JP2009012044A - 薄板のプレス金型装置及びプレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンチおよびパッドによる薄板への加圧状態を、プレス成形時に正確に検知することにより、寸法精度に優れたプレス成形品が得られるプレス金型装置及びプレス成形方法を提供する。
【解決手段】ポンチ1とダイ3の相対的な直進移動によって薄板5をプレス成形するプレス金型装置であって、ポンチ1と連動して薄板5を押えるパッド2を備え、ポンチ1およびパッド2のうち少なくとも一方の加圧面11,21近傍の内部に、薄板5の法線方向に発生する弾性歪を測定する歪測定手段10が配設されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄板を成形材料とするプレス金型装置およびプレス成形方法に関し、特に、ポンチと連動するパッドを備えたプレス金型装置において、プレス成形時のポンチおよびパッドの薄板への加圧力を検知することで、成形品のスプリングバック等を低減させて寸法精度の向上を図ることができるプレス金型装置およびプレス成形方法に関するものである。
プレス金型装置を用いた薄板のプレス成形は、自動車用部品の製造分野などで広く利用されている。
薄板をプレス成形する際、成形品から金型等による加圧力が取り除かれたときに、スプリングバックを生じ、成形不良となることがある。従来、ポンチと連動して薄板を押えるパッドを備えたプレス金型装置において、例えばハット形の成形品を成形する際には、以下の方法によりスプリングバックを抑制可能であることが知られている。則ち、初期加圧時には、図2に示すように、薄板5の曲げ抵抗を受けるポンチ1とパッド2との間に適度な隙間ができるようにパッド圧を弱めに調整し、薄板5が撓んだ状態で、ポンチ1の肩部12によって薄板5のC点に曲げぐせがつけられる。その後、下死点まで加圧したときには、図3に示すように、薄板5の撓みがなく張った状態でプレスされるので、図2のC点とは異なる位置が曲げられる。このようにして成形された成形品50は、縦壁部に曲げぐせを有するC点が存在することにより、加圧力が取り除かれても、スプリングバックを起こしにくくなる。
一方、例えば長手方向に湾曲した成形品を成形する場合には、図7に示すように、最初から薄板5とポンチ1底部の加圧面11とを密着させてプレス成形し、成形品の底面を先に成形することが好ましい。この場合、縦壁部が先に形成されてしまうと、成形品の剛性が高くなり、長手方向に湾曲させる際に極めて大きな力が必要となる。そのため、長手方向に反るスプリングバックが大きくなり、寸法精度が悪くなる。したがって、パッド圧を高めに調整し、ポンチ1とパッド2の間に薄板5が隙間なく押さえられた状態でプレス成形することが必要である。このように、成形品の形状に応じてパッド圧を調整することは、成形品の寸法精度向上を図るために重要である。
従来、例えば特許文献1に、成形品の残留応力を除去する方向に圧縮力を付与する曲げ刃を金型に設けることにより、スプリングバックを抑制する方法が開示されている。また、特許文献2では、サーボモータにより駆動されるクッションパッドの位置を制御することにより、スライドにおける圧縮量もしくはプレス圧の制御を行う装置が開示されている。
さらに、非特許文献3には、ダイの肩部近傍に圧電素子を内蔵させ、ダイ肩に生ずる圧縮歪に基づいて、薄板の摺動特性を測定する技術が開示されている。
特開2005−88051号公報 特開2006−326626号公報 高張力鋼板の成形一貫技術開発(金型摩擦センサーの開発)」、第57回塑性加工連合講演会講演論文集(平成18年10月31日〜11月2日、高岡商工会議所商工ビル)、社団法人日本塑性加工学会発行(平成18年10月17日)pp. 165-166
