以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。
1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図9参照)とを備えている。遊技機枠50は、図2に示すように、パチンコ遊技機1の外郭を形成するものであり、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠(基枠部)51は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠(保持枠部)52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠(前扉部)53は、外枠51及び内枠52の前面側に配置されていて、遊技盤2を保持する縦長方形状のものである。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えて構成されている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央部には開口部53aが形成されていて、遊技者が後述する遊技領域(所定の領域)3を視認できるように透明のガラス板(窓部)55が開口部53aに取付けられている。
前枠53は、図3に示すように、上側に上側装飾ユニット200を備え、左側に左側装飾ユニット210を備え、右側に右側装飾ユニット220を備え、下側に操作機構ユニット230を備え、後側に上側装飾ユニット200と左側装飾ユニット210と右側装飾ユニット220と操作機構ユニット230とを組付けるベース部材240を備えている。ベース部材240の左右上側には、音を出力するスピーカ67がそれぞれ設けられている。
操作機構ユニット(遊技媒体貯留部)230の右方側には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作手段)60が設けられている。また操作機構ユニット230には、遊技球(遊技媒体)を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また操作機構ユニット230には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン(十字キー)64が設けられている。なおセレクトボタン64は、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。更に操作機構ユニット230の左方側には、図4に示すように、ホールの従業員を呼び寄せるための呼び出しスイッチ(操作可能なボタン)180が設けられている。この呼び出しスイッチ180は、セレクトボタン64の隣で遊技者から視認し易い位置に配されている。呼び出しスイッチ180の詳細な説明については、後述する。
上側装飾ユニット(上部装飾部)200は、図5及び図6に示すように、上側が開放した箱状の収容部290と、この収容部290に収容された左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rとを備えている。収容部290の左右方向の中央には前後方向に延びる回転軸441が取付けられていて、回転軸は前方に向かって下方に傾斜している。左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとは、回転軸441に対して回転可能に取付けられている。
左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとは、初期状態では、図5に示す収納位置(待機位置)にある。そして、所定の演出時(SPリーチ演出や大当たり演出の実行時)には、左側枠可動体600Lは収納位置から回転軸441周りに時計方向に90度回転して、図7に示す突出位置(動作位置)になる。同時に、右側枠可動体600Rは収納位置から回転軸441周りに反時計方向に90度回転して、図7に示す突出位置(動作位置)になる。左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rは、枠可動体駆動モータ600a(図10参照)によって駆動される。なお以下では、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rをまとめて「枠可動体600」と呼ぶことにする。
こうして本形態では、枠可動体600は、収納位置にあるときには図5に示すように、遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uよりも下方にある。そして枠可動体600が、突出位置に移動すると図7に示すように、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出する。これにより、遊技者に強いインパクトを与えることが可能である。なお図5及び図7に示すように、遊技機枠50の外縁部分である枠縁50Wは、上側の上縁50Uと下側の下縁50Dと左側の左縁50Lと右側の右縁50Rとで構成されている。
本形態では図6に示すように、上側装飾ユニット200の前端位置P1は、操作機構ユニット230の前端位置P2よりも前方にある。つまり、上側装飾ユニット200が、遊技機枠50(前枠53)のうちどのユニット(部材)よりも前方に突出している。そのため本形態の遊技機枠50では、上側装飾ユニット200が遊技者に向かって迫出すようになっていて、形状面においてインパクトを与えることが可能である。なお上側装飾ユニット200が前方に大きく突出していることで、収容部290が大きくなって、枠可動体600を大きく構成することが可能になっている。
