JP4920649B2 - 形状凍結性に優れる多段プレス成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば図1に示すような長手方向(図1(a)で言えば、両側のフランジ面11、12を含む平面をX平面とすれば、X平面内又はX平面外での任意の方向、図1(b)で言えば、両側の稜線15、16を含む平面をX平面とすれば、X平面内又はX平面外での任意の方向をいう)に湾曲した、コの字型又はハット型の断面を有する金属製部材のプレス成形品において、通常では離型後に発生するねじれA、Bや、キャンバー(正規(設計上)の製品形状からの長手方向のズレ)などの寸法精度不良を低減し、精度良い形状の製品を得るプレス成形方法に関するものである。
長手方向に湾曲した形状を有するハット型断面の金属製部品をプレス成形により製造すると、図1(a)に示す湾曲部の内側フランジ面11において長手方向への引張り応力1(プラスで表す力)が発生し、湾曲部の外側フランジ面12において長手方向への圧縮応力2(マイナスで表す力)が発生する。このように湾曲内外では符合の異なる内部応力が発生し、それがチャンネル横断面にねじれモーメントを与えてねじれAの原因となる。また、図1(b)に示す特定の面内方向に湾曲したコの字断面の成形においては、湾曲部の内側の縦壁面13において長手方向への引張り応力3(プラスで表す力)が発生し、湾曲部の外側の縦壁面14において長手方向への圧縮応力4(マイナスで表す力)が発生する。この場合もチャンネル横断面にねじれモーメントが生じねじれBの原因となる。
ねじれの向きや量は発生する応力の程度やフランジの残り量によって変化することが知られている。
従来の技術においては、スプリングバックする量を見込んで、あらかじめ金型形状を修正したり、非特許文献1に記載されたように縮み変形部に板余り吸収ビードを追加して不均一な残留応力を低減したりして、所望の形状の成形品を得る方法などが用いられている。しかし、前者では高強度鋼板やアルミ合金板などのスプリングバックが大きい材料では必然的に見込みの量が大きくなり、結果的に所望の製品形状が得られなかったり、得られるまでに試行錯誤で何回も金型に修正を施す必要が生じたりするため、コストや工期の面で課題がある。後者においては形状に追加するビードの深さを調整する為の工数・費用がかかる上、ビード形状が製品形状として残る為、部品上使用が限定されるといった問題があった。特に衝突時に荷重を受ける部品については、ビードが部品を座屈させる起点となってしまうため、車自体の衝突安全性を低下させる恐れがあり、汎用的には適用できないといった問題がある。
プレス成形難易ハンドブック第2版222頁(日刊工業新聞社)
本発明は上述の問題に鑑み、金型形状の調整を行うことなく、且つ所定の部品形状のままで、精度良くコの字型又はハット型断面で、長手方向に湾曲した正規形状(設計上の形状)の金属製部材(プレス成形品)を得ることを可能とするものである。
係る課題を解決するため、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)コの字型又はハット型の断面で、長手方向に湾曲した形状を有する金属製部材を成形する方法であって、
前記金属製部材に形成される複数の湾曲部のうち、少なくとも1つの湾曲部については、第一成形工程で、製品形状より大きい曲率半径として中間品成形し、第二成形工程で、前記第一成形工程における曲率半径より小さく成形し、
前記少なくとも1つの湾曲部以外の残部の箇所については、前記第一成形工程と前記第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに成形して、成形品全体を製品形状又は略製品形状とすることを特徴とする形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
(2)前記製品形状と前記製品形状を得る前の第一成形工程で成形された中間品形状における湾曲部の長手方向の稜線の線長をL’[mm]、L[mm]としたときに、
1<L’/L<1.1
の条件を満たすことを特徴とする(1)記載の形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
(3)前記第一成形工程がドロー成形又はフォーム成形であり、前記第二成形工程が製品形状に成形するリストライク工程であることを特徴とする(1)又は(2)記載の形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
(4)前記第一成形工程及び前記第二成形工程がドロー成形又はフォーム成形であり、前記第二成形工程の後に製品形状に成形するリストライク工程を有することを特徴とする(1)又は(2)記載の形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
