JP6119929B1 - プレス部品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Abstract

超高張力鋼板からなるブランクに自由曲げ工法によるプレス加工を行い、湾曲部の内周側のフランジに割れを生じずにプレス部品を製造する。国際公開第2011/145679号パンフレットにより開示された自由曲げ工法により引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなるブランク24に冷間でプレス加工を行うことによって、ハット型の横断面形状および湾曲部13を有するプレス部品11を製造する。プレス加工により、ブランク24における、プレス部品11の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分の近傍に、ブランク24における、プレス部品11の端部11fに成形される部分が、ブランク24における、プレス部品11の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分へ流入する量を増加する材料流入促進部19を設ける。

Description

本発明は、プレス部品の製造方法および製造装置に関する。
自動車のボディシェルはユニットコンストラクション構造(モノコック構造)を有する。ユニットコンストラクション構造は、互いに接合された多数の骨格部材および成形パネルにより、構成される。
例えばフロントピラー,センターピラー,サイドシル、ルーフレール、サイドメンバ等が骨格部材として知られる。また、例えばフードリッジ,ダッシュパネル,フロントフロアーパネル,リアフロアフロントパネル,リアフロアリアパネル等が成形部材として知られる。
フロントピラー,センターピラー,サイドシルといった閉断面を有する骨格部材は、フロントピラーレインフォースメント,センターピラーレインフォースメント,サイドシルアウターレインフォースメント等の構成部材を、アウターパネルやインナーパネルといった他の構成部材と接合することにより、組立てられる。
図14は、骨格部材1の一例を示す説明図である。
同図に示すように、骨格部材1は、構成部材2,3,4,5をスポット溶接によって接合することにより、組み立てられる。構成部材2は略ハット型の横断面形状を有する。略ハット型の横断面形状は、天板2aと、左右一対の縦壁2b,2bと、縦壁2b,2bにつながるフランジ2c,2cとを有する。天板2aは、天板2aに直交する方向から見た平面視で、逆L型の外形を有する。
なお、上記平面視で図14に示す構成部材2とは反対にL型の外形を有する構成部材も存在する。以降の説明では、上記平面視でL型または逆L型の外形を有する部品を「L型部品」と総称する。骨格部材1の強度および剛性が、L型部品を構成要素として有することにより、確保される。
図15は、T型部品6の一例を示す説明図である。T型部品6の天板6aは、天板6aに直交する方向から見た平面視で、T型の外形を有する。例えばセンターピラーレインフォースメントがT型部品6として知られる。
T型部品6は、L型部品2と同様に、略ハット型の横断面形状を有する。略ハット型の横断面形状は、天板6aと、左右一対の縦壁6b,6bと、左右一対のフランジ6c,6cとを有する。さらに、Y型部品(後述する図13参照)がT型部品6の変形として知られる。Y型部品の天板6aは上記平面視でY型の外形を有する。以降の説明では、L型部品2、T型部品6さらにはY型部品を「湾曲部品」と総称する。
湾曲部品は、シワの発生を防ぐため、通常、絞り成形によるプレス加工により、製造される。
図16は、絞り成形によるプレス加工の概略を示す説明図であり、図16(a)は成形開始前を示し、図16(b)は成形完了時(成形下死点)を示す。
図16(a)および図16(b)に示すように、ダイ7、パンチ8、およびブランクホルダ9を用い、ブランク10に絞り成形によるプレス加工を行って、中間プレス部品12に成形する。
図17は、絞り成形によるプレス加工により製造されるプレス部品11の一例を示す説明図であり、図18は、プレス部品11の成形素材であるブランク10を示す説明図であり、図19は、ブランク10におけるシワ押さえ領域10aを示す説明図であり、さらに、図20は、プレス加工を行われたままの中間プレス部品12を示す説明図である。
図17に示すプレス部品11は、例えば、以下に列記の工程(i)〜(iv)を経て、絞り成形によるプレス加工により製造される。
(i)図18に示すブランク10をダイ7およびパンチ8の間に配置する。
(ii)ブランク10の周囲のシワ押さえ領域10a(図19のハッチング部)を、図16(a)および図16(b)に示すようにダイ7およびブランクホルダ9により強く押さえる。これにより、金型内へのブランク10の過剰な流入を抑制する。
(iii)図16(b)に示すようにダイ7およびパンチ8が互いに接近するプレス方向(鉛直方向)にダイ7およびパンチ8を相対的に移動することにより、ブランク10に絞り成形によりプレス加工を行って、中間プレス部品12とする。
(iv)中間プレス部品12の周囲のシワ押さえ領域10a(不要部分である切除領域)を切除(トリム)することにより、図17に示すプレス部品11とする。
図17〜20に示すように、絞り成形によるプレス加工では、ブランク10が金型内に過剰に流入することが、ブランクホルダ9により抑制される。このため、ブランク10の過剰な流入による中間プレス部品12におけるシワの発生が抑制される。
しかし、不要部分である切除領域が中間プレス部品12の周囲に不可避的に発生する。このため、プレス部品11の歩留まりが低下し、プレス部品11の製造コストが上昇する。
図21は、中間プレス部品12におけるプレス不良(シワおよび割れ)の発生状況の一例を示す説明図である。
図21に示すように、中間プレス部品12には、シワが、絞り成形の過程でブランク10が金型内に過剰に流入し易いα領域において発生し易いとともに、割れが、絞り成形の過程で板厚が部分的に減少し易いβ領域において発生し易い。
特に、延性が小さい高強度鋼板からなるブランク10に絞り成形によるプレス加工を行って湾曲部品を製造しようとすると、シワや割れが、ブランク10の延性の不足のために、中間プレス部品12に発生し易い。
従来、延性に優れた比較的低強度の鋼板が、中間プレス部品12におけるシワや割れの発生を防止するために、湾曲部品のブランク10として用いられていた。このため、湾曲部品に要求される強度を確保するために、ブランク10の板厚を厚くせざるを得ず、湾曲部品の重量の増加や製造コストの上昇が避けられなかった。
本出願人は、先に特許文献1により、延性が小さい高張力鋼板からなるブランクを用いても、シワや割れを生じることなく、湾曲部品を歩留まりよく曲げ成形によりプレス加工できる特許発明を開示した。本明細書では、この特許発明に係る工法を「自由曲げ工法」ともいう。
以下、上述した図17および図22を参照しながらこの特許発明を説明する。図22は、特許文献1により開示された特許発明の概要を部分的に示す説明図である。
特許文献1により開示された特許発明は、ブランクに冷間または温間での曲げ成形によるプレス加工を行うことによりプレス部品11を製造する。図17に示すように、プレス部品11は、天板11aと、凸稜線11b,11bと、縦壁11c,11cと、凹稜線11d,11dと、フランジ11e,11eとを含む横断面形状(例えばハット型の横断面形状)を有する。
天板11aは、一の方向(図17における矢印が示す方向)へ延びて存在する。凸稜線11b,11bは、天板11aの幅方向(一の方向と直交する方向)の両端部にそれぞれつながる。縦壁11c,11cは、凸稜線11b,11bにそれぞれつながる。凹稜線11d,11dは、縦壁11c,11cにそれぞれつながる。さらに、フランジ11e,11eは、凹稜線11d,11dにそれぞれつながる。
さらに、プレス部品11は、天板11aに直交する平面視で、湾曲する湾曲部13を有し、これにより、逆L型の外形を有する。
