JP6677289B1 - プレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高さ方向に凸状及び凹状に湾曲するプレス成形品を割れとしわを抑制して成形するプレス成形方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形方法は、天板部3と縦壁部7とフランジ部9とを有し、高さ方向に凸状に湾曲する凸状湾曲部位11と凹状に湾曲する凹状湾曲部位13とを有するプレス成形品1を成形するものであって、凸状湾曲部位11及び凹状湾曲部位13それぞれの長手方向両側における縦壁部7に相当する縦壁相当面部33にビード部37が形成された中間成形品31を成形する予成形工程と、中間成形品31のビード部37を押し潰すことで縦壁相当面部33に擬似せん断変形を誘発してプレス成形品1を成形する本成形工程と、を備え、前記予成形工程において、ビード部37は、凸状湾曲部位11側の端部が天板部3と縦壁部7の間の天板側稜線部5に相当する基線35から離れ、反対側の端部が基線35に近づくように傾斜しているものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、プレス成形方法に関し、特に、天板部、縦壁部及びフランジ部を有し、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凸状及び凹状に湾曲するプレス成形品を成形するプレス成形方法に関する。
プレス成形とは、鋼板などの金属材料を金型で挟圧することにより、金型の形状を転写して加工を行う方法のことである。特に、自動車部品の多くはプレス成形により作製されている。昨今では、自動車車体の軽量化の観点から車体部品に高強度な鋼板(高張力鋼板)を使用する傾向が強くなっている。鋼板やその他金属材料の特性として、強度が増すと延性は乏しくなる傾向となる。これにより、高張力鋼板のプレス成形では割れやしわといった成形不良がしばしば発生し問題となっている。
自動車の骨格部品の中で、リアサイドメンバやフロアクロスなど急峻に湾曲した形状を有する湾曲部品は、割れやしわが発生しやすく難成形部品とされている。最近では自動車会社・部品会社はさらなる軽量化を目指して、それらの湾曲部品に高張力鋼板を適用する検討がされており、割れ・しわをいかに抑制しながらプレス成形を行うかが課題となっている。
割れやしわを抑制して湾曲部品をプレス成形する技術がこれまでにいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、上面視で湾曲したL字部品のプレス成形において、フランジと縦壁を成形する成形力を利用し材料のパンチ底面でスライドさせて成形することにより、パンチ底のしわとフランジの割れを回避する技術が開示されている。
また、特許文献2には、長手方向に湾曲した断面ハット状の湾曲プレス部品のプレス成形において、予備成形でブランク材の幅方向端部に折曲部を付与し、該折曲部を残した状態で前記湾曲プレス部品を成形することで、フランジ部におけるシワの発生を抑制する技術が開示されている。当該技術によれば、予備成形においてブランク材の幅方向端部に折曲部を付与することで幅方向端部の剛性が高くなり、長手方向に縮む力に対して対抗力が大きくなるために、湾曲形状に起因した肉余りによって長手方向に縮む力が作用しても、フランジ部におけるシワの発生を抑制することができるとされている。
さらに、割れやしわの発生を抑制することを目的とし、ビードを付与して湾曲部品をプレス成形する技術がいくつか提案されている。
特許文献3には、素材の端部を平面視したときに曲率を有し、かつ側面視したときに縦壁面の下方にフランジ面を有する形状に1工程でプレス加工するに際し、縦壁面に凸状ビードを付与し、その直下のフランジ面には凹状ビードを付与することにより、素材成形部のしわ発生を抑制する技術が開示されている。
特許文献4には、平面視で湾曲する湾曲部とハット型の横断面形状とを有するプレス部品を自由曲げ工法により1工程でプレス加工するに際し、前記湾曲部の内周側のフランジに割れを生じずに前記プレス部品を製造する技術が開示されている。当該技術によれば、ブランクにおける前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分の近傍(外側)に凸形状のビードを成形することで、自由曲げ工法における材料の回転を促進させて該フランジ部に流入される材料の量が増加し、該フランジ部での割れを防止することができるとされている。
特許文献5には、天板部と縦壁部とフランジ部とを有するプレス成形部品を、割れやフランジしわの発生位置の近傍に相当する素材の位置にビード形状を予備成形し、その後、該ビード形状を予備成形した素材からプレス成形する技術が開示されている。当該技術によれば、プレス成形部品を成形する場合に割れやフランジしわが発生する位置付近に、近傍に位置するビード形状が潰れることで、そこから材料が供給されるので、素材が延びすぎて割れが発生するのを防止できるとともに、フランジ部からの材料流入が多すぎてフランジしわが発生するのを防止できるとされている。
