JP6176430B1 - プレス成形品の製造方法 - Google Patents

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ハイテン材を使用した場合でも、金型が複雑にすることなく、側面視のスプリングバック、すなわちキャンバーバックとキャンバーバックの材料強度感受性を大きく低減することができるプレス成形品の製造方法を提供する。天板部(1)とフランジ部(2)とが側壁部(3)を介して幅方向で連続していると共に、上記天板部(1)及び上記フランジ部(2)が長手方向に沿って上記天板部(1)側に凸若しくは凹に湾曲したハット形断面を有する製品形状に、金属板をプレス成形して製造する際に、上記天板部(1)及びフランジ部(2)について、それぞれ長手方向に沿った湾曲を上記製品形状での曲率半径よりも小さい第2の曲率半径のハット形断面を有する部品形状にプレス成形して中間部品を製造する第1の工程と、上記中間部品を上記製品形状にプレス成形する第2の工程と、を有する。

Description

本発明は、天板部およびフランジ部が長手方向に沿って天板部側の凸又は凹に湾曲した天板部およびフランジ部を有するハット形断面部品に、金属板を成形するプレス成形品の製造方法に関する。
近年、自動車車体の衝突安全性向上と軽量化を両立させるために、車体構造部品へのハイテン材適用が進んでいる。ハイテン材は降伏強度、引張強度が高いため、プレス成形を行う上で、スプリングバックなどの成形不良が課題となる。
車体構造部品に用いられるプレス成形品の一つとして、例えばBピラーアウターのような、長手方向に沿って所定の曲率半径で湾曲した天板部およびフランジ部を有するハット形断面部品が挙げられる。このような部品にプレス成形した場合、成形下死点で、天板部に引張応力が発生すると共にフランジ部に圧縮応力が発生し、これらの応力差によりスプリングバック(キャンバーバック)が発生する。このような部品に対して、ハイテン材を適用した場合、前述の下死点での応力差が大きくなり、スプリングバックが増加するといった課題が発生する。さらに、ハイテン材では材料強度のバラツキが大きくなるため、寸法精度のバラツキも大きくなる、すなわち材料強度感受性が大きい。
上記の課題に対する従来技術として特許文献1〜3に記載されるプレス成形方法がある。
特許文献1に記載の方法では、長手方向に湾曲した天板部と、天板部の長手方向に沿った両端から湾曲内側に向かって延在する二つの側壁部とを有する成形品に対して、前工程の天板部の曲率と天板部と側面部とがなす角度を変更する。これによって、特許文献1に記載の方法では、後工程で発生する応力を低減し、スプリングバックを抑制する。
特許文献2に記載の方法では、複数回のプレス成形工程を経て最終プレス成形品形状に至る金属板プレス成形工程において、成形後の形状で所定の曲率を持つ稜線付近で残留引張応力が発生する部位を、前工程で最終形状よりも小さい曲率半径で成形し、残留圧縮応力が発生する部位を、前工程で最終形状よりも大きい曲率半径で成形する。これによって特許文献2に記載の方法では、残留応力を打ち消し、スプリングバックを低減する。
特許文献3に記載の方法は、プレス成形時に発生する反りを見込んだ金型を生成する方法であり、この見込み形状を用いてプレス成形することによりスプリングバックを低減する。
特開2011−206789号公報 特開2007−190588号公報 特開2007−286841号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、側面視において天板部の曲率半径のみを変更しているため、フランジ部に発生する応力が改善されない。特に、スプリングバック量が大きくなるハイテン材に対しては、十分にスプリングバックが抑制されず、材料強度感受性を低減することはできない。
特許文献2に記載の方法では、圧縮応力もしくは引張応力が発生する領域により、変更する曲率の大小傾向が変化するため、金型の設計が複雑になる。
特許文献3に記載の方法は、プレス下死点での残留応力を0にすることはできないため、材料強度感受性は低減されない。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、ハイテン材を使用した場合でも、金型を複雑にすることなく、側面視のスプリングバック、すなわちキャンバーバックとキャンバーバックの材料強度感受性を大きく低減することができるプレス成形品の製造方法を提供する。
