まず、本発明の遊技用管理装置である台端末が適用された本実施例の遊技用システムの構成は、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設される遊技機であるカードリーダ(CR)式パチンコ機(以下パチンコ機)2と、該パチンコ機2に対して1対1に対応設置されるプリペイドカードであるビジターカードまたはプリペイドカード機能を有する会員カードを、遊技媒体であるパチンコ玉の貸出しや貯玉の再使用(再プレイ)に使用可能とするためのカードユニット3と、各パチンコ機2の遊技情報や各パチンコ機2へのパチンコ玉の供給情報等の各種情報が入力される台端末5、該台端末5に入力された遊技情報等の各情報を、接続されている各台端末5から更に収集する各遊技島毎に設置された島端末6と、各島端末6にて収集された当該遊技場に設置されている各パチンコ機2の情報を受信し、該受信した各パチンコ機2の情報に基づいて各パチンコ機2における遊技状態や賞球数や打込玉数等や、始動回数や大当り回数、確変回数、大当り履歴等の各パチンコ機2に関する情報を管理するホールコンピュータ140とから主に構成されている。
本実施例のパチンコ機2と台端末5とは、図1並びに図5に示すように信号ケーブル9を介して接続されており、各台端末5はさらに通信ケーブル10を介して島端末6と接続されており、これら台端末5と島端末6とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、島端末6からのデータ出力指示に基づいて、台端末5が各パチンコ機2等から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報を含むデータを送信するようになっている。
更に、これら各島端末6はハブ7を介して通信ケーブル8にてホールコンピュータ140に接続されていて、島端末6とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、前記島端末6にて各台端末5から収集された各パチンコ機2から収集した遊技情報を含むデータがまとめられて、前記ホールコンピュータ140に所定時間毎に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各パチンコ機2に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
まず、本実施例に用いた前記パチンコ機2について説明すると、本実施例に用いたパチンコ機2は、図2に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠102を有し、該ガラス扉枠102の下部表面には打球供給皿103がある。打球供給皿103の上面所定箇所には、操作部14が設けられているとともに、打球供給皿103の下部には、打球供給皿103から溢れた景品玉を貯留する余剰玉受皿104と打球を発射する打球操作ハンドル(以下操作ノブ)105とが設けられている。
また、前記操作部14の上面には、図3に示すように、前記カードユニット3においてビジターカードまたは会員カードより読み出された度数が表示される度数表示部17と、遊技の開始または前記打球供給皿103に持玉が少なくなったか或いは無くなった際に押圧操作されることで、前記度数表示部17に度数(プリペイド残額の100円を1単位とする値)が存在する場合に所定数量のパチンコ玉の貸出がパチンコ機2より実施される貸出ボタンスイッチ16と、遊技の終了時にて前記カードユニット3に受付中のビジターカードまたは会員カードを返却させるための返却ボタンスイッチ15と、が設けられており、これら各部は操作部14内部に設けられている操作基板18上に実装されている。
前記ガラス扉枠102の後方には、図2に示すように、遊技盤106が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤106の前面には遊技領域107が設けられている。この遊技領域107の中央付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特別可変表示部109と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される普通可変表示部110とが設けられている。また遊技盤106には、複数の入賞口124や通過ゲート111、始動入賞口114と可動片115から構成された可変始動入賞球装置113、大当り状態において開成する開閉板120を備える可変入賞球装置116が設けられているとともに、遊技領域107の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口126が形成されている。
前記打球操作ハンドル105の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域107に入り、その後、遊技領域107を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域107に達しなかったパチンコ玉は、図示しない環流経路を通じて前記余剰玉受皿104に環流されるようになっている。
また、前記遊技領域107に打ち込まれた打込玉が通過ゲート111を通過すると、普通可変表示部110に停止表示されている普通図柄が可変開始する。
普通可変表示部110の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば7)となった場合に、前記可変始動入賞球装置113に設けられた可動片115が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間(本実施例では0.5秒間)開成して遊技者にとって有利な状態となる。
また、始動入賞口114にパチンコ玉が入賞すると、パチンコ機2の内部に設けられている後述する遊技制御基板231において抽選が実施され、特別可変表示部109において該抽選結果に応じた態様の表示演出による全特別図柄の可変表示(変動表示)が開始されるとともに、パチンコ機2の前面に設けられた遊技効果ランプにおいて該抽選結果に応じた態様の点灯演出が後述するランプ制御基板235により開始される。