自由曲げ工法では、図22に示すように、曲げ成形によるプレス成形機14のダイ15およびダイパッド16とパンチ17との間にブランク18を配置する。
ブランク18における天板11aに成形される部分の一部(プレス部品11の湾曲部13に成形される部分の近傍)18aを、
(i)ダイパッド16により1.0MPa以上かつ32.0MPa未満の加圧力で加圧すること、または(ii)ダイパッド16およびパンチ17の隙間の距離が{ブランク18の板厚×(1.0〜1.1)}を満足するようにダイパッド16を近接または接触させること
により、天板11aに成形される部分の一部18aにおける面外変形を抑制しながら、以下に説明するプレス加工を行うことによって、プレス部品11を製造する。
ブランク18における、天板11aの延設方向の端部11fに成形される部分(逆L型の底辺に相当する部分)が、ブランク18における、天板11aに成形される部分と同一平面上に存在する状態で、ダイ15およびパンチ17を互いに接近する方向へ相対的に移動させる。
これにより、ブランク18における端部11fに成形される部分(逆L型の底辺に相当する部分)が、ダイ15における天板11aを成形する部分の上で面内移動(スライド)しながら、湾曲部13の内周側の縦壁11c、凹稜線11dおよびフランジ11eが成形される。
このようにして、ブランク18にプレス加工を行って湾曲部13を有するプレス部品11を製造すると、プレス加工の際に、ブランク18における、天板11aの延設方向の端部11fに成形される部分がブランク18における縦壁11cに成形される部分へ流入する流入量が増加する。
このため、自由曲げ工法によれば、湾曲部13の内周側のフランジ11e(通常の絞り成形によるプレス加工では、板厚の減少により割れが発生し易い部位)における過剰な引張り応力が軽減され、割れの発生が抑制される。
また、自由曲げ工法によれば、天板11a(通常の絞り成形によるプレス加工では、ブランク18の過剰な流入によりシワが発生し易い部位)においても、ブランク18が引張られるため、シワの発生が抑制される。
また、自由曲げ工法によれば、通常の絞り成形によるプレス加工の際にブランク18に必ず設けられていたシワ押さえ領域(切除領域)が不要になる。このため、プレス部品11の歩留まりが向上する。
さらに、自由曲げ工法は曲げ成形によるプレス加工である。このため、自由曲げ工法においてブランク18に要求する延性は、絞り成形によるプレス加工においてブランクに要求する延性よりも小さい。したがって、ブランク18として、比較的延性が低い高強度鋼板を用いることが可能になり、ブランク18の板厚を小さく設定でき、車両の軽量化を図ることができる。
本出願人は、特許文献2により、自由曲げ工法で用いる展開ブランクにおける、湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分の縁部に、特定の形状の余肉部を設ける発明を開示した。
特許文献2により開示された発明によれば、自由曲げ工法による湾曲部13付近の成形性をさらに高めて、湾曲部13の内周側のフランジ11eの割れを防止しながら、ブランク18における天板11aに成形される部分から、ブランク18における縦壁11cに成形される部分への過剰なブランク18の流入も抑制でき、天板11aの端部の割れも防止できる。
国際公開第2011/145679号パンフレット 国際公開第2014/185428号パンフレット
本発明者らは、自由曲げ工法の成形性をさらに高めるために鋭意検討を重ねた結果、特許文献1,2により開示された自由曲げ工法によりブランク18にプレス加工を行っても、成形不良を生じずにプレス部品11を製造することができない場合があることを新たに知見した。
このような場合として、例えば、
(a)ブランク18が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
(b)プレス部品11の高さ(縦壁11cの製品高さ方向への投影距離)が70mm以上と高いこと、
(c)プレス部品11の凹稜線11dの曲率半径Rが側面視で10mm以下と小さいこと、または
(d)プレス部品11における湾曲部13の曲率半径Rが平面視で100mm以下と小さいこと
のうちの少なくとも一つを満足する第1の場合、または
(e)ブランク18が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
(f)プレス部品11の高さ(縦壁11cの製品高さ方向への投影距離)が55mm以上であること、
(g)プレス部品11の凹稜線11dの曲率半径Rが側面視で15mm以下であること、または
(e)プレス部品11における湾曲部13の内側の曲率半径Rが平面視で140mm以下であること
のうちの少なくとも二つ以上を満足する第2の場合
が挙げられる。第1の場合または第2の場合には、自由曲げ工法を用いても、湾曲部13の内周側のフランジ11eに割れが発生する。
本発明は、特許文献1,2により開示された発明が有するこれらの新規な課題を解決するためになされた。本発明の目的は、上記第1の場合または第2の場合にブランクに自由曲げ工法によるプレス加工を行っても、湾曲部の内周側のフランジに割れを生じることなく、湾曲部品を製造できる、プレス部品の製造方法および製造装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下に列記の知見A〜Dを得て、本発明を完成した。
(A)図17および図22を参照しながら説明したように、自由曲げ工法では、ブランク18における、天板11aの延設方向の端部11fに成形される部分(逆L型の底辺に相当する部分)が、ブランク18における、湾曲部13の内周側の縦壁11cに成形される部分へ向けて流入する。これにより、ブランク18における、湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分に材料が供給される。
このため、ブランク18における、天板11aの延設方向の端部11fに成形される部分が、ブランク18における、湾曲部13の内周側の縦壁11cに成形される部分へ流入する流入量を増加することによって、湾曲部13の内周側のフランジ11eでの割れの発生を防止でき、自由曲げ工法の成形限界を高めることが可能になる。
(B)しかし、プレス加工の際に、上記流入量の限界は、流入方向の断面の成形前後におけるフランジ11eの断面線長の変化量によって幾何学的に決定される。そして、この流入量の限界が自由曲げ工法における成形限界となる。
(C)プレス成形の際に、ブランク18における、湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分の近傍(ブランク18における、プレス部品11に成形される領域の望ましくは外側の領域)に、例えばビードといった材料流入促進部をこのプレス成形と同時に成形することによって、上記流入量を増加できる。
(D)材料流入促進部の形状を、材料の流入方向(ブランク18における、湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分の変形の最大主ひずみ方向)の断面線長差を確保できる形状とすることにより、上記流入量を増加でき、これにより、自由曲げ工法における成形限界を高めることができる。
本発明は、以下に列記の通りである。
(1)曲げ成形によるプレス成形装置を構成するダイおよびダイパッドと、該ダイおよびダイパッドに対向して配置されるパンチとの間に配置されたブランクまたは予成形されたブランクにプレス加工を行うことによって、
一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の端部につながる凸稜線と、該凸稜線につながる縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとにより構成される横断面形状を有するとともに、前記凸稜線、前記縦壁および前記凹稜線が湾曲することにより前記天板の外形を該天板に直交する平面視でL型、T型またはY型とする湾曲部を有するプレス部品を製造する際に、
