JP6512191B2 - 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法 - Google Patents

金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6512191B2
JP6512191B2 JP2016152838A JP2016152838A JP6512191B2 JP 6512191 B2 JP6512191 B2 JP 6512191B2 JP 2016152838 A JP2016152838 A JP 2016152838A JP 2016152838 A JP2016152838 A JP 2016152838A JP 6512191 B2 JP6512191 B2 JP 6512191B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
shape
longitudinal direction
curvature
press
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016152838A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018020349A (ja
Inventor
隼佑 飛田
隼佑 飛田
新宮 豊久
豊久 新宮
雄司 山▲崎▼
雄司 山▲崎▼
三宅 弘人
弘人 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2016152838A priority Critical patent/JP6512191B2/ja
Publication of JP2018020349A publication Critical patent/JP2018020349A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6512191B2 publication Critical patent/JP6512191B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、金属板を長手方向に所定の曲率半径で湾曲した天板部およびフランジ部と、天板部とフランジ部をつなぐ縦壁面とを有するハット形断面部品に多段階でプレス成形して製造する技術に係り、特にその製造の際に使用される金型の最適化に関する技術である。
近年、自動車車体の衝突安全性向上と軽量化を両立させるために、車体構造部品へのハイテン材適用が進んでいる。ハイテン材は降伏強度、引張強度が高いため、プレス成形を行う上で、スプリングバックなどの成形不良が課題となる。
車体構造部品に用いられるプレス成形品の一つとして、例えばBピラーアウターのような長手方向に所定の曲率半径で湾曲した天板部およびフランジ部と、天板部とフランジ部をつなぐ縦壁面とを有するハット形断面部品が挙げられる。このような部品をプレス成形した場合、成形下死点の天板部に引張応力、フランジ部に圧縮応力が発生し、これらの応力差により部品長手方向でのスプリングバック(キャンバーバック)が発生する。このような部品に対して、ハイテン材を適用した場合、前述の下死点での応力差が大きくなり、スプリングバックが増加するといった課題が発生する。さらに、ハイテン材では材料強度のバラつきが大きくなるため、寸法精度のバラつきも大きくなる。つまり材料強度感受性が増加する。
上記の課題に対する技術として特許文献1〜3に記載される技術がある。
特許文献1に記載のプレス成形品の製造方法では、長手方向に湾曲した天板部と、天板部の長手方向に沿った両端から湾曲内側に向かって延在する二つの側壁面とを有する成形品に対して、前工程の天板部の曲率と、天板部と前記側面部とがなす角度を変更することにより、後工程で発生する応力を低減して、スプリングバックを抑制する。
特許文献2に記載のプレス成形品の製造方法では、複数回のプレス成形工程を経て最終プレス成形品形状に至る金属板プレス成形工程において、成形後の形状で所定の曲率を持つ稜線付近で残留引張応力が発生する部位を、前工程で最終形状よりも小さい曲率半径で成形し、残留圧縮応力が発生する部位を、前工程で最終形状よりも大きい曲率半径で成形することにより、残留応力を打ち消し、スプリングバックを低減する。
特許文献3に記載のプレス成形品の製造方法では、プレス成形時に発生する反りを見込んだ金型を生成する方法であり、この見込み形状を用いてプレス成形することによりスプリングバックを低減する。
特開2011−206789号公報 特開2007−190588号公報 特開2007−286841号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプレス成形品の製造方法では、側面視において天板部の曲率半径のみを変更しているため、フランジ部に発生する応力が改善されない。このため、スプリングバック量が大きい超ハイテン材に対しては、十分にスプリングバックが抑制されず、材料強度感受性を低減することはできない。
