JP6645519B2 - プレス装置及びプレス成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス成形によって素材金属板からプレス成形品(例:自動車用ロアアーム)を製造するためのプレス装置及びその製造方法に関する。
自動車において、車輪は懸架装置(サスペンション)を介して車体に取り付けられる。この懸架装置を構成する部材の一つがロアアームである。自動車用ロアアーム(以下、単に「ロアアーム」ともいう)の一端部は、懸架装置のフレーム(具体的にはサスペンションメンバー)を介して車体に取り付けられる。ロアアームの他端部には、車輪(具体的にはホイール)が取り付けられる。
図1にロアアームの一例を示す。図1に示すプレス成形品1は、本体部2と、突起部3とを含む。本体部2は、L字形状又は弓形状である。本体部2の両端のうち、一方の端部(以下、「第1端部」ともいう)2aは、自動車車体に取り付けられる端部である。他方の端部(以下、「第2端部」ともいう)2bは、自動車車輪に取り付けられる端部である。なお、図1には、車輪に連結される側を符号「WH」で示し、車体に連結される側を符号「B」で示す。
突起部3は、本体部2の湾曲の外側に突出する。図1では、本体部2の長手方向のほぼ中間(換言すると、第1端部2aと第2端部2bのほぼ中間)に突起部3が設けられている。突起部3も自動車車体に取り付けられる部分である。
本体部2及び突起部3の断面形状はいずれも溝形である。つまり、本体部2及び突起部3は、それぞれ、天板部4と、2つの縦壁部、すなわち5a、5b及び5cの中から2つ、とを備える。縦壁部5aは、プレス成形品1の本体部2の第1端部2aと本体部2の第2端部2bの間を延在する。縦壁部5bは、本体部2の第1端部2aと突起部3の間を延在する。縦壁部5cは、本体部2の第2端部2bと突起部3の間を延在する。以下、縦壁部は図1中の縦壁部5aのことを示し、符号は5とする。縦壁部5は、図1に示すように、突起部3側に湾曲する(以下、単に「内側に湾曲する」ともいう)。天板部4は縦壁部5に稜線部6を介してつながる。稜線部6は天板部4側に湾曲する。天板部4は、縁部7と凹部8とを含む。縁部7は、稜線部6に隣接する。凹部8は、縁部7に沿う。また、凹部8は、底面8bと内壁面8cとを有する。凹部8の底面8bは、端部8aを有する。
図1では、凹部8は、本体部2の天板部4の表面の、突起部3と第1端部2aと第2端部2bの近傍までの領域に設けられる。
このような形状のプレス成形品1は、素材金属板(ブランク)をプレス成形して製造される。プレス成形プレス成形に関する従来技術については下記のものがある。
特開2007−144507号公報(特許文献1)には、形状凍結性に優れたプレス成形品の製造方法が開示されている。プレス成形品の縦壁部を成形する際、縦壁部は曲げ、曲げ戻し変形を受けるため、縦壁部が反りやすい(スプリングバックしやすい)。この反りを解消するため特許文献1の製造方法では、縦壁部が波板形状に成形される。これにより、縦壁部の反り(スプリングバック)が抑制される、と特許文献1には記載されている。
特開2007−144507号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法をロアアームに代表されるような自動車の足回り部品(サスペンション部品)等の製造に適用した場合、成形された部品の性能(耐疲労性を含む)が低下することがある。特に、足回り部品は、自動車の走行時の振動によって繰り返し荷重が負荷されるため、耐疲労性が必要となる。
図2A〜図2Cは、ロアアームに使用されるプレス成形品の、一般的な製造工程の一例を示す断面図である。図1に示すプレス成形品1を製造する場合を説明する。図2Aは、一般的な製造方法における、プレス成形前の段階を示す図である。図2Bは、一般的な製造方法における、プレス成形中の段階を示す図である。図2Cは、一般的な製造方法における、プレス成形終了時の段階を示す図である。
図1に示すプレス成形品1を製造する場合、図2Aに示すように、上型として第1ダイ101及び第2ダイ102が用いられ、下型として上型と対向するパンチ103が用いられる。第1ダイ101及び第2ダイ102は、上部ホルダ104の下側に配置される。パンチ103は、下部ホルダ105に支持される。上部ホルダ104は、図示しないスライドに取り付けられる。
最初に、図2Aに示すように、金属板等からなるブランクSをパンチ103の所定の位置に配置する。ブランクSは、予めプレス成形により成形された凹部106を備える。ブランクSは、最終製品であるプレス成形品の凹部と同じ形状の凹部を備える。その後、図示しないスライドが降下し、第1ダイ101及び第2ダイ102も降下する。
次に、図2Bに示すように、まず、第1ダイ101とパンチ103でブランクSの凹部106を挟む。その後、図2Cに示すように、スライドが更に降下し、第2ダイ102とパンチ103による成形が終了する。すなわち、第1ダイ101及びパンチ103によってブランクSの凹部106を拘束した状態で、第2ダイ102とパンチ103によって縦壁部107を成形し、プレス成形品100が得られる。
図3は、図2C中のプレス成形品の稜線部近傍の拡大図である。第2ダイ102が成形下死点に到達したとき、プレス成形品100の稜線部108の裏側(図3中のパンチ103側)には、圧縮応力が生じる。第1ダイ101及び第2ダイ102が離型し、拘束が解かれると、図3中の矢印の方向に復元力が働き、プレス成形品100は成形前の形状に戻ろうとする(以下、この現象をスプリングバックともいう)。復元力による変位量(以下、スプリングバック量という)が大きいと、プレス成形品100の稜線部108の裏側には、圧縮応力に代わって引張応力が生じて残存する(以下、残存する引張応力を残留引張応力ともいう)。残留引張応力を有するプレス成形品は、繰り返し荷重が負荷されると、残留引張応力を有する部分に亀裂が生じやすい。すなわち、プレス成形品が残留引張応力を有すると、耐疲労性が低下する。特に、図1に示す内側に湾曲する縦壁部5を有するロアアームの耐疲労性は、低下しやすい。内側に湾曲する縦壁部5の成形は伸びフランジ成形であるため、成形下死点において稜線部6の裏側(断面の内側)に圧縮応力が生じやすく、スプリングバック量が大きくなりやすいからである。
ロアアーム等のプレス成形品の製造に特許文献1の製造方法を適用した場合、稜線部の残留応力は十分に低減されない。そのため、特許文献1の製造方法では、上述したプレス成形品の耐疲労性の低下を招くスプリングバックを抑制するには十分ではない。
更に、特許文献1に記載の製造方法は、一定断面を有する部品を対象としている。そのため、例えば、ロアアームのような、凹部を有する天板部及び部品長手方向に湾曲する縦壁部(稜線部)を有する部品に適用しても、優れた耐疲労性は確保できない。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、耐疲労性の低下が抑制されたプレス成形品を製造するためのプレス装置及びその製造方法を提供することである。
本発明の実施形態によるプレス装置は、パンチと、第1ダイと、第2ダイと、を備える。パンチは、頂面と、側面と、頂面と側面とをつなぐパンチ肩と、を有する。パンチ肩は頂面側に湾曲する。頂面には凹部が形成される。第1ダイは、パンチの凹部に対向して配置される。第1ダイは、凹部に対応する形状の凸部を有する。凹部に対応する形状の凸部とは、凹部と形状が反転した凸部を意味する。厳密にはブランクの厚さの分、凹部より凸部は小さい。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、パンチのパンチ肩及び側面に対応する凹形状を有する。パンチのパンチ肩及び側面に対応する凹形状とは、パンチのパンチ肩及び側面の形状と反転した形状を意味する。プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。そうするために、プレス装置は第1ダイと第2ダイの動きを機械的又は電気的に制御する。
機械的に制御する場合、プレス装置は、更に、第1ダイと第2ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、上部ホルダと第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、を備える。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。
更に、上部ホルダと第2加圧部材の間に第1ダイの一部が配置されてもよい。この場合、プレス装置は、第1ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、第2ダイの上側において第1ダイと第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、を備える。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。第1加圧部材の加圧力は第2部材の加圧力より大きい。第1加圧部材の加圧力より第2部材の加圧力の方が大きいと第1ダイでプレス成形できなくなるためである。
