JP5027964B2 - スロットマシン及び遊技媒体貸出機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有価価値を有するプリペイドカード(磁気カードやICカード等)などの貸出媒体により遊技媒体を貸し出して遊技を行うスロットマシン及び遊技媒体貸出機に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在ホールに設置されるスロットマシンは、パチンコ機と異なり、横に設置されたメダル貸出機でメダルの貸し出しを受ける、いわゆる現金対応型が一般的であるが、近年、パチンコ機と同様、プリペイドカード(以下、カードという)を用いてスロットマシンでメダルの貸し出しを受ける、いわゆるCR対応型のスロットマシンが種々提案されている。このスロットマシンには、カードを受け付けるメダル貸出機がスロットマシンと隣り合わせに設置されており、遊技者が自由に利用できるようになっている。
【0003】
スロットマシン及びメダル貸出機は、電気的に接続されており、メダル貸出機は、自機、他機あるいはホールの適所に設置された発券機で発行されたカードを受け付けて、遊技者によるスロットマシン上での貸出操作に応じてスロットマシンにメダルの貸出処理を指示する制御信号(貸出要求信号)を送信する一方、スロットマシンは、この制御信号に応じてメダルの貸出処理を実施する。その結果、一回の貸出操作でカードから所定度数が引き落とされて、所定枚数のメダルが貯留メダルとして機内のクレジットデータに加算され、あるいは貯留メダルが上限枚数を越えた場合には、この越えた分のメダルが機内のメダル排出装置から排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スロットマシンには、メダル精算ボタンが設けられており、遊技者によるスロットマシン上での精算操作が行われると、メダルの貯留処理が解除され、全て又は一部の貯留メダルがメダル排出装置から排出されるようになっている。精算処理を実施可能にしたのは、遊技者が任意のタイミングで遊技を終了できるようにするためである。
【0005】
しかしながら、精算処理中に遊技者が誤って貸出操作を行ってしまうと、遊技を終了するために精算操作を行っているのに、意図しない貸し出しが行われて、カードの有価価値をいたずらに消費するという問題が従来のスロットマシンで指摘されている。
【0006】
また、メダル貸出機には、紙幣を投入すれば、自動的にカードを発行し、所定時間経過後にカードに付与された有価価値の範囲内でメダルの貸し出しを自動的に行う、貸出操作が不要なタイプも提案されているが、かかる場合、精算処理中に他の遊技者が誤って紙幣を投入すると、不用意な貸出が行われて、遊技者間でトラブルが発生するといった問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスロットマシンは、上記問題を解決するためになされたもので、請求項1記載の如く、貸出媒体が有する有価価値の範囲内で遊技媒体の貸出要求を遊技媒体貸出機から受けて遊技媒体の貸出処理を行うべく、貸し出された遊技媒体を含め、付与された遊技媒体を内部貯留可能な貯留手段と、内部貯留された遊技媒体を遊技者に払い戻す精算手段と、遊技媒体を内部貯留する貯留処理を無効に設定して内部貯留された遊技媒体を払い戻すために遊技者により操作される精算操作手段と、前記精算手段による精算処理中において、前記貸出要求の実行の規制を遊技媒体貸出機に行うことにより、遊技媒体の貸出処理を不可能な状態に設定する設定手段とを備え、前記精算手段は、機内に収容されている遊技媒体を遊技媒体排出手段により機外に排出することにより、内部貯留された遊技媒体を遊技者に払い戻し、かつ前記内部貯留された遊技媒体の個数情報を無効にする第1精算処理と、前記貸出媒体に記憶させるべく、内部貯留された遊技媒体の個数情報を遊技媒体貸出機に送信し、かつ前記内部貯留された遊技媒体の個数情報を無効にする第2精算処理とを実施可能であるスロットマシンであって、前記精算手段は、前記遊技媒体貸出機の貸出媒体投入手段に貸出媒体が受け付けられていることを知らせる精算可能信号が遊技媒体貸出機からスロットマシンに対して送信されている状態において、前記スロットマシンの精算操作手段が操作された場合に、スロットマシンから遊技媒体貸出機に向けて精算処理を指示する信号を送信するとともに、前記第2精算処理を実施する一方、前記遊技媒体貸出機の貸出媒体投入手段に貸出媒体が受け付けられておらず、前記精算可能信号が遊技媒体貸出機からスロットマシンに対して送信されていない状態において、前記スロットマシンの精算操作手段が操作された場合に、前記第1精算処理を実施することを特徴とする。
【0008】
上記構成からなるスロットマシンによれば、精算手段による精算処理中、遊技媒体の貸出処理が不可能な状態とされるため、遊技媒体の貸出処理が行われることはない。該スロットマシンは、精算処理中、遊技媒体貸出機が貸出要求を行うのを規制することにより、遊技媒体の貸出処理を不可能な状態にするケースなどを想定してなされたものである。
【0009】
ここで、「付与された遊技媒体」とは、遊技媒体貸出機からの指示により貸し出された遊技媒体は当然のことながら、遊技において所定の入賞が成立することにより払い出された遊技媒体や、機内に投入された遊技媒体や、貸出媒体の使用状況に応じて付与された特典用の遊技媒体などを含むものである。また、「内部貯留」とは、ソフト的であると、ハード的であるとを問わない趣旨である。即ち、遊技媒体の個数を数値データとして保有するか、遊技媒体そのものを機内に保有するかは問わない。
【0010】