特許文献2に記載のプレス成形品の製造方法では、圧縮応力もしくは引張応力が発生する領域により、変更する曲率の大小傾向が変化するため、金型の設計が複雑になる。
特許文献3に記載のプレス成形品の製造方法は、プレス下死点での残留応力を0(ゼロ)にすることはできないため、材料強度感受性は低減されない。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解消することにあり、ハイテン材を使用した場合でも、キャンバーバックと部品断面のスプリングバックを精度良く低減することができ、目標の部品形状に近い高精度なハット形断面湾曲形状の部品を得ることができる形状凍結性および材料強度感受性に優れたプレス成形品の製造方法に採用可能な金型の設計方法及びそれを使用したプレス成形品の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様は、金属板を、天板部とフランジ部とが側壁部を介して幅方向で連続していると共に上記天板部及び上記フランジ部が長手方向に沿って上記天板部側に凸や凹に湾曲したハット形断面を有する製品形状に複数工程のプレス成形で製造し、その複数工程に、ハット形断面の中間部品にプレス成形する第1の工程と、上記中間部品を上記製品形状にプレス成形する第2の工程とを有するプレス成形品の製造方法における、上記第1の工程のプレス成形で使用される金型の設計方法であって、
上記金属板を上記第1の工程を行うことなく直接上記製品形状にプレス成形する場合に発生する部品断面方向のスプリングバック及び部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状の上記中間部品に成形するための金型形状を決定する際に、上記部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状を決定した後に、上記部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状に上記金型形状を修正することを特徴とする。
本発明の態様によれば、先に部品断面方向のスプリングバックを抑制した形状を決定した後に、部品長手方向のスプリングバック(キャンバーバック)を抑制するように修正を加える。
これによって、長手方向に沿って湾曲があるハット形断面にプレス成形する場合で且つ超ハイテン材を使用した場合でも、精度良く部品断面方向のスプリングバックおよびキャンバーバックを低減することができ、さらに材料強度感受性に優れた高精度なハット形断面湾曲形状の部品を得ることができる。この結果、材料強度が振れた場合でも、寸法精度の高い部品が得られ、歩留まりの向上に繋がる。さらに、ハット形断面形状の部品を用いて車体構造部品とする際に、部品の組み立てを容易に行うことが可能となる。
製品形状の一例を示す模式図であり、(a)が斜視図で、(b)が側面図である。 ハット形断面部品におけるスプリングバックを説明する概略図である。 本発明に基づく実施形態に係るプレス成形品の製造方法の工程を示す図である。 金型の一例を示す模式図であり(a)は第1の金型を、(b)は第2の金型を示す図である。 実施例での長手方向に湾曲したハット形断面部品を示す図である。 壁開き量の測定位置を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態が目的とするプレス成形による製品形状の例を図1に示す。この例では、本体部4が、天板部1とフランジ部2とが側壁部3を介して幅方向で連続してハット形断面の部品となっていると共に、天板部1及びフランジ部2が長手方向に沿って天板部1側に凸となるように湾曲した形状となっている。図1では、湾曲部分が左側に偏って形成されている。天板部1及びフランジ部2にそれぞれ形成される、長手方向に沿った湾曲の曲率は同じでも良いが、本実施形態では異なっているとする。
また、本実施形態の製品形状は、天板部1の長手方向両端部に、それぞれ張出部5が連続している。各張出部5の幅は、天板部1の幅よりも幅方向の寸法が大きいことから、上面視において製品形状の長手方向端部側の天板部が、L字形状若しくはT字形状となっている。図1では、T字形状を例示している。更にフランジ部2の長手方向端部に縦壁部6の下端部が連続している。該縦壁部6は、天板部1側に立ち上がり、その上端が上記張出部5に連続する。上記形状によって、縦壁部6に対し、湾曲端部分を有する本体部4が垂直方向側に延在する。すなわち、本体部4の長手方向に対向するように縦壁部6が立ち上がった形状となっている。長手方向片側のみに縦壁部6が存在する形状であっても良い。
但し、本発明に基づくプレス成形品の製造方法では、張出部5及び縦壁部6が無い製品形状であっても適用可能である。また、天板部1及びフランジ部2が長手方向に沿って天板部1側に凹の湾曲形状であっても適用できる。また、長手方向の湾曲が、部品長手方向全長の一部に形成される場合であっても適用可能である。
