JP6919690B2 - プレス部品の製造方法及び下金型の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス成形の技術に係り、特に、フランジ部を曲げ加工する際におけるフランジ部でのシワ発生を抑制する技術に関する。
プレス成形において、フランジ部における縮み変形する部位にシワが発生するおそれがある。フランジ部のシワは、通常、縮みフランジ加工時の座屈により発生する。そのシワ抑制対策としては、絞り工程で出来るだけ深く絞り込む、フランジ長さを短くする、シワ押さえ圧の段階的な変更、部分シワ押さえの採用などが考えられる。
しかし、絞り工程で出来るだけ深く絞り込むには、その分、大きな成形荷重が必要となり、設備制約が発生する場合も出てくる。また、フランジ部の長さを短くする場合には、その部位を溶接打点範囲とする場合に制約が発生する。このように、深く絞り込む方法などでは、上述のような制約が発生する。
また、シワ押さえ圧の段階的な変更は、バラツキ等の発生で制御が難しくなるおそれがある。部分シワ押さえの採用は、金型工数の増加や工程の増加の可能性がある。
一方、フォーム成形でのシワ対策技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。
特許第5987942号公報 特許第6011680号公報
しかし、特許文献1、2に記載の技術は、フランジ部のない側壁部での縮みフランジシワ対策であって、従来、フォーム成形でのシワ対策におけるフランジ部のシワを抑制する対策については開示されていない。
本発明は、上記のような点に着目したもので、フランジ部での縮み変形によるシワ発生を抑制することを目的とする。
一般にフランジ部で縮み変形する部位で、シワの発生が懸念される。すなわち、曲げフランジ部のシワは、縮みフランジ加工時の座屈により発生する。その一般的対策は、上述のような、絞り工程で出来るだけ深く絞り込む。または、フランジ長さを短くするなどである。
発明者らは、このような一般的対策を講じることなく、フランジ曲げが可能なプレス加工の工法を提案する。
すなわち、課題を解決するために、本発明の一態様であるプレス部品の製造方法は、上金型と下金型とでブランクにプレス加工を施して、少なくとも第1の面部及び第1の面部に連続するフランジ部を曲げ成形する曲げ成形工程を有するプレス部品の製造方法において、上記下金型を上記ブランクにおける上記フランジ部となる領域の下面全面と接触するように設定して上記曲げ成形を行うと、曲げ成形後の上記フランジ部にシワが発生すると推定される場合、上記シワが発生すると推定される上記フランジ部の部分をシワ発生領域とし、少なくとも上記シワ発生領域を含む上記フランジ部での部分を非接触領域と定義したとき、上記下金型を、上記非接触領域と非接触な形状に設定して、上記曲げ成形を行うことを要旨とする。
また、本発明の他の態様である下金型の設計方法は、上金型と下金型とでブランクにプレス加工を施して、少なくとも第1の面部及び第1の面部に連続するフランジ部を曲げ成形する際に使用される上記下金型の設計方法であって、上記下金型を、上記フランジ部となる領域の下面全面と接触するように設定して上記曲げ成形を行うという条件で、上記曲げ成形のシミュレーション解析をコンピュータで行って、曲げ成形後の上記フランジ部にシワが発生すると判定した場合、上記シワが発生すると推定される上記フランジ部の部分をシワ発生領域とし、少なくとも上記シワ発生領域を含む上記フランジ部での部分を非接触領域と定義したとき、上記下金型を、上記非接触領域と非接触な形状に設定することを要旨とする。
ここで、上記ブランクの下面とは、下金型側を向く面を指す。
