JP5079655B2 - プレス成形方法 - Google Patents

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本発明は、金属板などの被加工材をプレス成形する際に生じるスプリングバックを低減し、プレス成形品の寸法精度を高める形状凍結性に優れたプレス成形方法に関するものである。
衝突安全性と軽量化の要請から、自動車車体への高強度鋼板の適用が進展しつつある。これらの高強度鋼板は板厚を増加させることなく、衝突時の吸収エネルギーや強度を高めることができる。
しかしながら、プレス加工の場合、鋼板の強度上昇とともにスプリングバックと呼ばれる形状凍結不良が発生し、部品の寸法精度の確保が困難となる。この形状凍結不良は最終製品の外観品質を著しく損なうばかりでなく、成形後に行われる組立作業において溶接不良の原因となるため、特にメンバやフレームなどの車体骨格部品では形状凍結不良の対策が課題である。
形状凍結不良は、現象に応じて、角度変化、壁そり、ねじれ、稜線そり(面そり)、パンチ底などに分類される。いずれの場合でも、成形品を成形後に金型から取り出す、あるいは不要な部分をトリミングするなど、拘束を緩和することで残留応力が駆動力となり、新たな釣り合いを満たすよう部品に弾性変形(スプリングバック)が生じる。
例えば、曲げ角度変化や壁そりは、板厚方向の応力分布が駆動力となり、剛性は主に板厚で決定される。あるいは、長手方向に高低差や湾曲したハット断面のビームをドロー成形すると、壁そりと稜線そり(面そり)、ねじれが生じるが、湾曲の曲率が小さいと部品剛性が高まり、壁そりが小さくなること、及び、伸びフランジ変形部と縮みフランジ変形部の応力の差がねじりモーメントを与えている可能性があることが知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。
従来の寸法精度不良の対策方法としては、スプリングバック後に所定の寸法に収まるよう、変形を見込んで意図的に製品形状と異なる金型形状を用いるプレス成形方法が広く知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1を参照。)。
しかしながら、この方法では、所望の金型形状を得るために、金型形状の修正を機械加工によって数回〜数十回繰り返して行う必要があり、多大な工数と熟練した技能を要し、コストも高くなるという問題がある。そのうえ、金型形状の見込みで寸法精度を確保しようとする場合、広く普及している成形シミュレーションを活用したスプリングバック解析の精度予測については十分な実用信頼性を得ているとは言えず、実物トライアル中心の試行錯誤による調整が大きな負荷となっている。
さらに、従来のスプリングバック対策は、角度変化や壁そりに代表される2次元的な形状不良に対するものが多く、複雑形状の部品で問題となる稜線そり(面そり)やねじれなどの3次元的なスプリングバックに関する対策方法、あるいはこれらを同時に対策する方法については提案されていない。
ハット断面形状のプレス成形において、パンチ肩部でのスプリングバックやパンチ側壁部での壁そりなどの形状不良を低減できるプレス成形方法として、プレス成形により発生する壁反りの曲率r、しわ押さえ力BHFとの間に、r=f(BHF)の関係を与え、この関係に基づき、曲率が小さくなるようにしわ押さえ力を付加するとともに、パンチの行程が成形開始後下死点の直前までの間は、パンチ頭部に設けたたわみ調節装置で金属板にたわみを付与し、下死点でたわみを解消して成形するプレス成形方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。
しかしながら、この方法では、しわ押さえにより材料の移動が拘束されているため、パンチ頭部のたるみを決め押しすることにより材料に圧縮の残留応力が導入され、パンチ底の形状不良やねじれが生じるという問題がある。さらに、この方法は、ハット断面ビーム部品の壁そりや稜線部の角度変化といった2次元的な形状不良に対するものであり、ねじれや面そりなどの3次元的なスプリングバックに関する対策方法、あるいはこれらを同時に対策する方法については提案されていない。
