JP2009515616A - 車両座席用取り付け具 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明は、車両座席用取り付け具、特に、自動車座席のための車両座席用取り付け具(10)において、第1取り付け部材(11)と、トランスミッションによって第1取り付け部材(11)に対して接続される第2取り付け部材(12)と、第1取り付け部材(11)に回転可能に取り付けられ、且つ第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)との間の転回運動を促すために使用される多部品偏心器とを備えた車両座席用取り付け具(10)に関する。
偏心機構は、その偏心手段(21、27)として、少なくとも1つのドライバ(21)と楔セグメント(27)とを備えている。
偏心機構を取り付けるため、偏心手段(21、27)は、それらの内面(27a)、および/又はそれらの外面(27b)を用いて、第1取り付け部材(11)、もしくは、第2取り付け部材(12)のいずれか一方に間接的に配置されている。
偏心機構の楔セグメント(27)は、その内面(27a)を用いて第1取り付け部材(11)上に取り付けられ、および/又はその外面(27b)を用いて第2取り付け部材(12)上に取り付けられるとともに、対応する第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)とを直接に協働する。
本発明によれば、偏心機構の楔セグメント(27)または関連する第1取り付け部材(11)、もしくは、第2取り付け部材(12)は、協働領域において、楔セグメント(27)の材料の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する薄層で被覆されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1の前提項の特徴を有する車両座席用取り付け具に関し、特に、自動車座席用取り付け具に関する。
従来の車両座席用取り付け具は、DE4436101A1に記載されているように、楔セグメントが、径方向内側においては第1カラー体に対して直に接触した状態で配置されており、径方向外側においては第2取り付け部材内に圧入された滑り軸受ブシュとして形成された滑り軸受と直に接触した状態で配置されている。
径方向内側における静止摩擦は、互いに上下に位置するスチールの材質に起因して生じるようになっており、さらに、車両座席用取り付け具の駆動効率を向上させる役割を果たすようになっている。
楔セグメントは、車両座席用取り付け具の駆動時、第2取り付け部材の滑り軸受に沿って低い摺動摩擦で動くようになっている。
また、従来の車両用取り付け具は、DE19938666A1に記載されているように、2部品構造のドライバを有した車両座席用取り付け具において、楔セグメントは、ドライバの駆動リング上に配置されている。
この場合、駆動リングは、第1カラー体上に配置されている。
本発明の目的は、前述したような従来の車両座席用取り付け具を改良することである。
本発明の目的は、請求項1の特徴を備えた車両座席用取り付け具により達成される。
有利な改良は、従属する請求項の要旨である。
本発明は、車両座席用取り付け具に設置された偏心機構を構成する部材が、その内面、および/又は外面を、あるいは、周辺部材と相互作用する領域を、(金属)部材よりも低い摩擦係数を有する薄層により被覆しており、内面および外面上で生じる摩擦を特定の様式で低減するため、車両座席用取り付け具の駆動効率が向上するようになっている。
そして、偏心部材の内面、もしくは、外面が(摺動)層によって被覆されていることによって、部材間で生じる摩擦が小さくなるため、従来の車両座席用取り付け具において低い摩擦係数を達成するために圧入される滑り軸受、もしくは、転がり軸受を省くことができるようになり、これによって、部品が節約されるため、例えば、強度を高めるための構造スペースを得られるようになっている。
被覆された偏心部材、もしくは、表面を被覆された周辺部材が、多部材ドライバの(好ましくは金属製の)楔セグメントとその周辺部材との間に径方向に配置された駆動リングであっても何ら差し支えない。
本発明において、2つの楔セグメントは、幾何学的に一致したセグメントである必要はなく、ディスク状に形成しても良く、相互に対して軸方向にずらした状態で配置しても何ら構わない。
前記薄層が、摩擦係数が高い場所、例えばカラー体に面した楔セグメントの内面において使用される場合、薄層の低い摩擦係数の変動範囲によって、セルフロック式の車両座席用取り付け具の駆動効率を妨げることなく、セルフロック限度(self-locking limit)に近い状態を発揮できるようになっている。