また図5に示すように、上側装飾ユニット200の前壁部には、枠ランプ66が設けられている。具体的に枠ランプ66は、左側から右側に向かって順番に、「L」字形状の第1発光部と、「O」字形状の第2発光部と、「G」字形状の第3発光部と、「O」字形状の第4発光部とにより構成されている。こうして枠ランプ66は「LOGO」から成る一連の意味ある文字列を形成している。「LOGO」とは、本パチンコ遊技機1の機種名の略称(「ロゴ」)であると共に、主人公キャラの名称を意味している。
本パチンコ遊技機1の上方には、図5及び図6に示すように、データ表示器160が設置されている。データ表示器160は、接続されている本パチンコ遊技機1の動作状況に関する表示を行うものである。このデータ表示器160は、垂直壁面SHに固定されている固定装置161と、この固定装置161に対して前後に傾動可能に取付けられている表示装置162と、遊技機の異常が生じることにより操作が有効になった際に所定の態様で発光(点灯)し、ホールの従業員を呼び寄せるための呼び出しボタン163と、当該データ表示器160が呼出状態(呼出中)であることを示すための呼び出し用ランプ164とを備えている。
呼び出しボタン163を押下操作すると、データ表示器160から後述するホールコンピュータ170(図11参照)に呼出用の信号が送信される。これにより、ホールコンピュータ170は、データ表示器160が呼出状態になっているのを把握することが可能である。この場合、ホールの従業員は呼び出しボタン163が押下操作されたパチンコ遊技機1に向かうことになる。またこのときには、呼び出しボタン163の押下操作に基づいて、呼び出し用ランプ164が発光(点灯)し続ける。これにより、遊技者や周りの従業員等にデータ表示器160が呼出状態になっているのを示すことになる。
そして、データ表示器160が呼出状態であるときに、遊技者や呼び寄せられたホールの従業員が呼び出しボタン163を押下操作すると、当該データ表示器160からホールコンピュータ170に非呼出用の信号が送信される。これにより、ホールコンピュータ170は、データ表示器160が非呼出状態(通常状態)に切替わったのを把握することが可能である。またこのときには、呼び出しボタン163の押下操作に基づいて、呼び出し用ランプ164が点灯から消灯に切替わる。これにより、遊技者や周りの従業員等にデータ表示器160の呼出状態が解除されたのを示すことになる。
表示装置162には、後述するように、特別図柄が変動表示された回数を示すスタート回数表示部165(図11参照)や、今日の大当たりの当選回数を示す大当たり回数表示部166(図11参照)、賞球数(獲得出玉数)を示す賞球数表示部(図示省略)が設けられている。なお表示装置162に設けられている表示部は、スタート回数表示部165、大当たり回数表示部166、賞球数表示部に限られるものではなく、高確率状態の発生回数を示す高確発生回数表示部や、前日の大当たりの当選回数を示す前日大当たり回数表示部等が設けられていても良く、適宜変更可能である。
表示装置162は、図6に示すように、固定装置161に対する前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。このように表示装置162が前傾姿勢になることで、座っている遊技者にとっては表示装置162が見え易くなる。しかしながら上述したように、枠可動体600が遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出すると、枠可動体600が表示装置162に干渉する可能性が出てくる。
そこで本形態では枠可動体600が、図8に示すように側面視で、斜め前方に向かって突出する。これにより、枠可動体600と表示装置162との干渉を回避している。その結果、枠可動体600が突出位置にあるときには、枠可動体600の前端位置P3が、上側装飾ユニット200の前端位置P1よりも前方に位置している。つまり、突出位置にある枠可動体600が、前方に突出している上側装飾ユニット200よりも更に前方に飛び出ている。よって、突出位置にある枠可動体600が遊技者に対してより接近することなり、遊技者に与えるインパクトを強めることが可能である。なお枠可動体600が突出位置にあるときに、枠可動体600の垂直壁面SHに対する前傾角度φ(図8参照)は25度である。
次に、図9に基づいて遊技盤2について説明する。図9に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図11参照)が設けられている。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が配されている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図10参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図10参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43b(図10参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10には、画像表示装置7の表示画面7aよりも前方で移動可能な盤可動体15が設けられている。盤可動体15は初期状態において、図9に示すように前方からほとんど視認できない退避位置にある。そして盤可動体15は、退避位置から表示画面7aの大部分を隠す露出位置(図示省略)へ移動可能になっている。この盤可動体15は、盤可動体駆動モータ15a(図12参照)によって駆動される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図11参照)により駆動される。開閉部材23が開状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図11参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図11参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
