JP5949856B2 - プレス成形方法及び装置 - Google Patents
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Description
このため、スプリングバック後の形状を設計形状に近づけるために、生産現場では熟練者によって金型を幾度も修正して、トライアル&エラーを重ねなければならず、その結果、生産期間が長期化してしまう。
したがって、スプリングバックを効果的に低減できる方法を開発することは、自動車の開発期間やコストを削減する上でもますます重要な課題であると言える。
応力をコントロールしてスプリングバックを低減するものとして、例えば特許文献1に記載の「薄鋼板のプレス成形用金型装置」がある。特許文献1は、ハット断面部品をフォーム成形する際に、フランジ部に凸ビードを設けた金型でプレス成形する方法である。この方法は、下死点直前でブランクが凸ビードにロックされてブランクの縦壁部に引張変形が付与され、縦壁部の反りの原因であった板厚方向の応力差が解消されるというものである。
成形品41は、パンチ頂部43aと縦壁部43bからなる溝形状部43、及び長手方向に沿って湾曲するフランジ部(外側フランジ45及び内側フランジ47)を有している。
そこで、発明者らは、フランジ部の残留応力を低減する方法として、プレス成形過程においてフランジ部の線長を製品形状よりも大きく変化させ、その後にフランジ部の線長を製品形状に戻すような成形をすることを考えた。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチとを備え、該パンチと前記フランジ成形用ダイが相対移動可能に構成されたプレス成形装置を用いて、以下の工程を行うことを特徴とするものである。
前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れていて、下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成されるように前記パンチの位置決めをするパンチ位置決め工程、
該パンチ位置決め工程で位置決めされた状態で前記パンチと前記ダイによって前記溝形状部を前記製品形状に成形する溝形状部成形工程、
前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致するように前記パンチを移動させるパンチ移動工程、
該パンチ移動工程でパンチを移動した状態で前記ダイと前記フランジ成形用ダイによって前記フランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程。
前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチと、該パンチを前記フランジ成形用ダイに対して相対移動させるパンチ移動装置と、前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れた位置であって、下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成される第1の位置と、前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致する第2の位置に前記パンチを位置決めするパンチ位置決め手段と、前記ダイと前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを駆動してプレス成形を行う成形用駆動装置とを備えたことを特徴とするものである。
0.05<h/L<1.0
の条件を満たすことを特徴とするものである。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法が成形の対象としているプレス成形品は、図13に示すように、長手方向に延びる溝形状部43を有し、溝形状部43を形成する一対の縦壁部43bの両方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部(外側フランジ45及び内側フランジ47)を有する製品形状の成形品41(図13参照)である。
プレス成形装置1は、図5に示すように、溝形状部43を成形する溝部3aと溝部3aの両側に肩部3bとを有するダイ3と、ダイ3の肩部3bに対向配置されて肩部3bと協働して外側フランジ45及び内側フランジ47を成形するフランジ成形用ダイ5と、ダイ3の溝部3aに挿入されて成形品41の溝形状部43を成形する溝形状成形部7aを有するパンチ7と、パンチ7をフランジ成形用ダイ5に対して相対移動させるパンチ移動装置11と、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れた位置であって下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成される第1の位置と、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致する第2の位置にパンチ7を位置決めするパンチ位置決め手段12と、ダイ3とパンチ7及びフランジ成形用ダイ5を相対移動させてプレス成形を行う成形用駆動装置13とを備えている。
ダイ3の凹陥部3aは、パンチ7の上部と共に、成形品41のパンチ頂部43aと縦壁部43bからなる溝形状部43を成形する。
ダイ3の肩部3bは、フランジ成形用ダイ5とで内側フランジ部47及び外側フランジ部45を成形する。
フランジ成形用ダイ5はパンチ7の下部が設置されるパンチ設置溝5aを有している。
パンチ設置溝5aを形成する壁面の上端には、内方に張り出す内張出部5bが形成されている。