また、他のロック要素により車両座席用取り付け具の駆動が妨げられる場合には、セルフロック限度を超えることができるようになっている。
そして、前記薄層は、アモルファスカーボン層で形成されることが好ましい。
一般に、ダイヤモンド層は、その原理上、極めて高い硬度によって、圧力がかかった表面を摩耗から理想的に保護するようになっているが、十分に滑らかな状態に、且つ工業的に効率的な工程で生産されていない。
アモルファスカーボン層は、四面体状に架橋形成されることが好ましく、超硬質ダイヤモンドの特性を十分に発揮するようになっており、さらに、セラミック消耗体および摩耗粒子に対し、アブレシブ摩耗に対する非常に高い耐性を確保しながら、ダイヤモンド硬度の40〜75%の硬度に設定することができるようになっている。
アモルファスカーボン層の硬度は、最大75GPa(7500HVに相当)まで設定できるようになっている。
当業者の間においては、これらのアモルファスカーボン層がDLC層(ダイヤモンドライクカーボン)とも称されている。
同時に、アモルファスカーボン層は、例えば、(レーザ)パルス真空アークディスクハージ(diskharge)により、工業的に比較的大きな規模で生産することが可能になっている。
この場合、ミクロン範囲の超薄層を均一に被覆することが可能になっている。
カーボン粒子の一部が、支持部材(サブプランテーション)の表面層を貫通していることによって、例えば、滑り塗料またはPTFEの単純な堆積(凝縮)を伴う場合よりも、アモルファスカーボン層と支持部材との間で良好な、特に耐荷重性の高い接合を確保するようになっている。
この支持材料は、硬度の高いアモルファスカーボン層を使用するため、アモルファスカーボン層に対して局所的にかかる荷重と適合した支持能力を有している。
カーボンは、生体適合性を有しており、生理学的にも基準を満たすようになっている。
そして、アモルファスカーボン層は、他の材料に密着する傾向が低いため、いかなる摩擦対(frictional pairing)においても冷間ピックアップ(cold pick-up)が回避されるとともに、非常に低い摩擦係数が得られるようになっており、例えば、スチールに対してアモルファスカーボン層を使用した場合、スチール同士が直接接触する際の摩擦係数の約10〜15%まで低減されるようになっている。
また、特定の潤滑手段を使用することによって、摩擦をさらに低減させることが可能になる。
このようにして、あらゆる摩擦係数を設定することが可能になっている。
従来のギア付き取り付け具における取り付け部材と楔セグメントとの間の配置は、楔セグメントが、1つの取り付け部材、例えば、第1カラー体に対してより高い摩擦係数を有し、カラー体上に滑り軸受が設けられた取り付け部材に対してより低い摩擦係数を有するようになっている。
アモルファスカーボン層を被覆させた楔セグメント、および/又は楔セグメントの周辺領域とアモルファスカーボン層を被覆させない面とのあらゆる組み合わせが可能となることから、摩擦係数を自在に設定できるため、滑り軸受を省いても何ら差支えない。
また、電動駆動ギア付き取り付け具において、どちらか一方の取り付け部材と楔セグメントとの間に、移動可能な駆動リングが偏心機構を構成する部材として付加的に設置されると、同じような摩擦比および利点が生じるようになっている。
この場合、アモルファスカーボン層は、偏心機構を構成する部材の両方、もしくは、どちらか一方において、それぞれが接する領域に対して被覆されるようになっている。
また、楔セグメント(もしくは、2つの取り付け部材において楔セグメントと相互作用する領域、もしくは、一対から成る楔セグメントのうちの1つ)は、その外面と内面とに(両面に)低摩擦層、すなわち、いずれの場合においてもセルフロック限度をかなり下回る摩擦を生じる層が被覆されているため、車両座席用取り付け具の駆動中、つまり、傾斜調整動作中の摩擦損失が減少するため、車両座席用取り付け具の駆動効率を高めることが可能になる。
したがって、低い駆動電力で従来と同じ出力を得ることができるようになっている。
楔セグメントは、その外面と内面とが周辺部材に対して低摩擦状態で取り付けられているので、セルフロック機能を発揮せず、車両座席用取り付け具もセルフロック機能を発揮しない。
このため、車両座席用取り付け具の非駆動時に楔セグメントを保持するとともに車両座席用取り付け具の駆動時に車両座席用取り付け具の保持機能を解除するブレーキが、車両座席の少なくとも一方側に配設されている。
その結果、車両座席用取り付け具の駆動時における安全性と駆動効率を向上できるようになっている。
