JP5055273B2 - 車両シート用取り付け具 - Google Patents

Description

本発明は、車両シート用取り付け具に関し、特に、自動車シート用取り付け具に関する。

従来の車両シート用取り付け具は、ＤＥ４４３６１０１Ａ１に記載されているように、楔形セグメントが、第１取り付け部材のカラーに対して直に接触した状態で配置されている。
鋼材同士の材料の組み合わせ間で生じる静摩擦によって、車両シート用取り付け具の後倒を抑制して安全性を向上させるようになっている。
車両シート用取り付け具の駆動時には、楔形セグメントは、カラーの周りをより低い動摩擦条件で移動するようになっている。

本発明の目的は、前述したような従来の車両シート用取り付け具を改良することである。
本発明の目的は、第１楔形セグメントと第２楔形セグメントのうち少なくとも第１楔形セグメントが、第１取り付け部材に第２滑り軸受ブシュを介して摩擦を生じさせることなく取り付けられている車両シート用取り付け具により達成される。
有益な改良は、従属請求項の要旨である。

２つの楔形セグメントのうち少なくとも１つの楔形セグメントが、滑り軸受ブシュまたは転がり軸受ブシュを介してほとんど摩擦を生じさせることなく第１取り付け部材に対して取り付けられており、すなわち、内周面および外周面の両面に滑り軸受ブシュまたは転がり軸受ブシュを配置した状態で周辺部材に対して取り付けられていることにより、滑り軸受ブシュまたは転がり軸受ブシュとこれら軸受ブシュに対して滑動する周辺部材との間で生じる摩擦が、楔形セグメントを第１取り付け部材および第２取り付け部材に対して直に接触する状態で配置した場合にこれら部材間で生じる摩擦よりも小さくなるため、車両シート用取り付け具の駆動時、すなわち、背もたれの傾斜調節時における動力損失が低減されて車両シート用取り付け具の駆動効率が向上するようになっている。
したがって、車両シート用取り付け具の駆動時に必要とされる力を低減できるようになっている。
そして、車両シート用取り付け具内の遊びが皆無である状態や車両シート用取り付け具の強度を依然として維持できるようになっている。
滑り軸受ブシュの表面に特殊な表面加工を施すことにより、従来の鋼材同士の接触に起因して生じる摩擦よりも小さくなるようになっている。
また、転がり軸受けブシュを設けることにより、従来の鋼材同士の接触に起因して生じる摩擦よりも小さくなるように設計しても良い。
そして、これら滑り軸受ブシュと転がり軸受けブシュの双方を組み合わせて採用しても何ら構わない。
２つの楔形セグメントは、ディスク状に形成しても良く、また、相互に対して軸方向にずれた状態で配置しても何ら構わない。

通常、背もたれは前方向よりも後方向に高い負荷を受けるため、２つの楔形セグメントのうち１つは、より高い負荷を受けて周辺部材との間で大きな摩擦を生じさせるようになっている。
そのため、前述したより高い負荷を受ける楔形セグメントは、その内周面および外周面に滑り軸受ブシュを配置した状態で取り付けられているのが好ましい。
なお、他方の低い負荷を受ける楔形セグメントまたは両方の楔形セグメントは、その内周面および外周面に滑り軸受ブシュを配置した状態で取り付けられていても何ら構わない。

本発明の車両シート用取り付け具は、手動駆動式またはモータ駆動式のいずれであっても良く、背もたれの傾斜調整、シートクッションまたは大腿支持部の傾斜調整、シートの高さ調整などのために用いられる。
ドライバーは、単一部品として形成しても良く、また、複数部品から形成しても良い。