ところが、前記特許文献1および特許文献2は、いずれもパッド圧を調整する方法について開示されたものではなく、前述のようにパッド圧を調整して成形品の寸法精度向上を図ることはできない。則ち、スプリングバッグ等を起こすことなく寸法精度の良い成形品を得るためのパッド圧は、装置ごとあるいは薄板の材料ごとに異なるが、これら特許文献1および特許文献2に開示された装置によれば、プレス成形中に薄板と金型との接触状態を検出して適正な状態で加圧が行われているかどうかを把握することはできなかった。
また、上記非特許文献3のようにダイとしわ押え金型の間の摩擦力を測定したとしても、やはり転写・造形部における薄板と金型の接触状態を知ることはできなかった。
本発明の目的は、ポンチおよびパッドによる薄板への加圧状態を、プレス成形時に正確に検知することにより、寸法精度に優れたプレス成形品が得られるプレス金型装置及びプレス成形方法を提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明によれば、ポンチとダイの相対的な直進移動によって薄板をプレス成形するプレス金型装置であって、前記ポンチと連動して薄板を押えるパッドを備え、前記ポンチおよび前記パッドのうち少なくとも一方の加圧面近傍の内部に、前記薄板の法線方向に発生する弾性歪を測定する歪測定手段が配設されていることを特徴とするプレス金型装置が提供される。
ポンチまたはパッドの加圧面近傍に歪測定手段を設けることにより、プレス成形時に、ポンチまたはパッドから薄板に加わる圧縮力の反力によって生ずる歪を検出することができる。したがって、加圧面と薄板との接触状態を正確に検知できる。
このプレス金型装置において、前記歪測定手段は、例えばピエゾ素子または歪ゲージである。
また、本発明によれば、前記プレス金型装置を用いた薄板のプレス成形方法であって、前記歪測定手段により測定した歪が所定の範囲内になるように、予め前記パッドのパッド圧を調整してプレス成形することを特徴とするプレス成形方法が提供される。
さらに、前記プレス金型装置を用いた薄板のプレス成形方法であって、前記歪測定手段により測定した歪が所定範囲を超えたとき、または所定範囲を下回ったときは、一旦プレス成形を中断して、歪が所定の範囲内になるように、前記パッドのパッド圧を調整し、その後、プレス成形を再開することを特徴とするプレス成形方法が提供される。
さらに、前記プレス金型装置を用いた薄板のプレス成形方法であって、前記歪測定手段により測定した歪が所定範囲を超えたとき、または所定範囲を下回ったときに、成形異常と判定することを特徴とするプレス成形方法が提供される。
また、前記薄板への加圧開始時からプレス成形下死点直前までの間、前記歪が所定の範囲内になるように前記パッド圧を調整し、前記ポンチと前記パッドの間に所定の隙間を形成するようにしてもよい。この場合は、成形品の縦壁部の幅方向のスプリングバックを抑制することができる。
さらに、前記薄板への加圧開始時に、前記歪測定手段により測定した歪が所定値以上となるように前記パッド圧を調整し、プレス成形により得られる成形品の底面を成形した後で縦壁部を成形するようにしてもよい。この場合は、成形品の長手方向のスプリングバックを抑制することができる。
本発明によれば、ポンチまたはパッドの加圧面付近に発生する薄板の法線方向の歪を測定することにより、ポンチまたはパッドから薄板に作用している力を正確に検知することが可能となる。即ち、成形時の薄板とポンチまたはパッドとの接触状態を検知することにより、薄板に対して適正な加圧が行われているかどうかを判定できる。さらに、成形品の形状に応じて加圧条件を調整することにより、スプリングバックを抑制し、寸法精度に優れたプレス成形品が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図である。このプレス金型装置は、ポンチ1とパッド2とで薄板5を押えながら絞り加工を行うものである。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1のプレス金型装置は、上方にポンチ1が配置され、ポンチ1の先端部に対向してパッド2が配置されている。ポンチ1の下方にはダイ3が配置され、ダイ3の空腔30内に、ポンチ1側への押え荷重(パッド圧)を調整可能にパッド2が配置されている。