前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分を、前記ダイパッドにより1.0MPa以上かつ32.0MPa未満の加圧力で加圧し、あるいは、前記ダイパッドと前記パンチとの隙間を前記ブランクの板厚以上かつ前記ブランクの板厚の1.1倍以下に保って前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分に前記ダイパッドを近接または接触させ、
前記ブランクにおける、前記天板の前記一の方向の端部に成形される部分が前記ブランクにおける前記天板に成形される部分と同一平面上に存在する状態で、前記ダイおよび前記パンチを互いに接近する方向へ相対的に移動させることによって、前記ブランクにおける前記天板の一の方向の端部に成形される部分を、前記ダイにおける前記天板を成形する部分の上で面内移動(スライド)させながら、前記湾曲部の内周側の前記縦壁、前記凹稜線および前記フランジを成形すること
によって前記プレス部品を製造する方法において、
前記プレス加工により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分の近傍(例えばフランジのみ、あるいはフランジおよび凹稜線)に、前記ブランクにおける前記端部に成形される部分が前記ブランクにおける前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分へ流入する流入量を増加する材料流入促進部を、一つまたは二つ以上設けること、および
該材料流入促進部は、前記天板に直交する平面視で、前記湾曲部の内周の中央位置に接する直線に平行な断面における断面線長が前記湾曲部の内周側のフランジから離れるに伴って増加する断面形状を有する、プレス部品の製造方法。
(2)前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、
前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または
前記プレス部品における前記湾曲部の内周側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であること
のうちの少なくとも一つを満足する、1項に記載のプレス部品の製造方法。
(3)前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、
前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または
前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であること
のうちの二つ以上を満足する、1項に記載のプレス部品の製造方法。
(4)前記材料流入促進部は、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に設けられる、1〜3項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(5)前記断面形状は、前記断面線長が部分的に一定である場合を含む、1〜4項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(6)前記材料流入促進部は、前記プレス部品の前記天板と同じ側へ向けて凸となる凸ビード、または前記プレス部品の前記天板と反対側へ向けて凸となる凹ビードである、1〜5項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(7)前記材料流入促進部は、少なくとも、前記ブランクが存在する領域に設けられる、1〜6項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(8)前記材料流入促進部は、前記ブランクの板厚方向と平行な方向へ段差状に設けられる、1〜7項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(9)前記材料流入促進部は、成形された前記湾曲部における前記凹稜線および前記フランジの会合点と、成形開始時における前記ブランクの端部とを結んで得られる外形を有する、1〜8項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(10)前記横断面形状は、一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の両端部につながる二つの凸稜線と、該二つの凸稜線にそれぞれつながる二つの縦壁と、該二つの縦壁にそれぞれつながる二つの凹稜線と、該二つの凹稜線にそれぞれつながる二つのフランジとにより構成されるハット型の横断面形状である、1〜9項のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
(11)ダイおよびダイパッドと、該ダイおよびダイパッドに対向して配置されるパンチとを備え、前記ダイおよびダイパッドと前記パンチとの間に配置されたブランクまたは予成形されたブランクにプレス加工を行うことによって、
一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の端部につながる凸稜線と、該凸稜線につながる縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとにより構成される横断面形状を有するとともに、前記凸稜線、前記縦壁および前記凹稜線が湾曲することにより前記天板の外形を、該天板に直交する平面視でL型,T型またはY型とする湾曲部を有するプレス部品を製造する装置であって、
前記ダイパッドは、前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分を1.0MPa以上かつ32.0MPa未満の加圧力で加圧すること、あるいは、前記ダイパッドは、前記パンチとの隙間を前記ブランクの板厚以上かつ前記ブランクの板厚の1.1倍以下に保って前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分に、近接または接触すること、
前記ダイおよび前記パンチは、前記ブランクにおける、前記天板の前記一の方向の端部に成形される部分が前記ブランクにおける前記天板に成形される部分と同一平面上に存在する状態で、互いに接近する方向へ相対的に移動することによって、前記ブランクにおける前記端部に成形される部分を、前記ダイにおける前記天板を成形する部分の上で面内移動させながら、前記湾曲部の内周側の前記縦壁、前記凹稜線および前記フランジを成形することによって前記プレス部品を製造する装置において、
前記ダイおよび前記パンチは、前記プレス加工により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分の近傍(例えばフランジのみ、あるいはフランジおよび凹稜線)に、前記ブランクにおける前記端部に成形される部分が、前記ブランクにおける、前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分へ流入する量を増加する材料流入促進部を一つまたは二つ以上設ける材料流入促進部形成機構を備えること、および
前記材料流入促進部形成機構は、前記天板に直交する平面視で、前記湾曲部の内周の中央位置に接する直線と平行な断面における前記材料流入促進部の断面線長が、前記湾曲部の内周側のフランジから離れるに伴って増加するように、前記材料流入促進部を設ける、プレス部品の製造装置。
(12)前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、
