JP7111063B2 - プレス成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブランクを断面略L字状の曲げ部を有する形状にプレス成形するプレス成形装置に関する。
自動車車体を構成する部品のうちシャシー・足回り部品においては、板厚2mm以上の部品が多く、これらの部品の曲げ部の曲げ内側は曲げ加工時に局所的に大きな圧縮力を受けて、微小な座屈しわが生じる場合がある。そして、このような曲げ部の曲げ内側に生じた微小な座屈しわが、部品の疲労亀裂の起点となり、疲労強度を低下させることがある。
金属板材を曲げ加工した曲げ部の疲労強度を向上する技術として、例えば、特許文献1には、金属板に形成された貫通孔の周囲の縁に設けられたバーリング加工部を成形する過程において、該バーリング加工部の根元を構成する曲部の曲げの内側面に局所的に圧縮応力を集中させることで、前記内側面にしわが生じるのを抑制することができる装置が開示されている。
特開2018-51608号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、コイニング加工によりバーリング加工部を成形する装置であり、自動車部品に用いられるような断面ハット形状のプレス成形品に適用することは困難である。
そのため、断面ハット形状のプレス成形品のような断面略L字状に曲げ加工された曲げ部を有する形状のプレス成形する過程において、当該曲げ部の内側に生じる微小な座屈しわを抑制する技術が望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ブランクを、断面略L字状の曲げ部を有する形状にプレス成形するに際し、該曲げ部の内側に微小な座屈しわが生じるのを抑制することができるプレス成形装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形装置は、ブランクを断面略L字状の曲げ部を有する形状にプレス成形するものであって、ダイ肩部と、ダイ中央部と、前記ダイ肩部と前記ダイ中央部との間に設けられた溝形状のダイ溝部と、を有するダイと、前記ダイ溝部に対向して設置されて、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ内側に相当する部位に当接するパンチ肩部を有するパンチと、前記ダイ溝部に配置されるとともに、前記ダイ中央部よりも前記パンチ側に突出し、かつ前記ダイ溝部の溝底側に移動可能に支持されて、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ外側に相当する部位に当接するパッド肩部を有するダイ側パッドと、前記ダイ中央部に対向して配置されるとともに、前記パンチよりも前記ダイ側に突出し、かつ前記ダイと反対側に移動可能に支持されて、前記ブランクを載置するブランク載置面部を有するパンチ側パッドと、を備え、前記ブランク載置面部に載置された前記ブランクに前記ダイ中央部が当接するまで前記ダイが前記パンチ側に相対移動し、前記ダイ側パッドの前記パッド肩部が前記ブランクに前記曲げ部の曲げ方向と逆向きの逆曲げ部を形成し、前記ダイ中央部が前記ブランクに当接したまま前記ダイが前記パンチ側に成形下死点まで相対移動し、前記パンチ側パッド及び前記ダイ側パッドがそれぞれ移動することにより、前記パンチ肩部が前記逆曲げ部をしごいて前記曲げ部を形成することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記ダイは、前記ダイ肩部から前記ダイ溝部と反対側に連続するダイ側板押え面部を有し、該ダイ側板押え面部に対向して設置されて、該ダイ側板押え面部と協働して前記ブランクの端部を挟持するホルダーをさらに備えたことを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、プレス成形方向に直交する方向における前記ダイと前記パンチの隙間が前記ブランクの板厚以下であり、前記ダイ中央部が前記ブランクに当接した後、前記ブランクにおける前記パンチ肩部が当接する部位よりも端部側が前記ダイと前記パンチの隙間に挟み込まれた状態で該ダイが前記パンチ側に相対移動することを特徴とするものである。
