JP5949856B2 - プレス成形方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形方法及び装置に関する。
プレス成形とは、その対象物である材料(ブランク)に金型を押し付けることにより、金型の形状をブランクに転写して加工を行う方法のことである。プレス成形においては、プレス成形品を金型から取り出した後に、そのプレス成形品内の残留応力が弾性回復することによって起こる形状不良、いわゆるスプリングバックが発生し、所望の形状とは異なってしまう問題がしばしば発生する。
スプリングバックがどの程度生じるかについては、主に材料の強度に大きく影響される。昨今では、特に自動車業界を中心に、自動車車体の軽量化の観点から車体部品に高強度な鋼板を使用する傾向が強くなっており、このような材料の高強度化に伴いスプリングバックの生じる程度が大きくなっている。
このため、スプリングバック後の形状を設計形状に近づけるために、生産現場では熟練者によって金型を幾度も修正して、トライアル&エラーを重ねなければならず、その結果、生産期間が長期化してしまう。
したがって、スプリングバックを効果的に低減できる方法を開発することは、自動車の開発期間やコストを削減する上でもますます重要な課題であると言える。
スプリングバックの低減には、その発生原因である応力のコントロールが必要不可欠である。
応力をコントロールしてスプリングバックを低減するものとして、例えば特許文献1に記載の「薄鋼板のプレス成形用金型装置」がある。特許文献1は、ハット断面部品をフォーム成形する際に、フランジ部に凸ビードを設けた金型でプレス成形する方法である。この方法は、下死点直前でブランクが凸ビードにロックされてブランクの縦壁部に引張変形が付与され、縦壁部の反りの原因であった板厚方向の応力差が解消されるというものである。
また、他の例として、パンチの外周に設置されたブランクホルダに窪みを設けた金型で成形する方法が特許文献2に提案されている。この方法は、成形中、ブランクホルダの窪みにブランク端部が入り込み、さらに成形が進むとブランク端部が窪み内壁に引っ掛かって拘束された状態となる。このため、ブランクが外へ流出しなくなるので、下死点直前でブランクの縦壁部に面内圧縮応力を付与することができ、板厚方向の応力差が解消されるというものである。
特許第4090028号公報 特開2010-99700号公報
特許文献1の方法では、成形された部品のフランジ部にビード形状が残ってしまうため、組立工程において他部品との溶接時に不具合が生じる可能性がある。そのため、ビード形状が残存する部分をカットするか、あるいは製品内にビード形状が入らないようにブランク長さを長くとる必要がある。
また、特許文献1、2は、スプリングバックによって部品のある断面に生じる形状変化に対する対策である。しかし、実際の部品ではねじれや曲がりといった部品全体に生ずる3次元的なスプリングバックが問題となる場合も多く、特許文献1、2はこのような問題に対する充分な対策とはなり得ない。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、製品形状を変えることなく、ねじれや曲がりといった3次元的なスプリングバックを低減するプレス成形方法及び装置を提供することを目的としている。
発明者は上記課題を解決するため、図13に示すような成形品41をフォーム成形した際に成形品41に生じるスプリングバックの形態について検討した。
成形品41は、パンチ頂部43aと縦壁部43bからなる溝形状部43、及び長手方向に沿って湾曲するフランジ部(外側フランジ45及び内側フランジ47)を有している。
従来のフォーム成形では図14の斜視図、図15の断面図に示すようにダイ103とパンチ105でブランク29を挟み込むことで成形を行う。図16は成形前後のブランク外形線を示した図である。湾曲曲率の大きい側(曲率半径の小さい側)のフランジ(内側フランジ47)に該当する外形線は成形によりブランクが流入することで曲率は小さくなり(曲率半径は大きくなり)線長が長くなる(A0B0→A1B1)。つまり、内側フランジ47は伸びフランジ変形となり下死点では長手方向に引張応力が残存する。
一方、湾曲曲率の小さい側(曲率半径の大きい側)のフランジ(外側フランジ45)ではその逆で、外形線は成形によりブランクが流入することで曲率は大きくなり(曲率半径は小さくなり)線長が短くなる(C0D0→C1D1)。つまり、外側フランジ45は縮みフランジ変形となり下死点では長手方向に圧縮応力が残留する。
これらの残留応力は離型時に弾性回復し、内側フランジ47では縮み変形、外側フランジ45は伸び変形となり、その結果、図17に示すように部品は湾曲曲率が大きく(曲率半径が小さく)なるような曲がり変形となるスプリングバックが生ずる。なお図17において、破線がスプリングバック前の形状を示しており、実線がスプリングバック後の形状を示している。
以上のように、長手方向に湾曲したフランジ部を有する成形部品ではフランジ部における残留応力が離型時に解放されるため、部品全体に曲がり変形を与えるスプリングバックを生じさせている。このことから、このような部品では、フランジ部の残留応力の低減が部品のスプリングバック低減に非常に重要であると言える。
そこで、発明者らは、フランジ部の残留応力を低減する方法として、プレス成形過程においてフランジ部の線長を製品形状よりも大きく変化させ、その後にフランジ部の線長を製品形状に戻すような成形をすることを考えた。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明の一つの形態に係るプレス成形方法は、長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形方法であって、
前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチとを備え、該パンチと前記フランジ成形用ダイが相対移動可能に構成されたプレス成形装置を用いて、以下の工程を行うことを特徴とするものである。