前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または
前記プレス部品における前記湾曲部の内周側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であること
のうちの少なくとも一つを満足する、11項に記載のプレス部品の製造装置。
(13)前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、
前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または
前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であること
のうちの二つ以上を満足する、11項に記載のプレス部品の製造装置。
(14)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に、設ける、11〜13項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(15)前記断面形状は、前記断面線長が部分的に一定である場合を含む、11〜14項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(16)前記材料流入促進部は、前記プレス部品の前記天板と同じ側へ向けて凸となる凸ビード、または前記プレス部品の前記天板と反対側へ向けて凸となる凹ビードである、11〜15項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(17)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、少なくとも、前記ブランクが存在する領域に設ける、11〜16項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(18)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクの板厚方向と平行な方向へ段差状に設ける、11〜17項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(19)前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、成形された前記湾曲部における前記凹稜線および前記フランジの会合点と成形開始時における前記ブランクの端部とを結んで得られる外形を有するように、設ける11〜18項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
(20)前記横断面形状は、一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の両端部につながる二つの凸稜線と、該二つの凸稜線にそれぞれつながる二つの縦壁と、該二つの縦壁にそれぞれつながる二つの凹稜線と、該二つの凹稜線にそれぞれつながる二つのフランジとにより構成されるハット型の横断面形状である、11〜19項のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
本発明により、上記第1場合または第2の場合にブランクに自由曲げ工法によるプレス加工を行っても、特許文献1,2により開示された自由曲げ工法よりも、材料の流入量を増加して成形限界を高めることができ、これにより、プレス部品の湾曲部の内周側のフランジに割れを生じることなく、プレス部品を製造することが可能になる。
図1は、本発明に係る製造装置の構成例を示す説明図である。 図2は、本発明に係る製造装置によりプレス成形されたプレス部品の一例を部分的に示す説明図である。 図3は、本発明に係る製造装置における材料流入促進部形成機構および凹稜線形成部と、ブランクとの位置関係を示す説明図である。 図4は、材料流入促進部形成機構が設けられていない従来のパンチにおける、図1のA−A断面に相当する断面を示す説明図である。 図5は、本発明に係る製造装置における材料流入促進部形成機構および凹稜線形成部と、ブランクとの位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。 図6は、B,C,D断面でのパンチのフランジ形成部における、従来のパンチに対する断面線長差を示すグラフである。 図7は、材料流入促進部形成機構が設けられたパンチのA−A断面を示す説明図である。 図8は、本発明に係る製造装置における材料流入促進部形成機構および凹稜線形成部と、ブランクとの位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。 図9は、ダイおよびパンチに、凹部および凸部により構成される材料流入促進部形成機構を設けることにより、ブランクのa部での割れが防止される理由を示す説明図である。 図10(a)〜図10(f)は、パンチに設けられた、各種の材料流入促進部形成機構の構成要素である凸部または凹部の形状例を部分的に示す説明図である。 図11(a)および図11(b)は、いずれも、本発明により製造される他のプレス部品を示す説明図である。 図12は、T型部品の中間部品(本発明例)を示す説明図である。 図13は、Y型部品の中間部品(本発明例)を示す説明図である。 図14は、骨格部材の一例を示す説明図である。 図15は、T型部品の一例を示す説明図である。 図16は、絞り成形によるプレス加工の概略を示す説明図であり、図16(a)は成形開始前を示し、図16(b)は成形完了時(成形下死点)を示す。 図17は、絞り成形によるプレス加工により製造されるプレス部品の一例を示す説明図である。 図18は、プレス部品の成形素材であるブランクを示す説明図である。 図19は、ブランクにおけるシワ押さえ領域を示す説明図である。 図20は、プレス加工を行われたままの中間プレス部品を示す説明図である。 図21は、中間プレス部品におけるプレス不良の発生状況の一例を示す説明図である。 図22は、特許文献1により開示された特許発明の概要を部分的に示す説明図である。
11 プレス部品
11a 天板
11e フランジ
11f 端部
13 湾曲部
19 材料流入促進部
20 プレス成形装置
21 ダイ
22 ダイパッド
23 パンチ
24 ブランク
25 材料流入促進部形成機構
本発明に係る製造装置および製造方法を説明する。
以降の説明では、本発明によって製造されるプレス部品11が、天板11aに直交する平面視で、天板11aが逆L型の外形を有するL型部品である場合を例にとる。しかし、本発明の製造対象は、L型部品に限定されず、他の湾曲部品(T型部品、Y型部品)も含む。
また、以降の説明では、プレス部品11および中間部品11−1が、天板11a,二つの凸稜線11b,11b、二つの縦壁11c,11c、二つの凹稜線11d,11dおよび二つのフランジ11e,11eにより構成されるハット型の横断面形状を有する場合を例にとる。しかし、本発明の製造対象は、ハット型の横断面形状を有するプレス部品11および中間部品11−1には限定されず、後述する図11に示す横断面形状を有するプレス部品の中間部品11−2,11−3も含む。
1.本発明に係る製造装置20
図1は、本発明に係る製造装置20の構成例を示す説明図である。図2は、製造装置20によりプレス成形されたプレス部品11の中間部品11−1の一例を部分的に示す説明図である。
図1に示すように、製造装置20は、自由曲げ工法を用いた曲げ成形によるプレス成形装置である。
製造装置20は、ダイ21およびダイパッド22と、パンチ23とを備える。パンチ23は、ダイ21およびダイパッド22に対向して配置される。ダイパッド22は、ダイ21とともに昇降自在であるとともに、ブランク24の一部を押圧することができる。
