JP5094027B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムの吸蔵・放出が可能なリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含む正極と、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素を負極活物質として含む負極とを外装缶内に挿入した後、当該外装缶内にオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が添加された非水電解液を注液して形成する非水電解質二次電池の製造方法に関する。
近年、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機器等に用いられる電池として、リチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料あるいは合金などを負極活物質とし、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等のリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質とする非水電解質二次電池が、小型軽量で電圧が高く、しかも高容量で充放電可能な電池として実用化されるようになった。
上述した非水電解質二次電池の正極活物質に用いられるリチウム含有遷移金属酸化物のうち、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)にあっては、高容量であるという特徴を有する反面、安全性に劣りかつ過電圧が大きいという欠点を有することからコバルト酸リチウムよりも劣っていた。また、マンガン酸リチウム(LiMn24)にあっては、資源が豊富で安価であるという特徴を有する反面、低エネルギー密度で高温でマンガン自体が溶解するという欠点を有することからコバルト酸リチウムよりも劣っていた。このため、リチウム含有遷移金属酸化物としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いることが主流となった。
ところで、近年、非水電解質二次電池の正極活物質に、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物と、層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物とを混合させて使用し、電池容量と電池電圧とのバランスを適切に設定できるようにすると共に、高温環境下における保存特性を向上させるようにした非水電解質二次電池が提案されるようになった。ところが、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物と、層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物とを混合させた正極活物質を用いた非水電解質二次電池においても、高温環境下で保存した場合に充放電特性等の電池特性の低下を十分に抑制することは困難であった。
一方、非水電解液の溶質として、リチウム―ビス(オキサラト)ボレートを使用し、非水電解質二次電池の高温環境下におけるサイクル特性を向上させることが提案されるようになった。ところが、リチウムービス(オキサラト)ボレートを用いた非水電解質二次電池においては、電池の内部抵抗が大きくなって、充放電特性等の電池特性が低下するという問題があった。
そこで、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物と、層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物とを混合した正極活物質を用いた非水電解質二次電池において、電池の内部抵抗が大きくなるということがなく、高温環境下で保存した場合に、充放電特性等の電池特性が低下するのを十分に抑制することが特許文献1で提案されるようになった。
この特許文献1にて提案された非水電解質二次電池においては、非水系溶媒に溶質を溶解させた非水電解液に、この溶質とは別に、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を添加させるようにしている。これにより、このオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩によって正極や負極の表面に、高温環境下においても安定な被膜が形成されるようになり、この被膜により高温環境下においても非水電解液が正極や負極と直接接触して副反応が生じるのが抑制され、高温保存特性が向上するというものである。
特開2005−243504号公報
しかしながら、上述した特許文献1で提案された非水電解質二次電池においては、初期の出力特性、即ち、初期のIV特性(IV抵抗:なお、IV抵抗とは電池を何点かの電流値にて、ある一定時間充電または放電したときの電圧を測定し、電流値に対する電圧の傾きを計算したものあり、電池に何Aの電流が流せるのかを知る指標となる。)が向上しないという問題を生じた。ここで、初期の出力特性が向上しないと、この種の非水電解質二次電池を電気自動車等の電源に用いた場合に、充分な出力・回生特性が得られないという問題があった。
