[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態の説明する。
図1は、第1の実施の形態における第1遊技用システム1Bのシステム構成の一例を表す図である。第1遊技用システム1Bは、不図示の遊技島に設置される遊技機の一種である複数のパチンコ機2と、各パチンコ機2に対応して設けられる遊技用装置の一種である呼出ランプ装置9と、各パチンコ機2に対応して設けられる貸出装置及び計数装置の一種であるカードユニット3’と、制御装置及び管理装置の一種であるホールコンピュータ6と、制御装置及び管理装置の一種である持玉管理コンピュータ8とを備えて構成される。尚、後述するカードユニット3’にて使用される会員カードやビジターカードに残存するプリペイド残額を管理するカード管理装置(T−BOX)7も備えており、カードユニット3’とカード管理装置(T−BOX)7とが双方向の通信が可能に接続されている。
本実施の形態におけるパチンコ機2は、遊技媒体の一種である遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技可能であり、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示して表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)を備え、可変表示手段に導出表示された表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御される遊技機である。
各パチンコ機2は、台番号によって個々に識別可能に構成されており、各パチンコ機2、呼出ランプ装置9及びカードユニット3’は、台端末10を介してホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8に接続されている。
遊技島に設置される各パチンコ機2の上方の所定位置には、図1に示すように、読出ランプ装置9が設定されている。呼出ランプ装置9は、店員を呼出すための呼出ボタンや7セグメント表示装置などを備え、パチンコ機2やホールコンピュータ6からの情報に基づいて、大当り回数や大当り間の変動表示の回数を表示する。
カードユニット3’は、パチンコ機2の所定側(本例では左方だが、右方であっても良い)の側方位置に該パチンコ機2に対して1対1に対応設置され、遊技場に会員登録をしていないビジター遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるビジターカードや、遊技場に会員登録をした会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受け付けて、該ビジターカード又は会員カード(以下、包括的に「カード」と称する。)に記録された遊技用価値特定情報(プリペイド残額データ)から特定される有価価値の大きさ(プリペイド残額)に基づき、該パチンコ機2での遊技に使用される遊技媒体である遊技球を貸し出すための処理や、該パチンコ機2における遊技において獲得された遊技球を計数して、該計数済みの遊技球数の範囲内の遊技球を払い出す処理等を行う。尚、カードユニット3’の最下方位置には、詳細後述する計数払出ユニット380が設けられている。計数払出ユニット380は、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を貯留するとともに、遊技者による遊技球の払い戻し操作に応じて、貯留した遊技球を所定数ずつ遊技者に払い戻す機能を有する。
ホールコンピュータ6は、店舗に設置された各パチンコ機2の遊技情報を統括的に管理する。カード管理装置(T−BOX)7は、各パチンコ機2に対応して設けられたカードユニット3’を管理し、各カードユニット3’の液晶表示部313の表示に係る設定(表示内容、表示条件、表示態様等の設定)を行う。この機能を、ホールコンピュータ6が実行するようにしてもよいし、持玉管理コンピュータ8が実行するようにしてもよい。
持玉管理コンピュータ8は、カードユニット3’において計数された計数済の所持球数(持玉数ともいう)の管理や、遊技者が再度の遊技に使用可能に所有するビジターカードに記録された持玉数(所持球数)の管理を行う。
なお、本実施の形態では、遊技機として通常のパチンコ機2に適用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機は通常のパチンコ機2に限らず、封入式のパチンコ機であってもよい。また、遊技機をスロットマシンとすることも可能である。
パチンコ機2からは、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号といった遊技に係る信号が呼出ランプ装置9、カードユニット3’及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り中信号は、大当り遊技状態の期間中において出力状態とされる信号である。確変中信号は、確変状態の期間中において出力状態とされる信号である。時短中信号は、時短状態の期間中において出力状態とされる信号である。打込信号は、所定玉数(例えば10玉)がアウト玉計数器により計数される毎に出力される所定幅のパルス信号である。始動信号は、特図可変表示部28の表示結果が導出表示されたときに出力される所定幅のパルス信号である。賞球信号は、払出す条件が成立した賞球が所定玉数(例えば10玉)に達する毎に出力される所定幅のパルス信号である。これらの信号は、遊技機から出力される遊技信号の一例である。以前は、賞球信号の代わりに、払出信号が用いられていた。払出信号は、所定玉数(例えば10玉)が払い出される毎に出力される所定幅のパルス信号である。払出信号は、実際に賞球が払出されると出力される。一方、賞球信号は、球切れなど何らかの原因で、払出す条件が成立した賞球が払出されない場合でも、払出す条件が成立すれば出力される。
カードユニット3’からは、遊技者の持玉数(所持球数)を含む持玉データが持玉管理コンピュータ8に出力されるとともに、カードのカードIDと利用額とを含む利用情報がカード管理装置7に出力される。
ホールコンピュータ6からは、液晶表示部313の表示用の設定データである表示用設定データや、表示部に特定の表示を行わせるための表示指示信号がカードユニット3’に出力される。
図2は、本実施の形態におけるパチンコ機2の外観構成の一例を示す正面図である。パチンコ機2は、額縁状に形成されたガラス扉枠22を備え、該ガラス扉枠22の下部表面には打球供給皿23を備えて構成される。打球供給皿23の上面所定箇所には、操作部14が設けられており、打球供給皿(上皿)23の下部には、打球供給皿23に流入できなかった遊技球を貯留する下皿24と、打球を発射する打球操作ハンドル25とが設けられている。
ガラス扉枠22の後方には、遊技盤26が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤26の前面には遊技領域27が設けられている。この遊技領域27に向かって右側の下方領域に「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される特図可変表示部28が設けられている。
また、遊技領域27の中央部には、「演出図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示されるとともに演出映像が表示される演出可変表示部29と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示装置30とが設けられている。また、遊技盤26には、複数の入賞口44や通過ゲート31、始動入賞口34、可変入賞球装置36が設けられているとともに、遊技領域27の下部には、入賞しなかった打込玉を回収するアウト口46が形成されている。
これら各入賞口に打玉が入賞した(すなわち付与条件が成立した)場合には、各入賞口に応じた賞球が不図示の玉払出装置により払い出されるとともに、賞球が払出されるよりも前に、実際に賞球が払出されたか否かに関わらず、付与条件が成立した賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
また各入賞口に入賞した打玉及びアウト口46に回収された打玉の数は、該パチンコ機2に対応して設けられるアウト玉計数器(不図示)により計数され、該計数された打込玉数に応じた打込信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、打込玉数が外部に通知される。
打球操作ハンドル25の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域27に入り、その後、遊技領域27を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて遊技領域27に達しなかった遊技球は、環流経路(図示略)を通じて下皿24に環流される。
また、遊技領域27に打ち込まれた打込玉が通過ゲート31を通過すると、可変表示装置30に停止表示されている普通図柄が可変開始する。可変表示装置30の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特別表示結果(例えば○)となった場合、始動入賞口34に設けられた可動片35が所定時間開成して、始動入賞口34が開放され(開放状態となり)、始動入賞口34への遊技球の入賞が可能となる。すなわち、通過ゲート31の通過という普通始動条件が成立した後に、普通図柄の可変表示の開始を許容する普通開始条件(例えば普通図柄の可変表示が実行されておらず且つ可動片35が開放制御されていないこと)が成立したことに基づいて普通図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた特別表示結果が導出表示されたときに、始動入賞口34への遊技球の入賞が可能となる(特別図柄の可変表示に係る始動条件が成立可能となる)。
また、始動入賞口34に遊技球が入賞すると、特図可変表示部28において特別図柄が可変表示(変動表示)を開始するとともに、演出可変表示部29において演出表示が開始される。そして、その後、特図可変表示部28における特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(例えば大当り図柄)となった場合には、演出可変表示部29における左、中、右の演出図柄の可変表示も停止する。そして、その演出図柄の表示態様も予め定められた特定の表示態様(例えば777)とされることで、特定遊技状態(大当り遊技状態)が発生するとともに、大当り中信号が出力状態とされることで、該大当りの発生が外部に通知される。
また、特図可変表示部28における特別図柄が停止したときに、所定パルス幅の始動信号が出力され、特図可変表示部28における特別図柄の可変表示(変動表示)が実施されたことが外部に通知される。すなわち、始動入賞口34への遊技球の入賞という始動条件が成立した後に、特別図柄の可変表示の開始を許容する開始条件(例えば特別図柄の可変表示が実行されておらず、且つ、大当り遊技状態にも制御されていないこと)が成立したことに基づいて特別図柄の可変表示が実行され、表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
このように大当り遊技状態が発生した場合には、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放され(開放状態となり)、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。大入賞口に遊技球が入賞すると、他の入賞口に遊技球が入賞した場合よりも多くの賞球が付与される。そして、可変入賞球装置36に設けられた開閉板40が開成して大入賞口が開放されてから(開放状態となってから)、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立すると、開閉板40が閉成して大入賞口が閉鎖され(閉鎖状態)、大入賞口への遊技球の入賞が不可能となる。
そして開放状態となっている可変入賞球装置36の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して不図示のVカウントスイッチにより検出されれば、その回の開放状態の終了を待って閉鎖状態から開放状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
なお、特定入賞領域(Vポケット)が設けられていない可変入賞球装置36を定められた回数(例えば15回)だけ閉鎖状態(大入賞口が閉鎖されている状態)から開放状態(大入賞口が開放されている状態)に制御する繰返し継続制御を実行するようにしてもよい。この開放状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過又は遊技球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了する。可変入賞球装置36を閉鎖状態から開放状態に制御する繰返し継続制御の実行回数は、例えば、複数存在する特定遊技状態(大当り遊技状態)の種別に応じて異なるように設定されており、該繰返し継続制御の実行回数が15回の大当りを15ラウンド大当り、該繰返し継続制御の実行回数が2回の大当りを2ラウンド大当りと称する場合がある。すなわち、大当り遊技状態では、大当り遊技状態の種別に応じた回数の繰返し継続制御が実行されることにより、大入賞口への遊技球の入賞が可能な状態となるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。
この大入賞口に打玉が入賞した(即ち付与条件が成立した)場合にも、該入賞に応じた賞球が不図示の玉払出装置により払い出されるとともに、賞球が払出されるよりも前に、実際に賞球が払出されたか否かに関わらず、付与条件が成立した賞球数(付与玉数)に応じた賞球信号(10玉に1パルス)が外部に出力されることで、賞球数が外部に通知される。
特図可変表示部の表示結果並びに演出可変表示部の演出図柄の表示結果が予め定められた大当り図柄の組合せで停止表示されたときには上記のように、大当り遊技状態が発生するが、これら大当り図柄に停止表示される以前の状態において、リーチ状態が発生する場合がある。
