JP6281670B1 - プレス部品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

引張強度1180MPa以上のブランク8における、湾曲部外側に成形される部分をブランクホルダ73およびダイ71により挟んで保持するとともに、ブランク8の天板11に成形される部分をパッド74およびパンチ72で挟んで保持する第1の工程と、曲げ型75により、湾曲部1aの内側の縦壁14,凹稜線17およびフランジ15を曲げ成形することによって、ブランク8における、プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分の近傍に、湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分へのブランク8の流入量を増加する材料流入促進部を、一つまたは二つ以上形成する第2の工程と、ダイ71をブランクホルダ73が配置されている方向に動かして、湾曲部1aの外側の縦壁12,凹稜線16およびフランジ13を絞り成形する第3の工程を経て、L型プレス部品をしわや割れを発生することなく製造する。

Description

本発明は、プレス部品の製造方法および製造装置に関する。具体的には、本発明は、ハット断面を有するとともに平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することによりL型の形状を一部または全部に有するプレス部品の製造方法および製造装置に関する。
自動車の車体は、ブランク(以降の説明ではブランクが鋼板である場合を例にとる)をプレス成形して得られる複数の骨格部材により構成される。これらの骨格部品は、自動車の衝突安全を確保するために、極めて重要な部品である。例えばサイドシル,クロスメンバー,フロントピラー等が骨格部材として知られる。
骨格部材の多くは、その一部または全部にハット断面を有する。ハット断面は、天板と、2つの縦壁と、2つの凹稜線と、2つのフランジにより構成される。2つの縦壁は天板の両側につながる。2つの凹稜線は、2つの縦壁にそれぞれつながる。2つのフランジは、2つの凹稜線にそれぞれつながる。高強度化が、衝突安全性能の向上および車体の軽量化を図るため、骨格部材に求められる。
図16は、ハット断面を有するとともに平面視および側面視で長手方向へ真っ直ぐな形状を有する骨格部材0の一例(例えばサイドシル)を示す斜視図である。図17は、ハット断面を有する骨格部材の一例であるフロントピラー0−1の説明図であり、図17(a)は斜視図、図17(b)は平面図である。さらに、図18は、ハット断面を有するとともに平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することによりL型の形状を有する部品(本明細書では「L型プレス部品」とも言う)1を示す斜視図である。
本明細書において「平面視で」とは、部材における最も広い平面状の部分である天板に直交する方向から骨格部材を見ることを意味する。具体的には、図17(a)においては白抜き矢印方向から骨格部材0−1を見ることを意味し、図17(b)においては紙面に直交する方向から骨格部材0−1を見ることを意味する。
図16に例示する骨格部材0は長手方向へ略真っ直ぐな形状を有する。これに対し、フロントピラー0−1は、図17(a),図17(b)に示すように、平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することによりL型の形状を有する。
フロントピラー0−1は、図18に示すように、その下部0−2にハット断面を有するとともに平面視で長手方向へL型に湾曲した形状を含む。具体的には、フロントピラー0−1は、天板11と、天板11の両側につながる2つの縦壁12,14と、2つの縦壁12,14それぞれにつながる2つの凹稜線16,17と、2つの凹稜線16,17それぞれにつながる2つのフランジ13,15とにより構成されるハット型の断面を有する。また、フロントピラー0−1は、長手方向へ湾曲する湾曲部1aを有することにより平面視でL型に湾曲した形状を一部に有する。
骨格部材0は、長手方向へ略真っ直ぐな形状を有するため、主としてブランクに曲げ成形を行うことにより製造できる。骨格部材0は、断面の周長が長手方向について大きく変化しない。このため、骨格部材0は、ブランクが伸び性の低い高強度鋼板により構成されていても、プレス加工時に割れやしわが発生し難く、成形が比較的容易である。
特許文献1には、ハット断面を有するプレス部品を曲げ成形する方法が開示される。特許文献1により開示された方法は、ハット断面を有するものの長手方向へ略真っ直ぐな形状を有するプレス部品を製造する。
図19は、曲げ成形により製造されたL型プレス部品1を示す斜視図である。
特許文献1により開示された方法により図18に示すL型プレス部品1を曲げ成形すると、図19に示すように、しわが湾曲部1aの外側のフランジ部(A部)に発生する。このため、L型プレス部品1は、一般的に絞り成形のプレス加工により成形される。絞り成形では、ブランクの流入量を制御してしわの発生を抑制するため、ダイおよびパンチに加えてブランクホルダを用いてブランクを成形する。
図20は、L型プレス部品2を示す説明図であり、図20(a)は斜視図、図20(b)は平面図である。図21は、絞り成形の場合のブランク3の形状とブランク3の中のしわ押さえ領域Bを示す平面図である。図22(a)〜図22(d)は、絞り成形のための金型の構造と絞り成形の過程を示す断面図である。さらに、図23は、絞り成形された絞りパネル5の斜視図である。
例えば、図20に示すL型プレス部品2を絞り成形により成形するために、図22(a)〜図22(d)に示すように、ダイ41、パンチ42およびブランクホルダ43を用いる。
先ず、図22(a)に示すように、ブランク3をパンチ42およびブランクホルダ43とダイ41との間に配置する。
次に、図22(b)に示すように、ブランク3の周囲のしわ押さえ領域B(図21のハッチング部)をブランクホルダ43とダイ41により挟んで強く保持する。次に、図22(c)に示すように、ダイ41を相対的にパンチ42の方向へ移動する。
そして、図22(d)に示すように、最終的にダイ41でブランク3をパンチ42に押し付けてブランク3を加工する。このようにして、図23に示す絞りパネル5に成形する。
絞り成形の際、ブランク3の周囲のしわ押さえ領域Bは、ブランクホルダ43とダイ41により挟まれて強く保持される。このため、ブランク3におけるしわ押さえ領域Bの内側の領域は、成形時に張力が負荷された状態で伸ばされる。
これにより、しわの発生を抑制しながら絞りパネル5を成形できる。成形された絞りパネル5は、その周囲の不要な部分を切り落とされ、図20(a)および図20(b)に示すL型プレス部品2が製造される。
絞り成形によるプレス加工によれば、L型プレス部品2が有する複雑な形状を成形できる。しかし、図21に示すように、ブランク3の周囲に大きなしわ押さえ領域Bを設ける必要がある。このため、ブランク3を絞りパネル5に成形した後に、不要な部分として切断して除去する部分が増加し、材料の歩留まりが低下して製造コストが上昇する。
また、この絞りパネル5を成形する過程では、図20(a)に示す縦壁2−2,2−4が同時に成形される。このため、成形の過程で天板2−1に成形される部分のブランク3があまり流入せず、図22(b)〜図22(d)に示すように縦壁2−2,2−4は天板2−1の両側からブランク3が流入することにより、成形される。
特に、絞りパネル5における平面視でL字状に湾曲する湾曲部5aの内側のフランジ(図23のD部)は、いわゆる伸びフランジ成形と呼ばれる成形状態になる。これにより、割れが、ブランク3が伸び性の低い高強度鋼板からなる場合には、発生する。特に引張強度が590MPa以上の高強度鋼板は伸びが少ないため、D部での割れを発生しないで加工することはできない。
一方、図20(a)における湾曲部2aの外側の縦壁2−2と天板2−1とが会合する角部(図23のC部)では、外側へ大きく張り出した形状であるため、ブランク3が大きく伸ばされ、これにより、割れが伸び性の低い高強度鋼板では発生する。
より詳しく説明する。図24は、絞り成形における材料の流入を説明する平面図である。
絞りパネル5を成形する際には、湾曲部1aの外側の縦壁12と内側の縦壁14を同時に成形する。このため、天板11に成形される部分のブランク3はあまり流入せず、図24に示すように、縦壁12,14は、天板11の両側から材料が流入することにより、成形される。
特に、湾曲部1aの内側に成形される部分(図23,24のD部)のブランク3は、湾曲部1aの内側から外側へ移動し、湾曲部1aの半径方向へ大きく伸ばされる。「伸びフランジ成形」と呼ばれる成形状態である。このため、割れが伸び性の低い高強度鋼板では発生する。
一方、図23のC部は、湾曲部1aの外側の角部で外側へ大きく張り出した形状を有するため、ブランク3が大きく伸ばされる。これにより、C部でもD部と同様に、割れが伸び性の低い高強度鋼板では発生する。
以上の理由により、従来は、伸び性の低い高強度鋼板、特に引張強度が590MPa以上の高強度鋼板からなるブランク3をL型プレス部品2の素材に用いることはできず、伸び性に優れた比較的低強度の鋼板をブランク3に用いていた。このため、所定の強度を確保するためにブランク3の板厚を増加せざるを得ず、車体の軽量化の要請に反していた。
