Aaに持ち上がる第1の反りパターンHが発生している場合、第2工程3では、成形品11に対し、次のプレス成形を行う。
すなわち、図9に示すように、第2工程3で、第1の成形(図9中、符号12の処理)、及び第2の成形(図9中、符号13の処理)のうちの、少なくとも一方の成形を行うプレス成形を行う。第1の成形(図9中、符号12の処理)は、第1部品形状からなる長尺湾曲部品形状における、湾曲部20の凹側20Aにおける天板部10Aに対し縦壁部10Baが成す角度を、第1部品形状よりも小さくする成形を行う。第2の成形(図9中、符号13の処理)は、第1部品形状からなる長尺湾曲部品形状における、湾曲部20の凸側20Bにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bbが成す角度を第1部品形状よりも大きくする成形を行う。
(1−1)第1の成形の第1の方法
第1の成形として、湾曲部20の凹側20Aに位置する天板部10Aと縦壁部10Baとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部の曲げ部10Dの曲率半径を、第1工程2での曲率半径と異なる半径で成形する。
この場合、例えば、第2の金型として、湾曲部20の凹側20Aに位置する曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面61Dの曲率半径R2aが、第1の金型における、湾曲部20の凹側20Aに位置する曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面60Dの曲率半径R1aと異なる半径となっている金型を採用する。
また、本明細書で、「曲率半径」は、天板部10Aから縦壁部10Bに向かう曲げ部10Dを成形する面の曲率半径である。
なお、曲げ部10Dなどを成形する金型は、上型と下型とで構成され、上型と下型とで金属板1を挟み込むことによって成形する。このため、成形面は、上型(ダイ)と下型(パンチ)の両方に存在するが、曲げ部10D成形面の形状は略同一形状であるので、どちらの成形面であってもよい。仮に、対向する上型の成形面と下型の成形面が異なる断面形状の場合には、上型と下型で個々に断面形状を変更して対応すればよい。以下の成形でも同様である。
後述の通り、第2の金型の形状として、第1の金型の形状と上記の曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面の曲率半径R2aが異なる金型を使用し、その第2の金型でプレス成形する。これによって、湾曲部20の凹側20Aにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bが成す角度が、第1部品形状よりも小さくなるように成形することが可能である。この結果、後述の通り、天板部10Aの表面側10Aaに持ち上がる長手方向の反りが矯正される。
例えば、上記曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面以外は、第2の金型の成形面を、第1の金型の成形面と同じ面形状とする。もっとも、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の成す角度βa、βb以外の成形面の形状を、第1の金型と異ならせても良い。
第1の成形として、湾曲部20の凹側20Aに位置する天板部10Aと縦壁部10Baとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部について、天板部10Aから縦壁部10Bに向けて複数箇所で段階的に曲がった形状に成形する。例えば、第2の金型の成形面として、湾曲部20の凹側20Aに位置する天板部10Aと縦壁部10Bとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面の形状を、天板部10Aから縦壁部10Bに向けて複数箇所で段階的に曲がった面形状とする。そして、第1の金型における湾曲部20の凹側20Aに位置する天板部10Aと縦壁部10Baとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面の形状と異なる金型を採用する。
後述の通り、第2の金型として、曲げ部10Dの形状が、第1の金型の曲げ部10Dの円弧状の形状から、複数箇所で段階的に曲がった形状に変更した金型を使用し、その第2の金型でプレス成形する。これによって、湾曲部20の凹側20Aにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bが成す角度が、第1部品形状よりも小さくなるように成形することができる。この結果、後述の通り、天板部10Aの表面側10Aaに持ち上がる反りが矯正される。