課題を解決するために、本発明の一態様のプレス成形品の製造方法は、天板部とフランジ部とが側壁部を介して幅方向で連続していると共に、上記天板部及び上記フランジ部が長手方向に沿って上記天板部側に凸若しくは凹に湾曲したハット形断面を有する製品形状に、金属板をプレス成形して製造する際に、上記天板部及びフランジ部について、それぞれ長手方向に沿った湾曲を上記製品形状での曲率半径よりも小さい第2の曲率半径のハット形断面を有する部品形状にプレス成形して中間部品を製造する第1の工程と、上記中間部品を上記製品形状にプレス成形する第2の工程と、を有する。
本発明の一態様によれば、金属板にハイテン材を使用した場合でも、金型を複雑化することなく、側面視のスプリングバック、すなわちキャンバーバックとキャンバーバックの材料強度感受性を大きく低減することができる。これにより、目標とする製品形状に近い高精度なハット形断面湾曲形状の部品を得ることができる。すなわち、本発明の一態様によれば、形状凍結性および材料強度感受性に優れたプレス成形品の製造方法を提供することが可能となる。
この結果、本発明の一態様によれば、材料強度が振れた場合でも、寸法精度の高い部品が得られ、歩留りの向上に繋がる。さらに、ハット形断面形状の部品を用いて車体構造部品とする際に、部品の組立てを容易に行うことが可能となる。
ハット形断面部品におけるスプリングバックを説明する概略図である。 本発明に基づく実施形態に係る製品形状を示す模式図であり、(a)が斜視図で、(b)が側面図である。 本発明に基づく実施形態に係るプレス成形品の製造方法の工程を示す図である。 線長に係る、湾曲部品の第1の工程および第2の工程の側面視形状の概念図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
天板部1の幅方向両側が側壁部3を介してフランジ部2に連続しているハット形断面部品であって、長手方向に沿って天板部1側に凸となるように湾曲したハット形断面部品に、ブランク材からなる金属板をプレス成形すると、図1(a)に示すように、湾曲部分の天板部1において引張残留応力が発生すると共に、フランジ部2において圧縮残留応力が発生する。そして、プレス金型から部品を外して、これらの応力が開放されることによって、図1(b)に示すようなスプリングバックが発生する。このとき、金属板の材料強度の増加に伴い、この残留応力が増加して、スプリングバック量が大きくなる傾向がある。すなわち、590MPa以上のハイテン材を採用するとスプリングバックが大きくなる。
ここで、本実施形態が目的とするプレス成形による製品形状は、図2に示すように、本体部4が、天板部1とフランジ部2とが側壁部3を介して幅方向で連続してハット形断面の部品となっていると共に、天板部1及びフランジ部2が長手方向に沿って天板部1側に凸となるように湾曲した形状となっている。図2では、湾曲部分が左側に偏って形成されている場合が例示されている。天板部1及びフランジ部2にそれぞれ形成される、長手方向に沿った湾曲の曲率は同じでも良いが、本実施形態では異なっているとする。
また、本実施形態の製品形状は、天板部1の長手方向両端部に、それぞれ張出部5が連続している。各張出部5の幅は、天板部1の幅よりも幅方向の寸法が大きいことから、上面視において製品形状の長手方向端部側の天板面が、L字形状若しくはT字形状となっている。図2では、T字形状を例示している。更にフランジ部2の長手方向端部に縦壁部6の下端部が連続している。該縦壁部6は、天板部1側に立ち上がり、その上端が上記張出部5に連続する。上記形状によって、縦壁部6に対し、湾曲部分を有する本体部4が垂直方向側に延在する。すなわち、本体部4の長手方向に対向するように縦壁部6が立ち上がった形状となっている。長手方向片側のみに縦壁部6が存在する形状であっても良い。
但し、本発明によるプレス成形品の製造方法では、張出部5及び縦壁部6が無い製品形状であっても適用可能である。また、天板部1及びフランジ部2が長手方向に沿って天板部1側に凹の湾曲形状であっても適用できる。
本実施形態のプレス成形品の製造方法は、平板状の金属板を上記の製品形状に成形するための加工として、図3に示すように、第1の工程と、第2の工程とを有する。プレス成形品の製造のためのプレス工程を2段階の多工程とすることで、製品のスプリングバック抑制などの寸法精度を向上させることができる。
ここで、フランジ外周をトリムするトリム加工(不図示)を有する。トリム加工は、第1の工程の前に実施しても良いし、第1の工程と第2の工程の間で実施しても良いし、第2の工程の後に実施しても良い。本実施形態では、トリム加工を第1の工程でのプレス加工の後に実施する場合で説明する。この場合、中間部品は、フランジ外周のトリム加工が行われた状態の部品となる。