一方、稜線そりやねじれなど3次元的な形状不良を低減できるプレス成形方法として、パンチを長手方向に数領域に分割し、パンチ底の面内応力分布を制御するプレス成形方法が提案されている(例えば、特許文献4を参照。)。
しかしながら、この方法では、パンチ底に生じる引張応力をプレス下死点に至る最後のひずみ増分で潰すという原理からしわ押さえにより張力を付与できるドローベンド成形(深絞り成形)に限られるため、フォーム成形(曲げ成形)には適さないという問題がある。さらに、この方法はねじれや面そりなどの3次元的なスプリングバックに関する対策方法であり、壁そりや稜線部の角度変化といった2次元的な形状不良には効果が期待できない。
特開平8−243657号公報 特開2003−33828号公報 特開2000−42635号公報 特開2006−116554号公報 「プレス成形難易ハンドブック第3版」、日刊工業新聞社、2007年3月30日発行、第365−377頁
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて提案されたものであり、金型形状の修正を行わずにプレス成形を行い、スプリングバックによる角度変化といった2次元的な形状不良や稜線そり(面そり)などの3次元的な形状不良を防止してプレス成形品を得ることができる形状凍結性に優れたプレス成形方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、断面形状が変化する部品や湾曲したハット形断面形状のビームなどの被加工材をプレス成形する際に、ダイの内側に配置されて、被加工材の加圧方向に移動可能とされたダイ側パッドと、パンチの加圧面よりも外側に突出された状態で配置されて、パンチの加圧面と同一の高さまで押し込み可能とされたパンチ側パッドとを備えるプレス成形装置を用い、パンチの加圧面よりもパンチ側パッドが外側に突出された状態で、ダイ側パッドを被加工材に押し当てながら、ダイとパンチとの間で被加工材をプレス成形することによって、被加工材をたるませながら成形し、被加工材のたるみ量を制御しながら、成形下死点において、パンチ側パッドがパンチの加圧面と同一の高さとなるまで被加工材をプレス成形することで、被加工材のたるみを押し潰す。これにより、スプリングバックによる角度変化や稜線そり(面そり)などの形状不良が防止でき、形状凍結性に優れたプレス成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
ダイとパンチとの相対的な移動によって前記ダイの内側に前記パンチを押し込みながら、前記ダイと前記パンチとの間で被加工材をプレス成形するプレス成形方法であって、
前記ダイの内側に配置されて、前記被加工材の加圧方向に移動可能とされたダイ側パッドと、
前記パンチの加圧面よりも外側に突出された状態で配置されて、前記パンチの加圧面と同一の高さまで押し込み可能とされたパンチ側パッドとを備えるプレス成形装置を用い、
前記パンチの加圧面よりも前記パンチ側パッドが外側に突出された状態で、前記ダイ側パッドを前記被加工材に押し当てながら、前記ダイと前記パンチとの間で被加工材をプレス成形することによって、前記被加工材をたるませながら成形し、前記被加工材のたるみ量を制御しながら、成形下死点において、前記パンチ側パッドが前記パンチの加圧面と同一の高さとなるまで前記被加工材をプレス成形することで、前記被加工材のたるみを押し潰すことを特徴とするプレス成形方法。
以上のように、本発明では、パンチの加圧面よりもパンチ側パッドが外側に突出された状態で、ダイ側パッドを被加工材に押し当てながら、ダイとパンチとの間で被加工材をプレス成形することによって、被加工材をたるませながら成形し、被加工材のたるみ量を制御しながら、成形下死点において、パンチ側パッドがパンチの加圧面と同一の高さとなるまで被加工材をプレス成形することで、形成した被加工材のたるみを押し潰す。これにより、曲げ領域が拡大し、プレス成形される被加工材のスプリングバックとスプリングゴーとをバランスさせることができる。したがって、本発明によれば、スプリングバックによる角度変化といった2次元的な形状不良や稜線そり(面そり)などの3次元的な形状不良を防止して、形状凍結性に優れたプレス成形品を得ることができる。また、従来のようにプレス成形品の形状不良を避けるためのプレス金型の修正も不要となる。