本発明の態様によれば、必ずしも、フランジ部の長さを短くすることなく且つ成形荷重を高く設定しなくても、フランジ部でのシワ発生を抑制することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係るプレス部品の形状の一例を示す図である。 プレス部品の形状の別例を示す図である。 製造方法の構成例を示す図である。 非接触領域を説明する図で、フランジ部の端縁に沿って展開して示した図である。 金型の模式図を説明する図であって、(a)は、非接触領域以外の部分での断面図であり、(b)は、非接触領域位置での断面図である。 下金型の形状の変形例を示す図である。 縦フランジ部がある場合における、フランジ部位置での金型の構成を説明する図であり、(a)が従来例、(b)が実施形態の図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、部品間の距離などは現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態が対象とするプレス部品1の部品形状は、例えば図1に示すような、天板部10と、天板部10に連続する側壁部11と、側壁部11に連続するフランジ部12とを有する形状となっている。この例では、側壁部11が第1の面部を構成する場合である。フランジ部12は、側壁部11の縁部に連続して、該側壁部11の面外方向に張り出している。
図1に示す例では、本実施形態のプレス部品1は、断面ハット型形状となっている。本実施形態は、天板部10の幅方向一方にだけ側壁部11及びフランジ部12が連続するようなプレス部品形状などであっても適用可能である。本実施形態は、曲げ加工される第1の面部及びそれに連続するフランジ部を有するプレス部品形状であれば適用可能である。
本実施形態のフランジ部12は、横フランジ部12Aと、縦フランジ部12Bと、横フランジ部12Aと縦フランジ部12Bとの間を連結する第3のフランジ部12Cとを有する。
横フランジ部12Aは、側壁部11の下端部に連続し、側壁部11の下端縁に沿って、つまり側壁部11及びフランジ部12の端縁12aの延在方向Yに沿って形成されている。
縦フランジ部12Bは、側壁部11の延在方向端部に連続し、その端部に沿って上下に形成されて縦壁部を構成する。
第3のフランジ部12Cは、縦フランジ部12Bの下端部と、横フランジ部12Aの延在方向端部とを連結するフランジ部である。この第3のフランジ部12Cは、縦フランジ部12B及び横フランジ部12Aの面に対し斜めの面を形成するように配置されている。この場合、第3のフランジ部12Cは、横フランジ部12A及び縦フランジ部12Bの各延在方向に対し、傾いた方向である斜め方向に延在する。例えば、第3のフランジ部12C、横フランジ部12A及び縦フランジ部12Bの各表面が平面である場合、第3のフランジ部12C、横フランジ部12A及び縦フランジ部12Bの各法線の向きが異なることを指す。例えば各法線の向きが10度以上異なる。
本実施形態が対象とするプレス部品1の部品形状は、一般的な金型で曲げ成形を行うと、フランジ部12にシワが発生する可能性がある形状である。このシワは、縮み変形する部位に発生する。
例えば、図1に示すプレス部品1の部品形状では、横フランジ部12Aと縦フランジ部12Bとの間に挟まれた第3のフランジ部12Cが縮み変形して第3のフランジ部12Cにシワが発生しやすい。もっとも、本実施形態が対象とする縮み変形によって発生するシワは、第3のフランジ部12C位置に発生するシワに限定されない。例えば、横フランジ部12Aであっても、側壁部11や横フランジ部12Aの形状によっては、図2のように、横フランジ部12Aの部分に、部分的な縮み変形によるシワが発生し、そのようなシワについても本実施形態のプレス部品の製造方法が適用可能である。符号14が、シワが発生したシワ発生領域である。
なお、本明細書では、ブランク13を目的のプレス部品1の形状にプレス加工することでフランジ部12となるブランク13での部分を「フランジ領域」と記載する。
本発明は、フランジ部12となるフランジ領域の下面全面と下金型が接触可能な構成でのプレス成形であって、フランジ部12に縮み変形が発生する曲げ成形を行う曲げ成形工程を有していれば適用可能である。
ここで、上金型と下金型とで、ブランク13を、図1に示すようなプレス部品1の形状に曲げ成形する際に、下金型がブランク13におけるフランジ部12の下面全面と接触する通常の金型を使用した場合、斜めに延びる第3のフランジ部12Cで縮み変形が生じて、当該第3のフランジ部12Cでシワが発生することが確認した。なお、ブランク13として引張強度590MPaの高張力鋼板を使用した。ブランク13の引張強度が高いほど、シワが発生しやすいため、本発明は、例えば引張強度が590MPa以上の高張力鋼板に好適である。