そして、抽選の結果が大当りに当選している抽選結果の場合には、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777や444)となるように、左、中、右の特別図柄が停止するように可変表示が停止される。そして、これら特定の表示態様(たとえば777や444)となった場合、つまり、抽選結果が大当りに当選している場合に、該パチンコ機2において遊技を行うための多量の遊技媒体であるパチンコ玉を遊技者が獲得可能な遊技状態である大当り状態が発生する。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置116に設けられた開閉板120が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了した後、開閉板120が閉じた遊技者にとって不利な第2の状態となる。その後、前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
また、前記始動入賞口114への入賞に応じて後述する遊技制御基板231にて実施される抽選においては、大当り状態のみを発生させる抽選とともに、通常遊技状態と比較して大当り状態が発生する可能性が遊技状態である確率変動状態を発生させる抽選も実施され、前記抽選結果が確率変動状態を発生させる抽選に当選している抽選結果である場合には、その停止表示結果が予め定められた確率変動図柄に一致した大当り図柄の組合せ(たとえば777や333)となるように、左、中、右の特別図柄が停止するように可変表示が停止される演出制御が実施され、該演出制御後において当該抽選結果に応じた遊技状態である大当りとするための遊技状態制御、具体的には、前記繰返し継続制御による「大当り状態」とされるとともに、該「大当り状態」の終了後に、次の大当りが発生するまでの間において再度大当りとなる確率が通常の確率状態よりも高い確率状態となる確率変動状態(確変状態)となる。該確率変動状態中においては、大当りの当選確率を高める制御とともに、さらに、次回の大当り発生時まで普通可変表示部110の1回の可変表示時間を通常遊技状態中よりも短縮制御され、可動片115の開成制御や開成時間の延長制御等が実施される後述する時短状態にもなる。尚、これら確率変動図柄での大当りを、前記確率変動図柄以外(たとえば444や888)の「通常大当り」と区別して「確変大当り」と呼称し、これら大当り状態や確率変動状態において、後述する大当り信号1や大当り信号2が、後述する情報出力基板298より外部に出力される。
この確率変動状態においては、確率変動状態であることがパチンコ機2の前面に設けられている遊技効果ランプ等の点灯態様が確率変動状態に対応した態様にランプ制御基板235によって変更されることで報知されるとともに、次の大当りが発生するまでの間において、前記可変始動入賞球装置113に設けられた可動片115が遊技者にとって有利な開成状態となる頻度が、普通可変表示装置110の普通図柄の可変表示開始から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片115が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(例えば0.5秒が3秒に延長)される時短状態にもなることで、前記特別可変表示部109での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、確率変動状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
そして、確率変動状態中において発生した大当りが、再度、確率変動図柄による「確変大当り」である場合には、該大当り状態の終了後に再度確率変動状態となるため、「確変大当り」が連続して発生することで大当り状態の連荘が継続する。
また、確率変動状態中において発生した大当りが、前記確率変動図柄以外の「通常の大当り」であった場合には、確率変動状態が終了するとともに、該大当り状態の終了後に前記確率変動状態とならずに、前記可変表示部109が可変表示動作を所定回数(例えば100回)行うか或いは前記大当り状態が発生するかいずれかの条件が成立するまでの間、前記始動入賞口114に設けられた可動片115が、遊技者にとって有利な開成状態となる頻度が向上することにより通常遊技状態と比較して大当りが発生する可能性が高い時短状態が発生する。
これら時短状態における遊技者にとって有利な可動片115が開成状態となる頻度の向上は、前記確率変動中における可動片115の開成頻度の向上とほぼ同様に、普通可変表示装置110の普通図柄の可変表示から停止表示までの時間が通常の遊技状態よりも短縮(例えば30秒から3秒へ短縮)されることで向上されるとともに、前記可動片115が開成している期間が通常遊技状態よりも延長(例えば0.5秒が3秒に延長)されることで、前記特別可変表示部109での可変表示が開始される始動入賞がし易い状態が保持されるとともに、該始動入賞に伴う賞球が払い出されることで、これら時短状態中において、遊技者の持ち玉が大きく減少しないようになっている。
次に、パチンコ機2の背面の構造について図4に基づき説明する。パチンコ機2の遊技盤106の裏面側には、機構板236が設けられている。この機構板236の上部には玉タンク238が設けられ、前記遊技島の上部の供給樋24の側面に設けられた分流樋24’より導出された供給管23よりパチンコ玉が玉タンク238に供給される。玉タンク238内のパチンコ玉は、誘導樋239を通って玉払出装置297に供給される。
分流樋24’の下方には、供給管23を通じてパチンコ機2に供給されるパチンコ玉を計数するための供給玉計数器25が設けられており、該供給玉計数器25にて所定数である10玉のパチンコ玉が計数される毎に、所定パルスの供給玉計数信号が出力される。
また、供給玉計数器25の内部には、パチンコ玉の供給の実施/停止を行うための図示しないシャッタが設けられており、図4に示すように、玉タンク238に設けられて、玉タンク238内のパチンコ玉の有無を、開放するように付勢された作動子21がパチンコ玉により押圧されて閉じることにより検出する供給スイッチ20が、接続ケーブル22を介して該供給玉計数器25に接続されている場合においては、供給スイッチ20がパチンコ玉を検知してスイッチがONとなることで、スイッチONの信号が入力されている時には、シャッタが閉じられてパチンコ玉の供給を停止する一方、スイッチOFFの信号が入力されている時には、シャッタが開放されることで、パチンコ玉の供給が実施されるようになっている。
尚、供給スイッチ20が接続されていない場合には、スイッチOFFの信号が入力されている時と同じく、常時、シャッタが開放されることで、パチンコ玉の供給が常時実施されるようになっている。
つまり、本実施例では、供給玉計数器25に供給スイッチ20が接続されて、ほぼ所定量(例えば約200玉)のパチンコ玉が一時期に集中して玉タンク238に補給される定量補給のタイプと、供給玉計数器25に供給スイッチ20が接続されておらず、玉タンク238内のパチンコ玉の減少に応じて、逐次、少量(例えば10玉)のパチンコ玉が補給される常時補給のタイプのパチンコ機2が、混在して設けられており、これら定量補給のタイプと、常時補給のタイプとが本発明における供給形態種別に該当する。すなわち、常時補給のタイプの場合における補給単位は、定量補給の補給単位よりも小さいものとなる。