なお、前述したブレーキは、車両座席の一方側の側面に設けられていれば良く、両方側の側面に設ける必要はない。
また、前述したブレーキは、出力側においては充分なロックモーメント(locking moment)を生じるようになっているとともに、駆動側において駆動トルクが作用した際にはロックモーメント(locking moment)に対して低い自由転輪モーメント(freewheeling
moment)を生じて回転するラップスプリングブレーキとして設計されていることが好ましい。
なお、ラップスプリングブレーキの代わりに、クランピングローラフリーホイールを設置しても何ら構わない。
いずれの場合においても、遊びがない状態で設置されるため、強度が維持されるようになっている。
また、摺動層は、高摩耗耐性と低摩擦係数とを組み合わせた高性能プラスチックで成形された摺動層、特にPEEK摺動層(ポリエーテルエーテルケトン)で成形されても何ら差支えない。
高性能プラスチックで成形された部分結晶性摺動層は、摩耗耐性が高く、さらに1mm以下(例えば0.3mm)の層厚を有しているので、この部分結晶性摺動層を楔セグメントの外面に被覆しても良く、そのため、従来の車両座席用取り付け具において第2取り付け部材に設置された短形のカラー体に圧入された滑り軸受は、省かれても何ら構わない。
また、摺動層としてPTFE層(ポリテトラフルオロエチレン、テフロン)を使用しても何ら差支えない。
さらに、摺動層の配置、もしくは、楔セグメントの摺動層とアモルファスカーボン層とのあらゆる組み合わせが可能となっている。
本発明において、車両座席用取り付け具は、背もたれ4の傾斜調整のために車両座席において使用されることが好ましいが、他の場所において使用されても何ら差支えない。
本発明を図面に示される実施例に基づいて、以下に詳細に説明する。
本実施例において、車両座席1は、自動車用座席であり、座部構造体3と、座部構造体3に対して傾斜調整可能な背もたれ4とで構成されている。
そして、傾斜調整を行うために手動で作動するハンドル5は、座部構造体3と背もたれ4との間に設けられた水平な駆動シャフト(図示せず)を車両座席1の一方側において回転させるようになっているとともに、車両座席1の両側において、車両座席用取り付け具10と非回転状態で係合している。
背もたれ4は、一対の車両座席用取り付け具10を介して座部構造体3に接続されている。
車両座席用取り付け具10の2つの典型的な実施例のうち、共通の特徴について最初に説明する。
車両座席用取り付け具10は、ギア付き取り付け具として形成されており、傾斜調整用およびロック用ギアによって第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とが相互に接続されたギア付き取り付け具として設計されており、前述したギアは、セルフロック機能を有する偏心遊星ギア(少なくとも車両座席1の2つの車両座席用取り付け具10のうちの一方はセルフロック式であることが好ましい)として設計されている。
第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とは、鋼材から成形されているとともに、一部の領域で硬化され得ることが好ましい。
さらに、この第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とは、平坦な形状を呈している。
第1取り付け部材11は、ハンドル5と駆動シャフトとを支持する車両構造体(本実施例においては、背もたれ4の構造体)に対して固定状態で接続されており、図面においては上側に図示されている。
また、本実施例において、第2取り付け部材12は、座部構造体3、すなわち、座部構造体3の構造体に対して固定状態で接続されており、図面の下側に示されている。
なお、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との配置関係は、実施条件に応じて相互に置き換えられても何ら構わない。
第2取り付け部材12をエンボス加工することによって形成された外歯を有した歯車16と、第1取り付け部材11をエンボス加工することによって形成された内歯を有した歯付きリング17とが、相互に噛み合うことによってギアを形成するようになっている。
歯車16の外歯の歯先円の直径は、歯付きリング17の内歯の歯元円の直径よりも少なくとも1歯高分だけ小さくなるように設計されている。
歯車16および歯付きリング17の歯数の差によって、歯車16上で歯付きリング17がローリング動作(rolling movement)するようになっている。
第1取り付け部材11は、歯付きリング17の内歯と同一軸上に第1カラー体19を歯車16と対向する側に有している。