特許文献2には、ブランクにおけるL型の湾曲部の内側に成形される部分に板厚方向へ突出する余肉部を形成した後に、この余肉部を形成されたブランクにプレス成形を行って余肉部を押し潰しながら、L型プレス部品を製造する方法が開示されている。
特許文献2により開示された方法では、ブランクにおける板厚方向へ突出した余肉部をプレス成形により押し潰す必要がある。このため、ブランクが伸び性に優れた比較的低強度の鋼板である場合には割れを生じずに成形可能であるが、ブランクが伸び性の低い高強度鋼板、特に引張強度が590MPa以上の高強度鋼板である場合には割れがプレス成形時に不可避的に発生する。
本発明者らは、特許文献3により、引張強度が590MPa以上の高強度鋼板からなるブランク3にプレス成形を行っても、しわや割れを発生させずに歩留まり良く、L型プレス部品を製造できる発明を開示した。この発明は、後述する図1(a)〜図1(e)に示すように、下記第1〜3の工程を経て、L型プレス部品1を製造する。
第1の工程:パンチ72およびブランクホルダ73と、パッド74、ダイ71および曲げ型75との間にブランク8を配置した後、ブランク8における天板11に成形される部分を、パッド74およびパンチ72により挟んで保持するとともに、ブランク8における天板11に成形される部分より湾曲部1aの外側になる部分をブランクホルダ73およびダイ71に挟んで保持する(図1(a)および図1(b)参照)。
第2の工程:第1の工程の後、曲げ型75をパンチ72が配置されている方向へ相対的に移動してブランク8を加工することにより、湾曲部1aの内側の縦壁14と、凹稜線17およびフランジ15を成形する(図1(c)参照)。
第3の工程:第2の工程の後、ブランク8をブランクホルダ73およびダイ71により挟んで保持したまま、ダイ71とブランクホルダ73をブランク8に対してブランクホルダ73が配置されている方向へ相対的に移動してブランク8を加工することにより、湾曲部1aの外側の縦壁12、凹稜線16およびフランジ13を成形する(図1(d)参照)。そして、パッド74、ダイ71および曲げ型75を上昇することにより、成形されたプレス部品1を取り出す(図1(e)参照)。
第2の工程では、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ15を成形するものの、湾曲部1aの外側の縦壁12、凹稜線16およびフランジ13は成形しない。このため、成形中のブランク8は湾曲部1aの内側からのみ引っ張られ、ブランク8における天板11に成形される部分は湾曲部1aの内側へ流入する。
このため、第2の工程では、図22に示す絞り成形とは異なり、ブランク8における湾曲部1aの内側に成形される部分は、成形の過程で湾曲部1aの内側から外側へあまり大きく移動しない。
さらに、ブランク8における長手方向の先端が湾曲部1aの内側に流入することによりブランク8の全体が曲げられるため、湾曲部1aの内側のフランジ15は圧縮された状態となる。このため、成形時の湾曲部1aの内側のフランジ15の伸び量は、絞り成形に比べて、大幅に低減される。
また、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ15の成形過程では、天板11に成形される部分とフランジ13に成形される部分も湾曲部1aの内側に流入するため、長手方向へ縮んで圧縮応力が残った状態になる。
このため、湾曲部1aの外側の縦壁12と天板11との会合部である角部も、圧縮応力が残存した状態から成形される。これにより、圧縮応力のない状態から成形される絞り成形に比べて、必要とされるブランクの伸び性が小さくて済む。
このため、絞り成形では高強度の金属板(例えば引張強度が590MPa以上の高張力鋼板)では割れが発生する湾曲部1aの内側のフランジ15、および湾曲部1aの外側の縦壁12と天板11との会合部である角部におけるブランク8の伸びを小さく抑制できる。このため、伸び性の低い高強度の金属板をブランク8として用いても割れなく成形できる。
さらに、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ15は、曲げ型75およびパンチ72により曲げ成形される。このため、湾曲部1aの内側や長手方向の先端部分に成形される部分に、絞り成形では必ず設けるしわ押さえ領域を、設ける必要がない。この分だけブランク8を小さくでき、材料の歩留まりを高めることもできる。
特開2006−015404号公報 特開昭64−66024号公報 国際公開第2014/106932号パンフレット
本発明者らは、L型プレス部品の成形性をいっそう高めるために鋭意検討を重ねた結果、特許文献3により開示された第2の工程によりブランク8に曲げ成形によるプレス加工を行っても、成形不良を生じずにL型プレス部品1を製造することができない場合があることが判明した。
このような場合として、例えば、
(a)ブランク8が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなる場合、
(b)L型プレス部品1の高さ(縦壁12,14の製品高さ方向への投影距離)が70mm以上と高い場合、
(c)L型プレス部品1の凹稜線16,17の曲率半径Rが10mm以下と小さい場合、または、
(d)L型プレス部品1における湾曲部1aの平面視での曲率半径Rが100mm以下と小さい場合
が挙げられる。これらの場合には、特許文献3により開示された第2の工程において湾曲部1aの内側のフランジ15に割れが生じる。
また、(e)ブランク8が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、L型プレス部品1の高さが55mm以上であること、L型プレス部品1の凹稜線16,17の曲率半径Rが15mm以下であること、または、L型プレス部品1における湾曲部1aの内側の曲率半径Rが140mm以下であることのうちの少なくとも二つを満足する場合にも、特許文献3により開示された第2の工程において湾曲部1aの内側のフランジ15に割れが生じる。
本発明は、特許文献3により開示された発明の成形限界を高め、特許文献3の第2の工程における新規な課題を解決するためになされたものである。本発明は、上記(a)〜(e)のいずれかに該当する場合に、上記第2の工程によるプレス加工を行っても、湾曲部1aの内側のフランジ15における割れを生じることなくL型プレス部品1を製造できる製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A〜Dが得られ、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
(A)湾曲部1aの内側の縦壁14を成形する第2の工程による成形時には、ブランク8における、天板11の延設方向の端部に成形される部位(L型の下に位置する部分)が湾曲部1aの内側の縦壁14に成形される部位へ向けて流入する。これにより、ブランク8が湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部位へ供給される。
このため、ブランク8における、湾曲部1aの内側の縦壁14に成形される部位への、ブランク8における、天板11の延設方向の端部に成形される部位の流入量を高めることにより、湾曲部1aの内側のフランジ15での割れを抑制でき、上記第2の工程の成形限界を高めることができる。
(B)プレス加工の際に、湾曲部1aの内側の縦壁14に成形される部位へ流入可能なブランク8の限界量は、ブランク8の流入方向の断面の成形前後におけるフランジ15の断面周長の変化量によって、幾何学的に決定される。この限界量が湾曲部1aの内側の縦壁14を成形する第2の工程の成形限界になる。
(C)ブランク8における、L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分に並んで(ブランク8における、プレス部品1に成形される領域の望ましくは外側の領域)、例えばビードといった材料流入促進部を第2の加工時にともに成形することによって、ブランク8における、天板11の延設方向の端部に成形される部位(L型の下に位置する部分)が、ブランク8における、湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部位へ流入する量を増加できる。
(D)材料流入促進部の形状を、材料流入方向(プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15の変形の最大主ひずみ方向)の線長差を確保できる形状とすることにより、材料の流入量を増加でき、上記第2の工程の成形限界を高めることができる。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)パンチおよびブランクホルダと、パッド、ダイおよび曲げ型との間に配置されたブランクに、下記第1〜3の工程を含むプレス加工を行うことによって、長手方向に延在する天板と、該天板の両側につながる2つの縦壁と、該2つの縦壁それぞれにつながる2つの凹稜線と、該2つの凹稜線それぞれにつながる2つのフランジとにより構成されるハット断面を有するとともに、前記天板に直交する平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することにより前記平面視でL型の形状を一部または全部に有するプレス部品を製造する方法であって、
下記条件1および2を満足する、プレス部品の製造方法;