機構板236には、可変表示部109の表示制御を行う表示制御基板280等が搭載された可変表示制御ユニット229、基板ケース232に覆われ遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板231、パチンコ玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球制御基板237が設置されている。さらに、機構板236には、駆動モータ294の回転力を利用して遊技球を遊技領域107に発射する打球発射装置234と、打球発射装置の制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された発射制御基板291と、スピーカ227および遊技効果ランプ・LED等に信号を送るためのランプ制御基板235と、ガラス扉枠102の後方に設けられた図示しないスピーカから出力する音声制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された音声制御基板270と、が設けられている。
これら本実施例に用いたパチンコ機2の構成を図5に基づいてまとめると、パチンコ機2には、前記可変表示部109の表示制御を行う表示制御基板280と、前記打球操作ハンドル105の操作に基づき打球供給皿103に払い出されたパチンコ玉を遊技領域107に発射する打球発射装置の制御を行う発射制御基板291と、玉タンク238(図4参照)に供給されたパチンコ玉の払出を実施する玉払出装置297に接続され、後述の遊技制御基板231から出力される賞球信号並びにカードユニット3より入出力される貸与信号に基づきパチンコ玉の払出制御を行うとともに、前記玉払出装置297から払い出された賞球数の情報(賞球信号)を出力する賞球制御基板237と、遊技効果ランプ等の制御を実施するランプ制御基板235と、スピーカから出力される音声の出力制御を行う音声制御基板270と、図5に示すように、大当り状態中であることを示す大当り信号1や、大当り状態或いは確率変動状態或いは時短状態のいずれかの状態であることを示す大当り信号2とともに、前記可変表示部109における可変表示の表示が確定したことを示すスタート信号(始動信号)並びに前記賞球信号(中継)を、所定の信号形態にて出力する情報出力基板298と、これら各部の制御や前述の各種の抽選等を実施する遊技制御基板231とが設けられており、これらは図5に示すように接続され、前述の打球供給皿103に払い出されたパチンコ玉を使用して遊技を実施できるようになっている。
また、賞球制御基板237は、信号ケーブル9の一部を通じて前記台端末5に接続されていて、前記玉払出装置297から払い出された賞球数が所定球数毎(例えば10個毎)に達する毎に所定時間幅のパルスとして賞球信号を該台端末5に出力するとともに、前記カードユニット3内に設けられている制御ユニット328にフラットケーブル(FK)を通じて、インターフェイス基板237’を介して接続されており、図6に示すように、台端末貸出完了信号(EXS)や台READY信号(PRDY)が前記カードユニット3の制御ユニット328に出力するようになっているとともに、該制御ユニット328より出力される本発明の貸与信号となるカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっていて、これらの信号の授受に基づいて、該賞球制御基板237が前記玉払出装置297からのパチンコ玉の払い出しを実施することで、該カードユニット3のカードリーダライタ327に受付け中のビジターカードまたは会員カードに記録されているプリペイド残額に応じた度数を使用したパチンコ玉の貸出が、パチンコ機2において実施されるようになっている。
また、前記情報出力基板298は、図5に示すように、信号ケーブル9を介して台端末5に接続されており、該情報出力基板298からは、図5に示すように大当り発生中において継続して出力される大当り信号1や、大当り状態中或いは時短状態中或いは確率変動状態中のいずれかの状態中において継続して出力される大当り信号2や、特別可変表示部109における特別図柄の停止表示時に所定時間幅のパルスとして出力されるスタート信号(始動信号)が出力され、これら各信号が信号ケーブル9を介して台端末5に入力される。
これら信号ケーブル9の一部は、前述した供給玉計数器25に接続されて、該供給玉計数器25から出力される供給玉計数信号が入力されるようになっているとともに、パチンコ機2の下方に、該パチンコ機2において遊技に使用されたパチンコ玉を計数するために設けられているアウト球計数器26(図2参照)にも接続されており、該アウト球計数器26において所定球数(本実施例では10玉)のアウト玉(打込玉)数が計数される毎に所定時間幅のパルスとして出力されるアウト玉計数信号が台端末5に入力されるようになっている。
更に、信号ケーブル9の一部は、カードユニット3にも接続されており、該カードユニット3において後述する貸出処理が実施されて、対応するパチンコ機2に上述した、図6に示すように、カードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が出力されるのに伴って、貸出しされる度数分に相当するパルス数(BRQ数と同数)から成る玉貸信号や、後述する再プレイ処理が実施されて、対応するパチンコ機2に上述した、図6に示すように、カードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)が出力されるのに伴って、払出されるパチンコ玉が相当する度数分のパルス数(BRQ数と同数)から成る再プレイ(遊技)信号が台端末5に入力されるようになっている。
ここで、本実施例に用いたカードユニット3について、図2並びに図5に基づいて簡潔に説明すると、本実施例のカードユニット3の前面には、主に、図2に示すように、フルカラーLEDにより構成され、複数の色に点灯することによりカードユニット3の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301等の各種表示部と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309が設けられている。
カードユニット3の前面に設けられたカード挿入口309は、カードユニット3の下方位置に内蔵されるカードリーダライタ327(図4参照)のカードスロット392に連通されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロット392に挿入可能とされている。