以下、本発明を適用したプレス成形装置及びプレス成形方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各部の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態では、プレス成形による被加工材の形状不良の事例として、図1に示すサイドメンバを模したハット形断面形状を有するビーム(金属製部品)100を対象に、本発明による具体的な形状凍結対策例について説明する。
先ず、図2及び図3に示すように、従来のプレス成形装置及びプレス成形方法を用いて、厚み1.4mm、980MPa級高強度鋼板(ハイテン:High Tensile Strength Steel Sheets)の薄板(被加工材)10を、50mm高さ(図1及び図2に示すz方向)のハット断面形状を有するサイドメンバにプレス成形する場合について説明する。
なお、図2は、従来のプレス成形装置を構成するダイ1、パンチ2及びパッド3の概要を示す模式図である。図3は、従来のプレス成形方法によるダイ1、パンチ2及びパッド3の動作を説明するための模式図である。このうち、図3(a)は、ダイ1に対してパンチ2が成形下死点の手前40mmに位置するとき、図3(b)は、ダイ1に対してパンチ2が成形下死点の手前10mmに位置するとき、図3(c)は、ダイ1に対してパンチ2が成形下死点に位置するときである。
断面形状が変化するハット形断面形状を有するビーム100では、壁そりや開きなどの2次元的な形状不良に加え、稜線そり(面そり)やねじれが同時に発生する。このような3次元的な形状不良は現象が複雑なため、その形状不良を解決する対策立案が容易でない。
具体的に、従来のプレス成形方法により薄板10をプレス成形する際は、先ず、図3(a)に示すように、成形途中で薄板10が動かないように、パンチ2とパッド3との間で薄板10を押さえながら、パンチ2及びパッド3を上昇させることによって、ダイ1とパンチ2との間で薄板10をプレス成形する。そして、この状態から更に、図3(b)に示すように、パンチ2及びパッド3を上昇させることによってプレス成形を継続し、図3(c)に示すように、成形下死点までパンチ2及びパッド3を上昇させることによって、最終的にハット形断面形状のプレス成形品を得る。
ここで、従来のプレス成形方法によるスプリングバック後のz方向変位分布の面そり状態を図4に示す。なお、図4中の数値は、面そり状態のz方向変位分布を示している。この従来のプレス成形方法によりハット断面形状を有するビーム100を成形すると、図4に示すように、プレス成形後のスプリングバックにより、ビーム100の端部が成形下死点での形状よりも高さ方向(z方向)に上がった面そり状態の形状となる(図6(a)を参照)。これは、プレス成形品を成形後に金型から取り出すことで拘束が緩和され、成形下死点での応力分布が駆動力となり、新たなつりあいを満たすようにプレス成形品に弾性変形が生じたためである。
ここでは、縦壁部の板厚方向の応力分布が駆動力となり縦壁が開き、上面の撓みを起こし、面そりを容易にするためである。すなわち、図1に示す凸稜線のyz面内z方向撓みは、zx面内で屈曲している上面を直線化するように働く。このとき凸稜線より左側の3点をz方向に拘束しているため、y軸周りのモーメントによりz方向変位(面そり)を発生させる。このように断面形状が変化するハット形断面形状のビーム100では、縦壁の開きと撓みを介して面そりが生じる。
そこで、本発明者らは、このような壁そりや開きなどの2次元的な形状不良に加え、稜線そり(面そり)が同時に発生するような3次元的な形状不良について、スプリングバックの機構に基づき鋭意検討を行った結果、縦壁の開き対策は面そり抑制に有効であることに見出した。