前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れていて、下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成されるように前記パンチの位置決めをするパンチ位置決め工程、
該パンチ位置決め工程で位置決めされた状態で前記パンチと前記ダイによって前記溝形状部を前記製品形状に成形する溝形状部成形工程、
前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致するように前記パンチを移動させるパンチ移動工程、
該パンチ移動工程でパンチを移動した状態で前記ダイと前記フランジ成形用ダイによって前記フランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記フランジ成形工程は、前記ダイを前記フランジ成形用ダイに近づけることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記フランジ成形工程は、前記フランジ成形用ダイ及び前記パンチを前記ダイに近づけることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記一対の縦壁のいずれか一方のフランジ部に溝形状部成形工程とフランジ成形工程を適用することを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記一対の縦壁の両方のフランジ部に溝形状部成形工程とフランジ成形工程を適用することを特徴とするものである。
(6)本発明の一つの形態に係るプレス成形装置は、長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形装置であって、
前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチと、該パンチを前記フランジ成形用ダイに対して相対移動させるパンチ移動装置と、前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れた位置であって、下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成される第1の位置と、前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致する第2の位置に前記パンチを位置決めするパンチ位置決め手段と、前記ダイと前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを駆動してプレス成形を行う成形用駆動装置とを備えたことを特徴とするものである。
(7)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記成形用駆動装置は前記ダイを前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイ側に移動させることを特徴とするものである。
(8)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記成形用駆動装置は前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを前記ダイ側に移動させることを特徴とするものである。
(9)また、上記(6)乃至(8)のいずれかに記載のものにおいて、前記第1の位置と前記第2の位置の前記パンチの相対移動距離をh、前記製品形状のフランジ幅をLとしたときに、
0.05<h/L<1.0
の条件を満たすことを特徴とするものである。
(10)また、上記(6)乃至(9)のいずれかに記載のものにおいて、前記パンチ位置決め手段は、前記パンチを片側の前記フランジ成形用ダイに対して第1の位置に位置決めすることを特徴とするものである。
(11)また、上記(6)乃至(9)のいずれかに記載のものにおいて、前記パンチ位置決め手段は、前記パンチを両側の前記フランジ成形用ダイに対して第1の位置に位置決めすることを特徴とするものである。
本発明においては、パンチの溝形状成形部の端がフランジ成形用ダイの成形面から離れていて、下死点状態で肩部とフランジ成形用ダイとの間に隙間が形成されるようにパンチの位置決めをするパンチ位置決め工程と、パンチ位置決め工程で位置決めされた状態でパンチとダイによって溝形状部を製品形状に成形する溝形状部成形工程と、パンチの溝形状成形部の端がフランジ成形用ダイの成形面に一致するようにパンチを移動させるパンチ移動工程と、パンチ移動工程でパンチを移動した状態でダイとフランジ成形用ダイによってフランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程とを備えているので、溝形状部成形工程でフランジ部に生ずる長手方向のひずみを生じさせ、該生じたひずみをフランジ成形工程で戻すことができ、これによってフランジ部に生ずる残留応力を小さくすることができ、部品全体に曲り変形を与えるスプリングバックを低減することができる。
本発明の実施の形態1に係るプレス成形方法の説明図である。 本発明の実施の形態1に係るプレス成形方法の効果のメカニズムの説明図である(その1)。 本発明の実施の形態1に係るプレス成形方法の効果のメカニズムの説明図である(その2)。 本発明の実施の形態1に係るプレス成形装置の要部の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るプレス成形装置の要部の縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係るプレス成形装置の要部の説明図である。 図6のプレス成形装置を用いたプレス成形方法の説明図である。 本発明の実施の形態3に係るプレス成形装置の要部の説明図である。 本発明を適用可能なプレス成形品の形状の態様を説明する説明図である。 本発明の実施例1に係るプレス成形品の製品形状の説明図である(その1)。 本発明の実施例1に係るプレス成形品の製品形状の説明図である(その2)。 本発明の実施例1に係るスプリングバック量の評価方法の説明図である。 本発明の課題の説明図であって、本発明が成形の対象としているプレス成形品の斜視図である。 