製造装置20は、ダイ21およびダイパッド22と、パンチ23との間に配置されたブランク(展開ブランク)24または軽度の加工(例えばエンボス加工)である予成形を行われたブランク(図示を省略する)に、冷間または温間でプレス加工を行うことによって、図2に示す外形を有する、プレス部品11の中間部品11−1を製造する。
ブランク24の板厚は、好ましくは0.6〜2.8mmであり、より好ましくは0.8〜2.8mmであり、よりいっそう好ましくは1.0〜2.8mmである。
プレス部品11またはその中間部品11−1はハット型の横断面形状を有する。ハット型の横断面形状は、天板11aと、二つの凸稜線11b,11bと、二つの縦壁11c,11cと、二つの凹稜線11d,11dと、二つのフランジ11e,11eとを含む形状である。
また、プレス部品11またはその中間部品11−1は湾曲部13を有する。湾曲部13は、天板11aに直交する平面視で天板11aの外形が逆L型となるように、湾曲する。
天板11aは、一の方向(図2,17における矢印方向)へ延びて存在する。二つの凸稜線11b,11bは、天板11aにおける一の方向と直交する方向(すなわち天板11aの幅方向)の両端部につながる。二つの縦壁11c,11cは、二つの凸稜線11b,11bにそれぞれつながる。二つの凹稜線11d,11dは、二つの縦壁11c,11cにそれぞれつながる。さらに、二つのフランジ11e,11eは、二つの凹稜線11d,11dにそれぞれつながる。
製造装置20は、
第1の場合:ブランク24が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、プレス部品11またはその中間部品11−1の高さである縦壁11cの製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、プレス部品11またはその中間部品11−1の凹稜線11dの曲率半径Rが側面視で10mm以下であること、または、プレス部品11またはその中間部品11−1における湾曲部13の内周側の曲率半径Rが平面視で100mm以下であることのうちの一つ以上を満足する場合、または
第2の場合:ブランク18が引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、プレス部品11またはその中間部品11−1の高さ(縦壁11cの製品高さ方向への投影距離)が55mm以上であること、プレス部品11またはその中間部品11−1の凹稜線11dの曲率半径Rが側面視で15mm以下であること、または、プレス部品11またはその中間部品11−1における湾曲部13の内側の曲率半径Rが平面視で140mm以下であることのうちの少なくとも二つ以上を満足する場合
に好適に用いられる。
第1の場合または第2の場合にブランク24に通常の自由曲げ工法によるプレス加工を行うと、得られるプレス部品11またはその中間部品11−1の湾曲部13の内周側のフランジ11eに割れを生じるため、製造装置20を用いる意義が認められるからである。
ダイパッド22は、ブランク24における、プレス部品11の湾曲部13における天板11aの一部に成形される部分を1.0MPa以上かつ32.0MPa未満の加圧力で加圧するか、あるいは、パンチ23との隙間の距離をブランク24の板厚×(1.0〜1.1)に保ってブランク24における上記部分に近接または接触する。
これにより、ダイパッド22は、ブランク24における上記部分における面外変形を抑制しながら、以下に説明するプレス加工を行うことによって、プレス部品11の中間部品11−1を製造する。
すなわち、プレス加工では、ブランク24における、天板11aの一の方向の端部11fに成形される部分が、ブランク24における天板11aに成形される部分と同一平面上に存在する状態で、ダイ21およびパンチ23を互いに接近する方向へ相対的に移動させる。
これにより、ブランク24における端部11fに成形される部分が、ダイ22における天板11aを成形する部分の上で面内移動(スライド)しながら、湾曲部13の内周側の縦壁11c、凹稜線11dおよびフランジ11eが成形される。
このようにして、プレス部品11の中間部品11−1を製造する。
図3は、製造装置20における材料流入促進部形成機構25および凹稜線形成部23bと、ブランク24との位置関係を示す説明図である。
製造装置20は、特許文献1,2等により開示された自由曲げ工法を用いた曲げ成形によるプレス加工を行うことに加えて、図1,3に示すように、製造装置20のダイ21,パンチ23には、ブランク24に材料流入促進部19を設けるための凹部21a,凸部23aが材料流入促進部形成機構25としてそれぞれ設けられる。材料流入促部形成機構25は、ダイ21に設けられた凹部21aと、パンチ23に設けられた凸部23aとにより構成される。
製造装置20は、このプレス加工の際に材料流入促進部形成機構25により、図2に示すように、ブランク24における、中間部品11−1の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分の近傍(例えばフランジのみ、あるいはフランジおよび凹稜線)に、材料流入促進部19を設ける。
図2,3に示すように、材料流入促進部形成機構25は、材料流入促進部19を、ブランク24における、プレス部品11に成形される領域(図3のハッチング領域)の外側の領域に設けることが望ましい。これにより、中間部品11−1のフランジ11eの外縁をトリムラインとして切除することによって、プレス部品11に材料流入促進部19の痕跡を残さないことが可能になる。
材料流入促進部19の痕跡がプレス部品11に残存することが許容される場合には、材料流入促進部19を、ブランク24における、プレス部品11に成形される領域(図3のハッチング領域)にかけて、設けてもよい。
次に、材料流入促進部形成機構25をより詳細に説明する。
図4は、材料流入促進部形成機構25が設けられていない従来のパンチ23−1における、図1のA−A断面に相当する断面を示す説明図である。
図5は、製造装置20における材料流入促進部形成機構25および凹稜線形成部23bと、ブランク24との位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。
図6は、B,C,D断面でのパンチ23のフランジ形成部における、従来のパンチに対する断面線長差(流入量)を示すグラフである。図6のグラフのB,C,D断面では左側が従来工法の場合を示し、右側が本発明法の場合を示す。また、図6のグラフの下の断面は、B,C,D断面でのブランク24の形状を示す。
さらに、図7は、材料流入促進部形成機構25が設けられたパンチ23のA−A断面を示す説明図である。
上記第1の場合または第2の場合に、従来のパンチ23−1を用いて自由曲げ工法によりブランク24にプレス加工を行うと、割れが図4に示すa部において発生する。
図5,6に示すように、本発明では、凹部21aおよび凸部23aからなる材料流入促進部形成機構25を設けることにより、プレス加工により中間部品11−1に材料流入促進部19を設ける。
図5,6におけるB,C,D断面は、天板11aに直交する平面視で、湾曲部13の内周の中央位置(a部)に接する直線と平行な材料流入方向の断面である。B,C,D断面は、湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分における変形の最大主ひずみ方向の断面である
材料流入促進部19は、B,C,D断面における断面線長が湾曲部13の内周側のフランジ11eから離れるに伴って緩やかに増加するように、設けられる。
材料流入促進部19の断面形状は、中間部品11−1の湾曲部13の内周側のフランジ11eから離れるにつれて単調に増加する形状には限定されず、断面線長が一定である部分を部分的に含んでいてもよい。