図9に戻り、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口、通過領域ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていない。よって、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、ゲート28と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2大入賞口35、第1大入賞口30、及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。
また図9に示すように、遊技盤2の右上部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図10に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図11参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図11参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図11参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。なお本形態では、第2特図保留が第1特図保留よりも優先して消化される。即ち、第2特別図柄の可変表示が第1特別図柄の可変表示よりも優先して実行されるように構成されている。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図11参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図11及び図12に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図11及び図12に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80と払出制御基板110はそれぞれ、遊技の結果に影響を及ぼす制御処理を実行可能な主基板に相当する。主基板は、当該遊技機の状態に応じて複数のコマンドを生成する。サブ制御基板90、サブ駆動基板107及び中継基板108は副基板に相当する。副基板は、設定情報に基づいて、呼び出しスイッチ180の状態を、第1状態及び第2状態との間で変化させる。
主制御基板80と払出制御基板110は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、サブ駆動基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7やスピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5、枠可動体600、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路191が設けられている。バックアップ電源回路191は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ195が接続されている。電源スイッチ195のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板190には、主制御基板80に対してRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ192が実装されている。電源基板190を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の制御基板は、本パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技場の従業員等でなければ、電源スイッチ195やRAMクリアスイッチ192を操作することはできない。すなわち、電源スイッチ195やRAMクリアスイッチ192は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ192の操作に基づく信号は、電源基板190から主制御基板80に出力される。
図11に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。
そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。
第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、プログラムに従って遊技球の払い出しに係る制御処理を行う払出制御用ワンチップマイコン(以下「払出制御用マイコン」)116を実装している。払出制御用マイコン(払出制御手段)116には、払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM118、ワークメモリとして使用されるRAM119、ROM118に記憶されたプログラムを実行するCPU117、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)109が含まれている。なお、ROM118は外付けであってもよい。また払出制御基板110は、制御手段として少なくともCPU117を備えていればよい。
払出制御用マイコン116は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検出されて、賞球センサ122による検出信号が払出制御基板110に出力される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検出されて、球貸センサ132による検出信号が払出制御基板110に出力される。
なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。例えば、主制御基板80は、画像制御基板100、音声制御基板106及びサブ駆動基板107に対するコマンドを送信する。また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し、遊技機が遊技球不足や払い出し異常等で遊技球を払い出せない状態や、磁気検出等により遊技停止状態など異常に関する各種コマンドを送信する。
主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図12に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン(演出制御手段)91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶したROM103、ワークメモリとして使用されるRAM104、及び、ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。なお、ROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して枠可動体600、盤可動体15の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠可動体600、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体駆動モータ600a、盤可動体駆動モータ15aの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図4参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押下操作されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図4参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押下操作されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
図12に示すように、呼び出しスイッチ180(呼び出しセンサ181と呼び出し用LED182の動作を制御可能な制御基板)が、中継基板108とサブ駆動基板107とを介して、サブ制御基板90に接続されている。そのため演出制御用マイコン91は、サブ駆動基板107と中継基板108とを介して、呼び出しセンサ181と呼び出し用LED182の動作を制御可能である。呼び出し用LED182は、呼び出しスイッチ180に設けられ、呼び出しスイッチ180の状態を、第1状態から第2状態を含む複数の状態間で変化させるものである。サブ制御基板90は、呼び出しスイッチ180の状態が第1状態(例えば点灯状態)であるとき、所定のコマンドに基づいて、呼び出しスイッチ180の状態を第2状態(例えば点滅状態)に変化させる。例えば、サブ制御基板90は、呼び出しスイッチ180の状態を点灯状態から点滅状態との間、消灯状態から点滅状態との間、消灯状態から点灯状態との間で変化させることができる。なお、呼び出しスイッチ180は、呼び出しボタン162の態様(点灯)とは異なる態様(点滅)で発光する。
呼び出しスイッチ180は、払出制御基板110を介して外部端子板(外部信号出力手段)150にも接続されている(図11参照)。
そして、演出制御用マイコン91は、遊技球を払い出せない状態や遊技停止状態など遊技機の異常に関連するコマンドを主制御基板80から受信し、この受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、呼び出しスイッチ180の呼び出し用LED182の点灯の制御を行う。
なお、呼び出し用LED182の点灯を制御するコマンドとしては、異常に関するコマンドを含む各種様々なコマンドをであってもよい。
なお図11及び図12は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図11及び図12に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図11又は図12に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図11又は図12に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
図11に示すように、外部端子板150は、払出制御基板110に接続されていて、払出制御用マイコン116により出力された信号に基づいて、各種の信号をデータ表示器160やホールコンピュータ170といった本パチンコ遊技機1の外部に配された外部装置に出力する。また外部端子板150は、払出制御基板110を介して主制御基板80に接続されていて、遊技制御用マイコン81により出力された信号に基づいて、各種の信号をデータ表示器160やホールコンピュータ170に出力する。外部端子板150は、呼び出しスイッチ180の操作情報に基づいて、外部に外部信号を出力する。
外部端子板150には、外部出力用の複数のチャネルが設けられている。各チャネルに対応するコネクタと、データ表示器160側のコネクタとは、ケーブルによって接続されている。そして各コネクタからそれぞれ1つの信号が外部に出力されるようになっている。