特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄の種類に一致した図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り遊技状態」の終了後に、再度大当りとなる確率が通常遊技状態(低確率状態)よりも高い確率状態となる確率変動状態となるようになっており、これら確率変動図柄での大当りを通常の大当りと区別して「確変大当り」と呼称し、これら確変大当り終了後における確率変動状態中において、確変中信号が出力状態とされることで、該確率変動状態の発生が外部に通知される。
すなわち、確率変動状態においては、大当り遊技状態に制御される割合が通常遊技状態よりも高いため遊技者にとって有利な有利期間となる。例えば、確変大当りに係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるまでの期間は、確率変動状態に制御される。なお、確変大当りに係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば100回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて確率変動状態が終了するようにしてもよい(所謂ST機であってもよい)。
また、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示された特別図柄並びに演出図柄が所定の確率変動図柄以外の図柄の組合せで停止表示されたときには、上記の繰返し継続制御による「大当り」の終了後に、特図可変表示部28並びに演出可変表示部29で可変表示が所定回数に達するか、又は、次の大当りが発生するまでの間、特図可変表示部28における特別図柄及び演出可変表示部29における演出図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される(特別図柄時短制御が実行される)時短状態となるようになっており、これら時短状態中において、時短中信号が出力状態とされることで、該時短状態の発生が外部に通知される。
特別図柄時短制御が実行されると、開始条件が成立し易くなり、特別図柄の可変表示が実行される頻度が高められて大当り遊技状態に制御され易くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態(非時短状態)よりも短縮される普通図柄時短制御が実行されるようにしてもよい。普通図柄時短制御が実行されると、普通開始条件が成立し易くなり普通図柄が可変表示される頻度が高められることに伴い(特別表示結果が導出表示される頻度も高まり)可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、普通図柄の表示結果が特別表示結果となる割合を通常遊技状態(非時短状態)よりも高める普通図柄確変制御が実行されるようにしてもよい。
普通図柄確変制御が実行されると、特別表示結果が導出表示される頻度が高まり可動片35が開放制御される頻度も高くなるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。また、時短状態において、可動片35が開放制御される期間を延長したり、開放回数を増加させる開放延長制御が実行されるようにしてもよい。開放延長制御が実行されると、始動入賞口34への入賞頻度が高められるため、遊技者にとって有利な有利期間となる。時短状態では、上記の特別図柄時短制御、普通図柄時短制御、普通図柄確変制御、および開放延長制御のうちの1以上の制御が実行されるようにするとよい。
時短状態は、例えば、通常大当り(確変大当りではない大当り)に係る大当り遊技状態終了後から次の大当りに係る大当り遊技状態に制御されるよりも前に、予め定められた所定回数(例えば50回)の特定表示結果とならない可変表示が実行されたことに基づいて終了する。なお、この実施の形態では、後述する潜伏確変状態に制御される場合を除き、確変変動状態は時短状態を伴うものとする。このように、この実施の形態では、大当り遊技状態、確率変動状態、および時短状態のうち少なくとも1以上の状態に制御されている期間は有利期間であるものとする。
本実施の形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための不図示の情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とカードユニット3’及びホールコンピュータ6とが、不図示の信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してカードユニット3’及びホールコンピュータ6に出力される。また、これらの信号の他に、アウト玉計数器16によりアウト玉が計数され、このアウト玉の計数値が所定玉数(例えば10玉)に達する毎に、所定のパルス幅の打込信号がアウト玉計数器からカードユニット3’及びホールコンピュータ6に出力される。
大当り中信号は、大当りが発生したことを示す信号であるとともに、大当り遊技状態に制御されていることを示す信号でもある。大当り遊技状態に制御されている期間は、大当り中信号をON状態とし、大当り遊技状態に制御されていない期間は大当り中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、カードユニット3’やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において大当りが発生したこと及び大当り遊技状態に制御されていることを特定可能となる。
確変中信号は、大当りが発生する割合が通常状態(低確率状態)よりも高められた確変状態(高確率状態)に制御されていることを示す信号である。確変状態に制御されている期間は、確変中信号をON状態とし、確変状態に制御されていない期間は確変中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、カードユニット3’やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において確変状態に制御されていることを特定可能となる。また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御された場合には、確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御されなかった場合には、通常大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。これにより、遊技用装置側では、大当りの発生回数及び確変大当りと通常大当りの内訳を集計可能となる。
時短中信号は、可変表示装置の可変表示時間を短縮する時短状態に制御されていることを示す信号である。時短状態に制御されている期間は、時短中信号をON状態とし、時短状態に制御されていない期間は時短中信号をOFF状態とする制御を行う。これにより、カードユニット3’やホールコンピュータ6等、パチンコ機2に接続される遊技用装置において時短状態に制御されていることを特定可能となる。
また、大当り遊技状態の終了に伴い確変状態に制御されたものの時短状態には制御されなかった場合には、潜伏確変大当りが発生したことを、これらの遊技用装置で特定可能となる。ここで、潜伏確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが小当りと共通の大当りであって、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に制御される大当りである。なお、小当りとは、大入賞口が特定の開放パターン(例えば0.5秒の開放が2回)で開放するものの、大入賞口の開放制御終了後に遊技状態が変化していない制御態様をいう。従って、遊技者は、大入賞口が特定の開放パターンで開放されただけでは、小当りが発生したのか潜伏確変大当りが発生したのかを特定することは困難である。一方、パチンコ機2に接続される遊技用装置においては、確変状態であるにもかかわらず時短状態ではないことに基づいて、遊技者が把握困難な潜伏確変状態であることを特定可能である。
本実施の形態のパチンコ機2には、該パチンコ機2における遊技を制御する遊技制御基板から、入賞に基づいて出力される賞球信号に基づいて所定数の賞球を計数して払出す制御を行うとともに、カードユニット3’で計数される遊技者の所持球数に基づいて、払出単位である125玉の遊技球を計数して貸出す制御を行う賞球制御基板(不図示)を備えており、該払出単位である125玉の倍数の遊技球の貸出を実施できるようになっている。
本実施の形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)を備え、可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機の一例である。
また、本実施の形態に例示するパチンコ機は、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や演出図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば特図可変表示部28や演出可変表示部29)における識別情報の可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な第1遊技状態(開放状態)と遊技者にとって不利な第2遊技状態(閉鎖状態)とのいずれかの状態に変化可能な可変入賞手段(大入賞口を開放状態又は閉鎖状態に切り替える特別可変入賞球装置)を第1状態に変化させる遊技機であって、前記可変入賞手段を所定期間第1状態に変化させることを所定回数行う第1遊技状態(例えば最長30秒の開放を15回実行する大当り遊技状態)に制御する第1遊技状態制御手段と、前記可変入賞手段を前記所定期間よりも短い期間及び前記所定回数より少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化させる第2遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する大当り遊技状態(潜伏確変大当りに伴う大当り遊技状態))を実行した後、遊技状態を、通常状態よりも前記可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する第2遊技状態制御手段と、前記可変入賞手段を前記第2遊技状態と同様に変化させる第3遊技状態(例えば最長0.5秒の開放を2回実行する小当り遊技状態)を実行した後、前記可変入賞手段を第1状態に変化させる前の遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、前記第1遊技状態に制御するか否かと、前記第2遊技状態に制御するか否かと、前記第3遊技状態に制御するか否かとを、前記可変表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、前記第2遊技状態に制御された後と前記第3遊技状態に制御された後とで、同じ演出態様となる特定演出状態に制御する演出状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、潜伏確変大当りが発生した場合と小当りが発生した場合とで、大入賞口の開放パターンが共通であり且つ演出態様も共通となるため、遊技者は潜伏確変大当りが発生したのか又は小当りが発生したのかを把握し難い構成となっている。
また、本実施の形態に例示するパチンコ機2は、遊技媒体を遊技領域に発射することにより遊技者が遊技を行い、前記遊技領域に設けられ、前記遊技媒体が入賞しにくい又は入賞できない不利状態(閉状態)と、前記遊技媒体が入賞し易い有利状態(開放状態)とに変化可能な可変入賞装置(可動片35、いわゆる電動チューリップ)と、前記遊技領域に設けられた普通始動領域(通過ゲート31)を前記遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の普通識別情報(普通図柄)を可変表示して、該可変表示の表示結果を普通識別情報可変表示装置(可変表示装置30)に導出表示する制御を行う普通識別情報可変表示制御手段と、前記普通識別情報可変表示装置に導出表示された表示結果が所定の表示結果(当りを示すLEDの点灯状態)となったことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態に変化させる制御を行う可変入賞装置制御手段と、所定の条件(例えば高ベース状態を伴う大当り種別(例えば潜伏確変大当り以外の大当り種別)の大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の低い低ベース状態(通常状態:低ベース状態)から、前記可変入賞装置を有利状態とする割合の高い高ベース状態に制御する高ベース状態制御手段と、を備える遊技機の一例である。
このような遊技機では、例えば、低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後に高確率低ベース状態となり、小当りが発生した場合には小当り遊技状態終了後に低確率低ベース状態となるため、遊技者は大入賞口の開放制御終了後に低ベース状態に制御された場合に、潜伏確変大当りが発生したのか(高確率低ベース状態に制御されているのか)又は小当りが発生したのか(低確率低ベース状態に制御されているのか)を把握し難い構成となっている。
なお、図柄確定信号、大当り中信号、時短中信号及び確変中信号の出力経路は、本実施形態に示すものに限定されるわけではない。これらの信号は、いずれも主制御基板から出力されるようにしてもよい。例えば、主制御基板に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば特別図柄表示器)が接続される構成とし、この可変表示手段に予め定められた特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する。そして、特定遊技状態終了後に、遊技状態を、通常状態又は通常状態よりも可変表示手段の表示結果が特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する。そして、主制御基板は、可変表示手段により可変表示が実行される毎に図柄確定信号を出力し、特定遊技状態に制御されている場合には大当り中信号を出力し、高確率状態に制御されている場合には確変中信号を出力し、高ベース状態に制御されている場合には時短中信号を出力するようにする。