第1の工程:前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を前記パッドおよび前記パンチにより挟んで保持するとともに、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分より前記湾曲部の外側に成形される部分を前記ブランクホルダおよび前記ダイにより挟んで保持する。
第2の工程:前記第1の工程の後に、前記曲げ型を前記パンチが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクに曲げ成形によるプレス加工を行うことにより、前記湾曲部の内側の縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとを成形する。
第3の工程:前記第2の工程の後に、前記ブランクを該ブランクホルダおよび該ダイにより挟んで保持したまま、前記ダイおよび前記ブランクホルダを前記パンチが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクに絞り成形によるプレス加工を行うことにより、前記湾曲部の外側の縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとを成形する。
[条件1]前記第2の工程により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分に並んで、材料流入促進部を一つ以上形成する。ただし、前記材料流入促進部は、前記ブランクが前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分へ流入する量を増加する。
[条件2]
前記材料流入促進部は、前記天板に直交する平面視で前記湾曲部の内側の中央位置に接する直線と平行でかつ前記天板に直交する方向に沿う断面における断面周長が、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジから離れるにつれて増加する断面形状を有する。
(2)下記条件3または4を満足する、1項に記載のプレス部品の製造方法。
[条件3]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であることのうちの少なくとも一つを満足する。
[条件4]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であることのうちの少なくとも二つ以上を満足する。
(3)前記材料流入促進部は、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に形成される、1または2項に記載のプレス部品の製造方法。
(4)前記材料流入促進部は、前記断面周長が部分的に一定である1〜3項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(5)前記材料流入促進部は、前記フランジと前記天板との並び方向で前記フランジから前記天板に向かう方向へ向けて凸となる凸ビード、または前記フランジと前記天板との並び方向で前記天板から前記フランジに向かう方向へ向けて凸となる凹ビードである、1〜4項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(6)前記材料流入促進部は、前記断面周長が段階的に増加する1〜5項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(7)前記材料流入促進部は、前記第2の工程の終了時における前記湾曲部の内側の中央位置に接する直線と水平面内で直交する直線を含む垂直断面において、前記ブランクにおける前記湾曲部の内側の凹稜線および前記フランジの会合点に成形される部位と、前記ブランクの縁部とを結ぶことにより得られる外形を有する、1〜6項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(8)前記第3の工程の後に下記第4の工程を含む、1〜7項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法:
第4の工程;前記第3の工程により得られた成形品の周囲の一部に残存する、前記材料流入促進部の全部または一部を含む不要部分を除去する。
これらの本発明に係るプレス部品の製造方法では、
パンチは、天板、湾曲部の内側に位置する縦壁、この縦壁につながる凹稜線およびこの凹稜線につながるフランジそれぞれの板厚裏面側の形状を含む形状を有すること、
ブランクホルダは、湾曲部の外側に位置する縦壁につながる凹稜線およびこの凹稜線につながるフランジの板厚裏面側の形状を含む形状を有すること、
パッドは、ブランクホルダに対向するように天板の板厚表面側の形状を含む形状を有し、
ダイは、湾曲部の外側に位置する縦壁、この縦壁につながる凹稜線およびこの凹稜線につながるフランジそれぞれの板厚表面側の形状を含む形状を有すること、
曲げ型は、湾曲部の内側に位置する縦壁、この縦壁につながる凹稜線、およびこの凹稜線につながるフランジそれぞれの板厚表面側の形状を含む形状を有すること
がそれぞれ望ましい。
これらの本発明に係るプレス部品の製造方法では、ブランクは、予加工された金属板であってもよい。
これらの本発明に係るプレス部品の製造方法では、プレス部品の第3の工程の終了後に、ブランクホルダをパンチに対して相対的に動かないように固定して、ブランクホルダが成形されたプレス部品をダイに押し付けて加圧しないようにして、ブランクホルダとパンチに対し、パッドとダイおよび曲げ型とを相対的に離すことによりプレス部品を金型の中から取り出せばよい。
これらの本発明に係るプレス部品の製造方法では、ブランクは、板厚が0.8mm以上でかつ3.2mm以下であることが望ましい。
これらの本発明に係るプレス部品の製造方法では、平面視で天板の幅は30mm以上400mm以下であり、プレス部品の高さである縦壁の製品高さ方向への投影距離は300mm以下であるとともに、プレス部品における湾曲部の内側の曲率半径が平面視で5mm以上であることが望ましい。
(9)パンチおよびブランクホルダと、該パンチおよびブランクホルダに対向して配置されるパッド、ダイおよび曲げ型とを備え、ブランクに下記第1〜3の工程を含むプレス加工を行うことによって、長手方向に延在する天板と、該天板の両側につながる2つの縦壁と、該2つの縦壁それぞれにつながる2つの凹稜線と、該2つの凹稜線それぞれにつながる2つのフランジとにより構成されるハット型の断面を有するとともに前記天板に直交する平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することにより前記平面視でL型の形状を一部または全部に有するプレス部品を製造するプレス部品の製造装置であって、
下記条件1および2を満足する、プレス部品の製造装置;
第1の工程:前記パッドは、前記パンチとともに、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を挟んで保持するとともに、前記ブランクホルダは、前記ダイとともに、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分より前記湾曲部の外側に成形される部分を挟んで保持する。
第2の工程:前記第1の工程の後に、前記曲げ型は、前記パンチが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクを加工することにより、前記湾曲部の内側の縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとを成形する。
第3の工程:前記第2の工程の後に、前記ブランクホルダが前記ダイとともに前記ブランクを挟んで保持したまま、前記ダイと前記ブランクホルダが、該ブランクホルダに対して該ブランクホルダが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクを加工することにより、前記湾曲部の外側の縦壁と該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジを成形することによって、前記プレス部品を成形する。
[条件1]前記曲げ型および前記パンチは、前記第2の工程により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分に並んで材料流入促進部を一つ以上形成する材料流入促進部形成機構を備える。ただし、前記材料流入促進部は、前記ブランクが前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分へ流入する量を増加する。
[条件2]前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記天板に直交する平面視で前記湾曲部の内周の中央位置に接する直線と平行でかつ前記天板に直交する方向に沿う断面における断面周長が、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジから離れるにつれて増加するように、形成する。
(10)さらに、下記条件3または4を満足する、9項に記載のプレス部品の製造装置。