そこで、本発明等は種々の検討を行ったところ、ある条件を満たすエージング処理を施すことにより初期の出力特性が向上するという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであって、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を添加させた非水電解液を備えた非水電解質二次電池に特別のエージング処理を施すことにより、初期の出力特性が向上した非水電解質二次電池を提供することを目的とするものである。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、リチウムの吸蔵・放出が可能なリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含む正極と、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素を負極活物質として含む負極とを外装缶内に挿入した後、当該外装缶内にオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が添加された非水電解液を注液して形成するようにしている。そして、上記目的を達成するため、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が添加された非水電解液の注液後、出荷前に電池電圧が1V以上で、35℃〜85℃の温度雰囲気中に7日(168時間)以内だけ放置するエージング工程を設けるようにしている。
ここで、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が添加された非水電解液を注液した後、出荷前に電池電圧が1V以上で、35℃〜85℃の温度雰囲気中に7日(168時間)以内だけ放置すると、初期の出力特性が向上することが明らかになった。これは、電池電圧が1V以上で、35℃〜85℃の温度雰囲気中に放置すると、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が還元されて分解し、負極表面に安定でかつリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されるようになるためと考えられる。そして、負極表面にリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されることにより、内部抵抗が低下し、初期の出力特性が向上するようになる
この場合、放置期間が7日(168時間)を超えるようになると、逆に、負極表面に形成される被膜が厚くなりすぎることにより、内部抵抗が高くなって、初期の出力特性が向上しなくなる。このため、放置期間は7日(168時間)以内にする必要がある。
また、放置する温度が35℃未満であると、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が分解されにくくなって、負極表面にリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されにくくなる。一方、放置する温度が85℃を超えるような高温になると、電解質の分解と考えられる電解液の劣化が起こり、電池特性が低下する。このことから、エージングのために放置する温度は35℃以上で、85℃以下にするのが望ましい。
さらに、電池電圧が1V未満であるとオキサラト錯体は分解しないため、電池電圧が1V以上で放置する必要がある。
なお、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を添加させるにあたり、添加させるオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の量が非水溶媒に対して0.01モル/リットルよりも少なくなると、負極上に良好な被膜が十分に形成されなくなる。一方、その添加量が非水溶媒に対して0.2モル/リットルより多くなると、負極の表面に形成される被膜が厚くなりすぎて内部抵抗が上昇するようになる。
このため、非水電解液に添加させるオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩は非水溶媒に対して0.01〜0.2モル/リットルの範囲になるように添加するのが望ましい。
また、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩は、中心原子にC24 2-が配位したアニオンを有するリチウム塩であればよく、Li[M(C24xy](ここで、Mは遷移金属,周期律表のIIIb族,IVb族,Vb族から選択される元素、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基、xは正の整数、yは0又は正の整数である)で表わされるものが望ましく、好ましくは、Mがホウ素又はリンからなるものを用いるのが好ましい。特に、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(LiB(C242)またはリチウム−ジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiB(C24)F2)を用いるのが好ましい。これは、非水電解液中で錯体がより安定になり、さらに安定した被膜が形成されるためと、コスト面においても非常に有利であることによる。
なお、非水電解液における非水溶媒としては、非水電解質二次電池において一般に使用されているものを用いることができ、例えば、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートを用いることができる。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を用いることが好ましい。また、非水電解液中にビニレンカーボネート(VC)が含有されていると、負極の表面にさらに良好な被膜が形成されるようになるので好ましい。
上述したように、本発明においては、1V以上で、35℃〜85℃の温度雰囲気中に7日以内だけ放置するエージング工程を設けるようにしているので、初期の出力特性が向上した非水電解質二次電池を得ることが可能となる。
ついで、本発明の実施の形態を以下に説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は、本発明の非水電解質二次電池を模式的に示す断面図である。