本発明においては、ブランクを断面略L字状の曲げ部を有する形状にプレス成形するものであって、ダイ肩部と、ダイ中央部と、前記ダイ肩部と前記ダイ中央部との間に設けられた溝形状のダイ溝部と、を有するダイと、前記ダイ溝部に対向して設置されて、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ内側に相当する部位に当接するパンチ肩部を有するパンチと、前記ダイ溝部に配置されるとともに、前記ダイ中央部よりも前記パンチ側に突出し、かつ前記ダイ溝部の溝底側に移動可能に支持されて、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ外側に相当する部位に当接するパッド肩部を有するダイ側パッドと、前記ダイ中央部に対向して配置されるとともに、前記パンチよりも前記ダイ側に突出し、かつ前記ダイと反対側に移動可能に支持されて、前記ブランクを載置するブランク載置面部を有するパンチ側パッドと、を備え、前記ブランク載置面部に載置された前記ブランクに前記ダイ中央部が当接するまで前記ダイが前記パンチ側に相対移動し、前記ダイ側パッドの前記パッド肩部が前記ブランクに前記曲げ部の曲げ方向と逆向きの逆曲げ部を形成し、前記ダイ中央部が前記ブランクに当接したまま前記ダイが前記パンチ側に成形下死点まで相対移動し、前記パンチ側パッド及び前記ダイ側パッドがそれぞれ移動することにより、前記パンチ肩部が前記逆曲げ部をしごいて前記曲げ部を形成することにより、曲げ部の内側に微小な座屈しわの発生を抑制し、該座屈しわを起点として疲労亀裂が発生して疲労破壊に至るのを防ぐことができ、プレス成形品の疲労強度を向上することができる。
本発明の実施の形態1に係るプレス成形装置の構成とその動作を説明する図である((a)成形開始、(b)成形途中、(c)成形下死点)。 本発明の実施の形態2に係るプレス成形装置の構成とその動作を説明する図である((a)成形開始、(b)成形途中、(c)成形下死点)。 本実施例で試験対象としたプレス成形品の形状及び寸法を示す断面図である。 本実施例において、曲げ部の曲げ内側に生じた座屈しわを説明する図である。 本実施例において、曲げ部の曲げ内側に生じた座屈しわの測定結果を示す図である。 本実施例において、曲げ部に生じたひずみ分布のFEM解析結果を示す図である。 本実施例において、曲げ部の曲げ内側に生じた圧縮ひずみのFEM解析結果を示す図である。
本発明の実施の形態1及び実施の形態2に係るプレス成形装置を、図1及び図2に基づいて説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付する。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係るプレス成形装置1は、図1に一例として示すように、ブランク100(図1(a))を、断面略L字状の曲げ部111を有する形状のプレス成形品110(図1(c))にプレス成形するものであって、ダイ3と、パンチ5と、ダイ側パッド7と、パンチ側パッド9と、を備えている。
以下、プレス成形装置1の各構成について説明する。
<ダイ>
ダイ3は、ダイ肩部3aと、ダイ中央部3bと、ダイ肩部3aとダイ中央部3bとの間に設けられた溝形状のダイ溝部3cとを有する。
<パンチ>
パンチ5は、ダイ溝部3cに対向して設置されて、ブランク100における曲げ部111(図1(c))の曲げ内側に相当する部位に当接するパンチ肩部5aを有する。
<ダイ側パッド>
ダイ側パッド7は、ダイ溝部3cに配置されるとともに、ダイ側パッド支持部11を用いてダイ中央部3bよりもパンチ5側に突出し、かつダイ溝部3cの溝底側に移動可能に支持されて、ブランク100における曲げ部111(図1(c))の曲げ外側に相当する部位に当接するパッド肩部7aを有するものである。