電気的に制御する場合、プレス装置は、更に、第1ダイ及び第2ダイの移動を司る制御機構を備える。制御機構は、第2ダイを成形下死点に到達させた後に第1ダイを成形下死点に到達させる。このため、プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。
本発明の実施形態によるプレス装置は、パンチと、第1ダイと、第2ダイと、第3ダイとを備える。パンチは、頂面と、側面と、頂面と側面とをつなぐパンチ肩と、を有する。パンチ肩は頂面側に湾曲する。頂面には底面と内壁面とを有する凹部が形成される。第1ダイは、パンチの凹部のうち少なくとも内壁面に対向して配置される。第1ダイは、凹部の内壁面に対応する形状の凸部を有する。内壁面に対応する形状の凸部とは、内壁面と形状が反転した凸部を意味する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、パンチのパンチ肩及び側面に対応する凹形状を有する。第3ダイは、第1ダイの隣に配置される。第3ダイは、第1ダイを挟んで第2ダイとは反対側に配置される。プレス成形では、第3ダイが成形下死点に到達した後、第2ダイが成形下死点に達する。第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。そうするために、プレス装置は第1ダイ、第2ダイ及び第3ダイの動きを機械的又は電気的に制御する。
機械的に制御する場合、プレス装置は、更に、上部ホルダと、第1加圧部材と、第2加圧部材と、第3加圧部材と、を備える。上部ホルダは、第1ダイと第2ダイと第3ダイの上側に配置される。第1加圧部材は、上部ホルダと第1ダイの間に配置される。第2加圧部材は、上部ホルダと第2ダイの間に配置される。第3加圧部材は、上部ホルダと第3ダイの間に配置される。第3ダイの第1ダイに隣接するパンチ側の縁は、第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁より低い位置にある。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイと隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第3ダイが成形下死点に到達した後、第2ダイが成形下死点に達する。第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。
更に、第2加圧部材と第3加圧部材の少なくとも一方と上部ホルダと間に第1ダイの一部が配置されてもよい。この場合、プレス装置は、第1ダイと第2ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、第2ダイの上側に配置される第2加圧部材と、第3ダイの上側に配置される第3加圧部材と、を備える。第2加圧部材と第3加圧部材の少なくとも一方は、第1ダイの下側に配置される。第3ダイの第1ダイに隣接するパンチ側の縁は、第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁より低い位置にある。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第3ダイ、第2ダイ、第1ダイの順に成形下死点に達する。第1加圧部材の加圧力は、第1ダイの下に配置される第2加圧部材と第3加圧部材の加圧力の合計より大きい。第1加圧部材の加圧力より第1ダイの下に配置される第2加圧部材と第3加圧部材の加圧力の合計の方が大きいと第1ダイでプレス成形できなくなるためである。
電気的に制御する場合、プレス装置は、更に、第1ダイ、第2ダイ及び第3ダイの移動を司る制御機構を備える。制御機構は、第3ダイを成形下死点に到達させた後、第2ダイを成形下死点に到達させる。その後に、制御機構は、第1ダイを成形下死点に到達させる。このため、プレス成形では、第3ダイが成形下死点に到達した後、第2ダイが成形下死点に達する。第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。
本発明の実施形態によるプレス成形品の製造方法は、第1工程と、第2工程と、を備える。プレス成形品は、天板部と、縦壁部と、天板部と縦壁部とをつなぐ稜線部と、を備える。稜線部は天板部側に湾曲する。天板部には凹部が形成される。第1工程では、パンチと、第1ダイと、を用いてブランクに凹部をプレス成形する。パンチは、プレス成形品の全体形状に対応する形状を備える。第1ダイは、少なくとも凹部の形状に対応する形状を備える。凹部の形状に対応する形状とは、凹部と形状が反転した凸部を意味する。第1ダイの凸部により天板部の凹部は成形される。第2工程では、パンチと、第2ダイと、を用いてブランクに縦壁部及び稜線部をプレス成形する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、少なくとも縦壁部及び稜線部の形状に対応する形状を備える。縦壁部及び稜線部の形状に対応するとは、縦壁部と稜線部の形状に沿った凹形状を備えることを意味する。第1工程は、第2工程よりも後に終了する。
本発明の実施形態によるプレス成形品の製造方法は、第1工程と、第2工程と、を備える。プレス成形品は、天板部と、縦壁部と、天板部と縦壁部とをつなぐ稜線部と、を備える。稜線部は天板部側に湾曲する。天板部には、底面と内壁面とを有する凹部が形成される。第1工程では、パンチと、第1ダイと、を用いてブランクに少なくとも内壁面をプレス成形する。パンチは、プレス成形品の全体形状に対応する形状を備える。第1ダイは、少なくとも凹部の内壁面の形状に対応する形状を備える。第2工程では、パンチと、第2ダイと、を用いてブランクに縦壁部及び稜線部をプレス成形する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、少なくとも縦壁部及び稜線部の形状に対応する形状を備える。第1工程及び第2工程では、パンチと、第3ダイと、を用いてブランクを挟み込む。第3ダイは、プレス成形品の凹部の底面の少なくとも一部の形状に対応する形状を備える。第1工程は、第2工程よりも後に終了する。
本発明のプレス装置及び製造方法は、プレス成形品の耐疲労性の低下を抑制できる。
図1は、ロアアームとして成り立つプレス成形品の形状例を模式的に示す斜視図である。 図2Aは、一般的な製造方法において、プレス成形前の段階を示す図である。 図2Bは、一般的な製造方法において、プレス成形中の段階を示す図である。 図2Cは、一般的な製造方法において、プレス成形終了時の段階を示す図である。 図3は、図2C中のプレス成形品の稜線部近傍の拡大図である。 図4は、第1実施形態のプレス装置を示す断面図である。 図5Aは、第1実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形前の段階を示す図である。 図5Bは、第1実施形態のプレス成形工程において、プレス成形中の段階を示す図である。 図5Cは、第1実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形終了時の段階を示す図である。 図6は、図5C中のロアアームの稜線部の近傍を拡大した断面図である。 図7Aは、第2実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形前の段階を示す図である。 図7Bは、第2実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形中の段階を示す図である。 図7Cは、第2実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形終了時の段階を示す図である。 図8は、図7A〜図7Cとは異なるブランクを用いた第2実施形態の第1工程及び第2工程の一例を示す断面図である。 図9は、第3実施形態のプレス装置を示す断面図である。 図10は、図9中のパンチ肩近傍の拡大図である。 図11Aは、第3実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形前の段階を示す図である。 図11Bは、第3実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形中の段階を示す図である。 図11Cは、第3実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形終了時の段階を示す図である。 図12は、第1実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。 図13は、第3実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。 図14は、第1実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。 図15は、第3実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。 図16は、第3実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。