1.正極板
Li2CO3と(Ni0.4Co0.3Mn0.334とを、Liと(Ni0.4Co0.3Mn0.3)とのモル比が1:1(Li:(Ni0.4Co0.3Mn0.3)=1:1)となるように混合した。ついで、この混合物を空気雰囲気中にて900℃で20時間焼成し、平均粒子径が12.1μmのLiNi0.4Co0.3Mn0.32で表されるリチウム遷移金属酸化物を得て、正極活物質とした。
以上のようにして得られた正極活物質と、導電剤としての炭素粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比で92:5:3となるように、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に添加して混練し、正極スラリーを作製した。作製した正極スラリーを正極芯体11aとしてのアルミニウム箔の上に塗布した後、乾燥させて正極活物質層11bを形成した。その後、圧延ロールを用いて所定の充填密度になるまで圧延し、所定寸法に切断した後、正極集電タブ11cを取り付けて正極板11を作製した。
2.負極板
負極活物質としての人造黒鉛と、結着剤としてのポリイミド(PI)とを溶かした水溶液とを混練して負極スラリーを作製した。この場合、負極活物質:結着剤の質量比が97:3となるようにこれらを添加した。ついで、作製した負極スラリーを負極芯体12aとしての銅箔の上に塗布した後、乾燥させて負極活物質層12bを形成した。その後、圧延ローラーを用いて所定の充填密度になるまで圧延し、負極集電タブ12cを取り付けて負極板12を作製した。
3.非水電解液
非水電解液を作製するにあたっては、環状カーボネートのエチレンカーボネート(EC)と、鎖状カーボネートのエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比で3:7となるように混合させた混合溶媒に対して、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの割合で溶解させるとともに、リチウム―ビス(オキサラト)ボレート(LiB(C242)を0.1モル/リットルの割合で溶解させた。このようにして得られた溶液にビニレンカーボネート(VC)を1質量%だけ添加して非水電解液を調製し、これを電解液aとした。
一方、上述と同様な混合溶媒に対して、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの割合で溶解させるとともに、リチウム−ジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiB(C24)F2)を0.1モル/リットルの割合で溶解させた溶液に、ビニレンカーボネート(VC)を1質量%だけ添加して非水電解液を調製してこれを電解液bとした。
4.非水電解質二次電池
ついで、上述のように作製した各正極板11と、上述のようにして作製した負極板12とをそれぞれ用い、これらの間にポリプロピレン製微多孔膜からなるセパレータ13を介在させて積層した後、渦巻状にそれぞれ巻回して渦巻状電極群とした。ついで、これらの渦巻状電極群を上部外周に絞り加工を施して絞り部14aを形成した円筒状の金属製外装缶14にそれぞれ挿入した後、負極板12から延出する負極集電タブ12cを金属製外装缶14の内底面に溶接した。一方、正極板11から延出する正極集電タブ11cを、封口体15の正極蓋15bの底面に溶接し、封口体15の外周部にリング状の絶縁ガスケット16を配置した。
なお、正極蓋15bの上部にはキャップ状の正極端子15aが配設されていて、このキャップ状の正極端子15a内には正極蓋15bの中心部に形成された排気孔15cを封止する弁板15dとこれを押圧するスプリング15eからなる弁体が配設されている。ついで、上述のようにして調製された非水電解液(a,b)を金属製外装缶14内に注入した。この後、金属製外装缶14の上部外周に形成された絞り部14aの上に、外周部にリング状の絶縁ガスケット16が配置された封口体15を配置した後、金属製外装缶14の上端部14bを封口体15側にかしめて封口した。これにより、設計容量が5Ahの非水電解質二次電池10(A,B)をそれぞれ作製した。なお、電解液aを用いたものを電池Aとし、電解液bを用いたものを電池Bとした。
4.エージング
ついで、上述のようにして作製した電池A,Bを用いて、これらの各電池A,Bを25℃の室温下において、1It(Itは定格容量(mA)/1h(時間)で表される数値)の充電電流で4.1Vまで充電させた。このようにして充電を行った後の各電池A,Bを60℃の恒温槽内に放置してエージングを行った。この場合、電池Aを60℃の恒温槽内に、5時間だけ放置したものを電池A1とし、10時間だけ放置したものを電池A2とし、24時間だけ放置したものを電池A3とし、48時間だけ放置したものを電池A4とし、7日(168時間)だけ放置したものを電池A5とし、14日(336時間)だけ放置したものを電池A6とした。また、電池Bを60℃の恒温槽内に、48時間だけ放置したものを電池B1とし、7日(168時間)だけ放置したものを電池B2とし、14日(336時間)だけ放置したものを電池B3とした。なお、エージングを行わなかった電池Aを電池A0とし、エージングを行わなかった電池Bを電池B0とした。
5.電池特性試験
ついで、エージングを行わなかった電池A0,B0をそれぞれ25℃の室温下において、1Itの充電電流で4.1Vまで充電させた後、さらに電圧を4.1Vに維持させながら充電電流を減少させ、総充電時間が1.5時間になるように充電させた後、0.1Itの放電電流で3.0Vまで放電させて、エージング前の放電容量を測定した。また、電池A0,B0を25℃の室温下において、1Itの充電電流で充電深度(SOC)が50%になるまで充電させた状態で、それぞれ1It、3It、5It、10It及び15Itの電流で10秒間充電及び放電を行い、それぞれの電池電圧を測定し、各電流値と電池電圧とをプロットして充電時及び放電時におけるI―V特性を求め、得られた直線の傾きから充電時及び放電時におけるエージング前のIV抵抗(mΩ)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