本実施の形態1では、ダイ側パッド支持部11としてガスシリンダーを用いるものとし、ダイ側パッド7は、ダイ側パッド支持部11により所定の荷重で付勢されている。
<パンチ側パッド>
パンチ側パッド9は、ダイ中央部3bに対向して配置されるとともに、パンチ側パッド支持部13を用いてパンチ5よりもダイ3側に突出し、かつダイ3と反対側に移動可能に支持されて、ブランク100を載置するブランク載置面部9aを有するものである。
本実施の形態1では、パンチ側パッド支持部13としてガスシリンダーを用いるものとし、パンチ側パッド9は、パンチ側パッド支持部13により所定の荷重で付勢されている。
上記の様に構成されたプレス成形装置1の動作を、ブランク100を断面略L字状の曲げ部を有する形状であるプレス成形品110にプレス成形する場合について図1に基づいて説明する。
まず、図1(a)に示すように、パンチ側パッド9のブランク載置面部9aにブランク100を載置し、ダイ側パッド7及びパンチ側パッド9をともに突出した状態のまま、パンチ側パッド9のブランク載置面部9aに載置されたブランク100に、ダイ中央部3bが当接するまで、または、パッド先端7bが当接するまで、ダイ3がパンチ5側に相対移動する。
このとき、ダイ肩部3aがブランク100に当接してダイ3がパンチ5側に相対移動すると、図1(b)に示すように、ブランク100においてはパッド肩部9bが当接する部位とパンチ肩部5aが当接する部位はダイ3の移動方向に曲げられる。さらに、ブランク100におけるパッド肩部9bが当接する部位とパンチ肩部5aが当接する部位の間の部位にダイ側パッド7のパッド肩部7aが当接して、目標とする曲げ部111(図1(c))の曲げ方向と逆向きに曲げられた逆曲げ部101が形成される(図1(b))。
続いて、ダイ中央部3bがブランク100に当接したまま、ダイ3がパンチ5側に成形下死点まで相対移動する。パンチ側パッド支持部13により付勢されたパンチ側パッド9は、ブランク100を挟んでダイ中央部3bにより押圧されて、パンチ5と面一となる位置まで引っ込む。さらに、ダイ側パッド支持部11により付勢されたダイ側パッド7は、ブランク100を挟んでパンチ5により押圧されてダイ溝部3cに引っ込む。この過程において、パンチ肩部5aは逆曲げ部101をしごいて曲げ部111を形成する。
このように、本実施の形態に係るプレス成形装置1は、ダイ側パッド7のパッド肩部7aにより逆曲げ部101を成形して曲げ部111の曲げ内側にも面内方向の引張応力を付与した後に、パンチ肩部5aにより逆曲げ部101をしごいて曲げ部111を成形する。これにより、曲げ部111を成形する過程における面内方向の圧縮応力を低減し、座屈しわを抑制することができる。その結果、曲げ部111を有するプレス成形品110の疲労強度を向上することができる。
なお、本実施の形態1に係るプレス成形装置1は、プレス成形方向に直交する方向におけるダイ3とパンチ5の間隔c(図1(c)参照)がブランク100の板厚以下であることが好ましい。
間隔cが板厚以下であることにより、ダイ中央部3bがブランク100に当接した後、ブランク100の端部側をダイ3とパンチ5の隙間に挟み込んだ状態でダイ3がパンチ5側に移動し、ブランク100の端部がよりパンチ5側に引き込まれやすい。このため、パンチ肩部5aによる逆曲げ部101のしごきを強くすることができ、座屈しわをさらに抑制して疲労強度を向上させることができる。
上記の説明において、ダイ側パッド支持部11及びパンチ側パッド支持部13はいずれもガスシリンダーなど荷重を制御可能なものを用いるとよく、所定の荷重でダイ側パッド7及びパンチ側パッド9を付勢して支持するものであった。この場合、ダイ側パッド支持部11及びパンチ側パッド支持部13により付勢する荷重は、ダイ3のダイ中央部3bがブランク100に当接するまでは、ダイ側パッド7がダイ中央部3bよりパンチ5側に突出し、かつパンチ側パッド9がパンチ5よりもダイ3側に突出した状態を維持でき、さらに、ダイ3のダイ中央部3bがブランク100に当接した後は、ダイ3の相対移動に伴ってダイ側パッド7とパンチ側パッド9が押圧されて引っ込むように設定すればよい。