すなわち、図6に示すように、材料流入促進部形成機構25を設けない従来工法に比較して、本発明法における材料流入促進部形成機構25では、B,C,D断面におけるパンチ23のフランジ形成部における、従来のパンチに対する断面線長差(流入量)がいずれも増加し、かつ、C断面における断面線長差(流入量)がB断面における断面線長差(流入量)よりも増加するとともにD断面における断面線長差(流入量)がC断面における断面線長差(流入量)よりも増加するように、設けられる。
換言すると、本発明では、各B,C,D断面の断面線長差(流入量)を増加させる形状を有する材料流入促進部形成機構25を、凹部21aとしてダイ21に設けるとともに凸部23aとしてパンチ23に設ける。
材料流入促進部19は、例えば図7に示すように、成形された湾曲部13における凹稜線11dおよびフランジ11eの会合点と成形開始時におけるブランク24の端部24aとを結んで得られる外形の凸部として、設けられることが、例示される。
図8は、製造装置20における材料流入促進部形成機構25および凹稜線形成部23bと、ブランク24との位置関係と、B,C,D断面の位置を示す説明図である。
以上説明したように、材料流入促進部形成機構25による材料の流入量の変化差分は、ブランク24のa部から図8中に太い矢印で示すようにB断面、C断面さらにはD断面と離れるに伴って、増加する。
なお、図4に示すブランク24のa部の割れは、ブランク24の破断耐力以上の周方向の張力が局所的に発生して起こる。このため、a部に断面線長差の変化を与えると、a部の割れがより生じ易くなる。したがって、a部には断面線長差の変化を殆ど設けなくてよい。また、断面線長差(流入量)の変化を設ける領域は、成形前のブランク24が存在する位置まで、すなわち図7に示す端部24aまでとすればよい。
次に、材料流入促進部形成機構25の機能を説明する。
図9は、ダイ21およびパンチ23に、凹部21aおよび凸部23aにより構成される材料流入促進部形成機構25を設けることにより、ブランク24のa部での割れが防止される理由を示す説明図である。
ブランク24のa部での割れは、ブランク23における、a部の上部に位置する凹稜線11dの周方向への高い張力Fに起因する。本発明では、ダイ21およびパンチ23に材料流入促進部形成機構25を設けてプレス加工を行うことにより、a部よりも外側におけるブランク24の流入量を増加させる。
これにより、a部の周囲からのブランク24の流入量が増加するため、a部へのブランク24の流入量が増加する。すなわち、材料流入促進部形成機構25により、ブランク24における湾曲部13に成形される部分へのブランク24の流入量が増加する。ブランク24における湾曲部13に成形される部分の変形の主応力方向は、大きくは変化しないものの、その変形量が低減される。
このようにして、本発明によれば、ブランク24における、プレス部品11の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分へのブランク24の流入量が、図9中に矢印で示すように、材料流入促進部形成機構25を設けない従来工法よりも、増加する。
これにより、ブランク24における、a部の上部に位置する凹稜線11dの周方向への張力Fを低減でき、ブランク24における湾曲部13に成形される部分の変形負荷を低減できるため、ブランク24のa部での割れが防止される。
図10(a)〜図10(f)は、パンチ23に設けられた、各種の材料流入促進部形成機構25の構成要素である凸部23aまたは凹部23cの形状例を部分的に示す説明図である。
図10(a)に示すように、パンチ23に設ける材料流入促進部形成機構25の構成要素である凸部23aとして、図7を参照しながら説明した、プレス部品11における天板11aと同じ側へ向けて凸となる凸部を用いることができる。
図10(b)に示すように、図10(a)に示す凸部23aに替えて、プレス部品11の天板11aと反対側へ向けて凸となる凹部23cを用いてもよい。この場合、ダイ21に、凹部23cに対応する凸部を設けることは言うまでもない。
図10(c)に示すように、ブランク24が小さい場合には、ブランク24が存在して接触する領域に凸部23aを設ければよい。
図10(d)に示すとともに上述したように、材料流入促進部19の痕跡がプレス部品11に残存することが許容される場合には、材料流入促進部19である凸部23aを、ブランク24における、プレス部品11に成形される領域(図3のハッチング領域)に跨って、設けてもよい。
図10(e)に示すように、材料流入促進部形成機構25の構成要素として、独立した凸部23aを2つ以上設けてもよい。
さらに、図10(f)に示すように、凸部23aを、ブランク12の板厚方向と平行な方向へ段差状に設けてもよい。
このように、材料流入促進部形成機構25は、ブランク24における、中間部品11−1の端部11fに成形される部分が、ブランク24における、中間部品11−1の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分へ流入する流入量を増加する材料流入促進部19を、一つまたは二つ以上設ける。
図11(a)および図11(b)は、いずれも、本発明により製造される他のプレス部品の中間部品11−2,11−3を示す説明図である。
以上の説明では、本発明により図2に示す形状の中間部品11−1を製造する場合を例にとった。しかし、本発明は、この場合には限定されず、図11(a)に示す中間部品11−2,図11(b)に示す中間部品11−3、すなわち凸稜線11b,縦壁11c,凹稜線11dおよびフランジ11eを一つ有する中間部品11−2,11−3を製造する場合にも、適用される。
2.本発明に係る製造方法
この製造方法では、基本的に、製造装置20を用いて自由曲げ工法によりプレス部品11の中間部品11−1を製造する。
本発明が製造対象とするプレス部品11は、上記第1の場合または第2の場合を満足することが好ましい。第1の場合または第2の場合を満足するプレス部品11は、従来の自由曲げ工法では、ブランク24のa部で割れを生じるからである。
すなわち、ブランク24における、プレス部品11の湾曲部13の天板11aの一部に成形される部分(図20におけるハッチング部18a)をダイパッド22により1.0MPa以上かつ32.0MPa未満の加圧力で加圧しながら、あるいは、ダイパッド22とパンチ23との隙間の距離を、ブランク24の板厚×(1.0〜1.1)に保ってブランク24における、プレス部品11の湾曲部13の天板11aの一部に成形される部分(図20におけるハッチング部18a)にダイパッド22を近接または接触させる。
これにより、天板11aの一部に成形される部分の面外変形を抑制しながら、以下に説明するプレス加工を行うことによって、プレス部品11の中間部品11−1を製造する。
すなわち、プレス加工では、ブランク24における、天板11aの一の方向の端部11fに成形される部分が、ブランク24における天板11aに成形される部分と同一平面上に存在する状態で、ダイ21およびパンチ23を互いに接近する方向へ相対的に移動させる。
これにより、ブランク24における端部11fに成形される部分が、ダイ21における天板11aを成形する部分の上で面内移動(スライド)しながら、湾曲部13の内周側の縦壁11c、凹稜線11dおよびフランジ11eが成形される。
このプレス加工により、ダイ21およびパンチ23に設けられた材料流入促進部形成機構25が、ブランク24における、中間部品11−1の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分の近傍に、材料流入促進部19を少なくとも一つ設ける。
本発明によれば、図9を参照しながら説明したように、ブランク24における、中間部品11−1の湾曲部13の内周側のフランジ11eに成形される部分へのブランク24の流入量が増加する。このため、ブランク24における、a部の上部に位置する凹稜線11dの周方向への張力Fを低減でき、これにより、ブランク24のa部での割れが防止される。