例えば、上記曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面以外は、第2の金型の成形面が、第1の金型の成形面と同じ面形状とする。もっとも、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の成す角度以外の成形面の形状を、第1の金型と異ならせても良い。
第1の成形として、湾曲部20の凹側20Aに位置する縦壁部10Bの部分における、長手方向の少なくとも一部の縦壁部10Bを成形する第2の金型の成形面について、第1の金型で同一箇所を成形する成形面での角度αaに比べ、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の角度βaを小さくした第2の金型を使用して成形する。
第2の成形として、湾曲部20の凸側20Bに位置する縦壁部10Bの部分における、長手方向の少なくとも一部の縦壁部10Bを成形する第2の金型の成形面での角度αbについて、第1の金型で同一箇所を成形する成形面に比べ、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の角度βbを大きくした第2の金型を使用して成形する。
又は、第2の成形として、湾曲部20の凸側20Bに位置する天板部10Aと縦壁部10Bとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部の曲げ部10Dの断面形状を、第1工程2での断面形状と異なる形状として、湾曲部20の凸側20Bにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bが成す角度を第1部品形状よりも大きくするように成形しても良い。後述の通り、上記断面形状を調整することで、縦壁部10Bが開く方向に変形させることが可能である。
第1工程2のプレス成形で第1の金型からの離型による弾性回復によって、第1部品形状からなる成形品10に、部品長手方向端部が上記天板部10Aの裏面側10Abに落ち込む第2の反りパターンLが発生している場合、第2工程3では、第1部品形状の成形品10に対し、次のプレス成形を行う。
すなわち、図11に示すように、第2工程3で、第3の成形(図11中符号14の処理)、及び第4の成形(図11中符号15の処理)のうちの、少なくとも一方の成形を行う。第3の成形(図11中符号14の処理)は、第1部品形状の長尺湾曲部品形状における、湾曲部20の凹側20Aにおける天板部10Aに対し縦壁部10Baが成す角度を、第1部品形状よりも大きくする成形を行う。第4の成形(図11中符号15の処理)は、第1部品形状の長尺湾曲部品形状における、湾曲部20の凸側20Bにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bbが成す角度を第1部品形状よりも小さくする成形を行う。
第3の成形として、湾曲部20の凹側20Aに位置する縦壁部10Baの部分における、長手方向の少なくとも一部の縦壁部10Bを成形する第2の金型の成形面について、第1の金型で同一箇所を成形する成形面に比べ、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の角度βaを大きくした第2の金型を使用して成形する。
又は、第2の成形として、湾曲部20の凹側20Aに位置する天板部10Aと縦壁部10Baとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部の曲げ部10Dの断面形状を、第1工程2での断面形状と異なる形状として、湾曲部20の凸側20Bにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bbが成す角度を第1部品形状よりも大きくするようにしても良い。後述の通り、上記断面形状を調整することで、縦壁部10Bが開く方向に変形させることが可能である。
(2−1)第4の成形の第1の方法
第4の成形として、湾曲部20の凸側20Bに位置する天板部10Aと縦壁部10Bbとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部の曲率半径R2bを、第1工程2での曲率半径と異なる半径で成形する。
この場合、例えば、第2の金型として、湾曲部20の凸側20Bに位置する曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面の曲率半径R2bが、第1の金型における、湾曲部20の凸側20Bに位置する曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面の曲率半径R1bと異なる半径となっている金型を採用する。
例えば、上記曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面以外は、第2の金型の成形面を、第1の金型の成形面と同じ面形状とする。もっとも、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の成す角度βa、βb以外の成形面の形状を、第1の金型と異ならせても良い。