もっとも、ダイ側パッド支持部11及びパンチ側パッド支持部13は、ダイ3の移動に伴ってダイ側パッド7及びパンチ側パッド9をそれぞれ位置制御する機構を備えたものであってもよい。
また、本実施の形態1のプレス成形装置1は、ダイ3がパンチ5の上方に配置されて、ダイ3がパンチ5側に下降するものとして図示されているが(図1参照)、本発明はこのような配置や移動に限るものではない。例えば、ダイとパンチが上下逆に配置されて、パンチとダイが相対的に移動するものであってもよく、このようなダイとパンチの配置に伴って、ダイ側パッドやパンチ側パッドが設置されたものであればよい。
[実施の形態2]
本実施の形態2に係るプレス成形装置21は、図2に一例として示すように、ブランク100(図2(a))を、断面略L字状の曲げ部111を有する形状のプレス成形品110(図2(c))にプレス成形するものであって、ダイ3と、パンチ5と、ダイ側パッド7と、パンチ側パッド9、ホルダー23と、を備えている。
ここで、パンチ5、ダイ側パッド7及びパンチ側パッド9は、前述の実施の形態1と実質的に同一の機能、構成を有するものであるので、以下、プレス成形装置21におけるダイ3とホルダー23について説明する。
<ダイ>
ダイ3は、ダイ肩部3aと、ダイ中央部3bと、ダイ肩部3aとダイ中央部3bとの間に設けられた溝形状のダイ溝部3cとを有し、さらに、ダイ肩部3aからダイ溝部3cと反対側に連続するダイ側板押え面部3dを有するものである。
<ホルダー>
ホルダー23は、ダイ側板押え面部3dに対向して設置され、ダイ側板押え面部3dと協働してブランク100の端部を挟持するものであり、ホルダー支持部25によりプレス成形方向に移動可能に支持されている。
本実施の形態2において、ホルダー支持部25はクッションピンを用いるものとし、所定の荷重でダイ3側に付勢されている。
次に、上記の様に構成されたプレス成形装置21の動作を、前述の実施の形態1と同様、ブランク100を断面略L字状の曲げ部111を有する形状であるプレス成形品110にプレス成形する場合について、図2に基づいて説明する。
まず、図2(a)に示すように、パンチ側パッド9のブランク載置面部9aにブランク100を載置し、ダイ側パッド7及びパンチ側パッド9をともに突出した状態のまま、パンチ側パッド9のブランク載置面部9aに載置されたブランク100にダイ中央部3bが当接するまでダイ3がパンチ5側に相対移動する。
このとき、ダイ肩部3aがブランク100に当接してダイ3がパンチ5側に相対移動すると、図2(b)に示すように、ブランク100においてはパッド肩部9bが当接する部位とパンチ肩部5aが当接する部位はダイ3の移動方向に曲げられ、ブランク100におけるパッド肩部9bが当接する部位とパンチ肩部5aが当接する部位の間の部位にダイ側パッド7のパッド肩部7aが当接し、目標とする曲げ部111(図2(c))の曲げ方向と逆向きに曲げられた逆曲げ部101が形成される(図2(b))。
さらに、ブランク100におけるパンチ5のパンチ肩部5aが当接する部位よりも端部側は、ダイ3のダイ側板押え面部3dとホルダー23とにより挟持される。
続いて、ダイ中央部3bがブランク100に当接したまま、ダイ3がパンチ5側に成形下死点まで相対移動する。パンチ側パッド支持部13により付勢されたパンチ側パッド9は、ブランク100を挟んでダイ中央部3bにより押圧されて、パンチ5と面一となる位置まで引っ込む。さらに、ダイ側パッド支持部11により付勢されたダイ側パッド7は、ブランク100を挟んでパンチ5により押圧されてダイ溝部3cに引っ込む。この過程において、ダイ側板押え面部3dとホルダー23とがブランク100の端部側を挟持したまま、パンチ肩部5aは逆曲げ部101をしごく。その後、ブランク100の端部側がダイ側板押え面部3dとホルダー23との間から引き抜かれ、パンチ肩部5aにより曲げ部111が成形される。