精算処理としては、精算操作手段が精算操作されたときに貸出媒体が受け付けられているか否かにより、機内に収容されている遊技媒体を遊技媒体排出手段により機外に排出する第1精算処理と、内部貯留された遊技媒体の個数情報を記憶媒体に記憶させるべく、前記個数情報を遊技媒体貸出機に送信する第2精算処理とを実施することができる。
【0011】
そして、本発明に係る遊技媒体貸出機としては、請求項2記載の如く、貸出媒体が有する有価価値の範囲内で遊技媒体の貸出要求をスロットマシンに行ってスロットマシンに遊技媒体の貸出処理を行わせる遊技媒体貸出機であって、所定金種の紙幣を受け付ける紙幣投入手段と、貸出媒体を受け付ける貸出媒体投入手段と、請求項1記載のスロットマシンが精算手段により精算処理中であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段が精算処理中であると判断したときには貸出要求の実行を規制する規制手段と、前記スロットマシンによる第2精算処理に基づき、内部貯留された遊技媒体の個数情報をスロットマシンから入力する入力手段と、該入力手段により入手した内部貯留された遊技媒体の個数情報を貸出媒体に記憶させる記憶手段とを備えてなることを特徴とするものである。
また、本発明に係る遊技媒体貸出機としては、請求項3記載の如く、前記貸出媒体は、有価価値に関する情報が記憶されるカードと、会員毎に割り当てられた固有の識別情報が登録され且つ内部貯留された遊技媒体の個数情報が記憶可能な会員カードとからなり、貸出媒体投入手段には、カードを挿排するカード挿排口と会員カードを挿排する会員カード挿排口とがそれぞれ設けられ、会員カード挿排口に会員カードが挿入されている場合には、前記精算可能信号をスロットマシンに送信し、前記スロットマシンによる第2精算処理に基づいて前記入力手段により入手した内部貯留された遊技媒体の個数情報を会員カードに記憶し、会員カード挿排口に会員カードが挿入されていない場合には、前記精算可能信号をスロットマシンに送信しないことが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機としては、請求項4記載の如く、前記判断手段は、スロットマシンが精算処理中であることを示す信号をスロットマシンから入力することにより、スロットマシンが精算手段により精算処理中であると判断することが好ましい。上記構成からなる遊技媒体貸出機によれば、スロットマシンが精算処理中であるかを判断して、該当する場合は、貸出要求を行わないため、スロットマシンにおいて遊技媒体の貸出処理が行われることはない。また、記憶媒体は、内部貯留された遊技媒体の個数情報を単純に記憶させておくだけであってもよいが、貸出媒体の仕様を有するならば、精算処理された遊技媒体を貸出処理に使用することも可能となる。遊技媒体貸出機は、スロットマシンが精算処理中であるか否かをスロットマシンに対してチェックをかけるケースや、スロットマシンが精算処理中であることを示す信号をスロットマシンから入力するケースなどを想定してなされたものである。請求項4記載の遊技媒体貸出機は、後者に該当する。
【0013】
また、遊技媒体貸出機は、貸出媒体を受け付けた後、貸出操作手段による貸出操作を受け付けることを前提として、貸出処理を実施するタイプや、貨幣や貸出媒体を受け付けた後、自動的に貸出処理を実施するため、貸出操作手段による貸出操作を要しないタイプなどがあるが、請求項5記載の遊技媒体貸出機は、前者に該当する。但し、前者の遊技媒体貸出機であっても、貸出操作手段による操作受付を禁止しないが、これを処理しない、あるいは保留処理するように構成することは可能である。
【0015】
尚、「貸出媒体」とは、有価価値情報を記憶(書き込み)可能な磁気カード(プリペイドカードや会員カード)、ICカード、ICチップを埋め込んだコイン等の記憶媒体、あるいはこれらの記憶媒体に識別情報のみを記憶し、この識別情報に対応する有価価値情報を遊技媒体貸出機や管理装置に記憶しておくもののみならず、トークン(コイン状のもの)などの所定形状物であって、遊技媒体貸出機への投入によって有価価値を有すると認識されるものなども含める概念である。また、「有価価値」とは、遊技媒体に変換可能なもの又は遊技媒体と等価なものをいい、金額価値のみならず、この金額価値に基づき換算された度数、あるいはこの金額価値に基づき換算された遊技媒体の貸出可能数量を含める概念である。また、「遊技媒体」とは、メダルに限らず、その他、スロットマシンの遊技を実行できる媒体全てを含む概念である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係るスロットマシン及びメダル貸出機について図面を参酌しつつ説明する。
【0017】
図1は、スロットマシン1及びメダル貸出機2の外観構成を示す。図2は、スロットマシン1の内部構成を示す。スロットマシン1は、ボックス状の筐体8内に、周面に複数の図柄がそれぞれ表示された3個のリール10,…を備えており、各リール10に対応させて、筐体8の前面には、3つの図柄表示窓11が形成されると共に、各図柄表示窓11,…を横切る上、中、下、斜めの5本の停止ラインL,…が表示されている。
【0018】
また、図柄表示窓11,…の下方位置には、始動レバー12、3つのストップボタン13,…、BETボタン14、メダル投入口15、メダル精算ボタン16、メダル貸出ボタン17、カード返却ボタン18、貸出可表示ランプ20、カード残高表示器21、貯留メダル枚数表示器22が設けられている。
【0019】
