JP6296771B2 - 各台装置及び有価価値管理方法 - Google Patents

Description

この発明は、遊技機に併設される各台装置及び各台装置による有価価値管理方法に関する。

従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技玉やメダル等の遊技媒体を用いて遊技を行なう遊技機に、遊技媒体に関する情報を管理する各台装置が併設されている。各台装置は、遊技客が投入した貨幣の額に対応するプリペイド価値や、事前に獲得した遊技媒体数を有価価値情報として管理し、遊技客の操作に基づいて遊技媒体の払い出しを行なう。

また、最近になって、他店からの持込玉や異なる貸出レート間の持込玉の問題が顕在化してきたため、かかる持込玉が発生しない封入式の遊技機が注目されている。例えば、特許文献１には、遊技客が遊技玉に触れない構造とし、遊技玉が入賞すると該入賞分の遊技玉数を遊技機が管理する玉数に加算し、入賞しないアウト玉分の玉数を遊技機が管理する玉数から減算する封入式の遊技機が開示されている。このような封入式の遊技機に併設される各台装置では、遊技媒体の現物を自装置や遊技機が払い出すよう制御するのではなく、遊技媒体数をデータとして封入式遊技機に送信し、封入式遊技機が管理する玉数に加算させることとなる。

各台装置には、遊技客からの操作を受け付けるために、各操作に対応した操作ボタンが設けられている。プリペイド価値を減算して遊技媒体の払い出し、又は遊技媒体数の遊技機への送信を行う玉貸操作を受け付けるボタンが玉貸ボタンである。遊技客が当日に獲得した持玉を減算して遊技媒体の払い出し、又は遊技媒体数の遊技機への送信を行う持玉再プレイ操作を受付けるボタンが持玉再プレイボタンである。また、有価価値をカードに関連付けて該カードを排出するカード返却操作を受け付けるボタンがカード返却ボタンである。

これらの操作ボタンは物理的に設けてもよいが、タッチパネルディスプレイ上に操作ボタンの画像を表示制御し、遊技客の接触操作を検知して対応する操作ボタンに対する操作として処理することが一般的である。

特開２００２−２３３６３５号公報

しかしながら、従来の技術では、誤操作が発生する場合があるという問題点がある。この点を具体的に説明する。操作ボタンの中には、遊技客の状況や遊技機状態によっては使用する必要のないものが含まれる。例えば、遊技機が管理する玉数が十分に残っている場合には、玉貸ボタンや持玉再プレイボタンは使用する必要がない。また、遊技機のハンドル操作が行われ、遊技中であるならば、カード返却ボタンは使用する必要がない。このように使用する必要のない操作ボタンがタッチパネルディスプレイに表示されたままであると、遊技客が意図せずにタッチパネルディスプレイに接触した場合にも操作ボタンの操作が行われたものとして処理されてしまう。

玉貸ボタンに誤操作が発生すると、プリペイド価値を無用に消費する事態となる。また、カード返却ボタンに誤操作が発生すると、カードの紛失や盗難に繋がる事態となる。

各種操作ボタンは、操作性の点からは大きく表示することが好適であるが、操作ボタンを大きく表示すると、それだけ誤操作が発生しやすくなる。すなわち、操作ボタンの表示サイズについては、操作性と誤操作防止とがトレードオフの関係となっていた。

これらのことから、遊技機に併設され、遊技に使用可能な有価価値を管理する各台装置を使用する際に、操作性を保ちつつ、いかにして誤操作を防止するかが重要な課題となっている。

本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、操作性を向上することのできる各台装置及び有価価値管理方法を提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技機に併設される各台装置であって、前記遊技機による遊技に使用可能な有価価値情報を管理する有価価値情報管理手段と、前記遊技機から遊技に関する遊技機情報を取得する遊技機情報取得手段と、前記有価価値情報及び／又は前記遊技機情報に基づいて、遊技客による各種操作に対する操作制限を個別に設定する操作制限設定手段と、前記操作制限設定手段により受付可能に設定された操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて前記有価価値に係る処理を行う処理手段とを備え、前記遊技機情報取得手段は、前記遊技機が管理する遊技媒体数を含む遊技機情報を取得し、前記操作制限設定手段は、少なくとも前記遊技機が管理する遊技媒体数に基づいて、遊技媒体の使用可能化処理に関する操作を受付可能とすることを特徴とする。

また本発明は、上記発明において、前記遊技機の前面に設置された表示手段と、前記操作制限設定手段により受付可能に設定された操作に対応する操作ボタンを前記表示手段に表示するよう制御するとともに、前記操作制限設定手段により受付不能に設定された操作に対応する操作ボタンを前記表示手段において非表示となるように制御する表示制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。

また、本発明は、上記発明において、前記有価価値情報管理手段は、遊技客が事前に獲得した遊技媒体数を示す獲得遊技媒体数と、入金により加算されたプリペイド価値とを含む有価価値情報を管理し、前記操作制限設定手段は、前記獲得遊技媒体数と前記遊技機が管理する遊技媒体数とが所定値未満である場合に前記プリペイド価値を用いた遊技媒体貸出操作を受付可能に設定し、前記表示制御手段は、前記操作制限設定手段により前記遊技媒体貸出操作が受付可能に設定された場合に、前記遊技媒体貸出操作に対応する遊技媒体貸出ボタンを前記表示手段に表示するよう制御することを特徴とする。

また、本発明は、上記発明において、前記有価価値情報管理手段は、遊技客が事前に獲得した遊技媒体数を示す獲得遊技媒体数を含む有価価値情報を管理し、前記操作制限設定手段は、前記遊技機が管理する遊技媒体数が所定値未満である場合に前記獲得遊技媒体数の一部又は全てを前記遊技機が管理する遊技媒体数に加算する獲得遊技媒体数移行操作を受付可能に設定し、前記表示制御手段は、前記操作制限設定手段により前記獲得遊技媒体数移行操作が受付可能に設定された場合に、前記獲得遊技媒体数移行操作に対応する獲得遊技媒体数移行ボタンを前記表示手段に表示するよう制御することを特徴とする。

また、本発明は、上記発明において、前記遊技機情報取得手段は、前記遊技機が所定の遊技操作を受付中であるか否かを示す情報を含む遊技機情報を取得し、前記操作制限設定手段は、前記遊技機情報により前記遊技操作を受付中であることが示された場合に、前記有価価値情報を関連付けた記録媒体を排出する記録媒体排出操作を受付不能に設定し、前記表示制御手段は、前記操作制限設定手段により前記記録媒体排出操作が受付不能に設定された場合に、前記記録媒体排出操作に対応する記録媒体排出操作ボタンが前記表示手段において非表示となるように制御することを特徴とする。

また、本発明は、上記発明において、前記有価価値情報管理手段は、遊技客が事前に獲得した遊技媒体数を示す獲得遊技媒体数を含む有価価値情報を管理し、前記遊技機情報取得手段は、前記遊技機が所定の遊技操作を受付中であるか否かを示す情報を含む遊技機情報を取得し、前記操作制限設定手段は、前記遊技機情報により前記遊技操作を受付中であることが示された場合に、前記遊技機が管理する遊技媒体数の一部又は全てを前記獲得遊技媒体数に加算する遊技機遊技媒体数移行操作を受付不能に設定し、前記処理手段は、前記操作制限設定手段により前記遊技機遊技媒体数移行操作が受付不能に設定された場合に、前記遊技機からの要求に基づく前記獲得遊技媒体数への加算を抑止することを特徴とする。

また、本発明は、上記発明において、前記操作制限設定手段は、前記有価価値情報及び／又は前記遊技機情報に基づいて、各操作に対応する操作ボタンの表示態様及び／又は各操作の操作態様を前記操作制限として設定することを特徴とする。

また、本発明は、遊技機に併設される各台装置による有価価値管理方法であって、前記遊技機による遊技に使用可能な有価価値情報を管理する有価価値情報管理ステップと、前記遊技機から遊技に関する遊技機情報を取得する遊技機情報取得ステップと、前記有価価値情報及び／又は前記遊技機情報に基づいて、遊技客による各種操作に対する操作制限を個別に設定する操作制限設定ステップと、前記操作制限設定ステップにより受付可能に設定された操作を受付けた場合に、当該操作に応じて前記有価価値に係る処理を行う処理ステップとを含み、前記遊技機情報取得ステップは、前記遊技機が管理する遊技媒体数を含む遊技機情報を取得し、前記操作制限設定ステップは、少なくとも前記遊技機が管理する遊技媒体数に基づいて、遊技媒体の使用可能化処理に関する操作を受付可能とすることを特徴とする。

本発明によれば、遊技客による操作性を向上することができる。

図１は、本実施例に係る台間カード処理機の表示制御方法の概念を説明するための説明図である。 図２は、本実施例に係る遊技システムの構成を示す図である。 図３は、図２に示した台間カード処理機及び遊技機の外観図を示した図である。 図４は、図２に示した台間カード処理機及び遊技機の内部構成を示すブロック図である。 図５は、台間カード処理機の記憶部に記憶されるデータの構造の一例を示した図である。 図６は、図４に示した表示設定データを説明するための説明図である。 図７は、台間カード処理機による遊技機表示操作部に対する表示制御における画面遷移の具体例を示した図である。 図８は、台間カード処理機による操作制御における遊技機表示操作部の画面遷移の具体例を示した図である。 図９は、台間カード処理機による遊技機表示操作部に対する表示制御の処理手順を示したフローチャートである。 図１０は、台間カード処理機による操作制御の処理手順を示したフローチャートである。