[条件3]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であることのうちの少なくとも一つを満足する。
[条件4]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であることのうちの少なくとも二つ以上を満足する。
(11)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に形成する、9または10項に記載のプレス部品の製造装置。
(12)前記材料流入促進部は、前記断面周長が部分的に一定である9〜11項のいずれかに記載さのプレス部品の製造装置。
(13)前記材料流入促進部は、前記フランジと前記天板との並び方向で前記フランジから前記天板に向かう方向へ向けて凸となる凸ビード、または前記フランジと前記天板との並び方向で前記天板から前記フランジに向かう方向へ向けて凸となる凹ビードである、9〜12項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(14)前記材料流入促進部形成機構は、少なくとも、前記第1の工程の終了時に前記ブランクが接触する領域に設けられる、9〜13項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(15)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記断面周長が段階的に増加するように、形成する、9〜14項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(16)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記第2の工程の終了時における前記湾曲部の内側の中央位置に接する直線と水平面内で直交する直線を含む垂直断面において、前記ブランクにおける前記湾曲部の内側の凹稜線および前記フランジの会合点に成形される部位と、前記ブランクの縁部とを結ぶことにより得られる外形を有するように、成形する、9〜15項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(17)前記第3の工程の後に下記第4の工程を行う装置を備える、9〜16項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置:
第4の工程;前記第3の工程により得られた成形品の周囲の一部に残存する、前記材料流入促進部の全部または一部を含む不要部分を除去する。
これらの本発明に係るプレス部品の製造装置では、成形完了後の離型時に、ブランクホルダをパンチに対して相対的に動かないように固定するロック機構を備えることが望ましい。
これらの本発明に係るプレス部品の製造装置では、パッドおよびダイを昇降自在に支持するとともに曲げ型と一体に構成されるサブベースと、サブベースを出入り自在に支持するダイベースとを有することが望ましい。
これらの本発明に係るプレス部品の製造装置では、ダイを昇降自在に支持するとともに曲げ型と一体に構成されるサブベースと、パッドを昇降自在に支持するとともにサブベースを出入り自在に支持するダイベースとを有することが望ましい。
本発明により、前記条件3または4を満足する場合に特許文献3により開示された第2の加工を行っても、材料の流入量を特許文献3により開示された発明よりも増加して成形限界を高めることができ、これにより、L型プレス部品を、湾曲部の内側のフランジに割れを生じずに歩留まり良く、製造できる。
図1(a)〜図1(e)は、本発明の実施形態に係る製造装置の構成および成形工程の概略を示す断面図である。 図2(a)〜図2(e)は、本発明の実施形態に係る他の金型の構成例と成形工程を示す断面図である。 図2Aは、本発明の実施形態に係る製造装置の構成例を部分的に示す説明図である。 図2Bは、本発明の実施形態に係る製造装置によりプレス成形された中間成形品の湾曲部の内側の縦壁を成形する第2の工程の一例を部分的に示す説明図である。 図2Cは、本発明の実施形態に係る製造装置における材料流入促進部形成機構および凹稜線の形成部と、ブランクとの位置関係を示す説明図である。 図2Dは、材料流入促進部形成機構が設けられていない従来のパンチにおける、図2AのA−A断面に相当する断面を示す説明図である。 図2Eは、本発明の実施形態に係る製造装置における材料流入促進部形成機構および凹稜線形成部とブランクとの位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。 図2Fは、B,C,D断面でのパンチのフランジ形成部における、従来のパンチに対する断面周長差を示すグラフである。 図2Gは、材料流入促進部形成機構が設けられたパンチにおけるA−A断面を示す説明図である。 図2Hは、本発明の実施形態に係る製造装置における材料流入促進部形成機構および凹稜線形成部とブランクとの位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。 図2Iは、曲げ型およびパンチに、凹部および凸部により構成される材料流入促進部形成機構を設けることにより、ブランクのa部での割れが防止される理由を示す説明図である。 図2J(a)〜図2J(f)は、パンチに形成された、各種の材料流入促進部形成機構の構成要素の形状例を示す説明図である。 図3(a)は、ブランクの成形前の形状を示す平面図であり、図3(b)はブランクの成形過程での形状を示す平面図である。 図4は、本発明の実施形態における材料の流れを示す平面図である。 図5(a)〜図5(d)は、本発明で用いる金型の一例を示す説明図である。 図6(a)〜図6(d)は、本発明で用いる金型の他の一例を示す説明図である。 図7(a)〜図7(d)は、本発明で用いる金型の他の一例を示す説明図である。 図8は、図7に示す金型の分解斜視図である。 図9(a)〜図9(c)は、比較例1〜7と本発明例1〜7において成形するプレス部品を示す、それぞれ、正面図、平面図、右側面図である。 図10は、比較例1〜7、本発明例1〜7で用いたブランクの形状を示す平面図である。 図11は、比較例1〜7で用いた金型の構成を示す斜視図である。 図12は、本発明例8,9で用いたブランクの形状を示す平面図である。 図13(a)〜図13(c)は、本発明例8,9で成形した中間成形品の形状を示す、それぞれ、正面図、右側面図、平面図である。 図14(a)〜図14(c)は、本発明例8,9で成形したプレス部品の形状を示す、それぞれ、正面図、右側面図、平面図である。 図15は、本発明例8,9で本発明により成形を行うための金型の構成を示す斜視図である。 図16は、ハット断面を有するとともに平面視および側面視で長手方向に真っ直ぐな形状を有する骨格部材の一例の斜視図である。 図17は、ハット断面を有する骨格部材であるフロントピラーの説明図であり、図17(a)は斜視図、図17(b)は平面図である。 図18は、L型プレス部品を示す斜視図である。 図19は、曲げ成形により製造されたL型プレス部品を示す斜視図である。 図20は、L型プレス部品を示す説明図であり、図20(a)は斜視図、図20(b)は平面図である。 図21は、絞り成形の場合のブランクの形状とブランクの中のしわ押さえ領域を示す平面図である。 図22(a)〜図22(d)は、絞り成形のための金型の構造と絞り成形の過程を示す断面図である。 図23は、絞り成形された絞りパネルの斜視図である。 図24は、絞り成形における材料の流入を説明する平面図である。
本発明により製造されるL型プレス部品の一例と、本発明に係るL型プレス部品の製造方法および製造装置の一例を、順次説明する。
1.L型プレス部品1
図18にその形状を例示するように、L型プレス部品1は、ハット断面と、平面視で長手方向へL型に湾曲した湾曲部1aとを有する。
ハット断面は、天板11と、縦壁12,14と、凹稜線16,17と、フランジ13,15とにより構成される。縦壁12,14は天板11の両側につながる。凹稜線16,17はそれぞれ縦壁12,14につながる。フランジ13,15はそれぞれ凹稜線16,17につながる。L型プレス部品1は、湾曲部1aを有することにより、平面視でL型の形状を有する。
L型プレス部品1は、板厚が0.8mm以上3.2mm以下の板厚と、590MPa以上、特に1180MPa以上1800MPa以下の引張強度とを有する高張力鋼板からなるブランクを素材とする。この高張力鋼板は、自動車用の骨格部材として一般的に用いられる。
ブランクの引張強度は、自動車用の骨格部材としての強度などの性能を確保するために、200MPa以上であり、好ましくは1800MPa以下である。特に、ブランクの引張強度が、500MPa以上、好ましくは590MPa以上、さらに好ましくは1180MPa以上であると、ブランクの板厚を薄くすることができ、L型プレス部品1を軽量化できる。
ブランクにこれらの高張力鋼板を用いる場合、平面視での天板11の幅が広過ぎると、湾曲部1aの内側の縦壁14およびフランジ部15を成形する際に、ブランク8の流入抵抗が増加し、ブランク8の湾曲部1aの内側への流入が不十分になる。このため、平面視での天板11の幅は400mm以下であることが望ましい。一方、平面視での天板11の幅が狭過ぎると、ガスクッション等のパッド74の加圧装置を小さくしなければならないためにパッド74の加圧力を確保できなくなる。このため、天板11の幅は30mm以上であることが望ましい。