楔形セグメントは、その内周面および外周面に滑り軸受ブシュを配置することで周辺部材に対して低摩擦状態で取り付けられているので、周辺部材に対するそのセルフロック機能（self−locking）を発揮できず、そのため、車両シート用取り付け具の非駆動時に楔形セグメントを保持するとともに車両シート用取り付け具の駆動時に楔形セグメントの保持機能を解除するブレーキが、車両シートの少なくとも一方側に配設されている。
その結果、車両シート用取り付け具の後倒を抑制して安全性を向上させるようになっているとともに、車両シート用取り付け具の駆動効率を向上できるようになっている。
なお、前述したブレーキは、車両シートの一方側の側面に設けられていれば良く、両方側の側面に設ける必要はない。

前述したブレーキは、出力側においては充分な固定モーメント（locking moment）を生じるようになっているとともに、駆動側において駆動トルクが作用した際には前記固定モーメントに対して低い自由転輪モーメント（freewheeling moment）を生じて回転するラップスプリングブレーキ（wrap sprig brake）として設計されている。
なお、ラップスプリングブレーキの代わりに、クランピングローラフリーホイール（clamping roller freewheel）を配設しても何ら構わない。
前述したラップスプリングブレーキは、突起部を第２取り付け部材の内歯部に嵌合させて、例えば、半径方向に突出形成されたアームを第２取り付け部材の内歯部に嵌合させることで第２取り付け部材に対して非回転状態で配置されたラップスプリングブシュに当接することで固定モーメントを生じるようになっているのが好ましい。
ラップスプリングブレーキは、ラップスプリングブシュの内壁に接触するように配置されているのが好ましく、また、ラップスプリングアームは、半径方向内側に向けて突出形成されているのが好ましい。
ラップスプリングアームは、一方または両方の楔形セグメントに形成されたカムがラップスプリングアームに当接した際に、このラップスプリングアームはラップスプリングブレーキに対して閉じた状態（in closing manner）で作用するようになっており、車両シート用取り付け具の駆動時に回転するドライバーの１つまたは２つのカムがラップスプリングアームに当接した際には、このラップスプリングアームはラップスプリングブレーキに対して開いた状態（in an opening manner）で作用するようになっているのが好ましい。

本発明を図面に示された２つの実施例に基づいて、以下に詳細に説明する。

本発明の第１実施例である車両シート１は、図４に示すように、シート部材３と、このシート部材３に対して傾斜調整自在な背もたれ４とで構成されている。
この背もたれ４の傾斜調整を行うために手動で作動するハンドル５は、シート部材３と背もたれ４との間に設けられた水平な駆動シャフト（図示しない）を車両シート１の一方側において回転させるようになっているとともに、車両シート１の両側において車両シート用取り付け具１０に非回転状態で係合している。
背もたれ４は、一対の車両シート用取り付け具１０を介してシート部材３に接続されている。

車両シート用取り付け具１０は、図１乃至図３に示すように、ロック用および傾斜調整用のギアによって第１取り付け部材１１と第２取り付け部材１２とを相互に接続するギア付き取り付け具として設計されており、前述したギアは、セルフロック機能を有する偏心遊星ギア（an eccentric epicyclic gear）として設計されている。
これらの第１取り付け部材１１および第２取り付け部材１２は、平坦な形状を呈しているとともに鋼材から成形されている。
第１取り付け部材１１は、ハンドル５と駆動シャフトとを支持する車両構造体（本実施例においては、背もたれ４の構造体）に対して固定状態で接続されており、図面において上側に図示されている。
また、本実施例においては、第２取り付け部材１２は、シート部材３、すなわち、シート部材３の構造体に対して固定状態で接続されており、図面において下側に図示されている。
なお、第１取り付け部材１１および第２取り付け部材１２の配置関係は、実施条件に応じて相互に置換しても何ら構わない。

第２取り付け部材１２をエンボス加工することで形成された外歯付きの歯付きホイール１６と第１取り付け部材１１をエンボス加工することで形成された内歯付きの歯付きリング１７とが、相互に噛み合うことでギアを形成している。
歯付きホイール１６の外歯の歯先円の直径は、歯付きリング１７の内歯の歯元円の直径よりも少なくとも１歯高さ分だけ小さく設定されている。
このような歯付きホイール１６と歯付きリング１７との間にある歯数の差によって、歯付きリング１７は、歯付きホイール１６に対して回動するようになっている。