かかるプレス金型装置において、先ず、図1に示すように、ダイ3およびパッド2の上に成形材料である薄板5を載せ、ポンチ1とダイ3を上下方向に相対的に直進移動させる。このポンチ1とダイ3の相対的な直進移動に従い、薄板5はポンチ1とパッド2に挟まれながらダイ3の空腔30内に引き込まれる。本実施形態においては、パッド圧を低めに設定し、図2に示すように、初期加圧時にはポンチ1が薄板5の曲げ抵抗を受けることにより、ポンチ1とパッド2との間に適宜隙間が形成されるようにする。これにより、初期加圧時には、薄板5が少し撓んだ状態で曲げられる。その後、さらに加圧されて下死点に到達すると、図3に示すように薄板5が張りつめた状態でプレスされ、ポンチ1の加圧面11に沿った形状にプレス成形される。このプレス金型装置により、図4に示すように、一方が開口したハット形の成形品50を得ることができる。図4は底面側から見た図である。尚、プレス成形は、ポンチ1を下降させてもよいし、ダイ3を上昇させても良い。
歪測定手段10は、上記のプレス成形時、ポンチ1およびパッド2に、薄板5の法線方向に発生する歪を測定するために設けられる。図1〜図3に示したプレス金型装置では、ポンチ1の中央の内部に、薄板5の法線方向則ち図の上下方向に発生する歪を測定する歪測定手段10Aを、パッド2の中央の内部に、薄板5の法線方向に発生する歪を測定する歪測定手段10Bを、1つずつ設けている。いずれの歪測定手段10A,10Bも、ポンチ1またはパッド2の加圧面11,21近傍に設けられる。これらの歪測定手段10A,10Bにより、プレス成形時に、ポンチ1およびパッド2から薄板5に加わる圧縮力の反力によって生ずる歪を検出することができる。
このようにポンチ1およびパッド2の内部に設けられる歪測定手段10としては、例えばピエゾ素子または歪ゲージなどが利用できる。図5は、そのようなピエゾ素子または歪ゲージ等からなる測定手段10のパッド2の内部への取付例を示す。
図5に示すように、パッド2に形成した穴の底部に歪測定手段10Bを挿入することにより、パッド2の内部に歪測定手段10Bを配置させ、その後、ボルト9によって穴を塞いだ構成となっている。歪測定手段10Bによる検出信号を取り出すリード線19は、ボルト9内を貫通させて、外部に引き出される。歪測定手段10Bは、パッド2表面の加圧面21から例えば深さ4〜30mm程度の位置に配置されると良い。
このように、ポンチ1およびパッド2の内部に、薄板5の法線方向に発生する歪を測定する歪測定手段10を設けたことにより、成形中の薄板5とポンチ1およびパッド2の加圧面11,21との接触状態を正確に検知できる。本実施形態においては、初期加圧時にはポンチ1とパッド2の間に適宜隙間を形成するために、ポンチ1側の歪測定手段10Aによる歪検出値が小さくなるようにパッド圧を調整する。図6は、各歪測定手段10A,10Bによる歪検出値の推移を示すグラフである。成形下死点に達するまでは、パッド2の中央部に薄板5が接触して加圧され、ポンチ1中央部には薄板5が接触しないため、ほとんど歪が生じない。このとき、ポンチ1の肩部12により薄板5のC点(図2)に曲げぐせが付けられる。下死点に達した後は、薄板5はポンチ1の加圧面11とパッド2の加圧面21の両方に押さえ付けられて撓みのない状態で加圧される。そのため、初期に曲げぐせが付けられたC点は、成形品50においては縦壁部51の適宜個所に位置することとなる。尚、歪の検出値は、歪測定手段10の設置位置により異なるので、金型ごとに適宜基準値を設定する。
ポンチ1およびパッド2から薄板5に加わる圧縮力の反力によって生ずる歪を検出することにより、薄板5とポンチ1およびパッド2との接触状態が正確に把握できる。従って、適正な加圧が行われているかどうかを判定できる。その結果、本実施形態においては、成形品50の縦壁部51に初期加圧による曲げぐせを有することにより、スプリングバックが抑制されて寸法精度の優れたプレス成形品が得られる。
