JP6237313B2 - プレス部品の増厚加工方法及び車両用プレス部品 - Google Patents

プレス部品の増厚加工方法及び車両用プレス部品 Download PDF

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Description

本発明は、プレス部品の増厚加工方法、及び該方法が適用されて製造された車両用プレス部品に関する。
下記特許文献1には、プレスによる増厚加工方法が記載されている。この方法では、第1プレス工程において、金属板からなる中間製品の所定の対象部位をプレスして略椀状の湾曲部(膨出部)を形成する。次いで、第2プレス工程において、中間製品の周縁部分を保持しながら膨出部の外周側をプレスして膨出部の中央側を増厚(増肉)させる。
特開2013−18016号公報
上記の方法では、第2プレス工程で膨出部の外周側をプレスする際に、当該外周側が座屈する可能性がある。特に、増厚量を増やすために、膨出部の高さ寸法を高く設定した場合には、膨出部の外周側の傾斜角度(立ち上がり角度)が大きくなる。その場合、膨出部の外周側において座屈が生じ易くなると考えられるため、改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、金属板に形成した膨出部を押し潰して増厚する際の膨出部の座屈防止に寄与するプレス部品の増厚加工方法及び車両用プレス部品を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係るプレス部品の増厚加工方法は、金属板の板厚減少を抑えながら前記金属板を部分的に板厚方向に膨出させて膨出部を形成する第1工程と、前記膨出部の付け根部をダイスとパッドとの間に挟んで押し潰して拘束しつつ、当該拘束した部位よりも前記膨出部の中央部側を前記ダイスとパンチとの間で押し潰す第2工程と、を有している。
請求項に記載のプレス部品の増厚加工方法では、第1工程において金属板の板厚減少を抑えながら当該金属板に形成された膨出部が、第2工程において押し潰される。この際には、先ず膨出部の付け根部が押し潰されて拘束される。次いで、当該拘束された部位よりも膨出部の中央部側が押し潰される。これにより、当該拘束された部位の内側で金属板の板厚を増加させることができる。しかも、上記のように、第2工程においては、先ず膨出部の付け根部が押し潰されて拘束されるので、膨出部の中央部側が押し潰される際の潰れ方向を安定させることができる。それにより、膨出部に座屈が生じることを防止することに寄与することができる。
請求項に記載の発明に係る車両用プレス部品は、金属板によって形成され、車両の一部を構成すると共に、車両の他の部品と締結される締結部が設けられ、当該締結部を含む領域において、前記金属板の板厚が、請求項1に記載されたプレス部品の増厚加工方法によって増加されている。
請求項に記載の車両用プレス部品では、車両の他の部品と締結される締結部を含む領域において、金属板の板厚が、請求項1に記載されたプレス部品の増厚加工方法によって増加される。したがって、請求項1に係る発明と同様の効果を得ることができる。また、車両の他の部品との締結部において金属板の板厚が増加されているので、車両の他の部品からの入力に対する剛性の向上に寄与することができる。
以上説明したように、本発明に係るプレス部品の増厚加工方法及び車両用プレス部品では、金属板に形成した膨出部を押し潰して増厚する際の膨出部の座屈防止に寄与する。
本発明の第1実施形態に係るプレス部品の増厚加工方法の第1工程により複数の膨出部が形成された金属板(中間製品)の平面図である。 図1のF2−F2線に沿った切断面を示す断面図である。 (A)〜(D)は同方法の第2工程を説明するための断面図である。 (A)〜(C)は第1工程によって形成される膨出部の数や配置と、第2工程によって形成される増肉部の形状との関係を説明するための断面図である。 (A)〜(D)は比較例に係るプレス部品の増厚加工方法を説明するための断面図である。 比較例と第1実施形態とにおける膨出部の高さを比較するための断面図である。 (A)は締結部が増肉されていないプレス部品の断面図であり、(B)は締結部が増肉されたプレス部品の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用プレス部品としてのサスペンションタワープレートの平面図である。 同サスペンションタワープレートの製造途中の状態を示し、(A)は第1工程後の状態を示す平面図であり、(B)は第2工程後の状態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係るプレス部品の増厚加工方法の第1工程により膨出部が形成された金属板(中間製品)の平面図である。 