もっとも、本発明は、ブランク13の素材は、鉄鋼に限らずステンレス等の鉄合金、更には非鉄材料、非金属材料に対しても適用可能である。また、本実施形態で製造されるプレス部品1は、例えば自動車部品として好適であるが、本発明は、自動車部品に限らず板材をプレス成形する加工全てに対して適用することが可能である。
本明細書において、シワ発生の領域(範囲)は、例えば、プレス加工による板減(加工前を100%とした板厚の減少率)が5%以上となっているシワ発生の領域(フランジ部の端縁12aに沿った方向の範囲)とする。シワ発生領域14は、他のフランジ部12位置に比べて相対的に早めに下金型に当接することで金型によって強く拘束される傾向がある。
また、シワが発生すると推定されるフランジ領域での部分を「シワ発生領域14」と記載する。そして、少なくともシワ発生領域14を含む予め設定した上記フランジ領域での部分を「非接触領域21」と記載する。
本実施形態のプレス部品1の製造方法は、図3に示すように、シワ発生評価部20Aと、下金型決定部20Bと、曲げ成形工程20Cとを備える。シワ発生評価部20Aと下金型決定部20Bとで下金型31の設計方法を構成する。
シワ発生評価部20Aは、曲げ成形工程20Cで使用する上金型30及び下金型31を含む金型として、下金型31がフランジ領域の下面全面と接触するように条件設定して曲げ成形を行うと、曲げ成形後のフランジ部12に縮み変形によるシワが発生するか否か判定する工程である。
また、シワ発生評価部20Aは、シワが発生すると推定する場合に、シワが発生するシワ発生領域14を特定する処理を行う。ここで、下金型31がフランジ領域の下面全面に接触するとは、下金型31がフランジ領域の下面全面と実質的に接触しているとされる状態であって、例えば、下金型31がフランジ領域の下面と90%以上、好ましくは95%以上接触していることを指す。
シワ発生評価部20Aは、曲げ成形工程20Cで使用する予定の金型を使用して試作品を作成して、フランジ部12でのシワの発生の有無、シワ発生領域14の位置を特定するようにしても良い。また、シワ発生評価部20Aは、下金型31をブランク13における上記フランジ部12となるフランジ領域の下面全面と接触するように設定して上記曲げ成形を行うという条件で、曲げ成形工程20Cのシミュレーション解析をコンピュータで行うことで、フランジ部12でのシワの発生の有無や範囲を推定するようにしても良い。この場合、シワ発生評価部20Aは、例えばCAEによるシミュレーション解析によって、縮みフランジ変形する部分での板厚減少率の分布や応力・ひずみ分布を求めることで、上記のようなシワの評価を行う。
ここで、予め曲げ成形工程20Cで使用する金型の形状が既に決まっている場合には、「下金型31をブランク13における上記フランジ部12となるフランジ領域の下面全面と接触する」という条件を設けることなく、その既に決定した金型形状で、試作品を作成したり、CAE解析を行ったりして、上記のようなシワ発生の評価を行えば良い。
なお、下金型決定部20Bにおいて、シワ発生領域14が2箇所以上の位置にあることを推定する場合もある。
下金型決定部20Bは、シワ発生評価部20Aで、シワ発生が発生しないと判定したか否かを判定する。下金型決定部20Bは、シワが発生しないと判定した場合には、シワ発生評価部20Aで評価に使用した金型形状を、曲げ成形工程20Cで使用する金型に決定する。
一方、下金型決定部20Bは、シワが発生すると判定したら、下金型31の形状として、フランジ部12の端縁12aに沿った方向Yで、少なくともシワ発生領域14を含む領域を非接触領域21とする(図4参照)。そして、下金型決定部20Bは、ブランク13における非接触領域21の位置と下金型31が非接触となるような、当該下金型31の形状を特定する。そして、特定した形状を有する下金型31を、曲げ成形工程20Cで使用する金型の下金型31とする。なお、シワ発生評価部20Aで評価に使用した上金型30の形状は、変更する必要がない。
ここで、図4は、フランジ部12をフランジ部12の端縁12aに沿って展開した図である。