このように、本実施の形態2に係るプレス成形装置21においては、ブランク100の端部側がダイ側板押え面部3dとホルダー23とにより挟持された状態で、ブランク100の端部をパンチ5側に引き込むため、パンチ肩部5aが逆曲げ部101をしごいて曲げ部111を成形する。これにより、曲げ部111の曲げ内側に面内方向の張力が付与され、曲げ内側における面内方向の圧縮応力をより低減して、座屈しわを抑制することができる。その結果、曲げ部111を有するプレス成形品110の疲労強度をより向上することができる。
上記の説明において、ホルダー支持部25はいずれもクッションピンを用いるものとし、所定の荷重でホルダー23を付勢して支持するものであった。この場合、ホルダー支持部25により付勢する荷重は、パンチ肩部5aが逆曲げ部101をしごく際に引張応力が付与されるようにするともに、曲げ部111が成形されるまでにブランク100の端部がダイ側板押え面部3dとホルダー23との間から引き抜かれるように設定されたものとすればよい。
また、本実施の形態2のプレス成形装置21は、ダイ3がパンチ5の上方に配置されて、ダイ3がパンチ5側に下降するものとして図示されているが(図2参照)、本発明はこのような配置や移動に限るものではない点は、前述の実施の形態1と同様である。
本発明の作用効果について確認するための実験を行ったので、これについて以下に説明する。
本実施例では、図3に示す断面コ字状のプレス成形品120を試験対象とした。
供試材には、自動車用足周り部品に用いられる板厚2.9mm、引張強度590MPa級の熱延鋼板を用いた。
そして、当該供試材をブランク100とし、本発明に係るプレス成形装置21(図2)を用いて曲げ部125を有する形状のプレス成形品120にプレス成形した。プレス成形品120は、図3に示すように、天板部121と一対の縦壁部123を有し、天板部121と縦壁部123は曲率半径R1.7mmの曲げ部125を介して連続している。
プレス成形装置21において、ダイ側パッド支持部11及びパンチ側パッド支持部13にはそれぞれガスシリンダーを用い、ダイ側パッド7及びパンチ側パッド9を付勢するための荷重(初期圧)はそれぞれ15tonf及び10tonfとした。また、ホルダー支持部25にはクッションピンを用い、ホルダー23を付勢するための荷重(初期圧)は2.5tonfとした。
本実施例では、プレス成形品120の曲げ部125の曲げ内側に生じた座屈しわの状態を観察することにより、本発明の有効性を評価した。
座屈しわの観察においては、プレス成形品120の曲げ部125の曲げ内側頂点を含む部位を切り出して拡大して観察し、図4に示すように、曲げ内側に生じた高さ20μm以上の座屈しわの個数を計測した。
さらに、プレス成形装置21によりプレス成形品120をプレス成形する過程の有限要素解析を行い、曲げ部125におけるひずみ分布を求めた。
なお、本実施例では、比較対象として、プレス成形過程において逆曲げ部101(図1(b)参照)を形成せずに1ストロークで曲げ部125を有するプレス成形品120をプレス成形した場合を従来例とし、曲げ部125の内側における座屈しわを観察するとともに、有限要素解析により曲げ部125のひずみ分布を求めた。
図5に、曲げ部125の曲げ内側に生じた座屈しわの個数を計測した結果を示す。
図5より、従来例に比べると本発明例においては座屈しわが著しく減少していることが分かる。
図6に、従来例に係るプレス成形品120の有限要素解析により求めた曲げ部125の断面におけるひずみ分布を示す。
ここで、図6は、引張ひずみを正の値、圧縮ひずみを負の値をとしたときのひずみ分布をグレースケール表示したものである。図6より、曲げ部125の曲げ内側においては圧縮ひずみが生じており、曲げ頂点において圧縮ひずみがピークを示していることが分かる。