図10のF11−F11線に沿った切断面を示す断面図である。 (A)〜(D)は同方法の第2工程においてクッション圧を「中」に設定したときの状況を説明するための断面図である。 (A)〜(D)は同方法の第2工程においてクッション圧を「低」に設定したときの状況を説明するための断面図である。 (A)〜(D)は同方法の第2工程においてクッション圧を「高」に設定したときの状況を説明するための断面図である。 (A)〜(D)は本発明の第3実施形態に係るプレス部品の増厚加工方法の第2工程を説明するための断面図である。 (A)〜(D)は同方法の第2工程を、サスペンションタワープレートの中間製品に対して適用した場合におけるプレス前半の状況を説明するための断面図である。 (A)〜(D)は同第2工程のプレス後半の状況を説明するための断面図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1実施形態に係るプレス部品の増厚加工方法(以下、単に「増厚加工方法」という)について、図1〜図9に基づいて説明する。なお、本第1実施形態及び後述する第2実施形態は、参考例とする。
本実施形態に係る増厚加工方法は、自らの材料である金属板の板厚が部分的に増加されて増肉部が形成されたプレス部品の製造方法である。この増厚加工方法では、第1工程において、図1及び図2に示される中間製品10を成形する。この中間製品10の成形に際しては、先ず、中間製品10の材料である金属板12において、板厚の増加が求められる所定の領域(範囲)を、増肉部形成領域12Aとして設定する。そして、増肉部形成領域12A内で金属板12を部分的に板厚方向(ここでは板厚方向一側)へ膨出させて複数の膨出部16を形成する。それにより、増肉部形成領域12A内における金属板12の断面の長さ寸法(線長)を増加させる。
上記複数の膨出部16の配置及び形状は、プレス部品の最終製品の形状により自由に設定することができる。本実施形態では、中間製品10の増肉部形成領域12Aにおいて、図1のF2−F2線に沿った切断面の断面形状が、図2に示されるように波形形状(凹凸形状)に設定されている。また、本実施形態では、中間製品10の成形に際しては、絞り加工等により金属板12の肉を各膨出部16側へ寄せ集めることにより、各膨出部16における板厚の減少を抑える(板厚の減少を防止又は最小限に抑制する)。
次いで、第2工程(増厚工程)では、図3(A)〜図3(D)に示されるプレス金型18及び図示しないプレス機を用いて中間製品10の増肉部形成領域12Aをプレスする。具体的には、図3(A)に示されるように、中間製品10における増肉部形成領域12Aの外側部分12Bをダイス20とパッド22との間に挟んで拘束した状態で、図3(B)〜図3(D)に示されるように、ダイス20とパンチ24との間で複数の膨出部16を平坦状に押し潰す。
この第2工程の際には、中間製品10の外側部分12Bが拘束されていることにより、金属板12における増肉部形成領域12A内の部位が塑性流動する。この場合、前述したように、金属板12の断面の線長が増加した増肉部形成領域12Aが平坦状に押し潰されることにより、金属板12の板厚が増加した増肉部26(増厚部)が増肉部形成領域12Aに形成される(図3(D)参照)。これにより、増肉部26が設けられた最終製品28を製造することができる。
ここで、本実施形態では、上記のように中間製品10に形成した複数の膨出部16を押し潰して増肉部26を形成するため、複数の膨出部16の数及び配置を変更(調整)することにより、最終製品28に設けられる増肉部26の数及び配置を任意に変更(調整)することができる。
つまり、例えば図4(A)に示されるように、中間製品10の増肉部形成領域12A内に複数の小型な膨出部16を隣接させて配置した場合には、最終製品28における増肉部形成領域12Aの略全体に1つの増肉部26を形成することができる。また例えば、図4(B)に示されるように、中間製品10の増肉部形成領域12A内に複数の中型の膨出部16を隣接させて配置した場合には、最終製品28の増肉部形成領域12A内において、互いに離間した複数の増肉部28を形成することができる。また例えば、図4(C)に示されるように、中間製品10の増肉部形成領域12A内に複数の大型の膨出部16を隣接させて配置した場合には、最終製品28の増肉部形成領域12A内において、図4(B)に示される例よりも大きく且つ互いに離間した複数の増肉部26を形成することができる。