本発明の課題の説明図であって、従来のプレス成形装置の金型の斜視図である。 本発明の課題の説明図であって、従来のプレス成形方法の説明図である。 本発明の課題の説明図であって、従来のプレス成形方法によって成形された成形品におけるスプリングバックの発生メカニズムの説明図である。 本発明の課題の説明図であって、従来のプレス成形方法によって成形された成形品におけるスプリングバックの説明図である。 本発明を適用可能な製品形状の一例である(その1)。 本発明を適用可能な製品形状の一例である(その2)。 本発明を適用可能な製品形状の一例である(その3)。 本発明の実施例3に係るプレス成形品の製品形状の説明図である。 本発明の実施例3に係るプレス成形装置の金型の斜視図である。 本発明の実施例3に係る比較例としての従来のプレス成形装置の金型の斜視図である。 本発明の実施例3に係るスプリングバック量の評価方法の説明図である。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法が成形の対象としているプレス成形品は、図13に示すように、長手方向に延びる溝形状部43を有し、溝形状部43を形成する一対の縦壁部43bの両方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部(外側フランジ45及び内側フランジ47)を有する製品形状の成形品41(図13参照)である。
上記プレス成形方法について詳細に説明するのに先立って、上記プレス成形方法を実施するためのプレス成形装置1の各構成について図4、図5に基づいてより詳細に説明する。
プレス成形装置1は、図5に示すように、溝形状部43を成形する溝部3aと溝部3aの両側に肩部3bとを有するダイ3と、ダイ3の肩部3bに対向配置されて肩部3bと協働して外側フランジ45及び内側フランジ47を成形するフランジ成形用ダイ5と、ダイ3の溝部3aに挿入されて成形品41の溝形状部43を成形する溝形状成形部7aを有するパンチ7と、パンチ7をフランジ成形用ダイ5に対して相対移動させるパンチ移動装置11と、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れた位置であって下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成される第1の位置と、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致する第2の位置にパンチ7を位置決めするパンチ位置決め手段12と、ダイ3とパンチ7及びフランジ成形用ダイ5を相対移動させてプレス成形を行う成形用駆動装置13とを備えている。
<ダイ>
ダイ3の凹陥部3aは、パンチ7の上部と共に、成形品41のパンチ頂部43aと縦壁部43bからなる溝形状部43を成形する。
ダイ3の肩部3bは、フランジ成形用ダイ5とで内側フランジ部47及び外側フランジ部45を成形する。
<フランジ成形用ダイ>
フランジ成形用ダイ5はパンチ7の下部が設置されるパンチ設置溝5aを有している。
パンチ設置溝5aを形成する壁面の上端には、内方に張り出す内張出部5bが形成されている。
<パンチ>
パンチ7は、図4に示すように、長手方向に沿って湾曲する凸条からなる。
パンチ7の下端幅方向両側には、図5(及び図1)に示すように、外方に張り出す外張出部7bが形成されている。パンチ7の下部はフランジ成形用ダイ5のパンチ設置溝5aに上下動可能に設置されている。
パンチ7がパンチ移動装置11によって押し出されると、外張出部7bの面が、フランジ成形用ダイ5の内張出部5bの面に当接して、パンチ7が位置決めされるようになっている。この位置が本発明の第1の位置に相当する。
第1の位置では、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れた位置(図5のh参照)であって、下死点状態でダイ3の肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようになっている。
また、パンチ7が移動して、パンチ7の底面がパンチ設置溝5aに当接すると、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致するようになっている。このときのパンチ7の位置が本発明の第2の位置に相当する。
上記のように、パンチ7は、内張出部5bと外張出部7bによって第1の位置に、パンチ設置溝5aによって第2の位置に位置決めされるものであり、内張出部5bと外張出部7b及びパンチ設置溝5aが本発明のパンチ位置決め手段12に相当する。
<パンチ移動装置>
パンチ移動装置11は、図5に示すように、パンチ7を上下動させる油圧シリンダ11aと、油圧シリンダ11aを制御する制御部11bとを有している。油圧シリンダ11aは、フランジ成形用ダイ5のパンチ設置溝5aに設けられて、図示しない油圧ユニットに接続されており、該油圧ユニットから作動油を送りこまれるようになっている。なお、図1には油圧シリンダ11aのみを図示している。
パンチ移動装置11は、ダイ3とパンチ7とでパンチ頂部43aと縦壁部43bを成形する際(溝形状部成形工程)にパンチ7に作用する押圧力によって、パンチ7が押し下げられないように圧力が設定されている。
<成形用駆動装置>
成形用駆動装置13は、図5に示すように、ダイ3を上下方向に駆動させる油圧シリンダ13aと、油圧シリンダ13aを制御する制御部13bとを有している。なお、油圧シリンダ13aは、図示しない油圧ユニットに接続されており、該油圧ユニットから作動油を送りこまれるようになっている。
以上のように構成されたプレス成形装置1を用いた本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法について図1、図2に基づいて詳細に説明する。なお、図1においては、成形用駆動装置13の図示を省略している。
