JPWO2019167792A1 - プレス部品の製造方法、プレス成形装置及びプレス成形用の金属板 - Google Patents

プレス部品の製造方法、プレス成形装置及びプレス成形用の金属板 Download PDF

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Abstract

長手方向に沿って天板部側に凸となるように湾曲した形状を有するプレス部品を割れやシワ、寸法精度低下といった成形不良を低減する。側面視で見て、湾曲部(1A)となる領域の長手方向中央部を曲げ位置として面外に曲げられると共に天板部(2)及び縦壁部(3)となる領域に張出部(30A)を有する中間成形品(30)に、金属板(10)をプレス成形する第1の成形工程(9A)と、目的のプレス部品形状(1)とする第2の成形工程(9B)とを有する。面外への曲げの角度は、フランジ部となる領域において、プレス部品形状(1)における湾曲部(1A)でフランジ部(4)がなす角度以下である。張出部(30A)は、側面視で見て湾曲部(1A)となる領域の長手方向中央部で一番、張出し高さが高く、天板部(2)となる領域での長手方向の長さが、プレス部品形状(1)での天板部(2)の長手方向の長さと一致若しくは近づくように設定される。

Description

本発明は、側面視で見て長手方向に沿って天板部側に凸となった湾曲部を有すると共にハット型断面形状のプレス部品の製造に関する技術である。本発明は、特に、側面視で天板部側に湾曲した部分を有する自動車骨格部品の製造に好適な技術である。
自動車骨格部品は、例えば、天板部と、それに連続する縦壁部及びフランジ部を有し、かつ、側面視で見たときに長手方向に沿って湾曲した部分を有する形状となっている。このような自動車骨格部品を金属板からプレス成形で製造する場合、部品の一部に割れやシワが生じ、成形不良を起こす可能性がある。さらに、離型後の成形品が弾性回復により寸法精度が低下するなどの問題も生じるおそれがある。特に、近年の自動車骨格部品には、車体軽量化と衝突安全性の両方をともに達成するために、プレス成形用の金属板として薄肉の高張力鋼板の使用が増加している。しかし、金属板の材料強度が増加するにつれて金属板の延性は低下し、プレス成形後の製品でスプリングバックが大きくなる。このため、高張力鋼板を単純にプレス成形した場合、割れやシワ、スプリングバックといった問題が顕在化している。
例えば、天板部と、それに連続する縦壁部及びフランジ部を有し、かつ、側面視で見たときに天板部側に凸となるように湾曲した形状を少なくとも一カ所以上有するプレス部品形状では、天板部側での材料の不足によって割れが発生したり、フランジ部側で材料が余ることで大きなシワが発生したりする可能性がある。さらに、スプリングバックに伴う断面の開きと共に、天板部とフランジ部に発生する長手方向の応力差に起因して、側面視の湾曲が緩くなる(湾曲の曲率が小さくなる)方向に部品長手方向の端部が持ち上がるような、寸法精度の不良も発生しやすい。これらの成形不良の発生に対して、従来、次のような対策技術が提案されている。
すなわち、側面視で見て天板部側に凸になるように長手方向で湾曲した形状を少なくとも一カ所以上有する最終部品形状における、天板部の割れ及びフランジ部のシワへの対策として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、天板部をパッドとパンチで挟圧した状態で絞り成形を行うことで、部品の縦壁部にせん断変形を発生させて、天板部の材料の不足及びフランジ部の材料の余りを解消することが提案されている。
また、離型時のスプリングバックの要因応力となる天板部の長手方向の引張応力を低減させる方法として、例えば特許文献2に記載の技術がある。特許文献2に記載の技術では、最終部品形状よりも天板部の曲率半径を小さくして余分に張り出した中間成形品を第1の成形工程で作製し、第2の成形工程でその中間成形品の余分に張り出した天板部を最終部品形状で潰すように成形する。これによって、特許文献2に記載の技術では、部品の長手方向に圧縮応力を発生させることでスプリングバックの要因となる応力を低減させる対策をとっている。
さらに特許文献3では、第1の成形工程で、最終部品形状よりも天板部の長手方向の線長が最終部品形状よりも一定量長くなるように凹凸形状を付与した中間成形品を作製して余分に線長を稼いでおき、第2の成形工程で最終部品形状に成形することで、天板部に余計な引張変形を加えないような提案がなされている。
特許第5733475号公報 特許第5353329号公報 特許第4709659号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、縦壁部にせん断変形が作用することでせん断シワが発生する可能性があり、他の部品との接合が難しくなる可能性がある。さらに特許文献1に記載の方法は、縦壁部に曲げ・曲げ戻し変形を受ける絞り成形であるため、高強度鋼板では縦壁が大きく反り、寸法精度の悪化につながる。
特許文献2及び特許文献3に記載の方法では、天板部に作用する長手方向の引張応力を低減することは可能であるが、天板部に凹形状を付与する必要があるため、部品形状を変更しなければならない可能性がある。さらに、特許文献2及び特許文献3に記載の方法では、断面方向の開きを抑制する効果がないため、寸法精度の改善には限界がある。