第1の成形として、湾曲部20の凸側20Bに位置する天板部10Aと縦壁部10Bbとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部について、天板部10Aから縦壁部10Bに向けて複数箇所で段階的に曲がった形状に成形する。例えば、第2の金型として、湾曲部20の凸側20Bに位置する天板部10Aと縦壁部10Bbとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面を、天板部10Aから縦壁部10Bに向けて複数箇所で段階的に曲がった面形状として、第1の金型における湾曲部20の凸側20Bに位置する天板部10Aと縦壁部10Bbとの間の曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面の形状と異なる金型を採用する。
後述の通り、第2の金型として、曲げ部10Dの形状が、第1の金型の曲げ部10Dの円弧状の形状から、複数箇所で段階的に曲がった形状に変更した金型を使用し、その第2の金型でプレス成形する。これによって、湾曲部20の凸側20Bにおける天板部10Aに対し縦壁部10Bbが成す角度が、第1部品形状よりも小さくなるように成形される。この結果、後述の通り、天板部10Aの表面側10Aaに持ち上がる反りが矯正される。
例えば、上記曲げ部10Dの少なくとも一部を成形する部分の金型成形面以外は、第2の金型の成形面が、第1の金型の成形面と同じ面形状とする。もっとも、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の成す角度以外の成形面の形状を、第1の金型と異ならせても良い。
第1の成形として、湾曲部20の凸側20Bに位置する縦壁部10Bbの部分における、長手方向の少なくとも一部の縦壁部10Bを成形する第2の金型の成形面について、第1の金型で同一箇所を成形する成形面に比べ、天板部10Aに当接する成形面に対する縦壁部10Bに当接する成形面の角度βbを小さくした第2の金型を使用して成形する。
ここで、上記の説明において、第1の成形の第1、第2の方法、及び第4の成形の第1、第2の方法における、第2工程3と第1工程2とで、曲げ部10Dの断面形状を異ならせる方法として、円弧の曲率半径を変える方法と、段階的に折れ曲がるような断面形状に変更する場合を例示した。第2工程3と第1工程2とで、曲げ部10Dの断面形状が異なる形状とする方法はこれに限定されない。第1の金型との関係で、縦壁部10Bが閉じる方向に変位させるモーメントが曲げ部10Dに発生する断面形状であれば、特に限定はない。第2の成形及び第3の成形で、第1の金型に対し断面形状を変える場合でも同様である。
上述の長尺湾曲部品形状に金属板1をプレス成形した後、金型を離型すると、図7のように、成形品11に対し、図7(b)のような、スプリングバックによる断面の変化のみならず、図7(c)のような、部品長手方向の端部が持ち上がる若しくは落ち込むといった長手方向の反りが発生したり、図7(d)のような、部品長手中央の断面に対し、部品端部の断面がねじれたりして、成形品10の寸法精度が悪化する。
すなわち、図7(b)に示すように、部品の断面形状に着目すると、例えば天板部10Aと縦壁部10Bの境界にある曲げ部10Dで発生する角度変化や、縦壁部10Bの反りによって、断面が開くスプリングバックが発生する。更に、図7(c)のように、部品形状によっては、弾性回復によって、部品の両端が持ち上がる、若しくは落ち込む方向に、長手方向の反りが発生する。更には、図7(d)のように、部品長手方向の湾曲の外側と内側における長手方向の反りのバランスが崩れると、天板部10Aの一方のみが長手方向に反ることで、部品の両端付近では見かけ上、ねじれが発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第2工程3で、形状矯正のためのプレス成形を行うことで、長手方向の反りが抑制され、それに伴い、部品の両端付近での見かけ上ねじれも低減する。
すなわち、本実施形態では、第1工程2の成形によって、図7で示したハット型断面を有し長手方向に湾曲した成形品11に対し、長手方向の反り、及びねじれが発生した際、第2工程3で、長手方向湾曲部20の凹側20A(内側)及び凸側20B(外側)の少なくとも一方の縦壁部10Bを開く、若しくは閉じる方向に成形するように制御することで、長手方向の反りが抑制され、それに伴い、部品の両端付近での見かけ上ねじれも低減する。
その反り抑制のメカニズムを以下に説明する。
図12〜図15に、天板部10Aとそれに連続する縦壁部10Bを有するハット型断面形状であり、且つ、長手方向に湾曲した簡易的な長尺湾曲部品形状を示す。この形状では、説明を簡易にするため、長手方向に沿った全長が湾曲部20だけの場合としている。また、この簡易な部品形状にはフランジ部10Cが存在しないが、フランジ部10Cが存在する場合においても、起こる現象は同様と考えてよい。