このように、本実施形態では、中間製品10に形成される複数の膨出部16(凹凸形状)を調整することで種々の増肉形状を成形することができるので、最終製品の増肉部形成領域12A(増肉範囲)の形状を製品の要求(増肉部の用途など)に合わせて調整することができる。また、潰し加工型形状を変更すれば、増肉部の形状のバリエーションを更に増加させることができる。
しかも、本実施形態では、第1工程において、中間製品10の増肉部形成領域12A内に複数の膨出部16を形成するため、増肉部形成領域12A内における金属板12の断面の長さ寸法(線長)を効率的に確保することができ、増厚量を効率的に増やすことができる。それにより、各膨出部16の高さ寸法を小さく設定することができるので、第2工程において複数の膨出部16を押し潰す際に、各膨出部16に座屈が生じることを防止することに寄与することができる。
上記効果について、図5(A)〜図5(D)に示される比較例を用いて詳細に説明する。この比較例では、椀状(断面略円弧状)の膨出部30Aが形成された中間製品30(金属板31)における膨出部30Aの外側部分30Bをダイス20及びパッド22によって拘束しながら、膨出部30Aをパンチ24により押し潰す。この比較例では、膨出部30Aの高さ寸法が低く、膨出部30Aの付け根部30A1(根元部:ここでは外周部)の立ち上がり角度θが小さい場合には、膨出部30Aによって金属板31の断面の線長が確保された部分が押し潰されることにより、当該押し潰された部位を増厚することができる。
しかしながら、増肉量を増やすために膨出部30Aの高さ寸法を高くして線長を増加させた場合には、上記の角度θが大きくなる。その場合には、膨出部30Aのプレス後半において、付け根部30A1が略垂直に変形し(図5(C)において符号Eが付された領域参照)、その後に付け根部30A1が座屈する可能性がある(図5(D)において符号Gを付した領域参照)。その結果、付け根部30A1が座屈した部位で折れ重なり、当該部位が過度に増肉される一方、それ以外の部位が増肉不足になり、最終製品32が不良品になる。
この点、本実施形態では、図6に示されるように、比較例における膨出部30Aと同程度の断面の線長を、複数の膨出部16によって確保するに際し、各膨出部16の高さ寸法H1を膨出部30Aの高さ寸法H2よりも大幅に低くすることができる。それにより、各膨出部16の押し潰しの際に各膨出部16に座屈が生じ難くすることができると共に、比較例に比べてより多くの材料を増肉部に集めることができる。
また、上記の比較例では、図5(A)及び図5(B)に示されるプレス前半において、膨出部30Aの中央部30A2とパンチ24との接触部分(符号Cが付された領域参照)が少ないため、膨出部30Aの各部が潰される方向を制御することが困難(材料流れの制御が困難)であり、膨出部30Aの材料が成り行きで不用意に移動する。その結果、線長が過多な部分(図5(C)において符号Eが付された領域参照)と、線長が不足する部分(図5(C)において符号Fが付された領域参照)が生じる。その結果、図5(D)に示される最終製品32に、線長過多によって座屈、皺が発生する部位(図5(D)において符号Gが付された領域参照)や、増肉量が不足する部位(図5(D)において符号Hが付された領域参照)が生じる可能性がある。
この点、本実施形態では、複数の膨出部16の高さ寸法H1を膨出部30Aの高さ寸法H2よりも大幅に低くすることができるので、各膨出部16の不用意な変位を抑制することができ、各膨出部16の潰れ方向を安定させることができる。そして、個々の膨出部16が押し潰された部位にそれぞれ増肉部26が形成されるため、増肉部26を設定通りに精度良く形成することに寄与する。
このように、本実施形態では、プレス部品を部分的に増肉して、局所的に剛性を向上させることができる。したがって、プレス部品において局所的に剛性が不足している場合、本発明を適用することで質量増加を最小限に抑制しつつ、剛性の向上を図ることができる。例えば、図7(A)に示されるプレス部品34において、ボルト36による他部品38との締結部34Aの剛性が不足している場合には、図7(B)に示されるように、本発明によって締結部34Aの板厚を増加させることにより、効率的に剛性不足を解消することができる。
次に、図8及び図9を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用プレス部品としてのサスペンションタワープレート40(以下、「サスタワープレート40」という)について説明する。図8に示されるサスタワープレート40は、車両のサスペンションタワーの上壁部(サスタワートップ)を構成するものであり、金属板42がプレス成形されることにより略円盤状に成形されている。