第1カラー体19は、第1取り付け部材11と一体化した部位、すなわち、第1取り付け部材11と一体形成されている。
ドライバ21は、ブシュ22を介して遊びを有した状態で軸方向に延在した第1カラー体19に取り付けられている。
プラスチックで成形されたドライバ21は、駆動シャフトの外周に形成されたキー構と係合するように形成されているとともに、軸方向に延在した孔23を中心に有した状態で設けられており、この孔23は、以下に使用される円筒状座標系を規定している。
また、ドライバ21は、一体成形された鎌形状の駆動セグメント25を有しており、この駆動セグメント25は、第1カラー体19の周囲に設置されている。
金属で成形された一対の楔セグメント27は、湾曲した形状を呈しており、第1カラー体19と内面27aとを当接させることによって第1取り付け部材11に支持されるようになっており、さらに、第1カラー体19より軸方向の延在領域が短い第2カラー体12’と外面27bとを当接させることによって第2取り付け部材12に支持されるようになっている。
第2カラー体12’は、第2取り付け部材12に一体形成された部位であり、すなわち、第2取り付け部材12と一体形成されている。
本発明においては、第2取り付け部材12は、第2カラー体12’によって直接的に楔セグメント27を支持しているが、従来技術では、第2カラー体12’に圧入されたブシュ形状の滑り軸受28によって楔セグメント27を支持するようになっている。
駆動セグメント25は、一対の楔セグメント27の間に生じた狭い間隔に遊びを有した状態で設置されており、オメガスプリング30の端部を曲げて形成された端部フィンガーは、一対の楔セグメント27の間に生じた広い間隔に配置されている。
このオメガスプリング30は、一対の楔セグメント27を周方向に離間させることによって、非作動時における車両座席用取り付け具10を遊びの無い状態にさせるようになっている。
ドライバ21は、第1取り付け部材11の外側にクリップ留めされた固定リング31を介して軸方向に嵌合されている。
シールリング33は、ゴムで成形されていることが好ましく、このシールリング33は、第2取り付け部材12の外側とドライバ21との間にカバーリングディスクとして設計された領域を覆うようになっている。
軸方向に作用する力を吸収するために、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とには保持プレート(図示せず)が溶接されており、この保持プレートは、傾斜調整動作を妨げることなく、他方の取り付け部材にそれぞれ係合するようになっている。
駆動セグメント25と楔セグメント27とは、偏心方向の延長線上に歯車16と歯付きリング17とを押圧しており、このようにして画定された歯車16と歯付きリング17との噛合点で歯車16と歯付きリング17とを相互に係合させる偏心機構(eccentricity)を構成している。
駆動シャフトを回転させることによって、駆動トルクは、ドライバ21に伝達された後に偏心機構に伝達されるようになっており、この偏心機構は、第2カラー体12’の内周面に沿って摺動することで偏心方向を変移させることにより歯車16と歯付きリング17との噛合点が変移するように設計されており、この結果、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とが相互に揺動状態で回転するようになっている。
摩擦比は、非作動時には車両座席用取り付け具10をロック状態とし、作動時には車両座席用取り付け具10の駆動効率を高める上で重要な役割を果たしている。
従来技術においては、楔セグメント27が滑り軸受28によって内面27aよりもかなり低い度合いの摩擦を外面27bで受けるようになっているが、本発明は、これらの摩擦比を逆転させても理論的には何ら構わない。
すなわち、本発明は、これらの摩擦比を改善している。
本発明においては、楔セグメント27の内面27aは、ミクロン範囲の層厚を有した超硬質の第1アモルファスカーボン層でコーティングされている。
このアモルファスカーボン層は、低い変動範囲でダイヤモンドの硬度を低摩擦係数に結び付ける機能を有している。
薄いアモルファスカーボン層の摩擦係数は、硬化鋼、もしくは、焼結材料で成形された楔セグメント27の摩擦係数よりも低い。
その結果、第1取り付け部材11、すなわち、第1カラー体19と楔セグメント27との間の摩擦を、車両座席用取り付け具10をロック状態にさせるセルフロック限度に近づけることができるようになっている。
このように摩擦度合いが下げられた車両座席用取り付け具10の駆動効率は、約0.3から0.5弱まで増大させることができる。