本実施の形態に係るプレス成形方法は、上述したプレス成形装置1を用いたプレス成形方法であって、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れていて下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようにパンチ7の位置決めをするパンチ位置決め工程(図1(a)参照)と、パンチ位置決め工程で位置決めされた状態でパンチ7とダイ3によって溝形状部43を製品形状に成形する(パンチ頂部43aがダイ溝部3aの底の下死点まで成形する)形状部成形工程(図1(b)参照)と、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致するようにパンチ7を移動させるパンチ移動工程(図1(c)参照)と、パンチ移動工程でパンチ7を移動した状態でダイ3とフランジ成形用ダイ5によってフランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程(図1(d)参照)とを備えたものである。
以下、各工程を詳細に説明する。
<パンチ位置決め工程>
まず、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面から離れていて第1下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようにパンチ7の位置決めをする(パンチ位置決め工程、図1(a)参照)。
具体的には、パンチ移動装置11によってパンチ7を押し出して、外張出部7bの面が、フランジ成形用ダイ5の内張出部5bの面に当接して、パンチ7が位置決めされる。この位置が本発明の第1の位置に相当し、パンチ移動装置11の押し出し力によってパンチ7はこの位置で保持される。
ブランク29は、図1(a)に示すように、パンチ7の頂部に載置する。
<溝形状部成形工程>
次に、パンチ位置決め工程で位置決めされた状態でダイ3を移動させて、パンチ頂部43aと縦壁部43bを製品形状に成形する(第1下死点、図1(b)参照)(溝形状部成形工程)。
縦壁部43bが成形される際にブランク29が内方に流入することによって、ブランク29の内側端29a及び外側端29bは、図1(b)の太矢印で示すように、パンチ7側に移動する。
図2は、内側フランジ47と外側フランジ部45におけるプレス成形開始前から第1下死点(溝形状部成形工程の下死点)さらに第2下死点(フランジ成形工程の下死点)までの線長の変化を説明する説明図である。図2では、湾曲の内側及び外側について、破線の丸で囲んだ部分を拡大して示している。各拡大図において、破線がプレス成形前のブランク29の内側端29a及び外側端29b、点線が第1下死点における内側端29a及び外側端29b、そして実線が第2下死点における内側端29a及び外側端29bをそれぞれ示している。
図2の湾曲の内側の拡大図を見ると、成形開始から第1下死点までの間(溝形状部成形工程)、ブランク29の流入により内側端29aにおけるA0B0はA1B1となり、内側端29aの線長は引き伸ばされて長くなる(伸びフランジ変形)。
一方、湾曲の外側では、図2の拡大図に示す通り、ブランク29の流入により外側端29bにおけるC0D0はC1D1となり、外側端29bの線長は縮められて短くなる(縮みフランジ変形)。
<パンチ移動工程>
次に、パンチ移動装置11を駆動して、パンチ7の底面がパンチ設置溝5aに当接するまでパンチ7を移動させる(パンチ移動工程、図1(c)参照)。このとき、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面に一致し、このパンチ7の位置が本発明の第2の位置に相当する。パンチ移動工程では、パンチ7は、第1の位置から前記第2の位置まで移動し、この移動量が本発明の相対移動距離hである。
<フランジ成形工程>
次に、ダイ3を移動させてフランジ成形用ダイ5に近づける。こうすることで、ダイ3とフランジ成形用ダイ5によって内側フランジ部47及び外側フランジ部45が製品形状に成形される(第2下死点、図1(d)参照)(フランジ成形工程)。このときブランク29の内側端29a及び外側端29bは、図1(d)中の太矢印に示すように、外方に移動する。
図2の湾曲の内側の拡大図を見ると、第2下死点において、内側端29aは外側に押し出される(流出する)変形をするため、内側端29aの線長は僅かに短くなり(A1B1→A2B2)、成形品41の製品形状における内側フランジ部47の線長となる。つまり、プレス成形開始前のA0点、B0点はそれぞれ、第1下死点ではA1点、B1点になり、第2下死点ではA2点、B2点となり、線長はA0B0→A1B1→A2B2と変化する。
一方、湾曲の外側では、外側端29bの線長が僅かに長くなる(C1D1→C2D2)。つまり、プレス成形開始前のC0点、D0点はそれぞれ、第1下死点ではC1点、D1点になり、第2下死点ではC2点、D2点となり、線長はC0D0→C1D1→C2D2と変化する。
このように、内側フランジ部47においては、溝形状部成形工程において、一旦、成形品41の製品形状よりも線長が長くなる成形を行い、フランジ成形工程において成形品41の製品形状の線長に戻す成形を行い、外側フランジ部45においては、溝形状部成形工程において、一旦、成形品41の製品形状よりも線長が短くなる成形を行い、フランジ成形工程において成形品41の製品形状の線長に戻す成形を行うようにしている。このため、内側フランジ部47及び外側フランジ部45において、溝形状部成形工程で生じたひずみがフランジ成形工程で僅かに戻されることになり、これに伴い残留応力が大幅に低減される。
この点について、図3に基づいて説明する。図3は、フランジ部の成形開始から第2下死点までの長手方向の応力―ひずみ線図である。図3に示すように、溝形状部成形工程により第1下死点のフランジ部には大きな残留応力が蓄積されている。しかし、第1下死点から第2下死点までひずみを僅かに戻すことによって残留応力は大幅に低減する。
このように、本発明は、僅かなひずみの戻りに対して残留応力が敏感に大きく変化する特徴を利用したものである。
ひずみの戻し量は、パンチ7の相対移動距離hとフランジ幅によって決まる。フランジ幅が同じであれば、相対移動距離hが大きいほどひずみの戻し量は大きくなり残留応力の低減効果は大きい。つまり、本発明において、フランジ成形用ダイ5に対するパンチ7の相対移動距離hがスプリングバック量に大きな影響を与えており、相対移動距離hを調節することによりスプリングバックをコントロールできる。