外部端子板150は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから大当たり信号を出力可能である。大当たり信号は、大当たり遊技の実行中であることを示す信号である。また外部端子板150は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから図柄確定信号を出力可能である。図柄確定信号は、変動表示されていた特別図柄が停止表示したことを示す信号である。また外部端子板150は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから賞球情報信号を出力可能である。賞球情報信号は、所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す信号である。また外部端子板150は、複数のチャネルのうち1つのチャネルから呼出信号を出力可能である。呼出信号は、後に詳述する呼び出しスイッチ180が押下操作されたことを示す信号である。
なお上述した信号の他にも、外部端子板150は、例えば遊技機枠50が開放されていることを示す枠開放信号や、電チュー22や大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)の未作動時にこれらの装置に係る入賞口に入賞があったことを示すセキュリティー信号、第1始動口20又は第2始動口21への入賞があったことを示す始動口信号、後述する高確率状態中であることを示す高確状態信号を各チャネルから出力できるようになっている。また上述した大当たり信号に加えて、大当たり遊技の実行中又は後述する電サポ制御状態中であることを示す信号(大当たり電サポ信号)等を出力可能に構成しても良く、外部端子板150から出力される信号の種類は適宜変更可能である。
本形態では、払出制御用マイコン116が外部端子板150に対して出力する信号(外端出力信号)や、遊技制御用マイコン81が外部端子板150に対して出力する信号(外端出力信号)は、それぞれ別個の信号(パラレルデータ)になっていて、パラレルデータのまま外部端子板150に入力される。パラレルデータが外部端子板150に入力されると、各チャネルに対応して設けられているフォトリレー等の信号伝達素子は、それぞれの入力信号に応じて導通状態/非導通状態を切替える。その結果、フォトリレーが導通状態になったチャネルから、外部出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、賞球情報信号、呼出信号等)が出力されることになる。
なお、払出制御用マイコン116が外部端子板150に対して出力する信号や、遊技制御用マイコン81が外部端子板150に対して出力する信号を、複数ビットの情報量を持つシリアルデータとしても良い。この場合には、シリアルデータが、図示しないS/P変換回路(シリアル/パラレル変換回路)によってパラレルデータに変換されて、パラレルデータとして外部端子板150に入力されることになる。
データ表示器160は、図柄確定信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて特別図柄の変動表示が行われた回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示器160のスタート回数表示部165に表示する。即ち、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aが入球を検出すると、検出信号が中継基板88を介して主制御基板80に入力される。これにより遊技制御用マイコン81は、後述する大当たり乱数等の各種乱数値を取得し、大当たりか否かを判定する。そして遊技制御用マイコン81は、大当たりか否かの判定結果を示す特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)を変動表示させたあと、停止表示(確定表示)する。このとき(停止表示されたタイミングにて)遊技制御用マイコン81は、特別図柄の確定表示を示す外端出力信号を払出制御基板110に出力する。そして、払出制御用マイコン116は、入力した特別図柄の確定表示を示す外端出力信号を外部端子板150に出力する。これにより外部端子板150は、図柄確定信号をデータ表示器160に出力する。その結果、データ表示器160は、スタート回数表示部165にて、特別図柄の変動表示が行われた回数を1だけ増加させて表示するようになっている。
またデータ表示器160は、大当たり信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて大当たりの発生回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示器160の大当たり回数表示部166に表示する。即ち、上述したように遊技制御用マイコン81が、取得した大当たり乱数に基づいて大当たりか否かを判定し、判定結果が大当たり当選である場合、大当たり当選であることを示す特別図柄を変動表示したあと、停止表示する。そして遊技制御用マイコン81は、大当たり当選であることを示す特別図柄の停止表示が終了すると、大当たり遊技(オープニング遊技、ラウンド遊技、エンディング遊技)の実行中であることを示す外端出力信号を払出制御基板110に出力する。なお、大当たり遊技の実行中であることを示す外端出力信号は、エンディング遊技が終了するまで出力され続ける。そして、払出制御用マイコン116は、入力した大当たり遊技の実行中を示す外端出力信号を外部端子板150に出力する。これにより外部端子板150は、大当たり信号をデータ表示器160に出力する。その結果、データ表示器160は、大当たり回数表示部166にて、大当たりの発生回数を1だけ増加させて表示するようになっている。