このような遊技機において、例えば低確率低ベース状態で潜伏確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はON、時短中信号はOFFとなり、同じく低確率低ベース状態で小当りが発生した場合には、小当り遊技状態終了後(大入賞口が最長0.5秒で2回開放後)に確変中信号はOFF、時短中信号はOFFとなる。そのため信号が入力されるデータ表示装置等の外部装置では、潜伏確変状態(確変中信号ON、時短中信号OFF)であるか否かを確変中信号と時短中信号とに基づいて判定可能となっている。
なお、本実施の形態におけるパチンコ機2を、通常のパチンコ機2ではなく、遊技媒体が指触不能に内封された封入玉式のパチンコ機(以下、「封入式パチンコ機」と称す。)とすることも可能である。
図2は、カードユニット3’の外観構成の一例を示す正面図であり、図3は、カードユニット3’の機能構成の一例を示すブロック図である。カードユニット3’の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでカードユニット3’の状態等を報知可能とされた多機能ランプ301と、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302と、装置前面より装置前方側に突出形成された突出部305と、計数済玉数を払出すための計数払出操作を受付けるための払出ボタン311と、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口309とが設けられている。
カードユニット3’の前面に設けられたカード挿入口309は、該カード挿入口309に対応する位置に内蔵されるカードリーダライタ327のカードスロットに連設されており、このカード挿入口309を介してビジターカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。
ここで、ビジターカード及び会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、所定のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め書き換え不能に記憶されている。そして、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、振分けの有無を特定可能な振分けフラグ等の各種データ等も記憶されている。
なお、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技球を、その翌日以降においても再度遊技に使用したり、景品交換に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、該会員カードには、該貯玉が行われた遊技球数である貯玉数は直接記録されておらず、該貯玉数は、後述するように、持玉管理コンピュータ8において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
また、会員カードには、該会員カードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数(所持球数)も直接記録されておらず、該持玉数(所持球数)も、後述するように、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっており、該持玉数(所持球数)をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3’において遊技に使用でき、また、景品交換POS端末(不図示)において景品交換に使用できるようになっている。
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された不図示のカード発行・入金機において、購入、発行、追加入金されるとともに、カードユニット3’においても発行される。なお、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数に基づく持玉数(所持球数)と日付とが記憶されており、該持玉数(所持球数)をその当日においてのみ、遊技場内の各カードユニット3’において遊技に使用でき、また景品交換POS端末において景品交換に使用できるようになっている。
また、カードユニット3’の前面には、前方に突出する態様において突出部305が設けられている。該突出部305において、遊技者と対向する面には、各種情報を表示可能な表示部350と、メインメニュー画面を表示させるためのメニューボタン316と、台データを表示させるための台データボタン318と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID並びに会員IDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、再プレイボタン319の操作が有効であることを報知するための再プレイ表示部317とが設けられており、該表示部350の表面には、表示部350に表示された各表示項目を指触により入力可能とするための透明タッチパネル314が設けられている。
また、該突出部305内部には、表示部350を成す後述する液晶表示器313や各ボタンに対応するスイッチが設けられており、これらが該突出部305に対応する装置内位置に設けられた表示制御基板329に接続されることで、液晶表示器313の表示制御や、透明タッチパネル314による入力位置検出等が、該表示制御基板329によって実施される。
カードユニット3’内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている後述する制御ユニット300に出力する紙幣識別ユニット302aが設けられており、該紙幣識別ユニット302aにおいて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
また、カードユニット3’の略中央部位置には、該カードユニット3’を構成する各部と接続しやすいように該カードユニット3’の動作を制御する制御ユニット300が設けられており、後述するように、該制御ユニット300によって該カードユニット3’の各種の動作が制御されている。
また、カードユニット3’の最下方位置には、遊技球を計数して取り込み、該計数した遊技球を最大端数分、つまり、対応するパチンコ機2における払出単位である125個未満の単位未満端数の最大値である124個だけ貯留するとともに、該単位未満端数の遊技球を計数して払出す計数払出ユニット380が設けられている。
尚、本実施の形態では、1回の払い戻し操作で遊技者に払い戻される単位球数を「125発」として説明する。
また、本実施の形態において「持玉」とは、遊技者が当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉に変換される。持玉数(所持球数)は、遊技者がパチンコ機2で遊技を行った結果、遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預け入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって、遊技場に預け入れられた玉数を「貯玉」と言う。「遊技玉」とは、パチンコ機2で発射可能な玉であり、プリペイドカードの残額、持玉、又は、貯玉を引き落とすことと引き換えにして生成される。
なお、「貯玉」と「持玉」の違いは、遊技場に預け入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預け入れられた玉数であるか、未だに遊技場に預け入れられていない段階の玉数であるかの違いであるため、「持玉」を持玉管理コンピュータ8で管理するようにしてもよい。
図2に示すように、計数払出ユニット380には、パチンコ機2の下皿24と、遊技島の繕板との間に配置される横長の箱状とされた連結ボックス340が連結されるようになっている。
この連結ボックス340は、連結ボックス340の終端側に形成された、高さ方向の厚みが比較的大きな終端ボックス(不図示)と、高さ方向の厚みが比較的小さく、終端ボックスと計数払出ユニットとの連結部とを繋ぐように形成された経路ボックス(不図示)とから構成されている。
連結ボックス340は、計数払出ユニット380に連結することで、終端ボックスが下皿24の下方に位置するようになっており、該終端ボックスの上面には、下皿24から排出される遊技球が投入されるホッパ形状とされた投入部345が形成されている。また、終端ボックスの前面下部位置には、遊技者が開閉自在とされ、通常において閉状態となるように付勢されている開閉シャッタを有し、計数払出ユニット380から払い戻し(返却)される端数の遊技球が排出される返却口342が設けられている。
また、経路ボックス内の上部位置には、計数払出ユニット380に向けて傾斜するように設けられ、該投入部345に投入された遊技球を自然流下において計数払出ユニット380に導く2条の流路から成る計数通路343が設けられている。また、該計数通路343の下方位置に返却口342に向けて傾斜するように設けられ、計数払出ユニット380から払出された遊技球を自然流下において返却口342に導く返却通路344が設けられている。
なお、終端ボックスの前面上部位置には、遊技者がスライド操作可能とされた計数レバー341が設けられており、該計数レバー341を、付勢に抗してスライドさせることで、投入部345から計数通路343への侵入口に設けられた開閉シャッタ346が開放されるようになっている。
連結ボックス340が連結される計数払出ユニット380の内部には、計数通路343と連結され、カードユニット3’の前面側からカードユニット3’の内方側に向けて傾斜するように設けられた流入路を有し、該流入路の終端位置には、該流入路を流下する遊技球を検出して計数する計数センサ(不図示)が各条の流路毎に設けられており、計数通路343を通じて計数払出ユニット380に流入した遊技球が、該計数センサにより検出されて計数されるようになっている。計数センサによって計数された場合には、1球の遊技球の検出に応じて所定パルスの検出信号が計数払出ユニット380から制御ユニット300に対して出力される。制御ユニット300は、その検出信号が入力される毎に、記憶している所持球数を1加算する。
なお、遊技者の所持球数が増加する場合には、遊技者が計数レバー341を引いた状態としておくことでパチンコ機2から排出された遊技球が下皿24から計数通路343に随時に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで随時に増加する場合と、遊技者が計数レバー341を引かずにパチンコ機2から排出された遊技球を下皿に溜めた状態としておき、ある程度遊技球が溜まった段階で計数レバー341を引くことで、溜められた遊技球が一気に計数通路343に流入し、計数払出ユニット380により計数されることで一気に増加する場合との2つのケースがある。
また、遊技者の所持球数が減少する場合は、遊技者の払い戻し操作により遊技球が遊技者に払い戻される場合であり、前述したように1回の払い戻し操作による払い戻し数は125発であるため、1回の払い戻し操作により所持球数は125発減少する。制御ユニット300は、1回の払い戻し操作が行われる毎に、記憶している所持球数を125減算し、所持球数データを更新する。ただし、所持球数が125未満であるときに払い戻し操作が行われた場合には、所持球数を0とする。すなわち、記憶している所持球数に相当する球数を減算する。
また、カードユニット3’とパチンコ機2とは、払出単位として予め定められた複数個の遊技球の貸出に伴う貸出関連信号を送受可能に構成されている。貸出関連信号には、カードユニット3’からパチンコ機2に遊技球の貸出しを行わせるための貸出要求信号や、パチンコ機2から出力される台端末貸出完了信号や台READY信号、台間計数ユニットREADY信号、台端末貸出要求完了確認信号等の信号が含まれる。尚、パチンコ機2から出力される大当り中信号、確変中信号、時短中信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号や、該パチンコ機2に対応して設けられる打込玉カウンタ(不図示)から出力される打込玉信号も受信可能に構成されていて、カードユニット3’においても、後述する台データボタン318を操作することで、台データが表示可能とされている。
図3は、カードユニット3’の機能構成の一例を示すブロック図である。カードユニット3’は、紙幣識別ユニット302aと、カードリーダライタ327と、表示制御基板329と、カードユニット3’の各部の制御を制御プログラムにより実施して該カードユニット3’の各種の機能を提供する制御ユニット300と、遊技者が所持する携帯電話端末と近距離非接触通信(NFC)を行うためのNFCリーダライタ360とから構成されており、紙幣識別ユニット302a、カードリーダライタ327、NFCリーダライタ360及び表示制御基板329は制御ユニット300と接続されて各種データの送受が可能とされている。
カードリーダライタ327は、カード挿入口309から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し及び書き込みを行う。
制御ユニット300は、処理部310と、ROM320と、RAM330と、時計部335とを備えて構成される。
処理部310は、カードユニット3’を統括的に制御するCPUやDSP等のプロセッサを有して構成される制御装置及び演算装置である。
ROM320は、不揮発性の読み出し専用の記憶装置であり、処理部310により読み出され実行されるカードユニット処理プログラム321や各種の設定用テーブル等を記憶している。
RAM330は、揮発性の読み書き可能な記憶装置であり、カードリーダライタ327に受付中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、持玉数(所持球数)、貯蓄数、来店ポイント数、対応するパチンコ機2の台データ、遊技中の会員の遊技情報等の各種のデータを記憶する。RAM330は、不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても所定期間において記憶されているデータが保持される。