本実施形態によるプレス装置は、パンチと、第1ダイと、第2ダイと、を備える。パンチは、頂面と、側面と、頂面と側面とをつなぐパンチ肩と、を有する。パンチ肩は頂面側に湾曲する。頂面に凹部が形成される。第1ダイは、パンチの凹部に対向して配置される。第1ダイは、凹部に対応する形状の凸部を有する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、パンチのパンチ肩及び側面に対応する形状の凹部を有する。プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。そうするために、第1ダイと第2ダイの動きを機械的又は電気的に制御する。
機械的に制御する場合、プレス装置は、更に、第1ダイと第2ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、上部ホルダと第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、を備える。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。
更に、上部ホルダと第2加圧部材の間に第1ダイの一部が配置されてもよい。この場合、プレス装置は、第1ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、第2ダイの上側において第1ダイと第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、を備える。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。第1加圧部材の加圧力は第2部材の加圧力より大きい。第1加圧部材の加圧力より第2部材の加圧力の方が大きいと第1ダイでプレス成形できなくなるためである。
電気的に制御する場合、プレス装置は、第1ダイ及び第2ダイの移動を司る制御機構を備える。制御機構は、第2ダイを成形下死点に到達させた後に第1ダイを成形下死点に到達させる。このため、プレス成形では、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。
本実施形態のプレス装置によれば、第1ダイによる成形が第2ダイによる成形よりも後に終了する。つまり、第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。すなわち、プレス成形品の縦壁部を成形した後、凹部が成形される。これにより、第1ダイによってブランク(被加工材)が加工されるとき、ブランクはパンチの凹部に向かって引き込まれる。このとき、ブランクの材料が、縦壁部側から凹部側へ流入する。凹部側へ材料が流入すると、プレス成形品の稜線部の裏側に引張方向の力が負荷されるため、圧縮応力が低減する。その結果、縦壁部のスプリングバック量が低減され、稜線部の裏側の残留応力は従来よりも低減される。したがって、ロアアーム1の耐疲労性の低下が抑制される。
プレス成形品の長手方向に垂直な断面でみたとき、縦壁部を片側にのみ有するプレス成形品を製造する場合、以下のようなプレス装置が適用できる。
本実施形態によるプレス装置は、パンチと、第1ダイと、第2ダイと、第3ダイと、を備える。パンチは、頂面と、側面と、頂面と側面とをつなぐパンチ肩と、を有する。パンチ肩は頂面側に湾曲する。頂面に底面と内壁面とを有する凹部が形成される。第1ダイは、パンチの凹部のうち少なくとも内壁面に対向して配置される。第1ダイは、凹部の内壁面に対応する形状の凸部を有する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、パンチのパンチ肩及び側面に対応する形状の凹部を有する。第3ダイは、第1ダイの隣であって、第1ダイを挟んで第2ダイとは反対側に配置される。プレス成形では、第3ダイが成形下死点に到達した後、第2ダイが成形下死点に到達する。更に第2ダイが成形下死点に到達した後、第1ダイが成形下死点に達する。そうするために、第1ダイと第2ダイと第3ダイの動きを機械的又は電気的に制御する。
機械的に制御する場合、プレス装置は、更に、第1ダイと第2ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、上部ホルダと第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、上部ホルダと第3ダイの間に配置される第3加圧部材と、を備える。第3ダイの第1ダイに隣接するパンチ側の縁は、第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁より低い位置にある。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第3ダイ、第2ダイ、第1ダイの順に成形下死点に達する。
更に、第2加圧部材と第3加圧部材の少なくとも一方と上部ホルダと間に第1ダイの一部が配置されてもよい。この場合、プレス装置は、第1ダイと第2ダイの上側に配置される上部ホルダと、上部ホルダと第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、第2ダイの上側に配置される第2加圧部材と、第3ダイの上側に配置される第3加圧部材と、を備える。第2加圧部材と第3加圧部材の少なくとも一方は、第1ダイの下側に配置される。第3ダイの第1ダイに隣接するパンチ側の縁は、第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁より低い位置にある。第2ダイの凹形状から延びる第1ダイに隣接する縁は、第1ダイの凸部から延びる第2ダイに隣接する縁より低い位置にある。このため、プレス成形では、第3ダイ、第2ダイ、第1ダイの順に成形下死点に達する。第1加圧部材の加圧力は、第1ダイの下に配置される第2加圧部材と第3加圧部材の加圧力の合計より大きい。第1加圧部材の加圧力より第1ダイの下に配置される第2加圧部材と第3加圧部材の加圧力の合計の方が大きいと第1ダイでプレス成形できなくなるためである。
電気的に制御する場合、プレス装置は、第1ダイ、第2ダイ及び第3ダイの移動を司る制御機構を備える。制御機構は、第3ダイ、第2ダイ、第1ダイの順に成形下死点に到達させる何れの場合でも、第3ダイの成形下死点到達から第1ダイの成形下死点到達までの間、第3ダイは成形下死点にある。第2ダイの成形下死点到達から第1ダイの成形下死点到達までの間、第2ダイは成形下死点にある。
上記のプレス装置において、パンチ肩の断面における曲率半径は、2mm以上、10mm以下であるのが好ましい。パンチ肩の最大湾曲半径は、100mm以上、250mm以下であるのが好ましい。また、パンチ肩とパンチの凹部との間の幅は、15mm以下であるのが好ましい。パンチの凹部の深さは、3mm以上、20mm以下であるのが好ましい。
本発明の実施形態によるプレス成形品の製造方法は、第1工程と、第2工程と、を備える。プレス成形品は、天板部と、縦壁部と、天板部と縦壁部とをつなぐ稜線部と、を備える。稜線部は天板部側に湾曲する。天板部には凹部が形成される。第1工程では、パンチと、第1ダイと、を用いてブランクに凹部をプレス成形する。パンチは、プレス成形品の全体形状に対応する形状を備える。第1ダイは、少なくとも凹部の形状に対応する形状を備える。凹部の形状に対応する形状とは、凹部と形状が反転した凸部を意味する。第1ダイの凸部により天板部の凹部は成形される。第2工程では、パンチと、第2ダイと、を用いてブランクに縦壁部及び稜線部をプレス成形する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、少なくとも縦壁部及び稜線部の形状に対応する形状を備える。縦壁部及び稜線部の形状に対応するとは、縦壁部と稜線部の形状に沿った凹形状を備えることを意味する。第1工程は、第2工程よりも後に終了する。
プレス成形品の稜線に垂直な断面でみたとき、縦壁部を片側にのみ有するプレス成形品を製造する場合、以下のような製造方法が適用できる。
本発明の実施形態によるプレス成形品の製造方法は、第1工程と、第2工程と、を備える。プレス成形品は、天板部と、縦壁部と、天板部と縦壁部とをつなぐ稜線部と、を備える。稜線部は天板部側に湾曲する。天板部には、底面と内壁面とを有する凹部が形成される。第1工程では、パンチと、第1ダイと、を用いてブランクに少なくとも内壁面をプレス成形する。パンチは、プレス成形品の全体形状に対応する形状を備える。第1ダイは、少なくとも凹部の内壁面の形状に対応する形状を備える。第2工程では、パンチと、第2ダイと、を用いてブランクに縦壁部及び稜線部をプレス成形する。第2ダイは、第1ダイの隣に配置される。第2ダイは、少なくとも縦壁部及び稜線部の形状に対応する形状を備える。第1工程及び第2工程では、パンチと、第3ダイと、を用いてブランクを挟み込む。第3ダイは、プレス成形品の凹部の底面の少なくとも一部の形状に対応する形状を備える。第1工程は、第2工程よりも後に終了する。
上記の製造方法において、第1工程の前に、ブランクとして、プレス成形品の凹部に対応する領域に凹部の深さよりも浅い陥没部を有するブランクを準備してもよい。