またデータ表示器160は、賞球情報信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて賞球数が10球増加するようにカウントし、そのカウント値をデータ表示器160の賞球数表示部(図示省略)に表示する。即ち、遊技球が第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、又は普通入賞口27に入賞した後に、賞球センサ122が実際に払い出された遊技球を検出すると、検出信号が払出制御基板110に入力される。これにより払出制御用マイコン116は、払い出した遊技球が10球に到達したと判定すると、賞球表示の増加を示す外端出力信号を外部端子板150に出力する。なお払出制御用マイコン116は、払い出した遊技球が10球に到達したと判定しなければ、賞球表示の増加を示す外端出力信号を出力しない。こうして、賞球表示の増加を示す外端出力信号を入力した外部端子板150は、賞球情報信号をデータ表示器160に出力する。その結果、データ表示器160は、図示しない賞球数表示部にて、賞球数を10だけ増加させて表示するようになっている。なおデータ表示器160が、外部端子板150から呼出信号を受信した場合については、後に説明する。
ホールコンピュータ170は、本パチンコ遊技機1を含め、ホール内に設置された各パチンコ遊技機の動作状況等の情報を集計して、営業管理や遊技管理等を行うための装置である。このホールコンピュータ170は、ホールの管理室等に設置されていて、データ表示器160を介してパチンコ遊技機1に接続されている。そのためホールコンピュータ170にも、上記した各種の外部出力信号(大当たり信号、図柄確定信号、賞球情報信号、呼出信号等)が入力される。なおホールコンピュータ170は、データ表示器160を介さずに外部端子板150に接続されていても良い。
3.呼び出しスイッチの構成
次に、呼び出しスイッチ180の構成について説明する。本形態では、呼び出しスイッチ180が、遊技機の外部ではなく、本パチンコ遊技機1自体に設けられている点に特徴がある。図4に示すように、呼び出しスイッチ180は、遊技者によって押下操作可能で遊技機が設置されたホールのスタッフを呼び出すためのボタンであり、呼び出しスイッチ180に対する押下操作は、当該呼び出しスイッチ180に内蔵されている呼び出しセンサ181(図11参照)により検出される。
呼び出しセンサ181は、光を発光する発光部と、発光部からの光を受光する受光部とを有するフォトセンサであり、押下操作によって発光部からの光が遮られることで当該押下操作を検出するものである。従って呼び出しセンサ181は、押下操作されている間だけ検出しているというモーメンタリ動作タイプである。なお、
この呼び出しスイッチ180は、表面側にスモークレンズ175を有するとともに、スモークレンズ175から見て内側に名称表示部材176及び呼び出し用LED(光発生手段)182(図11参照)を有している。名称表示部材176は、「呼び出しスイッチ」の文字部分だけが赤色カラーフィルタになっているシール部材を、シール台座178に貼付したものである。呼び出し用LED182は、名称表示部材176の下方に配されていて、上方に向かって光を照射可能なものである。シール部材177及びシール台座178は、共に光透過性を有する部材で構成されている。またスモークレンズ175は、光透過性を有する灰色又は黒色の合成樹脂材で構成されている。
本パチンコ遊技機1に対して電源投入されると、電源基板190から供給される電力は、各種制御基板の他、呼び出し用LED182にも供給されるようになっている。
そのため本形態では、呼び出し用LED182は、電源投入後に点灯(発光)し続ける点灯状態になる。これにより、呼び出し用LED182が放つ上向きの光は、名称表示部材176及びスモークレンズ175を通って遊技者に届く。そのため図4に示すように、呼び出しスイッチ180では、名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字が赤色の文字として遊技者からはっきりと視認可能となる。その結果、遊技者には呼び出しスイッチ180が使用できる状態になっていることを認識させることが可能である。
サブ制御基板90は、遊技球を払い出せない状態や遊技停止状態などの異常に関連するコマンドを主制御基板80から受信すると、サブ駆動基板107及び中継基板108を介して、呼び出し用LED182の点灯の制御を行って、呼び出し用LED182を点灯状態から点滅状態に切り替える。図13に示すように、呼び出しスイッチ180では、名称表示部材176に施された「呼び出しスイッチ」の文字が赤色で点滅するように視認可能となる。これにより遊技機が遊技球を払い出せない状態や遊技停止状態などでホールスタッフを呼び出すべき状態となった場合には、呼び出し用LED182を点灯から点滅として押し下げすることをアピールする態様を取ることができる。
これに対して、呼び出しスイッチ180が押下操作されると、呼び出しセンサ181による検出信号が、呼び出し用LED182の点灯を制御するサブ制御基板90に入力される。これにより、サブ制御基板90は、呼び出しセンサ181による検出信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて、呼び出し用LED182を点滅状態から点灯状態に切替える。なお、呼び出し用LED182を点滅にすることで遊技者にその変化を知らせるようにしているが、点灯から点滅、点滅から点灯、消灯から点灯等点灯状態はどのように変化させてもよい。
本形態では、図11に示すように、呼び出しスイッチ180(呼び出しセンサ181)は、払出制御基板110を介して外部端子板150に接続されている。但し、呼び出しセンサ181による検出信号(第2信号)は、払出制御基板110に入力されるものの、払出制御用マイコン116の制御処理に用いられることはなく、そのまま外部端子板150に出力される。つまり、払出制御基板110は、呼び出しスイッチ180と外部端子板150との間では、中継基板の役割を果たすことになる。