また、制御ユニット300は、装置前面の突出部305の下方位置に設けられた払出ボタン311に対応する払出ボタンスイッチ311’に接続されており、払出ボタン311の操作に応じた信号が、該払出ボタンスイッチ311’から入力されることにより、払出ボタン311の操作の有無を把握できるようになっている。払出ボタン311が押下されたことを検知すると、制御ユニット300は、所持球数のうちの所定の単位球数である125発を遊技者に払い戻す。
また、制御ユニット300には、前述したように、対応するパチンコ機2の操作部に設けられた残額表示器や、貸出ボタンの操作を検知する貸出ボタンスイッチや、受付中の会員カードやビジターカードを返却させる際に操作される返却ボタンの操作を検知する返却ボタンスイッチが接続されており、貸出ボタンの操作や返却ボタンの操作を検知できるとともに、これら残額表示器の表示制御を実施する。
また、制御ユニット300に接続された表示制御基板329は、表示部350を成す液晶表示器313や、透明タッチパネル314や、各種スイッチ類(メニューボタン316に対応するメニュースイッチ316a、台データボタン318に対応する台データスイッチ318a、再プレイボタン319に対応する再プレイスイッチ319a)や、前述した再プレイ表示部内に設けられたLED320a等の電子部品が接続されており、これら透明タッチパネル314の操作情報や、各種スイッチ類の操作情報が表示制御基板329を介して制御ユニット300に出力される。
また、制御ユニット300は、HUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8やカード管理装置(T−BOX)7等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
図4は、ホールコンピュータ6の機能構成の一例を示す図である。ホールコンピュータ6は、処理部610と、入力部620と、表示部625と、音出力部630と、時計部635と、第1通信部640と、第2通信部650と、ROM670と、ハードディスク680と、RAM690とを備えて構成され、各部がバスを介して接続されるコンピューターシステムである。
処理部610は、ROM670に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、ホールコンピュータ6の各部を統括的に制御するCPUやDSP等プロセッサを有して構成される制御装置及び演算装置である。
入力部620は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部610に出力する。この入力部620からの操作入力により、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの編集等の指示操作がなされる。
表示部625は、処理部610から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部625には、ハードディスク680に格納された各種データベースのデータの内容等が表示される。
音出力部630は、処理部610から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行うスピーカなどの音出力装置である。音出力部630からは、例えば、注意を促す場合や、異常が発生した場合に、それを管理者に報知する警告音等が音出力される。
時計部635は、ホールコンピュータ6が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部635の計時時刻(日付を含む。)は処理部610に出力される。
第1通信部640は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部640は、パチンコ機2から、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号等の遊技信号を受信する。なお、これらの遊技信号の他に、セーフ球の数を示すセーフ信号や、アウト球の数を示すアウト球信号を受信することとしてもよい。
第2通信部650は、第2の実施の形態で示すデータ表示装置4との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。処理部610の制御に従って、第2通信部650は、表示用設定データ691や、一斉演出表示指示信号をデータ表示装置4に送信するとともに、カードユニット3’からのカードの返却時において各データ表示装置4から送信される返却カードIDの受信、および、該受信した返却カードIDを当日来店カードIDとして、返却カードIDを送信したデータ表示装置4以外の他のデータ表示装置4に対して送信する。
ROM670は、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であり、ホールコンピュータ6のシステムプログラム等の各種のプログラムを記憶している。本実施の形態において、ROM670には、処理部610によって読み出され、管理処理として実行される管理プログラムが記憶されている。
なお、ホールコンピュータ6が記憶装置としてROM670を備えないような構成とすることも可能であり、この場合は、上記の各種プログラムを、例えばハードディスク680に記憶させるようにすればよい。
ハードディスク680は、読み書き可能な不揮発性の記憶装置であり、カードユニット3’やデータ表示装置4の表示設定に係る各種のデータや、パチンコ機2での遊技に係る各種のデータベースを記憶する。
RAM690は、読み書き可能な揮発性のメモリである。RAM690は不図示の電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。
図5は、持玉管理コンピュータ8の機能構成の一例を示す図である。持玉管理コンピュータ8は、処理部810と、入力部820と、表示部830と、通信部840と、時計部850と、記憶部860とを備えて構成される。
処理部810は、記憶部860に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、持玉管理コンピュータ8の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU等のプロセッサを有して構成される。
入力部820は、例えばキーボードやマウスを有して構成される入力手段であり、押下されたキーやボタンの信号(操作信号)を処理部810に出力する。
表示部830は、処理部810から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置であり、LCD等を有して構成される。表示部830には、記憶部860に記憶された各種データベースのデータの内容等が表示される。
通信部840は、カードユニット3’との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。通信部840は、カードユニット3’からカード情報を受信する。
時計部850は、持玉管理コンピュータ8が備える内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部850の計時時刻(日付を含む。)は処理部810に随時出力される。
記憶部860には、処理部810により持ち玉管理処理として実行される持ち玉管理プログラム861と、会員データ863と、カード管理データ865と、ユニット管理データ867とが記憶される。
図6は、会員データ863のデータ構成の一例を示す図である。会員データ863には、会員情報データと、会員遊技履歴データとが記憶される。会員情報データには、会員の個人情報が記憶される。具体的には、例えば、会員をユニークに識別するための会員IDと、該会員が自身で設定する暗証番号と、店舗に来店する度に該会員に付与される来店ポイントと、来店ポイントに応じて該会員に設定されるランクと、該会員の名字と、該会員の名前とが記憶される。
会員遊技履歴データには、会員IDと、来店日と、台番号と、機種名と、開始時刻と、終了時刻とが対応付けて記憶される。開始時刻は、該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を開始した時刻である。終了時刻は、該会員が該台番号のパチンコ機2で遊技を終了した時刻である。
図7は、カード管理データ865のデータ構成の一例を示す図である。カード管理データ865には、会員カード管理データと、ビジターカード管理データとが記憶される。
会員カード管理データは、会員カードを管理するためのデータであり、例えば、会員カードをユニークに識別するためのカードIDと、会員IDと、持玉数(所持球数)と、貯玉数と、大当り回数とが対応付けて記憶される。
ビジターカード管理データは、ビジターカードを管理するためのデータであり、例えば、ビジターカードをユニークに識別するためのカードIDと、該ビジターカードの最新の発行日時である最新発行日時と、持玉数(所持球数)と、大当り回数とが対応付けて記憶される。
カードユニット3’の制御ユニット300は、ROM320に記憶されているカードユニット処理プログラムに従ってカードユニット処理を実行する。
カードユニット処理において制御ユニット300は、まず、起動処理を実施して、対応するパチンコ機2の接続状況の確認や、カード管理コンピュータやホールコンピュータ6、持玉管理コンピュータ8への接続確認要求の送信、並びに該接続確認要求の送信に応じて返信される設定情報に基づく初期値の各設定データへの設定等を実施する。
そして、該起動処理の完了後において通常処理を巡回実施することで、カード挿入口309への会員カード或いはビジターカードの挿入であるカード受付け、遊技者(会員またはビジター)による貸出ボタンの操作、紙幣挿入口302からの紙幣の投入による現金受付け、遊技者による返却ボタンの操作、再プレイボタン319の操作(表示制御基板329からの再プレイ操作情報の受信)、払出ボタン311の操作、メニューボタン316の操作(表示制御基板329からのメインメニュー表示操作情報の受信)、を検知する待機状態となる。
尚、制御ユニット300は、起動処理の後、通常処理と平行して、タイマ割り込み処理をタイマに設定された所定時間間隔毎に実行することで、計数払出ユニット380から計数結果を入力に応じて所持球数を更新や、更新した所持球数の所持球数信号をデータ表示装置4に対して送信できようになっている。
上記した待機状態において、遊技者が、ビジターカードまたは会員カードをカード挿入口309に挿入した場合には、該ビジターカード或いは会員カードの挿入に伴う挿入検知情報がカードリーダライタ327から制御ユニット300に出力されることで、制御ユニット300は、カード受付け有りと判断して、カード受付け処理を実施する。
このカード受付け処理においては、カード挿入口309に挿入された会員カードまたはビジターカードの取り込み指示をカードリーダライタ327に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードをカードリーダライタ327のカードスロット内に取り込んで、該会員カード或いはビジターカードに記憶されている記憶データ、具体的には、当該会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと会員ID(会員カードのみ)とプリペイド残額データ、持玉数(所持球数)データ(ビジターカードのみ)、振分けフラグ等を読み出す。
そして制御ユニット300は、受付けた会員カード又はビジターカードから読み出した(会員)カードIDとプリペイド残額データと装置IDとを含む認証要求をカード管理コンピュータに送信し、カード管理コンピュータからの認証結果を受信するカード認証処理を実施する。
この認証要求の受信に応じてカード管理コンピュータは、受信した認証要求に含まれる(会員)カードIDが、会員カードテーブル又はビジターカードテーブルに存在するか否かとともに、利用不可フラグに利用不可「1」が記憶されているか否かを判定し、存在するとともに利用不可「1」が記憶されていない、つまり利用不可フラグに「0」が記憶されている場合には、該(会員)カードIDに対応付けて会員カードテーブル又はビジターカードテーブルに記憶、管理されているプリペイド残額が、該受信した認証要求に含まれるプリペイド残額データ、すなわち、受付けた会員カード或いはビジターカードから読み出したプリペイド残額データから特定されるプリペイド残額に一致するか否かを判定し、一致することを条件に、認証結果として「認証OK」を返信する一方、会員カードテーブル又はビジターカードテーブルに当該(会員)カードIDが存在しない場合や、利用不可フラグに利用不可「1」が記憶されている場合並びにプリペイド残額が一致しない場合には「認証NG」を返信する。但し、プリペイド残額が一致しない場合であって、認証要求に含まれるプリペイド残額データから特定されるプリペイド残額の方が少額の場合には、会員カードテーブル又はビジターカードテーブルにおけるプリペイド残額を、該少額の金額に更新するとともに、「認証OK」を返信して、当該会員カード又はビジターカードの利用を許諾する。
カード管理コンピュータから返信された認証結果が「認証NG」である場合に制御ユニット300は、受付けた会員カード或いはビジターカードの排出指示をカードリーダライタ327に出力して、挿入された会員カード或いはビジターカードを返却させてカード受付け処理を終了する一方、返信された認証結果が「認証OK」である場合には、受付けたカードから読み出した(会員)カードIDと会員ID(会員のみ)とプリペイド残額とを制御ユニット300のRAM330に格納するともに、プリペイド残額を対応するパチンコ機2の残額表示器に表示した後、待機状態に戻る。
尚、この際、持玉管理コンピュータ8に対して、受付けたカードのカードID等を含むカード受付け通知を送信することで、該カードを挿入した遊技者が所持する持玉数(所持球数)、貯玉数(会員のみ)、来店ポイント(会員のみ)、暗証番号(会員のみ)等が返信され、これらの制御ユニット300のRAM330に格納される。
上記したように、残額表示器にプリペイド残額が表示された後、遊技者が貸出ボタンの操作を実施した場合には、該遊技者による貸出ボタンの操作を検知するための貸出ボタンスイッチからの信号が制御ユニット300に出力されることで、制御ユニット300は、貸出ボタンの操作有りと判断して、貸出処理を実施する。
この貸出処理では、上記したように、対応するパチンコ機2との間における貸出関連信号の授受により、払出単位である125球の遊技球(パチンコ玉)が対応するパチンコ機2から払い出され、該払い出しに応じて125球に相当するプリペイド額が残額表示器に表示されているプリペイド残額(プリペイド残額データも同じ)から減算更新される。