パンチ7は、図4に示すように、長手方向に沿って湾曲する凸条からなる。
パンチ7の下端幅方向両側には、図5(及び図1)に示すように、外方に張り出す外張出部7bが形成されている。パンチ7の下部はフランジ成形用ダイ5のパンチ設置溝5aに上下動可能に設置されている。
パンチ7がパンチ移動装置11によって押し出されると、外張出部7bの面が、フランジ成形用ダイ5の内張出部5bの面に当接して、パンチ7が位置決めされるようになっている。この位置が本発明の第1の位置に相当する。
第1の位置では、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れた位置(図5のh参照)であって、下死点状態でダイ3の肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようになっている。
パンチ移動装置11は、図5に示すように、パンチ7を上下動させる油圧シリンダ11aと、油圧シリンダ11aを制御する制御部11bとを有している。油圧シリンダ11aは、フランジ成形用ダイ5のパンチ設置溝5aに設けられて、図示しない油圧ユニットに接続されており、該油圧ユニットから作動油を送りこまれるようになっている。なお、図1には油圧シリンダ11aのみを図示している。
パンチ移動装置11は、ダイ3とパンチ7とでパンチ頂部43aと縦壁部43bを成形する際(溝形状部成形工程)にパンチ7に作用する押圧力によって、パンチ7が押し下げられないように圧力が設定されている。
成形用駆動装置13は、図5に示すように、ダイ3を上下方向に駆動させる油圧シリンダ13aと、油圧シリンダ13aを制御する制御部13bとを有している。なお、油圧シリンダ13aは、図示しない油圧ユニットに接続されており、該油圧ユニットから作動油を送りこまれるようになっている。
本実施の形態に係るプレス成形方法は、上述したプレス成形装置1を用いたプレス成形方法であって、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れていて下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようにパンチ7の位置決めをするパンチ位置決め工程(図1(a)参照)と、パンチ位置決め工程で位置決めされた状態でパンチ7とダイ3によって溝形状部43を製品形状に成形する(パンチ頂部43aがダイ溝部3aの底の下死点まで成形する)形状部成形工程(図1(b)参照)と、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致するようにパンチ7を移動させるパンチ移動工程(図1(c)参照)と、パンチ移動工程でパンチ7を移動した状態でダイ3とフランジ成形用ダイ5によってフランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程(図1(d)参照)とを備えたものである。
以下、各工程を詳細に説明する。
まず、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れていて第1下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようにパンチ7の位置決めをする(パンチ位置決め工程、図1(a)参照)。
具体的には、パンチ移動装置11によってパンチ7を押し出して、外張出部7bの面が、フランジ成形用ダイ5の内張出部5bの面に当接して、パンチ7が位置決めされる。この位置が本発明の第1の位置に相当し、パンチ移動装置11の押し出し力によってパンチ7はこの位置で保持される。
ブランク29は、図1(a)に示すように、パンチ7の頂部に載置する。
次に、パンチ位置決め工程で位置決めされた状態でダイ3を移動させて、パンチ頂部43aと縦壁部43bを製品形状に成形する(第1下死点、図1(b)参照)(溝形状部成形工程)。
縦壁部43bが成形される際にブランク29が内方に流入することによって、ブランク29の内側端29a及び外側端29bは、図1(b)の太矢印で示すように、パンチ7側に移動する。
一方、湾曲の外側では、図2の拡大図に示す通り、ブランク29の流入により外側端29bにおけるC0D0はC1D1となり、外側端29bの線長は縮められて短くなる(縮みフランジ変形)。
次に、パンチ移動装置11を駆動して、パンチ7の底面がパンチ設置溝5aに当接するまでパンチ7を移動させる(パンチ移動工程、図1(c)参照)。このとき、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致し、このパンチ7の位置が本発明の第2の位置に相当する。パンチ移動工程では、パンチ7は、第1の位置から前記第2の位置まで移動し、この移動量が本発明の相対移動距離hである。
次に、ダイ3を移動させてフランジ成形用ダイ5に近づける。こうすることで、ダイ3とフランジ成形用ダイ5によって内側フランジ部47及び外側フランジ部45が製品形状に成形される(第2下死点、図1(d)参照)(フランジ成形工程)。このときブランク29の内側端29a及び外側端29bは、図1(d)中の太矢印に示すように、外方に移動する。
一方、湾曲の外側では、外側端29bの線長が僅かに長くなる(C1D1→C2D2)。つまり、プレス成形開始前のC0点、D0点はそれぞれ、第1下死点ではC1点、D1点になり、第2下死点ではC2点、D2点となり、線長はC0D0→C1D1→C2D2と変化する。
このように、本発明は、僅かなひずみの戻りに対して残留応力が敏感に大きく変化する特徴を利用したものである。
そこで、成形品41のフランジ幅をL(図13参照)とすると、フランジ幅Lと相対移動距離hの比(h/L)は、0.05<h/L<1.0の範囲内に設定することが望ましい。この点は後述する実施例において実証する。