特許第5168429号公報 特許第5965159号公報 特開2010−115674号公報 WO2017−006793号公報 WO2015/115348号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、パンチ底に座面などの形状がある場合や、袋形状のような閉じられた形状である場合は材料を大きく動かすことができないため、適用可能な部品が限定的であった。
また、特許文献2に開示されている技術では、フランジ部の折り曲げ形状は次工程で平坦に成形する必要があるが、曲げ癖が残存してしまうおそれがあった。特に、自動車部品の場合、フランジは他部品との接合面になることが多く、高い面精度が求められるため、本成形方法の適用には注意が必要であった。
また、特許文献3および特許文献4に開示されている技術はいずれも、1工程でプレス加工するものであり、しわ発生又は割れを防止するために付与したビードがそのまま残ってしまうという問題があった。
さらに、特許文献5に開示されている技術では、素材に予備成形したビードを潰すことでビード直交方向の変形を緩和することをものであるが、予備成形するビードの向きや、該ビードが潰れたときの材料の流れの方向に関しては開示されておらず、割れやしわを効果的に防止することができない場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、天板部、縦壁部及びフランジ部を有し、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凸状及び凹状に湾曲するプレス成形品をプレス成形するに際し、割れやしわを生じさせることなく良好なプレス成形品を得ることのできるプレス成形方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、天板部と、該天板部から天板側稜線部を経由して連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有し、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凸状に湾曲する凸状湾曲部位と凹状に湾曲する凹状湾曲部位とを有するプレス成形品を成形するものであって、前記凸状湾曲部位を挟んで長手方向両側の部位における前記縦壁部に相当する面部と、前記凹状湾曲部位を挟んで長手方向両側の部位における前記縦壁部に相当する面部とに、前記天板側稜線部に相当する基線に対して傾斜して延在する凸形状及び/又は凹形状のビード部が形成された中間成形品を成形する予成形工程と、該中間成形品における前記ビード部を押し潰して前記縦壁部に相当する面部を該ビード部の長軸に直交するビード直交方向に伸ばすことで、該縦壁部に相当する面部に擬似せん断変形を誘発して前記プレス成形品を成形する本成形工程と、を備え、前記予成形工程において、前記凸状湾曲部位を挟んで形成されたビード部は、該ビード部の長軸の凸状湾曲部位側に位置する端部が前記基線から離れ反対側に位置する端部が前記基線に近づくように傾斜し、前記凹状湾曲部位を挟んで形成されたビード部は、該ビード部の長軸の凹状湾曲部位側に位置する端部が前記基線に近づき反対側に位置する端部が前記基線から離れるように傾斜していることを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記予成形工程において形成される前記ビード部は、該ビード部の長軸と前記基線とのなす角度θが、5°以上60°以下であることを特徴とするものである。
(3)上記(2)に記載のものにおいて、前記ビード部の長軸と前記基線とのなす角度θは、前記本成形工程における前記プレス成形品の成形方向と前記天板側稜線部とのなす角度のうち鋭角側の角度をθ1としたとき、θ≧90°−θ1の関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明においては、天板部と、該天板部から天板側稜線部を経由して連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有し、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凸状に湾曲する凸状湾曲部位と凹状に湾曲する凹状湾曲部位とを有するプレス成形品を成形するものであって、前記凸状湾曲部位を挟んで長手方向両側の部位における前記縦壁部に相当する面部と、前記凹状湾曲部位を挟んで長手方向両側の部位における前記縦壁部に相当する面部とに、前記天板側稜線部に相当する基線に対して傾斜して延在する凸形状及び/又は凹形状のビード部が形成された中間成形品を成形する予成形工程と、該中間成形品における前記ビード部を押し潰して前記縦壁部に相当する面部を該ビード部の長軸に直交するビード直交方向に伸ばすことで、該縦壁部に相当する面部に擬似せん断変形を誘発して前記プレス成形品を成形する本成形工程と、を備え、前記予成形工程において、前記凸状湾曲部位を挟んで形成されたビード部は、該ビード部の長軸の凸状湾曲部位側に位置する端部が前記基線から離れ反対側に位置する端部が前記基線に近づくように傾斜し、前記凹状湾曲部位を挟んで形成されたビード部は、該ビード部の長軸の凹状湾曲部位側に位置する端部が前記基線に近づき反対側に位置する端部が前記基線から離れるように傾斜していることにより、前記凸状湾曲部位及び前記凹状湾曲部位に隣接する部位の縦壁部が擬似せん断変形を受けて成形されることにより前記凸状湾曲部位及び前記凹状湾曲部位における圧縮変形又は引張変形を低減することができ、しわと割れの発生を抑制して前記プレス成形品を成形することができる。