すなわち、断面形状が変化する部品や湾曲したハット形断面形状のビームなどの被加工材をプレス成形する際に、図5に示すように、ダイ1の内側に配置されて、被加工材(薄板10)の加圧方向(上下方向)に移動可能とされたダイ側パッド3と、パンチ2の加圧面2aよりも外側に突出された状態で配置されて、パンチ2の加圧面2aと同一の高さまで押し込み可能とされたパンチ側パッド4とを備えるプレス成形装置を用い、パンチ2の加圧面2aよりもパンチ側パッド4が外側に突出された状態で、ダイ側パッド3を被加工材10に押し当てながら、ダイ1とパンチ2との間で被加工材10をプレス成形し、成形下死点において、パンチ側パッド4がパンチ2の加圧面2aと同一の高さとなるまで被加工材10をプレス成形することで、スプリングバックによる角度変化や稜線そり(面そり)などの形状不良が防止でき、形状凍結性に優れたプレス成形品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明において、ダイ1は、その内側にハット形断面形状に対応した凹部1aを有している。パンチ2は、油圧シリンダなどの昇降機構5を介して上下方向に移動可能とされており、ダイ1の凹部1aに対応した形状の凸部2bを有して、この凸部2bの上面が被加工材10を加圧する加圧面2aとされている。ダイ側パッド3は、油圧シリンダなどの昇降機構6を介して上下方向に移動可能とされている。さらに、ダイ側パッド3は、被加工材10に押し当てられた状態でパンチ2と共に上下方向に移動可能となっており、ダイ1の凹部1aの底面には、昇降機構6を通す孔部7が設けられている。パンチ側パッド4は、パンチ2の加圧面2aに形成された凹部8の内側に配置されている。また、パンチ側パッド4は、凹部8の内側に配置されたスプリング9により上方に向かって付勢されており、その上面がパンチ2の加圧面2aよりも外側に突出された状態となっている。
次に、図5に示すように、本発明のプレス成形装置及びプレス成形方法を用いて、厚み1.4mm、980MPa級高強度鋼板(ハイテン:High Tensile Strength Steel Sheets)の薄板(被加工材)10を、50mm高さ(図1に示すz方向)のハット断面形状を有するサイドメンバにプレス成形する場合について説明する。
なお、図5(a)は、ダイ1に対してパンチ2が成形下死点の手前40mmに位置するとき、図5(b)は、ダイ1に対してパンチ2が成形下死点の手前10mmに位置するとき、図5(c)は、ダイ1に対してパンチ2が成形下死点に位置するときである。
本発明を適用したプレス成形方法により薄板10をプレス成形する際は、先ず、図5(a)に示すように、パンチ2の加圧面2aよりもパンチ側パッド4が外側に突出された状態で、ダイ側パッド3を薄板10に押し当てながら、パンチ2及びダイ側パッド3を上昇させることによって、ダイ1とパンチ2との間で薄板10をプレス成形する。このとき、成形される薄板10には、パンチ2の加圧面aに対するパンチ側パッド4の高さ(浮かし量)Hに応じて、たるみ10aが生じることになる。そして、この状態から更に、図5(b)に示すように、薄板10のたるみ10aを所定量に制御しながら、パンチ2及びダイ側パッド3を上昇させることによってプレス成形を継続し、図5(c)に示すように、成形下死点までパンチ2を上昇させることによって、パンチ側パッド4がパンチ2の加圧面2aと同一の高さとなるまで薄板10をプレス成形する。このとき、薄板10に形成されたたるみ10をダイ側パッド3とパンチ側パッド4との間で押し潰す。これにより、ハット形断面形状のプレス成形品を得ることができる。
本発明では、薄板10に形成されたたるみ10を押し潰すことにより、曲げ領域が拡大し、プレス成形される被加工材のスプリングバックとスプリングゴーとをバランスさせることができ、形状不良のない縦壁を得ることができる。
具体的に、本発明では、薄板10にたるみ10aを持たせてプレス成形することで、パンチ底からハット形断面形状のコーナー部に向かって、たるみ量に相当する金属板が供給され、形状不良の原因となるコーナー部での引張残留応力および圧縮残留応力が相殺されて、図6(b)に示すように、縦壁のスプリングバックとスプリングゴーをバランスさせ壁開きが低減され、同時にz方向への面そりは大きく改善される。
したがって、本発明によれば、スプリングバックによる角度変化といった2次元的な形状不良や稜線そり(面そり)などの3次元的な形状不良を防止して、形状凍結性に優れたプレス成形品を得ることができる。また、従来のようにプレス成形品の形状不良を避けるためのプレス金型の修正も不要となる。