そして、カード管理コンピュータに対してカードユニット3’に固有に付与された装置IDと、受付け中のカードのカードIDと、125球に相当するプリペイド額とを含む貸出完了通知を送信して、カード管理コンピュータの会員カードテーブル或いはビジターカードテーブルにて該カードIDに対応付けて記憶されているプリペイド残額から該プリペイド額(使用額)を減算更新させる。そして、該貸出処理を終了して待機状態に戻る。尚、この際、受付け中のカードがビジターカードである場合であって、プリペイド残額が0である場合には、持玉数(所持球数)が存在しない場合において当該ビジターカードが回収される。
また、前述した待機状態において、遊技者が紙幣挿入口302から現金(紙幣)を投入した場合には、該現金(紙幣)の投入に伴う貨幣識別情報が紙幣識別ユニット302aから制御ユニット300に出力されることで、制御ユニット300は、現金の受付け有りと判断して、発行・入金処理を実施する。
この発行・入金処理においては、まず、入力された貨幣識別情報から投入された貨幣の投入金額を特定するとともに、カードリーダライタ327に受付け中のカードが存在するか否かを判定する。
そして、受付け中のカードが存在しないとの判定の場合に制御ユニット300は、図示しないカード貯留部に収納されているビジターカードをカードスロット上の所定の読み取り位置に移動させて、当該ビジターカードのカードIDを読み出し、該読み出したカードIDと、投入金額と、当該カードユニット3’の装置IDとを含む発行要求をカード管理コンピュータに送信する。
この発行要求の受信に応じてカード管理コンピュータは、受信した発行要求に含まれるカードIDが、ビジターカードテーブルに存在するか否かを判定し、存在する場合には、受信した発行要求に含まれるカードIDに対応するプリペイド残額に、受信した投入金額を格納して、「発行許諾」を該発行要求の送信元のカードユニット3’に対して返信する。尚、受信したカードIDが、ビジターカードテーブルに存在しない場合には、「発行不可」が返信される。
上記した「発行許諾」の受信に応じてカードユニット3’(制御ユニット300)は、カードスロットに移動させたビジターカードに、投入金額に相当するプリペイド残額を書き込み記憶するとともに、制御ユニット300のRAM330に、該ビジターカードのカードIDと投入金額に相当するプリペイド残額とを記憶、並びに残額表示器に該プリペイド残額を表示した後、該発行・入金処理を終了して待機状態に戻る。
尚、カード管理コンピュータから「発行不可」を受信した場合、並びに、カード貯留部にビジターカードが収納されていない場合には、紙幣挿入口302から投入された現金(紙幣)を返却するとともに、多機能ランプ301を所定のエラー報知態様にて点灯させるエラー報知処理を、該エラー状態が解消されるまで実施することで、エラーの発生を報知する。
一方、現金(紙幣)の投入時において受付け中のカードが存在する場合には、上記にて特定した投入金額を、受付け中のカード並びに制御ユニット300のRAM330に記憶されているプリペイド残額データから特定されるプリペイド残額に加算して、これら各プリペイド残額データを加算後の新たなプリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データに更新した後、該入金金額(投入金額に同じ)と当該カードユニット3’の装置IDと、受付け中のカードのカードIDとを含むカード入金通知をカード管理コンピュータに送信して、該カード管理コンピュータの会員カードテーブル或いはビジターカードテーブルにおいて該カードIDに対応して記憶されているプリペイド残額に該入金金額を加算更新させる。
そして、残額表示器に表示されているプリペイド残額を、加算更新後の新たな金額に更新表示して、該入金処理を終了して待機状態に戻る。
また、前述した待機状態において、遊技者が返却ボタンの操作を実施した場合には、遊技者による返却ボタンの操作を検知するための返却ボタンスイッチからの信号が制御ユニット300に入力されることで、制御ユニット300は、返却ボタンの操作有りと判断して、返却処理を実施する。
この返却処理においては、まず、カードリーダライタ327に受付け中のカードが存在するか否かを判定し、存在しない場合には当該操作を無効とする一方、存在する場合には、払出ボタン311の操作を無効とするとともに、計数払出ユニット380に対して計数禁止指示を出力して、新たな計数を禁止する。
この計数禁止指示の出力によって計数払出ユニット348においては、新たなパチンコ玉の計数が禁止されるとともに、該禁止中に流入してきたパチンコ玉は、図示しない環流路と流出路並びに返却通路344を介して返却口342に返却されるようになる。
そして制御ユニット300は、持玉管理コンピュータ8に対して当該カードユニット3’の装置IDと返却したカードのカードIDと記憶されている持玉数(所持球数)と貯玉数(会員のみ)を含む返却通知を送信する。
この返却通知の受信に応じて持玉管理コンピュータ8は、会員貯蓄管理テーブルまたはビジター貯蓄管理テーブルにおいて、受信した返却通知に含まれるカードIDに対応して記憶されている持玉数(所持球数)並びに貯玉数(会員のみ)を、受信した返却通知に含まれる持玉数(所持球数)並びに貯玉数に更新して、該返却通知の送信元のカードユニット3’に対して更新完了通知を送信する。
この更新完了通知の受信に応じて制御ユニット300は、受付け中のカードがビジターカードであるか否かを判定し、ビジターカードである場合には、該ビジターカードに持玉数を記録した後、排出指示をカードリーダライタ327に出力して受付け中のビジターカードまたは会員カードをカード挿入口309から排出させるともに、カード情報333をリセットし、払出ボタン311の操作無効と計数禁止とを解除して待機状態に戻る。
また、前述した待機状態において、遊技者が再プレイボタン319の操作を実施した場合には、該再プレイボタン319の操作を検知した表示制御基板329から再プレイ操作情報が制御ユニット300に入力されることで、制御ユニット300は、再プレイボタン319の操作有りと判断して、再プレイ処理を実施する。
この再プレイ処理においては、暗証番号による本人確認が実施され、暗証番号の一致により本人であると確認された場合には、貯玉数が所定の再プレイ単位玉数以上であってLED320aが点灯状態である場合において、払出単位である125球のパチンコ球が、前述した貸出処理の場合と同じく貸出関係信号がパチンコ機2との間において授受されることにより、対応するパチンコ機2から払い出される(返却される)。そして、該払い出された125球に相当する貯玉数が、持玉管理コンピュータ8にて管理されている貯玉数とカード情報333に記憶されている貯玉数から減算更新された後、該再プレイ処理を終了して待機状態に戻る。
また、前述した待機状態において、払出ボタン311が操作された場合には、払出ボタンスイッチ311’からの操作信号が制御ユニット300に入力されることで、制御ユニット300は、払出ボタン311の操作有りと判断して、払出処理を実施する。尚、払出操作が無効とされている場合には、待機状態を継続する。
この払出処理においては、はじめに、持玉数(所持球数)が、対応するパチンコ機2から払い出しが可能な払出単位である125球以上であるか否かが判定され、払出単位数以上である場合には、前述した貸出処理の場合と同じく貸出関係信号がパチンコ機2との間において授受されることにより、対応するパチンコ機2から払い出される(返却される)。そして、該払い出された125球に相当する持玉数(所持球数)が、持玉管理コンピュータ8にて管理されている持玉数(所持球数)と制御ユニット300のRAM330に記憶されている持玉数(所持球数)から減算更新された後、該払出処理を終了して待機状態に戻る。
一方、持玉数(所持球数)が払出単位数未満である場合には、対応するパチンコ機2において払い出しが可能な最低単位である25球の倍数で、最大数の払い出し数を特定し、該払い出し数(25球、50球、75球、100球のいずれか)の払い出しが対応するパチンコ機2から実行され、払い出し数が持玉管理コンピュータ8にて管理されている持玉数(所持球数)とカードユニット3’に記憶されている持玉数(所持球数)から減算更新された後、該払出処理を終了して待機状態に戻る。
また、持玉数(所持球数)が対応するパチンコ機2において払い出しが可能な最低単位である25球未満である場合には、計数払出ユニット380から端数の持玉数(所持球数)が返却通路344を通じて返却口342に払い出し(返却)されるとともに、払い出し数が持玉管理コンピュータ8にて管理されている持玉数(所持球数)とカードユニット3’に記憶されている持玉数(所持球数)が「0」に更新された後、該払出処理を終了して待機状態に戻る。尚、持玉数が「0」となった場合において、受付け中のカードがビジターカードであって、プリペイド残額も「0」である場合には、該ビジターカードは回収されることになる。
また、前述した待機状態において、遊技者がメニューボタン316の操作を実施した場合には、該メニューボタン316の操作を検知した表示制御基板329からメインメニュー表示操作情報が制御ユニット300に入力されることで、制御ユニット300は、メニューボタン316の操作有りと判断して、受付け中のカードの種別(会員かビジター)に応じたメニュー画面を表示するメニュー表示処理を実施する。
そして、所定期間内にメニュー画面に表示されたいずれかのメニュー項目が選択されたか否かを判定する。所定期間内にメニュー項目の選択がなければ、メニュー画面の表示を終了して待機状態に戻る。一方、所定期間内にメニュー項目の選択があれば、選択されたメニュー項目に対応した処理を実行した後、待機状態に戻る。
本実施の形態において、カードユニット3’は、遊技者が所定の定量の出玉を得ると遊技を制限する定量制モードに設定可能とされている。具体的には、カードユニット3’の制御ユニット300のRAM330に、設定された定量が記憶されている場合は、定量制モードに設定されていることを示す。
定量は、ホールコンピュータ6において、各カードユニット3’について、たとえば、遊技機のタイプ(大当り確率が低く出玉が多いMAXタイプ、大当り確率が中程度で出玉が中程度のミドルタイプ、大当り確率が高く出玉が少ない甘デジタイプなど)ごとや同一機種ごとや島・エリアごとなど複数台まとめて、または、1台ごとに、入力可能なように構成される。この場合に、ホールコンピュータ6の画面に遊技場の遊技機のレイアウトを表示させて、視覚的に入力可能なように構成してもよい。
ホールコンピュータ6において定量が入力されると、入力された定量は、対応するカードユニット3’に送信され、制御ユニット300のRAM330に記憶される。なお、定量は、店員によってカードユニット3’に直接、入力可能なように構成してもよい。
図8は、出玉表示関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8を参照して、この出玉表示関連処理は、カードユニット3’で実行される。まず、カードユニット3’の制御ユニット300の処理部310は、定量がRAM330に記憶されているか否かによって、定量制モードに設定されているか否かを判断する(ステップS101)。
定量制モードでない(ステップS101でNO)と判断した場合、処理部310は、後述する図9(a)で示す非定量制モード時画面を表示する。図9(a)で示すように、非定量制モード時画面には、出玉(差玉数)は表示されるが、定量および定量までの残数は表示されない。その後、処理部310は、出玉表示関連処理を終了し、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
一方、定量制モードである(ステップS101でYES)と判断した場合、処理部310は、カードを受付けるための処理が開始されたか否かを判断することによって、カードが挿入された時であるか否かを判断する(ステップS103)。カードが挿入された時でない(ステップS103でNO)と判断した場合、処理部310は、実行する処理をステップS111に進める。
カードが挿入された時である(ステップS103でYES)と判断した場合、処理部310は、当該カードユニット3’が対応する遊技機での遊技で定量に到達した旨を示す定量到達フラグが当該遊技機の遊技機IDとともにカードに記録されているか否かを判断する(ステップS104)。
後述するステップS123で説明するように、差玉数が定量に到達すると、当該カードユニット3’に対応する遊技機の遊技機IDと定量到達フラグがカードに記録される。
定量到達フラグが当該カードユニット3’に対応する遊技機IDとともに記録されている(ステップS104でYES)と判断した場合、処理部310は、定量に到達済みである旨を液晶表示器313に表示させるとともにLED320aを点滅させることで報知する。この場合、処理部310は、店員による確認の操作があった(ステップS106でYES)と判断するまでは、実行する処理を以後の処理に進めない。この場合は、店員は遊技者に対して定量に達しているので当該遊技機で遊技ができない旨を伝える。これによって、遊技が制限される。
一方、定量到達フラグが記録されていない(ステップS104でNO)と判断した場合、処理部310は、RAM330の獲得玉数、打込玉数および差玉数を0に初期化する(ステップS107)。このときに、当該カードユニット3’に対応する遊技機の遊技機IDとともに差玉数がカードに記録されている場合、処理部310は、RAM330の差玉数を、当該遊技機IDに対応してカードに記録されている差玉数にする。
処理部310は、賞球信号を受信した(ステップS111でYES)と判断すると、獲得玉数に所定玉数(ここでは10玉)を加算する(ステップS112)。処理部310は、打込信号を受信した(ステップS113でYES)と判断すると、打込玉数に所定玉数(ここでは10玉)を加算する(ステップS114)。処理部310は、獲得玉数から打込玉数を減算して差玉数を算出する(ステップS115)。
次いで、処理部310は、後述する図9(b)で示す定量制モード時画面を表示する(ステップS116)。図9(b)で示すように、定量制モード時画面には、定量制モードである旨の「定量制」の文字が表示されるとともに、出玉(差玉数)だけでなく、定量および定量までの残数も表示される。