本発明の実施の形態に係るプレス成形方法における成形過程を説明する図である((a)ブランク、(b)中間成形品、(c)プレス成形品)。 本発明において成形対象とするプレス成形品を説明する図である((a)斜視図、(b)側面図)。 本発明で成形対象とするプレス成形品を従来のプレス成形方法で成形したときの材料の動きと、該プレス成形品における引張変形及び圧縮変形が生じる部位を説明する図である。 本発明に至った経緯において、せん断変形を誘発して縦壁部を成形したプレス成形品を説明する図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法によりプレス成形品を成形したときの材料の動きを説明する図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形方法において、中間成形品に形成されたビード部が潰されることによる材料の動きと、天板側稜線部で曲げられることによる材料の動きと、本成形工程における材料の動き(擬似せん断変形)のそれぞれを説明する図である。 本発明に係るプレス成形方法において、予成形工程で成形する中間成形品の他の態様を示す図である(その1)。 本発明に係るプレス成形方法において、予成形工程で成形する中間成形品の他の態様を示す図である(その2)。 本発明に係るプレス成形方法において、予成形工程で中間成形品に形成するビード部の形状の具体例を示す図である。 本発明に係るプレス成形方法において適用するフォーム成形を説明する図である。 本発明に係るプレス成形方法において適用するパッドを用いたフォーム成形を説明する図である。 本発明に係るプレス成形方法において適用するドロー成形を説明する図である。 本発明に係るプレス成形方法において適用するパッドを用いたドロー成形を説明する図である。 実施例において成形対象としたプレス成形品を示す図である((a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図)。 実施例において成形対象としたプレス成形品の断面図である。
本発明の実施の形態に係るプレス成形方法を説明するに先立って、本発明で成形対象とするプレス成形品と、該プレス成形品を成形する際に割れやしわが発生する理由、さらには、本発明に至った経緯について説明する。なお、図面におけるX軸、Y軸及びZ軸はそれぞれ、プレス成形品の長手方向、幅方向及び高さ方向を示すものである。また、本実施の形態においては、プレス成形品の高さ方向は、該プレス成形品の成形方向と一致するものとしている。
<プレス成形品>
本発明で対象とするプレス成形品1は、図2に一例として示すように、天板部3と、天板部3から天板側稜線部5を経由して連続する縦壁部7と、縦壁部7から連続するフランジ部9とを有する断面ハット形状であり、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凸状に湾曲する凸状湾曲部位11と凹状に湾曲する凹状湾曲部位13とを有するものである。そして、凸状湾曲部位11の長手方向両側には直線部15及び直線部17が設けられ、凹状湾曲部位13の長手方向両側には直線部17及び直線部19が設けられている。
なお、凸状湾曲部位11は、側面視において凸状に湾曲した円弧の中心がフランジ部9側にあり、凹状湾曲部位13は、側面視において凹状に湾曲した円弧の中心が天板部3側にある。
このように、本発明で成形対象とするプレス成形品は、長手方向に沿って高さ方向に湾曲するものであればよく、成形方向をZ方向とすると、プレス成形品は、プレス軸を含んだZX平面で湾曲、つまり、側面視で湾曲する形状のものとする。
プレス成形品1を側面から見たときの成形中における材料の動きを図3に示す。ブランク(金属板)をプレス成形すると、該ブランクは天板部3と縦壁部7との間の天板側稜線部5で曲げられ、天板側稜線部5に対して直交方向(図3中の矢印の向き)に材料が動く。そして、フランジ部9と天板部3とでは、長手方向の線長差が生じる。
これにより、凸状湾曲部位11においては、天板部3では引張変形が作用して割れが生じやすく、フランジ部9では圧縮変形が作用してしわが生じやすい。その逆に、凹状湾曲部位13においては、天板部3では圧縮変形が作用してしわが生じやすく、フランジ部9では引張変形が作用して割れが生じやすい。