上記の製造方法において、稜線部の断面における曲率半径は、2mm以上、10mm以下であるのが好ましい。縦壁部の高さは、17mm以上、35mm以下であるのが好ましい。稜線部の最大湾曲半径は、100mm以上、250mm以下であるのが好ましい。天板部における稜線部と凹部との間の幅は、15mm以下であるのが好ましい。天板部における凹部の深さは、3mm以上、20mm以下であるのが好ましい。
上記の製造方法は、自動車の足回り部品の製造に特に適する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
[第1実施形態]
[プレス成形品]
第1実施形態の製造方法によって製造されるプレス成形品について、図1を参照して説明する。プレス成形品1は、縦壁部5と、天板部4と、を備える。縦壁部5は、プレス成形品1の本体部2の第1端部2aと本体部2の第2端部2bの間を延在し、内側に湾曲する。天板部4は、縦壁部5に稜線部6を介してつながる。天板部4には、稜線部6に隣接する縁部7に沿って凹部8が形成されている。このようなプレス成形品1は、ロアアームに適用される。以下では、プレス成形品1として図1に示すロアアームを製造する場合を例示する。
[プレス装置]
第1実施形態の製造方法で用いるプレス装置について図4を参照して説明する。
図4は、第1実施形態のプレス装置の断面図である。プレス装置10は、下型としてパンチ13を備え、上型として第1ダイ11と第2ダイ12とを備える。パンチ13には、図1に示すロアアーム1の全体の形状が形成されている。パンチ13は、頂面14と、側面15と、パンチ肩16とを備える。また、頂面14は凹部17とパンチ肩16との間の領域も含む。頂面14には、図1に示すロアアーム1の天板部4の形状が形成されている。すなわち、頂面14は凹部17を有する。側面15には、図1に示すロアアーム1の縦壁部5の形状が形成されている。パンチ肩16は、頂面14と側面15とをつなぐ。パンチ肩16の輪郭は円弧である。パンチ肩16は、図1に示すロアアーム1の稜線部6の形状が形成されている。パンチ肩16は、頂面14側に湾曲する。すなわち、パンチ肩16は、図1に示すように内側(天板部4側)に湾曲したロアアーム1の稜線部6を成形する。
第1ダイ11は、パンチ13の凹部17と対向する。第1ダイ11は、パンチ13の凹部17に対応する形状の凸部18を有する。すなわち、凸部18の形状は凹部17が凹凸反転した形状である。厳密にはブランクの厚さの分、凸部18は凹部17より小さい。要するに、第1ダイ11には、少なくとも図1に示すロアアーム1の凹部8の形状が形成されている。
第2ダイ12は、第1ダイ11の隣に配置される。第2ダイ12は、パンチ13のパンチ肩16及び側面15に対応する形状の凹形状19を有する。すなわち、凹形状19の形状はパンチ肩16と側面15が凹凸反転した形状である。また、厳密にはブランクの厚さの分、凹形状19の形状はパンチ肩16と側面15からずれている。要するに、第2ダイ12には、少なくとも図1に示すロアアーム1の縦壁部5及び稜線部6の形状が形成されている。
第1ダイ11及び第2ダイ12は、上部ホルダ20の下側に配置される。第1ダイ11及び第2ダイ12と上部ホルダ20との間にはそれぞれ、第1加圧部材61及び第2加圧部材62が設けられる。第1加圧部材61及び第2加圧部材62は、油圧シリンダ、ガスシリンダ、ばね、ゴム等である。上部ホルダ20は、図示しないスライドに取り付けられる。パンチ13は、下部ホルダ21に固定される。下部ホルダ21は、図示しないボルスタプレートに取り付けられる。第1加圧部材61及び第2加圧部材62が無負荷状態(上部ホルダ20が上がっている)のとき、第2ダイ12の凹形状19から延びる第1ダイ11に隣接する縁は、第1ダイ11の凸部18から延びる第2ダイ12と隣接する縁より低い位置にある。このため、上部ホルダ20が降下し、第2ダイ12が成形下死点に到達した後、第1ダイ11が成形下死点に到達する。
プレス装置10は、図4に示す場合に限定されない。変形例について説明する。
図14は、第1実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。図4との相違点は、第1ダイ11は第2ダイ12の上側まであり、第2ダイの上側にある第2加圧部材62は、第1ダイ11と第2ダイ12の間にあることである。第2ダイ12は第1ダイ11の凸部18から延びる縁に隣接し、第1ダイ11の下側に配置される。この変形例においても、第1加圧部材61及び第2加圧部材62が無負荷状態(上部ホルダ20が上がっている)のとき、第2ダイ12の凹形状19から延びる第1ダイ11に隣接する縁72は、第1ダイ11の凸部18から延びる第2ダイ12と隣接する縁71より低い位置にある。このため、上部ホルダ20が降下し、第2ダイ12が成形下死点に到達した後、第1ダイ11が成形下死点に到達する。
別の変形例について説明する。プレス装置10は、図4に示す場合に限定されない。
図12は、第1実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。例えば、第1ダイ11及び第2ダイ12は、それぞれ個別に可動するスライドに取り付けられてもよい。この場合、個別に可動するスライドが第1加圧部材61及び第2加圧部材62である。プレス装置10は、さらに制御機構23を備える。制御機構23は制御コンピュータであって、第1加圧部材61及び第2加圧部材62に指示を出し、第1ダイ11及び第2ダイ12の移動を司る。制御機構23は、第2ダイ12を成形下死点に到達させる。その後、第1ダイ11を成形下死点に到達させる。
[製造方法]
上述のプレス装置を用いて図1に示すロアアーム1を製造する方法を説明する。第1実施形態の製造方法は、準備工程と、ブランク配置工程と、第1工程と、第2工程とを含む。以下、各工程について説明する。
[準備工程]
準備工程では、金属板からなるブランクを準備する。ブランクは、例えば、金属板を打ち抜き加工(ブランキング)して得られる。金属板は、例えば、鋼板、アルミニウム、アルミニウム合金等である。金属板が鋼板である場合、第1実施形態の製造方法は、鋼板の厚みtが、1.8mm以上、6.0mm以下である場合に特に有効である。このようにブランクは自作してもよいし、適当な形状の金属板が販売されていれば、それを購入してブランクとしてもよい。
[ブランク配置工程]
ブランク配置工程では、準備工程で準備したブランクがプレス装置の第1ダイ11とパンチ13の間に配置される。このとき、ブランクの端部側はプレス装置の第2ダイ12とパンチ13の間に配置される。ブランクの端部はプレス装置の第2ダイ12とパンチ13の間にあってもよいし、第2ダイ12とパンチ13の間からはみだしていてもよい。
上述したように、一般的なロアアームの製造方法では、第1ダイ101及びパンチ103によって凹部106を挟んだ状態で、第2ダイ102によって縦壁部107が成形される(図2A〜図2C参照)。具体的には、縦壁部107を成形する際、凹部106は第1ダイ101とパンチ103とによって挟まれている。このため、縦壁部107を成形中に、材料が凹部106側へ流入しにくい。このような一般的な製造方法で、凹部を有する天板部及び内側に湾曲する縦壁部を備えるロアアームを製造すると、ロアアームの耐疲労性が低下する。
そこで、第1実施形態の製造方法では、ロアアームの耐疲労性の低下を抑制するため、第1ダイの押し込みによる成形が、第2ダイの押し込みによる成形よりも後に終了するようにプレス成形を行う。
[第1工程及び第2工程]
図5A〜図5Cは、ロアアームとして成り立つプレス成形品に関し、第1実施形態の製造方法による第1工程及び第2工程の一例を説明する断面図である。図5Aは、第1実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形前の段階を示す図である。図5Bは、第1実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形中の段階を示す図である。図5Cは、第1実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形終了時の段階を示す図である。
図5Aに示すように、ブランクSをプレス装置10の所定の位置に配置する。その後、図示しないスライドが下降し、先ず、第2ダイ12とパンチ13とによって縦壁部5が成形される(図5B参照)。
図5Bに示すように、第2ダイ12によるブランクSの加工が終了したとき、第1ダイ11によるブランクSの加工は終了していない。したがって、ブランクSのうち、ロアアーム1の凹部8に成形される領域と、パンチ底面13aとの間には空間SPが存在する。この状態から、スライドが更に下降し、最終的に、第1ダイ11によって凹部8が成形される(図5C参照)。また、この凹部8の成形に伴って、縁部7も成形される。
