本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例に係る持玉自動払出の概念について説明する。図1は、本実施例に係る持玉自動払出の概念について説明するための説明図である。遊技店内には、複数の遊技機20が設置され、各遊技機20には台間カード処理機10が併設されている。遊技機20は、遊技客が遊技媒体に触れない構造となっている封入式の遊技機であり、遊技玉を発射可能な数を遊技可能数として管理する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40から送信を受けた持玉をデータとして管理するとともに、玉貸し、持玉再プレイ等の操作を受け付ける貸出ボタン、持玉再プレイボタンを備えている。持玉再プレイボタンが操作されると、持玉は遊技機20の遊技可能数に移行される。さらに、台間カード処理機10は、遊技機20から遊技可能数を持玉に移行させて加算し、カード排出時にカード管理装置40に対してカードに関連づけて持玉を登録させて、カードを排出する。
遊技客は、持玉を獲得したならば、持玉を関連付けたカードを台間カード処理機10に挿入することで、入金による玉貸しではなく、持玉再プレイにより持玉を利用して所望の遊技機20で遊技を行うことが一般的である。
そして、遊技客は、持玉再プレイを行うため、持玉再プレイボタンを押下して、持玉を所定数払い出し、遊技機20の遊技可能数に加算させる操作を行う。遊技可能数を消費して遊技機内の遊技可能数が少なくなれば、さらに持玉再プレイボタン押下を繰り返すことになる。この場合に、従来の各台計数システムの場合には、遊技玉は遊技機の上皿や下皿に現物として存在するため、遊技客は、遊技玉が少なくなっていることを承知し、持玉再プレイボタンを押下して持玉を補充すべきタイミングを確認することができる。ただし、持玉再プレイの度に押下するという煩わしさは残る。
ところが、封入式の遊技機20の場合には、遊技玉数に相当する遊技可能数は現物ではなく電子的なデータという形で遊技機20内に存在する。このため、遊技客は、遊技可能数が少なくなっているのか、まだ十分に残っているのかを、表示される遊技可能数を見て確認しなければならない。
すなわち、遊技客は、持玉再プレイの場合には、持玉再プレイボタンを押下するタイミングを表示される遊技可能数を確認して判断しなければならないことになる。これでは、遊技客は、遊技盤面と遊技可能数の表示を交互に確認しつつ遊技を行う状態を余儀なくされ、遊技に集中しづらいことになる。また、逆に遊技に集中し、遊技可能数が少なくなっていることに気づかず、大当りが出そうな場合に遊技可能数をあわてて補充しようとして、持玉再プレイボタンではなく貸出ボタンを誤って押下してしまう可能性もある。これではプリペイド価値を無駄に消費することになってしまう。
そこで、本実施例に係る遊技システムは、初回の持玉再プレイ操作において、持玉の払い出しの自動化を選択することによって、以後の持玉再プレイに伴う持玉の払い出しを自動化し、遊技客が遊技に専念できるようにしている。
この持玉の自動払出について具体的に説明する。図1に示すように、遊技客はまず台間カード処理機10に残額2000円と持玉数2500玉が関連付けられた一般カード(持玉カード)を挿入する(同図の(1))。台間カード処理機10は、遊技客が持玉再プレイを行う場合に、自動払出モードの選択を受け付ける(同図の(2))。
自動払出モードを受け付けた台間カード処理機10は、持玉から所定数(同図では125玉)を遊技機20に通知し、持玉数を減算する(同図の(3))。そして、遊技客が遊技により遊技可能数が減少し、遊技可能数が所定数以下/未満(同図では25玉以下/未満)になれば、自動的に所定数の持玉を遊技可能数として払い出す(同図の(4))。台間カード処理機10は、持玉が0玉になるか、大当りが発生して自動払出モードが不必要になるまでこれを繰り返す。
このように、本実施例に係る台間カード処理機10は、遊技可能数が所定数以下/未満になれば自動的に遊技可能数を補充して遊技を円滑に継続させる。このため、遊技客は、遊技可能数の残数に煩わされることなく、遊技に集中できるようになる。また、持玉数の余裕度を把握しておけば、大当りが来た場合でも誤って貸出ボタンを押下するような操作を行うことはなくなる。
なお、ここでは、持玉の自動払出モードの終了が、持玉数がゼロの場合と大当たりが発生した場合の例を説明したが、これに限定されるわけではない。入金、貸出ボタン押下あるいはカード返却ボタン押下を検知した場合も自動払出モードを終了させることにしてもよい。細部については後述する。
また、同様に、プリペイド価値がある場合に、玉貸しを自動化し、遊技可能数が所定数を割り込んだならば自動的に遊技可能数を遊技機20に通知して補充させることも可能である。これについても後述する。
なお、封入式の遊技機20において、持玉払出というのは、台間カード処理機10が管理する持玉を現物として払い出すのではなく、遊技機20に対して遊技可能数に加算させる分の持玉数データを送信する処理になる。
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技客が投出可能な玉数を示す遊技可能数メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数を遊技可能数メモリにおいて記憶していた遊技可能数に加算して記憶内容を更新する。また、遊技可能数を台間カード処理機10の持玉数として移行させる場合には、遊技可能数メモリに保持している遊技可能数を台間カード処理機10に通知して、遊技可能数をゼロにクリアする。さらに、台間カード処理機10から玉貸操作等による遊技可能数加算の通知を受けた場合には、通知された数を遊技可能数に加算して記憶内容を更新する。
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信、並びに遊技機20との通信等を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信することで、プリペイド価値をカード管理装置40が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、カードIDと貸出玉数を含む玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技可能数に加算させる。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、カード管理装置40に対して持玉減算要求を送信することで、カード管理装置40が管理する持玉の残高をゼロにクリアする。なお、持玉減算要求を受信してもカード管理装置40はゼロにクリアせず、そのまま記憶しておいてもよい。ただし、この場合には、台間カード処理機10が持玉を管理するため、あくまでも参考値程度の管理となる。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技可能数に加算させる。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技可能数に加算させる。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉更新要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉を更新記憶させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から遊技可能数の移行操作を受け付けた場合には、移行した遊技可能数を持玉数に加算した上で、カード管理装置40の持玉の残高を更新する。