図12のように、湾曲部20における凸側20Bの縦壁部10Bbが、断面が開く方向(天板部10Aに対する角度が大きくなる方向)に変形した場合を考える。図12(a)(b)のように、湾曲部20における凸側20Bの縦壁部10Bbが開く方向に変形した場合、縦壁部10Bbの端部(下端)は長手方向の線長が増加しないと幾何学的に成立しない(図12(c)の左図参照)。しかし、縦壁部10Bb端部の線長は変形前後で変化しないため、見掛け上、縦壁部10Bb端部は、長手方向に縮められた変形となる(図12(c)の右図参照)。このとき、縦壁部10Bbの断面が開く方向に変形する際に、縦壁部10Bb端部が縮む方向に変形すると、縦壁部10Bb上部及び天板部10Aは、その変形に引きずられて伸びようとするため、結果として部品長手方向の両端は落ち込む方向に変形する(図12(c)の右図参照)。
図13のように、長手方向湾曲部20における凸側20Bの縦壁部10Bbが、断面が閉じる方向(天板部10Aに対する角度が小さくなる方向)に変形した場合を考える。図13(a)(b)のように、湾曲部20における凸側20Bの縦壁部10Bbが閉じる方向に変形した場合、縦壁部10Bbの端部は長手方向の線長が減少しないと幾何学的に成立しない(図13(c)の左図参照)。しかし、縦壁部10Bb端部の線長は変形前後で変化しないため、見掛け上、縦壁部10Bb端部は伸ばされた変形となる(図13(c)の右図参照)。このとき、縦壁部10Bbを断面が閉じる方向に変形する際に、縦壁部10Bb端部が伸びる方向に変形すると、縦壁部10Bb上部及び天板部10Aは、その変形に引きずられて縮もうとするため、結果として部品長手方向の両端は持ち上がる方向に変形する(図13(c)の右図参照)。
図14に示すように、長手方向湾曲部20における凹側20Aの縦壁部10Baが、断面が開く方向(天板部10Aに対する角度が大きくなる方向)に変形した場合を考える。湾曲部20における凹側20Aの縦壁部10Baが開く方向に変形した場合、縦壁部10Baの端部は長手方向の線長が減少しないと幾何学的に成立しない(図14(c)の左図参照)。しかし、縦壁部10Ba端部の線長は変形前後で変化しないため、見掛け上、縦壁部10Ba端部は伸ばされた変形となる(図14(c)の右図参照)。このとき、縦壁部10Baを断面が開く方向に変形した際に、縦壁部10Ba端部伸びる方向に変形すると、縦壁部10Ba上部及び、天板部10Aはその変形に引きずられて縮もうとするため、結果として部品の両端は持ち上がる方向に変形する(図14(c)の右図参照)。
図15に示すように、長手方向湾曲部20における凹側20Aの縦壁部10Baが、断面が閉じる方向(天板部10Aに対する角度が小さくなる方向)に変形した場合を考える。湾曲部20における凹側20Aの縦壁部10Baが閉じる方向に変形した場合、縦壁部10Baの端部は長手方向の線長が増加しないと幾何学的に成立しない(図15(c)の左図参照)。しかし、縦壁部10Ba端部の線長は変形前後で変化しないため、見掛け上、縦壁部10Ba端部は縮められた変形となる(図15(c)の右図参照)。このとき、縦壁部10Baを断面が閉じる方向に変形した際に縦壁部10Ba端部縮む方向に変形すると、縦壁部10Ba上部及び、天板部10Aはその変形に引きずられて伸びようとするため、結果として部品の両端は落ち込む方向に変形する(図15(c)の右図参照)。
逆に、長手方向の端部を持ち上げる方向に変形させる場合は、長手方向湾曲部20における凸側20Bの縦壁部10Bbを断面が閉じる方向に変形させる、若しくは、長手方向湾曲部20における凹側20Aの縦壁部10Baを断面が開く方向に変形させる方法が有効である。又は、長手方向湾曲部20における凸側20Bの縦壁部10Bbを断面が閉じる方向に変形させる共に、長手方向湾曲部20における凹側20Aの縦壁部10Baを断面が開く方向に変形させる。
また、上記曲げ部10Dの曲率半径を変化させる対策は、部品の長手方向全てに施さなくてもよく、少なくとも湾曲部20の一部に対して実施しても良い。
次に、湾曲部20における曲げ部10Dの断面形状を、第1金型と第2金型とで異ならせることで、対象とする縦壁部10B部分の断面が閉じるよう、又は開くように成形可能な理由について説明する。
上述の「第1の成形の第1、第2の方法」や「第4の成形の第1、第2の方法」等のように、第2の金型での対象とする曲げ部10Dの断面形状を第1工程2での同一位置での断面形状と異なる形状とすることによる作用について、以下、説明する。
図16、図17に、天板部10Aと縦壁部10Bの境界に存在する曲げ部10Dの曲率半径を、第1工程2と第2工程3の間で変化させることで、縦壁部10Bの変形形態を変化させる手法を示す。