なお、ひずみの戻し量が大きすぎると、逆方向の残留応力を蓄積させてしまうため、適切な戻し量が必要である。
そこで、成形品41のフランジ幅をL(図13参照)とすると、フランジ幅Lと相対移動距離hの比(h/L)は、0.05<h/L<1.0の範囲内に設定することが望ましい。この点は後述する実施例において実証する。
以上のように、本実施の形態においては、成形過程において一旦成形品の内側に入り込んだフランジ部の材料を成形品の外側に押し戻して長手方向のひずみを僅かに戻すことで残留応力を低減させることが可能となり、製品形状を変えることなく、割れやしわなどの成形不良を発生させることなくスプリングバックを低減させることができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では内側フランジ47及び外側フランジ45の両方においてひずみの戻りを与える例を説明したが、内側フランジ47と外側フランジ45との残留応力のバランスをとることによって成形品41全体としてスプリングバックが緩和されればよく、内側フランジ部47又は外側フランジ部45の一方についてのみ、ひずみの戻りを与えるような成形を行うようにしてもよい。
例えば、内側フランジ部47のみにひずみの戻りを与える場合、図6に示すように、外側フランジ成形部を有するパンチ17と、内側フランジ成形用ダイ19と、パンチ17の幅方向一端が当接してパンチ17の位置決めをするための位置決め部材21とを有するプレス成形装置15を用いてプレス成形を行う。プレス成形装置15の上記各構成について図7(a)に基づいて詳細に説明する。
<パンチ>
パンチ17は、ダイ3と共にパンチ頂部43aと縦壁部43bと外側フランジ部45を成形する。パンチ17の幅方向両端には、実施の形態1のパンチ7と同様に、外方に張り出す外張出部17aが形成されている。
<内側フランジ成形用ダイ>
内側フランジ成形用ダイ19は、一段低い段部19aを有しており、段部19aにパンチ17の底部が配置される。段部19aを形成する縦壁の端には、内側に張り出して、パンチ17の第1の位置の位置決めの際に、湾曲の内側の外張出部17aと当接する内張出部19bが形成されている。
<位置決め部材>
位置決め部材21は、内張出部19bに対向するように張り出す張出部21aが形成されており、張出部21aが、パンチ17の第1の位置の位置決めの際に、湾曲の外側の外張出部17aと当接するようになっている。
プレス成形装置15の他の構成はプレス成形装置1と同様であるので、図6において、同一のものには同一の符号を付している。
プレス成形装置15を用いたプレス成形方法について図7に基づいて説明する。なお、図7においては、パンチ移動装置11の一部、および、成形用駆動装置13の図示を省略している。
まず、図7(a)に示すようにブランク29を載置し、ダイ3を移動させる。第1下死点(図7(b)参照)においては、外側端29bは内側に移動して縮みフランジ変形となり外側フランジ部45が成形されるが、内側端29aでは伸びフランジ変形となる。
そして、第2下死点(図7(d)参照)において内側端29aの長手方向の線長が僅かに短くなる変形が生じて内側フランジ部47が成形される。このとき、伸びフランジ変形が緩和されて引張応力が大幅に減少する。このように、内側フランジ部47のみに本発明を適用することで、内側フランジ部47の伸びフランジ変形を緩和して、図17に示す成形品41に生ずるスプリングバックを緩和することができる。
さらに、後述する実施例2で実証するように、フランジ成形工程において内側フランジ部47に与えるひずみの戻し量を大きくすることで逆方向の変形(伸び変形)を生じさせる残留応力を蓄積させ、外側フランジ部45に生ずる伸び変形とバランスさせるようにしてもよい。このようにすれば、内側フランジ部47と外側フランジ部45での残留応力による変形がバランスされ、成形品41全体としてスプリングバックによる変形が緩和される。
[実施の形態3]
実施の形態2に示したものとは逆に、外側フランジ部45のみにひずみの戻りを与えるようにしてもよく、この場合、図8に示すように、内側フランジ成形部を有するパンチ25と、外側フランジ成形用ダイ27を有するプレス成形装置23を用いる。
パンチ25は、ダイ3と共にパンチ頂部43aと縦壁部43bと内側フランジ部47を成形する。
プレス成形装置23の他の構成はプレス成形装置1と同様であるので、図8において、同一のものには同一の符号を付している。図8においては、成形用駆動装置13の図示を省略している。
この場合、第1下死点においては、内側フランジ部47では伸びフランジ変形となり、外側フランジ部45では縮みフランジ変形となる点は、上記実施の形態3と同様である。その後に成形が進むと、第2下死点において外側フランジ部45においては線長が僅かに長くなり、縮みフランジ変形が緩和されて圧縮応力が大幅に減少する。
このように、外側フランジ部45のみに本発明を適用することで、外側フランジ部45の縮みフランジ変形を緩和して、図17に示す成形品41に生ずるスプリングバックを緩和することができる。
また、フランジ成形工程において外側フランジ部45に与えるひずみの戻し量を大きくすることで逆方向の変形(縮み変形)を生じさせる残留応力を蓄積させ、内側フランジ部47に生ずる縮み変形とバランスさせるようにしてもよい。このようにすれば、内側フランジ部47と外側フランジ部45での残留応力による変形がバランスされ、成形品41全体としてスプリングバックによる変形が緩和される。
なお、上記のフランジ成形工程では、内側フランジ部47及び外側フランジ部45を成形する方法の一例として、ダイ3とパンチ7をフランジ成形用ダイ5に近づけるものについて説明したが、ダイ3とパンチ7を第1下死点で停止させ、フランジ成形用ダイ5をダイ3側に近づけるようにしてもよい。
また、本発明で効果が得られる成形品の製品形状としては長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有し、かつ溝形状部を形成する一対の縦壁の少なくとも一方にフランジ部を有する形状であればよい。図9に、本発明を適用可能な成形品の製品形状の断面の例を複数示し、各断面について以下に説明する。