本発明は、上記のような課題に着目してなされたものであり、側面視で見たときに、長手方向に沿って天板部側に凸となるように湾曲した形状を少なくとも一カ所以上有する形状のプレス部品を、割れやシワ、寸法精度低下といった成形不良を低減して製造出来るプレス部品の製造技術を提供することを目的とする。
本発明者は、天板部と、それに連続する縦壁部及びフランジ部を有し、かつ、側面視で見たときに、天板部側に凸となるように湾曲した形状を少なくとも一カ所以上有する最終部品形状について、割れやシワなく成形でき、かつ、スプリングバックを抑制可能なプレス成形方法について、鋭意検討を行った。その検討の結果、本発明者は、割れやシワ、スプリングバックの発生要因応力である天板部の材料の不足及びフランジ部の材料の余りは、最終部品形状に成形する工程の前工程において、所定の場所に予め張出し成形を行い、材料の不足が想定される線長を稼いでおくことで低減可能であるという知見を得た。
本発明は、このような知見に基づきなされたものである。
課題を解決するために、本発明の一態様であるプレス部品の製造方法は、天板部の幅方向両側に縦壁部及びフランジ部を有する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿った1又は2以上の箇所に、側面視で見て上記天板部側に凸となるように湾曲した湾曲部を有するプレス部品形状のプレス部品を、金属板をプレス成形して製造するプレス部品の製造方法であって、側面視で見て、上記湾曲部となる領域での長手方向中央部を曲げ位置として上記湾曲部となる領域が上記凸となる方向へ面外に曲げられた形状であって、上記フランジ部となる領域に対し、相対的に上記天板部及び上記縦壁部となる領域が上記凸となる方向に張り出してなる張出部を有する中間成形品に、上記金属板をプレス成形する第1の成形工程と、上記中間成形品に曲げ加工を施して、上記プレス部品形状での上記天板部と縦壁部との間の稜線及び上記縦壁部とフランジ部の間の稜線を形成する第2の成形工程と、を有し、上記第1の成形工程での上記面外へ曲げられる角度は、上記フランジ部となる領域において、側面視で見て、上記プレス部品形状における湾曲部でフランジ部がなす角度以下となるように設定し、上記第1の成形工程での上記張出部は、側面視で見て上記湾曲部となる領域の長手方向中央部から該長手方向に沿って上記中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状であり、且つ、上記天板部となる領域での長手方向の長さと、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さとの差が、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さの一割以下となるように設定されることを要旨とする。
また、本発明の一態様であるプレス成形装置は、本発明の一態様であるプレス部品の製造方法における、第2の成形工程で使用するプレス成形装置であって、金属板を稜線部位置で曲げて縦壁部及びフランジ部を曲げ成形するための曲げ刃を有する上型と、パンチを有する下型とを有し、上記曲げ刃は、プレス方向に対して0度以上90度以下の範囲から選択した角度で移動して、上記曲げ成形を行う構成であることを要旨とする。
また、本発明の一態様であるプレス成形用の金属板は、天板部の幅方向両側に縦壁部及びフランジ部を有する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿った1又は2以上の箇所に、側面視で上記天板部側に凸となるように湾曲した湾曲部を有するプレス部品形状に成形される、プレス成形用の金属板であって、側面視で見て、上記湾曲部となる領域の長手方向中央部を曲げ位置として上記湾曲部となる領域が上記凸となる方向へ面外に曲げられた形状であって、上記フランジ部となる領域に対し上記天板部及び上記縦壁部となる領域を上記凸となる方向に張り出してなる張出部が形成され、上記面外に曲げられる角度は、上記フランジ部となる領域において、側面視で見て、上記プレス部品形状における上記湾曲部でフランジ部がなす角度以下であり、上記張出部は、側面視で見て上記湾曲部となる領域の長手方向中央部から該長手方向に向けて該中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状であり、且つ、上記天板部となる領域での長手方向の長さと、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さとの差が、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さの一割以下となるように設定されていることを要旨とする。
本発明の態様によれば、側面視で見たときに、長手方向に沿って天板部側に凸となるように湾曲した形状を少なくとも一カ所以上有するハット型断面形状のプレス部品の製造において、割れやシワ、寸法精度低下といった成形不良を低減することが可能となる。
例えば、寸法精度低下による形成不良としては、例えば天板部とフランジ部の長手方向の応力差に起因するスプリングバックがある。本発明の態様によれば、そのようなスプリングバックを小さく抑制することが可能となる。