さらに、天板部1に対し、補強その他を目的とした凹や凸の形状が形成される場合であっても適用できる。この場合、天板部1と対向する金型のプレス面部分にその凹や凸の形状を形成しておけばよい。
金属板としては超ハイテン材を対象とするが、鋼板やアルミニウム板などを用いてもよい。また、中間部品及び製品形状において、天板部1とフランジ部2の曲率半径の大きさは異なっていてもよい。
ここで、天板部1の幅方向両側が側壁部3を介してフランジ部2に連続しているハット形断面部品であって、長手方向に沿って天板部1側に凸となるように湾曲したハット形断面部品に、ブランク材からなる金属板を1回のプレスで成形すると、図2(a)に示すように、湾曲部分の天板部1において引張残留応力が発生すると共に、フランジ部2において圧縮残留応力が発生する。そして、プレス金型から部品を外して、これらの応力が開放されることによって、図2(b)に示すような、部品長手方向に沿ったスプリングバック(キャンバーバック)が発生する。また同時に、図2(c)に示すように、部品断面方向のスプリングバックも同時に発生する。このとき、金属板の材料強度の増加に伴い、この残留応力が増加して、これらスプリングバック量が大きくなる傾向がある。すなわち、590MPa以上のハイテン材を採用するとスプリングバックが大きくなる。
これに対し、本実施形態のプレス成形品の製造方法では、平板状の金属板を上記の製品形状に成形するためのプレス加工として、図3に示すように、第1の工程と第2の工程とを有する。成形品の製造のためのプレス工程を2段階の多工程とすることで、製品部品の形状精度を向上させることができる。
ここで、フランジ外周をトリムするトリム加工(不図示)を有する。トリム加工は、第1の工程の前に実施しても良いし、第1の工程と第2の工程の間で実施しても良いし、第2の工程の後に実施しても良い。本実施形態では、トリム加工を第1の工程でのプレス加工の後に実施する場合で説明する。この場合、中間部品は、フランジ外周のトリム加工が行われた状態の部品となる。
第1の工程は、図4(a)に示すような第1の金型を使用して、金属板10(ブランク材)をハット形断面の中間部品にプレス成形する工程である。符号11はパンチ、符号12は下型、符号13はシワ押さえ部材である。
第2の工程は、第1の工程で作製した中間部品20を、図4(b)に示すような第2の金型で使用して、製品形状にプレス成形する工程である。符号21はパンチ、符号22は下型、符号23はシワ押さえ部材である。
製品形状は、少なくとも天板部1とフランジ部2とが側壁部を介して幅方向で連続していると共に天板部1及びフランジ部2が長手方向に沿って上記天板部1側に所定の曲率で湾曲したハット形断面の形状となっている。
第1の金型は、金属板10を第1の工程を行うことなく直接、製品形状にプレス成形する場合に発生する部品断面方向のスプリングバック及び部品長手方向のスプリングバックの両方を抑制可能な形状の中間部品20に成形するための金型形状に設計する。
本実施形態における金型形状の設計は、部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状を決定する第1の設計と、部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状に第1の設計で決定した金型形状を修正する第2の設計の2段階を経て、最終の金型形状が決定される。
第1の設計は、例えば次のように実施する。
第1の設計では、対象とする製品形状における長手方向に沿った湾曲がない長手方向に沿ってストレートなハット形断面形状を対象として、部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状を決定する。
部品長手方向に沿って湾曲のないストレート形状のハット形断面の部品形状を想定することで、部品長手方向のスプリングバックによる壁開き(部品断面方向のスプリングバック)の影響を無視して、壁開きのみの影響を条件で設定することができる。そして、ストレート形状で壁開きを抑制すれば、長手方向に沿って湾曲形状であっても、壁開きを抑制することが可能となる。
ここで、部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状の設定は、従来提案されている方法を採用して決定すればよい。
ここで、壁開きは、パンチ肩角度変化(天板部1と側壁部3との接続部の角度変化)と壁反りによって発生する。この壁開き抑制するための金型の設計としては、次のような方法が例示出来る。
すなわち、パンチ肩角度変化を利用して部品断面方向のスプリングバックを抑制する方法としては、例えばパンチ肩11aをC面取りして角度変化を抑制するように金型形状を決定する方法や、曲げ半径の異なる形状で2回曲げするように金型形状を設定する方法がある。これらの方法は、パンチ肩11aで発生するスプリングバック成分とスプリングゴー成分の相殺により角度変化を低減するように金型形状を決定するものである。