これらの構成を備えたスロットマシン1は、ゲームの都度でメダル投入口15よりメダルを投入してゲームを行うというゲーム制御方式(メダル投入方式)を実施するほか、予め筐体8内に複数枚のメダルを貯留しておき、この貯留メダルを用いてゲームを行うゲーム制御方式(クレジット方式)を実施することが可能である。
【0020】
メダルの貯留処理は、メダル投入口15から筐体8内にゲームに必要な枚数以上のメダルを投入することや、有効化された停止ラインL上に特定の組み合わせ図柄が並んで報償として所定枚数のメダルが払い出されることにより行われるほか、メダル貸出ボタン17を押釦操作することにより行われる。
【0021】
メダル貸出ボタン17は、メダル貸出機2に投入されたカードから所定度数を引き落としたり、メダル貸出機2に投入された会員カードから所定度数を引き落とすためのもので、押釦操作により、メダル貸出機2からスロットマシン1側にメダル貸出を指示する制御信号が送信され、筐体8内の貯留メダル数は、カードや会員カードからの引き落とし度数に応じた枚数分だけ加算される(いわゆる「クレジットアップ」)。
【0022】
貯留メダルの枚数は、7個の発光セグメントからなるディジタル表示器である貯留メダル枚数表示器22に表示される。一方、メダル貸出ボタン17の押釦操作により消費されたカードの保有度数は、同じく7個の発光セグメントからなるディジタル表示器であるカード残高表示器21に表示される。
【0023】
ここで、遊技に際して、メダル投入口15からメダルを投入するか、BETボタン14を押釦操作して貯留メダルを消費(投入)すると、それぞれ投入枚数に応じて5本の停止ラインL,…の何れかが有効化される。即ち、1枚のメダルが投入されると、中央の停止ラインLのみが有効化し、2枚のメダルが投入されると、上、中、下の3本の停止ラインL,…が有効化し、3枚のメダルが投入されると、上、中、下、斜めの5本の停止ラインL,…が有効化する。次いで、始動レバー12を操作すると、各リール10,…が始動し、以下、ストップボタン13,…を任意の順序で押釦操作すると、それぞれ対応するリール10が順次停止するようになっている。
【0024】
全リール10,…が停止した時、有効化された停止ラインLに特定の組み合わせ図柄が揃うと、入賞が成立して、対応する枚数のメダルが払い出される。入賞が成立しなければ、メダルの払い出しは行われない。払い出されたメダルは、貯留メダル枚数が所定枚数(例えば250枚)になるまでは、内部で(ソフト的に)貯留され、これを越える分は、筐体8内に配置されたメダル排出装置30が作動して、メダル排出口25から受け皿26に排出される。
【0025】
メダルの排出処理は、メダル精算ボタン16を押釦操作することによっても行われる。メダル精算ボタン16が押釦操作されると、メダル排出装置30が作動して、貯留メダルがメダル排出口25から排出される(第一精算処理)。尚、メダル精算ボタン16は、メダルの貯留処理の有効・無効を設定するボタンでもあり、1回押釦操作すると、メダル貯留処理(貯留上限枚数を設定しない場合もあるが、基本的には、貯留上限枚数まで)が有効となり、再度押釦操作すると、メダル貯留処理が無効となって、入賞メダル及び貸出メダルは、各付与時点においてメダル排出装置30により排出される。
【0026】
メダル排出装置30は、メダルガイド28を介してメダル投入口15から投入されたメダルを収容するホッパー29内のメダルを一枚ずつ取り込んで送り出すメダル送出機構34を備えている。このメダル送出機構34は、送出モータ(図示しない)を駆動源とするもので、送出モータを駆動してディスク(図示しない)を回転させることにより、このディスクの周方向に設けられた複数のメダル取込孔にメダルを一枚ずつ取り込んで、メダル排出口25に連通する排出路(図示しない)へと送り出す構成である。
【0027】
送出モータは、制御部から送信されるパルス信号の入力に応じてディスクをメダル取込孔のピッチ単位で回転させる(即ちホッパー29内のメダルをメダル排出口25から受け皿26に一枚ずつ排出する)よう制御されており、信号の入力回数によって排出されるメダルの枚数が決定される。メダルの貯留処理が無効の場合は、入賞メダルあるいは貸出メダルの枚数に相当する数のパルス信号が、また、メダルの貯留処理が有効であって、入賞メダルあるいは貸出メダルが貯留メダルに加算される結果、貯留メダル枚数が貯留上限枚数を越えるような場合は、その越えた分のメダル枚数に相当する数のパルス信号が、また、メダル精算ボタン16の押釦操作によりメダルの貯留処理が有効から無効に切り替わる場合は、貯留メダルのメダル枚数に相当する数のパルス信号が、それぞれ制御部からメダル貸出装置30に送信されるようになっている。
【0028】
図1に戻り、メダル貸出機2は、カードの発行機能を有するもので、紙幣の投入により、機体40内に収容された磁気カードを搬出し、このカードにカード番号や有価価値などの情報を記録してカード挿排口49まで搬出する。また、メダル貸出機2は、自機又は他のメダル貸出機や発券機で発行されたカードを受け付け可能なもので、カード挿排口49より投入されたカードからそのカードに記録された度数を含む記録情報を読み取ることができる。
【0029】
ボックス状の機体40の前面には、メダル貸出機2の動作状態を報知するための表示ランプ44、所定金種の紙幣(千円札、五千円札、一万円札など)を受け付ける紙幣投入口45、最低額金種の紙幣(千円札)を釣りとして排出する紙幣返却口46、カードの発行額を選択する数個の金額選択ボタン47,…、カード投入ボタン48、カード挿排口49及び会員カード挿排口50が、それぞれ設けられている。
【0030】