このサスタワープレート40の中央部には、車両のサスペンションが備えるショックアブソーバと対向する部位に貫通孔41が形成されている。この貫通孔41の孔縁部は、サスタワープレート40の厚さ方向一側(車両への取付状態で上方側)へ向けて突出した突出部46とされている。また、サスタワープレート40における突出部46の周りには、ショックアブソーバ(車両の他の部品)の上端部が締結固定される複数(ここでは3つ)の締結部48が設けられている。これらの締結部48は、突出部46の周方向に略等間隔に並んで配置されている。これらの締結部48には、それぞれ締結孔50が形成されており、これらの締結孔50に挿通されるボルトと該ボルトに螺合されるナットとを用いてショックアブソーバの上端部がサスタワープレート40に締結固定される。
また、サスタワープレート40には、上記3つの締結部48に隣接した部位に複数(ここでは6つ)のビード部52が形成されている。これらのビード部52は、サスタワープレート40の厚さ方向一側(車両への取付状態で上方側)へ金属板42が部分的に膨出されて形成されており、突出部46の外周面からサスタワープレート40の外周側へ向けて放射状に延びている。
このサスタワープレート40では、上記3つの締結部48を挟んで隣り合うビード部52の間の領域(図8においてドットを付した領域)が、増肉部形成領域53とされている。これらの増肉部形成領域53は、増肉部54(増厚部)によって構成されている。これらの増肉部54においては、前述した増厚加工方法によって、金属板42の板厚が増加されている。具体的には、図9(A)に示されるように、第1工程において、金属板42に突出部46及びビード部52を形成するため膨出部55、56を形成すると共に、金属板42の増肉部形成領域53に増肉部54を形成するための複数の膨出部58を形成する。次いで、図9(B)に示されるように、第2工程において、複数の膨出部58を押し潰して、増肉部形成領域53に増肉部54を形成する。この際には、膨出部55、56をプレスして突出部46及びビード部52を成形する。その後、外形・孔抜き工程などの他の工程を経ることにより、図8に示されるサスタワープレート40(最終製品)が完成する。
上記構成のサスタワープレート40では、サスペンションの締結部48を含む領域が増肉されることにより、車両走行時におけるサスペンションからの入力に対するサスタワープレート40の着力点剛性を向上させることができる。その結果、車両の走行安定性の向上に寄与することができる。しかも、部分的な増肉によって局部的に剛性を向上させるため、質量増加を最小限に抑制しつつ、効率的に着力点剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る増厚加工方法によって製造されたプレス部品では、第1工程において形成された膨出部の形状が、第2工程で形成された増肉部の周辺に残ることが多くなる。例えば、図9(A)に示されるように、第1工程において複数の膨出部58を形成すると、第2工程において形成される増肉部54(図9(B)参照)には、複数の膨出部58の形状に倣った楕円形の跡(皺を潰したような形状)が生じる。これは、局所的に増肉した部分をプレス成形で潰しきれないために生じる跡であるが、本実施形態に係る増厚加工方法によってプレス部品を製造する場合、少なからず上記のような跡が生じることになる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るプレス部品の増厚加工方法(以下、単に「増厚加工方法」という)について、図10〜図14に基づいて説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、前記第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
第2実施形態に係る増厚加工方法は、自らの材料である金属板の板厚が部分的に増加されて増肉部が形成されたプレス部品の製造方法である。この増厚加工方法では、第1工程において、図10及び図11に示される中間製品60を成形する。この中間製品60の成形に際しては、先ず、中間製品60の材料である金属板62において、板厚の増加が求められる領域(増肉範囲)に、所定形状(ここでは椀状)の膨出部62Aを形成し、当該領域における金属板12の断面の長さ寸法L(線長)を増加させる。この膨出部62Aの形成方法は、前記第1実施形態における膨出部16の形成方法と基本的に同様であり、絞り加工等により、膨出部62Aにおける金属板62の板厚の減少を抑える(板厚の減少を防止又は最小限に抑制する)。
