JP2009095877A - 薄板のプレス成形装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プレス金型に発生する金型のひずみを2ヶ所以上で測定し、さらにそれらの測定結果を比較することによって成品異常及び金型異常を判定できるプレス成形装置及び成形方法を提供する。
【解決手段】 ポンチ1と、ダイ2の少なくともいずれか一つを測定対象金型としたときに、該測定対象金型の内部に設置され、プレス成形に応じて生じる該測定対象金型のひずみ量を測定するひずみ量測定手段5を少なくとも2つ有し、それぞれのひずみ量測定手段5で測定したひずみ量を比較する比較手段9を有する薄板のプレス成形装置。ひずみ量測定手段5の1つにより測定したひずみ量を基準ひずみ量、他のひずみ量測定手段5により測定したひずみ量を異常判定ひずみ量とし、基準ひずみ量と異常判定ひずみ量の比が所定範囲を外れたときに、成形品の成形異常又は測定対象金型の異常と判定する薄板のプレス成形方法。
【選択図】 図24

Description

本発明は、薄板のプレス成形装置及び方法に関し、特にプレス金型(ポンチ及びダイの少なくとも何れか一つ、更に必要に応じてしわ押さえ金型を加えたものの少なくとも何れか一つ。以下、測定対象金型ともいう)に発生する金型のひずみを2ヶ所以上で測定し、さらにそれらの測定結果を比較することによってプレス成形品の成形異常及び金型の異常(割れ、焼付き)を判定する際に好適なプレス成形装置及び方法に関する。
プレス成形時において、特に金型に対してはプレス機加圧力又は被加工材変形抵抗の反力等が作用するため、金型は弾性変形を起こす。この弾性変形を金型ひずみという。プレス成形時に割れなどの成形不良が発生すると、発生する金型ひずみ量が変化することから、金型ひずみ量を測定することは極めて重要であるが、金型ひずみ量は成形不良だけでなく、被加工材の材料強度バラツキや、温度変化などの外乱因子の影響も受けて変化するため、金型ひずみ量の情報に基づいて成形不良現象をより効果的に予測する技術が期待されている。
金型ひずみを測定する装置としては、特許文献1に、上ビームに取り付けたパンチ及び下ビームに取り付けたダイを接離動作させることにより前記パンチ及びダイ間でワークを折り曲げ加工するプレスブレーキにおいて、前記上ビームの長手方向に添って設けられ、前記上ビームのひずみを検出する複数の上ビーム用歪みセンサと、前記下ビームの長手方向に添って設けられ、前記下ビームのひずみを検出する複数の下ビーム用歪みセンサと、前記下ビームと下金型の間又は前記上ビームと上金型の間に折り曲げ加工線の方向に添って分散配置され、前記下金型又は上金型に上下方向の加圧力を加える複数のアクチュエータと、加圧開始後加圧完了までの途中で前記上ビームの下降を停止させ、この停止状態のときに前記上ビーム用歪みセンサおよび前記下ビーム用歪みセンサの検出出力を取り込み、これらの各検出出力に基づき上ビーム及び下ビームのひずみ量を演算し、該演算値に基づき上ビーム及び下ビームのひずみ量が適正値になるよう前記複数のアクチュエータの駆動制御を行い、この後加圧制御を再開させる制御を行う制御手段と、を具えるプレスブレーキの中開き補正装置が開示されている。これにより、試工程を行うことなく曲げ長さ全長に亘って均一な曲げ角度を有する成形品を得ることが可能となる
また、特許文献2に、ポンチ、ダイス及びしわ押さえ金型と、前記ダイス及び前記しわ押さえ金型の間に取り付けられる摩擦力測定手段と、しわ押さえ荷重調節手段を有することを特徴とする薄板のプレス成形装置が開示されている。摩擦力測定手段により摩擦力を直接測定し、さらに摩擦力が所定の値になるよう、しわ押さえ荷重調節手段によりしわ押さえ力を制御する。これにより、金型と被加工物の間の潤滑性や表面性状などの変動要因によらず、適正な摩擦力を付与することができ、素材特性のばらつきや環境変化によらず、常に良好な成形品を提供しようとしている。
また、本発明者らは、非特許文献1に、直交する方向の圧縮・引張ひずみを測定する圧電素子(金型摩擦センサ)をダイ肩近傍に内蔵したプレス成形装置を開示し、金型摩擦センサの情報からスプリングバック、ねじれなどの成形品形状の予測が可能であることを開示した。
特開平5−337554号公報 特開2004−249365号公報 第57回塑性加工連合講演会論文集 p.165-166 (2006)
特許文献1には、金型ひずみ測定機能を有する装置に関する発明が開示されているが、ビーム用歪みセンサはプレスブレーキ用ビームの長手方向に沿って設けられること以外、開示されていない。プレスブレーキ用ビームよりも複雑形状を有する金型を使用するプレス成形において、高精度に金型ひずみを測定するためには、ポンチ、ダイ、しわ押さえ金型等の金型内部にひずみ測定機能を設置し、発生する金型ひずみを直接測定することが不可欠であり、そのためには特許文献1に開示されている発明では不十分である。
また、上記特許文献1に開示の発明では成形途中に一旦成形を中断し、この停止状態のときに上下ビームのひずみ量を検出し、上下ビームのひずみ量が適正値となるようアクチュエータによる制御を行い、この後成形を再開させるが、プレスブレーキのような曲げ主体の成形とは異なり、プレス成形においては、途中で成形を中断した場合、被加工材と工具間の摩擦力は成形中の摩擦力とは大きく異なる。従って、上記特許文献1に開示の発明をプレス成形に適用した場合、測定される金型ひずみ量は成形中の金型ひずみ量とは異なり、測定精度は不十分である。
また、特許文献2には、摩擦力を直接測定する原理として、歪み測定素子を挟み込むようにして平板としわ押さえ金型をボルト等で締結することが記載されている。この状態で、被加工物をダイスと前記平板で挟み、摺動させると、前記歪み測定素子にせん断ひずみが発生し、摩擦力を測定することが可能となるものである。歪み測定素子を使用する点では本発明と類似しているが、これは、しわ押さえ金型またはダイスに何らかの構造物を設置して摩擦力を計測しようとするものであり、しわ押さえ金型、ダイスの金型ひずみを直接測定するものではない点で本発明と相違する。
金型ひずみを高精度に測定するためには、ポンチ、ダイ、しわ押さえ金型の金型ひずみを直接測定することが不可欠であり、そのためには特許文献2に開示の発明では不十分である。