このことから、プレス成形品1を成形する際に割れやしわの発生を抑制するためには、凸状湾曲部位11及び凹状湾曲部位13の成形過程において、天板部3やフランジ部9に引張変形や圧縮変形を生じさせないように成形過程における材料の動きを変えることで、天板部3とフランジ部9とで生じる長手方向の線長差を低減することが重要と考えられる。
そこで、本発明者は、これを実現する具体的な方法を鋭意検討した。その結果、天板部3とフランジ部9とで生じる長手方向の線長差を低減するためには、図4に示すように、直線部15、17、19における縦壁部7a、7b、7cがせん断変形を受けて成形されるようにすればよいことを着想した。
そして、縦壁部7a、7b、7cがせん断変形を受けて成形されるためには、天板部3とフランジ部9を強力に挟み、縦壁部7a、7b、7cにせん断力を加える必要があるが現実的でない。そこで、プレス成形品1を成形する工程を2つに分け、第1の工程では、縦壁部7a、7b、7cの成形過程においてせん断変形を受けるような材料の動きを制御するための形状を付与し、第2の工程では、該材料の動きを制御する形状を付与した部位に擬似的なせん断変形を誘発して縦壁部7a、7b、7を成形すればよいということに想到した。
本発明は、上記検討に基づいてなされたものであり、以下、本発明の実施の形態に係るプレス成形方法について説明する。
<プレス成形方法>
本実施の形態に係るプレス成形方法は、図2に示すプレス成形品1を成形するものであって、図1に示すように、ブランク21を中間成形品31に予成形する予成形工程と、中間成形品31をプレス成形品1に成形する本成形工程と、を備えたものである。以下、上記各工程について説明する。
≪予成形工程≫
予成形工程は、図1(a)〜(b)に示すように、ブランク21を中間成形品31に予成形する工程であり、中間成形品31は、プレス成形品1の凸状湾曲部位11を挟んで長手方向両側の直線部15、17における縦壁部7a、7b(図1(c)参照)に相当する部位である縦壁相当面部33a、33bと、凹状湾曲部位13を挟んで長手方向両側の直線部17、19における縦壁部7b、7c(図1(c)参照)に相当する部位である縦壁相当面部33b、33cに、天板側稜線部5に相当する基線35に対して傾斜して延在するビード部37(37a、37b、37c)が形成されたものである。
そして、凸状湾曲部位11を挟んで長手方向両側となる縦壁相当面部33a、33bに形成されたビード部37a、37bは、ビード部37a、37bの長軸の凸状湾曲部位11側に位置する端部37a2、37b1が基線35から離れ、反対側に位置する端部37a1、37b2が基線35に近づくように傾斜している。
さらに、凹状湾曲部位13を挟んで長手方向両側となる縦壁相当面部33b、33cに形成されたビード部37b、37cは、ビード部37b、37cの長軸の凹状湾曲部位13側に位置する端部37b2、37c1が基線35に近づき、反対側に位置する端部37b1、37c2が基線35から離れるように傾斜している。
なお、ビード部37の傾斜角度については、図1(b)に示すように、ビード部37が形成される縦壁相当面部33においてビード部37の長軸と基線35のなす角度のうち鋭角側の角度θが5°から60°の範囲であることが望ましい。さらには、図5(b)に示すように、後述する本成形工程におけるプレス成形品1の成形方向と天板側稜線部5とのなす角度のうち鋭角側の角度をθ1としたとき、ビード部37の長軸と基線35のなす角度θは、θ≧θ2(=90°−θ1)の関係を満たすことが望ましい。なお、ビード部37の角度θの好適範囲については、後述する実施例にて実証する。
≪本成形工程≫
本成形工程は、図1(b)〜(c)に示すように、中間成形品31におけるビード部37を押し潰し、縦壁相当面部33をビード部37の長軸に直交するビード直交方向に伸ばすことで、縦壁相当面部33に擬似せん断変形を誘発してプレス成形品1を成形する工程である。
本成形工程では、プレス成形品1の成形用の金型を用いて中間成形品31を成形対象とすればよく、これにより、予成形工程で付与されたビード部37は潰されて平坦な形状となる。
さらに、前述のとおり、予成形工程においてビード部37の長軸と基線35のなす角度θが、θ=θ2である場合(図5(b)参照)、ビード部37のビード直交方向と本成形工程における成形方向とが一致するため(図5(b)参照)、本成形工程にでビード部37が押し潰されたときに最も効率良くビード部37がビード直交方向に伸び、縦壁相当面部33に擬似せん断変形を効果的に誘発することができる。
次に、本発明における割れ及びしわ低減効果のメカニズムを説明する。
図6に、本発明に係るプレス成形方法による材料の動きを示す。
通常のプレス成形方法では、前述のように、材料(ブランク)は天板側稜線部5で曲げられるため、縦壁部7は、天板側稜線部5に対して直交方向に材料が移動するように成形される(図3)。