実施の形態1では内側フランジ47及び外側フランジ45の両方においてひずみの戻りを与える例を説明したが、内側フランジ47と外側フランジ45との残留応力のバランスをとることによって成形品41全体としてスプリングバックが緩和されればよく、内側フランジ部47又は外側フランジ部45の一方についてのみ、ひずみの戻りを与えるような成形を行うようにしてもよい。
例えば、内側フランジ部47のみにひずみの戻りを与える場合、図6に示すように、外側フランジ成形部を有するパンチ17と、内側フランジ成形用ダイ19と、パンチ17の幅方向一端が当接してパンチ17の位置決めをするための位置決め部材21とを有するプレス成形装置15を用いてプレス成形を行う。プレス成形装置15の上記各構成について図7(a)に基づいて詳細に説明する。
パンチ17は、ダイ3と共にパンチ頂部43aと縦壁部43bと外側フランジ部45を成形する。パンチ17の幅方向両端には、実施の形態1のパンチ7と同様に、外方に張り出す外張出部17aが形成されている。
内側フランジ成形用ダイ19は、一段低い段部19aを有しており、段部19aにパンチ17の底部が配置される。段部19aを形成する縦壁の端には、内側に張り出して、パンチ17の第1の位置の位置決めの際に、湾曲の内側の外張出部17aと当接する内張出部19bが形成されている。
位置決め部材21は、内張出部19bに対向するように張り出す張出部21aが形成されており、張出部21aが、パンチ17の第1の位置の位置決めの際に、湾曲の外側の外張出部17aと当接するようになっている。
まず、図7(a)に示すようにブランク29を載置し、ダイ3を移動させる。第1下死点(図7(b)参照)においては、外側端29bは内側に移動して縮みフランジ変形となり外側フランジ部45が成形されるが、内側端29aでは伸びフランジ変形となる。
そして、第2下死点(図7(d)参照)において内側端29aの長手方向の線長が僅かに短くなる変形が生じて内側フランジ部47が成形される。このとき、伸びフランジ変形が緩和されて引張応力が大幅に減少する。このように、内側フランジ部47のみに本発明を適用することで、内側フランジ部47の伸びフランジ変形を緩和して、図17に示す成形品41に生ずるスプリングバックを緩和することができる。
さらに、後述する実施例2で実証するように、フランジ成形工程において内側フランジ部47に与えるひずみの戻し量を大きくすることで逆方向の変形(伸び変形)を生じさせる残留応力を蓄積させ、外側フランジ部45に生ずる伸び変形とバランスさせるようにしてもよい。このようにすれば、内側フランジ部47と外側フランジ部45での残留応力による変形がバランスされ、成形品41全体としてスプリングバックによる変形が緩和される。
実施の形態2に示したものとは逆に、外側フランジ部45のみにひずみの戻りを与えるようにしてもよく、この場合、図8に示すように、内側フランジ成形部を有するパンチ25と、外側フランジ成形用ダイ27を有するプレス成形装置23を用いる。
パンチ25は、ダイ3と共にパンチ頂部43aと縦壁部43bと内側フランジ部47を成形する。
プレス成形装置23の他の構成はプレス成形装置1と同様であるので、図8において、同一のものには同一の符号を付している。図8においては、成形用駆動装置13の図示を省略している。
このように、外側フランジ部45のみに本発明を適用することで、外側フランジ部45の縮みフランジ変形を緩和して、図17に示す成形品41に生ずるスプリングバックを緩和することができる。
また、フランジ成形工程において外側フランジ部45に与えるひずみの戻し量を大きくすることで逆方向の変形(縮み変形)を生じさせる残留応力を蓄積させ、内側フランジ部47に生ずる縮み変形とバランスさせるようにしてもよい。このようにすれば、内側フランジ部47と外側フランジ部45での残留応力による変形がバランスされ、成形品41全体としてスプリングバックによる変形が緩和される。
フランジ部の長さ、高さ位置や角度について制限はない。
また、図18に示すように、内側又は外側のいずれか一方に湾曲したフランジ部を有し、他方は湾曲しないフランジ部を有するものであってもよく、成形品の製品形状全体が湾曲していなくともよい。
図19(a)は、成形品全体が長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品81)を図示したものであり、図19(b)は長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品83)を図示したものである。
また、図20(a)は、成形品のフランジ部のみが長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品91)を図示したものであり、図20(b)は成形品のフランジ部のみが長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品93)を図示したものである。
まず、実験方法について概説する。実験は、プレス成形装置1(図1及び図5)を用いて複数のプレス成形条件で成形を行い、成形された成形品のスプリングバック量を比較するというものである。
成形対象となる成形品41は、図10及び図11に示すように、ハット断面を有する長手方向に沿って湾曲した形状であり、長さは1000mm、断面の高さは30mm、パンチ頂部43aの幅は20mm、内側フランジ部47及び外側フランジ部45の幅はともに25mm、部品幅中央の長手方向湾曲曲率半径は1000mmである。ブランク29は厚さ1.2mmの980MPa級鋼板を使用した。プレス機には1000tonf油圧プレス機を用いた。