カード挿排口49は、紙幣投入口45への紙幣の投入及び一の金額選択ボタン47の押釦に応じてカードの発行を行うと共に、この発行されたカードや、他のメダル貸出機又は発券機で発行されたカードが投入される部分である。カード投入ボタン48は、カード挿排口49に発行されたカードを機体40内に投入させる際に使用されるもので、押釦操作により、発行されたカードがカード挿排口49から内部に取り込まれるようになっている。
【0031】
会員カード挿排口50は、例えば遊技場のカウンターで発行された、その遊技場やその系列店、あるいは一の団体の会員であることを示す会員カード(磁気カードやICカード等)が投入される部分であり、この会員カードには、それぞれ会員毎に割り当てられた固有の識別番号が登録されており、会員毎の貯蓄メダル(遊技により獲得したメダルを景品と交換せず、ホールに預け入れることをいう)や個人データを管理するようになっている。会員カード挿排口50に会員カードが挿入された状態では、メダル排出装置30による精算処理(第一精算処理)は無効となり、メダル精算ボタン16を押釦操作すれば、貯留メダルを貯蓄メダルとして会員カードへ書き込むことによる精算処理が実施される(第二精算処理)。
【0032】
図3は、スロットマシン1及びメダル貸出機2の電気的構成を概略化して示す。スロットマシン1は、制御、演算の主体であるCPU、遊技制御プログラムが記憶されるROM、データの読み書きに用いられるRAM及び乱数発生器を有する制御部55を備えている。
【0033】
制御部55のCPUには、バスを介して各種の入出力部が接続されている。入力部としては、始動レバー12、ストップボタン13,…、BETボタン14及びメダル精算ボタン16などが接続され、これらの信号がCPUに入力されるようになっている。出力部としては、リール10,…の回転始動・停止・引き込みを実行するリール駆動部57、メダル貸出装置(メダル貸出部)30、貯留メダル枚数表示器22、そして、特別遊技モード時や有効ラインの確認やマシンの電飾などに用いられる表示ランプ等58などが接続され、入力信号に基づいて各種の出力部が制御される。
【0034】
また、入出力部としては、メダル貸出機2の制御部65(に接続されたインターフェイス回路66)との間で貸出処理に関する各種制御信号をやり取りするための中継基板59や、メダル貸出機2の制御部65(に接続された入出力回路67)との間で第二精算処理に関するデータ信号及び各種制御信号をやり取りするための入出力回路60が接続されている。中継基板59及びインターフェイス回路66間の制御信号は、貸出可能信号、貸出状態信号、貸出要求信号、貸出了解信号などがあり、入出力回路60,67間のデータ信号及び制御信号は、精算枚数信号、精算可能信号、精算状態信号、精算要求信号、精算了解信号などがあり、各信号線が一本のケーブルとしてまとめられている。
【0035】
貸出可能信号は、スロットマシン1からメダル貸出機2に対し、メダル貸出要求を受け入れ可能な状態にあるか否かを知らせるための信号である。精算処理を開始することにより精算状態信号がLレベルになると、貸出可能信号がHレベルとなって、貸出処理が不可能となる一方、精算状態信号がHレベルになると、貸出可能信号がLレベルに反転して、貸出処理が可能になる。
【0036】
貸出状態信号は、メダル貸出機2からスロットマシン1へと出力される信号であって、メダル貸出機2が貸出処理を指示する状態にあるか否かを示す。この信号も、通常はHレベルであって、スロットマシン1のメダル貸出ボタン17が押釦操作されることによりLレベルに反転し、メダル貸出ボタン17の1回の操作によって貸し出しされるべき相当数が消化された所定時間後はHレベルに反転する。
【0037】
貸出要求信号は、メダル貸出機2からスロットマシン1へと出力される信号であって、スロットマシン1の制御部55に、貸出処理の実施を指示する。この信号は通常はHレベルであって、Lレベルへの反転により1度数分のメダル(例えば5枚)の貸出処理が指示される。尚、メダル貸出ボタン17が1度操作されることにより、複数度数分の貸出処理が行われる場合は、その度数に応じた数分のパルス信号が順次生成されて出力される。
【0038】
貸出了解信号は、メダル貸出機2からのメダル貸出指示を受け取ったことを示す制御信号である。通常はHレベルであり、貸出要求信号がLレベルになってから所定時間後にLレベルに反転し、さらに所定時間後にHレベルに復帰する。
【0039】
精算枚数信号は、貯留メダル枚数データを精算メダル枚数データとしてパラレル送信するための8ビットデータ信号からなり、精算要求信号がLレベルになると、スロットマシン1からメダル貸出機2に送信されるようになっている。
【0040】
精算可能信号は、メダル貸出機2からスロットマシン1に対し、会員カードへの精算要求を受け入れ可能な状態にあるか否かを知らせるための信号である。メダル貸出機2の会員カード挿排口50に会員カードが挿入されると、精算可能信号がLレベルとなって、会員カードへの書き込みによる精算処理(第二精算処理)が可能となる一方、会員カードが会員カード挿排口50から抜かれると、精算可能信号がHレベルに反転して、会員カードへの書き込みによる精算処理(第二精算処理)が不可能になると共に、メダル排出装置30による精算処理(第一精算処理)が可能となる。
【0041】
精算状態信号は、スロットマシン1からメダル貸出機2へと出力される信号であって、スロットマシン1が精算処理を指示する状態にあるか否かを示す。この信号も、通常はHレベルであって、スロットマシン1のメダル精算ボタン16が押釦操作されることによりLレベルに反転し、メダル貸出機2から精算了解信号を受信した所定時間後はHレベルに反転する。
【0042】