側面視での縦壁12,14の高さである縦壁12,14の製品高さ方向への投影距離が高過ぎると、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ部15を成形する際にブランク8の流入抵抗が増加し、湾曲部1aの内側へのブランク8の流入が不十分になる。このため、縦壁12,14の高さは300mm以下であることが望ましい。
縦壁12,14の高さは70mm以上であることが望ましい。縦壁12,14の高さが70mm未満であると、本発明によらずに特許文献3により開示した成形工法により、フランジ15の割れを生じることなくL型プレス部品1を成形できるからである。
L型プレス部品1の凹稜線16,17の曲率半径が小さ過ぎると、湾曲部1aの内側のフランジ部15を成形する際に、湾曲部1aの内側へのブランク8の流入が不十分になる。このため、凹稜線16,17の曲率半径は側面視で5mm以上であることが望ましい。
平面視で湾曲部1aの内側の縦壁14の曲率半径は100mm以下であることが望ましい。この曲率半径が100mm超であると、本発明によらずに特許文献3により開示した成形工法により、フランジ15の割れを生じることなくL型プレス部品1を成形できるからである。
凹稜線16,17の曲率半径は10mm以下であることが望ましい。凹稜線17の曲率半径が10mm超であると、本発明によらずに特許文献3により開示した成形工法により、フランジ15の割れを生じることなくL型プレス部品1を成形できるからである。
ブランク8が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、L型プレス部品1の高さである縦壁12,14の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、L型プレス部品1の凹稜線16,17の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または、L型プレス部品1における湾曲部1aの内側の曲率半径が平面視で140mm以下であることのうちの少なくとも二つ以上を満足することが望ましい。この何れか一つ、あるいは何れも満足しない場合には、本発明によらずに特許文献3により開示した成形工法により、フランジ15の割れを生じることなくL型プレス部品1を成形できるからである。
さらに、L型プレス部品1の板厚の減少率:{(板厚最大値−板厚最小値)/板厚最大値}×100は15%以下である。このように低い板厚減少率を有するL型プレス部品1は、これまで存在しない。自動車車体の構造部材であるL型プレス部品1の板厚減少率がこのように低いことから、ブランクとして引張強度が200MPa以上の鋼板、好ましくは引張強度が590MPa以上の高張力鋼板、さらに好ましくは引張強度が1180MPa以上の超高張力鋼板を用いることにより、ブランクの板厚を低減でき、優れた衝突安全性能を有するL型プレス部品1の軽量化を図ることができる。なお、L型プレス部品1の引張強度は実用的には1800MPa以下である。
2.L型プレス部品1の製造方法および製造装置
図1(a)〜図1(e)は、本発明の実施形態に係る製造装置の構成および成形工程の概略を示す断面図である。
本発明の実施形態では、ブランク8にプレス成形を行ってL型プレス部品1を成形するために、図1(a)〜図1(e)に示す金型を用いる。
この金型は、パンチ72およびブランクホルダ73と、パンチ72およびブランクホルダ73に対向して配置されるパッド74、ダイ71および曲げ型75と備える。
パンチ72は、L型プレス部品1の天板11、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ15それぞれの板厚裏面側の形状を含む形状を有する。
ブランクホルダ73は、湾曲部1aの外側の縦壁12、凹稜線16およびフランジ13の板厚裏面側の形状を含む形状を有する。
パッド74は、ブランクホルダ73に対向するように天板11の板厚表面側の形状を含む形状を有する。
ダイ71は、湾曲部1aの外側の縦壁12およびフランジ13それぞれの板厚表面側の形状を含む形状を有する。
さらに、曲げ型75は、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ15それぞれの板厚表面側の形状を含む形状を有する。
図2(a)〜図2(e)は、本発明の実施形態に係る他の金型の構成と成形工程を示す断面図である。
図1に示す金型との違いは、パンチ72に後述するロック機構76が装着されている点である。
ロック機構76は、パンチ72に対して出入り自在に配置されたピンにより構成される。ロック機構76は、成形開始から成形下死点まで(図2(a)〜図2(c))はパンチ72に完全に収容される。ロック機構76は、図2(d)に示す成形下死点においてブランクホルダ73側へ移動して突出し、ブランクホルダ73をパンチ72に固定する。
ロック機構76は、離型時にブランクホルダ73をパンチ72に固定した状態でダイ71、パッド74および曲げ型75を上昇させて離型する。このようにして、ロック機構76は、成形されたL型プレス部品1がパッド74の加圧力により損傷することを防ぐ。
ロック機構76として、パッド74と曲げ型75およびダイ71(絞り型)との成形完了後の成形下死点での位置関係を固定(保持)して離型する機構を用いてもよい。例えば、
(a)パッド74を曲げ型75と固定し、また同時にダイ71(絞り型)をパッド74または曲げ型75と固定して離型する、
(b)スぺーサーを挿入することによりブランクホルダ73とパッド74との成形下死点での間隔を固定して離型する、
(c)パッド74とダイ71(絞り型)の成形下死点での位置関係を固定(保持)して離型する
ことが例示される。
これらの金型を用いてブランクをL型プレス部品1に成形する。
ロック機構76は、プレス機の本体側に、例えば、ブランクホルダ73につながる、プレス機側のクッションピンの上昇を止める制御が可能であれば、ブランクホルダ−73の上昇を止めることができるため、パンチ72等の金型に設けなくてもよい。
図2Aは、本発明の実施形態に係る製造装置20の構成例を部分的に示す説明図である。なお、図2A〜図2Jでは、金型の構成要素およびブランクに図1,2で付けた符号とは異なる符合を付けるが、説明の便宜のためであり、金型の構成要素およびブランクは同じものを示す。
図2Aに示すように、製造装置20は、曲げ型21、ダイ22、ブランクホルダ27と、曲げ型21およびダイ22に対向して配置されるパンチ23とを備える。
製造装置20は、ダイ22、曲げ型21およびダイパッド26と、パンチ23およびブランクホルダ27との間に配置されたブランク24または予成形されたブランク(図示を省略する)に、冷間または温間でプレス加工を行うことによって、図18に示す外形を有するL型プレス部品1またはその中間成形品1−1を製造する。本明細書において、「中間成形品」とは、後述する材料流入促進部を除去する前のプレス成形品を意味する。中間成形品から材料流入促進部等の不要部分を除去することによりL型プレス成形品が得られる。
製造装置20は、上記条件1または2を満足する場合に好適に用いられる。上記条件1または2を満足する場合に、特許文献3における第2の加工を行うと、得られるL型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15に割れを生じるため、製造装置20を用いる有効性が得られるからである。
図2Bは、製造装置20によりプレス成形された中間成形品1−1の一例を部分的に示す説明図である。また、図2Cは、製造装置20における材料流入促進部形成機構25および凹稜線形成部23bと、ブランク24との位置関係を示す説明図である。
製造装置20は、特許文献3により開示された第2の工程による曲げ成形によるプレス加工を行うが、さらに、図2A,2Cに示すように、曲げ型21,パンチ23には、材料流入促進部形成機構25として、ブランク24に材料流入促進部19を形成するための凹部21a,凸部23aがそれぞれ形成されている。このように、材料流入促進部形成機構25は、曲げ型21に設けられた凹部21aおよびパンチ23に設けられた凸部23aにより構成される。
製造装置20は、図2Bに示すように、特許文献3により開示された第2の工程による曲げ成形によるプレス加工の際に、ブランク24における、L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分の近傍に並んで、材料流入促進部19を形成する。
図2B,2Cに示すように、材料流入促進部形成機構25は、材料流入促進部19を、ブランク24における、L型プレス部品1に成形される領域(図2C中のハッチング領域)の外側の領域に形成することが望ましい。これにより、L型プレス部品1に材料流入促進部19の痕跡を残さないことが可能になる。
しかし、材料流入促進部19の痕跡がL型プレス部品1に残存することが許容される場合には、材料流入促進部19を、ブランク24における、L型プレス部品1に成形される領域(図2C中のハッチング領域)の内側にかけて設けてもよい。
次に、材料流入促進部形成機構25を詳細に説明する。
図2Dは、材料流入促進部形成機構25が設けられていない従来のパンチ23−1における、図2AのA−A断面に相当する断面を示す説明図である。
図2Eは、製造装置20における材料流入促進部形成機構25および凹稜線形成部23bと、ブランク24との位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。