側面視で見て天板部が上に凸に長手方向に湾曲した最終部品形状と形状パラメータを示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は側面図である。 本発明の適用が可能なその他のプレス部品形状の例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る成形工程を説明する図である。 ビード形状を設けた金属板の例を示す図である。 中間成形品の一例を示す図である。 張出部の形状の一例を示す側面図である。 張出部のプロフィール形状の他の例を示す側面図である。 張出部のプロフィール形状の他の例を示す側面図である。 第1の成形工程における張出し形状の設計方法を示す図である。 第2の成形工程における張出し形状の設計方法を示す図である。 第2の成形工程における曲げ成形金型の動きを示す図である。 実施例において、従来の曲げ成形における金型の構成を示す図である。 実施例において、従来の絞り成形における金型の構成を示す図である。 実施例における、従来の絞り成形によって成形した下死点における長手方向の軸力分布を示す図である。 実施例における、本開発手法で成形した下死点における長手方向の軸力分布を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下の説明では、図1に示すような、天板部2と、天板部2の幅方向両側にそれぞれ連続する縦壁部3及びフランジ部4を有するハット型断面形状であって、かつ、側面視で見たときに、天板部2の長手方向に沿って天板部2側に凸となるように湾曲した湾曲部1Aを一カ所、有する最終部品形状(プレス部品形状1)に、金属板10をプレス成形する場合を例に挙げて説明する。
本発明は、図1に示したような、側面視で見たときに天板部2側に凸となるように湾曲した湾曲部1Aを一カ所のみ有する形状のみに限定されない。本発明は、天板部2側に凸となる湾曲形状とフランジ部側に凸となる湾曲形状とを共に有する複合した部品形状や、長手方向に沿って、天板部2側に凸となる湾曲部1Aが2カ所以上存在する部品形状に対しても有効な技術である。図2に、本発明を適用可能なプレス部品形状1の1例を示す。
<金属板>
本実施形態のプレス成形で用いる金属板の形状に特に制約はなく、例えば、最終のプレス部品形状1を平面に展開した展開形状の金属板や、単純な長方形の形状を有する金属板を使用する。
以下の説明では、プレス成形用の金属板として、平坦な長方形の金属板を使用した場合の例で説明する。
また、金属板の材質についても特に限定はないが、本実施形態は、高強度材、特に材料の引張強度が590MPa以上の鋼材からなる金属板である場合に好適に効果を奏する。
<成形方法>
本実施形態に係るプレス部品の製造方法は、図3に示すように、第1の成形工程9Aと第2の成形工程9Bとを有する。本実施形態では、金属板10に長方形形状の板材を用いるため、第2の成形工程9B後に、トリミング工程を有する。金属板10として展開形状の板材を使用した場合には、必ずしもトリミング工程は必要ない。
また、第2の成形工程9Bでの曲げ成形の精度を向上させる目的で、第2の成形工程9Bよりも前の処理として、金属板10に対し、稜線に対応する位置の少なくとも一つの位置に対しビード形状又は折り目形状を形成する稜線前加工工程を有しても良い。具体的には、稜線前加工工程は、図4に示すように、天板部2と縦壁部3との間の稜線6に対応する位置及び縦壁部3とフランジ部4の間の稜線7に対応する位置の少なくとも一つの位置に対し、対応する稜線6、7に沿った方向に延びるビード形状20、21若しくは折り目形状を少なくとも1つ以上形成する工程である。この稜線前加工工程は、第1の成形工程9Aのときに行っても良いし、第1の成形工程9Aの前後の別工程として設定してもよい。
図4では、ビード形状を付与する場合を例示しているが、ビード形状20、21の代わりに、上述のように折り目形状を設けても良い。また、一部にビード形状20、21を設け、他の部分に折り目形状を設けるように、ビード形状20、21と折り目形状とを併用しても良い。また、稜線6、7位置のうちの一部の稜線6、7にだけビード形状20、21を形成しても良い。また、ビード形状又は折り目形状は、一つの稜線6、7の全長に亘って形成する必要はなく、稜線6、7の位置に沿って断続的に形成してもよい。稜線6、7の位置の全長の一部にビード形状20、21又は折り目形状を形成する場合には、例えば合算したビード形状20、21又は折り目形状の長さが、対応する稜線6、7の全長の1/3以上となるようにすることが好ましい。
また、寸法精度を更に高めたい場合や、部品に対し必要な形状(エンボス形状など)を付与したい場合には、第2の成形工程9Bの次工程として、例えばリストライクを目的とした成形工程を追加しても構わない。
<第1の成形工程9A>
第1の成形工程9Aは、平坦な金属板10に張出し成形を行って、第2の成形工程9Bで使用する金属板10としての中間成形品30を取得する工程である。
第1の成形工程9Aでは、図5に示すように、側面視で見て、天板部2側に凸の湾曲部1Aとなる領域での長手方向中央部を曲げ位置31として上記湾曲部1Aとなる領域を上記凸となる方向へ面外に曲げられた形状の張出部30Aを張出成形してなる中間成形品30に、金属板10をプレス成形する。張出部30Aの形状は、フランジ部4となる領域(フランジ部形成位置14)に対し、相対的に、天板部2及び縦壁部3となる領域(天板部形成位置12及び縦壁部形成位置13)が上記凸となる方向に張り出した形状となっている。すなわち、張出部30Aは、側面視で、幅方向中央部側(天板部となる領域側)での長手方向に沿った張り出しの角度が、幅方向端部側(フランジ部となる領域側)での長手方向に沿った張り出しの角度よりも小さくなっている。