精算要求信号は、スロットマシン1からメダル貸出機2へと出力される信号であって、精算枚数信号を送信するためのトリガー信号である。この信号は通常はHレベルであって、Lレベルへの反転によりスロットマシン1の入出力回路60が貯留メダル枚数データを制御部55から入手してこれに基づきパラレルデータの精算枚数信号に変換し、これをメダル貸出機2の入出力回路67に送信する。
【0043】
精算了解信号は、スロットマシン1からの精算要求信号を受け取ったことを示す制御信号である。通常はHレベルであり、精算要求信号がHレベルになってから所定時間後にLレベルに反転し、さらに所定時間後にHレベルに復帰する。
【0044】
メダル貸出ボタン17、カード返却ボタン18、貸出可表示ランプ20、カード残高表示器21は、別個の中継基板61を介してメダル貸出機2の制御部65に接続され、メダル貸出機2の制御下に置かれている。中継基板61とメダル貸出機2の制御部65との間にやり取りされる制御信号は、ランプ点灯信号、表示制御信号などがあり、各信号線が一本のケーブルとしてまとめられている。
【0045】
ランプ点灯信号は、スロットマシン1の中継基板49へと出力される信号であって、この信号は、貸出可能信号がLレベル且つ貸出状態信号がHレベルにあるときにLレベルとなり、貸出可表示ランプ20を点灯させる。従って、メダル貸出ボタン17が押釦操作されて貸出状態信号がLレベルに反転することや、メダル精算ボタン16が押釦操作されて精算状態信号がLレベルに反転することによりHレベル(貸出可表示ランプ20の消灯)に反転し、貸出処理及び精算処理の指示が終了するまで、Hレベルのまま維持される。
【0046】
表示制御信号は、スロットマシン1の中継基板49へと出力される信号であり、残度数データを表示するための信号である。この信号は、貸出要求信号に対応しており、この貸出要求信号がLレベルからHレベルに反転するのに伴って、残度数データが送信される。
【0047】
メダル貸出機2の制御部65は、制御、演算の主体であるCPUと、プログラムが記憶されるROMと、データの読み書きに用いられるRAMとを備え、CPUには、バスを介して各種の入出力部が接続されている。
【0048】
入力部としては、金額選択ボタン47,…、カード投入ボタン48などが接続され、出力部としては、表示ランプ44、カードの取り込み・排出を行うカード搬送部69、会員カードの取り込み・排出を行う会員カード搬送部70が接続され、入出力部としては、他のメダル貸出機、発券機及び制御装置と通信を実施するためのインターフェイス回路71、投入紙幣の取り込み・排出を行う紙幣搬送部72、内蔵の磁気ヘッドにより取り込んだカードに対してカード情報の読み書きを行うカードリードライタ73、内蔵の磁気ヘッドにより取り込んだ会員カードに対して会員カード情報の読み書き(貯蓄メダル枚数の一部を貸出メダルとして引き落とす場合や精算メダル枚数データを貯蓄メダル枚数データとして書き込む場合など)を行うカードリードライタ74などが接続されている。
【0049】
また、制御部65は、中継基板61を介して入力されるメダル貸出ボタン17及びカード返却ボタン18からの入力信号に対応する貸出受付信号及び返却受付信号を内部処理している。
【0050】
貸出受付信号は、貸出可能信号がLレベル且つ貸出状態信号がHレベルにあるときにHレベルとなり、メダル貸出ボタン17の受け付けが可能となる。従って、メダル貸出ボタン17が押釦操作されて貸出状態信号がLレベルに反転することや、メダル精算ボタン16が押釦操作されて精算状態信号がLレベルに反転することによりLレベル(メダル貸出ボタン17の押釦操作無効化)に反転し、貸出処理及び精算処理の指示が終了するまで、Lレベルのまま維持される。
【0051】
返却受付信号も、貸出可能信号がLレベル且つ貸出状態信号がHレベルにあるときにHレベルとなり、メダル返却ボタン16の受け付けが可能となる。従って、メダル貸出ボタン17が押釦操作されて貸出状態信号がLレベルに反転することや、メダル精算ボタン16が押釦操作されて精算状態信号がLレベルに反転することによりLレベル(カード返却ボタン18の押釦操作無効化)に反転する。
【0052】
図4は、貸出処理におけるスロットマシン1とメダル貸出機2との間の信号のやり取りを示す。スロットマシン1では、電源立ち上げ時から所定時間TSが経過するまでの間や、精算処理中(ここでは、メダル精算ボタン16が押釦操作されてから、メダル排出装置30によって貯留メダルが排出されるまで、あるいは会員カードに貯留メダルが貯蓄メダルとして加算されるまでの間をさす)に、貸出可能信号がHレベルで維持される。この貸出可能信号がLレベルに反転したときにメダル貸出ボタン17が押釦操作されると、メダル貸出機2は、その入力信号を受け付けて、貸出状態信号をLレベルに反転させた後、その反転処理から所定の時間間隔T0をおいて、貸出要求信号をLレベルに反転させる。
【0053】
スロットマシン1の制御部55は、この貸出要求信号のレベル反転が所定時間T1の間持続することを確認した後、貸出了解信号をLレベルに反転させることにより、メダル貸出機2にメダル貸出指示を受け入れた旨を送信する。この後、さらにT2の時間が経過すると、メダル貸出機2の制御部65は、貸出要求信号をHレベルに復帰させると共に、受け付け中のカードの度数データを1度数分デクリメントする。また、このときスロットマシン1の制御部55は、現在の貯留メダルに1度数分のメダル(5枚)を加算し、さらにT3の時間が経過すると、貸出了解信号をHレベルに復帰させる。
【0054】