また、台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、カード管理装置40から受信した認証キーとを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
また、台間カード処理機10は、自装置に異常が発生した場合、又は遊技機20から遊技可能数やハンドル21の操作状態の通知を受けた場合に表示操作部13の表示制御と、表示操作部13から遊技客の操作の受け付けとを行う。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉取得要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉更新要求を受信した場合には、持玉更新要求に示された持玉の数を持玉の残高に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の認証キー管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証キーを取得し、台間カード処理機10に配信する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の情報を会員管理データとして管理する管理装置である。具体的には、各会員に対して発行された会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等の会員情報を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯玉の残高、暗証番号を送信するタイミングについては別のタイミングでもよく、例えば、貯玉再プレイボタン押下時であってもよい。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、景品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を景品管理装置60に通知する。
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダ及び景品を払い出す景品払出装置が接続されている。景品管理装置60は、一般カードあるいは会員カードからカードID(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別情報。以降、カードIDと言う。)を読み出した場合には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉の残高を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉の残高を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払い出しを行う。
次に、図2に示したシステムで玉貸しを行う場合の玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、100円=1度数の場合に5度数)減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば125)の遊技可能数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
加算信号を受信した遊技機20は、遊技可能数を加算し、加算後の遊技可能数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技可能数と加算後の遊技可能数と、玉貸しを行った数とを用いて、遊技可能数の加算が適切に行われたか否かを確認する。
次に、図2に示したシステムで持玉の再プレイである持玉再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求を受信した場合には、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技可能数に加算させる。
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技可能数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、送信されてきた一定数ずつの遊技可能数を自装置の持玉に加算する。なお、遊技可能数を持玉へ加算する場合には一定数ずつではなく、一括で加算できるようにしてもよい。その後、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉更新要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉更新要求とを含む。
カード管理装置40は、持玉更新要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を受信した値に更新する。
その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示したシステムで貯玉の再プレイを行う場合の貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを挿入された場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば125玉)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技可能数に加算させる。そして、遊技可能数に加算させた玉数をカード管理装置40に通知する。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満か否かを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満ならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉の残高に通知された持玉の残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aと、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14aとが設けられている。
遊技機20には、遊技盤面と、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21と、計数ボタン23とが設けられている。
計数ボタン23は、遊技機20の遊技可能数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算するためのボタンである。すなわち、計数ボタン23は、遊技盤に発射可能な遊技可能数の管理を遊技機20から台間カード処理機10による持玉の管理に移行させる管理移行を行うための操作ボタンでもある。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
次に、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、通信部15と、遊技機管理基板18と、記憶部16と、制御部17とを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、通信回線を介してカード管理装置40との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
遊技機管理基板18は、台間カード処理機10に内蔵された基板である。遊技機管理基板18は、遊技機20の認証と起動管理とを行なう。具体的には、カード管理装置40から受信した認証キーを使用して遊技機20の認証を実施する。認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信し、認証成功の結果をカード管理装置40に送信する。この遊技機20の認証は複数のパラメータで行うことが好適である。そして、認証の一部がNGになった場合であっても、一定期間(例えば10日間)に限り動作可能とすることが好ましい。