天板部10Aと縦壁部10Bの境界に存在する曲げ部10Dの曲率半径が変化することで、天板部10Aに対する縦壁部10Bの傾きが変化する。すなわち、曲げ部10Dの曲率半径を第1工程2よりも大きくする方向へのモーメントが発生することで、縦壁部10Bは現状よりも断面が開く方向に変形する。一方、上記曲げ部10Dの曲率半径を現状よりも小さくする方向へのモーメントが発生することで、縦壁部10Bは現状よりも断面が閉じる方向に変形する。
なお、上記曲げ部10Dの曲率半径を変化させる対策は、湾曲部20の部品長手方向全てに施さなくてもよく、少なくとも一部に対して実施しても良い。
第1工程2において、図16(a)のように、曲げ部10Dには断面が開く方向のモーメントが発生する。次に、図16(b)に示すように、第1の工程の曲げ部10Dの曲率半径が第2工程3の曲げ部10Dの曲率半径よりも小さい場合、第2工程3で、第1工程2における曲げ部10Dの曲率半径よりも大きな曲率半径で成形すると、曲げ部10D中心付近は、曲率半径が大きくなる。この結果、断面が閉じる方向のモーメントが発生する。一方で、第1工程2で曲げ変形していなかった、曲げ部10Dの両隣部は、第2工程3によって曲げ変形が発生するため、断面が閉じる方向のモーメントが発生する。
第1工程2において、図17(a)のように、曲げ部10Dには断面が開く方向のモーメントが発生する。図17(b)に示すように、第1工程2の曲げ部10Dの曲率半径が第2工程3の曲げ部10Dの曲率半径よりも大きい場合、第2工程3で、第1工程2における曲げ部10Dの曲率半径よりも小さな曲率半径で成形すると、曲げ部10D中心付近は、曲率半径が小さくなる。この結果、断面が開く方向のモーメントが発生する。一方で、第1工程2で曲げ変形していた、曲げ部10Dの両隣部は、第2工程3によって直線形状側の輪郭に成形されるため、断面が閉じる方向のモーメントが発生する。
ここでは、天板部10Aから縦壁部10Bに向けて複数箇所で段階的に曲がった面形状として、図18に示すように、曲げ部10Dの円弧形状の断面形状の中央部を面取りした面取り形状とした場合で説明する。
第1工程2において、図18(a)のように、曲げ部10Dには断面が開く方向のモーメントが発生する。第2工程3で、上記曲げ部10Dに面取り形状を成形することで、図18(b)に示すように、曲げ部10Dの中央部は直線形状に成形されるため、曲率半径を大きくした場合と同等となり、図18(c)に示すように、曲げ部10D中央側では断面が閉じる方向のモーメントが発生する。一方で、面取り部(直線部)の両隣部の曲げ部10Dでは、断面が開く方向のモーメントが発生する。
なお、上記曲げ部10Dにおいて、第2工程3で面取り形状に成形する対策は、部品の長手方向全てに施さなくてもよく、少なくとも一部に対して実施しても良い。
ただし、第1工程2で、縦壁部10Bの断面は開く方向にスプリングバックするため、第2工程3では、縦壁部10Bの断面が閉じる方向に変形するように制御する方が好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、断面ハット型形状で且つ天板部10Aの長手方向に沿って平面視で見て天板部10Aの幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部20を有する部品形状からなる成形品10をプレス成形で製造した際に、長手方向の反りやねじれを抑制することが可能となる。
特に、湾曲部20において、第2工程3での曲げ部10Dの断面形状を第1工程2での曲げ部10Dの断面形状を変更して矯正する場合には、他の部品形状への悪影響を抑えつつ且つ簡易に、長手方向の反りやねじれを抑制することが可能となる。
このように、本実施形態の方法によれば、優れた形状凍結性を有する長尺湾曲部品形状の成形品10を提供可能となる。
金属板1として、980MPa級冷延鋼板(板厚1.2mm)の材料条件を設定し、図19に示すような寸法からなる部品形状であって、天板部10Aとそれに連続する縦壁部10Bとフランジ部10Cを有し、且つ、平面視で見て部品長手方向に沿って湾曲した成形品形状に成形する成形解析を第1工程2のプレス成形として実施した。
成形に使用した金型は、図3で示した、絞り成形用金型を用いる条件とした。このとき、成形条件として、上記金型において、ブランクホルダーの圧力を80ton、ブランクホルダーのストロークは80mmとした。また、金型と金属板1の間の摩擦係数は0.12で一定とした。
このとき、第1工程2のプレス成形で本部品形状に成形した後の離型によって、第1部品形状は、長手方向端部がそれぞれ持ち上がる方向に反るスプリングバックが発生し、その離型による反りの量は、長手方向の両端部とも7.2mmであった。
ここで、図20に示す金型の断面形状は、天板部とそれに連続する縦壁部との境界に存在する曲げ部のうち、湾曲部の凸側(湾曲外側とも記載する)の曲げ部は第1の成形金型と同様、曲率半径R7mmのフィレット形状とし、湾曲部の凹側(湾曲内側とも記載する)の曲げ部は直線部C7が7mmとなるように面取り形状を有するものとした。