以下に、添付図面を参照して、本発明に係る各台装置及び有価価値管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。以下に示す実施例では、遊技媒体として遊技玉を用いる場合について説明するが、遊技媒体として遊技玉以外のメダル等を用いる場合にも同様に適用することができる。

なお、本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中（閉店より前の時間）のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降（閉店より後の時間）も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技台を移動した場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。

まず、本実施例に係る表示制御方法について説明する。図１は、本実施例に係る台間カード処理機１０の表示制御方法を説明するための説明図である。図１に示すように、各台装置である台間カード処理機１０は、遊技機２０に併設されている。遊技機２０は、装置内部に封入された遊技玉を遊技領域に打ち込んで遊技を行う封入式の遊技機であり、遊技客が遊技玉に触れない構造となっている。台間カード処理機１０の遊技機表示操作部２２は、タッチパネルディスプレイ等であり、遊技機２０の前面に設けられ、持玉数等の情報の表示や、遊技客からの操作の受け付けを行なうことができる。

台間カード処理機１０は、自装置が管理する情報を遊技機表示操作部２２に表示させるとともに、自装置に対する操作を遊技機表示操作部２２により受け付けることができるように、遊技機表示操作部２２の表示制御及び操作制御を行う。具体的には、台間カード処理機１０は、プリペイド価値、持玉数、遊技機２０において遊技に供される玉数（以下、「遊技玉数」という）及び貯玉数等を遊技機表示操作部２２に表示制御する。また、台間カード処理機１０は、玉貸操作、持玉再プレイ操作、貯玉再プレイ操作及びカード返却操作等に対応する操作ボタンを遊技機２０の遊技機表示操作部２２に表示制御し、各操作ボタンに対する押下（タッチ）によりこれらの操作を受け付ける。

ところで、このような操作ボタンの中には、遊技客の状況や遊技機状態によっては使用する必要のないものが含まれる。例えば、遊技機２０に遊技玉数が十分に残っている場合には、玉貸操作、持玉再プレイ操作及び貯玉再プレイ操作に対応する操作ボタンは使用する必要がない。また、遊技機２０のハンドル操作を行って遊技中であるならば、カード返却操作に対応する操作ボタンは使用する必要がない。このように使用する必要のない操作ボタンが表示されたままであると、誤操作によって遊技客に不利益となる事態が生ずる可能性がある。具体的には、遊技機２０のハンドル操作を行って遊技中である場合に誤ってカード返却ボタンを押下したならば、それに気付かないままカードを紛失したり、盗難にあう可能性がある。また、持玉数や遊技玉数が十分にあるにもかかわらず、玉貸ボタンを誤って押下してしまい、プリペイド価値を無用に消費させてしまうケースも考えられる。

一方、玉貸ボタン、カード返却ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタン等は、一般的には遊技客が頻繁に操作するボタンであるため、操作が容易なように大きく表示することが好適であるが、操作ボタンを大きく表示すると、上記の誤操作が発生しやすくなる。したがって、操作性を損なわずに、誤操作を回避することが求められる。

そこで、本実施例に係る台間カード処理機１０は、自装置の情報と遊技玉数等を含む遊技機状態情報とを利用して、遊技客の状況や遊技機２０の状態に応じた操作ボタンの表示制御と操作制御とを行う。

図１は、台間カード処理機１０が、遊技機２０から遊技玉数の通知を受け、この遊技玉数及び自装置で管理する持玉数に応じて、遊技機表示操作部２２の表示制御を行う処理の状況を示している。なお、遊技機２０の遊技玉数は、遊技玉メモリ２７ａに記憶され、所定のタイミングで遊技機２０から台間カード処理機１０に通知される。ここでは、一例として玉貸ボタンの表示制御及び操作制御について主に説明する。

持玉数Ａが所定数α以上あるか（Ａ≧α）、若しくは遊技玉数Ｂが所定数β以上ある場合には（Ｂ≧β）、台間カード処理機１０は、玉貸操作を行わなくても十分に遊技に供される玉数があると判定して、玉貸ボタンを非表示とし、玉貸操作を不可とする。そして、遊技玉若しくは持玉再プレイによる遊技を促す。これにより持玉数あるいは遊技玉数が十分あるにも関わらず遊技客が誤って玉貸操作を行うことを防止し、遊技客に対して無用にプリペイド価値を消費させることを回避することができる。

また、持玉数Ａが所定数α未満（Ａ＜α）で、かつ、遊技玉数Ｂも所定数β未満（Ｂ＜β）であれば、遊技玉がなくなることにより遊技客に対して遊技の継続性を損ねさせることがないように、台間カード処理機１０は玉貸ボタンを表示させる。

同様に、遊技中に獲得した遊技玉数Ｂが所定数β以上となった場合には（Ｂ≧β）、遊技玉数だけで遊技が可能となり、玉貸操作だけでなく、持玉再プレイ操作及び貯玉再プレイ操作も不要となる。したがって、遊技玉数が一定数以上であれば、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを非表示とすることで、遊技客が誤って無駄な持玉再プレイ操作や貯玉再プレイ操作を行うことも防止できる。なお、カード返却ボタンや計数ボタンについても表示制御や入力制御が行われるが、詳細については後述する。

このように、本実施例に係る台間カード処理機１０は、自装置の持玉数Ａの値と遊技機２０の遊技玉数Ｂの値との組み合わせのパターンに応じて、どの操作ボタンを表示し、どの操作ボタンを非表示とするかを判定する。また、この判定のための組み合わせに応じた表示制御及び操作制御のパターンを事前に準備しておく。そして、遊技客の状況や遊技機２０の状態に応じて操作ボタンの最適な表示制御と操作制御とを行うのである。これにより、操作性を損なうことなく誤操作を防止することができる。

次に、遊技店のシステム構成について説明する。図２は、本実施例に係る遊技店のシステム構成を示す図である。図２に示すように、遊技店には、複数の遊技機２０と、各遊技機２０にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機１０が設置される。台間カード処理機１０は、島コントローラ３０を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ３０と、カード管理装置４０と、会員管理装置５０と、景品管理装置６０と、精算機８０とが接続される。カード管理装置４０は、遊技店外のネットワークを介して認証キー管理センタＣ１と接続される。

遊技機２０は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機２０の遊技盤面には、複数の入賞領域（入賞口）が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域（始動口）が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。

上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過（入賞）を検知するようになっている。また、遊技機２０の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技者が遊技に使用できる遊技玉数を記憶する遊技玉メモリを有している。

したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機２０は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数を遊技玉メモリにおいて記憶していた遊技玉数に加算して記憶内容を更新する。また、遊技玉数を台間カード処理機１０の持玉数として移行させる場合には、遊技玉メモリに保持している遊技玉数を台間カード処理機１０に通知して、遊技玉メモリに記憶している遊技玉数のデータをクリアする。さらに、台間カード処理機１０から玉貸操作に基づく持玉数の通知を受けた場合には、通知された持玉数を遊技玉メモリに記憶している遊技玉数に加算して記憶内容を更新する。

台間カード処理機１０は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、カード管理装置４０との通信、並びに遊技機２０との通信を行う。台間カード処理機１０は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置４０に送信することで、プリペイド価値をカード管理装置４０が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸し操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置４０に送信し、カード管理装置４０が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数の持玉数を所定の操作に応じて遊技機２０に通知し、遊技玉メモリに記憶している遊技玉数に加算させる。

また、台間カード処理機１０は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置４０にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機１０は、カード管理装置４０からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、カード管理装置４０に対して持玉減算要求を送信することで、カード管理装置４０が管理する持玉の残高をゼロにクリアする。さらに、記憶した持玉の残高は、遊技機２０に遊技玉数として移行した分を減算して持玉数を更新する。

また、台間カード処理機１０は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置４０に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、会員管理装置５０が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の持玉数を遊技機２０に通知し、遊技玉メモリに記憶している遊技玉数に加算させる。

また、台間カード処理機１０は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置４０に送信し、カード管理装置４０に持玉を加算させた後、カード排出通知をカード管理装置４０に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機２０から遊技玉数の移行操作を受け付けた場合には、移行した遊技玉数を持玉数に加算して、カード管理装置４０の持玉口座残高を更新する。

また、台間カード処理機１０は、遊技機２０から遊技機ＩＤを取得し、取得した遊技機ＩＤと、カード管理装置４０から受信した認証キーとを用いて遊技機２０の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機２０は遊技可能となる。

また、台間カード処理機１０は、遊技機２０から受信した遊技機ＩＤに基づいて、遊技機２０の入れ替えを検知する。具体的には、台間カード処理機１０は、以前に遊技機２０から受信した遊技機ＩＤを記憶しており、遊技機２０から新たに受信した遊技機ＩＤが以前に受信して記憶した遊技機ＩＤと異なる場合に、遊技機２０の入れ替えが行なわれたと判定する。

また、台間カード処理機１０は、遊技機２０から通知を受けた遊技客操作及び遊技機状態の情報と、自装置内の持玉数等の情報とを利用して、遊技機２０の遊技機表示操作部２２に対して表示制御を行い、遊技客に適応した画面表示及び操作ボタン表示を行うとともに、この画面表示に応じた玉貸操作等の操作制御を行う。

島コントローラ３０は、遊技島に設けられた一群の遊技機２０及び台間カード処理機１０を束ねる中継装置である。カード管理装置４０は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。

カード管理装置４０は、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのＩＤと台間カード処理機１０とを関連づけて管理し、該カードＩＤに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機１０に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードＩＤが会員カードのカードＩＤである場合には、カード挿入通知を会員管理装置５０に送信し、会員管理装置５０から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