次に、処理部310は、差玉数が定量に到達したか否かを判断する(ステップS121)。定量に到達した(ステップS121でYES)と判断した場合、処理部310は、受付中のカードIDと差玉数(ここでは定量と等しい)とをRAM330に記憶させる(ステップS122)。
また、処理部310は、当該カードユニット3’に対応する遊技機の遊技機IDと定量到達フラグとをカードに記録する(ステップS123)。そして、処理部310は、定量に到達した旨を液晶表示器313に表示させるとともにLED320aを点滅させることで報知する。この場合、処理部310は、店員による確認の操作があった(ステップS125でYES)と判断するまでは、実行する処理を以後の処理に進めない。この場合は、店員は遊技者に対して定量に達したので当該遊技機で遊技ができない旨を伝える。これによって、遊技が制限される。
差玉数が定量に到達していない(ステップS121でNO)と判断した場合、処理部310は、カードを排出するための処理の実行が開始されたか否かを判断することによって、カード排出時であるか否かを判断する(ステップS131)。
カード排出時である(ステップS131でYES)と判断した場合、処理部310は、排出対象のカードIDと差玉数(ここでは定量に未到達)とをRAM330に記憶させる(ステップS122)。また、カードが排出される前に、処理部310は、当該カードユニット3’に対応する遊技機の遊技機IDと定量到達フラグとをカードに記録する(ステップS133)。その後、処理部310は、実行する処理をステップS136に進める。
カード排出時でない(ステップS131でNO)と判断した場合、処理部310は、セキュリティ信号を遊技機から受信したか否かを判断する(ステップS134)。セキュリティ信号は、遊技機がリセットされると、遊技機からカードユニット3’やホールコンピュータ6などに対して出力される。
セキュリティ信号を受信していない(ステップS134でNO)と判断した場合、処理部310は、店員による新たな遊技者が遊技を開始した旨の操作がされたか否かを判断することによって、前と異なる遊技者が遊技を開始したか否かを判断する(ステップS135)。前と異なる遊技者が遊技を開始していない(ステップS135でNO)と判断した場合、処理部310は、出玉表示関連処理を終了し、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
セキュリティ信号を受信した(ステップS134でYES)と判断した場合、前と異なる遊技者が遊技を開始した(ステップS135でYES)と判断した場合、および、ステップS133の後、獲得玉数、打込玉数および差玉数を0に初期化する(ステップS136)。その後、処理部310は、出玉表示関連処理を終了し、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
前述した実施の形態においては、遊技機での遊技により遊技者に付与された付与価値が賞球数であり、付与価値に基づく指標値(定量との比較対象)が差玉数であることとしたが、これに限定されず、指標値が獲得玉数であることとしてもよい。また、封入式遊技機の場合は、付与価値が得点であり、指標値が遊技点であることとしてもよい。
前述した実施の形態においては、カードが挿入された時である(ステップS103でYES)と判断された場合、カードが排出された時である(ステップS131でYES)と判断された場合、および、前と異なる遊技者が遊技を開始した(ステップS135)と判断された場合に、遊技が終了したと判断するようにした。しかし、これに限定されず、カードユニット3’がカメラを備え、カメラで撮像された遊技者の画像のデータがカードユニット3’からホールコンピュータ6に送信され、ホールコンピュータ6で遊技者が変わったか否かを判断することによって、前の遊技者の遊技の終了を判断するようにしてもよい。
前述した実施の形態においては、定量に達していない場合は、差玉数と遊技機IDとをカードに記録し、定量に達した場合は、定量到達フラグと遊技機IDとをカードに記録するようにした。しかし、これに限定されず、遊技機ごとの定量もカードに記録するようにして、定量に到達したことを示す定量到達フラグに替えて、カードに記録された定量と差玉数とが同じ値であることが定量に到達したことを示すこととしてもよい。
図9は、カードユニット3’の表示画面の一例を示す図である。図9(a)は、液晶表示器313における非定量制モード時の表示画面の一例を示す図である。この表示画面の上部には、該カードユニット3’に対応して設けられたパチンコ機2の機種名が表示されている。その下には、大当り回数と、スタート回数と、確変大当り回数と、通常大当り回数と、前日大当り回数と、前々日大当り回数と、最大連荘回数と、出玉数とが、それぞれ個別に設けられた表示窓内に表示されている。
また、図9(b)は、液晶表示器313における定量制モード時の表示画面の一例を示す図である。この表示画面には、該カードユニット3’に対応して設けられたパチンコ機2の機種名が表示されている。その下には、大当り回数と、確変大当り回数と、通常大当り回数と、前々回の大当りから前回の大当りとなるまでのスタート回数(スタート1)と、3回前の大当りから前々回の大当りとなるまでのスタート回数(スタート2)と、4回前の大当りから3回前の大当りとなるまでのスタート回数(スタート3)と、総スタート回数と、大当り確率と、平均連荘回数と、前日の大当り回数及び確変大当り回数と、前々日の大当り回数及び確変大当り回数と、3日前の大当り回数及び確変大当り回数と、最大連荘回数と、「定量制」モードである旨と、定量と、出玉数と、定量までの残数とが、それぞれ個別に設けられた表示窓に表示されている。尚、この表示画面に表示される大当り確率とは、パチンコ機2における大当り確率ではなく、大当り回数を総スタート回数で除算した値を指す。ここで、出玉数および残数のいずれかが表示されるようにしてもよい。
このように、本実施の形態では、定量制モード時の表示画面である図9(b)の方が、非定量制モード時の表示画面である図9(a)よりも、詳細な遊技情報が表示されるようになっている。
また、図9(a)及び図9(b)に示すように、表示画面が非情報会員用表示態様にて表示されている液晶表示部430の下部及び表示画面が情報会員用表示態様にて表示されている液晶表示部430の下部には、いずれも、呼出アイコンとメニューアイコンとバージョン情報アイコンとが表示されている。遊技者は、呼出アイコンを指でタップすることにより、店員を呼び出すことができる。また、遊技者は、メニューアイコンを指でタップすることにより、メニュー選択を行うことができる。メニューアイコンを指でタップすると、メニュー選択画面(不図示)に表示が切り替わり、過去のデータの表示や、各種のサービス(ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩等)の提供を選択することができる。また、遊技者は、バージョン情報アイコンをタップすることで、液晶表示部430にパチンコ機2のバージョン情報を表示させることができる。
また、上記第1の実施の形態において、当日に受付けられたカードのカードIDがホールコンピュータ6によってすべてのカードユニット3’から収集され、収集されたカードIDがすべてのカードユニット3’に送信されて当日来店カードIDデータとして記憶されるようにしてもよい。そして、対応するカードユニット3’にカードが挿入された際に、挿入されたカードのカードIDが当日来店カードIDデータに存在しない場合には、来店時表示である「いらっしゃいませ!」等のメッセージが表示され、挿入されたカードのカードIDが当日来店カードIDデータに存在する場合には、台移動時表示である「まだまだこれからです!この台ならいいかも!」の等のメッセージが表示されるようにしてもよい。これにより、既に、カードユニット3’にて遊技球の貸出にカードを使用することにより記録媒体識別情報記憶手段となるRAM330の当日来店カードIDデータにカードID(記録媒体識別情報)が既に記憶されている遊技者と、記憶されていない遊技者とで、異なるメッセージ表示(特定表示)を表示することができる。
また、この場合に、対応するカードユニット3’にカードが挿入された際に、挿入されたカードのカードIDが当日来店カードIDデータに存在しない場合には、図9(a)で示した表示画面が表示され、挿入されたカードのカードIDが当日来店カードIDデータに存在する場合には、図9(b)で示した表示画面が表示されるようにしてもよい。これによっても、既に、カードユニット3’にて遊技球の貸出にカードを使用することにより記録媒体識別情報記憶手段となるRAM330の当日来店カードIDデータにカードID(記録媒体識別情報)が既に記憶されている遊技者と、記憶されていない遊技者とで、異なる情報を表示することができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る遊技用システム1Aにつき説明する。第1の実施の形態においては、カードユニット3’で、出玉が定量に達した場合に遊技を制限するようにした。第2の実施の形態においては、データ表示装置4で、出玉が定量に達した場合に遊技を制限するようにする。
図10は、本第2の実施の形態の第2遊技用システム1Aのシステム構成の一例を表す図である。第2の実施の形態においては、第1の実施の形態の呼出ランプに代えて、データ表示装置4がパチンコ機2に対応して設けられている。
本第2の実施の形態のカードユニット3は、図12に示すように、第1の実施の形態のカードユニット3’とほぼ同様の外観とされている。第1の実施の形態のカードユニット3’は、表示部350の下方位置に、電子マネーを用いた遊技媒体の貸し出しを可能とするために、電子マネー機能を有する遊技者の携帯電話端末を受付けるためのNFCリーダライタ360が設けられている点が、第2の実施の形態のカードユニット3と異なる。第2の実施の形態においては、NFCリーダライタは、データ表示装置4に設けられる。
このNFCリーダライタは、第1の実施の形態のNFCリーダライタ360と同様の機能を有するものであり、遊技者の携帯電話端末に搭載されている非接触ICとの近距離非接触通信(NFC)を行うことができるものであれば良い。
遊技島に設置される各パチンコ機2の上方の所定位置には、図12に示すように、大型のカラーの液晶画面によってパチンコ機2での遊技に係る遊技情報や店舗の営業に係る店舗情報等の各種の情報を表示する情報表示装置の一種であるデータ表示装置4が設置されている。データ表示装置4は、大型のカラー液晶による液晶表示部430を有する。データ表示装置4は、遊技者や遊技客に対して情報を公開する端末であるため、情報公開端末と言い換えることもできる。
また、本実施の形態において、データ表示装置4の液晶表示部430はタッチパネル421を有して構成されており、液晶表示部430に表示された呼出アイコンやメニューアイコン、バージョン情報アイコンを遊技者がタップすることにより、店員の呼出やメニュー選択(ワゴンサービスやおしぼり、食事休憩等)、パチンコ機2のバージョン情報の表示指示を行うことができるように構成されている。従って、データ表示装置4は、呼出ランプ装置と言い換えることもできる。
ホールコンピュータ6は、店舗に設置された各パチンコ機2の遊技情報を統括的に管理するとともに、各パチンコ機2に対応して設けられたデータ表示装置4を管理し、各データ表示装置4の液晶表示部430の表示に係る設定(表示内容、表示条件、表示態様等の設定)を行う。
図11は、第2遊技用システム1Aの各装置間における情報及び信号の流れの一例を示す図である。なお、図11では、説明の簡明化のために、台端末10については図示を省略している。
パチンコ機2からは、大当り中信号や確変中信号、時短中信号、打込信号、賞球信号、始動信号といった遊技に係る信号がデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
カードユニット3からは、計数払出ユニット380により計数された遊技者の所持球数を表す所持球信号がデータ表示装置4に出力される。本実施の形態では、カードユニット3は、間欠的なタイミングで所持球信号をデータ表示装置4に出力するように構成されている。ここで、本実施の形態における間欠的なタイミングとは、随時(リアルタイム)のタイミングではなく、例えば、所定の時間間隔毎のタイミングや、計数払出ユニット380の計数結果が所定数に達したタイミング、計数払出ユニット380の計数がなくなってから所定時間が経過したら計数を確定し、その確定を待ったタイミングのことをいう。
カードユニット3は、例えば、所定の時間間隔(例えば10秒)毎のタイミングや、計数払出ユニット380の計数数が所定数(例えば25球)に達する毎のタイミングで、所持球信号をデータ表示装置4に出力する。所持球信号は、遊技機で遊技する遊技者の所持遊技媒体数を特定可能な信号の一例である。
この他に、カードユニット3からは、カードが挿入されたことを示すカード挿入信号とカードが排出されたことを示すカード排出信号(カード挿入/排出信号)、並びに挿入されたカードからカードリーダライタ327により読み出されたデータのうち、個々のカードを識別可能とするためのカードIDである受付けカードIDがデータ表示装置4に出力される。また、カードユニット3からは、遊技者の持玉数(所持球数)を含む持玉データが持玉管理コンピュータ8に出力されるとともに、カードのカードIDと利用額とを含む利用情報がカード管理装置7に出力される。
ホールコンピュータ6からは、データ表示装置4の液晶表示部430の表示用の設定データである表示用設定データや、表示部に特定の表示を行わせるための表示指示信号がデータ表示装置4に出力される。
図12は、本実施の形態におけるパチンコ機2の外観構成の一例を示す正面図である。パチンコ機2の外観構成は、図2で説明したので重複する説明は繰返さない。
本実施の形態のパチンコ機2には、これら各信号を外部出力するための不図示の情報出力基板が搭載されており、該情報出力基板とデータ表示装置4及びホールコンピュータ6とが、不図示の信号ケーブルを介して接続されており、情報出力基板からは、大当り中信号、確変中信号、時短中信号、始動信号、賞球信号からなる外部出力信号が、信号ケーブルを介してデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。また、これらの信号の他に、不図示のアウト玉計数器によりアウト玉が計数され、このアウト玉の計数値が所定玉数(例えば10玉)に達する毎に、所定のパルス幅の打込信号がアウト玉計数器からデータ表示装置4及びホールコンピュータ6に出力される。