一方、図21に示す断面形状は、天板部とそれに連続する縦壁部との境界に存在する曲げ部のうち、湾曲外側の曲げ部は直線部C7が7mmとなるように面取り形状を有し、湾曲内側の曲げ部は第1の成形金型と同様、曲率半径R7mmのフィレット形状を有するものである。
図20及び図21で示した断面形状を有する第2の金型でそれぞれ上記の第1部品を再成形した後、スプリングバック解析を実施した。
図22から分かるように、図20に示した断面形状の金型で再成形することで、天板部と湾曲外側の縦壁部の成す角度に変化はほとんどないものの、天板部と湾曲内側の縦壁部の成す角度が小さくなっていることが分かる。
そして、スプリングバック解析により、上記のように断面形状が変化することで、部品長手方向端部の反りの量が、目的とする製品形状に対し、両端とも4.5mmに改善していることを確認した。
そして、スプリングバック解析により、上記のように断面形状が変化することで、部品長手方向端部の反りが両端とも、目的とする製品形状に対し、8.5mmと悪化していることを確認した。
2 第1工程
3 第2工程
10 成形品
10A 天板部
10Aa 表面側
10Ab 裏面側
10B 縦壁部
10Ba 凹側の縦壁部
10Bb 凸側の縦壁部
10C フランジ部
10D 曲げ部
11 成形品(第1工程後)
20 湾曲部
20A 凹側
20B 凸側
Claims (12)
- 天板部の幅方向両側に曲げ部を介して縦壁部が連続する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿って、平面視で見て上記天板部の幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部を有する部品形状に金属板をプレス成形して成形品を製造するプレス部品の製造方法であって、
金属板を上記部品形状に第1の金型を用いてプレス成形する第1工程と、上記第1工程後の成形品を第2の金型を用いてプレス成形する第2工程と、を備え、
上記第1の金型から離型後の成形品の部品形状を第1部品形状としたとき、
上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の表面側に持ち上がる場合、上記湾曲部における凹側において上記天板部に対し上記縦壁部が成す角度を、上記第1部品形状よりも小さくする第1の成形、及び上記湾曲部における凸側において上記天板部に対し上記縦壁部が成す角度を上記第1部品形状よりも大きくする第2の成形のうちの少なくとも一方の成形を行うプレス成形を第2工程で行い、
上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の裏面側に落ち込む場合、上記湾曲部における凹側において上記天板部に対し上記縦壁部が成す角度を、上記第1部品形状よりも大きくする第3の成形、及び上記湾曲部における凸側において上記天板部に対し上記縦壁部が成す角度を上記第1部品形状よりも小さくする第4の成形のうちの少なくとも一方の成形を行うプレス成形を第2工程で行う、
ことを特徴とするプレス部品の製造方法。 - 上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の表面側に持ち上がる場合、少なくとも上記第1の成形を第2工程で行い、
上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の裏面側に落ち込む場合、少なくとも第4の成形を第2工程で行い、
上記第1の成形として、上記湾曲部における凹側に位置する上記曲げ部の少なくとも一部の曲げ部について、上記天板部から上記縦壁部に向かう断面形状を、上記第1工程での断面形状と異なる形状に成形することで、上記湾曲部における凹側において上記天板部に対し上記縦壁部が成す角度を、上記第1部品形状よりも小さく成形し、
上記第4の成形として、上記湾曲部における凸側に位置する曲げ部の少なくとも一部の曲げ部について、上記天板部から上記縦壁部に向かう断面形状を、上記第1工程での断面形状と異なる形状に成形することで、上記湾曲部における凸側において上記天板部に対し上記縦壁部が成す角度を、上記第1部品形状よりも小さく成形する、
ことを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。 - 上記第1の成形及び第4の成形の少なくとも一方の成形として、上記天板部から上記縦壁部に向かう上記曲げ部の断面形状の曲率半径を、上記第1工程での曲率半径と異なる曲率半径に成形することで、上記第1工程での断面形状と異なる形状とすることを特徴とする請求項2に記載したプレス部品の製造方法。
- 上記第1の成形及び第4の成形の少なくとも一方の成形として、上記天板部から上記縦壁部に向かう上記曲げ部の断面形状を、上記天板部から上記縦壁部に向けて複数箇所で段階的に曲がった形状に成形することで、上記第1工程での断面形状と異なる形状とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載したプレス部品の製造方法。