メダル貸出機2の制御部65は、この貸出了解信号のHレベルへの復帰をチェックした後、所定時間T4が経過した時点で、1度数分の貸出処理が終了したと認識する。以下、同様の通信動作により、あらかじめ定められた度数分(図示例では10度数)の貸出処理が行われるもので、メダル貸出機2の制御部50は、最後の貸出処理完了から所定時間TEが経過すると、貸出状態信号をHレベルに復帰させる。この結果、貯留メダルは、1度数分のメダルに引き落とし度数分を乗じた数のメダル(本例では50枚)が加算されたものとなる。
【0055】
尚、メダル貸出ボタン17の操作により、カードから何度分の度数データを差し引くかは任意に設定することができ、また1度数に対応させる貸出メダル数も、適宜変更することが可能である。
【0056】
このように、本実施形態に係るスロットマシン1は、精算処理が開始されて精算状態信号がLレベルになると、貸出可能信号がHレベルとなって貸出処理が不可となる構成を採用している。この時、ランプ点灯信号は、Hレベルとなって、貸出可表示ランプ20が消灯すると共に、貸出受付信号は、Lレベルとなって、メダル貸出ボタン17が無効化されるため、貸出操作を受け付けることもできない。
【0057】
図5は、第二精算処理におけるスロットマシン1とメダル貸出機2との間の信号のやり取りを示す。メダル貸出機2では、会員カード挿排口50に会員カードが挿入されていない間は、精算可能信号がHレベルで維持される。会員カード挿排口50に会員カードが挿入されて、この精算可能信号がLレベルに反転したときにメダル精算ボタン16が押釦操作されると、スロットマシン1は、その入力信号を受け付けて、精算状態信号をLレベルに反転させた後、その反転処理から所定の時間間隔をおいて、精算要求信号をLレベルに反転させる。
【0058】
精算要求信号がLレベルになると、メダル貸出機2の制御部65は、スロットマシン1の制御部55が保有する精算枚数信号の読み込みを開始し、しかる後、読み込みを完了すれば、精算了解信号をLレベルに反転させることにより、スロットマシン1に精算指示を受け入れた旨を送信する。この後、さらに所定時間が経過すると、スロットマシン1の制御部55は、データの読み込みを確認した後、精算要求信号をHレベルに復帰させると共に、制御部55のRAMに記憶されている貯留メダル枚数データをクリアする。一方、メダル貸出機2の制御部65は、精算要求信号のHレベルへの復帰をチェックした後、所定時間が経過すると、精算了解信号をHレベルに復帰させる。
【0059】
スロットマシン1の制御部55は、精算了解信号のHレベルへの復帰をチェックした後、所定時間が経過した時点で、第二精算処理が終了したと認識し、精算状態信号をHレベルに復帰させる。この結果、メダル貸出機2の制御部65のRAMには、スロットマシン1における貯留メダル枚数データに相当する精算メダル枚数データが書き込まれる。しかる後、メダル貸出機2の制御部65は、この精算メダル枚数データをカードリードライタ74に送信して、これを貯蓄メダル枚数データに加算して会員カードに記憶させると共に、RAMをクリアする。
【0060】
第一精算処理も第二精算処理と同様な流れで行われる。会員カードが挿入されていない状態で、メダル精算ボタン16が押釦操作されると、スロットマシン1の制御部55は、その操作信号を受け付けて、精算状態信号をLレベルに反転させる。次に、制御部55は、貯留メダル枚数データに基づき精算枚数信号(これは、第二精算処理に係る精算枚数信号と同一信号であっても別信号であってもよい)を生成し、これをメダル貸出装置30の送出モータに送信する。これを受けた送出モータは、精算枚数信号のパルス数に応じて円盤を回転させ、この結果、貯留メダル枚数に相当するメダルがメダル排出口25から受け皿26に排出される。
【0061】
本実施形態に係るスロットマシン1及びメダル貸出機2は、以上のように構成されてなるが、本発明に係るスロットマシン及びメダル貸出機は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、上記実施形態に係るメダル貸出機においては、メダル貸出ボタン17を押釦操作することにより、貸出処理を開始するようにしているが、メダル貸出ボタンを設けず、貨幣や貸出媒体を投入すれば、発行される貸出媒体や投入された貸出媒体の有する有価価値の範囲内で自動的に貸出処理を開始するメダル貸出機であってもよい。この場合、貸出処理の開始のタイミング(即ち貸出要求信号の出力のタイミング)は、貨幣や貸出媒体を投入した時、投入された貨幣や貸出媒体が真正と判断された時、貨幣の投入により貸出媒体が発行された時、発行された貸出媒体を内部に取り込んだ時、貸出媒体の情報を読み込んだ時、あるいはこの間の何れであってもよい。従って、精算処理中に、貨幣や貸出媒体が投入された場合、それを受け付けずに返却するのが好ましいが、貨幣や貸出媒体を受け付けるが、払出処理が終わるまで貸出処理を保留するようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態においては、メダル貸出ボタン17を押釦操作すれば、その入力信号は、必ずメダル貸出機2の制御部65に送信されるようになっているが、例えば、中継基板61に論理回路を設けて、精算処理中は、この中継基板61でメダル貸出ボタン(貸出操作手段)17の入力を無効化する、あるいは信号処理しない、あるいは保留処理するようにしてもよい。
【0064】
さらに、上記実施形態においては、メダル精算ボタン(精算操作手段)16を押釦操作することにより、精算処理を開始するようにしているが、その代わりに、カード返却ボタン18を押釦操作することにより、精算処理を開始するようにしてもよい。
