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車両座席用取り付け具
本発明は、第1取り付け部材と、第1取り付け部材に対してギア接続される第2取り付け部材と、第1取り付け部材に対して回動自在に取り付けられて第1取り付け部材と第2取り付け部材との相互間でローリング動作を生じさせる楔セグメントとドライバとから構成される偏心機構とを備え、偏心機構を構成する構成部材が、第1取り付け部材または第2取り付け部材に内面及び/又は外面を介して少なくとも間接的に当接し、偏心機構を構成する構成部材が、前記第1取り付け部材に内面を介して取り付けられて及び/又は第2取り付け部材に外面を介して取り付けられて第1取り付け部材と第2取り付け部材とを直接的に相互作用させる車両座席用取り付け具に関し、特に、自動車座席用取り付け具に関する。
従来の車両座席用取り付け具は、DE4436101A1に記載されているように、楔セグメントが、径方向内側においては第1カラー部分に対して直に接触した状態で配置されており、径方向外側においては第2取り付け部材内に圧入される滑り軸受ブシュとして機能する滑り軸受部材と直接的に接触した状態で配置されている。
径方向内側における静止摩擦は、互いに上下に位置するスチールの材質に起因して生じ、さらに、車両座席用取り付け具の駆動効率を向上させる役割を果たしている。
楔セグメントは、車両座席用取り付け具の駆動時、第2取り付け部材に圧入された滑り軸受部材に沿って低い摺動摩擦で動くようになっている。
また、従来の車両用取り付け具は、DE19938666A1に記載されているように、2部品構造、すなわち、2つの構成部材からなるドライバを有した車両座席用取り付け具において、楔セグメントは、ドライバを構成する駆動リング上に配置されている。
この場合、駆動リングは、第1カラー部分上に配置されている。
本発明の目的は、前述したような従来の車両座席用取り付け具を改良することである。
本発明の目的は、偏心機構を構成する構成部材または第1取り付け部材または第2取り付け部材の相互作用領域、すなわち、これら構成部材が相互に相互作用(当接)する外面が、偏心機構を構成する構成部材の原材料(すなわち、ベースとなる原材料)の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する薄層で被覆されている車両座席用取り付け具により達成される。
有利な改良は、従属する請求項の要旨である。
本発明の車両座席用取り付け具では、偏心機構を構成する構成部材が、その内面及び/又は外面または周辺部材と相互作用領域、すなわち、周囲に配置された他の構成部材と相互作用する領域を(金属から成形される)構成部材より低い摩擦係数を有する薄層で被覆されていることにより、この内面および外面上で生じる摩擦が低減されるため、車両座席用取り付け具の駆動効率を向上できる。
そして、この偏心機構を構成する構成部材の内面または外面が(摺動)層により被覆されていることにより、構成部材間で生じる摩擦が小さくなるため、従来の車両座席用取り付け具において低い摩擦係数を達成するために圧入される滑り軸受部材または転がり軸受部材の設置を必要とせず、その結果、部材点数を低減でき、例えば、強度を高めるために利用される構造スペースを得ることができる。
前述したような被覆を施された偏心機構の構成部材または表面に被覆を施された周辺部材が、(好ましくは金属製の)楔セグメントとその周辺部材との間に径方向に配置されて複数の部材からなるドライバを構成する駆動リングであっても何ら差し支えない。
本発明において、2つの楔セグメントは、幾何学的に一致したセグメントである必要はなく、ディスク状に形成しても良く、相互に対して軸方向にずらした状態で配置しても何ら構わない。
前述した薄層が、摩擦係数が高い場所、例えば、(以下に記載する実施例における第1取り付け部材または第2取り付け部材などに形成される)カラー部分に面した楔セグメントの内面に施された場合、薄層の低い摩擦係数の変動範囲により、セルフロック式の車両座席用取り付け具の駆動効率を妨げることなく、セルフロック限度(self-locking limit)に近い状態を発揮できる。
また、他のロック部材により車両座席用取り付け具の駆動が妨げられる場合、セルフロック限度を超えるように、すなわち、車両座席用取り付け具を自動的にロック状態に維持するセルフロック作用を生じないように設計しても良い。
そして、前述した薄層は、アモルファスカーボンから成形されるのが好ましい。
一般に、ダイヤモンド層は、極めて高い硬度を発揮して圧力をかけられた表面を摩耗から理想的に保護するものの、十分な滑らかさを有していないとともに、工業的に効率的に形成するのが難しい。