また、遊技機管理基板18は、台間カード処理機10と遊技機20との通信を行なう。具体的には、遊技機20からの遊技機IDの取得、持玉から遊技可能数への管理移行、遊技可能数から持玉への管理移行、遊技機20における打込玉数(アウト数)や賞出玉数(セーフ数)等の遊技結果の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信には、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
遊技機管理基板18は、台間カード処理機10の起動時に、制御部17に設けられる制御CPUから識別情報を読出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば台間カード処理機10の起動を許可するとともに、遊技機20と通信が可能な状態を設定する。なお、遊技機管理基板18は、台間カード処理機10の起動時における制御部17との通信と、遊技機20との通信とでは異なる暗号モードで通信を行う。
遊技機管理基板18は、一定間隔ごとに遊技機20から送信されてくる信号を受信し、当該信号を受信したことに基づいて受信した旨の信号を遊技機20に返信する。遊技機20から送信されてくる信号には、例えば一定範囲の数字を用いた信号の通し番号(以下「信号通番」と称する)を示すデータと、遊技機20の状態を示すデータが含まれる。
遊技機管理基板18は、少なくとも1回前に遊技機20から受信した信号の信号通番を記憶する記憶部を有しており、今回遊技機20から受信した信号通番との比較によって、遊技機20からの情報の整合性を保つ制御を行う。例えば、受信した信号の信号通番が記憶部に記憶された通番に1を加えたものと異なる場合(1を超える数字を加えたものになっている場合など)には、信号の受信もれがあったものとして、遊技機20に前回の信号の再送信を要求する。また、遊技機20に返信する返信信号にも信号通番が含まれ、信号通番は例えば1が送信ごとに加算される。また、受信した信号に含まれる遊技機20の状態を示すデータを遊技機状態データ16bに格納する。
また、遊技機管理基板18は、上記の一定間隔より長く定められた一定の期間において、遊技機20からの信号の送信が無い場合、当該状態を異常と判断して異常処理(報知出力、エラーダウン等)を行う機能を備えている。遊技機20から送信されてくる遊技機20の状態を示すデータには、遊技機20の現在の遊技玉数、通常か確率変動かの遊技情報等が含まれる。このようにして遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも狭く設定されている。
また、遊技機管理基板18は、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有し、遊技機20のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、遊技機状態データ16b、カードデータ16c、払出設定データ16d及び遊技可能数閾値データ16eを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機IDと、遊技設定と、自動払出有効/無効とを含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種に対応したレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。遊技設定は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。自動払出有効/無効は、台間カード処理機10において自動払出が有効になっているか、無効(手動払出)になっているかを示すデータである。
遊技機状態データ16bは、遊技機20の状態を示すデータである。この遊技機状態データ16bには、遊技機ID、遊技可能数、発射強度等を含む。遊技機IDは、遊技機管理基板18が遊技機20から受信した遊技機IDである。遊技可能数や発射強度等は、遊技機20から更新データを受信する度に更新される。
カードデータ16cは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16cには、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16cが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16cが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。また、自動払出引継設定は、台移動時も現在の自動払出モードを引き継ぐか否かを示している。
払出設定データ16dは、持玉の自動又は手動払出を行うための条件を設定したデータである。払出設定データ16dには、払出種別、モード設定、払出玉数、払出優先を含む。モード設定は、持玉の払い出しを自動にするか、手動にするかの設定である。回数は自動払出を行う回数である。払出玉数は自動払出を行う玉数である。自動払出無効条件とは、該当する有価価値での自動払出を無効にする条件である。払出優先とは、貸玉、持玉及び貯玉の自動払出のいずれを優先するかを設定したデータである。
遊技可能数閾値データ16eは、自動払出を行うトリガーとなる遊技可能数の閾値を設定したデータである。遊技可能数閾値データ16eは、カード管理装置40から指定されるか、台間カード処理機10でデフォルト値が設定される。
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、遊技設定処理部17b、遊技機状態管理部17c、払出設定部17d、自動払出制御部17e、払出閾値判定部17f、解除条件判定部17g及び報知部17hを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか一つ)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値によりカードデータ16cを更新する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求をカード管理装置40に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16cのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20に送信して遊技可能数に加算させる。
また、データ管理部17aは、プリペイド価値による玉貸操作が自動払出モードに設定されている場合には、自動払出制御部17eの指示で、上記の手順により所定数又は設定された玉数を遊技機20に送信して遊技可能数に加算させる。
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16cの持玉を所定数単位で減算して更新し、対応する玉数を遊技機20に送信して遊技可能数に加算させる。
また、データ管理部17aは、持玉の自動払出モード中において、自動払出制御部17eから指示を受けた場合には、持玉を設定された数だけ減算し、対応する玉数を遊技機20に送信して遊技可能数に加算させる。