また、壁反りを低減して部品断面方向のスプリングバックを抑制する方法としては、シワ押さえ力を制御するように金型形状を設定する方法がある。シワ押さえが低い領域では縦壁で逆曲げが発生し壁そりが低減するが、低くしすぎるとフランジ部にシワが発生する恐れがある。一方、シワ押さえ力を高くした場合でも張力が付与されるために壁反りが低減するが、高いシワ押さえ力を付加し続けるとワレ発生の恐れがある。
第1の設計では、部品断面方向のスプリングバックを抑制する方法として、パンチ肩角度変化と壁反りの両方を抑えるような金型形状に設計しても良い。
また、第2の設計では、第1の設計で決定した金型形状を、部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状に修正する。
すなわち、上記により部品断面のスプリングバック抑制条件を見出した後、キャンバーバック対策を実施する。
このキャンバーバック(部品長手方向のスプリングバック)を低減するために、本実施形態では、第1の設計で、部品長手方向に沿ってストレートに設定した、中間部品20での天板部1及びフランジ部2をプレスする面の部品長手方向に沿った湾曲の曲率半径を、第2の設計で、製品形状での部品長手方向に沿った湾曲の曲率半径よりも小さな曲率半径に修正する。
ここで、上記のように設計した第1の金型を使用して、第1の工程でプレス成形し、第1の金型から開放した後の中間部品20の天板部1およびフランジ部2の部品長手方向に沿った曲率半径は、スプリングバックによって第1の金型に設定した曲率半径よりも若干大きくなっている。従って、この第1の工程後のスプリングバックで発生する天板部1およびフランジ部2の曲率半径が、製品形状である成形品の曲率半径よりも小さくなるように、第1の金型の部品長手方向に沿った曲率半径を設計する。
第1の工程後において、スプリングバック後の中間部品20の天板部1とフランジ部2の曲率半径を、製品形状での曲率半径以下になるように成形することにより、第2の工程目でのリストライク成形においてバウシンガー効果により天板部1に小さい圧縮応力、フランジ部2に小さい引張応力を発生させる。これにより天板部1とフランジ部2の応力差が低減し、スプリングバック量が低減すると共に、材料強度が振れた場合において、材料強度の感受性を向上させることが可能となる。
上記の部品断面方向のスプリングバックとキャンバーバック(部品長手方向のスプリングバック)とは連動しているが、本実施形態では、先に部品断面方向のスプリングバックを低減するように金型を設計することで、キャンバーバック対策を実施した場合の壁開きの変動を最小にするような金型を製造することができる。もし先にキャンバーバック対策を実施した場合には、次に、部品断面のスプリングバック対策を実施した際に、再度キャンバーバックが発生するため、プレス工程が増加し、金型設計が複雑になる。
もっとも、製品形状に対する中間部品20の曲率変更量を決定するに際し、第1の工程において、製品形状での曲率半径で湾曲したハット形断面部品のスプリングバック計算を実施し、スプリングバック後の天板部1の曲率半径をR1’としたときに、製品形状での天板部1の曲率半径R1oとの比を0.70 ≦ (R1’/R1o) < 1.00 の範囲内に設定することが好ましい。
同様に、製品形状に対する中間部品20のフランジ部2曲率半径をR2’としたときに、製品でのフランジ部2の曲率半径R2oとの比を0.70 ≦ (R2’/R2o) < 1.00 の範囲内に設定することが好ましい。
ここで、(R1’/R1o)および(R2’/R2o)が0.7よりも小さい場合、第2の工程での金型下死点において天板部1に過度の圧縮応力が、フランジ部2に過度の引張応力が発生し、成形品にスプリングゴーが発生するおそれがある。逆に、(R1’/R1o)および(R2’/R2o)が1よりも大きい場合、第2の工程の金型下死点において天板部1に引張応力が、フランジ部2に圧縮応力が残り、スプリングバックが十分抑制されない可能性がある。
また、第1の工程で製造される、中間部品20における天板部1およびフランジ部2の長手方向の線長がそれぞれ、製品形状における天板部1およびフランジ部2の長手方向の線長と同じ値となるようにする第1の金型形状に設定することが好ましい。
同じ線長とするには、例えばフランジ部2と張出部5を接続する縦壁部6の線長を変更するように調整することで可能である。
また本実施形態では、第1の工程での上記プレス成形後に、フランジ外周のトリム加工を施す。トリム加工には、せん断加工やレーザ切断加工などの公知の加工方法を採用すれば良い。
また、第2の工程に使用する第2の金型は、製品形状若しくはそれに近似する形状を有する金型形状に設定する。
ここで、第1の工程ではドローまたはフォーム成形を適用し、第2の工程では製品形状に成形するリストライク工程とすることが好ましい。