第1ダイ11によってブランクSが加工されるとき、この空間SPが存在する分、ブランクSはパンチ13の底面13aに向かって引き込まれる。このとき、ブランクSの材料が、縦壁部5側から凹部8側へ流入する(図5C参照)。凹部8側へ材料が流入すると、稜線部6の裏側に引張方向の力が負荷されるため、圧縮応力が低減する。圧縮応力の低減に伴い、縦壁部5の復元力も小さくなり、離型後、縦壁部5のスプリングバック量が低減される。スプリングバック量が低減されると、稜線部6の裏側の残留応力は、圧縮方向のままか、あるいは残留応力が引張方向に作用したとしても、僅かな引張応力であり、残留引張応力は従来よりも低減できる。したがって、ロアアーム1の耐疲労性の低下が抑制される。
図5Cに示すように、第1ダイ11によるブランクSの加工が終了すると、凹部8が成形され、図1に示すロアアーム1が得られる。
ここで、第1ダイ11と第2ダイ12との分割線について図6を参照して説明する。
図6は、図5C中のロアアームの稜線部6近傍を拡大した断面図である。第1実施形態のロアアーム1において、稜線部6は、図6中の境界P1〜境界P2までの領域をいう。境界P1は、稜線部6と縦壁部5との境界である。境界P2は、稜線部6と縁部7との境界である。境界P1と境界P2は稜線部6の輪郭である。縁部7は、境界P2〜境界P3までの領域をいう。境界P3は、縁部7と凹部8との境界である。なお、図6では、凹部8の端部8aの輪郭が、円弧である場合を示す。この場合、境界P3は端部8aの一端である。
第1ダイ11と第2ダイ12との分割線は、境界P2〜境界P3の間に設けられるのが好ましい。その理由は次のとおりである。第1ダイ11と第2ダイ12との分割線が、境界P2よりも外側(縦壁部5側)であれば、第1ダイ11の端部が鋭利になる。その結果第1ダイ11が破損しやすくなる。また、第1ダイ11と第2ダイ12との分割線が、境界P3よりも内側(凹部8側)であれば、第1ダイ11によって凹部8が成形される際、第2ダイ12及びパンチ13による摩擦抵抗が大きくなる。第2ダイ12及びパンチ13による摩擦抵抗が大きいと、材料が凹部8側に流入しにくい。その結果、第2ダイ12の端部が鋭利になり、第2ダイ12が破損しやすくなる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、ブランクSが平板である場合を説明した。しかし、ブランクSは平板である場合に限定されない。例えば、ブランクSは金属板に予備的に一工程又は複数工程のプレス成形が施されてなる中間成形品であってもよい。
第2実施形態は、準備工程で準備されるブランクSが、陥没部を有する点で第1実施形態と相違する。第2実施形態の製造方法のその他の構成は、第1実施形態と同じである。以下では、第1実施形態と重複する説明は適宜省略する。
[準備工程]
第2実施形態の準備工程では、陥没部を有し、金属板からなるブランクSを準備する。陥没部は、第1工程及び第2工程前に、予め、素材金属板にプレス成形を施すことにより成形される。第2実施形態のブランクSの陥没部は、製品であるプレス成形品の凹部の深さよりも浅い。後述するように、ブランクSとパンチ底面との間に空間を設け、凹部を成形する際に材料を流動させるためである。
図7A〜図7Cは、ロアアームとして成り立つプレス成形品に関し、第2実施形態の製造方法による第1工程及び第2工程の一例を説明する断面図である。図7Aは、第2実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形前の段階を示す図である。図7Bは、第2実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形中の段階を示す図である。図7Cは、第2実施形態の第1工程及び第2工程において、プレス成形終了時の段階を示す図である。
図7Aに示すように、第2実施形態では、準備工程で準備されるブランクSは、陥没部9aを有する。陥没部9aは、ロアアーム1の凹部8に対応する領域に設けられる。陥没部9aの深さは、凹部8の深さよりも浅い。陥没部9aは、第1ダイ11とパンチ13とによって凹部8に成形される。この場合、第1工程及び第2工程において、第1ダイ11によるブランクSの成形量が少ない。したがって、成形されたロアアーム1の凹部8に割れ等の欠陥が生じにくい。この場合であっても、図7Bに示すように、第2ダイ12による成形が終了したとき、ブランクSの陥没部9aとパンチ底面13aとの間に空間SPが設けられる。第1ダイ11がブランクSを加工している間、材料を縦壁部5側から凹部8側へ流入させるためである(図7C参照)。
図8は、図7A〜図7Cとは異なるブランクを用いた第2実施形態の第1工程及び第2工程の一例を示す断面図である。図8は、第2ダイによるプレス成形が終了した段階を示す。図8に示すブランクSは、上記陥没部9aに代えて隆起部9bを有する。隆起部9bは、ロアアーム1の凹部8に対応する領域に設けられる。隆起部9bの高さは、凹部8の深さよりも低い。隆起部9bは、第1ダイ11とパンチ13とによって凹部8に成形される。この場合であっても、ブランクSの隆起部9bとパンチ底面13aとの間に空間SPが設けられる。したがって、上記陥没部9aの場合と同様に、離型後、縦壁部5のスプリングバック量が低減され、ロアアーム1の耐疲労性の低下が抑制される。陥没部9aの深さ及び隆起部9bの高さは、材料の強度、板厚、延性等を考慮して適宜設定される。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態を基本とする。しかし、第3実施形態では、プレス成形品が片側にのみ縦壁部を有する点が第1実施形態と相違する。また、このようなプレス成形品を製造するため、第1実施形態のプレス装置にさらに、第3ダイが追加される点も第1実施形態と相違する。第3実施形態のプレス装置及び製造方法により製造されるプレス成形品は、例えば、ロアアームの補強部材(レインフォースメント)、自動車の車体フレーム部品等である。以下では、プレス成形品がロアアームの補強部材(以下、単に「補強部材」ともいう)である場合を説明する。
[プレス成形品]
第3実施形態の製造方法によって製造される補強部材は、図1に示すロアアーム1の縦壁部5aのみを有する。言い換えると、図1に示すロアアーム1の縦壁部5b及び5cが存在しない。補強部材のその他の構成は、第1実施形態のロアアーム1と同じである。すなわち、第3実施形態の補強部材も図1に示すロアアーム同様に、内側に湾曲する縦壁部及び稜線部を有する。第3実施形態の補強部材は、例えば、図1に示すロアアームの裏側に取り付けられる。補強部材は、図1に示すロアアームの湾曲する稜線部6近傍を補強する。このような補強部材を従来の製造方法で製造すると、上述したロアアームと同様に、補強部材の耐疲労性が低下しやすい。
[プレス装置]
第3実施形態の製造方法で用いるプレス装置について図9を参照して説明する。
図9は、第3実施形態のプレス装置の断面図である。プレス装置30は、下型としてパンチ34を備え、上型として第1ダイ31と第2ダイ32と第3ダイ33とを備える。パンチ34には、補強部材の全体の形状が形成されている。パンチ34は、頂面35と、側面36と、パンチ肩37とを備える。頂面35には、補強部材の天板部の形状が形成されている。側面36は、補強部材の縦壁部の形状が形成されている。パンチ肩37は、頂面35と側面36とをつなぐ。パンチ肩37の輪郭は円弧である。パンチ肩37は、補強部材の稜線部の形状が形成されている。パンチ肩37は、パンチ34の延在方向(補強部材の長手方向)に沿って頂面35側に湾曲している。したがって、成形される補強部材の稜線部は、内側(天板部側)に湾曲する。
図10は、図9中のパンチ肩近傍の拡大図である。ここで、側面36は境界P4〜境界P5までの領域をいう。境界P4はパンチ34の側面36の下端を示す。境界P5はパンチ34の側面36とパンチ肩37との境界である。パンチ肩37の輪郭の一端を示す。境界P6はパンチ肩37と頂面35との境界である。パンチ肩37は境界P5〜境界P6までの領域である。境界P5と境界P6はパンチ肩37の輪郭である。頂面35は、境界P6から第3ダイ側(図10中の左側)の領域を示す。
頂面35は、平坦部35aと凹部35bとを有する。平坦部35aは境界P6〜境界P7の領域である。境界P7は平坦部35aと凹部35bとの境界である。さらに凹部35bは内壁面40と底面39とを有する。内壁面40は境界P7〜P8までの領域である。内壁面40の両端部の輪郭は円弧である。すなわち、境界P7及びP8は、内壁面40の端である。また、境界P8は内壁面40と底面39との境界である。凹部35bの底面39は、境界P8〜パンチ34の端までの領域である。
第1ダイ31は、パンチ34の凹部35bのうち少なくとも内壁面40とプレス方向で対向する。第1ダイ31は、パンチ34の凹部35bの内壁面40に対応する形状の凸部41を有する。換言すると、第1ダイ31はパンチ34の凹部35bと凹凸が反転した凸部41を有する。すなわち、第1ダイ31には、少なくとも補強部材の内壁面8c(図1参照)の形状が形成されている。ここで、第1ダイ31は、パンチ34の平坦部35aとプレス方向に対向してもよい。第1ダイ31は、パンチ肩37とはプレス方向に対向しない。上述したように、第1ダイ31の端部が鋭利になり破損しやすいからである。また、第1ダイ31はパンチ34の底面39とプレス方向に対向してもよい。しかしながら、第1ダイ31はパンチ34の底面39の全域とはプレス方向に対向しない。後述する第3ダイ33がブランクSを挟み込む領域を残すためである。