非特許文献1に開示された発明は、ダイ肩近傍に摩擦センサを内蔵しているが、実際の金型の形状は複雑であり、ダイ肩が不明瞭な金型もあるため、実際の金型では、どこにひずみセンサを配置すればよいのか、試行錯誤によらなければ分からないという問題がある。
また、上述した3つの文献のいずれにも、金型ひずみ量の情報から被加工材の材料強度バラツキや、温度変化などの外乱因子の影響を受けずに、効果的に成形不良現象を予測するための装置や方法については開示されていない。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、プレス成形品の成形異常及び金型の異常(割れ、焼付き)を判定できる高精度かつ応用性の高いプレス成形装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するため、プレス成形に応じて生じた該測定対象金型のひずみ量を測定するひずみ量測定手段が該測定対象金型の内部において少なくとも2ヶ所に設置され、それぞれの歪測定手段により測定されたひずみ量を比較することにより、プレス成形品の成形異常及び金型の異常を判定する。
即ち、請求項1に係る発明は、ポンチと、該ポンチに対して相対移動するダイの少なくともいずれか一つを測定対象金型としたときに、該測定対象金型は、該測定対象金型の内部に設置され、プレス成形に応じて生じる該測定対象金型のひずみ量を測定するひずみ量測定手段を少なくとも2つ有し、それぞれの前記ひずみ量測定手段で測定したひずみ量を比較する比較手段を有することを特徴とする薄板のプレス成形装置である。
また、請求項2に係る発明は、ポンチと、該ポンチに対して相対移動するダイと,被加工材に対してしわ押さえ荷重を付与するしわ押さえ金型の少なくともいずれか一つを測定対象金型としたときに、該測定対象金型は、該測定対象金型の内部に設置され、プレス成形に応じて生じる該測定対象金型のひずみ量を測定するひずみ量測定手段を少なくとも2つ有し、それぞれの前記ひずみ量測定手段で測定したひずみ量を比較する比較手段を有することを特徴とする薄板のプレス成形装置である。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ひずみ量測定手段が、圧電素子センサであることを特徴とする薄板のプレス成形装置である。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のプレス成形装置を用いたプレス成形方法であり、前記ひずみ量測定手段の1つにより測定したひずみ量を基準ひずみ量、他のひずみ量測定手段により測定したひずみ量を異常判定ひずみ量とし、基準ひずみ量と異常判定ひずみ量の比が所定範囲を外れたときに、成形品の成形異常又は測定対象金型の異常と判定することを特徴とする薄板のプレス成形方法である。
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のプレス成形装置を用いたプレス成形方法であり、前記ひずみ量測定手段の1つにより測定したひずみ量を基準ひずみ量としてx軸の入力とし、他のひずみ量測定手段により測定したひずみ量を異常判定ひずみ量としてy軸の入力とし、前記異常判定ひずみ量がx軸に対するy軸の所定範囲を外れたときに、成形品の成形異常又は測定対象金型の異常と判定することを特徴とする薄板のプレス成形方法である。
上述した構成からなる本発明により、プレス成形品の成形異常及び金型の異常(割れ、焼付き)を高精度に判定できる。
本発明を実施するための最良の形態について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
まず、前記請求項1記載の発明に係るプレス成形装置10の断面図を図1または図2に示す。
図1は上下駆動自在とされたプレス機スライド21の下端にダイ2が設置されている場合、図2はプレス機スライド21の下端にポンチ1が設置されている場合であるが、いずれもポンチ1と、ポンチ1に対して相対移動するダイ2を有する。
被加工材4は、ダイ2によってポンチ1側に押し付けられ、かかるダイ2及びポンチ1の型に基づく形状に成形される。このとき、ポンチ1やダイ2のようなプレス金型内部に、以下に説明するひずみ量測定手段5を設置し、そのひずみ量を測定することで、割れやネッキング、しわなどの成形異常、または、金型かじりなどの金型異常を判定することが可能であるが、この際に、金型ひずみ量は被加工材の材料強度バラツキや、温度変化などの外乱因子の影響を受けてしまう可能性がある。
そこで、プレス金型に発生する金型ひずみ量を2ヶ所以上で測定し、それらの測定結果を比較することによってプレス成形品の成形異常、又は金型の異常(割れ、焼付き)を高精度に判定することが可能であることを見出した。
以下に、本発明におけるプレス成形装置10へのひずみ量測定手段5の設置方法について、図3から図5を用いて説明する。
図3では、ひずみ量測定手段5がダイ2の2ヶ所に設置され、ダイ2が測定対象金型となっている。以下、測定対象金型とは、このひずみ量測定手段5が設置されている部材をいう。また、図4では、ひずみ量測定手段5がポンチ1の2ヶ所に設置されて、ポンチ1が測定対象金型となっている。また、図5では、一のひずみ量測定手段5がポンチ1に、他のひずみ量測定手段5がダイ2に設置され、ポンチ1及びダイ2が測定対象金型となっている。また、図3から図5の何れにおいてもひずみ量測定手段5によって測定された金型ひずみ量は比較手段9に伝達され、それぞれのひずみ量が比較される。ここでひずみ量測定手段5とは、いわゆる歪みゲージである。このひずみ量測定手段5と比較手段9との間には、この歪みゲージが歪むことによる抵抗変化を電圧の変化として取り出し、これを上記比較手段へと送信する図示しないスイッチボックスが設けられていてもよい。この図示しないスイッチボックスは、内部に固定抵抗が実装され、ひずみ量測定手段5としての歪みゲージとの間でいわゆるホイートストンブリッジを構成するものである。この図示しないスイッチボックスから送信される電圧値は、例えばGP−IBインターフェースを介して比較手段9へと送信される。
ここで、比較手段9は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等に代表される数値演算装置であり、金型ひずみ量の情報をディジタルデータに変換し、各種演算処理を行うことが可能である。さらに、この比較手段9は、算出した各データを自身のメモリへそれぞれ格納するとともに、必要な場合にはディスプレイ等の各種表示手段を介してこれらをユーザに表示する。