第１取り付け部材１１は、歯付きリング１７の内歯と同心状で一体成形されたカラー１９を歯付きホイール１６に対向する側面に有している。
ドライバー２１は、ハブ２２を介してカラー１９内に遊びを有した状態で取り付けられている。
プラスチックから成形されたドライバー２１は、駆動シャフトの外周に形成されたキー溝に係合するように形成されているとともに、軸方向に延在する孔２３をその中心に有しており、この孔２３は、以下に使用される円筒状座標系を規定している。
また、ドライバー２１は、一体成形された鎌形状の駆動セグメント２５を有しており、この駆動セグメント２５は、第１取り付け部材１１に形成されたカラー１９の周りに配置されている。
第１楔形セグメント２７ａと第２楔形セグメント２７ｂは、それぞれ湾曲した形状を呈しており、その内周面でカラー１９によって少なくとも間接的に支持されているとともに、第２取り付け部材１２内に非回転状態で圧入された第１滑り軸受ブシュ２８をその外周面で支持している。
金属製である第１楔形セグメント２７ａおよび第２楔形セグメント２７ｂの外周面と第１滑り軸受ブシュ２８の内周面との間で生じる摩擦は、第１楔形セグメント２７ａおよび第２楔形セグメント２７ｂと第１取り付け部材１１および第２取り付け部材１２との間で生じる摩擦よりも大幅に小さくなるように設定されている。

ドライバー２１に形成された駆動セグメント２５は、第１楔形セグメント２７ａと第２楔形セグメント２７ｂの肉薄な端部の間に遊びを有した状態で配置されているとともに、環状に巻かれたオメガ字状ばね３０の両端部を折り曲げることで形成された端部フィンガーは、第１楔形セグメント２７ａと第２楔形セグメント２７ｂの相互に対向する肉厚な端部によってそれぞれ支持されている。
このオメガ字状ばね３０は、第１楔形セグメント２７ａと第２楔形セグメント２７ｂとを周方向に相互離間させるように付勢することで非駆動時における車両シート用取り付け具１０内の遊びを無くすようになっている。
ドライバー２１は、このドライバー２１に嵌着された保持リング３１を介して第１取り付け部材１１の側面で軸方向に固定されている。
軸方向に作用する力を吸収するために、第１取り付け部材１１および第２取り付け部材１２には保持板（図面しない）がそれぞれ溶接されており、この保持板は、傾斜調整動作を阻害することなく他方の取り付け部材にそれぞれ係合するようになっている。

ドライバー２１に形成された駆動セグメント２５と第１楔形セグメント２７ａおよび第２楔形セグメント２７ｂとは、その偏心方向の延長線上で歯付きホイール１６と歯付きリング１７とを押圧して、このようにして定められた歯付きホイール１６と歯付きリング１７との係合点で歯付きホイール１６と歯付きリング１７とを相互に係合させる偏心機構を構成している。
駆動シャフトを回転させることによって開始される車両シート用取り付け具１０の駆動時に、その駆動トルクは、ドライバー２１に伝達された後に前述した偏心機構に伝達されるようになっており、そして、この偏心機構は、第１滑り軸受ブシュ２８の内周面に沿って滑動することでその偏心方向を変移させて、すなわち、歯付きリング１７と歯付きホイール１６との係合点を変移させるように設計されており、その結果、第１取り付け部材１１と第２取り付け部材１２とは、相互に揺動状態で回動するようになっている。