本発明では、第一成形工程及び第二成形工程で製品形状を得る場合と、第二成形工程に続く他の成形工程で製品形状を得る場合とが含まれる。本発明で、製品形状とは、最終的な成形工程で得られる成形品の形状を言う。例えば、第二成形工程で完了する場合には、第二成形工程で得られる成形品形状が製品形状となり、第二成形工程に続く他の成形工程で完了する場合には、他の成形工程で得られる成形品形状が製品形状となる。また、略製品形状とは、製品形状が得られる前の第二成形工程後の成形品の形状を言う。即ち、第二成形工程で完了する場合には、第二成形工程で成形された成形品形状は製品形状となり、第二成形工程に続く他の成形工程で完了する場合には、第二成形工程で成形された成形品形状が略製品形状となる。そして、製品形状と略製品形状における湾曲部の長手方向の稜線の線長をL'[mm]、Ls[mm]としたときに、1<Ls/L'<1.2の条件を満たす。また、金属製部材に形成される複数の湾曲部のうち、少なくとも1つの湾曲部とは、金属製部材の湾曲した内側及び外側の一方又は両方の一部若しくは全部(いわゆる、形状変化部)をいう。
本発明によれば、金型形状の調整を行うことなく、且つ所定の部品形状のままで、精度良くコの字型又はハット型断面で、長手方向に湾曲した正規形状(設計上の形状)の金属製部材(プレス成形品)を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
長手方向に湾曲したコの字型又はハット型の断面を持つ金属製部品においては、湾曲内外側のフランジ面11、12(図1(a)参照)や縦壁面13、14(図1(b)参照)において符号の異なる長手方向応力が発生し、この応力が開放されて、図1(a)(b)に示すようなねじれA、Bなどによるスプリングバックを発生させる。最終製品でのスプリングバックを極力抑制するためには、最終成形終了時点で当該部位(フランジ面11、12の湾曲部又は、縦壁面13、14の湾曲部)における長手方向の引張応力および圧縮応力が、形状剛性に対し、十分小さくなっていれば良い。湾曲の内側のフランジ面11および縦壁面13で長手方向に引張応力が大きくなるのは、材料が流入とともに長手方向に伸ばされる伸びフランジ成形となっているためであり、また、湾曲の外側のフランジ面12および縦壁面14で長手方向に圧縮応力が大きくなるのは、材料が流入とともに長手方向に縮められる縮みフランジ成形となっているためである。
この長手方向の引張応力または圧縮応力を十分に小さくする成形方法について研究を進めた結果、複数の湾曲部のうち少なくとも1つの湾曲部について、第一成形工程において、中間品の曲率半径が最終製品の曲率半径よりも大きくなるように成形しておき、第二成形工程において、第一成形工程で得られた中間品の曲率半径より小さい曲率半径として成形し、残部の箇所(少なくとも1つの湾曲部を除く箇所)は、第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに成形して、成形品全体を最終製品の形状(製品形状)または最終製品により近い形状(略製品形状)へと成形することで達成されることを見出した(前記(1)に係る発明)。
第一成形工程において、成形品の湾曲部の曲率半径を最終製品よりも大きい形状で成形しておくと、第二成形工程で製品形状又は略製品形状に成形した際に、湾曲内側では、材料が流入とともに長手方向に圧縮されるので、第一成形工程で発生した引張り応力と第二成形工程で発生した圧縮応力が打ち消しあい、長手方向の応力がゼロに近づく。同様に湾曲外側では、第二成形工程において材料が流入とともに長手方向に引っ張られ、第一成形工程で発生した圧縮応力と第二成形工程で発生した引張応力が打ち消しあい、長手方向の応力がゼロに近づく。これにより、製品内に発生した応力によって、スプリングバック等が発生するのを抑制することができ、製品形状の精度を向上させることができる。
また、中間品形状での湾曲部の曲率半径は製品形状での湾曲部の曲率半径より大きくなるようにすれば良いが、図2のように湾曲部の形状変化部5の長手方向の稜線の線長の変化量(L’−L)が大きくなりすぎる場合には、第二成形工程中に割れが生じたり成形品に跡が残ったりしてしまう。このため、製品形状と中間品形状における形状変化部5の長手方向の稜線の線長をL’[mm]、L[mm]としたとき、1<L’/L<1.1の範囲内に、更に好ましくは1<L’/L<1.05の範囲内に設定することが望ましい(前記(2)に係る発明)。
中間品を成形する工程としては、第一成形工程がドロー(絞り曲げ)成形又はフォーム成形であり、第二成形工程が製品形状に成形するリストライク工程である場合は、第一成形工程で実施すれば良い(前記(3)に係る発明)。