第1の工程は、天板部1及びフランジ部2について、それぞれ長手方向に沿った湾曲を上記製品形状での曲率半径よりも小さい第2の曲率半径のハット形断面を有する部品形状に、平板状の金属板(ブランク材)をプレス成形して中間部品を製造する工程である。金属板の材料強度が590MPa以上の鋼板であっても適用可能である。
天板部1の第2の曲率半径と、フランジ部2の第2の曲率半径は大きさが異なるように設定される場合が多い。
このとき、第1の工程で製造される、中間部品における天板部1およびフランジ部2の長手方向の線長をそれぞれ、製品形状における天板部1およびフランジ部2の長手方向の線長と同じ値となるようにすることが好ましい。
同じ線長とするには、例えばフランジ部2と張出部5を接続する縦壁部6の線長を変更するように調整することで可能である。
また、天板部1及びフランジ部2の各第2の曲率半径はそれぞれ、第1の工程で成形した後に中間部品に発生するスプリングバック後の曲率半径が、製品形状での曲率半径以下、好ましくは製品形状での曲率半径未満となる値にそれぞれ設定された金型で成形することが好ましい。
例えば、製品形状における天板部1の長手方向に沿った天板部1の曲率半径をR1oと定義した場合、中間部品におけるスプリングバック後の天板部1の長手方向に沿った曲率半径R1’が下記(1)式を満たす値となるように、天板部1での第2の曲率半径の値を設定することが好ましい。すなわち、スプリングバック後の中間部品では、製品形状と比較してスプリングゴー側となる曲率半径となるように設定する。
0.70 ≦ (R1’/R1o) < 1.00・・・・(1)
また、製品形状におけるフランジ部2の長手方向に沿った曲率半径をR2oと定義した場合、中間部品におけるスプリングバック後のフランジ部2の長手方向に沿った曲率半径R2’が、下記(2)式を満たす値となるようにフランジ部2での上記第2の曲率半径の値を設定することが好ましい。すなわち、スプリングバック後の中間部品では、製品形状と比較してスプリングゴー側となる曲率半径となるように設定する。
0.70 ≦ (R2’/R2o) < 1.00・・・・(2)
ここで、第1の工程の成形には、ドロー成形またはフォーム成形を適用すればよい。
上記の各中間部品に発生するスプリングバック後の各曲率半径は、CAE解析その他のシミュレーション解析をコンピュータで行うことで計算によって求めても良いし、実際に試験品を作製して実測によって求めても良い。
また本実施形態では、第1の工程での上記プレス成形後に、フランジ外周のトリム加工を施す。トリム加工には、せん断加工やレーザ切断加工などの公知の加工方法を採用すれば良い。
第2の工程は、第1の工程で製造した中間部品を目標とする製品形状に成形する工程である。第2の工程の成形にはリストライク加工を適用すればよい。
(動作その他)
本実施形態のプレス成形品の製造方法では、スプリングバックを低減するために、第1の工程で、天板部1とフランジ部2の曲率半径をそれぞれ、製品形状の曲率半径よりも小さくなるようにプレス成形し、第2の工程で、第1の工程で得られた中間部品を、製品形状での曲率半径となるようにプレス成形して目標の成形形状の部品を得る。
ここで、第1の工程において、型から開放した後の中間部品の天板部1およびフランジ部2の曲率半径は、第2の曲率半径の値によっては、スプリングバックによって第1の工程で使用する金型の曲率半径よりも若干大きくなっている場合も想定される。この第1の工程で成形された中間部品のスプリングバック後の天板部1およびフランジ部2の曲率半径は、製品形状での曲率半径以下、好ましくは製品形状での曲率半径よりも小さくなるように、第1の工程の金型を設計することが好ましい。
プレス加工する金属板としてはハイテン材を対象とするが、鋼板やアルミニウム板などを用いてもよい。また、長手方向に沿った、製品形状での天板部1の曲率半径とフランジ部の曲率半径は異なっていてもよい。
図4に、湾曲部品の第1の工程および第2の工程の側面視形状における天板部とフランジ部の各線長の概念図を示す。
第1の工程において、天板部1の線長を製品形状よりも短く成形した場合(L1>L1’)、第2の工程の成形時に、天板部1で引張応力が発生する可能性がある。また第1の工程において、フランジ部の線長を製品形状よりも長く成形した場合(L2<L2’)、第2の工程の成形時に、フランジ部で圧縮応力が発生する可能性がある。そのため、第1の工程の成形後と第2の工程の成形後との天板部1およびフランジ部の線長はそれぞれ同じ若しくは略同一にすることが望ましい。