【0065】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機は、貸出媒体を抜き取り可能な不可能かであるかを問わず、貨幣を受け付けて有価価値が付与された貸出媒体を発行する貸出媒体発行手段を備えた、いわゆる自発行型の遊技媒体貸出機に限定されず、貸出媒体発行手段を備えず、発券機で発行された貸出媒体のみを受け付け可能な遊技媒体貸出機をも含むものである。また、自発行型であっても、金額選択ボタンは、必須構成ではなく、受け付けた貨幣と等価な貸出媒体を発行する遊技媒体貸出機であってもよい。
【0066】
また、投入されている貸出媒体にまだ有価価値が残っている状態で、貨幣を投入すれば、貨幣の有する有価価値の範囲内で貸出媒体の有価価値の上書きを行うようなものも本発明の対象とする。
【0067】
さらに、上記実施形態においては、会員カードに精算情報を記憶するようにしているが、カードを抜き取って他の遊技媒体貸出機に投入可能な遊技媒体貸出機であれば、このカードに精算情報を記憶するようにしてもよい。
【0068】
そして、上記実施形態においては、第一精算処理と第二精算処理を会員カードの挿排によって切り替えるようにしている(即ち、異なる少なくとも二種以上の精算処理態様を備えたスロットマシンである)が、第一精算処理又は第二精算処理(会員カードに限らず、その他の記憶媒体も含めるものとする)の何れかしか実施できないスロットマシンであってもよい。第二精算処理は、内部貯留されている遊技媒体を記憶媒体に記憶させるものであるため、第一精算処理のように排出手段からの遊技媒体の排出処理が不要であり、利便性が良い。また、第一精算処理と第二精算処理とを併用するスロットマシンの場合、内部貯留されている遊技媒体の一部を第一精算処理又は第二精算処理し、その残りを第二精算処理又は第一精算処理するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、精算処理中は、貸出可能信号をHレベルにして貸出不可状態を設定しているが、精算処理中であっても、貸出可能信号はLレベルのままで、その代わりに、Lレベルとなった精算状態信号を遊技媒体貸出機に送信し、これを受けた遊技媒体貸出機が貸出要求信号の送信を規制するようにしてもよい。また、精算処理中は、貸出受付信号をLレベルにしてメダル貸出ボタン17の操作受付を禁止しているが、精算処理中であっても、貸出受付信号はHレベルのままで、その代わりに、スロットマシンが遊技媒体貸出機から送信された貸出要求信号を処理しないようにしてもよい。
【0070】
そして、上記実施形態においては、遊技媒体貸出機とスロットマシンとがそれぞれ別の筐体で構成され、両者が電気的に接続される分離可能な構成とされているが、本発明は、それぞれ別の筐体ではあるが、それら筐体が分離不可能に結合されたものや、従来より提供されているスロットマシンの筐体に遊技媒体貸出機に係る構成を設けたものを含む。従って、本発明でいう「遊技媒体貸出機」は、概念的には、「スロットマシンの筐体に遊技媒体貸出機に係る構成を設けたもの」を含むこともある。
【0071】
また、メダル精算ボタン16、メダル貸出ボタン17、カード返却ボタン18、カード残高表示器21、貯留メダル枚数表示器22、は、スロットマシン1側に設けることは必須ではなく、遊技媒体貸出機2側に設けてもよい。
【0072】
さらに、上記実施形態においては、会員カードの挿排に応じて、第一精算処理及び第二精算処理を切り替えるようにしているが、第一精算処理及び第二精算処理のそれぞれに精算ボタン(精算操作手段)を設けるようにしてもよい。また、会員カード専用の貸出ボタンを設けてもよい。
【0073】
さらに、上記実施形態においては、「付与されたメダル」の種類として、貸出メダル、入賞メダル、投入メダルなどを設定しているが、特典メダルなる概念を導入してもよい。特典の付与態様は、様々なパターンが考えられ、自機で発行されたカードを自機で使い切ることにより付与される特典、より高額のカードを購入することによる特典などが挙げられ、この特典に基づいて特典メダルが付与される。
【0074】
特典メダルは、通常の貯留処理とは別の貯留処理で内部貯留された状態にある。一例として、スロットマシン1の制御部55には、メダル貸出機2の制御部65から特典情報が入力されると共に、貯留特典メダル枚数表示器及び特典メダル貸出ボタンが接続されている。該特典メダル貸出ボタンが押釦操作されると、貯留特典メダルが所定枚数、あるいは全枚数分差し引かれて、貯留メダル枚数に加算されるか、貯留上限を越える場合は、メダル排出装置30から排出される。また、スロットマシン1の入出力回路60及びメダル貸出機2の入出力回路67間には、精算処理に係るデータ信号線及び各種の制御信号線と同様の信号線が配線されている(データ信号、特典精算可能信号、特典精算状態信号、特典精算要求信号、特典精算了解信号)。そこで、メダル精算ボタン16を押釦操作すれば、第一精算処理において、貯留メダルのみならず、貯留特典メダルがメダル排出装置30から排出され、第二精算処理において、貯留メダル枚数データのみならず、貯留特典メダル枚数データがメダル貸出機2の制御部65に送信されて、この二つの情報が会員カードに合わせて記憶される。あるいは、別の例として、メダル精算ボタン16を押釦操作すれば、貯留特典メダルを貯留メダルに加算するようにしてもよい。あるいは、別の例として、貯留特典メダル枚数表示器及び特典メダル貸出ボタンを中継基板61に接続するようにしてもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、スロットマシンにおいては、精算処理中、遊技媒体の貸出処理を不可能な状態に設定する設定手段を設け、遊技媒体貸出機においては、スロットマシンが精算処理中である場合、貸出要求の実行を規制する規制手段を設けたため、精算処理中に遊技者が誤って貸出操作を行ってしまっても、意図しない貸し出しが行われることはなく、カードの有価価値をいたずらに消費するという事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン及びメダル貸出機の正面図を示す。