図9(a)〜図9(f)は、内側及び外側の両方に湾曲したフランジ部を有するものである。図9(a)、(d)は縦壁が垂直になっているものである。図9(b)、(e)は上述した成形品41の断面と同様であり、縦壁が傾斜しているものである。図9(c)、(f)は両縦壁部が傾斜して頂部に平坦部のない形を形成しているものである。図9(c)、(f)の断面を成形するには、先端がRになっているパンチを使用するとよい。
また、図9(g)〜図9(i)に示すように、図9(a)〜図9(c)の内側又は外側のいずれか一方のみの湾曲したフランジ部を有するものであってもよい。
フランジ部の長さ、高さ位置や角度について制限はない。
また、図18に示すように、内側又は外側のいずれか一方に湾曲したフランジ部を有し、他方は湾曲しないフランジ部を有するものであってもよく、成形品の製品形状全体が湾曲していなくともよい。
また、成形品の長手方向をx方向、幅方向をy方向、高さ方向をz方向(図18参照)とすると、上記の実施の形態1〜3及び図18の説明では、成形品はxy平面内における湾曲であったが、本発明の対象とする成形品はこのような湾曲にのみ限られず、図19及び図20に示すように、フランジ部がz方向に湾曲するものも含む。
図19(a)は、成形品全体が長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品81)を図示したものであり、図19(b)は長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品83)を図示したものである。
また、図20(a)は、成形品のフランジ部のみが長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品91)を図示したものであり、図20(b)は成形品のフランジ部のみが長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品93)を図示したものである。
本発明のプレス成形方法による作用効果について具体的な実験を行ったので、その結果について図10〜図12に基づいて、他の図を適宜参照して以下に説明をする。
まず、実験方法について概説する。実験は、プレス成形装置1(図1及び図5)を用いて複数のプレス成形条件で成形を行い、成形された成形品のスプリングバック量を比較するというものである。
成形対象となる成形品41は、図10及び図11に示すように、ハット断面を有する長手方向に沿って湾曲した形状であり、長さは1000mm、断面の高さは30mm、パンチ頂部43aの幅は20mm、内側フランジ部47及び外側フランジ部45の幅はともに25mm、部品幅中央の長手方向湾曲曲率半径は1000mmである。ブランク29は厚さ1.2mmの980MPa級鋼板を使用した。プレス機には1000tonf油圧プレス機を用いた。
プレス成形条件について以下に詳細に説明する。
本発明例1〜本発明例7においては、図1、図4、図5に示すプレス成形装置1を用いた。
本発明例1〜本発明例7は、パンチ7の相対移動距離hの影響を確認するため、相対移動距離hをそれぞれ2.5、5、10、15、20、25、30mmの7水準とした。
本発明例1〜本発明例7は、フランジ成形工程では、パンチ7を移動させた状態でパンチ7とフランジ成形用ダイ5を固定して、ダイ3を移動させるようにした。
比較例1は、プレス成形装置101(図14)を用いて、パンチ頂部43aと縦壁部43bとフランジ部(内側フランジ部47及び外側フランジ部45)を成形する通常のパンチ105(図1における相対移動距離h=0mm)を用いて従来のフォーム成形(図15参照)を行った。
成形された製品形状は3次元形状測定器で測定した。その後、CADソフトウェア上で長手方向中央の湾曲部が設計形状と合うように測定データの位置合わせを行った後、部品端における測定形状データと設計形状データのY座標差異(曲がり量Δy、図12参照)を算出し、この曲がり量Δyをスプリングバックによる曲がり変形の指標とした。
曲がり量Δyは、正ならば部品の湾曲曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)方向に曲がり変形したことを、負ならば湾曲曲率が小さくなる(曲率半径が大きくなる)方向に曲がり変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバック量が少ないことを意味する。
表1に各プレス成形条件{相対移動距離h(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品41の曲がり量Δy(mm)を示す。
表1の本発明例1〜本発明例7をみると、相対移動距離hが大きくなれば曲がり量Δyの絶対値は比較例1より小さくなることが分かる。
また、h=10mmからh=15mmで曲がり量Δyの正負が逆転した。曲がり量Δyの絶対値が最も小さい成形条件は本発明例3(h=10mm)でΔy=1.2mmとなり、比較例1の従来のフォーム成形に比べ大幅にスプリングバックが低減した。
上記実施例1は、内側フランジ部47及び外側フランジ部45の両方にひずみを戻す成形を適用したものであった。実施例2では、内側フランジ部47又は外側のフランジのいずれか一方についてひずみを戻す成形を適用した場合の効果について具体的な実験を行ったので、その結果について説明する。
まず、実験方法について概説する。
ひずみを戻す成形は、本発明例8〜本発明例12では内側フランジ部47のみに、本発明例13〜本発明例17では外側フランジ部45のみに適用した。
本発明例8〜本発明例12では、図6及び図7に示すプレス成形装置15を、本発明例15〜本発明例19では、図8に示すプレス成形装置23を用いた。
相対移動距離hは、本発明例8〜本発明例12ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明例13〜本発明例17でも同様にそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例2として、プレス成形装置101{通常のパンチ105(図1における相対移動距離h=0mm)}を用いた従来のフォーム成形(図15参照)を行った。