一方、アモルファスカーボン層は、四面体状に架橋形成するのが好ましく、超硬質ダイヤモンドの特性を十分に発揮でき、さらに、消耗するセラミック(ceramic expendable)および摩耗粒子に対し、アブレシブ摩耗に対する非常に高い耐性を確保するとともに、ダイヤモンド硬度の40〜75%の硬度を発揮するようになっている。
アモルファスカーボン層の硬度は、最大75GPa(7500HVに相当)まで設定することができる。
これらのアモルファスカーボン層は、当業者間でDLC層(ダイヤモンドライクカーボン)とも称されている。
同時に、アモルファスカーボン層は、例えば、(レーザ)パルス真空アークディスクハージ(diskharge)により、工業的に比較的大規模に生産することが可能である。
この場合、ミクロン単位、すなわち、ミクロン範囲の超薄層を均一に被覆することができる。
カーボン粒子の一部が、支持部材(サブプランテーション)の表面層を貫通していることにより、例えば、滑り塗料またはPTFEの単純な堆積(凝縮)を伴う場合よりも、アモルファスカーボン層と支持部材との間で良好な、特に、耐荷重性の高い接合を確保できる。
この支持材料は、硬度の高いアモルファスカーボン層を使用するため、アモルファスカーボン層に対して局所的にかかる荷重と適合した支持能力を有している。
カーボンは、生体適合性を有しており、生理学的にも基準を満たしている。
そして、アモルファスカーボン層は、他の材料に密着する傾向が低いため、いかなる摩擦対(frictional pairing)においても冷間ピックアップ(cold pick-up)が回避されるとともに、非常に低い摩擦係数が得られ、例えば、スチールに対してアモルファスカーボン層を使用した場合、スチール同士が直接接触する際の摩擦係数の約10〜15%まで低減できる。
また、特定の潤滑手段を使用することにより、摩擦をさらに低減できる。
このようにして、あらゆる摩擦係数を設定できる。
従来の車両座席用取り付け具(すなわち、ギア付き取り付け具)を構成する取り付け部材と楔セグメントとの間における配置は、楔セグメントが、1つの取り付け部材、例えば、取り付け部材に形成された第1カラー部分に対してより高い摩擦係数を有し、カラー部分上に滑り軸受部材を配置した取り付け部材に対してより低い摩擦係数を有している。
本発明の車両座席用取り付け具では、アモルファスカーボン層で被覆した楔セグメント、及び/又は、楔セグメントの外面とアモルファスカーボン層で被覆していない面とのあらゆる組み合わせが可能であり、摩擦係数を自在に設定可能であるため、滑り軸受部材の設置を省略することができる。
また、本発明の車両座席用取り付け具を電動駆動式のギア付き取り付け具として用いる場合、いずれか一方の取り付け部材と楔セグメントとの間に、偏心機構を構成する移動自在な駆動リングを付加的に設置することで、同様な摩擦比および利点を得ることができる。
この場合、アモルファスカーボン層は、偏心機構を構成する部材の両方、または、いずれか一方で、各構成部材の摺動または接触領域に対して被覆されている。
また、楔セグメント(または、楔セグメントと相互作用する一対の取り付け部材の外面、または、一対の楔セグメントの一方)は、その両面に低摩擦層、すなわち、セルフロック限度をかなり下回る摩擦を生じる層で被覆されているため、車両座席用取り付け具の駆動時(すなわち、傾斜調整動作時)における摩擦損失が減少するため、車両座席用取り付け具の駆動効率を向上できる。
したがって、低い駆動電力で従来と同じ出力を得ることができる。
楔セグメントは、その外面と内面とが周辺部材に対して低摩擦状態で取り付けられているため、セルフロック機能を発揮せず、車両座席用取り付け具もセルフロック機能を発揮しない。
このため、車両座席用取り付け具の非駆動時に楔セグメントを保持するとともに車両座席用取り付け具の駆動時に車両座席用取り付け具の保持機能を解除するブレー手段が、車両座席の少なくとも一方側に配設されている。
その結果、車両座席用取り付け具の駆動時における安全性と駆動効率を向上できる。
なお、前述したブレーキ手段は、車両座席の一方側の側面に設けられていれば良く、両方側の側面に設ける必要はない。
また、前述したブレーキ手段は、出力側においては充分なロックモーメント(locking moment)を生じ、駆動側において駆動トルクが作用した際にロックモーメント(locking moment)に対して低い自由転輪モーメント(freewheeling moment)を生じて回動するラップスプリングブレーキ(wrap spring brake)として設計されているのが好ましい。
なお、このようなラップスプリングブレーキの代わりに、クランピングローラフリーホイール(clamping roller freewheel)を設置しても何ら構わない。
いずれの場合においても、遊びがない状態で設置されるため、強度を維持できる。