ここで、本実施形態では、フランジ部4となる領域(フランジ部形成位置14)における、面外へ曲げられる角度β(面外への曲げの角度β)は、側面視で見て、プレス部品形状1における湾曲部1Aでフランジ部4がなす角度α(図1(c)参照)と等しくなるように設定する。但し、面外への曲げの角度βは、側面視で見て、プレス部品形状1における湾曲部1Aでフランジ部4がなす角度αより小さくても良い(図6参照)。面外への曲げの角度βの下限値は、その曲げによって割れが発生すると推定される角度よりも大きな角度であり、角度βは例えば90度以上である。ここで、面外への曲げの角度βは、フランジ部4側での角度であるので、180度未満の鈍角の角度である。
張出部30Aは、側面視で見て上記湾曲部1Aとなる領域での長手方向中央部から該長手方向に向けて該中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状である(図5、図6参照)。すなわち、側面視で見て湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部(P1の位置)の張出し高さが一番大きい。張出し高さは、フランジ部形成位置14を基準とし、例えばそのフランジ部形成位置14の位置から垂直方向に向かう方向での高さとする。高さは、鉛直方向での高さでも良い。
また、張出部30Aにおける天板部形成位置12での張出し高さは、天板部2となる領域における長手方向の長さと、目的のプレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さとの差が、プレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さの一割以下となるように、張出部30Aの形状を設定する。本実施形態では、この長さの差がゼロとなるように設計した。
このように設計すると、目的のプレス部品形状1において天板部2の幅方向の高さが等しい(平坦な)場合であれば、張出部30Aにおける天板部形成位置12の幅方向の高さも等しい(平坦な)形状に設定される。
なお、張出部30Aにおける縦壁部形成位置13での張出し高さは、幅方向に沿って、フランジ部形成位置14から天板部形成位置12に向かうにつれて徐々に高くなるような傾斜面に設定される(図5、図6参照)。
ここで、張出部30Aの長手方向に沿った形成位置は、湾曲部1Aとなる領域だけでなく、その長手方向両側の直線部となる位置にも延在するように形成されることが好ましい。上記のように、面外への曲げ成形を行うことで、湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部に位置する張出し頂点P1の張出し高さhを高く設定可能であるが、張出部30Aにおける長手方向左右の裾野を長くすることで、湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部に位置する張出し頂点P1から、左右長手方向に向かうプロフィール30Aaの勾配が大きくなることを抑えることができる。
次に、側面視で見た張出部30Aの天板部形成位置12でのプロフィール30Aa(長手方向のプロフィール)の設定例について図6を参照しつつ説明する。
すなわち、図6に示すように、フランジ部形成位置14を基準とした、側面視で見て張出部30Aにおける天板部形成位置12での長手方向に沿った張出し高さを、次のように設定する。
ここで、側面視で見て、湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部に位置する張出し頂点P1での張出し高さをh(mm)とし、金属板10の長手方向端部を端点P2として、その端点P2での張出し高さを0(mm)とし、張出し頂点P1と左右の各端点P2との中間点P3での張出し高さをh’(mm)と定義する。中間点P3は、フランジ部形成位置での中点からの垂線上に存在する。
そして、上記の張出し頂点P1、中間点P3、端点P2を滑らかに結ぶ曲線を、側面視で見た張出部30Aの天板部形成位置12でのプロフィール30Aaとする。このプロフィール30Aa曲線は、例えばスプライン曲線とする。
このとき、天板部2となる領域(天板部形成位置12)における長手方向の長さと、目的のプレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さとの差がゼロとなるように、張出し高さh及びh′を求める。
中間点P3での張出し高さh′が、下記(1)式満足するように設定することが好ましい。
(1/3)・h ≦ h′ ≦(1/2)・h ・・・(1)
設定する端点P2は、金属板10の長手方向端部よりも張出し頂点P1側に寄った位置に設定しても良い。
また、隣り合う湾曲部1Bが存在する場合には、設定する端点P2は、金属板10の端部位置の代わりに、対象とする湾曲部1Aと隣り合う湾曲部1Bとの間の予め設定した位置に設定してもよい。
対象とする湾曲部1Aと隣り合う湾曲部1Bがフランジ部側に凸の湾曲部形状の場合、例えば、図7に示すように、その隣の湾曲部1B形状と隣接する直線部との境界位置に端点P2を設定する。