また、データ管理部17aは、カードデータ16cに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16cの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20に送信して遊技可能数に加算させる。そして、カードIDと遊技可能数に加算させた玉数とをカード管理装置40に通知する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16cに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
また、データ管理部17aは、貯玉の自動払出モード中において、自動払出制御部17eから指示を受けた場合には、上記の手順を繰り返して、貯玉再プレイ単位数又は設定単位数に対応する玉数を遊技機20に送信して遊技可能数に加算させる。
また、データ管理部17aは、遊技機管理基板18を通じて、遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技機20から移行される遊技可能数をカードデータ16cの持玉に加算して更新する。
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉更新要求をカード管理装置40に送信する。そして、カードデータ16cをクリアした後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
遊技設定処理部17bは、表示操作部13に対し、自装置状態データ16aの遊技設定に設定された現在の遊技種に対応するレートを表示するとともに、遊技客によるレートの選択を受け付ける設定がされている場合は、表示操作部13に対して選択可能なレートを表示する。遊技客が所望のレートを選択すると、遊技設定処理部17bは、選択されたレートに対応する遊技種により自装置状態データ16aの遊技設定を更新する。一方、遊技客によるレートの選択を受け付ける設定がされていない場合は、遊技中には選択可能なレートは表示されない。この場合、従業員によるリモコン操作等を受け付け、認証を行ったことを条件として、選択可能なレートが表示される。従業員がレートを選択すると、遊技設定処理部17bは、選択されたレートに対応する遊技種により自装置状態データ16aの遊技設定を更新する。また、この場合、カード管理装置40等の上位装置から遊技種の選択を指示する信号があった場合には、選択可能なレートを表示することなく、指示された遊技種により自装置状態データ16aの遊技設定を更新する。
遊技機状態管理部17cは、遊技機20から遊技機ID、遊技可能数、発射強度等を取得した場合に、遊技機状態データ16bを更新する処理を行う。また、遊技機20から遊技機IDを取得した場合に、該遊技機IDが以前に取得した遊技機ID、すなわち遊技機状態データ16bに示された遊技機IDと一致するか否かにより遊技機20の入れ替えを検知してもよい。遊技機20から取得した遊技機IDが以前に取得した遊技機IDと不一致である場合には、遊技機状態管理部17cは、遊技機20が入れ替えられたと判定し、取得した遊技機IDにより遊技機状態データ16bの遊技機IDを更新し、更新した遊技機IDと台間カード処理機IDとをカード管理装置40に送信する。
払出設定部17dは、貸玉、持玉及び貯玉の払い出しの設定を受け付ける処理部である。払出設定部17dは、払い出しに関する設定を表示操作部13から受け付けて、払出設定データ16dとして記憶部16に記憶する。
払出設定部17dは、払い出しを自動にするか手動にするか、1回に払い出す玉数をどの程度にするか、持玉をどの程度まで残して自動払出を行うか、及び貸玉と持玉の自動払出のどちらを優先するかを設定する。また、自動払出モードを設定した場合に、台移動の際この自動モードを引き継ぐ場合には、カードデータ16cの自動引継設定をONにし、カード排出の際に払出設定データ16dをカードに記録する。なお、自動払出解除条件のいずれか一つが成立する場合には、自動的にOFFとする。
自動払出制御部17eは、払出設定データ16d及び遊技可能数閾値データ16eに基づいて自動払出の制御を行う制御部である。自動払出制御部17eは、払出設定データ16dが自動払出モードの設定で、優先が持玉払出になっている場合に、遊技可能数が遊技可能数閾値以下/未満になったならば、払出設定データ16dに設定されている玉数の払い出しをデータ管理部17aに行わせる。すなわち、自動払出制御部17eは、自動払出モードの場合に、遊技可能数閾値データ16eに記憶された遊技可能数閾値以下/未満の場合に、持玉再プレイボタン押下と同じ動作を行う。
また、自動払出制御部17eは、払出設定データ16dにおいて、貸玉が自動払出モードの設定で、かつ、貸玉が優先の場合に、遊技可能数が遊技可能数閾値データ16eに達したならば、データ管理部17aに対して、玉貸操作を行わせる。なお、データ管理部17aが行う玉貸操作は、プリペイド価値減算による通常の玉貸処理と同じである。
また、自動払出制御部17eは、払出設定データ16dにおいて、貯玉払出が自動払出モードの設定で、かつ、貯玉払出が優先の場合に、遊技可能数が遊技可能数閾値に達したならば、データ管理部17aに対して、貯玉再プレイ操作受付を行わせる。なお、データ管理部17aが行う貯玉再プレイによる払い出しは、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合の処理と同じである。
また、自動払出制御部17eは、払出設定データ16dの自動払出解除条件が成立した場合には、現優先の自動払出を終了し、次の優先の自動払出に移行する。また、解除条件判定部17gより自動払出終了の指示を受けたならば、一切の自動払出を終了し、手動払出に復帰させる。
払出閾値判定部17fは、遊技可能数が自動払出条件に合致したか否かを判定する処理部である。払出閾値判定部17fは、自動払出モードの場合に、遊技機状態データ16bから遊技可能数を読み出し、遊技可能数閾値以下/未満になったならば、自動払出制御部17eに通知する。また、自動払出モードが有効化されていない場合には、報知部17hに通知する。
解除条件判定部17gは、自動払出モードにおいて、自動払出の解除条件が成立したか否かを判定する処理部である。解除条件判定部17gは、後述する自動払出条件のいずれかに合致する事象が発生した場合には、自動払出制御部17eに通知する。
報知部17hは、遊技可能数の状態を報知する。報知部17hは、自動払出モードが有効化されていない場合に、遊技可能数が閾値以下/未満になったならば、手動ボタン又は自動払出ボタンを表示操作部13に強調表示させて、遊技可能数の補充が必要であることを報知する。
また、報知部17hは、自動払出モードにおいて、自動払出が行われたことを報知するとともに、持玉の自動払出からプリペイド価値による貸玉し等へと払出種別の優先が切り替わった場合に、この旨を表示操作部13に表示して報知する。
次に、遊技機20の内部構成について説明する。遊技機20は、ハンドル21、計数ボタン23、通信制御部24、演出制御部25、遊技制御部26及び遊技玉制御部27を有する。通信制御部24は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。通信制御部24は、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ID及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、台間カード処理機10のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。
通信制御部24は、遊技機20の起動時に、遊技制御部26及び/又は遊技玉制御部27に設けられる制御CPUから識別情報を読出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば遊技機20の起動を許可するとともに、台間カード処理機10と通信が可能な状態を設定する。