また、摺動層は、高い摩耗耐性と低い摩擦係数とを併せ持つ高性能プラスチックから成形された摺動層、特に、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)からなる摺動層であっても良い。
高性能プラスチックから成形された部分結晶性の摺動層は、摩耗耐性が高く、さらに1mm以下(例えば0.3mm)の層厚を有しているので、この部分結晶性の摺動層で楔セグメントの外面を被覆して、従来の車両座席用取り付け具において必要とされていた第2取り付け部材に取り付けられて短形のカラー部分に圧入された滑り軸受部材の設置を省略しても何ら構わない。
また、摺動層として、PTFE層(ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標))を使用しても何ら差支えない。
さらに、摺動層の配置、または、楔セグメントの摺動層とアモルファスカーボン層とのあらゆる組み合わせが可能である。
本発明の車両座席用取り付け具は、車両座席で背もたれの傾斜調整のために使用するのが好ましいが、他の場所において使用しても何ら差し支えない。
以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例である車両座席用取り付け具10は、図3に示すように、車両座席1において用いられ、この車両座席1は、自動車用座席であり、座部3と、この座部3に対して傾斜調整自在な背もたれ4とを備えている。
そして、背もたれ4の傾斜調整を行うために手動で作動されるハンドル5は、座部3と背もたれ4との間に設けられた水平な駆動シャフト(図示しない)を車両座席1の一方側において回転させるとともに、車両座席1の両側において、車両座席用取り付け具10と回り止め状態で係合している。
背もたれ4は、一対の車両座席用取り付け具10により座部3に接続されている。
まず、以下に記載する車両座席用取り付け具10に共通する特徴について説明する。
車両座席用取り付け具10は、ギア付き取り付け具として形成されており、傾斜調整用およびロック用ギアにより第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とを相互に接続するギア付き取り付け具として設計されており、前述した傾斜調整用およびロック用ギアは、セルフロック機能を有する偏心遊星ギア(少なくとも車両座席1に取り付けられる一対の車両座席用取り付け具10のうちの一方はセルフロック式であることが好ましい)として設計されている。
第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とは、鋼材から成形されているとともに、一部の領域で硬化されていることが好ましい。
これらの第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とは、平坦な形状を呈している。
第1取り付け部材11は、ハンドル5と駆動シャフトとを支持する車両構造体(本実施例においては、背もたれ4の構造体)に対して固定状態で接続されており、図面においては上側に図示されている。
また、第2取り付け部材12は、座部3(本実施例の場合、座部3の構造体)に対して固定状態で接続されており、図面の下側に示されている。
なお、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との配置関係は、実施条件に応じて相互に置き換えても何ら構わない。
第2取り付け部材12をエンボス加工により形成された外歯を有する歯車部分16と、第1取り付け部材11をエンボス加工により形成された内歯を有する歯付きリング17とが、相互に噛み合うことによりギアを構成している。
歯車部分16の外歯の歯先円の直径は、歯付きリング17の内歯の歯元円の直径よりも少なくとも1歯高分だけ小さく設計されている。
歯車部分16と歯付きリング17との間の歯数の差により、歯付きリング17が、歯車部分16上でローリング動作(rolling movement)を生じるようになっている。
第1取り付け部材11は、歯付きリング17の内歯と同軸状に形成された第1カラー部分19を歯車部分16と対向する側面に有している。
第1カラー部分19は、第1取り付け部材11と一体化した部位であり、すなわち、第1取り付け部材11に一体成形されている。
ドライバ21は、このドライバ21に形成されたブシュ部分22を介して遊びを有した状態で、軸方向に延在する第1取り付け部材11の第1カラー部分19に取り付けられている。
プラスチックから成形されたドライバ21は、駆動シャフトの外周に形成されたキー溝に係合するとともに、軸方向に延在する孔部分23を中心に有し、この孔部分23は、以下に使用される円筒状座標系を規定している。