【図2】同実施形態のスロットマシンの内部の正面図を示す。
【図3】同実施形態のスロットマシン及びメダル貸出機の電気的構成のブロック図を示す。
【図4】同実施形態のスロットマシン及びメダル貸出機の間の貸出処理に係る通信動作のタイミングチャートを示す。
【図5】同実施形態のスロットマシン及びメダル貸出機の間の第二精算処理に係る通信動作のタイミングチャートを示す。
【符号の説明】
1…スロットマシン、2…メダル貸出機、8…筐体、10…リール、11…図柄表示窓、12…始動レバー、13…ストップボタン、14…BETボタン、15…メダル投入口、16…メダル精算ボタン、17…メダル貸出ボタン、18…カード返却ボタン、20…貸出可表示ランプ、21…カード残高表示器、22…貯留メダル枚数表示器、25…メダル排出口、26…受け皿、28…メダルガイド、29…ホッパー、30…メダル排出装置、34…メダル送出機構、40…機体、44…表示ランプ、45…紙幣投入口、46…紙幣返却口、47…金額選択ボタン、48…カード投入ボタン、49…カード挿排口、50…会員カード挿排口、55…制御部、57…リール駆動部、58…表示ランプ等、59…中継基板、60…I/Oポート、61…中継基板、65…制御部、66…インターフェイス回路、67…I/Oポート、69…カード搬送部、70…会員カード搬送部、71…インターフェイス回路、72…紙幣搬送部、73…カードリードライタ、74…カードリードライタ
Claims (5)
- 貸出媒体が有する有価価値の範囲内で遊技媒体の貸出要求を遊技媒体貸出機から受けて遊技媒体の貸出処理を行うべく、貸し出された遊技媒体を含め、付与された遊技媒体を内部貯留可能な貯留手段と、内部貯留された遊技媒体を遊技者に払い戻す精算手段と、遊技媒体を内部貯留する貯留処理を無効に設定して内部貯留された遊技媒体を払い戻すために遊技者により操作される精算操作手段と、前記精算手段による精算処理中において、前記貸出要求の実行の規制を遊技媒体貸出機に行うことにより、遊技媒体の貸出処理を不可能な状態に設定する設定手段とを備え、
前記精算手段は、機内に収容されている遊技媒体を遊技媒体排出手段により機外に排出することにより、内部貯留された遊技媒体を遊技者に払い戻し、かつ前記内部貯留された遊技媒体の個数情報を無効にする第1精算処理と、前記貸出媒体に記憶させるべく、内部貯留された遊技媒体の個数情報を遊技媒体貸出機に送信し、かつ前記内部貯留された遊技媒体の個数情報を無効にする第2精算処理とを実施可能であるスロットマシンであって、
前記精算手段は、
前記遊技媒体貸出機の貸出媒体投入手段に貸出媒体が受け付けられていることを知らせる精算可能信号が遊技媒体貸出機からスロットマシンに対して送信されている状態において、前記スロットマシンの精算操作手段が操作された場合に、スロットマシンから遊技媒体貸出機に向けて精算処理を指示する信号を送信するとともに、前記第2精算処理を実施する一方、
前記遊技媒体貸出機の貸出媒体投入手段に貸出媒体が受け付けられておらず、前記精算可能信号が遊技媒体貸出機からスロットマシンに対して送信されていない状態において、前記スロットマシンの精算操作手段が操作された場合に、前記第1精算処理を実施することを特徴とするスロットマシン。 - 貸出媒体が有する有価価値の範囲内で遊技媒体の貸出要求をスロットマシンに行ってスロットマシンに遊技媒体の貸出処理を行わせる遊技媒体貸出機であって、所定金種の紙幣を受け付ける紙幣投入手段と、貸出媒体を受け付ける貸出媒体投入手段と、請求項1記載のスロットマシンが精算手段により精算処理中であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段が精算処理中であると判断したときには貸出要求の実行を規制する規制手段と、前記スロットマシンによる第2精算処理に基づき、内部貯留された遊技媒体の個数情報をスロットマシンから入力する入力手段と、該入力手段により入手した内部貯留された遊技媒体の個数情報を貸出媒体に記憶させる記憶手段とを備えてなることを特徴とする遊技媒体貸出機。
- 前記貸出媒体は、有価価値に関する情報が記憶されるカードと、会員毎に割り当てられた固有の識別情報が登録され且つ内部貯留された遊技媒体の個数情報が記憶可能な会員カードとからなり、
貸出媒体投入手段には、カードを挿排するカード挿排口と会員カードを挿排する会員カード挿排口とがそれぞれ設けられ、
会員カード挿排口に会員カードが挿入されている場合には、前記精算可能信号をスロットマシンに送信し、前記スロットマシンによる第2精算処理に基づいて前記入力手段により入手した内部貯留された遊技媒体の個数情報を会員カードに記憶し、会員カード挿排口に会員カードが挿入されていない場合には、前記精算可能信号をスロットマシンに送信しない請求項2記載の遊技媒体貸出機。 - 前記判断手段は、スロットマシンが精算処理中であることを示す信号をスロットマシンから入力することにより、スロットマシンが精算手段により精算処理中であると判断する請求項2又は3記載の遊技媒体貸出機。
- 前記規制手段は、貸出操作手段による操作受付を禁止することにより、貸出要求の実行を規制する請求項2乃至4の何れかに記載の遊技媒体貸出機。
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