尚、ビジターカードは、遊技場に会員登録を実施していない一般の遊技者が使用するもので、図示しないカード発行機において購入可能とされているとともに、会員カードは、遊技場に会員登録を実施することで会員となった遊技者に対し発行されるものであり、これらビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KC始まるカードIDが書き換え不能に予め記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされている。
また、ビジターカード並びに会員カードには、これらカードIDに加えて、遊技用価値であるプリペイド残額を特定可能な遊技用価値特定情報となるプリペイド残額データ等の各種データが記憶されている。
尚、会員カードには、各会員を個々に識別可能な会員IDが記録されているとともに、これら会員IDに対応付けて、該会員カードを所持する会員遊技者が所有する所有遊技媒体数となる貯玉数が、図示しない会員管理コンピュータにて管理されていることで、該会員IDから該会員カードを所持する会員遊技者が所有している貯蓄玉数を特定できるようになっている。
カードユニット3の前面には、前方に突出する態様にて突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、図2に示すように、各種情報を表示可能な表示部312と、メインメニュー画面を表示させるためのメニューボタン316と、台データを表示させるための台データボタン318と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、再プレイボタン319の操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部320とが設けられており、該表示部312の表面には、表示部312に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネルが設けられている。
また、該突出部305内部には、表示部312を成す後述する液晶表示器や各ボタンに対応するスイッチや、液晶表示器の表示制御や、透明タッチパネルによる入力位置検出等を実施する表示制御マイコン等が実装された表示制御基板329(図5参照)が格納されている。
カードユニット3内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット328に出力する紙幣識別ユニット321が設けられており、該紙幣識別ユニット321にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付けが可能とされており、これら識別された金額を、受付け中のビジターカード或いは会員カードのプリペイド残額に加算更新する入金処理が可能とされている。
本実施例のカードユニット3は、図5に示すように、紙幣識別ユニット321と、カード挿入口309から挿入されたビジターカードや会員カードの読み出し並びに書き込みを行うカードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3の各種の機能を提供する制御ユニット328と、から主に構成されており、紙幣識別ユニット321、カードリーダライタ327及び表示制御基板329は制御ユニット328と接続されて各種データの送受が可能とされている。
本実施例の制御ユニット328は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)や、カードリーダライタ327に受付け中のビジターカードや会員カードのカードID並びにプリペイド残額や、貯玉数等を記憶可能なRAM328bや、中央演算処理回路(CPU)が実行する制御プログラムや、当該カードユニット3の装置IDを含む設定情報等の各種のデータを書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROMを含み、RAMは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
制御ユニット328は、遊技者が貸出ボタンスイッチ16の操作を実施した場合には、以下に示す貸出処理を実施する。
この貸出処理においては、まず、挿入された会員カード或いはビジターカードから読み出してRAMに記憶しているプリペイド残額が、対応するパチンコ機2における貸出単位である25球に相当する1度数=100円未満であるか否かを判定し、プリペイド残額が1度数=100円未満である場合には該判定において「Yes」と判定されて、該貸出処理を終了して待機状態に戻る一方、プリペイド残額が1度数=100円以上である場合には、次のステップに進み、プリペイド残額が本実施例において貸出処理の使用度数として設定されている5度数=500円以上であるか否かを判定する。
プリペイド残額が使用度数である5度数=500円以上である場合には、使用度数玉貸処理を実施する一方、使用度数である5度数=500円未満である場合には、表示度数玉貸処理を実施する。
この使用度数玉貸処理においては、使用度数となる5度数=500円に相当するパチンコ玉数の払出指示、具体的には、1度数である25玉の払出を指示する信号を5回出力して、5度数=500円分に相当する125玉の払出を、対応するパチンコ機2に実施させる。
具体的には、図6に示すように、パチンコ機2より出力されるPRDYのHIGH/LOWを判定し、PRDYがHIGHである場合には、所定のエラー処理を実施し、貸与処理を終了する。
また、前記PRDYがLOWである場合には、BRDYをLOWに切替えた後、BRQをLOWとして、パチンコ機2からのEXSのHIGHの検出待ちの状態となり、該EXSのLOWの検出に基づきBRQをHIGHに切替え、EXSのHIGHの検出待ちの状態となる。
次いで、パチンコ機2における1度分の払出が完了され、EXSのHIGHを検出すると、制御ユニット328は、度数表示部17に表示されているプリペイド残額に対応する度数と、RAMの所定領域に記憶されているカードテーブルのプリペイド残額データ並びに受付け中の会員カード或いはビジターカードに記憶されているプリペイド残額データから該1度分に相当する100円を減算更新し、BRQの回数をカウントし、該カウントしたBRQの回数を使用度数である5度数に相当する5回と比較する。
この比較において前記カウントしたBRQの回数が5度数に一致しない場合には、再び前述の1度分の払出処理を実施するようになっており、前記した使用度数との比較においてカウントしたBRQの回数が5度数に一致した場合には、BRDYをHIGHとする。