次いで、第2工程(増厚工程)では、図12(A)〜図12(D)に示されるプレス金型61及び図示しないプレス機を用いて中間製品60の膨出部62Aをプレスする。このプレス金型61では、ダイス20にクッション64(ダイクッション)が設けられている。この第2工程では、図12(A)〜図12(D)に示されるように、中間製品60における膨出部62Aの外側部分62Bをダイス20とパッド22との間に挟んで拘束し、且つ、膨出部62Aの中央部62A側(頂部側)を膨出部62Aの膨出方向とは反対方向からクッション64により支持しながら、パンチ24により膨出部62Aを平坦状に押し潰す。
この第2工程の際には、中間製品60(金属板62)の外側部分62Bが拘束されていることにより、金属板62における膨出部62Aの構成部位が、上記拘束された部位の内側で塑性流動する。この場合、金属板62の断面の線長が増加した膨出部62Aが平坦状に押し潰されることにより、金属板62の板厚が増加した増肉部68(増厚部)が形成される(図12(D)参照)。これにより、増肉部68が設けられた最終製品70を製造することができる。
しかも、第2工程において膨出部62Aが押し潰される際には、膨出部62Aの中央部側が膨出部の膨出方向とは反対方向からクッション64により支持されるので、膨出部62A(増肉部68の材料)の動きを制御することができ、膨出部62Aの潰れ方向を安定させることができる。それにより、前記第1実施形態と同様に、膨出部62Aを押し潰す際に座屈や皺が発生することの防止に寄与することができると共に、金属板62の所望の部位に増肉を生じさせることが可能になる。なお、本実施形態によれば、例えば金属板62の元の板厚に対して例えば160%程度まで増肉することが可能である。
さらに、本実施形態では、クッション64の形状や圧力を調節することにより、増肉範囲(増肉部位)を制御することができる。この点について、図12〜図14を用いて説明する。図12(A)〜図12(D)は、上記第2工程においてクッション圧を「中」に設定したときの状況を示している。また、図13(A)〜図13(D)は、上記第2工程においてクッション圧を「低」に設定したときの状況を示しており、図14(A)〜図14(D)は上記第2工程においてクッション圧を「高」に設定したときの状況を示している。
クッション圧を「中」に設定した場合には、図12(C)に示されるように、プレス後半において、金属板62における膨出部62Aの構成部位(増肉部68の材料)が、符号Jが付された広い領域に分散する。その結果、最終製品70の増肉部68における広い範囲(図12(D)において符号Jを付した範囲)で十分な増肉量を確保することができる。
一方、クッション圧を「低」に設定した場合には、図13(C)に示されるように、プレス後半において、金属板62における膨出部62Aの構成部位(増肉部68の材料)が、符号Kが付された広い領域に分散する。この場合、クッション圧が「中」の場合よりも、増肉部68の材料が膨出部62Aの中央部62A2側へ寄る。その結果、最終製品70の増肉部68の中央部側における広い範囲(図13(D)において符号Kを付した範囲)で十分な増肉量を確保することができる。
また一方、クッション圧を「高」に設定した場合には、図14(C)に示されるように、プレス後半において、金属板62における膨出部62Aの構成部位(増肉部68の材料)が、符号Mが付された狭い領域に集中する。その結果、最終製品70の増肉部68において、図13(D)において符号Mを付した狭い範囲に増肉が集中する。このように、本実施形態では、クッション圧を調整することにより、増肉範囲を制御することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るプレス部品の増厚加工方法(以下、単に「増厚加工方法」という)について、図15〜図17に基づいて説明する。なお、前記第1、第2実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1、第2実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
第3実施形態に係る増厚加工方法は、自らの材料である金属板の板厚が部分的に増加されて増肉部が形成されたプレス部品の製造方法である。この増厚加工方法では、第1工程において、前記第2実施形態に係る中間製品60と同様の中間製品60を成形する。次いで、第2工程(増厚工程)では、図15(A)〜図15(D)に示されるプレス金型80及び図示しないプレス機を用いて中間製品60の膨出部62Aをプレスする。このプレス金型80は、前記第1実施形態に係るプレス金型18のパッド22の代わりに、パンチ82が設けられている。このパンチ82は、パッド22よりもプレス金型80の中央部側(図15(A)〜図15(D)の一点鎖線側)へ張り出しており、パンチ24とパンチ82との分割ラインが膨出部62Aの付け根部62A1の上方に位置している。