被加工材の材料強度バラツキや、温度変化などは、外乱因子としてひずみ量測定手段5の出力に影響を及ぼすが、図3から図5に示すように、ひずみ量測定手段5を少なくとも2つ設置すると、こういった外乱因子の影響は設置したすべてのひずみ量測定手段5により検出されるひずみ量として反映される。よって、比較手段9により2つの出力を比較し、外乱要因を分離除外することにより、検出目標としてのプレス成形品の成形異常、または金型の異常(割れ、焼付き)等の情報を高精度に得ることが出来る。
図3から図5では、ポンチ1とダイ2の構成について、図1に示した構成が基本になっているが、図2の構成を適用する場合も同様である。
次に、前記請求項2記載の発明に係るプレス成形装置10の断面図を図6または図7に示す。
図6では、図1に記載のプレス成形装置に対して、しわ押さえ金型3が追加された構成となっており、シングルアクションの絞り成形を行うことが可能である。
また図7では、図2に記載のプレス成形装置に対して、しわ押さえ金型3が追加された構成となっており、ダブルアクションの絞り成形を行うことが可能である。
図6または図7のようにしわ押さえ金型3を有する金型であっても、前記請求項1記載の発明と同様、プレス金型に発生する金型ひずみ量を2ヶ所以上で測定し、ポンチ1、ダイ2、しわ押さえ金型3の少なくとも何れか一つを測定対象金型として、それらの測定結果を比較することによってプレス成形品の成形異常、または金型の異常(割れ、焼付き)を高精度に判定することが可能であることを見出した。
以下に、本発明におけるプレス成形装置10へのひずみ量測定手段5の設置方法について、図8から図13を用いて説明する。
図8では、ひずみ量測定手段5がダイ2の2ヶ所に設置され、ダイ2が測定対象金型となっている。
また、図9では、ひずみ量測定手段5がポンチ1の2ヶ所に設置され、ポンチ1が測定対象金型となっている。
また、図10では、ひずみ量測定手段5がしわ押さえ金型3の2ヶ所に設置され、しわ押さえ金型3が測定対象金型となっている。
また、図11ではひずみ量測定手段5のひとつがポンチ1に、もうひとつがダイ2に設置され、ポンチ1及びダイ2が測定対象金型となっている。
また、図12ではひずみ量測定手段5のひとつがポンチ1に、もうひとつがしわ押さえ金型3に設置され、ポンチ1及びしわ押さえ金型3が測定対象金型となっている。
また、図13ではひずみ量測定手段5のひとつがダイ2に、もうひとつがしわ押さえ金型3に設置され、ダイ2及びしわ押さえ金型3が測定対象金型となっている。
また、図8から図13の何れにおいてもひずみ量測定手段5によって測定された金型ひずみ量は比較手段9に伝達され、それぞれのひずみ量が比較される。ここで、比較手段9はPC等の数値演算装置であり、前記請求項1に係る発明と同様の機能を有する。
図8から図13では、ポンチ1とダイ2の構成について、図6に示した構成が基本になっているが、図7の構成であっても同様である。
次に、前記請求項3記載の発明に係るプレス成形装置の断面図を図14に示す。
図14は、前記請求項3記載のように、ひずみセンサ8からなるひずみ量測定手段31の設置位置付近を拡大したものである。
ひずみ量測定手段31の設置方法の一例としては、図14(a)の模式図に示すようにダイ2の表面(紙面下側)に貫通しないきり穴32をあけて雌ネジを切り、きり穴32の底に図14(b)に示すひずみセンサ8を入れ、プラグ33で軸力をかけて圧入する方法がある。この際、ひずみセンサ8として圧電素子センサを使用すると、周波数応答特性の高い好適な測定が可能となるので好ましい。
次に、前記請求項4記載の発明に係るプレス成形方法について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
成形開始と同時に本フローチャートに基づくプレス成形方法はスタートする(ステップS11)。成形が進展、ストロークがδSi[mm]進んでSi[mm]に達した時点で、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定する(ステップS12からステップS13)。
ここで、δSi[mm]は比較手段9の演算能力に応じて任意に設定可能であるが、通常は1mm程度が望ましい。また、2ヶ所に設けられたひずみ量測定手段5のうち、何れのひずみ量測定手段5によって測定された金型ひずみ量を基準ひずみ量εstiとし、また異常判定ひずみ量εiとするかについては、任意に設定することが出来る。しかし、異常判定ひずみ量εstiを測定するひずみ量測定手段5としては、成形異常、または金型異常の発生が想定される箇所に最も近いひずみ量測定手段5を選定し、他の箇所に設置したひずみ量測定手段5の測定値を基準ひずみ量εstiとすることが望ましい。
次に、測定した基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの比であるLSRi=εi/εstiを算出し(ステップS14)、LSRiが所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS15)。そして、LSRiが所定範囲外である場合は、成形不良もしくは金型異常と判定する。また、LSRiが所定範囲内である場合は、ステップS16へ移行し、現時点でのストロークSi[mm]が成形下死点でのストロークSend[mm]に達しているか否かを判定し達していれば終了を、また達していなければステップS17に移行してiに1を加算し、再びステップS12へと戻る。即ち、このステップ16において、現時点でのストロークSi[mm]が成形下死点でのストロークSend[mm]に到達するまでこのステップS12からステップS17に至るまでのループを繰り返す。
ここで、LSRiの所定範囲をどのように決めるかについては、大きく2通りの方法がある。
ひとつはFEM成形解析を行い、ひずみ量測定手段5の設置位置における金型ひずみ量をFEM上で演算し、その値を元にLSRiを算出する。例えば、算出したFEM上でのLSRiの±25%範囲を所定範囲とする。
もうひとつは、実際にプレス成形を行い、少なくとも1000枚以上のOK(良好)部品を成形すると同時に、ひずみ量測定手段5により基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定し、その値を元にLSRiを算出する。例えば、算出した実際のLSRi範囲に対して±5%を加えた範囲をステップS15における所定範囲とする。