そして、各ビジターカード並びに会員カードに残存するプリペイド残額を管理する図示しないシステムコントローラに対して、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、受付け中の会員カード或いはビジターカードのカードIDと、使用度数に相当する使用額(500円)とを含む貸出完了通知を送信して、システムコントローラにて該カードIDに対応付けて記憶されているプリペイド残額から該使用額を減算更新させる。
また、上記したBRQの出力に伴って、制御ユニット328は、BRQの回数に相当する5パルスを含む玉貸信号を、信号ケーブル9を介して台端末に出力する。
そして、受付け中のカードがビジターカードであるか否かを判定し、ビジターカードでない場合には該貸出処理を終了して待機状態に戻る一方、ビジターカードを受付け中である場合には、度数表示部17に表示されている度数が0であるか否かを判定し、度数が0である場合には、該度数が0となった、つまり、プリペイド残額が0となったビジターカードを返却(排出)して、待機状態に戻る。
一方、表示度数玉貸処理においては、度数表示部17に表示されている度数(RAMのカードテーブルに記憶されているプリペイド残額に相当)分の払出指示、例えば、4度数であれば、1度数である25玉の払出を指示する信号である「BRQ」を4回となるまで出力して、400円分に相当する4度数=100玉の払出しを、上述した使用度数の払出の場合と同様にして対応するパチンコ機2に実施させるとともに、度数表示部17に表示されている度数と、カードテーブルのプリペイド残額データ並びに受付け中の会員カード或いはビジターカードに記憶されているプリペイド残額データを「0」に更新する。
そして、システムコントローラに対して、当該カードユニット3に固有に付与された装置IDと、受付け中の会員カード或いはビジターカードのカードIDと、使用金額である400円とを含む貸出完了通知を送信して、システムコントローラにてカードIDに対応付けて記憶されているプリペイド残額から使用額である400円を減算更新させて、プリペイド残額を「0」とする。
尚、上記したBRQの出力に伴って、制御ユニット328は、BRQの回数に相当する4パルスを含む玉貸信号を、信号ケーブル9を介して台端末に出力する。
そして、前述した使用度数の場合と同様に、受付け中のカードがビジターカードであってプリペイド残額が0であるか否かを判定し(この場合においては、必ず0であると判定される)、ビジターカードであってプリペイド残額が0である場合には、該ビジターカードを返却する。
また、制御ユニット328は、前述した再プレイボタン319の操作に応じて再プレイ処理を行う。
この再プレイ処理においては、まず、RAM内の所定領域に記憶されているカードテーブルに、会員カードの受付け時において図示しない会員管理コンピュータから入手して格納している貯玉数が所定の再プレイ単位玉数(5度数に相当する125玉+手数料10玉=135玉)以上であるか否かを判定する。
貯玉数が所定の再プレイ単位玉数以上である場合には、カードテーブルに記憶されている貯玉数から、再プレイ単位数である135玉を減算更新し、再プレイ表示部320を消灯した後、再プレイ単位数(135玉)に対応するパチンコ玉数、具体的には、再プレイ単位数(135玉)から手数料10玉を除いた125玉のパチンコ玉の払出しを、上述した貸出処理の場合と同様に、対応するパチンコ機2における払出単位である25玉の払出を指示する信号である「BRQ」を5回出力することでパチンコ機2に実施させる。
この際、貸出処理の場合同じく、上記したBRQの出力に伴って制御ユニット328は、BRQの回数に相当する5パルスを含む再プレイ信号を、信号ケーブル9を介して台端末に出力する。
尚、再プレイ単位玉数の減算更新後の貯玉数が、再プレイ単位玉数以上である場合には、再プレイ玉貸処理の終了後において、再度、再プレイ表示部320が点灯状態とされる。
そして、会員管理コンピュータに対して、カードリーダライタ327に受付け中のカードID並びに会員IDと、貯玉数から減算した再プレイ単位数(135玉)とを含む再プレイ完了通知を送信した後、該再プレイ処理を終了して待機状態に戻る。
尚、再プレイ完了通知を受信した管理コンピュータは、該再プレイ完了通知に含まれる会員IDに対応付けて記憶している貯玉数から再プレイ単位数(135玉)を減算更新する。
ここで、本実施例に用いたホールコンピュータ140の構成について図9に基づいて説明すると、該ホールコンピュータ140は、コンピュータ内部にてデータの送受を行うデータバス141に、受信した送信データ列に含まれる各パチンコ機2から収集した各遊技情報に基づいて、各パチンコ機2における遊技状態の判定処理や、遊技情報テーブルの記憶データを更新する処理や、これら各情報テーブルのデータを表示する表示処理等を実施するCPU142、ワークメモリ等として使用されるRAM143、時刻情報やカレンダ情報を出力するRTC144、磁気ディスクや光磁気ディスクから成る記憶装置145、後述する不正検出設定画面における設定対象台の選択受付けや補給種別の入力の受付け等を行うためのキーボードやマウス等の入力装置146、前記各情報テーブルのデータを表示出力するとともに、警告表示を行うための表示装置147や、前記各情報テーブルのデータを印刷出力するためのプリンタ148、前記各島端末6とのデータ通信を行う通信部149、が接続された通常のコンピュータである。
本実施例のホールコンピュータ140においては、所定の操作を実施することで、図10に示す不正検出設定画面が表示されるようになっており、該不正検出設定画面において、各台端末5において不正の有無判定(異常判定)を実施するために必要となる、補給種別と、判定に使用される閾値とを集中設定できるようになっている。
この本実施例の不正検出設定画面には、図10に示すように、画面上方位置に、設定対象とするパチンコ機を指定するための「設定対象台」の項目と、該設定対象台の項目にて設定対象として選択したパチンコ機の補給種別と閾値とを選択するための「補給種別」の項目と、「キャンセル」、「設定」の選択入力部とが設けられており、「設定対象台」の項目にて設定対象とするパチンコ機2を指定した後、該設定対象とするパチンコ機2の補給種別を「補給種別」の項目内に設けられた「常時補給」または「定量補給」のいずれかのチェックボックスを選択して指定して、「設定」の選択入力部を選択入力して設定を行う。
尚、「補給種別」の項目内には、「常時補給」または「定量補給」のいずれかのチェックボックスを選択することにより、これら常時補給並びに定量補給の各種別に予めセットされている異常判定閾値が「異常判定閾値」の表示部に表示されるようになっており、これら表示された異常判定閾値が、設定対象とするパチンコ機2に最適でない場合には、「異常判定閾値」の表示部に対応して設けられている「修正」の選択入力部を選択することにより、「異常判定閾値」の表示部に表示されている閾値の値を変更できるようになっている。