一方、上述のようにエージングを行った電池A1〜A6および電池B1〜B3を用いて、これらの電池A1〜A6および電池B1〜B3をそれぞれ25℃の室温下において、1Itの充電電流で4.1Vまで充電させた後、さらに電圧を4.1Vに維持させながら充電電流を減少させ、総充電時間が1.5時間になるように充電させた後、0.1Itの放電電流で3.0Vまで放電させて、エージング後の放電容量を測定した。
また、電池A1〜A6および電池B1〜B3を25℃の室温下において、1Itの充電電流で充電深度(SOC)が50%になるまで充電させた状態で、それぞれ1/3It、1It、3It、及び5Itの電流で10秒間充電及び放電を行い、それぞれの電池電圧を測定し、各電流値と電池電圧とをプロットして充電時及び放電時におけるI―V特性を求め、得られた直線の傾きから充電時及び放電時におけるエージング後のIV抵抗(mΩ)を求めると、下記の表1に示すような結果となった。
Figure 0005094027
上記表1の結果から明らかなように、LiB(C242が添加された非水電解液を備えた電池において、電池電圧が4.1Vの状態で60℃の温度雰囲気で7日(168時間)以内のエージングを行った電池A1〜A5は、エージングを行わなかった電池A0よりも、放電時IV抵抗および充電時IV抵抗が共に低くなって、内部抵抗が低くなっているとが分かる。また、LiB(C24)F2が添加された非水電解質を備えた電池においても、電池電圧が4.1Vの状態で60℃の温度雰囲気で7日(168時間)以内のエージングを行った電池B1,B2は、エージングを行わなかった電池B0よりも、放電時IV抵抗および充電時IV抵抗が共に低くなって、内部抵抗が低くなっていることも分かる。
これは、電池電圧が4.1Vの状態で60℃の温度雰囲気中に7日(168時間)以内の期間だけ放置すると、非水電解液に添加されたLiB(C242やLiB(C24)F2などのオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が還元されて、負極表面に安定でかつリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されようになり、内部抵抗が低くなったと考えられる。
一方、放置時間が14日(336時間)である電池A6や電池B3は、逆に、エージングを行わなかった電池B0よりも、放電時IV抵抗および充電時IV抵抗が共に上昇して内部抵抗が高くなったことが分かる。これは、放置時間が長時間になりすぎると、負極表面に形成される被膜が厚くなりすぎて、放電時IV抵抗および充電時IV抵抗が共に上昇し、内部抵抗が高くなったと考えられる。
これらのことから、エージングのための放置時間は7日(168時間)以内にするのが望ましいということが分かる。
6.エージング温度の検討
ついで、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比で3:7となるように混合させた混合溶媒に対して、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットルの割合で溶解させるとともに、リチウム―ビス(オキサラト)ボレート(LiB(C242)を0.1モル/リットルの割合で溶解させた。このようにして得られた溶液99質量%にビニレンカーボネート(VC)を1質量%だけ添加して非水電解液を調製し、これを電解液cとした。
ついで、上述のようにして作製された正極板11と負極板12とセパレータ13とを用いて渦巻状電極群とし、これを円筒状の金属製外装缶14に挿入した後、電解液cを注液して、上述と同様に非水電解質二次電池10を作製し、これを電池Cとした。ついで、電池Cを用いて、25℃の室温下において、1.4Aの充電電流で4.1Vまで充電させた後、充電を行い、これを所定の温度の恒温槽内に所定の時間だけ放置してエージングを行った。この場合、45℃の恒温槽内に13時間だけ放置したものを電池C1とし、60℃の恒温槽内に13時間だけ放置したものを電池C2とし、60℃の恒温槽内に24時間だけ放置したものを電池C3とした。なお、エージングを行わなかったものを電池C0とした。
ついで、エージングを行わなかった電池C0を用いて、上述と同様にエージング前の放電容量を測定するとともに、エージング前のIV抵抗(mΩ)を求めると、下記の表2に示すような結果となった。また、エージングを行った電池C1〜C3を用いて、上述と同様にエージング後の放電容量を測定するとともに、エージング後のIV抵抗(mΩ)を求めると、下記の表2に示すような結果となった。
Figure 0005094027
上記表2の結果から明らかなように、エージングを行った電池C1〜C3は、エージングを行わなかった電池C0よりも、放電時IV抵抗および充電時IV抵抗が共に低くなって、内部抵抗が低くなっていることが分かる。この場合、45℃でエージングを行うよりも60℃でエージングを行った方が、さらに放電時IV抵抗および充電時IV抵抗が低くなることから、エージングのための放置温度ができるだけ高温の方がよいことが分かる。
ところが、放置する温度が85℃を超えるようになると、電解質の分解と考えられる電解液の劣化が起きて電池特性が低下するようになる。一方、放置する温度が35℃未満であると、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が分解されにくくなって、負極表面にリチウムイオンの透過性に優れた被膜が形成されにくくなる。
このことから、エージングのために放置する温度は35℃以上で、85℃以下にするのが望ましいということができる。