第2ダイ32は、第1実施形態の第2ダイ12(図4参照)と同様である。すなわち、第2ダイ32は、第1ダイ31の隣に配置される。第2ダイ32は、パンチ34のパンチ肩37及び側面36に対応する形状の凹形状42を有する。換言すると、第2ダイ32は、パンチ34のパンチ肩37及び側面36の凹凸が反転した形状の凹形状42を備える。すなわち、第2ダイ32には、少なくとも補強部材の縦壁部5及び稜線部6(図1参照)の形状が形成されている。
図9に示すように、第3ダイ33は、第1ダイ31の隣に配置される。ここで、第3ダイ33は、第1ダイ31を挟んで第2ダイ32とは反対側に配置される。第3ダイ33には、補強部材の凹部の底面の少なくとも一部の形状に対応する形状が形成されている。第3ダイ33は、パンチ34の底面39と対向する。第3ダイ33がパンチ34の底面39と対向する領域は特に限定されない。第3ダイ33がパンチ34の底面39と対向する領域は、第1ダイ31の大きさによって適宜設定される。しかしながら、第3ダイ33は、パンチ34の内壁面40とはプレス方向に対向しない。上述したように、パンチ34の内壁面は第1ダイ31とプレス方向に対向する。これにより、第1ダイ31がプレス成形中にブランクの材料を流入させることができるからである。
第1ダイ31、第2ダイ32及び第3ダイ33は、上部ホルダ43の下側に配置される。第1ダイ31、第2ダイ32及び第3ダイ33と上部ホルダ43との間にはそれぞれ、第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63が設けられる。上部ホルダ43は、図示しないスライドに取り付けられる。パンチ34は、下部ホルダ44に固定される。下部ホルダ44は、第1実施形態と同様に図示しないボルスタプレートに取り付けられる。
第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63が無負荷状態(上部ホルダ43が上がっている)のとき、第3ダイ33の第1ダイ31に隣接するパンチ34側の縁73は、第2ダイ32の凹形状42から延びる第1ダイ31に隣接する縁72より低い位置にある。縁同士の高さの差は、パンチ34の平坦部35aとパンチ34の底面39の高さの差より大である。第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63が無負荷状態(上部ホルダ43が上がっている)のとき、第2ダイ32の凹形状42から延びる第1ダイ31に隣接する縁72は、第1ダイ31の凸部41から延びる第2ダイ32と隣接する縁71より低い位置にある。このため、上部ホルダ43が降下し、第3ダイ33、第2ダイ32、第1ダイ31の順に成形下死点に到達する。
プレス装置30は、図9に示す場合に限定されない。変形例について説明する。
図15は、第3実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。図9との相違点は、第1ダイ31は第2ダイ32の上側まであり、第2ダイ32の上側にある第2加圧部材62は、第1ダイ31と第2ダイ32の間にあることである。第2ダイ32は第1ダイ31の凸部41から延びる縁71に隣接し、第1ダイ41の下側に配置される。この変形例においても、第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63が無負荷状態(上部ホルダ43が上がっている)のとき、第3ダイ33の第1ダイ31に隣接するパンチ34側の縁73は、第2ダイ32の凹形状42から延びる第1ダイ31に隣接する縁72より低い位置にある。縁同士の高さの差は、パンチ34の平坦部35aとパンチ34の底面39の高さの差より大である。第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63が無負荷状態(上部ホルダ43が上がっている)のとき、第2ダイ32の凹形状42から延びる第1ダイ31に隣接する縁72は、第1ダイ31の凸部41から延びる第2ダイ32と隣接する縁71より低い位置にある。このため、上部ホルダ43が降下し、第3ダイ33、第2ダイ32、第1ダイ31の順に成形下死点に到達する。
図16は、第3実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。別の例として、図16に示すように、第1ダイ31は第3ダイ33の上側まであり、第3ダイ33の上側にある第3加圧部材63は、第1ダイ31と第3ダイ33の間にあってもよい。
別の変形例について説明する。プレス装置30は、図9に示す場合に限定されない。
図13は、第3実施形態のプレス装置の変形例を示す断面図である。例えば、第1ダイ31、第2ダイ32及び第3ダイ33は、それぞれ個別に可動するスライドに取り付けられてもよい。この場合、個別に可動するスライドが第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63である。プレス装置30は、さらに制御機構24を備える。制御機構24は、第1ダイ31、第2ダイ32及び第3ダイ33の移動を司る。制御装置は第3ダイ33、第2ダイ32第1ダイ31の順に成形下死点に到達させる指示をする。第1加圧部材61、第2加圧部材62及び第3加圧部材63は制御機構24の指示を受け、第1ダイ、第2ダイと第3ダイを移動させる。
[製造方法]
第3実施形態のプレス装置を用いて補強部材を製造する方法を説明する。第3実施形態の製造方法は、第1実施形態の製造方法を基本とする。第3実施形態の製造方法は、第1工程及び第2工程において第3ダイでブランクを押え込んだ状態で、第1ダイ及び第2ダイによってプレス成形を実施する点で第1実施形態と相違する。第3実施形態の製造方法において準備工程は、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。以下、第3実施形態の製造方法の第1工程及び第2工程について説明する。
[第1工程及び第2工程]
第3実施形態では、上述したように断面視において、片側にのみ縦壁部を有する補強部材を製造する。したがって、縦壁部を成形する第2ダイは片側にのみ配置される。このようなプレス装置でプレス成形を行うと、第2ダイがブランクをプレス成形するとき、ブランクは拘束されていない。このため、第2ダイがプレス成形中にブランクが動くことがあり、安定してプレス成形を実施しにくい。そこで、第3実施形態では、第1実施形態のプレス装置に第3ダイを追加する。そして、この第3ダイによってブランクを拘束した状態で、第1実施形態と同様に第1ダイ及び第2ダイによってブランクをプレス成形し、補強部材を製造する。これにより、片側にのみ縦壁部を有する補強部材を製造する場合、安定してプレス成形を実施できる。また、第1ダイがプレス成形中にブランクの材料を流入させることができ、成形された補強部材の耐疲労性の低下を抑制できる。
図11A〜図11Cは、第3実施形態の製造方法による第1工程及び第2工程の一例を説明する断面図である。図11Aは、第3実施形態の第1工程及び第2工程において、加工前の段階を示す図である。図11Bは、第3実施形態の第1工程及び第2工程において、加工中の段階を示す図である。図11Cは、第3実施形態の第1工程及び第2工程において、加工終了時の段階を示す図である。
図11Aに示すように、ブランクSをプレス装置30の所定の位置に配置した後、図示しないスライドが下降し、先ず第3ダイ33とパンチ34とによってブランクSを挟み込む。ここで、ブランクSを挟み込む際、第3ダイ33とパンチ34とによってブランクSを成形してもよい。
図11Bに示すように、第3ダイ33によって拘束された状態で、第2ダイ32とパンチ34とによってブランクSをプレス成形する。第1実施形態と同様に、第2ダイ32によるブランクSの加工が終了したとき、第1ダイ31によるブランクSの加工は終了していない。この状態から、スライドが更に下降し、最終的に、第1ダイ31によって補強部材50の凹部51が成形される(図11C参照)。また、この凹部51の成形に伴って、縁部52も成形される。これにより、第3実施形態においても第1実施形態と同様に、離型後、縦壁部のスプリングバック量が低減され、補強部材50の耐疲労性の低下が抑制される。
以上、第3実施形態のロアアームの補強部材の製造方法について説明した。
以下、上述した第1〜第3実施形態のプレス装置の好適な態様を示す。
[パンチ肩の曲率半径]
パンチ肩16の断面における曲率半径は、2mm以上、10mm以下が好ましい。ここで、パンチ肩16の断面とは、図4に示すようなパンチ肩16の延在方向(ロアアームの延在方向)に垂直な断面をいう。パンチ肩16の曲率半径が2mm未満であれば、プレス成形の際、第2ダイ12よって成形される縦壁部が急激に折れ曲がる。そのため、第1ダイ11によってロアアームの凹部が成形されている際、材料が縦壁部側から凹部側へ流れ込みにくい。パンチ肩16の曲率半径が10mmよりも大きければ、成形されたロアアームの稜線部の曲率半径が大きくなる。これにより、ロアアームの断面二次モーメントが小さいため、ロアアーム1の強度が不十分になる。