本発明においては、楔セグメント27の外面27bは、第1アモルファスカーボン層の存在に関係なく、ミクロン範囲の層厚を有した第2アモルファスカーボン層でコーティングされており、この第2アモルファスカーボン層の摩擦係数は、第1アモルファスカーボン層の摩擦係数よりも小さく、従来技術により周知である滑り軸受28のレベルとほぼ同じレベルとなるように設定されている。
その結果、第2取り付け部材12と外面27bに第2アモルファスカーボン層を有した楔セグメント27との間に起こる直接的な摩擦が非常に小さい値となると想定できるため、従来のような滑り軸受28を設置する必要がない。
また、従来のような滑り軸受28は、硬化されていない成分であるため衝突時にはプラスチック変形(塑性変形)が起こり得るが、滑り軸受28を設置しなければ、このプラスチック変形(塑性変形)が起こり得ない。
さらに、滑り軸受28を省くことによって、径方向の構造領域を他の部材、好ましくは楔セグメント27に充当させることができるため、全体の構造面積を従来技術と同一に保ちながら車両座席用取り付け具10の強度を増大させることができる。
ここで、様々な変形例に基づいて詳細に説明する。
第1アモルファスカーボン層は、楔セグメント27に対して被覆させずに、第1カラー体19に対して被覆させても何ら構わない。
また、摩擦の度合いが低いため、第1アモルファスカーボン層の存在とは無関係に第2アモルファスカーボン層を第2取り付け部材12に直接被覆させても何ら差し支えない。
いずれの場合においても、滑り軸受28を省くことができるようになっている。
第2カラー体12’、および/又は第1カラー体19を硬化しても何ら差し支えない。
また、更なる変形例として、第1アモルファスカーボン層(ある特定の状況下においては、セルフロック限度をはるかに下回る)を、楔セグメント27の内面27aと外面27bとの両面、もしくは、楔セグメント27の全面に被覆させることによって、第1取り付け部材11と(背もたれ4の重量のため)より高い負荷を受ける楔セグメント27との間の摩擦が、セルフロック限度未満となるように設計することも考えられる。
この場合、車両座席用取り付け具10の自動ロックは、例えば、切換可能なブレーキや、ラップスプリングブレーキ、または、クランピングローラフリーホイールによって引き起こされても何ら構わない。
最後の変形例として、DE 199 38 666 A1に明確に開示されたドライバ21が、多部品構造(multi-part design)、すなわち、駆動リング(楔セグメント27と同じ材料から形成されることが好ましい)とプラスチックで形成された駆動ブシュとを有していても何ら差し支えない。
この場合、駆動リングは、駆動セグメント25を有しているとともに、楔セグメント27と第1カラー体19との間に(あるいは、第2カラー体12’と運動力学的に逆の変形で)径方向に配置されており、すなわち、一方で楔セグメント27に当接しており、他方で関連する第1取り付け部材11(または第2取り付け部材12)に当接している。
また、偏心機構の一部を構成する駆動リングは、内側、もしくは、外側、もしくは両側に対して、第1アモルファスカーボン層、および、第2アモルファスカーボン層のどちらか、もしくは、その両方を被覆してもよく、アモルファスカーボン層を被覆した楔セグメント27、または、第1取り付け部材11、または、第2取り付け部材12と相互作用するように設計しても何ら差支えない。
本実施例の車両用取り付け具の分解図。 本実施例の車両用取り付け具の部分断面図。 車両座席の概略図。 従来技術の車両用取り付け具の部分断面図。 従来技術の車両用取り付け具の分解図。
符号の説明
1 ・・・ 車両座席
3 ・・・ 座部構造体
4 ・・・ 背もたれ
5 ・・・ ハンドル
10 ・・・ 車両座席用取り付け具
11 ・・・ 第1取り付け部材
12 ・・・ 第2取り付け部材
12’・・・ 第2カラー体
16 ・・・ 歯車
17 ・・・ 歯付きリング
19 ・・・ 第1カラー体
21 ・・・ ドライバ
22 ・・・ ブシュ
23 ・・・ 孔
25 ・・・ 駆動セグメント
27 ・・・ 楔セグメント
27a・・・ 内面
27b・・・ 外面
28 ・・・ 滑り軸受
30 ・・・ オメガスプリング
31 ・・・ 固定リング
33 ・・・ シールリング


Claims (11)