ここで図14に基づいて、払出制御基板110と外部端子板150の電気回路図について、説明する。払出制御基板110には、呼び出しセンサ181側にフォトカプラ125が実装されていて、外部端子板150側にDMOSトランジスタアレイ127が実装されていて、フォトカプラ125とDMOSトランジスタアレイ127の間に、CMOSデジタル集積回路126が実装されている。フォトカプラ125では、呼び出しセンサ181から検出信号を入力すると、ダイオードが光る。これにより、フォトトランジスタが照らされ、フォトトランジスタのコレクタ‐ベース間に電流(光電流)が流れて、導通状態なる。CMOSデジタル集積回路126では、入力端子A1へ電流が流れると、出力端子Y1からDMOSトランジスタアレイ127へ電流を流す。DMOSトランジスタアレイ127では、入力端子I4へ電流が流れると、出力端子O4から外部端子板150へ電流を流す。
外部端子板150には、フォトMOSリレー151が実装されている。フォトMOSリレー151では、DMOSトランジスタアレイ127からの電流が流れると、ダイオードが光る。これにより、光発電セルがFET(電界効果型トランジスタ)のゲート容量を充電して、FETが導通状態になる。その結果、外部端子板150からデータ表示器160へ呼出信号が出力されるようになっている。
このように払出制御基板110が呼び出しセンサ181による検出信号を入力しても、その検出信号と払出制御用マイコン116による払い出しに係る制御処理とは無関係になっている。
以上により、呼び出しスイッチ180が押下操作されることに基づいて、外部端子板150からデータ表示器160に呼出信号(外部信号)が出力されると、データ表示器160は、呼出状態を示すために呼び出し用ランプ164を発光させて点灯させる。この外部信号は、ホールに設置される呼び出し用ランプ164を点灯させるための信号である。
そしてデータ表示器160は、ホールコンピュータ170(図11参照)に呼出用の信号を送信して、当該データ表示器160が呼出状態になっているのを把握させることが可能である。これにより、ホールの従業員を、呼び出しスイッチ180が押下操作された本パチンコ遊技機1に呼び寄せることが可能である。
その後、遊技者や、呼び寄せられたホールの従業員が呼び出しスイッチ180を押下操作すると、呼び出しスイッチ180による検出信号が、払出制御基板110を介して外部端子板150に出力される。これにより、外部端子板150は、呼出信号をデータ表示器160に出力する。こうして、呼出状態であるときに呼出信号を入力したデータ表示器160は、非呼出状態を示すために呼び出し用ランプ164を消灯させる。そしてデータ表示器160は、ホールコンピュータ170(図11参照)に非呼出用の信号を送信して、当該データ表示器160が非呼出状態に切替わったのを把握させることが可能である。
次に、図15に基づいて、データ表示器160の呼出状態と非呼出状態との切替わりについて、説明する。先ず初期状態においては、データ表示器160は非呼出状態(呼び出し用ランプ164の消灯状態)になっている。そして、時刻t1のときに、呼び出しスイッチ180が押下操作されると、外部端子板150から呼出信号がデータ表示器160に出力される。これにより、時刻t1の直後である時刻t2のときに、データ表示器160が非呼出状態から呼出状態(呼び出し用ランプ164の点灯状態)に切替わる。こうして、本パチンコ遊技機1の周りを徘徊しているホールの従業員に対して、データ表示器160が呼出状態になっているのを把握させることが可能である。つまり、呼び出しスイッチ180の押下操作に基づいて、本パチンコ遊技機1の上方にある呼び出し用ランプ164も発光する。そのため、徘徊しているホールの従業員に呼出状態を気付かせ易くすることが可能である。
本形態の呼び出しスイッチ180は、上述したように、押下操作されている間だけ検出信号を出力するというモーメンタリ動作タイプである。従って、呼び出しスイッチ180に対する押下操作が解除されると、呼び出しセンサ181による検出信号が出力されなくなり、外部端子板150からの呼出信号も出力されなくなる。しかしながら、データ表示器160は、時刻t2のときに呼出状態に切替わった後、呼出信号を受信しなくなっても、呼出状態のままである。
そして、時刻t3のときに、再び呼び出しスイッチ180が押下操作されると、外部端子板150から呼出信号がデータ表示器160に出力される。これにより、時刻t3の直後である時刻t4のときに、データ表示器160が呼出状態から非呼出状態に切替わる。つまり、データ表示器160の呼び出し用ランプ164が点灯から消灯に切替わる。こうして、時刻t1のときに呼び出しスイッチ180を押下操作した後、例えば遊技者が誤操作であったことを認識した場合には、再び呼び出しスイッチ180を押下操作することで、呼出状態を解除することが可能である。
その後、時刻t5のときに、呼び出しスイッチ180が押下操作されると、外部端子板150から呼出信号がデータ表示器160に出力される。これにより、時刻t5の直後である時刻t6のときに、データ表示器160が非呼出状態から呼出状態に切替わる。そして呼出状態に切替わった後、時刻t7のときにデータ表示器160の呼び出しボタン163を押下操作したとする。この場合、時刻t7の直後である時刻t8のときに、データ表示器160が呼出状態から非呼出状態に切替わる。つまり、呼び出し用ランプ164が点灯から消灯に切替わる。こうして、呼び出しスイッチ180の押下操作に基づいて呼出状態になった後、例えば呼び寄せられたホールの従業員がデータ表示器160の呼び出しボタン163を押下操作しても、呼出状態を解除することが可能である。
図16は、本実施形態に係る遊技機の主制御基板80による呼び出しスイッチ180の制御のためのコマンド処理のフローチャートである。図17は、本実施形態に係る遊技機のサブ制御基板90による呼び出し用LED182の処理フローチャートである。