[パンチ肩の最大湾曲半径]
図1に示すように、本実施形態のロアアーム1の縦壁部5は内側に湾曲する。上述したように、縦壁部5は伸びフランジ成形によって加工される。縦壁部5につながる稜線部6は湾曲する。稜線部6の湾曲半径が小さい程、成形されたロアアーム1の稜線部6の裏側に生じる残留引張応力が大きくなり、ロアアーム1の耐疲労性が低下しやすい。
稜線部6はパンチ13のパンチ肩16と第2ダイ12によって成形される。パンチ13のパンチ肩16も稜線部6の形状と同様に内側(頂面側)に湾曲する。この湾曲するパンチ肩16の最大湾曲半径は、100mm以上、250mm以下であるのが好ましい。その理由は次の通りである。パンチ肩16の最大湾曲半径が100mm未満であれば、成形される稜線部6及び縦壁部5が急激に内側に湾曲するため、稜線部6に沿う方向の残留引張応力が大きくなりやすい。パンチ肩16の最大湾曲半径が250mmよりも大きければ、自動車のサスペンションメンバーの配置場所が制限され、設計自由度が少なくなる。なお、パンチ肩16の最大湾曲半径は、パンチ肩16の曲率半径が位置により異なる場合は、それらのうちの最大の曲率半径をいう。
[パンチ肩とパンチの凹部との間の幅]
パンチ肩とパンチの凹部との間の幅について図10に示す第3実施形態のプレス装置を例として参照して説明する。以下のパンチ肩37とパンチ34の凹部35bとの間の幅に関する限定は、第1及び第2実施形態のプレス装置にも適用できる。
パンチ肩37とパンチ34の凹部35bとの間の幅は、15mm以下であるのが好ましい。パンチ肩37とパンチ34の凹部35bとの間の幅は、図10に示す境界P6と境界P7との間の距離をいう。パンチ肩37とパンチ34の凹部35bとの間の幅が15mmよりも大きければ、第2ダイ32及びパンチ34による摩擦抵抗が大きくなる。このため、第1ダイ31による(図示しない)プレス成形品の凹部の成形により、材料がプレス成形品の凹部側に流入しにくい。なお、パンチ肩37とパンチ34の凹部35bとの間の幅の下限は特に限定されない。パンチ肩37とパンチ34の凹部35bとの間の幅は0であってもよい。この場合、パンチ肩37とパンチ34の凹部35bとは滑らかにつながる。
[パンチの凹部の深さ]
パンチの凹部の深さについて図10に示す第3実施形態のプレス装置を例として参照して説明する。以下のパンチ34の凹部35bの深さに関する限定は、第1及び第2実施形態のプレス装置にも適用できる。
パンチ34の凹部35bの深さは、3mm以上、20mm以下であるのが好ましい。パンチ34の凹部35bの深さは、図10に示すパンチ34の平坦部35aから凹部35bの底面39までの距離をいう。パンチ34の凹部35bの深さが3mm未満であれば、第1ダイ31によって行われる(図示しない)プレス成形品の凹部の成形によるプレス成形品の凹部側への材料の流入量が十分でない。パンチ34の凹部35bの深さが20mmよりも大きければ、第1ダイ31による成形量が多いため、ブランクが割れやすい。
以下、上述した第1〜第3実施形態のプレス成形品の製造方法の好適な態様を示す。
[稜線部の曲率半径]
図6に示すように、ロアアームの稜線部6の輪郭は円弧である。稜線部6の断面における曲率半径は、2mm以上、10mm以下が好ましい。ここで、稜線部6の断面とは、稜線部6におけるロアアーム1の延在方向に垂直な断面をいう。稜線部6の曲率半径が2mm未満であれば、縦壁部5が急激に折れ曲がるため、第1ダイ11によって凹部8が成形されている際、材料が縦壁部5側から凹部8側へ流れ込みにくい。稜線部6の曲率半径が10mmよりも大きければ、ロアアームの断面二次モーメントが小さいため、ロアアーム1の強度が不十分になる。
[縦壁部の高さ]
図6に示される、縦壁部5の高さhは、17mm以上、35mm以下であるのが好ましい。縦壁部5の高さhは、縁部7と縦壁部5の端部との間の距離をいう。縦壁部5の高さhが17mm未満であれば、ロアアーム1の断面二次モーメントが小さいため、ロアアーム1の強度が不十分になる。縦壁部5の高さが35mmよりも高ければ、第2ダイ12及びパンチ13による摩擦抵抗が大きいため、第1ダイ11によって凹部8が成形されている際、材料が縦壁部5側から凹部8側へ流れ込みにくい。
[稜線部の最大湾曲半径]
図1に示すように、本実施形態のロアアーム1の稜線部6は内側に湾曲する。稜線部6の湾曲半径が小さい程、成形されたロアアーム1の稜線部6の裏側に生じる残留引張応力が大きくなり、ロアアーム1の耐疲労性が低下しやすい。この湾曲する稜線部6の最大湾曲半径は、100mm以上、250mm以下であるのが好ましい。その理由は次の通りである。稜線部6の最大湾曲半径が100mm未満であれば、稜線部6が急激に内側に湾曲するため、稜線部6に沿う方向の残留引張応力が大きくなりやすい。稜線部6の最大湾曲半径が250mmよりも大きければ、自動車のサスペンションメンバーの配置場所が制限され、設計自由度が少なくなる。なお、稜線部6の最大湾曲半径は、稜線部6の曲率半径をいい、稜線部6の曲率半径が位置により異なる場合は、それらのうちの最大の曲率半径をいう。
[縁部の幅]
縁部7の幅Wは、15mm以下であるのが好ましい。縁部7の幅Wは、図6に示すように、境界P2と境界P3との間の距離をいう。縁部7の幅Wが15mmよりも大きければ、第2ダイ12及びパンチ13による摩擦抵抗が大きくなる。このため、第1ダイ11によって凹部8が成形されている際、材料が凹部8側に流入しにくい。なお、縁部7の幅Wの下限は特に限定されない。縁部7の幅Wは0であってもよい。この場合、稜線部6と凹部8の端部8aは滑らかにつながる。
[凹部の深さ]
凹部8の深さDは、3mm以上、20mm以下であるのが好ましい。凹部8の深さDは、図6に示すように、縁部7から凹部8の底面8bまでの距離をいう。凹部8の深さDが3mm未満であれば、第1ダイ11によって凹部8が成形されている際、凹部8側への材料の流入量が十分でない。凹部8の深さDが20mmよりも大きければ、第1ダイ11による成形量が多いため、ブランクSが割れやすい。
上述では、本実施形態の製造方法によって製造されるプレス成形品が、自動車用のロアアームである場合を説明した。しかし、プレス成形品はロアアームに限定されない。本実施形態の製造方法は、凹部及び内側に湾曲する縦壁部を有し、優れた耐疲労性が必要とされるプレス成形品の製造に有効である。そのようなプレス成形品は、例えば、自動車の足回り部品である。足回り部品は、ロアアームの他に、アッパーアーム等がある。
本実施形態のプレス装置10は、上型として第1ダイ11及び第2ダイ12を有し、下型としてパンチ13を有する場合を示す。しかしながら、これらの配置は特に限定されない。すなわち、プレス装置10は、第1ダイ11及び第2ダイ12と、パンチ13との配置は上下反転してもよい。要するに、第1ダイ11及び第2ダイ12が、パンチ13に対して相対的に移動する構成であればよい。
本発明の効果を確認するため、FEM解析による下記の試験を実施した。FEM解析では、素材金属板をプレス成形することにより、ロアアームとして成り立つプレス成形品を製造することを想定した。本発明例として、図7A〜図7Cに示す第2実施形態の製造方法を想定した。比較例として、図2A〜図2Cに示す一般的な製造方法を想定した。すなわち、本発明例は、第1ダイ11による成形が、第2ダイ12による成形よりも後で終了する点で比較例と異なる。また、本発明例ではブランクSが陥没部9aを有するのに対し、比較例ではブランクSが予め成形された凹部106を有する点で異なる。それ以外の条件は、本発明例と比較例とで同じであった。各製造方法で製造されたプレス成形品において、成形下死点におけるプレス成形品の稜線部に負荷される応力及び離型後のプレス成形品の残留応力を評価した。
本発明例及び比較例では、図1に示す形状のプレス成形品を作製した。素材金属板は、板厚が2.6mmで、引張強さが980MPaの鋼板であった。成形したプレス成形品の稜線部の曲率半径は、8mmであった。成形したプレス成形品の縦壁部の高さは、23mmであった。成形したプレス成形品の稜線部の最大湾曲半径は、160mmであった。
[解析結果]
本発明例において、離型後の稜線部に負荷される応力は引張応力であって、その最大値は50MPaであった。
比較例において、離型後の稜線部に負荷される応力は引張応力であって、その最大値は340MPaであった。
これらのことから、本実施形態の製造方法によれば、成形後のプレス成形品の稜線部における残留引張応力を低減でき、プレス成形品の耐疲労性の低下を抑制できることが明らかになった。
本発明のプレス成形品の製造方法は、自動車用ロアアームに準じた形状のプレス成形品の製造に有用である。特に、本発明の製造方法は、優れた耐疲労性を有するロアアームの製造に有用である。
1:プレス成形品(ロアアーム)、 2:本体部、 3:突起部、 5:縦壁部、 6:稜線部、 7:縁部、 8:凹部、 9a:陥没部、 9b:隆起部、 10、30:プレス装置、 11、31:第1ダイ、 12、32:第2ダイ、 33:第3ダイ、 13、34:パンチ、 13a:パンチ底面、 14:パンチ頂面、 15:パンチ側面、 16:パンチ肩、 17:パンチの凹部、 18:第1ダイの凸部、 19:第2ダイの凹形状、 20:上部ホルダ、 21:下部ホルダ、 61:第1加圧部材、 62:第2加圧部材、 63:第3加圧部材、 B:車体側、 WH:車輪側、 D:凹部の深さ、 h:縦壁部の高さ、 W:縁部の幅、 S:ブランク、 SP:ブランクとパンチとの間の空間