また、第一成形工程が1段目のドロー成形またはフォーム成形で、第二成形工程が2段目のドロー成形またはフォーム成形で製品形状又は略製品形状に成形する場合は、その第一成形工程を中間品の成形工程としても良いし、さらに第二成形工程の後に製品形状に成形するリストライク工程を有する場合も、その第二成形工程を中間品の成形工程として略製品形状に成形しても良い(前記(4)に係る発明)。ここでいう成形工程とは製品形状の外形に成形する工程をいい、穴抜き(ピアス)、外形抜き(トリム)などの打ち抜きまたは切断のための工程を含まない工程を指している。すなわち、打ち抜き等の工程は、製品形状に応じて、適宜行えばよい。
また、中間品を成形する場合は成形高さが製品形状の高さまで成形されていなくても良いが、望ましくは製品形状の半分以上の高さを有する中間品が成形されていれば良い。
中間品形状と製品形状の湾曲部の稜線のずれが大きい場合には、中間品が第二成形工程の金型にはまりづらくなったり、形状のずれが生じたりするおそれがあるため、ロケートピンやガイドなどの位置決め装置または治具を用いることが望ましい。
中間品形状として湾曲内側部の曲率半径を大きくする場合で稜線のずれ量が大きくなるときは、図3(a)の破線に示すように第二成形工程の下型(パンチ)10にはまるので、しわ押さえ(ホルダー)を用いずに上型(ダイ)7で成形するリストライク工程で十分である。ただし、中間品の位置決めをするピンやガイドを用いることが望ましい。また、中間品形状として湾曲外側部の曲率半径を大きくする場合で稜線のずれが大きくなるときは、図3(b)の破線に示すように第二成形工程の下型(パンチ)10にはまりづらくなるため、しわ押さえ(ホルダー)9と上型(ダイ)7で中間品8を把持した後に成形する2段目ドロー工程を用いることが望ましい。
図4に本発明において検討を実施した製品形状を示す。鋼板は厚さ1.2mmの980MPa級鋼板を使用して、ハット型断面の高さ(天井部17の面とフランジ11、12の面との距離)Hを40mm、天井部17の幅W1を60mm、長さL1を500mm、各フランジ11、12の幅W2を20mm、湾曲内側部21の曲率半径300mm、湾曲外側部22の曲率半径360mmの部材を成形した。比較例として製品形状に対応した形状の金型を用いた1段成形では、成形条件としてしわ押さえ荷重を40ton与えてドロー成形し、得られた成形品の両端の断面を形状測定機で倣い測定した。成形品の両端の断面を重ねた場合の天井部17の角度(ずれ量)をねじれ角度として評価したところ、第一成形工程後の形状(比較例で得られた製品の形状)では2.5°のねじれが発生した。
図5は本発明において実施した中間品の形状と製品形状の曲率半径の変化を説明する図である。ここで、図5は、図4に示す製品(又は、中間品)を上側から見た図であり、フランジ11、12を省略して示している。
図5(a)は、第一成形工程で、湾曲した外側22の全部について曲率半径を変化させた例である。すなわち、図5(a)の破線で示すように、中間品における湾曲外側部22の曲率半径が、製品における湾曲外側部22の曲率半径よりも大きくなるように、第一成形工程を行っている。具体的には、第一成形工程で、湾曲外側部22の曲率半径を370、385、400mmとしてドロー成形して、第二成形工程において湾曲外側部22の曲率半径を360mmでドロー成形した。また、残部(湾曲外側部22を除く部分)の箇所は第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに、即ち湾曲内側部21の曲率半径は300mmとし、湾曲外側部22及び湾曲内側部21の両側に位置する直線部は曲率半径を無限大(直線)として、成形品全体を第二成形工程で最終の製品形状とするリストライク工程とした。
図5(b)は、第一成形工程で、湾曲した内側21の全部について曲率半径を変化させた例である。すなわち、図5(b)の破線で示すように、中間品における湾曲内側部21の曲率半径が、製品における湾曲内側部21の曲率半径よりも大きくなるように、第一成形工程を行っている。具体的には、第一成形工程で、湾曲内側部21の曲率半径を310、320、330mmとしてドロー成形して、第二成形工程において湾曲内側部21の曲率半径を300mmとして何れもフォーム成形した。また、残部(湾曲内側部21を除く部分)の箇所は第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに、即ち湾曲外側部22の曲率半径は360mmとし、湾曲内側部21及び湾曲外側部22の両側に位置する直線部は曲率半径を無限大(直線)として、成形品全体を第二成形工程で最終の製品形状とするリストライク工程とした。