これら2通りの方法は適宜使い分けることが可能であり、1000枚以上の部品取りが出来ない段階ではFEM成形解析を用いた方法によって求めたLSRi所定範囲を適用し、大量の部品取りが出来る段階になった後に、実測値に基づくLSRi所定範囲に切り替えることも可能である。また、実測値に基づくLSRi所定範囲を用いる場合であっても、数か月に一回程度のペースで定期的に所定範囲の妥当性を検討することが望ましい。
次に、前記請求項記載の発明に係るプレス成形方法について、図16に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS11からステップS13までについては、前記請求項記載の発明と同様である。
次のステップS24において、測定した基準ひずみ量εstiをX軸入力、異常判定ひずみ量εiをY軸入力とする2次元プロットを行う。そして、その次のステップS25において、先の2次元プロットがX−Y平面上での所定範囲内であるか否かを判定する。
ステップS25の判定において、2次元プロットがX−Y平面上での所定範囲外である場合は、成形不良もしくは金型異常と判定する。また逆にX−Y平面上での所定範囲内である場合は、現時点でのストロークSi[mm]が成形下死点でのストロークSend[mm]に達しているか否かを判定し、達していれば終了を、また達していなければステップS27に移行してiに1を加算し、再びステップS12へと戻る。即ち、このステップ26において、現時点でのストロークSi[mm]が成形下死点でのストロークSend[mm]に到達するまでステップS12からステップS27に至るまでのループを繰り返す。
ここで、X−Y平面上での所定範囲をどのように決めるかについては、前記請求項記載の発明と同様、大きく2通りの方法がある。
ひとつはFEM成形解析を行い、ひずみ量測定手段5の設置位置における金型ひずみ量、すなわちX軸入力である基準ひずみ量εsti、Y軸入力である異常判定ひずみ量εiをFEM上で演算する。その値をX−Y平面上にプロットし、その点を中心とする楕円の内側範囲をステップS25でいう所定範囲とする。このとき、X軸入力である基準ひずみ量εstiとY軸入力である異常判定ひずみ量εiを比較し、例えば大きいひずみ量の±25%範囲が楕円の長軸、また小さいひずみ量の±25%範囲が楕円の短軸となるように、楕円の形状は決定される。
もうひとつは、実際にプレス成形を行い、少なくとも1000枚以上のOK(良好)部品を成形すると同時に、ひずみ量測定手段5により基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定し、その値をX−Y平面上にプロットする。プロット集合の外周を最も良く近似する楕円方程式を算出し、例えばその楕円の長径、短径をともに+5%とした、ひとまわり大きな楕円のステップS25でいう内側範囲を所定範囲とする。
これら2通りの方法は適宜使い分けることが可能であり、1000枚以上の部品取りが出来ない段階ではFEM成形解析を用いた方法によって求めた楕円形状の所定範囲を適用し、大量の部品取りが出来る段階になった後に、実測値に基づく楕円形状の所定範囲に切り替えることも可能である。また、実測値に基づく楕円形状の所定範囲を用いる場合であっても、数か月に一回程度のペースで定期的に所定範囲の妥当性を検討することが望ましい。
上述の発明を元に、本発明例1として図17に示すプレス成形装置10を試作し、プレス成形を行った。表1に被加工材として用いた鋼板の特性を示す。板厚1.8mm、引張強度590MPa 級の鋼板を使用した。
Figure 2009095877
試作したプレス成形装置を用いて成形した部材形状を図18に示す。本部材は図18の断面図A-Aに示すようなハット断面を有する部材であり、縦壁部に屈曲を設けることで縦壁部に張力を付与し、縦壁部の形状不良が低減されるように設計されている。
本成形では、測定対象金型としてポンチ1とダイ2の両方を選定し、図17に示すようにひずみ量測定手段5をポンチ1に2つ、ダイ2に2つ、計4つ設置した。4つのひずみ量測定手段5によって測定された金型ひずみ量は比較手段9に伝達される。比較手段9はこれら伝達された金型ひずみ量を比較し、成形異常または金型異常を判定するわけだが、本実施例では、4つの金型ひずみ量から2つを選択して判定に使用し、その判定精度を評価した。その選択方法、すなわちひずみ量測定手段5によって測定された4つの金型ひずみ量のうち、どの金型ひずみ量を基準ひずみ量εstiとし、また異常判定ひずみ量εiとしたかについて、まとめたものを表2に示す。
Figure 2009095877
ひずみ量測定手段5は、図14にあるような、金型に貫通しないきり穴32をあけて雌ねじを切り、きり穴の底にひずみセンサ8を入れて、プラグで軸力をかけて圧入する方法を用いた。
ひずみセンサ8としては、圧電素子センサを用いた。また、その圧電素子センサが測定する圧縮・引張ひずみの方向は、プレス方向と同一とした。
まず、前記請求項4記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定を試みた。すなわち、図15に示すフローチャートを用いた判定を試みた。
本実施例ではS0 = 0 mm、δSi = 60 mm とした。図18に示すように、本部材の成形高さは105mm、すなわち成形下死点でのストロークSend = 105mmであるので、フローチャートにおけるステップS13での基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの測定、フローチャートにおけるステップS14でのLSRi算出、ステップS15での判定は、各成形においてストロークS1=60 mm に1度だけ行われる。
本実施例で用いたLSRiの所定範囲について図19、図20に示す。
まず図19について説明する。FEM成形解析を行い、ひずみ量測定手段5の設置位置における金型ひずみ量をFEM上で演算した。そして、表2に示した各組み合わせに対しFEM演算結果を元にLSRiを算出し、そのLSRiと原点を結ぶ線を基準として±25%範囲を所定範囲とした。図19中に斜線で示す範囲が所定範囲である。以後、この所定範囲を判断基準1とする。