Claims (19)

  1. 頂面と、側面と、前記頂面と前記側面とをつなぐパンチ肩と、を有し、前記パンチ肩が前記頂面側に湾曲し、前記頂面に凹部が形成されたパンチと、
    前記パンチの前記凹部に対向して配置され、前記凹部に対応する形状の凸部を有する第1ダイと、
    前記第1ダイの隣に配置され、前記パンチの前記パンチ肩及び前記側面に対応する凹形状を有する第2ダイと、
    前記第1ダイと前記第2ダイの上側に配置される上部ホルダと、
    前記上部ホルダと前記第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、
    前記上部ホルダと前記第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、を備え、
    前記第2ダイの前記凹形状から延びる前記第1ダイに隣接する縁は、前記第1ダイの前記凸部から延びる前記第2ダイに隣接する縁より低い位置にある、プレス装置。
  2. 請求項1に記載のプレス装置であって、
    前記上部ホルダと前記第2加圧部材の間に前記第1ダイの一部が配置される、プレス装置。
  3. 頂面と、側面と、前記頂面と前記側面とをつなぐパンチ肩と、を有し、前記パンチ肩が前記頂面側に湾曲し、前記頂面に凹部が形成されたパンチと、
    前記パンチの前記凹部に対向して配置され、前記凹部に対応する形状の凸部を有する第1ダイと、
    前記第1ダイの隣に配置され、前記パンチの前記パンチ肩及び前記側面に対応する凹形状を有する第2ダイと、
    前記第1ダイ及び前記第2ダイの移動を司り、前記第2ダイを成形下死点に到達させた後に前記第1ダイを成形下死点に到達させる制御機構と、を備えた、プレス装置。
  4. 頂面と、側面と、前記頂面と前記側面とをつなぐパンチ肩と、を有し、前記パンチ肩が前記頂面側に湾曲し、前記頂面に底面と内壁面とを有する凹部が形成されたパンチと、
    前記パンチの前記凹部のうち少なくとも前記内壁面に対向して配置され、前記凹部の前記内壁面に対応する形状の凸部を有する第1ダイと、
    前記第1ダイの隣に配置され、前記パンチの前記パンチ肩及び前記側面に対応する凹形状を有する第2ダイと、
    前記第1ダイの隣であって、前記第1ダイを挟んで前記第2ダイとは反対側に配置された第3ダイと、
    前記第1ダイと前記第2ダイと前記第3ダイの上側に配置される上部ホルダと、
    前記上部ホルダと前記第1ダイの間に配置される第1加圧部材と、
    前記上部ホルダと前記第2ダイの間に配置される第2加圧部材と、
    前記上部ホルダと前記第3ダイの間に配置される第3加圧部材と、を備え、
    前記第3ダイの前記第1ダイに隣接する前記パンチ側の縁は、前記第2ダイの前記凹形状から延びる前記第1ダイに隣接する縁より低い位置にあり、
    前記第2ダイの前記凹形状から延びる前記第1ダイに隣接する縁は、前記第1ダイの前記凸部から延びる前記第2ダイと隣接する縁より低い位置にある、プレス装置。
  5. 請求項4に記載のプレス装置であって、
    前記第2加圧部材と前記第3加圧部材の少なくとも一方と前記上部ホルダとの間に前記第1ダイの一部が配置される、プレス装置。
  6. 頂面と、側面と、前記頂面と前記側面とをつなぐパンチ肩と、を有し、前記パンチ肩が前記頂面側に湾曲し、前記頂面に底面と内壁面とを有する凹部が形成されたパンチと、
    前記パンチの前記凹部のうち少なくとも前記内壁面に対向して配置され、前記凹部の前記内壁面に対応する形状の凸部を有する第1ダイと、
    前記第1ダイの隣に配置され、前記パンチの前記パンチ肩及び前記側面に対応する凹形状を有する第2ダイと、
    前記第1ダイの隣であって、前記第1ダイを挟んで前記第2ダイとは反対側に配置された第3ダイと、
    前記第1ダイ、前記第2ダイ及び前記第3ダイの移動を司り、前記第3ダイを成形下死点に到達させた後、前記第2ダイを成形下死点に到達させ、その後に前記第1ダイを成形下死点に到達させる制御機構と、を備えた、プレス装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプレス装置であって、
    前記パンチ肩の断面における曲率半径は、2mm以上、10mm以下である、プレス装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のプレス装置であって、
    前記パンチ肩の最大湾曲半径は、100mm以上、250mm以下である、プレス装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のプレス装置であって、
    前記パンチ肩と前記パンチの前記凹部との間の幅は、15mm以下である、プレス装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のプレス装置であって、
    前記パンチの前記凹部の深さは、3mm以上、20mm以下である、プレス装置。
  11. プレス成形品の製造方法であって、
    前記プレス成形品は、天板部と、縦壁部と、前記天板部と前記縦壁部とをつなぐ稜線部を備え、前記稜線部は前記天板部側に湾曲し、前記天板部に凹部が形成され、
    前記製造方法は、
    前記プレス成形品の全体形状に対応する形状を備え、頂面に凹部が形成されたパンチと、少なくとも前記凹部の形状に対応する形状を備えた第1ダイと、を用いて前記パンチの前記凹部にブランクを引き込みながら前記ブランクに前記凹部をプレス成形する第1工程と、
    前記パンチと、前記第1ダイの隣に配置され少なくとも前記縦壁部及び前記稜線部の形状に対応する形状を備えた第2ダイと、を用いて前記ブランクに前記縦壁部及び前記稜線部をプレス成形する第2工程と、を備え、
    前記第1工程は、前記第2工程よりも後に終了する、プレス成形品の製造方法。
  12. プレス成形品の製造方法であって、
    前記プレス成形品は、天板部と、縦壁部と、前記天板部と前記縦壁部とをつなぐ稜線部を備え、前記稜線部は前記天板部側に湾曲し、前記天板部に底面と内壁面とを有する凹部が形成され、
    前記製造方法は、
    前記プレス成形品の全体形状に対応する形状を備え、頂面に底面と内壁面を有する凹部が形成されたパンチと、少なくとも前記凹部の前記内壁面の形状に対応する形状を備えた第1ダイと、を用いて前記パンチの前記凹部にブランクを引き込みながら前記ブランクに少なくとも前記内壁面をプレス成形する第1工程と、
    前記パンチと、前記第1ダイの隣に配置され少なくとも前記縦壁部及び前記稜線部の形状に対応する形状を備えた第2ダイと、を用いて前記ブランクに前記縦壁部及び前記稜線部をプレス成形する第2工程と、を備え、
    前記第1工程及び前記第2工程では、前記パンチと、前記プレス成形品の前記凹部の前記底面の少なくとも一部の形状に対応する形状を備えた第3ダイと、を用いて前記ブランクを挟み込み、前記第1工程は、前記第2工程よりも後に終了する、プレス成形品の製造方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記ブランクは、前記プレス成形品の前記凹部に対応する領域に前記凹部の深さよりも浅い陥没部を有する、プレス成形品の製造方法。
  14. 請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記稜線部の断面における曲率半径は、2mm以上、10mm以下である、プレス成形品の製造方法。
  15. 請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記縦壁部の高さは、17mm以上、35mm以下である、プレス成形品の製造方法。
  16. 請求項11〜請求項15のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記稜線部の最大湾曲半径は、100mm以上、250mm以下である、プレス成形品の製造方法。
  17. 請求項11〜請求項16のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記天板部における前記稜線部と前記凹部との間の幅は、15mm以下である、プレス成形品の製造方法。
  18. 請求項11〜請求項17のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記天板部における前記凹部の深さは、3mm以上、20mm以下である、プレス成形品の製造方法。
  19. 請求項11〜請求項18のいずれか1項に記載のプレス成形品の製造方法であって、
    前記プレス成形品は、自動車の足回り部品である、プレス成形品の製造方法。
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