尚、これら「異常判定閾値」としては、「常時補給」の場合には、パチンコ玉の払出しに応じて迅速に補給がなされるので、不正がなされていない正常な状態であれば、後述する玉数管理テーブルにおける差数の値が比較的小さな値となるので、これら比較的小さな値に相当する値、例えば、50程度の値とすれば良いのに対し、「定量補給」の場合には、パチンコ玉の払出しがあっても、直ぐには補給がなされないので、不正がなされていない正常な状態であっても、後述する玉数管理テーブルにおける差数の値が比較的大きな値となるので、これら比較的大きな値に相当する値、例えば、200程度の値とすれば良い。つまり、「常時補給」の場合の閾値としては、「定量補給」の場合の閾値に比較して小さい値が設定される。
そして、「設定」の選択入力部を選択入力すると、設定対象として指定されたパチンコ機2が接続されている台端末5が特定され、特定された台端末5に対して、該不正検出設定画面における設定内容である、補給種別、異常判定閾値と台番号とを含む設定データが送信されることにより、後述するように、台端末5のEEPROM576に記憶されている設定データが更新記憶されることにより、これら設定内容が反映され、設定内容に基づく判定が実施されるようになっている。
次に、本実施例の台端末5について以下に説明すると、本実施例の台端末5は、4台のパチンコ機2に対して1台の台端末5が配置され、該4台のパチンコ機2並びにカードユニット3等から出力される各信号を1台の台端末5にて収集し、該収集した4台のパチンコ機2に関する送信データを島端末6に送信するようになっている。
また、これら島端末6には最大で44台の前記台端末5が接続可能とされていて、1台の島端末6にて、44(収集ユニット)×4(各台端末5に接続可能なパチンコ機2の台数)=176台のパチンコ機2の情報を所定期間毎(本実施例では約10秒に1回)に収集して前記ホールコンピュータ140に送信するようになっており、前記ハブ7には最大10台の島端末6が接続可能とされていて、システム全体の総合計として176×10=1760台のパチンコ機2の情報を収集、管理できるようになっている。
本実施例の台端末5の構成は、図7(a)に示すように、第1ポート581から第4ポート584までの4つのポートを有しており、該4つのポート581〜584にそれぞれパチンコ機2並びにカードユニット3が接続される。
これら4つの各ポート581〜584は、台端末5の動作を制御するための制御マイコン(MPU)579に接続されており、該制御マイコン(MPU)579が各ポート581〜584における信号の入力の有無を検知することができるようになっている。
また、制御マイコン(MPU)579には、該制御マイコン(MPU)579が実行する各種の制御を行うためのプログラムや当該台端末5のユニットIDや各ポート581〜584に接続されたパチンコ機2の台番号や、ホールコンピュータ140から送信される各ポートに接続されているパチンコ機2の台番号と補給形態種別や閾値等の設定データ等が記憶された不揮発性のEEPROM576と、制御マイコン(MPU)579が実施する各種の制御処理における記憶に使用されるとともに、図示しない遊技情報テーブル並びに図8に示す玉数管理テーブルが記憶されるRAM575と、島端末6とのデータ通信を行うための通信部569が接続されており、該通信部569から図7(b)に示す送信データ列の構成とされた前述の台遊技情報データをホールコンピュータ140に送信することで、該台端末5が収集した情報がホールコンピュータ140にて管理される。
また、各ポート581〜584には、図7(a)において、ポート581に例示するように、8つの信号入力部581a〜581hが設けられており、信号入力部581a、581b、581c、581dそれぞれ、パチンコ機2から出力される大当り1信号、大当り2信号、スタート(始動)信号、賞球信号が、信号入力部581eに供給玉計数器25から出力される供給玉計数信号が、信号入力部581fにアウト球計数器26から出力されるアウト球計数信号が、信号入力部581g、581hにカードユニット3から出力される玉貸信号や再プレイ信号が入力され、該信号入力部581a、581b、581c、581d、581e、581f、581g、581hにおいて各信号の入力が検出されて信号検出に応じた出力が制御マイコン(MPU)579に出力されるようになっている。
尚、RAM575に記憶されている遊技情報テーブルには、各ポート毎に接続されているパチンコ機2毎に、当日の営業開始時からの貸出玉数、再プレイ玉数、賞球数、補給玉数、打込玉数、始動回数、大当り回数、確変回数等の各データが、図8に示す玉数管理テーブルとは個別に集計されており、これらのデータが、図7(b)に示すフォーマットにてホールコンピュータ140に送信される。
また、RAM575に記憶されている本実施例の玉数管理テーブルは、図8に示す構成とされており、各ポートの番号に対応付けて、当該ポートに接続されているパチンコ機2の台番号と、玉貸信号の入力による貸出玉数の集計値、再プレイ信号の入力による再プレイ玉数の集計値、賞球信号の入力による賞球数の集計値、貸出玉数の集計値と再プレイ玉数の集計値と賞球数の集計値との合計である払出合計(供給予定遊技媒体数)と、供給玉計数信号の入力による補給玉数の集計値と、補給玉数の集計値から払出合計を差し引いた差数とが記憶されており、これら差数と設定データに基づく閾値とに基づいて不正判定(異常判定)が実施される。
以下、これら台端末5において不正判定(異常判定)が実施される流れについて、図12、図13に示すフロー図に基づいて以下に説明する。
台端末の制御マイコン(MPU)579は、各ポートへの信号入力を監視しており、信号入力があった場合には、前述したように、遊技情報テーブルの遊技情報を更新する更新処理を実施するとともに、図12に示す信号入力処理を実施する。
本実施例の信号入力処理においては、まず、入力された信号が、供給玉計数信号であるか否かを判定する(S1)。
該判定において、供給玉計数信号でないと判定された場合には、S9のステップに進み、玉数管理テーブル更新処理を実施して、当該処理を終了する。
この玉数管理テーブル更新処理においては、例えば、入力されてきた信号が賞球信号であれば、入力のあったポート番号に対応する賞球数に10を加算更新する。また、入力されてきた信号が玉貸信号であれば、入力のあったポート番号に対応する貸出玉数に、玉貸信号に含まれるパルス数に25を乗じた玉数を加算更新し、入力されてきた信号が再プレイ信号であれば、再プレイ信号に含まれるパルス数に25を乗じた玉数を再プレイ玉数に加算更新する。尚、これら加算更新に伴って、払出合計並びに差数も更新される。