- 上記第1の金型における上記天板部に当接する成形面に対する上記縦壁部に当接する成形面の成す角度と、上記天板部に当接する成形面に対する上記縦壁部に当接する成形面の成す角度が同じ角度の第2の金型を使用することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
- 上記第1工程でのプレス成形は、曲げ成形又は絞り成形であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
- プレス成形する金属板は、引張強度が440MPa以上の鋼板を使用することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
- 天板部の幅方向両側に曲げ部を介して縦壁部が連続する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿って、平面視で見て上記天板部の幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部を有する部品形状に第1の金型でプレス成形した成形品の形状矯正用の金型であり、且つ、上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の表面側に持ち上がる場合の形状矯正用金型であって、
上記湾曲部における凹側に位置する上記曲げ部の少なくとも一部を成形する部分の上記天板部から上記縦壁部に向かう金型成形面の形状が、上記第1の金型と異なる形状となっていて、その形状は、天板部に対する縦壁部の角度を小さくする方向のモーメントを発生可能な形状であることを特徴とする形状矯正用金型。 - 天板部の幅方向両側に曲げ部を介して縦壁部が連続する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿って、平面視で見て上記天板部の幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部を有する部品形状に第1の金型でプレス成形した成形品の形状矯正用の金型であり、且つ、上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の表面側に持ち上がる場合の形状矯正用金型であって、
上記湾曲部における凸側に位置する上記曲げ部の少なくとも一部を成形する部分の上記天板部から上記縦壁部に向かう金型成形面の形状が、上記第1の金型と異なる形状となっていて、その形状は、天板部に対する縦壁部の角度を大きくする方向のモーメントを発生可能な形状であることを特徴とする形状矯正用金型。 - 天板部の幅方向両側に曲げ部を介して縦壁部が連続する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿って、平面視で見て上記天板部の幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部を有する部品形状に第1の金型でプレス成形した成形品の形状矯正用の金型であり、且つ、上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の裏面側に落ち込む場合の形状矯正用金型であって、
上記湾曲部における凸側に位置する上記曲げ部の少なくとも一部を成形する部分の上記天板部から上記縦壁部に向かう金型成形面の形状が、上記第1の金型と異なる形状となっていて、その形状は、天板部に対する縦壁部の角度を小さくする方向のモーメントを発生可能な形状であることを特徴とする形状矯正用金型。 - 天板部の幅方向両側に曲げ部を介して縦壁部が連続する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿って、平面視で見て上記天板部の幅方向の一方へ凸となるように湾曲した湾曲部を有する部品形状に第1の金型でプレス成形した成形品の形状矯正用の金型であり、且つ、上記第1の金型からの離型による弾性回復で部品長手方向端部が上記天板部の裏面側に落ち込む場合の形状矯正用金型であって、
上記湾曲部における凹側に位置する上記曲げ部の少なくとも一部を成形する部分の上記天板部から上記縦壁部に向かう金型成形面の形状が、上記第1の金型と異なる形状となっていて、その形状は、天板部に対する縦壁部の角度を大きくする方向のモーメントを発生可能な形状であることを特徴とする形状矯正用金型。 - 上記第1の金型における上記天板部に当接する成形面に対する上記縦壁部に当接する成形面の成す角度と、上記天板部に当接する成形面に対する上記縦壁部に当接する成形面の成す角度が同じ角度となっている、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載した形状矯正用金型。
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