製造装置20により自由曲げ工法によるプレス加工を行われた中間部品11−1に、不要部がない場合には、そのまま最終製品であるプレス部品11となる。一方、中間部品11−1に不要部がある場合には、材料流入促進部19を含む不要部を、フランジ11eの外縁部をトリムラインとして切断(トリム)することにより、プレス部品11となる。
図1に示す製造装置20を用いて製造した、図2に示す中間部品11−1(本発明例)、および図20に示す製造装置14を用いて製造したプレス部品(比較例)それぞれについて、湾曲部13の周方向の中央位置における凹稜線11dおよびフランジ11eの会合点a部での最大板厚減少率を、コンピュータを用いた有限要素法により、解析した。
解析した中間部品11−1およびプレス部品のスペックはいずれも以下に列記の通りとした。
・ブランク24,18の引張強度,板厚:1180MPa以上,1.6mm
・中間部品11−1,プレス部品の高さ(縦壁11cの製品高さ方向への投影距離):60mm
・中間部品11−1,プレス部品の凹稜線11dの曲率半径R:側面視で20mm
・中間部品11−1,プレス部品の湾曲部13の内側の曲率半径R:平面視で100mm
この解析では、有限要素法を用いた動的陽解法で計算しており、最大板厚減少率8%以下を上記会合点での割れがないと判定し、13%超を上記会合点で割れがあると判定した。
その結果、中間部品11−1(本発明例)の上記会合点a部での最大板厚減少率は8%であり、会合点a部での割れがないと判定されたのに対し、プレス部品(比較例)の上記会合点a部での最大板厚減少率は13%であり、上記会合点a部での割れがあると判定された。
本発明によれば、上記第1場合または第2の場合にブランク24に自由曲げ工法によるプレス加工を行っても、湾曲部13の内周側のフランジ11eに割れを生じることなく、L型部品11−1を製造できる。
図1に示す製造装置20を用いて製造した、図2に示す中間部品11−1(本発明例)、および図20に示す製造装置14を用いて製造したプレス部品(比較例)それぞれについて、湾曲部13の周方向の中央位置における凹稜線11dおよびフランジ11eの会合点a部での最大板厚減少率を、コンピュータを用いた有限要素法により、解析した。
解析した中間部品11−1およびプレス部品のスペックおよび結果をいずれも表1にまとめて示す。
Figure 0006119929
この解析では、有限要素法を用いた動的陽解法で計算しており、引張強度が980MPaのブランク24では最大板厚減少率:15%以上を上記会合点a部での割れがないと判定し、引張強度が1180MPaのブランク24では最大板厚減少率:10%以上を上記会合点での割れがないと判定した。
表1に示すように、本発明によれば、上記第1場合または第2の場合にブランク24に自由曲げ工法によるプレス加工を行っても、湾曲部13の内周側のフランジ11eに割れを生じることなく、L型部品11−1を製造できる。
図1に示す製造装置20を用いて製造した、図12に示すT型部品の中間部品30(本発明例)、および図13に示すY型部品の中間部品31について、湾曲部の周方向の中央位置における凹稜線およびフランジの会合点a部での最大板厚減少率を、コンピュータを用いた有限要素法により、解析した。
解析した中間部品30,31のスペックおよび結果をいずれも表2にまとめて示す。なお、表2における開き角度は、図12,13における角度θを意味する。
Figure 0006119929
この解析では、有限要素法を用いた動的陽解法で計算しており、1180MPaの材料強度の場合には最大板厚減少率10%以上を上記会合点での割れがないと判定した。
表2に示すように、本発明によれば、上記第1場合または第2の場合にブランク24に自由曲げ工法によるプレス加工を行っても、湾曲部13の内周側のフランジ11eに割れを生じることなく、T型部品の中間部品30またはY型部品の中間部品31を製造できる。

Claims (20)

  1. 曲げ成形によるプレス成形装置を構成するダイおよびダイパッドと、該ダイおよびダイパッドに対向して配置されるパンチとの間に配置されたブランクまたは予成形されたブランクにプレス加工を行うことによって、
    一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の端部につながる凸稜線と、該凸稜線につながる縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとにより構成される横断面形状を有するとともに、前記凸稜線、前記縦壁および前記凹稜線が湾曲することにより前記天板の外形を該天板に直交する平面視でL型、T型またはY型とする湾曲部を有するプレス部品を製造する際に、
    前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分を、前記ダイパッドにより弱く加圧し、あるいは、前記ダイパッドと前記パンチとの隙間を前記ブランクの板厚以上かつ前記ブランクの板厚の1.1倍以下に保って前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分に前記ダイパッドを近接または接触させ、
    前記ブランクにおける、前記天板の前記一の方向の端部に成形される部分が前記ブランクにおける前記天板に成形される部分と同一平面上に存在する状態で、前記ダイおよび前記パンチを互いに接近する方向へ相対的に移動させることによって、前記ブランクにおける前記天板の一の方向の端部に成形される部分を、前記ダイにおける前記天板を成形する部分の上で面内移動させながら、前記湾曲部の内周側の前記縦壁、前記凹稜線および前記フランジを成形すること
    によって前記プレス部品を製造する方法において、
    前記プレス加工により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分の近傍に、前記ブランクにおける前記端部に成形される部分が前記ブランクにおける前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分へ流入する流入量を増加する材料流入促進部を、一つまたは二つ以上設けること、および
    該材料流入促進部は、前記天板に直交する平面視で、前記湾曲部の内周の中央位置に接する直線に平行な断面における断面線長が前記湾曲部の内周側のフランジから離れるに伴って増加する断面形状を有する、プレス部品の製造方法。
  2. 前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
    前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、
    前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または
    前記プレス部品における前記湾曲部の内周側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であること
    のうちの少なくとも一つを満足する、請求項1に記載のプレス部品の製造方法。
  3. 前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
    前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、
    前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または
    前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であること
    のうちの二つ以上を満足する、請求項1に記載のプレス部品の製造方法。
