JP7111063B2 - プレス成形装置 - Google Patents
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Description
そのため、断面ハット形状のプレス成形品のような断面略L字状に曲げ加工された曲げ部を有する形状のプレス成形する過程において、当該曲げ部の内側に生じる微小な座屈しわを抑制する技術が望まれていた。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付する。
本発明の実施の形態1に係るプレス成形装置1は、図1に一例として示すように、ブランク100(図1(a))を、断面略L字状の曲げ部111を有する形状のプレス成形品110(図1(c))にプレス成形するものであって、ダイ3と、パンチ5と、ダイ側パッド7と、パンチ側パッド9と、を備えている。
以下、プレス成形装置1の各構成について説明する。
ダイ3は、ダイ肩部3aと、ダイ中央部3bと、ダイ肩部3aとダイ中央部3bとの間に設けられた溝形状のダイ溝部3cとを有する。
パンチ5は、ダイ溝部3cに対向して設置されて、ブランク100における曲げ部111(図1(c))の曲げ内側に相当する部位に当接するパンチ肩部5aを有する。
ダイ側パッド7は、ダイ溝部3cに配置されるとともに、ダイ側パッド支持部11を用いてダイ中央部3bよりもパンチ5側に突出し、かつダイ溝部3cの溝底側に移動可能に支持されて、ブランク100における曲げ部111(図1(c))の曲げ外側に相当する部位に当接するパッド肩部7aを有するものである。
本実施の形態1では、ダイ側パッド支持部11としてガスシリンダーを用いるものとし、ダイ側パッド7は、ダイ側パッド支持部11により所定の荷重で付勢されている。
パンチ側パッド9は、ダイ中央部3bに対向して配置されるとともに、パンチ側パッド支持部13を用いてパンチ5よりもダイ3側に突出し、かつダイ3と反対側に移動可能に支持されて、ブランク100を載置するブランク載置面部9aを有するものである。
本実施の形態1では、パンチ側パッド支持部13としてガスシリンダーを用いるものとし、パンチ側パッド9は、パンチ側パッド支持部13により所定の荷重で付勢されている。
間隔cが板厚以下であることにより、ダイ中央部3bがブランク100に当接した後、ブランク100の端部側をダイ3とパンチ5の隙間に挟み込んだ状態でダイ3がパンチ5側に移動し、ブランク100の端部がよりパンチ5側に引き込まれやすい。このため、パンチ肩部5aによる逆曲げ部101のしごきを強くすることができ、座屈しわをさらに抑制して疲労強度を向上させることができる。
もっとも、ダイ側パッド支持部11及びパンチ側パッド支持部13は、ダイ3の移動に伴ってダイ側パッド7及びパンチ側パッド9をそれぞれ位置制御する機構を備えたものであってもよい。
本実施の形態2に係るプレス成形装置21は、図2に一例として示すように、ブランク100(図2(a))を、断面略L字状の曲げ部111を有する形状のプレス成形品110(図2(c))にプレス成形するものであって、ダイ3と、パンチ5と、ダイ側パッド7と、パンチ側パッド9、ホルダー23と、を備えている。
ここで、パンチ5、ダイ側パッド7及びパンチ側パッド9は、前述の実施の形態1と実質的に同一の機能、構成を有するものであるので、以下、プレス成形装置21におけるダイ3とホルダー23について説明する。
ダイ3は、ダイ肩部3aと、ダイ中央部3bと、ダイ肩部3aとダイ中央部3bとの間に設けられた溝形状のダイ溝部3cとを有し、さらに、ダイ肩部3aからダイ溝部3cと反対側に連続するダイ側板押え面部3dを有するものである。
ホルダー23は、ダイ側板押え面部3dに対向して設置され、ダイ側板押え面部3dと協働してブランク100の端部を挟持するものであり、ホルダー支持部25によりプレス成形方向に移動可能に支持されている。
本実施の形態2において、ホルダー支持部25はクッションピンを用いるものとし、所定の荷重でダイ3側に付勢されている。
本実施例では、図3に示す断面コ字状のプレス成形品120を試験対象とした。
そして、当該供試材をブランク100とし、本発明に係るプレス成形装置21(図2)を用いて曲げ部125を有する形状のプレス成形品120にプレス成形した。プレス成形品120は、図3に示すように、天板部121と一対の縦壁部123を有し、天板部121と縦壁部123は曲率半径R1.7mmの曲げ部125を介して連続している。
座屈しわの観察においては、プレス成形品120の曲げ部125の曲げ内側頂点を含む部位を切り出して拡大して観察し、図4に示すように、曲げ内側に生じた高さ20μm以上の座屈しわの個数を計測した。