図2Fは、B,C,D断面でのパンチ23のフランジ形成部における、従来のパンチに対する断面周長差を示すグラフである。図2FのグラフのB,C,D断面では左側が従来工法の場合を示し、右側が本発明の実施形態の場合を示す。また、図2Fのグラフの下の断面は、B,C,D断面でのブランク24の形状を示す。
さらに、図2Gは、材料流入促進部形成機構25が設けられたパンチ23のA−A断面を示す。
上記条件1または2を満足する場合、従来のパンチ23−1を用いて湾曲部1aの内周側の縦壁14を成形する第2の加工によりブランク24にプレス加工を行うと、図2Dに示すa部で割れが発生する。
図2E,2Fに示すように、本発明の実施形態では、曲げ型21に設けられた凹部21aおよびパンチ23に設けられた凸部23aにより構成される材料流入促進部形成機構25を設けることにより、プレス成形された中間成形品1−1に材料流入促進部19を形成する。
材料流入促進部19は、B,C,D断面における断面周長が湾曲部1aの内面から離れるにつれて緩やかに増加するように、形成する。ここで、B,C,D断面は、L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15から離れるにつれて、天板11に直交する平面視で湾曲部1aの内側の湾曲周方向での中央位置(a部)に接する直線と平行でかつ前記天板に直交する方向に沿う断面(材料流入方向断面:L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15の変形の最大主ひずみ方向断面)である。この中央位置は、厳密な中央位置に限定されるものではなく、湾曲周方向の厳密な中央位置を含む所定の領域内であればよい。
材料流入促進部19の断面形状は、L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15から離れるにつれて、単調に増加する形状には限定されず、断面周長が部分的に一定であってもよい。
図2Fに示すように、材料流入促進部形成機構25を設けない従来の工法に比較して、本発明の実施形態では、B,C,D断面におけるパンチ23のフランジ形成部における、従来のパンチに対する断面周長差がいずれも増加する。
さらに、本発明の実施形態では、材料流入促進部形成機構25を、C断面における断面周長差がB断面における断面周長差よりも増加し、かつ、D断面における断面周長差がC断面における断面周長差よりも増加するように、設ける。
換言すると、本発明の実施形態では、B,C,D断面の断面線長差(流入量)を増加させる断面線長差となる形状を有する材料流入促進部形成機構25を、曲げ型21およびパンチ23に凹部21aおよび凸部23aとして、設ける。
材料流入促進部19は、例えば図2Gに示すように、第2の工程の終了時における湾曲部1aの内側の中央位置に接する直線と水平面内で直交する直線を含む垂直断面において、ブランク24における、湾曲部1aの内側の凹稜線17およびフランジ15の会合点に成形される部位と、ブランク24の縁部24aとを結ぶことにより得られる外形を有するように、形成することが例示される。
図2Hは、製造装置20における材料流入促進部形成機構25および凹稜線形成部23bと、ブランク24との位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。
以上説明したように、材料流入促進部形成機構25による材料の流入量の変化差分(図2Fにおける流入増加量(材料流入促進部形成機構を設けない従来工法による流入量に対する、本発明法による流入量の増加分)を意味する)は、ブランク24のa部から図2H中に太い矢印で示すように離れるにしたがって(B断面⇒C断面⇒D断面)、大きくなる。なお、ブランク24のa部での変化差分は、より割れを生じ易くなるために殆ど設けなくてよい。また、材料の流入量の変化差分を設ける領域は、平面視で成形前のブランク24の端縁の位置までとすればよい。
次に、材料流入促進部形成機構25の機能を説明する。
図2Iは、曲げ型21およびパンチ23に、凹部21aおよび凸部23aにより構成される材料流入促進部形成機構25を設けることにより、ブランク24のa部での割れが防止される理由を示す説明図である。
ブランク24のa部での割れの原因は、ブランク24における、a部の上部に位置する凹稜線17の周方向への高い張力Fである。本発明の実施形態では、材料流入促進部形成機構25を設けてプレス加工を行うことにより、a部よりも外側における材料の流入量を増加させる。これにより、a部の周囲からの材料の流入量が増加するため、a部への材料の流入量が増加する。
すなわち、材料流入促進部形成機構25により、ブランク24における湾曲部1aに成形される部分への材料の流入量が増加する。このため、この部分の変形の主応力方向は大きくは変化しないものの、この部分の変形量が低減される。
このようにして、材料流入促進部形成機構25を設けない場合よりも、ブランク24における、L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ17に成形される部分への材料の流入量が増加する。
このため、ブランク24における、a部の上部に位置する凹稜線17の周方向への張力Fが低減される。これにより、ブランク24における湾曲部1aに成形される部分の変形負荷が低減され、ブランク24のa部での割れが防止される。
図2J(a)〜図2J(f)は、パンチ23に形成された、各種の材料流入促進部形成機構25の構成要素の形状例を示す説明図である。
パンチ23に設ける材料流入促進部形成機構25の構成要素である凸部23aとして、図2J(a)に示すように、図2Gを参照しながら説明した、L型プレス部品1における天板11と同じ側へ向けて凸となる凸部を用いることができる。
図2J(b)に示すように、図2J(a)に示す凸部23aに替えて、L型プレス部品1の天板11と反対側へ向けて凸となる凹部23cを用いてもよい。この場合、曲げ型21に、凹部23cに対応する凸部を形成することは言うまでもない。
ブランク24が小さい場合には、図2J(c)に示すように、ブランク24が接触する範囲に凸部23aを形成すればよい。
また、図2J(d)に示すとともに上述したように、材料流入促進部19の痕跡がL型プレス部品1に残存することが許容される場合には、材料流入促進部19が、ブランク24における、L型プレス部品1に成形される領域(図2C中のハッチング領域)の内側にかけて設けられるように、凸部23aを形成してもよい。
図2J(e)に示すように、凸部23aを2つ以上設けてもよい。
さらに、図2J(f)に示すように、凸部23aは、ブランク12の板厚方向と平行な方向へ段差状に形成されていてもよい。
このように、材料流入促進部形成機構25は、ブランク24における、L型プレス部品1の長手方向端部1bに成形される部位の、ブランク24における、L型プレス部品11の湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分への材料の流入量を増加する材料流入促進部19を、一つまたは二つ以上形成する。
なお、図2J(a)〜図2(f)では、構成要素を明確にするために凸部23a,凹部23cがエッジを有するように描いているが、実際には材料の流入を妨げないように凸部23a,凹部23cのエッジは滑らかなR(曲線)とすることは言うまでもない。
本発明の実施形態が製造対象とするL型プレス部品1は、前述の条件1または2を満足するものであり、従来の特許文献3に記載の工法では、上記a部で割れを生じる。
図3(a)は、ブランク8の成形前の形状を示す平面図であり、図3(b)はブランク8の成形過程での形状を示す平面図である。さらに、図4は、本発明の実施形態における材料の流れを示す平面図である。なお、図3,4では、材料流入促進部19および材料流入促進部形成機構25を省略する。
図1(a)に示すように、図3(a)に示す形状のブランク8を、パンチ72およびブランクホルダ73と、パッド74およびダイ71および曲げ型75との間に配置する。
次に、図1(b)に示すように、ブランク8における天板11に成形される部分をパッド74およびパンチ72により挟んで加圧および保持するとともに、ブランク8における天板11に成形される部分より湾曲部1aの外側になる部分をブランクホルダ73およびダイ71により挟んで加圧および保持する。
次に、図1(c)に示すように、曲げ型75をパンチ72が配置されている方向に相対的に動かして、ブランク8を加工して湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ15を成形することにより、ブランク8を図3(b)に示す形状に成形する。
このとき、ブランク8は湾曲部1aの内側のみから引っ張れるため、パンチ72およびブランクホルダ73とパッド74およびダイ71に挟持される部分も湾曲部1aの内周側に流入して成形される。
このため、湾曲部1aの外側と内側の両方から引っ張られる絞り成形の場合(図24参照)とは異なり、図4に示すように、湾曲部1aの内側のフランジ(D部)では、ブランク8は、成形の過程で湾曲部1aの内側から外側にあまり大きく移動せず、さらに、ブランク8の長手方向の先端が湾曲部1aの内側に流入することによりブランク8の全体が曲げられる。そして、その曲げの内側になる湾曲部1aの内側のフランジ15(D部)は圧縮される。このため、成形時における湾曲部1aの内側のフランジ15(D部)の伸び量は、絞り成形に比べて大幅に低減する。