通信制御部24は、一定間隔ごとに遊技玉制御部27の遊技可能数メモリに記憶された遊技可能数を読み出すとともに、遊技制御部26に記憶された遊技機20の状態(通常か確率変動中かなど)等を読み出し、台間カード処理機10に向けて信号として送信する。この信号には、例えば一定範囲の数字を用いた信号の通し番号(以下「信号通番」と称する)を示すデータが含まれる。通信制御部24は、台間カード処理機10に向けて送信した信号に対して台間カード処理機10から返信される返信信号に含まれる信号通番を確認し、送信した信号通番との比較によって、情報の整合性を保つ制御を行う。また、通信制御部24は、信号通番を管理する機能を備え、前回送信した信号に付した信号通番を記憶しており、信号を送信する場合は、前回送信した信号通番を1インクリメントした値を信号に付して送信する。この信号通番は、一定の値に達すると初期値に復帰して循環する。また、遊技可能数メモリから読み出した遊技可能数を送信するにあたっては、遊技可能数の値そのままを送信する構成でもよいし、一定の桁で調整する等、大まかな数(概数)を示す情報を送信するものであってもよい。
また、通信制御部24は、台間カード処理機10からの遊技可能数を加算するための信号(有価価値による貸与信号、持玉による管理移行信号)を受信し、遊技玉制御部27内の遊技可能数に加算する制御に関与する。また、遊技玉制御部27から遊技機20へ向けた持玉管理要求の中継を行う。
セキュリティチップは、通信制御部24から入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合にはそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手からからのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。台間カード処理機10のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。
さらに、遊技機20は、営業開始時に電源がONにされると制御を開始するが、電源のON状態では通常の遊技可能状態にはならず、待機制御状態にある。待機制御状態において、台間カード処理機10との間の相互認証が通信制御部24においてOKとなり、なおかつ、通信制御部24を通して台間カード処理機10から遊技制御開始信号を受信した場合に遊技可能となる。
遊技制御部26は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。具体的には、遊技制御部26は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0〜65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検知した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
また、遊技制御部26は、台間カード処理機10から使用停止の制御を受けた場合には、遊技機20の遊技動作を停止し、遊技可能数メモリに記憶された遊技玉数等の遊技機状態のデータを保持する制御を行う。また、使用停止からの復帰指示を受けた場合には、使用停止状態時点の状態に復帰させる。
また、遊技制御部26は、遊技機20の状態を監視し、遊技機エラーが生じた場合にはエラーメッセージを台間カード処理機10に通知する。そして、エラーが計数系の場合には、遊技可能数の送信を停止させ、遊技可能数データの保持を行う。
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
遊技制御部26は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、景品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体獲得数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
演出制御部25は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部25a及び演出抽選部25bを有する。演出図柄抽選部25aは、遊技制御部26での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
演出抽選部25bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
演出制御部25は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部25は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データに重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
遊技玉制御部27は、遊技可能数を制御する制御部であり、遊技可能数管理部27a及び投出制御部27bを有する。遊技可能数管理部27aは、遊技可能数メモリに遊技可能数を格納しており、この遊技可能数を更新する処理を行う。
具体的には、遊技可能数管理部27aは、遊技玉が発射される度に遊技可能数を「1」減算し、入賞が発生した場合に賞玉数を遊技可能数に加算する。また、台間カード処理機10より遊技に使用可能な玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技可能数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技可能数に加算した旨を示す確認信号を送信する。
また、遊技可能数管理部27aは、遊技可能数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技可能数管理部27aは、遊技可能数の減算は行わない。また、遊技可能数管理部27aは、計数ボタン23が操作された場合には、管理移行要求を台間カード処理機10に送信する。このとき、計数ボタン23の操作時間が所定時間未満であるならば、遊技可能数管理部27aは、所定数(例えば100)を持玉に加算させる管理移行要求を台間カード処理機10に送信し、持玉への加算完了を示す応答を受けて所定数を遊技可能数から減算する。また、計数ボタン23の操作時間が所定時間以上であるならば、遊技可能数管理部27aは、その時点での遊技可能数をすべて持玉に加算させる管理移行要求を台間カード処理機10に送信し、持玉への加算完了を示す応答を受けて遊技可能数を0にクリアする。
また、遊技可能数管理部27aは、自動払出モードで、遊技可能数が閾値に達した場合に、自動払出の指示を台間カード処理機10に送信し、台間カード処理機10から移行された持玉数を遊技可能数に加算させるようにしてもよい。
投出制御部27bは、遊技玉の投出を制御する制御部であり、ハンドル21の操作量に応じて、遊技玉の投出方向を決定し、投出機構を制御して遊技玉の投出を行わせる。
遊技制御部26と遊技玉制御部27とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部26が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部27が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
次に、図4に示した記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。図5は、図4に示した自装置状態データ16a、遊技機状態データ16b、カードデータ16c、払出設定データ16d及び遊技可能数閾値データ16eについて説明するための説明図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技設定として、遊技種として「玉1」が設定され、自動払出モードが「有効」である状態を示している。