成形対象、油圧プレス機、スプリングバックの評価方法は、実施例1と同様である。
表2に各プレス成形条件{適用フランジ、相対移動距離h(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品41の曲がり量Δy(mm)を示す。
スプリングバック量が最も小さい(曲がり量Δyの絶対値が最も小さい)成形条件は、内側フランジ部47に適用した例では本発明例10(h=15mm)でΔy=0.3mm、外側フランジ部45に適用した例では本発明例15(h=15mm)でΔy=0.9mmであり、比較例3のΔy=7.3mmに比べ大幅にスプリングバックは低減した。
以上のように、ひずみを戻す本発明を適用するのが内側フランジ部47及び外側フランジ部45のどちらか一方のみであっても、高いスプリングバック抑制効果が確認された。
なお、上記の説明では、フランジ成形工程は、ダイを移動させてフランジ成形用ダイに近づけるものを例に挙げたが、本発明はこれに限られず、例えば、フランジ成形用ダイ及びパンチを一体として移動させて、ダイに近づけるようにしてもよい。
なお、上記では、パンチの移動のためにパンチ移動装置と、パンチの位置決めのためにパンチ位置決め手段を用いたものを例に挙げて説明したが、パンチ移動装置とパンチ位置決め手段の替わりに、これらの両方の機能を有するもの、例えば位置と速度等を制御することができる油圧サーボモータを用いて、パンチの移動及び位置決めを行ってもよい。
こうすることによって、パンチ7の相対移動距離hを成形現場で容易に変更することができる。上述したとおり、相対移動距離hを調節することでスプリングバックをコントロールすることができる。
従って、成形現場でスプリングバックをコントロールでき、従来のように金型を修正することでトライアル&エラーによってスプリングバックを低減していたのに比べ、はるかに安価でなおかつ短期間でスプリングバックを低減できる。
なお、本発明は、下側にフランジ成形用ダイ5とパンチ7を有し、上側にダイ3を有して、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面より上方の位置であって、下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間を形成されるようにしていたが、上側にフランジ成形用ダイ5とパンチ7を有し、下側にダイ3を有してもよく、この場合、パンチ7の溝形状成形部端70aがフランジ成形用ダイ5の成形面より下方に離れた位置であって、下死点状態で肩部3bとフランジ成形用ダイ5との間に隙間が形成されるようにするとよい。
上記実施例1および実施例2では、xy平面内で湾曲した製品についての実験であったが、本実施例では、z方向(プレス方向)に湾曲した製品についての実験を行ったので、その結果について説明する。
まず、実験方法について概説する。
本発明例18〜本発明例22は、図21(a)に示すように成形品全体が長手方向中央で上に凸となるように湾曲した成形品81について、本発明例23〜本発明例27は図21(b)に示すように長手方向中央で下に凸となるように湾曲した成形品83について、それぞれ本発明を適用したものである。
成形品81および成形品83は、長さは1000mm、長手方向湾曲曲率半径は1000mm、断面形状は実施例1および実施例2と同じである(図11参照)。ひずみを戻す成形は、両方のフランジ部に適用した。ブランク材、および油圧プレス機は実施例1および実施例2と同様のものを用いた。
本発明例18〜本発明例22では図22(a)に示すプレス成形装置61、本発明例23〜本発明例27では図22(b)に示すプレス成形装置65を用いた。成形時のブランクと各金型の動きは図1と同様である。
相対移動距離hは、本発明18〜本発明例22ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明23〜本発明例27ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例4および比較例5として、図23(a)に示すプレス成形装置111(相対移動距離h=0mm)と図23(b)に示すプレス成形装置113(相対移動距離h=0mm)を用いた通常のフォーム成形を行った。
スプリングバックの形態として、図21(a)に示す成形品81には図24(a)に示すように+z方向のハネ変形が、図21(b)に示す成形品83には図24(b)に示すように−z方向のハネ変形が生じる。部品端における測定形状データと設計形状データのz方向差異(ハネ量Δz)を算出し、このハネ量をスプリングバックによるハネ変形の指標とした。
ハネ量Δzは、正ならば部品端が上方(フランジ部と反対側)にハネ変形したことを、負ならば部品端が下方(フランジ部と同じ側)にハネ変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバックが少ないことを意味する。
表3に製品凸方向と各プレス成形条件{相対移動距離h(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品81および成形品83のハネ量Δz(mm)を示す。
成形品81(上に凸の製品)について検討した例でスプリングバック量が最も小さい(ハネ量Δzの絶対値が最も小さい)成形条件は、本発明例21(h=20mm)でΔz=0.3mmであり、比較例3のΔz=13.5mmに比べスプリングバックが大幅に低減した。
一方、成形品83(下に凸の製品)について検討した例でスプリングバック量が最も小さい成形条件は、本発明例26(h=20mm)でΔz=-0.8mmであり、比較例4のΔz=-15.0mmに比べスプリングバックが大幅に低減した。
以上のように、xy平面内で湾曲した製品のみならず、z方向(プレス方向)に湾曲した製品について本発明を適用した場合であっても、スプリングバックの高い抑制効果が確認された。
1 プレス成形装置(実施の形態1)
3 ダイ
3a 溝部
3b 肩部
5 フランジ成形用ダイ
5a パンチ設置溝
5b 内張出部
7 パンチ
7a 溝形状成形部
7b 外張出部
70a 溝形状成形部端
11 パンチ移動装置
11a 油圧シリンダ