第1の工程の成形において、スプリングバック後の中間部品の天板部1とフランジ部2の各曲率半径を、製品形状での曲率半径以下になるように成形することより、第2の工程でのリストライク成形において天板部1に小さい圧縮応力、フランジ部2に小さい引張応力を発生させる。これにより応力差が低減し、スプリングバック量が低減すると共に、材料強度が振れた場合において、材料強度の感受性を低減させることが可能となる。
もっとも、製品形状に対する中間部品の曲率変更量を決定するに際し、第1の工程において、スプリングバック後の天板部1の曲率半径をR1’としたときに、製品形状での天板部1の曲率半径R1oとの比を0.70 ≦ (R1’/R1o) < 1.00 の範囲内に設定することが好ましい。
同様に、製品形状に対する中間部品のフランジ部2曲率半径をR2’としたときに、製品でのフランジ部2の曲率半径R2oとの比を0.70 ≦ (R2’/R2o) < 1.00 の範囲内に設定することが好ましい。
ここで、(R1’/R1o)および(R2’/R2o)が0.7よりも小さい場合、第2の工程での金型下死点において天板部1に過度の圧縮応力が、フランジ部2に過度の引張応力が発生し、プレス成形品に大きなスプリングゴーが発生するおそれがある。逆に、(R1’/R1o)および(R2’/R2o)が1よりも大きい場合、第2の工程の金型下死点において天板部1に引張応力が、フランジ部2に圧縮応力が残り、スプリングバックが十分抑制されない可能性がある。
以上のように、本実施形態のプレス成形品の製造方法によれば、金属板にハイテン材を使用した場合でも、金型を複雑にすることなく、側面視のスプリングバック、すなわちキャンバーバックとキャンバーバックの材料強度感受性を大きく低減することができる。これにより、目標とする製品形状に近い高精度なハット形断面で且つ長手方向に湾曲を有する形状のプレス成形品を得ることができる。このように、本実施形態のプレス成形品の製造方法は、形状凍結性および材料強度感受性に優れている。
この結果、本実施形態によれば、材料強度が振れた場合でも、寸法精度の高い部品が得られ、歩留りの向上に繋がる。さらに、ハット形断面形状の部品を用いて車体構造部品とする際に、部品の組立てを容易に行うことが可能となる。
本発明に係るプレス成形品の製造方法によるスプリングバック抑制効果を確認するため、有限要素法(FEM)によるプレス成形解析およびスプリングバック解析を行った。その結果について以下に説明する。
本実施例では図2(a)、(b)に示す長手方向に湾曲したハット形断面部品をプレス成形する場合を対象とした。
(従来法)
従来法(No.1〜No.4)では、第1の工程で部品の曲率半径を変更せずに、プレス成形解析とスプリングバック解析とを実施し、スプリングバック前後の天板部1およびフランジ部2のスプリングバック量を測定した。
なお、プレス成形に使用する金属板は板厚t=2.0mmであって、材料強度(引張強度)が590MPa級〜1470MPa級の鋼板とした。
このとき、980MPa級材(材料強度980MPaの鋼板)を適用した条件を基本とした場合、スプリングバック前の天板部1およびフランジ部2の曲率半径R1、R2はそれぞれ1655[mm]および1596[mm]であり、スプリングバック後の天板部1およびフランジ部2の曲率半径R1’、R2’は、それぞれ1875[mm]および1793[mm]であった。
(本発明)
この結果に基づき、本発明に基づいた例(No.5〜No.16)では、第1の工程での天板部1およびフランジ部2それぞれの曲率半径倍率を、スプリングバック前の曲率半径より小さくし、プレス成形解析を行った。
上記で作製した第1の工程での金型モデルを用いてプレス成形解析を実施し、成形下死点まで成形されたプレス成形品の離型後におけるスプリングバック解析を行った。その後、スプリングバック後の成形品を第2の工程でリストライク成形する成形解析を実施し、成形下死点まで成形されたプレス成形品の離型後におけるスプリングバック解析を行った。
980MPa級材を適用した条件を基本とし、曲率半径は(R1’/R1o)および(R2’/R2o)を0.7 、 0.8 、 0.9に変更した。また、スプリングバックによる製品形状との乖離量はパンチ底座面でベストフィットし、車両上部における製品形状とのZ方向乖離量によって評価した。
表1にプレス条件および評価結果をまとめて示す。
Figure 0006176430
(評価)
表1のNo.1〜4から分かるように、第1の工程での曲率半径を製品形状の曲率と同じにしてプレス成形およびスプリングバックの解析を実施すると、最大スプリングバック量は1470MPa級材で20.3mm発生する。590MPa級材と1470MPa級材の差を比較すると10.6mmの差が生じていることがわかる。