図13は、第2遊技用システム1Aのカードユニット3の機能構成の一例を示すブロック図である。以下、第1の実施の形態のカードユニット3’と異なる点について説明する。制御ユニット300は、第2通信部303とHUBを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されているホールコンピュータ6や持玉管理コンピュータ8やカード管理装置(T−BOX)7等の外部装置とデータ通信可能に接続されており、これらの各コンピュータと各種データの送受が可能とされている。
また、制御ユニット300には、データ表示装置4との間でデータの授受や信号の送受を行うための第1通信部304が接続されており、該第1通信部304を介して遊技者の所持球を示す所持球信号や、カード挿入/排出信号、受付けカードID等のデータをデータ表示装置4に送信する。
図12には、本実施の形態のデータ表示装置4の外観構成の一例が示されている。本実施の形態のデータ表示装置4は、図12に示すように、中央に大型の液晶表示部430を有し、その周囲上方部に複数色に発光可能なカラーLEDを内蔵したLED表示部440を備える。
尚、以下の説明では、パチンコ機2で遊技する遊技者を基準として、遊技者に対する手前方向及び奥方向を前後方向、遊技者を基準とする右方向及び左方向を左右方向、遊技者を基準とする上方向及び下方向を上下方向とそれぞれ定義する。
LED表示部440は3つの区画に分割されており、各区画毎に個別に点灯・非点灯とすることができるとともに、各区画毎に異なる色に点灯することが可能とされている。
また、液晶表示部430の下方位置には、遊技者が所持する携帯電話端末と近距離非接触通信(NFC)を行うためのNFCリーダライタ460が、下方に突出するように設けられている。尚、液晶表示部430の表面には、タッチパネル421が設けられており、液晶表示部430におけるタッチ操作が可能とされている。尚、本実施の形態では、NFCリーダライタ460を、遊技者が携帯電話端末を近接させ易くするために、下方位置に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらNFCリーダライタ460をデータ表示装置4の側方位置に設けるようにしたり、或いは、データ表示装置4の本体とは別体として、データ表示装置4の下方位置に配置するようにしても良い。
図14は、データ表示装置4の機能構成の一例を示すブロック図である。データ表示装置4は、処理部410と、操作部420と、液晶表示部430と、音出力部450と、時計部455と、NFCリーダライタ460と、第1通信部470と、第2通信部480と、第3通信部485と、記憶部490とを備えて構成される。
処理部410は、記憶部490に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って、データ表示装置4の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPUやDSP等のプロセッサを有して構成される。
操作部420は、液晶表示部430と一体的に構成されたタッチパネル421を有する入力手段であり、タッチパネル421に対する操作入力信号を処理部410に出力する。タッチパネル421に対するタップ操作により、店員の呼び出しや、メニューの選択等の各種指示操作がなされる。
液晶表示部430は、前述したように大型の液晶ディスプレイであり、表示制御部412から出力される表示制御信号に基づいて各種の表示を行う表示装置である。
音出力部450は、処理部410から出力される音出力制御信号に基づく各種の音出力を行う音出力装置である。処理部410からは、該データ表示装置4の液晶表示部430に表示させる映像に係る音声等が音出力される。
NFCリーダライタ460は、遊技者が所持する携帯電話端末と近距離非接触通信(NFC)を行うとともに、遊技場の関係者である店員が所持する後述するリモコン端末との近距離非接触通信(NFC)を行う。これらNFCリーダライタ460は、近距離非接触通信(NFC)の通信規格に基づく通信が可能なものであれば、公知のものを使用することができる。
時計部455は、データ表示装置4の内部時計であり、例えば、水晶振動子及び発振回路を含む水晶発振器を有して構成される。時計部455の計時時刻(日付を含む。)は処理部410に出力される。時計部455は、計時手段に相当する。
第1通信部470は、パチンコ機2との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第1通信部470は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってパチンコ機2から各種の遊技信号を受信する。なお、パチンコ機2を封入式パチンコ機とする場合は、封入式パチンコ機から持点に関する情報を含む遊技信号をシリアル通信方式で受信するためのシリアル通信端子を第1通信部470に設けることとし、シリアル通信方式に従って、封入式パチンコ機から遊技信号を受信するようにしてもよい。
第2通信部480は、ホールコンピュータ6との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第2通信部480は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってホールコンピュータ6から表示用設定データを受信するとともに、ホールコンピュータ6に対し返却カードIDを送信し、ホールコンピュータ6から当日来店カードIDを受信する。
第3通信部485は、カードユニット3との間で通信を行うための通信装置であり、例えば有線ケーブルを介して通信を行う有線通信モジュールを有して構成される。第3通信部485は、パラレル通信端子を有し、パラレル通信方式に従ってカードユニット3から所持球信号、カード挿入信号、カード排出信号、受付けカードIDを受信する。
記憶部490は、ROMやフラッシュROM、RAM等のメモリを有して構成される記憶装置である。記憶部490には、処理部410により読み出され実行されるプログラムが記憶されている。
このようなデータ表示装置4において、第1の実施の形態で説明したカードユニット3’で実行される図8の出玉表示関連処理と同様の処理を実行する。
ここで、ステップS103の判断は、カードユニット3からのカード挿入信号に基づいて行なわれる。ステップS131の判断は、カードユニット3からのカード排出信号に基づいて行なわれる。
ステップS104の判断は、ホールコンピュータ6で管理される定量に到達したカードIDを記憶部490に記憶しておき、カードユニット3から受信された受付けカードIDと一致するか否かを判断することで、定量に到達したカードであるか否かを判断することで行なわれる。
また、上記第2の実施の形態において、当日に受付けられたカードのカードIDがホールコンピュータ6によってすべてのカードユニット3’から収集され、収集されたカードIDがすべてのカードユニット3’に送信されて当日来店者データとして記憶されるようにしてもよい。この当日来店者データは、第1の実施の形態の変形例で示した当日来店カードIDデータと同様のデータである。つまり、当日来店者データには、その当日において当該遊技場に設置されているいずれかのカードユニット3’に挿入されたビジターカードまたは会員カードのカードIDが記憶されており、新たなカードを受付けた際に、該受付けたカードのカードIDが当日来店者データに記憶されていない場合には、所定の来店時表示(例えば、いらっしゃいませ!等のメッセージ表示)が表示部430に表示される一方、新たなカードを受付けた際に、該受付けたカードのカードIDが当日来店者データに記憶されている場合には、所定の非来店時表示(例えば、いつもご利用ありがとうございます!等のメッセージ表示)が表示部430に表示される。
また、この場合に、受付けたカードのカードIDが当日来店者データに存在しない場合には、図9(a)で示した表示画面が表示され、受付けたカードのカードIDが当日来店者データに存在する場合には、図9(b)で示した表示画面が表示されるようにしてもよい。これによっても、既に、カードユニット3にて遊技球の貸出にカードを使用することにより記録媒体識別情報記憶手段となる記憶部490の当日来店者データにカードID(記録媒体識別情報)が既に記憶されている遊技者と、記憶されていない遊技者とで、異なる情報を表示することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記各実施の形態では、有利状態を、大当り遊技状態、確変状態及び時短状態とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技機がスロットマシンである場合においては、これら有利状態を、ボーナス(BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)等)状態、チャンスタイム(ART(アシストリプレイタイム)、AT(アシストタイム)及びRT(リプレイタイム)等とすれば良い。
[まとめ]
以上、説明した実施の形態および効果を以下にまとめる。
(1−1) 遊技機に対応して設けられる遊技用装置(たとえば、各台計数機能を有する計数払出ユニット380が設けられたカードユニット3’、各台計数機能を有するカードユニット3との通信機能付のデータ表示装置4。各台計数装置との通信機能付のカードユニットであってもよい。各台計数装置とカードユニットを介さない通信機能付のデータ表示装置であってもよい。)であって、
前記遊技機での遊技により遊技者に付与された付与価値(たとえば、賞球の数、得点)に基づく指標値(たとえば、差玉数、獲得玉数、遊技点)を特定する特定手段(たとえば、図8のステップS111〜S115)と、
遊技を制限(たとえば、定量に達すると打ち止め、大当りの図柄に応じて遊技が制限)するための処理を実行するか否かを決定するために、前記特定手段によって特定された指標値が基準値に達したか否かを判定する基準値判定手段(たとえば、図8のステップS104,ステップS121)と、
前記基準値判定手段による判定に用いる前記基準値(たとえば、定量。MAXタイプ:30000玉、ミドルタイプ:10000玉、甘デジタイプ:5000玉、2種:3000玉。)を設定可能な設定手段(たとえば、サーバからの一括設定を受付けてもよいし、店員から直接、設定を受付けてもよい。)と、
前記設定手段によって受付けられた前記基準値に基づく表示を行なう表示手段(たとえば、液晶ディスプレイ、7セグメント表示器。図8のステップS116。図9(b)の画面。)とを備える。
このような構成によれば、様々なタイプの遊技機に対して遊技を制限する基準値を適切な値に設定することができ、その基準値を遊技者に知らせることができる。その結果、様々なタイプの遊技機に対して遊技を制限する遊技者への価値付与の基準値を適切に扱うことが可能な遊技用装置を提供することができる。
(2−1) 上記(1−1)の遊技用装置において、
前記表示手段は、前記特定手段によって特定された前記指標値に基づく表示(たとえば、定量までの差玉数または獲得玉数の残数の表示であってもよいし、差玉数の表示であってもよいし、獲得玉数および打込玉数の表示であってもよいし、獲得玉数の表示であってもよい。)をさらに行なう。
このような構成によれば、基準値に加えて遊技者に付与された付与価値の指標値が表示される。その結果、あとどの程度で基準値に達するかを遊技者に知らせることができる。
(1−2) 遊技機に対応して設けられる遊技用装置(たとえば、各台計数機能を有する計数払出ユニット380が設けられたカードユニット3’、各台計数機能を有するカードユニット3との通信機能付のデータ表示装置4。各台計数装置との通信機能付のカードユニットであってもよい。各台計数装置とカードユニットを介さない通信機能付のデータ表示装置であってもよい。)であって、
遊技者を特定する遊技者特定手段(たとえば、図8のステップ104)と、
遊技者特定手段によって特定された遊技者が、以前に前記遊技者特定手段によって特定された遊技者と一致するか否かを判定する遊技者判定手段(たとえば、図8のステップ104)と、
前記遊技機での遊技により遊技者に付与された付与価値(たとえば、賞球の数、得点)に基づく指標値(たとえば、差玉数、獲得玉数、遊技点)を特定する特定手段(たとえば、図8のステップS111〜S115)と、
遊技を制限(たとえば、定量に達すると打ち止め、大当りの図柄に応じて遊技が制限)するための処理を実行するか否かを決定するために、前記特定手段によって特定された指標値が基準値(たとえば、定量。MAXタイプ:30000玉、ミドルタイプ:10000玉、甘デジタイプ:5000玉、2種:3000玉。)に達したか否かを判定する基準値判定手段(たとえば、図8のステップS104)と、
前記遊技者判定手段による以前に記憶された遊技者と一致するとの判定および前記基準値判定手段による判定結果に基づいて、遊技を制限するための処理を実行する制限処理手段(たとえば、図8のステップ105で示すように、遊技者が一致し、かつ、定量に達している場合に、定量に到達済みである旨を報知してもよいし、遊技不可である旨を報知してもよい。遊技者が一致し、かつ、定量に達していない場合に、定量までの残数を報知していもよいし、遊技不可である旨を報知してもよい。)を備える。
このような構成によれば、特定された遊技者が以前に記憶された遊技者と一致するとの判定および遊技者に付与された付与価値に基づく指標値が基準値に達したか否かの判定結果に基づいて、遊技を制限するための処理が実行される。その結果、遊技者に付与された付与価値に基づく指標値が基準値に達したことに基づいて遊技を制限する場合において、遊技を一旦やめた同じ遊技機での遊技を適切に制限することが可能な遊技用装置を提供することができる。
(2−2) 上記(1−2)の遊技用装置において、
前記特定手段によって特定された前記指標値に基づく表示(たとえば、定量までの差玉数または獲得玉数の残数の表示であってもよいし、差玉数の表示であってもよいし、獲得玉数および打込玉数の表示であってもよいし、獲得玉数の表示であってもよい。)を行なう表示手段をさらに備える。
このような構成によれば、基準値に加えて遊技者に付与された付与価値の指標値が表示される。その結果、あとどの程度で基準値に達するかを遊技者に知らせることができる。
(3) 上記(1−1)、(2−1)、(1−2)または(2−2)の遊技用装置において、
付与価値の付与に基づいて前記遊技機から出力される付与信号(たとえば、払出信号)および付与価値を付与する条件の成立に基づいて前記遊技機から出力される付与条件成立信号(たとえば、賞球信号)の入力を受付ける入力手段(たとえば、図8のステップS111,S113)をさらに備え、