プレス成形下死点に達した後も、歪測定手段10によって歪を検出することにより、プレス成形が適正に行われているかどうかを判定できる。このとき、検出値の上限を設定して接触力異常を検出することにより、薄板5の破断を防止することもできる。さらに、上限の設定による接触力異常の検出はダブルブランクやしわ重なりなどの不具合検知にも有効である。
また、例えば、プレス成形中に歪測定手段10によって測定した歪が所定範囲を超えたとき、または、所定範囲を下回ったときに、成形異常と判定することもできる。かかる場合は、次の成形を行うときに、パッド圧を増減する等の調整を行うことによる対処が可能となる。また、成形異常の検知により、不具合品の検出やプレス条件の修正による対策など、大量生産時の品質管理が容易にできるようになる。
また、プレス成形中に歪測定手段10によって測定した歪が所定範囲を超えたとき、または、所定範囲を下回ったときには、歪が所定範囲となるようにパッド圧を調節することにより、不良品の発生を回避する。
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図である。本実施形態では、パッド2の加圧面21の凸部22とポンチ1の加圧面11の凹部13によって、図8(A)に示すように、一方に向けて開口し、底面に窪み部54を有する成形品52を作ることができる。図8(A)は底面側から見た図である。また、本実施形態における成形品52は、図8(B)に示すように、長手方向に湾曲している。
プレス金型装置において、ポンチ1、パッド2、およびダイ3の配置は、前述の図1〜図3と同様である。歪測定手段10は、プレス成形時、ポンチ1およびパッド2に、薄板5の法線方向に発生する歪を測定するために設けられる。図7に示したプレス金型装置では、ポンチ1の凹部13中央の内部に、薄板5の法線方向則ち図の上下方向に発生する歪を測定する歪測定手段10Aを、パッド2の凸部22中央の内部に、薄板5の法線方向に発生する歪を測定する歪測定手段10Bを、1つずつ設けている。いずれの歪測定手段10A,10Bも、ポンチ1またはダイ2の加圧面11,21近傍の内部に設けられる。この歪測定手段10により、プレス成形時、ポンチ1の凹部13およびパッド2の凸部22から薄板5に加わる圧縮力の反力によって生ずる歪を検出することができる。尚、この場合、歪測定手段10は、図示するようにポンチ1及びパッド2の両方の内部に設けてもよいし、いずれか一方のみに設けても構わない。
本実施形態においては、図8に示す成形品52を成形するために、パッド圧が高めに設定され、初期加圧時から、ポンチ1とパッド2が薄板5を挟んで密着している。図9は、各歪測定手段10A,10Bによる歪検出値の推移を示すグラフである。初期加圧時から、ポンチ1とパッド2の両方と薄板5とが接触した状態で薄板5が加圧されるため、両方の歪がストロークに比例して増加していく。このように加圧されることにより、先に成形品の湾曲形状が成形されるとともに、ポンチ1の形状に沿って窪み部54が転写され、その後縦壁部53が成形される。これにより、湾曲面のスプリングバックが抑制される。
この場合にも、ポンチ1およびパッド2から薄板5に加わる圧縮力の反力によって生ずる歪を検出することにより、薄板5とポンチ1およびパッド2との接触状態が正確に把握できる。従って、プレス成形が適正に行われているかどうかを判定できる。その結果、ポンチ1の形状が正確に造形・転写され、寸法精度の優れたプレス成形品が得られる。また、検出値の上限を設定して接触力異常を検出することにより、薄板5の破断を防止することもできる。さらに、上限の設定による接触力異常の検出はダブルブランクやしわ重なりなどの不具合検知にも有効である。
図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図である。ポンチ1、パッド2およびダイ3の配置は、前述の第1、第2の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、歪測定手段10Cを、成形品の稜線が形成される位置に、その曲面の曲率半径方向則ち図の斜め方向に2個所設けている。これにより、成形品の曲面部を加圧する位置のパッド2において、薄板5の法線方向に発生する歪が測定される。歪測定手段10Cは、パッド2の表面近傍の内部に設けられる。