これに対し、本発明に係るプレス成形方法では、予成形工程で成形された中間成形品31をプレス成形品1に成形する際、縦壁相当面部33に形成されたビード部37は潰されて伸ばされる変形となる。このとき、ビード部37の材料は、ビード部37の長軸に直交する方向(ビード直交方向)に移動する。これにより、図6に示すように、ビード部37が潰されることによる材料の動きのプレス成形方向成分と天板側稜線部5で稜線直交方向に曲げられることによる材料の動きのプレス成形方向成分とが相乗され、さらに、ビード部37が潰されることによる材料の動きのプレス成形直交方向成分と天板側稜線部5で稜線直交方向に曲げられることによる材料の動きのプレス成形直交方向成分とが相殺されて材料が動き、縦壁部7が形成される。その結果、天板部3とフランジ部9に生じる長手方向の線長差が低減し、凹状湾曲部位13のフランジ部9における引張変形、凸状湾曲部位11のフランジ部9における圧縮変形とが緩和され、割れとしわの発生を抑制できる。
さらに、凸状湾曲部位11のフランジ部9における圧縮変形が緩和されてプレス成形品1が成形されることにより、凸状湾曲部位11の天板部3における引張変形も緩和されて成形され、凸状湾曲部位11の天板部3における割れを抑制することが可能となる。また、凹状湾曲部位13のフランジ部9における引張変形が緩和されてプレス成形品1が成形されることにより、凹状湾曲部位13の天板部3における圧縮変形も緩和され、凹状湾曲部位13のフランジ部9におけるしわも抑制することが可能となる。
なお、前述の特許文献5に開示されている技術は、ブランクにおける縦壁部に相当する部位に凸状又は凹状のビード部を予成形し、該ビード部を潰して目標とするプレス成形品を成形するという点に関しては、一見すると本発明に係るプレス成形方法に似ている。
しかしながら、特許文献5に開示されている技術は、1工程目において割れが発生する部位、すなわち天板部やしわが発生するフランジ部に連続する縦壁部に直接ビード部を予備成形し、続く2工程目において該ビード部が潰され、割れが発生する部位への材料流入としわが発生する部位からの材料流出を促進するものである。
これに対し、本発明に係るプレス成形方法は、割れやしわのない天板部やフランジ部に連続する縦壁部にビード部を形成し、2工程目である本成形工程において該ビード部を押し潰して該縦壁部にせん断変形を誘発することで、長手方向の圧縮変形及び引張変形を抑制し、割れとしわの発生を抑制するものである。
このように、特許文献5に開示されている技術と本発明に係るプレス成形方法とでは、技術的特徴が異なるものであり、得られる作用効果にも差異がある。
なお、予成形工程で形成するビード部37は、前述のとおり、基線35に対して傾斜しているものであればよいが、ビード部37の角度θが5°以上60°以下とすることが好ましい。
特に、θ≧θ2(=90°−θ1)の場合、ビード部37が潰されることによるプレス成形方向の材料の動きと天板側稜線部5で稜線直交方向に曲げられることによるプレス成形方向の材料の動きとが相乗され、さらに、ビード部37が潰されることによるプレス成形直交方向の材料の動きと天板側稜線部5で稜線直交方向に曲げられることによるプレス成形直交方向の材料の動きが相殺され、縦壁部に相当する面部のせん断変形量を大きくすることができるので、凸状湾曲部位11のフランジ部9における圧縮変形と凹状湾曲部位13のフランジ部9における引張変形をさらに緩和することができる。
さらに、θ=θ2(=90°−θ1)の場合、図5(b)に示すように、成形方向とビード部が押し潰されて伸びる方向とが一致するため、本成形工程においてビード部37を最も効率良くビード直交方向に伸ばすことができる。
このように、本発明は、中間成形品31においてビード部37と基線35とのなす角度θを変化させることで、本成形工程での成形中に材料を所望の方向に動かすことができるため、種々の成形条件や成形に供するブランクの材料強度に対応することができる。
なお、本発明は、図1(b)に示すように、平板状のブランクにビード部37のみを付与した形状の中間成形品31を予成形工程で成形するものに限られず、本成形工程で成形するプレス成形品1に近い形状のものにビード部を付与したものであってもよい。
例えば、図7に示すように、高さ方向に凸状及び凹状に湾曲する天板部43や、天板部43から天板側稜線部45を経由して連続する縦壁相当面部47と、フランジ部49とを有し、縦壁相当面部47にビード部51を形成された中間成形品41を成形するものであってもよい。
中間成形品41とプレス成形品1の断面図を図8に示す。中間成形品41における縦壁相当面部47の角度φは、プレス成形品1の縦壁部7の角度φ0より小さく、中間成形品41の縦壁高さhをプレス成形品1の縦壁高さh0よりも低くすることで、本成形工程においてビード部51を押し潰しながら縦壁相当面部47を縦壁部7に成形することができる。
また、中間成形品41における天板側稜線部45は、天板部43と縦壁相当面部47とを接続する曲げられた形状であるため(図8参照)、天板側稜線部45と縦壁相当面部47にあるビード部51とが同一平面上に位置しない。
なお、上記の説明において、ビード部37(図1(b))又はビード部51(図7)は平面視で長円形状のものであるが(図9(a))、本発明はこの形状に限るものではなく、図9(b)〜(e)に示すような形状のものであってもよい。