また、ドライバ21は、一体成形された鎌形状の駆動部分25を有しており、この駆動部分25は、第1取り付け部材11に形成された第1カラー部分19の周囲に配置されている。
金属から成形された一対の楔セグメント27は、湾曲した形状を呈しており、第1取り付け部材11の第1カラー部分19と楔セグメント27の内面27aとを当接させることで第1取り付け部材11に支持され、さらに、第1取り付け部材11の第1カラー部分19より軸方向の延在領域が短い第2取り付け部材12の第2カラー部分12’と楔セグメント27の外面27bとを当接させることで第2取り付け部材12に支持されている。
第2カラー部分12’は、第2取り付け部材12に一体成形された部位であり、すなわち、第2取り付け部材12に一体成形されている。
図2に示すように、本発明においては、第2取り付け部材12は、第2カラー部分12’により直接的に楔セグメント27を支持しているが、図4に示すように、従来技術では、第2カラー部分12’に圧入されたブシュ形状の滑り軸受部材28により楔セグメント27を支持している。
ドライバ21に形成された駆動部分25は、一対の楔セグメント27の厚みのある端部の相互間に遊びを有した状態で配置されており、オメガスプリング30の端部を曲げて形成された端部フィンガー部分は、一対の楔セグメント27の厚みのない端部の相互間に配置されている。
このオメガスプリング30は、一対の楔セグメント27を相互に周方向に離間させ、非作動時における車両座席用取り付け具10内における遊びをなくすように設計されている。
ドライバ21は、第1取り付け部材11の外側にクリップ留めされた固定リング31により軸方向に取り付けられている。
シールリング33は、ゴムから成形するのが好ましく、このシールリング33は、第2取り付け部材12の外側とドライバ21との間にカバーリングディスクとして設計された領域を覆っている。
軸方向に作用する力を吸収するために、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12に保持プレート(図示せず)が溶接されており、この保持プレートは、傾斜調整動作を妨げることなく、他方の取り付け部材にそれぞれ係合している。
ドライバ21に形成された駆動部分25と楔セグメント27は、偏心方向の延長線上で第2取り付け部材12に形成された歯車部分16と第1取り付け部材11に形成された歯付きリング17とを押圧し、このように形成された歯車部分16と歯付きリング17との噛合点で歯車部分16と歯付きリング17とを相互に係合させる偏心機構(eccentricity)を構成している。
駆動シャフトの回転時、駆動トルクは、ドライバ21に伝達された後に前述した偏心機構に伝達され、この偏心機構は、第2取り付け部材12に形成された第2カラー部分12’の内周面に沿って摺動してその偏心方向を変移させて第2取り付け部材12の歯車部分16と第1取り付け部材11の歯付きリング17との噛合点を変移させ、その結果、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とが相互に揺動状態で回動するようになっている。
摩擦比は、車両座席用取り付け具10の非作動時には、車両座席用取り付け具10をロック状態に維持し、車両座席用取り付け具10の作動時には、車両座席用取り付け具10の駆動効率を高める上で重要な役割を果たしている。
図4に示すように、従来技術においては、楔セグメント27が、滑り軸受部材28により楔セグメント27の内面27aよりもかなり低い度合いの摩擦を楔セグメント27の外面27bで受けるように設計されているが、本発明においては、これらの摩擦比を逆転させても理論的には何ら構わない。
本発明は、これらの摩擦比を改善するように設計されている。
本発明においては、楔セグメント27の内面27aは、ミクロン単位の層厚を有する超硬質の第1アモルファスカーボン層で被覆されている。
このアモルファスカーボン層は、狭い変動範囲でダイヤモンドの硬度を低摩擦係数に結び付ける機能を有している。
薄いアモルファスカーボン層の摩擦係数は、硬化鋼または焼結材料から成形された楔セグメント27の摩擦係数よりも低い。
その結果、第1取り付け部材11、すなわち、第1取り付け部材11に形成された第1カラー部分19と楔セグメント27との間の摩擦を、車両座席用取り付け具10をロック状態に維持するセルフロック限度(self-locking limit)に近づけることができる。
その結果、第1取り付け部材11、すなわち、第1取り付け部材11に形成された第1カラー部分19と楔セグメント27との間の摩擦をセルフロック限度(self-locking limit)、すなわち、車両座席用取り付け具10を自動的にロック状態に維持するセルフロック作用を生じ得る摩擦係数の限界点に近づけることができる。