図10に示すように歪測定手段10Cを設けることにより、プレス成形時の薄板5とパッド2との接触状態を詳細且つ正確に検知でき、プレス成形が適正に行われ、正確な形状が転写されているかどうかを判定し、寸法精度に優れた成形品を成形することができる。
前述の図1〜図3に示すプレス金型装置によって薄板5をプレス成形し、ポンチ側とパッド側の各歪測定手段による歪εの測定および成形品の寸法検査を行った。歪測定手段10としてピエゾ素子を、図1に示すように、ポンチ1の中央の内部及びパッド2の中央の内部の、各加圧面11,21近傍に設け(それぞれ表面から5mmとした)、それぞれ薄板5の法線方向に発生する歪εを測定した。
図1〜図3の手順によりプレス成形された成形品50について、スプリングバックの有無を調べた結果、表1を得た。表1において、パッド初圧は加圧開始時のパッド圧を示し、パッド終圧は下死点到達時のパッド圧を示す。ポンチおよびパッド側それぞれの歪εの値は、加圧ストロークの2分の1の位置における値を示した。幅Wは、図4に示す成形品50の開口幅Wで、設計値は65mmであり、誤差1mmまでを合格とした。薄板は板厚1.2mmの高張力鋼板とし、成形品の設計寸法は、高さを70mm、長手方向の長さを170mmとした。
Figure 2009012044
表1に示すように、パッド圧が低すぎるときには、幅Wが設計値よりも小さくなるスプリングゴーが生じ、パッド圧が高すぎるときには、スプリングバックが発生した。また、パッド圧によるポンチおよびパッドの薄板への接触状態が、それぞれの歪の検出値として表れた。
次に、表1の結果のうち、品質基準に合格したNo2〜No4の歪検出値を元に、オンライン制御を行ってプレス成形を行い、表2を得た。
Figure 2009012044
表2に示すように、歪による制御を行わなかった場合、6.1%の不良品が発生したが、制御を行った場合には、不良率が0.9%まで低下した。
前述の図7に示すプレス金型装置によって薄板5をプレス成形し、歪εの測定および成形品の反りの寸法検査を行った。歪測定手段10として歪ゲージを、図7に示すように、ポンチ1の凹部13中央の内部、及びパッド2の凸部22中央の内部の、各加圧面11,21近傍に設け(それぞれ表面から5mmとした)、それぞれ薄板5の法線方向に発生する歪を測定した。本実施例においては、加圧初期からポンチ1とパッド2が薄板5を挟んで密着しているため、ポンチ側の歪εのみを検出した。
図7の方法によりプレス成形された成形品52について、長手方向の反りhの寸法を調べた結果、表1を得た。パッド初圧は加圧開始時のパッド圧を示し、パッド終圧は下死点到達時のパッド圧を示す。歪εの値は、加圧ストロークの2分の1の位置における値を示した。反りは、図8に示す成形品52の反り寸法hで、設計値は48mmであり、誤差1mmまでを合格とした。薄板は板厚1.4mmの高張力鋼板とし、成形品の設計寸法は、高さを90mm、開口幅を100mm、長手方向の長さを620mmとした。
Figure 2009012044
表3に示すように、パッド圧が低い場合にはスプリングバックが生じて反り寸法hが小さくなった。ポンチ側の接触状態を示す歪εの値は、例えば本実施例の検出位置においては、100μ以上必要であった。
次に、表3で品質基準に合格したNo4,No5の歪検出値を元に、オンライン制御を行ってプレス成形を行い、表4を得た。
Figure 2009012044
表4に示すように、歪による制御を行わなかった場合、3.9%の不良品が発生したが、制御を行った場合には、不良品が発生しなくなった。
前述の図7のプレス金型装置によって薄板5をプレス成形し、ポンチ側とパッド側の各歪測定手段による歪εの測定および成形品の稜線の曲率半径Rの寸法検査を行った。歪測定手段10の種類、位置および歪の測定方向は、実施例2と同様であり、本実施例では、下死点での歪εを検出した。図8に示す稜線55の曲率半径Rの設計値は5mmである。プレス成形の結果、表5を得た。