また、カード管理装置４０は、台間カード処理機１０から持玉減算要求を受信した場合には、持玉口座の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機１０から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉口座に加算する。

また、カード管理装置４０は、台間カード処理機１０から玉貸要求を受信した場合には、カードＩＤに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機１０に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置５０に送信し、会員管理装置５０が貯玉再プレイデータを出力した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

また、カード管理装置４０は、景品管理装置６０からカードＩＤを受信したならば、このカードＩＤに関連付けられた持玉数を景品管理装置６０に対して通知する。さらに、精算機８０からカードＩＤを受信したならば、このカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値を精算機８０に対して通知する。

また、カード管理装置４０は、台間カード処理機１０から遊技機ＩＤを取得し、自店舗に設置された遊技機２０を管理する。そして、認証キー管理センタＣ１から自店舗に設定された遊技機２０を認証するための認証キーを取得し、台間カード処理機１０に配信する。

会員管理装置５０は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードＩＤに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。

会員管理装置５０は、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードＩＤに対応する貯玉口座の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。また、会員管理装置５０は、台間カード処理機１０から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードＩＤに関連づけられた貯玉口座の残高を所定数減算し、減算後の貯玉口座の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。なお、台間カード処理機１０と会員管理装置５０との通信は、カード管理装置４０を介して行なわれる。

また、会員管理装置５０は、景品管理装置６０から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードＩＤに対応する貯玉口座の残高を景品管理装置６０に通知する。

景品管理装置６０は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置６０には、カードのカードＩＤを読み取るリーダライタ及び景品を払い出す景品払出装置が接続されている。景品管理装置６０は、リーダライタがカードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードＩＤをカード管理装置４０に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置５０に対して貯玉数を要求する。

精算機８０は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードＩＤをカード管理装置４０に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。

図２に示したシステムで玉貸しを行う場合の玉貸処理について説明する。台間カード処理機１０が玉貸操作の受付を可能にしている場合に、遊技客が台間カード処理機１０に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機１０は、カード管理装置４０のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。

カード管理装置４０は、玉貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードＩＤに関連付けられたプリペイド価値を所定値（例えば、１００円＝１度数の場合に５度数）減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機１０に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機１０は、減算したプリペイド価値を対応する数（例えば１２５玉）の遊技玉に変換して遊技機２０に通知し、遊技玉数に加算させる。

次に、図２に示したシステムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機１０は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置４０のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。

カード管理装置４０は、台間カード処理機１０からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードＩＤに関連付けられた持玉口座のうち、該電文により特定されたレートの持玉口座の残高を台間カード処理機１０に通知する。

台間カード処理機１０は、カード管理装置４０から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードＩＤ及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文をカード管理装置４０に送信する。カード管理装置４０は、持玉減算要求を受信した場合には、カードＩＤ及びレートにより特定される持玉口座の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機１０は、持玉再プレイ操作の受付を可能にしている場合には、カード管理装置４０から受信し、記憶している持玉を持玉再プレイ操作に基づいて一定数ずつ遊技機２０に通知し、遊技玉数に加算させる。

台間カード処理機１０は、遊技機２０から持玉管理要求を受信し、受け付けが可能である場合には、送信されてきた一定数ずつの遊技玉数を自装置の持玉数に加算する。また、台間カード処理機１０は、カード返却操作の前に、遊技機２０から遊技玉数が移行された場合には遊技玉数を持玉数に加算する。その後カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置４０に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、持玉数と、持玉加算要求とを含む。

カード管理装置４０は、持玉加算要求を受け付けた場合には、該電文内のカードＩＤに関連付けられた持玉口座のうち、該電文により特定されたレートの持玉口座の残高を受信した持玉数に更新する。

その後、台間カード処理機１０は、カード管理装置４０にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。

次に、図２に示したシステムで貯玉の再プレイを行う場合の貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機１０は、会員カードを挿入された場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードＩＤに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置４０のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤ（若しくは携帯端末から読み取ったカードＩＤに対応する識別情報。以降、カードＩＤという）と、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。

カード管理装置４０は、カード挿入通知の電文を会員管理装置５０に送信する。会員管理装置５０は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードＩＤに関連付けられた暗証番号と、貯玉口座のうち、該電文により特定されたレートの貯玉口座の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

台間カード処理機１０は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉口座の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数（貯玉再プレイ単位数。例えば１２５玉）以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。

台間カード処理機１０は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。

台間カード処理機１０は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置４０のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機１０に挿入されているカードのカードＩＤと、送信元である台間カード処理機１０を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機１０のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。

カード管理装置４０は、貯玉再プレイ要求の電文を会員管理装置５０に送信する。会員管理装置５０は、貯玉再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードＩＤに関連付けられた貯玉口座のうち、該電文により特定されたレートの貯玉口座の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機１０に送信する。

台間カード処理機１０は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉口座の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数の持玉数を遊技機２０に通知して遊技玉数に加算させる。また、更新後の貯玉口座の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定し、貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。更新後の貯玉口座の残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けた場合には貯玉再プレイ要求を送信する。２回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。

次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置４０は、閉店処理時にカード管理データの持玉口座の残高を確認し、持玉の残高が「０」より大きい持玉口座が存在する場合には、該持玉口座の残高をカードＩＤ及びレートとともに会員管理装置５０に通知する。会員管理装置５０は、カードＩＤ及びレートにより特定される貯玉口座の残高に通知された持玉口座の残高を加算して更新する。その後、カード管理装置４０は、該持玉口座の残高をゼロにクリアする。

次に、図２に示した台間カード処理機１０及び遊技機２０の外観構成について説明する。図３は、図２に示した台間カード処理機１０及び遊技機２０の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機１０を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。

図３に示すように、台間カード処理機１０は、台間カード処理機１０の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部１１と、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口１２ａと、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部１３と、カードＩＤ、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口１４ａとが設けられている。

遊技機２０には、封入された遊技玉を遊技領域に打ち込む際に使用するハンドル２１と、遊技玉数を台間カード処理機１０の管理に移行するための計数ボタン２３とが設けられている。また、遊技機２０の前面には、台間カード処理機１０の遊技機表示操作部２２が設けられている。

次に、図２に示した台間カード処理機１０及び遊技機２０の内部構成について説明する。図４は、図２に示した台間カード処理機１０及び遊技機２０の内部構成を示すブロック図である。図４に示すように、台間カード処理機１０は、紙幣搬送部１２と、表示操作部１３と、リーダライタ１４と、通信部１５と、遊技機管理基板１８と、記憶部１６と、遊技機表示操作部２２と、制御部１７とを有する。

紙幣搬送部１２は、紙幣挿入口１２ａから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部１３及び遊技機表示操作部２２は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。

リーダライタ１４は、カード挿入口１４ａに挿入されたカードからカードＩＤを読み取る読取部である。なお、カード挿入口１４ａに挿入されたカードは、このリーダライタ１４を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部１５は、通信回線を介してカード管理装置４０との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。

遊技機管理基板１８は、台間カード処理機１０に内蔵された基板である。遊技機管理基板１８は、遊技機２０の認証と起動管理とを行なう。具体的には、カード管理装置４０から受信した認証キーを使用して遊技機２０の認証を実施する。認証が成功したならば、遊技機２０へ動作許可を送信し、認証成功の結果をカード管理装置４０に送信する。また、遊技機管理基板１８は、台間カード処理機１０と遊技機２０との通信を行なう。具体的には、遊技機２０からの遊技機ＩＤの取得、台間カード処理機１０から遊技機２０への持玉数の移行、遊技機２０から台間カード処理機１０への遊技玉数の移行、遊技機２０における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信を行なう。かかる台間カード処理機１０と遊技機２０との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。

遊技機管理基板１８は、台間カード処理機１０の起動時に、制御部１７に設けられる制御ＣＰＵから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば台間カード処理機１０の起動を許可するとともに、遊技機２０と通信が可能な状態を設定する。

遊技機管理基板１８は、一定間隔ごとに遊技機２０から送信されてくる信号を受信し、当該信号を受信したことに基づき、受信した旨の信号を遊技機２０に返信する。遊技機２０から送信されてくる信号には、例えば一定範囲の数字を用いた信号の通し番号（以下「信号通番」と称する）を示すデータと、遊技機２０の状態を示すデータが含まれる。遊技機管理基板１８は、少なくとも１回前に遊技機２０から受信した信号の信号通番を記憶する記憶部を内蔵しており、今回遊技機２０から受信した信号通番との比較によって、遊技機２０からの情報の整合性を保つ制御を行う。例えば、受信した信号の信号通番が内蔵する記憶部に記憶された通番に１を加えたものと異なる場合（１を超える数字を加えたものになっている場合など）には、信号の受信もれがあったものとして、遊技機２０に前回の信号の再送信を要求する。また、遊技機２０に返信する返信信号にも信号通番が含まれ、信号通番は例えば１が送信ごとに加算される。また、受信した信号に含まれる遊技機２０の状態を示すデータを遊技機状態記憶部１６ｇに格納する。また、遊技機管理基板１８は、上記の一定間隔より長く定められた一定の期間において、遊技機２０からの信号の送信が無い場合、当該状態を異常と判断して異常処理（報知出力、エラーダウン等）を行う機能を備えている。遊技機２０から送信されてくる遊技機状態を示すデータには、現在の遊技玉数、通常か確率変動かの遊技情報等が含まれる。

前述の暗号通信についてさらに説明する。遊技機管理基板１８は、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ＩＤ及び所定の暗号化・復号化プログラムを有し、遊技機２０のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。