このように摩擦度合いが下げられた車両座席用取り付け具10の駆動効率は、約0.3から0.5弱まで増大させることができる。
本発明においては、楔セグメント27の外面27bは、第1アモルファスカーボン層の有無に関係なく、ミクロン単位の層厚を有する第2アモルファスカーボン層で被覆され、この第2アモルファスカーボン層の摩擦係数は、第1アモルファスカーボン層の摩擦係数よりも小さく、従来技術から周知である滑り軸受部材28の摩擦係数と同程度に設定されている。
その結果、外面27bに第2アモルファスカーボン層を有する楔セグメント27と第2取り付け部材12との間に起こる直接的な摩擦が非常に低い値になるため、従来技術で必要とされていた滑り軸受部材28の設置を省略できる。
また、図4に示すような従来技術において用いられる滑り軸受部材28は、硬化処理を施されていないため、自動車事故などの衝突発生時にはプラスチック変形(塑性変形)が起こり得るが、本発明では、滑り軸受部材28を設置していないため、プラスチック変形(塑性変形)が起こり得ないという利点を有している。
さらに、本発明では、滑り軸受部材28を設置していないことにより、径方向の構造領域を他の部材、好ましくは楔セグメント27に充当することが可能であるため、全体の構造面積を従来技術と同一に保ちながら車両座席用取り付け具10の強度を増大させることができる。
以下に、本発明の様々な変形例を詳細に説明する。
第1アモルファスカーボン層は、楔セグメント27に形成することなく、第1取り付け部材11の第1カラー部分19に形成されても何ら構わない。
また、摩擦の度合いが低いため、第1アモルファスカーボン層の存在とは無関係に第2アモルファスカーボン層を第2取り付け部材12に直接的に形成しても何ら差し支えない。
いずれの場合においても、滑り軸受部材28の設置を省略できる。
第2取り付け部材12の第2カラー部分12’、及び/又は、第1取り付け部材11の第1カラー部分19を硬化しても何ら差し支えない。
また、他の変形例として、第1アモルファスカーボン層(ある特定の状況下においては、セルフロック限度をはるかに下回る)で、楔セグメント27の内面27aおよび外面27bの両面、または、楔セグメント27の全面を被覆することにより、第1取り付け部材11と(背もたれ4の重量のため)より高い負荷を受ける楔セグメント27との間の摩擦が、セルフロック限度未満となるように設計しても良い。
この場合、車両座席用取り付け具10のセルフロックは、例えば、切換可能なブレーキや、ラップスプリングブレーキ(wrap spring brake)、または、クランピングローラフリーホイール(clamping roller freewheel)等を用いて達成されるように設計しても何ら構わない。
更に他の変形例として、DE19938666A1で開示されるように、ドライバ21が、駆動リング(楔セグメント27と同じ材料から成形するのが好ましい)とプラスチックから成形される駆動ブシュとを有して、多部品構造で構成されている、すなわち、複数の構成部材から構成されていても何ら差し支えない。
この変形例では、駆動リングは、駆動部分25を有しているとともに、楔セグメント27と第1カラー部分19との間に(または、第2カラー部分12’と運動力学的に逆の変形で)径方向に配置されており、すなわち、一方で楔セグメント27に当接しており、他方で関連する第1取り付け部材11(または第2取り付け部材12)に当接している。
また、偏心機構の一部を構成する駆動リングは、内側または外側または両側に、第1アモルファスカーボン層及び/又は第2アモルファスカーボン層を有し、アモルファスカーボン層を形成した楔セグメント27または第1取り付け部材11または第2取り付け部材12と相互作用するように設計しても何ら差支えない。
本発明の一実施例である車両用取り付け具を示す分解図。 車両用取り付け具を示す部分断面図。 車両座席を示す概略図。 従来の車両用取り付け具を示す部分断面図。 従来の車両用取り付け具を示す分解図。
1 ・・・ 車両座席
3 ・・・ 座部
4 ・・・ 背もたれ
5 ・・・ ハンドル
10 ・・・ 車両座席用取り付け具
11 ・・・ 第1取り付け部材
12 ・・・ 第2取り付け部材
12’・・・ 第2カラー部分
16 ・・・ 歯車部分
17 ・・・ 歯付きリング
19 ・・・ 第1カラー部分
21 ・・・ ドライバ
22 ・・・ ブシュ部分
23 ・・・ 孔部分
25 ・・・ 駆動部分
27 ・・・ 楔セグメント
27a・・・ 内面
27b・・・ 外面
28 ・・・ 滑り軸受部材
30 ・・・ オメガスプリング
31 ・・・ 固定リング
33 ・・・ シールリング

Claims (11)