Figure 2009012044
表5に示すように、本実施例による歪測定手段では、下死点でのポンチ側およびパッド側の歪の検出値が少なくとも90μ以上のときに、稜線の曲率半径が5.0mmとなり、品質基準に合格した。
本発明は、薄板のプレス成形分野に適用できる。
本発明の第1の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図であり、プレス前の状態を示している。 本発明の第1の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図であり、プレス途中の状態を示している。 本発明の第1の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図であり、プレス終了時の状態を示している。 図1〜図3により成形された成形品の斜視図である。 パッドの内部に配設する歪測定手段の取付構造の説明図である。 図1〜図3のプレス成形時のポンチ側およびパッド側の歪の検出値を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図であり、プレス途中の状態を示している。 図7により成形された成形品を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。 図7のプレス成形時のポンチ側およびパッド側の歪の検出値を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態にかかるプレス金型装置の概略的な説明図である。
符号の説明
1 ポンチ
2 パッド
3 ダイ
5 薄板
10 歪測定手段
11,21 加圧面
12 肩部
13 凹部
22 凸部
30 空腔
50,52 成形品
51,53 縦壁部

Claims (7)

  1. ポンチとダイの相対的な直進移動によって薄板をプレス成形するプレス金型装置であって、
    前記ポンチと連動して前記薄板を押えるパッドを備え、
    前記ポンチおよび前記パッドのうち少なくとも一方の加圧面近傍の内部に、前記薄板の法線方向に発生する弾性歪を測定する歪測定手段が配設されていることを特徴とするプレス金型装置。
  2. 前記歪測定手段がピエゾ素子または歪ゲージであることを特徴とする請求項1に記載のプレス金型装置。
  3. 請求項1または2に記載のプレス金型装置を用いた薄板のプレス成形方法であって、
    前記歪測定手段により測定した歪が所定の範囲内になるように、予め前記パッドのパッド圧を調整してプレス成形することを特徴とするプレス成形方法。
  4. 請求項1または2に記載のプレス金型装置を用いた薄板のプレス成形方法であって、
    前記歪測定手段により測定した歪が所定範囲を超えたとき、または所定範囲を下回ったときは、一旦プレス成形を中断して、歪が所定の範囲内になるように、前記パッドのパッド圧を調整し、その後、プレス成形を再開することを特徴とするプレス成形方法。
  5. 請求項1または2に記載のプレス金型装置を用いた薄板のプレス成形方法であって、
    前記歪測定手段により測定した歪が所定範囲を超えたとき、または所定範囲を下回ったときに、成形異常と判定することを特徴とするプレス成形方法。
  6. 前記薄板への加圧開始時からプレス成形下死点直前までの間、前記歪が所定の範囲内になるように前記パッド圧を調整し、前記ポンチと前記パッドの間に所定の隙間が形成されるようにすることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のプレス成形方法。
  7. 前記薄板への加圧開始時に、前記歪が所定値以上となるように前記パッド圧を調整し、プレス成形により得られる成形品の底面を成形した後で縦壁部を成形することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のプレス成形方法。
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