セキュリティチップは、遊技機管理基板１８から入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合はそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合には、相手方からのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。遊技機２０のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が取り決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。また、認証ＮＧとなった場合には、認証ＮＧを検知した遊技機２０あるいは台間カード処理機１０は、上位装置及び自機の表示部に異常を出力した上で、エラーダウンする。

ここで、セキュリティ性を要しないデータとは、返却ボタン等の入力信号等、不正に入力されても実質的に損害のないものが含まれる。セキュリティ性を要するデータとは、持玉数データ、遊技機２０における不正検出信号など、遊技者・遊技店の利益に直接かかわるものが含まれる。また、セキュリティ性を要するデータ種別かどうかの判断は、制御部１７で行っても良い。

記憶部１６は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部１６は、カードＩＤ１６ａ、有価価値データ１６ｂ、遊技設定データ１６ｃ、台間カード処理機ＩＤ１６ｄ、遊技機ＩＤ１６ｅ及び表示設定データ１６ｆを記憶する。また、記憶部１６の記憶領域の一部は、遊技機状態記憶部１６ｇとして使用される。

カードＩＤ１６ａは、リーダライタ１４により読み取られたカードＩＤである。図示しないカード収納部からカード挿入口１４ａにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ１４により読み取られたカードＩＤによってカードＩＤ１６ａが更新される。また、カード挿入口１４ａから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ１４により読み取られたカードＩＤによってカードＩＤ１６ａが更新される。

有価価値データ１６ｂは、持玉を加算するために使用可能な有価価値を示すデータである。この有価価値には、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高、持玉口座の残高、貯玉再プレイ用の暗証番号並びに貯玉口座の残高を含む。

遊技設定データ１６ｃは、台間カード処理機１０に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、４円レートの遊技玉に「玉１」、２円レートの遊技玉に「玉２」、１円レートの遊技玉に「玉３」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機１０は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定データ１６ｃとして記憶する。遊技設定データ１６ｃは、台間カード処理機１０が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。

台間カード処理機ＩＤ１６ｄは、台間カード処理機１０を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技機ＩＤ１６ｅは、遊技機管理基板１８が遊技機２０から受信した遊技機ＩＤである。

表示設定データ１６ｆは、台間カード処理機１０が表示制御と、この表示制御に対応した操作受付等の制御とを行なうための設定データである。台間カード処理機１０は、この表示設定データ１６ｆに基づいて、遊技機表示操作部２２に対して各種情報や操作ボタンを表示制御するとともに、それに応じた操作を受け付ける。

遊技機状態記憶部１６ｇは、遊技機２０から所定のタイミングで送信されてくる遊技機の状態を示すデータであり、遊技機の現在時点の遊技玉数、遊技状態（通常、確率変動等）などを一時的に記憶しておく部分である。

制御部１７は、台間カード処理機１０を全体制御する制御部であり、データ管理部１７ａ、レート設定処理部１７ｂ、遊技機管理部１７ｃ、エラー判定部１７ｄ、表示設定部１７ｅ、表示制御部１７ｆ、操作処理制御部１７ｇ及び報知部１７ｈを有する。

データ管理部１７ａは、カードが挿入された場合に、カードＩＤ１６ａ及び台間カード処理機ＩＤ１６ｄを含むカード挿入通知をカード管理装置４０に送信する。また、データ管理部１７ａは、カード管理装置４０から有価価値（プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか）を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値により有価価値データ１６ｂを更新する。

また、データ管理部１７ａは、紙幣挿入口１２ａに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードＩＤ１６ａ及び台間カード処理機ＩＤ１６ｄを含む入金通知をカード管理装置４０に送信する。

また、データ管理部１７ａは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードＩＤ１６ａ及び台間カード処理機ＩＤ１６ｄを含む玉貸要求をカード管理装置４０に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部１７ａは、有価価値データ１６ｂのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機２０に送信して遊技玉数に加算させる。

また、データ管理部１７ａは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、有価価値データ１６ｂの持玉数を所定数単位で減算して更新し、減算した分の持玉数を遊技機２０に送信して遊技玉数に加算させる。

また、データ管理部１７ａは、有価価値データ１６ｂに示された貯玉口座の残高が貯玉再プレイ単位数以上であり、遊技機表示操作部２２に貯玉再プレイボタンを表示されている場合に、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部１７ａは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードＩＤ１６ａ及び台間カード処理機ＩＤ１６ｄを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置４０に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、有価価値データ１６ｂの貯玉口座の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数を遊技機２０に送信して遊技玉数に加算させる。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、有価価値データ１６ｂに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。

また、データ管理部１７ａは、遊技客によりカード返却操作が行われた場合に、カードＩＤ１６ａ、台間カード処理機ＩＤ１６ｄ並びに持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置４０に送信して、有価価値データ１６ｂをクリアした後、カード排出通知をカード管理装置４０に送信し、カードを排出する。ただし、遊技機２０に遊技玉数が残っている場合に、操作処理制御部１７ｇによりカード返却の操作制御がなされていたならば、全ての遊技玉数の移行の完了を検知し、持玉数に加算した後に、カードの排出処理を行う。

なお、操作処理制御部１７ｇにより、遊技機２０に遊技玉数がある場合でもカード返却を許可する制御が行われる場合には、遊技機２０の遊技玉数に関係なく、データ管理部１７ａはカード返却操作を受け付ける。

また、データ管理部１７ａは、ハンドル操作停止中に遊技機２０から遊技玉数の移行要求を受け付けた場合には、遊技機２０から移行される遊技玉数を有価価値データ１６ｂの持玉数に加算する。ただし、ハンドル操作中に、操作処理制御部１７ｇにより移行要求（計数ボタン２３）が無効化されている指示を受けた場合には、遊技機２０に対して移行不可あるいは移行待機の返信を行い、遊技玉数の移行要求の受け付けを行わない。この場合には、これに加えて、報知部１７ｈを通じてハンドル操作中は計数ボタン２３が無効である旨を報知してもよい。

なお、計数ボタン２３を無効化する設定の場合には、遊技機２０から持玉管理要求を受け付け、データ管理部１７ａが、受け付けた遊技玉数をそのまま遊技機２０の遊技玉数として加算させるようにして、結果的に持玉管理要求を無効化することとしてもよい。あるいは同様の結果を得られるのであれば他の方法を適用してもよい。

また、データ管理部１７ａは、遊技機表示操作部２２において玉貸操作、持玉再プレイ操作、貯玉再プレイ操作及びカード返却操作等の操作ボタンが非表示中であり、これに応じて操作処理制御部１７ｇからこれらの操作の受け付けを停止する制御を受けている場合には操作の受け付けを不可とする。

レート設定処理部１７ｂは、表示操作部１３又は遊技機表示操作部２２に対し、遊技設定データ１６ｃに設定された現在の遊技種に対応するレートを表示するとともに、遊技客によるレートの選択を受け付ける設定がされている場合は、表示操作部１３又は遊技機表示操作部２２に対して選択可能なレートを表示する。遊技客が所望のレートを選択すると、レート設定処理部１７ｂは、選択されたレートに対応する遊技種を遊技設定データ１６ｃに設定する。一方、遊技客によるレートの選択を受け付ける設定がされていない場合は、遊技中には選択可能なレートは表示されない。この場合、従業員によるリモコン操作等を受け付け、認証を行ったことを条件として、選択可能なレートが表示される。従業員がレートを選択すると、レート設定処理部１７ｂは、選択されたレートに対応する遊技種を遊技設定データ１６ｃに設定する。また、この場合、カード管理装置４０等の上位装置から遊技種の選択を指示する信号があった場合には、選択可能なレートを表示することなく、指示された遊技種を遊技設定データ１６ｃに設定する。

遊技機管理部１７ｃは、遊技機２０から遊技機ＩＤを取得し、該遊技機ＩＤが以前に取得した遊技機ＩＤ、すなわち遊技機ＩＤ１６ｅに示された遊技機ＩＤと一致するか否かにより遊技機２０の入れ替えを検知する処理部である。遊技機２０から取得した遊技機ＩＤが以前に取得した遊技機ＩＤと不一致である場合には、遊技機管理部１７ｃは、遊技機２０が入れ替えられたと判定し、取得した遊技機ＩＤにより遊技機ＩＤ１６ｅを更新し、更新した遊技機ＩＤ１６ｅと台間カード処理機ＩＤ１６ｄとをカード管理装置４０に送信する。

エラー判定部１７ｄは、遊技機２０におけるエラーの有無を判定する処理部である。エラー判定部１７ｄは、遊技機表示操作部２２が故障し、表示や操作受付が行えなくなったものの、遊技自体は実行可能な状態と、遊技機２０による遊技が不可能となった状態とを区別して判定可能である。

具体的には、エラー判定部１７ｄは、当日の遊技機２０の認証が済み、遊技店が営業中であるにも関わらず、遊技機表示操作部２２に対するＲｅａｄｙ信号に対して遊技機表示操作部２２から無応答が数回続いた場合に、遊技機表示操作部２２にエラー又は故障が発生したと判定する。遊技機２０が立ち上がった状態で、遊技機表示操作部２２に対するＲｅａｄｙ信号に対して遊技機表示操作部２２から無応答が数回続いた場合に、遊技機表示操作部２２にエラー又は故障が発生したと判定するように構成してもよい。

また、エラー判定部１７ｄは、遊技機表示操作部２２以外の他の部位のエラーが発生したことを検知した場合には、報知部１７ｈを通じて、エラーが発生したことを通知する信号を表示制御部１７ｆに出力する。