  1. 車両座席、特に自動車座席のための取り付け具であって、第1取り付け部材(11)と、該第1取り付け部材(11)に対してギア接続された第2取り付け部材(12)と、前記第1取り付け部材(11)に回転可能に取り付けられるとともに、前記第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)とのローリング動作を行わせるため複数の部品から形成される偏心機構を有しており、該偏心機構が、少なくともドライバ(21)と楔セグメント(27)とを備え、前記楔セグメント(27)の内面(27a)および/又は外面(27b)を介して第1取り付け部材(11)、もしくは、第2取り付け部材(12)のいずれか一方を少なくとも間接的に支持しており、前記楔セグメント(27)が、内面(27a)を介して第1取り付け部材(11)に、および/又は、外面(27b)を介して第2取り付け部材(12)に取り付けられているとともに、前記第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)とを直接的に相互作用させるようになっている車両座席用取り付け具において、
    前記楔セグメント(27)、第1取り付け部材(11)、もしくは、第2取り付け部材(12)が、相互作用領域において偏心機構の一部を形成する楔セグメント(27)の原材料よりも低い摩擦係数を有した薄層で被覆されていることを特徴とする車両座席用取り付け具。
  2. 前記偏心機構の一部である一対の、もしくは、どちらか一方の楔セグメント(27)が、いずれの場合においても、前記内面(27a)、および/又は外面(27b)を介して第1取り付け部材(11)に一体形成された第1カラー体(19)と第2取り付け部材(12)に一体形成された第2カラー体(12’)とに直接的に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の車両座席用取り付け具。
  3. 前記偏心機構の一部である楔セグメント(27)において互いに相反した側を向く2つの面となる、内側を向く内面(27a)と外側を向く外面(27b)とが、もしくは、前記楔セグメント(27)と隣接した第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)とが、前記楔セグメント(27)の原材料よりも低い摩擦係数を有した薄層によって被覆されていることを特徴とする請求項2記載の車両座席用取り付け具。
  4. 前記薄層が、特に四面体状に交差結合されたアモルファスカーボン層で成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両座席用取り付け具。
  5. 前記アモルファスカーボン層が、ミクロン範囲以下の層厚を有していることを特徴とする請求項4記載の車両座席用取り付け具。
  6. 前記偏心機構の一部である楔セグメント(27)が、前記内面(27a)、もしくは、隣接した第1取り付け部材(11)との相互作用領域に第1アモルファスカーボン層を有しているとともに、前記偏心機構、もしくは、該偏心機構の一部である楔セグメント(27)が、前記外面(27b)、もしくは、楔セグメント(27)と隣接した第2取り付け部材(12)との相互作用領域に第2アモルファスカーボン層を有していることを特徴とする請求項4または請求項5記載の車両座席用取り付け具。
  7. 前記2つのアモルファスカーボン層が、異なる摩擦係数を有していることを特徴とする請求項6記載の車両座席用取り付け具。
  8. 前記ドライバ(21)が、多部品構造を形成しているとともに偏心機構の一部として駆動リングを有しており、該駆動リングが、一方で楔セグメント(27)と当接しているとともに他方で関連する第1取り付け部材(11)、もしくは、第2取り付け部材(12)と当接していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の車両座席用取り付け具。
  9. 前記楔セグメント(27)、および/又は駆動リングが、主に硬化鋼または焼結材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両座席用取り付け具。
  10. 前記薄層が、高性能プラスチック、特にPEEKから成る摺動層であり、および/又はPTFEから成る摺動層であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の車両座席用取り付け具。
  11. 座部構造体(3)と、前記座部構造体(3)に対して傾斜調整可能であるとともに車両座席(1)の少なくとも一方側において請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の車両用取り付け具10を介して前記座部構造体(3)に取り付けられた背もたれ(4)とを有する車両座席、特に自動車シート。


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