11b 制御部
12 パンチ位置決め手段
13 成形用駆動装置
13a 油圧シリンダ
13b 制御部
15 プレス成形装置(実施の形態2)
17 外側フランジ成形部を有するパンチ
17a 外張出部
19 内側フランジ成形用ダイ
19a 段部
19b 内張出部
21 位置決め部材
21a 張出部
23 プレス成形装置(実施の形態3)
25 内側フランジ成形部を有するパンチ
27 外側フランジ成形用ダイ
29 ブランク
29a 内側端
29b 外側端
41 成形品
43 溝形状部
43a パンチ頂部
43b 縦壁部
45 外側フランジ部
47 内側フランジ部
51 内側に湾曲フランジを有する成形品
53 外側に湾曲フランジを有する成形品
61 本発明のプレス成形装置(他の態様)
62 ダイ
63 フランジ用成形ダイ
64 パンチ
65 本発明のプレス成形装置(さらに他の態様)
66 ダイ
67 フランジ用成形ダイ
68 パンチ
81 上に凸となる湾曲形状の成形品
83 下に凸となる湾曲形状の成形品
91 フランジ部のみが上に凸となる湾曲形状の成形品
93 フランジ部のみが下に凸となる湾曲形状の成形品
101 プレス成形金型
103 ダイ
105 パンチ
111 プレス成形金型(比較例用)
112 パンチ
113 プレス成形金型(比較例用)
114 パンチ

Claims (11)

  1. 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形方法であって、
    前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチとを備え、該パンチと前記フランジ成形用ダイが相対移動可能に構成されたプレス成形装置を用いて、以下の工程を行うことを特徴とするプレス成形方法。
    前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れていて下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成されるように前記パンチの位置決めをするパンチ位置決め工程、
    該パンチ位置決め工程で位置決めされた状態で前記パンチと前記ダイによって前記溝形状部を前記製品形状に成形する溝形状部成形工程、
    前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致するように前記パンチを移動させるパンチ移動工程、
    該パンチ移動工程でパンチを移動した状態で前記ダイと前記フランジ成形用ダイによって前記フランジ部を製品形状に成形するフランジ成形工程。
  2. 前記フランジ成形工程は、前記ダイを前記フランジ成形用ダイに近づけることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
  3. 前記フランジ成形工程は、前記フランジ成形用ダイ及び前記パンチを前記ダイに近づけることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形方法。
  4. 前記一対の縦壁のいずれか一方のフランジ部に溝形状部成形工程とフランジ成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形方法。
  5. 前記一対の縦壁の両方のフランジ部に溝形状部成形工程とフランジ成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプレス成形方法。
  6. 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形装置であって、
    前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に肩部とを有するダイと、該ダイの前記肩部に対向配置されて前記肩部と協働して前記フランジ部を成形するフランジ成形用ダイと、前記ダイの前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を成形する溝形状成形部を有するパンチと、該パンチを前記フランジ成形用ダイに対して相対移動させるパンチ移動装置と、前記パンチの前記溝形状成形部の少なくとも一方の端が前記フランジ成形用ダイの成形面から離れた位置であって、下死点状態で前記肩部と前記フランジ成形用ダイとの間に隙間が形成される第1の位置と、前記パンチの前記溝形状成形部の端が前記フランジ成形用ダイの成形面に一致する第2の位置に前記パンチを位置決めするパンチ位置決め手段と、前記ダイと前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを駆動してプレス成形を行う成形用駆動装置とを備えたことを特徴とするプレス成形装置。
  7. 前記成形用駆動装置は前記ダイを前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイ側に移動させることを特徴とする請求項6記載のプレス成形装置。
  8. 前記成形用駆動装置は前記パンチ及び前記フランジ成形用ダイを前記ダイ側に移動させることを特徴とする請求項6記載のプレス成形装置。
  9. 前記第1の位置と前記第2の位置の前記パンチの相対移動距離をh、前記製品形状のフランジ幅をLとしたときに、
    0.05<h/L<1.0
    の条件を満たすことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
  10. 前記パンチ位置決め手段は、前記パンチを片側の前記フランジ成形用ダイに対して第1の位置に位置決めすることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
  11. 前記パンチ位置決め手段は、前記パンチを両側の前記フランジ成形用ダイに対して第1の位置に位置決めすることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のプレス成形装置。
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