  1. 第1取り付け部材(11)と、該第1取り付け部材(11)に対してギア接続される第2取り付け部材(12)と、前記第1取り付け部材(11)に対して回動自在に取り付けられて前記第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)との相互間におけるローリング動作を生じさせる楔セグメント(27)及びドライバ(21)から構成される偏心機構とを備え、該偏心機構を構成する構成部材(21、27)が、前記第1取り付け部材(11)または第2取り付け部材(12)に内面(27a)及び/又は外面(27b)を介して少なくとも間接的に当接し、前記偏心機構を構成する構成部材(27)が、前記第1取り付け部材(11)に内面(27a)を介して取り付けられて及び/又は前記第2取り付け部材(12)に外面(27b)を介して取り付けられて前記第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)とを直接的に相互作用させる車両座席用取り付け具(10)において、
    前記偏心機構を構成する構成部材(27)または第1取り付け部材(11)または第2取り付け部材(12)の相互作用領域が、前記偏心機構を構成する構成部材(27)の原材料よりも低い摩擦係数を有する薄層で被覆されていることを特徴とする車両座席用取り付け具(10)。
  2. 前記偏心機構を構成する構成部材(27)または更なる構成部材(27)が、前記内面(27a)及び/又は外面(27b)を介して第1取り付け部材(11)に一体成形された第1カラー部分(19)と第2取り付け部材(12)に一体成形された第2カラー部分(12’)とに直接的に当接していることを特徴とする請求項1に記載の車両座席用取り付け具(10)。
  3. 前記偏心機構を構成する構成部材(27)の相互に別方向に面する内面(27a)または外面(27b)、または、前記第1取り付け部材(11)または第2取り付け部材(12)の構成部材(27)との相互作用領域が、前記偏心機構を構成する構成部材(27)の原材料より低い摩擦係数を有する薄層で被覆されていることを特徴とする請求項2に記載の車両座席用取り付け具(10)。
  4. 前記薄層が、四面体状に交差結合されたアモルファスカーボン層であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両座席用取り付け具(10)。
  5. 前記アモルファスカーボン層が、ミクロン単位以下の層厚を有していることを特徴とする請求項4に記載の車両座席用取り付け具(10)。
  6. 前記偏心機構を構成する構成部材(27)が、前記内面(27a)上または関連の取り付け部材(11)との相互作用領域に第1アモルファスカーボン層を有しているとともに、
    前記偏心機構を構成する構成部材(27)または更なる構成部材(27)が、前記外面(27b)上または関連の取り付け部材(12)との相互作用領域に第2アモルファスカーボン層を有していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両座席用取り付け具(10)。
  7. 前記第1アモルファスカーボン層と第2アモルファスカーボン層とが、相互に異なる摩擦係数を有していることを特徴とする請求項6に記載の車両座席用取り付け具(10)。
  8. 前記ドライバ(21)が、多部品構造で構成されて、前記偏心機構を構成して前記楔セグメント(27)に一方で当接するとともに前記第1取り付け部材(11)または第2取り付け部材(12)に他方で当接する駆動リングを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の車両座席用取り付け具(10)。
  9. 前記楔セグメント(27)及び/又は駆動リングが、主に硬化鋼または焼結材料から成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両座席用取り付け具(10)。
  10. 前記薄層が、高性能プラスチック、特に、PEEK及び/又はPTFEから成形された摺動層であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車両座席用取り付け具(10)。
  11. 座部(3)と、該座部(3)に対して請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の車両座席用取り付け具(10)により車両座席の一側面で取り付けられて前記座部(3)に対する傾斜を調節自在な背もたれ(4)とを備えていることを特徴とする車両座席。
JP2008540485A 2005-11-16 2006-11-03 車両座席用取り付け具 Expired - Fee Related JP5236479B2 (ja)

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