図4に示すように、非接触領域21は、シワ発生領域14を含み、且つフランジ部の端縁12aに沿った方向Yでのシワ発生長Lの2倍以上の長さ(L+L1+L2≧2×L)に設定する。好ましくは、図4(b)のように、シワ発生領域14とシワ発生領域14の両側にシワ発生長Lの1倍以上の領域で、非接触領域21を設定することが好ましい。この場合は、L1、L2≧Lである。上記のL1、L2の一方が「0」、つまり、シワ発生領域14の片側にだけ延びるように非接触領域21を設定してもよい。また、長さL1とL2は等しくなくても良い。
非接触領域21の範囲としてシワ発生長Lの2倍の長さがあれば、そのシワ発生領域14に存在するシワが抑制されることを確認している。非接触領域21の長さは、シワ発生長Lの2倍以上の長さであれば、特に上限はない。フランジ部12の下面全面を非接触領域21としても良い。なお、フランジ部12に縮み変形によるシワが起きるような部品形状の場合には、下金型31でのフランジ部12の拘束がなくても、フランジ部12が曲げ形成される。
ただし、フランジ部12のプレス成形の精度などを考慮すると、非接触領域21の範囲として、シワ発生領域14を含み、シワ発生領域14の両側にそれぞれシワ発生長Lの1倍以上(L1、L2≧L)の範囲が好ましい。また、シワ発生領域14を含む非接触領域21の範囲は、例えば、シワ発生長Lの10倍以下、より好ましくはシワ発生長Lの7倍以下が好ましい。非接触領域21の範囲がシワ発生長Lの7倍の場合、L1+L2=6×Lとなる。
また、図1のように、方向が異なる二つのフランジ部12A、12Bで挟まれた第3のフランジ部12Cを有する部品形状の場合、一般に、プレス成形した際に、第3のフランジ部12Cに縮み変形が発生する。このため、このようなフランジ形状の場合には、シワ発生位置を特定することなく、すなわち、シワ発生評価部20Aでの評価処理を行うことなく、第3のフランジ部12C全面に対応する部分を非接触領域21に設定するようにしても良い。
曲げ成形工程20Cでは、図5のように、下金型決定部20Bで決定した金型を使用して、上金型30と下金型31とでブランク13にプレス加工を施して、天板部10に連続する側壁部11及び当該側壁部11に連続するフランジ部12を曲げ成形して、目的とするプレス部品1を製造する。
また、曲げ成形工程20Cでは、シワ押さえを使用しないフォーム成形を採用することが好ましい。図5(a)は、非接触領域21以外での下金型31の形状の例を示す、図5(b)は、非接触領域21での下金型31の形状の例を示す。
ここで、上記説明では、フランジ部の端縁12aに沿ったシワ発生領域14を含む領域を非接触領域21としているが、その非接触領域21のフランジ領域部分のうち、側壁部11側の部分とは下金型31が接触するように設定して(図6参照)、曲げ成形工程20Cで、側壁部11とフランジ部12間の折り曲げ線(稜線)をより確実に曲げ形成されるようにしても良い。この場合、側壁部11との境界線からフランジ部の端縁12aまでの長さの1/3以下を下金型31が接触する領域とする。
曲げ成形工程20Cでプレス成形されたプレス部品1は、最終製品形状でなくても良い。曲げ成形工程20Cの後工程として、製品形状にプレス成形する工程を有していてもよい。
また、金型の構成は、下金型31と共に、天板部10を押さえるパッドを有する構成であっても良い。パッドを有する場合、下金型31とパッドで天板部10を押さえた状態で、上金型30を加工して曲げ加工する。この際、フランジ部の一部が下金型31に接触しなくても、天板部10の位置がずれることを防止できる。
本実施形態の製造方法によれば、必ずしもプレスの工程数を増やすことなく、またプレス部品1の形状やブランク13の形状を変更することなく、プレス加工時に縮み変形するフランジ部12で発生するシワ発生を抑制することが可能となる。
ここで、図1のプレス部品1を製造する際に、本実施形態の製造方法を採用したところ、プレス部品1の形状を変更することなく、フランジ部12の第3のフランジ部12Cにおいて、シワ発生が抑制されたことを確認している。
例えば、図7(a)のように、第3のフランジ部12Cの周りにおいて、横フランジ部12A、縦フランジ部12B、第3のフランジ部12Cの下面全部に下金型31に当接するように設定して曲げ加工を行った場合、第3のフランジ部12Cでシワが発生した。