また、上記の各中間部品20に発生するスプリングバック後の各曲率半径は、CAE解析その他のシミュレーション解析をコンピュータで行うことで計算によって求めても良いし、実際に試験品を作製して実測によって求めても良い。
(動作その他)
第1の工程で、上記のように設計した第1の金型を用いて、金属板10を中間部品20にプレス成形する。
次に、第2の工程で、上記の第2の金型を用いて、中間部品20をプレス成形して製品形状の部品を製造する。
本実施形態にあっては、先に部品断面方向のスプリングバックを抑制した形状を決定した後に、部品長手方向のスプリングバック(キャンバーバック)を抑制するように修正を加えた第1の金型で中間部品20を作製する。
これによって、超ハイテン材を使用した場合でも、精度良く部品断面方向のスプリングバックおよびキャンバーバックを低減することができ、さらに材料強度感受性に優れた高精度なハット形断面湾曲形状の部品を得ることができる。この結果、材料強度が振れた場合でも、寸法精度の高い部品が得られ、歩留まりの向上に繋がる。さらに、ハット形断面形状の部品を用いて車体構造部品とする際に、部品の組み立てを容易に行うことが可能となる。
本発明に係るプレス成形品の製造方法によるスプリングバック低減効果を確認するため、有限要素法(FEM)によるプレス成形解析およびスプリングバック解析を行ったので、その結果について以下に説明する。
本実施例では、図5に示す長手方向に湾曲したハット形断面部品をプレス成形する場合を対象として、第1の工程で使用する第1の金型と第2の工程で使用する第2の金型との長手方向に沿った曲率半径の比を変更して複数の解析を実施した。また、断面のスプリングバック抑制のためにC面取りを適用した。ストレート部品で断面のスプリングバックを抑制するための条件としては、C面取り量をパラメーターとして決定した。
なお、プレス成形に使用する金属板10は板厚t=1.4mmであって、引張強度が590MPa級〜1470MPa級の鋼板とし、第1の工程の成形をフォーム成形で成形した場合とした。
上記のように設計した第1の工程の金型モデルを用いてプレス成形解析を実施し、成形下死点まで成形されたプレス成形品の離型後におけるスプリングバック解析を行った。その後、スプリングバック後の成形品を第2の工程でリストライク成形する成形解析を実施し、成形下死点まで成形されたプレス成形品の離型後におけるスプリングバック解析を行った。
曲率半径は1470MPa材で発生するスプリングバックを元に算出し、(R1’/R1o)および(R2’/R2o)を0.8に変更した。また、キャンバーバックはZ方向乖離量によって評価し、壁開き量は図6に示すように長手方向中央における天板部1から20mmの位置で評価した。この位置における製品の開き量は120mmである。壁開きは製品に対して±3.0mmの範囲、キャンバーバックは製品に対して±5.0mmの範囲、590−1470MPa材間の材料強度感受性は5.0mm以内の範囲で合格とする。
表1にプレス条件および評価結果をまとめて示す。
Figure 0006512191
表1のNo.1〜4から分かるように、第1の工程での曲率半径を変更せずにプレス成形およびスプリングバック解析を実施すると、製品との最大乖離量は1470MPa材で35.5mm発生する。590MPa材と1470MPa材の差を比較すると25.5mmの差が生じていることがわかる。また壁開き量は製品の120mmに対してどの材料強度でも過大になり、1470MPa材では製品に対して24.1mmの壁開きが発生していることが分かる。
また表1のNo.5〜8は、最初にキャンバーバック対策を実施し、その後開き対策を実施した結果である。壁開きはどの材料強度においても製品に対して±3.0mm以内に入っている。しかしながら、キャンバーバックは1470MPa材で13.6mm発生しており、基準よりも大きくなっている。また、590MPa材と1470MPa材の差は10.2mmとなり、対策なしに比べて若干材料強度感受性が低減しているが目標に達していないことが分かる。
また表1のNo.9〜12は、最初に開き対策を実施し、その後キャンバーバック対策を実施した結果である。壁開きはどの材料強度においても製品に対して±3.0mm以内に入っている。さらに、キャンバーバックもどの材料強度においても製品に対して±5.0mm以内に入っている。さらに、590MPa材と1470MPa材の差は3.3mmとなり、対策なしに比べて約87%材料強度感受性が低減することが分かる。
1 天板部
2 フランジ部
3 側壁部
10 金属板
20 中間部品

Claims (9)

  1. 金属板を、天板部とフランジ部とが側壁部を介して幅方向で連続していると共に上記天板部及び上記フランジ部が長手方向に沿って上記天板部側に凸や凹に湾曲したハット形断面を有する製品形状に複数工程のプレス成形で製造し、その複数工程に、ハット形断面の中間部品にプレス成形する第1の工程と、上記中間部品を上記製品形状にプレス成形する第2の工程とを有するプレス成形品の製造方法における、上記第1の工程のプレス成形で使用される金型の設計方法であって、