さらに、図1(d)に示すように、湾曲部1aの内側の縦壁14、凹稜線17およびフランジ部15の成形が終わった後に、ブランク8をブランクホルダ73およびダイ71により挟んで加圧および保持したまま、ダイ71およびブランクホルダ73をブランク8に対してブランクホルダ73が配置されている方向に相対的に動かして、ブランク8を加工して湾曲部1aの外側の縦壁12、凹稜線16およびフランジ13を成形する。このようにして、図18に示すL型プレス部品1を成形する。
このとき、湾曲部1aの内側の縦壁14およびフランジ15の成形過程では、天板11に成形される部分とフランジ13に成形される部分も湾曲部1aの内側に流入するため、長手方向へ縮んで圧縮応力が残った状態になる。このため、成形の過程で大きく伸ばされる湾曲部1aの外側の縦壁12と天板11との会合部である角部(図4のC部)も、圧縮応力が残った状態から外側へ張り出した形状に成形される。
したがって、圧縮応力のない状態から成形される絞り成形の場合に比べて、必要とされる材料の伸び性が小さくなる。その結果、伸び特性の低い高強度材(例えば590MPa以上の高張力鋼板)をブランク8として用いても、割れの発生を抑制して良好に成形することができる。
湾曲部1aの内側の縦壁14およびフランジ15の成形時には、曲げ型75により曲げ成形されるため、湾曲部1aの内周側の部分や長手方向の先端部分にしわ押さえ領域を設ける必要がない。このため、ブランク8を小さくすることができ、高い材料歩留まりで成形できる。
さらに、図2A〜2Cに示すように、曲げ型21およびパンチ23に設けられた材料流入促進部形成機構25によるプレス加工により、中間成形品1−1には、湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分への材料の流入量を増加する材料流入促進部19が少なくとも一つ形成される。
このため、本発明の実施形態によれば、図2Iを参照しながら説明したように、ブランク24における、L型プレス部品1の湾曲部1aの内側のフランジ15に成形される部分への材料の流入量が増加する。このため、ブランク24におけるa部の上部に位置する凹稜線17の周方向への張力Fを低減でき、これにより、ブランク24のa部での割れが防止される。
最後に、図1(e)に示すように、L型プレス部品1の成形が完了した後に、金型の中から成形後のL型プレス部品1を取り出す際には、例えばロック機構76により、ブランクホルダ73をパンチ72に対して相対的に動かないように固定する。
そして、ブランクホルダ73が成形後のL型プレス部品1をダイ71に押し付けて加圧しないようにして、ブランクホルダ73とパンチ72に対して、パッド74とダイ71および曲げ型75とを相対的に離してから、取り出す。これにより、成形後の中間成形品1−1を、加圧されたパッド74とブランクホルダ73とにより変形して損傷することなく、取り出すことができる。
その後、取り出された中間成形品1−1の周囲の一部に残存する、材料流入促進部19の全部または一部を含む不要部分を、適当な除去装置(例えば切断装置といったこの種の除去装置として慣用される装置)を用いて除去することにより、所望の形状を有する高強度のL型プレス部品1を製造することができる。
以上がL型プレス部品1の製造装置の概要であるが、金型の構造についてさらに詳しく説明する。
図5(a)〜図5(d)は、本発明で用いる金型の一例を示す説明図である。ロック機構76は図5〜7では省略してある。
この金型は、曲げ型75とダイ(絞り型)71とパッド74とをそれぞれダイベース77に直接支持させるとともに、それぞれがダイベース77に対して単独で駆動する。この金型は、曲げ型75や絞り型73を支持するフレーム等を用いないために全体を小型化できる。
図6(a)〜図6(d)は、本発明で用いる金型の他の一例を示す説明図である。
この金型は、サブベース75でパッド74とダイ71(絞り型)を抱える構造を有する。パッド74とダイ71(絞り型)の偏芯荷重を、曲げ型と一体のサブベース75で受けることにより、図5(a)〜図5(d)に示す金型より金型の変形を改善できる。
図7(a)〜図7(d)は、本発明で用いる金型の他の一例を示す説明図であり、図8は、この金型の分解斜視図である。
この金型は、サブベース75ではなくダイベース77にパッド74を組み込むことにより、サブベース75に掛かるパット74の荷重負担を回避できる。サブベースに掛かる垂直方向の荷重は一体の曲げ型から受けるだけになるため、図6(a)〜図6(d)に示す金型よりサブベースの金型の変形を改善できる。
図5(a)〜図5(d)、図6(a)〜図6(d)、図7(a)〜図7(d)に例示する金型は、いずれも、本発明に係る製造方法を実施するのに特に有効な構造を有する金型である。しかし、金型の変形を抑制する構造は金型のコストやサイズに影響する。このため、製造する部品の大きさや形状、さらには使用するブランクの強度などを勘案して金型に必要な剛性を考慮し、どの構造を有する金型を用いるかを適宜決定すればよい。
図9(a)〜図9(c)は、比較例1〜7と本発明例1〜7において成形するプレス部品1を示す、それぞれ正面図、平面図、右側面図である。図10は、比較例1〜7、及び本発明例1〜7で用いたブランク8の形状を示す平面図である。さらに、図11は、比較例1〜7で用いた金型の構成を示す斜視図である。
表1に、比較例1〜7および本発明例1〜9の結果をまとめて示す。
Figure 0006281670
比較例1〜7および本発明例1〜7では、図9(a)〜図9(c)に示す形状のL型プレス部品1を、ブランクとして引張強度が1180,1470MPaで板厚が1.2mmの高張力鋼板を用い、製造方法として従来技術である絞り成形法,本発明法により、それぞれ製造した。
なお、表1における成形状態では、○は割れ発生なしを示し、×は割れ発生ありまたはネッキング発生を示す。
比較例1〜7は、引張強度が1180MPaのブランクを用いた絞り成形法を用いたが、いずれも、割れを生じてしまい、図9(a)〜図9(c)に示す形状のL型プレス部品1を成形できなかった。これに対し、本発明例1〜7では、引張強度が1180,1470MPaのブランクを用いた場合でも、割れを生じることなく良好にL型プレス部品1を成形できた。
図12は、本発明例8,9で用いたブランクの形状を示す平面図であり、図13(a)〜図13(c)は、本発明例8,9で成形した中間成形品の形状を示す、それぞれ、正面図、右側面図、平面図であり、図14(a)〜図14(c)は、本発明例8,9で成形したプレス部品1の形状を示す、それぞれ、正面図、右側面図、平面図であり、図15は、本発明例8,9で本発明により成形を行うための金型の構成の一例を示す斜視図である。
本発明例8,9は、図14(a)〜図14(c)に示す複雑な形状を、伸び性の低い引張強度が1180、1470MPa,板厚1.2mmの高強度鋼板をブランクとして用いて成形した例である。
図12に示す形状のブランクを、図15に示す構成の金型を用いて、図13(a)〜図13(c)に示す形状の中間成形品に成形し、さらに後加工することによって、図14(a)〜図14(c)に示す形状のプレス部品1を、割れおよびしわの発生無く良好に成形できた。
1 L型プレス部品
1a 湾曲部
8 ブランク
11 天板
12 湾曲部の外側の縦壁
13 湾曲部の外側のフランジ
14 湾曲部の内側の縦壁
15 湾曲部の内側のフランジ
16 湾曲部の内側の凹稜線
17 湾曲部の外側の凹稜線
2 部品
21 天板
22 L字状湾曲の外側の縦壁
23 L字状湾曲の外側のフランジ
24 L字状湾曲の内側の縦壁
25 L字状湾曲の内側のフランジ
3 ブランク
41 ダイ
42 パンチ
43 ブランクホルダ
5 絞りパネル
6 絞りパネル
71 ダイ
72 パンチ
73 ブランクホルダ
74 パッド
75 曲げ型

Claims (17)

  1. パンチおよびブランクホルダと、パッド、ダイおよび曲げ型との間に配置されたブランクに、下記第1〜3の工程を含むプレス加工を行うことによって、長手方向に延在する天板と、該天板の両側につながる2つの縦壁と、該2つの縦壁それぞれにつながる2つの凹稜線と、該2つの凹稜線それぞれにつながる2つのフランジとにより構成されるハット断面を有するとともに、前記天板に直交する平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することにより前記平面視でL型の形状を一部または全部に有するプレス部品を製造する方法であって、
    下記条件1および2を満足する、プレス部品の製造方法;
    第1の工程:前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を前記パッドおよび前記パンチにより挟んで保持するとともに、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分より前記湾曲部の外側に成形される部分を前記ブランクホルダおよび前記ダイにより挟んで保持する。
    第2の工程:前記第1の工程の後に、前記曲げ型を前記パンチが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクに曲げ成形によるプレス加工を行うことにより、前記湾曲部の内側の縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとを成形する。