また、図8に示すように、対象とする湾曲部1Aと隣り合う湾曲部1Bが天板部2側に凸の湾曲部形状の場合、例えば、その隣り合う湾曲部1Bの長手方向中央部に端点P2を設定する。対象とする湾曲部1Aと隣り合う湾曲部1Bが共に天板部2側に凸の湾曲部形状の場合には、金属板10の端部に端点P2を設定してもよい。この場合には、一つの張出部30Aにおいて張出し頂点P1が2カ所となり、その2つの張出し頂点P1間のプロフィールは、例えば、その2つの張出し頂点P1を結ぶ直線形状でも良いし、2つの張出し頂点P1の間に上記の中間点P3を設定したりして、懸垂曲線で結んだプロフィール30Aa形状としてもよい(符号30Abを参照)。
(第1の成形工程9Aでの成形方法)
次に、第1の成形工程9Aでの成形方法の例について説明する。
第1の成形工程9Aでは、金属板10を張出し成形する。
このとき、まず、平坦な形状を有する金属板10を面外に曲げる際の角度βを設定する。本実施形態では、最終部品形状を側面視で見たときにフランジ部4がなす角度αと等しい角度で曲げるが、角度βとして、それよりも小さい角度で曲げても良い。
また本実施形態では、まず張出部30Aを張出し成形で形成する際における、目的するプレス部品形状1における天板部2とフランジ部4で生じる長手方向の材料の過不足分だけ稼ぐ必要がある線長を求める。
図1(c)に示すように、側面視で見て、天板部2側に湾曲した部品の場合、天板部2の長手方向の線長と、フランジ部4の長手方向の線長との差は、湾曲部1Aの位置で生じる。このとき、目的のプレス部品形状1から、天板部2側の湾曲部1Aでの長手方向の線長l1は、次の式で求められる。ここで、R(mm)は、天板部2での湾曲部1Aの曲率半径を、α(度)は、長手方向に湾曲したフランジ部4のなす角度を、H(mm)は縦壁部3の高さを表す。
l1 =2πR×(180−α)/360
同様に、フランジ部4側での湾曲部1Aの長手方向の線長l2は、次の式で求められる。
l2 =2π(R−H)×(180−α)/360
従って、稼ぐ必要がある線長Δl(mm)は以下の式で求められる。
Δl =l2 −l1 =2πH×(180−α)/360
続いて、上記の線長Δlを稼ぐための第1の成形工程9Aにおける張出し形状を設計する。まず、長手方向の湾曲部1Aの中央で最も張出し高さが高くなるような形状を設計する。このとき、図6に示すように、長手方向の湾曲部1Aのフランジ部形成位置14での中央から垂直にh(mm)だけ離れた点を張出し頂点P1とする。ここで、垂直とは、フランジ部形成位置14の面に対し垂直を意味する。
また、曲げられた金属板10の長手方向の端部をそれぞれ端点P2とする。さらに、フランジ部形成位置14における上記長手方向湾曲部1Aの中央と上記端点P2との中点から垂直にh’(mm)だけ離れた点をそれぞれ中間点P3とする。以上のように設定した5点を、端点P2、中間点P3、張出し頂点P1、中間点P3、端点P2の順に滑らかに結んだ凸形状を天板部形成位置12での張出し形状として設計する。このとき、天板部形成位置12における、線長の増加分が線長Δlとなるように、高さh及び高さh′(<h)を設定する。
以上の手法によって設計された第1の成形工程9Aで使用する絞り成形金型の一例を図9に示す。ダイ40の下面(プレス面)は、上側に凸となるように面外曲げ形状となっていると共に、その曲げ位置と交差する方向に延在するようにして、設計した張出形状の凸形状40Aが形成されている。パンチ42の上端部は、その張出形状の凸形状に倣うように設定されている。しわ押え41は、フランジ部形成位置14を押さえる部品であって、上側に凸となるような面外曲げ形状が付与されている。
そして、ダイ40としわ押え41で、金属板10のフランジ部形成位置14を挟圧することで、金属板10に面外曲げが付与され、続いて、パンチ42を相対的に上方に持ち上げることで、金属板10の天板部形成位置12及び縦壁部形成位置13に張出形状が絞り成形されて張出部30Aが付与される。
これによって、第2の成形工程9Bでプレス成形される金属板10としての、図5のような中間成形品30が作製される。
<第2の成形工程9B>
第2の成形工程9Bは、第1の成形工程9Aで成形された中間成形品30に曲げ加工を施して、目的とするプレス部品形状1での天板部2と縦壁部3との間の稜線6及び縦壁部3とフランジ部4の間の稜線7を形成して、中間成形品30を目的のプレス部品形状1に成形する工程である。
第2の成形工程9Bでは、例えば図10に示されるような稜線部位置を曲げ加工するダイ50及び曲げ刃52で構成される上型とパンチ51で構成される下型を有する曲げ成形金型を使用する。
この曲げ成形金型では、パンチ51とダイ50で金属板10の天板部形成位置12を挟圧した状態で、左右の曲げ刃52をパンチ51に向けて成形下死点まで移動させることで、縦壁部3及び縦壁部3を曲げ成形する。
このとき、曲げ刃52は、図11に示すように、通常のプレス角度に対して、パンチ51から離れる方向に向けて0度以上90度以下、好ましくは0度以上45度の範囲の角度で移動することで成形を行うように構成することが好ましい。
(作用その他)
(1)本実施形態のプレス部品の製造方法は、側面視で見て、湾曲部1Aとなる領域での長手方向中央部を曲げ位置31として湾曲部1Aとなる領域が凸となる方向へ面外に曲げられた形状であって、フランジ部4となる領域に対し天板部2及び縦壁部3となる領域を凸となる方向に張り出してなる張出部30Aを有する中間成形品30に、金属板10をプレス成形する第1の成形工程9Aと、中間成形品30に曲げ加工を施して、プレス部品形状1での天板部2と縦壁部3との間の稜線6、7及び縦壁部3とフランジ部4の間の稜線6、7を形成する第2の成形工程9Bとを有する。