主制御基板80は、当該遊技機の状態に応じて複数のコマンドを生成しており、遊技機が遊技球不足や払い出し異常等で遊技球を払い出せない状態や、磁気検出等により遊技停止状態など、所定の状態を検出すると(ステップS11で「YES」)、サブ制御基板90に対し、各種コマンドを送信する(ステップS12)。
サブ制御基板90は、待機状態においては呼び出しスイッチ180を第1状態に制御している(ステップS21)。サブ制御基板90は、呼び出しスイッチ180の状態が第1状態であるとき、主制御基板80から送られてくる所定のコマンドに基づいて、呼び出しスイッチ180の状態を第2状態に変化させる(ステップS22、S23)。例えば、サブ制御基板90は、呼び出しスイッチ180の状態を点灯状態(第1状態)から点滅状態(第2状態)との間、消灯状態(第1状態)から点滅状態(第2状態)との間、消灯状態(第1状態)から点灯状態(第2状態)との間で変化させることができる。これにより、遊技者は、遊技機が遊技球を払い出せない状態や遊技停止状態などでホールスタッフを呼び出すべき状態となったことを把握して、呼び出しスイッチ180を押し下げすることでホールスタッフを呼び出すことができる。
呼び出しスイッチ180が押下操作されると、呼び出しセンサ181による検出信号が、呼び出し用LED182の点灯を制御するサブ制御基板90に入力される。これにより、サブ制御基板90は、呼び出しセンサ181による検出信号の非受信から受信への切替わり(ONエッジ)に基づいて、呼び出し用LED182を点滅状態(第2状態)から点灯状態(第1状態)に切替える(ステップS24で「Y」、ステップS25)。
次に本形態の技術的意義について説明する。
本形態では図6に示すように、上側装飾ユニット200の前端位置P1は、操作機構ユニット230の前端位置P2よりも前方にあるため、遊技者から見れば上側装飾ユニット200が迫出すように見えて、上側装飾ユニット200を強調して見せることが可能である。しかしながら、座りながら遊技を行っている遊技者にとっては、前方に突出する上側装飾ユニット200により、遊技機1の上方に設置されているデータ表示器160の視認性及び操作性が悪化する。特に、図7に示すように、枠可動体600が突出位置にあるときには、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方にあるため、データ表示器160の呼び出しボタン163に手が届き難くなる。加えて、図8に示すように、枠可動体600の前端位置P3が、前方に突出している上側装飾ユニット200よりも更に前方に飛び出ているため、背の低い遊技者では座った状態で呼び出しボタン163を押下操作するのは、ほぼ不可能になる。
そこで本形態では、パチンコ遊技機1自体に呼び出しスイッチ180を設けている。そのため、遊技中に不具合又は故障が生じたとき、呼び出しスイッチ180を押下操作することで、座った状態でホールの従業員を呼び寄せることが可能である。また本形態の呼び出しスイッチ180では、押下操作される前において図4に示すように、呼び出し用LED182の発光により、「呼び出しスイッチ」の文字が赤色の文字として視認可能になっている。従って、パチンコ遊技機1に呼び出しスイッチ180が設けられているのを知らない遊技者に対して、呼び出しスイッチ180の存在を分かり易くしている。
前方に突出する上側装飾ユニット200や、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出する枠可動体600により、データ表示器160の呼び出し用ランプ164の発光が見え難い、又は完全に見えない可能性がある。そこで本形態では、遊技球を払い出せない状態や遊技停止状態になると、図13に示すように、呼び出し用LED182が点滅することで、「呼び出しスイッチ」の文字が赤色で点滅するように視認可能となる(図14参照)。これにより、遊技者は、呼び出し用ランプ164の点灯を見ないでも、現時点が呼出中になっているのを把握することが可能である。呼び出しスイッチ180の押し下げが有効な状態で呼び出しスイッチ180を点灯させておき、イザとなった際には呼び出しスイッチ180の電飾を点滅させることで目立たせて利用しやすくすることができる。
その後、再び呼び出しスイッチ180を押下操作すれば、当該呼び出しスイッチ180において「呼び出しスイッチ」の文字による赤色の点滅が終了する(図4に示すように、赤色で点灯し続ける状態に切替わる)。従って、現時点が呼出中であることの報知の終了方法も、把握し易くなっている。
ここで本形態では、図11に示すように、呼び出しセンサ181による検出信号が、払出制御基板110に入力されるものの、払出制御用マイコン116の制御処理に用いられることなく、外部端子板150に出力される。
4.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、呼び出しスイッチ180に対して押下操作すると、外部端子板150から呼出信号がデータ表示器160に出力される。これにより、ホールの従業員を呼び寄せることが可能である。つまり、パチンコ遊技機1に異常が生じた場合に、遊技者が席を立ってデータ表示器160の呼び出しボタン163を押下操作したり、ホールの従業員を呼びに行く必要がないため、快適に遊技させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技機が遊技球を払い出せない状態や遊技停止状態などでホールスタッフを呼び出すべき状態となった場合には、図13に示すように、当該呼び出しスイッチ180において「呼び出しスイッチ」の文字が赤色で点滅させることができる。これにより、データ表示器160の呼び出し用ランプ164を見ないでも、現時点が呼出中であることを把握することが可能である。