表示設定部１７ｅは、遊技機２０から通知を受けた遊技客操作情報及び遊技機状態と、台間カード処理機１０の情報との組み合わせに応じて、操作ボタン等の表示（有効化）、非表示（無効化）あるいは表示態様を設定する処理部である。表示設定部１７ｅは、遊技機２０からの情報と台間カード処理機１０の情報との組み合わせ等に応じて表示パターンのテーブルデータを生成し、表示設定データ１６ｆとして記憶する。

表示制御部１７ｆは、遊技機表示操作部２２に対して表示を制御する制御部である。表示制御部１７ｆは、遊技機状態記憶部１６ｇの遊技玉数及び記憶部１６の有価価値データ１６ｂの持玉数を読み込み、表示設定データ１６ｆに基づいて操作ボタンの表示（有効化）あるいは非表示（無効化）の表示制御を遊技機表示操作部２２に対して行う。また、表示制御部１７ｆは、遊技機状態記憶部１６ｇから遊技玉数以外の情報（例えば遊技機２０のエラー情報）を抽出して、表示設定データ１６ｆに基づいて遊技機表示操作部２２を表示制御する。

操作処理制御部１７ｇは、操作ボタンの表示（有効化）又は非表示（無効化）に対応した操作の受付又は停止と、操作を受け付ける場合の操作の制御を行う制御部である。具体的には、表示中の操作ボタンに対する受付可能と、非表示の操作ボタンに対する受付停止とを制御するとともに、受け付けが可能とされている操作について操作手順の順逆等の報知を、報知部１７ｈを通じて遊技客に対して行う。

報知部１７ｈは、遊技機表示操作部２２の表示制御の状態や遊技機２０の状態を報知する処理部である。報知部１７ｈは、表示制御によって操作ボタン及び情報の表示が変更される場合に、表示画面の変更に伴う設定状態を報知する。また、カード返却操作の受付時等において操作手順等の報知を行う。

ここで、報知を含めた操作制御について具体的に説明する。遊技機表示操作部２２に表示される操作ボタンで、玉貸ボタン、持玉再プレイボタン、貯玉再プレイボタンは、表示あるいは非表示と操作の受け付けの可否とが対応する。しかし、遊技機２０に物理的に存在する計数ボタン２３は、表示あるいは非表示ではなく、有効化あるいは無効化する処理が必要となる。特に、ハンドル操作中は計数ボタン２３の操作を受け付けないようにする必要がある。このため、操作処理制御部１７ｇは、計数ボタン２３が押下されても、ハンドル操作中は遊技玉数が結果的に移行しない操作制御を行うのである。例えば、遊技機２０からの持玉管理要求を不可とするか、あるいは持玉管理要求を受け付けても、受け付けた遊技玉数をそのまま遊技機２０の遊技玉数に加算させる等の操作制御を行うのである。そして、ハンドル２１の操作中の計数ボタン２３の押下が無効であることを遊技機表示操作部２２に表示して報知する。

また、カード返却の際にも操作処理制御部１７ｇが操作制御を行う。ハンドル停止時には、遊技を終了する可能性もあるためカード返却ボタンが表示される。この場合に、遊技機２０に遊技玉数が残置した状態で遊技客がカード返却操作を行い、遊技を終了して離席する可能性がある。このため、操作処理制御部１７ｇは、計数ボタン２３による遊技玉数の移行よりも先にカード返却ボタンが押下された場合に、遊技機２０から遊技玉数を台間カード処理機１０に移行する必要がある旨を報知し、その後カードを排出させる操作制御を行う。そして、遊技機２０に遊技玉数がなくなった状態で、カード返却ボタンを改めて押下させるように報知し、ボタン押下によりカードを排出する制御を行う。あるいは自動的にカードを排出するような制御を行うようにしてもよい。

また、会員である遊技客などで、遊技玉数を台間カード処理機１０に移行せずに、カード返却を選択して、その後は一般カードで遊技したい遊技客も存在する。この場合には、遊技機２０に遊技玉数がある（遊技玉数が持玉数に加算されない）ことを報知した上で、遊技玉数を移行せずにカード返却する制御を行うこととしてもよい。

次に、遊技機２０の内部構成について説明する。遊技機２０は、計数ボタン２３、通信制御部２４、演出制御部２５、遊技制御部２６及び遊技玉制御部２７を有する。計数ボタン２３は、遊技機２０の遊技玉数を台間カード処理機１０の持玉に移行するための操作ボタンである。

通信制御部２４は、台間カード処理機１０との間のデータ通信を制御するための制御部である。通信制御部２４は、セキュリティチップを有している。セキュリティチップは、自己の識別ＩＤ及び所定の暗号化・復号化プログラムを有するものであり、台間カード処理機１０のセキュリティチップとの間で通信を行うためのものである。

通信制御部２４は、遊技機２０の起動時に、遊技制御部２６及び／又は遊技玉制御部２７に設けられる制御ＣＰＵから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば遊技機２０の起動を許可するとともに、台間カード処理機１０と通信が可能な状態を設定する。

通信制御部２４は、一定間隔ごとに遊技玉制御部２７の遊技玉メモリ２７ａに記憶された遊技玉数を読み出すとともに、遊技制御部２６に記憶された遊技機状態（通常か確率変動中かなど）等を読み出し、台間カード処理機１０に向けて信号として送信する。この信号には、例えば一定範囲の数字を用いた信号の通し番号（以下「信号通番」と称する）を示すデータが含まれる。通信制御部２４は、台間カード処理機１０に向けて送信した信号に対して台間カード処理機１０から返信される返信信号に含まれる信号通番を確認し、送信した信号通番との比較によって、情報の整合性を保つ制御を行う。また、通信制御部２４は、信号通番を管理する機能を備え、前回送信した信号に付した信号通番を記憶しており、信号を送信する場合は、前回送信した信号通番を１インクリメントした値を信号に付して送信する。この信号通番は、一定の値に達すると初期値に復帰して循環する。また、遊技玉メモリ２７ａから読み出した遊技玉数の数を送信するにあたっては、遊技玉数の値そのままを送信する構成でもよいし、一定の桁で調整する等、大まかな数（概数）を示す情報を送信するものであってもよい。

また、通信制御部２４は、台間カード処理機１０からの遊技玉を加算するための信号（有価価値による貸与信号、持玉による管理移行信号）を受信し、遊技玉制御部２７内の遊技玉メモリ２７ａに加算する制御に関与する。また、遊技玉制御部２７から台間カード処理機１０へ向けた持玉管理要求の中継を行う。

セキュリティチップは、通信制御部２４から入出力するデータが予め定められたセキュリティ性を要するデータ種別に該当するかどうかを判別し、該当しない場合にはそのままデータの入出力を行う。一方、セキュリティ性を要するデータ種別に該当する場合は、データの入出力に際し、暗号化プログラムにより暗号化したデータを出力し、入力の場合は、相手からからのデータの入力待ちとなって、受信したデータの復号化を行う。台間カード処理機１０のセキュリティチップとの間では、予め暗号化・復号化方式が決められており、相互に相手方が暗号化したデータを復号化することが可能となっている。

さらに、遊技機２０は、営業開始時に電源をＯＮされると制御を開始するが、電源のＯＮ状態では通常の遊技可能状態にはならず、待機制御状態にある。待機制御状態において、台間カード処理機１０との間の相互認証が通信制御部２４においてＯＫとなり、なおかつ、通信制御部２４を通して台間カード処理機１０から遊技制御開始信号を受信した場合に遊技可能となる。

遊技制御部２６は、遊技機２０による遊技を制御する制御部である。具体的には、遊技制御部２６は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数（０〜６５５３５の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの）の取得及び抽選（特別図柄及び普通図柄）、遊技盤面に設けられる可動部材（チューリップ等）の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常（前枠が開いている、振動を検知した等）の検出及び上位装置への通知等を行う。

遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技者に賞玉を付与する。

また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技者に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。時短遊技は、普通図柄抽選（上記する可動部材の開閉抽選）及び/又は特別図柄抽選（上記する遊技玉の入賞による大当り抽選）の変動時間（抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間）を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。

遊技制御部２６は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する（一般的には１０倍程度にする）制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技者が獲得した場合は、打ち止め（一旦カードを排出し、景品交換あるいは台移動を要求する）処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体獲得数を封入式遊技機にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。

演出制御部２５は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部２５ａ及び演出抽選部２５ｂを有する。演出図柄抽選部２５ａは、遊技制御部２６での特別図柄抽選に基づく、演出図柄（遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄）の抽選（具体的には表示を最終的に７，７，７で止めるかどうかなど）を行う。

演出抽選部２５ｂは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選（キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど）を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。

演出制御部２５は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部２５は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。

遊技玉制御部２７は、遊技玉数を制御する制御部である。具体的には、遊技玉数を遊技玉メモリ２７ａに記憶させ、遊技玉数を発射する度に遊技玉数を「１」減算し、入賞により付与される賞玉数を加算する。玉が遊技盤面に到達せず戻った場合には「１」加算する。また、台間カード処理機１０より持玉を通知された場合には、通知された持玉を遊技玉メモリ２７ａが記憶する遊技玉数に加算して、台間カード処理機１０に対して遊技玉数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部２７は、遊技機２０に封入された遊技玉（循環玉）のクリーニング制御を行うこともできる。

また、遊技玉制御部２７は、遊技玉メモリ２７ａに記憶された遊技機２０の遊技玉数を定期的に台間カード処理機１０に送信する。この場合には、遊技玉制御部２７は、遊技玉メモリ２７ａの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技玉数の更新を継続しつつ台間カード処理機１０へ遊技玉数の送信を行う。