そして、第1の成形工程9Aでの面外へ曲げられる角度βは、フランジ部4となる領域14において、側面視で見て、プレス部品形状1における湾曲部1Aでフランジ部4がなす角度α以下となるように設定する。
第1の成形工程9Aでの張出部30Aは、側面視で見て湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部から長手方向に向けて該中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状であり、且つ、天板部2となる領域における張出部30Aを含む長手方向の長さと、プレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さとの差が、プレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さの一割以下となるように設定する。
この構成によれば、側面視で見たときに、長手方向に沿って天板部2側に凸となるように湾曲した形状を少なくとも一カ所以上有する形状を有するハット型断面形状のプレス部品の製造において、割れやシワ、寸法精度低下といった成形不良を低減し得る。例えば、寸法精度不良としては、天板部2とフランジ部4の長手方向の応力差に起因するスプリングバックがあるが、本発明の態様によれば、そのようなスプリングバックを小さく抑制することが可能となる。
ここで、中間成形品30に張出部30Aを形成して天板部形成位置12及び縦壁部形成位置13の線長を稼ぐ際に、面外曲げを付与することで、張出部30Aで、より長く線長を稼ぐことが可能となる。
(2)本実施形態では、張出部30Aにおける天板部形成位置12での張出し高さは、側面視で見て、湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部に位置する張出し頂点P1での張出し高さをh(mm)とし、対象とする湾曲部1Aと隣り合う湾曲部1Aが存在する場合におけるその2つの湾曲部1A間に予め設定した位置若しくは金属板10の長手方向端部を端点P2として、その端点P2での張出し高さを0(mm)とし、張出し頂点P1と端点P2との中間点P3での張出し高さをh’(mm)としたときに、張出し高さh′が、下記式満足するように設定する。
(1/3)・h ≦ h′ ≦(1/2)・h
この構成によれば、適切な張出部30Aの形状を付与可能となる。
(3)本実施形態では、第2の成形工程9Bよりも前の処理で、天板部2と縦壁部3との間の稜線6に対応する位置及び縦壁部3とフランジ部4の間の稜線7に対応する位置の少なくとも一つの位置に対し、対応する稜線6、7に沿った方向に延びるビード形状20、21若しくは折り目形状を、少なくとも1つ以上形成する。
この構成によれば、第2の成形工程9Bにおいて、より確実に稜線形成位置で曲げ成形が可能となり、成形性が向上する。
(4)本実施形態における第2の成形工程9Bで使用するプレス成形装置は、金属板10を稜線部位置で曲げて縦壁部3及びフランジ部4を曲げ成形するための曲げ刃52を有する上型と、パンチ51を有する下型とを有し、曲げ刃52は、プレス方向に対して0度以上90度以下のいずれかの角度に移動して、曲げ成形を行う構成である。好ましくは0度以上45度以下、より好ましくは5度以上40度以下である。
この構成によれば、第2の成形工程9Bにおいて成形性良く、曲げ成形が行われる。
(5)本実施形態では、天板部2の幅方向両側に縦壁部3及びフランジ部4を有する断面ハット型形状であり、且つ、天板部2の長手方向に沿った1又は2以上の箇所に、側面視で天板部2側に凸となるように湾曲した湾曲部1Aを有するプレス部品形状1にプレスされる、プレス成形用の金属板10として、側面視で見て、湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部を曲げ位置として湾曲部1Aとなる領域が凸となる方向へ面外に曲げられた形状であって、フランジ部4となる領域に対し天板部2及び縦壁部3となる領域を凸となる方向に張り出してなる張出部30Aが形成され、面外に曲げられる角度は、フランジ部4となる領域において、側面視で見て、プレス部品形状1における湾曲部1Aでフランジ部4がなす角度以下であり、張出部30Aは、側面視で見て湾曲部1Aとなる領域の長手方向中央部から長手方向に向けて該中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状であり、且つ、天板部2となる領域における張出部30Aを含む長手方向の長さと、プレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さとの差が、プレス部品形状1での天板部2の長手方向の長さの一割以下となるように設定された金属板10を用いても良い。
この金属板10を使用することで、通常の曲げ成形であっても、成形性を向上させることが可能となる。
次に本発明の実施例を説明する。
金属板10として1180MPa級冷延鋼板(板厚1.4mm)を想定して、図1に示すような形状を有する部品のプレス成形解析を行った。本実施例において、プレス部品形状1を規定する形状パラメータは以下のように設定した。