一方、本発明に基づく表1のNo.5〜8の場合には、第1の工程での曲率半径を(R1’/R1o)=0.9および(R2’/R2o)=0.9に変更してプレス成形およびスプリングバックの解析を実施すると、最大スプリングバック量は1470MPa級材で6.5mm発生する。また590MPa級材と1470MPa級材の差を比較すると7.6mmの差に低減していることがわかる。
また、本発明に基づく表1のNo.9〜12の場合には、第1の工程での曲率半径を(R1’/R1o)=0.8および(R2’/R2o)=0.8に変更してプレス成形およびスプリングバックの解析を実施すると、最大スプリングバック量は1470MPa級材で3.1mm発生する。また590MPa級材と1470MPa級材の差を比較すると6.1mmの差に低減していることがわかる。
また、本発明に基づく表1のNo.13〜16の場合には、第1の工程での曲率半径を(R1’/R1o)=0.7および(R2’/R2o)=0.7に変更してプレス成形およびスプリングバック解析を実施すると、最大スプリングバック量は1470MPa級材で1.2mm発生する。また590MPa級材と1470MPa級材の差を比較すると4.6mmの差に低減していることがわかる。
以上、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2016−039383(2016年3月 1日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 天板部
2 フランジ部
3 側壁部
4 本体部
5 張出部
6 縦壁部
L1、L2 線長

Claims (7)

  1. 天板部とフランジ部とが側壁部を介して幅方向で連続していると共に、上記天板部及び上記フランジ部が長手方向に沿って上記天板部側に凸若しくは凹に湾曲したハット形断面を有する製品形状に、金属板をプレス成形して製造する際に、
    上記天板部及びフランジ部について、それぞれ長手方向に沿った湾曲を上記製品形状での曲率半径よりも小さい第2の曲率半径のハット形断面を有する部品形状にプレス成形して中間部品を製造する第1の工程と、
    上記中間部品を上記製品形状にプレス成形する第2の工程と、を有することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  2. 上記中間部品における上記天板部およびフランジ部の長手方向の線長をそれぞれ、上記製品形状における上記天板部およびフランジ部の長手方向の線長と同じ値に設定することを特徴とする請求項1に記載したプレス成形品の製造方法。
  3. 上記天板部及びフランジ部の上記各第2の曲率半径は、それぞれ上記第1の工程で成形した後に上記中間部品に発生するスプリングバック後の曲率半径が、上記製品形状での曲率半径以下となる値に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したプレス成形品の製造方法。
  4. 上記製品形状における天板部の長手方向に沿った天板部の曲率半径をR1oと定義した場合、上記中間部品におけるスプリングバック後の天板部の長手方向に沿った曲率半径R1’が下記(1)式を満たす値となるように、上記天板部での上記第2の曲率半径の値を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したプレス成形品の製造方法。
    0.70 ≦ (R1’/R1o) < 1.00・・・・(1)
  5. 上記製品形状におけるフランジ部の長手方向に沿った曲率半径をR2oと定義した場合、上記中間部品におけるスプリングバック後のフランジ部の長手方向に沿った曲率半径R2’が下記(2)式を満たす値となるように、上記フランジ部での上記第2の曲率半径の値を設定することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項4に記載したプレス成形品の製造方法。
    0.70 ≦ (R2’/R2o) < 1.00・・・・(2)
  6. 第1の工程の成形にドロー成形またはフォーム成形を適用し、第2の工程の成形にリストライク加工を適用することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したプレス成形品の製造方法。
  7. 金属板の材料強度が590MPa以上の鋼板とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したプレス成形品の製造方法。
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