また、遊技機２０には、遊技客が、遊技機２０の管理する遊技玉数を、台間カード処理機１０に管理を移行させるための操作を行う計数ボタン２３が設けられており、この計数ボタン２３が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部２７に入力される。遊技玉制御部２７は、計数ボタン２３の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満であると、一定数ずつ（例えば１回の操作あたり１００玉）の遊技玉数のデータとともに、台間カード処理機１０に持玉管理要求を送信する。そして、台間カード処理機１０の管理に移行した分の玉数を遊技玉メモリ２７ａに記憶した遊技玉数から減算（無効化）する。また、計数ボタン２３の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ（例えば５秒あたり２００玉）の遊技玉数のデータとともに、台間カード処理機１０に持玉管理要求を送信する。そして、台間カード処理機１０の管理に移行した分の玉数を遊技玉メモリ２７ａに記憶した遊技玉数から減算（無効化）する。遊技玉メモリ２７ａに記憶した遊技玉数からの減算にあたっては、メモリに記憶した１の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。

なお、遊技玉制御部２７は、持玉管理要求を送信して台間カード処理機２０から持玉管理要求不可等の返信が通知された場合には、持玉管理要求を破棄し、遊技玉メモリ２７ａの更新を行わない。

遊技制御部２６と遊技玉制御部２７とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部２６が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部２７が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のＩＤを有する。遊技機２０は、遊技制御基板のＩＤと遊技玉制御基板のＩＤとを組合せ、遊技機ＩＤとして使用する。

次に、図４に示した記憶部１６が記憶するデータの具体例について説明する。図５は、図４に示したカードＩＤ１６ａ、有価価値データ１６ｂ、遊技設定データ１６ｃ、台間カード処理機ＩＤ１６ｄ、遊技機ＩＤ１６ｅ及び遊技機状態記憶部１６ｇを説明するための説明図である。

図５（ａ）に示すカードＩＤ１６ａは、台間カード処理機１０に挿入されたカードのＩＤが「２００２」であることを示している。なお、ここでは、カードＩＤの上１桁がカードの種別を示しており、上１桁が「１」のカードが一般カード、上１桁が「２」のカードが会員カードである。

図５（ｂ）に示す有価価値データ１６ｂは、プリペイド価値が「２０」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数は１度数が１００円相当である。また、有価価値データ１６ｂは、玉１の持玉口座の残高が「０玉」、玉２の持玉口座の残高が「１２００玉」、玉３の持玉口座の残高が「５００玉」である状態を示している。

また、有価価値データ１６ｂは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「７７７７」であり、玉１の貯玉口座の残高が「１０００玉」、玉２の貯玉口座の残高が「０玉」、玉３の貯玉口座の残高が「０玉」である状態を示している。

図５（ｃ）に示す遊技設定データ１６ｃは、台間カード処理機１０の遊技種として「玉１」が設定された状態を示している。また、図５（ｄ）に示す台間カード処理機ＩＤ１６ｄは、台間カード処理機１０のＩＤが「５００６」である状態を示している。また、図５（ｅ）に示す遊技機ＩＤ１６ｅは、遊技機２０のＩＤが「Ａ００１２Ｘ４２３３」である状態を示している。

図５（ｆ）に示す遊技機状態記憶部１６ｇは、遊技機２０からほぼリアルタイムで送信されてくる遊技玉数等の遊技機状態のデータが一時的に記憶され、更新データが送信される度に書き換えられる。図５（ｆ）は、現時点の遊技玉数が「１２５０」で、発射強度が「１００」で、遊技機２０の状態としては、確率変動等のない通常状態であり、機器が正常に動作している状態であることを示している。なお、リーチ信頼度は、大当りのリーチが発生した場合の実現の信頼度を表すデータである。また、遊技機状態のデータには、大当り回数、リーチ回数等を含めてもよい。

次に、表示制御及び操作制御のための表示設定データ１６ｆについて説明する。図６は、図４に示した表示設定データ１６ｆを説明するための説明図である。図６に示すように、表示設定データ１６ｆは、玉貸ボタン及び再プレイボタン表示制御データ１６ｆ１と、カード返却及び計数ボタン表示制御データ１６ｆ２と、その他のボタン等の表示制御データ１６ｆ３とがある。これらのデータに基づいて表示制御部１７ｆ及び操作処理制御部１７ｇの表示制御及び操作制御が行われる。

玉貸ボタン及び再プレイボタン表示制御データ１６ｆ１は、台間カード処理機１０の持玉数と遊技機２０の遊技玉数の値の組み合わせにより、玉貸ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンの表示又は非表示のパターンを規定したデータである。遊技機２０の遊技玉数Ｂが所定数β以上（Ｂ≧β）あれば、当面、玉貸操作、持玉再プレイ操作及び貯玉再プレイ操作の必要性は低いために、玉貸ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを非表示としている。台間カード処理機１０の持玉数Ａが所定数α以上（Ａ≧α）で、かつ、遊技玉数Ｂが所定数β（０≦Ｂ＜β）未満であれば、当面持玉数で足りるため、玉貸ボタンと貯玉再プレイボタンを非表示とする。さらに、持玉数Ａも遊技玉数Ｂもそれぞれ所定数α及びβ未満であれば（０≦Ａ＜αかつ０≦Ｂ＜β）、持玉数及び貯玉数を使い切って、玉貸操作を行うことも考えられるので玉貸ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを表示としている。

カード返却ボタン及び計数ボタン表示制御データ１６ｆ２は、遊技機２０のハンドル２１の操作又は停止に応じてカード返却ボタン及び計数ボタン２３の表示（有効化）又は非表示（無効化）を規定したデータである。遊技客がハンドル操作を行いながら、カード返却操作を行い、かつ、計数ボタン２３を押下して遊技玉数を台間カード処理機１０に移行する必要性は少ないので、カード返却ボタンは非表示とし、計数ボタン２３は無効化としている。

ハンドル操作停止中は、カード返却があり得るのでカード返却ボタンが表示される。ただし、遊技機２０に遊技玉数があれば操作処理制御部１７ｇがカード返却ボタン押下後の受け付けを制御する。すなわち、遊技機２０に遊技玉数がある状態でカード返却ボタンが押下されると、遊技客に対して計数ボタン２３を押下して遊技玉数を台間カード処理機１０に移行することを促す報知がなされる。そして、遊技機２０の遊技玉数がゼロになるまでカード返却が留保される。遊技機２０の遊技玉数が全て台間カード処理機１０に移行されれば、再度カード返却ボタン押下を受け付けてカードを排出させる。あるいはカードを自動排出させることとしてもよい。また、一般の遊技客で、遊技玉数及び有価価値が全て０の場合にはカードの返却はないので非表示とする。

その他のボタン等の表示制御データ１６ｆ３は、係員呼出ボタンと台データボタンの表示制御を規定したデータであり、表示又は非表示ではなく表示項目や表示の態様を規定したものである。係員呼出ボタンは常時表示されるが、遊技機エラーが発生し、遊技客が気づかずにハンドル操作が継続されている場合に、係員呼出ボタンが点滅あるいは拡大表示等の強調表示が行われ、ボタン押下を促すように設定されている状態を示している。台データボタンも常時表示され、遊技機２０に関する情報、例えば現時点の遊技機２０の状態、当日の出玉情報等を遊技客に提供するように設定可能である。このボタンが押下されると、ハンドル操作中に、遊技状態の情報（例えばリーチ中のリーチ信頼度等）を自動表示するように表示制御部１７ｆが表示制御する。

次に、台間カード処理機１０の表示制御及び操作制御における画面遷移について説明する。図７は、台間カード処理機１０による遊技機表示操作部２２に対する表示制御における画面遷移の具体例を示した図である。図７の３つの表示画面はそれぞれ、上からデフォルト画面(初期画面)、カード挿入後の画面、ハンドル操作中の画面を示している。

図７では、最上部のデフォルトの表示画面は、主要な操作ボタンがすべて表示されている状態になっているが、カードあるいは紙幣が挿入されるまでデフォルト画面は任意のものであってもよい。遊技機２０に関する出玉情報を表示してもよいし、複数遊技機による連動演出であってもよい。また、人感センサやカメラ等により遊技客を検知して図７のデフォルト画面に切り替えてもよい。

このデフォルト画面から持玉数が所定数以上関連付けられたカードが挿入されると、中央の表示画面のように、玉貸ボタンと貯玉再プレイボタンが非表示となる。これは、台間カード処理機１０の持玉数（持玉口座残高）が所定数以上あり、玉貸を行わなくとも、持玉数で十分に遊技が可能であると台間カード処理機１０が判定していることを示しており、遊技機表示操作部２２の画面にその旨の表示がなされている。また、プリペイド価値が「２０」度数で、持玉口座残高「４５００」玉、貯玉口座残高「１０００」玉が遊技開始の状態であることを示している。

この状態から、持玉再プレイ操作により持玉再プレイが行われて時間が経過し、ハンドル操作を行っている時の表示画面が最下部の画面である。この時点で、持玉口座残高は「３８００玉」で、遊技玉数が「１０２５玉」である。これは、持玉を「７００玉」使い、「１０２５玉」の遊技玉数を獲得した状態を示している。このため、台間カード処理機１０は、遊技玉数に余裕があり、持玉再プレイ及び貯玉再プレイ操作は不要と判定し、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを非表示にしているのである。なお、カード返却ボタンが非表示であり、計数ボタン２３が無効となっているのは、ハンドル操作中であるためである。