図7に、曲げ部125の曲げ内側に沿った方向における曲げ内側表面での圧縮ひずみの解析結果を示す。
図7において従来例と本発明例を比較すると、本発明例においては曲げ内側表面の圧縮ひずみは全体的に低下しており、特に、曲げ頂点での圧縮ひずみが従来例に比べて約46%減少していることが確認された。
図6及び図7の結果から、本発明例に係るプレス成形品120においては、プレス成形過程での曲げ部125の曲げ内側における圧縮ひずみが低減したため、座屈しわが低減したと考えられる。そして、この結果から、本発明例に係るプレス成形品120について疲労耐久試験を行った場合、従来例に比べると座屈しわを起点とした疲労破壊が抑制されるために疲労特性が向上することが示唆された。
1 プレス成形装置
3 ダイ
3a ダイ肩部
3b ダイ中央部
3c ダイ溝部
3d ダイ側板押え面部
5 パンチ
5a パンチ肩部
7 ダイ側パッド
7a パッド肩部
7b パッド先端
9 パンチ側パッド
9a ブランク載置面部
9b パッド肩部
11 ダイ側パッド支持部
13 パンチ側パッド支持部
21 プレス成形装置
23 ホルダー
25 ホルダー支持部
100 ブランク
101 逆曲げ部
110 プレス成形品
111 曲げ部

Claims (3)

  1. ブランクを断面略L字状の曲げ部を有する形状にプレス成形するプレス成形装置であって、
    ダイ肩部と、ダイ中央部と、前記ダイ肩部と前記ダイ中央部との間に設けられた溝形状のダイ溝部と、を有するダイと、
    前記ダイ溝部に対向して設置されて、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ内側に相当する部位に当接するパンチ肩部を有するパンチと、
    前記ダイ溝部に配置されるとともに、前記ダイ中央部よりも前記パンチ側に突出し、かつ前記ダイ溝部の溝底側に移動可能、かつ所定の荷重で付勢されて支持され、前記ブランクにおける前記曲げ部の曲げ外側に相当する部位に当接するパッド肩部を有するダイ側パッドと、
    前記ダイ中央部に対向して配置されるとともに、前記パンチよりも前記ダイ側に突出し、かつ前記ダイと反対側に移動可能、かつ所定の荷重で付勢されて支持され、前記ブランクを載置するブランク載置面部を有するパンチ側パッドと、を備え、
    前記ブランク載置面部に載置された前記ブランクに前記ダイ中央部が当接するまで前記ダイが前記パンチ側に相対移動し、前記ダイ側パッドの前記パッド肩部が前記ブランクに前記曲げ部の曲げ方向と逆向きの逆曲げ部を形成し、
    前記ダイ中央部及び前記ダイ側パッドが前記ブランクに当接したまま前記ダイが前記パンチ側に成形下死点まで相対移動し、前記パンチ側パッド及び前記ダイ側パッドがそれぞれ前記ブランクに当接したまま移動することにより、前記ダイ側パッドは前記ブランクを挟んで前記パンチにより押圧された状態で前記パンチ肩部が前記逆曲げ部をしごいて前記曲げ部を形成し、前記曲げ部を成形する過程における面内方向の圧縮応力を低減し、座屈しわを抑制することを特徴とするプレス成形装置。
  2. 前記ダイは、前記ダイ肩部から前記ダイ溝部と反対側に連続するダイ側板押え面部を有し、
    該ダイ側板押え面部に対向して設置されて、該ダイ側板押え面部と協働して前記ブランクの端部を挟持するホルダーをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のプレス成形装置。
  3. プレス成形方向に直交する方向における前記ダイと前記パンチの隙間が前記ブランクの板厚以下であり、前記ダイ中央部が前記ブランクに当接した後、前記ブランクにおける前記パンチ肩部が当接する部位よりも端部側が前記ダイと前記パンチの隙間に挟み込まれた状態で該ダイが前記パンチ側に相対移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形装置。
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