    上記金属板を上記第1の工程を行うことなく上記製品形状にプレス成形する場合に発生する部品断面方向のスプリングバック及び部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状の上記中間部品に成形するための金型形状を決定する際に、
    上記部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状を決定した後に、上記部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状に上記金型形状を修正することを特徴とする金型の設計方法。
  2. 上記部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状の決定は、上記製品形状における上記長手方向に沿った湾曲がないハット形断面形状を対象として、上記部品断面方向のスプリングバックを抑制可能な金型形状を決定することを特徴とする請求項1に記載した金型の設計方法。
  3. 上記部品長手方向のスプリングバックを抑制可能な形状への上記金型形状の修正は、上記中間部品での天板部及びフランジ部をプレスする面の部品長手方向に沿った湾曲の曲率半径を、上記製品形状での部品長手方向に沿った湾曲の曲率半径よりも小さな曲率半径に修正することを特徴とする請求項2に記載した金型の設計方法。
  4. 上記金型から取り出した際に発生するスプリングバック後の上記中間部品の長手方向に沿った湾曲の曲率半径が、上記製品形状での部品長手方向に沿った湾曲の曲率半径よりも小さな曲率半径となるように金型形状を修正することを特徴とする請求項3に記載した金型の設計方法。
  5. 上記製品形状における天板部の長手方向に沿った曲率半径をR1oと定義した場合、上記中間部品におけるスプリングバック後の天板部の長手方向に沿った曲率半径R1’が下記(1)式を満たす値となるように、上記天板部をプレスする面の長手方向の形状を修正することを特徴とする請求項4に記載した金型の設計方法。
    0.70 ≦ (R1’/R1o) < 1.00・・・・(1)
  6. 上記製品形状におけるフランジ部の長手方向に沿った曲率半径をR2oと定義した場合、上記中間部品におけるスプリングバック後のフランジ部の長手方向に沿った曲率半径R2’が下記(2)式を満たす値となるように、上記フランジ部をプレスする面の長手方向の形状を修正することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載した金型の設計方法。
    0.70 ≦ (R2’/R2o) < 1.00・・・・(2)
  7. 上記第1の工程ではドロー成形またはフォーム成形を適用し、上記第2の工程では製品形状に成形するリストライク工程であることを想定して上記金型を設計することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した金型の設計方法。
  8. 上記金属板の材料強度が590MPa以上の鋼板として上記金型を設計することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した金型の設計方法。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の金型の設計方法で設計した金型を用いることを特徴とするプレス成形品の製造方法。
JP2016152838A 2016-08-03 2016-08-03 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法 Active JP6512191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016152838A JP6512191B2 (ja) 2016-08-03 2016-08-03 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016152838A JP6512191B2 (ja) 2016-08-03 2016-08-03 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018020349A JP2018020349A (ja) 2018-02-08
JP6512191B2 true JP6512191B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=61164141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016152838A Active JP6512191B2 (ja) 2016-08-03 2016-08-03 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6512191B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102412831B1 (ko) * 2018-07-03 2022-06-23 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 금형 형상의 설계 방법 및 프레스 부품의 제조 방법