このように、台間カード処理機１０は、遊技機表示操作部２２に対して、遊技客の操作及び遊技機状態に応じて操作ボタンの表示又は非表示を動的に、かつ、適応的に制御する。図７は、遊技開始時点で十分な持玉があり、玉貸を必要とせず持玉再プレイにより遊技玉数を獲得して、最終的には持玉も使用する必要性がなくなった例を示したものである。逆に、持玉を消費しても遊技玉数を十分獲得できず、持玉数が減少した場合には、持玉再プレイボタンや玉貸ボタンが表示される可能性もあるが、どのような表示がなされるかは持玉数と遊技機２０の遊技玉数の状態から判定されて選択される。

なお、本実施例では、操作ボタンは、玉貸、持玉再プレイ、カード返却、貯玉再プレイ及び台データの操作ボタンを示したが、それに限定されるわけではない。その他の任意の操作ボタン等を追加してもよい。

次に、表示制御に対応した操作制御における画面遷移について説明する。図８は、台間カード処理機１０による操作制御における遊技機表示操作部２２の画面遷移の具体例を示した図である。

図８の最上部の表示画面は、図７の最下部の表示画面から時間が経過し、さらに遊技玉数を獲得してハンドル操作を停止した状態を示したものである。最上部の表示画面ではハンドル操作の停止に伴い、カード返却ボタンが非表示から表示に変化している。これは、ハンドル操作停止によって遊技を終了し、カード返却の可能性があるためである。また、この際に遊技玉数を台間カード処理機１０に移行するために計数ボタンも有効状態になっている。

ここで、カード返却ボタンが押下された場合に、何も処置しなければカードは返却され、遊技機２０には、「３３５５」玉の遊技玉が残ることになる。封入式の遊技機２０の場合には、獲得した現物の遊技玉が盤外に投出されるわけではなく、データの形で遊技機２０に記憶される。このため、遊技玉数のデータが自動的に移行されるものと誤解し、遊技玉数の台間カード処理機１０への移行操作を忘れる可能性もある。そこで、カード返却ボタンが押下された場合には、中央の画面表示のように、「計数ボタンを押して、遊技機の玉数をゼロにして下さい」等の報知を行うのである。そして、計数ボタンが押下され、最下部の画面表示のように、遊技機２０の遊技玉数が台間カード処理機１０に移行されてゼロになると、カードが排出される状態となる。

また、遊技玉数を遊技機２０内に残したままカード返却を選択する遊技客に対しては、カード返却ボタンを押下した後、図８の中央の画面で、遊技機２０内に遊技玉数が残置していることを報知した上で、カード返却を続行できるボタン（確認ボタン等）を追加することとしてもよい。

なお、遊技機２０に遊技玉数が残置している状態でカード返却ボタンを非表示とすることも考えられるが、この場合には、遊技や操作に慣れていない遊技客を混乱させることがないように、図８の中央部の画面表示のように、計数ボタンを押下して、遊技機２０の後遊技玉数がゼロになると、カード返却ボタンが表示されることを案内する表示がなされることが望ましい。

次に、台間カード処理機１０による遊技機表示操作部２２に対する表示制御の処理手順について説明する。図９は、台間カード処理機１０による遊技機表示操作部２２に対する表示制御の処理手順を示したフローチャートである。

まず、台間カード処理機１０は、遊技機管理基板１８を通じて遊技機２０の状態情報を取得し、遊技機状態記憶部１６ｇに記憶する（ステップＳ１０１）。表示制御部１７ｆは、遊技機状態記憶部１６ｇから遊技玉数を読み込み、遊技玉数が所定数β未満であるかを判定する（ステップＳ１０２）。遊技玉数が所定数β未満であり（ステップＳ１０２；Ｙｅｓ）、かつ、持玉数が所定数α未満であれば（ステップＳ１０３；Ｙｅｓ）、玉貸ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを表示する(ステップＳ１０４)。持玉数が所定数α以上であれば（ステップＳ１０３；Ｎｏ）、玉貸ボタン及び貯玉再プレイボタンを非表示とし、持玉再プレイボタンを表示する（ステップＳ１０５）。

ステップＳ１０２で、遊技玉数が所定数β以上である場合には（ステップＳ１０２；Ｎｏ）、表示制御部１７ｆは、玉貸ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを非表示にする（ステップＳ１０６）。

そして、表示制御部１７ｆは、遊技玉数等が変化している状況等を検知して、ハンドル操作中であると判定すれば（ステップＳ１０７；Ｙｅｓ）、カード返却ボタンを非表示とし、計数ボタン２３が無効化されている旨の表示を行い(ステップＳ１１１)、処理を終了する。

ハンドル操作が停止されていれば（ステップＳ１０７；Ｎｏ）、表示制御部１７ｆは、遊技機状態記憶部１６ｇから遊技玉数を読み込み、遊技機２０に遊技玉数があるかどうかを判定する（ステップＳ１０８）。遊技玉数があれば（ステップＳ１０８；Ｙｅｓ）、カード返却ボタンを表示し、計数ボタン２３を有効化する旨の表示を行い（ステップＳ１０９）、処理を終了する。

遊技機２０に遊技玉数がなければ（ステップＳ１０８；Ｎｏ）、カード返却ボタンを表示し、計数ボタン２３が無効化されている旨の表示を行い（ステップＳ１１０）、処理を終了する。なお、この場合には、遊技機２０には遊技玉数がないので、計数ボタン２３が有効で押下されても、台間カード処理機１０の持玉数には影響しないので、計数ボタン２３は無効化でも有効化の表示でもよい。

このフローチャートは、遊技客が遊技を開始してからカード返却を行って終了するまで、台間カード処理機１０の表示制御部１７ｆにより遊技機表示操作部２２に対して繰り返し行われるメインの表示制御処理である。

次に、表示制御に対応して台間カード処理機１０が行う操作制御の処理手順について説明する。図１０は、台間カード処理機１０による操作制御の処理手順を示したフローチャートである。

データ管理部１７ａは、カード返却操作の受け付けがあったかどうかを判定し（ステップＳ２０１）、カード返却操作の受け付けがない場合には（ステップＳ２０１；Ｎｏ）、処理を終了する。カード返却操作を受け付けた場合には（ステップＳ２０１；Ｙｅｓ）、遊技機状態記憶部１６ｇに記憶されている遊技玉数がゼロかどうかを判定する（ステップＳ２０２）。

遊技玉数がゼロである場合には（ステップＳ２０２；Ｙｅｓ）、データ管理部１７ａは、持玉数をカード管理装置４０に送信して持玉口座を更新させた後、カードを排出し（ステップＳ２０７）、処理を終了する。

遊技玉数がゼロでない場合には（ステップＳ２０２；Ｎｏ）、データ管理部１７ａは、操作処理制御部１７ｇの指示により報知部１７ｈを通じて、先に計数ボタン２３を押下して遊技玉数を移行する必要がある旨を遊技機表示操作部２２に表示させる（ステップＳ２０３）。そして、遊技玉数の移行要求を受信したならば（ステップＳ２０４；Ｙｅｓ）、データ管理部１７ａは移行された遊技玉数を持玉数に加算する（ステップＳ２０５）。遊技玉数の移行要求を受信しない場合には（ステップＳ２０４；Ｎｏ）、ステップＳ２０３の処理を継続する。

その後、データ管理部１７ａは、全ての遊技玉数の移行が完了したかどうかを判定する（ステップＳ２０６）。全ての遊技玉数の移行が完了したならば（ステップＳ２０６；Ｙｅｓ）、データ管理部１７ａは持玉数をカード管理装置４０に送信して持玉口座を更新させた後カードを排出し（ステップＳ２０７）、処理を終了する。全ての遊技玉数の移行が完了せず遊技玉数が残っている場合には（ステップＳ２０６；Ｎｏ）、ステップＳ２０３に戻り、以降の処理を繰り返す。

なお、本フローチャートでは、遊技玉数を全て台間カード処理機１０に移行したのちカードを排出するものとした。しかし、一部のみの遊技玉数の移行、あるいは遊技玉数の移行を選択しない場合も考えられるので、その場合には、ステップＳ２０２とステップＳ２０３の間に遊技玉数を移行するか否かの選択判定処理を挿入し、移行しない選択をすればステップＳ２０７のカード排出処理に進むようにしてもよい。そして、移行する選択を受け付けた場合には、ステップＳ２０３以降の処理を行い、ステップＳ２０４とステップＳ２０６の戻り先をこの選択判定処理とすればよい。

上述したように、本実施例に係る台間カード処理機１０は、遊技客による遊技機２０の操作情報及び遊技機状態の情報と、自装置内の情報から、遊技客個々に最適の画面表示や入力の制御を行う。これにより、遊技客は不要な操作や誤操作によって、カード紛失等の損失を被ることから回避され、不安を抱くことなく遊技に集中できることになる。

また、操作ボタンの表示及び非表示だけでなく、これに対応した操作制御を行うこととし、ボタンが表示されて操作を受け付ける場合であっても、台間カード処理機１０は、自装置の情報と遊技機状態の情報に応じて、遊技客に対して確認等を含む適切な操作指示や案内を表示することとしたので、遊技客にとっての利便性が向上されることになる。

また、本実施例では、不要な操作や誤操作を行わないように、操作ボタン等の非表示あるいは無効化を行うこととしたが、非表示あるいは無効化に伴う遊技客に対する報知があってもよい。特に、遊技の初心者に対して、操作ボタン等が突然に非表示あるいは無効化によって混乱を生じさせないように、報知を行うことによって安心して快適な遊技を行うことができるようにすることが望ましい。

また、本実施例では、遊技客の状況や遊技機２０の状態に基づき、不要と判定した操作ボタンを非表示とすることで誤操作を防止する構成について説明を行ったが、不要と判定した操作ボタンの表示態様や操作態様を変更する構成であってもよい。