  4. 前記材料流入促進部は、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に設けられる、請求項1〜3のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  5. 前記断面形状は、前記断面線長が部分的に一定である場合を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  6. 前記材料流入促進部は、前記プレス部品の前記天板と同じ側へ向けて凸となる凸ビード、または前記プレス部品の前記天板と反対側へ向けて凸となる凹ビードである、請求項1〜5のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  7. 前記材料流入促進部は、少なくとも、前記ブランクが存在する領域に設けられる、請求項1〜6のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  8. 前記材料流入促進部は、前記ブランクの板厚方向と平行な方向へ段差状に設けられる、請求項1〜7のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  9. 前記材料流入促進部は、成形された前記湾曲部における前記凹稜線および前記フランジの会合点と成形開始時における前記ブランクの端部とを結んで得られる外形を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  10. 前記横断面形状は、一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の両端部につながる二つの凸稜線と、該二つの凸稜線にそれぞれつながる二つの縦壁と、該二つの縦壁にそれぞれつながる二つの凹稜線と、該二つの凹稜線にそれぞれつながる二つのフランジとにより構成されるハット型の横断面形状である、請求項1〜9のいずれかに記載のプレス部品の製造方法。
  11. ダイおよびダイパッドと、該ダイおよびダイパッドに対向して配置されるパンチとを備え、前記ダイおよびダイパッドと前記パンチとの間に配置されたブランクまたは予成形されたブランクにプレス加工を行うことによって、
    一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の端部につながる凸稜線と、該凸稜線につながる縦壁と、該縦壁につながる凹稜線と、該凹稜線につながるフランジとにより構成される横断面形状を有するとともに、前記凸稜線、前記縦壁および前記凹稜線が湾曲することにより前記天板の外形を、該天板に直交する平面視でL型,T型またはY型とする湾曲部を有するプレス部品を製造する装置であって、
    前記ダイパッドは、前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分を弱く加圧すること、あるいは、前記ダイパッドは、前記パンチとの隙間を前記ブランクの板厚以上かつ前記ブランクの板厚の1.1倍以下に保って前記ブランクにおける前記湾曲部の前記天板の一部に成形される部分に、近接または接触すること、
    前記ダイおよび前記パンチは、前記ブランクにおける、前記天板の前記一の方向の端部に成形される部分が前記ブランクにおける前記天板に成形される部分と同一平面上に存在する状態で、互いに接近する方向へ相対的に移動することによって、前記ブランクにおける前記端部に成形される部分を、前記ダイにおける前記天板を成形する部分の上で面内移動させながら、前記湾曲部の内周側の前記縦壁、前記凹稜線および前記フランジを成形すること
    によって前記プレス部品を製造する装置において、
    前記ダイおよび前記パンチは、前記プレス加工により、前記ブランクにおける、前記プレス部品の前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分の近傍に、前記ブランクにおける前記端部に成形される部分が、前記ブランクにおける、前記湾曲部の内周側のフランジに成形される部分へ流入する量を増加する材料流入促進部を一つまたは二つ以上設ける材料流入促進部形成機構を備えること、および
    前記材料流入促進部形成機構は、前記天板に直交する平面視で、前記湾曲部の内周の中央位置に接する直線と平行な断面における前記材料流入促進部の断面線長が、前記湾曲部の内周側のフランジから離れるに伴って増加するように、前記材料流入促進部を設ける、プレス部品の製造装置。
  12. 前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
    前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が70mm以上であること、
    前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で10mm以下であること、または
    前記プレス部品における前記湾曲部の内周側の曲率半径が前記平面視で100mm以下であること
    のうちの少なくとも一つを満足する、請求項11に記載のプレス部品の製造装置。
  13. 前記ブランクが引張強度1180MPa以上の超高張力鋼板からなること、
    前記プレス部品の高さである前記縦壁の製品高さ方向への投影距離が55mm以上であること、
    前記プレス部品の前記凹稜線の曲率半径が側面視で15mm以下であること、または
    前記プレス部品における前記湾曲部の内側の曲率半径が前記平面視で140mm以下であること
    のうちの二つ以上を満足する、請求項11に記載のプレス部品の製造装置。
  14. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクにおける、前記プレス部品に成形される領域の外側の領域に、設ける、請求項11〜13のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  15. 前記断面形状は、前記断面線長が部分的に一定である場合を含む、請求項11〜14のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  16. 前記材料流入促進部は、前記プレス部品の前記天板と同じ側へ向けて凸となる凸ビード、または前記プレス部品の前記天板と反対側へ向けて凸となる凹ビードである、請求項11〜15のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  17. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、少なくとも、前記ブランクが存在する領域に設ける、請求項11〜16のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  18. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクの板厚方向と平行な方向へ段差状に設ける、請求項11〜17のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  19. 前記材料流入促進部形成機構は、前記材料流入促進部を、前記ブランクにおける、前記湾曲部の前記凹稜線および前記フランジの会合点に成形される部位と成形前の前記ブランクの端部とを結んで得られる外形を有するように、設ける請求項11〜18のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
  20. 前記横断面形状は、一の方向へ延びて存在する天板と、該天板における前記一の方向と直交する方向の両端部につながる二つの凸稜線と、該二つの凸稜線にそれぞれつながる二つの縦壁と、該二つの縦壁にそれぞれつながる二つの凹稜線と、該二つの凹稜線にそれぞれつながる二つのフランジとにより構成されるハット型の横断面形状である、請求項11〜19のいずれかに記載のプレス部品の製造装置。
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