図5より、従来例に比べると本発明例においては座屈しわが著しく減少していることが分かる。
ここで、図6は、引張ひずみを正の値、圧縮ひずみを負の値をとしたときのひずみ分布をグレースケール表示したものである。図6より、曲げ部125の曲げ内側においては圧縮ひずみが生じており、曲げ頂点において圧縮ひずみがピークを示していることが分かる。
図7において従来例と本発明例を比較すると、本発明例においては曲げ内側表面の圧縮ひずみは全体的に低下しており、特に、曲げ頂点での圧縮ひずみが従来例に比べて約46%減少していることが確認された。
3 ダイ
3a ダイ肩部
3b ダイ中央部
3c ダイ溝部
3d ダイ側板押え面部
5 パンチ
5a パンチ肩部
7 ダイ側パッド
7a パッド肩部
7b パッド先端
9 パンチ側パッド
9a ブランク載置面部
9b パッド肩部
11 ダイ側パッド支持部
13 パンチ側パッド支持部
21 プレス成形装置
23 ホルダー
25 ホルダー支持部
100 ブランク
101 逆曲げ部
110 プレス成形品
111 曲げ部
Claims (3)
- ブランクを断面略L字状の曲げ部を有する形状にプレス成形するプレス成形装置であって、
ダイ肩部と、ダイ中央部と、前記ダイ肩部と前記ダイ中央部との間に設けられた溝形状のダイ溝部と、を有するダイと、
前記ダイ溝部に対向して設置されて、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ内側に相当する部位に当接するパンチ肩部を有するパンチと、
前記ダイ溝部に配置されるとともに、前記ダイ中央部よりも前記パンチ側に突出し、かつ前記ダイ溝部の溝底側に移動可能、かつ所定の荷重で付勢されて支持され、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ外側に相当する部位に当接するパッド肩部を有するダイ側パッドと、
前記ダイ中央部に対向して配置されるとともに、前記パンチよりも前記ダイ側に突出し、かつ前記ダイと反対側に移動可能、かつ所定の荷重で付勢されて支持され、前記ブランクを載置するブランク載置面部を有するパンチ側パッドと、を備え、
前記ブランク載置面部に載置された前記ブランクに前記ダイ中央部が当接するまで前記ダイが前記パンチ側に相対移動し、前記ダイ側パッドの前記パッド肩部が前記ブランクに前記曲げ部の曲げ方向と逆向きの逆曲げ部を形成し、
前記ダイ中央部及び前記ダイ側パッドが前記ブランクに当接したまま前記ダイが前記パンチ側に成形下死点まで相対移動し、前記パンチ側パッド及び前記ダイ側パッドがそれぞれ前記ブランクに当接したまま移動することにより、前記ダイ側パッドは前記ブランクを挟んで前記パンチにより押圧された状態で前記パンチ肩部が前記逆曲げ部をしごいて前記曲げ部を形成し、前記曲げ部を成形する過程における面内方向の圧縮応力を低減し、座屈しわを抑制することを特徴とするプレス成形装置。 - 前記ダイは、前記ダイ肩部から前記ダイ溝部と反対側に連続するダイ側板押え面部を有し、
該ダイ側板押え面部に対向して設置されて、該ダイ側板押え面部と協働して前記ブランクの端部を挟持するホルダーをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のプレス成形装置。 - プレス成形方向に直交する方向における前記ダイと前記パンチの隙間が前記ブランクの板厚以下であり、前記ダイ中央部が前記ブランクに当接した後、前記ブランクにおける前記パンチ肩部が当接する部位よりも端部側が前記ダイと前記パンチの隙間に挟み込まれた状態で該ダイが前記パンチ側に相対移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形装置。
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JP2020196033A JP2020196033A (ja) | 2020-12-10 |
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016175281A1 (ja) | 2015-04-28 | 2016-11-03 | 新日鐵住金株式会社 | プレス加工装置、プレス加工方法、およびプレス成形品 |
JP2017202525A (ja) | 2016-05-13 | 2017-11-16 | アウディ アクチェンゲゼルシャフトAudi Ag | 複雑なシート状の金属部品を深絞り成型するための方法およびそのためのプレス装置 |
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