また、予成形工程において中間成形品に形成するビード部の高さや個数には制限はないが、ビード部の高さを高く、さらに数多いビード部を形成することで、ビード部が形成された縦壁相当面部の断面線長が大きくなり、本成形工程においてビード部を平坦に成形する際の材料の移動をより増大させることができ、割れやしわを低減するより良い効果が得られる。
なお、ビード部は、長軸に直交する断面が凸形状でも凹形状のいずれであってもよい。さらには、凸形状のビード部と凹形状のビード部それぞれの長軸が交互に形成されたものであってもよい。また、ビード部の長軸は平行となるようにするとよい。
ビード部を形成する位置は、図1に示す直線部15、17、19のように、割れやしわが発生する凸状湾曲部位11や凹状湾曲部位13に隣接した部位や、湾曲の程度が緩い部位であることが望ましい。また、中間成形品に形成するビード部は、その端部が凸状湾曲部位の縦壁相当面部や凹状湾曲部位の縦壁相当面部に多少入り込んだものであってもよい。
さらに、本発明における予成形工程と本成形工程におけるプレス工法としては、フォーム成形とドロー成形のいずれも適用することができる。
図10に、フォーム成形における金型61とブランク21の断面図の一例を示す。フォーム成形は、上型のダイ63と下型のパンチ65でブランク21を挟み込んで成形する工法であり、本発明に係る予成形工程と本成形工程のいずれにも適用可能である。
また、本発明は、図11に示すようなパッド77を備えた金型71を用い、パンチ75のパンチ底部75aと対となるパッド77によりブランク21における天板部に相当する面部を押さえながらダイ73とパンチ75とでフォーム成形するものであってもよい。
図12に、ドロー成形における金型81とブランク21の断面図を示す。ドロー成形は、ダイ83とブランクホルダ85とでブランク21を保持したままダイ83とブランクホルダ85をパンチ87側に下降(相対移動)させることで成形する工法であり、本発明に係る予成形工程と本成形工程のいずれにも適用可能である。
また、本発明は、図13に示すようなパッド99を備えた金型91を用い、パンチ97のパンチ底部97aと対となるパッド99によりブランク21における天板部に相当する面部を押さえるとともに、ダイ93とブランクホルダ95とでブランク21を保持しながらドロー成形するものであってもよい。
なお、本発明に係るプレス成形方法は、鋼板のみならず、金属板であれば良い。例えば、めっき鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などが挙げられる。
本発明のプレス成形方法による作用効果について、具体的なプレス成形実験を行ったので以下に説明する。
実験は、図14及び図15に示すように、高さ方向に凸状に湾曲する凸状湾曲部位11と凹状に湾曲する凹状湾曲部位13とを有して断面ハット形状のプレス成形品1をプレス成形するものとした。プレス成形品1において、凸状湾曲部位11の湾曲曲率半径、凹状湾曲部位13のZ軸方向の湾曲曲率半径ともにR150である。また、凸状湾曲部位11と凹状湾曲部位13の長手方向に隣接して設けられた直線部15、17、19それぞれの縦壁部7における天板側稜線部5と成形方向とのなす角度のうち鋭角側の角度θ1(図5(b))はいずれも、70°である。
なお、実験において、材料には板厚1.2mmの1180MPa級鋼板を使用した。
本実施例では、本発明に係る予成形工程により中間成形品を成形し、続いて本成形工程により該中間成形品をプレス成形品に成形したものを本発明例とした。
ここで、予成形工程でのプレス工法についてはフォーム成形(図10参照)又はドロー成形(図12参照)とし、本成形工程でのプレス工法についてもフォーム成形又はドロー成形とした。
また、予成形工程及び本成形工程ともに、パッドを用いて成形を行った場合についても検討した(図11及び図13参照)。
なお、ドロー成形においては、ブランクホルダ荷重を50tonfとし、パッドを用いた場合においては、パッド荷重を10tonfとした。
予成形工程は、図1(b)に示すような平板状のブランクにビード部37のみを付与した形状の中間成形品31を成形する場合と、図7及び図8に示すような天板部43と縦壁相当面部47のなす角度φを30°とした中間成形品41を成形する場合の2種類とした。そして、中間成形品31及び中間成形品41のいずれにおいても、ビード部37の長軸と天板側稜線部5に相当する基線35のなす角度θ(図5(a))、及び、ビード部51と天板側稜線部45に相当する基線なす角度θは、いずれも、3°、5°、20°、60°および70°の5条件とした。
また、ビード部を形成せずにプレス成形品1を1工程で成形するものを従来例、本発明例と同様に予成形工程と本成形工程の2工程でプレス成形品1を成形するものであって、予成形工程において中間成形品に形成するビード部の角度θ(図1(b)参照)が本発明の好適範囲外としたものを比較例とした。
本実施例では、プレス成形品1のフランジ部9と天板部3における割れとしわの有無により成形性を評価した。