図5(b)に示す遊技機状態データ16bは、遊技機20のIDが「A0012X4234」であり、現時点の遊技可能数が「120」であり、発射強度が「38」であることを示している。また、遊技機20が確率変動等のない「通常」状態であり、機器が正常に動作している状態であることを示している。なお、リーチ信頼度は、大当りのリーチが発生した場合の実現の信頼度を表すデータである。また、遊技機状態のデータには、遊技中の大当り回数、リーチ回数等を含めてもよい。
図5(c)に示すカードデータ16cは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「1001」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16cは、プリペイド価値が「20」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が100円相当である。また、カードデータ16cは、玉1の持玉の残高が「2500」玉、玉2及び玉3の持玉の残高が「0」玉である状態を示している。さらに、自動払出モード引継設定がONで、台移動時も現在の自動払出モードを引き継ぐことを示している。
図5(d)に示す払出設定データ16dは、貸玉及び持玉が自動払出に設定され、持玉、貸玉の順に自動払出の優先が設定されている状態を示している。また、持玉の自動払出は常時であり、払出玉数は所定値の「125」玉で、持玉残数が「1500」玉以上であるならば常時自動払出を有効にしている。このため、持玉残数が「1500」玉に達すると、プリペイド価値による貸玉の自動払出に移行する。すなわち、自動払出無効条件は自動払出優先変更条件になる。さらに、玉貸の場合には、4回まで自動払出とし、払出玉数は「125」玉で、4回自動払出が行われると、自動払出モードが解除される設定になっている。
図5(e)に示す遊技可能数閾値データ16eは、遊技可能数閾値データが「25」玉で、この数値以下/未満になれば自動払出が行われる状態を示している。この数値は、例えば1分間に100回遊技可能数の発射が可能とすると、遊技可能数がゼロになる15秒前に自動払出が行われる数値となる。
次に、自動払出解除条件について説明する。図6は、持玉の自動払出モードにおける自動払出解除条件について説明するための説明図である。図6に示すように、自動払出解除条件とは、持玉の自動払出を行うことが不可になるか、自動払出が必要なくなり、自動払出モードを解除するための条件である。この両者の条件のうちいずれか一つの条件が成立した場合に自動払出モードは自動的に解除される。
持玉の自動払出が不可になった場合とは、持玉が「0」になった場合及びカード返却が行われた場合と、入金又は残額プリペイド価値による玉貸しが行われた場合とを含む。自動払出の場合には、持玉がある限り遊技可能数に自動的に加算されるため、遊技客は入金若しくは残額プリペイド貸出を意識する必要は無い。入金若しくは残額プリペイド価値による玉貸しが行われると、持玉が少なくなって自動払出の条件を満たさなくなったと台間カード処理機10が判定し、自動払出モードを解除するのである。
自動払出の必要がなくなる場合とは、大当たりが発生した場合である。台間カード処理機10は、大当たりが発生すれば賞出玉数により遊技可能数が十分に蓄積されると判定して、持玉自動払出を行う必要が無いと判定する。したがって、自動払出解除条件のいずれか一つが成立すれば、遊技客が、再度自動払出モードを有効化するまで、自動払出モードは無効の状態となる。
次に、払出モード選択時の画面遷移について説明する。図7は、台間カード処理機10の表示操作部13における払出モードに応じた画面遷移の一例を示した図である。まず、遊技客は待機画面(同図の(1))から払出メニューを選択する。次に、持玉を自動払出にするか、手動払出にするかを選択する(同図の(2))。ここで、自動払出を選択すると、台間カード処理機10は、持玉から「125」玉を遊技機20の遊技可能数に加算させる(同図の(3))。なお、(2)の払出方法選択で、手動払出を押下した場合も同様に「125」玉が払い出される。
自動払出を選択した場合には、最初の125玉が払い出された後に、遊技可能数が遊技可能数閾値の25玉以下/未満になれば、自動的に持玉から125玉を減算して遊技機20に遊技可能数を加算させる。そして、自動払出モード解除条件が成立するか、自動払出終了ボタンが押下されて、自動払出モードが解除されるまで自動払出を繰り返す。
一方、手動払出を選択した場合には、持玉から最初の125玉が払い出され、遊技可能数がなくなれば、再度待機画面に戻り、再度手動払出を選択して、持玉を払い出すことになる。あるいは物理的に設けられる持玉再プレイボタンを押下して、持玉を払い出すようにしてもよい。なお、手動払出の場合でも、図7において遊技可能数が25玉以下/未満になれば、手動払出ボタン若しくは自動払出ボタンの強調表示(点滅、点灯、拡大表示等)がなされ、遊技可能数の補充を促す。
次に、台間カード処理機10の表示操作部13における持玉の払出モード選択画面について説明する。図8は、台間カード処理機10の表示操作部13における払出モード選択画面の一例を示した図である。図8(a)は、払出モードを選択するための待機画面を示した図である。ここで払出メニューを押下すると、図8(b)の自動払出か手動払出のモードかを選択する画面となる。
図8(b)において、手動払出の選択を受け付けると、台間カード処理機10は、持玉を減算して、減算した分に対応する数を遊技機20の遊技可能数に加算させる。自動払出を選択した場合には、デフォルト値による自動払出モードとなる。また、自動払出モードで詳細な設定を行う場合には詳細設定のための詳細ボタンを押下する。
図9は、台間カード処理機の表示操作部13における自動払出モードの詳細設定の画面の一例を示した図である。図8(b)で自動払出モードに設定し、詳細設定を選択した場合に表示される画面である。図9では、自動払出モードにおいて、常時自動にするか、自動の払出回数を何回にするか、及び1回の自動払出における玉数をどれほどにするか、といった設定が行える状態を示している。なお、自動払出モードにおける詳細な設定はこれに限定されるわけではなく、例えば、持玉として残す閾値を決めてそれまでは自動払出を行うような設定も可能である。
次に、台間カード処理機10における払出モードの設定の処理手順について説明する。図10は、台間カード処理機10による持玉の払出設定の処理手順を示したフローチャートである。なお、以降のフローチャートの説明では、遊技客が既に持玉を保有しているものとして説明する。
台間カード処理機10の払出設定部17dは、払出設定待機画面を表示し、遊技客からの設定を待ち受ける(ステップS101)。払出設定部17dは払出設定待機画面から持玉払出設定を受け付ける(ステップS102)。遊技客から手動払出の設定を受け付けた場合には(ステップS103;No)、所定単位数の持玉を払い出して(ステップS111)、処理を終了する。
自動払出を選択し(ステップS103;Yes)、自動払出モード設定時の持玉が所定数未満であれば(ステップS104;No)、自動払出設定不可を表示する(ステップS112)。そして、持玉をすべて払い出し(ステップS111)、処理を終了する。
自動払出モード設定時の持玉が所定数以上であれば(ステップS104;Yes)、自動払出の詳細設定を選択したか否かを判定する(ステップS105)。詳細設定をすることなくデフォルトを選択した場合には(ステップS105;No)、所定単位数の持玉を払い出し(ステップS111)、処理を終了する。