例えば、本実施例では、遊技玉数Ｂが所定値β以上である場合には、玉貸ボタン、持玉再プレイボタン及び貯玉再プレイボタンを非表示としていたが、これらの操作ボタンを非表示とするのではなく、操作ボタンの表示サイズを小さくしてもよい。

操作ボタンの表示サイズを小さくすれば、その分、誤操作の発生を減らすことができる。そして、遊技玉数Ｂが所定値β以上であっても敢えて玉貸等を行いたい遊技客であれば、小さく表示されていたとしても操作ボタンの受付自体は可能であるので、所望の操作を行うことができるのである。

また、不要と判定した操作ボタンについてはグレーアウト表示を行うなど、不要な操作であることを遊技客に報知することで誤操作の発生を抑止することもできる。

また、不要と判定した操作ボタンに対しては、操作の受付時に確認操作を求めることとしてもよい。確認操作としては、同一の操作ボタンへの再操作や、別途表示した確認ボタンの操作等を用いることができる。この確認操作に際し、「遊技玉が残っていますが玉貸しますか？」等の確認メッセージを表示することも好適である。なお、操作ボタンの表示サイズは、元のサイズのままであってもよいし、小さく表示しておいてもよい。

また、本実施例では、エラー発生時に係員呼出ボタンを強調表示する場合について説明したが、かかるエラーの発生時にエラーの発生履歴を表示させるエラー履歴呼出ボタンを表示することとしてもよい。ここで、エラーには、遊技機２０のエラー、台間カード処理機１０のエラー、遊技機２０と台間カード処理機１０との間での通信異常のエラー等を含めることができる。また、エラー履歴呼出ボタンは、画面の端に小さめに表示することが好適である。

なお、閉店処理が行われる際に、台間カード処理機１０が閉店信号を受信したならば、エラー履歴呼出ボタンに代えて、「通信異常履歴：Ｈ時Ｍ分遊技機状態情報受信エラー」等の履歴を大きめに遊技機表示操作部２２に表示させてもよい。

また、遊技客のインセンティブを高めるような表示がなされてもよい。例えば、遊技機２０の出玉情報を表示させてもよいし、ハンドル操作中にリーチになった場合には、所定時間後にこのリーチ信頼度を表示させるようにしてもよい。

本実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、ＩＣカード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、チップ、スティック、携帯端末等を用いる場合に本発明を適用することもできる。特に、ＩＣチップ付携帯端末を媒体として用いる場合は、当該携帯端末のＩＣチップから非接触にて取得可能な識別情報を用いて携帯端末を一意に識別できるため、当該識別情報に関連付けて遊技媒体数を管理することができる。

また、本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。

以上のように、本発明に係る各台装置及び有価価値管理方法は、操作性を保ちつつ誤操作を防止することに適している。

１０ 台間カード処理機
１１ 状態表示部
１２ 紙幣搬送部
１２ａ 紙幣挿入口
１３ 表示操作部
１４ リーダライタ
１４ａ カード挿入口
１５ 通信部
１６ 記憶部
１６ａ カードＩＤ
１６ｂ 有価価値データ
１６ｃ 遊技設定データ
１６ｄ 台間カード処理機ＩＤ
１６ｅ 遊技機ＩＤ
１６ｆ 表示設定データ
１６ｇ 遊技機状態記憶部
１７ 制御部
１７ａ データ管理部
１７ｂ レート設定処理部
１７ｃ 遊技機管理部
１７ｄ エラー判定部
１７ｅ 表示設定部
１７ｆ 表示制御部
１７ｇ 操作処理制御部
１７ｈ 報知部
１８ 遊技機管理基板
２０ 遊技機
２１ ハンドル
２２ 遊技機表示操作部
２３ 計数ボタン
２４ 通信制御部
２５ 演出制御部
２５ａ 演出図柄抽選部
２５ｂ 演出抽選部
２６ 遊技制御部
２７ 遊技玉制御部
２７ａ 遊技玉メモリ
３０ 島コントローラ
４０ カード管理装置
５０ 会員管理装置
６０ 景品管理装置
８０ 精算機
Ｃ１ 認証キー管理センタ

Claims (8)

1. 遊技機に併設される各台装置であって、
   前記遊技機による遊技に使用可能な有価価値情報を管理する有価価値情報管理手段と、
   前記遊技機から遊技に関する遊技機情報を取得する遊技機情報取得手段と、
   前記有価価値情報及び／又は前記遊技機情報に基づいて、遊技客による各種操作に対する操作制限を個別に設定する操作制限設定手段と、
   前記操作制限設定手段により受付可能に設定された操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて前記有価価値に係る処理を行う処理手段と
   を備え、
   前記遊技機情報取得手段は、前記遊技機が管理する遊技媒体数を含む遊技機情報を取得し、
   前記操作制限設定手段は、少なくとも前記遊技機が管理する遊技媒体数に基づいて、遊技媒体の使用可能化処理に関する操作を受付可能とする
   ことを特徴とする各台装置。
2. 前記遊技機の前面に設置された表示手段と、
   前記操作制限設定手段により受付可能に設定された操作に対応する操作ボタンを前記表示手段に表示するよう制御するとともに、前記操作制限設定手段により受付不能に設定された操作に対応する操作ボタンを前記表示手段において非表示となるように制御する表示制御手段と
   をさらに備えたことを特徴とする請求項１に記載の各台装置。
3. 前記有価価値情報管理手段は、遊技客が事前に獲得した遊技媒体数を示す獲得遊技媒体数と、入金により加算されたプリペイド価値とを含む有価価値情報を管理し、
   前記操作制限設定手段は、前記獲得遊技媒体数と前記遊技機が管理する遊技媒体数とが所定値未満である場合に前記プリペイド価値を用いた遊技媒体貸出操作を受付可能に設定し、
   前記表示制御手段は、前記操作制限設定手段により前記遊技媒体貸出操作が受付可能に設定された場合に、前記遊技媒体貸出操作に対応する遊技媒体貸出ボタンを前記表示手段に表示するよう制御する
   ことを特徴とする請求項２に記載の各台装置。
4. 前記有価価値情報管理手段は、遊技客が事前に獲得した遊技媒体数を示す獲得遊技媒体数を含む有価価値情報を管理し、
   前記操作制限設定手段は、前記遊技機が管理する遊技媒体数が所定値未満である場合に前記獲得遊技媒体数の一部又は全てを前記遊技機が管理する遊技媒体数に加算する獲得遊技媒体数移行操作を受付可能に設定し、
   前記表示制御手段は、前記操作制限設定手段により前記獲得遊技媒体数移行操作が受付可能に設定された場合に、前記獲得遊技媒体数移行操作に対応する獲得遊技媒体数移行ボタンを前記表示手段に表示するよう制御する
   ことを特徴とする請求項２又は３に記載の各台装置。
5. 前記遊技機情報取得手段は、前記遊技機が所定の遊技操作を受付中であるか否かを示す情報を含む遊技機情報を取得し、
   前記操作制限設定手段は、前記遊技機情報により前記遊技操作を受付中であることが示された場合に、前記有価価値情報を関連付けた記録媒体を排出する記録媒体排出操作を受付不能に設定し、
   前記表示制御手段は、前記操作制限設定手段により前記記録媒体排出操作が受付不能に設定された場合に、前記記録媒体排出操作に対応する記録媒体排出操作ボタンが前記表示手段において非表示となるように制御する
   ことを特徴とする請求項２、３又は４に記載の各台装置。
6. 前記有価価値情報管理手段は、遊技客が事前に獲得した遊技媒体数を示す獲得遊技媒体数を含む有価価値情報を管理し、
   前記遊技機情報取得手段は、前記遊技機が所定の遊技操作を受付中であるか否かを示す情報を含む遊技機情報を取得し、
   前記操作制限設定手段は、前記遊技機情報により前記遊技操作を受付中であることが示された場合に、前記遊技機が管理する遊技媒体数の一部又は全てを前記獲得遊技媒体数に加算する遊技機遊技媒体数移行操作を受付不能に設定し、
   前記処理手段は、前記操作制限設定手段により前記遊技機遊技媒体数移行操作が受付不能に設定された場合に、前記遊技機からの要求に基づく前記獲得遊技媒体数への加算を抑止する
   ことを特徴とする請求項１〜５のいずれか一つに記載の各台装置。
7. 前記操作制限設定手段は、前記有価価値情報及び／又は前記遊技機情報に基づいて、各操作に対応する操作ボタンの表示態様及び／又は各操作の操作態様を前記操作制限として設定することを特徴とする請求項１〜６のいずれか一つに記載の各台装置。
8. 遊技機に併設される各台装置による有価価値管理方法であって、
   前記遊技機による遊技に使用可能な有価価値情報を管理する有価価値情報管理ステップと、
   前記遊技機から遊技に関する遊技機情報を取得する遊技機情報取得ステップと、
   前記有価価値情報及び／又は前記遊技機情報に基づいて、遊技客による各種操作に対する操作制限を個別に設定する操作制限設定ステップと、
   前記操作制限設定ステップにより受付可能に設定された操作を受付けた場合に、当該操作に応じて前記有価価値に係る処理を行う処理ステップと
   を含み、
   前記遊技機情報取得ステップは、前記遊技機が管理する遊技媒体数を含む遊技機情報を取得し、
   前記操作制限設定ステップは、少なくとも前記遊技機が管理する遊技媒体数に基づいて、遊技媒体の使用可能化処理に関する操作を受付可能とする
   ことを特徴とする有価価値管理方法。

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