背もたれ４の旋回方向前方に配置されてより高い負荷を受けるように設計された第１楔形セグメント２７ａと、より低い負荷を受けるように設計された第２楔形セグメント２７ｂとは、通常は傾斜状態で使用される背もたれ４の重量と背もたれ４に対してかかる使用者の体重とによって、相互に離間するようになっている。
車両シート用取り付け具１０の駆動効率は、第１楔形セグメント２７ａとカラー１９との間で生じる摩擦に顕著に依存している。
本発明においては第１楔形セグメント２７ａとカラー１９との間で生じる摩擦を低減するために、第１楔形セグメント２７ａに対してほぼ固定された状態で配置されているとともにカラー１９に対してほとんど摩擦を生じさせることなく滑動する第２滑り軸受ブシュ４１が配設されており、この第２滑り軸受ブシュ４１は、第１滑り軸受ブシュ２８と同様な摩擦低減機能を担っている。

図１に示す第１実施例の第２滑り軸受ブシュ４１は、第１楔形セグメント２７ａの内周面よりも幾分小さい範囲にわたって周方向に延在するリング片として設計されており、図５に示す第２実施例の第２滑り軸受ブシュ４１は、ほぼ環状になるように設計されているとともにより低い負荷を受ける第２楔形セグメント２７ｂの内周面側にも達するように配置されている。
これら第１実施例および第２実施例は、この第２滑り軸受ブシュ４１の形状配置のみが異なっており、同様に作用する部材には共通の参照符号が付与されている。
また、第１実施例および第２実施例の変形例においては、カラー１９内に配置された第２滑り軸受ブシュ４１は、ハブ２２から離間した位置に配置されており、より強い負荷を受ける第１楔形セグメント２７ａは、延長アームを介して第２滑り軸受ブシュ４１の内部に取り付けられている。

第１楔形セグメント２７ａとカラー１９との間で生じる摩擦は、車両シート用取り付け具１０の駆動効率だけではなく車両シート用取り付け具１０に用いられるギアのセルフロック機能にも影響を及ぼしている。
そのため、車両シート１に用いられる一対の車両シート用取り付け具１０のうち少なくとも一方は、第１楔形セグメント２７ａがその内周面および外周面の両面で周辺部材に対して滑動するように設計されている場合においてもギアがセルフロック機能を発揮するように、車両シート用取り付け具１０の非駆動時において有効に機能するブレーキ、すなわち本実施例の場合、ラップスプリングブシュ４６の内部に配置されて自己圧縮応力によりラップスプリングブシュ４６の内壁に高摩擦状態で接触するラップスプリングブレーキ４４が配設されている。
ラップスプリングブシュ４６は、例えばプラスチックから成形されているとともに、３組のラップスプリングブシュアーム４８を介して第２取り付け部材１２に対して非回転状態で固定されており、この３組のラップスプリングブシュアーム４８は、相互に周方向に１２０°ずれた状態で半径方向に向けて突出形成されて歯付きホイール１６の後側面にエンボス加工により形成された内歯に嵌合するようになっている。

ラップスプリングブレーキ４４は、その作動のために、その両端部に半径方向内側に向けて突出形成されたラップスプリングアーム５０を有している。
第１楔形セグメント２７ａは、その軸方向に突出形成されて一対のラップスプリングアーム５０の間に周方向に遊びを有した状態で配置されたブレーキカム５１を有している。
車両シート用取り付け具１０の非駆動時、ラップスプリングアーム５０に対するブレーキカム５１の当接は、ラップスプリングブレーキ４４に閉じた態様（in closing manner）を呈させて、すなわち、ラップスプリングブレーキ４４の外径を増大させてラップスプリングブレーキ４４とラップスプリングブシュ４６との相互間における摩擦を増大させ、その結果、ラップスプリングブレーキ４４が制動機能（braking action）を奏して偏心機構を構成する各構成部材の第２取り付け部材１２に対する回動を防止するようになっている。
このようにして、偏心機構を構成する各構成部材の回動を防止することにより、第２取り付け部材１２に対する第１取り付け部材１１の回動を防止するようになっている。