詳細設定の選択を受け付け(ステップS105;Yes)、払出玉数の入力を受け付けた場合には(ステップS106;Yes)、払出設定部17dは、受け付けた払出玉数を払出設定データ16dに設定する(ステップS107)。払出玉数の設定受付がない場合には(ステップS106;No)、ステップS108に移行する。
払出時期の選択を受け付けた場合には(ステップS108;Yes)、払出設定部17dは、受け付けた払出時期を払出設定データ16dに設定する(ステップS109)。払出時期を選択せずデフォルト値とした場合には(ステップS108;No)、ステップS110に移行する。
詳細設定が終了して決定ボタンが押下されたならば(ステップS110;Yes)、自動払出制御部17eは、所定数の持玉を払い出し(ステップS111)、処理を終了する。取消ボタンが押下された場合には(ステップS110;No)、ステップS106に戻り、詳細設定の入力受付を繰り返す。
なお、本フローチャートでは、払出玉数と払出時期を設定する処理手順について説明したが、詳細設定はこれらの項目に限定されず、設定項目を追加することもできる。例えば、遊技客からの自動払出解除条件の追加設定を受け付けることとしてもよい。
次に、自動払出モードにおける台間カード処理機10の自動払出の処理手順について説明する。図11は、台間カード処理機10による持玉自動払出の処理手順を示したフローチャートである。
払出閾値判定部17fは、遊技機状態データ16bから遊技可能数を監視する(ステップS201)。また、解除条件判定部17gは、自動払出終了ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS202)。自動払出終了ボタンが押下されない場合には(ステップS202;No)、遊技可能数が払出閾値以下/未満になったか否かを判定する(ステップS203)。遊技可能数が閾値よりも大きいならば(ステップS203;No)、ステップS201に戻る。
遊技可能数が閾値以下/未満になったならば(ステップS203;Yes)、解除条件判定部17gは自動払出解除条件が成立したか否かを判定する(ステップS204)。自動払出解除条件が成立しないならば(ステップS204;No)、自動払出制御部17eは、データ管理部17aに対し所定数の持玉を払い出させる(ステップS205)。そして、ステップS201からの処理を繰り返す。なお、台間カード処理機10は遊技機20と定期的に通信しており、この定期通信により遊技機20の遊技可能数を確認している。閾値の判定は、この受信した数値で判定してもよいし、遊技機20から遊技可能数が閾値以下/未満になった場合に自動払出要求信号を受信するようにしてもよい。
ステップS202で自動払出終了ボタンが押下され(ステップS202;Yes)、又はステップS204で自動払出解除条件が成立した場合には(ステップS204;Yes)、自動払出制御部17eは、持玉の自動払出を停止する旨を表示操作部13に表示して報知する(ステップS206)。そして、払出設定データ16dのモードを自動から手動に更新して自動払出設定を終了し(ステップS207)、処理を終了する。
本実施例では、遊技可能数が閾値以下/未満になった場合に、台間カード処理機10が持玉の自動払出を行う説明をしたが、遊技機20に遊技可能数として払い出しを行うのは、持玉に限定されるわけではない。プリペイド残額による玉貸し、貯玉再プレイによる貯玉払出による遊技可能数への加算も、持玉再プレイと同様に繰り返し払い出しが必要となる場合がある。そこで、自動払出の変形例として、プリペイド残額による玉貸し及び貯玉再プレイによる払い出しを含めて拡張した自動払出について説明する。
持玉の自動払出の場合には、台間カード処理機10の自動払出制御部17eが持玉再プレイボタン押下をエミュレートした処理を行った。プリペイド残額による玉貸及び貯玉再プレイによる貯玉の払い出しを含めた自動化の場合には、それぞれの自動払出において、自動払出制御部17eが、貸出ボタンあるいは貯玉再プレイボタンが押下された処理をエミュレートすると考えればよい。
次に、複数の自動払出モードの場合の自動払出解除条件について説明する。図12は、プリペイド価値を使用した貸玉、持玉及び貯玉による自動払出モードにおける自動払出解除条件を説明するための説明図である。本変形例では、実施例の持玉が0の場合に、貯玉所定数以下/未満の条件が追加された点が異なる。これは、すべての有価価値の値が自動払出モード不可になった時点が自動払出解除条件の一つになるということである。
すなわち、ある種類の有価価値による自動払出が不可になれば、別の種類の有価価値による自動払出に移行し、すべての有価価値による自動払出が終了すれば、自動払出モードは終了する。したがって、本変形例における自動払出解除条件は、実施例の自動払出解除条件から、持玉0玉と残額プリペイド貸出の条件をまとめ、すべての有価価値が0という条件に変化する。なお、有価価値0というのは、全くのゼロだけではなく、最小払出数未満になった場合も含む。例えば、貯玉の最小払出数が100玉の場合は99玉以下が該当する。また、プリペイド価値の最小貸出価値が100円とすれば99円以下が該当する。
次に、プリペイド価値、持玉及び貯玉を含めた有価価値による自動払出モード設定時の表示画面について説明する。図13は、台間カード処理機10の表示操作部13におけるプリペイド価値を使用した貸玉、持玉及び貯玉の自動払出設定の画面の一例を示した図である。図13(a)では、プリペイド残額が「2500円」、持玉が「1500」玉及び貯玉が「3500」玉あり、この3つの有価価値から自動払出設定を行おうとしている状態である。そして払出設定メニューを押下すると、図13(b)のように、自動払出を選択する有価価値が表示される。
図13(b)では、自動払出を行う有価価値として持玉、プリペイド残額及び貯玉の3つを選択し、優先順位もこの順となっている画面を示している。自動払出は有価価値をすべて選択する必要はない。この3つの中の2つでも1つでもよい。優先順も有価価値の状況に応じて変更が可能である。
図13(c)は自動払出モードの払出設定メニューのうち貯玉に関する自動払出設定の画面の一例である。図13(c)では、貯玉の自動払出に関して、自動払出モード設定「常時」を選択し、自動払出玉数は「125」玉、貯玉残設定を「3000」玉にした状態である。この設定では、貯玉の自動払出モードに入ると、4回の自動払出で、貯玉の自動払出モードから抜けることを示している。残額による自動払出モードの設定も同様に可能である。
次に、台間カード処理機10によるプリペイド価値を使用した貸玉、持玉及び貯玉の自動払出設定の処理手順について説明する。図14は、台間カード処理機10によるプリペイド価値を使用した貸玉、持玉及び貯玉の自動払出設定の処理手順を示したフローチャートである。
払出設定部17dは、払出設定の受付のための払出設定画面を表示する(ステップS301)。そして、遊技客から有価価値の自動払出モード設定を受け付ける(ステップS302)。払出設定部17dは、ここで遊技客から自動払出をする種別(プリペイド価値、持玉若しくは貯玉)の選択と優先順位を受け付け、払出設定データ16dに記録する(ステップS303)。
貯玉の自動払出の選択を受け付けた場合には(ステップS304;Yes)、貯玉払出のための暗証番号を受け付ける(ステップS305)。ここで暗証番号の受付を行うのは、貯玉優先の自動払出の番になって、暗証番号の入力受付のため自動払出が中断して遊技を妨げないように予め入力しておくためである。
そして、貯玉が自動払出の最優先であるならば(ステップS306;Yes)、自動払出制御部17eは、データ管理部17aに対して会員管理装置50に貯玉再プレイ要求を送信させる(ステップS307)。会員管理装置50から貯玉再プレイデータを受信すると(ステップS308)、データ管理部17aは、貯玉残高を更新し(ステップS309)、遊技可能数を遊技機20に通知して(ステップS310)、処理を終了する。