これに対し、図7(b)のように、第3のフランジ部12Cの周りにおいて、下金型31を、縦フランジ部12Bの下面全面に当接するが、第3のフランジ部12C及び横フランジ部12Aの一部とは当接しない形状に設定して曲げ加工したところ、第3のフランジ部12Cにシワが発生していないことを確認した。このとき、非接触領域21の範囲を、シワ発生長Lの2倍に設定した。
また、CAE解析にて確認したところ、フランジ領域の下面全面が下金型31と接触する条件で曲げ成形を行うとして解析したところ、伸びフランジ部12での最大の板厚減少率は21.6%であった。
これに対し、シワ発生領域14の両側にそれぞれシワ発生長Lの1倍の領域(全体としてそれぞれシワの生長の3倍)を下金型31との非接触領域21に設定して、CAE解析をしたところ、縮み変形するフランジ部12での最大の板厚減少率が、本実施形態を適用しない場合に比べて半減し、大幅に小さくなっていることを確認した。
ここで、図1に示すプレス部品の形状に上金型と下金型とでフォーム成形を行うという条件で、CAEによるシミュレーション解析を行った。
このとき、表1に示すように条件を変更して実施した。
Figure 0006919690
ここで、表1中、たて壁部無しとは、図1における縦フランジ部12Bを有しないプレス部品形状を採用した場合である。
また、下金型が、フランジ部の下面全体に当接(接触)する条件でフォーム成形を行うという条件を設定した場合には、第3のフランジ部でシワが発生した。
実施例1、2は、シワ発生領域全域に加え、シワ発生領域の両側にそれぞれシワ発生長さLの3倍の領域を非接触領域21として設定した場合である。この実施例では、非接触領域21の範囲のフランジ部全域を下金型と接触しないという条件に設定している。他の例でも同様である。
この実施例1、2では、非接触領域21の範囲はシワ発生長さLの7倍である。
実施例3,4は、シワ発生領域全域に加え、シワ発生領域の両側にそれぞれシワ発生長さLの1倍の領域を非接触領域21に設定した場合である。この実施例3,4では、非接触領域21の範囲はシワ発生長さLの3倍である。
実施例5,6は、シワ発生領域全域に加え、シワ発生領域の両側にそれぞれシワ発生長さLの0.5倍の領域を非接触領域21に設定した場合である。この実施例5,6では、非接触領域21の範囲はシワ発生長さLの2倍である。
実施例7,8は、シワ発生領域全域に加え、シワ発生領域の横フランジ部側にだけ、シワ発生長さLの6倍の領域を非接触領域21として設定した場合である。この実施例7,8では、非接触領域21の範囲はシワ発生長さLの7倍である。
実施例9,10は、シワ発生領域全域に加え、シワ発生領域の横フランジ部側にだけ、シワ発生長さLの2倍の領域を非接触領域21として設定した場合である。この実施例9,10では、非接触領域21の範囲はシワ発生長さLの3倍である。
比較例1,2は、シワ発生領域全域のみの領域を非接触領域21とする場合である。
比較例3,4は、下金型が、フランジ部の下面全体に当接(接触)する条件の場合である。
比較例5,6は、非接触領域21を、シワ発生領域の一部の領域であって、シワ発生長さLの0.7倍に設定した場合の例である。
表1の各実施例から分かるように、非接触領域21がシワ発生領域の全域を含み、シワ発生長さLの2倍以上7倍以下の範囲を非接触領域21の範囲とすることで、確実に、シワの発生を抑制することを出来た。
しかし、各比較例から分かるように、シワ発生領域が非接触領域21以内(シワ発生長さLの1倍以下)の場合、シワが発生していた。
1 プレス部品
10 天板部
11 側壁部(第1の面部)
12 フランジ部
12A 横フランジ部(第1のフランジ部)
12B 縦フランジ部(第2のフランジ部)
12C 第3のフランジ部
12a フランジ部の端縁
13 ブランク
14 シワ発生領域
20A シワ発生評価部
20B 下金型決定部
20C 成形工程
21 非接触領域
30 上金型
31 下金型
L シワ発生長

Claims (10)

  1. 上金型と下金型とでブランクにプレス加工を施して、少なくとも第1の面部及び第1の面部に連続するフランジ部を曲げ成形する曲げ成形工程を有するプレス部品の製造方法において、