ドライバー２１の駆動時において、前述したラップスプリングブレーキ４４の制動機能を無効にするために、ドライバー２１は、周方向に向けて駆動セグメント２５に突出形成されて第１楔形セグメント２７ａに対向する第１駆動カム５３と、軸方向に向けて突出形成されて孔２３を中心として駆動セグメント２５とほぼ点対象になるように配置された第２駆動カム５５とを有している。
ラップスプリングアーム５０とブレーキカム５１は、第１駆動カム５３と第２駆動カム５５との間に遊びを有した状態でそれぞれ配置されており、すなわち、第１駆動カム５３と第２駆動カム５５は、一対のラップスプリングアーム５０の周方向外側にそれぞれ配置されている。
ドライバー２１の回転時には、一方の第１駆動カム５３または第２駆動カム５５が周方向に移動することでラップスプリングアーム５０に当接して、その結果、ラップスプリングアーム５０は開いた状態（in an opening manner）でラップスプリングブレーキ４４に対して作用して、すなわち、ラップスプリングブレーキ４４の外径を小さくしてラップスプリングブレーキ４４とラップスプリングブシュ４６との相互間における摩擦を減少させ、前述したラップスプリングブレーキ４４の制動機能を無効にするようになっている。
そして、ラップスプリングブレーキ４４の制動機能を無効にすることで、第１取り付け部材１１と第２取り付け部材１２とは、偏心機構を介して相互に揺動状態で回動するようになっている。

本発明の第１実施例である車両シート用取り付け具の分解図。 図１に示す車両シート用取り付け具の横断面図。 図１に示す車両シート用取り付け具の縦断面図。 車両シートの概略図。 本発明の第２実施例である車両シート用取り付け具の分解図。 図５に示す車両シート用取り付け具の横断面図。

１ ・・・ 車両シート
３ ・・・ シート部材
４ ・・・ 背もたれ
５ ・・・ ハンドル
１０ ・・・ 車両シート用取り付け具
１１ ・・・ 第１取り付け部材
１２ ・・・ 第２取り付け部材
１６ ・・・ 歯付きホイール
１７ ・・・ 歯付きリング
１９ ・・・ カラー
２１ ・・・ ドライバー
２２ ・・・ ハブ
２３ ・・・ 孔
２５ ・・・ 駆動セグメント
２７ａ ・・・ 第１楔形セグメント
２７ｂ ・・・ 第２楔形セグメント
２８ ・・・ 第１滑り軸受ブシュ
３０ ・・・ オメガ字状ばね
３１ ・・・ 保持リング
４１ ・・・ 第２滑り軸受ブシュ
４４ ・・・ ラップスプリングブレーキ
４６ ・・・ ラップスプリングブシュ
４８ ・・・ ラップスプリングブシュアーム
５０ ・・・ ラップスプリングアーム
５１ ・・・ ブレーキカム
５３ ・・・ 第１駆動カム
５５ ・・・ 第２駆動カム

Claims (10)