ここで、本発明のプレス成形方法によるスプリングバック後のz方向変位分布の面そり状態を図7に示す。なお、図7中の数値は、面そり状態のz方向変位分布を示している。この本発明のプレス成形方法によりハット断面形状を有するビーム100を成形すると、図7に示すように、上記図4に示す従来のプレス成形方法による場合よりも、面そり状態のz方向変位分布の値が小さくなり、大幅に面そりが改善されていることが分かる。すなわち、2次元的な形状不良と3次元的な形状不良が同時に抑制される。
次に、ハット形断面を有するビーム100を対象に、面そり量(図7の部品右端のz方向変位)と壁開きに及ぼすパンチ側パッド4の浮かし量H(図5(a)を参照)の影響を説明する。
パンチ2の加圧面aに対するパンチ側パッド4の高さ(浮かし量)Hを、0mm(従来)、5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mmと変化させ、スプリングバック後の寸法不良として、面そり量と壁開き量(図6(a)を参照)を測定した。その浮かし量Hと面そり及び壁開き量との関係を図8に示す。
図8に示すように、パンチ側パッド4の浮かし量Hと面そり及び壁開き量との間には相関が認められ、浮かし量Hが大きいほど面そり量は改善されるが、浮かし量Hが大きすぎると、逆に右端は下がり(z方向マイナスを示し)スプリングゴーになることがわかる。これは壁開き量に関しても同様の傾向を示し、浮かし量Hが大きいほと壁開きは改善されるが、大きすぎると壁は内側に入り込みスプリングゴーを示す。これにより、パンチ側パッド4の浮かし量Hを最適値に制御することで部品寸法精度(形状凍結精度)を確保することができる。具体的に、パンチ側パッド4の浮かし量Hの最適値としては、5〜15mmの範囲であり、より好ましくは10±2mmの範囲である。
以上のように、本発明によれば、スプリングバックによる角度変化といった2次元的な形状不良や稜線そり(面そり)などの3次元的な形状不良を防止して形状凍結性に優れたプレス成形品を得ることができる。
断面形状が変化するハット断面を有する金属製部品の外観を示す斜視図である。 プレス成形装置を構成するダイ、パンチ及びパッドの概要を示す斜視図である。 従来のプレス成形方法によるダイ、パンチ及びパッドの動作を説明するための断面図である。 従来のプレス成形方法によるスプリングバック後のz方向変位分布を示す模式図である。 本発明のプレス成形方法によるダイ、パンチ、ダイ側パッド及びパンチ側パッドの動作を説明するための断面図である。 従来と本発明とのプレス成形方法の違いによる2次元形状不良(壁開き)を説明するための模式図である。 本発明のプレス成形方法によるスプリングバック後のz方向変位分布を示す模式図である。 パンチ浮かし量と寸法不良(面そり量及び壁開き量)との関係を示す特性図である。
符号の説明
1…ダイ
2…パンチ
2a…加圧面
3…ダイ側パッド
4…パンチ側パッド
10…薄板(被加工材)
10a…たるみ
100…ビーム(プレス成形品)

Claims (1)

  1. ダイとパンチとの相対的な移動によって前記ダイの内側に前記パンチを押し込みながら、前記ダイと前記パンチとの間で被加工材をプレス成形するプレス成形方法であって、
    前記ダイの内側に配置されて、前記被加工材の加圧方向に移動可能とされたダイ側パッドと、
    前記パンチの加圧面よりも外側に突出された状態で配置されて、前記パンチの加圧面と同一の高さまで押し込み可能とされたパンチ側パッドとを備えるプレス成形装置を用い、
    前記パンチの加圧面よりも前記パンチ側パッドが外側に突出された状態で、前記ダイ側パッドを前記被加工材に押し当てながら、前記ダイと前記パンチとの間で被加工材をプレス成形することによって、前記被加工材をたるませながら成形し、前記被加工材のたるみ量を制御しながら、成形下死点において、前記パンチ側パッドが前記パンチの加圧面と同一の高さとなるまで前記被加工材をプレス成形することで、前記被加工材のたるみを押し潰すことを特徴とするプレス成形方法。
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