このように、各信号の入力により、該当する項目に玉数が加算更新されることにより、貸出玉数、再プレイ玉数、賞球数が玉数管理テーブルにおいて集計される。
尚、入力されてきた信号が大当り1、大当り2、スタート信号、アウト玉信号である場合には、玉数管理テーブルを更新することなく処理を終了する。
一方、S1のステップにおける判定にて、供給玉計数信号であると判定された場合には、S2のステップに進み、該供給玉計数信号が入力されたポートに接続されているパチンコ機2の補給種別を設定データから特定し、該特定した補給種別が常時補給タイプであるか否かを判定する。
該判定において常時補給タイプである場合、つまり、玉タンク238に供給スイッチ20が設置されていないか、或いは設置されていても供給スイッチ20が供給玉計数器25に接続されていないことにより、パチンコ玉が常時補給される供給形態である場合には、S8のステップに進み、異常判定を実施するタイミングを決定するための該ポートに対応する判定用タイマをリセットした後、S9のステップに進んで、玉数管理テーブル更新処理を実施する。
これら常時補給タイプのパチンコ機2においては、例えば、玉貸や大当り等の連続したパチンコ玉の払出しに伴う一連のパチンコ玉の補給が終了し、補給がされていない状態となってから所定時間、例えば5秒が経過した時点において異常判定を実施する、つまり、補給された玉数が安定している時点において判定を実施することが好ましいことから、該所定時間である5秒がセットされている。尚、これら判定用タイマにセットされる時間は、5秒に限定されるものではなく、適宜選択することができる。
また、玉数管理テーブル更新処理においては、入力された信号が、供給玉計数信号であるので、入力のあったポート番号に対応する補給玉数に10を加算更新する。このように、供給玉計数信号の入力により、補給玉数に供給された玉数が加算更新されることにより、補給玉数が玉数管理テーブルにおいて集計されていくことになる。
そして、一連のパチンコ玉の補給が終了して、供給玉計数信号の入力がなくなった場合には、S8のステップにて判定用タイマのリセットがなされないことにより、判定用タイマがタイマアップし、該タイマアップが、これら信号入力処理とは個別の処理タスクにて実施される図13に示すタイマ監視処理のT1にて検知されることで、T2のステップに進む。
このT2のステップにおいては、まず、タイマアップした判定用タイマが該当するポートに接続されている台番号のパチンコ機2に設定されている異常判定閾値を、設定データに基づいて特定した後、その時点において玉数管理テーブルの該台番号に対応する差数が、該特定した異常判定閾値以上であるか否かを判定する(T3)。
該判定において、差数が異常判定閾値以上でない場合には、T5のステップに進み、玉数管理テーブルの該台番号に対応する各集計データを全てリセット(初期化)して当該処理を終了する一方、差数が異常判定閾値以上である場合には、T6のステップに進み、該台番号と、その時点の玉数管理テーブルの各集計データとを含む異常発生通知をホールコンピュータ140に対して送信した後、これら玉数管理テーブルの各集計データをリセット(初期化)することなく、当該処理を終了する。
このようにして送信される異常発生通知の受信に応じてホールコンピュータ140においては、受信した異常発生通知に含まれる各集計データを表示装置147に表示できるように一時記憶するとともに、表示装置147に、図11に示すように、受信した異常発生通知に含まれる台番号と、不正による差数異常が発生した旨とを含む警告ウインドウを、その時点に表示されている表示画面上に重ねて表示することにより報知する。
尚、本実施例の警告ウインドウには、図11に示すように、「データ表示」の選択入力部が設けられており、該「データ表示」の選択入力部を選択入力することにより、一時記憶している、受信した異常発生通知に含まれていた各集計データが、表示装置147に表示されるようになっており、これら異常判定がなされた時点の各集計データを迅速に確認できるようになっている。
また、S2のステップにおける判定において、常時補給タイプでないと判定された場合、つまり、パチンコ機2が、玉タンク238に供給スイッチ20が設置されて供給玉計数器25に接続されている定量補給タイプである場合には、S3のステップに進み、これら補給されるほぼ一定量の補給を1つの補給単位として捉え、該供給玉計数信号の入力が、新たな一定量の補給の開始時点における供給玉計数信号の入力であるかを特定するための該ポートに対応する補給単位用タイマがタイマアップ済みであるか否かを判定する。
つまり、これら定量補給タイプのパチンコ機2においては、ほぼ一定量、例えば200玉等のパチンコ玉の補給が一度にまとまって実施されるので、これらまとまって補給されたパチンコ玉が払出しに使用されて再度の補給が開始される時点において異常判定を実施する、すなわち、補給されたパチンコ玉が使用された内訳となる各集計データが玉数管理テーブルに集計された時点において、判定を実施することが好ましいことから、再度の補給が開始される時点を特定する必要がある。
そのため、一時期に入賞が発生して多くの払出しが集中することのなく払出合計が200を超えない通常遊技中において、200玉等のパチンコ玉が一度にまとまって供給される場合においては、供給玉計数信号は、短時間の間隔(例えば0.5秒)にて連続的に出力されるのに対し、再度の補給が開始される時点においては、供給玉計数信号は、その前に出力された供給玉計数信号からの間隔が非常に長いもの(例えば、10分)となるので、連続的に出力される供給玉計数信号の時間間隔よりも少し長く、かつ、再度の補給が開始される時点までの時間間隔よりも短い時間、例えば、2秒を補給単位用タイマとして設定するようにすれば良い。尚、大当り中にあっては、これら一度にまとまって供給される玉数としては200玉にとどまらず、例えば、約1500玉等のパチンコ玉が一度にまとまって供給されることとなる。よって、この場合には、供給された1500玉(供給遊技媒体)と、該1500玉に対応する払出合計(供給予定遊技媒体数)とを比較して判定する。
また、これら通常遊技中と大当り中とで、異なる異常判定閾値を用いて判定を実施するようにしても良い。
S3の判定において、補給単位用タイマがタイマアップしていない場合、つまり、まとまった補給中に入力される供給玉計数信号である場合には、S3+のステップに進んで、該補給単位用タイマをリセットした後、S9のステップに進んで、玉数管理テーブル更新処理を実施する。
この玉数管理テーブル更新処理においては、入力された信号が、供給玉計数信号であるので、入力のあったポート番号に対応する補給玉数に10を加算更新する。このように、供給玉計数信号の入力によって、補給玉数に供給された玉数が加算更新されることにより、まとまって供給された玉数が補給玉数に集計されていくことになる。