前記特定手段は、前記入力手段によって受付けられた前記付与条件成立信号に応じて前記指標値を加算する(たとえば、図8のステップS112,S115)。
このような構成によれば、付与信号よりも早く出力される付与条件成立信号に応じて指標値が加算される。このため、指標値が基準値に達したことを逸早く判定することができる。その結果、指標値が基準値に達しているのに遊技が制限されない期間を短くすることができる。
(4) 上記(1−1)、(2−1)、(1−2)または(2−2)の遊技用装置において、
前記特定手段は、前記遊技機によって付与された付与価値の特定に基づく特定信号(たとえば、各台計数機能による計数信号であってもよいし、外部の各台計数装置からの計数信号であってもよい。)に応じて前記指標値を加算する(たとえば、図8のステップS112,S115のように差玉数を算出するのではなく、各台計数からの計数信号に基づいて獲得玉数を算出するようにしてもよい。)。
このような構成によれば、実際の付与価値の特定に応じて指標値が加算される。このため、指標値が基準値に達したことを正確に判定することができる。その結果、実際の付与価値の指標値が基準値に達したときに的確に遊技を制限することができる。
(5) 上記(1−1)から(4)のいずれかの遊技用装置において、
遊技の終了を判定する終了判定手段(たとえば、図8のステップS131のようにカードが排出されることによって判定してもよいし、図8のステップS103のように次の遊技者のカードが受付けられることによって判定してもよいし、稼動によって判定してもよいし、カメラによって判定してもよい。)と、
前記終了判定手段によって遊技終了と判定されたことに基づいて前記特定手段によって特定された前記指標値を初期化する初期化手段(たとえば、図8のステップS136のように遊技が終了したと判定したときにすぐに初期化してもよいし、図8のステップS107のように次の遊技者が遊技を開始したときに初期化してもよいし、遊技が終了したと判定してから所定時間、経過した後に初期化してもよい。)とをさらに備える。
前の遊技者の指標値の続きから次の遊技者の遊技が行なわれてしまうと、次の遊技者が基準値までに得ることが可能な付与価値が少なくなってしまうといった不利益が生じる。このような構成によれば、遊技が終了したと判定された前の遊技者の指標値が初期化される。その結果、上述の不利益を回避することができる。
(6) 上記(1−1)から(5)のいずれかの遊技用装置において、
前記指標値を特定可能(たとえば、遊技機ごとの指標値が特定可能)な記録媒体(たとえば、会員カード、ビジターカード)を受付ける記録媒体受付手段(たとえば、図8のステップS103)をさらに備え、
前記特定手段は、前記記録媒体受付手段によって受付けられた前記記録媒体で特定される他の遊技用装置で特定された指標値と分けて当該遊技用装置における指標値を特定する(たとえば、図8のステップS107において当該カードユニットに対応する遊技機の差玉数が記録されていれば続きから差玉数をカウントするが、差玉数が記録されていなければ差玉数を0からカウントする。)。
遊技者が別の遊技機に移動した場合に、前の遊技機に対応する遊技用装置で特定された指標値の続きから、後の遊技機に対応する遊技用装置で指標値が特定されてしまうと、基準値までに得ることが可能な付与価値が少なくなってしまうといった不利益が生じる。このような構成によれば、他の遊技用装置で特定された指標値と分けて当該遊技用装置における指標値が特定される。その結果、上述の不利益を回避することができる。
(7) 上記(1−1)から(6)のいずれかの遊技用装置において、
前記特定手段によって特定される前記指標値を記録媒体で特定可能(たとえば、持玉数、貯玉数とは別に、記録媒体自体に差玉数、獲得玉数などの値を記録して特定可能にしてもよいし、記録媒体のカードIDから特定可能としてもよい。)にする特定可能化手段(たとえば、図8のステップS133)と、
前記特定可能化手段で前記指標値を特定可能にした記録媒体を特定可能な情報(たとえば、記録媒体のカードID)を記憶する記録媒体特定情報記憶手段(たとえば、図8のステップS132)と、
記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(たとえば、図8のステップS103)と、
前記記録媒体受付手段によって受付けられた記録媒体を特定可能な情報が前記記録媒体特定情報記憶手段に記憶されている場合、初期化された指標値での当該記録媒体の使用を制限する使用制限手段(たとえば、初期化された指標値での当該カードの使用を制限するのであれば、図8のステップS107で示すように指標値を前回値から積算して使用可能としてもよいし、エラー表示をしてカードを排出してもよいし、即、カードを排出してもよい。)をさらに備える。
このような構成によれば、同じ遊技用装置で同じ記録媒体が受付けられた場合に、初期化された指標値での当該記録媒体の使用が制限される。その結果、一旦、他の遊技用装置を利用した後に再度、遊技者が同じ遊技用装置に戻ってきた場合に、最初から指標値が特定されることを制限することができる。
(8) 上記(1−1)から(7)の遊技用装置において、
前記遊技機の初期化に基づいて前記遊技機から出力される初期化信号(たとえば、RAMクリアに基づいて出力されるセキュリティ信号)に応じて前記特定手段によって特定されている前記指標値を初期化する初期化手段(たとえば、図8のステップS134,S136)をさらに備える。
このような構成によれば、遊技機の初期化に基づいて遊技用装置で特定されている指標値が初期化される。その結果、遊技機が初期化された場合にわざわざ遊技用装置で特定されている指標値を初期化する手間を省くことができる。
(9) 上記(1−1)から(8)の遊技用装置において、
前記設定手段は、複数の前記遊技用装置を管理する管理装置からの情報に基づいて前記基準値を設定可能である(たとえば、遊技機ごとの設定を受付けてもよいし、遊技機のグループ、たとえば、島やエリアごとの設定を受付けてもよい。)。
このような構成によれば、管理装置からの情報に基づいて基準値が設定可能となる。このため、複数の遊技用装置の基準値を一度に設定することができる。その結果、基準値の設定の効率化を図ることができる。
(10) 上記(1−1)から(9)の遊技用装置において、
前記遊技用装置は、情報表示装置であり、
記録媒体を受付可能な記録媒体読書装置によって受付けられた記録媒体から読取られた記録媒体識別情報を受信する受信手段(たとえば、データ表示装置がカードユニットからカードIDを受信する。)と、
前記受信手段によって受信された記録媒体識別情報を記憶する記録媒体識別情報記憶手段(たとえば、データ表示装置が受信したカードIDを記憶する。)と、
前記受信手段によって受信された記録媒体識別情報が前記記録媒体識別情報記憶手段に記憶された記録媒体識別情報と一致するか否かを判定する記録媒体判定手段(たとえば、カードIDに変更が無い限り、図8のステップS103でYESと判断されてからステップS131でYESと判断されるまでは、カードIDが一致していると判断される。)とをさらに備え、
前記表示手段は、前記記録媒体判定手段による一致するか否かの判定に基づいた情報をさらに表示する(たとえば、一致する場合には一致しない場合に表示される図9(A)の画面よりも詳細な情報を含む図9(B)の画面を表示する。)。
このような構成によれば、記録媒体読取装置によって読取られた記録媒体識別情報が、情報表示装置に記憶されている記録媒体識別情報と一致するか否かの判定に基づいた情報が表示される。その結果、記録媒体識別情報が既に記憶されている遊技者と、記憶されていない遊技者とで、異なる表示をすることができる。
(11) 遊技機に対応して設けられる遊技用装置(たとえば、各台計数機能付または各台計数装置との通信機能付のカードユニットまたは情報表示装置)を含む遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
前記遊技機での遊技により遊技者に付与された付与価値(たとえば、賞球の数、得点)に基づく指標値(たとえば、差玉数、獲得玉数、遊技点)を特定する特定手段(たとえば、図8のステップS111〜S115)と、
遊技を制限(たとえば、定量に達すると打ち止め、大当りの図柄に応じて遊技が制限)するための処理を実行するか否かを決定するために、前記特定手段によって特定された指標値が基準値に達したか否かを判定する基準値判定手段(たとえば、図8のステップS104,ステップS121)と、
前記基準値判定手段による判定に用いる前記基準値(たとえば、定量。MAXタイプ:30000玉、ミドルタイプ:10000玉、甘デジタイプ:5000玉、2種:3000玉。)を設定可能な設定手段(たとえば、サーバからの一括設定を受付けてもよいし、店員から直接、設定を受付けてもよい。)と、
前記設定手段によって受付けられた前記基準値に基づく表示を行なう表示手段(たとえば、液晶ディスプレイ、7セグメント表示器。図8のステップS116。図9(b)の画面。)とを備える。
このような構成によれば、様々なタイプの遊技機に対して遊技を制限する基準値を適切な値に設定することができ、その基準値を遊技者に知らせることができる。その結果、様々なタイプの遊技機に対して遊技を制限する遊技者への価値付与の基準値を適切に扱うことが可能な遊技用システムを提供することができる。
(12) 遊技機に対応して設けられる遊技用装置(たとえば、各台計数機能付または各台計数装置との通信機能付のカードユニットまたは情報表示装置)を含む遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者を特定する遊技者特定手段(たとえば、図8のステップ104)と、
遊技者特定手段によって特定された遊技者が、以前に前記遊技者特定手段によって特定された遊技者と一致するか否かを判定する遊技者判定手段(たとえば、図8のステップ104)と、
前記遊技機での遊技により遊技者に付与された付与価値に基づく指標値(例えば、差玉数、獲得玉数)を特定する特定手段(たとえば、図8のステップS111〜S115)と、
遊技を制限(たとえば、定量に達すると打ち止め、大当りの図柄に応じて遊技が制限)するための処理を実行するか否かを決定するために、前記特定手段によって特定された指標値が前記基準値(たとえば、定量。MAXタイプ:30000玉、ミドルタイプ:10000玉、甘デジタイプ:5000玉、2種:3000玉。)に達したか否かを判定する基準値判定手段(たとえば、図8のステップS104)と、
前記遊技者判定手段による以前に記憶された遊技者と一致するとの判定および前記基準値判定手段による判定結果に基づいて、遊技を制限するための処理を実行する制限処理手段(たとえば、図8のステップ105で示すように、遊技者が一致し、かつ、定量に達している場合に、定量に到達済みである旨を報知してもよいし、遊技不可である旨を報知してもよい。遊技者が一致し、かつ、定量に達していない場合に、定量までの残数を報知していもよいし、遊技不可である旨を報知してもよい。)を備える。
このような構成によれば、特定された遊技者が以前に記憶された遊技者と一致するとの判定および遊技者に付与された付与価値に基づく指標値が基準値に達したか否かの判定結果に基づいて、遊技を制限するための処理が実行される。その結果、遊技者に付与された付与価値に基づく指標値が基準値に達したことに基づいて遊技を制限する場合において、遊技を一旦やめた同じ遊技機での遊技を適切に制限することが可能な遊技用システムを提供することができる。
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、ホールコンピュータ6からの定量の情報に基づいて遊技用装置に定量が設定されるようにした。しかし、これに限定されず、カードユニット3’やデータ表示装置4などの遊技用装置で、メニュー画面などで店員が定量を設定できるように構成してもよい。
(2) 前述した実施の形態において、ホールコンピュータ6などの管理装置で遊技用装置ごとに定量を何回、達したかを集計するようにしてもよい。この場合に、遊技機のタイプごとに定量に達した平均回数をグラフで比較できるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、図8のステップS104からステップS106で示したように、定量到達フラグが記録されているカードが、当該定量到達フラグに対応する遊技機の遊技用装置で受付けられた場合、遊技が制限されるようにした。しかし、これに限定されず、定量到達フラグが記録されたカードは、当該定量到達フラグに対応しない遊技機の遊技用装置でも、遊技が制限されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、持玉数について、定量が設定された遊技機で得られた持玉数と、定量が設定されていない遊技機で得られた持玉数とを区別しないようにした。しかし、これに限定されず、区別するようにしてもよい。この場合、定量が設定された遊技機で得られた持玉数は、他の遊技機で使用することができないように設定できるように構成してもよい。
(5) 前述した実施の形態において、確変状態において別のカードが受付けられた場合は、エラーを報知するようにしてもよい。これにより、定量に達することを回避するために複数のカードを不正に使用することを防止することができる。
(6) 前述した実施の形態の図8のステップS123で示したように遊技機IDと定量到達フラグとをカードに記録するようにした。また、ステップS133で示したように遊技機IDと差玉数とをカードに記録するようにした。しかし、これに限定されず、遊技機IDと定量と差玉数とを対応付けてカードに記録するようにしてもよい。この場合、定量に差玉数が達していれば定量到達フラグと同じ意味となる。
(7) 前述した実施の形態において、ホールコンピュータ6、カード管理装置(T−BOX)7、および、持玉管理コンピュータ8などの管理装置によって実行される機能は、それぞれ、他の管理装置で実行されるようにしてもよい。また、ホールコンピュータ6、カード管理装置(T−BOX)7、および、持玉管理コンピュータ8などの管理装置によって実行される機能のうち少なくとも2つの管理装置によって実行される機能を1つの管理装置で実行されるようにしてもよい。
(8) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。