本発明例1〜本発明例7においては、図1、図4、図5に示すプレス成形装置1を用いた。
本発明例1〜本発明例7は、パンチ7の相対移動距離hの影響を確認するため、相対移動距離hをそれぞれ2.5、5、10、15、20、25、30mmの7水準とした。
本発明例1〜本発明例7は、フランジ成形工程では、パンチ7を移動させた状態でパンチ7とフランジ成形用ダイ5を固定して、ダイ3を移動させるようにした。
曲がり量Δyは、正ならば部品の湾曲曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)方向に曲がり変形したことを、負ならば湾曲曲率が小さくなる(曲率半径が大きくなる)方向に曲がり変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバック量が少ないことを意味する。
表1に各プレス成形条件{相対移動距離h(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品41の曲がり量Δy(mm)を示す。
また、h=10mmからh=15mmで曲がり量Δyの正負が逆転した。曲がり量Δyの絶対値が最も小さい成形条件は本発明例3(h=10mm)でΔy=1.2mmとなり、比較例1の従来のフォーム成形に比べ大幅にスプリングバックが低減した。
ひずみを戻す成形は、本発明例8〜本発明例12では内側フランジ部47のみに、本発明例13〜本発明例17では外側フランジ部45のみに適用した。
本発明例8〜本発明例12では、図6及び図7に示すプレス成形装置15を、本発明例15〜本発明例19では、図8に示すプレス成形装置23を用いた。
相対移動距離hは、本発明例8〜本発明例12ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明例13〜本発明例17でも同様にそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例2として、プレス成形装置101{通常のパンチ105(図1における相対移動距離h=0mm)}を用いた従来のフォーム成形(図15参照)を行った。
成形対象、油圧プレス機、スプリングバックの評価方法は、実施例1と同様である。
以上のように、ひずみを戻す本発明を適用するのが内側フランジ部47及び外側フランジ部45のどちらか一方のみであっても、高いスプリングバック抑制効果が確認された。
こうすることによって、パンチ7の相対移動距離hを成形現場で容易に変更することができる。上述したとおり、相対移動距離hを調節することでスプリングバックをコントロールすることができる。
従って、成形現場でスプリングバックをコントロールでき、従来のように金型を修正することでトライアル&エラーによってスプリングバックを低減していたのに比べ、はるかに安価でなおかつ短期間でスプリングバックを低減できる。
なお、本発明は、下側にフランジ成形用ダイ5とパンチ7を有し、上側にダイ3を有して、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面より上方の位置であって、下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間を形成されるようにしていたが、上側にフランジ成形用ダイ5とパンチ7を有し、下側にダイ3を有してもよく、この場合、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面より下方に離れた位置であって、下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようにするとよい。
まず、実験方法について概説する。
成形品81および成形品83は、長さは1000mm、長手方向湾曲曲率半径は1000mm、断面形状は実施例1および実施例2と同じである(図11参照)。ひずみを戻す成形は、両方のフランジ部に適用した。ブランク材、および油圧プレス機は実施例1および実施例2と同様のものを用いた。
相対移動距離hは、本発明18〜本発明例22ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明23〜本発明例27ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例4および比較例5として、図23(a)に示すプレス成形装置111(相対移動距離h=0mm)と図23(b)に示すプレス成形装置113(相対移動距離h=0mm)を用いた通常のフォーム成形を行った。
ハネ量Δzは、正ならば部品端が上方(フランジ部と反対側)にハネ変形したことを、負ならば部品端が下方(フランジ部と同じ側)にハネ変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバックが少ないことを意味する。
表3に製品凸方向と各プレス成形条件{相対移動距離h(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品81および成形品83のハネ量Δz(mm)を示す。
一方、成形品83(下に凸の製品)について検討した例でスプリングバック量が最も小さい成形条件は、本発明例26(h=20mm)でΔz=-0.8mmであり、比較例4のΔz=-15.0mmに比べスプリングバックが大幅に低減した。
3 ダイ
3a 溝部
3b 肩部
5 フランジ成形用ダイ
5a パンチ設置溝
5b 内張出部
7 パンチ
7a 溝形状成形部
7b 外張出部
70a 溝形状成形部端
11 パンチ移動装置
11a 油圧シリンダ
11b 制御部
12 パンチ位置決め手段
13 成形用駆動装置
13a 油圧シリンダ
13b 制御部