図5(c)は、第一成形工程で、湾曲内側部21と湾曲外側部22の全部について曲率半径を変化させた例である。すなわち、図5(c)の破線で示すように、中間品における湾曲内側部21及び湾曲外側部22の曲率半径が、製品における湾曲内側部21及び湾曲外側部22の曲率半径よりも大きくなるように、第一成形工程を行っている。具体的には、第一成形工程で、湾曲内側部21の曲率半径を310、320、330mm、湾曲外側部22の曲率半径を370、385、400mmとし、第二成形工程において湾曲内側部21の曲率半径を300mm、湾曲外側部22の曲率半径を370、385、400mmとして、何れもドロー成形した。また、残部(湾曲内側部21及び湾曲外側部22を除く部分)の箇所は第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに、即ち湾曲内側部21及び湾曲外側部22の両側に位置する直線部は曲率半径を無限大(直線)として、成形品全体を略製品形状に成形した。その後、最終成形工程(第三成形工程)として湾曲内側部21の曲率半径を300mm、湾曲外側部22の曲率半径を360mmでフォーム成形してリストライク工程を実施して製品形状とした。
表1に実験を行った条件と形状測定結果を示す。ねじれ角は、上述した成形工程で得られた製品の両端断面を重ねたときの天井部17の角度(ずれ量)とし、ねじれ角が0.5°以下を◎、0.5〜1.0°を○、1.0°よりも大きい場合を×とした。最終製品の表面性状については、割れが発生したものを×、割れが発生しなかったものを○とした。
Figure 0004920649
図6に本発明において検討を実施した製品形状を示す。この製品は、ハット型断面の高さが一端側から他端側に向かって高くなっているとともに、天井部17の幅が一端側から他端側に向かって広くなっている。また、フランジ11,12の幅は、両端側から中間部に向かって変化している。さらに、この製品は、2つの湾曲内側部21及び2つの湾曲外側部22を有している。
鋼板は厚さ1.2mmの980MPa級鋼板を使用して、ハット型断面の最大高さHmaxを40mm、天井部17の最大幅W3を80mm、長さL2を525mm、各フランジ11、12の最大幅W4を30mm、湾曲内側部21の曲率半径300mm、湾曲外側部22の曲率半径360mmの部材を成形した。比較例として製品形状に対応した形状の金型を用いた1段のドロー成形では、成形条件としてしわ押さえ荷重を40ton与えて成形し、得られた成形品の両端の断面を形状測定機で倣い測定した。成形品(最終製品)の両端の断面を重ねた場合の天井部17の角度をねじれ角度として評価したところ、第一成形工程後の形状(比較例で得られた製品の形状)では1.5°のねじれが発生した。
図7は、本発明において実施した中間品形状と製品形状の曲率半径の変化を説明する図である。ここで、図7は、図6に示す製品(又は、中間品)を上側から見たときの図であり、フランジ11、12を省略して示している。
図7(a)では、第一成形工程で、湾曲内側部21の全部(2箇所)について、曲率半径を変化させた。すなわち、図7(a)の破線で示すように、中間品における湾曲内側部21の曲率半径が、製品における湾曲内側部21の曲率半径よりも大きくなるように、第一成形工程を行っている。具体的には、第一成形工程において湾曲内側部21の曲率半径を310、320、330mmとしてドロー成形し、第二成形工程において湾曲内側部21の曲率半径を300mmでフォーム成形した。また、残部(湾曲内側部21を除く部分)の箇所は第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに、即ち湾曲外側部の曲率半径は360mmとし、その他の直線部は曲率半径を無限大(直線)として、成形品全体を第二成形工程で最終の製品形状とした。
図7(b)は、第一成形工程で、湾曲外側部22の全部(2箇所)について、曲率半径を変化させた。すなわち、図7(b)の破線で示すように、中間品における湾曲外側部22の曲率半径が、製品における湾曲外側部22の曲率半径よりも大きくなるように、第一成形工程を行っている。具体的には、第一成形工程において、湾曲外側部22の曲率半径を370、385、400mmとしてドロー成形し、第二成形工程において、湾曲外側部22の曲率半径を360mmでドロー成形した。また、残部(湾曲外側部22を除く部分)の箇所は第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに、即ち湾曲内側部21の曲率半径は300mmとし、その他の直線部は曲率半径を無限大(直線)として、成形品全体を第二成形工程で最終の製品形状とするリストライク工程とした。