なお、電池電圧が1V未満であるとオキサラト錯体は分解しないため、オキサラト錯体が分解する電圧の1V以上、好ましくは1.5V以上で放置するのが望ましい。
なお、上述した実施の形態においては、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩として、リチウム−ビス(オキサラト)ボレート(LiB(C242)またはリチウム−ジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiB(C24)F2)を用いる例について説明したが、これらに限られることなく、中心原子にC24 2-が配位したアニオンを有するリチウム塩であればよい。この場合、Li[M(C24xy](ここで、Mは遷移金属,周期律表のIIIb族,IVb族,Vb族から選択される元素、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基、xは正の整数、yは0又は正の整数である)で表わされるものを用いることができ、好ましくは、Mがホウ素又はリンからなるものを用いるのが好ましい。
また、上述した実施の形態においては、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の添加量を、非水溶媒に対して0.1モル/リットルの割合で溶解させる例について説明したが、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の添加量はこれに限られることなく、非水溶媒に対して0.01〜0.2モル/リットルの範囲で添加するようにすればよい。また、また、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の他のリチウム塩として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を用いる例について説明したが、これに限られることなく、LiAsF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(Cl2l+1SO2)(Cm2m+1SO2)(l、mは1以上の整数)、LiC(CP2P+1SO2)(Cq2q+1SO2)(Cr2r+1SO2)(p、q、rは1以上の整数)等を用いるようにしてもよく、これらの溶質は、1種類で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、正極活物質としてのLi2(Ni0.4Co0.3Mn0.3)O2を合成する際の出発材料として、Li2CO3と(Ni0.4Co0.3Mn0.334とを用いているが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、Liの原料としてLiOH,Li2CO3などを用いてもよく、NiCoMnの原料として、Ni0.4Co0.3Mn0.3(OH)2などを用いてもよい。
本発明の非水電解質二次電池を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10…非水電解質二次電池、11…正極板、11a…正極芯体、11b…正極合剤層、11c…正極集電タブ、12…負極板、12a…負極芯体、12b…負極合剤層、12c…負極集電タブ、13…セパレータ、14…金属製外装缶、14a…絞り部、15…封口体、15a…正極端子、15b…正極蓋、15c…排気孔15d…弁板、15e…スプリング、16…絶縁ガスケット

Claims (6)

  1. リチウムの吸蔵・放出が可能なリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として含む正極と、リチウムの吸蔵・放出が可能な炭素を負極活物質として含む負極とを外装缶内に挿入した後、当該外装缶内にオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が添加された非水電解液を注液して形成する非水電解質二次電池の製造方法であって、
    前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩が添加された非水電解液の注液後、出荷前に電池電圧が1V以上で、35℃〜85℃の温度雰囲気中に7日以内だけ放置するエージング工程を設けるようにしたことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩は溶媒に対して0.01〜0.2モル/リットル添加されていることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 前記オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩はリチウム−ビス(オキサラト)ボレート(LiB(C)またはリチウム−ジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiB(C)F)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 前記非水電解液中の溶質として、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩の他にリチウム塩が含有されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  5. 前記非水電解液はビニレンカーボネートを含有していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  6. 前記エージング工程におけるエージングは10時間以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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