次に図20について説明する。実際にプレス成形を行い、1200枚のOK(良好)部品を成形すると同時に、ひずみ量測定手段5により基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定した。図中にプロットしてある一点一点がひずみ量の実測値である。そして、表2に示した各組み合わせに対して、LSRの最大値(LSR Max)とLSRの最小値(LSR Min)を算出し、そのLSR Min〜LSR Max範囲に対して±5%を加えた範囲を所定範囲とした。図20中に斜線で示す範囲が所定範囲であり、具体的な数値は図上部に記載している。以後、この所定範囲を判断基準2とする。
本実施例では、上述の判断基準1と判断基準2の両方を用いて成形不良もしくは金型異常の評価を行った。
また本発明例の比較例として、LSRi算出に用いる基準ひずみ量εstiを、実測値の代わりに任意の定数、具体的にはFEM成形解析によって求めた対応する金型ひずみ量として、成形不良もしくは金型異常の評価を行った。比較例ではLSRi算出に用いる基準ひずみ量εstiとして定数を用いているので、センサを2本用いることによる補償効果は期待できない。
LSRiの所定範囲についてであるが、判断基準1については、本発明例と比較例で相違はない。判断基準2については、図21に示すように、基準ひずみ量εstiを定数とした影響を受けて変化する。基準ひずみ量εstiを定数としているため、判断基準2の決定方法にも基準ひずみ量εstiの影響はなく、異常判定ひずみ量εiの大きさにより所定範囲2は決定される。
これ以外の点については比較例と本発明例は全く同一である。
表3から表8に、本発明例1として試作したプレス成形装置を使用し、かつ前記請求項4記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定結果について示す。表3は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ1を選択した場合であり、表4はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表5は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ2を選択した場合であり、表6はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表7は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ3を選択した場合であり、表8はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
いずれの表にも、割れやスプリングバックなどの製品異常を検出するために行った製品検査結果、また金型われやカジリなどの金型異常を検出するために行った製品異常判定結果が示してある。さらに、ひずみ量測定手段5により得られたひずみ量による製品異常判定結果についても、判断基準1と判断基準2のそれぞれを用いた場合について示している。
結果として、全てのケースにおいて、異常過検知率、異常見逃し率ともに、比較例よりも本発明例の方が小さい値となった。以上の結果より、本発明によって、製品異常の判定、もしくは金型異常の判定の高精度化が達成されたものと考えられる。
次に、前記請求項5記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定を試みた。すなわち、図16に示すフローチャートを用いた判定を試みた。
本実施例ではS0 = 0 mm、δSi = 60 mm とした。図18に示すように、本部材の成形高さは105mm、すなわち成形下死点でのストロークSend = 105mmであるので、ステップS13での基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの測定、ステップS14でのX−Y平面へのプロット、ステップS15での判定は、各成形においてストロークS1=60 mm に1度だけ行われる。
本実施例で用いた、X−Y平面プロットの所定範囲について図22、図23に示す。
まず図22について説明する。FEM成形解析を行い、ひずみ量測定手段5の設置位置における金型ひずみ量、すなわちX軸入力である基準ひずみ量εsti、Y軸入力である異常判定ひずみ量εiをFEM上で演算した。そして、表2に示した各組み合わせに対し、前述の値を中心とする楕円を作成し、その内側をX―Y平面プロットの所定範囲とした。このとき、X軸入力である基準ひずみ量εstiとY軸入力である異常判定ひずみ量εiを比較し、大きいひずみ量の±25%範囲が楕円の長軸、また小さいひずみ量の±25%範囲が楕円の短軸となるように、楕円の形状を決定した。図22に、表2に示した各組み合わせに対応して、所定範囲の境界線となる楕円方程式を記載した。また、図22中に斜線で示す範囲が所定範囲である。以後、この所定範囲を判断基準3とする。
次に図23について説明する。実際にプレス成形を行い、1200枚のOK(良好)部品を成形すると同時に、ひずみ量測定手段5により基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定した。図中にプロットしてある一点一点がひずみ量の実測値である。そして、これらのプロット集合の外周を最も良く近似する楕円方程式を算出し、その楕円の長径、短径をともに+5%とした、ひとまわり大きな楕円の内側範囲を所定範囲とした。図23に、表2に示した各組み合わせに対応して、所定範囲の境界線となる楕円方程式を記載した。また、図23中に斜線で示す範囲が所定範囲である。以後、この所定範囲を判断基準4とする。
本実施例では、上述の判断基準1と判断基準2の両方を用いて成形不良もしくは金型異常の評価を行った。
また本発明例の比較例として、X−Y平面にプロットする際に用いる基準判定ひずみ量εstiを、実測値の代わりに任意の定数、具体的にはFEM成形解析によって求めた対応する金型ひずみ量として、成形不良もしくは金型異常の評価を行った。本比較例ではX−Y平面にプロットする際に用いる基準判定ひずみ量εstiとして定数を用いているので、センサを2本用いることによる補償効果は期待できない。