一方、S3の判定において、補給単位用タイマがタイマアップしている場合、つまり、新たなまとまった補給が開始された場合にはS4のステップに進み、該供給玉計数信号の入力のあったポートに接続されている台番号のパチンコ機2に設定されている異常判定閾値を、設定データに基づいて特定した後、その時点において玉数管理テーブルの該台番号に対応する差数が、該特定した異常判定閾値以上であるか否かを判定する(S5)。
該判定において、差数が異常判定閾値以上でない場合には、S7のステップに進み、玉数管理テーブルの該台番号に対応する各集計データを全てリセット(初期化)した後、S9のステップに進んで、玉数管理テーブル更新処理を実施することにより、リセット後の補給玉数に、入力された供給玉計数信号に応じた10玉が加算更新される。
一方、差数が異常判定閾値以上である場合には、S6のステップに進み、該台番号と、その時点の玉数管理テーブルの各集計データとを含む異常発生通知をホールコンピュータ140に対して送信するとともに、S7のステップに進んで、玉数管理テーブルの該台番号に対応する各集計データを全てリセット(初期化)した後、S9のステップに進んで、玉数管理テーブル更新処理を実施することにより、リセット後の補給玉数に、入力された供給玉計数信号に応じた10玉が加算更新される。
このようにして送信された異常発生通知の受信に応じてホールコンピュータ140においては、上述した常時補給タイプの場合と同じく、受信した異常発生通知に含まれる各集計データが表示装置147に表示できるように一時記憶されるとともに、表示装置147に、図11に示すように、受信した異常発生通知に含まれる台番号と、不正による差数異常が発生した旨とを含む警告ウインドウが、その時点に表示されている表示画面上に重ねて表示される。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、ホールコンピュータ140にて警告を表示することで報知するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの報知を、例えば、台端末5から、各パチンコ機2に対応して設けられているカードユニット3に対して、警告信号を出力して、表示部312に警告表示を実施したり、或いは、各パチンコ機2に対応して設けられている呼び出しランプを台端末5に接続し、該呼び出しランプに警告信号を出力して報知を実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、貯玉数を使用した再プレイが可能なカードユニット3に対応するために、台端末5に再プレイ信号を入力して、玉数管理テーブルの払出合計に、これら再プレイ信号にて特定される再プレイ玉数を合計するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらカードユニットは、貯玉数を使用した再プレイ機能を有しないものであっても良く、この場合には、台端末5に再プレイ信号が入力されないことで、玉数管理テーブルの払出合計には、貸出玉数と賞球数のみが合計されて、補給玉数から減算されることになる。
また、前記実施例では、玉数管理テーブルを用いて、貸出玉数の総数、再プレイ玉数の総数、賞球数の総数、並びに補給玉数の総数とを集計するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの集計を実施することなく、例えば、常時補給タイプのパチンコ機2であれば、供給玉計数信号の入力があった時に、同時期に入力された賞球信号および/または玉貸信号により特定される供給予定玉数と、該同時期に入力された一連の供給玉計数信号により特定される実供給玉数とが対応(ほぼ一致)するか否かによって判定を実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、異常判定閾値をホールコンピュータ140において設定変更できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら異常判定閾値を設定変更できない、一律のものであっても良い。また、これら異常判定閾値の設定変更を、台端末5や島端末6において、実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、異常判定を実施するタイミング並びに玉数管理テーブルの各集計データを初期化するタイミングを、供給形態種別に応じて設定されたタイミングにて実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのタイミングを、供給形態種別に係わらず同時期に実施するようにしても良いし、更には、供給玉計数信号の入力に応じたタイミングに依ることなく、定期的、例えば、10分或いは1時間毎に実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、異常判定を実施するタイミング並びに玉数管理テーブルの各集計データを初期化するタイミングを、常時補給タイプは判定用タイマがタイマアップした時点、定量補給タイプは補給単位用タイマがタイマアップしているときに供給玉数信号の入力があった時点としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら判定を実施する時点は、適宜に選択して設定すれば良い。
また、前記実施例では、異常判定の判定結果に応じて玉数管理テーブルの各集計データの初期化の実施・非実施を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら異常判定の判定結果に係わらず、各集計データの初期化を実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、異常判定を、各台端末5において実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら異常判定を、島端末6やホールコンピュータ140において実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、台端末5に4台のパチンコ機2とカードユニット3を接続する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら台端末5に接続される台数を、2台としたり、1台のみとしても良い。
また、前記実施例では、供給玉計数信号や賞球信号の出力形態として、10玉に1パルスの信号が出力される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら出力形態としては、1玉毎に1パルスの信号が出力される形態であても良いし、逆に、50玉や100玉毎に1パルスの信号が出力される形態であっても良い。