上記のプレス金型80を用いた第2工程では、図15(A)、図15(B)に示されるように、先ず、パンチ82とダイス20との間で膨出部62Aの付け根部62A1側を平坦状に押し潰す(膨出部62Aの付け根部62A1側を外側部分62Bとは反対側へ押し倒す)。そして、当該押し潰した(押し倒した)付け根部62A1側を中間製品60における膨出部62Aの外側部分62Bと共にパンチ82とダイス20との間で拘束する。次いで、図15(C)、図15(D)に示されるように、上記の拘束を維持しながら、パンチ24とダイス20との間で膨出部62Aの中央部62A2側(頂部側)を平坦状に押し潰す。それにより、上記拘束された部位の内側で金属板の板厚を増加させることができる。
この第2工程の際には、膨出部62Aの付け根部62A1側が拘束されていることにより、当該拘束された部位の内側で金属板62が塑性流動し、金属板62の板厚が増加した増肉部84(増厚部)が形成される(図12(D)参照)。これにより、増肉部84が設けられた最終製品86を製造することができる。
しかも、上記第2工程においては、先ず膨出部62Aの付け根部62A1側が押し潰されて拘束されるので、膨出部62Aの中央部62A2側が押し潰される際に、当該中央部62A2側の動きを制御することができ、中央部62A2側の潰れ方向を安定させることができる。それにより、前記各実施形態と同様に、膨出部62Aの中央部62A2側を押し潰す際に座屈や皺が発生することの防止に寄与することができると共に、金属板62の所望の部位に増肉を生じさせることが可能になる。なお、本実施形態によれば、例えば金属板62の元の板厚に対して例えば160%程度まで増肉することが可能である。
次に、図16(A)〜図16(D)及び図17(A)〜図17(D)を用いて、サスタワープレートの中間製品90に対する上記第2工程の適用例について説明する。なお、図16(A)〜図16(D)及び図17(A)〜図17(D)に示されるプレス金型91においては、プレス金型80と同様の構成については同符号を付与している。
上記の中間製品90は、図7に示されるサスタワープレート40と同様のサスタワープレート40を製造するための中間製品である。この中間製品90では、金属板42に形成された膨出部42Aの中央部42A1が膨出部42Aの膨出方向とは反対方向に凹んでいる。また、この適用例に用いられるプレス金型91では、ダイス20及びパンチ24、82には、サスタワープレート40のビード部52(図17(D)参照)を成形するための凹凸形状が設けられている。
この適用例では、先ず、図16(A)〜図16(D)に示されるように、パンチ82とダイス20との間で膨出部42Aの付け根部42A1側を平坦状に押し潰し、当該付け根部42A1側を中間製品90における膨出部42Aの外側部分42Bと共にパンチ82とダイス20との間で拘束する。次いで、図17(A)〜図17(D)に示されるように、上記の拘束を維持しながら、パンチ24とダイス20との間で膨出部42Aの中央部42A1側を押し潰す。それにより、図17(D)に示されるように、隣り合う一対のビード部52の間の増肉部形成領域53に増肉部54が形成される。
なお、前記第2実施形態では、プレス金型61のクッション構造による増肉範囲の制御を説明し、前記第3実施形態では、プレス金型80、91のパンチ分割位置の調整による増肉範囲の制御について説明したが、両方を組み合わせることによって増肉範囲の制御を行うこともできる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
12 金属板
12A 増肉部形成領域(所定の領域)
16 膨出部
40 サスペンションタワープレート(車両用プレス部品)
42 金属板
48 締結部
53 増肉部形成領域
54 増肉部
62 金属板
62A 膨出部
62A1 付け根部
62A2 中央部

Claims (2)

  1. 金属板の板厚減少を抑えながら前記金属板を部分的に板厚方向に膨出させて膨出部を形成する第1工程と、
    前記膨出部の付け根部をダイスとパッドとの間に挟んで押し潰して拘束しつつ、当該拘束した部位よりも前記膨出部の中央部側を前記ダイスとパンチとの間で押し潰す第2工程と、
    を有するプレス部品の増厚加工方法。
  2. 金属板によって形成され、車両の一部を構成すると共に、車両の他の部品と締結される締結部が設けられ、当該締結部を含む領域において、前記金属板の板厚が、請求項1に記載されたプレス部品の増厚加工方法によって増加された車両用プレス部品
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