X−Y平面プロットの所定範囲についてであるが、判断基準1については、本発明例と比較例で相違はない。判断基準2については、基準判定ひずみ量εstiを定数とした場合に上述した方法で所定範囲の境界線である楕円方程式を決定できないため、本比較例では判断基準2を用いた判定は行わなかった。
これ以外の点については比較例と本発明例は全く同一である。
表9から表14に、本発明例1として試作したプレス成形装置を使用し、かつ前記請求項5記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定結果について示す。
表9は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ1を選択した場合であり、表10はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表11は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ2を選択した場合であり、表12はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表13は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ3を選択した場合であり、表14はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
いずれの表にも、割れやスプリングバックなどの製品異常を検出するために行った製品検査結果、また金型われやカジリなどの金型異常を検出するために行った製品異常判定結果が示してある。さらに、ひずみ量測定手段5により得られたひずみ量による製品異常判定結果についても、判断基準3と判断基準4のそれぞれを用いた場合について示している。
結果として、全てのケースにおいて、異常過検知率、異常見逃し率ともに、比較例よりも本発明例の方が小さい値となった。以上の結果より、本発明実施によって、製品異常の判定、もしくは金型異常の判定の高精度化が達成されたものと考えられる。
上述の発明に基づいて、本発明例2として図24に示すプレス成形装置を試作し、プレス成形を行った。被加工材として用いた鋼板の特性は表1に示したとおりである。また、試作したプレス成形装置を用いて成形した部材形状は図18に示したとおりである。
本成形では、測定対象金型としてポンチ1とダイ2としわ押さえ金型3の3つを選定し、図24に示すようにひずみ量測定手段5をポンチ1に2つ、ダイ2に2つ、しわ押さえ金型に2つ、計6つ設置した。6つのひずみ量測定手段5によって測定された金型ひずみ量は比較手段9に伝達される。比較手段9はこれら伝達された金型ひずみ量を比較し、成形異常または金型異常を判定するわけだが、本実施例では、6つの金型ひずみ量から2つを選択して判定に使用し、その判定精度を評価した。その選択方法、すなわちひずみ量測定手段5によって測定された6つの金型ひずみ量のうち、どの金型ひずみ量を基準ひずみ量εstiとし、また異常判定ひずみ量εiとしたかについて、まとめたものを表15に示す。
Figure 2009095877
ひずみ量測定手段5は、図14にあるような、金型に貫通しないきり穴をあけて雌ねじを切り、きり穴の底にひずみセンサ8を入れて、プラグで軸力をかけて圧入する方法を用いた。
ひずみセンサ8としては、圧電素子センサを用いた。また、その圧電素子センサが測定する圧縮・引張ひずみの方向は、プレス方向と同一とした。
まず、前記請求項4記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定を試みた。すなわち、図15に示すフローチャートを用いた判定を試みた。
本実施例ではS0 = 0 mm、δSi = 60 mm とした.図18に示すように、本部材の成形高さは105mm、すなわち成形下死点でのストロークSend = 105mmであるので、ステップS13での基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの測定、ステップS14でのLSRi算出、ステップS15での判定は、各成形においてストロークS1=60 mm に1度だけ行われる。
本実施例で用いたLSRiの所定範囲について図25、図26に示す。
まず図25について説明する。FEM成形解析を行い、ひずみ量測定手段5の設置位置における金型ひずみ量をFEM上で演算した。そして、表15に示した各組み合わせに対しFEM演算結果に基づいてLSRiを算出し、そのLSRiと原点とを結ぶ線を基準として±25%範囲を所定範囲とした。図25中に斜線で示す範囲が所定範囲である。以後、この所定範囲を判断基準1とする。
次に図26について説明する。実際にプレス成形を行い、1200枚のOK(良好)部品を成形すると同時に、ひずみ量測定手段5により基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定した。図中にプロットしてある一点一点がひずみ量の実測値である。そして、表15に示した各組み合わせに対して、LSRの最大値(LSR Max)とLSRの最小値(LSR Min)を算出し、そのLSR Min〜LSR Max範囲に対して±5%を加えた範囲を所定範囲とした。図26中に斜線で示す範囲が所定範囲であり、具体的な数値は図上部に記載している.以後、この所定範囲を判断基準2とする。
本実施例では、上述の判断基準1と判断基準2の両方を用いて成形不良もしくは金型異常の評価を行った。
また本発明例の比較例として、LSRi算出に用いる基準判定ひずみ量εstiを、実測値の代わりに任意の定数、具体的にはFEM成形解析によって求めた対応する金型ひずみ量として、成形不良もしくは金型異常の評価を行った。本比較例ではLSRi算出に用いる基準判定ひずみ量εstiとして定数を用いているので、センサを2本用いることによる補償効果は期待できない。
LSRiの所定範囲についてであるが、判断基準1については、本発明例と比較例で相違はない。判断基準2については、図27に示すように、基準判定ひずみ量εstiを定数とした影響を受けて変化する。基準判定ひずみ量εstiを定数としているため、判断基準2の決定方法にも基準判定ひずみ量εstiの影響はなく、異常判定ひずみ量εiの大きさにより所定範囲2は決定される。
これ以外の点については本比較例と本発明例は全く同一である。