    第3の工程:前記第2の工程の後に、前記ブランクを該ブランクホルダおよび該ダイにより挟んで保持したまま、前記ダイおよび前記ブランクホルダを前記パンチが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクに絞り成形によるプレス加工を行うことにより、前記湾曲部の外側の縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとを成形する。
    [条件1]前記第2の工程により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分に並んで、材料流入促進部を一つ以上形成する。ただし、前記材料流入促進部は、前記ブランクが前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分へ流入する量を増加する。
    [条件2]
    前記材料流入促進部は、前記天板に直交する平面視で前記湾曲部の内側の中央位置に接する直線と平行でかつ前記天板に直交する方向に沿う断面における断面周長が、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジから離れるにつれて増加する断面形状を有する。
  2. 下記条件3または4を満足する、請求項1に記載のプレス部品の製造方法。
    [条件3]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であることのうちの少なくとも一つを満足する。
    [条件4]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であることのうちの少なくとも二つ以上を満足する。
  3. 前記材料流入促進部は、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に形成される、請求項1または2に記載のプレス部品の製造方法。
  4. 前記材料流入促進部は、前記断面周長が部分的に一定である請求項1〜3のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  5. 前記材料流入促進部は、前記フランジと前記天板との並び方向で前記フランジから前記天板に向かう方向へ向けて凸となる凸ビード、または前記フランジと前記天板との並び方向で前記天板から前記フランジに向かう方向へ向けて凸となる凹ビードである、請求項1〜4のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  6. 前記材料流入促進部は、前記断面周長が段階的に増加する請求項1〜5のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  7. 前記材料流入促進部は、前記第2の工程の終了時における前記湾曲部の内側の中央位置に接する直線と水平面内で直交する直線を含む垂直断面において、前記ブランクにおける前記湾曲部の内側の凹稜線および前記フランジの会合点に成形される部位と、前記ブランクの縁部とを結ぶことにより得られる外形を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  8. 前記第3の工程の後に下記第4の工程を含む、請求項1〜7のいずれかに記載のプレス部品の製造方法:
    第4の工程;前記第3の工程により得られた成形品の周囲の一部に残存する、前記材料流入促進部の全部または一部を含む不要部分を除去する。
  9. パンチおよびブランクホルダと、該パンチおよびブランクホルダに対向して配置されるパッド、ダイおよび曲げ型とを備え、ブランクに下記第1〜3の工程を含むプレス加工を行うことによって、長手方向に延在する天板と、該天板の両側につながる2つの縦壁と、該2つの縦壁それぞれにつながる2つの凹稜線と、該2つの凹稜線それぞれにつながる2つのフランジとにより構成されるハット型の断面を有するとともに前記天板に直交する平面視で長手方向へ湾曲する湾曲部を有することにより前記平面視でL型の形状を一部または全部に有するプレス部品を製造するプレス部品の製造装置であって、
    下記条件1および2を満足する、プレス部品の製造装置;
    第1の工程:前記パッドは、前記パンチとともに、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分を挟んで保持するとともに、前記ブランクホルダは、前記ダイとともに、前記ブランクにおける前記天板に成形される部分より前記湾曲部の外側に成形される部分を挟んで保持する。
    第2の工程:前記第1の工程の後に、前記曲げ型は、前記パンチが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクを加工することにより、前記湾曲部の内側の縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとを成形する。
    第3の工程:前記第2の工程の後に、前記ブランクホルダが前記ダイとともに前記ブランクを挟んで保持したまま、前記ダイと前記ブランクホルダが、該ブランクホルダに対して該ブランクホルダが配置されている方向へ相対的に移動して前記ブランクを加工することにより、前記湾曲部の外側の縦壁と該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジを成形することによって、前記プレス部品を成形する。
    [条件1]前記曲げ型および前記パンチは、前記第2の工程により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分に並んで材料流入促進部を一つ以上形成する材料流入促進部形成機構を備える。ただし、前記材料流入促進部は、前記ブランクが前記湾曲部の内側のフランジに成形される部分へ流入する量を増加する。
    [条件2]前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記天板に直交する平面視で前記湾曲部の内周の中央位置に接する直線と平行でかつ前記天板に直交する方向に沿う断面における断面周長が、前記プレス部品の前記湾曲部の内側のフランジから離れるにつれて増加するように、形成する。
  10. さらに、下記条件3または4を満足する、請求項9に記載のプレス部品の製造装置。
    [条件3]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であることのうちの少なくとも一つを満足する。
    [条件4]前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または、前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であることのうちの少なくとも二つ以上を満足する。
  11. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に形成する、請求項9または10に記載のプレス部品の製造装置。
  12. 前記材料流入促進部は、前記断面周長が部分的に一定である請求項9〜11のいずれかに記載さのプレス部品の製造装置。
  13. 前記材料流入促進部は、前記フランジと前記天板との並び方向で前記フランジから前記天板に向かう方向へ向けて凸となる凸ビード、または前記フランジと前記天板との並び方向で前記天板から前記フランジに向かう方向へ向けて凸となる凹ビードである、請求項9〜12のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  14. 前記材料流入促進部形成機構は、少なくとも、前記第1の工程の終了時に前記ブランクが接触する領域に設けられる、請求項9〜13のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  15. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記断面周長が段階的に増加するように、形成する、請求項9〜14のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  16. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記第2の工程の終了時における前記湾曲部の内側の中央位置に接する直線と水平面内で直交する直線を含む垂直断面において、前記ブランクにおける前記湾曲部の内側の凹稜線および前記フランジの会合点に成形される部位と、前記ブランクの縁部とを結ぶことにより得られる外形を有するように、成形する、請求項9〜15のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  17. 前記第3の工程の後に下記第4の工程を行う装置を備える、請求項9〜16のいずれかに記載のプレス部品の製造装置:
    第4の工程;前記第3の工程により得られた成形品の周囲の一部に残存する、前記材料流入促進部の全部または一部を含む不要部分を除去する。

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