割れ評価については、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9における割れの有無を観察し、割れが有る場合は×、割れは無いものの板厚減少によるくびれがある場合は△、割れ・くびれが一切無い場合は○とした。
しわ評価については、凸状湾曲部位11のフランジ部9と凹状湾曲部位13の天板部3におけるしわの有無を観察し、顕著なしわが有る場合は×、微小なしわが有る場合は△、しわが一切無い場合は○とした。
表1に、成形条件と成形性の評価結果を示す。
表1の最左欄に記されているA〜Eは、予成形工程及び本成形工程におけるプレス工法とパッドの有無を同一の条件とした発明例及び比較例のグループを示すものである。
グループAは、予成形工程において平板状の中間成形品31を成形するものとし、予成形工程をフォーム成形、本成形工程をフォーム成形とし、予成形工程及び本成形工程ともにパッド無しとしたものである(本発明例1〜本発明例5)。
本成形が同じパッド無しのフォーム成形により1工程でプレス成形品1を成形した従来例1は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9に板厚減少によるくびれが生じた。
従来例1と比較して、本発明例1と本発明例5は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9に板厚減少によるくびれが生じた。また、本発明例2と本発明例4は、凸状湾曲部位11の天板部3には割れもくびれも生じず、凹状湾曲部位13のフランジ部9にくびれが生じた。さらに、ビード部37の角度θを20°とした本発明例3は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9に割れもくびれも生じなかった。
また、従来例1は、凸状湾曲部位11のフランジ部9と凹状湾曲部位13の天板部3に明らかにわかる大きなしわが生じた。
従来例1と比較して、本発明例1、本発明例2と本発明例5は、凸状湾曲部位11のフランジ部9と凹状湾曲部位13の天板部3に微小なしわが生じた。また、本発明例3と本発明例4は、凸状湾曲部位11のフランジ部9には微小なシワは生じたが、凹状湾曲部位13の天板部3にはしわが生じなかった。
グループBは、予成形工程において平板状の中間成形品31を成形するものとし、予成形工程をフォーム成形、本成形工程をドロー成形とし、予成形工程及び本成形工程ともにパッド無しとしたものである(本発明例11〜本発明例15)。
本成形が同じパッド無しのドロー成形により1工程でプレス成形品1を成形した従来例2は、凸状湾曲部位11の天板部3に明らかな割れが生じた。
従来例2と比較して、本発明例11、本発明例12、本発明例14と本発明例15は、凸状湾曲部位11の天板部3にくびれが生じた。
また、従来例2は、凹状湾曲部位13の天板部3に明らかなしわが生じた。
従来例2と比較して、本発明例11〜本発明例15は、凹状湾曲部位13の天板部3に微小なしわが生じた。
グループCは、予成形工程において平板状の中間成形品31を成形するものとし、予成形工程をフォーム成形、本成形工程をフォーム成形とし、予成形工程をパッド無し、本成形工程をパッド有りとしたものである(本発明例21〜本発明例25)。
本成形が同じパッド有りのフォーム成形により1工程でプレス成形品1を成形した従来例3は、凸状湾曲部位11の天板部3に板厚減少によるくびれが生じ、凹状湾曲部位13のフランジ部9に割れが生じた。
従来例3と比較して、本発明例21と本発明例25は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9にくびれが生じた。また、本発明例22と本発明例24は、凸状湾曲部位11の天板部3には割れもくびれも生じず、凹状湾曲部位13のフランジ部9にくびれが生じた。さらに、ビード部37の角度θを20°とした本発明例23は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9に割れもくびれも生じなかった。
また、従来例3は、凸状湾曲部位11のフランジ部9に明らかにわかる大きなしわが生じた。
従来例3と比較して、本発明例21〜本発明例25は、凸状湾曲部位11のフランジ部9に微小なしわが生じた。また、本発明例25は、凹状湾曲部位13の天板部3に微小なしわが生じた。
グループDは、予成形工程において平板状の中間成形品31を成形するものとし、予成形工程をフォーム成形、本成形工程をドロー成形とし、予成形工程をパッド無し、本成形工程をパッド有りとしたものである(本発明例31〜本発明例35)。
本成形が同じパッド有りのドロー成形により1工程でプレス成形品1を成形した従来例4は、凸状湾曲部位11の天板部3に割れが生じて、凹状湾曲部位13のフランジ部9にくびれが生じた。
従来例4と比較して、本発明例31、本発明例32、本発明例35は、凸状湾曲部位11の天板部3にくびれが生じた。また、本発明例33と本発明例34は、凸状湾曲部位11の天板部3には割れもくびれも生じなかった。
また、従来例4は、凹状湾曲部位13の天板部3に微小なしわが生じた。