表16から表27に、本発明例1として試作したプレス成形装置を使用し、かつ前記請求項4記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定結果について示す。
表16は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ1を選択した場合であり、表17はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表18は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ2を選択した場合であり、表19はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表20は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ3を選択した場合であり、表21はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表22は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ4を選択した場合であり、表23はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表24は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ5を選択した場合であり、表25はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表26は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ6を選択した場合であり、表27はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
いずれの表にも、割れやスプリングバックなどの製品異常を検出するために行った製品検査結果、また金型われやカジリなどの金型異常を検出するために行った製品異常判定結果が示してある。さらに、ひずみ量測定手段5により得られたひずみ量による製品異常判定結果についても、判断基準1と判断基準2のそれぞれを用いた場合について示している。
結果として、全てのケースにおいて、異常過検知率、異常見逃し率ともに、比較例よりも本発明例の方が小さい値となった。以上の結果より、本発明実施によって、製品異常の判定、もしくは金型異常の判定の高精度化が達成されたものと考えられる。
次に、前記請求項記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定を試みた。すなわち、図16に示すフローチャートを用いた判定を試みた。
本実施例ではS0 = 0 mm、δSi = 60 mm とした。図18に示すように、本部材の成形高さは105mm、すなわち成形下死点でのストロークSend = 105mmであるので、ステップS13での基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの測定、ステップS24でのX−Y平面へのプロット、ステップS25での判定は、各成形においてストロークS1=60 mm に1度だけ行われる。
本実施例で用いた、X−Y平面プロットの所定範囲について図28、図29に示す。
まず図28について説明する。FEM成形解析を行い、ひずみ量測定手段5の設置位置における金型ひずみ量、すなわちX軸入力である基準ひずみ量εsti、Y軸入力である異常判定ひずみ量εiをFEM上で演算した.そして表15に示した各組み合わせに対し、前述の値を中心とする楕円を作成し、その内側をX―Y平面プロットの所定範囲とした。このとき、X軸入力である基準ひずみ量εstiとY軸入力である異常判定ひずみ量εiを比較し、大きいひずみ量の±25%範囲が楕円の長軸、また小さいひずみ量の±25%範囲が楕円の短軸となるように、楕円の形状を決定した。図28に、表15に示した各組み合わせに対応して、所定範囲の境界線となる楕円方程式を記載した。また、図28中に斜線で示す範囲が所定範囲である。以後、この所定範囲を判断基準3とする。
次に図29について説明する。実際にプレス成形を行い、1200枚のOK(良好)部品を成形すると同時に、ひずみ量測定手段5により基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiを測定した。図中にプロットしてある一点一点がひずみ量の実測値である。そして、これらのプロット集合の外周を最も良く近似する楕円方程式を算出し、その楕円の長径、短径をともに+5%とした、ひとまわり大きな楕円の内側範囲を所定範囲とした。図29に、表15に示した各組み合わせに対応して、所定範囲の境界線となる楕円方程式を記載した。また、図29中に斜線で示す範囲が所定範囲である。以後、この所定範囲を判断基準4とする。
本実施例では、上述の判断基準1と判断基準2の両方を用いて成形不良もしくは金型異常の評価を行った。
また本発明例の比較例として、X−Y平面にプロットする際に用いる基準判定ひずみ量εstiを、実測値の代わりに任意の定数、具体的にはFEM成形解析によって求めた対応する金型ひずみ量として、成形不良もしくは金型異常の評価を行った。本比較例ではX−Y平面にプロットする際に用いる基準判定ひずみ量εstiとして定数を用いているので、センサを2本用いることによる補償効果は期待できない。
X−Y平面プロットの所定範囲についてであるが、判断基準1については、本発明例と比較例で相違はない。判断基準2については、基準判定ひずみ量εstiを定数とした場合に上述した方法で所定範囲の境界線である楕円方程式を決定できないため、比較例では判断基準2を用いた判定は行わなかった。
これ以外の点については比較例と本発明例は全く同一である。
表28から表39に、本発明例1として試作したプレス成形装置を使用し、かつ前記請求項5記載の発明に係るプレス成形方法を用いた成形異常または金型異常の判定結果について示す。