<断面形状パラメータ>
天板部幅W :100mm
縦壁高さH :50mm
縦壁角度θ :10度
フランジ長さf:30mm
<平面視曲がりパラメータ>
曲がり角度α:150度
天板部2の曲率半径R :200mm
直線断面長さL1:200mm
直線断面長さL2:200mm
また、成形に使用する金属板10は長さ480mm、幅260mmの長方形とした。
次に、第1の成形工程9Aにおいて、平坦な金属板10を面外に曲げるときの曲げ角度βは、最終とする目的のプレス部品形状1よりも小さい120度とした。このプレス部品形状において、最終部品形状の天板部2に対応する位置12に張出し成形して稼ぐ必要がある線長ΔLは前述の式よりΔL=26.2mmであった。
上記計算で求めた線長を稼ぐために、図6で示した張出し頂点P1の高さhは24mm、中間点P3の高さh’は10mmとし、金属板10の端部に端点P2を設定し、中間点P3、張出し頂点P1、中間点P3、端点P2の順にスプライン曲線で滑らかに結んだ形状(プロフィール)を張出し形状として設計した。
上記で設計した形状を有するダイ40で構成される上型とパンチ42及びしわ押え41で構成される下型によって絞り成形解析を行い、中間成形品30を取得した。この絞り成形において、しわ押え力は50tonに設定した。
次に第2の成形工程9Bにおいて、中間成形品30を図10に示す曲げ成形金型で曲げ成形解析を実施した。本成形では、稜線6、7を曲げる曲げ刃52は、プレス方向に対して30度傾いた角度θで曲げるカム機構を用いて成形解析した。
また、開発方法の比較として、従来から行われている曲げ成形及び絞り成形を用いた成形解析も合わせて実施した。曲げ成形解析で使用した金型を図12、絞り成形解析で使用した金型を図13に示す。
曲げ成形金型はダイ61及びパッド62で構成される上型と、パンチ63で構成される下型を有し、上型を下降させ、最終部品形状における天板部2をパッド62とパンチ63によって挟圧した状態で曲げ成形を行った。このときのパッド圧力は10tonとした。また、絞り成形金型はダイ71で構成される上型とパンチ73及びしわ押え72で構成される下型を有し、上型を下降させ、最終部品形状における縦壁部3とフランジ部4をダイ71としわ押え72で挟圧しながら絞り成形を行った。このときのしわ押え力は50tonとした。
上記条件で成形解析を実施し、従来曲げ成形、従来絞り成形、及び本発明に基づく成形方法での成形下死点における板厚減少率分布をそれぞれ求めてみた。
従来曲げ成形によって成形すると、最終部品形状のフランジ部4において、材料が過度に余ってしまうため、長手方向湾曲部1A付近の2カ所でしわが重なってしまい、成形が困難であった。
一方、従来絞り成形では、最終部品形状における縦壁部3とフランジ部4をダイ71としわ押え72で挟圧しているため、フランジ部4においてシワがなく成形することができた。
また、本発明に基づく成形方法では最終的に曲げ加工したにも関わらず、フランジ部4にシワは発生しなかった。また、本対象形状においてはいずれの成形方法でも割れは発生しなかった。
次に、従来絞り成形及び本発明に基づく成形方法での成形下死点における長手方向の板厚中心応力分布をそれぞれ図14、図15に示す。
図14に示しように、従来絞り成形において、天板部2には大きな引張応力が作用し、反対にフランジ部4には大きな圧縮応力が発生した。
一方で、図15に示すように、本発明に基づく成形方法では、天板部2に引張応力が作用するが、フランジ部4においても同程度の引張応力が発生した。図14に示した従来絞り成形のように、天板部2とフランジ部4でそれぞれ発生した大きな引張応力と圧縮応力は離型後のスプリングバックの発生要因となる。
続いて、従来絞り成形及び本発明に基づく成形方法での離型後における最終部品形状からの乖離量分布をそれぞれ求めてみた。従来の絞り成形で成形した部品では、天板部2とフランジ部4で長手方向の板厚中心応力に大きな差が発生していたことに起因して、長手方向の端部が左側で3.3mm、右側で2.5mm持ち上がるように大きくスプリングバックした。
一方で、本発明に基づく成形方法では、天板部2とフランジ面の長手方向の板厚中心応力にほとんど差が発生していないため、長手方向端部が持ち上がるようなスプリングバックはほとんど発生させることなく(長手方向の両端部の持ち上がりがそれぞれ0.9mm未満で)成形可能であった。
ここで、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2018−034570(2018年 2月28日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
1 プレス部品形状
1A 湾曲部
2 天板部
3 縦壁部
4 フランジ部
6、7 稜線
9A 第1の成形工程
9B 第2の成形工程
10 金属板
12 天板部形成位置
13 縦壁部形成位置
14 フランジ部形成位置
20、21 ビード形状
30 中間成形品
30A 張出部
30Aa プロフィール
31 曲げ位置
40 ダイ
40A 凸形状
42 パンチ
50 ダイ
51 パンチ
52 曲げ刃
P1 張出し頂点
P2 端点
P3 中間点
β 曲げ角度

Claims (7)