15 プレス成形装置(実施の形態2)
17 外側フランジ成形部を有するパンチ
17a 外張出部
19 内側フランジ成形用ダイ
19a 段部
19b 内張出部
21 位置決め部材
21a 張出部
23 プレス成形装置(実施の形態3)
25 内側フランジ成形部を有するパンチ
27 外側フランジ成形用ダイ
29 ブランク
29a 内側端
29b 外側端
41 成形品
43 溝形状部
43a パンチ頂部
43b 縦壁部
45 外側フランジ部
47 内側フランジ部
51 内側に湾曲フランジを有する成形品
53 外側に湾曲フランジを有する成形品
61 本発明のプレス成形装置(他の態様)
62 ダイ
63 フランジ用成形ダイ
64 パンチ
65 本発明のプレス成形装置(さらに他の態様)
66 ダイ
67 フランジ用成形ダイ
68 パンチ
81 上に凸となる湾曲形状の成形品
83 下に凸となる湾曲形状の成形品
91 フランジ部のみが上に凸となる湾曲形状の成形品
93 フランジ部のみが下に凸となる湾曲形状の成形品
101 プレス成形金型
103 ダイ
105 パンチ
111 プレス成形金型(比較例用)
112 パンチ
113 プレス成形金型(比較例用)
114 パンチ
Claims (11)
- 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形方法であって、
前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチとを備え、該パンチと前記フランジ成形用ダイが相対移動可能に構成されたプレス成形装置を用いて、以下の工程を行うことを特徴とするプレス成形方法。
前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れていて下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成されるように前記パンチの位置決めをするパンチ位置決め工程、
該パンチ位置決め工程で位置決めされた状態で前記パンチと前記ダイによって前記溝形状部を前記製品形状に成形する溝形状部成形工程、
前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致するように前記パンチを移動させるパンチ移動工程、
該パンチ移動工程でパンチを移動した状態で前記ダイと前記フランジ成形用ダイによって前記フランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程。 - 前記フランジ成形工程は、前記ダイを前記フランジ成形用ダイに近づけることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
- 前記フランジ成形工程は、前記フランジ成形用ダイ及び前記パンチを前記ダイに近づけることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
- 前記一対の縦壁のいずれか一方のフランジ部に溝形状部成形工程とフランジ成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記一対の縦壁の両方のフランジ部に溝形状部成形工程とフランジ成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形装置であって、
前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチと、該パンチを前記フランジ成形用ダイに対して相対移動させるパンチ移動装置と、前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れた位置であって、下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成される第1の位置と、前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致する第2の位置に前記パンチを位置決めするパンチ位置決め手段と、前記ダイと前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを駆動してプレス成形を行う成形用駆動装置とを備えたことを特徴とするプレス成形装置。 - 前記成形用駆動装置は前記ダイを前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイ側に移動させることを特徴とする請求項6記載のプレス成形装置。
- 前記成形用駆動装置は前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを前記ダイ側に移動させることを特徴とする請求項6記載のプレス成形装置。
- 前記第1の位置と前記第2の位置の前記パンチの相対移動距離をh、前記製品形状のフランジ幅をLとしたときに、
0.05<h/L<1.0
の条件を満たすことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のプレス成形装置。 - 前記パンチ位置決め手段は、前記パンチを片側の前記フランジ成形用ダイに対して第1の位置に位置決めすることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
- 前記パンチ位置決め手段は、前記パンチを両側の前記フランジ成形用ダイに対して第1の位置に位置決めすることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
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