表28は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ1を選択した場合であり、表29はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表30は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ2を選択した場合であり、表31はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表32は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ3を選択した場合であり、表33はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表34は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ4を選択した場合であり、表35はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表36は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ5を選択した場合であり、表37はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
表38は、基準ひずみ量εstiと異常判定ひずみ量εiの組み合わせとして、組み合わせ6を選択した場合であり、表39はその比較例である。
Figure 2009095877
Figure 2009095877
いずれの表にも、割れやスプリングバックなどの製品異常を検出するために行った製品検査結果、また金型われやカジリなどの金型異常を検出するために行った製品異常判定結果が示してある。さらに、ひずみ量測定手段5により得られたひずみ量による製品異常判定結果についても、判断基準3と判断基準4のそれぞれを用いた場合について示している。
結果として、全てのケースにおいて、異常過検知率、異常見逃し率ともに、比較例よりも本発明例の方が小さい値となった。以上の結果より、本発明実施によって、製品異常の判定、もしくは金型異常の判定の高精度化が達成されたものと考えられる。
本発明に係るプレス成形装置のうち、プレス機スライダにダイが設置されているプレス成形装置の概略図を示す図である。 本発明に係るプレス成形装置のうち、プレス機スライダにポンチが設置されているプレス成形装置の概略図を示す図である。 図1に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図1に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図1に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図1に示すプレス成形装置に加えて、しわ押さえ金型が設置されているプレス成形装置の概略図を示す図である。 図2に示すプレス成形装置に加えて、しわ押さえ金型が設置されているプレス成形装置の概略図を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 ひずみ測定手段とプラグの側面図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常または金型異常の判定方法を表すフローチャートである。。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常または金型異常の判定方法を表す別のフローチャートである。 図1に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 本発明に係るプレス成形装置によって成形する成形品の外観図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 図6に示すプレス成形装置における、ひずみ量測定手段の設置状況の一例を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。 本発明のプレス成形方法に係る、製品異常と金型異常判定の為の別のひずみ量所定範囲を示す図である。
符号の説明
1 ポンチ
2 ダイ
3 しわ押さえ金型
4 被加工材
5 ひずみ量測定手段
6 ひずみ量測定手段設置可能領域
7 湾曲中心
8 ひずみセンサ
9 比較手段

Claims (5)

  1. ポンチと、該ポンチに対して相対移動するダイの少なくともいずれか一つを測定対象金型としたときに、該測定対象金型は、該測定対象金型の内部に設置され、プレス成形に応じて生じる該測定対象金型のひずみ量を測定するひずみ量測定手段を少なくとも2つ有し、それぞれの前記ひずみ量測定手段で測定したひずみ量を比較する比較手段を有することを特徴とする薄板のプレス成形装置。
  2. ポンチと、該ポンチに対して相対移動するダイと,被加工材に対してしわ押さえ荷重を付与するしわ押さえ金型の少なくともいずれか一つを測定対象金型としたときに、該測定対象金型は、該測定対象金型の内部に設置され、プレス成形に応じて生じる該測定対象金型のひずみ量を測定するひずみ量測定手段を少なくとも2つ有し、それぞれの前記ひずみ量測定手段で測定したひずみ量を比較する比較手段を有することを特徴とする薄板のプレス成形装置。
  3. 前記ひずみ量測定手段が、圧電素子センサであることを特徴とする請求項1または2記載の薄板のプレス成形装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のプレス成形装置を用いたプレス成形方法であり、前記ひずみ量測定手段の1つにより測定したひずみ量を基準ひずみ量、他のひずみ量測定手段により測定したひずみ量を異常判定ひずみ量とし、基準ひずみ量と異常判定ひずみ量の比が所定範囲を外れたときに、成形品の成形異常又は測定対象金型の異常と判定することを特徴とする薄板のプレス成形方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載のプレス成形装置を用いたプレス成形方法であり、前記ひずみ量測定手段の1つにより測定したひずみ量を基準ひずみ量としてx軸の入力とし、他のひずみ量測定手段により測定したひずみ量を異常判定ひずみ量としてy軸の入力とし、前記異常判定ひずみ量がx軸に対するy軸の所定範囲を外れたときに、成形品の成形異常又は測定対象金型の異常と判定することを特徴とする薄板のプレス成形方法。
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