  1. 天板部の幅方向両側に縦壁部及びフランジ部を有する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿った1又は2以上の箇所に、側面視で見て上記天板部側に凸となるように湾曲した湾曲部を有するプレス部品形状のプレス部品を、金属板をプレス成形して製造するプレス部品の製造方法であって、
    側面視で見て、上記湾曲部となる領域での長手方向中央部を曲げ位置として上記湾曲部となる領域が上記凸となる方向へ面外に曲げられた形状であって、上記フランジ部となる領域に対し、相対的に上記天板部及び上記縦壁部となる領域が上記凸となる方向に張り出してなる張出部を有する中間成形品に、上記金属板をプレス成形する第1の成形工程と、
    上記中間成形品に曲げ加工を施して、上記プレス部品形状での上記天板部と縦壁部との間の稜線及び上記縦壁部とフランジ部の間の稜線を形成する第2の成形工程と、を有し、
    上記第1の成形工程での上記面外へ曲げられる角度は、上記フランジ部となる領域において、側面視で見て、上記プレス部品形状における湾曲部でフランジ部がなす角度以下となるように設定し、
    上記第1の成形工程での上記張出部は、側面視で見て上記湾曲部となる領域の長手方向中央部から該長手方向に向けて上記中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状であり、且つ、上記天板部となる領域での長手方向の長さと、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さとの差が、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さの一割以下となるように設定されることを特徴とするプレス部品の製造方法。
  2. 上記張出部における天板部形成位置での張出し高さは、
    側面視で見て、上記湾曲部となる領域の長手方向中央部に位置する張出し頂点での張出し高さをh(mm)とし、対象とする湾曲部と隣り合う湾曲部が存在する場合におけるその2つの湾曲部間に予め設定した位置若しくは上記金属板の長手方向端部を端点として、該端点での張出し高さを0(mm)とし、上記張出し頂点と上記端点との中間点での張出し高さをh’(mm)としたときに、張出し高さh′が、下記(1)式を満足するように設定したことを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。
    (1/3)・h ≦ h′ ≦(1/2)・h ・・・(1)
  3. 上記第2の成形工程よりも前の処理で、上記天板部と上記縦壁部との間の稜線に対応する位置及び上記縦壁部と上記フランジ部の間の稜線に対応する位置の少なくとも一つの位置に対し、対応する稜線に沿った方向に延びるビード形状若しくは折り目形状を、少なくとも1つ以上形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したプレス部品の製造方法。
  4. 上記成形される金属板は、引張強度が590MPa以上の鋼材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法における、第2の成形工程で使用するプレス成形装置であって、
    金属板を稜線部位置で曲げて縦壁部及びフランジ部を曲げ成形するための曲げ刃を有する上型と、パンチを有する下型とを有し、
    上記曲げ刃は、プレス方向に対して0度以上90度以下の範囲で設定された角度で移動して、上記曲げ成形を行う構成であることを特徴とするプレス成形装置。
  6. 天板部の幅方向両側に縦壁部及びフランジ部を有する断面ハット型形状であり、且つ、上記天板部の長手方向に沿った1又は2以上の箇所に、側面視で上記天板部側に凸となるように湾曲した湾曲部を有するプレス部品形状に成形される、プレス成形用の金属板であって、
    側面視で見て、上記湾曲部となる領域の長手方向中央部を曲げ位置として上記湾曲部となる領域が上記凸となる方向へ面外に曲げられた形状であって、上記フランジ部となる領域に対し上記天板部及び上記縦壁部となる領域を上記凸となる方向に張り出してなる張出部が形成され、
    上記面外に曲げられる角度は、上記フランジ部となる領域において、側面視で見て、上記プレス部品形状における上記湾曲部でフランジ部がなす角度以下であり、
    上記張出部は、側面視で見て上記湾曲部となる領域の長手方向中央部から該長手方向に向けて上記中央部から離れるにつれて張出し高さが小さくなる形状であり、且つ、上記天板部となる領域での長手方向の長さと、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さとの差が、上記プレス部品形状での天板部の長手方向の長さの一割以下となるように設定されていることを特徴とするプレス成形用の金属板。
  7. 請求項6に記載の金属板に曲げ加工を施して、上記プレス部品形状での上記天板部と上記縦壁部との間の稜線及び上記縦壁部と上記フランジ部の間の稜線を成形するプレス部品の製造方法であって、
    上記金属板を稜線部位置で曲げて上記縦壁部及び上記フランジ部を曲げ成形するための曲げ刃を、プレス方向に対して0度以上90度以下の範囲で設定された角度で移動させることを特徴とするプレス部品の製造方法。
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