貯玉自動払出の選択の受付がなく(ステップS304;No)、あるいは貯玉の自動払出が最優先でないならば(ステップS306;No)、持玉の自動払出が最優先か否かを判定する(ステップS311)。持玉の自動払出を最優先で受け付けた場合には(ステップS311;Yes)、自動払出制御部17eは、データ管理部17aに対して所定数の遊技可能数を遊技機20に通知させ(ステップS312)、対応する数の持玉を減算して(ステップS313)、処理を終了する。
持玉の自動払出が最優先でないならば(ステップS311;No)、残額による貸玉の自動払出が最優先か否かを判定する(ステップS314)。残額による自動払出が最優先でないならば(ステップS314:No)、処理を終了する。
残額による自動払出が最優先である場合には(ステップS314;Yes)、自動払出制御部17eは、データ管理部17aに対して、所定数の遊技可能数を遊技機20に通知させ(ステップS315)、遊技可能数に相当する額をプリペイド価値から減算して(ステップS316)、処理を終了する。
次に、プリペイド価値を使用した貸玉、持玉及び貯玉の自動払出の処理手順について説明する。図15は、台間カード処理機10におけるプリペイド価値を使用した貸玉、持玉及び貯玉の自動払出の処理手順を示したフローチャートである。
払出閾値判定部17fは、遊技可能数を監視し(ステップS401)、遊技可能数が自動払出閾値以下/未満に達したならば(ステップS402;Yes)、解除条件判定部17gは、自動払出の終了が選択されているか否かを判定する(ステップS403)。自動払出の終了が選択されている場合には(ステップS403;Yes)、自動払出モードを終了する旨を報知し(ステップS414)、自動払出モードを解除して(ステップS415)、処理を終了する。遊技可能数が時津払出閾値以下/未満でなければ(ステップS402;No)、ステップS401に戻る。
自動払出終了が選択されていない場合には(ステップS403;No)、現自動払出が貯玉か否かを判定する(ステップS404)。現自動払出が貯玉の場合には(ステップS404;Yes)、貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に送信する(ステップS405)。そして、貯玉再プレイプレイデータを受信し(ステップS406)、貯玉残高を更新して(ステップS407)、遊技可能数を遊技機20に通知する(ステップS408)。
ステップS404で、現自動払出優先が貯玉でなければ(ステップS404;No)、自動払出制御部17eは、データ管理部17aに対し所定数の遊技可能数を遊技機20に通知し(ステップS409)、それに対応するプリペイド価値若しくは持玉数を減算する(ステップS410)。
その後、自動払出制御部17eは、自動払出優先変更の条件が成立するか否かを判定する(ステップS411)。自動払出優先の変更条件が成立した場合には(ステップS411;Yes)、自動払出制御部17eは、自動払出優先を変更し、その旨をデータ管理部17aに通知する。自動払出優先に変更がないならば(ステップS411;No)、ステップS413に移行する。
解除条件判定部17gは、自動払出解除条件が成立したならば(ステップS413;Yes)、自動払出モードを終了する旨を報知し(ステップS414)、自動払出モードを解除して(ステップS415)、処理を終了する。成立していないならば(ステップS413;No)、ステップS401に戻り以降の処理を繰り返す。
上述したように、本実施例では、台間カード処理機10が遊技機20の遊技可能数を監視し、遊技可能数が所定の閾値を下回った場合に、自動的に貸玉、持玉あるいは貯玉を払い出すようにしているので、遊技客の貸出ボタン、持玉再プレイボタンの押下及び貯玉再プレイ操作に煩わされることなく遊技に集中できることになる。
また、本実施例では、一旦自動払出設定を行えば、カードにその設定を記憶することができるため、台移動の際に最初から自動払出設定を行うことなく設定を引き継ぐことが可能となる。
また、本実施例では、自動払出モードの終了条件を遊技客も設定できるようにしたので、景品交換に使用する持玉あるいは貯玉の残数を設定すること等により、遊技客は安心して自動払出モードで遊技を行うことが可能となる。
また、本実施例では待機画面から払出メニューを押下し、さらに自動払出ボタンを押下することで自動払出モードを設定する説明を行ったが、これに限定されるわけではない。待機画面に自動払出ボタンを設け、自動払出ボタン押下後に自動払出モードの開始を案内し、再度自動払出ボタン押下で自動払出モードを設定するような操作でもよい。
また、本実施例では、遊技客が自動払出モードを設定する説明を行ったが、カード管理装置40等の上位装置から常時自動払出を台間カード処理機10に設定することとしてもよい。また、遊技機20からの遊技可能数の加算要求の指示を受けて、台間カード処理機10が自動払出を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、自動払出モードが有効化されていない場合に、遊技可能数が所定値以下/未満になれば、手動払出ボタン又は自動払出ボタンを点滅、点灯等強調表示する説明をしたが、報知はそれに限定されない。自動払出モードでプリペイド残額又は持玉あるいは貯玉数が所定払出単位数に近接した場合に、その旨を報知するようにしてもよい。
また、本実施例では詳細な説明を省略したが、貯玉や持玉を利用する場合に、レート間での振り替え処理を行えるようにしてもよい。例えば、現在遊技中の遊技機20において貸出レートが4円であり、4円の貯玉を利用していたが、2円レートの持玉を4円レートで利用したい場合がある。この場合には2円レートの持玉を4円レートに換算して振り替えることができてもよい。また、自動払出モード中であれば、自動で振り替えてもよいし、振り替える場合には遊技客の許可を得るようにしてもよい。さらに、振り替えの優先順位も設定できるようにしてもよい。設定は自動払出モードを設定するときのタイミングでもよいし、違うタイミングでもよい。また、振り替えはメダルから玉へ振り替えることができてもよいし、その逆もできてもよい。
また、本実施例では、自動払出を実行する閾値となる遊技可能数について「以下/未満」という記述を行っているが、この閾値はあくまで整数を対象とした数値であるため、「以下」でも「未満」でもよいということである。例えば25玉以下としたいのならば、26玉未満と設定すればよい。
また、本実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ICカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ICチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、該携帯端末のICチップから非接触にて取得可能な識別情報を用いて携帯端末を一意に識別できるため、当該識別情報に関連付けて遊技媒体数を管理することができる。
本実施例では、遊技玉を発射し、所定領域を遊技玉が通過したことにより賞を与える弾球式遊技機の一種であるパチンコ遊技機を例に説明を行なったが、本発明の利用はこれに限定されるものではなく、他の種別の弾球式遊技機や、所定数の遊技媒体を1回のゲームの賭け数として設定するとともに回胴(リール)の回転を行い、回胴の停止操作を行ったときに回胴上に設定された停止ライン上に所定の図柄組み合わせが成立したことに応じて賞を与える回胴式遊技機に対しても、用いる遊技媒体の形状は問わず、同様に適用することが可能である。この場合には、遊技可能数に相当する遊技媒体は、1回ごとにメダルを投入する手間を省くため、ボタン操作でメダル投入が行えるように予め遊技機に貯めておかれるメダル、いわゆるクレジットとする。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。