従来例4と比較して、本発明例31、本発明例32、本発明例34、本発明例35は、凹状湾曲部位13の天板部3に微小なしわが生じた。また、本発明例33は、凸状湾曲部位11のフランジ部9と凹状湾曲部位13の天板部3にしわが生じなかった。
グループEは、予成形工程において縦壁相当面部47の角度φを30°とした中間成形品41を成形するものとし、予成形工程をパッド無し、本成形工程をパッド有りとしたものである(本発明例41〜本発明例45)。
本成形が同じパッド有りのフォーム成形により1工程でプレス成形品1を成形した従来例3は、凸状湾曲部位11の天板部3に板厚減少によるくびれが生じ、凹状湾曲部位13のフランジ部9に割れが生じた。
従来例3と比較して、本発明例41と本発明例45は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9にくびれが生じた。また、本発明例42と本発明例44は、凹状湾曲部位13のフランジ部9にくびれが生じた。さらに、本発明例43は、凸状湾曲部位11の天板部3と凹状湾曲部位13のフランジ部9に割れもくびれも生じなかった。
また、従来例3は、凸状湾曲部位11のフランジ部9に明らかにわかる大きなしわが生じた。
従来例3と比較して、本発明例41、本発明例42は、凸状湾曲部位11のフランジ部9に微小なしわが生じた。また、本発明例45は、凹状湾曲部位13の天板部3に微小なシワは生じた。また、本発明例43、本発明例44は、凸状湾曲部位11のフランジ部9と凹状湾曲部位13の天板部3にしわが生じなかった。
さらに、予成形工程におけるパッドの有無の効果について、本発明例43と本発明例51を比較すると、予成形工程においてパッドを用いなかった本発明例43と同様に、予成形工程においてパッドを用いた本発明例51においても、凸状湾曲部位11と凹状湾曲部位13における割れとしわの双方を防止できることがわかった。
以上、本発明に係るプレス成形方法によれば、高さ方向に凸状及び凹状に湾曲したプレス成形品を、割れとしわの双方を抑制して成形できることが示された。
1 プレス成形品
3 天板部
5 天板側稜線部
7、7a、7b、7c 縦壁部
9 フランジ部
11 凸状湾曲部位
13 凹状湾曲部位
15、17、19 直線部
21 ブランク
31 中間成形品
33、33a、33b、33c 縦壁相当面部
35 基線
37、37a、37b、37c ビード部
37a1、37a2、37b1、37b2、37c1、37c2 端部
41 中間成形品
43 天板部
45 天板側稜線部
47、47a、47b、47c 縦壁相当面部
49 フランジ部
51、51a、51b、51c ビード部
61 金型(フォーム成形)
63 ダイ
65 パンチ
71 金型(フォーム成形)
73 ダイ
75 パンチ
75a パンチ底部
77 パッド
81 金型(ドロー成形)
83 ダイ
85 ブランクホルダ
87 パンチ
91 金型(ドロー成形)
93 ダイ
95 ブランクホルダ
97 パンチ
97a パンチ底部
99 パッド

Claims (3)

  1. 天板部と、該天板部から天板側稜線部を経由して連続する縦壁部と、該縦壁部から連続するフランジ部とを有し、側面視で長手方向に沿って高さ方向に凸状に湾曲する凸状湾曲部位と凹状に湾曲する凹状湾曲部位とを有するプレス成形品を成形するものであって、
    前記凸状湾曲部位を挟んで長手方向両側の部位における前記縦壁部に相当する面部と、前記凹状湾曲部位を挟んで長手方向両側の部位における前記縦壁部に相当する面部とに、前記天板側稜線部に相当する基線に対して傾斜して延在する凸形状及び/又は凹形状のビード部が形成された中間成形品を成形する予成形工程と、
    該中間成形品における前記ビード部を押し潰して前記縦壁部に相当する面部を該ビード部の長軸に直交するビード直交方向に伸ばすことで、該縦壁部に相当する面部に擬似せん断変形を誘発して前記プレス成形品を成形する本成形工程と、を備え、
    前記予成形工程において、前記凸状湾曲部位を挟んで形成されたビード部は、該ビード部の長軸の凸状湾曲部位側に位置する端部が前記基線から離れ反対側に位置する端部が前記基線に近づくように傾斜し、前記凹状湾曲部位を挟んで形成されたビード部は、該ビード部の長軸の凹状湾曲部位側に位置する端部が前記基線に近づき反対側に位置する端部が前記基線から離れるように傾斜していることを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記予成形工程において形成される前記ビード部は、該ビード部の長軸と前記基線とのなす角度θが、5°以上60°以下であることを特徴とする請求項1記載のプレス成形方法。
  3. 前記ビード部の長軸と前記基線とのなす角度θは、前記本成形工程における前記プレス成形品の成形方向と前記天板側稜線部とのなす角度のうち鋭角側の角度をθ1としたとき、θ≧90°−θ1の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のプレス成形方法。
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