    上記下金型を、上記ブランクにおける上記フランジ部となる領域の下面全面と接触するように設定して上記曲げ成形を行うと、曲げ成形後の上記フランジ部にシワが発生すると推定される場合、
    上記シワが発生すると推定される上記フランジ部の部分をシワ発生領域とし、少なくとも上記シワ発生領域を含む上記フランジ部での部分を非接触領域と定義したとき、
    上記下金型を上記非接触領域と非接触な形状に設定して、上記曲げ成形を行うことを特徴とするプレス部品の製造方法。
  2. 上記フランジ部の端縁の延在方向に沿った方向における、上記シワ発生領域の長さをシワ発生長Lとすると、
    上記非接触領域を、上記シワ発生領域を含み、上記フランジ部の端縁の延在方向に沿って上記シワ発生長Lの2倍以上7倍以下の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載したプレス部品の製造方法。
  3. 上記フランジ部は、上記第1の面部の長手方向に沿って形成される第1のフランジ部と、上記第1の面部の長手方向の端部位置に形成された第2のフランジ部と、上記第1のフランジ部と上記第2のフランジ部とを連続する第3のフランジ部とを有し、上記第3のフランジ部は、上記第1のフランジ部及び第2のフランジ部の各延在方向に対し、傾いた方向に延在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したプレス部品の製造方法。
  4. 上記下金型を、上記第1のフランジ部、第2のフランジ部及び第3のフランジ部を含む上記フランジ部となる領域の下面全面と接触するように設定して上記曲げ成形を行うと、曲げ成形後の上記第3のフランジ部にシワが発生すると推定される場合、
    上記第2のフランジ部には、非接触領域を設定せず、
    上記第3のフランジ部の端縁の延在方向に沿った方向における、上記シワ発生領域の長さをシワ発生長Lとすると、
    上記非接触領域を、上記シワ発生領域を含み、上記第3のフランジ部の端縁の延在方向に沿って上記シワ発生長Lの2倍以上7倍以下の範囲に設定することを特徴とする請求項3に記載したプレス部品の製造方法。
  5. 上記曲げ成形工程の後工程として製品形状に成形するプレス工程を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
  6. 上記曲げ成形工程での曲げ成形は、フォーム成形であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
  7. 上記プレス部品は、天板部と上記天板部に連続する側壁部と、上記側壁部に連続するフランジ部とを有し、上記第1の面部が上記側壁部であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したプレス部品の製造方法。
  8. 上記天板部を押さえるパッドを有することを特徴とする請求項7に記載したプレス部品の製造方法。
  9. 上金型と下金型とでブランクにプレス加工を施して、少なくとも第1の面部及び第1の面部に連続するフランジ部を曲げ成形する際に使用される上記下金型の設計方法であって、
    上記下金型を上記フランジ部となる領域の下面全面と接触するように設定して上記曲げ成形を行うという条件で、上記曲げ成形のシミュレーション解析をコンピュータで行って、曲げ成形後の上記フランジ部にシワが発生すると判定した場合、
    上記シワが発生すると推定される上記フランジ部の部分をシワ発生領域とし、少なくとも上記シワ発生領域を含む上記フランジ部での部分を非接触領域と定義したとき、
    上記下金型を、上記非接触領域と非接触な形状に設計することを特徴とする下金型の設計方法。
  10. 上記フランジ部の端縁の延在方向に沿った方向における、上記シワ発生領域の長さをシワ発生長Lとすると、
    上記非接触領域を、上記シワ発生領域を含み、上記フランジ部の端縁の延在方向に沿って上記シワ発生長Lの2倍以上7倍以下の範囲に設定することを特徴とする請求項9に記載した下金型の設計方法。
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