1. 第１取り付け部材（１１）と、該第１取り付け部材（１１）に対してギア接続される第２取り付け部材（１２）と、前記第１取り付け部材（１１）の内部に回転自在に取り付けられるとともに第１取り付け部材（１１）と第２取り付け部材（１２）との相互間における転動動作を行なわせるための偏心機構を少なくとも部分的に構成するドライバー（２１）、第１楔形セグメント（２７ａ）及び第２楔形セグメント（２７ｂ）と、該第１楔形セグメント（２７ａ）及び第２楔形セグメント（２７ｂ）を相互に離すように周方向に付勢して車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時における車両シート用取り付け具（１０）内の遊びをなくすオメガ字状バネ（３０）と、前記第１楔形セグメント（２７ａ）及び第２楔形セグメント（２７ｂ）を摩擦を生じさせることなく前記第２取り付け部材（１２）に取り付ける第１滑り軸受ブシュ（２８）とを有する車両シート用取り付け具（１０）において、
   前記車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時にラップスプリングブシュ（４６）の内周面に対して摩擦を生じさせて当接するラップスプリングブレーキ（４４）が設けられ、
   前記第１楔形セグメント（２７ａ）及び第２楔形セグメント（２７ｂ）のうち少なくとも第１楔形セグメント（２７ａ）が、前記第１取り付け部材（１１）に第２滑り軸受ブシュ（４１）を介して摩擦を生じさせることなく取り付けられ、
   前記ラップスプリングブレーキ（４４）が、前記偏心機構を構成する構成部材の前記第２取り付け部材（１２）に対する相対的な回動を前記車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時に防止し、
   前記ラップスプリングブレーキ（４４）が、前記偏心機構の回動防止により前記第１取り付け部材（１１）及び第２取り付け部材（１２）を前記車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時に相互に固定し、
   前記ラップスプリングブレーキ（４４）が、前記第１取り付け部材（１１）と第２取り付け部材（１２）との相互間における転動動作時に開放され、
   前記ラップスプリングブレーキ（４４）が、前記第１楔形セグメント（２７ａ）と前記第１滑り軸受ブシュ（２８）及び第２滑り軸受ブシュ（４１）のそれぞれとの間で前記車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時に所定の摩擦を生じさせた状態を維持し、
   該所定の摩擦が、前記車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時に前記ラップスプリングブシュ（４６）の内周面と前記ラップスプリングブレーキ（４４）との間に作用する摩擦より小さいことを特徴とする車両シート用取り付け具（１０）。
2. 前記第１楔形セグメント（２７ａ）が、前記車両シート用取り付け具（１０）の駆動時に前記第２楔形セグメント（２７ｂ）より高い負荷を受ける楔形部材であることを特徴とする請求項１記載の車両シート用取り付け具（１０）。
3. 前記第１楔形セグメント（２７ａ）及び第２楔形セグメント（２７ｂ）が、前記第２滑り軸受ブシュ（４１）を介して第１取り付け部材（１１）に摩擦を生じさせることなく取り付けられていることを特徴とする請求項１または請求項２記載の車両シート用取り付け具（１０）。
4. 前記第１楔形セグメント（２７ａ）が、前記車両シート用取り付け具（１０）の非駆動時に前記ラップスプリングブレーキ（４４）を介して保持されていることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具（１０）。
5. 前記ラップスプリングブレーキ（４４）が、２つのラップスプリングアーム（５０）を有していることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具（１０）。
6. 前記第１楔形セグメント（２７ａ）が、前記ラップスプリングアーム（５０）に当接すると、前記ラップスプリングブレーキ（４４）に対して閉じる態様に作用するブレーキカム（５１）を有していることを特徴とする請求項５に記載の車両シート用取り付け具（１０）。
7. 前記ドライバー（２１）が、前記ラップスプリングアーム（５０）に当接すると、前記ラップスプリングブレーキ（４４）に対して開く態様で作用する駆動カム（５３、５５）を有していることを特徴とする請求項５又は請求項６に記載の車両シート用取り付け具（１０）。
8. 前記ラップスプリングブレーキ（４４）が、前記第２取り付け部材（１２）に非回転状態で配置されたラップスプリングブシュ（４６）に当接していることを特徴とする請求項１乃至請求項７のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具（１０）。
9. 前記ラップスプリングブシュ（４６）が、前記第２取り付け部材（１２）の内歯に嵌合する半径方向に突出形成された複数のラップスプリングブシュアーム（４８）を有していることを特徴とする請求項１乃至請求項８のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具（１０）。
10. シート部材（３）と、該シート部材（３）に対して傾斜調整自在であるとともに車両シート（１）の少なくとも一方側において請求項１乃至請求項９のいずれかに記載の車両シート用取り付け具（１０）を介してシート部材（３）に取り付けられた背もたれ（４）とを有する車両シート（１）。

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