図7(c)は、第一成形工程で、湾曲内側部21と湾曲外側部22の全部(4箇所)について、曲率半径を変化させた。すなわち、図7(c)の破線で示すように、中間品における湾曲内側部21及び湾曲外側部22の曲率半径が、製品における湾曲内側部21及び湾曲外側部22の曲率半径よりも大きくなるように、第一成形工程を行っている。具体的には、第一成形工程において、湾曲内側部21の曲率半径を310、320、330mm、湾曲外側部22の曲率半径を370、385、400mmとして、第二成形工程において、湾曲内側部21の曲率半径を300mm、湾曲外側部22の曲率半径を370、385、400mmとして、何れもドロー成形した。また、残部(湾曲外側部22及び湾曲内側部21を除く部分)の箇所は第一成形工程と第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに、即ちその他の直線部は曲率半径を無限大(直線)として、成形品全体を略製品形状に成形した。その後、最終成形工程(第三成形工程)として湾曲内側部21の曲率半径を300mm、湾曲外側部22の曲率半径を360mmにフォーム成形して製品形状とするリストライク工程とした。
表2に実験を行った条件と形状測定結果を示す。ねじれ角は、上述した成形工程で得られた製品の両端断面の天井部17の角度とし、ねじれ角が0.5°以下を◎、0.5〜1.5°を○、1.5°よりも大きい場合を×とした。最終製品の表面性状については、割れが発生したものを×、割れが発生しなかったものを○とした。
Figure 0004920649
以上のように本発明により、比較例より寸法精度が向上し、寸法精度に優れるハット型断面部品を得ることができた。尚、実施例1のNo.4、実施例2のNo.7及び10は、前記(2)に係る本発明の範囲を外れているが、前記(1)に係る本発明の要件を満たしているので、長手方向のねじれを比較例に比べて大幅に低減することができた。表面性状がそれほど重要視されない部品に対しては十分に適用可能である。
なお、上述した実施例1、2では、ハット型の断面を有する製品を成形した場合であるが、コの字型の断面を有する製品を成形する場合においても、同様の効果が得られる。
ハット型またはコの字型断面で、長手方向に湾曲した形状を有する金属製部材の外観図を示す。 本発明における中間品形状と製品形状の上面図を示す。 本発明における第二成形工程の断面図を示す。 本発明を適用した実施例1の製品形状を示す。 本発明を適用した実施例1の中間製品形状と製品形状の上面図を示す。 本発明を適用した実施例2の製品形状を示す。 本発明を適用した実施例2の中間製品形状と製品形状の上面図を示す。
符号の説明
1 伸びフランジ側フランジ面に働く引張応力
2 縮みフランジ側フランジ面に働く圧縮応力
3 伸びフランジ側縦壁面に働く引張応力
4 縮みフランジ側縦壁面に働く圧縮応力
5 中間品形状と製品形状の形状変化部
6 中間品形状の形状変化部の稜線
7 上型(ダイ)
8 成形品
9 しわ押さえ(ホルダー)
10 下型(パンチ)
11 フランジ面
12 フランジ面
13 縦壁面
14 縦壁面
15 稜線部
16 稜線部
21 湾曲した内側(湾曲内側)
22 湾曲した外側(湾曲外側)
A ねじれ
B ねじれ

Claims (4)

  1. コの字型又はハット型の断面で、長手方向に湾曲した形状を有する金属製部材を成形する方法であって、
    前記金属製部材に形成される複数の湾曲部のうち、少なくとも1つの湾曲部については、第一成形工程で、製品形状より大きい曲率半径として中間品を成形し、第二成形工程で、前記第一成形工程における曲率半径より小さく成形し、
    前記少なくとも1つの湾曲部以外の残部の箇所については、前記第一成形工程と前記第二成形工程で金型の曲率半径を変えずに成形して、成形品全体を製品形状又は略製品形状とすることを特徴とする形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
  2. 前記製品形状と前記第一成形工程で成形された中間品形状における湾曲部の長手方向の稜線の線長を、それぞれL’[mm]、L[mm]としたときに、
    1<L’/L<1.1
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
  3. 前記第一成形工程がドロー成形又はフォーム成形であり、前記第二成形工程が製品形状に成形するリストライク工程であることを特徴とする請求項1又は2記載の形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
  4. 前記第一成形工程及び前記第二成形工程が、ドロー成形又はフォーム成形であり、前記第二成形工程の後に製品形状に成形するリストライク工程を有することを特徴とする請求項1又は2記載の形状凍結性に優れる多段プレス成形方法。
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