CN109175093B (zh) * 2018-08-21 2019-08-06 安徽江淮汽车集团股份有限公司 一种汽车顶盖尾部尖角坡皱叠料及开裂处理工艺
JP6733773B1 (ja) * 2019-04-22 2020-08-05 Jfeスチール株式会社 プレス成形方法
JP6733772B1 (ja) * 2019-04-22 2020-08-05 Jfeスチール株式会社 プレス成形方法
US20220212243A1 (en) * 2019-05-20 2022-07-07 Jfe Steel Corporation Method for manufacturing pressed component, and shape correction die
CN112588956B (zh) * 2020-12-14 2023-03-31 江西洪都航空工业集团有限责任公司 一种双曲面蒙皮口框成形方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6276185B1 (en) * 1999-12-09 2001-08-21 General Motors Corporation Flow lock bead control apparatus and method for drawing high strength steel
JP4612494B2 (ja) * 2005-07-21 2011-01-12 新日本製鐵株式会社 形状凍結性に優れた断面ハット型形状部材の成形方法
JP2007286841A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Advanced Simulation Technology Of Mechanics R & D Co Ltd 金型の見込みモデル生成装置および方法
JP5031703B2 (ja) * 2008-09-12 2012-09-26 新日本製鐵株式会社 形状凍結性に優れる多段プレス成形方法
JP2011206789A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Kobe Steel Ltd プレス成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018020349A (ja) 2018-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6512191B2 (ja) 金型の設計方法およびプレス成形品の製造方法
JP5382281B1 (ja) プレス成形方法
JP4693475B2 (ja) プレス成形方法およびそれに用いる金型
KR102445975B1 (ko) 프레스 성형 방법
CN109562427B (zh) 冲压成型品的制造方法
JP6515961B2 (ja) プレス成形品の製造方法
JP6504130B2 (ja) プレス成形品の製造方法
KR102095143B1 (ko) 프레스 성형품의 제조 방법
JP5861749B1 (ja) プレス成形方法
KR102023541B1 (ko) 신장 플랜지 성형 부품의 제조 방법
JP6083390B2 (ja) プレス成形方法
KR20200106974A (ko) 프레스 부품의 제조 방법, 프레스 성형 장치 및 프레스 성형용의 금속판
KR102083108B1 (ko) 프레스 성형품의 제조 방법
JP6708182B2 (ja) プレス成形品の製造方法
JP6323414B2 (ja) プレス成形方法
JP6176430B1 (ja) プレス成形品の製造方法
JP6493331B2 (ja) プレス成形品の製造方法
JP6112226B2 (ja) プレス成形方法、及びプレス成形部品の製造方法
JP6176429B1 (ja) プレス成形品の製造方法
JP2021164954A (ja) プレス部品の製造方法、曲げ戻し用の金型、プレス部品の成形方法及び高強度鋼板
JP7405319B1 (ja) プレス成形品の製造方法
WO2024038850A1 (ja) プレス成形品の製造方法
JP2023072667A (ja) プレス部品の製造方法、プレス成形用の板材、予成形形状成形用の金型、プログラム、及びプレス成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6512191

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250